JP2018511238A - 高速レートひずみ最適量子化 - Google Patents

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Abstract

レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するためのシステムおよび方法が開示される。一例では、ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することを含む方法が提供される。本方法は、非RDOQ量子化方式をビデオデータの少なくとも1つのブロックに適用することをさらに含む。非RDOQ量子化方式は、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとの決定中に適用され得る。本方法は、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を少なくとも1つのブロックに適用することをさらに含む。

Description

[0001]本開示は、ビデオコーディングおよび圧縮の分野に関し、詳細には、高効率ビデオコーディング(HEVC:High-Efficiency Video Coding)において適用されるレートひずみ最適量子化(RDOQ:rate-distortion optimized quantization)技法の複雑度を低減することに関する。
[0002]デジタルビデオ機能は、デジタルテレビジョン、デジタルダイレクトブロードキャストシステム、ワイヤレスブロードキャストシステム、携帯情報端末(PDA)、ラップトップまたはデスクトップコンピュータ、デジタルカメラ、デジタル記録デバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームデバイス、ビデオゲームコンソール、セルラー電話または衛星無線電話、ビデオ遠隔会議デバイスなどを含む、広範囲にわたるデバイスに組み込まれ得る。デジタルビデオデバイスは、MPEG−2、MPEG−4、ITU−T H.263、ITU−T H.264/MPEG−4,Part10,アドバンストビデオコーディング(AVC:Advanced Video Coding)、高効率ビデオコーディング(HEVC)規格によって定義された規格、およびそのような規格の拡張に記載されているビデオ圧縮技法などのビデオ圧縮技法を実装する。ビデオデバイスは、そのようなビデオコーディング技法を実装することによって、デジタルビデオ情報をより効率的に送信、受信、符号化、復号、および/または記憶し得る。
[0003]HEVCは、ITU−T WP3/16とISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11とのジョイントコラボレーティブチームオンビデオコーディング(JCT−VC:Joint Collaborative Team on Video Coding)によって開発されたビデオコーディングの国際規格である。最新の参照ソフトウェアHEVCテストモデル(HM)バージョン16.0が、https://hevc.hhi.fraunhofer.de/svn/svn_HEVCSoftware/tags/HM-16.0/において入手可能である。
[0004]本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様が、本明細書で開示する望ましい属性を単独で担当するとは限らない。
[0005]一態様では、レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するための装置は、メモリと、メモリと通信しているプロセッサとを含む。メモリは、ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための量子化方式のセットを記憶するように構成され、セットは、RDOQ量子化方式と非RDOQ量子化方式とを含む。プロセッサは、ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプ(prediction type)と少なくとも1つのパーティションタイプ(partition type)とを決定することと、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとの決定中に、非RDOQ量子化方式をビデオデータの少なくとも1つのブロックに適用することと、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を少なくとも1つのブロックに適用することとを行うように構成される。
[0006]別の態様では、ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとの決定中に、非RDOQ量子化方式をビデオデータの少なくとも1つのブロックに適用することと、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を少なくとも1つのブロックに適用することとを含む方法が提供される。
[0007]別の態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、実行されたとき、デバイスのプロセッサに、ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとの決定中に、非RDOQ量子化方式をビデオデータの少なくとも1つのブロックに適用することと、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を少なくとも1つのブロックに適用することとを行わせる命令を含んでいる。
[0008]別の態様では、ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するための手段と、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとの決定中に、非RDOQ量子化方式をビデオデータの少なくとも1つのブロックに適用するための手段と、少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を少なくとも1つのブロックに適用するための手段とを含むビデオコーディングデバイスが提供される。
[0009]本開示で説明する態様による技法を利用し得る例示的なビデオ符号化および復号システムを示すブロック図。 [0010]本開示で説明する態様による技法を実施し得る別の例示的なビデオ符号化および復号システムを示すブロック図。 [0011]本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオエンコーダの一例を示すブロック図。 [0012]本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオエンコーダの一例を示すブロック図。 [0013]本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオデコーダの一例を示すブロック図。 [0014]本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオデコーダの一例を示すブロック図。 [0015]HEVCにおける例示的な走査パターンの図。 [0016]本開示で説明する(1つまたは複数の)態様による、RDOQを実施するためのプロセスの例示的な実施形態のフローチャート。
[0017]一般に、本開示は、優れたビデオ圧縮効率を達成するためのエンコーダ側最適化技法である、レートひずみ最適量子化(RDOQ)技法の選択的利用に関する。しかしながら、従来の量子化方式と比較して、はるかに複雑な計算が関与するので、RDOQの複雑度は高く、そのような複雑な計算が、高効率ビデオコーディング(HEVC)のコンテキストにおいて、たとえば、各係数グループ(CG:coefficient group)についてなど、複数回実施される。
[0018]HEVCテストモデル(HM)における従来のRDOQ実装形態の場合、RDOQは、決定プロセス中に複数回実施され得る。たとえば、RDOQは、イントラ予測モード決定プロセス中にあらゆるブロックのあらゆるイントラ予測モードについて実施され得る。別の例では、RDOQは、パーティションタイプ決定プロセス中に各パーティションタイプについて実施され得る。しかしながら、各ブロックの最良の予測タイプおよび/またはパーティションタイプは、RDOQが実施されるか否かにかかわらず、比較的安定している。したがって、RDOQは、決定プロセス中にあらゆるブロックのあらゆる予測タイプおよび/またはパーティションタイプについて実施される必要がないことがある。したがって、より効率的なRDOQ技法が望まれる。
[0019]以下の説明では、いくつかの実施形態に関係するH.264/AVC技法について説明し、HEVC規格および関係する技法についても説明する。いくつかの実施形態について、HEVCおよび/またはH.264規格のコンテキストにおいて本明細書で説明するが、本明細書で開示するシステムおよび方法が任意の好適なビデオコーディング規格に適用可能であり得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、本明細書で開示する実施形態は、(たとえば、国際電気通信連合電気通信標準化部門[ITU−T]ビデオコーディングエキスパートグループ[VCEG]または国際標準化機構/国際電気標準会議[ISO/IEC]ムービングピクチャエキスパートグループ[MPEG]によって開発された規格を含む)以下の規格、すなわち、ITU−T H.261、ISO/IEC MPEG−1 Visual、ITU−T H.262またはISO/IEC MPEG−2 Visual、ITU−T H.263、ISO/IEC MPEG−4 Visual、およびそれのスケーラブルビデオコーディング(SVC:Scalable Video Coding)拡張とマルチビュービデオコーディング(MVC:Multiview Video Coding)拡張とを含む(ISO/IEC MPEG−4 AVCとしても知られる)ITU−T H.264のうちの1つまたは複数に適用可能であり得る。
[0020]HEVCは、概して、多くの点で、前のビデオコーディング規格のフレームワークに従う。HEVCにおける予測のユニットは、いくつかの前のビデオコーディング規格における予測のユニット(たとえば、マクロブロック)とは異なる。事実上、マクロブロックの概念は、いくつかの前のビデオコーディング規格において理解されているように、HEVC中に存在しない。マクロブロックは、考えられる利益の中でも、高いフレキシビリティを与え得る、4分木方式に基づく階層構造と置き換えられる。たとえば、HEVC方式内で、3つのタイプのブロック、コーディングユニット(CU)、予測ユニット(PU:Prediction Unit)、および変換ユニット(TU:Transform Unit)が定義される。CUは領域スプリッティングの基本ユニットを指すことがある。CUはマクロブロックの概念に類似すると見なされ得るが、HEVCは、CUの最大サイズを制限せず、コンテンツを適応的に改善するために4つの等しいサイズのCUへの再帰的スプリッティングを可能にし得る。PUはインター/イントラ予測の基本ユニットと見なされ得、単一のPUは、不規則な画像パターンを効果的にコーディングするために、複数の任意の形状パーティションを含んでいることがある。TUは変換の基本ユニットと見なされ得る。TUは、PUとは無関係に定義され得るが、TUのサイズは、TUが属するCUのサイズに制限され得る。3つの異なる概念へのブロック構造のこの分離は、各ユニットがユニットのそれぞれの役割に従って最適化されることを可能にし得、それによりコーディング効率が改善され得る。
[0021]単に説明の目的で、本明細書で開示するいくつかの実施形態について、ビデオデータのただ2つのレイヤ(たとえば、BLなどの下位レイヤ、およびELなどの上位レイヤ)を含む例を用いて説明する。ビデオデータの「レイヤ」は、概して、ビュー、フレームレート、解像度などの少なくとも1つの共通の特性を有するピクチャのシーケンスを指すことがある。たとえば、レイヤは、マルチビュービデオデータの特定のビュー(たとえば、パースペクティブ)に関連付けられたビデオデータを含み得る。別の例として、レイヤは、スケーラブルビデオデータの特定のレイヤに関連付けられたビデオデータを含み得る。したがって、本開示は、ビデオデータのレイヤおよびビューを互換的に指すことがある。たとえば、ビデオデータのビューはビデオデータのレイヤと呼ばれることがあり、ビデオデータのレイヤはビデオデータのビューと呼ばれることがある。さらに、(マルチレイヤビデオコーダまたはマルチレイヤエンコーダデコーダとも呼ばれる)マルチレイヤコーデックは、マルチビューコーデックまたはスケーラブルコーデック(たとえば、MV−HEVC、3D−HEVC、SHVC、または別のマルチレイヤコーディング技法を使用するビデオデータを符号化および/または復号するように構成されたコーデック)を共同で指すことがある。ビデオ符号化およびビデオ復号は両方とも、概して、ビデオコーディングと呼ばれることがある。そのような例は、複数のBL、RL、および/またはELを含む構成に適用可能であり得ることを理解されたい。さらに、説明を簡単にするために、以下の開示は、いくつかの実施形態に関して「フレーム」または「ブロック」という用語を含む。ただし、これらの用語は限定的なものではない。たとえば、以下で説明する技法は、ブロック(たとえば、CU、PU、TU、マクロブロックなど)、スライス、フレームなど、任意の好適なビデオユニットとともに使用され得る。
ビデオコーディング規格
[0022]ビデオ画像、TV画像、静止画像、あるいはビデオレコーダまたはコンピュータによって生成された画像など、デジタル画像は、水平ラインおよび垂直ラインで構成されたピクセルまたはサンプルからなり得る。単一の画像中のピクセルの数は一般に数万個である。各ピクセルは、一般に、ルミナンス情報とクロミナンス情報とを含んでいる。圧縮がなければ、画像エンコーダから画像デコーダに搬送されるべき情報の甚だしい量は、リアルタイム画像送信を不可能にするであろう。送信されるべき情報の量を低減するために、JPEG、MPEGおよびH.263規格など、いくつかの異なる圧縮方法が開発された。
[0023]ビデオコーディング規格は、ITU−T H.261と、ISO/IEC MPEG−1 Visualと、ITU−T H.262またはISO/IEC MPEG−2 Visualと、ITU−T H.263と、ISO/IEC MPEG−4 Visualと、それのSVCおよびMVC拡張を含む(ISO/IEC MPEG−4 AVCとしても知られる)ITU−T H.264とを含む。
[0024]さらに、ビデオコーディング規格、すなわち、HEVCが、ITU−T VCEGとISO/IEC MPEGとのジョイントコラボレーションチームオンビデオコーディング(JCT−VC:Joint Collaboration Team on Video Coding)によって開発されている。HEVCドラフト10についての完全引用は、文書JCTVC−L1003、Brossら、「High Efficiency Video Coding (HEVC) Text Specification Draft 10」、ITU−T SG16 WP3およびISO/IEC JTC1/SC29/WG11のジョイントコラボレーティブチームオンビデオコーディング(JCT−VC)、第12回会合:ジュネーブ、スイス、2013年1月14日〜2013年1月23日である。HEVCのマルチビュー拡張、すなわち、MV−HEVC、およびSHVCと称されるHEVCのスケーラブル拡張も、それぞれJCT−3V(ITU−T/ISO/IECジョイントコラボレーティブチームオン3Dビデオコーディング拡張開発)およびJCT−VCによって開発されている。
ビデオコーディングシステム
