JP2018514902A - 多孔質電極並びにこれによる電気化学セル及び液体フロー電池 - Google Patents

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Abstract

本開示は、多孔質電極、膜電極接合体、電極アセンブリ並びにこれらから作製された電気化学セル及び液体フロー電池に関する。本開示は、更に、多孔質電極、膜電極接合体及び電極アセンブリの製造方法を提供する。多孔質電極は、非導電性ポリマー微粒子と導電性炭素微粒子とを含む多孔質電極材料を含み、導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つである。導電性炭素微粒子が非導電性ポリマー微粒子の表面に直接付着しており、非導電性ポリマー微粒子表面の少なくとも一部分が溶融して単一の多孔質電極材料を形成する。

Description

本発明は、概して、電気化学セル及び電池の作製において有用な多孔質電極に関する。本開示は、更に、多孔質電極の製造方法を提供する。
電気化学セル及びレドックスフロー電池の形成において有用な種々の構成要素が当該技術分野において開示されている。このような構成要素は、例えば、米国特許第5,648,184号、米国特許第8,518,572号及び米国特許第8,882,057号に記載されている。
一態様では、本開示は、
非導電性ポリマー微粒子と導電性炭素微粒子とを含む多孔質電極材料を含む液体フロー電池用の多孔質電極であって、
導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つであり、導電性炭素微粒子が非導電性ポリマー微粒子の表面に直接付着しており、非導電性ポリマー微粒子表面の少なくとも一部分が溶融して単一の多孔質電極材料を形成する、
液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
一態様では、本開示は、
第1表面と対向する第2表面とを有するイオン交換膜と、第1主面と第2主面とを有する、本開示の実施形態のいずれか1つによる多孔質電極と、を含み、第1の多孔質電極の第1主面はイオン交換膜の第1表面に隣接している、液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
別の態様では、本開示は、
第1主面と第2主面とを有する、本開示の多孔質電極のいずれか1つによる第1の多孔質電極と、第1表面と対向する第2表面とを有する第1の微孔質保護層と、を備え、第1の多孔質電極の第1主面が第1の微孔質保護層の第2表面に近接しており、第1の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、
液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の多孔質電極実施形態のいずれか1つによる多孔質電極を備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の膜電極接合体実施形態のいずれか1つによる膜電極接合体を備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の電極アセンブリ実施形態のいずれか1つによる電極アセンブリを備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の多孔質電極実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を備える液体フロー電池を提供する。
別の態様では、本開示は、本開示の膜電極接合体実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの膜電極接合体を備える液体フロー電池を提供する。
更に別の態様では、本開示は、本開示の電極アセンブリ実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの電極アセンブリを備える液体フロー電池を提供する。
本開示の一例示的実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な膜電極接合体の概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な電極アセンブリの概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な電気化学セルの概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な電気化学セルスタックの概略側断面図である。 本開示の一例示的実施形態による例示的な単セル液体フロー電池の概略図である。 実施例1、4及び6の分極曲線である。
本明細書及び図中で繰り返し使用される参照符合は、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことが意図される。図面は、縮尺通りに描かれていない場合がある。本発明で使用する場合、数値範囲に適用される「間に(between)」という語は、特に指示がない限り、範囲の両終点を含む。終点による数値範囲の記述は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)と共に、その範囲内の任意の範囲を含む。特に指定のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される、特徴サイズ、量、及び物理的特性を表現する全ての数値は、全ての場合に、用語「約」によって修飾されているものとして理解されたい。したがって、特に反対の記載がない限り、上記の明細書及び添付の特許請求の範囲において説明されている数値パラメータは、本明細書において開示される教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変わり得る近似値である。
本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれる他の多くの改変形態及び実施形態が当業者によって考案されうることが理解されるべきである。特に明記しない限り、本明細書で用いられる科学的用語及び技術的用語は、当該技術分野において広く用いられている意味を有するものである。本明細書において与えられる定義は、本明細書中で頻繁に使用される特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲を限定するためのものではない。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その文脈が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その文脈が特に明確に指示しない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
本文書の全体にわたり、1つの基材の表面が別の基材の表面と「接触している(contact)」とき、2つの基材間に介在層(単一又は複数)はなく、2つの基材の表面の少なくとも一部分は物理的に接触している。
本文書の全体にわたり、第1基材の表面が第2基材の表面に「隣接している(adjacent)」場合、2つの表面は互いに面しているとみなされる。2つの表面は互いに接触していてもよく、又は介在する第3基材(単数)もしくは基材(複数)が2つの表面の間に配置され、互いに接触していなくてもよい。本文書の全体にわたり、第1基材の表面が第2基材の表面に「近接している(proximate)」とき、2つの表面は互いに面しており、かつ互いに極めて近接している、すなわち、500マイクロメートル未満、250マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満の範囲内、又は更には互いに接触しているとみなされる。しかしながら、基材表面間に配置された1つ以上の介在基材があってもよい。第1基材の表面が第2基材の表面と「接触している(in contact)」とき、2つの表面の少なくとも一部分は物理的に接触している、すなわち、2つの表面の間に配置された介在基材はない。
液体フロー電池(例えば、レドックスフロー電池)の作製において使用してもよい単一電気化学セルは、一般に、2つの多孔質電極、すなわちアノード及びカソードと、2つの電極の間に配置され、電極間に電気絶縁を提供し、かつ1種以上の選択イオン種がアノード半電池とカソード半電池との間を通るための経路を提供するイオン透過膜と、アノードフロー板及びカソードフロー板であって、アノードフロー板はアノードに隣接して配置されており、カソードフロー板はカソードに隣接して配置されており、アノードフロー板及びカソードフロー板のそれぞれは、陽極液及び陰極液電解液がそれぞれアノード及びカソードに接触し、かつアノード及びカソードに浸透することを可能にする1つ以上のチャネルを含む、アノードフロー板及びカソードフロー板と、を含む。セル又は電池のアノード、カソード及び膜は、本明細書においては、膜電極接合体(MEA)と称される。単一の電気化学セルを含むレドックスフロー電池では、例えば、セルは2つの集電体も含む。2つの集電体の1つは、アノードフロー板の外部表面に隣接し、かつこれと接触しており、1つはカソードフロー板の外部表面に隣接し、かつこれと接触している。集電体は、セルの放電中に発生した電子が外部回路に結合し、有用な仕事を行うことを可能にする。機能しているレドックスフロー電池又は電気化学セルは、陽極液、陽極液リザーバ、及びアノード半電池への陽極液の流れを促進するための対応する流体分配システム(配管及び少なくとも1つ以上のポンプ)、並びに陰極液、陰極液リザーバ、及びカソード半電池への陰極液の流れを促進するための対応する流体分配システムも含む。通常はポンプが用いられるが、重力供給システムも使用してよい。放電中、陽極液中の活性種、例えば、カチオンが酸化し、対応する電子が外部回路及び負荷を流れるが(though)、カソードに至る。カソードでは陰極液中の活性種を還元する。電気化学的酸化及び還元のための活性種は陽極液及び陰極液中に含まれるため、レドックスフローセル及び電池は、そのエネルギーを電気化学セルの本体外部に、すなわち、陽極液中に蓄積することができるという固有の特徴を有する。蓄積容量はおもに陽極液及び陰極液の量並びにこれら溶液中の活性種の濃度によって制限される。したがって、レドックスフロー電池は、例えば、リザーバタンクのサイズ及び活性種の濃度を適宜拡大縮小することによって、ウィンドファーム及び太陽エネルギープラントに関連する大規模エネルギー蓄積需要のために使用してもよい。レドックスフローセルは、また、その蓄積容量がその電力に依存しないという利点を有する。レドックスフロー電池又はセルの電力は、一般に、電池内の電極膜接合体並びにその対応するフロー板(全体で「スタック」と呼ばれる場合がある)のサイズ及び数によって決定される。加えて、レドックスフロー電池は配電網用途のために設計されていることから、電圧は高くなければならない。しかしながら、単一レドックスフロー電気化学セルの電圧は、一般に、3ボルト未満である(セルを構成する半電池反応の電位差)。したがって、実用性があるほど十分に高い電圧を発生させるために数百ものセルを直列に接続することを要し、セル又は電池のコストのうち相当量は、個々のセルを構成する構成要素のコストに関するものである。
レドックスフロー電気化学セル及び電池の中心は、膜電極接合体(アノード、カソード及びアノードとカソードの間に配置されたイオン透過膜)である。MEAの設計は、レドックスフローセル及び電池の電力出力において重要である。次いで、これら構成要素のために選択される材料が性能にとって重要である。電極に使用する材料は、炭素をベースにしてもよい。炭素は、酸化/還元反応を発生させるための望ましい触媒活性をもたらし、導電性であり、フロー板への電子移動を提供する。電極材料は、酸化/還元反応を発生させるためのより広い表面積を付与するために多孔質であってもよい。多孔質電極には、炭素繊維ベースの紙、フェルト及び布を含んでもよい。多孔質電極を使用する場合、電解質が電極の本体に浸透し、更なる表面積に到達して反応するため、電極の単位容積あたりのエネルギー生成率が増加する。また、陽極液及び陰極液の一方又は両方が水系、すなわち水溶液であってよいことから、多孔質電極の本体への電解質の浸透を促進するために、電極が親水性表面を有する必要があり得る。表面処理剤を使用して、レドックスフロー電極の親水性を増強してもよい。これは、電極及び対応する触媒層/領域に水分が入ることを防止するために、並びに例えば、水素/酸素系燃料電池の電極領域からの水分除去を促進するために、通常、疎水性であるように設計されている燃料電池の電極とは対照的である。
イオン透過膜に使用する材料は、1種以上の選択イオンが膜を通過することを可能にする一方で、良好な電気絶縁体であることが必要とされる。これらの材料は、多くの場合、ポリマー類から作製され、イオンの膜移動を促進するためのイオン種を含んでもよい。したがって、イオン透過膜を構成する材料は高価な特殊ポリマーであってもよい。
1つのセルスタック及び電池につき数百のMEAを必要とする場合があるため、電極(アノード及びカソード)及び/又はイオン透過膜は、MEAの総体的なコスト並びにセル及び電池の総体的なコストに関して大きなコスト要因となり得る。したがって、MEAのコスト並びにセル及び/又は電池の総体的なコストを低減することができる新たな電極が必要とされている。
加えて、MEAのコストを最小にすることが望ましく、そのコストを最小にするための別の手法は、MEAに使用されるイオン透過膜の容積を低減することである。しかしながら、セルの電力出力要件によって、その長さ及び幅寸法(一般に、長さ及び幅が大きいほど好ましい)に対する所与のMEAのサイズ要件、ゆえに、膜のサイズが規定されるため、MEAのコストを低減するためにはイオン透過膜の厚さを低減することしかできない場合がある。しかしながら、イオン透過膜の厚さを低減することによって、問題が明らかとなった。膜の厚さが低減されたことにより、多孔質電極の作製に使用される比較的硬い繊維、例えば、炭素繊維が薄い膜を貫通し、反対側の半電池の対応する電極に接触する可能性があることが判明した。このことは、セルの有害な局所的短絡、セルによって生成された電力の損失、及び電池全体の電力の損失を引き起こす。このため、膜電極接合体から作製された電気化学セル及び電池の必要な酸化/還元反応を阻害することなく電極中の必要な電解質輸送を維持する一方で、この局所的短絡を防止することができる、膜電極接合体において有用な改良された電極が必要とされている。
本開示は、少なくとも1種のポリマーと少なくとも1種の導電性炭素微粒子とを含む新設計を有する多孔質電極を提供する。ポリマーを加えることで、従来の炭素繊維ベースの電極、例えば炭素紙のコストと比較すると多孔質電極のコストが低下する可能性がある。本開示の多孔質電極は、膜厚が低減された場合に問題となることが判明している局所的短絡を低減する可能性もあり、更により薄い膜を使用することを可能とする場合があり、MEA並びにMEAから作製された対応するセル及び電池のコスト削減を更に促進する。本開示の多孔質電極は、MEA、電極アセンブリ、液体フロー、例えばレドックスフロー電気化学セル及び電池の作製において有益である。液体フロー電気化学セル及び電池は、液体フロー型である単一半電池又は液体フロー型である両半電池を有するセル及び電池を含んでもよい。電極は、MEAの構成要素又は電極アセンブリの構成要素であってもよい。電極アセンブリは、多孔質電極と、微孔質保護層と、を含む。本開示は、多孔質電極、MEA及び/又は本開示の少なくとも1つの多孔質電極を含む電極アセンブリを含む、液体フロー電気化学セル及び電池も含む。本開示は更に、液体フロー電気化学セル及び電池の作製において有用な多孔質電極、膜電極接合体及び電極アセンブリを作製する方法を提供する。
一実施形態では、本開示は、非導電性ポリマー微粒子及び導電性炭素微粒子を含む多孔質電極材料を含む、液体フロー電池用の多孔質電極である。導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つであり、導電性炭素微粒子が非導電性ポリマー微粒子の表面に直接付着している。非導電性微粒子表面の少なくとも一部分を溶融して単一の多孔質電極材料を形成する。
液体が多孔質電極材料を含む3次元多孔質電極構造体の1つの外部表面から3次元構造体の対向する表面の外部まで流れることができる場合、電極は「多孔質」であると考えられ、かつ電極材料は「多孔質」であると考えられる。
いくつかの実施形態では、多孔質電極の多孔質電極材料のポリマーは、ポリマー微粒子及びポリマーバインダ樹脂のうち少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、このポリマーはポリマー微粒子である。いくつかの実施形態では、このポリマーはポリマーバインダ樹脂である。いくつかの実施形態では、このポリマーはポリマー微粒子を含まない。いくつかの実施形態では、このポリマーはポリマーバインダ樹脂を含まない。
