JP2018516282A - カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品 - Google Patents

カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP2018516282A
JP2018516282A JP2017523827A JP2017523827A JP2018516282A JP 2018516282 A JP2018516282 A JP 2018516282A JP 2017523827 A JP2017523827 A JP 2017523827A JP 2017523827 A JP2017523827 A JP 2017523827A JP 2018516282 A JP2018516282 A JP 2018516282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dip
starch
latex
weight
carboxylic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017523827A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6473230B2 (ja
Inventor
キム、ヒョン‐ウ
キム、チョン‐ウン
Original Assignee
エルジー・ケム・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルジー・ケム・リミテッド filed Critical エルジー・ケム・リミテッド
Publication of JP2018516282A publication Critical patent/JP2018516282A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6473230B2 publication Critical patent/JP6473230B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L9/00Compositions of homopolymers or copolymers of conjugated diene hydrocarbons
    • C08L9/02Copolymers with acrylonitrile
    • C08L9/04Latex
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C41/00Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor
    • B29C41/02Shaping by coating a mould, core or other substrate, i.e. by depositing material and stripping-off the shaped article; Apparatus therefor for making articles of definite length, i.e. discrete articles
    • B29C41/14Dipping a core
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F236/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds
    • C08F236/02Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds
    • C08F236/04Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated
    • C08F236/12Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, at least one having two or more carbon-to-carbon double bonds the radical having only two carbon-to-carbon double bonds conjugated with nitriles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L3/00Compositions of starch, amylose or amylopectin or of their derivatives or degradation products
    • C08L3/02Starch; Degradation products thereof, e.g. dextrin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L33/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L33/18Homopolymers or copolymers of nitriles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D107/00Coating compositions based on natural rubber
    • C09D107/02Latex
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L2201/00Properties
    • C08L2201/54Aqueous solutions or dispersions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Gloves (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

本発明は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びそれから製造された成形品に関し、さらに詳しくは、乳化重合工程時分子量が調節されたデンプンを用いて、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを製造することによって、無機顔料使用にもラテックス安定性が改善され、シネレシスが緩やかであり、ベタツキが少なく、引張強度に優れたディップ成形品を可能にするカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びそれから製造された成形品に関するものである。

