JP2018520131A - 新規ペプチド及びその用途 - Google Patents

新規ペプチド及びその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP2018520131A
JP2018520131A JP2017565710A JP2017565710A JP2018520131A JP 2018520131 A JP2018520131 A JP 2018520131A JP 2017565710 A JP2017565710 A JP 2017565710A JP 2017565710 A JP2017565710 A JP 2017565710A JP 2018520131 A JP2018520131 A JP 2018520131A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
cancer
pharmaceutically acceptable
present
acceptable salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017565710A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6484839B2 (ja
Inventor
チン キム,ヘ
チン キム,ヘ
スン ファン,トゥク
スン ファン,トゥク
チョン ムン,ウン
チョン ムン,ウン
Original Assignee
エンソル バイオサイエンス インコーポレイテッド
エンソル バイオサイエンス インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エンソル バイオサイエンス インコーポレイテッド, エンソル バイオサイエンス インコーポレイテッド filed Critical エンソル バイオサイエンス インコーポレイテッド
Publication of JP2018520131A publication Critical patent/JP2018520131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6484839B2 publication Critical patent/JP6484839B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/08Peptides having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

本発明は、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、または薬学的に許容可能なその塩とその用途に関する。本発明によれば、癌を効果的に治療または予防することができる。

Description

本発明は、新規ペプチドに関し、より詳細には、新規ペプチドとその用途に関する。
癌(または腫瘍)は、生体組織内でコントロールできない細胞増殖が原因である。癌細胞は、周囲の組織に侵入したり、他の臓器に転移して多くの場合、死に至る。
このような癌を治療する方法には、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法などがあり、抗癌効果を奏するペプチドに関する研究が進められている(国際公開第2007/133033号)。
国際公開第2007/133033号、2007年11月22日、要約
したがって、本発明の目的は、関連技術で発生する前記問題を鑑みてなされたものであり、新規なペプチドを提供することにある。
また、本発明の目的は、前記ペプチドの新規用途を提供することにある。
前述していないまた他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列(QLHLD)からなるペプチド、または薬学的に許容可能なその塩を提供する。
前記アミノ酸配列において、Qはグルタミン(Gln)を示し、Lはロイシン(Leu)を示し、Hはヒスチジン(His)を示し、Dはアスパラギン酸(Asp)を示す。
前記ペプチドを構成するアミノ酸は、L−、D−、及びDL−体を含み、これらはいずれも本発明に含まれる。また、Aspは、アミノ酸としてアスパルテート(Aspartate)だけでなく、アスパーティックアシッド(Aspartic acid)を含む意味を有すると解釈できるのは自明である。
前記ペプチドは、本発明によるペプチド構造の一部が主な活性の変化なしに自然的突然変異または人工的突然変異によって変異した変異体を含む。
前記薬学的に許容可能な塩の例は、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、及びp−トルエンスルホン酸塩を含み得る。
本発明は、また本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩の医薬用途、好ましくは、抗癌用途、より好ましくは、癌の治療または予防のためのものを提供する。「治療」は、癌に関連する症状の減少または軽減を包括的に意味し、「予防」は、疾病前の症状がない段階から疾病への進行の抑制を含む包括的な意味として使用される。
