JP2018507906A - 新規な1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン誘導体及びその使用 - Google Patents

新規な1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン誘導体及びその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)を有する化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物、並びにタウオパチーの治療及び/又は予防におけるその使用に関する。

Description

本発明は、新規な化合であるN-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン及び薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物、その調製方法、それらを含む医薬組成物、並びにタウオパチーの治療及び/又は予防におけるその使用に関する。
式I:
の構造を有するN-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミンは、これまでに国際公開第2006/051489号に開示された1,4-ビス(3-アミノプロピル)ピペラジン誘導体の群に属し、これらの誘導体はAPP(アミロイド前駆体タンパク)機能障害を伴う神経変性疾患の治療及び/予防に有用である。
過半数の神経変性疾患は、タンパク質の凝集及び封入体形成を含む共通の細胞及び分子メカニズムを有する。
様々なタイプの病変が、これらを構成する分子化合物に関して定義されている。神経原線維変性(NFD)が、最も広く観察される脳病変の1つであり、微小管に結合したタウタンパクアイソフォームの異常な修飾、それらの進行性凝集、及び神経細胞内の線維性物質への蓄積が組み合わされた分子事象のカスケードの結果として生じる。
タウタンパクは、中枢神経系の神経細胞内で主に発現され、そこで、チューブリンと相互作用して微小管を安定化させ、チューブリンの微小管への会合(assembly)を促進する。この安定化特性は、アイソフォーム及びリン酸化によって制御される。このタウアイソフォームは、染色体17に位置する単一の遺伝子MAPT(微小管関連タンパク質タウ)の転写物からの選択的スプライシングの産物である。
6つのタウアイソフォームがヒト脳組織に存在し、それらはそれらの結合ドメインの数(3つまたは4つの結合ドメイン)によって区別される。アイソフォームは、タウ遺伝子のエキソン2、3、及び10における選択的スプライシングの結果である。結合ドメインは、そのタンパク質の半分のカルボキシ末端領域に位置し、正に荷電している(負に荷電した微小管にそれが結合することを可能にしている)。エキソン10を含む4つの結合ドメインを有するアイソフォームは、3つの結合ドメインを有するアイソフォームよりも、微小管とのより良好な親和性を有し、したがって、これらの微小管のより良い安定化を可能にする。
タウはリン酸化タンパク質であり、そのリン酸化部位は本質的に微小管結合ドメインの両側に分布している。タウのリン酸化は、微小管組織の崩壊をもたらす。
「タウオパチー」と呼ばれるいくつかの神経変性疾患において、異常に高リン酸化されたタウタンパク質アイソフォームは、神経細胞内の線維構造に凝集して、いわゆる神経原線維タングル(NFT)を形成する。これらのタウオパチーは、主にタウアイソフォームのリン酸化及び含量の両方において互いに異なる。過リン酸化、異常なリン酸化及び凝集は、神経原線維変性において常に存在する。
神経原線維変性の質、強度、及び/又は空間的位置は、認知機能の障害と極めて高い相間性がある。これらの障害は、もはや自律的ではない患者の体の自由を特に奪う。
結果として、ヒトの脳におけるタウタンパク質の病理学的凝集及びこの凝集の結果を避けることができる治療に対する必要性が存在する。
いくつかの治療は、キナーゼ阻害剤、ホスファターゼ活性化剤、または抗タウ抗体に集中している(例えば、国際公開第2014/028777号パンフレットを参照のこと)。しかし、これらの治療法のいずれも、本出願人の知る限りタウオパシーの商業的治療は、特に、ピック病、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、又はMAPTの17番染色体の突然変異に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)などのまれな神経変性疾患の場合には、成功していない。
国際公開第2006/051489号パンフレット 国際公開第2014/028777号パンフレット
Ryckebusch Aら、J. Med. Chem. 2003, 46, 542-557
したがって、正常なタウ代謝をうまく再構築することができるタウロパチーの治療に対する必要性が当分野に依然として存在している。
本発明は、式Iの化合物:N-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミンが、病理学的なタウタンパクのリン酸化を変更し、タウタンパク分解を増加させることによる、タウタンパクの代謝の調節に有用であるという予想外の発見に基づく。
したがって、本発明は、式Iの化合物:N-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン、このような化合物を含む組成物、並びにそれらのタウロパチーの治療及び/又は予防における使用を対象とする。
[本発明の詳細な説明]
本発明は、式I:
を有する化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物に関する。
式Iの化合物及び薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物は、同位体標識、特に重水素化され得る。重水素化された形態は、生物環境における化合物の投与量のために有用である。
式Iの化合物又場薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物は、以下の重要な点においてタウタンパクの代謝の調節に有用である。
1)タウタンパクのリン酸化を低下させること;
2)タウタンパクの異性化産物を増加させること。
「タウオパチー」は、タウタンパクの異常な代謝を特徴とする疾患、より詳細には、タウタンパクの異常なリン酸化及び/又は過剰リン酸化を特徴とし、かつ/あるいは、タウ若しくはタウアイソフォーム又はタウポリペプチド及び/若しくは病理学的形態のタウが、細胞、組織、又は体液、好ましくは脳組織及び/又は脳脊髄液中に高められた濃度(正常な対照濃度、すなわち、一般的な個体又は同年齢の個体集団の対照濃度より高い濃度)で存在することを特徴とする疾患を意味する。より具体的には、タウオパチーは、異常に修飾されたタウタンパクの細胞内の凝集が観察される疾患、例えば、神経原線維タングル(NFT)、ピック嗜銀球、房飾星状細胞、及び/又は筋肉封入体など、好ましくは少なくとも神経原線維タングル(NFT)が観察される疾患を指す。
タウオパチーには、これらだけに限定されないが、アルツハイマー病、グアムの筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム−認知症複合症、嗜銀顆粒性疾患、慢性外傷性脳疾患、脳アミロイド血管症、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変性症、ダウン症候群、家族性英国認知症、家族性デンマーク認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループパーキンソニズム、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、シュタイナート筋強直性ジストロフィー、筋強直性ジストロフィーII型、ハンチントン病、脳の鉄蓄積による神経変性、ニーマン・ピック病C型、神経原線維のもつれを伴う非グアム運動神経細胞疾患、パジェット病、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺(PSP)、SLC9A6関連の精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発脳梗塞性認知症、虚血性脳卒中、慢性外傷性脳症(CTE)、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、及び球状神経膠を伴う白質タウオパチーが含まれる。