Description

本出願は、2015年11月24日付けで出願された韓国特許出願第10−2015−0164396号の優先権の利益を主張し、その全内容を本明細書の一部として援用するものとする。
本発明は、無機顔料使用にも高い分散安定性を保持するカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品に関するものである。
家事、食品産業、電子産業、医療分野などの日常生活で多様に使用される使い捨てゴム手袋は、天然ゴム又はカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスのディップ成形で作られている。最近では、天然ゴムの天然タンパク質によるアレルギー問題と不安定な需給問題から使い捨て手袋市場において、カルボン酸変性ニトリル系手袋が脚光を浴びている。
現在のニトリル手袋メーカー等は、メーカー間の競争が深刻化されるにつれて品質強化と共に原価低減のために持続的に努力している。
ニトリル系ゴム手袋の代表的な市場は、産業用に代表される厚い手袋と医療用に代表される薄い手袋市場があり、原価低減のためのそれぞれの適用分野によりその接近方法を異にしている。
一般に、ニトリル系ゴム手袋は、ディップ成形用ラテックス組成物製造時に、炭酸カルシウムのような無機顔料を添加し、手袋を厚く保持しながらも製造原価を低く抑えている。しかし、ディップ成形用ラテックス組成物は、炭酸カルシウム内のカルシウムカチオンに対する安定性が低く、炭酸カルシウム同士が凝集し、凝固物(coagulation,又はagglutination,flocculation,agglomeration又はcoalescence)が多量発生する。前記凝固物はディップ成形工程以降、ピンホールとして現れて手袋の不良率を高め、前記凝固物の発生が深刻な場合には手袋の製造自体が不可能になる。その結果、原価節減のために用いる炭酸カルシウムの含量は、極めて制限的である。
一方、ニトリル手袋メーカーは、厚い手袋と違って、より薄い厚さの手袋を作製し、手袋の軽量化を通した原価低減を達成している。
薄い厚さの手袋は、ラテックスの濃度を非常に低くすることによって製造が可能であるが、この場合、ディップ成形工程で手袋フィルム形成時、水が速く滴る現象であるシネレシスが激しく発生する。これは、ラテックス組成物の凝固物を発生させ、最終手袋の多数のピンホールを生成し、製造された手袋の不良率を高める。
一般に、シネレシス現像は、ラテックスの粒径を増加させれば改善される傾向にあるが、この場合、大きな粒子のラテックスで製造された手袋の場合、引張強度が低下される問題が伴われる。従って、手袋メーカー等は手袋を薄くしてもディップ成形時、シネレシスが遅れながら、最終手袋の引張強度が低下されないカルボン酸変性ニトリル系ラテックスに持続的な関心を寄せている。
そこで、本出願人は、特許文献1で、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスとデンプンを用いる技術を提案した。前記文献では、デンプンを用いることによって、シネレシス及び引張強度問題をある程度解消しており、ディップ成形品製造時、ベタツキを低減させることができた。
しかし、この文献では、ディップ成形用ラテックス組成物としてラテックスとデンプンを単純混合しているだけで、炭酸カルシウムのような無機顔料の使用を提示していない。
また、前述するようにコスト削減のために、炭酸カルシウムを用いる場合、ラテックスと混合時、分散安定性が低い問題があり、デンプンを用いても従来の炭酸カルシウム使用に伴う分散安定性及びこれによるディップ成形品の不良問題が残ったままになっている。
従って、手袋の厚さと関係なく、コスト削減のために炭酸カルシウムを用いてもシネレシス及び引張強度などの物性だけでなく、ラテックスの分散安定性を向上させることができる技術開発が切に求められている。
韓国公開特許第2014−0113290号「ディップ成形用ラテックス組成物及びそれから製造された成形品」
そこで、本発明者らは、前記問題点を解決するために多角的に鋭意研究を行った結果、共重合体の乳化重合工程中に、分子量が調節されたデンプンを用いて重合してラテックスを製造する場合、価格競争力のために炭酸カルシウムのような無機顔料を添加しても、高い分散安定性を保持するだけでなく、前記ラテックスで製造されたディップ成形品の物性が向上されると共に、ディップ成形工程の作業性が改善されることを確認し、本発明を完成した。
本発明の目的は、分子量が調節されたデンプンを用いて共重合されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを含んで無機顔料を使用しても高い分散安定性を有するディップ成形用ラテックス組成物を提供することにある。
また、本発明の更に別の目的は、前記ディップ成形用ラテックス組成物から製造され、原価低減を達成することができ、厚さに関係なく優れた引張強度特性を有し、ベタツキが低減された成形品を提供することにある。
また、本発明の更に別の目的は、前記ディップ成形用ラテックス組成物を用い、作業性に優れたディップ成形品の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、共重合時デンプンを添加して製造され、
ガラス転移温度が−50〜−15℃であり、平均粒径が50〜500nmであることを特徴とするカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを提供する。
また、本発明は、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを含むディップ成形用ラテックス組成物を提供する。
また、本発明は、前記ディップ成形用ラテックス組成物をディップ成形して製造されたディップ成形品を提供する。
また、本発明は、a)凝固剤溶液をモールドに塗布し、乾燥する工程;b)凝固剤が塗布されたモールドに、ディップ成形用ラテックス組成物を塗布し、ディップ成形層を形成する工程;c)前記ディップ成形層を架橋する工程;及びd)架橋されたディップ成形層をモールドから剥がして、ディップ成形品を得る工程;を含み、前記ディップ成形用ラテックス組成物が前述したようなディップ成形用ラテックス組成物であるディップ成形品の製造方法を提供する。
本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、共重合過程で粒子安定剤としてデンプンを用い、原価低減のために無機顔料を使用しても優れた分散安定性を有する。
このようなラテックスを用いて製造されたディップ成形品は、厚さに関係なく優れた引張強度を示し、ベタツキが低減されるだけでなく、従来の無機顔料使用により発生する製品不良を大きく低減すると共に、原価節減を確保することができる。
また、ディップ成形工程中にシネレシスが緩やかであり、作業性が改善され、従来低濃度で作業を行う場合、短いシネレシスによる作業性低下及びこれにより、製品作製時、発生する高い不良率の問題を解消する。
本発明では、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス製造時粒子安定剤として分子量が調節されたデンプンを用いる。
カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス
本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、単量体に乳化剤、反応性化合物、重合開始剤、分子量調節剤及びその他の添加剤を添加し、乳化重合させて製造される。このとき、ラテックス製造工程で粒子安定剤としてデンプンを用いる。
デンプンは、下記の一般式(1)で表される天然高分子である。
Figure 2018516282
前記デンプンは、親水性高分子として水溶液内に存在するとき、直接又は水分子を隔てて互いに水素結合を通じて結合され、ミセルを形成する。このようなミセルは、乳化重合後、製造された共重合体ラテックス内に存在し、ディップ成形のためにラテックスに無機粒子添加時、前記無機粒子の表面に吸着され、粒子間の反発力を高める。これにより、従来の無機粒子使用時発生する粒子相互間の静電気的な力などによって結合して、粒子同士が凝集することを防止し、ディップ成形のためのラテックス組成物の分散安全性を高める。
また、デンプンの特性上、共重合体ラテックス内に均一に分散されない恐れがあり、カルボン酸変性ニトリル系共重合体重合後、得られたラテックスに添加するよりは重合工程で添加することが更に有利である。本発明の好ましい実験例によれば、重合工程にデンプンを添加して、製造された実施例1〜6のディップ成形品の場合、ラテックスとデンプンとを単純混合した比較例3及び4のディップ成形品に比して、無機顔料である炭酸カルシウム使用時、分散安定性に優れることを確認した(表1の結果参照)。
特に、本発明で提示するデンプンは、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの重合には影響を及ぼさないながらも最終得られたラテックスの安全性を高める役割が求められており、これは、分子量が限定されたデンプンの使用により達成することができる。
本発明に係るデンプンは、重量平均分子量が、好ましくは300〜30,000g/mol、より好ましくは500〜20,000g/mol、最も好ましくは1,000〜10,000g/molである。このような範囲の分子量を有するとき、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの安定的な重合が可能になる。このとき、デンプンの分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー(Gel permeation chromatography)で測定した。
このようなデンプンは、商業的に販売される製品をそのまま使用するか、製品購入後、分子量を調節して使用することができる。
前記デンプンは、米デンプン、麦デンプン、コーンスターチ、ワキシーコーンデンプン、タピオカデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、小麦デンプン及びこれらの化工デンプンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であってもよいが、これらに限定されない。
このとき、前記化工デンプンは、酸化デンプン、酸処理デンプン、エステルデンプン、エーテルデンプン、リン酸架橋デンプン及びアセチルアジピン酸デンプンからなる群から選ばれてもよいが、これらに限定されない。
前記デンプンは、乳化重合に影響を及ぼさなく、後続の無機粒子添加時、ラテックスの安全性を高めるためにその含量を限定する。前記デンプンは、単量体の全100重量部に対して、固形分含量で好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜15重量部で使用する。その含量が前記範囲未満のとき、前述したような効果を得ることができなく、前記範囲を超えると、製造されたディップ成形品の引張強度を低下させる恐れがある。
また、本発明で提示するデンプンは、デンプン溶液又はデンプン懸濁液であってもよく、好ましくはデンプン水溶液であってもよい。前記デンプン溶液又はデンプン懸濁液は、一例として濃度が0.1〜60重量%、好ましくは1〜55重量%の範囲で使用して、乳化重合工程中に投与が可能である。
前記デンプンを粒子安定剤として用い、カルボン酸変性ニトリル系共重合体の乳化重合を行う。
カルボン酸変性ニトリル系共重合体は、3種類以上の単量体を用いており、具体的に、共役ジエン系単量体、エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びエチレン性不飽和酸単量体が共重合される。
本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体として、共役ジエン系単量体の具体的な例は、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれた1種以上のものであり、これらのうち、好ましくは1,3−ブタジエンとイソプレンであり、最も好ましくは1,3−ブタジエンである。
前記共役ジエン系単量体は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体の全含量100重量%に対して、40〜89重量%、好ましくは45〜80重量%、より好ましくは50〜78重量%で含まれる。その含量が前記範囲未満のとき、ディップ成形品が硬くなって着用感が悪くなり、前記範囲を超えると、ディップ成形品の耐油性が悪くなって引張強度が低下される。
