JP2018519872A - 暗視野・位相コントラストイメージングをスキャンするためのビーム硬化補正 - Google Patents

暗視野・位相コントラストイメージングをスキャンするためのビーム硬化補正 Download PDF

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Abstract

スキャン方式位相コントラスト又は暗視野画像化装置(MA)により供給される画像データを処理する装置及び関連方法である。位相コントラスト及び暗視野画像化におけるビーム硬化アーティファクトの減少は、装置(MA)の画像化領域の同じ画像ピクセル位置またはジオメトリ光線に信号を寄与する複数の検出器読み取り値に対して、ビーム硬化処理モジュール(BHC)によるビーム硬化処理動作を適用することにより行われる。一実施形態では、ファントムボディ(PB)を用いて、ビーム硬化処理が基づく較正データを取得する。

Description

本発明は、画像信号処理システム、スキャン型の微分位相コントラスト及び/又は暗視野イメージング装置によって供給されるデータを処理する方法、較正データを生成する方法、スキャン型微分位相コントラスト又は暗視野像イメージング装置、コンピュータプログラム要素、およびコンピュータ可読媒体に関する。
スキャン型マンモグラフィシステムのようないくつかのスキャン型イメージングシステムでは、イメージングされるオブジェクトは、イメージングシステムの検出器の動きによってスキャンされる。これらのスキャン型イメージングシステムのいくつかは、格子に基づく位相コントラストまたは暗視野イメージングを可能にする干渉計装置を含む。例えば、非特許文献1を参照されたい。
位相コントラストイメージングにおける命題は、検出器で検出される放射強度が、減衰に関する情報をエンコードする(従来のX線イメージングはこれに基づく)だけでなく、イメージングされるオブジェクトを放射線が通過する際に影響を受ける小角散乱だけでなく屈折に関する情報も保持することである。
スキャンに基づく位相コントラストまたは暗視野イメージングは、スキャン運動のために、画像情報の冗長性が生じることにより、複雑になる。位相コントラストまたは暗視野コントラストに関する画像情報は、複数のピクセルにわたって「広がる(spread out)」。また、位相コントラストおよび暗視野イメージング装置は時にアーティファクトに悩まされることが観察されている。
C. Kottler et al著「Grating interferometer based scanning setup for hard x−ray phase contrast imaging」(Rev. Sci. Instrum. 78,043710(2007)
それゆえ、スキャン方式の位相コントラスト及び暗視野画像化におけるビーム硬化効果アーティファクを減少させる役に立つ方法及び関連システムが必要である。
本発明の目的は、独立請求項の主題により達成され、さらに別の実施形態は従属請求項に記載されている。留意点として、本発明の下記の態様は、スキャン方式の差動位相コントラスト及び/又は暗視野画像化により供給されるデータを処理する方法と、画像化装置と、コンピュータプログラムと、コンピュータ可読媒体とに等しく当てはまる。
本発明の第1の態様による画像信号処理システムは、放射線を放射するX線源と、放射線を検出する検出器と、少なくとも部分的に前記X線源及び前記検出器の間に配置された干渉計とを有する、スキャン方式の差動位相コントラスト及び/又は暗視野イメージャにより供給されるデータを処理する画像信号処理システムであって、
− まったく同一のジオメトリ光線に対応する強度値miの形式でデータを受信する入力ポートであって、前記強度値miの取得は、(i)オブジェクトの前記イメージャによるスキャン動作において前記検出器の異なる検出器ピクセルを用いて、又は(ii)前記干渉計の少なくとも一部がスキャン動作において単一の検出器ピクセルを通って動かされる間に前記単一の検出器ピクセルを用いて行われる、入力ポートと、
− 前記ジオメトリ光線ごとの画像ピクセル位置について、前記強度値miに対してビーム硬化処理動作を適用し、前記画像ピクセル位置の基準強度と基準可視性とのうち少なくとも1つを含む少なくとも1つの干渉基準パラメータを取得するように構成されたビーム硬化処理コンポーネントと、
− 前記強度値と前記少なくとも1つの干渉基準パラメータとから、位相信号と暗視野信号のうち少なくとも1つを再構成するように構成された再構成器と、
− 前記位相信号と前記暗視野信号とのうち少なくとも1つを出力する出力ポートとを有する。
一実施形態では、前記ビーム硬化処理動作は、(i)前記ジオメトリ光線に沿って前記放射が受ける平均減衰、及び/又は(ii)画像化されるオブジェクトの特性に関係するインジケータパラメータの関数として、前記強度値について、前記少なくとも1つの干渉基準パラメータを計算することを含む。
一実施形態では、前記インジケータパラメータは、(i)受信された強度miから再構成された平均減衰の推定値、又は(ii)前記平均減衰の代替物を含む。
一実施形態では、前記インジケータパラメータと前記少なくとも1つの干渉パラメータとの間の関数関係は、検出器ピクセルごとに異なる。
一実施形態では、前記関数関係は、(i)構成データから集積された一以上のルックアップテーブル、または(ii)一以上の関数表現としてエンコードされる。
一実施形態では、前記後進データは、(i)ブランクスキャンとあるファントム厚による少なくとも1つのファントムスキャン、又は(ii)異なるファントム厚による複数のファントムスキャンにおいて、前記イメージャにより取得された構成検出器読み取り値から導かれる。
一実施形態では、前記ファントムは厚さが調整可能であり、異なる厚さを実現するように構成されている。
一実施形態では、前記少なくとも1つの基準干渉パラメータは、検出器ピクセルごとに、可視性と入力強度とのうち少なくとも1つを含む。
第2の態様による装置は、上記のいずれかに記載の画像処理システムを含むスキャン方式差動位相コントラストDCPI又は暗視野画像化装置を提供する。
要約すると、暗視野または位相コントラスト画像化のための一以上の基準パラメータを効率的に計算するシステムを提案し、画像化情報は、(例えば、検出器をスキャンするとき)異なる検出器ピクセルにわたり「空間的に」広がり、又は(検出器が静止しているとき、スキャン動作が、干渉計の少なくとも一部(例えば、格子構造)を動かすことにより実現されるとき)(単一の)検出器ピクセルの異なる測定インスタンスにわたり「時間的に」広がっている。このように取得される基準パラメータにより、位相コントラスト及び/又は暗視野画像化の再構成が可能となり、ビーム硬化アーティファクトが低減または除去される。
第3の態様による方法は、放射線を放射するX線源(XR)と、放射線を検出する検出器と、少なくとも部分的に前記X線源及び前記検出器の間に配置された干渉計とを有する、スキャン方式の差動位相コントラスト及び/又は暗視野イメージャにより供給されるデータを処理する方法であって、
− まったく同一のジオメトリ光線に対応する強度値miの形式でデータを受信するステップであって、前記強度値miの取得は、(i)オブジェクトの前記イメージャによるスキャン動作において前記検出器の異なる検出器ピクセルを用いて、又は(ii)前記干渉計の少なくとも一部がスキャン動作において単一の検出器ピクセルを通って動かされる間に前記単一の検出器ピクセルを用いて行われる、ステップと、
− 前記ジオメトリ光線ごとの画像ピクセル位置について、前記強度値miに対してビーム硬化処理動作を適用するステップであって、前記画像ピクセル位置の基準強度と基準可視性とのうち少なくとも1つを含む少なくとも1つの干渉基準パラメータを取得する、ステップと、
− 前記強度値と前記少なくとも1つの干渉基準パラメータとから、位相信号と暗視野信号のうち少なくとも1つを再構成するステップと、
− 前記位相信号と前記暗視野信号とのうち少なくとも1つを出力するステップとを含む。
第4の態様による方法は、位相コントラストのスキャンまたは暗視野画像化においてビーム硬化効果処理をする較正データを生成する方法であって、
− 異なる位相コントラストイメージャのスキャン検出器又はX線源で、(i)ブランクスキャン及びあるファントム厚での少なくとも1つのファントムスキャン、又は(ii)異なるファントム厚での複数のファントムスキャンにおいて較正検出器読み取り値を取得するステップと、
− 検出器ピクセルごとに、かつファントム厚またはブランクスキャンごとに、前記較正検出器読み取り値から干渉基準パラメータを再構成するステップと、を含む。
一実施形態では、前記方法は、画像ピクセルごとに、かつファントム厚またはブランクスキャンごとに、異なるファントム厚またはブランクスキャンにより異なる平均減衰レベルを示すインジケータパラメータを再構成するステップをさらに含む。
一実施形態では、本方法は、ファントム厚またはブランクスキャンに応じて、前記インジケータパラメータに関連づけて、前記干渉基準パラメータを記憶するステップをさらに含む。
本発明は、病院などの医療環境における有用な応用が可能である。より具体的には、本発明は、患者の医学的診断のための、マンモグラフィー、診断放射線医学、侵襲的放射線医学、及びコンピュータトモグラフィ(CT)などの画像化モダリティにおける応用に非常に適している。また、本発明により、産業的環境における有用な応用が可能である。より具体的には、本発明は、非破壊検査(例えば、生物学的及び非生物学的試料の組成、構造及び/又は品質に関する分析など)、及びセキュリティスキャン(例えば、空港における手荷物のスキャンなど)に非常に適している。