[0025]添付の図面を参照しながら新規のシステム、装置、および方法の様々な態様について以下でより十分に説明する。ただし、本開示は、多くの異なる形態で実施され得、本開示全体にわたって提示する任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために与えるものである。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本開示の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する新規のシステム、装置、および方法のいかなる態様をもカバーするものであることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載される態様をいくつ使用しても、装置は実装され得、または方法は実施され得る。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載する本開示の様々な態様に加えてまたはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそのような装置または方法をカバーするものとする。本明細書で開示するどの態様も請求項の1つまたは複数の要素によって実施され得ることを理解されたい。
[0026]本明細書では特定の態様について説明するが、これらの態様の多くの変形および置換は本開示の範囲内に入る。好適な態様のいくつかの利益および利点について説明するが、本開示の範囲は特定の利益、使用、または目的に限定されるものではない。むしろ、本開示の態様は、様々なワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および伝送プロトコルに広く適用可能であるものとし、それらのいくつかを例として、図および好適な態様についての以下の説明において示す。発明を実施するための形態および図面は、本開示を限定するものではなく説明するものにすぎず、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲およびそれの均等物によって定義される。
[0027]添付の図面は例を示している。添付の図面中の参照番号によって示される要素は、以下の説明における同様の参照番号によって示される要素に対応する。本開示では、序数語(たとえば、「第1の」、「第2の」、「第3の」など)で始まる名前を有する要素は、必ずしもそれらの要素が特定の順序を有することを暗示するとは限らない。むしろ、そのような序数語は、同じまたは同様のタイプの異なる要素を指すために使用されるにすぎない。
[0028]図1Aは、本開示で説明する態様による技法を利用し得る例示的なビデオコーディングシステム10を示すブロック図である。本明細書で使用し説明する「ビデオコーダ」という用語は、総称的にビデオエンコーダとビデオデコーダの両方を指す。本開示では、「ビデオコーディング」または「コーディング」という用語は、ビデオ符号化とビデオ復号とを総称的に指すことがある。ビデオエンコーダおよびビデオデコーダに加えて、本出願で説明する態様は、トランスコーダ(たとえば、ビットストリームを復号し、別のビットストリームを再符号化することができるデバイス)およびミドルボックス(たとえば、ビットストリームを変更、変換、および/または場合によっては操作することができるデバイス)など、他の関係するデバイスに拡張され得る。
[0029]図1Aに示されているように、ビデオコーディングシステム10は、宛先デバイス14によって後で復号されるべき符号化ビデオデータを生成するソースデバイス12を含む。図1Aの例では、ソースデバイス12と宛先デバイス14とは別々のデバイス上にあり、詳細には、ソースデバイス12はソースデバイスの一部であり、宛先デバイス14は宛先デバイスの一部である。ただし、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、図1Bの例に示されているように、同じデバイス上にあるかまたはそれの一部であり得ることに留意されたい。
[0030]もう一度図1Aを参照すると、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、それぞれ、デスクトップコンピュータ、ノートブック(たとえば、ラップトップ)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、いわゆる「スマート」フォンなどの電話ハンドセット、いわゆる「スマート」パッド、テレビジョン、カメラ、ディスプレイデバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームコンソール、ビデオストリーミングデバイスなどを含む、広範囲にわたるデバイスのいずれかを備え得る。様々な実施形態では、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、ワイヤレス通信のために装備され得る。
[0031]宛先デバイス14は、復号されるべき符号化ビデオデータをリンク16を介して受信し得る。リンク16は、ソースデバイス12から宛先デバイス14に符号化ビデオデータを移動することが可能な任意のタイプの媒体またはデバイスを備え得る。図1Aの例では、リンク16は、ソースデバイス12が符号化ビデオデータをリアルタイムで宛先デバイス14に直接送信することを可能にするための通信媒体を備え得る。符号化ビデオデータは、ワイヤレス通信プロトコルなどの通信規格に従って変調され、宛先デバイス14に送信され得る。通信媒体は、無線周波数(RF)スペクトルあるいは1つまたは複数の物理伝送線路など、任意のワイヤレスまたはワイヤード通信媒体を備え得る。通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、またはインターネットなどのグローバルネットワークなど、パケットベースネットワークの一部を形成し得る。通信媒体は、ルータ、スイッチ、基地局、またはソースデバイス12から宛先デバイス14への通信を可能にするために有用であり得る任意の他の機器を含み得る。
[0032]代替的に、符号化データは出力インターフェース22から随意のストレージデバイス31に出力され得る。同様に、符号化データは、たとえば、宛先デバイス14の入力インターフェース28によってストレージデバイス31からアクセスされ得る。ストレージデバイス31は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、揮発性または不揮発性メモリ、あるいは符号化ビデオデータを記憶するための任意の他の好適なデジタル記憶媒体など、様々な分散されたまたはローカルにアクセスされるデータ記憶媒体のいずれかを含み得る。さらなる一例では、ストレージデバイス31は、ソースデバイス12によって生成された符号化ビデオを保持し得るファイルサーバまたは別の中間ストレージデバイスに対応し得る。宛先デバイス14は、ストリーミングまたはダウンロードを介してストレージデバイス31から記憶されたビデオデータにアクセスし得る。ファイルサーバは、符号化ビデオデータを記憶し、その符号化ビデオデータを宛先デバイス14に送信することができる任意のタイプのサーバであり得る。例示的なファイルサーバとしては、(たとえば、ウェブサイトのための)ウェブサーバ、ファイル転送プロトコル(FTP)サーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス、またはローカルディスクドライブがある。宛先デバイス14は、インターネット接続を含む、任意の標準のデータ接続を通して符号化ビデオデータにアクセスし得る。これは、ファイルサーバに記憶された符号化ビデオデータにアクセスするのに好適であるワイヤレスチャネル(たとえば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク[WLAN]接続)、ワイヤード接続(たとえば、デジタル加入者回線(DSL)、ケーブルモデムなど)、またはその両方の組合せを含み得る。ストレージデバイス31からの符号化ビデオデータの送信は、ストリーミング送信、ダウンロード送信、またはその両方の組合せであり得る。
[0033]本開示の技法はワイヤレス適用例または設定に限定されない。本技法は、オーバージエアテレビジョン放送、ケーブルテレビジョン送信、衛星テレビジョン送信、たとえばインターネットを介したストリーミングビデオ送信(たとえば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)上での動的適応ストリーミングなど)、データ記憶媒体に記憶するためのデジタルビデオの符号化、データ記憶媒体に記憶されたデジタルビデオの復号、または他の適用例など、様々なマルチメディア適用例のいずれかをサポートするビデオコーディングに適用され得る。いくつかの例では、ビデオコーディングシステム10は、ビデオストリーミング、ビデオ再生、ビデオブロードキャスティング、および/またはビデオテレフォニーなどの適用例をサポートするために、一方向または双方向のビデオ送信をサポートするように構成され得る。
[0034]図1Aの例では、ソースデバイス12は、ビデオソース18と、ビデオエンコーダ20と、出力インターフェース22とを含む。場合によっては、出力インターフェース22は、変調器/復調器(モデム)および/または送信機を含み得る。ソースデバイス12において、ビデオソース18は、ビデオキャプチャデバイス、たとえばビデオカメラ、以前にキャプチャされたビデオを含んでいるビデオアーカイブ、ビデオコンテンツプロバイダからビデオを受信するためのビデオフィードインターフェース、および/またはソースビデオとしてコンピュータグラフィックスデータを生成するためのコンピュータグラフィックスシステムなどのソース、あるいはそのようなソースの組合せを含み得る。一例として、ビデオソース18がビデオカメラである場合、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、図1Bの例に示されているように、いわゆる「カメラフォン」または「ビデオフォン」を形成し得る。ただし、本開示で説明する技法は、概してビデオコーディングに適用可能であり得、ワイヤレスおよび/またはワイヤード適用例に適用され得る。
[0035]キャプチャされたビデオ、以前にキャプチャされたビデオ、またはコンピュータ生成されたビデオは、ビデオエンコーダ20によって符号化され得る。符号化ビデオデータは、ソースデバイス12の出力インターフェース22を介して宛先デバイス14に直接送信され得る。符号化ビデオデータは、さらに(または代替として)、復号および/または再生のための宛先デバイス14または他のデバイスによる後のアクセスのためにストレージデバイス31上に記憶され得る。図1Aおよび図1Bに示されているビデオエンコーダ20は、図2A示されているビデオエンコーダ20、図2Bに示されているビデオエンコーダ23、または本明細書で説明する他のビデオエンコーダを備え得る。
[0036]図1Aの例では、宛先デバイス14は、入力インターフェース28と、ビデオデコーダ30と、ディスプレイデバイス32とを含む。場合によっては、入力インターフェース28は、受信機および/またはモデムを含み得る。宛先デバイス14の入力インターフェース28は、リンク16を介しておよび/またはストレージデバイス31から符号化ビデオデータを受信し得る。リンク16を介して通信され、またはストレージデバイス31上に与えられた符号化ビデオデータは、ビデオデータを復号する際に、ビデオデコーダ30などのビデオデコーダが使用するためのビデオエンコーダ20によって生成される様々なシンタックス要素を含み得る。そのようなシンタックス要素は、通信媒体上で送信された、記憶媒体上に記憶された、またはファイルサーバ上に記憶された符号化ビデオデータに含まれ得る。図1Aおよび図1Bに示されているビデオデコーダ30は、図3A示されているビデオデコーダ30、図3Bに示されているビデオデコーダ33、または本明細書で説明する他のビデオデコーダを備え得る。
[0037]ディスプレイデバイス32は、宛先デバイス14と一体化されるかまたはその外部にあり得る。いくつかの例では、宛先デバイス14は、一体型ディスプレイデバイスを含み、また、外部ディスプレイデバイスとインターフェースするように構成され得る。他の例では、宛先デバイス14はディスプレイデバイスであり得る。概して、ディスプレイデバイス32は、復号ビデオデータをユーザに対して表示し、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別のタイプのディスプレイデバイスなど、様々なディスプレイデバイスのいずれかを備え得る。
[0038]関係する態様では、図1Bは例示的なビデオ符号化および復号システム10’を示し、ここにおいて、ソースデバイス12および宛先デバイス14はデバイス11上にあるかまたはそれの一部である。デバイス11は、「スマート」フォンなどの電話ハンドセットであり得る。デバイス11は、ソースデバイス12および宛先デバイス14と動作可能に通信している随意のプロセッサ/コントローラデバイス13を含み得る。図1Bのシステム10’およびそれの構成要素は、場合によっては図1Aのシステム10およびそれの構成要素と同様である。
[0039]ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、HEVC規格などのビデオ圧縮規格に従って動作し得、HEVCテストモデル(HM)に準拠し得る。代替的に、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、代替的にMPEG−4,Part10,AVCと呼ばれるITU−T H.264規格など、他のプロプライエタリ規格または業界規格、またはそのような規格の拡張に従って動作し得る。ただし、本開示の技法は、いかなる特定のコーディング規格にも限定されない。ビデオ圧縮規格の他の例としては、MPEG−2およびITU−T H.263がある。
[0040]図1Aおよび図1Bの例には示されていないが、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、それぞれオーディオエンコーダおよびデコーダと統合され得、共通のデータストリームまたは別個のデータストリーム中のオーディオとビデオの両方の符号化を処理するために、適切なMUX−DEMUXユニット、または他のハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。適用可能な場合、いくつかの例では、MUX−DEMUXユニットは、ITU H.223マルチプレクサプロトコル、またはユーザデータグラムプロトコル(UDP)などの他のプロトコルに準拠し得る。
[0041]ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30はそれぞれ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアなど、様々な好適なエンコーダ回路のいずれか、またはそれらの任意の組合せとして実装され得る。本技法が部分的にソフトウェアで実装されるとき、デバイスは、好適な非一時的コンピュータ可読媒体にソフトウェアのための命令を記憶し、1つまたは複数のプロセッサを使用してその命令をハードウェアで実行して、本開示の技法を実施し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30の各々は1つまたは複数のエンコーダまたはデコーダ中に含まれ得、そのいずれも、それぞれのデバイスにおいて複合エンコーダ/デコーダ(たとえば、コーデック)の一部として統合され得る。
ビデオコーディングプロセス
[0042]上記で手短に述べたように、ビデオエンコーダ20はビデオデータを符号化する。ビデオデータは1つまたは複数のピクチャを備え得る。ピクチャの各々は、ビデオの一部を形成する静止画像である。いくつかの事例では、ピクチャはビデオ「フレーム」と呼ばれることがある。ビデオエンコーダ20がビデオデータを符号化するとき、ビデオエンコーダ20はビットストリームを生成し得る。ビットストリームは、ビデオデータのコード化表現を形成するビットのシーケンスを含み得る。ビットストリームはコード化ピクチャと関連データとを含み得る。コード化ピクチャとは、ピクチャのコード化表現である。