本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する別の単量体として、前記エチレン性不飽和ニトリル系単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロニトリル及びα−シアノエチルアクリロニトリルからなる群から選ばれた1種以上のものであり、好ましくは、アクリロニトリルとメタクリロニトリルであり、最も好ましくは、アクリロニトリルである。
エチレン性不飽和ニトリル系単量体は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体の全含量100重量%に対して、10〜50重量%、好ましくは15〜45重量%、より好ましくは20〜40重量%で含まれる。その含量が前記範囲未満のとき、ディップ成形品の耐油性が悪くなって引張強度が低下され、前記範囲を超えると、ディップ成形品が硬くなって着用感が悪くなる。
また、本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する更に別の単量体として、エチレン性不飽和酸単量体は、カルボキシル基、スルホン酸基及び酸無水物基からなる群から選ばれた1種以上の酸性基を含有するエチレン性不飽和酸単量体である。前記エチレン性不飽和酸単量体は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸などのエチレン性不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸、無水シトラコン酸などのポリカルボン酸無水物;スチレンスルホン酸などのエチレン性不飽和スルホン酸単量体;フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和ポリカルボン酸の部分エステル(partial ester)単量体などであり、好ましくはメタクリル酸である。このようなエチレン性不飽和酸単量体は、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩のような形態で使用することができる。
前記エチレン性不飽和酸単量体は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体の全含量100重量%に対して、0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜9重量%、より好ましくは1〜8重量%で含まれる。その含量が前記範囲未満のとき、ディップ成形品の引張強度が低下され、前記範囲を超えると、ディップ成形品が硬くなって着用感が悪くなる。
本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体は、選択的に前記エチレン性不飽和ニトリル単量体及びエチレン性不飽和酸単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体をさらに含むことができる。
共重合可能なエチレン性不飽和単量体には、スチレン、アルキルスチレン及びビニルナフタレンからなる群から選ばれたビニル芳香族単量体;フルオロ(fluoro)エチルビニルエーテルなどのフルオロアルキルビニルエーテル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド及びN−プロポキシメチル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれたエチレン性不飽和アミド単量体;ビニルピリジン、ビニルノルボネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸シアノメチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸1−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸2−エチル−6−シアノヘキシル、(メタ)アクリル酸3−シアノプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、グリシジル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを含むエチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体を使用する。
前記エチレン性不飽和ニトリル系単量体及びエチレン性不飽和酸単量体と共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体の使用量は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体の全含量100重量%に対して、0.001〜20重量%以内で使用されてもよい。その含量が20重量%を超えると、柔らかい着用感と引張強度と間のバランスが取れなくなるので、前記範囲内で適宜使用する。
前記単量体及び粒子安定剤としてのデンプンと共に通常的に乳化重合に使用する乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤などを添加して乳化重合を行う。
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。これらのうち、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩及びアルキルエーテル硫酸エステル塩よりなる群から選ばれたアニオン性界面活性剤が特に好ましく使用することができる。
乳化剤の使用量は、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体100重量部に対して、好ましくは0.3〜10重量部、より好ましくは0.8〜8重量部、さらに好ましくは1.5〜6重量部で使用される。含量が前記範囲未満のとき、重合時に安定性が低下され、前記範囲を超えると、気泡の発生が多くなるため、ディップ成形品の製造が難しいという問題がある。
重合開始剤としては、特に限定されないが、ラジカル開始剤を使用することができる。ラジカル開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過リン酸カリウム、過酸化水素などの無機過酸化物;t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、アセチルペルオキシド、イソブチルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノールペルオキシド、t−ブチルペルオキシイソブチレートなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル及びアゾビスイソ酪酸(ブチル酸)メチルからなる群から選ばれた1種以上のものであり、このようなラジカル開始剤のうち、好ましくは無機過酸化物であり、この中でも、特に好ましくは過硫酸塩である。
前記重合開始剤の使用量は、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体100重量部に対して、0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1.5重量部で含まれる。その含量が前記範囲未満のとき、重合速度が低下され、最終製品を製造することが困難であり、前記範囲を超えると、重合速度が速過ぎて重合速度の調節を行うのが困難になる。
活性化剤は、ホルムアルデヒドスルキシル酸ナトリウム、エチレンジアミン4酢酸ナトリウム、硫酸第一鉄、デキストロース、ピロリン酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
分子量調節剤としては、特に限定されないが、例えば、α−メチレンスチレンダイマー、t−トデシルメルカプタン、n−トデシルメルカプタン、オクチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレンなどのハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどの硫黄含有化合物などが挙げられる。
このような分子量調節剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうち、好ましくはメルカプタン類であり、より好ましくはt−トデシルメルカプタンであってもよい。分子量調節剤の使用量は、その種類に応じて異なるが、前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する全単量体100重量部に対して、0.1〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部、より好ましくは0.3〜1.0重量部で使用する。その含量が前記範囲未満のとき、ディップ成形品の物性が顕著に低下され、前記範囲を超えると、重合転化率が低くなるだけでなく、重合安定性が低下される問題がある。
また、本発明のラテックスの重合時に、必要に応じて、キレート剤、分散剤、pH調節剤、脱酸素剤、粒径調整制、老化防止剤、酸素捕捉剤(oxygen scavenger)等の副材料を添加できることは勿論である。
前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体を構成する単量体混合物の投入方法は、特に限定されなく、単量体混合物を重合反応器に一度に投入する方法、単量体混合物を重合反応器に連続的に投入する方法、単量体混合物の一部を重合反応器に投入し、残りの単量体を重合反応器に連続的に供給する方法のいずれの方法を使用してもよい。
前記乳化重合時重合温度は、普通10〜90℃であり、好ましくは20〜80℃である。より好ましくは25〜75℃であってもよい。
重合反応を停止する時の転化率は、90%以上、好ましくは92〜99.9%であってもよく、重合反応を停止した後、未反応単量体を除去し、固形分濃度とpHを調節して、ディップ成形用カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを得ることができる。
このようなカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、ガラス転移温度が−50〜−15℃、好ましくは−45〜−20℃である。前記ラテックスのガラス転移温度が前記範囲より小さい場合、引張強度が顕著に低下されるか、手袋のべたつきにより着用感が劣り、前記範囲より高い場合、ディップ成形品亀裂が生じて好ましくない。このとき、ガラス転移温度は、前記共役ジエン単量体の含量を調節して調整することができ、時差注射熱量計(Differential Scanning Calorimetry)で測定することができる。
前記ディップ成形用ラテックスの平均粒径は、50〜500nmであってもよい。好ましくは50〜300nmであり、より好ましくは100〜200nmであってもよい。前記ディップ成形用ラテックスの平均粒径が、前記範囲内に該当するとき、ラテックスの粘度が上昇しなく、ラテックスを高濃度で製造することができ、また、手袋製造後の引張強度が低下されない。このとき、ディップ成形用ラテックスの平均粒径は、前記乳化剤の種類や含量を調節して調整することができ、前記平均粒径は、レーザー分散分析器(Laser Scattering Analyzer,Nicomp)で測定することができる。
前記ディップ成形用カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの固形分濃度は30〜60重量%であってもよい。その含量が30重量%未満のとき、ラテックスの運送効率が低下される恐れがあり、60重量%を超えると、粘度の上昇を引き起し、貯蔵安定性などの問題が発生する恐れがある。
このとき、ガラス移転温度は、前記の共役ジエン系単量体の含量に応じて調整が可能であり、平均粒径は、前記の乳化剤の種類や含量に応じて調整が可能である。
ディップ成形用ラテックス組成物
前述したような本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、ディップ成形用ラテックス組成物として適用し、ディップ成形品を製造することができる。
前記ディップ成形用カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物には、ディップ成形用硫黄架橋剤、加硫促進剤、酸化亜鉛のような金属酸化物、無機顔料、シリカのような充填材、増粘剤、アンモニア又はアルカリ水酸化物のようなpH調節剤などディップ成形時、一般に使用される添加剤を添加し、ディップ成形用ラテックス組成物を製造することができる。
特に、本発明に係るディップ成形用ラテックス組成物は、無機顔料を含むことができる。