添付図面を参照して、本発明の実施形態を以下に説明する。
イメージング装置を示す図である。 図1のイメージング装置のスキャン動作を示す図である。 厚さが異なり、それぞれの検出器読み出しをブランクスキャンとして処理するスキャンファントム本体を概略的に示す図である。 厚さが異なり、それぞれの検出器読み出しをブランクスキャンとして処理するスキャンファントム本体を概略的に示す図である。 異なる検出器ラインにおけるビーム減衰に対し、検出器で検出される強度を示すルックアップテーブルである。 フリンジ可視性に対する、各検出器ラインにおける測定されるビーム減衰を示すルックアップテーブルである。 位相コントラストイメージング装置または暗視野イメージング装置によって供給される検出器データを処理する方法を示すフローチャートである。 スキャン型位相コントラストイメージングまたは暗視野イメージングにおけるビーム硬化処理/補正のための較正データを生成するマップを示す図である。 一実施形態による厚さが可変であるファントム本体を示す図である。
図1を参照して、位相コントラストまたは暗視野イメージング用放射線造影装置MAが示されている。一実施形態では、位相コントラストイメージング装置は、スキャナタイプのマンモグラフィー装置であるが、言うまでもなく、以下の発明は、例えば、コンピュータトモグラフィCTスキャナなどの位相コントラストまたは暗視野イメージングのための他のスキャン型放射線イメージング装置に同様に応用することができる。マンモグラフィーは、本明細書において例示される非限定的な1つの応用分野に過ぎない。言うまでもなく、本明細書で使用する「アーム」という用語は、CTスキャナシステムにおける回転可能ガントリーに対応する。
イメージングシステムMAは、適切なインタフェース手段を介し、かつ通信ネットワークを介して、ワークステーションWSに接続されている。一般に、ワークステーションWSは、臨床医(「ユーザ」)がイメージングシステムの動作を制御することができる計算システムである。一実施形態によれば、表示ユニットまたはモニターMもあり、これはワークステーションWSによって制御され、イメージングシステムによって取得される画像の表示を可能にする。ワークステーションWSはオペレーティングシステムを実行する。このオペレーティングシステムは画像信号処理システムSPSの実行を制御する。その動作は以下により詳細に説明される。
マンモグラフィー装置MAは、X線源XRが取り付けられたペデスタルPDを含む。X線源は、その焦点スポットFSPの周りを回転可能である。ペデスタルPDは、回転可能な中空アームRAを有する回転可能なガントリーを支持する。アームRSは、焦点FSを中心に回転可能である。マンモグラフィー装置MAは、干渉計INFを含む。干渉計は、一実施形態では、3つの格子を含むが、2つの格子のみを有する他の実施形態も想定される。一実施形態では、アーム/ガントリーは、以下でより詳細に説明するように、位相コントラストおよび/または暗視野イメージング能力を共に提供する2つ以上の干渉格子(光源格子G0、およびπ位相格子G1および/またはアナライザ格子G2)を含む。G1は、π/2位相格子または他の適切な位相格子であってもよい。位相格子の代わりにG1に吸収格子(absorber grating)を使用することも、好ましくはないが可能である。位相格子が医療用途における好ましい実施形態であるが、G1の吸収体バージョンは非医療分野で要求される可能性がある。
アームARの下端部には、放射線源XRによって放射された放射線を検出する放射線感知面を備えた検出器プレートDが取り付けられている。また、アームの下部には、それ自体が検出器プレートの上に取り付けられた格子取り付け部(gratings mounting)GMが含まれている。取り付け部は、1つまたは2つ(好ましくは2つ)の格子G1、G2を保持し、G1をG2の上部に保持され、両者は検出器プレートの上に保持され、特に両方の格子は検出器プレートDの放射線検知面の上に取り付けられる。光源格子G0は、アームの上端にあるX線源XRの出口窓に配置されている。また、一実施形態において含まれ、アームによって担持されるものとして、マルチコリメータ装置、好ましくはプリコリメータPRCおよびポストコリメータPSCがある。ポストコリメータは、散乱を除去するか、または少なくとも低減するように作用するが、このコンポーネントは、ある実施形態では、同様に散乱を除去/低減するG2格子として残されてもよい。干渉計装置INFを再び参照して、想定される実施形態は、(例えばG0及びG1のような)2つの格子のみを含み、G2格子は明示的には含まず、(格子G2の)アナライザ機能はイメージング装置MAの他の構成に組み込まれ、及び/又は他の構成に取り込まれていてもよい。例えば、一実施形態では、アナライザ機能は検出器Dに統合される。
マンモグラフィー装置MAのハウジングには、画像化されるべきサンプルオブジェクト、例えば患者の乳房BRに位置決めするための凹部として画定された検査領域(またはイメージング領域)がある。マンモグラフィー装置MAハウジングの一部は、検出器ハウジングを画定し、その上面はイメージングセッション中に患者の乳房BRが配置される乳房支持部BSとして機能し、乳房支持部が検査領域の下方から区切られる。また、乳房支持部に置かれたときに乳房を圧迫するように上下に往復することができる圧迫プレート(compression plate)Pまたはパドルがある。
任意的に、上述のようにアームが回転可能であることに加えて、ガントリー全体は、乳房支持部の高さにおおよそ位置するピボット点の周りを回転可能でもある。これにより、ガントリー全体を傾けて、アクセス角を変えることができ、例えば、(12時の位置における)CC(頭尾方向の)ビューまたはほぼ2時の位置におけるMLO(中外斜位方向の)ビューのような異なるビューにおける選択的なイメージングを提供できる。
光源XRによって放射された放射線は、出口窓を通ってアームに入り、アームを通って検出器に向かう。通過中に、放射波は、第1の格子G0(放射線源格子G0とも呼ばれる)と相互作用して、コヒーレンスを確立する。
簡単に説明すると、放射線の流れは次の通りである:放射波は、1つまたは2つのコリメータによってコリメートされ、検査領域に存在する場合には乳房BRと相互作用し、その後、2つの格子G1、G2と相互作用し、検出器Dに入射する。また、ある実施形態では、乳房BRは格子G1とG2との間に位置する。
マンモグラフィー装置MAは、ブランクスキャンモードまたはオブジェクトスキャンモードの2つの基本モードで動作可能である。オブジェクトスキャンモードでは、これは通常の動作モードであるが、患者の乳房BRまたは他のサンプルが検査領域に配置される。ブランクスキャンモードでは、検査領域内にオブジェクトまたは乳房は存在しない。オブジェクトスキャンの際、検出器読み出し値が取得され、これは画像信号処理システムSPSの再構成器RECONに供給される。再構成器RECONは、誤解を招く可能性があるけれども、「位相回復」動作とも呼ばれることがある干渉再構成動作(本明細書では単に再構成と呼ぶ)において、位相コントラスト投影画像および/または小角散乱(「暗視野」)コントラスト画像と、本目的のために、暗視野信号でもある位相情報と、再構成において読み出される減衰信号とを計算する。モジュールSPSの処理および動作については、以下でより詳細に説明する。
オブジェクトスキャンまたはブランクスキャン中に、アームの下部(及びそれと共に検出器プレートおよび格子取り付け部GM)は、乳房支持部BSの下で検出器ハウジング内を動くようにモーター駆動される。いずれかのモードでは、オブジェクトまたはブランクスキャンでは、焦点スポットFSPを中心としたX線源の回転と同期してアームが動かされ、検出器Dは格子G1およびG2とともに、乳房BRがあれば、その下のスキャナ経路SPをトレースするようになっている。他のスキャン動作の実施形態では、光源XRは回転せず、コリメータのみが回転する。代替的な実施形態(例えば、CTの場合)では、光源・検出器システム全体が患者の周りを回転する。検出器Dは静止したままであるが、移動可能でオブジェクトBRを越えてスキャンされる干渉計INFの少なくとも一部であるようなスキャン動作も想定される。例えば、格子G1及び/又は格子G2は、スキャン中に移動させることができる。一般に、スキャン経路は、図1に示すように円弧であるが、直線スキャン経路もまた他の実施形態で想定される。