上述したタウタンパク質の代謝を調製するその能力に起因して、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、医薬として、特にタウオパチーの治療または予防における使用のための医薬として有用である。
したがって、本発明はまた、本明細書で定義した通りの式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物であって、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム−認知症複合症、嗜銀顆粒性疾患、慢性外傷性脳疾患、脳アミロイド血管症、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変性症、ダウン症候群、家族性英国認知症、家族性デンマーク認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、前頭側頭葉変性症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループパーキンソニズム、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、筋強直性ジストロフィー、脳鉄蓄積による神経変性、ニーマン・ピック病、神経原線維のもつれを伴う非グアム運動神経細胞疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺(PSP)、SLC9A6関連の精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発脳梗塞性認知症、虚血性脳卒中、慢性外傷性脳症(CTE)、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、及び球状神経膠を伴う白質タウオパチーから選択されるタウロパチーの治療及び/又は予防における使用のためのものにも関する。より好ましくは、タウオパチーは、アルツハイマー病、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、ピック病、及び前頭側頭型認知症(FTD)から選択される。より好ましくは、タウオパチーは、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、ピック病、及び前頭側頭型認知症(FTD)から選択される。
言い換えれば、本発明は、タウオパチー、特に上述したタウオパチー及びその具体例を治療及び/又は予防する方法であって、それを必要とする患者に医薬として有効量の本明細書に記載した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法も提供する。
1つの特定の実施態様では、本発明は、患者における上述した通りのタウオパチーの発病の遅延に使用するための本明細書に記載した式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物にも関する。
言い換えれば、本発明は、本発明は、患者におけるタウオパチーの発病を遅延するための方法であって、それを必要とする患者に医薬として有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
本発明のさらなる特徴によれば、治療を必要とする患者、好ましくは温血動物、さらに好ましくはヒトの病的なタウ代謝を調節する方法であって、前記患者に有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
より好ましくは、治療を必要とする患者、好ましくは温血動物、さらに好ましくはヒトの病的なタウタンパクのリン酸化を調節する方法であって、前記患者に有効量の式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
一般に、式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、少なくとも本発明の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤、及び/又はアジュバントと、任意選択で1種以上の追加の治療薬及び/又は活性成分とを含む医薬組成物として製剤化することができる。
非限定的な例では、医薬組成物は、経口投与、非経口投与(例えば、静脈、筋肉又は皮下注射、又は静脈内注入)、局所投与(眼内を含む)、吸入投与、皮膚パッチ投与、インプラントによる投与、座薬による投与などに好適な投与形態であってよい。そのような好適な投与形態は、投与方法次第、並びに、その調製に使用される方法及び担体、希釈剤、アジュバント及び/又は希釈剤次第で、固体、半固体、又は液体であってよく、当業者に明らかであり、最新の版の「Remington’s Pharmaceutical Sciences」を参照することができる。本医薬組成物は、固体形態に製剤化することができ、使用前に再溶解又は懸濁させることができる。
いくつかの好ましい、しかし非限定的な剤形の例には、錠剤、丸薬、粉末、ロゼンジ、サシェ、カシェ、エリクサー、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル、軟膏、クリーム、ローション、ソフト及びハードゼラチンカプセル、座薬、ドロップ、ボーラス投与及び/又は連続投与のための、無菌注射溶液及び使用前にもどしてもよい無菌包装粉末が含まれる。これらの剤形は、そのような配合のためにそれ自体に好適な担体、賦形剤、希釈剤、及び/又はアジュバントと共に製剤化されてよい。担体、賦形剤、希釈剤、及び/又はアジュバントは、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、セルロース、(無菌)水、メチルセルロース、メチル及びプロピルヒドロキシベンゾエート、滑石、ステアリン酸マグネシウム、食用油、植物油、及び鉱油、又はこれらの混合物などである。医薬組成物は、薬学的処方において一般に使用される他の物質、例えば、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、分散剤、崩壊剤、安定化剤、等張剤、膨張剤、充填剤、保存剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、着色剤、パラベンなどの抗細菌剤及び/又は抗真菌剤、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、分配剤、流量調節剤、放出剤などを場合によって含有することができる。組成物は、その中に含有されている活性化合物が、急速に、持続的に、又は遅延的に放出されるように処方してもよい。
本発明の医薬組成物は、単位剤形であってもよく、例えば、箱、ブリスター、バイアル、ボトル、サシェ、アンプル、又は任意の他の好適な単独用量又は複数用量のホルダー若しくは容器(適切にラベルされていてもよい)の中に好適に包装されてもよく、場合によって、製品情報及び/又は使用説明書を含む、1つ以上の説明書を有していてもよい。一般的に、これらの単位剤形に、0.05mgから1000mg、通常1〜500mgの少なくとも1つの本発明の化合物が収容され、1単位剤形当たりには、例えば、約10、25、50、100、200、300、又は400mgの本発明の化合物が含まれる。。
予防又は治療すべき症状によって、及び投与経路によって、本発明の活性化合物は、通常、患者の体重1kgあたり、0.1〜100mg/kg、より頻繁に0.1〜50mg/kg、例えば1〜25mg、例えば0.5、1、5、10、15、20、又は25mg/kgの量で1日あたり投与され、これは1回の1日の用量として投与しても、1回以上の1日の用量に分けて投与しても、又は例えば点滴を用いて基本的に連続的に投与してもよい。
式Iの化合物及びその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物は、当業者に知られている反応を用いて様々な方法で調製することができる。反応スキームは、実験の節に例示として記載されている様々な可能なアプローチの通りである。
塩及び溶媒和物は、沈澱、結晶化、再結晶、凍結乾燥、相間移動、又はイオン交換樹脂を含む、当分野で知られている技術に従って調製することができる。
一般に、式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、例えば、以下:
(i)式Iの化合物を所望の酸と反応させる;
(ii)適切な酸を用いて、あるいは適切なイオン交換カラムの手段によって、式Iの化合物の塩を別の塩に変換させる
ことによって調製することができる。
これらの反応はいずれも、典型的には溶液中で実施される。塩は、溶液から沈澱され得、ろ過によって集められるか又は溶媒の蒸発によって取り出すことができる。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化状態からほぼ非イオン化状態まで様々であり得る。
