[0021]概して、本開示は、HEVC(高効率ビデオコーディング)など、アドバンストビデオコーデックのコンテキストにおけるシングルレイヤコーディング、ならびにスケーラブルビデオコーディングのためのレイヤ間予測に関する。より詳細には、本開示は、マルチレイヤコーデックのためのピクチャ順序カウント(POC)リセットのためのシステムおよび方法に関する。
[0022]以下の説明では、いくつかの実施形態に関係するH.264/アドバンストビデオコーディング(AVC)技法について説明し、HEVC規格および関係する技法についても説明する。いくつかの実施形態について、HEVCおよび/またはH.264規格のコンテキストにおいて本明細書で説明するが、本明細書で開示するシステムおよび方法が任意の好適なビデオコーディング規格に適用可能であり得ることを、当業者は諒解されよう。たとえば、本明細書で開示する実施形態は、以下の規格、すなわち、国際電気通信連合(ITU)電気通信規格化セクタ(ITU−T)H.261、国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)(ISO/IEC)ムービングピクチャエキスパートグループ(MPEG:Moving Picture Experts Group)1(MPEG−1) Visual、ITU−T H.262またはISO/IEC MPEG−2 Visual、ITU−T H.263、ISO/IEC MPEG−4 Visual、およびそれのスケーラブルビデオコーディング(SVC)拡張とマルチビュービデオコーディング(MVC)拡張とを含む、(ISO/IEC MPEG−4 AVCとしても知られる)ITU−T H.264のうちの1つまたは複数に適用可能であり得る。
[0023]HEVCは、概して、多くの点で、前のビデオコーディング規格のフレームワークに従う。HEVCにおける予測のユニットは、いくつかの前のビデオコーディング規格における予測のユニット(たとえば、マクロブロック)とは異なる。事実上、マクロブロックの概念は、いくつかの前のビデオコーディング規格において理解されているように、HEVC中に存在しない。マクロブロックは、考えられる利益の中でも、高いフレキシビリティを与え得る、4分木方式に基づく階層構造と置き換えられる。たとえば、HEVC方式内で、3つのタイプのブロック、コーディングユニット(CU)、予測ユニット(PU:Prediction Unit)、および変換ユニット(TU:Transform Unit)が定義される。CUは領域分割の基本ユニットを指し得る。CUはマクロブロックの概念に類似すると見なされ得るが、HEVCは、CUの最大サイズを制限せず、コンテンツ適応性を改善するために4つの等しいサイズのCUへの再帰的分割を可能にし得る。PUはインター/イントラ予測の基本ユニットと見なされ得、単一のPUは、不規則な画像パターンを効果的にコーディングするために、複数の任意の形状パーティションを含み得る。TUは変換の基本ユニットと見なされ得る。TUは、PUとは無関係に定義され得るが、TUのサイズは、TUが属するCUのサイズに制限され得る。3つの異なる概念へのブロック構造のこの分離は、各ユニットがユニットのそれぞれの役割に従って最適化されることを可能にし得、それによりコーディング効率が改善され得る。
[0024]単に説明の目的で、本明細書で開示するいくつかの実施形態について、ビデオデータのただ2つのレイヤ(たとえば、ベースレイヤなどの下位レイヤ、およびエンハンスメントレイヤなどの上位レイヤ)を含む例を用いて説明する。ビデオデータの「レイヤ」は、概して、ビュー、フレームレート、解像度などの少なくとも1つの共通の特性を有するピクチャのシーケンスを指すことがある。たとえば、レイヤは、マルチビュービデオデータの特定のビュー(たとえば、パースペクティブ)に関連付けられたビデオデータを含み得る。別の例として、レイヤは、スケーラブルビデオデータの特定のレイヤに関連付けられたビデオデータを含み得る。したがって、本開示は、ビデオデータのレイヤおよびビューを互換的に指し得る。すなわち、ビデオデータのビューはビデオデータのレイヤと呼ばれ得、ビデオデータのレイヤはビデオデータのビューと呼ばれ得る。さらに、(マルチレイヤビデオコーダまたはマルチレイヤエンコーダデコーダとも呼ばれる)マルチレイヤコーデックは、マルチビューコーデックまたはスケーラブルコーデック(たとえば、MV−HEVC、3D−HEVC、SHVC、または別のマルチレイヤコーディング技法を使用するビデオデータを符号化および/または復号するように構成されたコーデック)を共同で指し得る。ビデオ符号化およびビデオ復号は両方とも、概して、ビデオコーディングと呼ばれ得る。そのような例は、複数のベースレイヤおよび/またはエンハンスメントレイヤを含む構成に適用可能であり得ることを理解されたい。さらに、説明を簡単にするために、以下の開示は、いくつかの実施形態に関して「フレーム」または「ブロック」という用語を含む。ただし、これらの用語は限定的なものではない。たとえば、以下で説明する技法は、ブロック(たとえば、CU、PU、TU、マクロブロックなど)、スライス、フレームなど、任意の好適なビデオユニットとともに使用され得る。
ビデオコーディング規格
[0025]ビデオ画像、TV画像、静止画像、あるいはビデオレコーダまたはコンピュータによって生成された画像など、デジタル画像は、水平ラインおよび垂直ラインで構成されたピクセルまたはサンプルからなり得る。単一の画像中のピクセルの数は一般に数万個である。各ピクセルは、一般に、ルミナンス情報とクロミナンス情報とを含んでいる。圧縮がなければ、画像エンコーダから画像デコーダに搬送されるべき情報の甚だしい量は、リアルタイム画像送信を不可能にするであろう。送信されるべき情報の量を低減するために、JPEG、MPEGおよびH.263規格など、いくつかの異なる圧縮方法が開発された。
[0026]ビデオコーディング規格は、ITU−T H.261と、ISO/IEC MPEG−1 Visualと、ITU−T H.262またはISO/IEC MPEG−2 Visualと、ITU−T H.263と、ISO/IEC MPEG−4 Visualと、それのSVCおよびMVC拡張を含む(ISO/IEC MPEG−4 AVCとしても知られる)ITU−T H.264とを含む。
[0027]さらに、新しいビデオコーディング規格、すなわち、高効率ビデオコーディング(HEVC)が、ITU−Tビデオコーディングエキスパートグループ(VCEG:Video Coding Experts Group)とISO/IECムービングピクチャエキスパートグループ(MPEG:Moving Picture Experts Group)とのジョイントコラボレーションチームオンビデオコーディング(JCT−VC:Joint Collaboration Team on Video Coding)によって開発されている。HEVCドラフト10についての完全引用は、文書JCTVC−L1003、Brossら、「High Efficiency Video Coding (HEVC) Text Specification Draft 10」、ITU−T SG16 WP3およびISO/IEC JTC1/SC29/WG11のジョイントコラボレーティブチームオンビデオコーディング(JCT−VC:Joint Collaborative Team on Video Coding)、第12回会合:ジュネーブ、スイス、2013年1月14日〜2013年1月23日である。HEVCのマルチビュー拡張すなわちMV−HEVC、およびSHVCと称されるHEVCのスケーラブル拡張も、それぞれJCT−3V(ITU−T/ISO/IECジョイントコラボレーティブチームオン3Dビデオコーディング拡張開発)およびJCT−VCによって開発されている。
概要
[0028]poc_reset_idcシンタックス要素は、POCがピクチャのためにリセットされるべきであるかどうかを示し得る。poc_reset_idcシンタックス要素は、POCの最上位ビット(MSB)がリセットされるべきであるのか、POCのMSBと最下位ビット(LSB:least significant bit)の両方がリセットされるべきであるのか、いずれもリセットされるべきでないのかを示すことができる。たとえば、poc_reset_idcについての0の値は、POCがリセットされないことを示す。poc_reset_idcについての1の値は、POC MSBがリセットされるべきであることを示す。poc_reset_idcについての2の値は、POC MSBとPOC LSBの両方がリセットされるべきであることを示す。poc_reset_idcについての3の値は、前のピクチャのためのリセットが示されたことを示す。たとえば、前のピクチャについてのpoc_reset_idcの値は、1または2のいずれかであった。poc_reset_idcについての3の値は、POCがリセットされるべきであるピクチャが(たとえば、復号プロセス中に)失われたとき、POCが後のピクチャにおいて適切にリセットされ得るように使用され得る。
[0029]full_poc_reset_flagは、前のピクチャのためのリセットがPOC MSBのみに関するものであったのか、POC MSBとPOC LSBの両方に関するものであったのかを示すことができる。たとえば、full_poc_reset_flagについての0の値は、MSBのみがリセットされるべきであることを示す。full_poc_reset_flagについての1の値は、MSBとLSBの両方がリセットされるべきであることを示す。full_poc_reset_flagフラグは、poc_reset_idcに関して使用され得る。たとえば、poc_reset_idcの値が3であるとき、full_poc_reset_flagは、前のピクチャのためのPOCリセットがMSBのみに関するものであったのか、MSBとLSBの両方に関するものであったのかを示すことができる。
[0030]SHVCおよびMV−HEVCの早期バージョン(たとえば、SHVCワーキングドラフト6、MV−HEVCワーキングドラフト8など)では、たとえば、poc_reset_idcに関して、いくつかの制約または制限が適用される。しかしながら、これらの制約は、ピクチャが存在しないとき、またはピクチャが廃棄可能であるとき、POCを適切にリセットしない。さらに、SHVCおよびMV−HEVCの早期バージョンでは、同じPOCリセッティング期間中のPOCリセッティングAUのpoc_reset_idcに基づくピクチャのfull_poc_reset_flagの値に対する制限がない。full_poc_reset_flagの不正確な値により、POCリセット機構が適切に動作しなくなり得る。
[0031]これらおよび他の課題に対処するために、本技法は、いくつかの態様によれば、ピクチャが存在しない(たとえば、消失したか、または不在である)とき、あるいはピクチャが廃棄可能であるとき、POCをリセットする。本技法はまた、poc_reset_idcの値に基づいてピクチャのfull_poc_reset_flagの値に対して制限を課する。このようにして、本技法は、POCが正しくリセットされることを確認することができる。
ビデオコーディングシステム
[0032]添付の図面を参照しながら新規のシステム、装置、および方法の様々な態様について以下でより十分に説明する。ただし、本開示は、多くの異なる形態で実施され得、本開示全体にわたって提示する任意の特定の構造または機能に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が周到で完全になり、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために与えるものである。本明細書の教示に基づいて、本開示の範囲は、本開示の他の態様とは無関係に実装されるにせよ、本開示の他の態様と組み合わせて実装されるにせよ、本明細書で開示する新規のシステム、装置、および方法のいかなる態様をもカバーするものであることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載される態様をいくつ使用しても、装置は実装され得、または方法は実施され得る。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載する本開示の様々な態様に加えてまたはそれらの態様以外に、他の構造、機能、または構造および機能を使用して実施されるそのような装置または方法をカバーするものとする。本明細書で開示するどの態様も請求項の1つまたは複数の要素によって実施され得ることを理解されたい。
[0033]本明細書では特定の態様について説明するが、これらの態様の多くの変形および置換は本開示の範囲内に入る。好適な態様のいくつかの利益および利点について説明するが、本開示の範囲は特定の利益、使用、または目的に限定されるものではない。むしろ、本開示の態様は、様々なワイヤレス技術、システム構成、ネットワーク、および伝送プロトコルに広く適用可能であるものとし、それらのいくつかを例として、図および好適な態様についての以下の説明において示す。発明を実施するための形態および図面は、本開示を限定するものではなく説明するものにすぎず、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲およびそれの均等物によって定義される。
[0034]添付の図面は例を示している。添付の図面中の参照番号によって示される要素は、以下の説明における同様の参照番号によって示される要素に対応する。本開示では、序数語(たとえば、「第1の」、「第2の」、「第3の」など)で始まる名前を有する要素は、必ずしもそれらの要素が特定の順序を有することを暗示するとは限らない。むしろ、そのような序数語は、同じまたは同様のタイプの異なる要素を指すために使用されるにすぎない。
[0035]図1Aは、本開示で説明する態様による技法を利用し得る例示的なビデオコーディングシステム10を示すブロック図である。本明細書で使用し説明する「ビデオコーダ」という用語は、総称的にビデオエンコーダとビデオデコーダの両方を指す。本開示では、「ビデオコーディング」または「コーディング」という用語は、ビデオ符号化とビデオ復号とを総称的に指すことがある。ビデオエンコーダおよびビデオデコーダに加えて、本出願で説明する態様は、トランスコーダ(たとえば、ビットストリームを復号し、別のビットストリームを再符号化することができるデバイス)およびミドルボックス(たとえば、ビットストリームを変更、変換、および/または場合によっては操作することができるデバイス)など、他の関係するデバイスに拡張され得る。
[0036]図1Aに示されているように、ビデオコーディングシステム10は、宛先デバイス14によって後で復号されるべき符号化ビデオデータを生成するソースデバイス12を含む。図1Aの例では、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、別個のデバイスを構成する。ただし、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、図1Bの例に示されているように、同じデバイス上にあるかまたはそれの一部であり得ることに留意されたい。
[0037]もう一度図1Aを参照すると、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、それぞれ、デスクトップコンピュータ、ノートブック(たとえば、ラップトップ)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、いわゆる「スマート」フォンなどの電話ハンドセット、いわゆる「スマート」パッド、テレビジョン、カメラ、ディスプレイデバイス、デジタルメディアプレーヤ、ビデオゲームコンソール、ビデオストリーミングデバイスなどを含む、広範囲にわたるデバイスのいずれかを備え得る。場合によっては、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、ワイヤレス通信のために装備され得る。
[0038]宛先デバイス14は、復号されるべき符号化ビデオデータをリンク16を介して受信し得る。リンク16は、ソースデバイス12から宛先デバイス14に符号化ビデオデータを移動することが可能な任意のタイプの媒体またはデバイスを備え得る。図1Aの例では、リンク16は、ソースデバイス12が符号化ビデオデータをリアルタイムで宛先デバイス14に送信することを可能にするための通信媒体を備え得る。符号化ビデオデータは、ワイヤレス通信プロトコルなどの通信規格に従って変調され、宛先デバイス14に送信され得る。通信媒体は、無線周波数(RF)スペクトルあるいは1つまたは複数の物理伝送線路など、任意のワイヤレスまたはワイヤード通信媒体を備え得る。通信媒体は、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワークなどのパケットベースネットワーク、またはインターネットなどのグローバルネットワークの一部を形成し得る。通信媒体は、ルータ、スイッチ、基地局、またはソースデバイス12から宛先デバイス14への通信を可能にするために有用であり得る任意の他の機器を含み得る。
[0039]代替的に、符号化データは出力インターフェース22から随意のストレージデバイス31に出力され得る。同様に、符号化データは、たとえば、宛先デバイス14の入力インターフェース28によってストレージデバイス31からアクセスされ得る。ストレージデバイス31は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、揮発性または不揮発性メモリ、あるいは符号化ビデオデータを記憶するための任意の他の好適なデジタル記憶媒体など、様々な分散されたまたはローカルにアクセスされるデータ記憶媒体のいずれかを含み得る。さらなる一例では、ストレージデバイス31は、ソースデバイス12によって生成された符号化ビデオを保持し得るファイルサーバまたは別の中間ストレージデバイスに対応し得る。宛先デバイス14は、ストリーミングまたはダウンロードを介してストレージデバイス31から記憶されたビデオデータにアクセスし得る。ファイルサーバは、符号化ビデオデータを記憶し、その符号化ビデオデータを宛先デバイス14に送信することができる任意のタイプのサーバであり得る。例示的なファイルサーバとしては、(たとえば、ウェブサイトのための)ウェブサーバ、ファイル転送プロトコル(FTP)サーバ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)デバイス、またはローカルディスクドライブがある。宛先デバイス14は、インターネット接続を含む、任意の標準のデータ接続を通して符号化ビデオデータにアクセスし得る。これは、ファイルサーバに記憶された符号化ビデオデータにアクセスするのに好適であるワイヤレスチャネル(たとえば、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)接続)、ワイヤード接続(たとえば、デジタル加入者線(DSL)、ケーブルモデムなど)、またはその両方の組合せを含み得る。ストレージデバイス31からの符号化ビデオデータの送信は、ストリーミング送信、ダウンロード送信、またはその両方の組合せであり得る。