一実施形態では、マンモグラフィー装置MAは、単一または複数のスリットまたはスロットシステムである。言い換えれば、検出器Dの放射線感知面は、フォトリソグラフィプロセスまたは他の適切な検出器製造技術によって得られたウェハ基板上にデポジションされた、1つの、又は離散的に構成された複数(例えば8つ)の半導体検出器ラインから形成される。図1の中央正面図では、これらの検出器ライン又はストライプは、並んで配置された紙面に向かって延びている。各検出器ラインは、一直線上に並んだ検出器ピクセルよりなる。コリメータの前後の構成のために、X線ビームは基本的に複数の小さいファンビームに分割され、各ファンビームは、それぞれの検出器ラインのいずれか1つだけを一度だけ照射し、すなわち検出器の動作中に前記ファンビームを通過するものだけを照射する。言い換えれば、検出器ラインはそれぞれのミニファンビームにさらされており、それぞれのミニファンビームはスキャン中に方向を変える。スキャン経路に沿って移動する間に、各検出器ラインは、経路上の異なる位置でそれぞれの読み取り値を生成する。言い換えれば、一実施形態による本マルチスリットシステムでは、全視野が単一のスナップショットで取得される2次元全視野(fov)検出器(略して2D検出器)を有するシステムとは異なり、スキャン動作の完了後に、スキャン中の検出器の連続的な読み出しを使用して、視野の単一の2次元画像を構成することができる。2次元フルfov検出器を備えたシステムでは、検出器ピクセルは、検出器平面上の行と列に構成され、マルチスリット検出器ジオメトリにおけるような離散検出器ラインとして構成されるのではない。マルチスリット検出器タイプが有用であるように、2次元検出器構成がここでは除外されているわけではない。そうではない。言い換えれば、上述の離散検出器ラインを有するマルチスリット検出器タイプに対する代替的実施形態では、部分的または完全なfov 2次元検出器を備えるスキャンジオメトリもまた想定される。(必要ではないが)好ましくは、2次元検出器を有するこの実施形態では、スキャン動作は、1つ以上の格子(例えば、G0および/またはG1および/またはG2)を静止2次元検出器の視野上にわたって移動させることによって達成される。
図2は、マルチスリットスキャン手法における固有の冗長性(一実施形態ではオーダー20の検出器ライン数に等しい)を概略的に示す。検出器ライン(番号1〜5)は、スキャン方向に対して横方向に紙面に垂直に延在している。本明細書で使用される「読み出し値(readouts)」とは、前記検出器ラインがスキャン経路上の所与の位置1にあるとき、所与の検出器ラインに沿ってピクセルによって収集されるデータを意味する。別の言い方をすれば、読み出し値は検出器のライン位置毎に行われる。留意点として、検出器ラインは、図2において明確に区別された線として描かれているが、ラインは連続した2次元ピクセルアレイの一部であってもよい。
各ピクセルまたはラインのローカル位置は、2つの「座標」、すなわち列またはラインのインデックスおよびピクセルインデックスによって特定することができる。ピクセル幅、ピクセル間距離およびライン間距離は既知であり、その経路SP上の任意のインスタンスにおける検出器プレートの位置も既知であるので、各検出器の読み出し値(すなわちピクセル応答)はトラッカ(図示せず)によって「空間的にスタンプ」され得る。各検出器読み出し値は、焦点スポットFSPから検査領域を通って検出器面Dまで延在すると考えられる特定の固定された幾何学的光線と関連付けることができる。そのような幾何学的光線は複数存在し、検査領域の各点に対して、その点を通り、複数の光線が頂点として焦点スポットFPSを有する円錐を形成する幾何学的な光線が存在する。そのような幾何学的な光線の1つを図2に太字で示す。読み出し値に関連する空間的スタンプは、この冗長性を識別することを可能にする。
上記の冗長性は、固定検出器および可動干渉計を備えた実施形態においても現れ、検出器ピクセルごとに、複数の読み取り値が干渉計格子のスキャン経路に沿った異なる位置に対して取得される。
本マンモグラム装置は、位相コントラストイメージングを使用する。換言すれば、前記イメージング装置によって生成される画像のコントラストは、従来のX線システムの場合のように減衰のみに依存するのではなく、放射線波面が胸の中の物質と相互作用するときに影響を受ける位相シフトから生じるコントラストに依存する。位相シフトまたは波の歪みは、画像化される物体の局所的に異なる屈折挙動によって引き起こされる。本明細書で関心のあるコントラストの別の源は、微細構造によって引き起こされる小角散乱(暗視野イメージング)に関する。
しかし、位相シフト自体は、十分な空間的分解能がないので、検出器により検出できない。実際、位相シフトと散乱寄与は、干渉格子を用いて、検出器ラインに沿って適切なセットアップ後に検出可能となる空間的パターン、モアレ画像パターンをサンプリングすることにより、間接的に求められる。モアレパターンは、干渉フリンジの周期性がアナライザ格子G2の構成の周期性からわずかに異なるときに発生する。これは、A. Momose et al著「High−Speed X−ray phase imaging and X−ray phase tomography with Talbot interferometer and white synchrotron radiation」(Optics Express, Vol 17, No 15, pp 12540, (2009))により教示された手法である。最初に、放射線源XRにより放射された放射線の平均波長と、格子G0−G2の好適に選択された各周期性p0、p1、p2との関数として、コリメータと格子は、方向と距離を整列させることにより、検出器ラインに対して、所望のオーダーの所望のタルボット距離(Talbot distance)に注意深く調整される。例えば、T. Donath et al著「Inverse geometry for grating−based x−ray phase−contrast imaging」(J. Appl. Phys. 106, 054703 (2009))を参照されたい。次に、例えば、放射線源格子G0とπ位相格子G1(又はπ/2位相格子)との間の距離を変化させることにより、このタルボットセットアップを注意深く離調させることにより、ブランクスキャン中に検出器ラインに沿って基準モアレパターンが現れる。この基準モアレパターンがどのように検出されるかは、さまざまな検出器のローカルな特徴に依存する。これについては、較正データに関連して後でより詳しく説明する。次に、問題は、オブジェクトスキャンにおける干渉オブジェクトBRがこのモアレパターンを乱すということである。乱れはモアレパターンの位相シフトとして示され、このモアレパターンの位相シフトは、波がオブジェクトBRを通る時に受ける位相シフトの局所勾配に関係することが知られている。そのため、干渉再構成を行えるようにするには、すなわち暗視野信号読み出し及び減衰読み出しとともに位相読み出しを行えるようにするには、モアレパターンの位相(「基準位相」)を知る必要がある。モアレ位相基準と基準可視性は、ブランクスキャンデータを処理して決定される。これについては、式(2)及び(2a)のところでより詳しく説明する。
以前の位相コントラストイメージング手法では、固定的干渉計が使われ、位相読み出しを目的として、格子のうちの1つが他の格子に対して動かされ、「位相ステッピング(phase stepping)」により干渉パターンをサンプリングしていた。例えば、T. Weitkamp et al著「Optics Express」(vol 13, No 16, pp 6296−6304 (2005))を参照されたい。しかし、本手法では、そのような位相ステッピングは必要ない。そうではなく、位相読み出し動作は、所望の位相コントラスト情報(及び、同時に、使用される可能性のある減衰及び/又は暗視野画像)を求める検出器の動き中に、その検出器により記録されたモアレパターンフリンジを分析するのに使われるスキャン運動(及び格子運動)に基づく。そのため、検出器運動は、次の機能を有する:第1に、完全な視野を得ることができる(これが元々の目的であった)、及び第2に、運動は位相読み取り目的に利用される。
しかし、読み出しの冗長性により複雑性が追加される。スキャニング運動のため、モアレパターンは、検出器ラインに沿って空間的に分布するだけでなく、経路に沿った様々な位置からの様々な検出器読み出しにわたって時間的にも分布する。DPCIまたは暗視野イメージングでは、ビーム減衰、ビーム屈折、及び少角散乱に関する所望の情報が、(その前ではタルボット干渉計G1−G2の様々な相対的格子位置を有する)様々な検出器ピクセルによって測定される同じジオメトリ光線に沿って検出されたX線強度の分析により得られる。図2を参照して、DPCIスキャニングジオメトリを用いたデータ取得が示されている:(垂直な太い実線として示した)1つのジオメトリ光線に沿った放射線が、(異なるラインの)異なる検出器ピクセルによりスキャンされているときに測定され、冗長性が生じている。イメージング装置の視野中の複数のジオメトリ光線(geometrical rays)は、最終的な画像が作成されるイメージング領域(又は画像空間)中の異なる画像ピクセル位置を「示す(map out)」。換言すると、画像ピクセル位置とジオメトリ光線との間には1:1の関係がある。図2に示すビューでは、(「1」ないs「5」と付番した)検出器ラインは紙面方向に延在している。
(X線源から見たとき)検出器ピクセルの前にある干渉計INF(すなわち、格子G0と、G1又はG2の少なくとも1つとのシステム)は調整され、すべての検出器ピクセルを考慮すると、全期間のモアレパターンがサンプリングされるようにされる。そうなるように、マンモグラフィー装置MAは、一実施形態では、好適な機械的動作により、特にスキャナアームARと、格子取り付け部GMの一部または全部との剛性(rigidity)を制御できる機械的手段、言わば調整可能剛性器(adjustable rigidizer)(図示せず)を含む。例えば、クランプ状のメカニズムを使用して、格子G1及びG2をその場所に留める取り付け手段、例えばフレームに作用してもよい。別の一実施形態では、バイメタル薄膜が用いられる。前記薄膜の一方の側は、アームARの内側または外側にボンディングにより取り付けられる。アームは基本的に前記薄膜に(少なくとも部分的に)「包まれる」又は裏打ち(lined with)される。次いで、バイメタル金属は、(スキャン前に、熱的慣性を考慮して)様々な温度まで加熱され、スキャン中の重力トルクの変化により、曲げに対するアームの感受性を向上または低下させる。