前記癌は、転移性癌であり得る。
本発明において、前記抗癌効果は、癌細胞の浸潤及び転移の中から選ばれた少なくとも一つを抑制することで奏され得る。
したがって、本発明は、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を含む抗癌用組成物を提供する。また、本発明は、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を含む癌の治療または予防用の組成物を提供する。前記癌の治療または予防は、癌細胞の浸潤及び転移の中から選ばれた少なくとも一つを抑制することによりなされ得る。前記組成物は、薬学組成物であり得る。
前記薬学組成物は、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を有効成分として含む。
また、前記薬学組成物は、薬学的に許容される添加剤をさらに含み、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩及び前記添加剤からなる。
本発明のペプチドは、ペプチド化学分野において通常用いられる方法により製造され得る。例えば、ペプチドは、Schroder and Lubke、「The Peptides」第1巻、Acadmeic Press、New York(1965)に記載された方法により製造されるか、液相合成または固相合成のような方法により製造され得る。
ペプチド結合を形成するためのプロセスの例は、アシルアジド法、アシルハライド法、アシルイミダゾール法、カルボジイミド法、ホスホニウム法、無水物法、混合無水物法、酸化−還元法、及びウッドワードの試薬Kの使用を含み得る。
縮合反応を行う前に、反応に関与しないカルボキシル基、アミノ基などは保護され得、縮合反応に関与するカルボキシル基は、当分野における公知の方法で活性化され得る。
カルボキシル基を保護する官能基の例は、メチル、t−ブチル (tert−ブチル)、アリール、ペンタフルオロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、及びメトキシエトキシメチルなどのエステル−形成基を含み得る。
アミノ基を保護する官能基の例は、トリチルカルボニル、アリールオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、トリクロロエチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル(tert−butoxycarbonyl)、及び/または9−フルオレニルメチルオキシカルボニルを含み得る。
カルボキシル基の活性形態の例は、混合無水物、アジド、アシルクロライド、及び活性エステル[アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−ヒドロキシコハク酸イミド、N−ヒドロオキシフタルアミド、または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)とのエステル]を含み得る。
ペプチド結合を形成するための縮合反応に使用できる溶媒は、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、アセトン、ニトロメタン、シクロヘキサン、エーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、水、メタノール、及びエタノールを含み、単独または組み合わせて使用し得る。
反応温度は、約−70〜100℃の範囲、好ましくは−30〜30℃の範囲である。
ペプチド保護基を除去するための脱保護反応は、保護基の種類によって、ペプチド結合に影響を与えずに保護基を離脱させる酸化合物、塩基化合物、または遷移金属を用いて行われ得る。
例えば、塩化水素、臭化水素、フッ化水素、酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリメチルクロロシラン、またはこれらの混合物を用いた酸処理によって脱保護反応が行われ得る。
酸処理で脱保護反応が行われ得るとき、アニソール、フェノールまたはチオアニソールのような補助剤の添加により反応が促進され得る。
また、脱保護反応は、例えば、アンモニア、ジエチルアミン、ヒドラジン、モルホリン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、炭酸ナトリウム、またはこれらの混合物を用いた塩基処理によって行われ得る。
また、脱保護反応は、例えば、亜鉛、水銀、パラジウム/水素などを利用した遷移金属の処理によって行われ得る。
反応完了後、ペプチドは、抽出、層分離、固体沈殿、再結晶またはカラムクロマトグラフィーのような通常の精製プロセスを用いて精製され得る。
また、本発明のペプチドは、通常の方法を用いてその変異体または薬学的に許容可能なその塩に転換し得る。