[0040]本開示の技法はワイヤレス適用例または設定に限定されない。本技法は、オーバージエアテレビジョン放送、ケーブルテレビジョン送信、衛星テレビジョン送信、たとえばインターネットを介したストリーミングビデオ送信(たとえば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)上での動的適応ストリーミングなど)、データ記憶媒体に記憶するためのデジタルビデオの符号化、データ記憶媒体に記憶されたデジタルビデオの復号、または他の適用例など、様々なマルチメディア適用例のいずれかをサポートするビデオコーディングに適用され得る。いくつかの例では、ビデオコーディングシステム10は、ビデオストリーミング、ビデオ再生、ビデオブロードキャスティング、および/またはビデオテレフォニーなどの適用例をサポートするために、一方向または双方向のビデオ送信をサポートするように構成され得る。
[0041]図1Aの例では、ソースデバイス12は、ビデオソース18と、ビデオエンコーダ20と、出力インターフェース22とを含む。場合によっては、出力インターフェース22は、変調器/復調器(モデム)および/または送信機を含み得る。ソースデバイス12において、ビデオソース18は、ビデオキャプチャデバイス、たとえばビデオカメラ、以前にキャプチャされたビデオを含んでいるビデオアーカイブ、ビデオコンテンツプロバイダからビデオを受信するためのビデオフィードインターフェース、および/またはソースビデオとしてコンピュータグラフィックスデータを生成するためのコンピュータグラフィックスシステムなどのソース、あるいはそのようなソースの組合せを含み得る。一例として、ビデオソース18がビデオカメラである場合、ソースデバイス12および宛先デバイス14は、図1Bの例に示されているように、いわゆる「カメラフォン」または「ビデオフォン」を形成し得る。ただし、本開示で説明する技法は、概してビデオコーディングに適用可能であり得、ワイヤレスおよび/またはワイヤード適用例に適用され得る。
[0042]キャプチャされたビデオ、以前にキャプチャされたビデオ、またはコンピュータ生成されたビデオは、ビデオエンコーダ20によって符号化され得る。符号化されたビデオデータは、ソースデバイス12の出力インターフェース22を介して宛先デバイス14に送信され得る。符号化ビデオデータは、さらに(または代替として)、復号および/または再生のための宛先デバイス14または他のデバイスによる後のアクセスのためにストレージデバイス31上に記憶され得る。図1Aおよび図1Bに示されているビデオエンコーダ20は、図2A示されているビデオエンコーダ20、図2Bに示されているビデオエンコーダ23、または本明細書で説明する他のビデオエンコーダを備え得る。
[0043]図1Aの例では、宛先デバイス14は、入力インターフェース28と、ビデオデコーダ30と、ディスプレイデバイス32とを含む。場合によっては、入力インターフェース28は、受信機および/またはモデムを含み得る。宛先デバイス14の入力インターフェース28は、リンク16を介しておよび/またはストレージデバイス31から符号化ビデオデータを受信し得る。リンク16を介して通信され、またはストレージデバイス31上に与えられた符号化ビデオデータは、ビデオデータを復号する際に、ビデオデコーダ30などのビデオデコーダが使用するためのビデオエンコーダ20によって生成される様々なシンタックス要素を含み得る。そのようなシンタックス要素は、通信媒体上で送信された、記憶媒体上に記憶された、またはファイルサーバ記憶された符号化ビデオデータに含まれ得る。図1Aおよび図1Bに示されているビデオデコーダ30は、図3A示されているビデオデコーダ30、図3Bに示されているビデオデコーダ33、または本明細書で説明する他のビデオデコーダを備え得る。
[0044]ディスプレイデバイス32は、宛先デバイス14と一体化されるかまたはその外部にあり得る。いくつかの例では、宛先デバイス14は、一体型ディスプレイデバイスを含み、また、外部ディスプレイデバイスとインターフェースするように構成され得る。他の例では、宛先デバイス14はディスプレイデバイスであり得る。概して、ディスプレイデバイス32は、復号ビデオデータをユーザに対して表示し、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別のタイプのディスプレイデバイスなど、様々なディスプレイデバイスのいずれかを備え得る。
[0045]関係する態様では、図1Bは例示的なビデオ符号化および復号システム10’を示し、ここにおいて、ソースデバイス12および宛先デバイス14はデバイス11上にあるかまたはそれの一部である。デバイス11は、「スマート」フォンなどの電話ハンドセットであり得る。デバイス11は、ソースデバイス12および宛先デバイス14と動作可能に通信している随意のコントローラ/プロセッサデバイス13を含み得る。図1Bのシステム10’およびそれの構成要素は、場合によっては図1Aのシステム10およびそれの構成要素と同様である。
[0046]ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、HEVCなどのビデオ圧縮規格に従って動作し得、HEVCテストモデル(HM)に準拠し得る。代替的に、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、代替的にMPEG−4,Part10,AVCと呼ばれるITU−T H.264規格など、他のプロプライエタリ規格または業界規格、またはそのような規格の拡張に従って動作し得る。ただし、本開示の技法は、いかなる特定のコーディング規格にも限定されない。ビデオ圧縮規格の他の例としてはMPEG−2およびITU−T H.263がある。
[0047]図1Aおよび図1Bの例には示されていないが、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、それぞれオーディオエンコーダおよびデコーダと統合され得、共通のデータストリームまたは別個のデータストリーム中のオーディオとビデオの両方の符号化を処理するために、適切なMUX−DEMUXユニット、または他のハードウェアおよびソフトウェアを含み得る。適用可能な場合、いくつかの例では、MUX−DEMUXユニットは、ITU H.223マルチプレクサプロトコル、またはユーザデータグラムプロトコル(UDP)などの他のプロトコルに準拠し得る。
[0048]ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30はそれぞれ、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアなど、様々な好適なエンコーダ回路のいずれか、またはそれらの任意の組合せとして実装され得る。本技法が部分的にソフトウェアで実装されるとき、デバイスは、好適な非一時的コンピュータ可読媒体にソフトウェアのための命令を記憶し、1つまたは複数のプロセッサを使用してその命令をハードウェアで実行して、本開示の技法を実施し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30の各々は1つまたは複数のエンコーダまたはデコーダ中に含まれ得、そのいずれも、それぞれのデバイスにおいて複合エンコーダ/デコーダ(コーデック)の一部として統合され得る。
ビデオコーディングプロセス
[0049]上記で手短に述べたように、ビデオエンコーダ20はビデオデータを符号化する。ビデオデータは1つまたは複数のピクチャを備え得る。ピクチャの各々は、ビデオの一部を形成する静止画像である。いくつかの事例では、ピクチャはビデオ「フレーム」と呼ばれることがある。ビデオエンコーダ20がビデオデータを符号化するとき、ビデオエンコーダ20はビットストリームを生成し得る。ビットストリームは、ビデオデータのコード化表現を形成するビットのシーケンスを含み得る。ビットストリームは、コード化ピクチャと関連データとを含み得る。コード化ピクチャとは、ピクチャのコード化表現である。
[0050]ビットストリームを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ビデオデータ中の各ピクチャに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20がピクチャに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、一連のコード化ピクチャと関連データとを生成し得る。関連データは、ビデオパラメータセット(VPS)と、シーケンスパラメータセット(SPS)と、ピクチャパラメータセット(PPS)と、適応パラメータセット(APS)と、他のシンタックス構造とを含み得る。SPSは、ピクチャの0個以上のシーケンスに適用可能なパラメータを含んでいることがある。PPSは、0個以上のピクチャに適用可能なパラメータを含んでいることがある。APSは、0個以上のピクチャに適用可能なパラメータを含んでいることがある。APS中のパラメータは、PPS中のパラメータよりも変化する可能性が高いパラメータであり得る。
[0051]コード化ピクチャを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ピクチャを等しいサイズのビデオブロックに区分し得る。ビデオブロックはサンプルの2次元アレイであり得る。ビデオブロックの各々はツリーブロックに関連付けられる。いくつかの事例では、ツリーブロックは、最大コーディングユニット(LCU:largest coding unit)と呼ばれることがある。HEVCのツリーブロックは、H.264/AVCなど、以前の規格のマクロブロックに広い意味で類似し得る。しかしながら、ツリーブロックは、必ずしも特定のサイズに限定されるとは限らず、1つまたは複数のコーディングユニット(CU)を含み得る。ビデオエンコーダ20は、4分木区分(quadtree partitioning)を使用して、ツリーブロックのビデオブロックを、CUに関連付けられたビデオブロックに区分し得、したがって「ツリーブロック」という名前がある。
[0052]いくつかの例では、ビデオエンコーダ20はピクチャを複数のスライスに区分し得る。スライスの各々は整数個のCUを含み得る。いくつかの事例では、スライスは整数個のツリーブロックを備える。他の事例では、スライスの境界はツリーブロック内にあり得る。
[0053]ピクチャに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各スライスに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20がスライスに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、スライスに関連付けられた符号化データを生成し得る。スライスに関連付けられた符号化データは「コード化スライス」と呼ばれることがある。
[0054]コード化スライスを生成するために、ビデオエンコーダ20は、スライス中の各ツリーブロックに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20がツリーブロックに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20はコード化ツリーブロックを生成し得る。コード化ツリーブロックは、ツリーブロックの符号化バージョンを表すデータを備え得る。
[0055]ビデオエンコーダ20がコード化スライスを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、ラスタ走査順序に従って、スライス中のツリーブロックに対して符号化演算を実施し得る(たとえば、そのツリーブロックを符号化し得る)。たとえば、ビデオエンコーダ20は、スライス中のツリーブロックの一番上の行にわたって左から右に進み、次いでツリーブロックの次の下の行にわたって左から右に進み、以下同様に進む順序で、ビデオエンコーダ20がスライス中のツリーブロックの各々を符号化するまで、スライスのツリーブロックを符号化し得る。
[0056]ラスタ走査順序に従ってツリーブロックを符号化した結果として、所与のツリーブロックの上および左のツリーブロックは符号化され得るが、所与のツリーブロックの下および右のツリーブロックはまだ符号化されていない。したがって、ビデオエンコーダ20は、所与のツリーブロックを符号化するとき、所与のツリーブロックの上および左のツリーブロックを符号化することによって生成された情報にアクセスすることが可能であり得る。しかしながら、ビデオエンコーダ20は、所与のツリーブロックを符号化するとき、所与のツリーブロックの下および右のツリーブロックを符号化することによって生成された情報にアクセスすることができないことがある。
[0057]コード化ツリーブロックを生成するために、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックのビデオブロックに対して4分木区分を再帰的に実施して、ビデオブロックを徐々により小さいビデオブロックに分割し得る。より小さいビデオブロックの各々は、異なるCUに関連付けられ得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックのビデオブロックを4つの等しいサイズのサブブロックに区分し、サブブロックのうちの1つまたは複数を、4つの等しいサイズのサブサブブロックに区分し得、以下同様である。区分されたCUは、それのビデオブロックが、他のCUに関連付けられたビデオブロックに区分された、CUであり得る。区分されていないCUは、それのビデオブロックが、他のCUに関連付けられたビデオブロックに区分されていない、CUであり得る。
[0058]ビットストリーム中の1つまたは複数のシンタックス要素は、ビデオエンコーダ20がツリーブロックのビデオブロックを区分し得る最大の回数を示し得る。CUのビデオブロックは形状が正方形であり得る。CUのビデオブロックのサイズ(たとえば、CUのサイズ)は、8×8ピクセルから、最大64×64以上のピクセルをもつツリーブロックのビデオブロックのサイズ(たとえば、ツリーブロックのサイズ)までに及び得る。
[0059]ビデオエンコーダ20は、z走査順序に従って、ツリーブロックの各CUに対して符号化演算を実施し得る(たとえば、各CUを符号化し得る)。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、左上のCUと、右上のCUと、左下のCUと、次いで右下のCUとを、その順序で符号化し得る。ビデオエンコーダ20が、区分されたCUに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、z走査順序に従って、区分されたCUのビデオブロックのサブブロックに関連付けられたCUを符号化し得る。言い換えれば、ビデオエンコーダ20は、左上のサブブロックに関連付けられたCUと、右上のサブブロックに関連付けられたCUと、左下のサブブロックに関連付けられたCUと、次いで右下のサブブロックに関連付けられたCUとを、その順序で符号化し得る。
[0060]z走査順序に従ってツリーブロックのCUを符号化した結果として、所与のCUの上、左上、右上、左、および左下のCUは符号化され得る。所与のCUの下および右のCUはまだ符号化されていない。したがって、ビデオエンコーダ20は、所与のCUを符号化するとき、所与のCUに隣接するいくつかのCUを符号化することによって生成された情報にアクセスすることが可能であり得る。しかしながら、ビデオエンコーダ20は、所与のCUを符号化するとき、所与のCUに隣接する他のCUを符号化することによって生成された情報にアクセスすることができないことがある。
[0061]ビデオエンコーダ20が、区分されていないCUを符号化するとき、ビデオエンコーダ20は、CUのために1つまたは複数の予測ユニット(PU)を生成し得る。CUのPUの各々は、CUのビデオブロック内の異なるビデオブロックに関連付けられ得る。ビデオエンコーダ20は、CUの各PUについて予測ビデオブロックを生成し得る。PUの予測ビデオブロックはサンプルのブロックであり得る。ビデオエンコーダ20は、イントラ予測またはインター予測を使用して、PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。
[0062]ビデオエンコーダ20がイントラ予測を使用してPUの予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、PUに関連付けられたピクチャの復号サンプルに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。ビデオエンコーダ20がイントラ予測を使用してCUのPUの予測ビデオブロックを生成する場合、CUはイントラ予測されたCUである。ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してPUの予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20は、PUに関連付けられたピクチャ以外の1つまたは複数のピクチャの復号サンプルに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してCUのPUの予測ビデオブロックを生成する場合、CUはインター予測されたCUである。
[0063]さらに、ビデオエンコーダ20がインター予測を使用してPUのための予測ビデオブロックを生成するとき、ビデオエンコーダ20はPUの動き情報を生成し得る。PUの動き情報は、PUの1つまたは複数の参照ブロックを示し得る。PUの各参照ブロックは参照ピクチャ内のビデオブロックであり得る。参照ピクチャはPUに関連付けられたピクチャ以外のピクチャであり得る。いくつかの事例では、PUの参照ブロックはPUの「参照サンプル」と呼ばれることもある。ビデオエンコーダ20は、PUの参照ブロックに基づいて、PUのための予測ビデオブロックを生成し得る。
[0064]ビデオエンコーダ20がCUの1つまたは複数のPUのための予測ビデオブロックを生成した後、ビデオエンコーダ20は、CUのPUのための予測ビデオブロックに基づいて、CUの残差データを生成し得る。CUの残差データは、CUのPUのための予測ビデオブロック中のサンプルと、CUの元のビデオブロック中のサンプルとの間の差を示し得る。
[0065]さらに、区分されていないCUに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、CUの残差データに対して再帰的な4分木区分を実施して、CUの残差データを、CUの変換ユニット(TU)に関連付けられた残差データの1つまたは複数のブロック(たとえば、残差ビデオブロック)に区分し得る。CUの各TUは異なる残差ビデオブロックに関連付けられ得る。
[0066]ビデオエンコーダ20は、TUに関連付けられた変換係数ブロック(たとえば、変換係数のブロック)を生成するために、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに1つまたは複数の変換を適用し得る。概念的に、変換係数ブロックは変換係数の2次元(2D)行列であり得る。
[0067]変換係数ブロックを生成した後、ビデオエンコーダ20は、変換係数ブロックに対して量子化プロセスを実施し得る。量子化は、一般に、変換係数を表すために使用されるデータの量をできるだけ低減するために変換係数が量子化され、さらなる圧縮を行うプロセスを指す。量子化プロセスは、変換係数の一部または全部に関連付けられたビット深度を低減し得る。たとえば、量子化中にnビットの変換係数がmビットの変換係数に切り捨てられることがあり、ここで、nはmよりも大きい。
