JP2018512394A - 多発性骨髄腫のロネパルスタット併用療法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、多発性骨髄腫の処置のための併用療法で使用するためのロネパルスタットに関する。特に、予想外に、ロネパルスタットとプロテアソーム阻害剤、特にボルテゾミブおよびカーフィルゾミブから選択されるもの、またはメルファランとの併用は、それぞれの有効成分の単独投与と比較して、全体的な腫瘍量を減少させるという有効性の改善、とりわけ相乗効果を示すことが見いだされた。

Description

発明の分野
本発明は、多発性骨髄腫の処置を目的とする併用療法における使用のためのロネパルスタット(roneparstat)に関する。
発明の背景
形質細胞性骨髄腫(または多発性骨髄腫またはMM)は、腫瘍性疾患の約1.3%および造血器腫瘍の約17.9%を占める(Globocan−EU28、2012、http://globocan.iarc.fr/Pages/fact_sheets_cancer.aspx参照)。診断時の平均年齢はおよそ70歳である。患者の37%が65歳未満であり、26%が65歳から74歳までであり、37%が75歳以上である。形質細胞性骨髄腫(PCM)は、女性よりも男性にやや多く、白人と比べてアフリカ系アメリカ人において2倍の罹患率である。
PCMは、既存の高用量化学療法でも、根治不可能のままである。
治療手段の改善にもかかわらず、完治治療は存在せず、すべての患者は最終的に再発を経験する。予後は、再発性および難治性疾患の患者では特に不良であり、生存期間は6から9ヶ月である。現在利用可能な療法に対する抵抗性に加えて、多くの新規薬剤で効果が得られず進行する患者は、原発性疾患または先行治療による併発症状のために、治療選択肢が限られている。
従って、再発性骨髄腫の治療のための新規な、有効かつ優れた耐容性のある薬剤が依然として必要とされている。
1960年代に、メルファラン+プレドニゾン(MP)療法がMMの処置のために行われるようになり、それは、生存期間中央値を約1.5年から2年に延長した。1990年代後半から、65歳未満の患者にビンクリスチン+アドリアマイシン+デキサメサゾン(VAD)を用いた導入療法後に、高用量メルファラン療法(200mg/m)とその後の自己幹細胞移植(ASCT)が行われるようになり、生存が5年とさらに改善された。その結果、導入療法+ASCTは、良好な健康状態のより若い患者のための標準療法とみなされ、MP療法は、65歳以上の高齢患者のための標準療法とみなされた。自己造血幹細胞移植(HSCT)は、骨髄または免疫系が損傷を受け、または欠陥を有する患者の造血機能を回復させるための自己幹細胞の静脈内(IV)投与を含む。
21世紀初頭において、サリドマイド、ボルテゾミブおよびレナリドマイドなどの新規薬剤が臨床使用に入り、MMの処置における重要な薬剤となっている。
ボルテゾミブに基づくレジメンは、現在、移植適格患者におけるASCT前の導入療法として使用されており、MP+サリドマイド、MP+ボルテゾミブおよびレナリドマイド+デキサメサゾンは、移植不適格患者のために広く使用されているレジメンである。いくつかの臨床治験では、新規の薬剤を抗骨髄腫療法に組み込むことにより、移植適格患者および移植不適格患者の両方で、全体的な奏効率の改善および無増悪生存期間(PFS)の延長が示されている。多発性骨髄腫は、従来の高用量化学療法などの複数の治療法が利用可能となっても、なお不治の病である。抵抗性/再発性の腫瘍を処置するために利用可能な有効かつ安全な治療法は、重要かつまだ満たされていない医療上の要請である。
プロテアソーム阻害は、この治療戦略の有効性および制御可能な安全性プロファイルのために、MMの処置において中心的な役割を事実上担っていた。
ボルテゾミブは、上記の併用療法から、再発性疾患の再治療、難治性疾患の治療、および自己HSCT前後の寛解導入療法、統合療法、寛解維持療法まで、MMの処置のあらゆる段階で使用されている。
ボルテゾミブは、哺乳動物細胞における26Sプロテアソームのキモトリプシン様活性の可逆的阻害剤である。26Sプロテアソームは、ユビキチン化タンパク質を分解する大きなタンパク質複合体である。ユビキチンプロテアソーム経路は、特定のタンパク質の細胞内濃度を調節し、それによって細胞内の恒常性を維持するのに不可欠な役割を果たす。26Sプロテアソームの阻害は、この標的化タンパク質分解を妨げ、細胞内の複数のシグナル伝達カスケードに影響を及ぼし得る。この正常なホメオスタシス機構の破壊により細胞死がもたらされ得る。実験により、ボルテゾミブはインビトロで種々の癌細胞タイプに対して細胞傷害性であることが実証されている。ボルテゾミブは、多発性骨髄腫を含む非臨床腫瘍モデルにおいてインビボでの腫瘍増殖の遅延を引き起こす。従って、MM細胞は、タンパク質恒常性が破壊されたとき、より容易にアポトーシスを受ける(Adams J., Nat. Rev. Cancer, 2004, 4, 349−360)。これは、これらの薬剤に対する選択性、および細胞周期非特異的な治療指数をもたらす(すべての分裂細胞に影響を及ぼし、正常細胞と比較して、常に癌細胞の大部分が有糸分裂を受けるという事実からそれらの選択性を導く、細胞傷害性化学療法剤とは異なる)。
ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標))は、ジペプチドボロン酸であり、20Sプロテアソームのキモトリプシン部位選択的阻害剤である。本剤は、多発性骨髄腫患者の処置およびマントル細胞リンパ腫患者の処置のために米国で承認されている。本剤はまた、少なくとも1回の前処置を受けており、かつすでに骨髄移植を受けているか、または骨髄移植に不適当である、進行性多発性骨髄腫の成人患者の処置のための単剤療法として欧州で承認されている。
メルファランとプレドニゾンとの組合せにおいて、ボルテゾミブは、骨髄移植による高用量化学療法に適格ではなく、前処置のない多発性骨髄腫の成人患者の処置に適応される。
多発性骨髄腫では、他剤に対して難治性または急性進行性である疾患において、完全な臨床応答が得られている(Merin NM, Kelly KR. Pharmaceuticals (Basel). 2014 Dec 24;8(1):1−20)。
ボルテゾミブ中のホウ素原子は、高い親和性および特異性で26Sプロテアソームの触媒部位に結合する。正常細胞では、プロテアソームは、ユビキチン化タンパク質の分解によってタンパク質発現および機能を調節し、また異常なまたはミスフォールドしたタンパク質を細胞から排除する。
カーフィルゾミブ (KYPROLIS(商標))は、26Sプロテアソーム内のタンパク質分解コア粒子である20SプロテアソームのN末端スレオニン含有活性部位に不可逆的に結合するテトラペプチドエポキシケトンプロテアソーム阻害剤である。カーフィルゾミブの化学名は、(2S)−N−((S)−1−((S)−4−メチル−1−((R)−2−メチルオキシラン2−イル)−1−オキソペンタン−2−イルカルバモイル)−2−フェニルエチル)−2−((S)−2−(2−モルホリノアセトアミド)4−フェニルブタンアミド)−4−メチルペンタンアミドである。