本発明によるペプチドは、自動ペプチド合成装置を用いて合成されるか、遺伝子操作技術によって生産され得る。例えば、遺伝子操作により融合パートナーと本発明のペプチドからなる融合タンパク質をコードする融合遺伝子が製造されてから、宿主微生物を形質転換させることに用いられ、宿主微生物で融合タンパク質が発現した後、タンパク質分解酵素または化合物を用いて、本発明のペプチドが融合タンパク質から切断または分離され、所望するペプチドが生産される。
前記ペプチド、または薬学的に許容可能なその塩は、200〜500mg/日、好ましくは267ないし400mg/日の量で非経口投与される。前記投与されるペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩は、成人(約60kg)のためのものであり得る。経口投与の場合、投与量は、非経口投与量の2〜5倍に相当する。本発明のペプチドは、主に非経口経路、例えば、局所注射、静脈または皮下注射、大脳内または脊髄内投与、または鼻噴投与もしくは直腸内投与によって投与し得る。場合によっては、経口投与が可能である。
本発明のペプチドまたは組成物は、薬学的に許容される添加剤と共に製剤化して注射剤、坐剤、粉末、点鼻剤、顆粒、または錠剤の形態で製剤化できる。
薬学的に許容される添加剤は、当業者に周知の各種因子、例えば、特定の生理活性物質、その濃度、安定性、及び意図された生体利用性;治療しようとする疾患及び疾病または状態;治療を受ける個体、年齢、サイズ、及び一般的な健康状態;及び組成物の投与経路、例えば、鼻腔、口腔、眼球、局所、経皮及び筋肉経路によって適用され得るが、本発明はこれに限定されない。経口投与経路の他に、生理活性物質の投与に用いられる薬学的に許容可能な添加剤には、D5W(水の中で5%グルコース)、デキストロース及び生理学的塩を容積の5%以内に含む水溶液を含み得る。病巣内局所注射の場合、治療効果を増進させ、持続時間を増加させるため、多様なの注射可能なヒドロゲル(hydrogel)が使用され得る。薬学的に許容可能な添加剤は、保存剤及び抗酸化剤のような活性成分の安定性を強化するための追加の成分を含み得る。本発明のペプチドまたは組成物は、当該分野の適切な方法により製造され得、例えば、Remington’s Pharmaceutical Science、Mack Publishing Company、Easton PA(最近版)に開示されている方法により、各疾患または成分に合わせて好ましく製剤化され得る。
本発明のペプチドは、生理食塩水に保存し得、またはマンニトールまたはソルビトールの添加後、アンプル(ampoule)の中で凍結乾燥し得、生理食塩水に溶解させた後、投与し得る。
本発明は、また、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を、投与を必要とするヒトを含む哺乳類に投与することを含む癌の治療または予防法を提供する。また、本発明は、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩の抗癌剤の製造、好ましくは癌の治療または予防用の製剤の製造用途を提供する。前記癌の治療または予防は、癌細胞の浸潤または転移の中から選ばれた少なくとも一つを抑制することによりなされ得る。前記投与されるペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩は、有効量のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩であり得る。
特に言及しない限り、本発明のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩、用途、組成物、及び方法に記載された事項は、互いに矛盾しない限り、同一性の範囲で互いに適用される。
本発明により効果的に癌の治療または予防をすることができる。
本発明の一実施例の癌細胞の浸潤に及ぼす効果を示すグラフである。 本発明の一実施例の癌細胞の転移に及ぼす効果を示すグラフである。 本発明の一実施形態による抗癌効果を示すグラフである。 本発明の一実施形態による抗癌効果を示すグラフである。
以下、本発明をよりよく理解するために実施例及び製造例を示すが、これらの実施例及び製造例は、単に本発明を説明するために記載されているだけであり、本発明は下記の実施例や製造例により限定されない。
「抗癌」は、癌の治療または予防能力を意味し、特に抗癌効果は、癌細胞の浸潤及び転移の中から選ばれた少なくとも一つを抑制することにより奏され得る。
以下、実施例で使用された試薬は、市販されている最良の製品であり、別途記載がない限り、Sigma−aldrich社から購入したものである。
<実施例1>ペプチドの製造
