JP2018519849A - ヒト化マウス及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、異種動物内で白血球の培養物を生成、増殖、及び維持する方法に関する。また、本発明は、がんなどの疾病または疾患を治療するために分子を試験するためのヒト免疫系モデルとしての、これらの動物の使用に関する。
【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第62/165,464号(2015年5月22日出願)に基づく優先権及び利益を主張するものである。上記出願は、その全文を引用することを以って本明細書の一部となす。
(技術分野)
本発明は、異種動物内で白血球の培養物を生成、増殖、及び維持する方法に関する。また、本発明は、疾病または疾患を治療するための分子を試験するためのヒト免疫系モデルとしての、これらの動物の使用に関する。
脾臓は、最大の二次リンパ器官であり、体内のリンパ球の約1/4を含んでいる。脾臓サブセットは、樹枝状細胞やマクロファージなどの骨髄細胞系列の細胞を含む。加えて、げっ歯動物では、脾臓内に、髄外造血も存在する。また、ごく少量(<1%)のヒトCD34+前駆細胞を、ヒト化マウスの脾細胞製剤内に識別することができる。
養子免疫細胞療法は、リンパ球枯渇前処置の後に、患者自身の(自己移植性)またはドナーの(異種)抗腫瘍または抗病原体白血球を投与することを含む治療方法である。この方法は、感染症及びがんを含む病的状態を制御する潜在的に強力なツールであることが明らかになってきた。また、病的状態が再発した場合に使用することができる、所望の抗病原体特異性を有する白血球の集団の生成を可能にする。養子免疫伝達療法の初期の手順は、所望の特異性を有する細胞(例えば、抗腫瘍白血球)及び選択し、その細胞を組織培地内で増殖させることである。しかしながら、この方法には、組織培地内でのクローン選択、高価な組織培地維持施設の必要性、及び規模拡大の可能性が制限されていることなどの大きな制約があった。これらの問題は、選択された病原体に特異的な白血球の培養物の生成及び維持にマウスなどの免疫不全動物を使用するインビボでの養子免疫伝達方法の開発を通じて部分的に解決されている。がんの場合、ある方法は、一般的に、ヒトさい帯血由来のCD34+造血幹細胞(HSC)の異種移植により「ヒト化された」免疫不全レシピエント動物(例えば、マウス)に腫瘍を移植することを含む。しかしながら、この方法は、CD34+HSCの利用可能性により制限される。さらに、ヒト化マウス内の腫瘍組織の存在は、規模拡大の可能性を制限し、安全性への懸念を生じさせる。結果として得られる抗腫瘍白血球集団は、腫瘍細胞を含むためである。別の方法は、腫瘍組織を免疫不全マウスに移植し、マウス内で増殖させた後に、腫瘍とともに移植された白血球を採取することを含む。この方法は、ヒトさい帯血由来のCD34+HSCの利用可能性の制限に関する問題は解決することができるが、規模拡大の可能性の制限及び安全性への懸念に関する問題は解決することができない。
したがって、改良された養子免疫伝達療法が求められている。
本発明は、ヒト白血球の培養物をインビボで維持及び増殖させる方法を提供することにより、上述した問題を解決する。
一態様では、本発明は、非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立する方法であって、免疫不全非ヒト哺乳動物を用意するステップと、前記非ヒト哺乳動物に、該哺乳動物とは別の非ヒト哺乳動物から単離されたヒトCD34+前駆細胞または脾細胞を含む組成物を投与するステップとを有し、前記別の非ヒト哺乳動物は、ヒト化非ヒト哺乳動物である方法を提供する。
別の態様では、本発明は、治療法を試験する方法であって、免疫不全非ヒト哺乳動物を用意するステップと、前記非ヒト哺乳動物に、該哺乳動物とは別の非ヒト哺乳動物から単離されたヒトCD34+前駆細胞または脾細胞を含む組成物を投与するステップと、上記請求項1に記載の方法に従って、非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立するステップと、前記非ヒト哺乳動物において治療法を試験するステップと、前記非ヒト哺乳動物における前記治療法の効果を評価するステップとを有する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、がん療法を試験する方法であって、免疫不全非ヒト哺乳動物を用意するステップと、前記非ヒト哺乳動物に、該哺乳動物とは別の非ヒト哺乳動物から単離されたヒトCD34+前駆細胞または脾細胞を含む組成物を投与するステップと、患者から取得した腫瘍組織を前記非ヒト哺乳動物に導入するステップと、前記非ヒト哺乳動物に対してがん療法を実施するステップと、前記非ヒト哺乳動物における前記がん療法の効果を評価するステップとを有する方法をさらに提供する。
さらなる別の態様では、本発明は、候補者プールから1以上の臨床試験参加者を選択する方法であって、免疫不全非ヒト哺乳動物を用意するステップと、前記非ヒト哺乳動物に、候補者のヒトCD34+前駆細胞を含む組成物を投与するステップと、前記非ヒト哺乳動物に対して治療を実施するステップと、前記確立されたヒト免疫系の免疫応答を評価するステップとを有する方法を提供する。
また、本発明は、非ヒト哺乳動物におけるヒト免疫系を維持する方法であって、ナイーブ免疫不全哺乳動物に対して、ヒト化マウスから単離された脾細胞を投与するステップと、前記投与されたナイーブ免疫不全哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、前記単離された脾細胞を、次世代のナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップとを有する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、B細胞またはT細胞白血球の培養物を維持または増殖させる方法であって、レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の白血球を導入するステップと、前記白血球を導入してから少なくとも4週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップと、前記脾細胞を投与してから少なくとも4週間経過した後に、前記ナイーブ免疫不全哺乳動物から白血球を単離するステップと、前記白血球から前記異種哺乳動物由来の白血球を単離するステップとを有する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、B細胞またはT細胞白血球を作製する方法であって、レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の白血球を導入するステップと、前記白血球を導入してから少なくとも4週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物の脾細胞を単離するステップと、前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップと、前記脾細胞を投与してから少なくとも4週間経過した後に、前記ナイーブ免疫不全哺乳動物から白血球を単離するステップと、前記白血球から前記異種哺乳動物由来の白血球を単離するステップとを有する方法を提供する。さらに別な態様では、本発明は、本発明に係る方法により作製された、単離されたB細胞またはT細胞白血球を提供する。
別の態様では、本発明は、異種白血球の集団を含む1以上の動物を作製する方法であって、レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の白血球を導入するステップと、前記白血球を導入してから少なくとも4週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物の脾細胞を単離するステップと、前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップとを有する方法を提供する。
さらに、別の態様では、本発明は、がんを有する哺乳動物の免疫系のモデルを作製する方法であって、レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の腫瘍組織を導入するステップと、前記腫瘍組織を導入してから少なくとも12週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物の脾細胞を単離するステップと、前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップとを有する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本発明に係る方法に従って作製されたB細胞またはT細胞白血球を含む医薬組成物をさらに提供する。
本発明の一実施形態に係る、マウスをヒト化する方法と、その治療目的の使用を説明するためのフローチャートである。 ヒト化マウス由来の免疫細胞の養子免疫伝達の方法を示す概略図である。比較のために、脾細胞、骨髄、及び末梢血単核細胞(PBMC)を使用した。 ヒト化NOGマウス由来の脾細胞、骨髄、またはPBMCで再構成したマウスの末梢血のフローサイトメトリー分析の結果を示すグラフである(再構成の12週間後)。全体的に見て、脾細胞の養子免疫伝達により、ヒトT細胞(CD3)及びB細胞(CD19)により示されるロバストな断片とともに、高レベルのhCD45が生成された。骨髄細胞の養子免疫伝達では、hCD45の再構成は良好であったが、T細胞の再構成はごくわずかであった。PBMCの再構成は観察されなかった。 (A):ヒト化NOGマウス由来の脾細胞で再構成されたマウスの末梢血のフローサイトメトリー分析の結果を示すグラフである。全体的に見て、脾細胞の養子免疫伝達により、高レベルのhCD45が生成された。平均して、再構成の3、6、及び9週間後では、生存細胞の14.7%、32%、及び60.5%がヒトCD45細胞であった。(B):脾細胞で再構成されたNOGマウスの末梢血のフローサイトメトリー分析の結果を示すグラフである。免疫再構成により、CD3−T細胞、CD19−B細胞、及びCD56−NK細胞の代表サブセットとともに、ロバストなレベルのhCD45白血球が提供された。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために、様々な具体的な詳細が示されている。しかし、本発明が、これらの具体的な詳細を伴わずに実施できることは、当業者には明らかだろう。他の場合では、本発明を曖昧にしないために、周知の方法、手順、構成要素は詳細には説明していない。