カーフィルゾミブは、固形腫瘍細胞および血液腫瘍細胞においてインビトロで抗増殖活性およびアポトーシス促進活性を有していた。動物において、カーフィルゾミブは、多発性骨髄腫、血液腫瘍および固形腫瘍のモデルにおいて、血液および組織におけるプロテアソーム活性を阻害し、腫瘍増殖を遅延させた。カーフィルゾミブは、ボルテゾミブおよび免疫調節剤を含む少なくとも2種の前処置を受けた多発性骨髄腫患者の処置のために米国FDAによって承認され、最終処置の完了日またはその60日以内に疾患の進行が証明されている。
プロテアソーム阻害剤は、現在、再発性/難治性多発性骨髄腫の処置のために研究されている。Lonial and Boise, Oncology Journal, November 2011の総説を参照のこと。
メルファラン (ALKERAN(登録商標)、L−サルコリシン)は、窒素マスタードアルキル化剤のクラスに属する化学療法剤である。アルキル化剤は、アルキル基(C2n+1)をDNAに付加することにより作用する。特に、それは、アルキル基をイミダゾール環の7番の窒素原子にてDNAのグアニン塩基に結合させ、それによりDNA鎖間に結合を生成する。この化学修飾は、細胞が生存するために不可欠な生物学的機能であるDNA合成およびRNA合成を阻害する。従って、これらの化学修飾は、分裂中の腫瘍細胞および非分裂中の腫瘍細胞の両方において細胞毒性を引き起こす。
構造的にメルファランは、メクロレタミンのフェニルアラニン誘導体である。
ロネパルスタット(proposed INN、以前は、100NA−RO.HまたはSST0001またはG4000とも称された)は、100% N−脱硫酸化、N−再アセチル化およびグリコールスプリット(glycol split)である修飾ヘパリン誘導体である(Casu B et al., Pathophysiol Haemost Thromb, 2008;36:195−20; Naggi A et al., J Biol Chem. 2005; 280:12103−13)。これらの修飾は、有意な酵素阻害を達成することが期待される用量で抗凝固活性を抑止し、一方、高用量範囲において可能性のある残留抗凝固活性は、何らの臨床的関連性も有さないが、ヘパラナーゼの阻害を増強する。ロネパルスタットは、癌の前臨床モデルにおける有効性を示し、最近、多発性骨髄腫患者の第I相臨床治験に入った。ロネパルスタットは、糖尿病性腎症のマウスモデルにおいて、アルブミン尿症および腎障害の程度を著しく減少させた。このことは、腎障害が多発性骨髄腫患者の15〜40%に影響を及ぼすため、重要な臨床的関連性を有する (JCO 2010; 28: 4976)。
発明の説明
ロネパルスタットと、好ましくはボルテゾミブおよびカーフィルゾミブから選択されるプロテアソーム阻害剤との併用、またはメルファランとの併用は、各活性成分単独の投与と比べて、全体的な腫瘍量(tumor burden)を減少させる有効性を改善し、とりわけ相乗作用を示すことが、予期しないことに見いだされた。平均腫瘍量は、ヒト免疫グロブリン軽鎖のレベルおよびルシフェラーゼイメージングによって決定した。
従って、本発明の1つの目的は、多発性骨髄腫、形質細胞性骨髄腫または再発性難治性骨髄腫の処置を目的とする、プロテアソーム阻害剤またはメルファランもしくはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物との併用療法における使用のためのロネパルスタットである。
本発明の別の目的は、多発性骨髄腫の予防または処置における使用のための、以下の構成成分を含む複数部分からなるキットである:
a)ロネパルスタット;
b)メルファランもしくはその薬学的に許容される塩、または少なくとも1つのプロテアソーム阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
本発明の別の目的は、ロネパルスタットおよびメルファランまたは少なくとも1つのプロテアソーム阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、および1以上の薬学的に許容されるビークル、賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物である。
プロテアソーム阻害剤は、周知化合物であり、それらの活性は、例えば、Sigma−Aldrich、Abcam、Promegaおよび他の供給業者により提供される、常用の販売のアッセイで試験することができる。
プロテアソーム阻害剤の例示リストを以下に示す:
Figure 2018512394
好ましい態様において、プロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミドおよびカルフィルゾイドからなる群より選択される。
本発明の上記の活性成分は、協調して、または併用して投与することができる。
上記の化合物の併用の意味は、共投与されるかどうかに関係なく、すなわち実質的に同時または順次の投与、または上記活性成分を組み合わせて含む組成物、および要すれば、1以上の薬学的に許容される賦形剤または希釈剤をさらに混合して含む組成物の投与である。
本発明は、全ての病期の多発性骨髄腫、形質細胞骨髄腫、再発性骨髄腫または再発性骨髄腫または多発性骨髄腫に関連する疾患もしくは障害の処置法、阻害方法、および/または予防方法を包含する。本発明の方法は、それを必要とする対象に、プロテアソーム阻害剤、好ましくはボルテゾミブまたはカーフィルゾミブと組み合わせて、またはメルファランと組み合わせてロネパルスタットを投与することを含む。
本明細書に記載の活性物質、またはその薬学的に許容される塩はまた、水和物の形態で使用することができるか、または溶媒和物としても知られている結晶化のために使用される他の溶媒を含み得る。
本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される塩により意味されるものは、毒性または副作用を生じさせない酸と、前記本発明化合物との塩である。
そのような塩の限定されない例としては、塩化物、臭化物、オロチン酸塩、アスパラギン酸塩、酸性アスパラギン酸塩、酸性クエン酸塩、クエン酸マグネシウム、リン酸塩、酸性リン酸塩、フマル酸塩および酸性フマル酸塩、フマル酸マグネシウム、乳酸塩、マレイン酸塩および酸性マレイン酸塩、シュウ酸塩、酸性シュウ酸塩、パモ酸塩、酸性パモ酸塩、硫酸塩、酸性硫酸塩、グルコースリン酸、酒石酸塩および酸性酒石酸、グリセロリン酸塩、ムチン酸塩、酒石酸マグネシウム、2−アミノ−エタンスルホン酸塩、マグネシウム 2−アミノ−エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、酒石酸コリン、トリクロロ酢酸塩、およびトリフルオロ酢酸塩が挙げられる。