測定された検出器ピクセルデータ(基本的には強度値m)の1つのタイプの処理は、同じジオメトリ光線に関するすべてのピクセルの強度Miに対する次の正弦波信号モデル:
Figure 2018519872
に基づく。
ここで、
:検出器ピクセルiで見られる測定データ、
:ピクセルiのブランクスキャン強度、
:ピクセルiのブランクスキャン可視性、
φ:ピクセルiのブランクスキャン位相、
A:減衰率、
D:暗視野率、
α:位相シフトである。
再構成のためには、モデルを使用して次のコスト関数:
Figure 2018519872
を構成する。ここで、wは統計的加重(すなわち、一実施形態では、測定値mの分散の逆数)である。一実施形態では、式(1b)は基本的に、実際に測定された強度mと、モデルの期待される強度Mとの間の差分にペナルティを課す加重最小二乗コスト関数である。統計的加重は、測定された強度mの分散推定であり(この推定ができる場合)、又は他の実施形態では、すべて1である。加重最小二乗コスト関数は、データ中のノイズがガウス型である場合には適切である。ポアソンノイズの場合、負のポアソン対数尤度が適切である。
測定データm(基本的に強度値のセット)と干渉基準パラメータのセットとに基づいて、コスト関数(1b)を最小化して、目標パラメータA、D、及びαを推定する。最適化は基本的には、最小二乗法又はその他の好適な数値的手法に基づく曲線適合手順である。この曲線適合は、以下、干渉再構成または簡単に「再構成」と呼ぶ。
最適化(1)の目的は、前記強度の原因を、3つの異なるタイプの物理的効果、すなわち減衰、(小角)散乱(可視性の喪失)、屈折(波面の位相のシフト)に部分的に起因させることによって、観察される強度を「説明する」ことである。これらの効果のそれぞれの「強度」は、次に、これらの強度を「コントラスト」としてそれぞれ符号化し、次に、画像、暗視野および位相コントラストを含むそれぞれの画像を形成する、A、D、およびαとして最良適合(画像ピクセル当たり)のパラメータまたは因子によって定量化される。
式(1)について上で概説した干渉再構成は、オブジェクトスキャンモードにおける測定データの処理に対応し、すなわち、オブジェクトが検査領域にある間に、測定データがスキャンで収集される。干渉計基準パラメータ(すなわち、ブランクスキャン強度I、ブランクスキャン可視性V、及びブランクスキャン位相φ)は、放射線波面とのオブジェクト干渉がなければ、基準モアレパターンを表す。オブジェクトが入ると、この基準モアレパターンが乱され、干渉計基準パラメータに基づき式(1)を最適化することにより、各物理的効果のコントラスト値としてこの乱れを定量化する、関心干渉計パラメータA、D及びαが得られる。上記の式(1)によるA、D及びαの再構成は、本明細書では、「オブジェクトスキャンコンテキストにおける再構成」と呼ぶことがある。これは、ブランクスキャン中に収集される測定データがどのように処理されるかということとは異なる。第1に、式(1)によりオブジェクトスキャンコンテキストにおいて再構成するとき、干渉計基準パラメータ(interferometric reference parameters)は所与であると仮定され、ブランクスキャン中に収集される測定データを処理する目的は、上記干渉計基準パラメータを正確に計算するためである。第2に、オブジェクトスキャンコンテキスト再構成において、測定データはジオメトリ光線jごとに処理されるのであって、検出器ピクセルiごとに処理されるのではない。すなわち、(1)の場合、グラバー(grabber)その他のデータフィルタメカニズムが、所与の画像ピクセル(あるジオメトリ光線に対応するもの)jに寄与するすべてのピクセルiを最初にグループ分けするように動作し、そのピクセルは、(1)において考慮される検出器ピクセルのみである。言い換えると、(1)における和は、画像ピクセル(位置)jにおいて各測定値を検出した(見た)ピクセルのみに対して行われる。(1)による最適化は、各画像ピクセルjに対して繰り返される。所与の画像ピクセルjの様々な検出器読み出し値は、検出器をスキャンすることにより、または干渉計INFの一部をスキャンすることにより得られる。
ブランクスキャン測定値が与えられたとき、干渉計基準パラメータを再構成するときの処理は基本的に異なる。処理は検出器ピクセルまたは検出器ラインごとであり、画像ピクセルjごとではない。このタイプの再構成は、以下、「ブランクスキャンコンテキストにおける再構成」と呼ぶことがある。これはモデル関数(1a)の以下の変形
Figure 2018519872
に基づく。
これでは、インデックスkは、同じ検出器ピクセルiまたは検出器ラインの様々な読み出しインスタンス(すなわち、検出器のスキャン経路または干渉計の一部の様々な位置)を示す。入力ビーム強度Iと可視性Vは読み出し位置では変化しないので、これらのパラメータは超すと関数(2b)を最小化することにより得られる。下記を参照されたい。ブランクスキャン位相φkはフリンジパターンを分析することにより得られる。再び、対応する異なる読み出し値mk(すなわち、実際の測定値)は、グラバーまたは同様のフィルタにより収集され、様々なスキャン経路位置k(すなわち、検出器位置または干渉計位置)における測定値mkを取得するためクロックされる。そうでなければ、検出器ピクセルごとの最適化は、最小二乗法等を用いる(1b)、及び次のコスト関数
Figure 2018519872
の最小化処理と同様である。
式(2b)は検出器ピクセル位置iごとに繰り返され、式(2b)の右辺の1つ以上の(特に全部の)項はiに依存してもよい。
出願人が観察したところでは、上記の干渉計スキャナセットアップは、多数の物理的効果と共に、各検出器ピクセルまたは検出器ラインの物理的基準パラメータは異なることが分かった。より具体的には、さらに図2を参照して示すスキャニング動作に戻ると、異なるジオメトリ光線の物理的(基準)パラメータ(後でより詳しく説明する)は、厳密には同じでない可能性が非常に高いことが分かる。ジオメトリ光線は、X線管XRから見える異なるファン角度(fan angle)で示され、異なる角度で放射線源格子G0を通過し、異なる角度で干渉計格子G1とG2を通貨してもよい。これらの変化はすべて、初期ビームスペクトルの小さい変化に集積される。この場合に生じる問題は、ビームは、各検出器ピクセルで、オブジェクトBRにより少しずつ異なる減衰を受けることである。この効果が考慮されないと、検出信号の追加的変化が、少なくとも部分的には、モアレパターンの位相シフトまたは可視性における変化の結果であるとされる。そのため、最終的に、上述した式(1)、(2)による再構成アルゴリズムの機能のため、ビーム硬化アーティファクトが現れる。上記の場合における他の効果は、可視性がスペクトルの複雑な関数であるため、ピクセルが異なればフリンジ可視性の変化も異なることである。再び、この効果は、もし考慮されないと、再構成された画像におけるアーティファクト、特にビーム硬化アーティファクト(beam hardening artifacts)となる。まとめると、様々な物理的効果のため、X線ビームスペクトルの小さい変化(これがビーム硬化効果である)が生じ、この変化は各ピクセルにより異なる増幅を受け、位相コントラストまたは暗視野画像におけるアーティファクトの原因となる。
したがって、位相コントラストまたは暗視野イメージングにおいてビーム硬化アーティファクトを除去または少なくとも軽減するために、本明細書では、干渉再構成器RECONと共同するビーム硬化処理コンポーネントBHCを含む信号処理サブシステムSPSが提案される。
簡単に言えば、イメージャMAは、イメージングしたいオブジェクト(例えば、乳房BR)をスキャンするとき、オブジェクトスキャンで得られる測定データを取得するように動作する。次いで、SPSは、所与のジオメトリ光線(geometrical ray)に対応するオブジェクトスキャンにおいて得られる全ての測定強度を収集する。データが上記光線の画像ピクセル信号に寄与している場合、そのデータはジオメトリ光線に「対応する」と言われる。オブジェクトスキャン中に検出器によって検出されるジオメトリ光線ごとのデータmは、入力ポートINにおいて受信される。次いで、システムSPSは、寄与する強度値に対してビーム硬化操作をまとめて実行する。ジオメトリ光線(または、等価的に画像ピクセル位置)ごとのビーム硬化動作は、特に、寄与する強度値に対して、数値的にビーム硬化効果が調整された干渉計基準パラメータ(特に基準強度Iおよび基準可視性Vを含むもの)を計算することを含む。これらの補正された干渉基準パラメータは、前記光線に沿った放射線が受ける実際の減衰に適合するように計算される。これを行うために、提案されたビーム硬化処理コンポーネントBHCは、本明細書では、前記光線に沿ってビームが受ける減衰を「示す」またはそれに関連する「インジケータ変数(indicator variable)」とも呼ばれる「リード変数(lead variable)」を使用する。前記レイに沿って受けた平均減衰に関するこの情報は、対応する基準強度および/または不可視性(invisibilities)を計算するための「誘導つえ(guiding stick)」として使用される。この計算は、一実施形態では、インジケータ変数の推定値を取得し、それを、減衰と強度及び/又は可視性との間の正しい関数関係をエンコードする先験的な既知の関数式(信号モデルから導出されるもの)に適用することにより実現される。一実施形態では、(閉じたまたは反復的な)分析的式を使用するのではなく、所与のイメージング装置の特質または特性に合わせて、より実験的なアプローチがとられる。換言すれば、較正データは、特別に設計された専用のファントムボディを使用することによってイメージング装置から得られ、較正データは、図8を参照してより詳細に説明される方法で処理され、光線に沿って受ける平均減衰に対応するフィッティングの可視性および強度をルックアップすることができる2つ以上のルックアップテーブルが求められる。言い換えれば、この実施形態では、補正された基準パラメータの計算は単純なルックアップ動作になる。正しい基準パラメータが取得されると、システムSPSは、それを、ビーム硬化のため、オブジェクトスキャンモードにおいて正しい位相コントラスト及び/又は暗視野画像を再構成する干渉再構成器RECONに供給する。ビーム硬化処理の再構成されたデータは、出力ポートOUTを通して出力でき、モニターMT上で見ることができ、あるいはデータベースに格納することができ、または処理することができる。