本発明は、概して、非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立及び維持する方法を提供する。本発明はまた、概して、ヒト免疫系を有する非ヒト哺乳動物モデルを提供する。具体的には、本発明は、免疫不全マウスおいてヒト対象の免疫系を確立する方法であって、単離されたCD34+前駆細胞を免疫不全マウスに投与することにより、前記免疫系を確立する方法を提供する。本発明は、免疫不全マウスおいてヒト対象の免疫系を維持する方法であって、CD34+前駆細胞を投与する前に免疫不全マウスの脾細胞を単離し、単離された脾細胞を1または複数のナイーブ免疫不全哺乳動物に投与することにより、前記免疫系を維持する方法をさらに提供する。また、本発明は、治療法、特にがん療法を試験するための、ヒト対象の免疫系を有するマウスの使用を提供する。
一実施形態では、本発明に係る方法は、対象から免疫細胞を単離するステップと、単離された細胞を免疫不全非ヒト哺乳動物に投与するステップとを有し、これにより、「ヒト化された」非ヒト哺乳動物を作製する。また、本発明に係る方法は、対象の免疫細胞を有するヒト化非ヒト哺乳動物の連続的な作製を維持することを含む。
本明細書で使用するとき、「ヒト化」という用語は、導入された異種免疫細胞の集団を有する免疫不全哺乳動物を指す。異種免疫細胞の源は、ドナー哺乳動物、または別のヒト化哺乳動物のいずれかであり得る。
対象は、ヒト、または非ヒト哺乳動物であり得る。非ヒト哺乳動物の例としては、これに限定しないが、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ)、飼い慣らされた動物(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ)、ペット動物、動物園の動物、野生動物、及び実験動物(例えば、ラット、マウス、ハムスター、モルモット、サル、類人猿)などが挙げられる。
また、本発明に係る方法は、ドナー哺乳動物から造血幹細胞(HSC)を単離することをさらに提供する。HSCを単離する方法は、当分野では周知であり、例えば、適切な細胞マーカーを標的とする蛍光活性化細胞選別法(FACS)が挙げられる。細胞の種類毎に適したマーカーは当分野では周知であり、ヒトHSCの場合、例えば、CD34+、CD59+、Thy1/CD90+、C−kit/CD117+が挙げられる。好適な実施形態では、ヒトHSCは、CD34+HSCである。CD34+HSCは、対象の胎児肝臓、脾臓、または骨髄から採取され得る。各々は、本発明の個々の実施形態に相当する。
本発明は、単離されたHSCを免疫細胞非ヒト哺乳動物に投与することをさらに提供する。HSCは、1または複数の免疫不全哺乳動物に投与され得る。HSCが様々な免疫不全哺乳動物に投与される場合、それらの哺乳動物は、同一の種であってもよいし、または、様々な種において確立された免疫系の効果を調査するために互いに異なる種であってもよい。
本発明は、免疫不全レシピエント非ヒト哺乳動物の使用をさらに提供する。レシピエント非ヒト哺乳動物には、例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、ハムスター、またはモルモットが含まれる。好適な実施形態では、本発明は、レシピエント哺乳動物としての免疫不全マウスの使用を提供する。本明細書で使用するとき、「免疫不全」という用語は、動物の免疫系が正常に機能しないか、または十分に機能せず、例えば、B細胞、T細胞、NK細胞などを正常量生成できないことを意味する。免疫不全表現型は、一実施形態では、自然発生の遺伝子異常の結果、または、別の実施形態では、誘発された遺伝子異常の結果であり得る。免疫不全は、これに限定しないが、例えば、突然変異、照射、化学的手法、薬剤、またはウイルスにより生成され得る。免疫不全マウスの例としては、ヌード(nu/nu)マウス、重症複合免疫不全(SCID)ヌードマウス、非肥満性糖尿病(NOD)マウス、NOD/SCIDマウス、NSG(NOD/SCID/γc−/−)マウス、NOG(NOD/γc−/−)マウス、Rag−1(rag−1−/−/γc−/−)マウス、Rag−2(rag−2−/−/gc−/−)BRGマウス(BALB/c−Rag2null/IL2rγnull)、Rag1−/−マウス、Rag1−/−/γc−/−マウス、Rag2−/−マウス、Rag2−/−/γc−/−マウスが挙げられる。好適な実施形態では、免疫不全マウスは、インターロイキン2受容体ガンマ鎖(IL2Rγ)遺伝子に様々な突然変異を有するNODマウスである。このようなマウスの例には、NOD/SCID IL2rγnullマウス、及びNOD/SCID IL2rγTruncマウスが含まれる。特定の好適な実施形態では、免疫不全マウスは、NOD(PkrdcscidIL2Rγtm1Sug)マウスである。
本発明は、免疫不全マウスにおいて、対象の免疫系を確立することを提供する。
白血球を免疫不全マウス株に投与した後、投与された白血球は、レシピエントの血管系を通じて、マウス組織、とりわけ脾臓及び骨髄に移動する(参照によりその全体が本明細書に援用される「Simpson-Abelson et al., 2008, The Journal of Immunology, 180, 7009」を参照されたい)。これらの細胞は、分化能を維持し、腫瘍注入後の増殖が可能である(参照によりその全体が本明細書に援用される「Bernard et al., 2008, Clinical and Experimental Immunology, 152, 406」を参照されたい)。したがって、本発明は、異種対象の免疫系が確立され白血球が脾臓に移動した後に、脾細胞を採取することを提供する。免疫系は、動物へのHSCの接種後に前記動物内で発達するのに適切な長さの時間が与えられた後に、「確立された」と見なすことができる。前記組織が動物内で発達するのに許容される時間は、「確立期間」と呼ばれる。別の実施形態では、確立期間は、7−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、8−14週間である。別の実施形態では、確立期間は、9−13週間である。別の実施形態では、確立期間は、10−12週間である。別の実施形態では、確立期間は、8−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、9−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、10−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、12−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、7−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、13−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、14−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−7週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−8週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−9週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−10週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−11週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−12週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−13週間である。別の実施形態では、確立期間は、6−14週間である。別の実施形態では、確立期間は、8−10週間である。別の実施形態では、確立期間は、9−11週間である。別の実施形態では、確立期間は、10−12週間である。別の実施形態では、確立期間は、11−13週間である。別の実施形態では、確立期間は、12−14週間である。別の実施形態では、確立期間は、13−15週間である。別の実施形態では、確立期間は、7週間である。別の実施形態では、確立期間は、8週間である。別の実施形態では、確立期間は、9週間である。別の実施形態では、確立期間は、10週間である。別の実施形態では、確立期間は、11週間である。別の実施形態では、確立期間は、13週間である。別の実施形態では、確立期間は、14週間である。別の実施形態では、確立期間は、15週間である。別の実施形態では、確立期間は、15週間を超えた期間である。好ましい実施形態では、確立期間は、12週間である。