導電性炭素微粒子及びポリマー微粒子の両方に関する「微粒子(particulate)」という用語は、粒子、フレーク、繊維、デンドライト等を含むことを意味する。微粒子状粒子(particulate particles)は、一般に、長さ対幅のアスペクト比及び長さ対厚さのアスペクト比が両方とも約1〜約5である微粒子を含む。粒径は、約0.001マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.001〜約25マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.01〜約25マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.05〜約25マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.1〜約25マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は更には約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであってもよい。粒子は楕円体形状であってもよい。
微粒子フレークは、概して、長さ及び幅を有する微粒子を含み、長さ及び幅のそれぞれはフレークの厚さよりも大幅に大きい。フレークは、長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比を有する微粒子を含み、アスペクト比のそれぞれは約5より大きい。フレークの長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比に特定の上限はない。フレークの長さ対厚さのアスペクト比及び幅対厚さのアスペクト比の両方は、約6〜約1000、約6〜約500、約6〜約100、約6〜約50、約6〜約25、約10〜約500、10〜約150、10〜約100、又は更には約10〜約50であってもよい。フレークの長さ及び幅はそれぞれ、約0.001マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.001〜約25マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.01〜約25マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.05〜約25マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.1〜約25マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は更には、約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであってもよい。フレークは血小板の形状であってもよい。
微粒子デンドライトは、枝分かれ構造を有する微粒子を含む。デンドライトの粒径は上述した微粒子状粒子に関して開示したものと同一であってもよい。
微粒子繊維は、概して、長さ対幅のアスペクト比及び長さ対厚さのアスペクト比(この両方は約10よりも大きい)並びに幅対厚さのアスペクト比(約5未満)を有する微粒子を含む。円の形状の断面積を有する繊維では、幅及び厚さは円形断面の直径と同一かつ等しい。繊維の長さ対幅のアスペクト比及び長さ対厚さのアスペクト比に特定の上限はない。繊維の長さ対厚さのアスペクト比及び長さ対幅のアスペクト比の両方は、約10〜約1000000、10〜約100000、10〜約1000、10〜約500、10〜約250、10〜約100、約10〜約50、約20〜約1000000、20〜約100000、20〜約1000、20〜約500、20〜約250、20〜約100、又は更には約20〜約50であってもよい。繊維の幅及び厚さはそれぞれ、約0.001〜約100マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.001〜約25マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.001マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.01〜約100マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.01〜約25マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.01マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.05〜約100マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.05〜約25マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約10マイクロメートル、約0.05マイクロメートル〜約1マイクロメートル、約0.1〜約100マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約50マイクロメートル、約0.1〜約25マイクロメートル、約0.1マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は更には約0.1マイクロメートル〜約1マイクロメートルであってもよい。いくつかの実施形態では、繊維の厚さと幅は同一であってもよい。
いくつかの実施形態では、一部の微粒子は非導電性、高表面エネルギー及び濡れ性であり得る。
導電性炭素微粒子としては、ガラス状炭素、無定形炭素、グラフェン、黒鉛、例えば黒鉛化炭素、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ、分枝カーボンナノチューブ、例えばカーボンナノツリーが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は、炭素粒子、炭素フレーク、炭素繊維、カーボンデンドライト、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブ、例えばカーボンナノツリーのうち少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は、黒鉛粒子、黒鉛フレーク、黒鉛繊維及び黒鉛デンドライトのうち少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、黒鉛は、黒鉛粒子、黒鉛フレーク及び黒鉛デンドライトのうち少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、導電性炭素粒子状炭素は炭素繊維を含まない。
いくつかの実施形態では、導電性微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうち少なくとも1つである。カーボンナノチューブは円筒状ナノ構造を有する炭素の同素体である。カーボンナノチューブは、132,000,000:1以下の長さ対直径比で作製してもよく、この比は炭素繊維を含む任意の他の材料よりも極めて大きい。カーボンナノチューブは、5〜約10マイクロメートルの直径を有し得る炭素繊維及び/又は黒鉛繊維よりも数桁小さい約1〜5ナノメートルの直径を有してもよい。カーボンナノチューブは、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約50ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約20ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約10ナノメートル、約1ナノメートル〜約50ナノメートル、約1ナノメートル〜約20ナノメートル、又は更には約1ナノメートル〜約10ナノメートルの直径を有してもよい。カーボンナノチューブは、約0.25マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約0.5マイクロメートル〜約500マイクロメートル、又は更には約1マイクロメートル〜約100マイクロメートルの長さを有してもよい。分枝カーボンナノチューブ、例えばナノツリーは、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルの直径を有してもよい。分枝カーボンナノチューブは、カーボンナノチューブ主部、すなわちカーボンナノチューブ幹部と共有結合した複数の、カーボンナノチューブ側枝部を含む。分枝カーボンナノチューブは、その木のような樹枝状の幾何学的形状によって、極めて広い表面積を有し得る。テンプレート法、カーボンナノチューブ溶接法、ソリッドファイバー炭化法(solid fiber carbonization)、並びに直流プラズマ化学気相成長法(CVD)及びいくつかの他の添加物、触媒又は流量変動に基づくCVD法を含むがこれらに限定されない、複数の末端を有するこのような複雑な構造のカーボンナノチューブを作製するための種々の合成法が開発されてきた。いくつかの実施形態では、分枝カーボンナノチューブのカーボンナノチューブ主部の直径及びカーボンナノチューブ側枝部の直径は、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約50ナノメートル、約0.3ナノメートル〜約20ナノメートル、約0.3ナノメートルであってもよい。
いくつかの実施形態では、導電性微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうち少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとを含む又はカーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとから本質的になり、カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率は、約0.1〜約1、約0.1〜約0.9、約0.10.8から(from)、約0.2〜約1、約0.2〜約0.9、約0.20.8から、約0.3〜約1、約0.3〜約0.9、約0.30.8から、約0.4〜約1、約0.4〜約0.9、約0.40.8から、約0.5〜約1、約0.5〜約0.9、又は更には約0.50.8からであってもよい。カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうち少なくとも1つを含む並びに/又はカーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブを含む電気促進(electrically conducive)微粒子は、黒鉛微粒子を更に含んでもよい。これらの実施形態では、導電性炭素微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率は、約0.05〜約1、約0.05〜約0.8、約0.05〜約0.6、約0.05〜約0.5、約0.05〜約0.4、約0.1〜約1、約0.1〜約0.8、約0.1〜約0.6、約0.1〜約0.5、約0.1〜約0.4、約0.2〜約1、約0.2〜約0.8、約0.2〜約0.6、約0.2〜約0.5、又は更には約0.2〜約0.4であってもよい。
いくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は表面処理されてもよい。表面処理は、所与の陽極液もしくは陰極液に対する電極の濡れ性を高めてもよく、又は所与の陽極液もしくは陰極液の化学組成に関連する酸化還元反応に対する電極の電気化学活性を与えるもしくは増強してもよい。表面処理剤は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされる増強された電気化学活性を有する。「増強される(enhanced)」という用語は、処理前の導電性炭素微粒子の電気化学活性と比較して、処理後の導電性炭素微粒子の電気化学活性が増加することを意味する。増強される電気化学活性には、電流密度の増加、酸素発生の減少及び水素発生の減少のうち少なくとも1つを含んでもよい。電気化学活性は、多孔質電極を導電性炭素微粒子(処理前及び処理後)から作製し、電極により電気化学セル内に発生した電流密度を比較することによって測定することができ、高い電流密度は電気化学活性の増強を示す。サイクリックボルタンメトリーを用いて、活性向上、すなわち、電流密度の変化を測定することができる。いくつかの実施形態では、導電性微粒子は親水性である。
いくつかの実施形態では、電極内に含まれる導電性炭素微粒子の量は、重量基準で、約5〜約99パーセント、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約99パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約25〜約99パーセント、25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約99パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約99パーセント、約40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、約50〜約99パーセント、50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約50〜約80パーセント、約50〜約70パーセント、約60〜約99パーセント、60〜約95パーセント、約60〜約90パーセント、約60〜約80パーセント、又は更には約60〜約70パーセントであってもよい。
多孔質電極の多孔質電極材料のポリマーは、ポリマー微粒子及びポリマーバインダ樹脂のうち少なくとも1つであってもよい。本開示のいくつかの実施形態では、高分子微粒子は、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つであってもよい。いくつかの実施形態では、このポリマーは溶融ポリマー微粒子である。溶融ポリマー微粒子は、隣接するポリマー微粒子の接触面をともに溶融させる温度にされたポリマー微粒子から形成してもよい。溶融後、溶融ポリマー微粒子を形成する個々の微粒子をなお確認することができる。溶融ポリマー微粒子は多孔質である。溶融ポリマー微粒子は、完全に融解して中実基材、すなわち非多孔質基材を形成する微粒子ではない。いくつかの実施形態では、ポリマー微粒子は、ポリマー微粒子の最低ガラス転移温度よりも摂氏約30度以上、摂氏約20度以上、又は更には摂氏約10度以上低い温度で溶融させてもよい。ポリマー微粒子が、例えば、ブロック共重合体又はコアシェル型ポリマーである場合、1つより多いガラス転移温度を有してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー微粒子は、ポリマー微粒子の最高融解温度未満の温度で、又はポリマー微粒子が非晶質ポリマーである場合、ポリマー微粒子の最高ガラス転移温度を摂氏50度以下、摂氏30度以下、もしくは更には摂氏10度以下上回る温度で溶融させてもよい。
本開示のいくつかの実施形態では、ポリマーはポリマーバインダ樹脂であってもよく、ポリマーバインダ樹脂はポリマー前駆体液から得てもよい。ポリマー前駆体液は、ポリマー溶液及び反応性ポリマー前駆体液のうち少なくとも1つであってもよく、そのそれぞれは、重合、硬化、乾燥及び溶融のうち少なくとも1つを行い、ポリマーバインダ樹脂を形成することができる。ポリマー溶液は、少なくとも1種の溶媒中に溶解させた少なくとも1種のポリマーを含んでもよい。ポリマー溶液に、重合、硬化、乾燥及び溶融のうち少なくとも1つを行い、ポリマーバインダ樹脂を形成することができてもよい。いくつかの実施形態では、このポリマーを乾燥させてポリマーバインダ樹脂を形成する。反応性ポリマー前駆体液は、液体モノマー及び液体オリゴマーのうち少なくとも1つを含む。モノマーは単一モノマーであってもよく、又は少なくとも2種の異なるモノマーの混合物であってもよい。オリゴマーは単一オリゴマー又は少なくとも2種の異なるオリゴマーの混合物であってもよい。1種以上のモノマーと1種以上のオリゴマーとの混合物も使用してよい。反応性ポリマー前駆体液は、少なくとも1種の任意の溶媒を含んでもよい。反応性ポリマー前駆体液は、反応性ポリマー前駆体液の液体成分に可溶の少なくとも1種の任意のポリマーを含んでもよい。反応性ポリマー前駆体液に重合、硬化、乾燥及び溶融のうち少なくとも1つを行い、ポリマーバインダ樹脂を形成することができてもよい。いくつかの実施形態では、反応性ポリマー前駆体液を硬化させてポリマーバインダ樹脂を形成する。いくつかの実施形態では、反応性ポリマー前駆体液を重合させてポリマーバインダ樹脂を形成する。いくつかの実施形態では、反応性ポリマー前駆体液を硬化及び重合させてポリマーバインダ樹脂を形成する。「硬化(cure)」、「硬化する(curing)」、「硬化される(cured)」等の用語は、本明細書では、少なくとも1つの架橋反応を含む1つ以上の反応によってその分子量が増加する反応性ポリマー前駆体液について述べるために用いられる。一般に、硬化によって溶媒に不溶であり得る熱硬化性材料がもたらされる。「重合させる(polymerize)」、「重合する(polymerizing)」、「重合される(polymerized)」等の用語は、一般に、架橋反応を含まない1つ以上の反応によって分子量が増加する反応性ポリマー前駆体液について延べるものである。一般に、重合によって適切な溶媒に可溶であり得る熱可塑性材料がもたらされる。少なくとも1つの架橋反応及び少なくとも1つの重合反応によって反応する反応性ポリマー前駆体液は、最終ポリマーの得られる重合度及び達成される架橋に応じて、熱硬化性材料又は熱可塑性材料のいずれかを形成してもよい。反応性ポリマー前駆体液の作製において有用なモノマー及び/又はオリゴマーとしては、本明細書に(以下)記載されるポリマー、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーを形成するために従来使用されているモノマー並びにオリゴマーが挙げられるが、これらに限定されない。ポリマー溶液の作製において有用なポリマーとしては、本明細書に(以下)記載される熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のいくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は、ポリマー、ポリマー微粒子及び/又はポリマーバインダ樹脂に付着していてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子はポリマー微粒子の表面に付着していてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、導電性炭素微粒子は溶融ポリマー微粒子の表面に付着していてもよい。