FDAによって承認された薬学的に許容される塩のリストは、Int. J. of Pharm. 33 (1986), 201−217に記載されている。
本発明の医薬組成物は、好適な薬学的に許容される担体、動物への投与に適する生物学的に許容されるビークル(例えば、生理食塩水)を含み、および最終的には、医薬として使用され得る製剤への活性化合物の加工を容易にする助剤(賦形剤、安定化剤または希釈剤など)を含み得る。
本発明の医薬組成物は、投与方法の必要性を満たすために許容される方法で剤形化され得る。薬物送達のための生体材料および他のポリマーの使用、ならびに特定の投与方法を検証するための異なる技術およびモデルは、文献に記載されている。
許容された投与方法が使用可能であり、当業者によって決定され得る。例えば、投与は、皮下、静脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、鼻腔内、経皮、経口または口腔経路などの種々の非経腸経路によって行うことができる。
ボルテゾミブは、一般的に、静脈内または皮下に投与される。カルフィルゾミブは、一般的に、静脈内に投与される。メルファランは、一般的に、経口投与または静脈内投与される。ロネパルスタットは、一般的に、皮下投与される。
“治療的有効量”は、処置対象において医学的に望ましい結果を達成するのに有効な量である。
ロネパルスタット(INN) (以前は、100NA,ROHまたはSST0001またはG4000とも呼ばれていた)は、100% N−脱硫酸化、N−再アセチル化およびグリコールスプリットである修飾ヘパリン誘導体である。これらの修飾は、臨床的に関連のある抗凝固活性を抑止するが、ヘパラナーゼの阻害を増強する。ロネパルスタットは、癌の前臨床モデルにおける有効性を示し、最近、多発性骨髄腫(液性腫瘍)患者の第I相臨床治験に入った。(10、20、22)。
ロネパルスタットは、以下の式(I):
Figure 2018512394
[式中、U環は:
Figure 2018512394
であり、ここで、XおよびX’は、−CH−D基(ここで、Dはヒドロキシである)であり;
RおよびRは、アセチル残基であり;
nおよびmは、同一でも異なっていてもよく、1から40までの範囲であり;m+nは、6から40までの範囲であり;m:n比は、10:2から1:1の範囲であり、
記号
Figure 2018512394
は、mおよびnで示される構成単位が、多糖鎖に沿って統計的に分布しており、かつ必ずしも順番に連続しているとは限らないことを示す。]
を有する。
この化合物およびその製造方法の完全な説明については、公開された特許文献EP2343077、US7781416およびUS8067555を参照することができる。US8222231およびRitchie JP, Ramani VC, Ren Y, Naggi A, Torri G, Casu Bらもまた参照することができる。化学的に修飾されたヘパリンであるSST0001は、ヘパラナーゼ/シンデカン−1軸の破壊を介して骨髄腫の成長および血管形成を阻害する。Clin Cancer Res 2011;17:1382−93。
ロネパルスタット製剤はまた、米国特許第7781416号 (100 NA,RO−H、カラム24および25にまたがる段落参照)に記載されている。
本発明の化合物は、以下の一般的方法および手順を用いて容易に入手可能な出発物質から調製することができる。典型的または好ましい実験条件(すなわち、反応温度、時間、試薬のモル数、溶媒など)が与えられている場合、特に断らない限り、他の実験条件も使用できることは理解され得る。最適な反応条件は、用いる特定の反応材または溶媒によって変わり得るが、そのような条件は、当業者によって常套の最適化手順によって決定され得る。
ロネパルスタットおよびプロテアソーム阻害剤、好ましくはボルテゾミブまたはカーフィルゾミブの組合せ、またはメルファランまたは何れかのボルテゾミブおよび/またはメルファランまたは何れかのカーフィルゾミブおよび/またはメルファラン含有レジメンの組合せ、恒温動物、好ましくはヒトの処置法であって、これらの2成分を投与することを含む方法、同時、別個または逐次使用のためのこれらの2成分を含む医薬組成物、多発性骨髄腫の進行遅延または処置のための、またはこれらの目的のための医薬製剤の製造のための併用、またはかかる成分のそのような組合せを含む販売製品は、上記または定義の全ては、本発明の組合せとしても以降に言及される (従って、この用語は、適宜、この用語を置き換えることができるこれらの態様のそれぞれを意味する)。
同時投与は、例えば、2種以上の活性成分を有する1つの固定された組合せ形態で、または独立して製剤される2種以上の活性成分を同時に投与することによって行うことができる。逐次使用(投与)は、好ましくは該組合せが独立して投与される単一の化合物よりも有効性を示す(とりわけ 相乗作用を示す)ように、好ましくは、ある時点で組合せの1(またはそれ以上の)成分を投与し、異なる時点で他の成分を投与すること、すなわち、時差的な方法で投与することを意味する。別個の使用(投与)は、好ましくは、異なる時点での、互いに独立した組合せの複数成分の投与を意味する。
また、連続、別個および同時投与の2以上の組合せは、好ましくは組合せ成分−薬剤が、それらが、その治療効果に対する相互影響が見いだされないくらい長い間隔を空けて別個に使用されるとき、見いだされた効果を超える共同的治療効果、とりわけ好ましくは相乗効果を示すようにすることが、可能である。
本明細書で用いる用語“処置”または“処置する”には、処置される疾患または病状の進行の遅延の概念が含まれる。本発明により、それは、腫瘍細胞増殖の阻害、腫瘍細胞質量の減少、および/または転移発生の阻害を意味する。
本明細書で用いる用語“進行の遅延”は、初回またはその後の徴候の前段階または初期段階にある患者;または、例えば、対応する疾患の前形態が診断される患者における処置されるべき疾患の再発患者;または、例えば、薬物療法中であるそのような状態にある患者、への該組合せの投与を意味する。
一般的に、用語“予防”には、健康へのリスクまたは脅威を減らすことを目的とした、“介入”としても知られる、広範な活性が含まれる。これらは、通常3つのカテゴリーに分類される。第一は、“一次予防”である。ここでの目標は、健常者を、疾患の発症または傷害の経験から最初の段階で守ること、例えば、病気の危険因子のモニタリング、感染症に対する予防接種などの日常的なスクリーニングプログラムである。
第二は、いわゆる“二次予防”である。これらの介入は、疾患または重大な危険因子が既に診断された後に起こる。この場合の目標は、(可能であれば)初期の段階で、疾患の進行を止めるまたは遅らせることである。
第三は、“三次予防”である。これは、癌などの複雑で長期的な健康問題を管理するのに役立つ。目標としては、さらなる身体的な悪化を阻止し、生活の質を最大限にすることが含まれる。(“At Work”、Issue 43、Winter 2006: Institute for Work & Health、Toronto)。