別の好適な実施形態では、確立期間は、実験的に決定される。免疫系は、ヒトCD34+HSCを用いてヒト化されたマウスが成熟白血球を提供可能になったときに、「確立された」と見なすことができる。例えば、レシピエント哺乳動物の末梢血または器官(例えば、脾臓または骨髄)における成熟白血球の検出は、免疫系が確立され移動が行われたことを示す。標的細胞の検出方法は、当分野では周知であり、これに限定しないが、例えば、免疫組織化学法、蛍光in−situハイブリダイゼーション法(FISH)、適切な細胞マーカーを標的とする蛍光活性化細胞選別法(FACS)法が挙げられる。例えば、ヒトT細胞に適切な細胞マーカーは、CD45、CD3、CD4、CD8、TCR、またはそれらの組み合わせを含み、ヒトB細胞に適切な細胞マーカーは、抗ヒトCD45、CD19、IgM、またはそれらの組み合わせを含み、ヒト骨髄性細胞に適切な細胞マーカーは、ヒトCD45、Mac−1、Gr−1、CD16、CD56、MHCクラスII、またはそれらの組み合わせを含み、ヒトNK細胞に適切な細胞マーカーは、ヒトCD45、CD16、CD56、またはそれらの組み合わせを含み、ヒトNKT細胞に適切な細胞マーカーは、CD45、CD3、CD4、CD8、CD16、CD56、またはそれらの組み合わせを含む。あるいは、白血球の成熟は、例えばPCRや免疫ブロット法などのルーチン生化学分析法を用いて、特定の核酸またはタンパク質を検出することにより確認することができる。
また、本発明に係る方法は、1または複数のレシピエント組織から白血球を採取することを提供する。一実施形態では、白血球は、レシピエントの肺から採取される。別の実施形態では、白血球は、レシピエントの腎臓から採取される。別の実施形態では、白血球は、レシピエントの腸から採取される。好適な実施形態では、白血球は、レシピエントの末梢血から採取される。好適な実施形態では、白血球は、レシピエントの骨髄から採取される。好適な実施形態では、白血球は、レシピエントの脾臓(脾細胞)から採取される。
「採取」は、目的とする細胞を含む器官をホスト動物(例えば、レシピエント哺乳動物)から取り出し、前記器官の構造を破壊して個々の細胞を取り出すことを指す。様々な器官から白血球を採取する方法は、当分野では周知である。例えば、脾細胞は、切除された脾臓細胞を細胞ろ過器またはナイロンメッシュに通した後に遠心分離することによって、脾臓を物理的に破壊することにより採取することができる(例えば、「Reeves and Reeves. 2001, Removal of Lymphoid Organs. Current Protocols in Immunology. 1:III:1.9:1.9.1-1.9.3」を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、白血球は、例えばFACSなどのフローサイトメトリー法を用いて、採取された細胞のプールからさらに単離するかまたはリッチ化させることができる。この技術は、分子分析及びその後の使用のために、生存白血球の表現型的に純粋な集団を同時に単離することができるという利点を有する。したがって、様々なサブセット白血球を単離し、活性化状態、抗腫瘍活性、及び薬物耐性について分析することができる。
採取された脾細胞はまた、インビトロ培養で増殖され得る。脾細胞を培養する方法は、当分野では周知である。さらに、本発明は、採取された脾細胞のさらなる操作(例えばヒトまたは非ヒトのサイトカインまたは抗原による刺激)、当分野で周知の技術を用いた内在性遺伝子の活性の調節などの遺伝子操作、または当分野で周知の技術を用いた異種遺伝子の脾細胞への導入を意図する。
細胞の集団のリッチ化などにおける「リッチ化」は、非分画細胞群におけるマーカーを有する細胞の数と比較した場合の、細胞分画群における特定のマーカーを有する細胞の増加数に基づいて定義することができる。
「単離された」は、細胞がその自然環境(例えば、固形腫瘍)から取り出され、単離または分離され、かつ、その細胞が自然に存在するが単離された細胞に基づくマーカーを有していない他の細胞を少なくとも約75%、より好ましくは90%含まないことを意味する。
本発明の好適な実施形態では、上記の方法は、脾細胞の採取、及び任意選択で脾細胞をリッチ化させるのに使用される。一実施形態では、得られる細胞集団は、対象のT細胞を含む。別の実施形態では、得られる細胞集団は、対象のT細胞から成る。別の実施形態では、得られる細胞集団は、対象のB細胞を含む。別の実施形態では、得られる細胞集団は、対象のB細胞から成る。別の実施形態では、得られる細胞集団は、対象のT細胞及びB細胞の混合物を含む。別の実施形態では、得られる細胞集団は、対象のT細胞及びB細胞の混合物から成る。さらなる別の実施形態では、得られる細胞集団は、別のタイプの白血球を含む。
一実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約50%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約55%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約60%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約65%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約70%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約75%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約80%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約85%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約90%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約95%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約96%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約97%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約98%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約99%含む。別の実施形態では、白血球は、採取されたレシピエント脾細胞を少なくとも約100%含む。
一実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約5%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約10%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約15%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約20%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約25%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約30%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約35%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約40%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約46%含む。別の実施形態では、T細胞は、採取された白血球を少なくとも約50%含む。
一実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約5%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約10%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約15%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約20%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約25%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約30%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約36%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約40%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約45%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約50%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約55%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約60%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約65%含む。別の実施形態では、B細胞は、採取された白血球を少なくとも約70%含む。
一実施形態では、採取されたT細胞は、CD3CD8T細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD3CD4T細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD45ROメモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD11aメモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CXCR3メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD44メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD69メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD69LメモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD25メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD4FOXP3制御性T細胞(Treg)である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD4FOXP3制御性T細胞(Treg)である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、上記のT細胞のいくつかまたは全てのタイプの組み合わせを含む。
