JP2018507882A - ブプレノルフィンの酢酸塩及びブプレノルフィンの調製方法 - Google Patents

ブプレノルフィンの酢酸塩及びブプレノルフィンの調製方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、ブプレノルフィンの酢酸塩、及びその無水物、溶媒和化合物、水和物、ならびにそれらの結晶性形態を提供し、ここでブプレノルフィンの酢酸塩は、不純物を本質的に含まない。本開示はさらに、不純物を本質的に含まない、この酢酸塩、この酢酸塩から調製されたブプレノルフィン遊離塩基、この遊離塩基から調製された他の塩、及びそれらの医薬組成物の調製方法を提供する。【選択図】図1

Description

ブプレノルフィンは、オピオイド嗜癖を処置し、中等度の疼痛などの疼痛を制御するために使用されるオピオイドである。ブプレノルフィンの合成のための従来の方法は、出発材料としてテバインまたはオリパビンを使用する。こうした既知のブプレノルフィン合成法は、典型的に、International Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(「ICH」)のガイドラインに従う許容可能なレベルよりも高いレベルの不純物をもたらす。ブプレノルフィンの調製において許容不可能なレベルで存在し得る不純物の例としては、(4R,4aS,6R,7R,7aR,12bS)−3−(ブタ−3−エン−1−イル)−6−((S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−7−メトキシ−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−9−オール、及び(4R,4aS,6R,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−6−((S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−7,9−ジオールが挙げられる。例えば、米国特許第8,492,547号に開示されるクロマトグラフィなどのいくつかの生成方法は、許容可能なレベルの不純物を含むブプレノルフィンをもたらし得るが、より高いコストが関連してきたか、または商業規模での適用が困難である。したがって、許容可能なレベルの不純物を含有するブプレノルフィンを調製するための代替的な経路が必要とされている。
本開示の一態様は、ブプレノルフィンの酢酸塩に関する。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物(buprenorphine acetate tetrahydrate)に関する。
本開示の別の態様は、結晶性形態のブプレノルフィンの酢酸塩に関する。
本開示の別の態様は、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩四水和物に関する。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィンの酢酸塩の調製方法に関し、本方法は、
(a)ブプレノルフィン遊離塩基を、酢酸を含む溶液と溶解容器内で接触させて、混和物を形成するステップであって、混和物が約40℃〜約80℃の温度にある、ステップと、
(b)任意選択により、ステップ(a)の前記混和物を濾過するステップと、
(c)ステップ(a)または(b)で生成された前記混和物に薬剤を添加して、ブプレノルフィンの酢酸塩を沈殿させるステップと、
(d)ステップ(c)で沈殿したブプレノルフィンの酢酸塩を単離するステップと、を含む。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法に関し、本方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液及び塩基性材料と接触させて、混和物を形成するステップと、
(b)ブプレノルフィン遊離塩基をもたらすように、ステップ(a)の混和物を約20℃〜約90℃の温度で撹拌するステップと、
(c)ステップ(b)のブプレノルフィン遊離塩基を単離するステップと、
(d)任意選択により、ステップ(a)〜(c)を1回以上繰り返すステップと、を含む。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法に関し、本方法は、ブプレノルフィンの酢酸塩を、酢酸及び水を除去するのに十分な圧力、温度、及び時間で処理し、それによりブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことを含む。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法に関し、本方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液中に溶解させて、混和物を形成するステップと、
(b)任意選択により、ステップ(a)の混和物を濾過するステップと、
(c)ステップ(a)または(b)の混和物に塩基性材料を添加して、第2の混和物を形成するステップと、
(d)ステップ(c)で生成された第2の混和物に逆溶媒を添加して、ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物を形成するステップと、
(e)ステップ(d)の沈殿物を単離するステップと、を含む。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法に関し、本方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩と水溶液との混和物を加熱して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
(b)ステップ(a)の混和物を濾過することと、を含む。
本開示の別の態様は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法に関し、本方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶媒中に混合して、混和物を形成することと、
(b)混和物を還流温度で還流させ、酢酸塩を蒸気相中の酢酸として除去することと、
(c)混和物を冷却して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
(d)ブプレノルフィン遊離塩基を単離することと、を含む。
ブプレノルフィン酢酸塩水和物、またはブプレノルフィン酢酸塩水和物を含有する組成物は、疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症(以降それぞれ「病態(Condition)」とする)の処置または防止に有用である。
選択された水素結合を有するブプレノルフィン酢酸塩四水和物の熱的楕円体表現を示す。 単位格子内のブプレノルフィン酢酸塩四水和物の充填図を示す。 使用される原子付番方式を含む、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物結晶の成分の棒表現を示す。 CuKα線を使用して得られたブプレノルフィン酢酸塩四水和物のX線粉末回折(「XRPD」)パターンを示す。 10℃/分の加熱速度におけるブプレノルフィン酢酸塩四水和物の示差走査熱量測定スキャンを示す。 ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の示差走査熱量測定スキャンにおける遷移領域の積分比の決定を示す。
本発明には、以下のものが含まれる。
(1)ブプレノルフィンの酢酸塩。
(2)水和物を含む、上記(1)に記載のブプレノルフィンの酢酸塩。
(3)水和物が、ブプレノルフィンの酢酸塩の分子1個当たり1〜6個の水分子を含む、上記(2)に記載のブプレノルフィンの酢酸塩。
(4)水和物が、四水和物である、上記(3)に記載のブプレノルフィンの酢酸塩。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のブプレノルフィンの精製酢酸塩。
(6)ブプレノルフィンの本質的に純粋な酢酸塩である、上記(5)に記載のブプレノルフィンの精製酢酸塩。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のブプレノルフィンの酢酸塩の結晶性形態。
(8)結晶性形態の上記(4)に記載のブプレノルフィンの酢酸塩の結晶性形態。
(9)少なくとも16.21及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、8.77、10.31、または18.47におけるピークと実質的に同等の2θ角における少なくとも1つのさらなるピークを有する、CuKα線への曝露によって得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、上記(8)に記載の結晶性形態。
(10)少なくとも8.77、10.31、16.21、18.47、及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、6.38、11.93、または19.40におけるピークと実質的に同等の2θ角における少なくとも1つのさらなるピークを有する、CuKα線への曝露によって得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、上記(8)に記載の結晶性形態。
(11)少なくとも以下の表中の位置におけるピークと実質的に同等の回折角におけるピークを含む、CuKα線への曝露によって得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、上記(8)に記載の結晶性形態。
(12)CuKα線を使用して測定するときに、図4に示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、上記(8)に記載の結晶性形態。
(13)結晶性形態が、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約50℃〜約140℃における少なくとも1つのピーク位置を有する第1の遷移領域を示す、上記(8)〜(12)のいずれか1つに記載の結晶性形態。
(14)結晶性形態が、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約217℃〜約225℃におけるピーク位置を有する第2の遷移領域を示す、上記(8)〜(13)のいずれか1つに記載の結晶性形態。
(15)約217℃〜約225℃における第2の遷移領域に対する約50℃〜約140℃における第1の遷移領域に関して、約7〜約8の積分比を示す、上記(14)に記載の結晶性形態であって、積分が、それぞれ、約35℃〜約180℃及び約203℃〜約233℃の温度範囲にわたって決定される、結晶性形態。
(16)結晶性形態が、約7.1〜約7.8の積分比を示す、上記(15)に記載の結晶性形態。
(17)単斜晶であることを特徴とする、上記(8)〜(16)のいずれか1つに記載の結晶性形態。
(18)単位格子パラメータが、a=10.5±0.5Å、b=10.9±0.5Å、及びc=14.4±0.5Åである、上記(17)に記載の結晶性形態。
(19)単位格子パラメータが、a=10.52±0.05Å、b=10.92±0.05Å、及びc=14.44±0.05Åである、上記(17)に記載の結晶性形態。
(20)空間群がP2である、上記(17)〜(19)のいずれか1つに記載の結晶性形態。
(21)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のブプレノルフィンの酢酸塩、または上記(7)〜(20)のいずれか1つに記載の結晶性形態、及び薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
(22)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のブプレノルフィンの酢酸塩、上記(7)〜(20)のいずれか1つに記載の結晶性形態、または上記(21)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(23)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のブプレノルフィンの酢酸塩、上記(7)〜(20)のいずれか1つに記載の結晶性形態、または上記(21)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(24)ブプレノルフィンの酢酸塩の調製方法であって、
(a)ブプレノルフィン遊離塩基を、酢酸を含む溶液に溶解容器内で接触させて、混和物を形成するステップであって、前記混和物が約40℃〜約80℃の温度にある、ステップと、
(b)任意選択により、ステップ(a)の前記混和物を濾過するステップと、
(c)ステップ(a)または(b)で生成された前記混和物に薬剤を添加して、ブプレノルフィンの酢酸塩を沈殿させるステップと、
(d)ステップ(c)で沈殿したブプレノルフィンの酢酸塩を単離するステップと、を含む、方法。
(25)ステップ(a)において、ブプレノルフィン遊離塩基が、遊離塩基の出発質量に対して約2質量当量〜約6質量当量の、酢酸を含む溶液と接触する、上記(24)に記載の方法。
(26)ブプレノルフィン遊離塩基が、遊離塩基の出発質量に対して約3質量当量〜約5質量当量の、酢酸を含む溶液と接触する、上記(24)に記載の方法。
(27)酢酸を含む溶液が、水溶液である、上記(24)〜(26)のいずれか1つに記載の方法。
(28)水溶液が、水溶液の重量に対して約40重量%〜約70重量%の酢酸を有する、上記(27)に記載の方法。
(29)水溶液が、水溶液の重量に対して約45重量%〜約60重量%の酢酸を有する、上記(27)に記載の方法。
(30)ステップ(a)において、混和物が、ある期間にわたって約40℃〜約80℃の温度にあり、その結果、ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している、上記(24)〜(29)のいずれか1つに記載の方法。
(31)ステップ(a)において、混和物が、ある期間にわたって約45℃〜約75℃の温度にあり、その結果、ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している、上記(30)に記載の方法。
(32)ステップ(a)において、混和物が、ある期間にわたって約50℃〜約70℃の温度にあり、その結果、ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している、上記(30)に記載の方法。
(33)ステップ(a)において、混和物が、ブプレノルフィン遊離塩基の溶解を加速するように撹拌される、上記(24)〜(32)のいずれか1つに記載の方法。
(34)ステップ(a)の混和物が、ステップ(b)において濾過装置で濾過される、上記(24)に記載の方法。
(35)ステップ(b)において、濾過装置に加えられるステップ(a)の混和物が、約40℃〜約80℃の温度にある、上記(34)に記載の方法。
(36)ステップ(b)において、濾過装置に加えられるステップ(a)の混和物が、約45℃〜約75℃の温度にある、上記(34)に記載の方法。
(37)酢酸を含む溶液の追加体積が、溶解容器、濾過装置、または溶解容器及び濾過装置をすすぐために使用される、上記(34)〜(36)のいずれか1つに記載の方法。
(38)酢酸を含む溶液の追加体積が、ステップ(a)におけるブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.1質量当量〜約2.0質量当量である、上記(37)に記載の方法。
(39)酢酸を含む溶液の追加体積が、ステップ(a)におけるブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.3質量当量〜約0.5質量当量である、上記(37)に記載の方法。
(40)溶液の追加体積が、酢酸水溶液である、上記(37)〜(39)のいずれか1つに記載の方法。
(41)酢酸を含む溶液の追加体積が、溶液の重量に対して約40重量%〜約70重量%で存在する酢酸を含む水溶液である、上記(40)に記載の方法。
(42)ステップ(c)において、薬剤が、逆溶媒、種晶、及びそれらの組み合わせから選択される、上記(24)〜(41)のいずれか1つに記載の方法。
(43)薬剤が逆溶媒を含む、上記(42)に記載の方法。
(44)逆溶媒が水を含む、上記(43)に記載の方法。
(45)ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.2質量当量〜約8.0質量当量の逆溶媒が、ステップ(a)または(b)の混和物に添加される、上記(43)または(44)に記載の方法。
(46)逆溶媒が、ステップ(a)またはステップ(b)の混和物の温度の約10℃以内で添加される、上記(43)〜(45)のいずれか1つに記載の方法。
(47)逆溶媒が、ステップ(a)またはステップ(b)の混和物の温度の約5℃以内の温度で添加される、上記(46)に記載の方法。
(48)薬剤が種晶を含む、上記(42)に記載の方法。
(49)種晶がブプレノルフィンの酢酸塩を含む、上記(48)に記載の方法。
(50)ステップ(a)におけるブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.1重量%〜約5.0重量%の種晶が、ステップ(a)または(b)の混和物に添加される、上記(49)に記載の方法。
(51)種晶が添加されるときに、ステップ(a)または(b)の混和物が、約40℃〜約80℃の温度にある、上記(48)〜(50)のいずれか1つに記載の方法。
(52)種晶が添加されるときに、ステップ(a)または(b)の混和物が、約55℃〜約65℃の温度にある、上記(51)に記載の方法。
(53)第1の量の逆溶媒が添加され、種晶の添加が続く、上記(42)に記載の方法。
(54)種晶の添加に、第2の量の逆溶媒の添加が続く、上記(53)に記載の方法。