電極のポリマーは、電解質の選択イオン(単数及び複数)が電極を移動するのを促進するように選択してもよい。これは、電解質が所与のポリマーを容易に濡らすのを可能にすることによって実施してもよい。材料特性、特にポリマーの表面濡れ性は、陽極溶液及び陰極溶液の種類、すなわち、陽極溶液及び陰極溶液が水性系であるか非水性系であるかに基づき選択してもよい。本明細書で開示するように、水性系溶液は、溶媒が少なくとも50重量%の水を含む溶液と定義される。非水性系溶液は、溶媒が50重量%未満の水を含む溶液と定義される。いくつかの実施形態では、電極のポリマーは親水性であってもよい。このことは、電極が水性陽極溶液及び/又は水性陰極溶液とともに使用される場合、特に有益であり得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは、90度未満の、水、陰極液及び/又は陽極液との表面接触角を有してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、約85度〜約0度、約70度〜約0度、約50度〜約0度、約30度〜約0度、約20度〜約0度、又は更には約10度〜約0度の水、陰極液及び/もしくは陽極液との表面接触(surface contact)を有してもよい。
ポリマー微粒子又はポリマーバインダ樹脂であってもよい電極のポリマーは、熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)、熱硬化性樹脂(ガラス状材料及びゴム状材料を含む)及びこれらの組み合わせを含んでもよい。有用な熱可塑性樹脂としては、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン、高分子量ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、高分子量ポリプロピレン;ポリアクリレート;ポリメタクリレート、スチレン及びスチレン系ランダムコポリマー及びブロックコポリマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン;ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタハレート(terephtahalate);ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドアミン;ポリアルキレングリコール、例えば、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール;ポリウレタン類;ポリエーテル類;塩素化ポリ塩化ビニル;過フッ素化フルオロポリマー、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及び部分的にフッ素化されたフルオロポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(このそれぞれは半結晶性及び/又は非晶質であってもよい)を含むフルオロポリマー;ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン;ポリフェニレンオキシド;及びポリケトン、のうち少なくとも1つのホモポリマー、コポリマー並びにブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。有用な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ユリアホルムアデヒド(formadehyde)樹脂及びメラミン樹脂のうち少なくとも1つのホモポリマー、コポリマー並びに/又はブレンドが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ポリマーは、摂氏約20度〜摂氏約400度、摂氏約20度〜摂氏約350度、摂氏約20度〜摂氏約300度、摂氏約20度〜摂氏約250度、摂氏約20度〜摂氏約200度、摂氏約20度〜摂氏約150度、摂氏約35度〜摂氏約400度、摂氏約35度〜摂氏約350度、摂氏約35度〜摂氏約300度、摂氏約35度〜摂氏約250度、摂氏約35度〜摂氏約200度、摂氏約35度〜摂氏約150度、摂氏約50度〜摂氏約400度、摂氏約50度〜摂氏約350度、摂氏約50度〜摂氏約300度、摂氏約50度〜摂氏約250度、摂氏約50度〜摂氏約200度、摂氏約50度〜摂氏約150度、摂氏約75度〜摂氏約400度、摂氏約75度〜摂氏約350度、摂氏約75度〜摂氏約300度、摂氏約75度〜摂氏約250度、摂氏約75度〜摂氏約200度、もしくは更には摂氏約75度〜摂氏約150度の軟化温度、例えば、ガラス転移温度及び/又は融解温度を有する。
いくつかの実施形態では、ポリマー微粒子は2種以上のポリマーで構成され、コアシェル構造を有する。すなわち、内部コアが第1ポリマーを含み、外部シェルが第2ポリマーを含む。コアシェル構造はコアシース構造と呼ばれる場合がある。いくつかの実施形態では、外部シェルのポリマー、例えば、第2ポリマーは、第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度、例えば、ガラス転移温度及び/又は融解温度を有する。いくつかの実施形態では、第2ポリマーは、摂氏約20度〜摂氏約400度、摂氏約20度〜摂氏約350度、摂氏約20度〜摂氏約300度、摂氏約20度〜摂氏約250度、摂氏約20度〜摂氏約200度、摂氏約20度〜摂氏約150度、摂氏約35度〜摂氏約400度、摂氏約35度〜摂氏約350度、摂氏約35度〜摂氏約300度、摂氏約35度〜摂氏約250度、摂氏約35度〜摂氏約200度、摂氏約35度〜摂氏約150度、摂氏約50度〜摂氏約400度、摂氏約50度〜摂氏約350度、摂氏約50度〜摂氏約300度、摂氏約50度〜摂氏約250度、摂氏約50度〜摂氏約200度、摂氏約50度〜摂氏約150度、摂氏約75度〜摂氏約400度、摂氏約75度〜摂氏約350度、摂氏約75度〜摂氏約300度、摂氏約75度〜摂氏約250度、摂氏約75度〜摂氏約200度、又は更には摂氏約75度〜摂氏約150度の軟化温度、例えば、ガラス転移温度及び/又は融解温度を有する。
電極のポリマーは、イオン性ポリマー又は非イオン性ポリマーであってもよい。イオン性ポリマーは、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基、すなわち、イオン性繰り返し単位を有するポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーはイオン性ポリマーであり、このイオン性ポリマーは、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が約0.005〜約1である。いくつかの実施形態では、ポリマーは非イオン性ポリマーであり、この非イオン性ポリマーは、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が約0.005未満〜約0である。いくつかの実施形態では、ポリマーは非イオン性ポリマーであり、この非イオン性ポリマーは、イオン性官能基を有する繰り返し単位を有しない。いくつかの実施形態では、ポリマーはイオン性ポリマーから本質的になる。いくつかの実施形態では、ポリマーは非イオン性ポリマーから本質的になる。イオン性ポリマーは、イオン交換樹脂、アイオノマー樹脂及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。イオン交換樹脂が特に有用であり得る。
本明細書で広く定義されるように、イオン性樹脂は、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基を有する樹脂を含む。いくつかの実施形態では、イオン性樹脂は、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が約0.005〜1である。いくつかの実施形態では、イオン性樹脂は陽イオン樹脂、すなわち、そのイオン性官能基が負の電荷を有して、カチオン、例えばプロトンの移動を促進し、任意選択的に、陽イオン樹脂はプロトン陽イオン樹脂(proton cationic resin)である。いくつかの実施形態では、イオン性樹脂は陰イオン交換樹脂、すなわち、そのイオン性官能基が正の電荷を有し、アニオンの移動を促進する。イオン性樹脂のイオン性官能基としては、カルボキシレート基、スルホネート基、スルホンアミド基、四級アンモニウム基、チウロニウム基、グアニジウム基、イミダゾリウム基及びピリジニウム基が挙げられ得るが、これらに限定されない。イオン性樹脂にイオン性官能基の組み合わせを使用してもよい。
アイオノマー樹脂は、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基を有する樹脂を含む。本明細書中に定義されるように、アイオノマー樹脂は、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が約0.15以下である樹脂とみなされる。いくつかの実施形態では、アイオノマー樹脂は、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が、約0.005〜約0.15、約0.01〜約0.15、又は更には約0.3〜約0.15である。いくつかの実施形態では、アイオノマー樹脂は、陽極液及び陰極液のうち少なくとも1つに不溶である。アイオノマー樹脂のイオン性官能基としては、カルボキシレート基、スルホネート基、スルホンアミド基、四級アンモニウム基、チウロニウム基、グアニジウム基、イミダゾリウム基及びピリジニウム基が挙げられ得るが、これらに限定されない。アイオノマー樹脂にイオン性官能基の組み合わせを使用してもよい。アイオノマー樹脂の混合物を用いてもよい。アイオノマー樹脂は、陽イオン樹脂又は陰イオン樹脂であってもよい。有用なアイオノマー樹脂としては、NAFION(DuPont(Wilmington、Delaware)から入手可能)、AQUIVION、パーフルオロスルホン酸(SOLVAY(Brussels、Belgium)から入手可能)、FLEMION及びSELEMION、フルオロポロマー(fluoropolomer)イオン交換樹脂(旭硝子株式会社(日本、東京)から入手可能)、FKS、FKB、FKL、FKE陽イオン交換樹脂並びにFAB、FAA、FAP及びFAD陰イオン交換樹脂を含むFUMASEPイオン交換樹脂(Fumatek(Bietigheim−Bissingen、Germany)から入手可能)、ポリベンゾイミダゾール、並びに全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,348,088号に記載されているイオン交換材料及び膜が挙げられるが、これらに限定されない。
イオン交換樹脂は、繰り返し単位の一部が電気的に中性であり、繰り返し単位の一部がイオン性官能基を有する樹脂を含む。本明細書中に定義されるように、イオン交換樹脂は、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が約0.15超〜約1.00未満である樹脂とみなされる。いくつかの実施形態では、イオン交換樹脂は、イオン性官能基を有する繰り返し単位のモル比率が、約0.15超〜約0.90未満、約0.15超〜約0.80未満、約0.15超〜約0.70未満、約0.30超〜約0.90未満、約0.30超〜約〜0.80未満、約0.30超〜約0.70未満、約0.45超〜約0.90未満、約0.45超〜約0.80未満、及び更には約0.45超〜約0.70未満である。イオン交換樹脂は、陽イオン交換樹脂であってもよく、又は陰イオン交換樹脂であってもよい。イオン交換樹脂は、任意選択的に、プロトンイオン交換樹脂(proton ion exchange resin)であってもよい。イオン交換樹脂の種類は、イオン透過膜を介して陽極液と陰極液との間で移動される必要があるイオンの種類に基づき選択してもよい。いくつかの実施形態では、イオン交換樹脂は、陽極液及び陰極液のうち少なくとも1つに不溶である。イオン交換樹脂のイオン性官能基としては、カルボキシレート基、スルホネート基、スルホンアミド基、四級アンモニウム基、チウロニウム基、グアニジウム基、イミダゾリウム基及びピリジニウム基が挙げられ得るが、これらに限定されない。イオン交換樹脂にイオン性官能基の組み合わせを使用してもよい。イオン交換樹脂の混合物を用いてもよい。有用なイオン交換樹脂としては、フッ素化イオン交換樹脂、例えば、パーフルオロスルホン酸共重合体及びパーフルオロスルホンイミド共重合体、スルホン化ポリスルホン、四級アンモニウム基を含むポリマー又はコポリマー、グアニジウム基もしくはチウロニウム基のうち少なくとも1つを含むポリマー又はコポリマー、イミダゾリウム基を含むポリマー又はコポリマー、ピリジニウム基を含むポリマー又はコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。このポリマーは、アイオノマー樹脂とイオン交換樹脂との混合物であってもよい。
いくつかの実施形態では、電極中に含まれるポリマーの量は、重量基準で、約1〜約95パーセント、約5〜約95パーセント、約10〜約95パーセント、約20〜約95パーセント、約30〜約95パーセント、約1〜約90パーセント、約5〜約90パーセント、約10〜約90パーセント、約20〜約90パーセント、約30〜約90パーセント、約1〜約75パーセント、約5〜約75パーセント、約10〜約75パーセント、約20〜約75パーセント、約30〜約75パーセント、約1〜約70パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約70パーセント、約20〜約70パーセント、約30〜約70パーセント、約1〜約60パーセント、約5〜約60、約10〜約60パーセント、約20〜約60パーセント、約30〜約60パーセント、約1〜約50パーセント、5〜約50パーセント、約10〜約50パーセント、約20〜約50パーセント、約30〜約50パーセント、約1〜約40パーセント、5〜約40パーセント、約10〜約40パーセント、約20〜約40パーセント、又は更には約30〜約40パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示の電極は、非導電性無機微粒子を含んでもよい。非導電性無機微粒子としては、当該技術分野において既知のミネラル及びクレーが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、非導電性無機微粒子は金属酸化物であってもよい。いくつかの実施形態では、非導電性無機微粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア及びジルコニアのうち少なくとも1つを含む。
ポリマー及び導電性微粒子は、ポリマーと導電性微粒子とを混合して、電極ブレンド、すなわち多孔質電極材料を形成し、この電極ブレンドを基材上にコーティングし、溶融、硬化、重合及び乾燥処理のうち少なくとも1つを行い、電極を形成することによって多孔質電極へと作製される。電極は多孔質である。多孔質電極はシートの形態であってもよい。乾燥後又は乾燥中の温度は、この温度が、ポリマーに対する炭素微粒子の付着を促進し得る及び/もしくはポリマーを更に溶融させるポリマーの軟化温度、例えば、ポリマーのガラス転移温度及び/もしくは融解温度の近辺の温度、この温度又はこの温度を超える温度となるような程度であってもよい。