一実施形態では、採取されたB細胞は、CD19CD20B細胞である。別の実施形態では、採取されたB細胞は、CD78CD138形質細胞である。別の実施形態では、採取されたB細胞は、CD27メモリー細胞である。別の実施形態では、採取されたB細胞は、CD20CD27CD43CD70B1細胞である。別の実施形態では、採取されたB細胞は、上記のB細胞のいくつかまたは全てのタイプの組み合わせを含む。
本発明は、採取されたレシピエントの脾細胞またはリッチ化された白血球の凍結保存をさらに提供する。脾細胞の凍結保存の方法は、当分野で周知である(例えば、「Gad et al., 2013, Journal for ImmunoTherapy of Cancer 1(Suppl 1), 211」を参照されたい)。本発明は、凍結保存された腫瘍関連白血球の様々な使用、例えば、これに限定しないが、後述するようなナイーブ免疫不全哺乳動物への投与、または転移性疾患の治療における使用を意図する。
本発明は、ヒト化哺乳動物から採取された脾細胞またはリッチ化された白血球を、免疫不全哺乳動物に投与することをさらに提供する。免疫不全哺乳動物は、特定の用途のために選択され、当業者に既知の特定の用途に適した適切な哺乳動物であり得る。好適な実施形態では、レシピエント哺乳動物は、マウスである。いくつかの実施形態では、ナイーブ免疫不全哺乳動物は、脾細胞が単離されたヒト化哺乳動物と同一の種である。いくつかの実施形態では、ナイーブ免疫不全哺乳動物は、脾細胞が単離されたヒト化哺乳動物とは異なる種である。別の実施形態では、ナイーブ免疫不全哺乳動物は、対象と同一の種である。別の実施形態では、ナイーブ免疫不全哺乳動物は、対象とは異なる種である。一実施形態では、ヒト化哺乳動物から採取された脾細胞またはリッチ化された白血球の投与は、複数のナイーブ免疫不全哺乳動物に対して行われ、これにより、対象の白血球のインビボ培養物の増殖が行われる。
本発明は、固定数の採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球を、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与することを提供する。一実施形態では、少なくとも約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約2×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約3×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約4×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約5×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約6×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約7×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約8×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約9×10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも1.2×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも1.4×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも1.5×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも1.6×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも1.8×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも2×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも2.2×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも2.4×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、少なくとも2.5×約10の細胞が、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。いくつかの実施形態では、細胞の投与量は、ナイーブ免疫不全哺乳動物の体重に基づき決定される。
本発明は、採取された脾細胞またはリッチ化された白血球を、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与する前に洗浄することをさらに提供する。洗浄溶液には、生理食塩水、無血清培地、または当業者により適切と見なされる任意の他の溶液が含まれる。
本発明は、投与後にナイーブ免疫不全哺乳動物内で白血球のインビボ培養物を増殖させることをさらに提供する。一実施形態では、このことは、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球を複数のナイーブ免疫不全哺乳動物に投与することにより実現される。一実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、2つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、3つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、4つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、5つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、6つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、7つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、8つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、9つのナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、10のナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。別の実施形態では、採取されたレシピエント哺乳動物脾細胞またはリッチ化された白血球は、10を超える数のナイーブ免疫不全哺乳動物に投与される。
別の実施形態では、投与後のナイーブ免疫不全哺乳動物内での腫瘍関連白血球の培養物の増殖は、投与後の採取までの期間を延ばすことにより実現される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した7−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した8−14週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した9−13週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した10−12週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した8−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した9−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した10−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した12−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した7−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した13−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した14−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−7週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−8週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−9週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−10週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−11週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−12週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−13週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した6−14週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した8−10週