[0068]ビデオエンコーダ20は、各CUを量子化パラメータ(QP:quantization parameter)値に関連付け得る。CUに関連付けられたQP値は、ビデオエンコーダ20が、CUに関連付けられた変換係数ブロックをどのように量子化するかを決定し得る。ビデオエンコーダ20は、CUに関連付けられたQP値を調整することによって、CUに関連付けられた変換係数ブロックに適用される量子化の程度を調整し得る。
[0069]ビデオエンコーダ20が変換係数ブロックを量子化した後、ビデオエンコーダ20は、量子化された変換係数ブロック中で変換係数を表すシンタックス要素のセットを生成し得る。ビデオエンコーダ20は、これらのシンタックス要素のうちのいくつかに、コンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(CABAC:Context Adaptive Binary Arithmetic Coding)演算などのエントロピー符号化演算を適用し得る。コンテキスト適応型可変長コーディング(CAVLC:context adaptive variable length coding)、確率間隔区分エントロピー(PIPE:probability interval partitioning entropy)コーディング、または他のバイナリ算術コーディングなど、他のエントロピーコーディング技法も使用され得る。
[0070]ビデオエンコーダ20によって生成されるビットストリームは、一連のネットワークアブストラクションレイヤ(NAL)ユニットを含み得る。NALユニットの各々は、NALユニット中のデータのタイプの指示と、データを含んでいるバイトとを含んでいるシンタックス構造であり得る。たとえば、NALユニットは、ビデオパラメータセット、シーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセット、コード化スライス、補足エンハンスメント情報(SEI:supplemental enhancement information)、アクセスユニット区切り文字、フィラーデータ、または別のタイプのデータを表すデータを含み得る。NALユニット中のデータは様々なシンタックス構造を含み得る。
[0071]ビデオデコーダ30は、ビデオエンコーダ20によって生成されたビットストリームを受信し得る。ビットストリームは、ビデオエンコーダ20によって符号化されたビデオデータのコード化表現を含み得る。ビデオデコーダ30がビットストリームを受信するとき、ビデオデコーダ30は、ビットストリームに対してパース演算を実施し得る。ビデオデコーダ30がパース演算を実施するとき、ビデオデコーダ30は、ビットストリームからシンタックス要素を抽出し得る。ビデオデコーダ30は、ビットストリームから抽出されたシンタックス要素に基づいて、ビデオデータのピクチャを再構成し得る。シンタックス要素に基づいてビデオデータを再構成するためのプロセスは、一般に、シンタックス要素を生成するためにビデオエンコーダ20によって実施されるプロセスとは逆であり得る。
[0072]ビデオデコーダ30がCUに関連付けられたシンタックス要素を抽出した後、ビデオデコーダ30は、シンタックス要素に基づいて、CUのPUのための予測ビデオブロックを生成し得る。さらに、ビデオデコーダ30は、CUのTUに関連付けられた変換係数ブロックを逆量子化し得る。ビデオデコーダ30は、変換係数ブロックに対して逆変換を実施して、CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックを再構成し得る。予測ビデオブロックを生成し、残差ビデオブロックを再構成した後、ビデオデコーダ30は、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとに基づいて、CUのビデオブロックを再構成し得る。このようにして、ビデオデコーダ30は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、CUのビデオブロックを再構成し得る。
ビデオエンコーダ
[0073]図2Aは、本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオエンコーダ20の一例を示すブロック図である。ビデオデコーダ20は、HEVCの場合など、ビデオフレームの単一のレイヤを処理するように構成され得る。さらに、ビデオエンコーダ20は、限定はしないが、図4および図5に関して上記および下記でより詳細に説明するNoOutputOfPriorPicsFlagを推論する方法および関係するプロセスを含む、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。一例として、予測処理ユニット100は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。別の実施形態では、ビデオエンコーダ20は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成された随意のレイヤ間予測ユニット128を含む。他の実施形態では、レイヤ間予測は予測処理ユニット100(たとえば、インター予測ユニット121および/またはイントラ予測ユニット126)によって実施され得、その場合、レイヤ間予測ユニット128は省略され得る。ただし、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの例では、本開示で説明する技法は、ビデオエンコーダ20の様々な構成要素間で共有され得る。いくつかの例では、追加または代替として、プロセッサ(図示せず)が、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[0074]説明の目的で、本開示では、HEVCコーディングのコンテキストにおいてビデオエンコーダ20について説明する。しかしながら、本開示の技法は、他のコーディング規格または方法にも適用可能であり得る。図2Aに示された例はシングルレイヤコーデックに関するものである。しかしながら、図2Bに関してさらに説明するように、ビデオエンコーダ20の一部または全部はマルチレイヤコーデックの処理のために複製され得る。
[0075]ビデオエンコーダ20は、ビデオスライス内のビデオブロックのイントラコーディングおよびインターコーディングを実施し得る。イントラコーディングは、所与のビデオフレームまたはピクチャ内のビデオの空間冗長性を低減または除去するために空間予測に依拠する。インターコーディングは、ビデオシーケンスの隣接フレームまたはピクチャ内のビデオ中の時間冗長性を低減または削除するために、時間予測に依拠する。イントラモード(Iモード)は、いくつかの空間ベースコーディングモードのいずれかを指すことがある。単方向予測(Pモード)または双方向予測(Bモード)などのインターモードは、いくつかの時間ベースのコーディングモードのいずれかを指すことがある。
[0076]図2Aの例では、ビデオエンコーダ20は複数の機能構成要素を含む。ビデオエンコーダ20の機能構成要素は、予測処理ユニット100と、残差生成ユニット102と、変換処理ユニット104と、量子化ユニット106と、逆量子化ユニット108と、逆変換ユニット110と、再構成ユニット112と、フィルタユニット113と、復号ピクチャバッファ114と、エントロピー符号化ユニット116とを含む。予測処理ユニット100は、インター予測ユニット121と、動き推定ユニット122と、動き補償ユニット124と、イントラ予測ユニット126と、レイヤ間予測ユニット128とを含む。他の例では、ビデオエンコーダ20は、より多数の、より少数の、または異なる機能構成要素を含み得る。さらに、動き推定ユニット122と動き補償ユニット124とは、高度に統合され得るが、図2Aの例では、説明の目的で別々に表されている。
[0077]ビデオエンコーダ20はビデオデータを受信し得る。ビデオエンコーダ20は、様々なソースからビデオデータを受信し得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、(たとえば、図1Aまたは図1Bに示された)ビデオソース18、または別のソースからビデオデータを受信し得る。ビデオデータは一連のピクチャを表し得る。ビデオデータを符号化するために、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各々に対して符号化演算を実施し得る。ピクチャに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、ピクチャの各スライスに対して符号化演算を実施し得る。スライスに対して符号化演算を実施することの一部として、ビデオエンコーダ20は、スライス中のツリーブロックに対して符号化演算を実施し得る。
[0078]ツリーブロックに対して符号化演算を実施することの一部として、予測処理ユニット100は、ツリーブロックのビデオブロックに対して4分木区分を実施して、ビデオブロックを徐々により小さいビデオブロックに分割し得る。より小さいビデオブロックの各々は、異なるCUに関連付けられ得る。たとえば、予測処理ユニット100は、ツリーブロックのビデオブロックを4つの等しいサイズのサブブロックに区分し、サブブロックの1つまたは複数を、4つの等しいサイズのサブサブブロックに区分し得、以下同様である。
[0079]CUに関連付けられたビデオブロックのサイズは、8×8サンプルから、最大64×64以上のサンプルをもつツリーブロックのサイズまでに及び得る。本開示では、「N×N(NxN)」および「N×N(N by N)」は、垂直寸法および水平寸法に関するビデオブロックのサンプル寸法、たとえば、16×16(16x16)サンプルまたは16×16(16 by 16)サンプルを指すために互換的に使用され得る。概して、16×16ビデオブロックは、垂直方向に16個のサンプルを有し(y=16)、水平方向に16個のサンプルを有する(x=16)。同様に、N×Nブロックは、概して、垂直方向にN個のサンプルを有し、水平方向にN個のサンプルを有し、ここで、Nは非負整数値を表す。
[0080]さらに、ツリーブロックに対して符号化演算を実施することの一部として、予測処理ユニット100は、ツリーブロック用の階層的な4分木データ構造を生成し得る。たとえば、ツリーブロックは、4分木データ構造のルートノードに対応し得る。予測処理ユニット100が、ツリーブロックのビデオブロックを4つのサブブロックに区分する場合、ルートノードは、4分木データ構造中に4つの子ノードを有する。子ノードの各々は、サブブロックのうちの1つに関連付けられたCUに対応する。予測処理ユニット100が、サブブロックのうちの1つを4つのサブサブブロックに区分する場合、サブブロックに関連付けられたCUに対応するノードは、4つの子ノードを有し得、それらの各々は、サブサブブロックのうちの1つに関連付けられたCUに対応する。
[0081]4分木データ構造の各ノードは、対応するツリーブロックまたはCUのシンタックスデータ(たとえば、シンタックス要素)を含み得る。たとえば、4分木の中のノードは、そのノードに対応するCUのビデオブロックが4つのサブブロックに区分される(たとえば、分割される)かどうかを示すスプリットフラグを含み得る。CUのためのシンタックス要素は、再帰的に定義され得、CUのビデオブロックがサブブロックに分割されるかどうかに依存し得る。それのビデオブロックが区分されていないCUは、4分木データ構造におけるリーフノードに対応し得る。コード化ツリーブロックは、対応するツリーブロック用の4分木データ構造に基づくデータを含み得る。
[0082]ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックの区分されていない各CUに対して符号化演算を実施し得る。ビデオエンコーダ20が、区分されていないCUに対して符号化演算を実施するとき、ビデオエンコーダ20は、区分されていないCUの符号化表現を表すデータを生成する。
[0083]CUに対して符号化演算を実施することの一部として、予測処理ユニット100は、CUの1つまたは複数のPUの中で、CUのビデオブロックを区分し得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、様々なPUサイズをサポートし得る。特定のCUのサイズが2N×2Nであると仮定すると、ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、2N×2NまたはN×NのPUサイズと、2N×2N、2N×N、N×2N、N×N、2N×nU、nL×2N、nR×2N、または同様の対称PUサイズでのインター予測とをサポートし得る。ビデオエンコーダ20およびビデオデコーダ30は、2N×nU、2N×nD、nL×2N、およびnR×2NのPUサイズに対する非対称区分をもサポートし得る。いくつかの例では、予測処理ユニット100は、CUのビデオブロックの辺に直角に接触しない境界に沿って、CUのPUの間でCUのビデオブロックを区分するように、幾何学的な区分を実施し得る。
[0084]インター予測ユニット121はCUの各PUに対してインター予測を実施し得る。インター予測は時間圧縮を実現し得る。PUに対してインター予測を実施するために、動き推定ユニット122はPUの動き情報を生成し得る。動き補償ユニット124は、動き情報と、CUに関連付けられたピクチャ以外のピクチャ(たとえば、参照ピクチャ)の復号サンプルと基づくPUのための予測ビデオブロックを生成し得る。本開示では、動き補償ユニット124によって生成された予測ビデオブロックは、インター予測ビデオブロックと呼ばれ得る。
[0085]スライスは、Iスライス、Pスライス、またはBスライスであり得る。動き推定ユニット122および動き補償ユニット124は、PUがIスライス中にあるか、Pスライス中にあるか、Bスライス中にあるかに応じて、CUのPUに対して異なる演算を実施し得る。Iスライス中では、すべてのPUがイントラ予測される。したがって、PUがIスライス中にある場合、動き推定ユニット122および動き補償ユニット124は、PUに対してインター予測を実施しない。
[0086]PUがPスライス中にある場合、PUを含んでいるピクチャは、「リスト0」と呼ばれる参照ピクチャのリストに関連付けられる。リスト0中の参照ピクチャの各々は、他のピクチャのインター予測に使用され得るサンプルを含んでいる。動き推定ユニット122が、Pスライス中のPUに関して動き推定演算を実施するとき、動き推定ユニット122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0中の参照ピクチャを探索し得る。PUの参照ブロックは、PUのビデオブロック中のサンプルに最も密接に対応するサンプルのセット、たとえば、サンプルのブロックであり得る。動き推定ユニット122は、様々なメトリクスを使用して、参照ピクチャ中のサンプルのセットがどの程度密接にPUのビデオブロック中のサンプルに対応するかを決定し得る。たとえば、動き推定ユニット122は、絶対差分和(SAD:sum of absolute difference)、2乗差分和(SSD:sum of square difference)、または他の差分メトリックによって、参照ピクチャ中のサンプルのセットがどの程度密接にPUのビデオブロック中のサンプルに対応するかを決定し得る。
[0087]Pスライス中のPUの参照ブロックを識別した後、動き推定ユニット122は、参照ブロックを含んでいる、リスト0中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、PUと参照ブロックとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。様々な例において、動き推定ユニット122は動きベクトルを異なる精度に生成し得る。たとえば、動き推定ユニット122は、1/4サンプル精度、1/8サンプル精度、または他の分数のサンプル精度で動きベクトルを生成し得る。分数のサンプル精度の場合、参照ブロック値は、参照ピクチャ中の整数位置のサンプル値から補間され得る。動き推定ユニット122は、PUの動き情報として、参照インデックスと動きベクトルとを出力し得る。動き補償ユニット124は、PUの動き情報によって識別された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0088]PUがBスライス中にある場合、PUを含んでいるピクチャは、「リスト0」および「リスト1」と呼ばれる参照ピクチャの2つのリストに関連付けられ得る。いくつかの例では、Bスライスを含んでいるピクチャは、リスト0とリスト1の組合せである、リストの組合せに関連付けられ得る。
[0089]さらに、PUがBスライス中にある場合、動き推定ユニット122は、PUについての単方向予測または双方向予測を実施し得る。動き推定ユニット122が、PUについての単方向予測を実施するとき、動き推定ユニット122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0またはリスト1の参照ピクチャを探索し得る。動き推定ユニット122は、次いで、参照ブロックを含んでいる、リスト0またはリスト1中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、PUと参照ブロックとの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。動き推定ユニット122は、PUの動き情報として、参照インデックスと、予測方向インジケータと、動きベクトルとを出力し得る。予測方向インジケータは、参照インデックスが、リスト0中の参照ピクチャを示すか、リスト1中の参照ピクチャを示すかを示し得る。動き補償ユニット124は、PUの動き情報によって示された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0090]動き推定ユニット122が、PUについての双方向予測を実施するとき、動き推定ユニット122は、PUのための参照ブロックについて、リスト0中の参照ピクチャを探索し得、また、PUのための別の参照ブロックについて、リスト1中の参照ピクチャを探索し得る。動き推定ユニット122は、次いで、参照ブロックを含んでいる、リスト0およびリスト1中の参照ピクチャを示す参照インデックスと、参照ブロックとPUの間の空間変位を示す動きベクトルとを生成し得る。動き推定ユニット122は、PUの動き情報としてPUの参照インデックスと動きベクトルとを出力し得る。動き補償ユニット124は、PUの動き情報によって示された参照ブロックに基づいて、PUの予測ビデオブロックを生成し得る。