一実施形態では、ポリマー微粒子と導電性炭素微粒子とを乾燥成分としてともに混合し、ドライブレンドを形成してもよい。ミリング媒体、例えば、ミリングビーズをドライブレンドに添加し、混合プロセスを促進してもよい及び/又は導電性炭素微粒子をポリマー微粒子の表面に少なくとも部分的に埋め込んでもよい。次いで、ドライブレンドを、ナイフコーティング及び静電塗装を含むがこれらに限定されない従来技術を使用して、基材、例えば、ライナー又は剥離ライナー上にコーティングしてもよい。次いで、コーティングをポリマー微粒子の軟化温度、例えば、ポリマーのガラス転移温度及び/もしくは融解温度微粒子の近辺の温度、この温度又はこの温度を超える温度で熱処理し、ポリマー微粒子/炭素微粒子ドライブレンドの少なくとも一部分を単一多孔質材料へと溶融させ、それによって、多孔質電極を形成してもよい。多孔質電極はシートの形態であってもよい。熱処理は、また、ポリマー微粒子の表面に対する導電性炭素微粒子の付着を促進してもよい。熱処理は、例えば、加熱されたプレス機又は加熱されたロール間において圧力下で実施してもよい。プレス機及び又は加熱されたロールは特定の所望の間隙を与えるように設定してもよく、これにより、所望の電極厚さを得ることを容易にする。ドライコーティングと溶融プロセスとを組み合わせて1つの工程にしてもよい。この工程では、ロールを所望の電極厚さに関連する所望の間隙で設定するとともに、また、ロールを所望の溶融温度まで加熱することで、コーティングと熱処理とを同時に行うロールコーティング技術を使用する。
別の実施形態では、ドライブレンド又は個々の微粒子を適切な液体媒体、すなわち溶媒に添加し、従来技術、例えばブレードミキシング又は他の攪拌を使用して混合し、ポリマー微粒子/炭素微粒子分散体を形成してもよい。ミリング媒体、例えば、ミリングビーズをこの分散体に添加し、混合プロセスを促進してもよい及び/又は導電性炭素微粒子をポリマー微粒子の表面に少なくとも部分的に埋め込んでもよい。ミリング媒体を用いる場合、攪拌は、通常、ドライブレンドを保持している容器を振盪又は回転させることによって実施される。分散体を、ナイフコーティングなどの従来技術を用いて、基材、例えば、ライナー又は剥離ライナー上にコーティングしてもよい。次いで、コーティングを高温での熱処理により乾燥させ、液体媒体を除去し、ポリマー微粒子/炭素微粒子ブレンドの少なくとも一部分を単一多孔質材料へと溶融させ、それによって、多孔質電極を形成してもよい。多孔質電極はシートの形態であってもよい。熱処理は、また、ポリマー微粒子の表面に対する導電性炭素微粒子の付着を促進してもよい。分散体を乾燥させる、すなわち液体媒体を蒸発させるために使用される熱処理と、ポリマー微粒子の少なくとも一部分を溶融させるために使用される熱処理とは、同一の温度又は異なる温度であってもよい。真空を用いて、液体媒体を除去してもよい又は液体媒体の除去を促進してもよい。別の実施形態では、ポリマー微粒子は分散体、例えば、懸濁重合又は乳化重合から生じた分散体として得てもよく、この分散体に導電性炭素微粒子を添加してもよい。混合、コーティング、乾燥及び溶融は、上述のように実施してもよい。
更に別の代替的実施形では、ドライブレンド又は個々の微粒子を適切な液体媒体、すなわちポリマー前駆体液に添加し、従来技術、例えばブレードミキシング又は他の攪拌を使用して混合し、ポリマー微粒子/炭素微粒子分散体を形成してもよい。ミリング媒体、例えば、ミリングビーズをこの分散体に添加し、混合プロセスを促進してもよい及び/又は導電性炭素微粒子をポリマー微粒子の表面に少なくとも部分的に埋め込んでもよい。ミリング媒体を用いる場合、攪拌は、通常、分散体を保持している容器を振盪又は回転することによって実施される。分散体を、ナイフコーティングなどの従来技術を用いて、基材、例えば、ライナー又は剥離ライナー上にコーティングしてもよい。次いで、コーティングに乾燥、硬化、重合及び溶融のうち少なくとも1つを行い、バインダ樹脂を形成し、かつポリマー微粒子/炭素微粒子ブレンドの少なくとも一部分を単一多孔質材料へと変換し、それによって多孔質電極を形成してもよい。多孔質電極はシートの形態であってもよい。熱処理を使用してポリマーバインダ樹脂を形成する場合又はポリマーバインダ樹脂に二次熱処理を加える場合、温度は、バインダ樹脂に対する炭素微粒子の付着を促進し得る及び/もしくはバインダ樹脂を更に溶融させ得るポリマーバインダ樹脂の軟化温度、例えば、ポリマーバインダ樹脂のガラス転移温度及び/もしくは融解温度の近辺の温度、この温度又はこの温度を超える温度となるような程度であってもよい。
別の実施形態では、導電性炭素微粒子をポリマー前駆体液中に分散させ、従来技術、例えばブレードミキシング又は他の攪拌を使用して混合してもよい。ミリング媒体、例えば、ミリングビーズを分散体に添加し、混合プロセスを促進してもよい。ミリング媒体を用いる場合、攪拌は、通常、分散体を保持している容器を振盪又は回転することによって実施される。得られた分散体を、ナイフコーティングなどの従来技術を用いて、基材、例えば、ライナー又は剥離ライナー上にコーティングしてもよい。次いで、ポリマー前駆体液コーティングに乾燥、硬化、重合及び溶融のうち少なくとも1つを行い、バインダ樹脂及び対応する単一多孔質材料、すなわち多孔質電極を形成してもよい。多孔質電極はシートの形態であってもよい。熱処理を使用してポリマーバインダレイン(rein)を形成する場合又はポリマーバインダ樹脂に二次熱処理を加える場合、温度は、バインダ樹脂に対する炭素微粒子の付着を促進し得る及び/もしくはバインダ樹脂を更に溶融させ得るポリマーバインダ樹脂の軟化温度、例えば、ポリマーバインダ樹脂のガラス転移温度及び/もしくは融解温度の近辺の温度、この温度又はこの温度を超える温度となるような程度であってもよい。
いくつかの実施形態では、ポリマー前駆体液はポリマー溶液、例えば少なくとも1種のポリマーを少なくとも1種の溶媒中に溶解させたものであり、ポリマー溶液中には導電性炭素微粒子を分散させている。ミリング媒体、例えば、ミリングビーズを分散体に添加し、混合プロセスを促進してもよい。得られた分散体を、ナイフコーティングなどの従来技術を用いて、基材、例えば、ライナー又は剥離ライナー上にコーティングしてもよい。分散体コーティングを乾燥させて、ポリマーバインダ樹脂及び対応する単一多孔質材料、すなわち多孔質電極を形成してもよい。多孔質電極はシートの形態であってもよい。乾燥後又は乾燥中の温度は、この温度が、バインダ樹脂に対する炭素微粒子の付着を促進し得る及び/もしくはバインダ樹脂を更に溶融させ得るポリマーバインダ樹脂の軟化温度、例えば、ポリマーバインダ樹脂のガラス転移温度及び/もしくは融解温度の近辺の温度、この温度又はこの温度を超える温度となるような程度であってもよい。
ポリマー溶液に使用される溶媒は、ポリマーバインダ樹脂を形成するポリマーが溶媒に可溶でなければならないことを除いて、特に限定されない。溶媒は、ポリマーの化学構造及び溶媒中におけるポリマーの溶解度に基づき選択してもよい。反応性ポリマー前駆体液に使用される任意の溶媒は、液体モノマー及び液体オリゴマーのうち少なくとも1つが溶媒に可溶であることを除いて、特に限定されない。有用な溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール及びプロパノール)、アセトン、酢酸エチル、アルキル溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン)、メチルエチルケトン、エチルエチルケトン、ジメチルエーテル、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ポリマー前駆体液は反応性ポリマー前駆体液、例えば、液体モノマー及び液体オリゴマーのうち少なくとも1つであり、反応性ポリマー前駆体溶液中には導電性炭素微粒子を分散させている。反応性ポリマー前駆体は、少なくとも1種の溶媒を任意に含んでもよく、及び反応性ポリマー前駆体液の液体成分に可溶の少なくとも1種のポリマーを任意に含んでもよい。ミリング媒体、例えば、ミリングビーズを分散体に添加し、混合プロセスを促進してもよい。得られた分散体を、ナイフコーティングなどの従来技術を用いて、基材、例えば、ライナー又は剥離ライナー上にコーティングしてもよい。次いで、反応性ポリマー前駆体液コーティングに乾燥、硬化、重合及び溶融のうち少なくとも1つを行い、ポリマーバインダ樹脂及び対応する単一多孔質材料、すなわち多孔質電極を形成してもよい。多孔質電極はシートの形態であってもよい。熱処理を使用してポリマーバインダレイン(rein)を形成する場合又はポリマーバインダ樹脂に二次熱処理を加える場合、温度は、バインダ樹脂に対する炭素微粒子の付着を促進し得る及び/もしくはバインダ樹脂を更に溶融させ得るポリマーバインダ樹脂の軟化温度、例えば、ポリマーバインダ樹脂のガラス転移温度及び/もしくは融解温度の近辺の温度、この温度又はこの温度を超える温度となるような程度であってもよい。
ポリマー前駆体液が反応性ポリマー前駆体液である場合、反応性ポリマー前駆体液は、反応性ポリマー前駆体液の硬化及び/又は重合を補助するための適切な添加剤を含んでもよい。添加剤としては、触媒、開始剤、硬化剤、阻害剤、連鎖移動剤等が挙げられるが、これらに限定されない。硬化及び/又は重合は、熱及び放射線のうち少なくとも1つによって実施してもよい。放射線としては、紫外線及び可視光線を含む化学線を含んでもよい。硬化時、反応性ポリマー前駆体液はBステージポリマーバインダ樹脂を形成してもよく、すなわち第2段階の硬化が可能である。Bステージが可能なポリマーバインダ樹脂が所望される場合、第1の硬化は熱硬化であってもよく、第2の硬化は放射線硬化であってもよく、両硬化段階は、例えば、2つの異なる硬化温度における熱硬化であってもよく、両硬化は2つの異なる波長における放射線硬化であってもよく、又は第1の硬化は放射線硬化、第2の硬化は熱硬化であってもよい。
本開示の基材は特には限定されず、従来のライナー及び剥離ライナー、例えば、低表面エネルギーコーティングを有しても有しなくてもよいポリマーフィルムを含んでもよい。基材のポリマーは、熱可塑性ポリマー及び熱硬化性ポリマーのうち少なくとも1つであってもよい。熱可塑性ポリマーとしては、ポリアルキレン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン;ポリウレタン;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリストレン(polystrenes);ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート;ポリブタジエン;ポリイソプレン;ポリアルキレンオキシド、例えば、ポリエチレンオキシド;エチレンビニルアセテート;酢酸セルロース;エチルセルロース並びに前述のポリマー類のいずれかのブロックコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。熱硬化性ポリマーとしては、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂及びゴムが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、基材は誘電性ポリマー基材である。基材のポリマーはポリマーブレンドであってもよい。基材は穴又は細孔を含んでもよい。穴又は細孔には分散体を充填してもよく、穴又は細孔内に多孔質電極材料を形成してもよい。これらの実施形態では、多孔質電極材料を含む穴又は細孔が電極の1つの主面からその対向する主面への電気通信を可能にするため、基材は電極の一部になってもよい。基材はトポグラフィを含んでもよく、多孔質電極はこのトポグラフィに適合し、同一の、基材の全体的なトポグラフィを形成してもよい。いくつかの実施形態では、多孔質電極の基材は、少なくとも1つの正確に成形されたトポグラフィカル形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、多孔質電極の基材は、複数の正確に成形されたトポグラフィカル形状を含んでもよい。「正確に成形された(precisely shaped)」とは、対応する型穴の逆形状の成形形状を有し、トポグラフィカル形状が型から取り出された後に上記形状が維持されるトポグラフィカル形状を意味する。正確に成形されたトポグラフィカル形状は、硬化、乾燥又は他の熱処理に関連する若干の収縮を被った場合でも、元々作製される型穴の全般形状を維持している場合はなお正確に成形された、とみなしてもよい。少なくとも1つの正確に成形されたトポグラフィカル形状は、当該技術分野において既知の精密加工プロセス、例えば、成形及び/又はエンボス加工によって作製してもよい。いくつかの実施形態では、フィルム基材のトポグラフィは、1つ以上のチャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、チャネルの少なくとも一部分は相互連結していてもよい。いくつかの実施形態では、穴の少なくとも一部分はトポグラフィ、例えばチャネル内に含まれている。いくつかの実施形態では、穴の全体がトポグラフィ、例えばチャネル内に含まれている。いくつかの実施形態では、多孔質電極材料をトポグラフィに充填し、基材トポグラフィの陰像(negative image)を有する多孔質電極材料を生成してもよい。トポグラフィの深さ及び/又は高さは、基材の厚さによって制限されてもよい。いくつかの実施形態では、トポグラフィの深さ及び/又は高さは基材の厚さ未満である。
いくつかの実施形態では、基材は、導電性基材、例えば、金、銀及びアルミニウムのうち少なくとも1つが挙げられるがこれらに限定されない導電性金属であってもよい。いくつかの実施形態では、電極は導電性基材から取り除かれる。いくつかの実施形態では、電極は導電性基材を含んでもよい。これらの実施形態では、導電性基材は、集電体として機能し、電気化学セル内の集電体の代わりに用いてもよく、又は典型的な液体フローセル内の集電体に隣接して配置されてもよい。
本開示の電極は、従来技術を使用して洗浄し、結合していない(loose)炭素微粒子を除去してもよい。洗浄技術としては、結合していない炭素微粒子の除去を補助するための及び(and)適切な溶媒、例えば水及び/又は界面活性剤を含んでもよい。本開示の電極は連続ロールツーロールプロセスによって作製してよく、電極シートを巻いてロール製品を形成する。
いくつかの実施形態では、電極は親水性であってもよい。これは多孔質電極が水性陽極溶液及び/又は陰極溶液とともに使用される場合に特に有利であり得る。液体フロー電池の電極の孔への液体、例えば水、陰極液及び/又は陽極液の取り込みは、液体フロー電池の最適な動作のための重要な特性と考えてもよい。いくつかの実施形態では、電極の孔の100パーセントに液体を充填し、液体と電極表面との間に最大の界面を生成してもよい。他の実施形態では、電極の孔の約30パーセント〜約100パーセント、約50パーセント〜約100パーセント、約70パーセント〜約100パーセント、又は更には約80パーセント〜100パーセントに液体が充填されてもよい。いくつかの実施形態では、多孔質電極は、90度未満の、水、陰極液及び/又は陽極液との表面接触角を有してもよい。いくつかの実施形態では、微孔質保護層は、約85度〜約0度、約70度〜約0度、約50度〜約0度、約30度〜約0度、約20度〜約0度、又は更には約10度〜約0度の、水、陰極液及び/もしくは陽極液との表面接触(surface contact)を有してもよい。
いくつかの実施形態では、電極に表面処理を施し、所与の陽極液もしくは陰極液に対する電極の濡れ性を高めてもよく、又は所与の陽極液もしくは陰極液の化学組成に関連する酸化還元反応に対する電極の電気化学活性を与えるもしくは増強してもよい。表面処理剤は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。