(55)逆溶媒の第1の量が、ステップ(a)におけるブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.2質量当量〜約2.0質量当量である、上記(53)または(54)に記載の方法。
(56)ステップ(a)におけるブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.1重量%〜約5.0重量%の種晶が添加される、上記(53)〜(55)のいずれか1つに記載の方法。
(57)逆溶媒の第2の量が、ステップ(a)におけるブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約1.0質量当量〜約6.5質量当量である、上記(54)〜(56)のいずれか1つに記載の方法。
(58)薬剤の添加後、かつステップ(d)においてブプレノルフィンの酢酸塩を単離する前に、混和物を約30℃以下の温度に冷却することをさらに含む、上記(24)〜(57)のいずれか1つに記載の方法。
(59)ステップ(c)の沈殿後、かつステップ(d)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の単離前に、混和物に共溶媒を添加することをさらに含む、上記(24)〜(57)のいずれか1つに記載の方法。
(60)共溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される、上記(59)に記載の方法。
(61)共溶媒が、イソプロピルアルコールである、上記(59)に記載の方法。
(62)共溶媒の添加後、かつステップ(d)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の単離前に、混和物を約30℃以下の温度に冷却することをさらに含む、上記(59)〜(61)のいずれか1つに記載の方法。
(63)ステップ(d)における単離が、濾過によって遂行される、上記(24)〜(62)のいずれか1つに記載の方法。
(64)ステップ(d)の単離から得られたブプレノルフィンの酢酸塩を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから酢酸塩を濾過することをさらに含む、上記(24)〜(63)のいずれか1つに記載の方法。
(65)上記(24)〜(64)のいずれか1つに記載の方法から得られる、ブプレノルフィン酢酸塩生成物。
(66)生成物が、式(10):
の化合物またはその塩を約0.10重量%以下含む、上記(65)に記載の生成物。
(67)生成物が、式(11)の化合物、
またはその塩を約0.10重量%以下含む、上記(65)または(66)に記載の生成物。
(68)生成物が、式(12)の化合物、
またはその塩を約0.10重量%以下含む、上記(65)〜(67)のいずれか1つに記載の生成物。
(69)生成物が、式(12)の化合物により表される不純物またはその塩を約0.08重量%以下含む、上記(68)に記載の生成物。
(70)生成物が、式(14)の化合物、
またはその塩を約0.10重量%以下含む、上記(65)〜(69)のいずれか1つに記載の生成物。
(71)生成物が、式(13)の化合物、
またはその塩を約0.10重量%以下含む、上記(65)〜(70)のいずれか1つに記載の生成物。
(72)生成物が、式(15)の化合物、
またはその塩を約0.10重量%以下含む、上記(65)〜(71)のいずれか1つに記載の生成物。
(73)上記(65)〜(72)のいずれか1つに記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
(74)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(65)〜(72)のいずれか1つに記載の生成物、または上記(73)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(75)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(65)〜(72)のいずれか1つに記載の生成物、または上記(73)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(76)ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液及び塩基性材料と接触させて、混和物を形成するステップと、
(b)ブプレノルフィン遊離塩基をもたらすように、ステップ(a)の混和物を約20℃〜約90℃の温度で撹拌するステップと、
(c)ステップ(b)のブプレノルフィン遊離塩基を単離するステップと、
(d)任意選択により、ステップ(a)〜(c)を1回以上繰り返すステップと、を含む、方法。
(77)ステップ(a)において、ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)における酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約1質量当量の溶液と接触する、上記(76)に記載の方法。
(78)ステップ(a)の溶液が、水及びアルコールを含む、上記(76)または(77)に記載の方法。
(79)溶液が、水中約30重量%〜約70重量%のアルコールを含む、上記(78)に記載の方法。
(80)溶液が、水中約40重量%〜約60重量%のアルコールを含む、上記(78)に記載の方法。
(81)アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される、上記(78)〜(80)のいずれか1つに記載の方法。
(82)アルコールが、イソプロピルアルコールである、上記(81)に記載の方法。
(83)塩基性材料が、水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、水素化物、リン酸塩、ホウ酸塩、酸化物、シアン化物、ケイ酸塩、アミン、及びそれらの組み合わせから選択される、上記(76)に記載の方法。
(84)ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発モルに対して約0.5モル当量〜約20モル当量の塩基性材料と接触する、上記(76)に記載の方法。
(85)ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発モルに対して約1モル当量〜約10モル当量の塩基性材料と接触する、上記(84)に記載の方法。
(86)ステップ(a)の混和物が、ステップ(b)で約1時間〜約36時間にわたって撹拌される、上記(76)〜(85)のいずれか1つに記載の方法。
(87)撹拌ステップ(b)が、約2時間〜約8時間かかる、上記(86)に記載の方法。
(88)ステップ(b)において、混和物が、約25℃〜約90℃の温度で撹拌される、上記(86)または(87)に記載の方法。
(89)ステップ(b)において、混和物が、約30℃〜約45℃の温度で撹拌される、上記(88)に記載の方法。
(90)ステップ(c)における単離が、濾過によって遂行される、上記(76)〜(89)のいずれか1つに記載の方法。
(91)ステップ(c)のブプレノルフィン遊離塩基を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから遊離塩基を濾過するステップをさらに含む、上記(76)〜(90)のいずれか1つに記載の方法。
(92)上記(76)〜(91)のいずれか1つに記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
(93)生成物が、式(10)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(92)に記載の生成物。
(94)生成物が、式(11)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(92)または(93)に記載の生成物。
(95)生成物が、式(12)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(92)〜(94)のいずれか1つに記載の生成物。
(96)生成物が、式(12)の化合物により表される不純物を約0.08重量%以下含む、上記(95)に記載の生成物。
(97)生成物が、式(14)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(92)〜(96)のいずれか1つに記載の生成物。
(98)生成物が、式(13)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(92)〜(97)のいずれか1つに記載の生成物。
(99)生成物が、式(15)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(92)〜(98)のいずれか1つに記載の生成物。
(100)上記(92)〜(99)のいずれか1つに記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
(101)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(92)〜(99)のいずれか1つに記載の生成物、または上記(100)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(102)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(92)〜(99)のいずれか1つに記載の生成物、または上記(100)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(103)ブプレノルフィンの酢酸塩を、酢酸を除去するのに十分な圧力、温度、及び時間で処理することを含む、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法。
(104)圧力が、約100トル〜約200トルの低大気圧である、上記(103)に記載の方法。
(105)温度が、少なくとも約30℃であり、時間が、少なくとも約1時間である、上記(104)に記載の方法。
(106)温度が、少なくとも約50℃である、上記(105)に記載の方法。
(107)温度が、少なくとも約65℃である、上記(105)に記載の方法。
(108)処理が、少なくとも約5時間持続する、上記(103)〜(107)のいずれか1つに記載の方法。
(109)処理が、少なくとも約10時間持続する、上記(108)に記載の方法。
(110)ブプレノルフィン遊離塩基を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから遊離塩基を濾過することをさらに含む、上記(103)〜(109)のいずれか1つに記載の方法。
(111)圧力が、約620トル〜約780トルの大気圧である、上記(103)に記載の方法。
(112)温度が、約65℃〜約100℃である、上記(111)に記載の方法。
(113)処理が、少なくとも約7時間持続する、上記(111)または(112)に記載の方法。
(114)処理が、本質的に純粋なブプレノルフィン遊離塩基を形成するのに十分長く持続する、上記(111)〜(113)のいずれか1つに記載の方法。
(115)最終的なブプレノルフィン遊離塩基生成物中の酢酸が、約0.5重量%未満で存在する、上記(103)〜(114)のいずれか1つに記載の方法。
(116)上記(103)〜(115)のいずれか1つに記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
(117)上記(116)に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
(118)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(116)に記載の生成物、または上記(117)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(119)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(116)に記載の生成物、または上記(117)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(120)ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液中に溶解させて、混和物を形成するステップと、
(b)任意選択により、ステップ(a)の混和物を濾過するステップと、
(c)ステップ(a)または(b)の混和物に塩基性材料を添加して、第2の混和物を形成するステップと、
(d)ステップ(c)で生成された第2の混和物に逆溶媒を添加して、ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物を形成するステップと、
(e)ステップ(d)の沈殿物を単離するステップと、を含む、前記方法。
(121)ステップ(a)の溶液が、有機溶媒を含む、上記(120)に記載の方法。
(122)有機溶媒が、アルコールを含む、上記(121)に記載の方法。
(123)有機溶媒が、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから成る群から選択されるアルコールを含む、上記(122)に記載の方法。
(124)ステップ(d)の逆溶媒が、水溶液を含む、上記(120)〜(123)のいずれか1つに記載の方法。
(125)ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約3質量当量の溶液と接触する、上記(120)〜(124)のいずれか1つに記載の方法。
(126)ブプレノルフィンの酢酸塩の実質的に全てが溶解されるように、ステップ(a)の混和物を、約20℃〜約90℃の温度で混合することをさらに含む、上記(120)〜(125)のいずれか1つに記載の方法。
(127)ステップ(a)において、混和物が、少なくとも約40℃の温度にある、上記(126)に記載の方法。
(128)ステップ(a)において、混和物が、少なくとも約50℃の温度にある、上記(126)に記載の方法。
(129)ステップ(a)の混和物が、ステップ(b)で濾過される、上記(120)〜(128)のいずれか1つに記載の方法。
(130)ステップ(c)において、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発モル数に対して約1.0モル当量〜約20モル当量の塩基が、ステップ(a)または(b)で生成された混和物に添加される、上記(120)〜(129)のいずれか1つに記載の方法。
(131)ステップ(d)において、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約3質量当量の逆溶媒が、ステップ(c)で生成された第2の混和物に添加される、上記(120)〜(130)のいずれか1つに記載の方法。
(132)ステップ(e)における単離が、濾過によって遂行される、上記(120)〜(131)のいずれか1つに記載の方法。
(133)ステップ(e)の単離から得られた遊離塩基を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから遊離塩基を濾過することをさらに含む、上記(120)〜(132)のいずれか1つに記載の方法。
(134)上記(120)〜(133)のいずれか1つに記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
(135)生成物が、式(10)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(134)に記載の生成物。
(136)生成物が、式(11)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(134)または(135)に記載の生成物。
(137)生成物が、式(12)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(134)〜(136)のいずれか1つに記載の生成物。
(138)生成物が、式(12)の化合物を約0.08重量%以下含む、上記(137)に記載の生成物。
(139)生成物が、式(14)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(134)〜(138)のいずれか1つに記載の生成物。
(140)生成物が、式(13)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(134)〜(139)のいずれか1つに記載の生成物。
(141)生成物が、式(15)の化合物を約0.10重量%以下含む、上記(134)〜(140)のいずれか1つに記載の生成物。
(142)上記(134)〜(141)のいずれか1つに記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
(143)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(134)〜(141)のいずれか1つに記載の生成物、または上記(142)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(144)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(134)〜(131)のいずれか1つに記載の生成物、または上記(142)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(145)ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩と水溶液との混和物を加熱して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
(b)ステップ(a)の混和物を濾過することと、を含む、方法。
(146)水溶液が、水から本質的に成る、上記(145)に記載の方法。