[0091]いくつかの例では、動き推定ユニット122は、PUの動き情報のフルセットをエントロピー符号化ユニット116に出力しない。そうではなく、動き推定ユニット122は、別のPUの動き情報を参照して、PUの動き情報をシグナリングし得る。たとえば、動き推定ユニット122は、PUの動き情報が、隣接PUの動き情報と十分に類似していると決定し得る。この例では、動き推定ユニット122は、PUに関連付けられたシンタックス構造において、PUが隣接PUと同じ動き情報を有することをビデオデコーダ30に示す値を示し得る。別の例では、動き推定ユニット122は、PUに関連付けられたシンタックス構造において、隣接PUと動きベクトル差分(MVD:motion vector difference)とを識別し得る。動きベクトル差分は、PUの動きベクトルと、示される隣接PUの動きベクトルとの間の差分を示す。ビデオデコーダ30は、示される隣接PUの動きベクトルと、動きベクトル差分とを使用して、PUの動きベクトルを決定し得る。第2のPUの動き情報をシグナリングするときに第1のPUの動き情報を参照することによって、ビデオエンコーダ20は、より少数のビットを使用して、第2のPUの動き情報をシグナリングすることが可能であり得る。
[0092]図8〜図9に関して以下でさらに説明するように、予測処理ユニット100は、図8〜図9に示されている方法を実施することによってPU(または他の参照レイヤブロックおよび/またはエンハンスメントレイヤブロックまたはビデオユニット)をコーディング(たとえば、符号化または復号)するように構成され得る。たとえば、(たとえば、動き推定ユニット122および/または動き補償ユニット124を介した)インター予測ユニット121、イントラ予測ユニット126、またはレイヤ間予測ユニット128は、一緒にまたは別々に、図8〜図9に示されている方法を実施するように構成され得る。
[0093]CUに対して符号化演算を実施することの一部として、イントラ予測ユニット126は、CUのPUに対してイントラ予測を実施し得る。イントラ予測は空間圧縮を実現し得る。イントラ予測ユニット126がPUに対してイントラ予測を実施するとき、イントラ予測ユニット126は、同じピクチャ中の他のPUの復号サンプルに基づいて、PUの予測データを生成し得る。PUの予測データは、予測ビデオブロックと様々なシンタックス要素とを含み得る。イントラ予測ユニット126は、Iスライス、Pスライス、およびBスライス中のPUに対してイントラ予測を実施し得る。
[0094]PUに対してイントラ予測を実施するために、イントラ予測ユニット126は、複数のイントラ予測モードを使用して、PUの予測データの複数のセットを生成し得る。イントラ予測ユニット126が、イントラ予測モードを使用してPUの予測データのセットを生成するとき、イントラ予測ユニット126は、イントラ予測モードに関連付けられた方向および/または勾配で、隣接PUのビデオブロックからPUのビデオブロックにわたって、サンプルを延ばし得る。隣接PUは、PU、CU、およびツリーブロックについて左から右、上から下の符号化順序を仮定すると、PUの上、右上、左上、または左にあり得る。イントラ予測ユニット126は、PUのサイズに応じて、様々な数のイントラ予測モード、たとえば、33個の方向性イントラ予測モードを使用し得る。
[0095]予測処理ユニット100は、PUについての、動き補償ユニット124によって生成された予測データ、またはPUについての、イントラ予測ユニット126によって生成された予測データの中から、PUの予測データを選択し得る。いくつかの例では、予測処理ユニット100は、予測データのセットのレート/ひずみメトリックに基づいて、PUのための予測データを選択する。
[0096]予測処理ユニット100が、イントラ予測ユニット126によって生成された予測データを選択する場合、予測処理ユニット100は、PUの予測データを生成するために使用されたイントラ予測モード、たとえば、選択されたイントラ予測モードをシグナリングし得る。予測処理ユニット100は、選択されたイントラ予測モードを様々な方法でシグナリングし得る。たとえば、選択されたイントラ予測モードは、隣接PUのイントラ予測モードと同じであることがあり得る。言い換えれば、隣接PUのイントラ予測モードは現在PUに対して最確モードであり得る。したがって、予測処理ユニット100は、選択されたイントラ予測モードが隣接PUのイントラ予測モードと同じであることを示すための、シンタックス要素を生成し得る。
[0097]上記で説明したように、ビデオエンコーダ20はレイヤ間予測ユニット128を含み得る。レイヤ間予測ユニット128は、SVCにおいて利用可能である1つまたは複数の異なるレイヤ(たとえば、ベースレイヤまたは参照レイヤ)を使用して現在ブロック(たとえば、EL中の現在ブロック)を予測するように構成される。そのような予測はレイヤ間予測と呼ばれることがある。レイヤ間予測ユニット128は、レイヤ間冗長性を低減するために予測方法を利用し、それによって、コーディング効率を改善し、計算リソース要件を低減する。レイヤ間予測のいくつかの例としては、レイヤ間イントラ予測、レイヤ間動き予測、およびレイヤ間残差予測がある。レイヤ間イントラ予測は、ベースレイヤ中のコロケートブロックの再構成を使用してエンハンスメントレイヤ中の現在ブロックを予測する。レイヤ間動き予測は、ベースレイヤの動き情報を使用してエンハンスメントレイヤ中の動作を予測する。レイヤ間残差予測は、ベースレイヤの残差を使用してエンハンスメントレイヤの残差を予測する。レイヤ間予測方式の各々について、より詳細に以下で説明する。
[0098]予測処理ユニット100がCUのPUの予測データを選択した後、残差生成ユニット102は、CUのビデオブロックからCUのPUの予測ビデオブロックを差し引くこと(たとえば、マイナス符号によって示される)によって、CUの残差データを生成し得る。CUの残差データは、CUのビデオブロック中のサンプルの異なるサンプル成分に対応する、2D残差ビデオブロックを含み得る。たとえば、残差データは、CUのPUの予測ビデオブロック中のサンプルのルミナンス成分と、CUの元のビデオブロック中のサンプルのルミナンス成分との間の差分に対応する、残差ビデオブロックを含み得る。さらに、CUの残差データは、CUのPUの予測ビデオブロック中のサンプルのクロミナンス成分と、CUの元のビデオブロック中のサンプルのクロミナンス成分との間の差分に対応する、残差ビデオブロックを含み得る。
[0099]予測処理ユニット100は、4分木区分を実施して、CUの残差ビデオブロックをサブブロックに区分し得る。各分割されていない残差ビデオブロックは、CUの異なるTUに関連付けられ得る。CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックのサイズおよび位置は、CUのPUに関連付けられたビデオブロックのサイズおよび位置に基づくことも基づかないこともある。「残差4分木」(RQT:residual quad tree)として知られる4分木構造は、残差ビデオブロックの各々に関連付けられたノードを含み得る。CUのTUはRQTのリーフノードに対応し得る。
[00100]変換処理ユニット104は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに1つまたは複数の変換を適用することによって、CUの各TUのための1つまたは複数の変換係数ブロックを生成し得る。変換係数ブロックの各々は、変換係数の2D行列であり得る。変換処理ユニット104は、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに様々な変換を適用し得る。たとえば、変換処理ユニット104は、離散コサイン変換(DCT)、方向性変換、または概念的に同様の変換を、TUに関連付けられた残差ビデオブロックに適用し得る。
[00101]変換処理ユニット104が、TUに関連付けられた変換係数ブロックを生成した後、量子化ユニット106は、変換係数ブロック中の変換係数を量子化し得る。量子化ユニット106は、CUに関連付けられたQP値に基づいて、CUのTUに関連付けられた変換係数ブロックを量子化し得る。
[00102]ビデオエンコーダ20は、様々な方法でQP値をCUに関連付け得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、CUに関連付けられたツリーブロックに対してレートひずみ分析を実施し得る。レートひずみ分析では、ビデオエンコーダ20は、ツリーブロックに対して符号化演算を複数回実施することによって、ツリーブロックの複数のコード化表現を生成し得る。ビデオエンコーダ20がツリーブロックの異なる符号化表現を生成するとき、ビデオエンコーダ20は、異なるQP値をCUに関連付け得る。ビデオエンコーダ20は、最小のビットレートおよびひずみメトリックを有するツリーブロックのコード化表現で所与のQP値がCUに関連付けられるとき、所与のQP値がCUに関連付けられることをシグナリングし得る。
[00103]逆量子化ユニット108および逆変換ユニット110は、それぞれ、変換係数ブロックに逆量子化と逆変換とを適用して、変換係数ブロックから残差ビデオブロックを再構成し得る。再構成ユニット112は、再構成された残差ビデオブロックを、予測処理ユニット100によって生成された1つまたは複数の予測ビデオブロックからの対応するサンプルに追加して、TUに関連付けられた再構成されたビデオブロックを生成し得る。このようにCUの各TUのためのビデオブロックを再構成することによって、ビデオエンコーダ20は、CUのビデオブロックを再構成し得る。
[00104]再構成ユニット112がCUのビデオブロックを再構成した後、フィルタユニット113は、CUに関連付けられたビデオブロックにおけるブロッキングアーティファクトを低減するためにデブロッキング演算を実施し得る。1つまたは複数のデブロッキング演算を実施した後、フィルタユニット113は、復号ピクチャバッファ114にCUの再構成されたビデオブロックを記憶し得る。動き推定ユニット122および動き補償ユニット124は、再構成されたビデオブロックを含んでいる参照ピクチャを使用して、後続ピクチャのPUに対してインター予測を実施し得る。さらに、イントラ予測ユニット126は、復号ピクチャバッファ114中の再構成されたビデオブロックを使用して、CUと同じピクチャの中の他のPUに対してイントラ予測を実施し得る。
[00105]エントロピー符号化ユニット116は、ビデオエンコーダ20の他の機能構成要素からデータを受信し得る。たとえば、エントロピー符号化ユニット116は、量子化ユニット106から変換係数ブロックを受信し得、予測処理ユニット100からシンタックス要素を受信し得る。エントロピー符号化ユニット116がデータを受信するとき、エントロピー符号化ユニット116は、1つまたは複数のエントロピー符号化演算を実施して、エントロピー符号化されたデータを生成し得る。たとえば、ビデオエンコーダ20は、コンテキスト適応型可変長コーディング(CAVLC)演算、CABAC演算、変数間(V2V:variable-to-variable)レングスコーディング演算、シンタックスベースコンテキスト適応型バイナリ算術コーディング(SBAC:syntax-based context-adaptive binary arithmetic coding)演算、確率間隔区分エントロピー(PIPE)コーディング演算、または別のタイプのエントロピー符号化演算をデータに対して実施し得る。エントロピー符号化ユニット116は、エントロピー符号化されたデータを含むビットストリームを出力し得る。
[00106]データに対してエントロピー符号化演算を実施することの一部として、エントロピー符号化ユニット116は、コンテキストモデルを選択し得る。エントロピー符号化ユニット116がCABAC演算を実施している場合、コンテキストモデルは、特定の値を有する特定のビンの確率の推定値を示し得る。CABACのコンテキストでは、「ビン」という用語は、シンタックス要素の2値化されたバージョンのビットを指すために使用される。
マルチレイヤビデオエンコーダ
[00107]図2Bは、本開示で説明する態様による技法を実装し得る(単にビデオエンコーダ23とも呼ばれる)マルチレイヤビデオエンコーダ23の一例を示すブロック図である。ビデオエンコーダ23は、SHVCおよびマルチビューコーディングの場合など、マルチレイヤビデオフレームを処理するように構成され得る。さらに、ビデオエンコーダ23は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[00108]ビデオエンコーダ23はビデオエンコーダ20Aとビデオエンコーダ20Bとを含み、それらの各々はビデオエンコーダ20として構成され得、ビデオエンコーダ20に関して上記で説明した機能を実施し得る。さらに、参照番号の再利用によって示されるように、ビデオエンコーダ20Aおよび20Bは、ビデオエンコーダ20としてシステムとサブシステムとのうちの少なくともいくつかを含み得る。ビデオエンコーダ23は、2つのビデオエンコーダ20Aおよび20Bを含むものとして示されているが、ビデオエンコーダ23は、そのようなものとして限定されず、任意の数のビデオエンコーダ20レイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ビデオエンコーダ23はアクセスユニット中の各ピクチャまたはフレームについてビデオエンコーダ20を含み得る。たとえば、5つのピクチャを含むアクセスユニットは、5つのエンコーダレイヤを含むビデオエンコーダによって処理または符号化され得る。いくつかの実施形態では、ビデオエンコーダ23は、アクセスユニット中のフレームよりも多くのエンコーダレイヤを含み得る。いくつかのそのような場合では、ビデオエンコーダレイヤのいくつかは、いくつかのアクセスユニットを処理するときに非アクティブであり得る。
[00109]ビデオエンコーダ20Aおよび20Bに加えて、ビデオエンコーダ23はリサンプリングユニット90を含み得る。リサンプリングユニット90は、場合によっては、たとえば、エンハンスメントレイヤを作成するために、受信されたビデオフレームのベースレイヤをアップサンプリングし得る。リサンプリングユニット90は、フレームの受信されたベースレイヤに関連付けられた特定の情報をアップサンプリングするが、他の情報をアップサンプリングしないことがある。たとえば、リサンプリングユニット90は、ベースレイヤの空間サイズまたはピクセルの数をアップサンプリングし得るが、スライスの数またはPOCは一定のままであり得る。場合によっては、リサンプリングユニット90は、受信されたビデオを処理しないことがあるか、および/または随意であり得る。たとえば、場合によっては、予測処理ユニット100がアップサンプリングを実施し得る。いくつかの実施形態では、リサンプリングユニット90は、レイヤをアップサンプリングすることと、スライス境界ルールおよび/またはラスタ走査ルールのセットに準拠するために1つまたは複数のスライスを再編成、再定義、変更、または調整することとを行うように構成される。アクセスユニット中のベースレイヤまたは下位レイヤをアップサンプリングするものとして主に説明したが、場合によっては、リサンプリングユニット90はレイヤをダウンサンプリングし得る。たとえば、ビデオのストリーミング中に帯域幅が減少した場合、フレームは、アップサンプリングされるのではなく、ダウンサンプリングされ得る。
[00110]リサンプリングユニット90は、下位レイヤエンコーダ(たとえば、ビデオエンコーダ20A)の復号ピクチャバッファ114からピクチャまたはフレーム(またはピクチャに関連付けられたピクチャ情報)を受信し、ピクチャ(または受信されたピクチャ情報)をアップサンプリングするように構成され得る。このアップサンプリングされたピクチャは、次いで、下位レイヤエンコーダと同じアクセスユニット中のピクチャを符号化するように構成された上位レイヤエンコーダ(たとえば、ビデオエンコーダ20B)の予測処理ユニット100に与えられ得る。場合によっては、上位レイヤエンコーダは、下位レイヤエンコーダから削除された1つのレイヤである。他の場合には、図2Bのレイヤ0ビデオエンコーダとレイヤ1エンコーダとの間に1つまたは複数の上位レイヤエンコーダがあり得る。
[00111]場合によっては、リサンプリングユニット90は省略またはバイパスされ得る。そのような場合、ビデオエンコーダ20Aの復号ピクチャバッファ114からのピクチャは、直接、または少なくともリサンプリングユニット90に与えられることなしに、ビデオエンコーダ20Bの予測処理ユニット100に与えられ得る。たとえば、ビデオエンコーダ20Bに与えられたビデオデータと、ビデオエンコーダ20Aの復号ピクチャバッファ114からの参照ピクチャとが同じサイズまたは解像度である場合、参照ピクチャは、なんらリサンプリングすることなしにビデオエンコーダ20Bに与えられ得る。
[00112]いくつかの実施形態では、ビデオエンコーダ23は、ビデオエンコーダ20Aにビデオデータを与える前に、ダウンサンプリングユニット94を使用して下位レイヤエンコーダに与えられるべきビデオデータをダウンサンプリングする。代替的に、ダウンサンプリングユニット94は、ビデオデータをアップサンプリングまたはダウンサンプリングすることが可能なリサンプリングユニット90であり得る。また他の実施形態では、ダウンサンプリングユニット94は省略され得る。
[00113]図2Bに示されているように、ビデオエンコーダ23は、マルチプレクサ98、またはmuxをさらに含み得る。mux98は、ビデオエンコーダ23から合成ビットストリームを出力し得る。合成ビットストリームは、ビデオエンコーダ20Aおよび20Bの各々からビットストリームを取り、所与の時間において出力されるビットストリームを交替することによって作成され得る。場合によっては、2つの(または、3つ以上のビデオエンコーダレイヤの場合には、より多くの)ビットストリームからのビットが一度に1ビットずつ交替され得るが、多くの場合、ビットストリームは別様に合成され得る。たとえば、出力ビットストリームは、選択されたビットストリームを一度に1ブロックずつ交替することによって作成され得る。別の例では、出力ビットストリームは、ビデオエンコーダ20Aおよび20Bの各々からブロックの非1:1比を出力することによって作成され得る。たとえば、ビデオエンコーダ20Aから出力された各ブロックについて、2つのブロックがビデオエンコーダ20Bから出力され得る。いくつかの実施形態では、mux98からの出力ストリームはプリプログラムされ得る。他の実施形態では、mux98は、ソースデバイス12を含むソースデバイス上のプロセッサからなど、ビデオエンコーダ23の外部のシステムから受信された制御信号に基づいて、ビデオエンコーダ20A、20Bからのビットストリームを合成し得る。制御信号は、ビデオソース18からのビデオの解像度またはビットレートに基づいて、リンク16の帯域幅に基づいて、ユーザに関連付けられたサブスクリプション(たとえば、有料サブスクリプション対無料サブスクリプション)に基づいて、またはビデオエンコーダ23から望まれる解像度出力を決定するための他のファクタに基づいて生成され得る。
ビデオデコーダ