配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド(QLHLD:配列番号1)は、アニジェン(株)(AnyGen Co.、Ltd.、大韓民国)によって製造された。具体的には、Fmoc(9−fluorenyl−methoxycarbonyl)の化学的な性質を用いた固相法(solid phase method)によって合成された。より具体的には、固相樹脂(Wang resin; Sigma−aldrich社)0.55mmol/gで、ペプチドのC−末端に結合された。Fmoc−Phe−OHのアミノ酸のカップリング(coupling)は、O−ベンゾ−トリアゾール−N,N,N´,N´−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェイト(HBTU)と共に行われた。アミノ酸側鎖は、tert−ブチルとtert−ブチルオキシカルボニルで保護された。脱保護(Deprotection)とレジン(resin)の分離は、トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)と水を95:5(v/v)の割合で混合した溶液を使用して室温で3時間実施した。粗(Crude)ペプチドは、ジエチルエーテル(diethylether)で繰り返して洗浄した後、真空乾燥し、島津5μmShimpak ODS C18 column(20x250mm)を使用して逆相高速液体クロマトグラフィー{reverse−phase hiph−performance liquid chromatography;RP−HPLC}法で精製した。精製されたペプチドは、Shimpak5μmODS C18 column(4.6x250mm)を用いて分析用逆相高速液体クロマトグラフィー(analytical RP−HPLC)法で確認した。合成されたペプチドの分子量は、マトリックス−支援レーザー脱離イオン化マススペクトロメーター{matrix−assisted laser desorption ionization(MALDI)−mass spectrometer}(Axima CFR、Kratos Analytical、Manchester、UK)を用いて測定した。
<実施例2>癌細胞の浸潤阻害効果の評価
実施例1のペプチドにより癌細胞の浸潤(invasion)が阻害されるかを実験的に評価した。具体的には、実施例1のペプチドが癌細胞の浸潤を阻害する効果を評価するため、トランスウエルインベイジョンアッセイ(Transwell invasion assay)を実施した。トランスウエル(Corning cat#3422、Tewksbury MA、米国)の上部チャンバーに培地{RPMI1640培地(Welgene Inc.、大韓民国)}で成長因子軽減マトリゲル(Matrigel)(BD Biosciences、Franklin Lakes、NJ、米国)を1:1に希釈して70μlを添加した後、37℃、COインキュベーターで1時間コーティングプロセスを経た。10%ウシ胎児血清(FBS、Cellgro cat#35−015−CV、米国)を含む培地{RPMI1640培地(Welgene Inc.、大韓民国)}500μlを下部チャンバーに添加した後、実験群は、TGF−β1(PromoKine、ドイツ)10ng/mlを添加した。コートされた上部チャンバーを下部チャンバーに取り付けた後、甲状腺癌細胞であるSNU−790(韓国細胞株銀行)2万と共に0.5%FBSを含むRPMI1640培地100μlを上部チャンバーに添加した。このような方法で、陰性対照群及び2種の実験群を用意した。実験群は、それぞれ実施例1のペプチドが40μM、及び100μM処理され、陰性対照群では実施例1のペプチドが処理されなかった。また、対照群は、TGF−β1(Transforming growth factor beta1)を添加しないことを除いては、陰性対照群と同様の方法で用意した。
実験群、対照群、陰性対照群は、それぞれ2日間37℃、COインキュベーターで培養された。培養が終わった後、綿棒で上部チャンバー内に残っている細胞は、完全に除去した。上部チャンバー膜の外表面に付着している細胞は、DPBS(Dulbeco’s Phosphate−Buffered Saline)で5分間洗浄した後、100%メタノールで−20℃で5分間固定させた後、マイヤーヘマトキシリン(Mayer’s Hematoxylin)溶液(Sigma−aldrich社製)で15分間染色した後、水道水で5分間洗浄した後、100%エタノールで5分間固定した後、エオシンY(eosin Y)溶液で15分間染色した。最後に、100%エタノールで洗浄した後、細胞が付着されている膜をブレードで切り取ってスライドに置き、顕微鏡で観察した。ランダムに選ばれた4つの領域を撮影し、その領域の細胞数を数えて平均し、グラフ化した。図1は、前記結果を示すグラフであり、x軸はそれぞれの群を示し、y軸は浸潤した細胞の数を示す。図1に示すように、TGF−β1によって増加した癌細胞の浸潤が実施例1のペプチドによって濃度依存的に抑制されることが分かる。
したがって、本発明のペプチドは、癌細胞の浸潤抑制に効果的であり、それによって抗癌効果を示す。
<実施例3>生体内(in vivo)癌細胞の転移抑制効果の評価