(147)水溶液が、水とアルコールとの混合物を含む、上記(145)に記載の方法。
(148)アルコールが、イソプロピルアルコールである、上記(147)に記載の方法。
(149)加熱が、約70℃〜約90℃の温度である、上記(145)〜(148)のいずれか1つに記載の方法。
(150)ステップ(b)の固体濾過生成物を第2の水溶液で洗浄することをさらに含む、上記(145)または(146)に記載の方法。
(151)ステップ(b)の固体濾過生成物を乾燥するステップをさらに含む、上記(145)〜(150)のいずれか1つに記載の方法。
(152)上記(145)〜(151)のいずれか1つに記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
(153)上記(152)に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
(154)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(152)に記載の生成物、または上記(153)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(155)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(152)に記載の生成物、または上記(153)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(156)ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶媒中に混合して、混和物を形成することと、
(b)混和物を還流温度で還流させ、酢酸塩を蒸気相中の酢酸として除去することと、
(c)混和物を冷却して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
(d)ブプレノルフィン遊離塩基を単離することと、を含む、方法。
(157)ステップ(d)の単離が、ステップ(c)の沈殿したブプレノルフィン遊離塩基を濾過することを含む、上記(156)に記載の方法。
(158)溶媒が、有機溶媒を含む、上記(156)または(157)に記載の方法。
(159)有機溶媒が、ヘプタンを含む、上記(158)に記載の方法。
(160)上記(156)〜(159)のいずれか1つに記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
(161)上記(160)に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
(162)疼痛、便秘、薬物乱用、嗜癖障害、嘔吐、呼吸抑制、または多幸症の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(160)に記載の生成物、または上記(161)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
(163)疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、上記(160)に記載の生成物、または上記(161)に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、方法。
4.1 定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有することが意図される。
本明細書で使用される「結晶性形態」は、無水の結晶性形態、部分的な結晶性形態、結晶性形態の混合物、水和物の結晶性形態、及び溶媒和化合物の結晶性形態を指す。
本明細書で使用される「多形体」、「多形形態」、及び関連用語は、同じ分子(複数可)及び/またはイオンから本質的に成る2つ以上の結晶形態を指し、水和物及び溶媒和化合物などの他の固体状態の分子形態を含むが、これらに限定されない。異なる多形体は、結晶格子内の分子及び/もしくはイオンの配置または立体構造の結果として、異なる物理特性、例えば、溶融温度、融解熱、溶解度、溶解特性、及び/または振動スペクトルなどを有し得る。物理特性の相違は、貯蔵安定性、圧縮性、及び密度(製剤及び生成物の製造において重要である)、及び溶解速度(生体利用能において重要な要素)などの薬学的パラメータに影響し得る。
本明細書で使用される「溶媒和化合物」は、結晶性構造内に組み込まれた溶媒の分子をさらに含有する、化合物、分子、原子、イオン、またはそれらの塩の結晶性形態を指す。溶媒和化合物中の溶媒分子は、規則的な配置で存在しても、無秩序な配置で存在してもよい。溶媒和化合物は、化学量論的または非化学量論的のいずれの量の溶媒分子を含んでもよい。例えば、非化学量論的量の溶媒分子を含む溶媒和化合物は、溶媒和化合物からの溶媒の部分的損失から生じ得る。
本明細書で使用される「水和物」は、三次元配置における1個以上の水分子をさらに含有する化合物、分子、原子、イオン、またはそれらの塩の結晶性形態を指す。これには、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、もしくは六水和物、または、化合物もしくはその塩当たりの水の比が、必ずしも整数ではないが、例えば0.5〜10.0の範囲の任意の値である水和物といった、非化学量論的水和物または化学量論的水和物が含まれ得る。いくつかの実施形態では、水和物は、化合物またはその塩当たりの水の比が1〜8である。いくつかの実施形態では、水和物は、化合物またはその塩当たりの水の比が1〜5である。いくつかの実施形態では、水和物は、化合物またはその塩当たりの水の比が3〜5、例えば、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0である。
「無水」、「無水物」、及び関連用語は、水を含まないか、もしくは水を実質的に含まない、化合物、分子、原子、イオン、または塩を指す。いくつかの実施形態では、「無水」または「無水物」は、重量により水が約1.0重量%未満の水含有率を指す。
本明細書で使用される「混和物」は、組み合わせの相状態(例えば、全体的に液体もしくはスラリー、または同時に液体及び固体)に関わらず、混合物の組み合わされた要素を指す。
本明細書で使用される「播種」は、再結晶化または結晶化を開始させるために、混和物、例えば溶液に、結晶性材料を添加することを指す。
本明細書で使用される「逆溶媒」は、化合物が難溶性から不溶性である溶媒または液体を指す。逆溶媒は例えば、可溶化された化合物を溶液から析出(precipitate out)させるために使用され得る。逆溶媒の一例は、水であり得る(実施例2参照)。
化合物または組成物に関連して、本明細書で使用される「精製された(purified)」とは、所与の化合物の純度を意味する。例えば、化合物は、所与の化合物が、組成物の主成分、すなわち調製物の少なくとも50重量%である場合に、「精製されている」。したがって、「精製された」には、調製物の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約92重量%、少なくとも約94重量%、少なくとも約96重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、少なくとも約98.5重量%、少なくとも約99.0重量%、または少なくとも約99.5重量%が、対象の化合物であることが包含される。
化合物または組成物に関して、本明細書で使用される「本質的に純粋な」とは、調製物の少なくとも98重量%が対象の化合物であることを意味する。いくつかの実施形態では、化合物または組成物は、調製物の少なくとも99重量%が対象の化合物である場合に、「本質的により純粋」である。
第1の化合物を含有する第1の化合物または組成物に関して、本明細書で使用される、別の化合物を「本質的に含まない」とは、対象の第1の化合物の量の1重量%以下の量で、他の化合物が存在することを意味する。
本明細書で使用される「結晶化すること」、「結晶化する」、「結晶化」、及び関連用語は、溶液から沈殿する固体結晶を形成するプロセスを指し、ここで「結晶」は、その構成要素である化合物、塩、または溶媒和化合物が、3つ全ての空間次元に広がる規則的なパターンで配置されている、固体材料を指す。
本明細書で使用される「沈殿すること」、「沈殿する」、「沈殿」、及び関連用語は、別段の記載がない限り、「結晶化すること」、「結晶化する」、及び「結晶化」を包含する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される沈殿物は、非晶質である。いくつかの実施形態では、沈殿物は、非晶質成分と結晶性成分との混合物である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される沈殿物は、結晶性である。
本明細書で使用される「閾値量」、「閾値限界」、及び関連用語は、ICHガイドラインの最新版において、または米国食品医薬品局(U.S.Food and Drug Administration(「FDA」)及び欧州医薬品庁(European Medicines Agency)(「EMA」)などの規制機関によって提示された、原薬及び剤形中の不純物、具体的には有機不純物の報告、特定、ならびに許容可能な限界を指し、FDAまたはEMAの研究書の最新版から取得することができる。
「薬学的に許容可能な」とは、合理的な利益/リスク比に見合った、健全な医学的判断の範囲内において過剰な毒性、刺激、アレルギー応答、もしくは他の問題の合併症を伴わずにヒトもしくは動物に投与するのに好適な、化合物、材料、組成物、及び/または剤形を指す。
本明細書で使用される「塩」は、少なくとも1つのアニオン(例えば、酢酸のアニオン)と、少なくとも1つのカチオン(例えば、ブレンステッド酸(例えば、リン酸)によるブプレノルフィン遊離塩基のプロトン化から生じるブプレノルフィンカチオン)とを含む化合物を指す。塩は、酸と塩基(例えば、ブレンステッド酸とブレンステッド塩基、またはルイス酸とルイス塩基)の中和反応の結果得られ得る。固体形態の塩は、沈殿により生じ得るか、または結晶性構造を有し得る。「塩」という用語は、開示される化合物の全ての塩を包含する。
本明細書で使用される「薬学的に許容可能な塩」は、化合物から、または本開示のプロセスによって調製され得る任意の薬学的に許容可能な塩を指し、酸及びブプレノルフィンの窒素基などの塩基性官能基から形成される塩を含む。例示的な塩としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルコロン酸塩(glucoronate)、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))が挙げられるが、これらに限定されない。「薬学的に許容可能な塩」という用語は、カルボン酸官能基などの酸性官能基と、薬学的に許容可能な無機または有機塩基とを有する化合物から調製された塩も含む。好適な塩基としては、ナトリウム、カリウム、セシウム、及びリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物;カルシウム及びマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;アルミニウム及び亜鉛などの他の金属の水酸化物;アンモニア、及び非置換またはヒドロキシ置換されたモノ、ジ、もしくはトリアルキルアミンなどの有機アミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;ピコリン;N−メチル−N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ、ビス、もしくはトリス−(2−ヒドロキシ−(C−C)アルキルアミン)、例えばモノ、ビス、もしくはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N−ジ−[(C−C)アルキル]−N−(ヒドロキシ−(C−C)アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;ならびにアルギニン、リジンなどのアミノ酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、レブリン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、またはフマル酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩、レブリン酸塩、酢酸塩、または硫酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、塩酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、レブリン酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、酢酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、硫酸塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、ナトリウム塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、カリウム塩である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩は、パラ−トルエンスルホン酸塩である。様々な薬学的に許容可能な塩は、本開示におけるガイダンスに従って、または本開示を考慮して多様な既知の方法のいずれかにより、化合物を適切な酸と反応させることによって、調製することができる。
治療剤に関連して本明細書で使用される「有効量」は、動物に投与される本開示の薬剤または化合物の、治療効果をもたらす量を指す。
本明細書で使用される「の処置(Treatment of)」、「処置すること(treating)」、及び関連用語は、本開示の薬剤または化合物の有効量での投与による、病態またはその症状の寛解、低減、減速、または休止を含む。いくつかの実施形態では、処置することには、病態またはその症状の発症の全体的な頻度を抑制すること、例えば減少させることが含まれる。
本明細書で使用される「の防止(Prevention of)」、「防止すること(preventing)」、及び関連用語は、本開示の薬剤または化合物の有効量での投与による、病態またはその症状の発症の回避を含む。
本明細書で使用される「障害」は、本明細書で定義される病態を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「動物」は、ヒト、または、伴侶動物もしくは家畜、例えば、ウシ、サル、ヒヒ、チンパンジー、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、もしくはモルモットなどの非ヒト動物を含むが、これらに限定されない。一実施形態において、動物はヒトである。
「Cmax」という用語は、ある投薬間隔中に得られる最大血漿濃度を意味する。
「生体利用能」という用語は、本開示では、薬物(例えば、ブプレノルフィン)が剤形、例えば単位剤形から吸収される適切な程度と定義される。生体利用能は、「AUC」(すなわち、血漿濃度対時間曲線下面積)とも称される。
「モル当量」という用語は、本開示では、「Y」のモル数に対する「X」のモル数と定義される。例えば、Yに対する5モル当量のXとは、1モルのYが使用される場合、5モルのXが使用されることを示す。Yに対する1モル当量のXとは、1モルのYが使用される場合、1モルのXが使用されることを示す。
「質量当量」という用語は、本開示では、「Y」の質量に対する「X」の質量と定義される。例えば、Yに対して4質量当量のXとは、1gのYが使用される場合、4gのXが使用されることを示す。Yに対して1質量当量のXとは、1kgのYが使用される場合、1kgのXが使用されることを示す。
本明細書で使用される「a」、「an」、及び「the」という冠詞は、文脈による別段の明確な指示がない限り、その冠詞に続く用語により指定される、1つまたは1つを超える種を指す。例えば、「a compound of formula(1)(式(1)の化合物)」は、式(1)の化合物の1個以上の分子を包含する。
図示される化学構造と化学名との一致に関して疑義がある場合には、化学構造が優先される。
明確化を目的に別々の実施形態との関連で記載される本開示の様々な特徴は、本明細書において明確に除外される場合を除いて、単一の実施形態で組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔化を目的として単一の実施形態との関連で記載される本開示の様々な特徴もまた、本明細書において明確に除外される場合を除いて、別々にかつ/または任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。
4.2 ブプレノルフィン酢酸塩及び対応する水和物
いくつかの態様において、本開示は、ブプレノルフィンの新たな塩を提供する。特に、本開示の新たな塩は、例えば、本明細書の実施例1に開示される、ブプレノルフィンの他の既知の塩と比べて優れた特性及び特徴を示す。特に、本開示は、ブプレノルフィンの酢酸塩を提供する。ブプレノルフィン、すなわち、(4R,4aS,6R,7R,7aR,12bS)−3−(シクロプロピルメチル)−6−((S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブタン−2−イル)−7−メトキシ−1,2,3,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−4a,7−エタノ−4,12−メタノベンゾフロ[3,2−e]イソキノリン−9−オールは、式(1)の化学構造を有する。
ブプレノルフィンのモノ酢酸塩は、式(1a)に示されるように図示することができる。