[定義]
以下の定義及び説明は、本明細書及び特許請求の範囲を含む出願全体を通して用いられている用語に関するものである。
特に言及がない限り、本明細書における「本発明の化合物」は、式Iの化合物自体及びその薬学的に許容される塩及び/若しくは溶媒和物を指す。
「本発明の化合物」の記述に用いられる用語は、特に言及がない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
用語「塩」は、本発明の化合物から得られる任意の酸付加塩を表し、前記塩は、本発明の化合物の生物学的活性と比較して、本質的に類似する生物学的活性を有する。好適な薬学的に許容される酸付加塩は、非毒性の塩を形成する酸から形成される。非限定的な例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素/臭化物、ヨウ化水素/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、硫酸メチル、ナフチル酸塩、2-ナフチル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、リン酸塩、ピログルタミン酸塩、サッカラート、ステアレート、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、及びキシナホ酸塩が含まれる。酸の半塩、例えば半硫酸塩も形成され得る。好ましくは、薬学的に許容される塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、及びリン酸塩が含まれる。塩酸塩が特に好ましい。
用語「溶媒和物」は、本明細書において、本発明の化合物と、1種以上の薬学的に許容可能な溶媒分子、例えばエタノール又は水と、を含む分子複合体を言い表すために用いられる。用語「水和物」は、その溶媒が水である場合をいう。
「本発明の化合物」への全ての言及には、その薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物への言及が含まれる。
本発明の化合物は、上述により定義した式Iの化合物を、そのすべての結晶多形及び結晶相、そのプロドラッグ及び異性体(光学異性体、幾何異性体、及び互変異性体を含む)、及び同位体標識された式Iの化合物を含めて含む。
用語「患者」は、医療を受けることを待ち望んでいる、あるいは医療を受けている、あるいは医療処置の対象であるか、今後対象となる、温血動物、さらに好ましくはヒトをいう。
用語「ヒト」は、男性女性の両方、かつ発育の全ての段階(すなわち、新生児、幼児、子供、青年、大人)にある対象者をいう。1つの実施態様では、ヒトは青年又は成人であり、好ましくは成人である。
ここで用いる用語「治療する」、「治療している」、及び「治療」は、病気又は疾患及び/又はそれに伴う症状を緩和する、軽減する、又は無くすことを含むことを意味する。
ここで用いる用語「予防する」、「防止する」、「予防」は、患者が病気又は疾患に罹患することを妨げ、あるいは病気又は疾患に罹患する患者のリスクを低減して、病気又は疾患及び/又はそれに伴う症状の発現を遅延し又は起きないようにする方法をいう。
ここで用いる用語「治療的に有効量」(又はより簡単に「有効量」)は、活性剤又は活性成分を投与する患者において所望の治療又は予防効果を達成するために十分である活性剤又は活性成分(例えば、N-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン)の量を意味する。
用語「投与」又はその変形(例えば、「投与する」)は、疾患、症状、又は疾患が治療又は予防されるべき患者に、単独で又は医薬として許容可能な組成物の一部として活性剤又は活性成分(例えば、N-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン)を与えることを意味する。
「医薬として許容可能」は、医薬組成物の成分が、互いに適合性であり、患者に対して有害ではないことを意味する。
ここで用いる用語「医薬ビヒクル」は、そのなかに医薬活性剤を配合し及び/又は投与される溶媒又は希釈剤として用いられる担体又は不活性媒体を意味する。医薬ビヒクルの非限定的な例には、クリーム、ゲル、ローション、溶液、及びリポソームが含まれる。
本発明は、以下の実施例を参照してより良く理解されるであろう。これらの実施例は、本発明の具体的な実施態様を代表例として記述するものであり、本発明の範囲を限定を限定することを意図するものではない。
図1は、非誘導条件(NI)、誘発されたが未処置の条件(NT)、及び化合物I・HClを投与した条件における、汎タウ(Pan-Tau)抗体(Tau-Nter、Tau-Cter)を用いることによるタウタンパク質の発現、並びにリン酸依存性Tau抗体(S199P、S396)及び198-205の間に含まれる非リン酸化エピトープ(Tau-1)を用いることによるタウタンパク質のリン酸化の、1Dゲル電気泳動による決定。 図2は、誘発されたが未処置の条件(Ctrl)及び化合物I・HClを投与した条件における、Pan-Tau抗体(Tau-Nter、Tau-Cter)を用いることによるタウタンパク質の発現、及びリン依存性Tau抗体(S396)を用いたタウタンパク質のリン酸化の、2Dゲル電気泳動による決定を示す。 図3は、タウC末端異化産物の増加及びセリン199でのリン酸化の減少を示す。0.5mg/Kgまたは1mg/Kgで処置したWT動物の脳からのタウタンパク質の2Dパターンは、Pan-タウ抗体(Tau-Cter)及びリン酸化されたセリン199に対するリン酸依存性抗体を明らかにする。 図4は、野生型C57BL/6J動物(WT)及びThy-Tau22マウス(0.5mg/Kgの化合物I・HClで処置したものまたは処置していないもの)の空間記憶のモリス水迷路評価を示す。 A:時間(日)の関数でプラットフォームに到達する距離(経路長)を表す。 B:他の4分円(「O」)に対する、ターゲット4分円(「T」)(ラーニングフェーズ中にプラットフォームが配置されている場所)において費やされた時間のパーセンテージを表す。 図5は、未処理(0mg / kg)または化合物I・HCl(0.5mg/kg化合物I・HCl)で処理したThy-Tau22マウスにおけるタウ病理の免疫組織化学的測定を示す。 図6は、1D SDS-PAGE及びウエスタンブロットによるタウ発現、代謝産物、及びリン酸化の生化学分析を示す。
[化学例]
以下の略語は本明細書を通して用いられる:
℃:セルシウス温度、BINAP:2,2'-ビス (ジフェニルホスフィノ)-1,1ビナフチル、dba:ジベンジリデンアセトン、DCE:ジクロロエタン、DCM:ジクロロメタン、δ:ppm単位で表したNMR化学シフト、eq:当量、Et:エチル、g:グラム、HPLC:高速液体クロマトグラフィー、L:リットル、LCMS:マススペクトルと連結したHPLC、Me:メチル、mg:ミリグラム、min:分、mL:ミリリットル、mol:モル、mmol:ミリモル、μmol:マイクロモル、MS:マススペクトル、NMR:核磁気共鳴、ppm:百万分の1、RH:相対湿度、rm:反応混合物、rpm:1分当たりの回転数、rt:保持時間(リテンションタイム)、RT:室温(約15〜25℃)、Xantophos:4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン、rt:保持時間。
全ての報告した温度は、セルシウス度(℃)で表される。全ての反応は、別途記載がない限り、室温(RT)で行なった。
[材料及び方法]
化学品及び溶媒は、商業的な供給源から入手し、特に指定しない限りさらに精製することなく使用した。反応は、Macherey-Nagel Alugram(登録商標)Sil 6O/UV254シート(厚さ0.2 mm)で実施するTLCによってモニターした。生成物の精製は、Macherey-Nagelシリカゲル(230-400メッシュ)を用いるカラムクロマトグラフィーによるかまたはよらずに実施した。
NMRスペクトルは、Bruker DRX 300分光計で(1Hについて300 MHz及び13Cについて75 MHzで操作して)記録した。化学シフトは、テトラメチルシラン(TMS)又は重水素化溶媒中の残存プロトンシグナルのいずれかと比較して百万分の1単位(ppm)で表される。化学シフトは、その位置(ppm単位のδ値)、多重度(s=一重線、d=二重線、t=三重線、sept=七重線、br=幅広、及びm=塊)、カップリング定数(Hz単位のJ値)、相対的積分値、及び帰属で表される。プロトン及びカーボンの帰属は、1D及び2D試験(1H、13C)の分析によって達成した。