実施例1のペプチドにより癌細胞の転移が抑制されるかを実験的に評価した。具体的には、実施例1のペプチドが癌細胞の転移を抑制する効果を評価するため、4T1マウス乳癌細胞(ATCC CRL−2539、米国)を用いた肺転移モデルを用いて実験を行った。実施例1のペプチドを雌BALB/cマウス(SPF、SLC/日本)の尾の尾静脈に注射した。実験群は、投与濃度によって3群;低濃度{40μg/頭(head)}、中濃度{80μg/頭(head)}、高濃度{120μg/頭(head)}に分けた。実施例1のペプチドが投与されないことを除いては、陰性対照群は、実験群と同様に処理した。1次投与の翌日、4T1細胞(1.5x10 cells/head)をマウスの尾の尾静脈に注入した。1時間後に、実施例1のペプチドを2次投与した。ペプチド投与は、2次の投与日から最終投与日まで総3週間週3回(月曜日、水曜日、金曜日)実施した。マウスの体重は、週2回測定し、剖検は、癌細胞注入後21日目に行った。肺組織を摘出してブアン液(Bouin’s solution)で染色及び固定した後、転移性腫瘍結節の数を測定した。また、実施例1のペプチド及び4T1細胞を注入しないことを除いては、実験群と同様に処理した群(正常群)を対照群として用意した。その結果を図2に示した。図2のグラフにおいて、x軸はそれぞれの群を示し、y軸は腫瘍結節の数を示すように作成した。また、nはそれぞれ群別の個体数を示し、Pは有意確率を示す。図2に示すように、実施例1のペプチドを中農度と高濃度で投与した実験群において、腫瘍結節の数が有意に(P<0.001)減少した。特に、その中で中濃度のペプチドを投与した実験群では、癌転移の抑制効果が最も高かった。
したがって、本発明のペプチドは、癌細胞の転移を抑制する効果があり、それにより抗癌効果を奏する。
<実施例4>抗癌効果の評価I
実施例1のペプチドの抗癌効果を実験的に評価した。具体的には、実施例1のペプチドが癌で苦しむ生存している個体に与える影響を評価するため、実施例3と同様の方法で用意した動物モデルを用いて生存率を測定した。
剖検及びそれ後の処理を除いては、実施例3と同様の方法で陰性対照群と実験群を用意した。生存率の測定のため、各群に対する生存率を観察して記録した。その結果を図3に示した。図3は、生存率を示すグラフであり、x軸は投与終了後の日数を示し、y軸は生存率(%)を示す。また、nはそれぞれ群別の個体数を示す。図3に示すように、実施例1のペプチドを中農度と高濃度で投与した実験群において、陰性対照群が死亡した後にも一部の個体が生存した。その中で、特に中濃度のペプチドを投与した実験群で生存率が最も高かった。
したがって、本発明のペプチドは、抗癌効果を奏することが分かる。
<実施例5>抗癌効果の評価II
実施例1のペプチドの抗癌効果を実験的に評価した。具体的には、実施例1のペプチドが、癌で苦しむ生存している個体に与える影響を評価するため、B16−BL6マウス黒色腫細胞(韓国細胞株銀行、大韓民国)を適用した動物モデルを用いて生存率を分析した。
B16−BL6細胞{1x10cells/頭(head)}を7週齢の雄C57BL/6Jマウス(Orientbio Inc.、大韓民国)の皮下に注入した。1週間後、実施例1のペプチドを腹腔内に投与した。実験群は、投与濃度によって3群;低濃度{40μg/頭(head)}、中濃度{80μg/頭(head)}、高濃度{120μg/頭(head)}に分けた。陰性対照群は、実施例1のペプチドを投与しないことを除いては、実験群と同様に処理した。投与は、最初の投与日から週2回の頻度で2週間繰り返し投与した後、週1回の頻度で4週間繰り返し投与して合計8回投与した。生存率の分析のため、各群に対する生存率を観察記録した。その結果を図4に示した。図4は、生存率を示すグラフであり、x軸は癌細胞注入後の日数を示し、y軸は生存率(%)を示す。また、nはそれぞれの群別の個体数を示し、Pは有意確率を示す。図4に示すように、実施例1のペプチドを投与した実験群では、陰性対照群が死亡した後にも、一部の個体が生存した。特に、その中で中濃度のペプチドを投与した実験群で生存率が最も高かった。
結果的に本発明のペプチドは、抗癌効果を奏することが分かる。
<製造例1>注射剤の製造
実施例1と同様の方法で製造したペプチド500mgを生理食塩水に溶解して10mlの溶液とした。前記溶液を注射剤用アンプルに充填して注射剤を製造する。
本発明は、効果的な癌の治療または予防をすることができるので、産業上利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド、または薬学的に許容可能なその塩。
  2. 請求項1のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を含む癌の治療または予防用の薬学組成物。
  3. 前記癌の治療または予防は、癌細胞の浸潤及び転移の中から選ばれた少なくとも一つを抑制することによりなされる請求項2に記載の薬学組成物。
  4. 請求項1のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩の癌治療または予防用の製剤の製造のための用途。
  5. 前記癌の治療または予防は、癌細胞の浸潤及び転移の中から選ばれた少なくとも一つを抑制することによりなされる請求項4に記載の用途。