界面活性剤を電極分散体/コーティング溶液中に使用し、例えば、濡れ性を向上させてもよい及び/又は導電性炭素微粒子の分散を補助してもよい。界面活性剤には、カチオン性、アニオン性及び非イオン性界面活性剤を含んでもよい。電極分散体/コーティング溶液において有用な界面活性剤としては、TRITON X−100(Dow Chemical Company(Midland、Michigan)から入手可能);DISPERSBYK 190(BYK Chemie GMBH(Wesel、Germany)から入手可能);アミン類、例えば、オリエルアミン(olyelamine)及びドデシルアミン;主鎖に8個を超える炭素を持つアミン類、例えば3−(N,N−ジメチルドデシルアンモニオ)プロパンスルホン酸(SB12);SMA1000(Clay Valley USA,LLC(Exton、Pennsylvania)から入手可能);1,2−プロパンジオール、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール;第四級アミン、及びその全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20130011764号に開示されている界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。分散体/コーティング溶液中に1種以上の界面活性剤が使用される場合、界面活性剤は熱プロセスによって電極から除去してもよい。熱プロセスは、界面活性剤を熱処理の温度で揮発させる、又は界面活性剤を分解し得られた化合物を熱処理の温度で揮発させる、のいずれかである。いくつかの実施形態では、電極は界面活性剤を実質的に含まない。「実質的に含まない(substantially free)」とは、電極が、重量基準で、0パーセント〜0.5パーセント、0パーセント〜0.1パーセント、0パーセント〜0.05パーセント、又は更には0パーセント〜0.01パーセントの界面活性剤を含むことを意味する。いくつかの実施形態では、電極層は界面活性剤を含まない。界面活性剤は、界面活性剤の溶媒を用いた洗浄又はすすぎによって電極から除去してもよい。溶媒としては、水、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール及びプロパノール)、アセトン、酢酸エチル、アルキル溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン及びオクタン)、メチルエチルケトン、エチルエチルケトン、ジメチルエーテル、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
電極の厚さは、約10マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約250マイクロメートル、約10マイクロメートル〜約100マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約5000マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約1000マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約500マイクロメートル、約25マイクロメートル〜約250マイクロメートル、又は更には約25マイクロメートル〜約100マイクロメートルであってもよい。多孔質電極の空隙率は、体積基準で、約5パーセント〜約95パーセント、約5パーセント〜約90パーセント、約5パーセント〜約80パーセント、約5パーセント〜約70パーセント、約10パーセント〜約95パーセント、約10パーセント〜90パーセント、約10パーセント〜約80パーセント、約10パーセント〜約70パーセント、約10パーセント〜約70パーセント、約20パーセント〜約95パーセント、約20パーセント〜約90パーセント、約20パーセント〜約80パーセント、約20パーセント〜約70パーセント、約20パーセント〜約70パーセント、約30パーセント〜約95パーント、約30パーセント〜約90パーセント、約30パーセント〜約80パーセント、又は更には約30パーセント〜約70パーセントであってもよい。
電極は単層であっても多層であってもよい。多孔質電極が多層を含む場合、使用してもよい層の数に関して特に制限はない。しかしながら、電極及び膜アセンブリの厚さは可能な限り薄く維持することが一般に望まれるため、電極は、約2〜約20層、約2〜約10層、約2〜約8層、約2〜約5層、約3〜約20層、約3〜約10層、約3〜約8層、又は更には約3〜約5層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電極が多層を含む場合、各層の電極材料は同一電極材料であってもよい、すなわち、各層の電極材料の組成は同一である。いくつかの実施形態では、電極が多層を含む場合、少なくとも1つの層から全層までの電極材料が異なっていてもよい、すなわち、少なくとも1つの層から全層までの電極材料の組成が、別の層の電極材料の組成と異なる。
本開示の多孔質電極は、約0.1μオームm〜約10000μオームm、約1μオームm〜約10000μオームm、10μオームm〜約10000μオームm、約0.1μオームm〜約1000μオームm、約1μオームm〜約1000μオームm、10μオームm〜約1000μオームm、約0.1μオームm〜約100μオームm、約1μオームm〜約100μオームm、又は更には10μオームm〜約100μオームmの電気抵抗率を有してもよい。
本開示の別の実施形態では、本開示の多孔質電極を使用して、例えば、液体フロー電池で使用するための膜電極接合体を形成してもよい。膜電極接合体は、第1表面と対向する第2表面とを有するイオン交換膜と、本開示の実施形態のいずれか1つによる多孔質電極と、を含み、多孔質電極の主面はイオン交換膜の第1表面に隣接している。いくつかの実施形態では、多孔質電極の主面はイオン交換膜の第1表面に近接している。いくつかの実施形態では、多孔質電極の主面はイオン交換膜の第1表面と接触している。膜電極接合体は、本開示の多孔質電極のいずれか1つによる、第1主面と第2主面とを有する第2の多孔質電極を更に含んでもよく、第2の多孔質電極の主面は、イオン交換膜の対向する第2表面に隣接している。いくつかの特定の、しかし非限定的な本開示の膜電極接合体実施形態を図1A〜図1Dに示す。
図1Aは、第1主面40aと対向する第2主面40bとを有し、かつ多孔質電極材料45を含む第1の多孔質電極40と、第1表面20aと対向する第2表面20bとを有する第1オン(on)交換膜20と、を含む膜電極接合体100の概略側断面図を示す。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極40の第1主面40aはイオン交換膜20の第1表面20aに隣接している。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極40の第1主面40aはイオン交換膜20の第1表面20aに近接している。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極40の第1主面40aはイオン交換膜20の第1表面20aに接触している。電極アセンブリ100は、1つ以上の任意の剥離ライナー30、32を更に含んでもよい。任意の剥離ライナー30及び32は、セル又は電池内で使用されるまで、イオン交換膜及び電極の外側表面を塵及び屑から保護するために膜電極接合体に残ってもよい。剥離ライナーは、また、機械的支持を提供してもよく、かつ膜電極接合体作製前のイオン交換膜及び電極の断裂並びに/又はそれらの表面の損傷を防止してもよい。当該技術分野において既知の従来の剥離ライナーを、任意の剥離ライナー30及び32のために使用してもよい。
図1Bは、膜電極接合体101の別の実施形態を示し、図1Aの膜電極接合体に類似しており、第1主面42aと対向する第2主面42bとを有し、かつ多孔質電極材料46を含む第2の多孔質電極42を更に含む。多孔質電極材料46は多孔質電極材料45と同一であっても異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の多孔質電極42の第1主面42aはイオン交換膜20の第2表面20bに隣接している。いくつかの実施形態では、第2の多孔質電極42の第1主面42aはイオン交換膜20の第2表面20bに近接している。いくつかの実施形態では、第2の多孔質電極42の第1主面42aはイオン交換膜20の第2表面20bに接触している。
本開示の膜電極接合体は、イオン交換膜(図1A及び図1Bの要素20)を含む。当該技術分野において既知のイオン交換膜を使用してもよい。イオン交換膜は、多くの場合、セパレータと称され、イオン交換樹脂、例えば、多孔質ポリマーの多孔質電極材料のポリマーとして前述したものから作製してもよい。いくつかの実施形態では、イオン交換膜には、フッ素化イオン交換樹脂を含んでもよい。本開示の実施形態において有用なイオン交換膜は、当該技術分野において既知の又は膜フィルムとして市販されているイオン交換樹脂から作製してもよく、NAFION PFSA MEMBRANES(DuPont(Wilmington、Delaware)から入手可能);AQUIVION PFSA、パーフルオロスルホン酸(SOLVAY(Brussels、Belgium)から入手可能);FLEMION及びSELEMION、フルオロポロマー(fluoropolomer)イオン交換膜(旭硝子株式会社(日本、東京)から入手可能);FKS、FKB、FKL、FKE陽イオン交換膜及びFAB、FAA、FAP及びFAD陰イオン交換膜を含むFUMASEPイオン交換膜(Fumatek(Bietigheim−Bissingen、Germany)から入手可能)、並びに全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,348,088号に記載されているイオン交換膜及び材料が挙げられるが、これらに限定されない。イオン交換膜の作製において有用なイオン交換樹脂は、電極のポリマーに関して本明細書の上で開示したイオン交換樹脂であってもよい。
本開示のイオン交換膜は、民間業者から自立型フィルムとして入手してもよく、又は適切な溶媒中の適切なイオン交換膜樹脂の溶液をコーティングし、その後、溶媒を加熱除去することによって作製してもよい。イオン交換膜は、イオン交換膜コーティング溶液から、溶液を剥離ライナー上にコーティングし、その後、イオン交換膜コーティング溶液コーティングを乾燥させて溶媒を除去することによって形成してもよい。得られたイオン交換膜の第1表面は、その後、従来の積層技術(圧力及び熱のうち少なくとも1つを含んでもよい)を使用して多孔質電極の第1表面に積層し、図1Aに示すような膜電極接合体を形成することができる。第2の多孔質電極42の第1主面42aを、その後、イオン交換膜20の第2表面20bに積層し、図1Bに示すような膜電極接合体101を形成してもよい。任意の剥離ライナー30、32は、膜電極接合体を作製するために使用されるまで、電極の外側表面を塵及び屑から保護するために接合体に残ってもよい。剥離ライナーは、また、機械的支持を提供してもよく、かつ膜電極接合体作製前の電極の断裂及び/又はその表面の損傷を防止してもよい。イオン交換膜コーティング溶液は電極の表面上に直接コーティングしてもよい。イオン交換膜コーティング溶液コーティングを、その後、乾燥させて、イオン交換膜及び対応する膜電極接合体を形成する(図1A)。第2電極が形成されたイオン交換膜の露出表面上に積層又はコーティングされる場合、2つの電極を有する膜電極接合体が形成されてもよい(図1Bを参照)。別の実施形態では、イオン交換膜コーティング溶液を2つの電極の間にコーティングし、その後、乾燥させて膜電極接合体を形成してもよい。
任意の適切なコーティング方法を使用して、イオン交換膜コーティング溶液を剥離ライナー又は電極のいずれかにコーティングしてもよい。典型的な方法には手動方法及び機械方法の両方が含まれ、これにはハンドブラッシング、ノッチバーコーティング、流体ベアリングダイコーティング、巻線ロッドコーティング、流体ベアリングコーティング、スロット供給ナイフコーティング及び3ロールコーティングが含まれる。最も典型的には3ロールコーティングが使用される。有利には、コーティングは、電極のコーティングした側からコーティングされていない側へのイオン交換膜コーティングの裏移りなしに実現される。コーティングは、1回の通過又は複数回の通過で行ってもよい。対応するイオン交換膜の亀裂の増加なしにコーティング重量を増加するためには、複数回の通過によるコーティングが有用であり得る。
イオン交換膜コーティング溶液中の溶媒の量は、重量基準で、約5〜約95パーセント、約10〜約95パーセント、約20〜約95パーセント、約30〜約95パーセント、約40〜約95パーセント、約50〜約95パーセント、約60〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約10〜約90パーセント、約20パーセント〜約90パーセント、約30〜約90パーセント、約40〜約90パーセント、約50〜約90パーセント、約60〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約10〜約80パーセント、約20パーセント〜約80パーセント、約30〜約80パーセント、約40〜約80パーセント、約50〜約80パーセント、約60〜約80パーセント、約5パーセント〜約70パーセント、約10パーセント〜約70パーセント、約20パーセント〜約70パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約70パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
イオン交換膜コーティング溶液中のイオン交換樹脂の量は、重量基準で、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約5〜約60パーセント、約5〜約50パーセント、約5〜約40パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約10〜約60パーセント、約10〜約50パーセント、約10〜約40パーセント、約20〜約95パーセント、約20〜約90パーセント、約20〜約80パーセント、約20〜約70パーセント、約20〜約60パーセント、約20〜約50パーセント、約20〜約40パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約30〜約60パーセント、又は更には約30〜約50パーセントであってもよい。
本開示の電極、膜、例えば、イオン交換膜、膜電極接合体並びに電気化学セル及び液体フロー電池は、1つ以上の微孔質保護層を含んでもよい。微孔質保護層は、電極及び膜のうち少なくとも1つにコーティングもしくは積層されてもよく、又は電極の材料による膜の破壊を防止する目的で膜と電極との間に配置してもよい層である。導電性電極による膜の破壊を防止することによって、対応するセル又は電池の局所的短絡が防止されてもよい。微孔質保護層は、全体が参照によって本明細書に組み込まれる「Membrane Assembries,Electrode Assemblies,Membrane−Electrode Assembries and Electrochemical Cells and Liquid Flow Batteries Therefrom」という名称の米国特許仮出願第62/137,504号に開示されている。
本開示の膜電極接合体は、多孔質電極とイオン交換膜との間に配置された微孔質保護層を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極及び第2の多孔質電極を含む膜電極接合体において、膜電極接合体は、イオン交換膜と第1の多孔質電極との間に配置された第1の微孔質保護層と、イオン交換膜と第2の多孔質電極との間に配置された第2の微孔質保護層と、を更に含んでもよい。微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含んでもよい。微孔質保護層の組成は、多孔質電極の組成とは異なる。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護層及び第2の微孔質保護層(存在する場合)のポリマー樹脂は、イオン性樹脂を含む。いくつかの特定の、しかし非限定的な本開示の膜電極接合体の実施形態を図1C及び図1Dに示す。
図1Cは、膜電極接合体102の概略側断面図を示し、膜電極接合体102は先に記載した図1Aの膜電極接合体に類似し、イオン交換膜20と第1の多孔質電極40との間に配置された、第1主面70aと第2主面70bとを有する第1の微孔質保護層70を更に含む。第1の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護層のポリマー樹脂はイオン性樹脂である。
図1Dは、膜電極接合体103の概略側断面図を示し、膜電極接合体103は先に記載した図1Cの膜電極接合体に類似し、イオン交換膜20と第2の多孔質電極42との間に配置された、第1主面70’aと第2主面70’bとを有する第2の微孔質保護層70’を更に含む。第2の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の微孔質保護層のポリマー樹脂はイオン性樹脂である。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護層の組成は第2の微孔質保護層の組成と同一である。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護層の組成は第2の微孔質保護層の組成とは異なる。