マススペクトルは、エレクトロスプレーイオン化及びUV検出器(ダイオードアレイ)を使用して、非極性C18 TSK-ゲルSuper ODS(4.6×50mm)カラムを備えたVarianトリプル四重極型1200W質量分析計で記録した。
式Iの化合物は、以下のスキーム1に提示する3つの方法に従って調製することができる。
試薬及び条件:(i)9-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン、CS2CO3、Xantphos、Pd2(dba)3、ジオキサン、還流;(ii)HCl中に飽和させたジオキサン、20℃;(iii)イソブチルアルデヒド、NaBH4、DCE、20℃;(iv)イソブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒド-d7、NaBH4、DCE、20℃;(v)イソブチルアルデヒド又はイソブチルアルデヒド-d7、STAB、DCM、20℃;(vi)J. Med. Chem. 2003, 46, 542-557;(vii)9-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン、Cs2CO3、BINAP、Pd2(dba)3、ジオキサン、還流。
[例1]:tert-ブチルN-[3-(4-{3-[(1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-イル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル] カルバメート(1.2)の合成
オーブンで乾燥したフラスコに、窒素雰囲気下、ジオキサン(7.45 mL)中の9-クロロ- 1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン(0.50 g, 2.3 mmol)、Cs2CO3 (1.05 g, 3.22 mmol)を入れた。この混合物を、それに窒素流を通すことによって脱気した。Xantphos (0.20 g, 0.35 mmol)及びPd2(dba)3 (0.11 g, 0.12 mmol)を添加した。次いで、J. Med. Chem. 2003, 46, 542-557に従って調製したtert-ブチル N-{3-[4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-イル]プロピル}カルバメート1.1 (0.83 mg, 2.76 mmol)をジオキサン(7.45 mL)に溶解させたものを、この混合物に添加した。この混合物を24時間撹拌した。溶液を、セライトパッドを通してろ過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液:DCM/MeOH 0〜10 %、次いでNH3を飽和させたDCM/MeOH 0〜4 %)。表題化合物が黄色オイルとして得られた(1.00 g、収率90%)。
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CDCI3): 7.95 (dd, 3J = 1.1 Hz, 3J = 8.5 Hz, 1H); 7.82 (dd, 3J = 0.9 Hz, 3J = 8.6 Hz, 1H); 7.45 (ddd, 4J = 1.2 Hz, 3J = 6.8 Hz, 3J = 8.2 Hz, 1H); 7.24 (ddd, 4J= 1.2 Hz, 3J= 6.8 Hz, 3J= 8.3 Hz, 1H); 5.53 (br t, 3J= 5.2 Hz, 1H); 5.06 (br t, 3J= 5.4 Hz, 1H); 3.48 (m, 2H); 3.12 (m, 2H); 2.98 (t, 3J= 6.0 Hz, 2H); 2.66 (t, 3J= 6.0 Hz, 2H); 2.55 - 2.32 (M, 12H); 1.85 - 1.72 (M, 6H); 1.59 (m, 2H), 1.35 (s, 9H)。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CDCI3): 158.4; 156.0; 151.0; 147.5; 128.7; 128.0; 123.3; 123.0; 120.3; 115.9; 78.7; 57.0; 53.2; 48.9; 39.8; 34.0; 28.4; 27.2; 26.4; 25.7; 22.9。
LC-MS (ESI) mlz 計算値: 482.3、測定値: 482.4 [M+H]+, 382.2 [M+H-Boc]+; rt: 1.8 min。
[例2]:N-{3-[4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-イル]プロピル}-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン(1.3)の合成
tert-ブチル N-[3-(4-{ 3-[(1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-イル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル] カルバメート 1.2 (90 mg, 0.19 mmol)を、HClを飽和させたジオキサン(5 mL)中に溶解させた。この反応混合物を、15時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を、MeOH(NH3)に溶解させ、2時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を15 mLのDCMに溶解させ、飽和NaHCO3溶液で洗浄した(3x10 mL)。有機相を、MgSO4で無水にし、ろ過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製した(溶離液:DCM/MeOH(NH3) 9.4:0.6 (v/v))。表題化合物が黄色オイルとして得られた(70 mg、収率98 %)。
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CDCI3): 8.01 (dd, 4J = 0.9 Hz, 3J = 8.5 Hz, 1H); 7.87 (dd, 4J = 0.9 Hz, 3J = 8.5 Hz, 1H); 7.51 (ddd, 4J = 1.4 Hz, 3J = 6.8 Hz, 3J = 8.3 Hz, 1H); 7.30 (ddd, V= 1.3 Hz, 3J= 6.8 Hz, 3J= 8.3 Hz, 1H); 5.13 (br s, 1H); 3.55 (t, 3J= 6.0 Hz, 2H); 3.04 (t, 3J= 6.4 Hz, 2H); 2.71 (M, 4H); 2.65 - 2.37 (M, 12H); 1.91 - 1.79 (M, 8H); 1.64 (m, 2H)。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CDC13): 158.4; 151.1; 147.5; 128.7; 128.1; 123.4;123.0; 120.3; 115.9; 57.0; 53.4; 49.0; 40.8; 34.0; 30.5; 27.2; 25.7; 22.9。
LC-MS (ESI) mlz 計算値:: 382.3、測定値:: 382.2 [M+H]+; rt: 1.3 min。
[例3]:N-[3-(4-{3-[(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン(1.4)の合成