[0043]ビットストリームを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ビデオデータ中の各ピクチャに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20がピクチャに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、一連のコード化ピクチャと関連データとを生成し得る。関連データは、ビデオパラメータセット(VPS)と、シーケンスパラメータセット(SPS)と、ピクチャパラメータセット(PPS)と、適応パラメータセット(APS)と、他のシンタックス構造とを含み得る。SPSは、ピクチャの0個以上のシーケンスに適用可能なパラメータを含んでいることがある。PPSは、0個以上のピクチャに適用可能なパラメータを含んでいることがある。APSは、0個以上のピクチャに適用可能なパラメータを含んでいることがある。APS中のパラメータは、PPS中のパラメータよりも変化する可能性が高いパラメータであり得る。
[0044]コード化ピクチャを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ピクチャを等しいサイズのビデオブロックに区分し得る。ビデオブロックはサンプルの2次元アレイであり得る。ビデオブロックの各々はツリーブロックに関連付けられる。いくつかの事例では、ツリーブロックは、最大コーディングユニット(LCU:largest coding unit)と呼ばれることがある。HEVCのツリーブロックは、H.264/AVCなど、以前の規格のマクロブロックに広い意味で類似し得る。しかしながら、ツリーブロックは、必ずしも特定のサイズに限定されるとは限らず、1つまたは複数のコーディングユニット(CU)を含み得る。ビデオエンコーダ20は、4分木区分(quadtree partitioning)を使用して、ツリーブロックのビデオブロックを、CUに関連付けられたビデオブロックに区分し得、したがって「ツリーブロック」という名前がある。
[0045]いくつかの例では、ビデオエンコーダ20はピクチャを複数のスライスに区分し得る。スライスの各々は整数個のCUを含み得る。いくつかの事例では、スライスは整数個のツリーブロックを備える。他の事例では、スライスの境界はツリーブロック内にあり得る。
[0046]ピクチャに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各スライスに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20がスライスに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、スライスに関連付けられた符号化データを生成し得る。スライスに関連付けられた符号化データは「コード化スライス」と呼ばれることがある。
[0047]コード化スライスを生成するために、ビデオエンコーダ20は、スライス中の各ツリーブロックに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20がツリーブロックに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20はコード化ツリーブロックを生成し得る。コード化ツリーブロックは、ツリーブロックの符号化バージョンを表すデータを備え得る。
[0048]ビデオエンコーダ20がコード化スライスを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、ラスタ走査順序に従って、スライス中のツリーブロックに対して符号化演算を実施し得る(たとえば、そのツリーブロックを符号化し得る)。たとえば、ビデオエンコーダ20は、スライス中のツリーブロックの一番上の行にわたって左から右に進み、次いでツリーブロックの次の下の行にわたって左から右に進み、以下同様に進む順序で、ビデオエンコーダ20がスライス中のツリーブロックの各々を符号化するまで、スライスのツリーブロックを符号化し得る。
[0049]ラスタ走査順序に従ってツリーブロックを符号化した結果として、所与のツリーブロックの上および左のツリーブロックは符号化されていることがあるが、所与のツリーブロックの下および右のツリーブロックはまだ符号化されていない。したがって、ビデオエンコーダ20は、所与のツリーブロックを符号化するとき、所与のツリーブロックの上および左のツリーブロックを符号化することによって生成された情報にアクセスすることが可能であり得る。しかしながら、ビデオエンコーダ20は、所与のツリーブロックを符号化するとき、所与のツリーブロックの下および右のツリーブロックを符号化することによって生成された情報にアクセスすることができないことがある。
[0050]コード化ツリーブロックを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックのビデオブロックに対して4分木区分を再帰的に実施して、ビデオブロックを徐々により小さいビデオブロックに分割し得る。より小さいビデオブロックの各々は、異なるCUに関連付けられ得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックのビデオブロックを4つの等しいサイズのサブブロックに区分し、サブブロックのうちの1つまたは複数を、4つの等しいサイズのサブサブブロックに区分し得、以下同様である。区分されたCUは、それのビデオブロックが、他のCUに関連付けられたビデオブロックに区分された、CUであり得る。区分されていないCUは、それのビデオブロックが、他のCUに関連付けられたビデオブロックに区分されていない、CUであり得る。
[0051]ビットストリーム中の1つまたは複数のシンタックス要素は、ビデオエンコーダ20がツリーブロックのビデオブロックを区分し得る最大の回数を示し得る。CUのビデオブロックは形状が正方形であり得る。CUのビデオブロックのサイズ(たとえば、CUのサイズ)は、8×8ピクセルから、最大64×64以上のピクセルをもつツリーブロックのビデオブロックのサイズ(たとえば、ツリーブロックのサイズ)までに及び得る。
[0052]ビデオエンコーダ20は、z走査順序に従って、ツリーブロックの各CUに対して符号化演算を実施し得る(たとえば、各CUを符号化し得る)。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、左上のCUと、右上のCUと、左下のCUと、次いで右下のCUとを、その順序で符号化し得る。ビデオエンコーダ20が、区分されたCUに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、z走査順序に従って、区分されたCUのビデオブロックのサブブロックに関連付けられたCUを符号化し得る。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、左上のサブブロックに関連付けられたCUと、右上のサブブロックに関連付けられたCUと、左下のサブブロックに関連付けられたCUと、次いで右下のサブブロックに関連付けられたCUとを、その順序で符号化し得る。
[0053]z走査順序に従ってツリーブロックのCUを符号化した結果として、所与のCUの上、左上、右上、左、および左下のCUは符号化されていることがある。所与のCUの下および右のCUはまだ符号化されていない。したがって、ビデオエンコーダ20は、所与のCUを符号化するとき、所与のCUに隣接するいくつかのCUを符号化することによって生成された情報にアクセスすることが可能であり得る。しかしながら、ビデオエンコーダ20は、所与のCUを符号化するとき、所与のCUに隣接する他のCUを符号化することによって生成された情報にアクセスすることができないことがある。
[0054]ビデオエンコーダ20が、区分されていないCUを符号化するとき、ビデオエンコーダ20は、CUのために1つまたは複数の予測ユニット(PU)を生成し得る。CUのPUの各々は、CUのビデオブロック内の異なるビデオブロックに関連付けられ得る。ビデオエンコーダ20は、CUの各PUについて予測ビデオブロックを生成し得る。PUの予測ビデオブロックはサンプルのブロックであり得る。ビデオエンコーダ20は、イントラ予測またはインター予測を使用して、PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。
[0055]ビデオエンコーダ20がイントラ予測を使用してPUの予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、PUに関連付けられたピクチャの復号サンプルに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。ビデオエンコーダ20がイントラ予測を使用してCUのPUの予測ビデオブロックを生成する場合、CUはイントラ予測されたCUである。ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してPUの予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、PUに関連付けられたピクチャ以外の1つまたは複数のピクチャの復号サンプルに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してCUのPUの予測ビデオブロックを生成する場合、CUはインター予測されたCUである。
[0056]さらに、ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してPUのための予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20はPUの動き情報を生成し得る。PUの動き情報は、PUの1つまたは複数の参照ブロックを示し得る。PUの各参照ブロックは参照ピクチャ内のビデオブロックであり得る。参照ピクチャはPUに関連付けられたピクチャ以外のピクチャであり得る。いくつかの事例では、PUの参照ブロックはPUの「参照サンプル」と呼ばれることもある。ビデオエンコーダ20は、PUの参照ブロックに基づいて、PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。
[0057]ビデオエンコーダ20がCUの1つまたは複数のPUのための予測ビデオブロックを生成した後、ビデオエンコーダ20は、CUのPUのための予測ビデオブロックに基づいて、CUの残差データを生成し得る。CUの残差データは、CUのPUのための予測ビデオブロック中のサンプルと、CUの元のビデオブロック中のサンプルとの間の差を示し得る。
[0058]さらに、区分されていないCUに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、CUの残差データに対して再帰的な4分木区分を実施して、CUの残差データを、CUの変換ユニット(TU)に関連付けられた残差データの1つまたは複数のブロック(たとえば、残差ビデオブロック)に区分し得る。CUの各TUは異なる残差ビデオブロックに関連付けられ得る。
[0059]ビデオエンコーダ20は、TUに関連付けられた変換係数ブロック(たとえば、変換係数のブロック)を生成するために、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに1つまたは複数の変換を適用し得る。概念的に、変換係数ブロックは変換係数の2次元(2D)行列であり得る。
[0060]変換係数ブロックを生成した後、ビデオエンコーダ20は、変換係数ブロックに対して量子化プロセスを実施し得る。量子化は、一般に、変換係数を表すために使用されるデータの量をできるだけ低減するために変換係数が量子化され、さらなる圧縮を行うプロセスを指す。量子化プロセスは、変換係数の一部または全部に関連付けられたビット深度を低減し得る。たとえば、量子化中にnビットの変換係数がmビットの変換係数に切り捨てられることがあり、ここで、nはmよりも大きい。
[0061]ビデオエンコーダ20は、各CUを量子化パラメータ(QP:quantization parameter)値に関連付け得る。CUに関連付けられたQP値は、ビデオエンコーダ20が、CUに関連付けられた変換係数ブロックをどのように量子化するかを決定し得る。ビデオエンコーダ20は、CUに関連付けられたQP値を調整することによって、CUに関連付けられた変換係数ブロックに適用される量子化の程度を調整し得る。
[0062]ビデオエンコーダ20が変換係数ブロックを量子化した後、ビデオエンコーダ20は、量子化された変換係数ブロック中で変換係数を表すシンタックス要素のセットを生成し得る。ビデオエンコーダ20は、これらのシンタックス要素のうちのいくつかに、コンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(CABAC:Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)演算などのエントロピー符号化演算を適用し得る。コンテキスト適応型可変長コーディング(CAVLC:context adaptive variable length coding)、確率間隔区分エントロピー(PIPE:probability interval partitioning entropy)コーディング、または他のバイナリ算術コーディングなど、他のエントロピーコーディング技法も使用され得る。
[0063]ビデオエンコーダ20によって生成されるビットストリームは、一連のネットワークアブストラクションレイヤ(NAL)ユニットを含み得る。NALユニットの各々は、NALユニット中のデータのタイプの指示と、データを含んでいるバイトとを含んでいるシンタックス構造であり得る。たとえば、NALユニットは、ビデオパラメータセット、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、コード化スライス、補足エンハンスメント情報(SEI:supplemental enhancement information)、アクセスユニット区切り文字、フィラーデータ、または別のタイプのデータを表すデータを含み得る。NALユニット中のデータは様々なシンタックス構造を含み得る。
[0064]ビデオデコーダ30は、ビデオエンコーダ20によって生成されたビットストリームを受信し得る。ビットストリームは、ビデオエンコーダ20によって符号化されたビデオデータのコード化表現を含み得る。ビデオデコーダ30がビットストリームを受信するとき、ビデオデコーダ30は、ビットストリームに対してパース演算を実施し得る。ビデオデコーダ30がパース演算を実施するとき、ビデオデコーダ30は、ビットストリームからシンタックス要素を抽出し得る。ビデオデコーダ30は、ビットストリームから抽出されたシンタックス要素に基づいて、ビデオデータのピクチャを再構成し得る。シンタックス要素に基づいてビデオデータを再構成するためのプロセスは、一般に、シンタックス要素を生成するためにビデオエンコーダ20によって実施されるプロセスとは逆であり得る。
[0065]ビデオデコーダ30がCUに関連付けられたシンタックス要素を抽出した後、ビデオデコーダ30は、シンタックス要素に基づいて、CUのPUのための予測ビデオブロックを生成し得る。さらに、ビデオデコーダ30は、CUのTUに関連付けられた変換係数ブロックを逆量子化し得る。ビデオデコーダ30は、変換係数ブロックに対して逆変換を実施して、CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックを再構成し得る。予測ビデオブロックを生成し、残差ビデオブロックを再構成した後、ビデオデコーダ30は、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとに基づいて、CUのビデオブロックを再構成し得る。このようにして、ビデオデコーダ30は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、CUのビデオブロックを再構成し得る。