本発明により、予防という語は、多発性骨髄腫の二次および三次予防をさらに意味することを意図する。
“共同的に治療的に有効”または“共同治療効果”とは、2つの成分(または活性成分)が、(時差的な方法、とりわけ特定の順番で)、好ましくは、処置されるべき高温動物、とりわけヒトにおいて、それらが未だ(好ましくは相乗的)相互作用(共同治療効果)を示すような間隔で、別個に供され得ることを意味する。
“治療的に有効”とは、好ましくは、増殖性疾患の進行に対して治療的に、または広義の意味で予防的にも有効である量に関する。そのような量は、この分野における当業者が設計可能な通常の臨床治験を通して見いだされる。EMAまたはFDAガイドラインも参照のこと。
本明細書で用いる用語“販売パッケージ”または“製品”は、とりわけ、それが、(a)ロネパルスタットおよび(b)プロテアソーム阻害剤またはメルファランを含むという意味での“複数部分からなるキット”と定義される;これは、2成分の組合せのみを意味する。
本発明者らは、上記に定義した“組合せ”に使用できる化合物は、独立して、または特定の量(distinguished amount)の成分(a)および(b)の異なる固定された組合せの使用により投与され得る、すなわち、同時にまたは異なる時点で投与され得ることも記載しておく必要がある。さらに、これらの用語は、増殖性疾患の進行または処置の遅延における、その同時、逐次(時差的に、特定の順に時間内に、優先的に)または(あまり好ましくはないが)別個の使用のための指示書と共に、活性成分として成分(a)および(b)を(とりわけ 組み合わせて)含む販売のパッケージを含む。複数部分からなるキットのパーツは、例えば、同時に、または時差的に、すなわち異なる時点で、かつ複数部分からなるキットのパーツについて同じかまたは異なる間隔で投与することができる。とりわけ好ましくは、時間間隔は、パーツの併用における処置された疾患に対する効果が、標準的な方法によって決定され得る通り、組合せパートナー(a)および(b)のいずれか1つのみの使用によって得られる効果よりも大きくなるように選択される。組合せ製剤中、投与されるべき組合せパートナー(b)の全量に対する組合せパートナー(a)の全量の比は、例えば、処置される患者サブ集団の必要性または1人の患者の必要性(患者の特定の疾患、年連、性別、体重などにより必要性は異なり得る)に対処するために、変化し得る。好ましくは、少なくとも1つの有益な効果、例えば、組合せパートナー(a)および(b)の効果の相互増強、特に、相加効果以上の効果があり、それ故に、該効果は、個々の薬剤を併用することなく処置した場合に許容されるよりもそれぞれ低用量の各組合せ薬物で、付加的な有利な効果、例えば少ない副作用または組合せパートナー(成分)(a)および(b)の一方または両方の有効ではない投与量における併用治療効果を達成し得て、かつ組合せパートナー(a)および(b)の強い相乗効果があれば非常に好ましい。
成分(a)および(b)の組合せの使用および販売のパッケージの使用の両方の場合において、同時、逐次および個別使用の全ての組み合わせもまた可能であり、このことは、成分(a)および(b)を、ある時点で同時に投与し、その後、後の時点で、より低い宿主毒性を有する1つのみの成分を、長期的に、例えば、1日用量を3〜4週間以上投与し、かつその後のさらに後の時点(最適な抗腫瘍効果のための次の薬物組合せ処置コース)などで他の成分または両成分の組合せを投与することができることを意味する。
本発明の複数部分からなるキットは、成分(a)(すなわち、ロネパルスタット)および成分(b)(すなわち、プロテアソーム阻害剤またはメルファラン)を別個に包装することができる形態で販売されてもよい。
本発明の組合せは、他の処置、例えば外科的介入、温熱療法および/または放射線療法と組み合わせて適用することもできる。
本発明の組合せは、一般に、適当な製剤で投与される。そのような製剤は、従来の医薬組成物の形態をとる。
追加の臨床効果を望む場合には、他の既知の化学療法、放射線療法またはホルモン療法と併用することができる。
従って、ロネパルスタットおよびその薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物もまた、本発明の範囲内である。そのような組成物は、製薬分野でよく知られている方法で調製することができ、少なくとも1つの活性化合物を含む。当業者は、医薬組成物を製剤するのに適するそのような担体、希釈剤または賦形剤化合物の全種類を認識している。
ロネパルスタットは、従来使用されているアジュバント、担体、希釈剤または賦形剤と共に、医薬組成物およびその単位投与量形態にされてよく、そのような形態において、錠剤もしくは充填カプセルなどの固体として、または溶液、懸濁液、エマルジョン、エリキシル剤などの液体として、もしくはそれらを充填したカプセルなど、経口投与用のすべて、または非経腸投与 (皮下投与を含む)のための滅菌注射溶液の形態であり得る。かかる医薬組成物およびその単位投与量形態は、追加の活性化合物または原薬(principle)の有無にかかわらず、常套の割合で複数成分を含んでいてもよく、かかる単位投与量形態は、使用される意図された1日投与量範囲に相応する適当な有効量の活性成分を含み得る。
一般的に、各活性成分は、“薬学的に有効な量”で投与される。実際に投与される化合物の量は、一般的には、処置すべき病状、選択された投与経路、投与される実際の化合物、薬物の組合せ、個々の患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重症度などを含む、関連する状況に照らして、医師により決定され得る。一般に、有効用量は、0.01mg/kgから100mg/kg、好ましくは0.05mg/kgから50mg/kgであり得る。組成物は、患者に個別に投与されてもよく、または他の薬剤、薬物、ホルモン、放射線照射または外科手術と組み合わせて投与されてもよい。任意の化合物について、治療的有効用量は、当初は、細胞培養アッセイまたは動物モデル(通常はマウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、サルまたはブタ)のいずれかにおいて、推定され得る。
動物モデルはまた、適当な濃度範囲および投与経路を決定するためにも使用され得る。その後、そのような情報は、ヒトにおける投与のための有用な用量および経路を決定するために使用され得る。ヒト等価用量(HED)の計算には、FDAが発行している製薬業者および検閲者に対するガイダンスにおいてFDAが提供する変換表を使用することが推奨される。本発明の医薬組成物は、外科手術後に、経口、直腸、舌下、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下腔内、腹腔内、鼻腔内および患部組織に局所的に投与され得る。