ビーム硬化操作が較正データに為される実施形態では、信号処理コンポーネントSPSは、上述したように、オブジェクトスキャンコンテキストおよび/またはブランクスキャンコンテキストにおける測定データを再構成する再構成器による処理を効果的に調整する較正コンポーネントCALCを含む。言い換えれば、較正コンポーネントCALCは、受信した測定データを、ブランクスキャンで得られたかのように処理し、次いで、同じデータを、オブジェクトスキャンで得られたかのように再び処理するように、再構成器に指示する。このようにして「二重に再構成された」データは、ルックアップテーブル構造または他の適切なデータ構造の較正データとして編成され、その後データベースDBに格納される。これらは、ビーム硬化処理モジュールBHCによって任意の測定データを求めてアクセスすることができる。
信号処理コンポーネントSPSは、検出器電子回路の回路に組み込むことができ、又はイメージング装置MAに関連するワークステーションWSまたはオペレータ端末上でソフトウェアモジュールとして実行されることができる。
ここで、図3ないし6、8及び9を参照するが、ファントムボディPBが用いられる実施形態をより詳細に示す。
図9は、本明細書で想定されるそのようなファントムボディPBの一実施形態を示す。概して、ファントムボディは、その材料の厚さが離散的なステップで調整され得るように構成されている。これは、一実施形態では、図9に示すように、ファントムボディをポリカーボネート(市場ではLuciteとしても知られている)のような均一材料の複数のスラブ105a−105eとして構成することによって達成されるが、他の材料も同様に想定される。スラブ105a−105eは、イメージング装置MAの全視野を好ましくはカバーするような寸法になっている。換言すれば、スラブの形状/サイズは、使用されるイメージング装置MAの検査領域のフィールドの特定の幾何学的制約に依存する。図1の実施形態に見られるように、図9では、スラブは、幾何学的な空間の制約に合わせるため、端部の1つが先細りになる本質的に矩形となっている。最も単純な実施形態では、ファントムボディは、単に、それぞれが同じ厚さ、例えば1−2cmである2つ、3つ、またはそれ以上、例えば5つのセットのスラブからなる。しかし、他の厚さもまた想定され、スラブの厚さは同じでなくてもよいが、スラブの全てまたは一部は異なる厚さを有してもよい。
一実施形態では、ファントムボディセットは、ファントムのボディの厚さを増加させるときにスラブを正確に積み重ねるのを助ける基準を含む。
図9に示すように、一実施形態では、アライメント基準はペグホール系(peg−hole system)として実現される。スラブの1つは、上向きに伸びる2つ以上のペグ110、120を有する。残りのスラブの一部または全部にスルーホールが形成される。スルーホールは、正確なアライメントを達成するためにペグ110,120と安全に整合(register)するように、ペグ110,120と、数、形状およびサイズが対応している。基準系の他の実施形態も本明細書では想定される。例えば、ペグスルーホール構成を有するのではなく、各スラブの一方の側に、それぞれのスラブの面から離れる方向に延びる突起を設け、この突起が概して上記の実施形態のペグより高さが小さい(セット中の最も薄いスラブの厚さより小さいもの)ようにしてもよい。突起は、各スラブの1つの面にわたって分布しており、例えば、四角形のスラブ形状を仮定して、各角に1つの突起が設けられる。各スラブの反対側の対向面は、その上または下に配置される隣接するスラブの突起を受け入れる対応する凹部(貫通孔ではない)または「ディンプル」を含む。突起と凹部は、スラブを互いに重ね合わせて配置するとき、きっちりと整列するため形成される。使用者による若干の「探索的な」滑り運動は、突起が最終的に隣接するスラブ内のそれぞれのくぼみと係合することを確実にし、それによって所望の位置合わせを達成する。
ファントムボディPBの他の実施形態では、複数のスラブは「スイスポケットナイフ」のように構成される。この実施形態では、スラブ105a−105eは、ナイフ中の刃のように共通の回転中心で互いに接続されており、各スライスは所望であれば視野に入れ出しして、ファントムボディPBの厚さ(すなわち「高さ」)をステップ状に増減できる。補助サポート構成がバランスの取れたサポートを保証するために必要である。本明細書で「チェストドロワ(chest drawer)」実施形態と呼ぶことができる別の実施形態では、スラブは、フレーム構造内で独立して水平にスライド可能である。スラブは、フレームの中または外に、および検査領域内にスライドさせることができ、スラブを所望の厚さまたは高さに組み合わせることができる。あるいは、非常に単純な実施形態では、ファントムPBは、以下に図9で説明するように、いくつかの場合に有用な単一スラブから形成されてもよい。
また、図3および図4は、一実施形態においてファントムPBをどのように使用するかを示している。
図3では、ファントムの厚さが徐々に増え、所定の厚さごとに、上述のように検出器をスキャンすることによって一組のスキャン測定値が取得される。図3の左端は、検査領域内にファントムボディが配置されていないブランクスキャンを示し、その右側には、それぞれの検出器読取り値が取得されるファントムの厚さが徐々に増加する場合を示す。説明のために、検出器の読取り値は、それぞれのジオメトリ光線を通すそれぞれの検出器ラインの関数として、特定のジオメトリ光線に対してグラフ化される。検出器読み出し値中の黒いバーは、検出器ラインが、連続線として構成されるのではなく、間にギャップを有することによる。しかし、検出器ラインが連続的にギャップなしに構成される他の実施形態も想定できる。図3で取得される検出器読み出し値は、ブランクスキャンのコンテキストでそれぞれ処理される。すなわち、各ピクセル及び各検出器ラインに対して干渉再構成が行われる。言い換えると、連続的ではなく、検査領域にオブジェクト(すなわち、ファントムPB)はあるが、取得される測定データは依然としてブランクスキャンのコンテキストで処理される。このブランクスキャン処理(式(2b)によるもの)により強度Iと可視性マップVとが得られる。これらは、それぞれのファントムの厚さ又はより具体的には経路長又は等価的なビームが受ける平均減衰と関連付けられてルックアップテーブルに格納され得る。後者は、既知の経路長と、ファントム材料(この場合、ポリカーボネートであるが、その他の材料も想定される)の既知の減衰特性とから容易に計算できる。
図3、4及び9において、スラブは平面状のものが示されているが、これはスキャン経路が直線状または小曲率であるアプリケーションにとって有用である。しかし、他の実施形態では、特に明らかに曲がった弓状のスキャン経路の場合、相応に曲がった形状のスラブが好ましい。言い換えると、スラブ105a−eは、オブジェクトを通る光線長lがスキャン中に一定であるように、円柱の中心が放射線源XRの焦点スポットにある(仮想的な)同心円柱表面の各部分にしたがってスラブが形成される。
図4に示すように、取得された検出器読み出し値は、今度はオブジェクトスキャンとして処理される。言い換えれば、画像のピクセルごとの(ジオメトリカル光線ごとの)再構成が実行されて、3つの干渉量が再構成され、そのうちの平均減衰量が関心パラメータとして基準パラメータとして保持される。図3の処理で得られたブランクスキャン情報は、図4のオブジェクトスキャン処理に使用することができる。
ファントムの厚さごとに取得された検出器の読取り値のオブジェクトスキャン処理は、ファントムにわたり理論的に期待される減衰を、実際に計算された減衰(図4の干渉再構成をもたらす3つの干渉量の1つとして)と正確に相関させることができる。理論上のビーム減衰量と実際に計算された干渉減衰量は、第2のルックアップテーブルに関連して再び格納することができる。
図3の強度および視野および図4の減衰の各ルックアップテーブルを図5および図6にそれぞれ示す。
図5では、測定された平均ビーム減衰量A(x軸)ごとに、第1のLUTが、このビーム硬化レベルの各検出器ラインについて正しい平均検出器測定値(例えば、光子計数検出器が使用される場合、「カウント」であるが、別の実施形態では、エネルギー積分タイプの従来の検出器も想定されるので、限定ではない)。上記および図3に示された処理から得られたこの「減衰LUT」は、各再構成平均ビーム減衰について(すなわち、各ビーム硬化レベルについて)、各検出器ピクセルのモアレパターンの正しい平均強度をルックアップすることを可能にする。減衰は指数関数的なプロセスであるので、データの入力および出力のためにLUTを対数値で記憶することが有利であり、この形式の記憶がここではいくつかの実施形態において想定される。