トルエン(5 mL)中のN-{ 3-[4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-イル]プロピル}-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン 1.3 (100 mg, 0.26 mmol)に、イソブチルアルデヒド(0.04 mL, 0.4 mmol)を添加した。この反応混合物を、Dean-Stark装置を用いて(水の滴下がみられなくなるまで)1時間還流させた。トルエンを蒸発させ、残渣をDCE (5 mL)に溶解させた。NaBH4 (15 mg, 0.4 mmol)を添加し、混合物を15時間撹拌した。飽和NaHCO3溶液10 mLを添加した。混合物を1時間撹拌した。DCM 5 mLを添加し、相を分離した。有機相を、飽和NaHCO3溶液で洗浄した(2 x 10 mL)。有機相を、MgSO4で無水にし、ろ過し、蒸発させた。この化合物を、精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CDC13): 8.03 (dd, 4J = 1.0 Hz, 3J = 8.5 Hz, 1H); 7.90 (dd, 4J = 0.9 Hz, 3J = 8.5 Hz, 1H); 7.54 (ddd, 4J = 1.3 Hz, 3J = 6.8 Hz, 3J = 8.3 Hz, 1H); 7.33 (ddd, 4J= 1.3 Hz, 3J= 6.8 Hz, 3J= 8.3 Hz, 1H); 5.14 (br s, 1H); 3.57 (m, 2H); 3.05 (t, 3J= 6.2 Hz, 2H); 2.74 (t, 3J= 5.5 Hz, 2H); 2.65 (t, 3J= 6.9 Hz, 2H); 2.56 - 2.40 (M, 14H); 1.94 - 1.66 (M, 11H); 0.92 (d, 3J= 6.6 Hz, 6H)。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CDC13): 158.5; 151.1 ; 147.6; 128.8; 128.1 ; 123.4; 123.0; 120.3; 116.0; 58.2; 57.4; 53.5; 49.0; 34.1 ; 28.5; 27.2; 25.7; 23.0; 20.7。
LC-MS (ESI) mlz 計算値:438.3、測定値: 438.3 [M+H]+; rt: 1.5 min。
[例4]:イソブチルアルデヒド-d7:2-(2H3)メチル(2,3,3,3-2H4)プロパナール
<N-メトキシ-2-(2H3)メチル-N-メチル(2H4)プロパンアミド>
DCM (3.8 mL)中の2-(2H3)メチル(2H4)プロパン酸(93μL, 1 mmol)に、N-メチルモルホリン(0.715 mL, 6.5 mmol)、EDC 1HC1 (249 mg, 1.3 mmol)、HOBt (175 mg, 1.3 mmol)、及びΝ,Ο-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(204 mg, 2.1 mmol)を添加した。この混合物を15時間撹拌した。5 mLのDCMを、この反応混合物に添加し、有機相を飽和NaHCO3溶液(2 x 5 mL)、HCl 1M溶液(2 x 5 mL)、及び塩水(1 x 5 mL)で洗浄した。この有機相を、蒸発すること及び精製することなく次の工程に使用した。
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CDC13): 3.70 (s, 3H, Hb); 3.19 (s, 3H, Ha)。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CDCI3): 178.3; 61.4; 32.3; 29.1; 18.3。
LC-MS (ESI) mlz 計算値:139.2, 測定値:139.8 [M+H]+
<イソブチルアルデヒド-d7:2-(2H3)メチル(2,3,3,3-2H4)プロパナール>
DCM中のN-メトキシ-2-(2H3)メチル-N-メチル(2H4)プロパンアミド(5 mL, 1 mmol)に、LiAlH4 (0.9 mL, 0.9 mmol)を添加した。この混合物を1時間撹拌した。飽和KHSO4溶液(4.2 mL)を滴下により添加した。5 mLのDCMを添加し、有機相を飽和NaHCO3溶液(2 x 5 mL)、HCl 1M 溶液(2 x 5 mL)、及び塩水(1 x 5 mL)で洗浄した。有機相を無水にし、ろ過し、そのまま使用した。
[例5]:N-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン(I)
<第一のプロトコル(iv)>
N-[3-(4-{3-[(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン 1.4 (230 mg, 0.52 mmol)のトルエン(10 mL)中の撹拌した溶液に、イソブチルアルデヒド(0.07 mL, 0.8 mmol)を添加した。この反応混合物をDean-Stark装置を用いて(水の滴下がみられなくなるまで)1時間加熱した。トルエンを蒸発させ、残渣をDCE (10 mL)に溶解させた。NaBH4 (30 mg, 0.8 mmol)を添加し、混合物を15時間撹拌した。飽和NaHCO3溶液15 mLを添加した。混合物を1時間撹拌した。DCM 10 mLを添加し、相を分離した。有機相を、飽和NaHCO3溶液で洗浄した(2 x 10 mL)。有機相を、MgSO4で無水にし、ろ過し、蒸発させた。残渣を、カラムクロマトグラフィーによってアルミナ上で精製した(溶離液:DCM/MeOH(NH3) 9.8:0.2 (v/v))。
表題化合物が無色オイルとして得られた(30 mg、収率12%)。
<第二のプロトコル(v)>
イソブチルアルデヒド-d7を含有する有機相(例4)に、N-{3-[4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-イル]プロピル}-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン 1.3 (80 mg, 0.21 mmol)を添加した。この混合物を1時間撹拌し、STAB (190 mg, 0.899 mmol)を添加した。この混合物を15時間撹拌した。5 mLの飽和NaHCO3溶液を添加し、混合物を1時間撹拌した。相を分離し、有機相を飽和NaHCO3溶液(2 x 5 mL)で洗浄した。有機相を無水にし、ろ過し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した(溶離液:DCM/MeOH(NH3), 10:0〜9.5:0.5 (v/v))。
表題化合物が無色オイルとして得られた(36 mg、収率34%)。
<第三のプロトコル(vii)>
オーブンで乾燥したフラスコに、窒素雰囲気下、9-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン(257 mg, 1.12 mmol)、(+/-) BINAP (167 mg, 0.15当量)、Cs2CO3 (546 mg, 1.4当量)、Pd2(dba)3 (162 mg, 0.15eq)、及び3 mLの無水1,4-ジオキサンを入れた。Ryckebusch Aら、J. Med. Chem. 2003, 46, 542-557に従って調製したN-[3-[4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-イル]プロピル]-N-イソブチル-2-メチル-プロパン-1-アミン 1.5 (349 mg, 2.07 mmol)の無水ジオキサン(3 mL)中のものを添加し、混合物を90℃にて12時間撹拌した。この溶液をセライトパッドを通してろ過し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製した(CH2Cl2/MeOH//95/5)。
表題化合物が無色オイルとして得られた(419 mg、収率12%)。
<N-[3-[4-(3-アミノプロピル)ピペラジン-1-イル]プロピル]-N-イソブチル-2-メチル-プロパン-1-アミン 1.5の特性決定>
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CD3OD): 3.05 (t, 3 J = 1.2 Hz, 2H); 3.00 - 2.60 (M, 18H,); 2.10 - 1.80 (M, 6H); 1.02 (d, 3J = 6.5 Hz, 12H)。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CD3OD): 61.1 ; 53.8; 53.5; 50.7; 37.6; 24.2; 22.5; 21.3; 19.5。
LC-MS (ESI) m/z 計算値:313.3、測定値:313.2 [M+H]+; rt: 1.15 min。
<N-[3-(4-{3[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン Iの特性決定>
H−化合物