投与量および投与方法ならびに治療的薬用量(posology)は、病歴、疾患の重篤度、患者の状態および薬業に関する他の考慮事項に従って、医師が決定することができる。
本発明の態様において、ボルテゾミブは、それを必要とする患者に、臨床において一般的に使用される用量で投与される。例えば、2個の非盲験、第II相臨床治験(SUMMITおよびCREST)は、ボルテゾミブ 1.3mg/mの有効性を、最大8サイクルの間、1サイクル21日間の1、4、8および11日目に静脈内ボーラス投与することにより確立した。
本発明の態様において、カーフィルゾミブは、それを必要とする患者に、臨床において一般的に使用される用量で投与される。例えば、サイクル1の用量は、20mg/m/日であり、許容される場合は、サイクル2の用量およびその後のサイクルで投与量を27mg/m/日に増量する。それは、3週間毎週2日連続して(1、2、8、9、15および16日目)2〜10分間静脈内投与し、その後、12日間の休薬期間(17〜28日目)をとり得る。
本発明の態様において、メルファランは、それを必要とする患者に、臨床において通常使用される用量、例えば静脈内投与量16mg/mで投与される。この薬物は、15〜20分間かけて単回点滴で投与される。メルファランは、4用量が2週間間隔で投与され、その後、毒性からの適切な回復の後、4週間の間隔で投与される。
メルファランの最も一般的な経口用量は、1日1回6mgである。2〜3週間の処置後、毎日2mgの維持用量が設定される。
ロネパルスタットは、それを必要とする患者に、臨床で医師によって指示される用量で投与される。例えば、適当な皮下投与用用量は、100〜600mg/日、好ましくは200〜400mg/日である。
意図する送達経路によって、ロネパルスタットは、好ましくは、非経腸、局所または経口組成物として製剤される。経口投与のための組成物は、バルク溶液もしくは懸濁液、またはバルク粉末の形態をとり得る。しかしながら、より一般的には、組成物は、正確な投与を容易にするための単位投与量形態で提供される。用語“単位投与量形態”とは、ヒト対象および他の哺乳動物に対する単位投与量として適切な物理的に別個の単位を意味し、各単位は、適切な薬学的賦形剤と混合して、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含有させる。一般的な単位投与量形態には、アンプルもしくは注射器に予め計量し、再充填用の液体組成物、または固体組成物の場合、丸剤、錠剤、カプセル剤などが含まれる。このような組成物において、本発明の化合物は、少量成分または主成分であり得て、残りは、種々のビークルまたは担体および所望の投与形態を形成するための加工助剤であり得る。注射用の凍結乾燥組成物の場合、ロネパルスタットは、一般的に、組成物の主成分として存在する(80〜100重量%)。注射用に水で再構成したとき、ロネパルスタットは、一般的に、50〜200mg/mlの濃度である。
投薬処置は、単回投与スケジュールまたは複数回投与スケジュールであり得る。
経口投与に適した液体形態には、緩衝剤、懸濁化剤および分散剤、着色剤、香味剤などを含む、水性または非水性ビークルが含まれ得る。
固体形態は、例えば、以下の成分のいずれか、または類似の性質の化合物を含み得る:微結晶性セルロース、アラビアゴム、トラガカント、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤、アルギン酸、Primogel(登録商標)、またはジャガイモもしくはトウモロコシデンプンなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカなどの滑沢剤; コロイド状二酸化ケイ素のような流動促進剤;スクロースまたはサッカリンのような甘味剤;または、ペパーミント、メチルサリチレート、またはオレンジフレーバーのような香味剤。錠剤は、製剤分野の当業者によく知られた方法に従ってコーティングされ得る。
非経腸組成物は、一般的に、注射可能な滅菌生理食塩水またはリン酸緩衝化生理食塩水または当技術分野で公知の他の注射可能な担体に基づく。ロネパルスタットはまた、徐放性製剤によりまたは徐放性薬物送達システムから投与することもできる。
代表的な徐放性物質ならびにさらなる材料および加工技術の説明は、Remington's Pharmaceutical Sciences、20th Edition、2000、Merck Publishing Company、Easton、Pennsylvaniaのパート5に記載されている。
通常、医師は、癌の増殖または転移について説明する。これは、病期(stage)と呼ばれている。多発性骨髄腫に関して、国際病期分類(International Staging System、ISS)と呼ばれる分類システムがより一般的に使用されている。それは、患者の生存に影響を及ぼす要因を定義している。ISSは、世界中の多発性骨髄腫患者から収集したデータに基づいている。このシステムは、以下のように、血清アルブミンの測定値および血清β2ミクログロブリンのレベルに基づく3段階(病期)を有する:
●病期I: 3.5mg/L未満のβ2−Mおよび3.5mg/dL以上または3.5mg/dLのアルブミン
●病期II:3.5mg/Lを超えるが、5.5mg/dLを超えないβ2−M、および/または3.5g/dL未満のアルブミン
●病期III:5.5mg/Lを超えるβ2−M。
治療後のコントロール期間中に再発する骨髄腫は、再発性(recurrent or relapsed)骨髄腫と呼ばれる。再発がある場合は、癌の病期を再度決める必要があり得る(再病期診断と称する)。
2008年のWHOのリンパ系腫瘍の分類によれば、形質細胞性骨髄腫 (多発性骨髄腫)はまた、骨髄腫関連臓器または組織機能不全の有無に応じて、無症候性(くすぶり型)または症候性骨髄腫として分類される (Campo E. et al., Blood 2011; 117: 5019−5032)。
形質細胞性腫瘍は、生物学的に正確かつ臨床的に有用な方法で分類することが困難であることが証明されている。血漿細胞の免疫グロブリン産物は血清および尿中で容易に検出されるため、血漿細胞の少量のクローンの証拠は、健康であり、かつクローン増殖が続発する臓器損傷を決して生じない患者において日常的な検査によって検出され得る。加えて、異常に分泌された免疫グロブリン重鎖または軽鎖またはその両方の組織内の沈着(例えば、アミロイド症) は、非常に小さな血漿細胞クローンの存在で生じ得るもので、血漿細胞量に関係しない沈着物に起因する臓器損傷に伴う。形質細胞性骨髄腫(PCM)の定義は、血漿細胞の十分な量が蓄積したとき、患者が処置の恩恵を受け得るかを予測する臨床的および検査室的特徴を同定することに依存している。
骨髄腫に関連する末梢臓器の損傷(高カルシウム血症、腎不全、貧血、骨病変) がない場合のPCM、いわゆる無症候性(くすぶり型)骨髄腫の診断は、30g/Lの血清Mタンパク質の存在および/または10%の骨髄クローン血漿細胞の存在を必要とする。これらの基準を満たさない症例は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)と考えられている。