図6に示すように、測定された各平均ビーム減衰量A(x軸)に対して、第2のLUTは、このビーム硬化レベルに対して各検出器ラインに対して正しいフリンジ可視性Vcを提供する。この「可視性−LUT」は、再構成された各平均ビーム減衰(すなわち、各ビーム硬化レベルについて)について、各検出器ピクセルの実際の可視性をルックアップすることを可能にする。再び、減衰は指数関数的であるので、LUTのx軸は好ましくは対数である。しかし、ビーム硬化量の関数としての可視性の変化は、線形スケールでよく説明されるようである。LUTは、全体として検出器ラインごとに、または各検出器ピクセルに対して(好ましくは)個別に形成されてもよい。
図5および図6から分かるように、可視性と減衰との間のそれぞれの機能的関係は、検出器ラインごとに異なる。ルックアップテーブルは、基本的に、各検出器ラインまたは各検出器ピクセルに対して1つのマルチルックアップテーブルである。言い換えれば、各検出器ピクセルラインについて、IおよびVは、減衰に対して、僅かに異なる関数依存性がある。興味深いことに、特に図5および図6のLUTから集められるような機能的依存性は、各検出器ラインについて異なる傾きを有する基本的に線形であることが分かった。図3および図4で概略を示した較正手順で集められた図5および図6に示したルックアップテーブルは、上述したように、インジケータ変数の形で平均減衰の推定値が得られれば、有利に使うことができる。例えば、画像化するオブジェクトを通る平均経路長又は平均減衰自体の推定値を用いて、対応する可視性および強度をテーブルでルックアップして、3つの干渉量の標準的な再構成を実行する場合に生じるビーム硬化を補償することができる。
例えば、一実施形態では、2段階処理を実行できる。オブジェクト検出器読み出し値に基づく第1の干渉再構成を実行して、(上述のように)3つの干渉量、すなわち減衰信号、位相コントラスト信号、及び暗視野信号を取得してもよい。この第1の再構成の場合、初期標準ブランクスキャンで事前に取得される干渉計基準パラメータの初期セットを用いる。暗視野信号と位相信号は、本明細書では無視したモーメントのものであり、再構成減衰はインジケータ変数として用いられ、各検出器ピクセルについて、対応する基準強度と可視性をルックアップする。これにより、ビーム硬化効果のために調整された正しい基準パラメータを各検出器ピクセルについて確認することが可能になる。測定された検出器読取値から第2の干渉測定再構成を実行するために使用されるのは、これらの基準パラメータ(初期セットからの位相基準パラメータと共に)であり、それにより関心のあるビーム硬化補正干渉量、特に位相コントラストおよび暗視野信号を求める。
図7の以下のフローチャートは、グレーティングベースの差動位相および/または暗視野信号イメージャによって供給される干渉計検出器読取値を処理する方法のステップを示しているが、以下の図8は、高さまたは厚さを調整可能な較正ファントムボディを用いる較正手順のステップを示している。
ここで最初に図7を参照すると、ステップS710において、干渉計を備えたスキャンイメージングシステムからの検出器読取値が、強度値の形で受信される。強度値は、フィルタメカニズム(データグラバーなど)によって、それぞれの画像ピクセル位置に属する強度値のグループにグループ化される。
各画像ピクセル位置に対するステップS720において、その画像ピクセル位置に属する強度値に関してビーム硬化補正動作の少なくとも一部が実行される。ビーム硬化処理動作は、インジケータパラメータの関数として、後の干渉再構成(以下のステップS730参照)で使用することができる干渉基準パラメータの計算を含む。干渉基準パラメータは、特に、基準強度と、検討中の画像ピクセル位置に属する所定の画像位置に対する基準可視性とを含み、このように計算された干渉基準パラメータは、ビーム硬化効果が調整されるように計算される。ステップ720は、各画像ピクセル位置に対して繰り返される。
一実施形態では(しかし、すべての実施形態では必要ないが)、段階S720は2段階である:最初に、標準的(すなわちビーム硬化補正なしに)干渉再構成が実行され、インジケータパラメータとして、ビーム減衰の、可能性のあるビーム硬化破損推定値A^(訳注:「^」は「A」の上)を取得する。次に、この光線に寄与する各検出器ピクセルについて、可能性としてビーム硬化破損推定値A^(訳注:「^」は「A」の上)を使用して、このビーム硬化レベルのビーム強度および可視性の正しい値をルックアップする。
ステップS730において、(一実施形態では第2の、すなわち新たな)干渉再構成が、ビーム硬化操作から得られた前記強度値(前記幾何学的光線に対して)および基準パラメータに適用され、位相コントラスト信号および/または暗視野信号を得る。これらの信号は、次いでビーム硬化補正を除去または少なくとも緩和する。
最後に、ビーム減衰の取得された値Aは、最初の推定値A^(訳注:「^」は「A」の上)と乗算される。干渉再構成は、ビーム硬化較正スキャンと比較される変化を提供するからである。
このように再構成された位相コントラスト信号及び/又は暗視野信号は、別の処理のためステップS740において出力される。
上記のステップS720の2段階実施形態では、インジケータ変数は平均ビーム減衰の推定値(第1の再構成を)であるが、他の実施形態では、インジケータ変数は、例えば経路長または他の好適な任意の代替物により表され、すなわち、幾つかの実施形態では、平均減衰は明示的に計算される必要はない。LUTのエントリーと干渉再構成モデル方程式とは、前記代替インジケータ変数により再定式化する必要があるかも知れない。例えば、経路長lが用いられるとき、前出のモデル方程式(1a)は、
次のようになる。
Figure 2018519872
これにより、オブジェクトパラメータl、D、αを推定するために最小化される対応するコスト関数は
Figure 2018519872
となる。
同様の代替再定式化(surrogate reformulation)を、代替的に又は追加的に、可視性に適用してもよい。例えば、可視性は基本的にビーム硬化の関数であり、それゆえオブジェクトを通る経路長を代替物として用いてもよい。減衰と可視性の両方が経路長により再定式化されると、モデル方程式は
Figure 2018519872
と記すことができ、対応するコスト関数は
Figure 2018519872
となる。
しかし、減衰自体をインジケータ変数として用いると都合がよい。これはフィッティング手順において計算負荷を減少することが分かっているからである。
前述の通り、提案の方法はLUTと較正データに依存せずに、(減衰自体またはその代替物のどちらかである)インジケータ変数から、ビーム硬化補正干渉基準パラメータを計算する。その替わり、S720におけるビーム硬化処理は、減衰に対する可視性と強度の間の関数関係を取得またはエンコードする既知の分析的表現を用いて、適用し得る。特に、一以上の干渉基準パラメータが、その光線に沿った放射線が受ける平均減衰に関係すると知られているインジケータパラメータの関数として計算される。経路長をインジケータ変数として(減衰の代替物として)使用する場合、可視性と強度それぞれの間の関数関係は、次数d>1の近似多項式またはその他の好適な解析的関数表現などのより複雑な近時として表さなければならない。
このインジケータパラメータは、例えば、取得された検出器データに対して実行された以前に実行された干渉再構成からの平均減衰の推定値として導出されてもよい。
しかし、インジケータ可変パラメータは、前記平均減衰値の代替物の形式で供給されてもよく、例えば、画像化されるオブジェクトを通る各経路長がわかっていれば、計算の代わりに使用されてもよい。実際、受けた減衰に決定論的に(好ましくは単調に)リンクされていることが知られている他の任意の変数を使用することができる。
式(3)、(4)の前の2つの式では、オブジェクトの厚さlの関数としての強度Iの物理モデルは
Figure 2018519872
となる。ここで、
S(E)は、検出器Dの分光感度と入射X線束(ビーム中のサンプルなし)との積であり、
Emaxはビーム中の最大光子エネルギーであり、
μ(E)は、代用材料(例えば、水、PC、PMMAなど)のエネルギー依存線形減衰係数である。
関数S()、Emax、μ()は、理論的には最初から計算することができるが、これらの関数のヒューリスティック近似モデルを確立する方がより便利であることが多い。例えば、上記の図3,4に概略を示した較正手順では、均一材料の1つまたは複数のスラブ105a−105eについての測定が含まれており、したがって処理によって、いくつかの離散的な厚さlについての測定値のリストI(l)が得られる。これらのサンプルを用いて、これらのサンプル間を適切に補間することによって近似的な連続関数I^(l)(訳注:「^」は「I」の上)を生成することができる。補間関数は、3次スプライン補間、区分線形補間、または低次多項式または有理関数を測定データにフィッティングすることによって測定され得るデータに適合させることによって生成することができる。