無機顔料の使用は、ディップ成形品の厚さを保持しながらも原価を低くすることができる長所を提供する。このような無機顔料としては、ディップ成形用ラテックス組成物に用いられるものであればいずれであってもよく、本発明では特に限定しない。一例として、炭酸カルシウム、カオリン粘土、タルク、重晶石、アルミナ、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、ホワイトカーボン、酸化マグネシウムなどであり、好ましくは炭酸カルシウムを用いる。
前記無機顔料は、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス100重量部に対して、30重量部、好ましくは15重量部以下で使用する。前記無機顔料に対する安全性を高めるために、非イオン乳化剤を添加する方法があるが、手袋製造時、気泡発生と共に製造された手袋に多量の乳化剤小遺物が存在する問題がある。これに対し、粒子安定剤であるデンプンの存在によって無機顔料の分散安全性を高めることができ、多量の乳化剤使用による問題を解決することができる。
また、前記無機顔料などの添加剤を含むディップ成形用ラテックス組成物は、固形分濃度が10〜70重量%である。低過ぎる固形分の濃度は、十分な手袋物性を有する手袋を製造するのが困難であり、高過ぎる固形分の濃度は、ラテックスの消費が多くなり、原価が上昇し、粘度の上昇を引き起こし、貯蔵安定性などの問題が生じる恐れがあるので、前記範囲で適宜調節する。好ましくは12〜50重量%であてもよく、より好ましくは15〜40重量%であってもよい。
また、前記ディップ成形用ラテックス組成物のpHは、8〜12、好ましくは9〜11、より好ましくは9.3〜10.5であってもよい。pH濃度が前記範囲から逸脱する場合、ディップ成形用ラテックス組成物に対する生産工程安定性と手袋の物性が劣る恐れがある。
さらに、本発明に係るディップ成形用ラテックス組成物のpHは、ディップ成形用ラテックス製造時に、一定量のpH調節剤を投入して調節することができ、前記pH調節剤としては、主に1〜5%水酸化カリウム水溶液又は1〜5%アンモニア水を使用することができる。
ディップ成形品
前記提示したディップ成形用ラテックス組成物は、ディップ成形工程を介してディップ成形品を製造することができる。
特に、本発明に係るディップ成形用ラテックス組成物は、炭酸カルシウムのような無機顔料の添加にも、高い分散安定性を示し、凝固物の発生を最小化することによって、ディップ成形後の手袋にピンホールを発生させなく、不良率を大きく低減させ、前記炭酸カルシウムの使用により原価を大きく節減することができる。
また、前記ディップ成形用ラテックス組成物は、厚さが数十〜数百マイクロン水準の成形品を製造しても、均一な厚さを有し、物性に優れた利点を確保することができる。
また、ディップ成形工程時シネレシスが緩やかで作業性が改善され、従来の低濃度で作業を行う場合、短いシネレシスによって発生する作業性低下及びこれに伴う製品の高い不良率の問題を解消することができる。
本発明のディップ成形品を得るためのディップ成形方法として通常の方法を使用することができ、例えば、直接浸漬法、アノード(anode)凝着浸漬法、ティーグ(Teague)凝着浸漬法などが挙げられる。これらのうち、均一な厚さのディップ成形品を簡単に得ることができるという利点から、アノード凝着浸漬法が好ましい。
本発明の組成物を用いてディップ成形品を製造する方法は、
(a)モールド表面に凝固剤溶液をコーティングする工程;
(b)凝固剤がコーティングされたモールドに、ディップ成形用ラテックス組成物をコーティングして、ディップ成形層を形成する工程;
(c)前記ディップ成形層を架橋する工程;及び
(d)架橋されたディップ成形層をモールドから剥がして、ディップ成形品を得る工程;を含む。
以下、本発明のラテックス組成物を用いてディップ成形品を製造する方法について、詳細に説明する。
(a)モールド表面に凝固剤をコーティングする工程
本工程(a)では、モールドとして手形状のディップ成形フレームを使用し、このモールドを凝固剤溶液にコーティング後、乾燥して、前記モールド表面に凝固剤を塗布する工程を行う。
凝固剤は、塩化バリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛及び塩化アルミニウムなどのような金属ハライド(halide);硝酸バリウム、硝酸カルシウム及び硝酸亜鉛のような硝酸塩;酢酸バリウム、酢酸カルシウム及び酢酸亜鉛のような酢酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び硫酸アルミニウムのような硫酸塩などがある。これらのうち、塩化カルシウムと硝酸カルシウムが好ましい。凝固剤溶液は、前記のような凝固剤を水、アルコール或いはその混合物に溶解した溶液である。凝固剤溶液内の凝固剤の濃度は、普通5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
(b)モールドネにディップ成形層を形成する工程
前記工程(a)に引き続き、本工程(b)では、凝固剤が付着したモールドを本発明のディップ成形用ラテックス組成物に浸漬し、ディップ成形層を形成させる工程を行う。
凝固剤を付着させたモールドを本発明のラテックス樹脂組成物として製造したディップ成形用ラテックス組成物に浸漬し、そこからモールドを取り出し、前記モールドにディップ成形層を形成させる。
(c)ディップ成形層を架橋する工程
次に、本工程(c)では、モールドに形成されたディップ成形層を加熱処理して、ラテックス樹脂を架橋させる工程を行う。
前記架橋は、加熱処理を介して行っており、この時、加熱処理時には、水成分が先に蒸発し、架橋を通した硬化が行われる。
(d)ディップ成形品の収得及び物性を測定する工程
次いで、本工程(d)では、モールドからディップ成形品を得、得られたディップ成形品の物理的性質を測定する。
得られたディップ成形品からASTM D−412に準じて、ダンベル形状の試片を作製した。次いで、この試験片をUTM(Universal Testing Machine)を利用して、伸び速度500mm/分で引っ張り、破断時の引張強度及び伸び率を測定し、伸び率が300%及び500%のときの応力で触感を測定した。
本発明に係る方法は公知されたディップ成形法によって製造できるいかなるラテックス物品に対しても使用することができる。具体的には、手術用手袋、検査手袋、コンドーム、カテーテル又は様々な種類の産業用及び家庭用手袋のような健康管理用品から選ばれるディップ成形ラテックス物品に適用することができる。
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術思想範囲内で多様な変更及び修正が可能であるということは当業者にとって明であり、このような変更及び修正が添付された特許請求の範囲に属することも当然なものである。
製造例1:分子量が調節されたデンプンの製造
撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガスの引込口及び原料投入口が備えられた5Lの硝子反応器を窒素で置換した後、市販の紙コーティング用として多く使用されるデンプン(Samyang Genex社製のZENCOAT)100重量部に対して、硫酸5重量部とイオン交換水100重量部を投入し、80℃まで昇温した。
次いで、8時間混合し、分子量が調節されたデンプン溶液を得た。
前記分子量が調節されたデンプン溶液は、固形分49%、粘度20cpsであり、前記デンプンの重量平均分子量1060g/molであった。
製造例2:分子量が調節されたデンプンの製造
撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガスの引込口及び原料投入口が備えられた5L硝子反応器を窒素で置換した後、市販の紙コーティング用として多く使用されるデンプン(Samyang Genex社製のZENCOAT)100重量部に対して、硫酸12.5重量部とイオン交換水100重量部を投入し、60℃まで昇温した。昇温後、15時間混合し、分子量が調節されたデンプン溶液を得た。
前記分子量が調節されたデンプン溶液は、固形分49%、粘度270cpsであり、前記デンプンの重量平均分子量は、7580g/molであった。
実施例1:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
前記製造例1で製造されたデンプン溶液を、10重量部用いてカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを製造し、これを用いてディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
(デンプンを含有したカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの製造)
撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガスの引込口及び単量体、乳化剤、重合反応開始剤を連続的に投入できるように備えられた10L高圧反応器を窒素で置換した後、アクリロニトリル25重量%、1,4−ブタジエン70重量%、メタクリル酸5重量%の単量体混合物100重量部に対して、前記分子量が調節されたデンプン溶液10重量部(49%濃度)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5重量部、t−トデシルメルカプタン0.5重量部及びイオン交換水140重量部を投入し、40℃まで昇温させた。
そこに、重合開始剤である過硫酸カリウム0.25重量部を添加して転化率が95%に達すれば、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.1重量部を投入して、重合を中止させた。
次いで、脱臭工程を介して未反応モノマーを除去し、アンモニア水、酸化防止剤、消泡剤などを添加し、固形分濃度45%とpH8.5のデンプンが含まれたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(以下、‘ラテックス−A’という)を得た。
前記製造されたラテックス−Aの平均粒径及びガラス転移温度を測定した。平均粒径は、レーザー分散分析器(Laser Scattering Analyzer, Nicomp)で測定し、ガラス転移温度は、時差注射熱量計(Differential Scanning Calorimetry)で測定した。
分析結果、製造されたラテックスは、ガラス転移温度が−35℃、平均粒径が130nmであった。
(ディップ成形用ラテックス組成物の製造)
前記製造されたラテックス−A100重量部に対して、炭酸カルシウム10重量部、3%の水酸化カリウム溶液及び適量の2次蒸溜水を加え、固形分濃度30%、pH10.0のディップ成形用ラテックス組成物を得た。
(ディップ成形品)
12重量部の硝酸カルシウム、87.5重量部の蒸溜水、0.5重量部の湿潤剤(wetting agent)(Teric 320 produced by Huntsman Corporation,Australia)を混合し、凝固剤溶液を製造した。この溶液に、手形状のセラミックモールドを1分間浸漬し、取り出した後、80℃で3分間乾燥し、凝固剤を手形状のモールドに塗布した。
次に、凝固剤が塗布されたモールドを、前記のディップ成形用ラテックス組成物に1分間浸漬し、引き上げた後、120℃で4分間乾燥した後、温水に3分間浸漬した。
再びモールドを120℃で3分間乾燥した後、130℃で20分間架橋させた。架橋されたディップ成形層を手形状のモールドから剥がして、ベタツキを測定し、手袋形状のディップ成形品を得た。
実施例2:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
前記製造例2で製造されたデンプン溶液を、10重量部用いてカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを製造し、これを用いて、ディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
(デンプンを含有したカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの製造)
撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガスの引込口及び単量体、乳化剤、重合反応開始剤を連続的に投入できるように備えらえた10L高圧反応器を窒素で置換した後、アクリロニトリル25重量%、1,4−ブタジエン70重量%、メタクリル酸5重量%の単量体混合物100重量部に対して、前記分子量が調節されたデンプン溶液10重量部(49%濃度)、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.5重量部、t−トデシルメルカプタン0.5重量部及びイオン交換水140重量部を投入し、40℃まで昇温させた。