いくつかの実施形態では、本開示は、式(1a)の酢酸塩の多形体を提供する。いくつかの実施形態では、式(1a)の酢酸塩の多形体は、無水物、溶媒和化合物、または水和物とすることができる。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩は、酢酸塩の分子1個当たり1〜6個の水分子を含む水和物である。いくつかの実施形態では、式(1a)の各酢酸塩は、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の水分子と会合することができる。特定の実施形態では、式(1a)の各酢酸塩は、4個の水分子と会合しており、本明細書において四水和物と称され、式(1b)によって図示することができる。
いくつかの実施形態では、水分子に対するブプレノルフィン酢酸塩分子の化学量論は、所与の試料に関する平均または平均値として計算される。例えば、ブプレノルフィン酢酸塩水和物の所与の試料に関して、化学量論によると、ブプレノルフィン酢酸塩分子1個当たり水分子は平均約4個である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩水和物は、ブプレノルフィン酢酸塩分子1個当たり平均で約3.5個、約3.6個、約3.7個、約3.8個、約3.9個、約4.0個、約4.1個、約4.2個、約4.3個、約4.4個、または約4.5個の水分子を有する。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、無水形態である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩の無水物は、水を「実質的に含まない」。水を実質的に含まない調製物は、ブプレノルフィン酢酸塩の分子1個当たり水分子0.40未満、例えば水分子約0.30以下、水分子約0.20以下、水分子約0.10以下、水分子約0.05以下、水分子約0.02以下、または水分子約0.01以下の平均化学量論を有し得る。いくつかの実施形態では、水を実質的に含まないブプレノルフィン酢酸塩の無水物は、重量により約1.0重量%未満、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.4重量%未満、または約0.2重量%未満の水を有する。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、精製されたブプレノルフィン酢酸塩の形態である。いくつかの実施形態では、精製されたブプレノルフィン酢酸塩は、調製物の重量の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約75重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約92重量%、少なくとも約94重量%、少なくとも約96重量%、または少なくとも約97重量%である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、本明細書で定義される本質的に純粋なブプレノルフィン酢酸塩の形態、例えば、調製物の重量の少なくとも約98重量%、または別の実施形態では少なくとも約98.5重量%である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、本明細書で定義される本質的により純粋なブプレノルフィン酢酸塩の形態、例えば、調製物の重量の少なくとも約99.0重量%、または別の実施形態では少なくとも約99.5重量%である。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩は、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩、例えば結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩の無水物、水和物、または溶媒和化合物などである。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩の水和物であり、この水和物は、酢酸塩の分子1個当たり水分子1個、2個、3個、4個、5個、または6個などの、酢酸塩の分子1個当たりの水分子の数を有し得る。いくつかの実施形態では、結晶性形態は、上記式(1b)に図示される四水和物である。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、表1中のものと実質的に同等の回折角における1つ以上のピークを含む、CuKα線を使用して得られるX線粉末回折(「XRPD」)パターンを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、6.38、8.77、10.31、11.93、16.21、18.47、18.70、及び19.40と実質的に同等の2θ角における1つ以上のピークを含む、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、少なくとも16.21及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、8.77、10.31、または18.47におけるピークのうちの少なくとも1つと実質的に同等の2θ角における少なくとも1つのさらなるピークを有する、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、少なくとも16.21及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、8.77、10.31、または18.47におけるピークのうちの少なくとも2つと実質的に同等の2θ角における少なくとも2つのさらなるピークを有する、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、少なくとも8.77、10.31、16.21、18.47、及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含む、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、少なくとも8.77、10.31、16.21、18.47、及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、6.38、11.93、または19.40におけるピークのうちの少なくとも1つと実質的に同等の2θ角における少なくとも1つのさらなるピークを有する、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、少なくとも8.77、10.31、16.21、18.47、及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、6.38、11.93、または19.40におけるピークのうちの少なくとも2つと実質的に同等の2θ角における少なくとも2つのさらなるピークを有する、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、少なくとも6.38、8.77、10.31、11.93、16.21、18.47、18.70、及び19.40におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含む、CuKα線を使用して得られるXRPDパターンを特徴とする。
異なる機器及び/または条件により、わずかに異なるXRPDデータが生成され得ることが理解されよう。例えば、ピークの位置及び/または相対強度が変動し得る。具体的には、XRPDピークの強度は、XRPDマウント内への結晶性粒子の充填の効果のため、粒子のサイズ及び形状の結果、変動する場合がある。このような充填効果は、当該技術分野で知られており、しばしば「選択配向(preferred orientation)」効果と称される。試料における選択配向は、様々なXRPDピークの強度に影響を及ぼし、その結果、一部は、完全にランダムな試料から予想されるものと比較してより強く、その他はより弱くなる。XRPD強度の変動は、異なる粒子のサイズ及び形状が原因で生じ得る。XRPDピークの位置が、回折計内に試料が置かれる精確な高さ、及び回折計の零較正に影響されることも、当該技術分野では認識されている。試料の表面平面性も、わずかに影響を与え得る。したがって、提示されるXRPDデータは、絶対値とは見なされないものとする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、CuKα線を使用して得られる、図4に示されるXRPDパターンと実質的に同じXRPDパターンを特徴とする。第1のピークが第2のピークの±0.2°以内の°2θ角を有する場合、第1のXRPDピークは、第2のXRPDピークと同じ°2θ角を有する、すなわちそれと実質的に同等であると見なされる。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、示差走査熱量測定(「DSC」)遷移プロファイルを特徴とする。DSCは、約10℃/分の典型的な加熱速度(すなわち、温度変化)で、試料からの熱流を温度の関数として測定する。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約50℃〜約180℃、または約50℃〜約140℃、または約80℃〜約130℃、または約90℃〜約130℃、または約90℃〜約120℃、または約95℃〜約115℃における少なくとも1つのピーク位置を有する遷移を特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約217℃〜約225℃、または約218℃〜約223℃、または約219℃〜約223℃におけるピーク位置を有する遷移を特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約50℃〜約180℃、または約50℃〜約140℃、または約80℃〜約130℃、または約90℃〜約130℃、または約90℃〜約120℃、または約95℃〜約115℃における少なくとも1つのピーク位置を有する遷移と、約210℃〜約225℃、または約217℃〜約225℃、または約218℃〜約223℃、または約219℃〜約223℃におけるピーク位置を有する別の遷移とを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、以上で考察したように、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約50℃〜約180℃におけるピーク位置を有する少なくとも1つのピークを有する第1の遷移領域(領域1)と、約210℃〜約225℃におけるピーク位置を有するピークを有する第2の遷移領域(領域2)とを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計によって測定した場合に、図5に示されるDSCプロファイルと実質的に同じDSCプロファイルを特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計によって測定した場合に、図6に示されるDSCプロファイルと実質的に同じDSCプロファイルを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約7.0〜約8.0の、第2の遷移領域(領域2)分に対する第1の遷移領域(領域1)、すなわち領域1/領域2の積分(曲線下面積)比を特徴とする。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩の領域1/領域2の概算積分比は、約7.1〜約7.9である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩の領域1/領域2の概算積分比は、約7.1〜約7.7である。いくつかの実施形態では、遷移領域の積分値は、第1の遷移領域(領域1)については約35℃〜約180℃の温度範囲にわたって、かつ第2の遷移領域(領域2)については約203℃〜約233℃の温度範囲にわたって決定される。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、Karl Fischer滴定により測定した場合に、約11.1重量%〜約13.0重量%、または約11.5重量%〜約12.6重量%、または約11.8重量%〜約12.5重量%、または約12.0重量%〜約12.3重量%の水含有率を特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、約12.3重量%、約12.25重量%、または約12.0重量%の水含有率を特徴とする。いくつかの実施形態では、前述の水含有率は、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物、すなわち、式(1b)の化合物に関するものである。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、以下のうちの1つ以上を特徴とする:
(1)表1に示されるXRPDピーク2θのうちの少なくとも1つ、
(2)図4と実質的に同様のXRPDパターン、
(3)図5または図6と実質的に同様のDSCプロファイル、
(4)約7.0〜約8.0の遷移領域1/領域2のDSC積分比、及び
(5)約11.1重量%〜約13.0重量%の水含有率。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、上記の特徴(1)〜(5)のうちの2つ、3つ、4つ、または全てを特徴とする。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、本明細書中以下の表4に提示される結晶特徴決定データに記載されるものなどの単斜晶として特徴付けられる。いくつかの実施形態では、結晶性形態は、単斜空間群P2を特徴とする。いくつかの実施形態では、結晶性形態は、a=10.5±0.5Å、b=10.9±0.5Å、及びc=14.4±0.5Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、結晶性形態は、a=10.52±0.05Å、b=10.92±0.05Å、及びc=14.44±0.05Åの単位格子パラメータを有する。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、a=10.5±0.5Å、b=10.9±0.5Å、及びc=14.4±0.5Åの単位格子パラメータを有する空間群P2の単斜晶である。いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、a=10.52±0.05Å、b=10.92±0.05Å、及びc=14.44±0.05Åの単位格子パラメータを有する空間群P2の単斜晶である。
いくつかの実施形態では、結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩は、表5に記載のものと同じまたは同等の分率原子座標(×10)と、同等の等方性転位(isotropic displacement)パラメータ(Å×10)とを有する。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩及びその多形形態は、高い安定性を示す。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩及びその多形形態は、長期安定性条件(すなわち、65%の相対湿度で25℃)下で、約95.0面積%以上の純度、約96.0面積%以上の純度、約97.0面積%以上の純度、約98.0面積%以上の純度、約98.5面積%以上の純度、約99.0面積%以上の純度、約99.1面積%以上の純度、約99.2面積%以上の純度、約99.3面積%以上の純度、約99.4面積%以上の純度、約99.5面積%以上の純度、約99.6面積%以上の純度、約99.7面積%以上の純度、約99.8面積%以上の純度、または約99.9面積%以上の純度を保持する。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩及びその多形形態は、加速安定性条件(すなわち、75%の相対湿度で40℃)下で、約95.0面積%以上の純度、約96.0面積%以上の純度、約97.0面積%以上の純度、約98.0面積%以上の純度、約98.5面積%以上の純度、約99.0面積%以上の純度、約99.1面積%以上の純度、約99.2面積%以上の純度、約99.3面積%以上の純度、約99.4面積%以上の純度、約99.5面積%以上の純度、約99.6面積%以上の純度、約99.7面積%以上の純度、約99.8面積%以上の純度、または約99.9面積%以上の純度を保持する(安定性試験条件下における不純物の面積%の決定方法については、以下の実施例7を参照されたい)。一般に、水分による影響を受けていないと見なされるには、ICH GuidelinesならびにUS Pharmacopeia及びEMA Monographsの要件では、薬物化合物は、6か月の最小期間にわたって75%RH±5%(「RH」=相対湿度)で40℃±2℃の加速貯蔵条件下で安定であり、かつ60%RH±5%で25℃±2℃または65%RH±5%で30℃±2℃の長期(すなわち、12か月の最小期間にわたる)貯蔵条件下で安定でなければならない。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩及びその多形形態は、高い光安定性を示す。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩及びその多形形態は、連続的なUV光、例えば、21.9W/mのTL 20W/12RS UV電球(Philips Lighting)からのUV光に、最長3か月にわたって曝露されたときに、約99.0面積%以上の純度、約99.1面積%以上の純度、約99.2面積%以上の純度、約99.3面積%以上の純度、約99.4面積%以上の純度、約99.5面積%以上の純度、約99.6面積%以上の純度、約99.7面積%以上の純度、約99.8面積%以上の純度、または約99.9面積%以上の純度を保持する。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩及びその多形形態は、可視光、例えば、27KルクスのF24T12/CW/HO蛍光電球(Philips Lighting)からの可視光に、最長3か月にわたって曝露されたときに、約99.0面積%以上の純度、約99.1面積%以上の純度、約99.2面積%以上の純度、約99.3面積%以上の純度、約99.4面積%以上の純度、約99.5面積%以上の純度、約99.6面積%以上の純度、約99.7面積%以上の純度、約99.8面積%以上の純度、または約99.9面積%以上の純度を保持する。