[00114]図3Aは、本開示で説明する態様による技法を実装し得るビデオデコーダ30の一例を示すブロック図である。ビデオデコーダ30は、HEVCの場合など、ビデオフレームの単一のレイヤを処理するように構成され得る。さらに、ビデオデコーダ30は、限定はしないが、図4および図5に関して上記および下記でより詳細に説明するNoOutputOfPriorPicsFlagを推論する方法および関係するプロセスを含む、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。一例として、動き補償ユニット162および/またはイントラ予測ユニット164は、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。一実施形態では、ビデオデコーダ30は、場合によっては、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成されたレイヤ間予測ユニット166を含み得る。他の実施形態では、レイヤ間予測は予測処理ユニット152(たとえば、動き補償ユニット162および/またはイントラ予測ユニット164)によって実施され得、その場合、レイヤ間予測ユニット166は省略され得る。ただし、本開示の態様はそのように限定されない。いくつかの例では、本開示で説明する技法は、ビデオデコーダ30の様々な構成要素間で共有され得る。いくつかの例では、追加または代替として、プロセッサ(図示せず)が、本開示で説明する技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[00115]説明の目的で、本開示では、HEVCコーディングのコンテキストにおいてビデオデコーダ30について説明する。しかしながら、本開示の技法は、他のコーディング規格または方法にも適用可能であり得る。図3Aに示された例はシングルレイヤコーデックに関するものである。しかしながら、図3Bに関してさらに説明するように、ビデオデコーダ30の一部または全部はマルチレイヤコーデックの処理のために複製され得る。
[00116]図3Aの例では、ビデオデコーダ30は複数の機能構成要素を含む。ビデオデコーダ30の機能構成要素は、エントロピー復号ユニット150と、予測処理ユニット152と、逆量子化ユニット154と、逆変換ユニット156と、再構成ユニット158と、フィルタユニット159と、復号ピクチャバッファ160とを含む。予測処理ユニット152は、動き補償ユニット162と、イントラ予測ユニット164と、レイヤ間予測ユニット166とを含む。いくつかの例では、ビデオデコーダ30は、図2Aのビデオエンコーダ20に関して説明された符号化経路とは全般に逆の復号経路を実施し得る。他の例では、ビデオデコーダ30は、より多数の、より少数の、または異なる機能構成要素を含み得る。
[00117]ビデオデコーダ30は、符号化ビデオデータを備えるビットストリームを受信し得る。ビットストリームは複数のシンタックス要素を含み得る。ビデオデコーダ30がビットストリームを受信したとき、エントロピー復号ユニット150は、ビットストリームに対してパース演算を実施し得る。ビットストリームに対してパース演算を実施した結果として、エントロピー復号ユニット150は、ビットストリームからシンタックス要素を抽出し得る。パース演算を実施することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、ビットストリーム中のエントロピー符号化されたシンタックス要素をエントロピー復号し得る。予測処理ユニット152、逆量子化ユニット154、逆変換ユニット156、再構成ユニット158、およびフィルタユニット159は、ビットストリームから抽出されたシンタックス要素に基づいて、復号ビデオデータを生成する再構成演算を実施し得る。
[00118]上記で説明したように、ビットストリームは、一連のNALユニットを備え得る。ビットストリームのNALユニットは、ビデオパラメータセットNALユニット、シーケンスパラメータセットNALユニット、ピクチャパラメータセットNALユニット、SEI NALユニットなどを含み得る。ビットストリームに対してパース演算を実施することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、シーケンスパラメータセットNALユニットからのシーケンスパラメータセット、ピクチャパラメータセットNALユニットからのピクチャパラメータセット、SEI NALユニットからのSEIデータなどを抽出しエントロピー復号する、パース演算を実施し得る。
[00119]さらに、ビットストリームのNALユニットはコード化スライスNALユニットを含み得る。ビットストリームに対してパース演算を実施することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、コード化スライスNALユニットからコード化スライスを抽出しエントロピー復号する、パース演算を実施し得る。コーディングされたスライスの各々は、スライスヘッダとスライスデータとを含み得る。スライスヘッダは、スライスに関するシンタックス要素を含んでいることがある。スライスヘッダ中のシンタックス要素は、スライスを含んでいるピクチャに関連付けられたピクチャパラメータセットを識別するシンタックス要素を含み得る。エントロピー復号ユニット150は、コード化されたスライスヘッダ中のシンタックス要素に対して、CABAC復号演算などのエントロピー復号演算を実施して、スライスヘッダを再構成し得る。
[00120]コード化スライスのNALユニットからスライスデータを抽出することの一部として、エントロピー復号ユニット150は、スライスデータ中のコード化CUからシンタックス要素を抽出するパース演算を実施し得る。抽出されたシンタックス要素は、変換係数ブロックに関連付けられたシンタックス要素を含み得る。エントロピー復号ユニット150は、次いで、シンタックス要素のうちのいくつかに対してCABAC復号演算を実施し得る。
[00121]エントロピー復号ユニット150が区分されていないCUに対してパース演算を実施した後、ビデオデコーダ30は、区分されていないCUに対して再構成演算を実施し得る。区分されていないCUに対して再構成演算を実施するために、ビデオデコーダ30はCUの各TUに対して再構成演算を実施し得る。CUの各TUについて再構成演算を実施することによって、ビデオデコーダ30は、CUに関連付けられた残差ビデオブロックを再構成し得る。
[00122]TUに対して再構成演算を実施することの一部として、逆量子化ユニット154は、TUに関連付けられた変換係数ブロックを逆量子化(inverse quantize)、たとえば、逆量子化(de-quantize)し得る。逆量子化ユニット154は、HEVC用に提案された、またはH.264復号規格によって定義された逆量子化プロセスと同様の方式で、変換係数ブロックを逆量子化し得る。逆量子化ユニット154は、量子化の程度を決定し、同様に、逆量子化ユニット154が適用すべき逆量子化の程度を決定するために、変換係数ブロックのCUのためにビデオエンコーダ20によって計算される量子化パラメータQPを使用し得る。
[00123]逆量子化ユニット154が変換係数ブロックを逆量子化した後、逆変換ユニット156は、変換係数ブロックに関連付けられたTUのための残差ビデオブロックを生成し得る。逆変換ユニット156は、TUのための残差ビデオブロックを生成するために、変換係数ブロックに逆変換を適用し得る。たとえば、逆変換ユニット156は、変換係数ブロックに、逆DCT、逆整数変換、逆カルーネンレーベ変換(KLT:Karhunen-Loeve transform)、逆回転変換、逆方向変換、または別の逆変換を適用し得る。いくつかの例では、逆変換ユニット156は、ビデオエンコーダ20からのシグナリングに基づいて、変換係数ブロックに適用すべき逆変換を決定し得る。そのような例では、逆変換ユニット156は、変換係数ブロックに関連付けられたツリーブロックの4分木のルートノードにおいてシグナリングされた変換に基づいて、逆変換を決定し得る。他の例では、逆変換ユニット156は、ブロックサイズ、コーディングモードなど、1つまたは複数のコーディング特性から逆変換を推論し得る。いくつかの例では、逆変換ユニット156はカスケード逆変換を適用し得る。
[00124]いくつかの例では、動き補償ユニット162は、補間フィルタに基づく補間を実施することによって、PUの予測ビデオブロックを改良し得る。サブサンプル精度をもつ動き補償のために使用されるべき補間フィルタのための識別子が、シンタックス要素中に含まれ得る。動き補償ユニット162は、PUの予測ビデオブロックの生成中にビデオエンコーダ20によって使用された同じ補間フィルタを使用して、参照ブロックのサブ整数サンプルについての補間値を計算し得る。動き補償ユニット162は、受信されたシンタックス情報に従って、ビデオエンコーダ20によって使用された補間フィルタを決定し、その補間フィルタを使用して予測ビデオブロックを生成し得る。
[00125]図8〜図9に関して以下でさらに説明するように、予測処理ユニット152は、図8〜図9に示されている方法を実施することによってPU(または他の参照レイヤブロックおよび/またはエンハンスメントレイヤブロックまたはビデオユニット)をコーディング(たとえば、符号化または復号)し得る。たとえば、動き補償ユニット162、イントラ予測ユニット164、またはレイヤ間予測ユニット166は、一緒または別々のいずれかで、図8〜図9に示されている方法を実施するように構成され得る。
[00126]PUが、イントラ予測を使用して符号化される場合、イントラ予測ユニット164は、PUのための予測ビデオブロックを生成するためにイントラ予測を実施し得る。たとえば、イントラ予測ユニット164は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、PUのためのイントラ予測モードを決定し得る。ビットストリームは、PUのイントラ予測モードを決定するためにイントラ予測ユニット164が使用し得るシンタックス要素を含み得る。
[00127]いくつかの事例では、シンタックス要素は、イントラ予測ユニット164が別のPUのイントラ予測モードを使用して現在PUのイントラ予測モードを決定すべきであることを示し得る。たとえば、現在PUのイントラ予測モードは隣接PUのイントラ予測モードと同じであることがあり得る。言い換えれば、隣接PUのイントラ予測モードは、現在PUに対して最確モードであり得る。したがって、この例では、ビットストリームは、PUのイントラ予測モードが隣接PUのイントラ予測モードと同じであることを示す、小さいシンタックス要素を含み得る。イントラ予測ユニット164は、次いで、イントラ予測モードを使用して、空間的に隣接するPUのビデオブロックに基づいて、PUの予測データ(たとえば、予測サンプル)を生成し得る。
[00128]上記で説明したように、ビデオデコーダ30もレイヤ間予測ユニット166を含み得る。レイヤ間予測ユニット166は、SVCにおいて利用可能である1つまたは複数の異なるレイヤ(たとえば、ベースレイヤまたは参照レイヤ)を使用して、現在ブロック(たとえば、EL中の現在ブロック)を予測するように構成される。そのような予測はレイヤ間予測と呼ばれることがある。レイヤ間予測ユニット166は、レイヤ間冗長性を低減するための予測方法を利用し、それによって、コーディング効率を改善し、計算リソース要件を低減する。レイヤ間予測のいくつかの例としては、レイヤ間イントラ予測、レイヤ間動き予測、およびレイヤ間残差予測がある。レイヤ間イントラ予測は、エンハンスメントレイヤ中の現在ブロックを予測するために、ベースレイヤ中のコロケートブロックの再構成を使用する。レイヤ間動き予測は、ベースレイヤの動き情報を使用してエンハンスメントレイヤ中の動作を予測する。レイヤ間残差予測は、ベースレイヤの残差を使用してエンハンスメントレイヤの残差を予測する。レイヤ間予測方式の各々について、より詳細に以下で説明する。
[00129]再構成ユニット158は、適用可能なとき、CUのTUに関連付けられた残差ビデオブロックとCUのPUの予測ビデオブロックとを使用して、すなわち、イントラ予測データまたはインター予測データのいずれかを使用して、CUのビデオブロックを再構成し得る。したがって、ビデオデコーダ30は、ビットストリーム中のシンタックス要素に基づいて、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとを生成し得、予測ビデオブロックと残差ビデオブロックとに基づいて、ビデオブロックを生成し得る。
[00130]再構成ユニット158がCUのビデオブロックを再構成した後、フィルタユニット159は、デブロッキング演算を実施して、CUに関連付けられたブロッキングアーティファクトを低減し得る。フィルタユニット159が、CUに関連付けられたブロッキングアーティファクトを低減するためにデブロッキング演算を実施した後、ビデオデコーダ30はCUのビデオブロックを復号ピクチャバッファ160に記憶し得る。復号ピクチャバッファ160は、後続の動き補償、イントラ予測、および図1Aまたは図1Bのディスプレイデバイス32などのディスプレイデバイス上での提示のために、参照ピクチャを与え得る。たとえば、ビデオデコーダ30は、復号ピクチャバッファ160中のビデオブロックに基づいて、他のCUのPUに対してイントラ予測演算またはインター予測演算を実施し得る。
マルチレイヤデコーダ
[00131]図3Bは、本開示で説明する態様による技法を実装し得る(単にビデオデコーダ33とも呼ばれる)マルチレイヤビデオデコーダ33の一例を示すブロック図である。ビデオデコーダ33は、SHVCおよびマルチビューコーディングの場合など、マルチレイヤビデオフレームを処理するように構成され得る。さらに、ビデオデコーダ33は、本開示の技法のいずれかまたはすべてを実施するように構成され得る。
[00132]ビデオデコーダ33はビデオデコーダ30Aとビデオデコーダ30Bとを含み、それらの各々はビデオデコーダ30として構成され得、ビデオデコーダ30に関して上記で説明した機能を実施し得る。さらに、参照番号の再利用によって示されるように、ビデオデコーダ30Aおよび30Bは、ビデオデコーダ30としてシステムとサブシステムとのうちの少なくともいくつかを含み得る。ビデオデコーダ33は、2つのビデオデコーダ30Aおよび30Bを含むものとして示されているが、ビデオデコーダ33は、そのようなものとして限定されず、任意の数のビデオデコーダ30レイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、ビデオデコーダ33はアクセスユニット中の各ピクチャまたはフレームについてビデオデコーダ30を含み得る。たとえば、5つのピクチャを含むアクセスユニットは、5つのデコーダレイヤを含むビデオデコーダによって処理または復号され得る。いくつかの実施形態では、ビデオデコーダ33は、アクセスユニット中のフレームよりも多くのデコーダレイヤを含み得る。いくつかのそのような場合では、ビデオデコーダレイヤのいくつかは、いくつかのアクセスユニットを処理するときに非アクティブであり得る。
[00133]ビデオデコーダ30Aおよび30Bに加えて、ビデオデコーダ33はアップサンプリングユニット92を含み得る。いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、フレームまたはアクセスユニットのための参照ピクチャリストに追加されるべきエンハンストレイヤを作成するために、受信されたビデオフレームのベースレイヤをアップサンプリングし得る。このエンハンストレイヤは復号ピクチャバッファ160に記憶され得る。いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、図2Aのリサンプリングユニット90に関して説明した実施形態の一部または全部を含むことができる。いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、レイヤをアップサンプリングすることと、スライス境界ルールおよび/またはラスタ走査ルールのセットに準拠するために1つまたは複数のスライスを再編成、再定義、変更、または調整することとを行うように構成される。場合によっては、アップサンプリングユニット92は、受信されたビデオフレームのレイヤをアップサンプリングおよび/またはダウンサンプリングするように構成されたリサンプリングユニットであり得る。
[00134]アップサンプリングユニット92は、下位レイヤデコーダ(たとえば、ビデオデコーダ30A)の復号ピクチャバッファ160からピクチャまたはフレーム(またはピクチャに関連付けられたピクチャ情報)を受信し、ピクチャ(または受信されたピクチャ情報)をアップサンプリングするように構成され得る。このアップサンプリングされたピクチャは、次いで、下位レイヤデコーダと同じアクセスユニット中のピクチャを復号するように構成された上位レイヤデコーダ(たとえば、ビデオデコーダ30B)の予測処理ユニット152に与えられ得る。場合によっては、上位レイヤデコーダは、下位レイヤデコーダから削除された1つのレイヤである。他の場合には、図3Bのレイヤ0ビデオデコーダとレイヤ1デコーダとの間に1つまたは複数の上位レイヤデコーダがあり得る。
[00135]場合によっては、アップサンプリングユニット92は省略またはバイパスされ得る。そのような場合、ビデオデコーダ30Aの復号ピクチャバッファ160からのピクチャは、直接、または少なくともアップサンプリングユニット92に与えられることなしに、ビデオデコーダ30Bの予測処理ユニット152に与えられ得る。たとえば、ビデオデコーダ30Bに与えられたビデオデータと、ビデオデコーダ30Aの復号ピクチャバッファ160からの参照ピクチャとが同じサイズまたは解像度である場合、参照ピクチャは、アップサンプリングなしにビデオデコーダ30Bに与えられ得る。さらに、いくつかの実施形態では、アップサンプリングユニット92は、ビデオデコーダ30Aの復号ピクチャバッファ160から受信された参照ピクチャをアップサンプリングまたはダウンサンプリングするように構成されたリサンプリングユニット90であり得る。
[00136]図3Bに示されているように、ビデオデコーダ33は、デマルチプレクサ99、またはdemuxをさらに含み得る。demux99は符号化ビデオビットストリームを複数のビットストリームにスプリットすることができ、demux99によって出力された各ビットストリームは異なるビデオデコーダ30Aおよび30Bに与えられる。複数のビットストリームは、ビットストリームを受信することによって作成され得、ビデオデコーダ30Aおよび30Bの各々は、所与の時間においてビットストリームの一部分を受信する。場合によっては、demux99において受信されるビットストリームからのビットは、ビデオデコーダの各々(たとえば、図3Bの例ではビデオデコーダ30Aおよび30B)の間で一度に1ビットずつ交替され得るが、多くの場合、ビットストリームは別様に分割される。たとえば、ビットストリームは、一度に1ブロックずつビットストリームを受信するビデオデコーダを交替することによって分割され得る。別の例では、ビットストリームは、1:1ではない比のブロックによって、ビデオデコーダ30Aおよび30Bの各々に分割され得る。たとえば、2つのブロックは、ビデオデコーダ30Aに与えられる各ブロックについてビデオデコーダ30Bに与えられ得る。いくつかの実施形態では、demux99によるビットストリームの分割はプリプログラムされ得る。他の実施形態では、demux99は、宛先モジュール14を含む宛先デバイス上のプロセッサからのような、ビデオデコーダ33の外部のシステムから受信された制御信号に基づいてビットストリームを分割し得る。制御信号は、入力インターフェース28からのビデオの解像度またはビットレートに基づいて、リンク16の帯域幅に基づいて、ユーザに関連付けられたサブスクリプション(たとえば、有料サブスクリプション対無料サブスクリプション)に基づいて、またはビデオデコーダ33によって取得可能な解像度を決定するための他のファクタに基づいて生成され得る。
イントラランダムアクセスポイント(IRAP)ピクチャ