式(2)−(5)のどれかによる上記の数値的手法は、ビーム硬化処理コンポーネントBHCの異なる動作モードを表す。一実施形態(式(2))では、BHCは逆問題の言葉を用いて、修正器として後進モード(backward mode)(式2)で動作し、一方、式(3、4)による動作は前進モード処理(forward mode processing)の一種である。後者の場合、ビーム硬化処理ステップは、各画像ピクセルに対して画像ピクセルごとの、ビーム硬化補償基準パラメータ(強度及び/又は可視性)の決定として起こる。これらの画像ピクセルごとの基準パラメータは、画像ピクセル固有ではないオブジェクトBRの特性(既知の基準物質(PCその他)を通る等価経路長lまたは平均減衰など)を表すリードパラメータの関数として決定される。
図8を参照して、スキャン位相コントラストまたは暗視野画像化におけるビーム硬化補正を目的とする、上記の較正データ生成方法のフローチャートを示す。
ステップS810において、スキャンが実行され、スキャンニングイメージャが干渉計に複数セットの較正検出器読み取り値を取得させる。これらのセットは、ブランクスキャンのセットと、ファントムボディPDスキャンの一以上のセットとを含む。ファントムボディは、異なるファントムスキャンにおける検出器読み取り値がそのファントムの異なる厚さに対応するようにファントムボディの厚さ又は高さを調整できるように較正されている。そのように取得される較正検出器読み取り値のセットは、次の通り異なるコンテキストで2回処理される。
ステップS820において、取得される検出器読み取り値のセットは、干渉再構成動作において検出器ピクセル/検出器ラインごとに処理され、ブランクスキャンごとの各検出器ピクセルまたはライン及びファントム厚さに対して、干渉基準パラメータを求める。言い換えると、ブランクスキャンデータ及び一以上のファントムスキャンデータの両方は、ブランクスキャンの場合に再構成される。
任意的に、ステップ830において、異なる検出器読み取りデータのセットに対して第2の干渉再構成が実行され。しかし、今回は、各データは画像ピクセルごとに干渉再構成(interferometrically reconstructed)され、受けた平均減衰レベルに対する干渉再構成されたインジケータパラメータを取得する。実際のファントム厚さは既知なので、受けた実際の減衰はそのように再構成された平均減衰に直接リンクできる。言い換えると、ステップS820において、ステップS810のたびのスキャンで得られたすべてのデータセットは、ブランクスキャンデータセットであっても、オブジェクトスキャンコンテキストで再構成される。式(1)に関して前述したように、オブジェクトスキャンモードの再構成は、ブランクスキャンからの基準パラメータを要する。ブランクスキャンのステップS820で取得された基準パラメータは、本ステップS830のオブジェクトスキャンコンテキスト再構成を目的として使用することができる。ステップS830は、式1bによる後進モデル定式化に基づくが、再構成が式3bまたは4bによる前進的定式化に基づく場合、スキップできる。
ステップS820とS830から、各再構成データはルックアップテーブルまたは同様のデータ構造に編成することができ、既知の各減衰レベルに対して、対応する強度または可視性が関連付けできるようにされ得る。言い換えると、ステップS820で再構成される各干渉基準パラメータは、各ファントム厚さまたはブランクスキャンにより受けられかつ生じた平均減衰レベルに関係する各インジケータパラメータと関連付けて記憶される。上記から分かるように、出願人は、なかんずく、ブランクスキャン可視性がビーム硬化の関数であり、すなわち基本的にオブジェクトを通る経路長の関数であることを発見した。
図7と図8の方法を、主に検出器(干渉計が取り付けられているもの)がスキャン動作で動かされる実施形態を参照して説明したが、各方法は、検出器が固定され干渉計INFの一部(すなわち、その一以上の格子)がオブジェクトをスキャンする実施形態にも等しく適用可能である。特に、この後者の実施形態の場合、上記の式(1)−(5)におけるインデックスiは、1つの検出器ピクセルにおけるものであるが、スキャン動作中に前記1つのピクセルを通るとき、干渉計INFの一以上の格子の様々な位置における測定値mを示す。
出願人のテストによると、較正テーブルは時間的にはほとんど変化せず、図8による上記の較正手順を1週間に1度より多く実行する必要はない。
要約すると、一実施形態では、提案の方法とシステムは、視野全体をカバーする均一材料よりなる調整可能な数のスラブ(slabs)を有する較正ファントムの使用を含む。より具体的には、較正段階中に、材料の厚さを変えた(すなわち、異なるスラブ数で)ファントムを用いて、データを取得する。このデータは処理されるが、一実施形態では、ブランクスキャン(式2b)の形式で処理され、またオブジェクトスキャン(式1b)の形でも処理される。あるいは、式(4b)による前進処理(forward processing)を用いるとき、既知の厚さlをパラメータとして直接使うことができ、ブランクスキャンの形式で処理すれば十分である。この処理に基づき、2つのルックアップテーブルが構成され、記憶される。1つは減衰用であり、1つは各検出器ピクセル(又はライン)のフリンジパターンの可視性用である。患者のイメージング中に、標準的位相読み出し(standard phase retrieval)がビーム減衰の第1の推定値を提供する。この推定はビーム硬化により破損している。この推定値に対して、較正中に生成されたルックアップテーブルから、強度及び可視性値が読み出される。これらの強度及び可視性値を用いて、ビーム硬化を補正する新しい位相読み出しが行われる。
出願人のテストによると、上記の較正方式を毎週実行すれば、スキャン式マンモグラフィシステムでは十分である。
一部の位相コントラストまたは暗視野処理では、少なくとも完全なフリンジパターン期間での取得中にモアレパターンがドリフトすることが必要である。観察によると、これらのシステムでは、較正スキャン中にシステムのより強いドリフトを生じる場合、較正スキャンの回数は減らせる。これは、上記の硬化メカニズムにより実現できる。
上記の方法及び信号処理システムSPSは、投影写真法(projection radiography)ではなく、CTの場合に適用してもよい。ビーム硬化効果により、位相コントラストまたは暗視野トモグラフィ(CT)におけるアーティファクト問題を生じる可能性があるからである。事実、上記のマンモグラフィーの実施形態のような非常に類似した状況は、CTでも、トモグラフィにおける取得モードが明示的な位相ステッピングを利用しない場合、又はスライディングウィンドウ法のモアレスキャニングにおけるのと同様に位相情報が複数の検出器ピクセルに広がっている場合にもある。これらの具体的なCTイメージングモードの場合、干渉再構成後に個別の信号チャネルではなく、測定強度に直接作用する反復再構成が、成功裡に用いられてきた。具体的に、本提案によると、CTの干渉再構成は、減衰画像μ、暗視野画像σ、及び位相画像δの関数として測定強度Iの下記信号モデル
Figure 2018519872
に基づく。これは、例えば、一定のブランクスキャン可視性V0のみを含む。CTの場合における処理は、好ましくは、モデル(6)に関して好適なコスト関数を定式化することを含む反復的再構成アルゴリズムを用いる。
ビーム硬化後の可視性の較正測定により、上記のモデルはモデル
Figure 2018519872
により置き換え得る。ここで、基準可視性は、減衰コントラスト画像μの線積分などのインジケータ変数により表現される現在のビーム硬化量の関数になる。式(6)は、CTの場合に式(1)を適合したものとみなせ、投影写真法(例えば、マンモグラフィ)の上記方法は、式(7)に基づき容易にCTの場合に適用できる。
一実施形態では、図1による画像データ処理システムSPSのコンポーネントの一部または全部は、イメージング装置MAワークステーションWSのような1つの計算システムを実行することが想定できる。別の一実施形態では、コンポーネントのうち一以上が離れて配置され、好適な通信ネットワークで互いに及び/又は画像データ処理システムIDPと接続されている、少なくとも部分的に分散したアーキテクチャが本明細書では想定できる。
一実施形態では、画像データ処理システムSPS(または、そのコンポーネントのうちの少なくとも一部)は、専用のFPGAまたはハードワイヤード(スタンドアロン)チップとして構成される。
画像データ処理装置のコンポーネントは、Matlab(R)などの好適な科学計算プラットフォームでプログラムされ、計算システム(イメージャのワークステーションWSなど)で実行するのに適したC++又はCのルーチンに変換されてもよい。
本発明の他の一実施形態では、適切なシステムにおいて、上記の実施形態の一つによる方法の方法ステップを実行するように較正されたことを特徴とするコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素が提供される。
コンピュータプログラム要素は、コンピュータユニットに記憶されてもよい。コンピュータユニットも本発明の一実施形態の一部であってもよい。このコンピューティングユニットは、上記の方法のステップを実行するまたは実行を誘起するように構成され得る。さらに、上記の装置のコンポーネントを動作させるように構成されていてもよい。コンピューティングユニットは、自動的に動作し、及び/またはユーザの命令を実行するように構成されている。コンピュータプログラムはデータプロセッサのワーキングメモリにロードされる。データプロセッサは、本発明の方法を実行するように構成されている。