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した9−11週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した10−12週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した11−13週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した12−14週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した13−15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した7週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した8週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した9週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した10週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した11週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した13週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した14週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した15週間後に採取される。別の実施形態では、増殖させた培養物は、投与した15週間を超えた期間後に採取される。好適な実施形態では、増殖させた培養物は、投与した12週間後に採取される。
本発明は、任意の疾病または疾患の治療に使用することができる。一態様では、本発明に係るヒト化非ヒト哺乳動物は、任意の疾病または疾患のスクリーニングに使用することができる。
一態様では、本発明は、対象の免疫系のバックグラウンドでがん療法を試験する方法を提供する。本発明に係るがん療法を試験する方法は、上述したようにして、非ヒト哺乳動物において対象の免疫を確立するステップと、対象由来の異種腫瘍を前記非ヒト哺乳動物に導入するステップと、前記非ヒト哺乳動物において試験対象の治療法を試験するステップと、前記非ヒト哺乳動物における前記治療法の効果を評価するステップとを有する。
「がん」という用語は、無秩序な細胞成長、無制御の細胞増殖、及びアポトーシスによる細胞死の減少に関連する増殖性疾患を指す。本明細書で使用するとき、「腫瘍」という用語は、異常な高レベルの成長及び増殖を示す細胞群を指す。腫瘍は、悪性、前がん状態、または良性であり得る。悪性腫瘍細胞は、がん性である。本明細書で使用するとき、「腫瘍」という用語はまた、腫瘍の一部、例えば、腫瘍のサンプルを指す。本明細書で使用するとき、「腫瘍」という用語はまた、原発腫瘍及び転移がんの両方を指す。本明細書で使用するとき、「腫瘍成長」という用語は、腫瘍を含む細胞であって、その腫瘍のサイズの大幅な増加を引き起こす該細胞による増殖または成長を指す。本明細書を通じて、「がん」及び「腫瘍」という用語は、いくつかの実施形態では、互いに互換的に使用され、全て同一の意味及び本質を有する。
本発明では、異種腫瘍は、悪性腫瘍であり得る。あるいは、異種腫瘍は、良性腫瘍であり得る。いくつかの場合では、良性腫瘍は、重大な臨床的問題を示すか、あるいは、悪性腫瘍のように挙動する。例えば、このような良性腫瘍には、これに限定しないが、下垂体の神経線維腫、神経腫、腺腫、及び/または髄膜腫が含まれる。また、本発明により意図される異種腫瘍は、固形腫瘍である。いくつかの実施形態では、腫瘍は、腫瘍の一部である。固形腫瘍の例として、これに限定しないが、脳腫瘍、骨髄芽球腫、乳房腫瘍、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、頭頸部腫瘍、膀胱腫瘍、眼腫瘍、甲状腺腫瘍、唾液腺腫瘍、副腎腫瘍、食道腫瘍、腸腫瘍、胃腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍、肝臓腫瘍、膵臓腫瘍、腎臓腫瘍、前立腺腫瘍、筋肉腫瘍、骨腫瘍、皮膚腫瘍、及び間質/肉腫腫瘍が挙げられる。いくつかの実施形態では、腫瘍またはその一部は、原発腫瘍である。いくつかの実施形態では、腫瘍は、転移腫瘍である。本発明のいくつかの実施形態では、腫瘍は、ヒト腫瘍である。また、本発明により意図される腫瘍またはその一部は、抗がん治療、例えば外科的処置、化学療法、放射線療法、抗体療法、免疫療法、またはそれらの任意の組み合わせを受けているがん患者に由来し得る。別の実施形態では、腫瘍またはその一部は、抗がん治療を受けていない患者に由来する。
本発明は、1または複数の異種腫瘍またはその一部を、対象または患者の免疫系がすでに確立されている非ヒト哺乳動物に導入することを提供する。異種腫瘍を哺乳動物に導入する方法は、当業者では周知である。例えば、腫瘍は、皮下に正着または移植され得る。他の異種腫瘍導入方法も当分野で知られている(例えば、参照によりその全体が本明細書に援用される「Morton and Houghton, Nature Protocols, 2, 247 (Feb 22, 2007)」または米国特許出願第2014/0109246A1号明細書を参照されたい)。腫瘍またはその一部は、同所に、すなわちレシピエント哺乳動物における腫瘍採取部位と同じ部位に移植され得る。したがって、例えば、腎臓腫瘍は、レシピエント哺乳動物の腎臓に移植され得る。あるいは、腫瘍は、異所に、すなわち腫瘍が由来する部位とは異なる部位に、例えば好適な実施形態ではレシピエント哺乳動物の側腹部に移植され得る。また、本発明は、例えば同所及び異所の両方に、同一哺乳動物の同一腫瘍の複数の部分を移植することを提供する。別の実施形態では、同一の腫瘍の一部が、いくつかの個々の哺乳動物(そのいくつかまたは全ては、上述のようにして確立された対象または患者の免疫系を有する)に移植され得る。一実施形態では、腫瘍またはその断片は、2つのレシピエント哺乳動物に移植される。別の実施形態では、腫瘍またはその断片は、3つのレシピエント哺乳動物に移植される。別の実施形態では、腫瘍またはその断片は、4つのレシピエント哺乳動物に移植される。別の実施形態では、腫瘍またはその断片は、5つのレシピエント哺乳動物に移植される。別の実施形態では、腫瘍またはその断片は、5を超える数のレシピエント哺乳動物に移植される。腫瘍またはその一部は、対象から摘出され、レシピエント哺乳動物に直接的に移植され得る。腫瘍はまた、レシピエント哺乳動物に移植する前に小片に切り分けられ、その小片がレシピエント哺乳動物に移植され得る。一実施形態では、腫瘍は、移植前に、5mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、10mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、15mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、20mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、25mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、30mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、5−30mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、10−25mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、15−20mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、10−30mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、15−30mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、20−30mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、25−30mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、5−10mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、5−15mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、5−20mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、15−20mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、10−25mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、15−25mmの小片に切り分けられる。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、20−25mmの小片に切り分けられる。
本発明により意図される腫瘍は、レシピエント哺乳動物に移植される前に洗浄され得る。洗浄溶液は、生理食塩水、無血清培地、または当業者により適切と見なされる任意の他の溶液を含み得る。別の実施形態では、腫瘍は、移植前に、培地内で1日または2日間培養される。培養条件は、培養中に腫瘍細胞の複製が防止されるように選択され得る。好適な実施形態では、固形腫瘍は、移植前に解離されない。非解離腫瘍を移植することが重要である。非解離腫瘍は、腫瘍内に非がん性の要素、これに限定しないが、例えばB細胞、T細胞、NK細胞、マクロファージ、筋線維芽細胞、線維芽細胞、内皮細胞、血管、及び/またはリンパ管などを保存するためである。