ビデオエンコーダ
[0066]図2Aは、本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオエンコーダの一例を示すブロック図である。ビデオエンコーダ20は、HEVCの場合など、ビデオフレームの単一のレイヤを処理するように構成され得る。さらに、ビデオエンコーダ20は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。一例として、予測処理ユニット100は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。別の実施形態では、ビデオエンコーダ20は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成された随意のレイヤ間予測ユニット128を含む。他の実施形態では、レイヤ間予測は予測処理ユニット100(たとえば、インター予測ユニット121および/またはイントラ予測ユニット126)によって実施され得、その場合、レイヤ間予測ユニット128は省略され得る。ただし、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの例では、本開示で説明する技法は、ビデオエンコーダ20の様々な構成要素間で共有され得る。いくつかの例では、追加または代替として、プロセッサ(図示せず)が、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[0067]説明の目的で、本開示では、HEVCコーディングのコンテキストにおいてビデオエンコーダ20について説明する。しかしながら、本開示の技法は、他のコーディング規格または方法にも適用可能であり得る。図2Aに示された例はシングルレイヤコーデックのためのものである。しかしながら、図2Bに関してさらに説明するように、ビデオエンコーダ20の一部または全部はマルチレイヤコーデックの処理のために複製され得る。
[0068]ビデオエンコーダ20は、ビデオスライス内のビデオブロックのイントラコーディングおよびインターコーディングを実施し得る。イントラコーディングは、所与のビデオフレームまたはピクチャ内のビデオの空間冗長性を低減または除去するために空間予測に依拠する。インターコーディングは、ビデオシーケンスの隣接フレームまたはピクチャ内のビデオの時間冗長性を低減または除去するために時間予測に依拠する。イントラモード(Iモード)は、いくつかの空間ベースコーディングモードのいずれかを指すことがある。単方向予測(Pモード)または双方向予測(Bモード)などのインターモードは、いくつかの時間ベースのコーディングモードのいずれかを指すことがある。
[0069]図2Aの例では、ビデオエンコーダ20は複数の機能構成要素を含む。ビデオエンコーダ20の機能構成要素は、予測処理ユニット100と、残差生成ユニット102と、変換処理ユニット104と、量子化ユニット106と、逆量子化ユニット108と、逆変換ユニット110と、再構成ユニット112と、フィルタユニット113と、復号ピクチャバッファ114と、エントロピー符号化ユニット116とを含む。予測処理ユニット100は、インター予測ユニット121と、動き推定ユニット122と、動き補償ユニット124と、イントラ予測ユニット126と、レイヤ間予測ユニット128とを含む。他の例では、ビデオエンコーダ20は、より多数の、より少数の、または異なる機能構成要素を含み得る。さらに、動き推定ユニット122と動き補償ユニット124とは、高度に統合され得るが、図2Aの例では、説明の目的で別々に表されている。
[0070]ビデオエンコーダ20はビデオデータを受信し得る。ビデオエンコーダ20は、様々なソースからビデオデータを受信し得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、(たとえば、図1Aまたは図1Bに示された)ビデオソース18、または別のソースからビデオデータを受信し得る。ビデオデータは一連のピクチャを表し得る。ビデオデータを符号化するために、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各々に対して符号化演算を実施し得る。ピクチャに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各スライスに対して符号化演算を実施し得る。スライスに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、スライス中のツリーブロックに対して符号化演算を実施し得る。
[0071]ツリーブロックに対して符号化演算を実施することの一部として、予測処理ユニット100は、ツリーブロックのビデオブロックに対して4分木区分を実施して、ビデオブロックを徐々により小さいビデオブロックに分割し得る。より小さいビデオブロックの各々は、異なるCUに関連付けられ得る。たとえば、予測処理ユニット100は、ツリーブロックのビデオブロックを4つの等しいサイズのサブブロックに区分し、サブブロックの1つまたは複数を、4つの等しいサイズのサブサブブロックに区分し得、以下同様である。
[0072]CUに関連付けられたビデオブロックのサイズは、8×8サンプルから、最大64×64以上のサンプルをもつツリーブロックのサイズまでに及び得る。本開示では、「N×N(NxN)」および「N×N(N by N)」は、垂直寸法および水平寸法に関するビデオブロックのサンプル寸法、たとえば、16×16(16x16)サンプルまたは16×16(16 by 16)サンプルを指すために互換的に使用され得る。概して、16×16ビデオブロックは、垂直方向に16個のサンプルを有し(y=16)、水平方向に16個のサンプルを有する(x=16)。同様に、N×Nブロックは、概して、垂直方向にN個のサンプルを有し、水平方向にN個のサンプルを有し、ここで、Nは非負整数値を表す。
[0073]さらに、ツリーブロックに対して符号化演算を実施することの一部として、予測処理ユニット100は、ツリーブロック用の階層的な4分木データ構造を生成し得る。たとえば、ツリーブロックは、4分木データ構造のルートノードに対応し得る。予測処理ユニット100が、ツリーブロックのビデオブロックを4つのサブブロックに区分する場合、ルートノードは、4分木データ構造中に4つの子ノードを有する。子ノードの各々は、サブブロックのうちの1つに関連付けられたCUに対応する。予測処理ユニット100が、サブブロックのうちの1つを4つのサブサブブロックに区分する場合、サブブロックに関連付けられたCUに対応するノードは、サブサブブロックのうちの1つに関連付けられたCUに各々が対応する、4つの子ノードを有し得る。
[0074]4分木データ構造の各ノードは、対応するツリーブロックまたはCUのシンタックスデータ(たとえば、シンタックス要素)を含み得る。たとえば、4分木の中のノードは、そのノードに対応するCUのビデオブロックが4つのサブブロックに区分される(たとえば、分割される)かどうかを示すスプリットフラグを含み得る。CUのためのシンタックス要素は、再帰的に定義され得、CUのビデオブロックがサブブロックに分割されるかどうかに依存し得る。それのビデオブロックが区分されていないCUは、4分木データ構造におけるリーフノードに対応し得る。コード化ツリーブロックは、対応するツリーブロック用の4分木データ構造に基づくデータを含み得る。
[0075]ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックの区分されていない各CUに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20が、区分されていないCUに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、区分されていないCUの符号化表現を表すデータを生成する。
[0076]CUに対して符号化演算を実施することの一部として、予測処理ユニット100は、CUの1つまたは複数のPUの中で、CUのビデオブロックを区分し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、様々なPUサイズをサポートし得る。特定のCUのサイズが2N×2Nであると仮定すると、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、2N×2NまたはN×NのPUサイズと、2N×2N、2N×N、N×2N、N×N、2N×nU、nL×2N、nR×2N、または同様の対称PUサイズでのインター予測とをサポートし得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、2N×nU、2N×nD、nL×2N、およびnR×2NのPUサイズに対する非対称区分をもサポートし得る。いくつかの例では、予測処理ユニット100は、CUのビデオブロックの辺に直角に接触しない境界に沿って、CUのPUの間でCUのビデオブロックを区分するように、幾何学的な区分を実施し得る。
[0077]インター予測ユニット121はCUの各PUに対してインター予測を実施し得る。インター予測は時間圧縮を実現し得る。PUに対してインター予測を実施するために、動き推定ユニット122はPUの動き情報を生成し得る。動き補償ユニット124は、動き情報と、CUに関連付けられたピクチャ以外のピクチャ(たとえば、参照ピクチャ)の復号サンプルと基づくPUのための予測ビデオブロックを生成し得る。本開示では、動き補償ユニット124によって生成された予測ビデオブロックは、インター予測ビデオブロックと呼ばれることがある。
[0078]スライスは、Iスライス、Pスライス、またはBスライスであり得る。動き推定ユニット122および動き補償ユニット124は、PUがIスライス中にあるか、Pスライス中にあるか、Bスライス中にあるかに応じて、CUのPUに対して異なる演算を実施し得る。Iスライス中では、すべてのPUがイントラ予測される。したがって、PUがIスライス中にある場合、動き推定ユニット122および動き補償ユニット124は、PUに対してインター予測を実施しない。
[0079]PUがPスライス中にある場合、PUを含んでいるピクチャは、「リスト0」と呼ばれる参照ピクチャのリストに関連付けられる。リスト0中の参照ピクチャの各々は、他のピクチャのインター予測に使用され得るサンプルを含んでいる。動き推定ユニット122が、Pスライス中のPUに関して動き推定演算を実施するとき、動き推定ユニット122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0中の参照ピクチャを探索し得る。PUの参照ブロックは、PUのビデオブロック中のサンプルに最も密接に対応するサンプルのセット、たとえば、サンプルのブロックであり得る。動き推定ユニット122は、様々なメトリックを使用して、参照ピクチャ中のサンプルのセットがどの程度密接にPUのビデオブロック中のサンプルに対応するかを決定し得る。たとえば、動き推定ユニット122は、絶対差分和(SAD:sum of absolute difference)、2乗差分和(SSD:sum of square difference)、または他の差分メトリックによって、参照ピクチャ中のサンプルのセットがどの程度密接にPUのビデオブロック中のサンプルに対応するかを決定し得る。
[0080]Pスライス中のPUの参照ブロックを識別した後、動き推定ユニット122は、参照ブロックを含んでいる、リスト0中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、PUと参照ブロックとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。様々な例において、動き推定ユニット122は動きベクトルを異なる精度に生成し得る。たとえば、動き推定ユニット122は、1/4サンプル精度、1/8サンプル精度、または他の分数のサンプル精度で動きベクトルを生成し得る。分数のサンプル精度の場合、参照ブロック値は、参照ピクチャ中の整数位置のサンプル値から補間され得る。動き推定ユニット122は、PUの動き情報として、参照インデックスと動きベクトルとを出力し得る。動き補償ユニット124は、PUの動き情報によって識別された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0081]PUがBスライス中にある場合、PUを含んでいるピクチャは、「リスト0」および「リスト1」と呼ばれる参照ピクチャの2つのリストに関連付けられ得る。いくつかの例では、Bスライスを含んでいるピクチャは、リスト0とリスト1の組合せである、リストの組合せに関連付けられ得る。
[0082]さらに、PUがBスライス中にある場合、動き推定ユニット122は、PUについての単方向予測または双方向予測を実施し得る。動き推定ユニット122が、PUについての単方向予測を実施するとき、動き推定ユニット122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0またはリスト1の参照ピクチャを探索し得る。動き推定ユニット122は、次いで、参照ブロックを含んでいる、リスト0またはリスト1中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、PUと参照ブロックとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。動き推定ユニット122は、PUの動き情報として、参照インデックスと、予測方向インジケータと、動きベクトルとを出力し得る。予測方向インジケータは、参照インデックスが、リスト0中の参照ピクチャを示すか、リスト1中の参照ピクチャを示すかを示し得る。動き補償ユニット124は、PUの動き情報によって示された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0083]動き推定ユニット122が、PUについての双方向予測を実施するとき、動き推定ユニット122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0中の参照ピクチャを探索し得、また、PUのための別の参照ブロックについて、リスト1中の参照ピクチャを探索し得る。動き推定ユニット122は、次いで、参照ブロックを含んでいる、リスト0およびリスト1中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、参照ブロックとPUの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。動き推定ユニット122は、PUの動き情報としてPUの参照インデックスと動きベクトルとを出力し得る。動き補償ユニット124は、PUの動き情報によって示された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0084]いくつかの事例では、動き推定ユニット122は、PUの動き情報のフルセットをエントロピー符号化ユニット116に出力しない。そうではなく、動き推定ユニット122は、別のPUの動き情報を参照して、PUの動き情報をシグナリングし得る。たとえば、動き推定ユニット122は、PUの動き情報が、隣接PUの動き情報と十分に類似していると決定し得る。この例では、動き推定ユニット122は、PUに関連付けられたシンタックス構造において、PUが隣接PUと同じ動き情報を有することをビデオデコーダ30に示す値を示し得る。別の例では、動き推定ユニット122は、PUに関連付けられたシンタックス構造において、隣接PUと動きベクトル差分(MVD:motion vector difference)とを識別し得る。動きベクトル差分は、PUの動きベクトルと、示される隣接PUの動きベクトルとの間の差分を示す。ビデオデコーダ30は、示される隣接PUの動きベクトルと、動きベクトル差分とを使用して、PUの動きベクトルを決定し得る。第2のPUの動き情報をシグナリングするときに第1のPUの動き情報を参照することによって、ビデオエンコーダ20は、より少数のビットを使用して、第2のPUの動き情報をシグナリングすることが可能であり得る。