そこに重合開始剤である過硫酸カリウム0.25重量部を添加し、転化率が95%に達すれば、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.1重量部を投入して、重合を中止させた。
次いで、脱臭工程を介して未反応モノマーを除去し、アンモニア水、酸化防止剤、消泡剤などを添加し、固形分濃度45%とpH8.5のデンプンが含まれたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(以下、‘ラテックス−B’という)を得た。
前記製造されたラテックス−Bの平均粒径及びガラス転移温度を測定した。分析結果、製造されたラテックスは、ガラス転移温度が−35℃、平均粒径が135nmであった。
(ディップ成形用ラテックス組成物の製造)
前記製造されたラテックス−B100重量部に対して、炭酸カルシウム10重量部、3%の水酸化カリウム溶液及び適量の2次蒸溜水を加え、固形分濃度30%、pH10.0のディップ成形用ラテックス組成物を得た。
(ディップ成形品)
12重量部の硝酸カルシウム、87.5重量部の蒸溜水、0.5重量部の湿潤剤(wetting agent)(Teric 320 produced by Huntsman Corporation,Australia)を混合し、凝固剤溶液を製造した。この溶液に手形状のセラミックモールドを1分間浸漬し、取り出した後、80℃で3分間乾燥し、凝固剤を手形状のモールドに塗布した。
次に、凝固剤が塗布されたモールドを前記のディップ成形用ラテックス組成物に1分間浸漬し、引き上げた後、120℃で4分間乾燥した後、温水に3分間浸漬した。
再びモールドを120℃で3分間乾燥した後、130℃で20分間架橋させた。架橋されたディップ成形層を手形状のモールドから剥がして、ベタツキを測定し、手袋形状のディップ成形品を得た。
実施例3:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
前記製造例1で製造されたデンプン溶液を、10重量部用いて単量体の含量比を調節し、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを製造し、これを用いて、ディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
(デンプンを含有したカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの製造)
撹拌機、温度計、冷却器、窒素ガスの引込口及び単量体、乳化剤、重合反応開始剤を連続的に投入できるように備えらえた10L高圧反応器を窒素で置換した後、アクリロニトリル35重量%、1,4−ブタジエン60重量%、メタクリル酸5重量%の単量体混合物100重量部に対して、前記分子量が調節されたデンプン溶液10重量部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部、t−トデシルメルカプタン0.5重量部及びイオン交換水140重量部を投入し、40℃まで昇温させた。
そこに重合開始剤である過硫酸カリウム0.3重量部を添加し、転化率が95%に達すれば、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.1重量部を投入して、重合を中止させた。脱臭工程を介して未反応モノマーを除去し、アンモニア水、酸化防止剤、消泡剤などを添加し、固形分濃度45%とpH8.5のカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ラテックス(以下、‘ラテックス−C’という)を得た。
前記製造されたラテックス−Cの平均粒径及びガラス転移温度を測定した。分析結果、製造されたラテックスは、ガラス転移温度が−22℃、平均粒径が130nmであった。
(ディップ成形用ラテックス組成物の製造)
前記製造されたラテックス−C100重量部に対して、炭酸カルシウム10重量部、3%の水酸化カリウム溶液及び適量の2次蒸溜水を加え、固形分濃度30%、pH10.0のディップ成形用ラテックス組成物を得た。
(ディップ成形品)
12重量部の硝酸カルシウム、87.5重量部の蒸溜水、0.5重量部の湿潤剤(wetting agent)(Teric 320 produced by Huntsman Corporation,Australia)を混合し、凝固剤溶液を製造した。この溶液に手形状のセラミックモールドを1分間浸漬し、取り出した後、80℃で3分間乾燥し、凝固剤を手形状のモールドに塗布した。
次に、凝固剤が塗布されたモールドを前記のディップ成形用ラテックス組成物に1分間浸漬し、引き上げた後、120℃で4分間乾燥した後、温水に3分間浸漬した。
再びモールドを120℃で3分間乾燥した後、130℃で20分間架橋させた。架橋されたディップ成形層を手形状のモールドから剥がして、ベタツキを測定し、手袋形状のディップ成形品を得た。
実施例4:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
前記製造例1で製造されたデンプン溶液を30重量部使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−D)を製造し、これを用いてディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
このとき、製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−D)は、ガラス転移温度が−35℃、平均粒径が136nmであった。
実施例5:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
前記製造例2で製造されたデンプン溶液を30重量部使用したこと以外は、実施例2と同様の方法で、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−E)を製造し、これを用いてディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
このとき、製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−E)は、ガラス転移温度が−35℃、平均粒径が138nmであった。
実施例6:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
前記製造例1で製造されたデンプン溶液を30重量部使用したこと以外は、実施例3と同様の方法でカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−F)を製造し、これを用いてディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
このとき、製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−F)は、ガラス転移温度が−24℃、平均粒径が137nmであった。
比較例1:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
デンプンを用いなく、実施例1と同様の方法で、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−G)を製造し、これを用いてディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
このとき、製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−G)は、ガラス転移温度が−37℃、平均粒径が127nmであった。
比較例2:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
デンプンを用いなく、実施例3と同様の方法で、カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−H)を製造し、これを用いてディップ成形用組成物及びディップ成形品を製造した。
このとき、製造されたカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス(ラテックス−H)は、ガラス転移温度が−25℃、平均粒径が126nmであった。
比較例3:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
デンプンを共重合過程ではない共重合後、製造されたラテックスと混合し、ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品を製造した。
前記比較例1のラテックス−G100重量部と製造例1で製造されたデンプン溶液10重量部とを単純混合して、ラテックス組成物を製造した。前記製造されたラテックス組成物を用いて、実施例1と同様の方法でディップ成形品を製造した。
比較例4:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の製造
デンプンを共重合過程ではない共重合後、製造されたラテックスと混合し、ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品を製造した。
前記比較例2のラテックス−H100重量部と製造例2で製造されデンプン溶液30重量部とを単純混合して、ラテックス組成物を製造した。前記製造されたラテックス組成物を用いて、実施例1と同様の方法でディップ成形品を製造した。
実験例1:ディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品の物性評価
前記実施例及び比較例で製造されたディップ成形用ラテックス組成物とディップ成形品の物性を測定し、その結果を下記の表1に示した。
(1)分散安定性
無機顔料として炭酸カルシウムを添加したディップ成形用ラテックス組成物の分散安定性を確認するために、前記実施例1〜6と、比較例1〜4で製造されたディップ成形用ラテックス組成物を24時間室温で混合した。このとき、炭酸カルシウムは、各ラテックス組成物100重量部(固形分30重量%)に対して、10重量部を用いた。
次いで、各ラテックス組成物を80メッシュと200メッシュにかけ、凝固物(Coagulum)量を測定した。このとき、凝固物の含量が少ないものが炭酸カルシウム安定性に優れることを意味する。
(2)シネレシス
シネレシス時間確認のために、凝固剤が塗布されたモールドを前記実施例1〜6及び比較例1〜4のディップ成形用ラテックス組成物それぞれに1分間浸漬し、引き上げた後、145℃で6分間乾燥し、水滴が落ちる時間を確認し、シネレシス時間として確認した。このとき、シネレシス時間が長いものがシネレシスに優れることを意味する。
(3)ベタツキ(10点法)
ディップ成形品製造時、ディップ成形層を手形状のモールドから剥がして、ベタツキを10点法で評価した。このとき、点数が高いほどベタツキがないことを意味する。
(4)引張強度(MPa)
ASTM D638方法によって、試験装置であるU.T.M(Instron社製、モデル名;4466)を利用して、クロスヘッド速度(cross head speed)を500mm/minで引っ張った後、試片が切断される位置を測定した。引張強度は、次の通りに計算した:
[数1]
引張強度(kgf/mm2)=ロード(load)値(kgf)/厚さ(mm)×幅(mm)
Figure 2018516282
前記表1に示されるように、本発明で提示した分子量が調節されたデンプンを重合時使用した実施例1〜6のディップ成形品の場合、凝固物が30ppm以下であり、炭酸カルシウムに対する分散安定性に優れていることが分かる。
これと比較して、比較例1〜4の場合、最大数百倍以上の凝固物が発生し、分散安定性が低いことが分かった。その他にもシネレシス、ベタツキ及び引張強度特性もまた実施例1〜6のディップ成形品が比較例1及び2に比して、大きく向上されていることが分かる。
また、比較例3及び4の場合、ラテックス製造後、デンプンを用いる場合、シネレシス、ベタツキ及び引張強度特性がある程度改善されたが、凝固物の含量が最大892ppmと、炭酸カルシウムに対する分散安定性が相変らず低いことが分かる。
本発明に係るカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、ディップ成形工程を介して、各種産業用及び家庭用手袋のような健康管理用品などのラテックス物品製造に使用可能である。