また、本発明は、移植後に腫瘍成長をモニタすることを提供する。腫瘍成長をモニタする方法は、当分野で周知である。腫瘍成長をモニタするのに好適な方法は、例えばFACSによる、CD44細胞、CD24細胞、及び/またはADLH細胞についての、移植された腫瘍のサイズの分析、及びがん幹細胞(CSC)の分析を含む。
本発明は、腫瘍の移植の確立後に、治療法を試験する方法をさらに提供する。がん組織は、該組織を動物に移植した後にその動物内で成長するのに適切な期間が与えられた後に、「確立された」と見なすことができる。いくつかの実施形態では、前記組織は、約100〜300mmの範囲のサイズを有する組織に成長したときに、「確立された」と見なすことができる。いくつかの実施形態では、前記組織は、約50〜500mmの範囲のサイズ、または約125〜250mmの範囲のサイズ、または約75〜400mmの範囲のサイズ、またはそれらの任意の範囲内のサイズを有する組織に成長したときに、「確立された」と見なすことができる。
対象の遺伝的バックグラウンドで試験することができる治療法には、薬物療法、化学療法、放射線療法、抗体療法、免疫療法、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
本発明は、臨床試験の候補者を選択する方法であって、前記候補者の免疫系を上述したようにして非ヒト哺乳動物において確立した後に、前記非ヒト哺乳動物において、プロスペクティブな(prospective)治療法を実施する方法をさらに提供する。プロスペクティブな治療法の実施後、前記治療法に対する免疫応答を評価し、これにより、候補者における望ましくない免疫系副作用の予測を可能にする。その後、非ヒト動物内で確立された免疫系がプロスペクティブな治療法に対してネガティブな反応を示した候補者は、臨床試験から除外される。
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、数量的に「±5%以内」、別の実施形態では「±10%」、別の実施形態では「±15%」、または別の実施形態では「±20%」を意味する。
「投与」という用語が、対象に、本発明に係る組成物を接触させることを包含することは、当業者には明らかであろう。組成物は、当業者に既知の任意の方法、例えば、非経口的、癌近傍、経粘膜的、経皮的、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳内、膣内、または腫瘍内に投与され得る。好適な実施形態では、組成物は、液体製剤の静脈内、動脈内、または筋肉内注射により投与され得る。好適な液体製剤には、溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、油などが含まれる。一実施形態では、組成物は静脈内に投与され、そのため、組成物は静脈内投与に適した形態に調製される。別の実施形態では、組成物は動脈内に投与され、そのため、組成物は動脈内投与に適した形態に調製される。別の実施形態では、組成物は筋肉内に投与され、そのため、組成物は筋肉内投与に適した形態に調製される。特定の好適な実施形態では、組成物は、静脈内注射により投与される。
一実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも50%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも55%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも60%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも65%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも70%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも75%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも80%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも85%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも90%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも95%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも96%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも97%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも98%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を少なくとも99%含む。別の実施形態では、白血球は、ナイーブ免疫不全哺乳動物に投与し増殖させた後に採取された細胞を100%含む。
一実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約5%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約10%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約15%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約20%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約25%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約30%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約35%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約40%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約46%含む。別の実施形態では、T細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約50%含む。
一実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約5%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約10%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約15%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約20%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約25%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約30%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約35%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約40%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約46%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約50%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約55%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約60%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約65%含む。別の実施形態では、B細胞は、ナイーブ免疫不全哺乳動物投与し増殖させた後に採取された細胞培養物内に存在する白血球を少なくとも約70%含む。
一実施形態では、投与及び増殖後に採取されたT細胞は、CD3CD8T細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD3CD4T細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD45ROメモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD11aメモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CXCR3メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD44メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD69メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD69LメモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD25メモリーT細胞である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD4FOXP3制御性T細胞(Treg)である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、CD4FOXP3制御性T細胞(Treg)である。別の実施形態では、採取されたT細胞は、上記のT細胞のいくつかまたは全てのタイプの組み合わせを含む。
一実施形態では、投与及び増殖後に採取されたB細胞は、CD19CD20B細胞である。別な実施形態では、採取されたB細胞は、CD78CD138形質細胞である。別な実施形態では、採取されたB細胞は、CD27メモリーB細胞である。別な実施形態では、採取されたB細胞は、CD20CD27CD43CD70B1細胞である。別の実施形態では、採取されたB細胞は、上記のB細胞のいくつかまたは全てのタイプの組み合わせを含む。