[00137]いくつかのビデオコーディング方式は、ビットストリーム全体にわたって様々なランダムアクセスポイントを、ビットストリームの中でそれらのランダムアクセスポイントに先行するいかなるピクチャも復号する必要なしに、ビットストリームが、それらのランダムアクセスポイントのいずれかから始めても復号され得るように、提供し得る。そのようなビデオコーディング方式では、(たとえば、ランダムアクセスポイントを与えるピクチャと同じアクセスユニット中にあるピクチャを含む)出力順序においてランダムアクセスポイントに後続するピクチャは、ランダムアクセスポイントに先行するいかなるピクチャをも使用することなしに正しく復号され得る。たとえば、ビットストリームの一部分が送信の間または復号の間に失われても、デコーダは、次のランダムアクセスポイントから始めてビットストリームの復号を再開することができる。ランダムアクセスのサポートは、たとえば、動的なストリーミングサービス、シーク動作、チャネル切替えなどを容易にし得る。場合によっては、出力順序においてランダムアクセスポイントに後続するピクチャは、復号のためにリーディングピクチャを使用し得る。リーディングピクチャは、ビットストリーム中のランダムアクセスポイントに後続し、ランダムアクセスポイントの前に出力および表示される、ピクチャを指し得る。
[00138]いくつかのコーディング方式では、そのようなランダムアクセスポイントは、IRAPピクチャと呼ばれるピクチャによって与えられ得る。たとえば、アクセスユニット(「auA」)中に含まれているエンハンスメントレイヤ(「layerA」)中の(たとえば、エンハンスメントレイヤIRAPピクチャによって与えられる)ランダムアクセスポイントは、各参照レイヤ(「layerB」)中にあり、復号順序においてauAに先行するアクセスユニット(「auB」)中に含まれているランダムアクセスポイント(または、auA中に含まれているランダムアクセスポイント)を有するlayerAのlayerB(たとえば、layerAを予測するために使用されるレイヤである参照レイヤ)に関して出力順序においてauBに後続する(auB中に位置するピクチャを含む)layerA中のピクチャが、auBに先行するlayerA中のいかなるピクチャも復号する必要なしに正しく復号可能であり得るように、レイヤ特有のランダムアクセスを与え得る。たとえば、復号がauBから開始し、layerB中およびauB中のピクチャが復号可能であるとき、auA中にあるレイヤA中のピクチャと、auAに後続するlayerA中のピクチャは復号可能である。
[00139]IRAPピクチャは、イントラ予測を使用してコーディングされ得(たとえば、同じレイヤ中の他のピクチャを参照することなしにコーディングされ得)、たとえば、瞬時復号リフレッシュ(IDR:instantaneous decoding refresh)ピクチャと、クリーンランダムアクセス(CRA:clean random access)ピクチャと、切断リンクアクセス(BLA:broken link access)ピクチャとを含み得る。ビットストリーム中にIDRピクチャがあるとき、復号順序においてIDRピクチャに先行するすべてのピクチャは、復号順序においてIDRピクチャに後続するピクチャによる予測のために使用されない。ビットストリーム中にCRAピクチャがあるとき、CRAピクチャに後続するピクチャは、復号順序においてCRAピクチャに先行するピクチャを予測のために使用することも、使用しないこともある。復号順序においてCRAピクチャに後続するが、復号順序においてCRAピクチャに先行するピクチャを使用するピクチャは、ランダムアクセススキップリーディング(RASL:random access skipped leading)ピクチャと呼ばれることがある。復号順序においてIRAPピクチャに後続し、出力順序においてIRAPピクチャに先行する別のタイプのピクチャは、ランダムアクセス復号可能リーディング(RADL:random access decodable leading)ピクチャであり、それは、復号順序においてIRAPピクチャに先行するいかなるピクチャへの参照も含んでいないことがある。CRAピクチャに先行するピクチャが利用可能でない場合、RASLピクチャはデコーダによって廃棄され得る。RASLピクチャは、BLAピクチャの後に存在することも存在しないこともある。RASLピクチャがBLAピクチャの後に存在するとき、それらは、それらの参照ピクチャが利用可能でないことがあるので、無視されるべきであり、および/または復号されるべきでない。IRAPピクチャであるベースレイヤピクチャ(たとえば、0のレイヤID値を有するピクチャ)を含んでいるアクセスユニット(たとえば、複数のレイヤにわたって同じ出力時間に関連付けられたコード化ピクチャを含むピクチャのグループ)は、IRAPアクセスユニットと呼ばれることがある。
IRAPピクチャのクロスレイヤ整合
[00140]SHVCおよびMV−HEVCのようなHEVC拡張では、IRAPピクチャは、異なるレイヤにわたって整合される(たとえば、同じアクセスユニット中に含まれている)ことを必要とされないことがある。たとえば、IRAPピクチャが整合されることを必要とされた場合、少なくとも1つのIRAPピクチャを含んでいるいかなるアクセスユニットもIRAPピクチャのみを含んでいることになる。一方、IRAPピクチャが整合されることを必要とされなかった場合、単一のアクセスユニット中で、(たとえば、第1のレイヤ中の)あるピクチャはIRAPピクチャであり得、(たとえば、第2のレイヤ中の)別のピクチャは非IRAPピクチャであり得る。ビットストリーム中でそのような整合されないIRAPピクチャを有することは、いくつかの利点を与え得る。たとえば、2レイヤビットストリーム中で、エンハンスメントレイヤ中よりもベースレイヤ中により多くのIRAPがある場合、ブロードキャストおよびマルチキャスト適用例では、低い同調遅延および高いコーディング効率が達成され得る。
[00141]いくつかのビデオコーディング方式では、POCが、復号ピクチャが表示される相対的な順序を追跡するために使用され得る。そのようなコーディング方式のうちのいくつかは、いくつかのタイプのピクチャがビットストリーム中に出現するときはいつでも、POC値がリセットされるように(たとえば、0に設定されるか、またはビットストリーム中でシグナリングされた何らかの値に設定され)し得る。たとえば、いくつかのIRAPピクチャのPOC値がリセットされ、それにより、復号順序においてそれらのIRAPピクチャに先行する他のピクチャのPOC値もリセットされ得る。IRAPピクチャが異なるレイヤにわたって整合されることを必要とされないとき、このことが問題になり得る。たとえば、あるピクチャ(「picA」)がIRAPピクチャであり、同じアクセスユニット中の別のピクチャ(「picB」)がIRAPピクチャでないとき、picAを含んでいるレイヤ中のピクチャ(「picC」)のPOC値は、picAがIRAPピクチャであることに起因してリセットされ、picBを含んでいるレイヤ中のピクチャ(「picD」)のPOC値、これはリセットされない、と異なることがあり得、ここで、picCおよびpicDは同じアクセスユニット中にある。これにより、picCおよびpicDは、それらが同じアクセスユニット(たとえば、同じ出力時間)に属するにもかかわらず、異なるPOC値を有する。したがって、この例では、picCおよびpicDのPOC値を導出するための導出プロセスは、POC値およびアクセスユニットの定義と一致するPOC値を生成するように変更され得る。
マルチレイヤコーディングのためにPOCをリセットすること
[00142]poc_reset_idcシンタックス要素は、POCがピクチャのためにリセットされるべきであるかどうかを示し得る。poc_reset_idcシンタックス要素は、POCのMSBがリセットされるべきであるのか、POCのMSBとLSBの両方がリセットされるべきであるのか、いずれもリセットされるべきでないのかを示すことができる。たとえば、poc_reset_idcについての0の値は、POCがリセットされないことを示す。poc_reset_idcについての1の値は、POC MSBがリセットされるべきであることを示す。poc_reset_idcについての2の値は、POC MSBとPOC LSBの両方がリセットされるべきであることを示す。poc_reset_idcについての3の値は、前のピクチャのためのリセットが示されたことを示す。たとえば、前のピクチャに関するpoc_reset_idcの値は、1または2のいずれかであった。poc_reset_idcについての3の値は、POCがリセットされるべきであるピクチャが(たとえば、復号プロセス中に)失われたとき、POCが後のピクチャにおいて適切にリセットされ得るように使用され得る。
[00143]full_poc_reset_flagは、前のピクチャのためのリセットがPOC MSBのみに関するものであったのか、POC MSBとPOC LSBの両方に関するものであったのかを示すことができる。たとえば、full_poc_reset_flagについての0の値は、MSBのみがリセットされるべきであることを示す。full_poc_reset_flagについての1の値は、MSBとLSBの両方がリセットされるべきであることを示す。full_poc_reset_flagフラグは、poc_reset_idcに関して使用され得る。たとえば、poc_reset_idcの値が3であるとき、full_poc_reset_flagは、前のピクチャのためのPOCリセットがMSBのみに関するものであったのか、MSBとLSBの両方に関するものであったのかを示すことができる。
[00144]SHVCおよびMV−HEVCの早期バージョン(たとえば、SHVCワーキングドラフト6、MV−HEVCワーキングドラフト8など)では、たとえば、poc_reset_idcに関して、いくつかの制約または制限が適用される。しかしながら、これらの制約は、ピクチャが存在しないとき、またはピクチャが廃棄可能であるとき、POCを適切にリセットしない。これらの制限およびそのような制限に関連付けられた問題に関係するいくつかの詳細について、たとえば、消失したまたは不在のピクチャ、廃棄可能なピクチャ、およびBLAピクチャとCRAピクチャとの混合について説明するセクション中で、以下でさらに詳細に説明する。
[00145]さらに、SHVCおよびMV−HEVCの早期バージョンでは、同じPOCリセッティング期間中のPOCリセッティングAUのpoc_reset_idcに基づくピクチャのfull_poc_reset_flagの値に対する制限がない。full_poc_reset_flagの不正確な値により、POCリセット機構が適切に動作しなくなり得る。full_poc_reset_flagに関係するいくつかの詳細について、たとえば、full_poc_reset_flagについて説明するセクション中で、以下でさらに詳細に説明する。
[00146]これらおよび他の課題に対処するために、本技法は、いくつかの態様によれば、ピクチャが存在しない(たとえば、消失したか、または不在である)とき、あるいはピクチャが廃棄可能であるとき、POCをリセットする。本技法はまた、poc_reset_idcの値に基づいてピクチャのfull_poc_reset_flagの値に対して制限を課する。このようにして、本技法は、POCが正しくリセットされることを確認することができる。たとえば、POCは、1または2のいずれかに等しいpoc_reset_idcをもつピクチャが消失したとき、正しくリセットされ得る。POCリセットに関係するいくつかの詳細について、以下でさらに説明する。
消失したまたは不在のピクチャ
[00147]poc_reset_idcの値に関係するいくつかの制約は、以下のようになり得る。以下の制約が適用されることは、ビットストリーム適合の要件であり得る。
・poc_reset_idcの値は、ランダムアクセススキップリーディング(RASL)ピクチャ、ランダムアクセス復号可能リーディング(RADL)ピクチャ、サブレイヤ非参照ピクチャ、または0よりも大きいTemporalIdを有するピクチャ、または1に等しいdiscardable_flagを有するピクチャの場合、1または2に等しくないものとする。TemporalIDは、レイヤの時間サブレイヤのIDを示すことができる。
・AU中のすべてのピクチャのpoc_reset_idcの値は同じであるものとする。
・0に等しいnuh_layer_idをもつ、AU中のピクチャが、nal_unit_typeの特定の値をもつイントラランダムアクセスポイント(IRAP)ピクチャであり、同じAU中にnal_unit_typeの異なる値をもつ少なくとも1つの他のピクチャがあるとき、poc_reset_idcの値は、AU中のすべてのピクチャについて1または2に等しいものとする。
・(i)0よりも大きいnuh_layer_idを有し、(ii)AU中のnal_unit_typeの特定の値をもつ瞬時デコーダリフレッシュ(IDR)ピクチャである少なくとも1つのピクチャがあり、(iii)同じAU中にnal_unit_typeの異なる値をもつ少なくとも1つの他のピクチャがあるとき、poc_reset_idcの値は、AU中のすべてのピクチャについて1または2に等しいものとする。
・クリーンランダムアクセス(CRA)または切断リンクアクセス(BLA)ピクチャのpoc_reset_idcの値は、3よりも小さいものとする。
・AU中の0に等しいnuh_layer_idをもつピクチャがIDRピクチャであり、同じAU中に少なくとも1つの非IDRピクチャがあるとき、poc_reset_idcの値は、AU中のすべてのピクチャについて2に等しいものとする。
・AU中の0に等しいnuh_layer_idをもつピクチャがIDRピクチャでないとき、poc_reset_idcの値は、AU中のピクチャについて2に等しくないものとする。
[00148]上記の制約のうち、レイヤのうちのいくつかについて存在しないピクチャを有し、少なくとも1つのレイヤ中に1つのIRAPピクチャを有するAUが対象とされない場合。たとえば、AU(たとえば、AU D)はベースレイヤ(BL)中にIDRピクチャを含んでいるが、エンハンスメントレイヤ(EL)中にピクチャを含んでいない。レイヤがAU中にピクチャを有しない場合は、消失したピクチャ、不在のピクチャ、存在しないピクチャなどを有するAUとして説明され得る。レイヤはこの特定のAU中にピクチャを含まないことがあるか、またはピクチャは(たとえば、復号プロセス中に)失われていることがある。そのような状況では、POCは、BL中のIDRピクチャのPOCが0に等しくなければならないので、リセットされるべきである。しかしながら、エンハンスメントレイヤ中のPOCチェーンは続く。AU DにおけるエンハンスメントレイヤピクチャのPOCをリセットすることができないことにより、後続のAU中のピクチャのためにクロスレイヤ整合(cross-layer align)されない導出されたPOCを生じることがある。しかしながら、poc_reset_idcの値についての上記の制限のいずれも、この状況に適用可能でなく、したがって、POCリセットはAU Dについて規定されない。
[00149]別の例では、AU(たとえば、AU D)はEL中にIDRピクチャを含んでいるが、BL中にピクチャを含んでいない。同様に、そのような状況では、POCは、EL中のIDRピクチャのPOC MSBが0にリセットされることになるので、リセットされるべきである。しかしながら、既存の手法の場合、POCリセットはAU Dについて規定されない。
[00150]正しい挙動を保証するために、上記で説明した両方の場合について、POCリセットはAU Dにおいて必要とされ得る。さらに、AU Dの直後にくる1つまたは複数のピクチャおよび/またはAUは、3に等しいpoc_reset_idcを有するべきである。これらの変化がある場合、POCリセットは、ピクチャが不在だったレイヤについて、そのレイヤ中にピクチャがあるとすぐに行われ得る。
[00151]IRAPピクチャおよび消失したピクチャをも含んでいるAUについてPOCがリセットされなくてもよい場合があり得る。図4に、そのような場合の例を示す。AU Aは、消失したピクチャがレイヤ2からのものであり、POCをリセットするAU Bまで、そのレイヤ中にピクチャがないので、POCをリセットする必要がない。AU Bは、AU Bの後の第2のAUがレイヤ2中にピクチャを有するので、その第2のAU自体がPOCリセットを行わない限り(ここで、第2のAUがそうしないと仮定される)、POCをリセットする必要がある。AU Cは、それがレイヤ0中にIDRを有するが、他のレイヤ中に(1つまたは複数の)非IRAPを有するので、POCをリセットする必要がある。AU Dは、そのAUがクロスレイヤ整合されたIDRを有し、消失したピクチャを有しないので、POCをリセットする必要がない。最後に、AU Eは、AU Eの後の第2のAUがレイヤ2中にピクチャを有するので、その第2のAU自体がPOCリセットを行わない限り(この場合も、第2のAUがそうしないと仮定される)、POCをリセットする必要がある。
廃棄可能なピクチャ
[00152]消失したピクチャについての上記で説明した問題は、同様に廃棄可能なピクチャに当てはまり得、廃棄可能なピクチャは、廃棄された後に不在のピクチャになることになる。
[00153]IRAPピクチャがクロスレイヤ整合されるとき、既存の手法の場合、POCリセットは必要とされない。しかしながら、IRAPピクチャが廃棄可能なピクチャとしてマークされることを禁止する制限はない。AU auAがクロスレイヤ整合されたIRAPピクチャを含んでおり、IRAPピクチャのうちの少なくとも1つが廃棄可能であるとき、復号順序において後続のAU中のピクチャのためのPOCの導出は、auA中の廃棄可能なIRAPピクチャが図5の例に示されているように削除された場合、不正確であり得る。AU E中のEL IDRピクチャが廃棄されたとき、AU F中のELピクチャのPOC最上位ビット(MSB)の値は、前のアンカーピクチャのPOC MSBの値(たとえば、256)に等しくなるように導出され得る。これは、AU FのためのBLおよびEL中のピクチャのために導出される異なるPOC値を生じることがある。
BLAピクチャとCRAピクチャとの混合
[00154]既存の手法の場合、AU中のピクチャが、0に等しいnuh_layer_idを有し、nal_unit_typeの特定の値をもつIRAPピクチャであり、同じアクセスユニット中にnal_unit_typeの異なる値をもつ少なくとも1つの他のピクチャがあるとき、poc_reset_idcの値はAU中のすべてのピクチャについて1または2に等しく設定される。これは、2レイヤビットストリーム中のAUがBL中にCRAピクチャを含んでおり、エンハンスメントレイヤ中にBLAピクチャを含んでいる場合、POCリセット、すなわち、POC MSBのみをリセットするか、またはPOC MSBと最下位ビット(LSB)の両方をリセットするかのいずれかが必要とされることを意味する。そのような制約は、特にいくつかの使用事例の場合、理想的でない。