本開示は更に、液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。電極アセンブリは、本開示の多孔質電極のいずれか1つによる第1の多孔質電極と、第1の微孔質保護層と、を含む。第1電極は、第1主面と対向する第2主面とを含み、第1の微孔質保護層は、第1表面と対向する第2表面とを含む。第1の多孔質電極の主面は、第1の微孔質保護層の第2表面に隣接、近接又は接触している。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極の第1主面は、第1の微孔質保護層の第2表面に隣接、近接又は接触している。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極の第2主面は、第1の微孔質保護層の第2表面に隣接、近接又は接触している。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む。微孔質保護層の組成は、多孔質電極の組成とは異なる。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護(the first microporous protection)のポリマー樹脂はイオン性樹脂である。イオン性樹脂は、多孔質電極材料のポリマーのイオン性樹脂に関して先に記載したものであってもよい。特定の、しかし非限定的な本開示の電極アセンブリの実施形態を図2に示す。
本開示の一実施形態による例示的な電極アセンブリの概略側断面図である図2を参照すると、電極アセンブリ140は、先に記載した第1の多孔質電極40と、第1表面70aと対向する第2表面70bとを有する第1の微孔質保護層70と、を含む。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極40の第1主面40aは第1の微孔質保護層70の第1表面70aに隣接している。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極40の第1主面40aは第1の微孔質保護層70の第1表面70aに近接している。いくつかの実施形態では、第1の多孔質電極40の第1主面40aは第1の微孔質保護層70の第1表面70aに接触している。いくつかの実施形態では、第1の微孔質保護層70は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む。
微孔質保護層の導電性炭素微粒子は、粒子、フレーク、繊維、デンドライトなどを含むうち少なくとも1つであってもよい。これらの微粒子タイプについては導電性炭素微粒子及びポリマー微粒子の両方に関して前に定義した。微孔質保護層の導電性炭素微粒子については同じ定義を使用する。微孔質保護層の導電性微粒子としては、金属、金属化誘電体、例えば、金属化ポリマー微粒子又は金属化ガラス微粒子、導電性ポリマー、及び炭素(ガラス状炭素、無定形炭素、グラフェン、黒鉛、カーボンナノチューブ、及びカーボンデンドライト、例えば、分枝カーボンナノチューブ、例えば、カーボンナノツリーが挙げられるがこれらに限定されない)を含んでもよい。微孔質保護層の導電性微粒子としては、半導体材料、例えば、BN、AlN及びSiCを含んでもよい。いくつかの実施形態では、微孔質保護層は金属微粒子を含まない。
いくつかの実施形態では、微孔質保護層の導電性微粒子に表面処理を施し、所与の陽極液もしくは陰極液に対する微孔質保護層の濡れ性を高めてもよく、又は所与の陽極液もしくは陰極液の化学組成に関連する酸化還元反応に対する微孔質保護層の電気化学活性を与えるもしくは増強してもよい。表面処理剤は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、微孔質保護層の導電性微粒子は親水性である。
いくつかの実施形態では、微孔質保護層の樹脂中に含まれる導電性微粒子の量は、重量基準で、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
微孔質保護層の非導電性微粒子としては、非導電性無機微粒子及び非導電性高分子微粒子が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、微孔質保護層の非導電性微粒子は非導電性無機微粒子を含む。非導電性無機微粒子としては、当該技術分野において既知のミネラル及びクレーが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、非導電性無機微粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア及びジルコニアのうち少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、非導電性微粒子は、イオン伝導性、例えば、高分子アイオノマーであってもよい。いくつかの実施形態では、非導電性微粒子は非導電性高分子微粒子を含む。いくつかの実施形態では、非導電性高分子微粒子は非イオン性ポリマー、すなわち、イオン性官能基を有する繰り返し単位を含まないポリマーである。非導電性ポリマーとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、ユリアホルムアデヒド(formadehyde)樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアクリレート、ポリメタキレート(polymethacylates)、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン、スチレン並びにスチレン系ランダムコポリマー及びブロックコポリマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン、ポリ塩化ビニル、並びにフッ素化ポリマー類、例えば、ポリフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレンが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、非電気促進(conducive)微粒子は、非導電性高分子微粒子を実質的に含まない。実質的に含まないとは、非導電性微粒子が重量基準で、約0%〜約5%、約0%〜約3%、約0%〜約2%、約0%〜約1%、又は更には約0%〜約0.5%の非導電性高分子微粒子を含むことを意味する。
いくつかの実施形態では、微孔質保護層の樹脂中に含まれる非導電性微粒子の量は、重量基準で、約1〜約99パーセント、約1〜約95パーセント、約1〜約90パーセント、約1〜約80パーセント、約1〜約70パーセント、約5〜約99パーセント、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約99パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約25〜約99パーセント、約25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜99パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約99パーセント、約40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、約50〜99パーセント、約50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態では、微孔質保護層の樹脂中に含まれる導電性微粒子及び非導電性微粒子の量、すなわち、微粒子の総量は、重量基準で、約1〜約99パーセント、約1〜約95パーセント、約1〜約90パーセント、約1〜約80パーセント、約1〜約70パーセント、約5〜約99パーセント、約5〜約95パーセント、約5〜約90パーセント、約5〜約80パーセント、約5〜約70パーセント、約10〜約99パーセント、約10〜約95パーセント、約10〜約90パーセント、約10〜約80パーセント、約10〜約70パーセント、約25〜約99パーセント、25〜約95パーセント、約25〜約90パーセント、約25〜約80パーセント、約25〜約70パーセント、約30〜約99パーセント、約30〜約95パーセント、約30〜約90パーセント、約30〜約80パーセント、約30〜約70パーセント、約40〜約99パーセント、約40〜約95パーセント、約40〜約90パーセント、約40〜約80パーセント、約40〜約70パーセント、約50〜約99パーセント、約50〜約95パーセント、約50〜約90パーセント、約50〜約80パーセント、又は更には約50〜約70パーセントであってもよい。
いくつかの実施形態では、微粒子の総重量(導電性微粒子と非導電性微粒子の合計)に対する微孔質保護層の樹脂の重量の比は、約1/99〜約10/1、約1/20〜約10/1、約1/10〜約10/1、約1/5〜約10/1、約1/4〜約10/1、約1/3〜約10/1、約1/2〜約10/1、約1/99〜約9/1、約1/20〜約9/1、約1/10〜約9/1、約1/5〜約9/1、約1/4〜約9/1、約1/3〜約9/1、約1/2〜約9/1、約1/99〜約8/1、約1/20〜約8/1、約1/10〜約8/1、約1/5〜約8/1、約1/4〜約8/1、約1/3〜約8/1、約1/2〜約8/1、約1/99〜約7/1、約1/20〜約7/1、約1/10〜約7/1、約1/5〜約7/1、約1/4〜約7/1、約1/3〜約7/1、約1/2〜約7/1、約1/99〜約6/1、約1/20〜約6/1、約1/10〜約6/1、約1/5〜約6/1、約1/4〜約6/1、約1/3〜約6/1、又は更には約1/2〜約6/1である。
微孔質保護層、電極アセンブリ及びこれらの製造方法は、上記で全体を参照によって本明細書に組み込んだ「Membrane Assembries,Electrode Assemblies,Membrane−Electrode Assembries and Electrochemical Cells and Liquid Flow Batteries Therefrom」という名称の米国特許仮出願第62/137,504号に開示されている。電極アセンブリは、例えば、前に形成した多孔質電極の主面を、前に形成した微孔質保護層の表面に積層すること(熱及び/もしくは圧力を使用して積層プロセスを促進してもよい)によって、又は多孔質電極の少なくとも1つの主面に微孔質保護層コーティングをコーティングし、その後、コーティングを硬化及び/もしくは乾燥し、微孔質保護層、続いて、電極アセンブリを形成することによって作製してもよい。
本開示の多孔質電極、膜電極接合体及び電極アセンブリは、セル短絡抵抗及びセル抵抗の向上をもたらしてもよい。セル短絡抵抗は、例えば、電極の導電性繊維による膜の破壊に起因する短絡に対して電気化学セルが有する抵抗の尺度である。いくつかの実施形態では、本開示の電極又は膜電極接合体のうち少なくとも1つを含む試験用セルは、1000オームcm超、5000オームcm超、又は更には10000オームcm超のセル短絡抵抗を有してもよい。いくつかの実施形態では、セル短絡抵抗は約10000000オームcm未満であってもよい。セル抵抗は、膜アセンブリ、すなわち、セルの側方における(図3に示される)電気化学セルの電気抵抗の尺度である。いくつかの実施形態では、本開示の電極及び膜電極接合体のうち少なくとも1つを含む試験用セルは、約0.01〜約10オームcm、0.01〜約5オームcm、約0.01〜約1オームcm、約0.04〜約0.5オームcm、又は更には約0.07〜約0.1オームcmのセル抵抗を有してもよい。
本開示のいくつかの実施形態では、液体フロー電池は、レドックスフロー電池、例えば、V3+/V2+硫酸塩溶液が負極電解液(「陽極液」)として機能し、V5+/V4+硫酸塩溶液が正極電解液(「陰極液」)として機能するバナジウムレドックスフロー電池(vanadium redox flow battery、VRFB)であってもよい。しかしながら、V2+/V3+対Br/ClBr、Br/Br対S/S2−、Br/Br対Zn2+/Zn、Ce4+/Ce3+対V2+/V3+、Fe3+/Fe2+対Br/Br、Mn2+/Mn3+対Br/Br、Fe3+/Fe2+対Ti2+/Ti4+及びCr3+/Cr2+、酸性/塩基性化学を含むがこれらに限定されない他の酸化還元化学も考えられ、本開示の範囲内であると理解すべきである。液体フロー電池において有用な他の化学としては、例えば、米国特許出願公開第2014/028260号、米国特許出願公開第2014/0099569号及び米国特許出願公開第2014/0193687号に開示されている配位化学、並びに例えば、米国特許出願公開第2014/370403号及び特許協力条約下で公開された国際出願である国際公開第2014/052682号パンフレットに開示されている有機錯体が挙げられる。これら全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
膜電極接合体の製造方法は、膜、例えば、及び(and)イオン交換膜の露出表面を、本開示の多孔質電極実施形態のいずれか1つによる多孔質電極の第1主面に積層することを含む。これは、手で又は従来の積層設備を使用して熱及び/もしくは圧力下で実施してもよい。加えて、膜電極接合体は、電気化学セル又は電池の作製中に形成してもよい。セルの構成要素を所望の順序で、例えば、第1の多孔質電極、膜すなわちイオン交換膜、第2の多孔質電極の順序で互いに重ねて積層させてもよい。構成要素は、次いで、任意の他の必要なガスケット/シーリング材とともに、例えば、単セルの端板又は複数セルを有するスタックのバイポーラ板の間に組み付けられる。膜アセンブリを間に有する板は、次いで、通常、機械的な手段、例えば、ボルト、クランプ等によってともに結合され、板は、膜アセンブリをともにかつセル内の適所に保持するための手段を提供する。
別の実施形態では、本開示は、本開示の多孔質電極のいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を含む電気化学セルを提供する。更に他の実施例では、本開示は、本開示の膜電極接合体のいずれか1つによる膜電極接合体を含む電気化学セルを提供する。別の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの本開示の電極アセンブリのいずれか1つによる電極アセンブリを含む電気化学セルを提供する。図3は、膜電極接合体100又は102と、それぞれ流体入口51a及び51a’とそれぞれ流体出口51b及び51b’とを有する端板50及び50’と、それぞれ流路55及び55’と、それぞれ第1表面50a及び52aと、を含む電気化学セル200の概略側断面図を示す。電気化学セル200は集電体60及び62も含む。膜電極接合体100又は102は、それぞれ図1A及び図1Cに記載した通りである(任意の剥離ライナー30及び32はなし)。電気化学セル200は、多孔質電極40及び42と、イオン交換膜20と、を含む。これらはすべて先に記載した通りである。端板50及び50’は、それぞれ表面50a及び52aを介して、それぞれ多孔質電極40及び42と電気的に接続されている。多孔質電極40の代わりに、本開示の電極アセンブリのいずれか1つによる電極アセンブリ、例えば、電極アセンブリ140を用いて、本開示の電極アセンブリを含む電気化学セルを作製してもよい。第2の多孔質電極42は、本開示の多孔質電極のいずれか1つであってもよく、又は本開示の電極アセンブリのいずれか1つによる電極アセンブリ、例えば、電極アセンブリ140を代わりに用いてもよい。電極アセンブリが使用される場合、電極アセンブリの微孔質保護層は、イオン交換膜20に隣接、近接又は接触している。支持板(図示せず)が集電体60及び62の外部表面に隣接して配置されてもよい。支持板は集電体から電気的に絶縁され、機械的強度及び支持を与え、セルアセンブリの圧縮を促進する。端板50及び50’は、流体入口及び出口と、陽極溶液及び陰極溶液を電気化学セル中に循環させることを可能にする流路と、を含む。陽極液が板50を通って流れ、陰極液が板50’を通って流れると想定すると、流路55によって、陽極液が多孔質電極40に接触し、これに流れ込むことが可能となり、セルの酸化還元反応を促進する。同様に、陰極液では、流路55’によって、陰極液が多孔質電極42に接触し、これに流れ込むことが可能となり、セルの酸化還元反応を促進する。集電体は外部回路に電気的に接続されてもよい。
本開示の電気化学セルは、本開示の多孔質電極実施形態のうち少なくとも1つから作製された複数の電極膜接合体を含んでもよい。膜電極接合体は微孔質保護層を含んでもよい。したがって、微孔質保護層を含む膜電極接合体は、本質的に、多孔質電極と微孔質保護層とを含む電極アセンブリを有する。本開示の一実施形態では、本明細書に記載される膜電極接合体のいずれか1つによる少なくとも2つの膜電極接合体を含む電気化学セルが提供される。図4は、例えば、流路55及び55’を有するバイポーラ板50”及び端板50及び50’によって分離された膜電極接合体101又は103(先に記載した通り)を含む電気化学セルスタック210の概略側断面図を示す。バイポーラ板50”によって、例えば、陽極液が1つのチャネル55セット内を流れ、陰極液が第2のチャネル55’セットを流れることが可能になる。セルスタック210は、複数の電気化学セルを含み、それぞれのセルは、膜電極接合体並びに対応する隣接したバイポーラ板及び/又は端板によって表される。支持板(図示せず)が集電体60及び62の外部表面に隣接して配置されてもよい。支持板は集電体から電気的に絶縁され、機械的強度及び支持を与え、セルアセンブリの圧縮を促進する。陽極液及び陰極液の入口及び出口並びに対応する流体分配システムについては図示しない。これらの特徴は当技術分野において既知の通りに提供されてもよい。