Claims (14)

  1. 共重合時、デンプンを添加して製造され、
    ガラス転移温度が−50〜−15℃であり、平均粒径が50〜500nmであることを特徴とするカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  2. 前記デンプンは重量平均分子量が、300〜30,000g/molであることを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  3. 前記デンプンは、単量体の全100重量部に対して、1〜30重量部で添加されたことを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  4. 前記デンプンは、米デンプン、麦デンプン、コーンスターチ、ワキシーコーンデンプン、タピオカデンプン、ジャガイモデンプン、サツマイモデンプン、小麦デンプン及びこれらの化工デンプンからなる群から選ばれた1種を含むことを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  5. 前記化工デンプンは、酸化デンプン、酸処理デンプン、エステルデンプン、エーテルデンプン、リン酸架橋デンプン、アセチルアジピン酸デンプン及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた1種を含むことを特徴とする請求項4に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  6. 前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体は共役ジエン系単量体40〜89重量%、エチレン性不飽和ニトリル系単量体10〜50重量%及びエチレン性不飽和酸単量体0.1〜10重量%を含む単量体が共重合されたことを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  7. 前記共役ジエン系単量体は、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた1種を含むことを特徴とする請求項6に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  8. 前記エチレン性不飽和ニトリル系単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロニトリル、α−シアノエチルアクリロニトリル及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた1種を含むことを特徴とする請求項6に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  9. 前記エチレン性不飽和酸単量体は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、スチレンスルホン酸、フマル酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル及びこれらの組み合わせからなる群から選ばれた1種を含むことを特徴とする請求項6に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  10. 前記カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスは、単量体の全100重量部に対して、乳化剤0.3〜30重量部、重合開始剤0.01〜2重量部及び分子量調節剤0.1〜2.0重量部を添加して共重合することを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のカルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスを含むことを特徴とするディップ成形用ラテックス組成物。
  12. 請求項11に記載のディップ成形用ラテックス組成物でディップ成形して製造されたことを特徴とする ディップ成形品。
  13. 前記ディップ成形品は、家庭用手袋、産業用手袋、医療用手袋、コンドーム又はカテーテルであることを特徴と請求項12に記載のディップ成形品。
  14. (a)モールド表面に凝固剤溶液をコーティングする工程;
    (b)凝固剤がコーティングされたモールドに、ディップ成形用ラテックス組成物をコーティングして、ディップ成形層を形成する工程;
    (c)前記ディップ成形層を架橋する工程;及び
    (d)架橋されたディップ成形層をモールドから剥がして、ディップ成形品を得る工程;を含み、
    前記ディップ成形用ラテックス組成物は、請求項11に記載のディップ成形用ラテックス組成物であることを特徴とするディップ成形品の製造方法。
JP2017523827A 2015-11-24 2016-10-05 カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品 Active JP6473230B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR10-2015-0164396 2015-11-24
KR1020150164396A KR102006718B1 (ko) 2015-11-24 2015-11-24 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스, 이의 제조방법, 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물, 및 딥 성형품
PCT/KR2016/011129 WO2017090882A1 (ko) 2015-11-24 2016-10-05 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스, 이의 제조방법, 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물 및 딥 성형품