本開示のブプレノルフィン酢酸塩中に存在するかまたは不在である不純物の同一性は、そのブプレノルフィン酢酸塩から調製されたブプレノルフィン遊離塩基中に存在するかまたは不在である不純物の同一性と同じであることが発見された。例えば、式(12)の化合物(節4.3参照)が本開示のブプレノルフィン酢酸塩中に存在するが、式(18)の化合物(節4.3参照)がそこに存在しない場合、式(12)の化合物は、そのブプレノルフィン酢酸塩から調製されたブプレノルフィン遊離塩基中に存在するが、式(18)の化合物は、そこに存在しないことになる。また、本開示のブプレノルフィン酢酸塩中に存在する各不純物の量が、そのブプレノルフィン酢酸塩から調製されたブプレノルフィン遊離塩基中に存在するその不純物の量とほぼ同じであることも発見された。例えば、0.080%の式(12)の化合物が本開示のブプレノルフィン酢酸塩中に存在する場合、約0.080%(±20%、すなわち、約0.064%〜約0.096%)の式(12)の化合物が、そのブプレノルフィン酢酸塩から調製されたブプレノルフィン遊離塩基中に存在することになる。したがって、本開示のブプレノルフィン酢酸塩中の不純物(複数可)の同一性及び量の特徴決定は、概して、そのブプレノルフィン酢酸塩から調製されたブプレノルフィン遊離塩基の不純物の特徴決定も提供し、その逆も同様である。
4.3 ブプレノルフィン酢酸塩の調製方法、及び本方法により作製されたブプレノルフィン酢酸塩
別の態様では、本開示は、高度に純粋なブプレノルフィン酢酸塩の調製方法を提供する。本開示の驚くべき発見において、本明細書中以下に記載される手順で調製されたブプレノルフィンの酢酸塩は、中間体をもたらし、これを介して、非常に高度に純粋なブプレノルフィンを比較的穏やかな条件下において非常に高い収率で得ることができる。このブプレノルフィンは、不純物を実質的に含まない。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、本質的に純粋である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、本質的により純粋である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩は、不純物を本質的に含まない。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩の調製方法は、
(a)ブプレノルフィン遊離塩基を、酢酸を含む溶液に溶解容器内で接触させて、混和物を形成するステップであって、混和物が約40℃〜約80℃の温度にある、ステップと、
(b)任意選択により、ステップ(a)の混和物を濾過するステップと、
(c)ステップ(a)または(b)で生成された前記混和物に薬剤を添加して、ブプレノルフィンの酢酸塩を沈殿させるステップと、
(d)ステップ(c)で沈殿したブプレノルフィンの酢酸塩を単離するステップと、を含む。
いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)において、ブプレノルフィン遊離塩基は、ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約2.0質量当量〜約6.0質量当量、または約3.0質量当量〜約5.0質量当量、または約3.5質量当量〜約4.5質量当量の酢酸溶液と接触する。
いくつかの実施形態では、ステップ(a)で使用される酢酸溶液は、酢酸水溶液である。酢酸水溶液は、少なくとも、化学量論的に、ブプレノルフィン遊離塩基出発材料の全ての酢酸塩を形成するのに十分な濃度の酢酸を含有する。いくつかの実施形態では、水溶液中の酢酸は、水溶液の重量に対して約40重量%〜約70重量%、または約45重量%〜約60重量%、または約45重量%〜約55重量%、または約47重量%〜約55重量%、または約49重量%〜約53重量%で存在する。
いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)において、溶解容器に供給される酢酸溶液は、約40℃〜約80℃、または約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約55℃〜約65℃の温度にある。いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)において、酢酸溶液は、酢酸水溶液であり、かつ、溶解容器に供給されるときに約40℃〜約80℃、または約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約55℃〜約65℃の温度にある。
いくつかの実施形態では、本方法のステップ(a)において、混和物は、ある期間にわたって約40℃〜約80℃、または約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約55℃〜約65℃の温度にあり、その結果、ブプレノルフィン遊離塩基の少なくとも大部分が溶解している。いくつかの実施形態では、混和物が、規定の温度範囲内の温度まで加熱されるか、またはいくつかの実施形態では、規定の温度範囲内の温度の溶液がブプレノルフィン遊離塩基に添加されて、混和物が形成される。溶解しているブプレノルフィン遊離塩基の大部分に関連して、一実施形態では、ブプレノルフィン遊離塩基の少なくとも約30重量%が溶解したときに、ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している。他の実施形態では、ブプレノルフィン遊離塩基の少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、または少なくとも約75重量%が溶解したときに、ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している。「ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している」場合に対応する量は、得られるブプレノルフィン酢酸塩の収率から、次のように決定することができる。さらに多い量のブプレノルフィン遊離塩基の添加に際し、ブプレノルフィン酢酸塩の決定された収率が比較的一定(5%以内)である場合、ブプレノルフィン遊離塩基の大部分は、このさらに多い量のブプレノルフィン遊離塩基の添加前に溶解している。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の混和物は、ブプレノルフィン遊離塩基の溶解を加速するように撹拌される。混和物の撹拌は、攪拌、超音波処理、または振盪を含む多様な技術によって達成され得る。
いくつかの実施形態では、ステップ(a)の混和物は、任意選択により、例えば濾過装置を使用することによって、ステップ(b)に従って濾過され得る。濾過は、約40℃〜約80℃、または約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約55℃〜約65℃の温度を含む好適な温度の濾過装置で行うことができる。いくつかの実施形態では、ステップ(b)において、濾過装置に加えられるステップ(a)の混和物は、約40℃〜約80℃の温度、または約45℃〜約75℃の温度にある。いくつかの実施形態では、酢酸溶液の追加体積が、溶解容器及び濾過装置をすすぐために使用される。この酢酸溶液の追加体積は、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.1質量当量〜約2.0質量当量、または約0.1質量当量〜約1.1質量当量、または約0.2質量当量〜約1.5質量当量、または約0.5質量当量〜約1.1質量当量、または約0.5質量当量〜約1.0質量当量、または約0.3質量当量〜約0.5質量当量とすることができる。
いくつかの実施形態では、酢酸溶液の追加体積は、酢酸水溶液である。いくつかの実施形態では、酢酸の水溶液は、水溶液の重量に対して約40重量%〜約70重量%、または約45重量%〜約60重量%、または約45重量%〜約55重量%、または約47重量%〜約55重量%、または約49重量%〜約53重量%の量の酢酸を有することができる。
いくつかの実施形態では、前述の方法及びそれらの変化形態のいずれかのステップ(c)において、ステップ(c)の薬剤は、逆溶媒、種晶、及びそれらの組み合わせから選択される。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)の薬剤は、逆溶媒を含む。ブプレノルフィンの酢酸塩の沈殿を開始し、所望の特徴、例えば、低減した生成物の不純物レベルを有する生成物を得るために好適な、任意の逆溶媒を使用することができる。いくつかの実施形態では、逆溶媒は、水を含む。いくつかの実施形態では、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.2質量当量〜約8.0質量当量、または約0.5質量当量〜約4.0質量当量、または約0.5質量当量〜約2.0質量当量、または約0.5質量当量〜約1.0質量当量、または約0.6質量当量〜約0.9質量当量、または約0.7質量当量〜約0.8質量当量の逆溶媒が、ステップ(a)または(b)の混和物に添加される。概して、逆溶媒は、ブプレノルフィンの酢酸塩の沈殿を達成するのに十分な温度で添加される。いくつかの実施形態では、逆溶媒は、上記のステップ(a)もしくはステップ(b)の混和物の温度の約10℃以内、または約5℃以内、具体的には約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約50℃〜約65℃、または約55℃〜約65℃で添加される。
いくつかの実施形態では、逆溶媒は、約0.5時間〜約3.0時間、または約0.5時間〜約2.5時間、または約1.0時間〜約2.0時間にわたって添加される。
いくつかの実施形態では、逆溶媒は、単回で添加される。他の実施形態では、逆溶媒は、複数の分量で、すなわち、少量に分けて添加される。例えば、逆溶媒は、ステップ(c)全体にわたって、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれを超えて別個に添加され得る。各分量中の逆溶媒の個々の量は、同じであっても異なっていてもよい。逆溶媒の分量は、ステップ(c)中、明確に定義された間隔で添加することができる。例えば、逆溶媒の個々の分量は、ステップ(c)が進行するにつれて、約0.1時間〜4.0時間毎、または約0.5時間毎に添加することができる。あるいは、逆溶媒の個々の分量は、ブプレノルフィン酢酸塩の形成速度が減少するステップ(c)中の時点で添加してもよい。
他の実施形態では、逆溶媒は、ステップ(c)中、連続的に添加される。別の実施形態では、連続添加は、添加漏斗から逆溶媒を混和物中にゆっくりと滴下することによって達成される。別の実施形態では、連続添加は、機械駆動式プランジャーを備えた皮下シリンジを逆溶媒で充填し、皮下針を介してこの逆溶媒を混和物中に添加することによって達成される。別の実施形態では、連続添加は、機械式ポンプを用いて逆溶媒を混和物中に添加することによって達成される。
逆溶媒を少量ずつかつ連続して添加する方法は、当該技術分野で知られている。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第2,191,786号、同第2,583,420号、同第3,355,486号、同第3,749,646号、同第4,217,787号、同第6486,692号、及び同第6,994,827号は、1つの試薬が混和物に漸増的に添加される容器を開示する。漸増的添加は、全逆溶媒を同時に容器内に添加することとは対照的に、有限の期間にわたって計り入れること(metering−in)として、当該技術分野で知られている。漸増的添加という用語は、連続流を使用した添加、可変流を使用した添加、別々の分量を使用した断続的な添加、及び他の関連方法を含む。米国特許第4,217,287号(カラム2、56〜62行)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)の薬剤は、種晶を含む。特に、種晶は、ブプレノルフィン酢酸塩を含む。種晶は、混和物中に、ブプレノルフィン酢酸塩の溶液からの沈殿を開始させるのに十分な量で添加することができる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.1重量%〜約10重量%、または約0.1重量%〜約9重量%、または約0.1重量%〜約8重量%、または約0.1重量%〜約7重量%、または約0.1重量%〜約6重量%、または約0.1重量%〜約5重量%、または約0.1重量%〜約4重量%、または約0.1重量%〜約3重量%、または約0.1重量%〜約2重量%、または約0.1重量%〜約1重量%、または約0.2重量%〜約0.8重量%、または約0.3重量%〜約0.7重量%、または約0.4重量%〜約0.6重量%、または約0.2重量%〜約0.5重量%の種晶が、ステップ(a)または(b)の混和物に添加される。いくつかの実施形態では、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.2重量%〜約9重量%、または約0.5重量%〜約9重量%、または約1重量%〜約5重量%、または約2重量%〜約4重量%の種晶が、ステップ(a)または(b)の混和物に添加される。
いくつかの実施形態では、種晶は、酢酸塩の沈殿を開始する好適な温度で添加される。いくつかの実施形態では、ステップ(a)または(b)の混和物は、種晶が添加されるとき、約40℃〜約80℃、または約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約50℃〜約65℃、または約53℃〜約63℃、または約56℃〜約63℃、または約58℃〜約62℃、または約59℃〜約61℃の温度にある。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)において、ブプレノルフィン酢酸塩を沈殿させるための薬剤は、逆溶媒と種晶との両方の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第1の量の逆溶媒が、種晶の添加の前、後、またはそれと同時に添加される。これにはさらに、任意選択により、第2の量の逆溶媒の添加が続いてもよい。いくつかの実施形態では、逆溶媒の第1の量は、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.2質量当量〜約2.0質量当量、または約0.35質量当量〜約0.80質量当量、または約0.5質量当量〜約1.0質量当量、または約0.6質量当量〜約0.9質量当量、または約0.65質量当量〜約0.75質量当量である。いくつかの実施形態では、種晶が逆溶媒と組み合わせて使用されるとき、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.1重量%〜約10重量%、または約0.1重量%〜約9重量%、または約0.1重量%〜約8重量%、または約0.1重量%〜約7重量%、または約0.1重量%〜約6重量%、または約0.1重量%〜約5重量%、または約0.1重量%〜約4重量%、または約0.1重量%〜約3重量%、または約0.1重量%〜約2重量%、または約0.1重量%〜約1重量%、または約0.2重量%〜約0.8重量%、または約0.3重量%〜約0.7重量%、または約0.4重量%〜約0.6重量%、または約0.2重量%〜約0.5重量%の種晶が添加される。いくつかの実施形態では、逆溶媒の第2の任意選択による量は、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約1.0質量当量〜約8.0質量当量、または約1.0質量当量〜約6.5質量当量、または約4.0質量当量〜約6.5質量当量、または約5.0質量当量〜約6.5質量当量、または約5.6質量当量〜約6.1質量当量、または約5.75質量当量〜約6.00質量当量、または約5.8質量当量〜約6.0質量当量である。いくつかの実施形態では、第2の任意選択による量の逆溶媒の添加中の混和物の温度は、ステップ(a)における混和物の温度とほぼ同じである。いくつかの実施形態では、第2の任意選択による量の逆溶媒の添加中の混和物の温度は、ステップ(a)における混和物の温度とは異なる。いくつかの実施形態では、第2の任意選択による量の逆溶媒の添加中の混和物の温度は、第1の量の逆溶媒の添加中の混和物の温度とほぼ同じである。いくつかの実施形態では、第2の任意選択による量の逆溶媒の添加中の混和物の温度は、第1の量の逆溶媒の添加中の混和物の温度とは異なる。
いくつかの実施形態では、種晶を用いて沈殿を開始させるとき、混和物は、最長48時間、最長36時間、最長24時間、最長12時間、最長6時間、最長5時間、最長4時間、最長3時間、最長2時間、最長1時間、または最長0.5時間にわたって、種が添加されるときの混和物の温度に保たれ得る。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれについても、本方法は、薬剤を添加した後、かつステップ(d)においてブプレノルフィンの酢酸塩を単離する前に、ステップ(c)の混和物を、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下、約15℃以下、または約10℃以下の温度に冷却することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、溶液は、約5℃〜約30℃、または約5℃〜約25℃、または約5℃〜約20℃、または約10℃〜約20℃の温度に冷却される。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれについても、本方法は、ステップ(c)の沈殿の後だがステップ(d)における単離の前に、混和物に共溶媒を添加することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、生成物の不純物レベルを低減させるため、または、処理するため、例えば、発泡を低減させるために、生成物の望ましい特性を提供するかまたはそれを向上させる、任意の共溶媒を使用することができる。いくつかの実施形態では、共溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(「IPA」)、及びそれらの組み合わせから選択される、アルコールである。いくつかの実施形態では、共溶媒はIPAである。