本開示の多孔質電極を使用して、液体フロー電池、例えば、レドックスフロー電池を作製してもよい。いくつかの実施形態では、本開示は、本開示の多孔質電極実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を含む液体フロー電池を提供する。スタック内のセルの数に相関してもよい液体フロー電池の多孔質電極の数は特には限定されない。いくつかの実施形態では、液体フロー電池は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の多孔質電極を含む。いくつかの実施形態では、液体フロー電池の多孔質電極の数は、1〜約500個、2〜約500個、5〜約500個、10〜約500個、又は更には20〜約500個の範囲である。別の実施形態では、本開示は、本開示の膜電極接合体実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの膜電極接合体を含む液体フロー電池を提供する。スタック内のセルの数に相関してもよい液体フロー電池の膜電極接合体の数は特には限定されない。いくつかの実施形態では、液体フロー電池は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の膜電極接合体を含む。いくつかの実施形態では、液体フロー電池の膜電極接合体の数は、1〜約500個、2〜約500個、5〜約500個、10〜約200個、又は更には20〜約500個の範囲である。更に他の実施例では、本開示は、本開示の電極アセンブリ実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの電極アセンブリを含む液体フロー電池を提供する。スタック内のセルの数に相関してもよい液体フロー電池の電極アセンブリの数は特には限定されない。いくつかの実施形態では、液体フロー電池は、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、又は更には少なくとも20個の電極アセンブリを含む。いくつかの実施形態では、液体フロー電池のアセンブリの数は、1〜約500個、2〜約500個、5〜約500個、10〜約500個、又は更には20〜約500個の範囲である。
図5は、イオン交換膜20と多孔質電極40及び42とを含む膜電極接合体100又は102と、端板50及び50’と、集電体60及び62と、陽極液リザーバ80及び陽極液分配部80’と、陰極液リザーバ82及び陰極液分配システム82’と、を含む例示的な単セル液体フロー電池の概略図を示す。流体分配システムのポンプについては図示しない。第1の多孔質電極40の代わりに、本開示の電極アセンブリのいずれか1つによる電極アセンブリ、例えば、電極アセンブリ140を用いてもよい。第2電極42は、本開示の多孔質電極のいずれか1つであってもよく、又は本開示の電極アセンブリのいずれか1つによる電極アセンブリ、例えば、電極アセンブリ140を代わりに用いて、本開示の電極アセンブリを含む液体フロー電池を作製してもよい。電極アセンブリが使用される場合、電極アセンブリの微孔質保護層は、イオン交換膜20に隣接、近接又は接触している。集電体60及び62は、電気負荷(図示せず)を含む外部回路に接続してもよい。単セル液体フロー電池を示しているが、液体フロー電池が複数の電気化学セル、すなわち、セルスタックを含んでもよいことは当該技術分野において周知である。更に、複数のセルスタックを使用して、液体フロー電池、例えば、直列に接続された複数のセルスタックを形成してもよい。本開示の多孔質電極、イオン交換膜及びそれらの対応する膜電極接合体を使用して、複数のセル、例えば、図4の複数のセルスタックを有する液体フロー電池を作製してもよい。流れ場が存在してもよいが、これは必要条件ではない。
本開示の選択実施形態は、以下を含むがそれらに限定されない。
第1の実施形態では、本開示は、
非導電性ポリマー微粒子と導電性炭素微粒子とを含む多孔質電極材料を含む液体フロー電池用の多孔質電極であって、
導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つであり、導電性炭素微粒子が非導電性ポリマー微粒子の表面に直接付着しており、非導電性ポリマー微粒子表面の少なくとも一部分が溶融して単一の多孔質電極材料を形成する、
液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第2の実施形態では、本開示は、ポリマー微粒子が、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つである、第1の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第3の実施形態では、本開示は、非導電性ポリマー微粒子の少なくとも一部分がコアシェル構造を有し、コアシェル構造は、第1ポリマーを含む内部コアと、第2ポリマーを含む外部シェルと、を含む、第1又は第2の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第4の実施形態では、本開示は、第2ポリマーが、第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、第3の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第5の実施形態では、本開示は、多孔質電極材料中の導電性炭素微粒子の量が、重量基準で、約60〜約99パーセントである、第1〜第4の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第6の実施形態では、本開示は、導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブである、第1〜第5の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第7の実施形態では、本開示は、カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率が約0.1〜約1である、第6の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第8の実施形態では、本開示は、カーボンナノチューブの直径及び分枝カーボンナノチューブのカーボンナノチューブ主部の直径が約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルである、第1〜第7の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第9の実施形態では、本開示は、導電性炭素微粒子が、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされた強化された電気化学活性を有する、第1〜第8の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第10の実施形態では、本開示は、電気促進(conducive)微粒子が黒鉛微粒子を更に含み、導電性炭素微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率が約0.05〜約1である、第1から第9の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第11の実施形態では、本開示は、
第1表面と対向する第2表面とを有するイオン交換膜と、第1主面と第2主面とを有する、第1〜第10の実施形態のいずれか1つによる第1の多孔質電極と、を含み、第1の多孔質電極の第1主面はイオン交換膜の第1表面に隣接している、液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第12の実施形態では、本開示は、ポリマー微粒子が、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つである、第11の実施形態による膜電極接合体を提供する。
第13の実施形態では、本開示は、非導電性ポリマー微粒子の少なくとも一部分がコアシェル構造を有し、コアシェル構造は、第1ポリマーを含む内部コアと、第2ポリマーを含む外部シェルと、を含む、第11又は第12の実施形態による液体フロー電池用の多孔質電極を提供する。
第14の実施形態では、本開示は、第2ポリマーが、第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、第13の実施形態による膜電極接合体を提供する。
第15の実施形態では、本開示は、多孔質電極材料中の導電性炭素微粒子の量が、重量基準で、約60〜約99パーセントである、第11から第14の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第16の実施形態では、本開示は、導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブである、第11〜第15の実施形態のいずれか1つによる膜電極接合体を提供する。
第17の実施形態では、本開示は、カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率が約0.1〜約1である、第16の実施形態による膜電極接合体を提供する。
第18の実施形態では、本開示は、カーボンナノチューブの直径及び分枝カーボンナノチューブのカーボンナノチューブ主部の直径が約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルである、第11〜第17の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第19の実施形態では、本開示は、導電性炭素微粒子が、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされた強化された電気化学活性を有する、第11〜第18の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第20の実施形態では、本開示は、電気促進(conducive)微粒子が黒鉛微粒子を更に含み、導電性微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率が約0.05〜約1である、第11〜第19の実施形態による液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第21の実施形態では、本開示は、第1主面と第2主面とを有する、第1〜第10の実施形態のいずれか1つによる第2の多孔質電極を更に備え、第2の多孔質電極の第1主面がイオン交換膜の第2表面に隣接している、第11〜第20の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第22の実施形態では、本開示は、イオン交換膜と第1の多孔質電極との間に配置された第1の微孔質保護層を更に備え、第1の微孔質保護層が、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、第11〜第21の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第23の実施形態では、本開示は、イオン交換膜と第1の多孔質電極との間に配置された第1の微孔質保護層と、イオン交換膜と第2の多孔質電極との間に配置された第2の微孔質保護層と、を更に備え、第1及び第2の微孔質保護層はそれぞれが、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、第21の実施形態による液体フロー電池用の膜電極接合体を提供する。
第24の実施形態では、本開示は、
第1主面と第2主面とを有する、第1〜第10の実施形態のいずれか1つによる第1の多孔質電極と、第1表面と対向する第2表面とを有する第1の微孔質保護層と、を備える液体フロー電池用の電極アセンブリであって、第1の多孔質電極の第1主面が第1の微孔質保護層の第2表面に近接しており、第1の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、
液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第25の実施形態では、本開示は、第1の多孔質電極のポリマー微粒子が、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つである、第24の実施形態による液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第26の実施形態では、本開示は、第1の多孔質電極の非導電性ポリマー微粒子の少なくとも一部分がコアシェル構造を有し、コアシェル構造は、第1ポリマーを含む内部コアと、第2ポリマーを含む外部シェルと、を含む、第24又は第25の実施形態による液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第27の実施形態では、本開示は、第2ポリマーが、第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、第26の実施形態による液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第28の実施形態では、本開示は、多孔質電極材料中の導電性炭素微粒子の量が、重量基準で、約60〜約99パーセントである、第24〜第27の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第29の実施形態では、本開示は、第1の多孔質電極の導電性炭素微粒子が、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブである、第24〜第28の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第30の実施形態では、本開示は、カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率が約0.1〜約1である、第29の実施形態による液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第31の実施形態では、本開示は、カーボンナノチューブの直径及び分枝カーボンナノチューブのカーボンナノチューブ主部の直径が約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルである、第24〜第30の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第32の実施形態では、本開示は、導電性炭素微粒子が、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされた強化された電気化学活性を有する、第24〜第31の実施形態のいずれか1つによる液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第33の実施形態では、本開示は、電気促進(conducive)微粒子が黒鉛微粒子を更に含み、導電性微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率が約0.05〜約1である、第24〜第32の実施形態による液体フロー電池用の電極アセンブリを提供する。
第34の実施形態では、本開示は、第1〜第10の実施形態のいずれか1つによる多孔質電極を備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
第35の実施形態では、本開示は、第11〜第23の実施形態のいずれか1つによる膜電極接合体を備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
第36の実施形態では、本開示は、第24〜第33の実施形態のいずれか1つによる電極アセンブリを備える、液体フロー電池用の電気化学セルを提供する。
第37の実施形態では、本開示は、第1〜第10の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの多孔質電極を備える、液体フロー電池を提供する。
第38の実施形態では、本開示は、第11〜第23の実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの膜電極接合体を備える、液体フロー電池を提供する。
第39の実施形態では、本開示は、第24〜第33の実施形態による少なくとも1つの電極アセンブリを備える、液体フロー電池を提供する。
コーティング法及び積層法を使用し、カーボンナノチューブを有する電極セパレータアセンブリを準備した。得られた電極アセンブリの(assembly's)は、以下の実施例で示すようなセル抵抗の向上をもたらす。