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CDC13): 8.45 (d, 3J = 8.6 Hz, 1H); 7.8 - 7.9 (M, 2H); 7.64 (ddd, 3J= 8.6Hz, 3J= 6.7Hz, 4J= 1.1 Hz, 1H); 4.14 (t, 3J= 6.6 Hz, 2H); 3.6 - 4.1 (M, 8H); 3.35-3.55 (M, 6H); 3.11 (d, 3J = 6.8 Hz, 4H); 3.0 - 3.1 (M, 2H); 2.79 (m, 2H); 2.5 - 2.3 (M, 4H); 2.20 (sept, 3J= 6.6 Hz, 2H); 1.9 - 2.0 (M, 4H); 1.09 (d, 3J= 6.5 Hz, 12H)。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CDC13): 156.5; 150.9; 138.2; 132.8; 125.5; 124.9; 118.8; 115.9; 112.2; 61.1; 51.2; 44.3; 28.1 ; 24.7; 24.0; 21.6; 20.4; 19.5; 19.4; 18.1。
LC-MS (ESI) m/z 計算値:494.4, 測定値:494.4 [M+H]+; rt: 1.4 min。
dl4−化合物
1H NMR (300 MHz), δ (ppm, CDC13): 8.04 (dd, 4J = 0.9 Hz, 3J = 8.6 Hz, 1H, H5); 7.90 (dd, 4J= 0.7 Hz, 3J= 7.7 Hz, 1H, H8); 7.54 (ddd, 4J= 1.3 Hz, 3J= 6.8 Hz, 3J= 8.2 Hz, 1H, H7); 7.32 (ddd, 4J = 1.2 Hz, 3J = 6.8 Hz, 3J = 8.3 Hz, 1H, H6); 5.27 (br s, 1H, NH); 3.59 (m, 2H, Hd); 3.07 (t, 3J = 5.4 Hz, 2H, H4); 2.73 (t, 3J = 5.8 Hz, 2H, H1; 2.57 - 2.40 (M, 14H, Ha, Ha', Hb, Hb', Hd'; 2.04 (s, 4H, He'); 1.96 - 1.82 (M, 6H, H2, H3, Hc); 0.92 (m, 2H, Hc')。
13C NMR (75 MHz), δ (ppm, CDC13): 158.3; 151.2; 147.3; 128.6; 128.2; 123.4; 123.1 ; 120.2; 115.8; 63.7; 57.4; 53.5; 49.2; 33.9; 27.2; 25.8; 22.9; 20.4; 19.4。
LC-MS (ESI) m/z 計算値:508.5、測定値:508.4 [M+H]+; rt: 1.5 min。
[例6]:N-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミン 塩酸塩
例5の第三のプロトコルに従って得た例5の1H化合物の塩酸塩を、MeOH/HClで処理することによって形成させた。例5の化合物をMeOHに溶解させ、HC1 1Mを用いてpH=1になるまで処理した後、凍結乾燥させた。
[生物学的例]
材料及び方法
<抗体>
汎タウ(Pan-Tau)抗体及びホスホ依存性Tau抗体には、Tau-Nter(M19G、1/10 000、Sergeantら、1999)、Tau-Cter(1/10 000、Sergeantら、1999、Le Frechedら、2012)、Tau-1(1/5000、Merck Millipore)、S199P(ホスホセリン199に対するもの、1/4000、Sergeantら、1999)、Tau-Phospho S396(ホスホセリン399に対するもの、1/10000、Lifetechnologies)、Tau-Phospho 404(1/10 000、Lifetechnologies)、422(クローン2H9、ヒト脳Tau-441アイソフォームにしたがって番号付けしてタウのリン酸化セリン422残基を有するホスホペプチドに対して開発された、自家製モノクローナル抗体)、AT8(1/1000、Thermo Scientific)、AT270(1/2000、Thermo Scientific)、AT100(1/1000、Thermo Scientific)が含まれる。ニューロン特異的エノラーゼ(1/10 000)、β-アクチン(1/5000)及びβ-チューブリン(1/10 000)は、Sigma-Aldrichから入手した。
<細胞培養及びトランスフェクション>
ヒトTauアイソフォーム412(エキソン2及び10コード配列を有する)(すなわちSY5Y-Tau46)を発現するヒト神経芽腫細胞株SKNSH-SY5Y細胞は、以前Brettevilleら、2009に記載された通りであった。
<薬物処理>
ヒトTauアイソフォーム412(エキソン2及び10のコード配列を有する)を発現する神経芽細胞腫SKNSH-SY5Y細胞を、Brettevilleら、2009に記載された通りに、培地中に希釈されたN-[3-(4-{3-[ビス(2-メチルプロピル)アミノ]プロピル}ピペラジン-1-イル)プロピル]-1,2,3,4-テトラヒドロアクリジン-9-アミンの塩酸塩(例6、以下、「化合物I・HCl」と称する)の10μMで処理した。
<動物の処置>
3ヶ月齢の野生型C57BL/6J動物をCharles Rivers Laboratories(フランス)で購入し、処置前に少なくとも1週間は動物施設において順応させた。 Thy-Tau22トランスジェニックコロニー(C57BL/6J遺伝的背景)は、ヘテロ接合Thy-Tau22雄をC57BL/6 WT雌と交配することによって得られた。Thy-Tau22マウストランスジェニック系統は、運動障害のない進行性ニューロン特異的アルツハイマー病様タウ病変を示す。このモデルでは、行動障害に並行する、海馬及び扁桃体におけるNFTの進行性の進展が観察される(Schindowskiら、2006)。さらに、海馬では、過剰及び異常にリン酸化されたタウ種が細胞体樹状領域内に蓄積する(Schindowskiら、2006)。
すべての動物を、1ケージあたり5〜6頭の動物で無菌施設に収容した(Techniplast Cages 1284L)。動物は、12/12時間の明暗サイクルで食物と水に自由にアクセスし、22℃の一定温度に維持した。
動物処置のために、動物を無作為に分配し、式Iの化合物を0.5または1mg/kgの最終濃度で飲料水中に与えた。飲用ボトルを1週間に1回交換し、処理期間の間じゅう消費量を測定した。食物消費及び体重を評価した。野生型動物では、式Iの化合物による治療の無害性を確立するために、薬物治療のパイロット研究を1ヶ月間実施した。これは、生理学的、社会的及び行動学的評価に基づいた。 Thy-Tau22雄を3ヶ月齢から始めて4ヶ月間治療した。すべての手順(プロトコル)は地方倫理委員会(n°342012、CEEA)によって承認された。
<モリス水迷路を用いる空間記憶評価>
行動試験の前に、処理動物及び未処理動物の探索及び移動をオープンフィールド(OF)25cm×25cm領域で評価した。結合された領域内の4つ区画からの情報収集を同時に行った。各マウスを特定の領域に入れ、少なくとも5分間探検させた。 Etho Visionビデオトラッキング装置とソフトウェア(Noldus、Information Technology、パリ、フランス国)を専用ルーム内で使用して、ビデオ記録によって距離、速さ(speed)、速度(velocity)を含むパラメータを取得した。記憶試験を妨げうる不安は、高架式十字迷路試験(EPM)によって評価した。床から50cmのところに持ち上げた、2つの10cm幅の開いたアーム(オープンアーム)と2つの閉じたアーム(クローズドアーム)からなる十字形状の迷路の中央にマウスを置いた。運動量、距離、速さ、及び速度を測定するのと並んで、アームエントリーの数、オープンアーム対クローズドアームで費やした時間、オープンアームエントリーのパーセンテージ及びオープンアームでの1分あたりの時間を合計5分間のテストで測定した。
モリス水迷路
空間学習及び記憶能力は、モリス水迷路タスクの標準的な隠れプラットフォームの獲得及び保持バージョン(Van der Jeugdら、2013)で評価した。90cmの円形プールに無毒の白色塗料で不透明化した水を満たし、21℃に保った。 10cmの丸いレスキュープラットフォームを、水面下1cmで固定した位置に隠した。タンクの縁の周りの4つの位置を、それを4つの象限を描く4つの主要な点(北、東、西及び南)に分割するために任意に指定した。ターゲット四分円には、レスキュープラットフォームが含まれ、隣接する四分円とそれに対向する四分円に囲まれている。獲得試験では、各マウスを連続して4日間試験し、1日当たり4回の水泳試験を行わせ、試験と試験との間には少なくとも10分の合間をもうけた。開始位置は、試験を通じて偽ランダム化した。隠されたプラットフォームを2分以内に見つけられなかったマウスは、プラットフォーム上に手で配置した。マウスはケージに戻す前に15秒間そのままにしておいた。隠れたレスキュープラットフォーム(エスケープ・レイテンシ)を見つけるために必要な時間を、空間学習指数として使用し、Ethovision XTビデオ追跡システム(Noldus France)を使用して記録した。水泳速度と総距離も測定した。獲得段階の72時間後に、隠れたプラットホームを取り除き、60秒のプローブ試験で空間的記憶を評価した。目標四分円と他の四分円において費やされた時間の比を、空間的記憶指標と考えた。