いくつかの実施形態では、添加される共溶媒の量は、ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.6質量当量〜約0.8質量当量、または約0.75質量当量〜約0.65質量当量、または約0.73質量当量〜約0.67質量当量である。いくつかの実施形態では、添加されている共溶媒の温度は、約50℃〜約70℃、または約52℃〜約68℃、または約55℃〜約65℃である。
いくつかの実施形態では、共溶媒の添加後、かつステップ(d)においてブプレノルフィンの酢酸塩を単離する前に、本方法は、混和物を、約30℃以下、約25℃以下、約20℃以下、約15℃以下、または約10℃以下の温度に冷却することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、溶液は、約5℃〜約30℃、または約5℃〜約25℃、または約5℃〜約20℃、または約10℃〜約20℃の温度に冷却される。いくつかの実施形態では、冷却速度は、約1℃/時間〜約20℃/時間、または約4℃/時間〜約15℃/時間、または約5℃/時間〜約12℃/時間、または約6℃/時間〜約10℃/時間である。
ステップ(c)におけるブプレノルフィン酢酸塩の沈殿後、本方法は、ブプレノルフィン酢酸塩を単離させるステップ(d)をさらに含む。いくつかの実施形態では、ステップ(d)における単離は、濾過、遠心分離、倍散、またはデカンテーションによって遂行される。
いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ(d)から得られたブプレノルフィン酢酸塩を、スラリー化溶液を使用してスラリー化することをさらに含む。いくつかの実施形態では、スラリー化溶液は、IPAなどのアルコール、または水とアルコール、例えば水とIPAなどを含む。このスラリーを濾過して、ブプレノルフィン酢酸塩の調製物をもたらすことができる。
上記に詳解したように、上述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン酢酸塩、及びその多形形態は、不純物を本質的に含まず、したがって、いくつかの実施形態では、本質的に純粋なブプレノルフィン酢酸塩をもたらす。ブプレノルフィンの合成中に生成される一部の不純物は、ブプレノルフィンと同様の化学特性を有するが、これは、最終生成物の精製を困難にする傾向がある。上に述べたように、ブプレノルフィン酢酸塩、特に本明細書に開示される方法によって調製されたブプレノルフィン酢酸塩は、より低いレベルの不純物を有し、いくつかの実施形態では、不純物を本質的に含まないことが発見された。理論に束縛されるものではないが、不純物の低減は、結晶性ブプレノルフィン酢酸塩の沈殿中に起こると考えられ、望ましくない不純物は、ブプレノルフィン酢酸塩の単離後、ステップ(c)の混和物溶液中に残ると考えられる。したがって、別の態様において、本開示は、本明細書に記載の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン酢酸塩、具体的には式(1b)の化合物を提供し、これらはそれぞれ、有利に改善された不純物プロファイルを有する。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(10)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(11)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(12)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(13)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(14)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(15)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(16)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(17)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(18)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、式(19)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、不純物を本質的に含まない。いくつかの実施形態では、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物を合わせたレベルを含む、不純物の総量は、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、約0.20重量%以下、約0.15重量%以下、または約0.10重量%以下である。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン酢酸塩調製物は、その無水物、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態を含め、不純物を本質的に含まない。いくつかの実施形態では、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、及び(19)の化合物の不純物を合わせたレベルを含む、不純物の総量は、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、約0.20重量%以下、約0.15重量%以下、または約0.10重量%以下である。
4.4 ブプレノルフィン遊離塩基、ブプレノルフィン塩、及びそれらの調製方法
上記に詳解したように、本ブプレノルフィン酢酸塩、ならびにその溶媒和化合物、水和物、無水物、及び結晶性形態は、ブプレノルフィンの現行の調製物中に存在する不純物の分離を可能にし、したがって、純度が上昇したブプレノルフィンの遊離塩基及び他の塩形態を含む、ブプレノルフィンを調製するための合成中間体を提供する。本開示の方法を使用することにより、不純物を本質的に含まないブプレノルフィンを、その遊離塩基、塩形態、溶媒和化合物、水和物、無水物、及び結晶性形態を含め、調製することができる。
したがって、さらなる態様において、本開示は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法を提供し、本方法は、ブプレノルフィンの酢酸塩を、酢酸対イオンを除去するのに十分な条件下で処理し、それによりブプレノルフィン遊離塩基(及び酢酸)をもたらすことを含む。いくつかの実施形態では、この処理ステップは、本質的に純粋なブプレノルフィン遊離塩基をもたらすのに十分に酢酸対イオンを除去する。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン遊離塩基調製物中に残る酢酸の量は、約0.10重量%未満、約0.09重量%未満、約0.08重量%未満、約0.07重量%未満、約0.06重量%未満、または約0.05重量%未満である。
ブプレノルフィンの酢酸塩から、例えばブプレノルフィン酢酸塩四水和物から、ブプレノルフィン遊離塩基を調製するための第1の方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液及び塩基性材料と接触させて、混和物を形成するステップと、
(b)ブプレノルフィン遊離塩基をもたらすように、ステップ(a)の混和物を約20℃〜約90℃の温度で撹拌するステップと、
(c)ステップ(b)のブプレノルフィン遊離塩基を単離するステップと、
(d)任意選択により、ステップ(a)〜(c)を1回以上繰り返すステップと、を含む。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第1の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)において、ブプレノルフィンの酢酸塩は、ステップ(a)における酢酸塩の出発質量に対して少なくともほぼ同じ質量(すなわち、約1質量当量)の溶液と接触する。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において、ブプレノルフィンの酢酸塩は、ステップ(a)における酢酸塩の出発質量に対して約1.0質量当量〜約6.0質量当量、または約2.0質量当量〜約5.0質量当量、または約2.0質量当量〜約4.0質量当量、または約3.0質量当量〜約4.0質量当量の溶液と接触する。ブプレノルフィンの酢酸塩は、溶液中に少なくとも部分的に溶解するが、ブプレノルフィン遊離塩基は、その中で比較的不溶性であり、沈殿し得る。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の溶液は、水及びアルコールを含む。いくつかの実施形態では、水及びアルコールの溶液は、水中約30重量%〜約70重量%のアルコール、または水中約40重量%〜約60重量%のアルコール、または水中約50重量%〜約60重量%のアルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールは、メタノール、エタノール、IPA、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、アルコールはIPAである。いくつかの実施形態では、水及びアルコールの溶液は、水中約30重量%〜約70重量%のIPA、または水中約40重量%〜約60重量%のIPA、または水中約50重量%〜約60重量%のIPAを含む。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第1の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)で使用される塩基性材料は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製に好適な任意の塩基とすることができる。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、水素化物、リン酸塩、ホウ酸塩(例えばホウ砂など)、酸化物(例えばCaOなど)、シアン化物(例えばKCNなど)、ケイ酸塩(例えばメタケイ酸ナトリウム)、アミン(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、または4−ジメチルアミノピリジン)など、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水酸化アンモニウムを含む。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水性水酸化アンモニウムである。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩は、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発モルに対して約0.5モル当量〜約20モル当量、または約1モル当量〜約20モル当量、または約1モル当量〜約10モル当量の塩基性材料と接触する。
いくつかの実施形態では、ステップ(b)において、混和物の撹拌は、混和物の振盪、攪拌、または超音波処理などの、任意の適切な方法によって行うことができる。いくつかの実施形態では、ステップ(b)において、混和物は、酢酸対イオンを除去するのに十分な時間にわたって撹拌される。いくつかの実施形態では、ステップ(a)の混和物は、ステップ(b)において、約1時間〜約36時間、または約1時間〜約24時間、または約2時間〜約20時間、または約2時間〜約8時間、または約3時間〜約7時間、または約4時間〜約6時間撹拌される。いくつかの実施形態では、ステップ(b)において、混和物は、約25℃〜約90℃、または約25℃〜約60℃、または約30℃〜約45℃の温度で撹拌される。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第1の方法では、ステップ(b)で形成された遊離塩基は、ステップ(c)において、例えば沈殿により単離される。ブプレノルフィン遊離塩基を単離するための任意の好適な方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、ステップ(c)における単離は、単離された沈殿物を得るための濾過または遠心分離によって遂行される。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するための方法は、任意選択により、ステップ(d)、すなわち、ステップ(a)〜(c)を1回以上繰り返すことをさらに含む。ステップ(d)のいくつかの実施形態では、ステップ(a)〜(c)は、1回、2回、3回、または少なくとも3回繰り返される。
いくつかの実施形態では、ステップ(c)で単離された遊離塩基は、その後処理されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するための方法は、ステップ(c)の単離された固体生成物を、スラリー化溶液でスラリー化するステップをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、スラリー化溶液は、水とアルコールとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、スラリー化溶液は、水中のIPAを含み、ここでアルコールは、約5重量%〜約40重量%、または約5重量%〜約30重量%、または約10重量%〜約30重量%で存在する。遊離塩基は次に、例えば濾過または遠心分離などによって、スラリーから単離され得る。いくつかの実施形態では、スラリー化温度は、約5℃〜約40℃、または約10℃〜約35℃、または約15℃〜約35℃である。
この第1の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの最終的な遊離塩基調製物中の酢酸は、第1の方法が実施された後に、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満で存在する。
別の態様では、本開示は、第1の方法によって、または上述したその任意の変化形態によって調製されたブプレノルフィン遊離塩基を提供する。いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、不純物を本質的に含まない。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(10)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(11)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(12)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(13)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(14)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(15)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィンの遊離塩基調製物に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物を合わせたレベルは、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
いくつかの実施形態では、第1の方法により調製されたブプレノルフィンの遊離塩基調製物に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物、ならびに本明細書で明確に特定されていないあらゆる他の不純物(複数可)を合わせたレベルは、約0.75重量%以下、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
あるいは、ブプレノルフィン遊離塩基は、例えば加熱、およそ大気圧下での蒸発、低大気圧下での蒸発、またはそれらの任意の組み合わせなどによる方法によって、酢酸対イオンを除去することにより、ブプレノルフィンの酢酸塩から調製することができる。
したがって、ブプレノルフィンの酢酸塩から、例えばブプレノルフィン酢酸塩四水和物から、ブプレノルフィン遊離塩基を調製するための第2の方法は、ブプレノルフィンの酢酸塩を、酢酸及び水を除去するのに十分な圧力、温度、及び時間で処理し、それによりブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことを含む。いくつかの実施形態では、この処理は、酢酸及び水を除去するのに十分な期間にわたって、少なくとも約30℃の温度におけるものである。いくつかの実施形態では、かかる処理は、少なくとも1時間にわたって行われる。
この第2の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩は、低大気圧下で、例えば、約50トル〜約250トル、または約75トル〜約225トル、または約100トル〜約200トル、または約125トル〜約175トルの圧力で処理される。いくつかの実施形態では、かかる処理は、約150トルで行われる。