これらの実施例は、単に例示のために過ぎず、添付の特許請求の範囲を限定することを意図していない。本明細書の実施例及びその他の部分における部、百分率(%)、比等はすべて、特段の規定がない限り、重量による。使用される溶媒及び他の試薬は別途注記のない限り、Sigma−Aldrich Chemical Company(St.Louis、Missouri)から入手したものである。使用した水はすべて脱イオン水であった。
Figure 2018514902
配合物混合手順
電極配合物を以下の方法によって混合した。配合物の固体重量百分率を表1に記載する。実施例はすべて、合計2グラムの固体で作製した。例外は実施例3である。実施例3の全固形分は5.0グラムであった。材料の1つを使用しなかった場合、その工程は省略し、手続を継続した。
1.60グラムの溶媒Aを計量し、Teflon製電磁攪拌棒を含む250mLのガラスジャーに入れた。ジャーを磁気撹拌プレート上に置き、中程度の設定にしてスイッチを入れた。
2.6グラムの溶媒Bをジャーに加えた。
3.ANSペレットを手で粉砕し、粉末を作製した。次に、この粉末を溶媒混合ジャーにゆっくりと加えた。
4.次に、導電性繊維を混合物に加えた。
5.バインダ繊維を加えた。
6.バインダ樹脂を加えた。
7.非導電性フィラーを加えた。
8.すべての材料を加えた後、混合物を更に5分間攪拌した。
Figure 2018514902
フェルト作製手順
110mmのセラミックブフナー漏斗を、ゴム製アダプタを用いて500mLの枝付きフラスコに接続した。ゴム管を枝部に接続し、かつ真空ポンプ(Edwards(Glenwillow、OH)Model E2M 1.5入手可能形態(available form))に接続した。それぞれのサンプルについて、♯40無灰110mmろ紙(GE Healthcare Company(Little Chalfont、Buckinghamshire、United Kingdomから市販されている)を2枚、ブフナー漏斗内の穿孔穴上に置いた。アクリル管を、ブフナー漏斗内のろ紙上に置いた。この管は電極が形成されたときの材料の流出を防止した。管は内径3.9インチ(9.9cm)、長さ6インチ(15cm)であった。
電極を形成するために、真空をオンにし、ろ紙を脱イオン水で濡らした。ろ紙が完全に濡れた後、真空をオフにした。配合物を攪拌プレートから取り出し、ろ紙上に注いだ。真空を再びオンにし、水がサンプルから除去されるまで約30秒間作動させた。次に、真空をオフにし、サンプル及びろ紙を漏斗から取り出した。外側のろ紙を取り除き、サンプル及びこれに隣接するろ紙を摂氏150度のオーブン内に30分間置いた。サンプルの乾燥後、サンプルをろ紙から手で取り除いた。
電極実効抵抗値の測定
次に、導電率試験のため、サンプルを7cmX7cmの正方形に切断した。サンプルを、蛇行流路を有する2つの黒鉛板の間に置いた。試験用セルのフロー板は、Fuel Cell Technologies(Albuquerque、New Mexico)から入手可能な25cmの作用面積を持つ市販のクアッド(quad)蛇行流路であった。次に、これらを、目標圧縮レベルを得るための間隙を設定するガスケットを使用して、所望の圧縮率へとプレスした。電源TDK−Lambda ZUP 10−40を使用して、35Aの定電流をサンプル全体に加え、2つの板間の抵抗を、KEITHLEY 197A Autoranging microvolt DMMを使用して測定した。サンプル全体の実効抵抗値を、以下、表2に示す。
Figure 2018514902
電流発生手順及び結果
レドックスフロー電池における使用をシミュレートするために、以下の半電池装置を使用して電流を発生させた。図6は、実施例1、4及び6の分極曲線、並びに電流発生の結果を示す。
使用した機械設備:使用した機械設備は、2つの黒鉛バイポーラ板、2つの金めっき銅製集電体、及びアルミニウム製端板を用いた改良型燃料電池試験器具(Fuel Cell Technologies(Albuquerque、New Mexico)から市販されている、型番5SCH)であった。黒鉛バイポーラ板は、上部に入口及び下部に出口を有する1つの5cm2の蛇行路を有する。
組み立て:試験用セルは、中心から5cm2の面積を取り除いた15.2ミルのガスケット材料を1つの黒鉛板上に配置することにより組み立てた。フェルト材料をこの空洞内に置いた。次に、50マイクロメートルの800EW 3M膜(800当量陽イオン交換膜)を、米国特許第7,348,088号の実施例の段落に記載されている膜調製手順に従って作製し、ガスケット/フェルトアセンブリ上に配置した。次に、開放空洞を有する15.2ミルのガスケット材料の別のセットを膜の上に置き、第2のフェルト材料片を充填した。第2の黒鉛板を完成したアセンブリの上に置き、試験用セルを完成させた。次に、試験用セルを、集電体を有する2つのアルミニウム製端板の間に配置し、一連の8個のボルトで固定し、ボルトは120in−lbsで締めた。
セルの機械的動作:試験用セルの入口及び出口に管を接続した。管は、2.8M H2SO4/1.5M VOSO4電解質(両成分はSigma Aldrich(St.Louis、MO)から個々に入手可能)の、ISMATEC 931C蠕動ポンプによる12mL/分の流量での送出を可能にする。管の接続は、流体が電解質貯蔵容器から試験用セルを介して第1側の上部へと供給され、第1側の底部ポートから出るようなものであった。第1側の底部からの流体は、次に、第2側の底部ポートに供給され、試験用セルを通過し、第2側の上部ポートを出て、最終的に電解質貯蔵容器に戻った。これは、システムを、1つの電解質を使用し対向流モードで動作するものとして説明するものである。この場合、一方の側でV+4分子がV+5に酸化され、その後、もう一方の側で還元される。
セルの電気化学動作:セルは、記載されているように、次に、Biologic MPG−205(Bio−Logic Science Instruments(Claix、France)から入手可能)ポテンショ/ガルバノスタットに接続し、1つの集電体がアノードとして機能し、もう1つの集電体がカソードとして機能した。試験を実施するため、以下の工程に従った。
1)セルに電解質が流れるようにした。
2)初期開回路電圧に対し+100mVをセルに加え、生じた電流を5分間観察した。
3)初期開回路電圧に対し+200mVをセルに加え、生じた電流を5分間観察した。

Claims (39)

  1. 非導電性ポリマー微粒子と導電性炭素微粒子とを含む多孔質電極材料を含み、
    前記導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブのうちの少なくとも1つであり、前記導電性炭素微粒子が前記非導電性ポリマー微粒子の表面に直接付着しており、前記非導電性ポリマー微粒子表面の少なくとも一部分が溶融して単一の多孔質電極材料を形成する、
    液体フロー電池用の多孔質電極。
  2. 前記ポリマー微粒子は、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  3. 前記非導電性ポリマー微粒子の少なくとも一部分はコアシェル構造を有し、前記コアシェル構造は、第1ポリマーを含む内部コアと、第2ポリマーを含む外部シェルと、を含む、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  4. 前記第2ポリマーは、前記第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、請求項3に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  5. 前記多孔質電極材料中の導電性炭素微粒子の量は、重量基準で、約60〜約99パーセントである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  6. 前記導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  7. カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率が約0.1〜約1である、請求項6に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  8. 前記少なくとも1つのカーボンナノチューブの直径、カーボンナノチューブ主部の直径、及び分枝カーボンナノチューブのカーボンナノチューブ側枝の直径は、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルである、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  9. 前記導電性炭素微粒子は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされた強化された電気化学活性を有する、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  10. 前記電気促進(conducive)微粒子は、黒鉛微粒子を更に含み、導電性炭素微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率は約0.05〜約1である、請求項1に記載の液体フロー電池用の多孔質電極。
  11. 第1表面と、対向する第2表面とを有するイオン交換膜と、
    第1主面と第2主面とを有する、請求項1に記載の第1の多孔質電極とを備え、前記第1の多孔質電極の前記第1主面は前記イオン交換膜の前記第1表面に隣接している、液体フロー電池用の膜電極接合体。
  12. 前記ポリマー微粒子は、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つである、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  13. 前記非導電性ポリマー微粒子の少なくとも一部分はコアシェル構造を有し、前記コアシェル構造は、第1ポリマーを含む内部コアと、第2ポリマーを含む外部シェルと、を含む、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  14. 前記第2ポリマーは、前記第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、請求項13に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  15. 前記多孔質電極材料中の導電性炭素微粒子の量は、重量基準で、約60〜約99パーセントである、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  16. 前記導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブである、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  17. カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率が約0.1〜約1である、請求項16に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  18. 前記少なくとも1つのカーボンナノチューブの直径、カーボンナノチューブ主部の直径、及び分枝カーボンナノチューブのカーボンナノチューブ側枝の直径は、約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルである、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  19. 前記導電性炭素微粒子は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされた強化された電気化学活性を有する、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  20. 前記電気促進(conducive)微粒子は、黒鉛微粒子を更に含み、導電性微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率は約0.05〜約1である、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体電極。
  21. 請求項1に記載の、第1主面と第2主面とを有する第2の多孔質電極を更に備え、前記第2の多孔質電極の前記第1主面が前記イオン交換膜の前記第2表面に隣接している、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  22. 前記イオン交換膜と前記第1の多孔質電極との間に配置された第1の微孔質保護層を更に備え、前記第1の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、請求項11に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  23. 前記イオン交換膜と前記第1の多孔質電極との間に配置された第1の微孔質保護層と、前記イオン交換膜と前記第2の多孔質電極との間に配置された第2の微孔質保護層と、を更に備え、前記第1の微孔質保護層及び前記第2の微孔質保護層はそれぞれが、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、請求項21に記載の液体フロー電池用の膜電極接合体。
  24. 第1主面と第2主面とを有する、請求項1に記載の第1の多孔質電極と、
    第1表面と、対向する第2表面とを有する第1の微孔質保護層と、
    を備え、前記多孔質電極の前記第1主面が前記第1の微孔質保護層の前記第2表面に近接しており、前記第1の微孔質保護層は、ポリマー樹脂と、導電性炭素微粒子と、任意選択的に、非導電性微粒子と、を含む、
    液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  25. 前記第1の多孔質電極の前記ポリマー微粒子は、ポリマー粒子、ポリマーフレーク、ポリマー繊維及びポリマーデンドライトのうち少なくとも1つである、請求項24に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  26. 前記第1の多孔質電極の前記非導電性ポリマー微粒子の少なくとも一部分はコアシェル構造を有し、前記コアシェル構造は、第1ポリマーを含む内部コアと、第2ポリマーを含む外部シェルと、を含む、請求項24に記載の電極アセンブリ又は液体フロー電池。
  27. 前記第2ポリマーは、前記第1ポリマーの軟化温度よりも低い軟化温度を有する、請求項26に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  28. 前記多孔質電極材料中の導電性炭素微粒子の量は、重量基準で、約60〜約99パーセントである、請求項24に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  29. 前記第1の多孔質電極の前記導電性炭素微粒子は、カーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブである、請求項24に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  30. カーボンナノチューブと分枝カーボンナノチューブとの総重量に対する分枝カーボンナノチューブの重量分率が約0.1〜約1である、請求項29に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  31. 前記第1の多孔質電極の前記少なくとも1つのカーボンナノチューブ及び分枝カーボンナノチューブの直径は約0.3ナノメートル〜約100ナノメートルである、請求項24に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  32. 前記導電性炭素微粒子は、化学処理、熱処理及びプラズマ処理のうち少なくとも1つによりもたらされた強化された電気化学活性を有する、請求項24に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  33. 前記電気促進(conducive)微粒子は、黒鉛微粒子を更に含み、導電性微粒子の総重量に対する黒鉛微粒子の重量分率は約0.05〜約1である、請求項24に記載の液体フロー電池用の電極アセンブリ。
  34. 請求項1に記載の多孔質電極を備える、液体フロー電池用の電気化学セル。
  35. 請求項11に記載の膜電極接合体を備える、液体フロー電池用の電気化学セル。
  36. 請求項24に記載の電極アセンブリを備える、液体フロー電池用の電気化学セル。
  37. 請求項1に記載の少なくとも1つの多孔質電極を備える、液体フロー電池。
  38. 請求項11に記載の少なくとも1つの膜電極接合体を備える、液体フロー電池。
  39. 請求項24に記載の少なくとも1つの電極アセンブリを備える、液体フロー電池。
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