JP2017565710A 2015-07-23 2016-07-22 新規ペプチド及びその用途 Active JP6484839B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2015-0104332 2015-07-23
KR1020150104332A KR101644982B1 (ko) 2015-07-23 2015-07-23 신규 펩타이드 및 그 용도
PCT/KR2016/008062 WO2017014604A1 (en) 2015-07-23 2016-07-22 Novel peptide and use thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018520131A true JP2018520131A (ja) 2018-07-26
JP6484839B2 JP6484839B2 (ja) 2019-03-20

Family

ID=56708394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017565710A Active JP6484839B2 (ja) 2015-07-23 2016-07-22 新規ペプチド及びその用途

Country Status (10)

Country Link
US (1) US10189875B2 (ja)
EP (1) EP3325499A4 (ja)
JP (1) JP6484839B2 (ja)
KR (1) KR101644982B1 (ja)
CN (1) CN107787325B (ja)
AU (1) AU2016297311B2 (ja)
BR (1) BR112018001207A2 (ja)
CA (1) CA2992971C (ja)
RU (1) RU2693478C1 (ja)
WO (1) WO2017014604A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101995768B1 (ko) * 2019-03-13 2019-07-03 (주)엔솔바이오사이언스 신규 펩타이드 및 그 용도
KR102417762B1 (ko) * 2021-11-17 2022-07-06 주식회사 엔솔바이오사이언스 펜타펩타이드 및 그 용도

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507954A (ja) * 2009-10-23 2013-03-07 スパデリクサー インコーポレイテッド 白血球の血管外遊出またはガン細胞の成長及び/もしくは転移を抑制するポリペプチドまたはその融合蛋白質
KR20130099131A (ko) * 2010-11-02 2013-09-05 인하대학교 산학협력단 암전이를 억제하는 항원 펩타이드, 이를 포함하는 암전이 백신, 암전이 억제 및 치료용 조성물 그리고 암전이 관련 표적물질 및 암전이 억제물질의 스크린 방법
JP2014065680A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Osaka City Univ 癌免疫療法のためのペプチド及びその利用
KR20140123311A (ko) * 2013-04-12 2014-10-22 울산대학교 산학협력단 암 표적용 펩타이드 및 이의 의학적 용도
JP2015510393A (ja) * 2012-01-24 2015-04-09 インター・ケー・ピーティーワイ・リミテッド 癌治療用ペプチド剤

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5039662A (en) 1989-05-10 1991-08-13 Monsanto Peptide with anti-metastasis activity
US5595756A (en) * 1993-12-22 1997-01-21 Inex Pharmaceuticals Corporation Liposomal compositions for enhanced retention of bioactive agents
US6451969B1 (en) 1999-01-15 2002-09-17 The Burnham Institute Methods for inhibiting tumor metastasis, and peptides useful therfor
ITRM20030386A1 (it) * 2003-08-05 2005-02-06 Istituto Naz Per Le Malattie Infettive Lazz Metodo e test diagnostici basati sull'analisi citofluorimetrica dei linfociti t antigene-specifici.
JP2008528635A (ja) 2005-02-01 2008-07-31 アテニュオン,エルエルシー Ac−PHSCN−NH2の酸付加塩
KR100794499B1 (ko) 2006-05-16 2008-01-16 주식회사 프로메디텍 개구린 5로부터 합성 및 제조된 항생 및 항암 신규펩타이드 유도체
KR101029705B1 (ko) * 2010-06-30 2011-04-18 (주)엔솔테크 신규 펩타이드 및 그 용도
CA2822775A1 (en) * 2011-01-04 2012-07-12 Charite Universitatsmedizin Berlin Modulators of il-12 and/or il-23 for the prevention or treatment of alzheimer's disease
KR102067613B1 (ko) * 2013-03-28 2020-01-20 삼성전자주식회사 항 c-Met 항체 및 항 her2 항체를 포함하는 병용 투여용 조성물