この第2の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩は、およそ大気圧下で、例えば、約620トル〜約780トル、または約670トル〜約780トル、または約700トル〜約780トル、または約740トル〜約780トル、または約750トル〜約770トル、または約755トル〜約765トルの圧力で処理される。いくつかの実施形態では、かかる処理は、約760トルの大気圧で行われる。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第2の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩は、少なくとも約45℃、少なくとも約50℃、または少なくとも約65℃の温度で処理される。ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第2の方法のいくつかの実施形態では、処理温度は、約50℃〜約110℃、または約50℃〜約105℃、または約60℃〜約100℃、または約65℃〜約100℃である。
この第2の方法のいくつかの実施形態では、処理温度での加熱は、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間にわたって持続するか、または、本質的に純粋なブプレノルフィン遊離塩基を形成するのに十分長く持続する。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第2の方法は、遊離塩基をスラリー化溶液でスラリー化し、そこから遊離塩基を濾過することをさらに含む。いくつかの実施形態では、スラリー化溶液は、第1の方法に関して上記に開示したように、水及びアルコールを含む。
この第2の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの最終的な遊離塩基調製物中の酢酸は、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満で存在する。
別の態様では、本開示は、第2の方法によって、または上述したその任意の変化形態によって調製された、ブプレノルフィン遊離塩基を提供する。いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、不純物を本質的に含まない。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(10)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(11)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(12)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(13)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(14)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(15)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物を合わせたレベルは、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
いくつかの実施形態では、第2の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物、ならびに本明細書で明確に特定されていない任意の他の不純物(複数可)を合わせたレベルは、約0.75重量%以下、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
ブプレノルフィンの酢酸塩から、例えばブプレノルフィン酢酸塩四水和物から、ブプレノルフィン遊離塩基を調製するための第3の方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液中に溶解させて、混和物を形成するステップと、
(b)任意選択により、ステップ(a)の混和物を濾過するステップと、
(c)ステップ(a)または(b)の混和物に塩基性材料を添加して、第2の混和物を形成するステップと、
(d)ステップ(c)で生成された第2の混和物に逆溶媒を添加して、ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物を形成するステップと、
(e)ステップ(d)の沈殿物を単離するステップと、を含む。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)の混和物は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選択されるアルコールを含む。いくつかの実施形態では、アルコールは、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから選択される。いくつかの実施形態では、アルコールはIPAである。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの酢酸塩は、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約3.0質量当量の溶液と接触する。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)において、混和物は、約20℃〜約90℃の温度にある。いくつかの実施形態では、ステップ(a)において、混和物は、少なくとも約20℃、少なくとも約40℃、少なくとも約50℃、少なくとも約55℃、または少なくとも約60℃の温度にある。混和物は、様々な方法によって、例えば混和物を加熱すること、または規定の温度範囲内の温度における溶液を使用することなどによって、規定の温度範囲内の温度にすることができる。いくつかの実施形態では、混和物は、ブプレノルフィン酢酸塩の実質的に全てが溶液中に溶解するまで混合される。
この第3の方法の一実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩の少なくとも約80.0重量%、少なくとも約85.0重量%、少なくとも約90.0重量%、少なくとも約95.0重量%、少なくとも約98.0重量%、少なくとも約99.0重量%、少なくとも約99.5重量%、少なくとも約99.8重量%、または少なくとも約99.9重量%が溶解しているときに、ブプレノルフィン酢酸塩の実質的に全てが溶解している。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(a)の混和物は、ステップ(b)で濾過される。濾過ステップ(b)は、溶解していない固体を除去する。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(c)において、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発モル数に対して約1.0モル当量〜約20.0モル当量、または約1.0モル当量〜約5.0モル当量、または約1.0モル当量〜約2.0モル当量、または約1.0モル当量〜約1.2モル当量の塩基性材料が、ステップ(a)または(b)で生成された混和物に添加される。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(c)で使用される塩基性材料は、ブプレノルフィン遊離塩基の調製に好適な任意の塩基とすることができる。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、水素化物、リン酸塩、ホウ酸塩(例えばホウ砂など)、酸化物(例えばCaOなど)、シアン化物(例えばKCNなど)、ケイ酸塩(例えばメタケイ酸ナトリウム)、アミン(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、または4−ジメチルアミノピリジン)など、及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水酸化物を含む。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水酸化アンモニウムを含む。いくつかの実施形態では、塩基性材料は、水性水酸化アンモニウムである。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(d)において、ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物をもたらすように、ステップ(a)における酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約3.0質量当量の逆溶媒が、ステップ(c)で生成された第2の混和物に添加される。
第3の方法のいくつかの実施形態では、逆溶媒は、水から本質的に成る。いくつかの実施形態では、逆溶媒は、水とアルコールとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物において、アルコールはIPAを含む。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物において、アルコールはIPAである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約95:5〜約50:50水:アルコール、または体積により約90:10〜約60:40水:アルコール、または体積により約85:15〜約70:30水:アルコールである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約80:20水:アルコールである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約95:5〜約50:50水:IPA、または体積により約90:10〜約60:40水:IPA、または体積により約85:15〜約70:30水:IPAである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約80:20水:IPAである。
第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(d)においてブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物を形成するための最小時間は、約0.1時間である。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物を形成するための時間は、約0.1時間〜約10.0時間、または約0.1時間〜約6.0時間、または約0.2時間〜約5.0時間、または約0.1時間〜約3.0時間、または約0.3時間〜約3.0時間、または約0.5時間〜約3.0時間である。
任意選択により、第3の方法のいくつかの実施形態において、種晶は、ステップ(d)で添加される。特に、種晶は、ブプレノルフィン遊離塩基を含む。種晶は、第2の混和物からのブプレノルフィン遊離塩基の沈殿を開始させるか、またはそれを補助するのに十分な量で添加することができる。いくつかの実施形態では、ステップ(a)における酢酸塩の出発質量に対して約0.1重量%〜約10重量%、または約0.1重量%〜約9重量%、または約0.1重量%〜約8重量%、または約0.1重量%〜約7重量%、または約0.1重量%〜約6重量%、または約0.1重量%〜約5重量%、または約0.1重量%〜約4重量%、または約0.1重量%〜約3重量%、または約0.1重量%〜約2重量%、または約0.1重量%〜約1重量%、または約0.2重量%〜約0.8重量%、または約0.3重量%〜約0.7重量%、または約0.4重量%〜約0.6重量%、または約0.2重量%〜約0.5重量%の種晶が、ステップ(d)の第2の混和物に添加される。いくつかの実施形態では、ステップ(a)における酢酸塩の出発質量に対して約0.2重量%〜約9重量%、または約0.5重量%〜約9重量%、または約1重量%〜約5重量%、または約2重量%〜約4重量%の種晶が、ステップ(d)の第2の混和物に添加される。
いくつかの実施形態では、種晶は、ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿を開始する好適な温度で添加される。いくつかの実施形態では、ステップ(d)の第2の混和物は、種晶が添加されるとき、約40℃〜約80℃、または約45℃〜約75℃、または約50℃〜約70℃、または約50℃〜約65℃の温度にある。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(d)で調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、ステップ(e)で単離される。いくつかの実施形態では、単離は、濾過によって遂行される。いくつかの実施形態では、ステップ(e)における単離は、少なくとも約70℃、少なくとも約65℃、少なくとも約60℃、少なくとも約50℃、または少なくとも約40℃の温度で行われる。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第3の方法は、ステップ(e)から得られた遊離塩基をスラリー化溶液でスラリー化するステップをさらに含む。いくつかの実施形態では、スラリー化溶液は、水、または水とアルコールとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、アルコールはIPAを含む。このスラリーの形成後、遊離塩基は、例えば、濾過または遠心分離によって、スラリーから単離され得る。
この第3の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの最終的な遊離塩基調製物中の酢酸は、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満で存在する。
別の態様では、本開示は、第3の方法によって、または上述したその任意の変化形態によって調製された、ブプレノルフィン遊離塩基を提供する。いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、不純物を本質的に含まない。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(10)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(11)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(12)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(13)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(14)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(15)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物を合わせたレベルは、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
いくつかの実施形態では、第3の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物、ならびに本明細書で明確に特定されていないあらゆる他の不純物(複数可)を合わせたレベルは、約0.75重量%以下、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
ブプレノルフィンの酢酸塩から、例えばブプレノルフィン酢酸塩四水和物から、ブプレノルフィン遊離塩基を調製するための第4の方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩と水溶液との混和物を加熱して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
(b)ステップ(a)の混和物を濾過して、沈殿物からブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、を含む。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第4の方法のいくつかの実施形態では、水溶液は、水から本質的に成る。ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第4の方法のいくつかの実施形態では、水溶液は、水とアルコールとの混合物を含む。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物において、アルコールはIPAを含む。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物において、アルコールはIPAである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約95:5〜約50:50水:アルコール、または体積により約90:10〜約60:40水:アルコール、または体積により約85:15〜約70:30水:アルコールである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約80:20水:アルコールである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約95:5〜約50:50水:IPA、または体積により約90:10〜約60:40水:IPA、または体積により約85:15〜約70:30水:IPAである。いくつかの実施形態では、水とアルコールとの混合物は、体積により約80:20水:IPAである。
ブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第4の方法のいくつかの実施形態では、混和物は、約70℃〜約90℃の温度に加熱される。