[0085]CUに対して符号化演算を実施することの一部として、イントラ予測ユニット126は、CUのPUに対してイントラ予測を実施し得る。イントラ予測は空間圧縮を実現し得る。イントラ予測ユニット126がPUに対してイントラ予測を実施するとき、イントラ予測ユニット126は、同じピクチャ中の他のPUの復号サンプルに基づいて、PUの予測データを生成し得る。PUの予測データは、予測ビデオブロックと様々なシンタックス要素とを含み得る。イントラ予測ユニット126は、Iスライス、Pスライス、およびBスライス中のPUに対してイントラ予測を実施し得る。
[0086]PUに対してイントラ予測を実施するために、イントラ予測ユニット126は、複数のイントラ予測モードを使用して、PUの予測データの複数のセットを生成し得る。イントラ予測ユニット126が、イントラ予測モードを使用してPUの予測データのセットを生成するとき、イントラ予測ユニット126は、イントラ予測モードに関連付けられた方向および/または勾配で、隣接PUのビデオブロックからPUのビデオブロックにわたって、サンプルを延ばし得る。隣接PUは、PU、CU、およびツリーブロックについて左から右、上から下の符号化順序を仮定すると、PUの上、右上、左上、または左にあり得る。イントラ予測ユニット126は、PUのサイズに応じて、様々な数のイントラ予測モード、たとえば、33個の方向性イントラ予測モードを使用し得る。
[0087]予測処理ユニット100は、PUについての、動き補償ユニット124によって生成された予測データ、またはPUについての、イントラ予測ユニット126によって生成された予測データの中から、PUの予測データを選択し得る。いくつかの例では、予測処理ユニット100は、予測データのセットのレート/ひずみメトリックに基づいて、PUのための予測データを選択する。
[0088]予測処理ユニット100が、イントラ予測ユニット126によって生成された予測データを選択する場合、予測処理ユニット100は、PUの予測データを生成するために使用されたイントラ予測モード、たとえば、選択されたイントラ予測モードをシグナリングし得る。予測処理ユニット100は、選択されたイントラ予測モードを様々な方法でシグナリングし得る。たとえば、選択されたイントラ予測モードは、隣接PUのイントラ予測モードと同じであることがあり得る。言い換えれば、隣接PUのイントラ予測モードは現在PUに対して最確モードであり得る。したがって、予測処理ユニット100は、選択されたイントラ予測モードが隣接PUのイントラ予測モードと同じであることを示すための、シンタックス要素を生成し得る。
[0089]上記で説明したように、ビデオエンコーダ20はレイヤ間予測ユニット128を含み得る。レイヤ間予測ユニット128は、SVCにおいて利用可能である1つまたは複数の異なるレイヤ(たとえば、BLまたはRL)を使用して、現在ブロック(たとえば、EL中の現在ブロック)を予測するように構成される。そのような予測はレイヤ間予測と呼ばれることがある。レイヤ間予測ユニット128は、レイヤ間冗長性を低減するために予測方法を利用し、それによって、コーディング効率を改善し、計算リソース要件を低減する。レイヤ間予測のいくつかの例としては、レイヤ間イントラ予測、レイヤ間動き予測、およびレイヤ間残差予測がある。レイヤ間イントラ予測は、BL中のコロケートブロックの再構成を使用してEL中の現在ブロックを予測する。レイヤ間動き予測は、BLの動き情報を使用してEL中の動作を予測する。レイヤ間残差予測は、BLの残差を使用してELの残差を予測する。レイヤ間予測方式の各々について、より詳細に以下で説明する。
[0090]予測処理ユニット100がCUのPUの予測データを選択した後、残差生成ユニット102は、CUのビデオブロックからCUのPUの予測ビデオブロックを差し引くこと(たとえば、マイナス符号によって示される)によって、CUの残差データを生成し得る。CUの残差データは、CUのビデオブロック中のサンプルの異なるサンプル成分に対応する、2D残差ビデオブロックを含み得る。たとえば、残差データは、CUのPUの予測ビデオブロック中のサンプルのルミナンス成分と、CUの元のビデオブロック中のサンプルのルミナンス成分との間の差分に対応する、残差ビデオブロックを含み得る。さらに、CUの残差データは、CUのPUの予測ビデオブロック中のサンプルのクロミナンス成分と、CUの元のビデオブロック中のサンプルのクロミナンス成分との間の差分に対応する、残差ビデオブロックを含み得る。
[0091]予測処理ユニット100は、4分木区分を実施して、CUの残差ビデオブロックをサブブロックに区分し得る。各分割されていない残差ビデオブロックは、CUの異なるTUに関連付けられ得る。CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックのサイズおよび位置は、CUのPUに関連付けられたビデオブロックのサイズおよび位置に基づくことも基づかないこともある。「残差4分木」(RQT:residual quad tree)として知られる4分木構造は、残差ビデオブロックの各々に関連付けられたノードを含み得る。CUのTUはRQTのリーフノードに対応し得る。
[0092]変換処理ユニット104は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに1つまたは複数の変換を適用することによって、CUの各TUのための1つまたは複数の変換係数ブロックを生成し得る。変換係数ブロックの各々は、変換係数の2D行列であり得る。変換処理ユニット104は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに様々な変換を適用し得る。たとえば、変換処理ユニット104は、離散コサイン変換(DCT)、方向性変換、または概念的に同様の変換を、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに適用し得る。
[0093]変換処理ユニット104が、TUに関連付けられた変換係数ブロックを生成した後、量子化ユニット106は、変換係数ブロック中の変換係数を量子化し得る。量子化ユニット106は、CUに関連付けられたQP値に基づいて、CUのTUに関連付けられた変換係数ブロックを量子化し得る。
[0094]ビデオエンコーダ20は、様々な方法でQP値をCUに関連付け得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、CUに関連付けられたツリーブロックに対してレートひずみ分析を実施し得る。レートひずみ分析では、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックに対して符号化演算を複数回実施することによって、ツリーブロックの複数のコード化表現を生成し得る。ビデオエンコーダ20がツリーブロックの異なる符号化表現を生成するとき、ビデオエンコーダ20は、異なるQP値をCUに関連付け得る。ビデオエンコーダ20は、最小のビットレートおよびひずみメトリックを有するツリーブロックのコード化表現で所与のQP値がCUに関連付けられるとき、所与のQP値がCUに関連付けられることをシグナリングし得る。
[0095]逆量子化ユニット108および逆変換ユニット110は、それぞれ、変換係数ブロックに逆量子化と逆変換とを適用して、変換係数ブロックから残差ビデオブロックを再構成し得る。再構成ユニット112は、再構成された残差ビデオブロックを、予測処理ユニット100によって生成された1つまたは複数の予測ビデオブロックからの対応するサンプルに追加して、TUに関連付けられた再構成されたビデオブロックを生成し得る。このようにCUの各TUのためのビデオブロックを再構成することによって、ビデオエンコーダ20は、CUのビデオブロックを再構成し得る。
[0096]再構成ユニット112がCUのビデオブロックを再構成した後、フィルタユニット113は、CUに関連付けられたビデオブロックにおけるブロッキングアーティファクトを低減するためにデブロッキング演算を実施し得る。1つまたは複数のデブロッキング演算を実施した後、フィルタユニット113は、復号ピクチャバッファ114にCUの再構成されたビデオブロックを記憶し得る。動き推定ユニット122および動き補償ユニット124は、再構成されたビデオブロックを含んでいる参照ピクチャを使用して、後続ピクチャのPUに対してインター予測を実施し得る。さらに、イントラ予測ユニット126は、復号ピクチャバッファ114中の再構成されたビデオブロックを使用して、CUと同じピクチャの中の他のPUに対してイントラ予測を実施し得る。
[0097]エントロピー符号化ユニット116は、ビデオエンコーダ20の他の機能構成要素からデータを受信し得る。たとえば、エントロピー符号化ユニット116は、量子化ユニット106から変換係数ブロックを受信し得、予測処理ユニット100からシンタックス要素を受信し得る。エントロピー符号化ユニット116がデータを受信するとき、エントロピー符号化ユニット116は、1つまたは複数のエントロピー符号化演算を実施して、エントロピー符号化されたデータを生成し得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、CAVLC演算、CABAC演算、変数間(V2V:variable-to-variable)レングスコーディング演算、シンタックスベースコンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(SBAC:syntax-based context-adaptive binary arithmetic coding)演算、確率間隔区分エントロピー(PIPE)コーディング演算、または別のタイプのエントロピー符号化演算をデータに対して実施し得る。エントロピー符号化ユニット116は、エントロピー符号化されたデータを含むビットストリームを出力し得る。
[0098]データに対してエントロピー符号化演算を実施することの一部として、エントロピー符号化ユニット116は、コンテキストモデルを選択し得る。エントロピー符号化ユニット116がCABAC演算を実施している場合、コンテキストモデルは、特定の値を有する特定のビンの確率の推定値を示し得る。CABACのコンテキストでは、「ビン」という用語は、シンタックス要素の2値化されたバージョンのビットを指すために使用される。
マルチレイヤビデオエンコーダ
[0099]図2Bは、本開示で説明する態様による技法を実装し得る(単にビデオエンコーダ23とも呼ばれる)マルチレイヤビデオエンコーダ23の一例を示すブロック図である。ビデオエンコーダ23は、SHVCおよびマルチビューコーディングの場合など、マルチレイヤビデオフレームを処理するように構成され得る。さらに、ビデオエンコーダ23は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[0100]ビデオエンコーダ23はビデオエンコーダ20Aとビデオエンコーダ20Bとを含み、それらの各々はビデオエンコーダ20として構成され得、ビデオエンコーダ20に関して上記で説明した機能を実施し得る。さらに、参照番号の再利用によって示されるように、ビデオエンコーダ20Aおよび20Bは、ビデオエンコーダ20としてシステムとサブシステムとのうちの少なくともいくつかを含み得る。ビデオエンコーダ23は、2つのビデオエンコーダ20Aおよび20Bを含むものとして示されているが、ビデオエンコーダ23は、そのようなものとして限定されず、任意の数のビデオエンコーダ20レイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ビデオエンコーダ23はアクセスユニット中の各ピクチャまたはフレームについてビデオエンコーダ20を含み得る。たとえば、5つのピクチャを含むアクセスユニットは、5つのエンコーダレイヤを含むビデオエンコーダによって処理または符号化され得る。いくつかの実施形態では、ビデオエンコーダ23は、アクセスユニット中のフレームよりも多くのエンコーダレイヤを含み得る。いくつかのそのような場合では、ビデオエンコーダレイヤのうちのいくつかは、いくつかのアクセスユニットを処理するときに非アクティブであり得る。
[0101]ビデオエンコーダ20Aおよび20Bに加えて、ビデオエンコーダ23はリサンプリングユニット90を含み得る。リサンプリングユニット90は、場合によっては、たとえば、ELを作成するために、受信されたビデオフレームのBLをアップサンプリングし得る。リサンプリングユニット90は、フレームの受信されたBLに関連付けられた特定の情報をアップサンプリングするが、他の情報をアップサンプリングしないことがある。たとえば、リサンプリングユニット90は、BLの空間サイズまたはピクセルの数をアップサンプリングし得るが、スライスの数またはピクチャ順序カウントは定数のままであり得る。場合によっては、リサンプリングユニット90は、受信されたビデオを処理しないことがあるか、および/または随意であり得る。たとえば、場合によっては、予測処理ユニット100はアップサンプリングを実施し得る。いくつかの実施形態では、リサンプリングユニット90は、レイヤをアップサンプリングすることと、スライス境界ルールおよび/またはラスタ走査ルールのセットに準拠するために1つまたは複数のスライスを再編成、再定義、変更、または調整することとを行うように構成される。アクセスユニット中のBLまたは下位レイヤをアップサンプリングするものとして主に説明したが、場合によっては、リサンプリングユニット90はレイヤをダウンサンプリングし得る。たとえば、ビデオのストリーミング中に帯域幅が減少した場合、フレームは、アップサンプリングされるのではなく、ダウンサンプリングされ得る。
[0102]リサンプリングユニット90は、下位レイヤエンコーダ(たとえば、ビデオエンコーダ20A)の復号ピクチャバッファ114からピクチャまたはフレーム(またはピクチャに関連付けられたピクチャ情報)を受信し、ピクチャ(または受信されたピクチャ情報)をアップサンプリングするように構成され得る。このアップサンプリングされたピクチャは、次いで、下位レイヤエンコーダと同じアクセスユニット中のピクチャを符号化するように構成された上位レイヤエンコーダ(たとえば、ビデオエンコーダ20B)の予測処理ユニット100に与えられ得る。場合によっては、上位レイヤエンコーダは、下位レイヤエンコーダから除去された1つのレイヤである。他の場合には、図2Bのレイヤ0ビデオエンコーダとレイヤ1エンコーダとの間に1つまたは複数の上位レイヤエンコーダがあり得る。
[0103]場合によっては、リサンプリングユニット90は省略またはバイパスされ得る。そのような場合、ビデオエンコーダ20Aの復号ピクチャバッファ114からのピクチャは、直接、または少なくともリサンプリングユニット90に与えられることなしに、ビデオエンコーダ20Bの予測処理ユニット100に与えられ得る。たとえば、ビデオエンコーダ20Bに与えられたビデオデータと、ビデオエンコーダ20Aの復号ピクチャバッファ114からの参照ピクチャとが同じサイズまたは解像度である場合、参照ピクチャは、リサンプリングなしにビデオエンコーダ20Bに与えられ得る。
[0104]いくつかの実施形態では、ビデオエンコーダ23は、ビデオエンコーダ20Aにビデオデータを与える前に、ダウンサンプリングユニット94を使用して下位レイヤエンコーダに与えられるべきビデオデータをダウンサンプリングする。代替的に、ダウンサンプリングユニット94は、ビデオデータをアップサンプリングまたはダウンサンプリングすることが可能なリサンプリングユニット90であり得る。また他の実施形態では、ダウンサンプリングユニット94は省略され得る。