対照的に、骨髄腫関連の末梢臓器損傷が存在する場合、血清中または尿中の何らかの量のMタンパク質および何個かの骨髄クローン性形質細胞 (通常は全細胞の10%を超える)または形質細胞腫(Campo E. et al., Blood 2011; 117: 5019−5032)を検出するとき、PCMと診断される。
本発明の併用療法は、医師の決定および処方に従って、多発性骨髄腫患者の上記の何れかの病期の処置に適している。
以下において、本発明は、本発明の範囲を限定するものと見なされない、いくつかの実施例によって例示される。
実施例は、以下の図または図面を参照してよい。
図1:ロネパルスタット(SST0001)とボルテゾミブを用いたインビボ併用試験の結果を示す。動物にCAG HPSE細胞を注射した;7日後、動物を4つの群に分け、a)ビークル、b)ボルテゾミブ(週に2回、0.5mg/kg腹腔内注射)、c)ロネパルスタット (120mg/kg/日 皮下投与) または(b)と(c)の組み合わせで、さらに2週間処置した。 図2:ロネパルスタット (SST0001)とメルファランを用いたインビボ併用試験の結果を示す。動物にCAG HPSE細胞を注射した;7日後、動物を4つの群に分け、a)ビークル、メルファラン (1.0mg/kg/週の用量で腹腔内投与)、c)ロネパルスタット (60mg/kg/日の用量で皮下投与) または(b)と(c)の組み合わせで、さらに2週間処置した。 図3:ロネパルスタット(SST0001)とメルファランを用いたインビボ併用試験の結果を示す。試験期間は5週間であった。動物にCAG HPSE細胞を注射した;7日後、動物を以下の3つの群に分けた:(a)メルファラン(2.5mg/kg/週の用量で腹腔内投与)およびロネパルスタット(60mg/kg/日の用量で皮下投与)の組合せでさらに2週間処置し、残りの2週間は何も処置をしなかった、(b)メルファラン (2.5mg/kg/週の用量で腹腔内投与)のみでさらに2週間処置し、残りの2週間はPBSで処置した、または(c)メルファラン (2.5mg/kg/週の用量で腹腔内投与)のみでさらに2週間処置し、その後、残りの2週間はロネパルスタット(60mg/kg/日の用量で皮下投与)で処置した。 図4:未処置の、ロネパルスタット(Rone)のみで処置、カーフィルゾミブ(CFZ)のみで処置、またはロネパルスタットおよびカーフィルゾミブの組合せで処置したHPSE高細胞(HPSE−high cell)の生存率を示す;MTTアッセイによって細胞生存率を評価した。
実施例
実施例1−ロネパルスタットとボルテゾミブ
試験計画
すべての試験は、骨髄腫の実験的転移モデルを用いて行った。このモデルでは、高レベルのヘパラナーゼを発現する300万個のヒト骨髄腫細胞を、SCIDマウスの尾部側静脈に静脈内注射した。これらの細胞は、マウスの骨内に主に存在し、その中で増殖し、それ故に、このモデルは、ヒトに見られる播種性骨髄腫疾患を精密に再現する。この疾患の進行は、ルシフェラーゼ標識した腫瘍細胞の生物発光イメージングによってリアルタイムで追跡される。このモデルを利用して、エーテル ボルテゾミブと組み合わせたロネパルスタットが、CAG HPSE高細胞の化学療法抵抗性を克服し、ボルテゾミブの殺腫瘍細胞効果を増大するかどうかを確認した。
CAGヒト骨髄腫細胞株は、骨髄腫治療研究所(Myeloma Institute for Research and Therapy、Little Rock、AR)で確立された。改変されたヘパラナーゼ発現を有するCAG細胞は、詳しく特徴付けられており、(a)空ベクターでのトランスフェクションによって調製されたヘパラナーゼ−低(HPSE−low)細胞;および、(b)ヒトヘパラナーゼのcDNAを含むベクターでトランスフェクションすることにより調製されたヘパラナーゼ−高(HPSE−high)細胞を含む。HPSE−high細胞は、HPSE−low細胞よりも4倍高いレベルのヘパラナーゼを発現するが、HPSE−high細胞に存在する酵素活性の上昇レベルは、多くの骨髄腫患者の骨髄に存在するのと同程度である (Kelly T. et al, Cancer Res 2003;63:8749−56)。このことは、HPSE−high細胞が、多くの骨髄腫患者に存在するヘパラナーゼ活性のレベルを極めて近似して模倣しており、従って、骨髄腫腫瘍に対するヘパラナーゼの効果を試験するための適切なモデルであることを示している。The preparation of the CAG−HPSE高細胞の調製は、Yang Yらの、The Journal Of Biological Chemistry, Vol. 282, No. 18, pp. 13326−13333, May 4, 2007 に記載されている(特に、13327頁、左カラム、“For transfections….”で始まるパラグラフを参照のこと)。
処置スケジュール
CAG HPSE高細胞の静脈注射の7日後に、動物を4つの別個のグループに分け、2週間の間、a)ビークル、またはb)ロネパルスタット(120mg/kg/日 皮下に投与)、またはc)ボルテゾミブ (0.5mg/kg/週2回 腹腔内に投与)、またはd)ロネパルスタットおよびボルテゾミブの両方、で処置した。処置の2週間後 (21日目)に、血清を採取した。(使用動物数=40)。
分析
a.腫瘍成長およびサイズを、生物発光によって毎週モニターした。試験完了時に、すべての試験群からの発光イメージ (背側および腹側の両方)の強度を、Living Image(登録商標)ソフトウェア (Perkin Elmer製)を用いて定量した。個々の動物からの生物発光データは、全流束値および総カウント数として示される。
b.酵素結合免疫吸着アッセイ (ELISA)を用いて、全動物腫瘍量の指標としてマウス血清中のヒト免疫グロブリン軽鎖レベルを計測した。
c.動物の全体重を、腫瘍細胞の注射後毎週記録した。
材料
ロネパルスタットは、Sigma−Tau Research S.A.により提供された。ビークルとして、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いた。
ボルテゾミブを、PS−341(ベルケイド(登録商標))として用いた;ジメチルスルホキシド中で再構成した;ビークルとして、PBSを用いた。
動物
種、系統、数、性別および月齢
マウス、CB.17/Icr SCID、雄、1群当たり10匹、6−8週齢、Charles Riverにより提供された。
動物飼育
免疫不全マウスの標準法に従って、マウスをマイクロアイソレーターケージ内で飼育した。マウスを紙フィルターカバー付きのケージ内に維持した;飼料および床敷を滅菌し、水は酸性化した。動物を明暗サイクル下、温度および湿度を維持して飼育した。
動物の特定およびグループへの割り当て