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013507954A (ja) * 2009-10-23 2013-03-07 スパデリクサー インコーポレイテッド 白血球の血管外遊出またはガン細胞の成長及び/もしくは転移を抑制するポリペプチドまたはその融合蛋白質
KR20130099131A (ko) * 2010-11-02 2013-09-05 인하대학교 산학협력단 암전이를 억제하는 항원 펩타이드, 이를 포함하는 암전이 백신, 암전이 억제 및 치료용 조성물 그리고 암전이 관련 표적물질 및 암전이 억제물질의 스크린 방법
JP2015510393A (ja) * 2012-01-24 2015-04-09 インター・ケー・ピーティーワイ・リミテッド 癌治療用ペプチド剤
JP2014065680A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Osaka City Univ 癌免疫療法のためのペプチド及びその利用
KR20140123311A (ko) * 2013-04-12 2014-10-22 울산대학교 산학협력단 암 표적용 펩타이드 및 이의 의학적 용도

Also Published As

Publication number Publication date
US20180186834A1 (en) 2018-07-05
JP6484839B2 (ja) 2019-03-20
KR101644982B1 (ko) 2016-08-02
CN107787325B (zh) 2021-09-10
CA2992971A1 (en) 2017-01-26
EP3325499A1 (en) 2018-05-30
US10189875B2 (en) 2019-01-29
WO2017014604A1 (en) 2017-01-26
EP3325499A4 (en) 2018-12-26
CN107787325A (zh) 2018-03-09
RU2693478C1 (ru) 2019-07-03
AU2016297311A1 (en) 2018-01-18
AU2016297311B2 (en) 2018-12-06
BR112018001207A2 (pt) 2018-09-25
CA2992971C (en) 2020-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018508466A (ja) S−アルキル化ヘプシジンペプチドならびにその作製及び使用方法
KR20160089523A (ko) 전립선 암 치료용 조성물
MX2011004019A (es) Conjugados de etoposido y doxorubicina para entrega de farmacos.
EP2552470B1 (en) Peptides for promoting angiogenesis and an use thereof
JP6484839B2 (ja) 新規ペプチド及びその用途
CN105524139A (zh) 高活性的肿瘤抑制剂及其制法和应用
US20200085905A1 (en) Method of treating overweight or obesity comprising administering a pleurotus ostreatus mushroom extract or a composition comprising a pleurotus ostretus mushroom extract
TW201302214A (zh) 治療或預防皮膚癌之類鋅手指胜肽、其表現質體、及包含其之醫藥組成物
KR102017973B1 (ko) 항-b형 간염 바이러스 x 단백질 폴리펩티드 약제
AU2019202876B2 (en) Administration of Recombinant Collagen 7 for the Treatment of Age Related Disorders
JP2020525478A (ja) 医薬的特性が改善されたプロドラッグペプチド
EP4223305A1 (en) Wnt signaling pathway inhibitor
US11820837B2 (en) Modified peptides and associated methods of use
US9408888B2 (en) High affinity bivalent helically constrained peptide against cancer
JP6858325B2 (ja) 新規ペプチド及びその用途
JP7357292B2 (ja) 癌治療用ペプチド
US20140005119A1 (en) COMPOSITIONS AND METHODS FOR INHIBITING THE ACTIVITY OF P110a MUTANT PROTEINS
KR20240041399A (ko) 항암 활성을 갖는 신규한 펩타이드 및 이의 용도
KR101943852B1 (ko) 신규 펩타이드 및 그 용도
KR20220071357A (ko) 난소암 예방 또는 치료를 위한 복강 내 투여용 조성물
KR20200113476A (ko) 신규 화합물 및 이를 포함하는 암의 예방 또는 치료용 의약 조성물
CN111732631A (zh) 一种多肽及其在制备治疗和预防肿瘤的药物中的应用

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6484839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250