本発明のこの実施形態は、初めから本発明を用いるコンピュータプログラムと、アップデートにより本発明を用いるプログラムになる既存のプログラムとの両方をカバーする。
さらに、コンピュータプログラム要素は、上記の方法の実施形態の手順を満たす必要なすべてのステップを提供できる。
本発明のさらに別の一実施形態によると、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能媒体が提供され、そのコンピュータ読み取り可能媒体は、前のセクションで説明したコンピュータプログラム要素を記憶したものである。
コンピュータプログラムは、光記憶媒体や他のハードウェアとともに、またはその一部として供給される固体媒体などの適切な媒体に記憶及び/または配布することができ、インターネットや有線または無線の電気通信システムなどを介して他の形式で配信することもできる。
しかし、コンピュータプログラムは、ワールドワイドウェブ等のネットワーク上で提供されてもよく、そのようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリにダウンロードされてもよい。本発明のさらにべつの実施形態では、コンピュータプログラム要素をダウンロードできるようにする媒体が提供され、そのコンピュータプログラム要素は本発明の上記の実施形態の一つによる方法を実行するように構成されている。
留意すべき点として、本発明の実施形態を、異なる主題を参照して説明する。具体的に、一部の実施形態を方法の請求項を参照して説明し、他の一部の実施形態を装置の請求項を参照して説明する。しかし、本技術分野の当業者は、上記の説明と以下の説明から、特に断らないかぎり、一種類の主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる複数の主題に関係する特徴の間の任意の組み合わせも本出願で開示されていると考えられることが分かるであろう。しかし、すべての特徴は組み合わせて、特徴の単なる和以上のシナジー効果を提供することができる。
図面と上記の説明に詳しく示し本発明を説明したが、かかる例示と説明は例であり限定ではない。本発明は開示した実施形態には限定されない。請求項に記載した発明を実施する際、図面、本開示、及び従属項を研究して、開示した実施形態のその他のバリエーションを、当業者は理解して実施することができるであろう。
請求項において、「有する(comprising)」という用語は他の要素やステップを排除するものではなく、「1つの(”a” or ”an”)」という表現は複数ある場合を排除するものではない。単一のプロセッサまたはその他のアイテムが請求項に記載した複数のユニットの機能を満たすこともできる。相異なる従属クレームに手段が記載されているからといって、その手段を組み合わせて有利に使用することができないということではない。請求項に含まれる参照符号は、その請求項の範囲を限定するものと解してはならない。
記ビーム硬化処理動作は、前記ジオメトリ光線に沿って前記放射が受ける平均減衰に関係するインジケータパラメータの関数として、前記強度値について、前記少なくとも1つの干渉基準パラメータを計算することを含む。前記インジケータパラメータと前記少なくとも1つの干渉パラメータとの間の関数関係は、検出器ピクセルごとに異なる。
一実施形態では、前記インジケータパラメータは、(i)受信された強度mから再構成された平均減衰の推定値、又は(ii)前記平均減衰の代替物を含む

Claims (15)

  1. 放射線を放射するX線源と、放射線を検出する検出器と、少なくとも部分的に前記X線源及び前記検出器の間に配置された干渉計とを有する、スキャン方式の差動位相コントラスト及び/又は暗視野イメージャにより供給されるデータを処理する画像信号処理システムであって、
    まったく同一のジオメトリ光線に対応する強度値mの形式でデータを受信する入力ポートであって、前記強度値mの取得は、(i)オブジェクトの前記イメージャによるスキャン動作において前記検出器の異なる検出器ピクセルを用いて、又は(ii)前記干渉計の少なくとも一部がスキャン動作において単一の検出器ピクセルを通って動かされる間に前記単一の検出器ピクセルを用いて行われる、入力ポートと、
    前記ジオメトリ光線ごとの画像ピクセル位置について、前記強度値mに対してビーム硬化処理動作を適用し、前記画像ピクセル位置の基準強度と基準可視性とのうち少なくとも1つを含む少なくとも1つの干渉基準パラメータを取得するように構成されたビーム硬化処理コンポーネントと、
    前記強度値と前記少なくとも1つの干渉基準パラメータとから、位相信号と暗視野信号のうち少なくとも1つを再構成するように構成された再構成器と、
    前記位相信号と前記暗視野信号とのうち少なくとも1つを出力する出力ポートとを有する、
    画像信号処理システム。
  2. 前記ビーム硬化処理動作は、(i)前記ジオメトリ光線に沿って前記放射が受ける平均減衰、及び/又は(ii)画像化されるオブジェクトの特性に関係するインジケータパラメータの関数として、前記強度値について、前記少なくとも1つの干渉基準パラメータを計算することを含む、請求項1に記載の画像信号処理システム。
  3. 前記インジケータパラメータは、(i)受信された強度mから再構成された平均減衰の推定値、又は(ii)前記平均減衰の代替物を含む、
    請求項2に記載の画像信号処理システム。
  4. 前記インジケータパラメータと前記少なくとも1つの干渉パラメータとの間の関数関係は、検出器ピクセルごとに異なる、
    請求項1ないし3いずれか一項に記載の画像信号処理システム。
  5. 前記関数関係は、(i)構成データから集積された一以上のルックアップテーブル、または(ii)一以上の関数表現としてエンコードされる、
    請求項4に記載の画像信号処理システム。
  6. 前記更新データは、(i)ブランクスキャンとあるファントム厚による少なくとも1つのファントムスキャン、又は(ii)異なるファントム厚による複数のファントムスキャンにおいて、前記イメージャにより取得された構成検出器読み取り値から導かれる、
    請求項5に記載の画像信号処理システム。
  7. 前記ファントムは厚さが調整可能であり、異なる厚さを実現できる、
    請求項6に記載の画像信号処理システム。
  8. 前記少なくとも1つの基準干渉パラメータは、検出器ピクセルごとに、可視性と入力強度とのうち少なくとも1つを含む、
    請求項1ないし7いずれか一項に記載の画像信号処理システム。
  9. 請求項1ないし8いずれか一項に記載の画像信号処理システムを含むスキャン方式差動位相コントラスト及び/又は暗視野画像化装置。
  10. 放射線を放射するX線源と、放射線を検出する検出器と、少なくとも部分的に前記X線源及び前記検出器の間に配置された干渉計とを有する、スキャン方式の差動位相コントラスト及び/又は暗視野イメージャにより供給されるデータを処理する方法であって、
    まったく同一のジオメトリ光線に対応する強度値mの形式でデータを受信するステップであって、前記強度値mの取得は、(i)オブジェクトの前記イメージャによるスキャン動作において前記検出器の異なる検出器ピクセルを用いて、又は(ii)前記干渉計の少なくとも一部がスキャン動作において単一の検出器ピクセルを通って動かされる間に前記単一の検出器ピクセルを用いて行われる、ステップと、
    前記ジオメトリ光線ごとの画像ピクセル位置について、前記強度値mに対してビーム硬化処理動作を適用するステップであって、前記画像ピクセル位置の基準強度と基準可視性とのうち少なくとも1つを含む少なくとも1つの干渉基準パラメータを取得する、ステップと、
    前記強度値と前記少なくとも1つの干渉基準パラメータとから、位相信号と暗視野信号のうち少なくとも1つを再構成するステップと、
    前記位相信号と前記暗視野信号とのうち少なくとも1つを出力するステップとを含む、
    方法。
  11. 位相コントラストのスキャンまたは暗視野画像化においてビーム硬化効果処理をする較正データを生成する方法であって、
    異なる位相コントラストイメージャのスキャン検出器又はX線源で、(i)ブランクスキャン及びあるファントム厚での少なくとも1つのファントムスキャン、又は(ii)異なるファントム厚での複数のファントムスキャンにおいて較正検出器読み取り値を取得するステップと、
    検出器ピクセルごとに、かつファントム厚またはブランクスキャンごとに、前記較正検出器読み取り値から干渉基準パラメータを再構成するステップと、を含む
    方法。
  12. 画像ピクセルごとに、かつファントム厚またはブランクスキャンごとに、異なるファントム厚またはブランクスキャンにより異なる平均減衰レベルを示すインジケータパラメータを再構成するステップをさらに含む、
    請求項11に記載の方法。
  13. ファントム厚またはブランクスキャンに応じて、前記インジケータパラメータに関連づけて、前記干渉基準パラメータを記憶するステップをさらに含む、
    請求項11または12に記載の方法。
  14. 請求項1ないし8または9いずれか一項に記載の装置またはシステムを制御するコンピュータプログラムであって、処理ユニットにより実行されると、請求項10または11ないし13いずれか一項に記載の方法のステップの少なくとも一部を実行するように構成された、コンピュータプログラム。
  15. 請求項14に記載のプログラム要素を記憶したコンピュータ読み取り可能媒体。
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