動物を異なる投与量グループに分割した。各ケージを、マウス数、試験項目の名称、投与用量および経路、注射細胞タイプ、腫瘍注射の日付およびグループの番号を示す紙タグによって表示した。試験の終わりに、動物に軽く麻酔をかけ、頚椎脱臼により屠殺した。
結果および結論
ヘパリン誘導体であるロネパルスタットは、全体的な腫瘍量の減少、特に相乗作用を示して、ボルテゾミブの有効性を改善した。ヒト免疫グロブリン軽鎖のレベルおよびルシフェラーゼイメージングにより決定される平均腫瘍量は、ロネパルスタットおよびボルテゾミブの両方の組合せで処置した動物において最も低い腫瘍量を示した。さらに、併用療法グループの10匹中3匹のみが、検出可能な腫瘍量を有し(明細書中にデータは示さないが、要望により提示可能)、一方、PBSまたはボルテゾミブのみのいずれかを受容した動物の10匹中8匹およびロネパルスタットのみを受容した動物の8匹中6匹は、検出可能なレベルのヒト免疫グロブリン軽鎖を示した。
これは、κレベルと発光イメージングデータの両方から明らかであった。前者の減少は後者の減少と常に一致していた(表1および図1参照)。
Figure 2018512394
* 10匹中3匹のみが、併用処置グループにおいて検出可能なレベルの血清κを有した。
実施例2−ロネパルスタットとメルファラン
試験計画
全ての試験を、ロネパルスタットとメルファランとの組合せがCAG HPSE高細胞の化学療法抵抗性を克服できるかどうかを確認するために、実施例1に記載されたのと同じ試験モデルを用いて行った。
処置スケジュール
CAG HPSE高細胞の静脈注射の7日後に、動物を4つの別個のグループに分け、2週間の間、a)ビークル、またはb)ロネパルスタット(60mg/kg/日 皮下に投与)、またはc)メルファラン (1mg/kg/週 腹腔内に投与)、またはd)ロネパルスタットおよびメルファランの両方、で処置した。処置の2週間後 (21日目)に、血清を採取した。(使用動物数=40)。
分析
実施例1と同様。
材料
ロネパルスタットは、Sigma−Tau Research S.A.により提供された。ビークルとして、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いた。
メルファランを、Sigma−Aldrich(カタログ番号 M2011 ロット番号063M4122V)から購入した。
動物
種、系統、数、性別および月齢
マウス、CB.17/Icr SCID、雄、1群当たり10匹、6−8週齢、Charles Riverにより提供された。
動物飼育
実施例1と同様。
動物の特定およびグループへの割り当て
実施例1と同様。
結果および結論
ヘパリン誘導体であるロネパルスタットは、全体的な腫瘍量の減少、特に相乗作用を示して、メルファランの有効性を改善した。ヒト免疫グロブリン軽鎖のレベルおよびルシフェラーゼイメージングにより決定される平均腫瘍量は、ロネパルスタットおよびメルファランの両方の組合せで処置した動物において最も低い腫瘍量を示した。驚くべきことに、併用処置グループの動物は検出可能な腫瘍量を有さず、一方、PBSを受容した動物の12匹中9匹、ロネパルスタットのみを受容した動物の9匹中8匹およびメルファランのみを受容した動物の10匹中7匹は、検出可能なレベルのヒト免疫グロブリン軽鎖を示した(表2および図2参照)。
Figure 2018512394
実施例3− ロネパルスタットとメルファラン − 維持療法
試験計画
全ての試験を、ロネパルスタットとメルファランとの組合せがCAG HPSE高細胞の化学療法抵抗性を克服できるかどうかを確認するために、実施例1に記載されたのと同じ試験モデルを用いて行った。
処置スケジュール
CAG HPSE高細胞の静脈注射の7日後に、動物を3つの別個のグループに分け(各グループに動物11匹)、以下のように処置した:
グループA−メルファラン(2.5mg/kg/週)およびロネパルスタット(60mg/kg/日)の組合せで2週間処置した。その後、さらに2週間は動物に何も処置をしなかった。
グループB−メルファラン (2.5mg/kg/週)で最初の2週間処置し、さらなる2週間はPBSを毎日注射した。
グループC−メルファラン (2.5mg/kg/週)で最初の2週間処置し、その後、さらなる2週間はロネパルスタット(120mg/kg/日)を毎日注射した(特記−このグループでは、1匹が処置32日目に死んだ。従って、本発明者らは、処置期間の最後の3日間は、ロネパルスタットの用量を60mg/kg/日に切り替えた)。
全試験期間は5週間であった。処置の5週間後 (35日目)に、血清を採取した。用いた動物数は33匹であった。
分析
実施例1と同様。
材料
実施例2と同様。
動物
種、系統、数、性別および月齢
マウス、CB.17/Icr SCID、雄、1群当たり11匹、6−8週齢、Charles Riverにより提供された。
動物飼育
実施例1と同様。
動物の特定およびグループへの割り当て
実施例1と同様。
結果および結論
SST0001およびメルファランの組合せで処置した動物において、11匹中1匹のみが、処置終了の2週間後に試験したとき、検出可能な腫瘍量を有した。最初のメルファラン処置後、次の2週間にSST0001を受容した動物において。10匹中3匹のみが、検出可能な腫瘍を有し、一方、PBSを受容した11匹中7匹の動物は、検出可能な腫瘍量を有した。SST0001を、化学療法と並行してまたはその後に使用すると、腫瘍量に明らかに影響を与える(表3および図3参照)。
Figure 2018512394
実施例4−ロネパルスタットとカーフィルゾミブ
試験計画
HPSE−高細胞を無血清培地に一晩播種し、その後、6.75μMのロネパルスタット(Rone)で6時間処置し、洗浄し、次いで、カーフィルゾミブ (CFZ) (15nM)で14時間処置し、生存率をMTTアッセイにより評価した。MTTアッセイは、テトラゾリウム色素MTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロマイド)からその名を取った、細胞生存率を評価するための比色アッセイである。ある条件下では、細胞の酸化還元酵素は、MTTを還元して、紫色を有するその不溶性ホルマザンにする。
材料
ロネパルスタットは、Sigma−Tau Research S.A.により提供された。ビークルとして、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いた。
カーフィルゾミブを、(Selleckchem、Houston、TX、USA)から購入した。
結果および結論
ヘパリン誘導体であるロネパルスタットは、試験した骨髄腫細胞の生存率を低下させ、特に相乗作用を示して、カーフィルゾミブの有効性を改善した。特に、併用処置後に生存する骨髄腫細胞が約35%であるという、有意な結果が得られ(図4参照)、一方、ロネパルスタットまたはカーフィルゾミブは、単独で投与されたとき、有意な結果をもたらさなかった。

Claims (27)