一実施形態では、「治療」という用語は、疾患の治癒を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、疾患の予防を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、疾患の発生率の低下を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、疾患の症状の改善を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、患者の無病生存期間または全生存期間の増加を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、疾患の進行の安定化を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、寛解の誘導を指す。別の実施形態では、「治療」という用語は、疾患の進行の遅延化を指す。「減少」、「抑制」、及び「抑止」という用語は、緩和または低減を指す。
本明細書で使用するとき、「治療」は、治療処置及び予防対策の両方を指し、本明細書で記載したようにして標的とする病的状態または疾患を防止または緩和することを目的とする。したがって、一実施形態では、治療は、疾病、疾患、病状、またはそれらの組み合わせについて、直接的に影響を及ぼすまたは治療する、抑制する、抑止する、重症度を軽減させる、発症を遅延させる、または症状を軽減させることを含み得る。したがって、一実施形態では、「治療」は、とりわけ、進行の遅延、寛解の迅速化、寛解の誘導、寛解の促進、回復の迅速化、別の治療の効果の増大、または別の治療に対する抵抗の減少、またはそれらの組み合わせを含む。
また、本発明は、上述したようにして白血球の培養物が投与されたナイーブ免疫不全哺乳動物を含む、がんを有する哺乳動物の免疫系モデルを提供する。これらのモデルは、腫瘍源の対象の免疫系に対する薬剤及び治療の効果を判断するのに使用することができる。例えば、腫瘍関連白血球が投与されたナイーブ免疫不全哺乳動物に対して様々な治療計画を施し、前記白血球に対する影響をモニタすることができる。この目的のためのナイーブ免疫不全哺乳動物の使用は、無がんのバックグラウンドにおいて、がん患者の免疫系を総括し、長期間の試験計画を可能にする。さらに、患者の免疫系を総括するいくつかの哺乳動物の利用可能性は、いくつかの治療計画を並行して試験することを可能にする。
また、本発明は、上述した本発明に係る方法に従って単離された白血球を含む医薬組成物を提供する。多数の白血球を含む医薬組成物の利用可能性は、多くの場合、年齢、抗がん治療(例えば、化学療法または放射線治療)、免疫抑制剤による治療、または感染に起因して免疫不全を患ったがん患者において様々な用途を有する。加えて、このような組成物は、白血球の大本である原発腫瘍に由来する再発がんまたは転移性疾患の治療に使用することができる。
本明細書で使用するとき、「医薬組成物」という用語は、治療的に有効な量の活性成分、腫瘍関連白血球、及び薬学的に許容可能な担体または賦形剤を包含する。
「治療的に有効な量」は、腫瘍の治療に関しては、下記の(1)〜(7)の効果のうちの1以上を誘起することができる量を指す。(1)減速及び完全な成長停止を含む、腫瘍成長のある程度の抑制、(2)腫瘍細胞数の減少、(3)腫瘍サイズの減少、(4)末梢器官への腫瘍細胞浸潤の抑制(すなわち、減少、減速、または完全な停止)、(5)転移の抑制(すなわち、減少、減速、または完全な停止)、(6)(必須ではないが)腫瘍の退縮または拒絶をもたらし得る抗腫瘍免疫応答の強化、(7)腫瘍に関連する1以上の症状のある程度の軽減。腫瘍の治療の目的で、本明細書中で規定される腫瘍関連白血球「治療的に有効な量」は、経験的に及び/または所定の方法で決定される。
「含む(comprise)」という用語またはその文法的形式は、示された活性物質、例えば本発明に係る腫瘍関連白血球を包含すること、並びに、他の活性物質、例えば抗体またはその機能的断片、及び製薬業で既知の薬学的に許容される担体、賦形剤、添加剤、安定化剤などを包含することを指す。いくつかの実施形態では、「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」という表現は、活性成分は、示された活性成分のみを含み、それ以外の化合物は、例えば製剤化などの安定化や保存のためのものは含むが、示された活性成分の治療効果には直接関与しない、組成物を指す。いくつかの実施形態では、「本質的に〜から成る」という表現は、示された活性成分の作用機序とは異なる作用機序によって治療効果を発揮する構成要素を指す。いくつかの実施形態では、「本質的に〜から成る」という表現は、治療効果を発揮し、示された活性成分とは異なる化合物のクラスに属する構成要素を指す。いくつかの実施形態では、「本質的に〜から成る」という表現は、例えば別個の作用機序によって作用し、示された活性成分の治療効果とは異なる治療効果を発揮する構成要素を指す。いくつかの実施形態では、「本質的に〜から成る」という表現は、活性成分の放出を促進にする構成要素を指す。いくつかの実施形態では、「本質的に〜から成る」という表現は、活性成分と、薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを含む組成物を指す。
本明細書で使用するとき、単数形の「a」、「an」及び「the」は、別段文脈により明らかに示されない限り、対象要素の複数形も含む。例えば「ある化合物」または「少なくとも1種類の化合物」という表現には、複数の化合物(それらの混合物も含む)も含まれ得る。
本出願の全体を通じて、本発明の様々な実施形態を範囲形式で示すことがある。範囲形式での記載は単に利便性及び簡潔性のためのであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定と解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲に関する記載は、可能な部分範囲の全て、並びに、その範囲内に含まれる個々の数値を具体的に開示したものと見なされるべきである。例えば、1から6までという範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6まで、・・・、という部分的な範囲、並びに、その範囲内に含まれる個々の数(例えば、1、2、3、4、5、及び6)を具体的に開示したものと見なされるべきである。このことは、範囲の幅とは無関係に当てはまる。
本明細書において数値範囲を指定している場合は常に、指定された数値範囲内に含まれる全ての数値(端数または整数)を含むことを意味する。第1の指定数と第2の指定数と「の間の範囲」という表現、及び第1の指定数「から」、第2の指定数「までの範囲」という表現は、本明細書では相互交換的に用いられており、第1の指定数及び第2の指定数、並びにこれらの間の全ての端数及び整数を含むことを意味する。
本明細書で使用するとき、「方法」という用語は、所定の目的を達成するための手法、手段、技法、及び手順を指し、これに限定しないが、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医療分野の当業者に既知の手法、手段、技法、及び手順、またはそれらから前記当業者が容易に発展させた手法、手段、技法、及び手順を含む。
以下の詳細な例では、本発明の完全な理解を提供するために、様々な具体的な詳細が示されている。しかし、本発明は、これらの具体的な詳細を伴わずに実施できることは、当業者には明らかだろう。他の場合では、本発明を曖昧にしないために、周知の方法、手順、構成要素は詳細には説明していない。したがって、これらの例は、決して、本発明の広範な範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
実施例
実施例1:ヒト化マウスの脾細胞の養子免疫伝達の手順
白血球増殖
ヒト白血球をヒト化マウスの脾臓から取得し、インビボで増殖させた。CD45RO、CD11a、CXCR3、CD44、CD69、CD62L、CD25マーカーの存在を通じて、継代細胞は、生存可能であり、かつドナー細胞のエフェクターメモリー表現型を保存していることが分かった。
実験計画
脾臓は、免疫移植マウスから採取した(ヒト免疫再構成後、最低6週間経過後に)。脾細胞は、標準的な手法を用いて取得した。簡単に説明すると、マウスの脾臓を小片に切り分け、その小片を100μmのセルストレナーでろ過した。次に、脾細胞を滅菌PBSで2回洗浄し、アリコートを細胞生存率算出及び細胞定量化のために試験した。細胞を、滅菌PBS中で懸濁し、100μLあたり≦2.5×10の細胞数の濃度、最大で200μLを各マウスに静脈内投与した。各脾細胞調合液により、5〜10のNOG(PrkdcscidIl2rgtm1Sug)マウスに生着させることができた。この手順の全体中は、無菌技術が使用された。また、脾細胞は、その後の使用のために、DMSOストック中に凍結保存した。
分析
CD45、CD3、CD19ヒトマーカーの集団レベルを確認するために、脾細胞の再構成後に、マウスの末梢血のフローサイトメトリー分析による免疫表現型検査を12週間実施した。
結果
平均して、再構成の12週間後では、生存細胞の80%はヒトCD45細胞であり、生存細胞の30−46%はヒトCD3(T細胞)であり、生存細胞の36−60%はヒトCD19(B細胞)であった(図3)。
さらなる分析により、CD45細胞の断片は、培養時間とともに増加し、再構成の3週間後、6週間後、9週間後に、生存細胞が平均して14.7%、32%、60.5%増加することが分かった(図4A)。また、培養の9週間後のCD3−T細胞及びCD19−B細胞のロバストレベルを観察した(図4B)。
結論
ヒト化マウスから移植された脾細胞は、新しいマウス内で増殖させることができ、機能性を有し、かつ、表現型的にはドナーT細胞と区別できないという結論に達した。

Claims (31)