[0105]図2Bに示されているように、ビデオエンコーダ23は、マルチプレクサ98、またはmuxをさらに含み得る。mux98は、ビデオエンコーダ23から合成ビットストリームを出力することができる。合成ビットストリームは、ビデオエンコーダ20Aおよび20Bの各々からビットストリームを取り、所与の時間において出力されるビットストリームを交替することによって、作成され得る。場合によっては、2つの(または、3つ以上のビデオエンコーダレイヤの場合には、より多くの)ビットストリームからのビットが一度に1ビットずつ交替され得るが、多くの場合、ビットストリームは別様に合成され得る。たとえば、出力ビットストリームは、選択されたビットストリームを一度に1ブロックずつ交替することによって作成され得る。別の例では、出力ビットストリームは、ビデオエンコーダ20Aおよび20Bの各々からブロックの非1:1比を出力することによって作成され得る。たとえば、ビデオエンコーダ20Aから出力された各ブロックについて、2つのブロックがビデオエンコーダ20Bから出力され得る。いくつかの実施形態では、mux98からの出力ストリームはプリプログラムされ得る。他の実施形態では、mux98は、ソースデバイス12を含むソースデバイス上のプロセッサからなど、ビデオエンコーダ23の外部のシステムから受信された制御信号に基づいて、ビデオエンコーダ20A、20Bからのビットストリームを合成し得る。制御信号は、ビデオソース18からのビデオの解像度またはビットレートに基づいて、リンク16の帯域幅に基づいて、ユーザに関連付けられたサブスクリプション(たとえば、有料サブスクリプション対無料サブスクリプション)に基づいて、またはビデオエンコーダ23から望まれる解像度出力を決定するための他のファクタに基づいて生成され得る。
ビデオデコーダ
[0106]図3Aは、本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオデコーダの一例を示すブロック図である。ビデオデコーダ30は、HEVCの場合など、ビデオフレームの単一のレイヤを処理するように構成され得る。さらに、ビデオデコーダ30は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。一例として、動き補償ユニット162および/またはイントラ予測ユニット164は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。一実施形態では、ビデオデコーダ30は、場合によっては、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成されたレイヤ間予測ユニット166を含み得る。他の実施形態では、レイヤ間予測は予測処理ユニット152(たとえば、動き補償ユニット162および/またはイントラ予測ユニット164)によって実施され得、その場合、レイヤ間予測ユニット166は省略され得る。ただし、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの例では、本開示で説明する技法は、ビデオデコーダ30の様々な構成要素間で共有され得る。いくつかの例では、追加または代替として、プロセッサ(図示せず)が、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[0107]説明の目的で、本開示では、HEVCコーディングのコンテキストにおいてビデオデコーダ30について説明する。しかしながら、本開示の技法は、他のコーディング規格または方法にも適用可能であり得る。図3Aに示された例はシングルレイヤコーデックのためのものである。しかしながら、図3Bに関してさらに説明するように、ビデオデコーダ30の一部または全部はマルチレイヤコーデックの処理のために複製され得る。
[0108]図3Aの例では、ビデオデコーダ30は複数の機能構成要素を含む。ビデオデコーダ30の機能構成要素は、エントロピー復号ユニット150と、予測処理ユニット152と、逆量子化ユニット154と、逆変換ユニット156と、再構成ユニット158と、フィルタユニット159と、復号ピクチャバッファ160とを含む。予測処理ユニット152は、動き補償ユニット162と、イントラ予測ユニット164と、レイヤ間予測ユニット166とを含む。いくつかの例では、ビデオデコーダ30は、図2Aのビデオエンコーダ20に関して説明した符号化経路とは全般に逆の復号経路を実施し得る。他の例では、ビデオデコーダ30は、より多数の、より少数の、または異なる機能構成要素を含み得る。
[0109]ビデオデコーダ30は、符号化ビデオデータを備えるビットストリームを受信し得る。ビットストリームは複数のシンタックス要素を含み得る。ビデオデコーダ30がビットストリームを受信したとき、エントロピー復号ユニット150は、ビットストリームに対してパース演算を実施し得る。ビットストリームに対してパース演算を実施した結果として、エントロピー復号ユニット150は、ビットストリームからシンタックス要素を抽出し得る。パース演算を実施することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、ビットストリーム中のエントロピー符号化されたシンタックス要素をエントロピー復号し得る。予測処理ユニット152、逆量子化ユニット154、逆変換ユニット156、再構成ユニット158、およびフィルタユニット159は、ビットストリームから抽出されたシンタックス要素に基づいて、復号ビデオデータを生成する再構成演算を実施し得る。
[0110]上記で説明したように、ビットストリームは、一連のNALユニットを備え得る。ビットストリームのNALユニットは、ビデオパラメータセットNALユニット、シーケンスパラメータセットNALユニット、ピクチャパラメータセットNALユニット、SEI NALユニットなどを含み得る。ビットストリームに対してパース演算を実施することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、シーケンスパラメータセットNALユニットからのシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセットNALユニットからのピクチャパラメータセット、SEI NALユニットからのSEIデータなどを抽出しエントロピー復号する、パース演算を実施し得る。
[0111]さらに、ビットストリームのNALユニットはコード化スライスNALユニットを含み得る。ビットストリームに対してパース演算を実施することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、コード化スライスNALユニットからコード化スライスを抽出しエントロピー復号する、パース演算を実施し得る。コーディングされたスライスの各々は、スライスヘッダとスライスデータとを含み得る。スライスヘッダは、スライスに関するシンタックス要素を含んでいることがある。スライスヘッダ中のシンタックス要素は、スライスを含んでいるピクチャに関連付けられたピクチャパラメータセットを識別するシンタックス要素を含み得る。エントロピー復号ユニット150は、コード化されたスライスヘッダ中のシンタックス要素に対して、CABAC復号演算などのエントロピー復号演算を実施して、スライスヘッダを再構成し得る。
[0112]コード化スライスのNALユニットからスライスデータを抽出することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、スライスデータ中のコード化CUからシンタックス要素を抽出するパース演算を実施し得る。抽出されたシンタックス要素は、変換係数ブロックに関連付けられたシンタックス要素を含み得る。エントロピー復号ユニット150は、次いで、シンタックス要素のうちのいくつかに対してCABAC復号演算を実施し得る。
[0113]エントロピー復号ユニット150が、区分されていないCUに対してパース演算を実施した後、ビデオデコーダ30は、区分されていないCUに対して再構成演算を実施し得る。区分されていないCUに対して再構成演算を実施するために、ビデオデコーダ30はCUの各TUに対して再構成演算を実施し得る。CUの各TUについて再構成演算を実施することによって、ビデオデコーダ30は、CUに関連付けられた残差ビデオブロックを再構成し得る。
[0114]TUに対して再構成演算を実施することの一部として、逆量子化ユニット154は、TUに関連付けられた変換係数ブロックを逆量子化(inverse quantize)、たとえば、逆量子化(de-quantize)し得る。逆量子化ユニット154は、HEVC用に提案された、またはH.264復号規格によって定義された逆量子化プロセスと同様の方式で、変換係数ブロックを逆量子化し得る。逆量子化ユニット154は、量子化の程度を決定し、同様に、逆量子化ユニット154が適用すべき逆量子化の程度を決定するために、変換係数ブロックのCUのためにビデオエンコーダ20によって計算される量子化パラメータQPを使用し得る。
[0115]逆量子化ユニット154が変換係数ブロックを逆量子化した後、逆変換ユニット156は、変換係数ブロックに関連付けられたTUのための残差ビデオブロックを生成し得る。逆変換ユニット156は、TUのための残差ビデオブロックを生成するために、変換係数ブロックに逆変換を適用し得る。たとえば、逆変換ユニット156は、変換係数ブロックに、逆DCT、逆整数変換、逆カルーネンレーベ変換(KLT:Karhunen-Loeve transform)、逆回転変換、逆方向変換、または別の逆変換を適用し得る。いくつかの例では、逆変換ユニット156は、ビデオエンコーダ20からのシグナリングに基づいて、変換係数ブロックに適用すべき逆変換を決定し得る。そのような例では、逆変換ユニット156は、変換係数ブロックに関連付けられたツリーブロックの4分木のルートノードにおいてシグナリングされた変換に基づいて、逆変換を決定し得る。他の例では、逆変換ユニット156は、ブロックサイズ、コーディングモードなど、1つまたは複数のコーディング特性から逆変換を推論し得る。いくつかの例では、逆変換ユニット156はカスケード逆変換を適用し得る。
[0116]いくつかの例では、動き補償ユニット162は、補間フィルタに基づく補間を実施することによって、PUの予測ビデオブロックを改良し得る。サブサンプル精度をもつ動き補償のために使用されるべき補間フィルタのための識別子が、シンタックス要素中に含まれ得る。動き補償ユニット162は、PUの予測ビデオブロックの生成中にビデオエンコーダ20によって使用された同じ補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数サンプルについての補間値を計算し得る。動き補償ユニット162は、受信されたシンタックス情報に従って、ビデオエンコーダ20によって使用された補間フィルタを決定し、その補間フィルタを使用して予測ビデオブロックを生成し得る。
マルチレイヤデコーダ
[0117]図3Bは、本開示で説明する態様による技法を実装し得る(単にビデオデコーダ33とも呼ばれる)マルチレイヤビデオデコーダ33の一例を示すブロック図である。ビデオデコーダ33は、SHVCおよびマルチビューコーディングの場合など、マルチレイヤビデオフレームを処理するように構成され得る。さらに、ビデオデコーダ33は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[0118]ビデオデコーダ33はビデオデコーダ30Aとビデオデコーダ30Bとを含み、それらの各々はビデオデコーダ30として構成され得、ビデオデコーダ30に関して上記で説明した機能を実施し得る。さらに、参照番号の再利用によって示されるように、ビデオデコーダ30Aおよび30Bは、ビデオデコーダ30としてシステムとサブシステムとのうちの少なくともいくつかを含み得る。ビデオデコーダ33は、2つのビデオデコーダ30Aおよび30Bを含むものとして示されているが、ビデオデコーダ33は、そのようなものとして限定されず、任意の数のビデオデコーダ30レイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ビデオデコーダ33はアクセスユニット中の各ピクチャまたはフレームについてビデオデコーダ30を含み得る。たとえば、5つのピクチャを含むアクセスユニットは、5つのデコーダレイヤを含むビデオデコーダによって処理または復号され得る。いくつかの実施形態では、ビデオデコーダ33は、アクセスユニット中のフレームよりも多くのデコーダレイヤを含み得る。いくつかのそのような場合では、ビデオデコーダレイヤのいくつかは、いくつかのアクセスユニットを処理するときに非アクティブであり得る。
[0119]ビデオデコーダ30Aおよび30Bに加えて、ビデオデコーダ33はアップサンプリングユニット92を含み得る。いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、フレームまたはアクセスユニットのための参照ピクチャリストに追加されるべきエンハンストレイヤを作成するために、受信されたビデオフレームのベースレイヤをアップサンプリングし得る。このエンハンストレイヤは復号ピクチャバッファ160に記憶され得る。いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、図2Aのリサンプリングユニット90に関して説明した実施形態の一部または全部を含むことができる。いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、レイヤをアップサンプリングすることと、スライス境界ルールおよび/またはラスタ走査ルールのセットに準拠するために1つまたは複数のスライスを再編成、再定義、変更、または調整することとを行うように構成される。場合によっては、アップサンプリングユニット92は、受信されたビデオフレームのレイヤをアップサンプリングおよび/またはダウンサンプリングするように構成されたリサンプリングユニットであり得る。
[0120]アップサンプリングユニット92は、下位レイヤデコーダ(たとえば、ビデオデコーダ30A)の復号ピクチャバッファ160からピクチャまたはフレーム(またはピクチャに関連付けられたピクチャ情報)を受信し、ピクチャ(または受信されたピクチャ情報)をアップサンプリングするように構成され得る。このアップサンプリングされたピクチャは、次いで、下位レイヤデコーダと同じアクセスユニット中のピクチャを復号するように構成された上位レイヤデコーダ(たとえば、ビデオデコーダ30B)の予測処理ユニット152に与えられ得る。場合によっては、上位レイヤデコーダは、下位レイヤデコーダから削除された1つのレイヤである。他の場合には、図3Bのレイヤ0ビデオデコーダとレイヤ1デコーダとの間に1つまたは複数の上位レイヤデコーダがあり得る。
[0121]場合によっては、アップサンプリングユニット92は省略またはバイパスされ得る。そのような場合、ビデオデコーダ30Aの復号ピクチャバッファ160からのピクチャは、直接、または少なくともアップサンプリングユニット92に与えられることなしに、ビデオデコーダ30Bの予測処理ユニット152に与えられ得る。たとえば、ビデオデコーダ30Bに与えられたビデオデータと、ビデオデコーダ30Aの復号ピクチャバッファ160からの参照ピクチャとが同じサイズまたは解像度である場合、参照ピクチャは、アップサンプリングなしにビデオデコーダ30Bに与えられ得る。さらに、いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、ビデオデコーダ30Aの復号ピクチャバッファ160から受信された参照ピクチャをアップサンプリングまたはダウンサンプリングするように構成されたリサンプリングユニット90であり得る。