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018516282A true JP2018516282A (ja) 2018-06-21
JP6473230B2 JP6473230B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=58763342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017523827A Active JP6473230B2 (ja) 2015-11-24 2016-10-05 カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10703884B2 (ja)
JP (1) JP6473230B2 (ja)
KR (1) KR102006718B1 (ja)
CN (1) CN107922676B (ja)
MY (1) MY180900A (ja)
WO (1) WO2017090882A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022183048A (ja) * 2021-05-27 2022-12-08 コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド ディップ成形用ラテックス組成物の製造方法
JP2023013981A (ja) * 2021-07-14 2023-01-26 コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド ディップ成形用生分解性ラテックス組成物の製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101920009B1 (ko) 2018-03-08 2018-11-19 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물, 이의 제조방법, 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물 및 이로부터 성형된 성형품
KR102350280B1 (ko) * 2018-12-19 2022-01-11 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물, 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물 및 이로부터 성형된 성형품
WO2023043234A1 (ko) * 2021-09-17 2023-03-23 주식회사 엘지화학 중합체 조성물, 이의 제조방법, 이를 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물 및 성형품
KR102579512B1 (ko) * 2021-10-27 2023-09-19 금호석유화학 주식회사 무기입자 분산액을 포함하는 딥 성형용 라텍스 조성물, 그 제조방법 및 그로부터 제조된 딥 성형품