  1. 非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立する方法であって、
    免疫不全非ヒト哺乳動物を用意するステップと、
    前記非ヒト哺乳動物に、該哺乳動物とは別の非ヒト哺乳動物から単離されたヒトCD34+前駆細胞または脾細胞を含む組成物を投与するステップとを有し、
    前記別の非ヒト哺乳動物は、ヒト化非ヒト哺乳動物であり、
    前記単離された脾細胞は、ヒト免疫細胞を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ヒト化非ヒト哺乳動物は、ヒトCD34+前駆細胞を含む組成物の投与によって確立されたヒト免疫系を有する哺乳動物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記ヒトCD34+前駆細胞は、ヒトさい帯血に由来することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記ヒトCD34+前駆細胞は、ヒト胎児肝臓に由来することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記ヒトCD34+前駆細胞は、ヒト対象の骨髄に由来することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記非ヒト哺乳動物は、マウス、ラット、ブタ、ウサギ、またはモルモットであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記ヒト化非ヒト哺乳動物は、マウス、ラット、ブタ、ウサギ、またはモルモットであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記非ヒト哺乳動物及び前記ヒト化非ヒト哺乳動物は、互いに同じ種であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記非ヒト哺乳動物及び前記ヒト化非ヒト哺乳動物は、互いに異なる種であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 非ヒト哺乳動物モデルであって、
    上記の請求項1に記載の方法に従って確立されたヒト免疫系を有することを特徴とする非ヒト哺乳動物モデル。
  11. 前記ヒト免疫系は、ヒト白血球を含むことを特徴とする請求項10に記載の非ヒト哺乳動物モデル。
  12. 前記ヒト白血球は、少なくとも20%のヒトCD45+細胞を含むことを特徴とする請求項11に記載の非ヒト哺乳動物モデル。
  13. 前記ヒトCD45+細胞は、少なくとも5%のヒトCD3+T細胞を含むことを特徴とする請求項12に記載の非ヒト哺乳動物モデル。
  14. 前記ヒトCD45+細胞は、少なくとも5%のヒトCD19+B細胞を含むことを特徴とする請求項12に記載の非ヒト哺乳動物モデル。
  15. 前記ヒトCD45+細胞は、少なくとも1%のヒトCD56+NK細胞を含むことを特徴とする請求項12に記載の非ヒト哺乳動物モデル。
  16. 前記単離された脾細胞は、前記非ヒト哺乳動物に投与される前に、ヒトマーカーを選択するために選別され、
    前記ヒトマーカーは、CD45+、CD3+、CD19+、またはCD56+であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 前記単離された脾細胞は、前記非ヒト哺乳動物に投与される前に、インビトロで増殖させられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 前記単離された脾細胞は、前記非ヒト哺乳動物に投与される前に、ヒトサイトカインで刺激されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  19. 治療法を試験する方法であって、
    上記の請求項1に記載の方法に従って、非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立するステップと、
    前記非ヒト哺乳動物において治療法を試験するステップと、
    前記非ヒト哺乳動物における前記治療法の効果を評価するステップと
    を有することを特徴とする方法。
  20. 前記治療法は、免疫療法であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記免疫療法は、免疫チェックポイント阻害療法、モノクローナル抗体による治療、小分子による治療、免疫抑制分子を標的とする治療、または免疫療法ワクチンによる治療であることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 前記治療法は、化学療法、または化学療法と任意の免疫療法との組み合わせであることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  23. がん療法を試験する方法であって、
    (a)上記の請求項1に記載の方法に従って、非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立するステップと、
    (b)患者由来の腫瘍組織を前記非ヒト哺乳動物に導入するステップと、
    (c)前記非ヒト哺乳動物に対してがん療法を実施するステップと、
    (d)前記非ヒト哺乳動物における前記がん療法の効果を評価するステップとを有することを特徴とする方法。
  24. 前記腫瘍組織は、皮下生着により、同所移植により、または血行性経路を介して導入されることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記腫瘍組織は、頭頸部腫瘍、脳腫瘍、眼腫瘍、甲状腺腫瘍、副腎腫瘍、唾液腺腫瘍、食道腫瘍、胃腫瘍、腸腫瘍、結腸腫瘍、肺腫瘍、乳房腫瘍、肝臓腫瘍、膵臓腫瘍、腎臓腫瘍、膀胱腫瘍、前立腺腫瘍、筋肉腫瘍、骨腫瘍、皮膚腫瘍、及び間質/肉腫腫瘍から選択される固形腫瘍の試料であることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  26. 候補者プールから1以上の臨床試験参加者を選択する方法であって、
    候補者のCD34+前駆細胞を使用して、上記の請求項1に記載の方法に従って、非ヒト哺乳動物においてヒト免疫系を確立するステップと、
    前記非ヒト哺乳動物に対して治療を実施するステップと、
    前記確立されたヒト免疫系の免疫応答を評価するステップと、
    臨床試験のための治療に対して好ましくない応答を示さなかったモデル免疫系を有する候補者を選択するステップとを有することを特徴とする方法。
  27. 非ヒト哺乳動物におけるヒト免疫系を維持する方法であって、
    ナイーブ免疫不全哺乳動物に、上記の請求項2に記載の方法に従って作製したヒト化マウスから単離された脾細胞を投与するステップと、
    前記投与されたナイーブ免疫不全哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、
    前記単離された脾細胞を、次世代のナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップとを有することを特徴とする方法。
  28. B細胞またはT細胞白血球の培養物を維持または増殖させる方法であって、
    レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の白血球を導入するステップと、
    前記白血球を導入してから少なくとも4週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、
    前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップと、
    前記脾細胞を投与してから少なくとも4週間経過した後に、前記ナイーブ免疫不全哺乳動物から白血球を単離するステップと、
    前記白血球から前記異種哺乳動物由来の白血球を単離するステップとを有することを特徴とする方法。
  29. B細胞またはT細胞白血球を作製する方法であって、
    レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の白血球を導入するステップと、
    前記白血球を導入してから少なくとも4週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、
    前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップと、
    前記脾細胞を投与してから少なくとも4週間経過した後に、前記ナイーブ免疫不全哺乳動物から白血球を単離するステップと、
    前記白血球から前記異種哺乳動物由来の白血球を単離するステップとを有することを特徴とする方法。
  30. 異種白血球の集団を有する1以上の動物を作製する方法であって、
    レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の白血球を導入するステップと、
    前記白血球を導入してから少なくとも4週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、
    前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップとを有することを特徴とする方法。
  31. がんを有する哺乳動物の免疫系モデルを作製する方法であって、
    レシピエント哺乳動物に、異種哺乳動物由来の腫瘍組織を導入するステップと、
    前記腫瘍組織を導入してから少なくとも12週間経過した後に、前記レシピエント哺乳動物から脾細胞を単離するステップと、
    前記脾細胞をナイーブ免疫不全哺乳動物に投与するステップとを有することを特徴とする方法。
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