[0122]図3Bに示されているように、ビデオデコーダ33は、デマルチプレクサ(またはdemux)99をさらに含み得る。demux99は符号化ビデオビットストリームを複数のビットストリームにスプリットすることができ、demux99によって出力された各ビットストリームは異なるビデオデコーダ30Aおよび30Bに与えられる。複数のビットストリームは、ビットストリームを受信することによって作成され得、ビデオデコーダ30Aおよび30Bの各々は、所与の時間においてビットストリームの一部分を受信する。場合によっては、demux99において受信されるビットストリームからのビットは、ビデオデコーダの各々(たとえば、図3Bの例ではビデオデコーダ30Aおよび30B)の間で一度に1ビットずつ交替され得るが、多くの場合、ビットストリームは別様に分割される。たとえば、ビットストリームは、一度に1ブロックずつビットストリームを受信するビデオデコーダを交替することによって分割され得る。別の例では、ビットストリームは、ブロックの非1:1比によって、ビデオデコーダ30Aおよび30Bの各々に分割され得る。たとえば、2つのブロックは、ビデオデコーダ30Aに与えられる各ブロックについてビデオデコーダ30Bに与えられ得る。いくつかの実施形態では、demux99によるビットストリームの分割はプリプログラムされ得る。他の実施形態では、demux99は、宛先デバイス14を含む宛先デバイス上のプロセッサからなど、ビデオデコーダ33の外部のシステムから受信された制御信号に基づいてビットストリームを分割し得る。制御信号は、入力インターフェース28からのビデオの解像度またはビットレートに基づいて、リンク16の帯域幅に基づいて、ユーザに関連付けられたサブスクリプション(たとえば、有料サブスクリプション対無料サブスクリプション)に基づいて、またはビデオデコーダ33によって取得可能な解像度を決定するための他のファクタに基づいて生成され得る。
HEVCにおける走査
[0123]走査パターンが、2−Dブロックを1−Dアレイに変換し、サンプルまたは係数のための処理順序を定義する。走査パスは、特定のシンタックス要素をコーディングするための(選択された走査パターン通りの)ブロック中の変換係数にわたる反復である。
[0124]図4は、例示的な走査パターンの図である。HEVCでは、4×4変換ブロック(TB)における走査は、ブロック405に示されているように対角である。ただし、ブロック410に示されている水平走査および/またはブロック415に示されている垂直走査も、4×4TBおよび8×8TBのための例示的なイントラケースに示されるように適用され得る。
[0125]HEVCは、CGベース変換係数コーディング方式を利用する。CGは、走査順序での16個の連続した変換係数のセットであり得る。対角、水平、および垂直を含む、HEVCにおいて定義されている走査パターンに基づいて、CGは4×4サブブロックにも対応し得る。この例は、各色/シェーディングが異なるCGに対応する図4に示されている。図4は、4つのCGを有するHEVCにおける8x8変換ブロックを示す。4×4変換ブロック(TB)の場合、ちょうど1つのCGが含まれる。8×8TB、16×16TB、32×32TBの場合、合計4つ、16個および64個の重複しない4×4CGが区分される。
HEVCにおける予測タイプ
[0126]HEVCでは、イントラ予測方式またはインター予測方式のいずれかが使用され得る。HEVCは、時間統計的依存を活用するためのインターピクチャ予測と、空間統計的依存を活用するためのイントラピクチャ予測と、空間統計的依存をさらに活用するための予測残差信号の変換コーディングとを提供する。HEVCは、異なるイントラ予測タイプ(たとえば、Intra_Angular、Intra_Planar、およびIntra_DC(直流))に基づく様々なイントラピクチャ予測コーディング方法をサポートする。インターピクチャ予測の場合、HEVCは、高度動きベクトル予測(AMVP:Advanced Motion Vector Prediction)とマージモード予測とを含む、2つの異なるインター予測タイプを可能にする。
高速RDOQ
[0127]HEVCでは、ビデオエンコーダ20は、RDOQを使用して量子化を実施し得る。RDOQは、レート(すなわち、符号化ビデオデータのビットレート)とひずみとの間のトレードオフを最適化することを試みる量子化技法である。RDOQは、他の量子化技法に勝る著しい性能利得を達成し得る。しかしながら、RDOQは、たとえば、スカラー量子化技法ならびに他の量子化技法よりも著しく複雑である。
[0128]概して、ビデオエンコーダ20は、以下のステップを実施することによって、RDOQ技法を実施し得る。第1に、ビデオエンコーダ20はコンテキストを初期化し得る。第2に、ビデオエンコーダ20は、逆対角走査順序で係数ブロックの係数を走査し得る。ビデオエンコーダ20が各係数を走査するとき、ビデオエンコーダ20は、係数を量子化するために1/2の量子化オフセットを使用し得る。第3に、ビデオエンコーダ20は、係数ブロック中の係数について最適なレベルを決定し得る。第4に、ビデオエンコーダ20は最適な最後有意係数を決定し得る。
[0129]HMでは、係数ブロックは、RDOQが有効にされるかまたは無効にされるかのいずれかで量子化され得る。RDOQが無効にされるとき、従来の(すなわち、非RDOQ)量子化方式が適用され、各係数ブロックについて、Bijが、ブロックB内の座標(i,j)に位置する変換係数を意味する、残差サンプルBijが、次のように量子化される。
Figure 2018511238
ここで、fは、イントラコード化係数ブロックの場合は1/3に近く、インターコード化係数ブロックの場合は1/6に近い定数値であり、Δは量子化ステップサイズを表す。
[0130]RDOQが有効にされるとき、残差ブロックBは、RDOQを使用して量子化される。RDOQプロセスは、各CG内の各係数について、上記でfが0.5に等しい、
Figure 2018511238
についての上式に基づいて、初期量子化を適用することを伴い得る。この初期量子化は、逆走査順序で実施される。量子化値(V)、V−1および0を含む、いくつかの量子化値のレートひずみ(R−D)コストが、比較される。最低R−Dコストをもつ量子化値が選択される。さらに、現在のCG中のすべての係数を0に設定することのR−Dコストが計算され、R−Dコストがより小さい場合、現在のCG中のすべての係数が0に設定される。その上、逆走査順序で第1の非0量子化係数から開始する各量子化変換係数について、現在の量子化変換係数が非0である場合、以下が適用され、すなわち、現在の量子化変換係数を最後量子化係数として設定することによって、R−Dコストが低減される場合、最後量子化係数はそれに応じて更新され、現在の最後係数が1よりも大きい場合、全RDOQプロセスは終了される。
[0131]HMでは、RDOQが有効にされる場合、RDOQは、異なるコーディングプロセスによって生成されたあらゆる係数ブロックについて実施される。コーディングプロセスは、イントラ予測タイプまたはインター予測タイプを含み得るが、あるCU、PU、またはTUパーティショニングタイプに限定されない。したがって、各ブロックについて、上記のRDOQプロセスは、概して、複数回実施される。
[0132]RDOQは、優れたビデオ圧縮効率を達成するための重要なエンコーダ側最適化方法である。しかしながら、従来の量子化方式と比較して、はるかに複雑な計算が関与し、そのような複雑な計算が、各係数ブロックについて複数回実施されるので、RDOQの複雑度は極めて高い。RDOQの高い複雑度により、それの適用は、特にリアルタイムビデオ符号化適用例の場合、実際的ビデオエンコーダにおいて制限されることがある。
[0133]コーディング利得の大部分を保ちながら、RDOQの複雑度を大きく低減するために、低複雑度RDOQ技法(low-complexity RDOQ technique)について以下で説明する。
[0134]元のRDOQ実装形態では、決定プロセス中にRDOQが複数回実施される。しかしながら、各ブロックの最良の予測タイプおよび/またはパーティションタイプは、RDOQが実施されるか否かにかかわらず、比較的安定していることに留意されたい。決定プロセス中にRDOQを除外し、次いで、最良の予測タイプおよび/またはパーティションタイプが決定または識別された後に、最良の予測タイプおよび/またはパーティションタイプのみに対してRDOQを実施することが、本明細書で提案される。
[0135]一例では、イントラコーディングにおけるイントラ予測モード決定プロセスの場合、RDOQは、RDOQなしに決定(determine)または決定(decide)された最良のイントラ予測モードのみのために適用される。別の例では、インターコーディングにおけるマージモード決定プロセスの場合、RDOQは、RDOQなしに決定された最良のマージモードのみのために適用される。
[0136]図5は、本開示で説明する(1つまたは複数の)態様による、RDOQを実施するためのプロセスの例示的な実施形態のフローチャートである。プロセス500はブロック505において開始する。
[0137]ブロック510において、プロセス500は、ビデオデータのブロックのための決定プロセスを実施することを伴い得る。たとえば、決定プロセスは、ビデオデータのブロックをどのように効率的に符号化すべきかに関する情報を与え得る。一実施形態では、モード決定プロセスは、少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータのブロックに適用することを伴い得る。たとえば、R−D、SAD、および/またはSSDが適用され得る。この情報は、符号化プロセスにおいて使用するための1つまたは複数の予測および/またはパーティションタイプを決定する際に使用され得る。一実施形態では、決定された1つまたは複数の予測および/またはパーティションタイプは、ビデオデータのブロックに最も好適であるタイプ(たとえば、最低R−D、SAD、および/またはSSDコストを有するタイプ)であり得る。
[0138]ブロック515において、プロセス500は、非RDOQ量子化方式をビデオデータのブロックに適用することを伴い得る。非RDOQ量子化方式は決定プロセス中に適用され得る。代替実施形態では、複数の非RDOQ量子化方式が決定プロセス中に適用され得る。
[0139]ブロック520において、プロセス500は、少なくとも1つの予測タイプを決定することを伴い得る。たとえば、マージモード、AMVPモード、およびイントラ予測モードが予測タイプであり得る。プロセス500は、ビデオデータのブロックを符号化する際に使用するための予測タイプを決定し得る。決定プロセス中に、好適な予測タイプを決定するために、少なくとも1つの予測誤差基準が適用され得る。たとえば、最低R−Dコストを有する予測タイプが選択され得る。
[0140]ブロック525において、プロセス500は、少なくとも1つのパーティションタイプを決定することを伴い得る。たとえば、CU、PU、およびTUがパーティションタイプであり得る。決定プロセス中に、好適なパーティションタイプを決定するために、少なくとも1つの予測誤差基準が適用され得る。
[0141]ブロック530において、プロセス500は、RDOQをビデオデータのブロックに適用することを伴い得る。RDOQは、決定プロセスの後に、および/または少なくとも1つの予測タイプおよび/またはパーティションタイプを決定すると適用され得る。一実施形態では、RDOQは、最良の予測および/またはパーティションタイプのみのために適用され得る。代替実施形態では、RDOQは、最良の予測および/またはパーティションタイプを決定するために複数の予測および/またはパーティションタイプのために適用され得る。プロセス500は、ブロック535において終了し得る。
[0142]上記の提案された技法を用いると、(量子化パラメータおよびシーケンスに応じて)5%〜25%の符号化時間節約とともに、わずか約0.3%のコーディング性能低下が観測される。
他の考慮事項
[0143]本明細書で開示される情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表され得る。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
[0144]本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、概してそれらの機能に関して上記で説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
[0145]本明細書で説明した技術は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。そのような技法は、汎用コンピュータ、ワイヤレス通信デバイスハンドセット、またはワイヤレス通信デバイスハンドセットおよび他のデバイスにおける適用例を含む複数の用途を有する集積回路デバイスなど、様々なデバイスのいずれかにおいて実装され得る。モジュールまたは構成要素として説明した特徴は、集積論理デバイスに一緒に、または個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして別々に実装され得る。ソフトウェアで実装した場合、本技法は、実行されたとき、上記で説明した方法のうちの1つまたは複数を実施する命令を含むプログラムコードを備えるコンピュータ可読データ記憶媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読データ記憶媒体は、パッケージング材料を含むことがあるコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュメモリ、磁気または光学データ記憶媒体などの、メモリまたはデータ記憶媒体を備え得る。本技法は、追加または代替として、伝搬信号または電波など、命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを搬送または伝達し、コンピュータによってアクセスされ、読み取られ、および/または実行され得るコンピュータ可読通信媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。
[0146]プログラムコードは、1つまたは複数のDSP、汎用マイクロプロセッサ、ASIC、FPGA、または他の等価の集積回路またはディスクリート論理回路など、1つまたは複数のプロセッサを含み得るプロセッサによって実行され得る。そのようなプロセッサは、本開示で説明する技法のいずれかを実施するように構成され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。したがって、本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、上記の構造、上記の構造の任意の組合せ、または本明細書で説明する技法の実装に好適な他の構造または装置のいずれかを指すことがある。さらに、いくつかの態様では、本明細書で説明した機能は、符号化および復号のために構成された専用のソフトウェアモジュールもしくはハードウェアモジュール内に与えられ得、または複合ビデオエンコーダ/デコーダ(コーデック)に組み込まれ得る。また、本技法は、1つまたは複数の回路または論理要素中に十分に実装され得る。
[0147]本開示の技法は、ワイヤレスハンドセット、集積回路(IC)またはICのセット(たとえば、チップセット)を含む、多種多様なデバイスまたは装置で実装され得る。本開示では、開示する技法を実施するように構成されたデバイスの機能的態様を強調するために、様々な構成要素、モジュール、またはユニットについて説明したが、それらの構成要素、モジュール、またはユニットは、必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要とするとは限らない。むしろ、上記で説明したように、様々なユニットが、好適なソフトウェアおよび/またはファームウェアとともに、上記で説明した1つまたは複数のプロセッサを含めて、コーデックハードウェアユニットにおいて組み合わせられるか、または相互動作可能なハードウェアユニットの集合によって与えられ得る。
[0148]本発明の様々な実施形態について説明した。これらおよび他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