<マウスの脳試料>
行動評価後、血液を1.5mLのポリプロピレンチューブ(Eppendorf、フランス国)に集め、マウスを頚椎脱臼により犠牲にし、麻酔の手段による変化を避けた(Lefrecheら、2012)。海馬及び皮質を切開し、1.5mLチューブ(エッペンドルフ)中で急速冷凍した。組織を320mMスクロース、プロテアーゼ阻害剤(Complete mini EDTA-free、Roche)を含有するTris-HCl緩衝液(10mM pH7.4)中でホモジナイズし、超音波処理し、4℃で10分間12,000xgで回転させた。上清を回収し、BCAタンパク質定量アッセイキット(Pierce)を用い、製造者の指示に従ってタンパク質濃度測定を達成した。上清をさらに生化学的分析のために処理したか、または-80℃で保存した。 IDまたは2Dゲルについては、同じ溶解緩衝液を使用した。したがって、トリス緩衝液中の同量のタンパク質に、7M尿素、2%SDSを含む2Mチオウレアを含有する溶液を加え、60Hz 30パルスで超音波処理した。
<1D SDS−PAGE及びウエスタンブロッティング法>
タウタンパク質のウエスタンブロット分析のために、Bis-Tris 4-12%勾配アクリルアミドゲル(NuPage(登録商標)Bis-Tris PreCast 12ウェル、Life Technologies)を使用して、製造業者の指示に従ってSDS-PAGEを実施した。分子量マーカー(Novex及びMagic Marks、Life Technologies)を用いて見かけの分子量を較正した。電気泳動は、1時間、100V /ゲルの連続張力下で行った。タンパク質は、Ponceau Redで可逆的に染色し、タンパク質移動の有効性の質を確認した。ウエスタンブロッティングのために、膜を25mM Tris-HCl pH8.0、150mM NaCl、0.1%Tween-20(v / v)(TBS-T)及び5%(w / v)の脱脂乳(TBS -M)中で30分間インキュベート(ブロッキング)し、一次抗体で4℃で一晩インキュベートした。ニトロセルロースメンブレンをTBS-T中でそれぞれ10分間穏やかに振盪することにより3回すすぐ。次に膜を室温で1時間、二次抗体(ペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG(H+L鎖)、Vector Laboratories)を用いてインキュベートした。 ECL(登録商標)ウエスタンブロッティングキットを使用して免疫反応性複合体を明らかにし、LAS-3000ルミネセンスイメージアナライザー(FujiFilm Lifesciences)またはAmersham Hyperfilm ECL(商標)(G&Eヘルスケア)に曝露して画像取得を行った。デジタル化された画像は、ImageJ Software(NIH)で処理した。
<二次元ゲル電気泳動法>
最近公表された手順(Fernandez-Gomezら、2014)に従って2次元ゲル電気泳動を行った。簡単に説明すると、細胞をPBSで1回すすぎ、UTS緩衝液(7M尿素、2Mチオ尿素、2%SDS)に溶解し、60Hz 30パルスで超音波処理した。溶解物をメタノール/クロロホルムで沈殿させた。クロロホルム/メタノール手順を使用して50μgのタンパク質を沈殿させ、ペレットを2D緩衝液[尿素7M、チオ尿素2M、4%CHAPS、及び0.6%Pharmalytes 3-10(G&E Healthcare)]に溶解した。固定化されたpH勾配ストリップ3-11 Immobiline(商標)Dry Strip 11cm(G&E Healthcare)を最終量50μgのタンパク質を含む200μlで再水和させ、IPGPhor III(G&E Healthcare)を使用しメーカーの指示に従って等電点電気泳動を達成した。ストリップを4〜12%Bis-TrisポリアクリルアミドゲルXT(商標)Precast Criterion(BioRad)上に重ね、1D SDS-PAGEについて記載したように100Vの一定の張力で流した。ウェスタンブロットは、1D SDS-PAGE及びウェスタンブロッティング法について上述したように行った。
<マウス血漿中のTauの定量>
hTauの投与量は、全タウ及びホスホ-181 hTau Innotest(登録商標)ELISAキット(Fujirebio Europe)を用いて製造元の説明書に従って達成された。25μLまたは75μLの血漿を用いてhTauまたはホスホタウの投与を行った。
<免疫蛍光法>
神経芽細胞腫SY5Y-APPWT細胞を細胞培養チャンバースライド(Labtek)に播き、10%ウシ胎仔血清を補充したDMEM中で増殖させた。化合物による処理は、薬物処理パラグラフに記載したのと同じプロトコールに従って実施した。 48時間後、細胞を、室温で15分間、0.1Mリン酸緩衝液(PBS)中の4%パラホルムアルデヒドで固定した。細胞を氷冷PBSで3回洗浄し、1%BSAを補充したPBSでブロッキングした。抗体をPBS-BSA中で4℃で一晩インキュベートし、氷冷PBSで3回濯ぎ、二次FTICまたはローダミン結合二次抗体(Lifesciences Technologies)と共にインキュベートした。カバースリップを、DAPI封入剤(Vector laboratories)及びVectashieldを用いてスライドに取り付けた。画像は、Zeiss Apotome顕微鏡またはLeica共焦点顕微鏡で取得した。すべてのデータは、生の画像を変更することなく、Photoshop Element 6ソフトウェア(Adobe)を使用して分析した。
<免疫組織化学>
同じ脳座標(George Paxinosら)の連続した冠状切片(n = 3)をリン酸依存性AT100またはAT8抗体とともにインキュベートした。それらはそれぞれ残基Thr 212〜Ser 214及びSer 202〜Thr 205でタウのホスホエピトープを認識した。標識されたニューロンの定量は、NIH-Image Jソフトウェアを用いて達成し、任意の単位(A.U)で表した。
<統計解析>
結果は平均± SEMとして報告した。スチューデントのt検定、一元配置分散分析(ワンウェイANOVA)とそれに続くGraphPad Prism 6ソフトウェアを用いた事後検定フィッシャーのLSD検定を用いて平均値間の差を評価した。 P値<0.05を有意と考えた。
[結果]
<Tauリン酸化反応及びタウ分解の調節効果>
Tauリン酸化反応に対する式Iの化合物の効果をインビトロ及びインビボで分析した。ヒトTauアイソフォーム412(エクソン2及び10のコード配列を有するもの)を発現する神経芽細胞腫SKNSH-SY5Y細胞を10μMの式Iの化合物で処理した。
インビトロ試験
発現及び全リン酸化を、リン酸依存性及び汎タウ(pan-Tau)抗体を用いた1D及び2Dゲル電気泳動によって評価した(図1及び2)。リン酸化依存性タウ抗体S199Pは、リン酸化されたセリン199残基(最長のヒトTauアイソフォームによるナンバリング)に向けられ、神経原繊維変性時のタウの高リン酸化の初期マーカーである(Maurageら、2003)。S396抗体は、タウのリン酸化セリン396(441アミノ酸の最長脳タウアイソフォームによるナンバリング)を含むエピトープを対象とする。タウ発現はテトラサイクリン処理によって誘導され、その後、細胞を式Iの化合物で処理した。タウ発現またはリン酸化の変化を、誘発はされたが未処置の条件と比較する。
式Iの化合物ではタウ発現の有意な変化は観察されなかったが、式Iの化合物で処理した細胞ではセリン199及び396でのタウのリン酸化が減少した(図1)。
これらの結果は、2Dゲル電気泳動を用いて裏付けられた。対照条件では、TauのアイソバリアントはpI 6.5と10.5の間に解像された。式Iの化合物での処理の後では、Tau396ホスホ依存性抗体(S396)ならびにN-及びC-末端指向性pan-Tau抗体を用いて、中性pIにおけるアイソバリアントの減少が観察された(図2)。
インビボ試験
タウ代謝に対する式Iの化合物の効果をさらに決定するために、野生型C57/BL6動物を0.5及び1mg / Kgの式Iの化合物で1ヶ月間処理し、内因性MAPT発現を2Dゲル電気泳動によって評価した。タウタンパク質アイソバリアントは、pI 10〜6の3つのシリーズからなる。主要で最も基本的なアイソバリアントは、唯一のエキソン10コード配列を含むマウスタウアイソフォームに対応する。64及び69kDaの分子量の2つの他の一連のアイソフォームは、タウアイソフォームの等価物であり、これらは、エキソン10に加えて、エキソン2またはエキソン2+3コード配列をそれぞれ含む。