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06248031A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス
JPH06248032A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス
JPH06329834A (ja) * 1993-05-17 1994-11-29 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス組成物
JPH07157518A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス
US20150225553A1 (en) * 2013-03-15 2015-08-13 Lg Chem, Ltd. Latex composition for dip molding and dip-molded article produced therefrom

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4289503A (en) 1979-06-11 1981-09-15 General Electric Company Polycrystalline cubic boron nitride abrasive and process for preparing same in the absence of catalyst
JP3146413B2 (ja) * 1997-08-25 2001-03-19 ハニー化成株式会社 接着性に優れたゴム製手袋の製造方法
EP1247851A1 (en) 1999-11-18 2002-10-09 Zeon Corporation Coating material and molded article
JP3546220B1 (ja) 2003-10-30 2004-07-21 有限会社パンメディカ かゆみ炎症緩和手袋及びその製造方法
JP3612625B1 (ja) 2003-12-12 2005-01-19 有限会社パンメディカ かゆみ炎症緩和手袋及びその製造方法
US8110266B2 (en) 2007-02-08 2012-02-07 Allegiance Corporation Glove coating and manufacturing process
KR101688034B1 (ko) 2008-08-27 2016-12-20 아벤트, 인크. 얇은, 매끄러운 니트릴 고무 장갑
JP5488137B2 (ja) 2010-04-06 2014-05-14 日本ゼオン株式会社 ディップ成形用組成物及びディップ成形体
WO2014142425A1 (ko) * 2013-03-15 2014-09-18 (주) 엘지화학 딥 성형용 라텍스 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
KR101573980B1 (ko) 2013-05-31 2015-12-02 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물 및 딥 성형용 조성물
KR101599583B1 (ko) 2013-08-29 2016-03-03 주식회사 엘지화학 카르본산 변성 니트릴계 공중합체 라텍스 조성물 및 이를 포함하는 딥 성형품

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06248031A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス
JPH06248032A (ja) * 1993-02-25 1994-09-06 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス
JPH06329834A (ja) * 1993-05-17 1994-11-29 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス組成物
JPH07157518A (ja) * 1993-12-08 1995-06-20 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 共重合体ラテックス
US20150225553A1 (en) * 2013-03-15 2015-08-13 Lg Chem, Ltd. Latex composition for dip molding and dip-molded article produced therefrom

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022183048A (ja) * 2021-05-27 2022-12-08 コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド ディップ成形用ラテックス組成物の製造方法
JP7376643B2 (ja) 2021-05-27 2023-11-08 コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド ディップ成形用ラテックス組成物の製造方法
US11970617B2 (en) 2021-05-27 2024-04-30 Korea Kumho Petrochemical Co., Ltd. Method for preparing latex composition for dip-forming
JP2023013981A (ja) * 2021-07-14 2023-01-26 コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド ディップ成形用生分解性ラテックス組成物の製造方法
JP7405910B2 (ja) 2021-07-14 2023-12-26 コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド ディップ成形用生分解性ラテックス組成物の製造方法
US11987704B2 (en) 2021-07-14 2024-05-21 Korea Kumho Petrochemical Co., Ltd. Method for preparing biodegradable latex composition for dip forming

Also Published As

Publication number Publication date
CN107922676A (zh) 2018-04-17
KR20170060254A (ko) 2017-06-01
US20180201767A1 (en) 2018-07-19
MY180900A (en) 2020-12-11
KR102006718B1 (ko) 2019-08-02
US10703884B2 (en) 2020-07-07
CN107922676B (zh) 2020-05-05
JP6473230B2 (ja) 2019-02-20
WO2017090882A1 (ko) 2017-06-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6473230B2 (ja) カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、その製造方法、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びディップ成形品
JP5975583B2 (ja) ディップ成形用カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス、これを含むディップ成形用ラテックス組成物及びこれから製造された成形品
JP6338226B2 (ja) カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物及びこれを含むディップ成形品
KR101577501B1 (ko) 딥 성형용 라텍스 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JP6458139B2 (ja) ディップ成形用ラテックス組成物及びこれから製造されたディップ成形品
JP6893217B2 (ja) ディップ成形用ラテックス組成物及びこれより製造された成形品
JP6006326B2 (ja) ディップ成形用ラテックス組成物
JP6461337B2 (ja) ディップ成形用ラテックス状組成物及びそれから製造された成形品
JP7161054B2 (ja) カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの製造方法
CN108026335B (zh) 用于浸渍成型的胶乳组合物和由其制备的浸渍成型制品
JP7022840B2 (ja) カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックス組成物、これを含むディップ成形用のラテックス組成物およびこれにより成形された成形品
KR20170062730A (ko) 딥 성형용 라텍스 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JP7146079B2 (ja) ディップ成形用ラテックス組成物、その製造方法およびこれにより成形された成形品
JP7249435B2 (ja) カルボン酸変性ニトリル系共重合体ラテックスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190110

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190124

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6473230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250