[0148]本発明の様々な実施形態について説明した。これらおよび他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するための装置であって、
ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための量子化方式のセットを記憶するように構成されたメモリと、前記セットが、RDOQ量子化方式と非RDOQ量子化方式とを備える、
前記メモリと通信しており、
ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することと、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することと
を行うように構成されたプロセッサと
を備える、装置。
[C2]
前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、C1に記載の装置。
[C3]
前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、C1に記載の装置。
[C4]
前記プロセッサが、少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するようにさらに構成された、C1に記載の装置。
[C5]
前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、C4に記載の装置。
[C6]
前記プロセッサが、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するようにさらに構成された、C1に記載の装置。
[C7]
前記プロセッサが、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定するようにさらに構成された、C1に記載の装置。
[C8]
前記プロセッサが、前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するようにさらに構成された、C7に記載の装置。
[C9]
レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するための方法であって、
ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することと、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することとを備える、方法。
[C10]
前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、C9に記載の方法。
[C11]
前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、C9に記載の方法。
[C12]
少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することをさらに備える、C9に記載の方法。
[C13]
前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、C12に記載の方法。
[C14]
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することをさらに備える、C9に記載の方法。
[C15]
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定することをさらに備える、C9に記載の方法。
[C16]
前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することをさらに備える、C15に記載の方法。
[C17]
実行されたとき、デバイスのプロセッサに、
ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することと、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することとを行わせる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C18]
前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、C17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C19]
前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、C17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C20]
実行されたとき、前記プロセッサに、少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定させる命令をさらに記憶した、C17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C21]
前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、C20に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C22]
実行されたとき、前記プロセッサに、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定させる命令をさらに記憶した、C17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C23]
実行されたとき、前記プロセッサに、前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用させる命令をさらに記憶した、C22に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
[C24]
レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するためのビデオコーディングデバイスであって、
ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するための手段と、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用するための手段と、
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するための手段とを備える、ビデオコーディングデバイス。
[C25]
前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、C24に記載のビデオコーディングデバイス。
[C26]
前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、C24に記載のビデオコーディングデバイス。
[C27]
少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するための手段をさらに備える、C24に記載のビデオコーディングデバイス。
[C28]
前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、C27に記載のビデオコーディングデバイス。
[C29]
前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定するための手段をさらに備える、C24に記載のビデオコーディングデバイス。
[C30]
前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するための手段をさらに備える、C29に記載のビデオコーディングデバイス。

Claims (30)

  1. レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するための装置であって、
    ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための量子化方式のセットを記憶するように構成されたメモリと、前記セットが、RDOQ量子化方式と非RDOQ量子化方式とを備える、
    前記メモリと通信しており、
    ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することと、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することと
    を行うように構成されたプロセッサと
    を備える、装置。
  2. 前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
  4. 前記プロセッサが、少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載の装置。
  6. 前記プロセッサが、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
  7. 前記プロセッサが、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定するようにさらに構成された、請求項1に記載の装置。
  8. 前記プロセッサが、前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するようにさらに構成された、請求項7に記載の装置。
  9. レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するための方法であって、
    ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することと、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することと
    を備える、方法。
  10. 前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、請求項9に記載の方法。
  11. 前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、請求項9に記載の方法。
  12. 少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、請求項12に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
  15. 前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定することをさらに備える、請求項9に記載の方法。
  16. 前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することをさらに備える、請求項15に記載の方法。
  17. 実行されたとき、デバイスのプロセッサに、
    ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定することと、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することと、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用することと
    を行わせる命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  18. 前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  19. 前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  20. 実行されたとき、前記プロセッサに、少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定させる命令をさらに記憶した、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  21. 前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、請求項20に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  22. 実行されたとき、前記プロセッサに、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定させる命令をさらに記憶した、請求項17に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  23. 実行されたとき、前記プロセッサに、前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用させる命令をさらに記憶した、請求項22に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
  24. レートひずみ最適量子化(RDOQ)を適用するためのビデオコーディングデバイスであって、
    ビデオデータの少なくとも1つのブロックを符号化する際に使用するための少なくとも1つの予測タイプと少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するための手段と、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、非RDOQ量子化方式を前記ビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用するための手段と、
    前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定すると、RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するための手段と
    を備える、ビデオコーディングデバイス。
  25. 前記予測タイプが、マージモード、高度動きベクトル予測(AMVP)モード、またはイントラ予測モードのうちの少なくとも1つを備える、請求項24に記載のビデオコーディングデバイス。
  26. 前記パーティションタイプが、コーディングユニット(CU)、変換ユニット(TU)、または予測ユニット(PU)のうちの少なくとも1つを備える、請求項24に記載のビデオコーディングデバイス。
  27. 少なくとも1つの予測誤差基準をビデオデータの前記少なくとも1つのブロックに適用することを介して、前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとを決定するための手段をさらに備える、請求項24に記載のビデオコーディングデバイス。
  28. 前記少なくとも1つの予測誤差基準が、レートひずみ(R−D)、絶対差分和(SAD)、または2乗差分和(SSD)のうちの少なくとも1つを備える、請求項27に記載のビデオコーディングデバイス。
  29. 前記少なくとも1つの予測タイプと前記少なくとも1つのパーティションタイプとの前記決定中に、前記少なくとも1つの予測タイプのうちの最良の予測タイプと、前記少なくとも1つのパーティションタイプのうちの最良のパーティションタイプとを決定するための手段をさらに備える、請求項24に記載のビデオコーディングデバイス。
  30. 前記最良の予測タイプと前記最良のパーティションタイプとのみのために前記RDOQ量子化方式を前記少なくとも1つのブロックに適用するための手段をさらに備える、請求項29に記載のビデオコーディングデバイス。
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