[00155]図6に、レイヤスイッチアップが、クロスレイヤ整合されたCRAピクチャを含んでいるAU、auAにおいて行われるレイヤスイッチダウンおよびスイッチアップ例を示す。IRAPのnal_unit_type値がクロスレイヤ整合されたときにPOCリセットを行うことが必要とされないので、エンコーダは、auAのCRAピクチャ中のスライスセグメントヘッダ拡張中でPOCリセット情報(たとえば、poc_reset_idc、poc_reset_period_idなど)をシグナリングしないことがある。しかしながら、レイヤスイッチアップの場合、システムは、auAのELピクチャのNALユニットタイプをCRAからBLAに変更し得る。そのような場合、制約は、NALユニットタイプを変更することに加えて、スイッチアップ動作を実施するシステムエンティティがまた、POCリセット情報を挿入するためにauA中のピクチャのスライスセグメントヘッダ拡張を変更する必要があることを暗示する。システムエンティティに課されるそのような追加の負担は、POCリセットが図示された状況において実際に必要とされないので不要である。これは、ベースレイヤCRAピクチャのみがBLAピクチャになるように変更されるクロスレイヤ整合されたCRAピクチャにおいてビットストリームに対するスプライシング(splicing)に同様に適用される。
full_poc_reset_flag
[00156]poc_reset_idcが3に等しいとき、POC MSBとPOC LSBの両方がリセットされるべきであるかどうか、またはPOC MSBのみがリセットされるべきであるかどうかを示すために、full_poc_reset_flagがシグナリングされる。full_poc_reset_flagの値は、同じPOCリセッティング期間中に第1のアクセスユニットのpoc_reset_idcの値を示すことができる。いくつかの実施形態では、POCリセッティング期間は、1または2に等しいpoc_reset_idcとpoc_reset_period_idの特定の値とをもつアクセスユニットで開始し、poc_reset_period_idの同じ値を有するか、または0に等しいpoc_reset_idcを有するかのいずれかであるすべてのアクセスユニットを含む、復号順序におけるアクセスユニットのシーケンスを指すことができる。full_poc_reset_flagの間違った値がシグナリングされた場合、デコーダは、以前のピクチャのPOCを間違った値だけ減分することがある。以下で与えられる図7に、エンコーダがfull_poc_reset_flagについての不正確な値を割り当てる一例を示す。AU E中のピクチャのpoc_reset_idcの値が、2であり、これは、POC MSBとPOC LSBの両方がリセットされることを意味するので、(存在するとき、復号順序においてAU Eに続くピクチャ中にあり、AU Eと同じPOCリセッティング期間に属する)full_poc_reset_flagの値は、以前のピクチャのPOCの値を減分するためにDeltaPocValの正しい値が導出されることを保証するために1でなければならない。full_poc_reset_flagの値が、AU G中のレイヤ1ピクチャについて0として間違ってシグナリングされるので、(復号順序においてAU Eに先行する)レイヤ1のピクチャのPOCを減分するために使用される値は102ではなく64である。以前のピクチャの不正確なPOC値は、デコーダが現在ピクチャのための正しい参照ピクチャを見つけることができないので、参照ピクチャ選択(RPS:reference picture selection)導出プロセスに影響を及ぼし得る。図7の図示の例では、AU Gのレイヤ1ピクチャのRPS導出中に、デコーダは、−1および−2に等しいPOCをもつ参照ピクチャを見つけることができず、したがって、これらの参照ピクチャは「参照のために利用不可能」とマークされる。
POCをリセットすること、およびfull_poc_reset_flagの値を設定すること
[00157]マルチレイヤコーデックにおけるPOCリセットのための既存の手法を用いて上記で説明した問題を克服するために、本開示は、以下の改善について説明する。本開示では、以下の説明する技法および手法は、単独でまたは任意の組合せで使用され得る。
[00158]本明細書で説明するPOCリセット技法の1つまたは複数の態様によれば、poc_reset_idcの値に関係する制約の更新が提供される。したがって、BLにおいてIRAPピクチャを含んでおり、EL中にIDRピクチャを含んでいるAU auA中に少なくとも1つの消失したピクチャがある場合、poc_reset_idcの値は、AU中のすべてのピクチャについて1または2に等しくなるべきである。
[00159]たとえば、AU auAについて消失したピクチャを検出するための1つの方法は、以下の通りである。AU auA中の(1つまたは複数の)ピクチャの数がビットストリーム中のピクチャの数よりも少ないとき、AU auAは、消失したピクチャを有するものとして示されるかまたは推定され得る。
[00160]別の例では、poc_reset_idcの値は、BLにおいてIRAPピクチャを含んでいるか、またはEL中にIDRピクチャを含んでいるAU auAのレイヤlayerIdA中に少なくとも1つの消失したピクチャがあり、以下のうちの少なくとも1つを満たす別のAU auBがあるとき、1または2に等しくなるように制約される。
・アクセスユニットauAとは異なるPOCリセッティング期間に属するか、
・0に等しいnuh_layer_idと、1に等しいNoClrasOutputFlagとをもつIRAPピクチャを有するか、または
・復号順序においてビットストリーム中の最後のアクセスユニットである復号順序においてauAに後続し、復号順序においてAU auBに先行するlayerIdAに等しいnuh_layer_idをもつピクチャがある。
[00161]別の例では、アクセスユニットauA中のnuh_layer_id layerIdAの特定の値に等しいnuh_layerをもつピクチャがなく、復号順序においてauAに後続するlayerIdAに等しいnuh_layer_idをもつピクチャpicAがあり、以下の条件が真であるとき、AU auAは、消失したピクチャを有するものとして示されるかまたは推定され得る。
・auBを、存在するとき、復号順序においてauAに後続し、アクセスユニットauAとは異なるPOCリセッティング期間に属する第1のAUであるとする。auCを、存在するとき、復号順序においてauAに後続し、0に等しいnuh_layer_idと1に等しいNoClrasOutputFlagとをもつIRAPピクチャを有する第1のアクセスユニットであるとする。auDを、存在するとき、復号順序においてauAに後続し、ビットストリーム中のレイヤの各々中にIRAPピクチャを有する第1のアクセスユニットであるとする。auB、auC、およびauDのいずれもビットストリーム中に存在しないか、またはピクチャpicAが、復号順序においてauB(存在するとき)、auC(存在するとき)、およびauD(存在するとき)のうちの第1のものに復号順序において先行するかのいずれかである。
[00162]本明細書で説明するPOCリセット技法の1つまたは複数の態様によれば、poc_reset_idcの値に関係する制約の更新が提供される。したがって、BLにおいてIRAPピクチャを含んでいるか、またはEL中にIDRピクチャを含んでいるAU中に少なくとも1つの廃棄可能なピクチャがあるとき、poc_reset_idcの値は、AU中のすべてのピクチャについて1または2に等しくなるべきである。
[00163]別の例では、IRAPピクチャが1に等しいdiscardable_flagを有することができないような制約が追加され得る。
[00164]また別の例では、IDRピクチャが、1に等しいdiscardable_flagを有することが可能にされないが、CRAおよびBLAピクチャが、1に等しいdiscardable_flagを有することが可能にされるような制約が追加され得る。
[00165]本明細書で説明するPOCリセット技法の1つまたは複数の態様によれば、layerAに等しいnuh_layer_idをもつピクチャを有する、復号順序においてauAに後続する第1のauAから開始し、0に等しいTemporalIdを有し、0に等しいdiscardable_flagを有するlayerAに等しいnuh_layer_idをもつピクチャを含んでいる、復号順序においてauAに後続する第1のAUまでの両端を含む、BLにおいてIRAPピクチャを含んでいるかまたはEL中にIDRピクチャを含んでいるアクセスユニットauA中にレイヤlayerAの消失したピクチャまたは廃棄可能なピクチャがあるとき、poc_reset_idcの値が3に等しくなるべきであることを保証するための制約がpoc_reset_idcに関して追加され得る。
[00166]別の例では、poc_reset_idcは、0に等しいTemporalIdを有し、0に等しいdiscardable_flagを有し、RASL、RADLまたはサブレイヤ非参照ピクチャでない、レイヤlayerAに等しいnuh_layer_idをもつピクチャを含んでいる、復号順序においてauAに後続し、復号順序においてauAに後続する第1のAUに復号順序において先行する、両端を含む、アクセスユニット中に含まれているlayerAのピクチャについて3に等しくなるべきである。サブレイヤ非参照ピクチャ(SLNR:sub-layer non-reference picture)は、時間サブレイヤによる使用される参照ピクチャでないピクチャを指すことがある。たとえば、レイヤは、時間ID(たとえば、TemporalId)によって示される1つまたは複数の時間サブレイヤから構成され得る。最上位レイヤ中にあり、最高時間サブレイヤにあるピクチャが、同じレイヤ中の他のピクチャによって参照として使用されない場合、それは、ビットストリームを復号不可能にさせることなしに削除され得る。そのような場合、ピクチャは、廃棄可能なピクチャと同様であり得る。
[00167]本明細書で説明するPOCリセット技法の1つまたは複数の態様によれば、ピクチャのfull_poc_reset_flagの値が現在ピクチャと同じPOCリセッティング期間中に第1のAUのpoc_reset_idcの正しい値を示すことを保証するための制約が追加され得る。
[00168]本明細書で説明するPOCリセット技法の1つまたは複数の態様によれば、poc_reset_idcのための既存の制約は、AUが、CRAピクチャまたはBLAピクチャ(ただし任意のタイプのBLAピクチャである)のみを含んでいるとき、POCリセッティングが必要とされない(たとえば、poc_reset_idcは、1または2に等しくなることが必要とされない)ことを保証するように変更され得る。
例示的な実施形態
[00169]上述の技法は、以下の例に示すように実装され得る。それらの例は、SHVCおよびMV−HEVC(たとえば、SHVC WD6およびMV−HEVC WD8)の以前のバージョンのコンテキストにおいて与えられる。SHVCおよびMV−HEVCの以前のバージョンへの追加はイタリック体で示され、SHVCおよびMV−HEVCの以前のバージョンからの削除は取消し線で示されている。
例示的な実施形態1
[00170]実施形態1は、AU中に不在のピクチャまたは廃棄可能なピクチャがあるとき、POCをリセットする。たとえば、absentPictureInAuFlagと呼ばれる変数は、AUが不在のピクチャまたは廃棄可能なピクチャを含んでいるかどうかを示すことができる。同じPOCリセッティング期間中の第1のAUが、特定のレイヤ中に不在のピクチャまたは廃棄可能なピクチャを有する場合、poc_reset_idcの値は、同じレイヤ中にピクチャを有するAUで開始し、同じレイヤ中にあり、0に等しい時間IDを有し、廃棄可能でないピクチャを有するAUで終了し、両端を含む、復号順序において後続のAUについて、3に設定される。さらに、full_poc_reset_flagの値は、同じPOCリセッティング期間中に第1のAU中のピクチャのpoc_reset_idcの値が1または2に等しいとき、poc_reset_idcの値−1に設定され得る。
[00171]たとえば、エンコーダは、AU内のピクチャの導出されたPOC値がクロスレイヤ整合されることを保証するために、AU中に存在しないレイヤのピクチャがあるか、またはAU中に存在する1に等しいdiscardable_flagをもつピクチャがあるとき、ピクチャのpoc_reset_idcの値を設定することに慎重になるべきである。いくつかの実施形態では、そのような場合は、POCがリセットされるべきであるかどうかに関して非クロスレイヤ整合IRAPピクチャをもつAUと同様に扱われるべきである。
例示的な実施形態2
[00172]この実施形態は実施形態1に基づき、違いは、変数absentPictureInAuFlagの値の導出が以下の通りであるということである。
例示的な実施形態3
[00173]この実施形態は実施形態1および2に基づき、違いは、discardable_flagの値がIRAPピクチャについて1になることが可能にされないことであり、変数absentPictureInAuFlagの導出は、ピクチャのdiscardable_flagの値を考慮しない。実施形態1に関するスライスヘッダセマンティクスに対する変更は、以下で示される。
例示的な実施形態4
[00174]この実施形態は実施形態1に基づき、違いは、変数absentPictureInAuFlagの値の導出が以下の通りであるということである。
POCをリセットする方法
[00175]図8は、本開示の1つまたは複数の態様による、ビデオ情報をコーディングする方法を示すフローチャートである。本方法は、POCをリセットすることに関する。プロセス800は、実施形態によっては、エンコーダ(たとえば、図2A、図2Bなどに示されているエンコーダ)、デコーダ(たとえば、図3A、図3Bなどに示されているデコーダ)、または任意の他の構成要素によって実施され得る。プロセス800のブロックについて図3B中のデコーダ33に関して説明するが、プロセス800は、上述のように、エンコーダなど、他の構成要素によって実施され得る。デコーダ33のレイヤ1ビデオデコーダ30Bおよび/またはデコーダ33のレイヤ0デコーダ30Aが、実施形態によっては、プロセス800を実施し得る。図8に関して説明するすべての実施形態は、別々に、または互いと組み合わせて実装され得る。プロセス800に関係するいくつかの詳細が、たとえば、図4〜図7に関して上記で説明されている。
[00176]プロセス800はブロック801において開始する。デコーダ33は、複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を記憶するためのメモリ(たとえば、復号ピクチャバッファ160)を含むことができる。デコーダ33は、コーディングされるべき現在AUに関連付けられた情報を取得し得る。現在AUは複数のレイヤのうちの1つまたは複数のレイヤからのピクチャを含んでいることができる。
[00177]ブロック802において、デコーダ33は、現在AUが、IRAPピクチャを含んでいる第1のレイヤを含むかどうかを決定する。
[00178]ブロック803において、デコーダ33は、現在AUが、ピクチャを含んでいないかまたは廃棄可能なピクチャを含んでいる第2のレイヤを含むかどうかを決定する。
[00179]ブロック804において、デコーダ33は、現在AUが、(1)IRAPピクチャを含んでいる第1のレイヤと、(2)ピクチャを含んでいないか、または廃棄可能なピクチャを含んでいる第2のレイヤとを含むことを決定したことに応答して、現在AUにおける第2のレイヤのPOCをリセットする。いくつかの実施形態では、デコーダ33は、現在AUが、(1)IRAPピクチャを含んでいる第1のレイヤと、(2)ピクチャを含んでいないか、または廃棄可能なピクチャを含んでいる第2のレイヤとを含むことを決定したことに応答して、現在AUにおける第1のレイヤのPOCをリセットする。一実施形態では、第1のレイヤはベースレイヤである。別の実施形態では、第1のレイヤはエンハンスメントレイヤであり、IRAPピクチャはIDRピクチャである。デコーダ33は、レイヤのPOCをリセットすべきかどうかを示す第1のシンタックス要素の値を設定することによってPOCをリセットし得る。一実施形態では、第1のシンタックス要素はpoc_reset_idcである。
[00180]いくつかの実施形態では、デコーダ33は、現在AUにおける第2のレイヤのPOCをリセットしたことに応答して、復号順序において現在AUの後にあるAUについて、第2のレイヤのPOCが前のAUにおいてリセットされたことを示すように第1のシンタックス要素の値を設定する。
[00181]いくつかの実施形態では、デコーダ33は、復号順序において現在AUの後の1つまたは複数のAUについて、第2のレイヤのPOCが前のAUにおいてリセットされたことを示すように第1のシンタックス要素の値を設定する。1つまたは複数の後のAUは、第2のレイヤと同じレイヤIDを有する第1のピクチャを含んでいる第1のAUで開始し、第2のレイヤと同じレイヤIDを有する第2のピクチャを含んでいる、復号順序において第1のAUの後の第2のAUで終了することができ、両端を含む。一実施形態では、第2のピクチャは、0に等しい時間IDを有し、廃棄可能なピクチャでない。いくつかの実施形態では、さらに、第2のピクチャは、RASLピクチャでないか、RADLピクチャでないか、または第2のレイヤのSLNRでない。
[00182]いくつかの実施形態では、デコーダ33は、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に従ってビデオデータを受信するように構成された受信機と、ビデオデータが、複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を備える、少なくとも1つのRATに従って動作するように構成された送信機とをさらに備えるワイヤレス通信デバイスである。ワイヤレス通信デバイスはセルラー電話であり得、受信されたビデオデータは受信機によって受信され得、セルラー通信規格に従って変調され得る。
[00183]いくつかの実施形態では、プロセス800は、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に従ってビデオデータを受信するように構成された受信機と、ビデオデータが、複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を備える、少なくとも1つのRATに従って動作するように構成された送信機と、ビデオデータを記憶するように構成されたメモリと、メモリに記憶されたビデオデータを処理するようにとの命令を実行するように構成されたプロセッサとを備えるワイヤレス通信デバイス上で実行可能であり得る。ワイヤレス通信デバイスはセルラー電話であり得、受信されたビデオデータは受信機によって受信され得、セルラー通信規格に従って変調され得る。
[00184]プロセス800はブロック805において終了する。ブロックは、実施形態によっては、プロセス800において追加および/または省略され得、プロセス800のブロックは、実施形態によっては、異なる順序で実施され得る。
[00185]本開示でPOCをリセットすることに関して説明したいかなる特徴および/または実施形態も、別々に、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。たとえば、図1〜図7に関して説明したいかなる特徴および/または実施形態、ならびに本開示の他の部分も、図8に関して説明した任意の特徴および/または実施形態との任意の組合せで実装され得、その逆も同様である。
full_poc_reset_flagを設定する方法