図3に示されるように、Tau-Cter抗体で、低分子量タウ異化産物(catabolites products)(図3で矢印で示される)は0.5mg/kgで数及び強度が増加し、1mg / Kgの式Iの化合物でさらに有意に増加したが、タウアイソバリアントの分布は処置動物で有意に変化しなかった。
興味深いことに、抗体S199が用いられる場合、非処置条件においてタウの5つのアイソバリアントが検出され、かつ、染色されたアイソバリアントの数は、式Iの化合物の両方の投薬量(0.5mg / Kg及び1mg / Kg)でそれぞれ3及び2のアイソバリアントに減少する。完全長タウアイソフォームの全体的な2Dプロファイルは処理後も保存されているが、スポットの表面もまた縮小し、処理後のホスホサイトの存在量がより少ないことを示唆している。
全体として、これらの結果は、式Iの化合物が、特にタウリン酸化を低下させることにより及びタウタンパク質分解を増加させることによって、内因性タウ代謝を調節することを示唆する。
<Thy-Tau22トランスジェニック動物における保持された空間的記憶及び低下したタウ病態>
Thy-Tau22におけるNFTの海馬発達は、空間記憶の障害と相関する(Laurentら、2015)。空間的記憶は、自発運動(Belarbiら、2011)または免疫療法(Troquierら、2012)によって保持され、Thy-Tau22を薬物の有益な効果または有害な影響を試験するのに適したモデルにすることができる。 Thy-Tau22マウスを0.5mg/kgの化合物I・HClで4ヶ月間処置し、モリス水迷路を使用して空間記憶を評価した。
図4Aに示されているように、学習段階は、上部パネルの動物群間で有意には異ならない。 5日間の学習の後、プラットフォームに到達する距離が低下し、これはマウスがうまく学習していることを示している。最後の学習日の72時間後に実施されたプローブ試験において、式Iの化合物は有意な効果を有さなかったが、Thy-Tau22マウスでは空間記憶が保持された。
野生型動物では、動物は、処置とは独立して、3つの他の四分円よりも標的四分円に対して有意な選択性を有していた(図4B)。したがって、式Iの化合物は、野生型動物の認知能力に影響を及ぼさなかった。
Thy-Tau22動物は、他の動物に対し、標的四分円(プラットフォームが学習段階で配置されている場所)において等しい時間%を費やした。区別の欠如は、空間的記憶の喪失と解釈される。 Thy-Tau22処置動物では、マウスは標的四分円においてより多くの時間を費やし、したがって保持された空間的記憶を示した。 ANOVA(分散分析)統計学的分析は、式Iの化合物での処置が、Thy-Tau22マウスを、空間記憶障害を発症することから保護または予防したことを示した。
海馬CA1におけるNFTの負担は、免疫組織化学及び定量によって調べた。上記のように、AT100は、タウの病理学的部位(Thr212〜Ser214残基)を認識し、AT8は、リン酸化タウ(Ser202〜Thr205残基)の存在を検出するために用いられる。図5に示されているように、AT100染色後に測定された染色の平均表面は、化合物I・HClで処置された動物で有意に減少したが、AT8免疫染色後には有意差は認められなかった。 AT100は病理学的タウエピトープを認識し、化合物I・HClはタウ病理の発症に影響を及ぼすが、必ずしもAT8によって標識されたリン酸化タウタンパク質には影響しないことを示唆している。
この仮説をさらに評価するために、Tau発現及びリン酸化反応をウェスタンブロッティングによってさらに調べた(図6)。
未処置及び化合物I・HClで処理されたThy-Tau22動物由来の(海馬の)脳タンパク質を1D SDS-PAGEにより分析し、タウタンパク質をPan-Tau抗体(N-ter、C-ter)で標識した。これらの抗体で検出された異化産物は、f-Nter及びf-Cterとして示される。タウのリン酸化変異体は、pSer199(リン酸化セリン199に対するもの)、pSer262(リン酸化セリン262に対するもの)、pSer396(リン酸化セリン396に対するもの)、pSer404(リン酸化セリン404に対するもの)、pSer422(リン酸化セリン422に対するもの )及びTau-1(アミノ酸残基198〜205の間に含まれる非リン酸化エピトープに対するもの)を含む。各リン酸化エピトープの定量化は、N-ter染色によって決定された総hTauシグナルに対するリン酸化エピトープの比として表される。この比は対照条件(未処理Thy-Tau22動物)に対する変動の%として与えられ、対照条件の値は100%の値を任意に与えられる。
リン酸化部位396及び404におけるタウリン酸化の有意な低下が観察されたが、他のリン酸化部位は有意に改変されなかった(図6)。より興味深いことに、43kDaのタウC末端異化産物は有意に増加したが、N末端異化産物は有意に減少した(図6)。これらの結果は、化合物I・HClによる処置が、神経原線維変性のThy-Tau22動物モデルを空間記憶障害の発症から保護するのに十分な、タウのリン酸化を減少させ、タウの異化を増加させることによってタウ病変の負担を軽減することを示唆している。

Claims (7)

  1. 式(I):
    を有する化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物。
  2. 請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物と、少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤、及び/又はアジュバントとを含む医薬組成物。
  3. 医薬として使用するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物。
  4. タウオパチーの治療及び/又は予防において使用するための、請求項1に記載の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物。
  5. タウオパチーが、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症及びパーキンソニズム−認知症複合症、嗜銀顆粒性疾患、慢性外傷性脳疾患、脳アミロイド血管症、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト・ヤコブ病、ボクサー認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変性症、ダウン症候群、家族性英国認知症、家族性デンマーク認知症、前頭側頭型認知症(FTD)、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、前頭側頭葉変性症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、グアドループパーキンソニズム、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、多系統萎縮症、筋強直性ジストロフィー、脳鉄蓄積による神経変性、ニーマン・ピック病、神経原線維のもつれを伴う非グアム運動神経線維疾患、ピック病、脳炎後パーキンソニズム、プリオンタンパク脳アミロイド血管症、進行性皮質下グリオーシス、進行性核上性麻痺(PSP)、SLC9A6関連の精神遅滞、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、多発脳梗塞性認知症、虚血性脳卒中、慢性外傷性脳症(CTE)、外傷性脳損傷(TBI)、脳卒中、及び球状神経膠を伴う白質タウオパチーから選択される、請求項4に記載の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物。
  6. タウオパチーが、アルツハイマー病、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、ピック病、及び前頭側頭型認知症(FTD)から選択される、請求項4又は5に記載の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物。
  7. タウオパチーが、17番染色体に関連するパーキンソニズムを伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症、ピック病、及び前頭側頭型認知症(FTD)から選択される、請求項4又は5に記載の化合物又は薬学的に許容可能なその塩若しくは溶媒和物。
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