  1. メルファランまたはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物との併用療法、またはプロテアソーム阻害剤との併用療法、またはプロテアソーム阻害剤および/もしくはメルファラン含有レジメンにおける、多発性骨髄腫の予防または処置における使用のためのロネパルスタット。
  2. 該プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブおよびカーフィルゾミブまたはそれらの薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物からなる群より選択される、請求項1記載の使用のためのロネパルスタット。
  3. 多発性骨髄腫が、全ての病期のものである、請求項1または2記載の使用のためのロネパルスタット。
  4. 該多発性骨髄腫が、難治性または再発性骨髄腫である、請求項1から3のいずれか一項記載の使用のためのロネパルスタット。
  5. 1日当たり100〜600mgの用量で皮下投与される、請求項1から4のいずれか一項記載の使用のためのロネパルスタット。
  6. 併用療法のための該プロテアソーム阻害剤がボルテゾミブであり、それが、最大8サイクルの間、1サイクル21日間の1日目、4日目、8日目および11日目に静脈内ボーラス投与によって1.3mg/mの用量で投与される、請求項1から5のいずれか一項記載の使用のためのロネパルスタット。
  7. 併用療法のための該プロテアソーム阻害剤がカーフィルゾミブであり、それが、3週間の間、各週当たり連続2日間、20mg/m/日の用量で静脈内投与される、請求項1から5のいずれか一項記載の使用のためのロネパルスタット。
  8. 併用療法のため、メルファランが、15〜20分間に亘って単回注射として16mg/mの用量で静脈内投与される、請求項1から7のいずれか一項記載の使用のためのロネパルスタット。
  9. 併用療法のため、メルファランが、2〜3週間の間、1日1回6mg用量を経口投与される、請求項1から7のいずれか一項記載の使用のためのロネパルスタット。
  10. 多発性骨髄腫の予防または処置における使用のための、以下の成分:
    a)ロネパルスタット ;
    b)メルファランもしくはその薬学的に許容される塩、または少なくとも1種のプロテアソーム阻害剤
    を含む、複数部分からなるキット。
  11. 該処置が、併用療法またはプロテアソーム阻害剤および/もしくはメルファラン含有レジメンを含む、請求項10記載の使用のための複数部分からなるキット。
  12. 該プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブおよびカーフィルゾミブまたはそれらの薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物からなる群より選択される、請求項10または11記載の使用のための複数部分からなるキット。
  13. 該成分a)および該成分b)が同時に投与される、請求項10から12のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  14. 該成分a)および該成分b)が連続投与される、請求項10から12のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  15. 該成分a)および該成分b)が、別個に包装されている、請求項10から14のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  16. 多発性骨髄腫が全ての病期のものである、請求項10から15のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  17. 該多発性骨髄腫が、難治性または再発性骨髄腫である、請求項10から16のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  18. 該成分a)が、1日当たり100〜600mgの用量で皮下投与される、請求項10から17のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  19. 併用療法のための該成分b)がボルテゾミブであり、それが、最大8サイクルの間、1サイクル21日間の1日目、4日目、8日目および11日目に静脈内ボーラス投与によって1.3mg/mの用量で投与される、請求項10から18のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  20. 併用療法のための該成分b)がカーフィルゾミブであり、それが、3週間の間、各週当たり連続2日間、20mg/m/日の用量で静脈内投与される、請求項10から18のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  21. 併用療法のための該成分b)がメルファランであり、それが、15〜20分間に亘って単回注射として16mg/mの用量で静脈内投与される、請求項10から20のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  22. 併用療法のための該成分b)がメルファランであり、2〜3週間の間、1日1回6mg用量を経口投与される、請求項10から21のいずれか一項記載の使用のための複数部分からなるキット。
  23. ロネパルスタットおよびメルファランまたは少なくとも1種のプロテアソーム阻害剤またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物、および1以上の薬学的に許容されるビークル、賦形剤または希釈剤を含む、医薬組成物。
  24. 該プロテアソーム阻害剤が、ボルテゾミブおよびカーフィルゾミブからなる群より選択される、請求項23記載の組成物。
  25. 多発性骨髄腫の処置における使用のための、請求項23または24記載の医薬組成物。
  26. それを必要とする対象に治療的有効量のロネパルスタットを、治療的有効量の、好ましくはボルテゾミブおよびカーフィルゾミブから選択される少なくとも1種のプロテアソーム阻害剤、および/または治療的有効量のメルファランと併用して投与することを含む、多発性骨髄腫、形質細胞性骨髄腫、難治性もしくは再発性骨髄腫に罹患している哺乳動物の処置法。
  27. それを必要とする対象に治療的有効量のロネパルスタットを、治療的有効量の、好ましくはボルテゾミブおよびカーフィルゾミブから選択される少なくとも1種のプロテアソーム阻害剤、および/または治療的有効量のメルファランと併用して投与することを含む、対象における多発性骨髄腫、形質細胞性骨髄腫、難治性もしくは再発性骨髄腫の阻害、処置および/または予防法。
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