[00186]図9は、本開示の1つまたは複数の態様による、ビデオ情報をコーディングする方法を示すフローチャートである。本方法は、full_poc_reset_flagの値を設定することに関する。プロセス900は、実施形態によっては、エンコーダ(たとえば、図2A、図2Bなどに示されているエンコーダ)、デコーダ(たとえば、図3A、図3Bなどに示されているデコーダ)、または任意の他の構成要素によって実施され得る。プロセス900のブロックについて図3B中のデコーダ33に関して説明するが、プロセス900は、上述のように、エンコーダなど、他の構成要素によって実施され得る。デコーダ33のレイヤ1ビデオデコーダ30Bおよび/またはデコーダ33のレイヤ0デコーダ30Aが、実施形態によっては、プロセス900を実施し得る。図9に関して説明するすべての実施形態は、別々に、または互いと組み合わせて実装され得る。プロセス900に関係するいくつかの詳細が、たとえば、図4〜図7に関して上記で説明されている。
[00187]プロセス900はブロック901において開始する。デコーダ33は、複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を記憶するためのメモリ(たとえば、復号ピクチャバッファ160)を含むことができる。デコーダ33は、コーディングされるべき現在AUに関連付けられた情報を取得し得る。現在AUは複数のレイヤのうちの1つまたは複数のレイヤからのピクチャを含んでいることができる。
[00188]ブロック902において、デコーダ33は、(1)現在AU中に含まれるPOCのMSBのみをリセットすること、または(2)POCのMSBとPOCのLSBの両方をリセットすることを介してPOCをリセットする。たとえば、レイヤのPOCは現在AUにおいてリセットされる。
[00189]ブロック903において、復号順序において現在AUの後の1つまたは複数のAU中のピクチャについて、デコーダ33は、POCのリセットがフルリセットであるかどうか示す第1のフラグの値を設定する。一実施形態では、第1のフラグの値は、(1)POCのMSBのみをリセットすることによってPOCがリセットされるとき、0に等しく設定され、第1のフラグの値は、(2)POCのMSBとPOCのLSBの両方をリセットすることによってPOCがリセットされるとき、1に等しく設定される。現在AU中の1つまたは複数のレイヤからのピクチャは、同じPOCリセッティング期間を有し得る。一実施形態では、第1のフラグはfull_poc_reset_flagである。第1のフラグの値は、POCをリセットすべきかどうかを示す第2のフラグの値に対応し得る。一実施形態では、第2のフラグはpoc_reset_idcである。
[00190]いくつかの実施形態では、POCのMSBのみがリセットされるべきであることを第2のフラグの値が示すことを第2のフラグが示すとき、第1のフラグの値は、0に等しく設定され、ここにおいて、第2のフラグの値は、POCのMSBとLSBの両方がリセットされるべきであることを第2のフラグが示すとき、1に等しく設定される。
[00191]いくつかの実施形態では、デコーダ33は、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に従ってビデオデータを受信するように構成された受信機と、ビデオデータが、複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を備える、少なくとも1つのRATに従って動作するように構成された送信機とをさらに備えるワイヤレス通信デバイスである。ワイヤレス通信デバイスはセルラー電話であり得、受信されたビデオデータは受信機によって受信され得、セルラー通信規格に従って変調され得る。
[00192]いくつかの実施形態では、プロセス900は、少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に従ってビデオデータを受信するように構成された受信機と、ビデオデータが、複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を備える、少なくとも1つのRATに従って動作するように構成された送信機と、ビデオデータを記憶するように構成されたメモリと、メモリに記憶されたビデオデータを処理するようにとの命令を実行するように構成されたプロセッサとを備えるワイヤレス通信デバイス上で実行可能であり得る。ワイヤレス通信デバイスはセルラー電話であり得、受信されたビデオデータは受信機によって受信され得、セルラー通信規格に従って変調され得る。
[00193]プロセス900はブロック904において終了する。ブロックは、実施形態によっては、プロセス900において追加および/または省略され得、プロセス900のブロックは、実施形態によっては、異なる順序で実施され得る。
[00194]本開示におけるfull_poc_reset_flagの値を設定することに関して説明したいかなる特徴および/または実施形態も、別々に、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。たとえば、図1〜図7に関して説明したいかなる特徴および/または実施形態、ならびに本開示の他の部分も、図9に関して説明した任意の特徴および/または実施形態との任意の組合せで実装され得、その逆も同様である。
[00195]本明細書で開示される情報および信号は、多種多様な技術および技法のいずれかを使用して表され得る。たとえば、上記の説明全体にわたって言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表され得る。
[00196]本明細書で開示した実施形態に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップについて、概してそれらの機能に関して上記で説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装し得るが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
[00197]本明細書で説明した技法は、ハードウェア(たとえば、コンピュータハードウェア)、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。そのような技法は、汎用コンピュータ、ワイヤレス通信デバイスハンドセット、またはワイヤレス通信デバイスハンドセットおよび他のデバイスにおける適用例を含む複数の用途を有する集積回路デバイスなど、様々なデバイスのいずれかに実装され得る。モジュールまたは構成要素として説明する任意の機能は、集積論理デバイスに一緒に、または個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして別々に実装され得る。ソフトウェアで実装された場合、本技法は、実行されたとき、上記で説明した方法のうちの1つまたは複数を実施する命令を含むプログラムコードを備えるコンピュータ可読媒体(たとえば、コンピュータ可読データ記憶媒体)によって、少なくとも部分的に実現され得る。コンピュータ可読媒体は非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。コンピュータ可読媒体は、パッケージング材料を含むことがあるコンピュータプログラム製品の一部を形成し得る。コンピュータ可読媒体は、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュメモリ、磁気または光学データ記憶媒体など、メモリまたはデータ記憶媒体を備え得る。本技法は、追加または代替として、伝搬信号または電波など、命令またはデータ構造の形態でプログラムコードを搬送または伝達し、コンピュータによってアクセスされ、読み取られ、および/または実行され得るコンピュータ可読通信媒体によって、少なくとも部分的に実現され得る。
[00198]プログラムコードは、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、または他の等価の集積回路またはディスクリート論理回路など、1つまたは複数のプロセッサを含み得るプロセッサによって実行され得る。そのようなプロセッサは、本開示で説明する技法のいずれかを実施するように構成され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。したがって、本明細書で使用する「プロセッサ」という用語は、上記の構造、上記の構造の任意の組合せ、または本明細書で説明する技法の実装に好適な他の構造または装置のいずれかを指すことがある。さらに、いくつかの態様では、本明細書で説明した機能は、符号化および復号のために構成された専用のソフトウェアモジュールもしくはハードウェアモジュール内に与えられ得、または複合ビデオエンコーダ/デコーダ(コーデック)に組み込まれ得る。また、本技法は、1つまたは複数の回路または論理要素中に十分に実装され得る。
[00199]本開示の技法は、ワイヤレスハンドセット、集積回路(IC)またはICのセット(たとえば、チップセット)を含む、多種多様なデバイスまたは装置で実装され得る。本開示では、開示する技法を実施するように構成されたデバイスの機能的態様を強調するために、様々な構成要素、モジュール、またはユニットについて説明したが、それらの構成要素、モジュール、またはユニットは、必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要とするとは限らない。むしろ、上記で説明したように、様々なユニットが、好適なソフトウェアおよび/またはファームウェアとともに、上記で説明した1つまたは複数のプロセッサを含めて、コーデックハードウェアユニットにおいて組み合わせられるか、または相互動作可能なハードウェアユニットの集合によって与えられ得る。
[00200]本開示の様々な実施形態について説明した。これらおよび他の実施形態は以下の特許請求の範囲内に入る。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] ビデオ情報をコーディングするための装置であって、
複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を記憶するためのメモリユニットと、
前記メモリユニットに動作可能に結合されたプロセッサと
を備え、前記プロセッサは、
コーディングされるべき現在アクセスユニット(AU)に関連付けられた情報を取得し、前記現在AUが前記複数のレイヤのうちの1つまたは複数のレイヤからの複数のピクチャを含み、
(1)前記現在AU中に含まれるレイヤのピクチャ順序カウント(POC)の最上位ビット(MSB)のみをリセットすること、または(2)前記POCの前記MSBと前記POCの最下位(LSB)の両方をリセットすることを介して前記POCをリセットし、
復号順序において前記現在AUの後の1つまたは複数のAU中の複数のピクチャについて、
前記POCのリセットがフルリセットであるかどうか示す第1のフラグの値を設定する、
ように構成された、装置。
[C2] 前記第1のフラグの前記値は、(1)前記POCの前記MSBのみをリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、0に等しく設定され、前記第1のフラグの前記値は、(2)前記POCの前記MSBと前記POCの前記LSBの両方をリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、1に等しく設定される、C1に記載の装置。
[C3] 前記レイヤの前記POCが前記現在AUにおいてリセットされる、C2に記載の装置。
[C4] 前記第1のフラグがfull_poc_reset_flagである、C2に記載の装置。
[C5] 前記現在AU中の1つまたは複数のレイヤからの前記複数のピクチャが、同じPOCリセッティング期間を有する、C2に記載の装置。
[C6] 前記第1のフラグの前記値が、前記POCをリセットすべきかどうかを示す第2のフラグの値に対応する、C2に記載の装置。
[C7] 前記第1のフラグの前記値は、前記POCの前記MSBのみがリセットされるべきであることを前記第2のフラグの前記値が示すことを前記第2のフラグが示すとき、0に等しく設定され、前記第2のフラグの前記値は、前記POCの前記MSBと前記LSBの両方がリセットされるべきであることを前記第2のフラグが示すとき、1に等しく設定される、C6に記載の装置。
[C8] 前記第2のフラグがpoc_reset_idcである、C7に記載の装置。
[C9] 前記装置はワイヤレス通信デバイスであり、
少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に従ってビデオデータを受信するように構成された受信機、ここで、前記ビデオデータが、前記複数のレイヤに関連付けられた前記ビデオ情報を備える、と、
前記少なくとも1つのRATに従って動作するように構成された送信機と、
をさらに備える、C1に記載の装置。
[C10] 前記ワイヤレス通信デバイスがセルラー電話であり、前記受信されたビデオデータが前記受信機によって受信され、セルラー通信規格に従って変調される、C9に記載の装置。
[C11] ビデオ情報をコーディングする方法であって、
複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を記憶することと、
コーディングされるべき現在アクセスユニット(AU)に関連付けられた情報を取得すること、前記現在AUが前記複数のレイヤのうちの1つまたは複数のレイヤからの複数のピクチャを含んでいる、と、
(1)前記現在AU中に含まれるレイヤのピクチャ順序カウント(POC)の最上位ビット(MSB)のみをリセットすること、または(2)前記POCの前記MSBと前記POCの最下位(LSB)の両方をリセットすることを介して前記POCをリセットすることと、
復号順序において前記現在AUの後の1つまたは複数のAU中の複数のピクチャについて、
前記POCのリセットがフルリセットであるかどうか示す第1のフラグの値を設定することと、
を備える、方法。
[C12] 前記第1のフラグの前記値は、(1)前記POCの前記MSBのみをリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、0に等しく設定され、前記第1のフラグの前記値は、(2)前記POCの前記MSBと前記POCの前記LSBの両方をリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、1に等しく設定される、C11に記載の方法。
[C13] 前記レイヤの前記POCが前記現在AUにおいてリセットされる、C12に記載の方法。
[C14] 前記第1のフラグがfull_poc_reset_flagである、C12に記載の方法。
[C15] 前記現在AU中の1つまたは複数のレイヤからの前記複数のピクチャが、同じPOCリセッティング期間を有する、C12に記載の方法。
[C16] 前記第1のフラグの前記値が、前記POCをリセットすべきかどうかを示す第2のフラグの値に対応する、C12に記載の方法。
[C17] 前記第1のフラグの前記値は、前記POCの前記MSBのみがリセットされるべきであることを前記第2のフラグの前記値が示すことを前記第2のフラグが示すとき、0に等しく設定され、前記第2のフラグの前記値は、前記POCの前記MSBと前記LSBの両方がリセットされるべきであることを前記第2のフラグが示すとき、1に等しく設定される、C16に記載の方法。
[C18] 前記第2のフラグがpoc_reset_idcである、C17に記載の方法。
[C19] 前記方法がワイヤレス通信デバイス上で実行可能であり、ここにおいて、前記デバイスは、
少なくとも1つの無線アクセス技術(RAT)に従ってビデオデータを受信するように構成された受信機、ここで、前記ビデオデータが、前記複数のレイヤに関連付けられた前記ビデオ情報を備える、と、
前記少なくとも1つのRATに従って動作するように構成された送信機と、
前記ビデオデータを記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに記憶された前記ビデオデータを処理するようにとの命令を実行するように構成されたプロセッサと、
を備える、C11に記載の方法。
[C20] 前記ワイヤレス通信デバイスがセルラー電話であり、前記受信されたビデオデータが前記受信機によって受信され、セルラー通信規格に従って変調される、C19に記載の方法。
[C21] コンピュータハードウェアを備えるプロセッサ上で実行されたとき、前記プロセッサに、
複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を記憶させ、
コーディングされるべき現在アクセスユニット(AU)に関連付けられた情報を取得させ、ここで、前記現在AUが前記複数のレイヤのうちの1つまたは複数のレイヤからの複数のピクチャを含み、
(1)前記現在AU中に含まれるレイヤのピクチャ順序カウント(POC)の最上位ビット(MSB)のみをリセットすること、または(2)前記POCの前記MSBと前記POCの最下位(LSB)の両方をリセットすることを介して前記POCをリセットさせ、
復号順序において前記現在AUの後の1つまたは複数のAU中の複数のピクチャについて、
前記POCのリセットがフルリセットであるかどうか示す第1のフラグの値を設定させる、
命令を備える非一時的コンピュータ可読媒体。
[C22] 前記第1のフラグの前記値は、(1)前記POCの前記MSBのみをリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、0に等しく設定され、前記第1のフラグの前記値は、(2)前記POCの前記MSBと前記POCの前記LSBの両方をリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、1に等しく設定される、C21に記載のコンピュータ可読媒体。
[C23] 前記レイヤの前記POCが前記現在AUにおいてリセットされる、C22に記載のコンピュータ可読媒体。
[C24] ビデオ情報をコーディングするための装置であって、
複数のレイヤに関連付けられたビデオ情報を記憶するための手段と、
コーディングされるべき現在アクセスユニット(AU)に関連付けられた情報を取得するための手段、ここで、前記現在AUが前記複数のレイヤのうちの1つまたは複数のレイヤからの複数のピクチャを含んでいる、と、
(1)前記現在AU中に含まれるレイヤのピクチャ順序カウント(POC)の最上位ビット(MSB)のみをリセットすること、または(2)前記POCの前記MSBと前記POCの最下位(LSB)の両方をリセットすることを介して前記POCをリセットするための手段、ここで、前記手段は、復号順序において前記現在AUの後の1つまたは複数のAU中の複数のピクチャについて、前記POCのリセットがフルリセットであるかどうか示す第1のフラグの値を設定するように構成される、と、
を備える、装置。
[C25] 前記第1のフラグの前記値は、(1)前記POCの前記MSBのみをリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、0に等しく設定され、前記第1のフラグの前記値は、(2)前記POCの前記MSBと前記POCの前記LSBの両方をリセットすることによって前記POCがリセットされるとき、1に等しく設定される、C24に記載の装置。
[C26] 前記レイヤの前記POCが前記現在AUにおいてリセットされる、C25に記載の装置