いくつかの実施形態では、第4の方法は、ステップ(b)の固体濾過生成物を第2の水溶液で1回以上洗浄することをさらに含む。第2の水溶液は、上記のように、水、または水とアルコールとの混合物とすることができる。
いくつかの実施形態では、第4の方法は、ステップ(b)の固体濾過生成物を乾燥するステップをさらに含む。
この第4の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの最終的な遊離塩基調製物中の酢酸は、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満で存在する。
別の態様では、本開示は、第4の方法によって、または上述したその任意の変化形態によって調製された、ブプレノルフィン遊離塩基を提供する。いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、不純物を本質的に含まない。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(10)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(11)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(12)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(13)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(14)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(15)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物を合わせたレベルは、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
いくつかの実施形態では、第4の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物、ならびに本明細書で明確に特定されていないあらゆる他の不純物(複数可)を合わせたレベルは、約0.75重量%以下、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
ブプレノルフィンの酢酸塩から、例えばブプレノルフィン酢酸塩四水和物から、ブプレノルフィン遊離塩基を調製するための第5の方法は、
(a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶媒中に混合して、混和物を形成することと、
(b)混和物を還流温度で還流させ、酢酸塩を蒸気相中の酢酸として除去することと、
(c)混和物を冷却して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
(d)ブプレノルフィン遊離塩基を単離することと、を含む。
ブプレノルフィンの酢酸塩からブプレノルフィン遊離塩基を調製するためのこの第5の方法のいくつかの実施形態では、ステップ(d)の単離は、ステップ(c)の沈殿したブプレノルフィン遊離塩基を濾過することを含む。
この第5の方法のいくつかの実施形態では、溶媒は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、有機溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、IPA、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノール、tert−ブタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソ−ブチルケトン、シクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、及びそれらの2つ以上の任意の混合物から選択することができる。
第5の方法の上記の実施形態のいずれにおいても、酢酸の除去は、蒸留ヘッドまたはDean−Starkトラップと組み合わせた冷却器を使用して行うことができる。
この第5の方法のいくつかの実施形態では、ブプレノルフィンの最終的な遊離塩基調製物中の酢酸は、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.2重量%未満、または約0.1重量%未満で存在する。
別の態様では、本開示は、第5の方法によって、または上述したその任意の変化形態によって調製された、ブプレノルフィン遊離塩基を提供する。いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、不純物を本質的に含まない。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(10)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(11)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(12)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(13)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(14)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(15)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物を合わせたレベルは、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
いくつかの実施形態では、第5の方法により調製されたブプレノルフィン遊離塩基に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物の不純物、ならびに本明細書で明確に特定されていないあらゆる他の不純物(複数可)を合わせたレベルは、約0.75重量%以下、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
さらなる態様において、本開示は、遊離塩基から調製された他のブプレノルフィン塩をさらに提供し、この遊離塩基は、本明細書に記載されるブプレノルフィンの酢酸塩から調製される。したがって、いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン塩は、式(1c)、
またはその溶媒和化合物によって表すことができ、
式中、Xn−はアニオンであり、nは1、2、または3である。特定の実施形態において、Xn−は、F、Cl、Br、I、吉草酸、酢酸、メコン酸、サリチル酸、バルビツール酸、コハク酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トシル酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、過塩素酸、NO 、HSO 、SO 2−、HPO 、HPO 2−、PO 3−、[(NH)HPO、[(NHPO、及びHCOOから成る群から選択されるアニオンである。別の実施形態では、Xn−は、Clである。
式(1c)の塩は、酸H n−をブプレノルフィン遊離塩基に添加することによって得ることができる。
いくつかの実施形態では、酸H n−は、HCl、HSO、HPO、及びHCOOHから成る群から選択される。別の実施形態では、酸H n−は、HClである。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン遊離塩基に添加される酸の量は、組成物中に存在する遊離塩基の全モル当量に基づいて、約0.5モル当量〜約10モル当量である。いくつかの実施形態では、酸の量は、約1モル当量〜約6モル当量である。いくつかの実施形態では、酸の量は、約2モル当量〜約3モル当量である。いくつかの実施形態では、酸の量は、約2.2モル当量〜約2.6モル当量である。
いくつかの実施形態では、式(1c)の塩は、無水物、溶媒和化合物、または水和物とすることができる。いくつかの実施形態では、式(1c)の塩は、無水物である。いくつかの実施形態では、式(1c)の塩は水和物であり、この水和物は、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物、五水和物、または六水和物である。いくつかの実施形態では、水和物は、四水和物である。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(10)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(11)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(12)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(13)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(14)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(15)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(16)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(17)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(18)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、式(19)の化合物により表される不純物を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(10)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(11)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(12)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(13)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(14)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(15)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(16)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(17)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(18)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基から調製された塩は、式(19)の化合物により表される不純物、
またはその塩を、約0.10重量%以下、約0.09重量%以下、約0.08重量%以下、約0.07重量%以下、約0.06重量%以下、または約0.05重量%以下含む。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基、ならびにそれから調製された塩及び医薬組成物は、不純物を本質的に含まない。いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基、及びそれから調製された塩に関して、存在し得る式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、及び(19)の化合物の不純物を合わせたレベルは、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、または約0.20重量%以下である。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基、及びそれから調製された塩に関して、式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、及び(19)の化合物の不純物を合わせたレベルを含む、不純物の総量は、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%以下、約0.20重量%以下、約0.15重量%以下、または約0.10重量%以下である。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィンの遊離塩基調製物、及びそれから調製された塩に関して、存在し得る式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、(15)、(16)、(17)、(18)、及び(19)の化合物の不純物、ならびに本明細書で明確に特定されていない任意の他の不純物(複数可)を合わせたレベルを含む、不純物の総量は、約0.75重量%以下、約0.70重量%以下、約0.65重量%以下、約0.60重量%以下、約0.55重量%以下、約0.50重量%以下、約0.45重量%以下、約0.40重量%以下、約0.35重量%以下、約0.30重量%以下、約0.25重量%、約0.20重量%以下、約0.15重量%以下、または約0.10重量%以下である。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基、ならびにそれから調製された塩及び医薬組成物に関して、式(10)〜(19)の化合物、具体的には式(10)〜(15)の化合物のうち特定の不純物の量は、ブプレノルフィンに関する米国薬局方(United States Pharmacopeia)(「USP」)、FDA、EMA、またはICHの研究書/ガイドラインによって規定される閾値レベル(または閾値限界)であるか、またはそれ未満である。いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基、ならびにそれから調製された塩及び医薬組成物は、以下の表2に提示された不純物の全てを、表2に提供される閾値限界または閾値の(重量%における)レベルであるか、またはそれ未満であるレベルの量で有する。
いくつかの実施形態では、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基、ならびにそれから調製された塩及び医薬組成物は、上記の表2に提示される不純物の全てに関する、表2に提供される測定不純物プロファイルのレベルであるかまたはそれ未満である、測定不純物プロファイルを特徴とする。
いくつかの実施形態では、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、本開示を考慮して、本開示におけるガイダンスに従って、または多様な既知の方法のいずれかにより、ブプレノルフィン遊離塩基を適切な酸と反応させることによって、その薬学的に許容可能な塩に変換される。一実施形態において、前述の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、ブプレノルフィン遊離塩基をHClと反応させることによって、ブプレノルフィン塩酸塩に変換される。一実施形態において、上記の方法のいずれかによって調製されたブプレノルフィン遊離塩基は、ブプレノルフィン遊離塩基をレブリン酸と反応させることによって、ブプレノルフィンのレブリン酸塩に変換される。
4.5 医薬組成物
別の態様では、本開示は、対応するブプレノルフィンの塩、溶媒和化合物、水和物、及び結晶性形態、具体的には薬学的に許容可能な塩を含む、本明細書に記載の方法に従って調製されたブプレノルフィン化合物の医薬組成物をさらに提供する。
したがって、いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、ブプレノルフィンの酢酸塩を含む。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、ブプレノルフィンの塩酸塩を含む。いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、ブプレノルフィンのレブリン酸塩を含む。いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、無水形態のブプレノルフィンを含む。いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、ブプレノルフィンの水和物を含む。いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、ブプレノルフィン酢酸塩の水和物を含む。いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物を含む。
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、本明細書、具体的には本開示の節4.3、及び実施例に記載される式(1)の化合物、その水和物、及び結晶性形態を調製するための前述の方法のいずれかによって調製された、ブプレノルフィン、その水和物、またはその特定の結晶性形態を含む。
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、本明細書に記載される式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物に関する不純物のレベルを含む、本明細書に記載される不純物のレベルを有する、ブプレノルフィン、その水和物、またはその特定の結晶性形態を含む。
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、本開示の方法によって調製されたブプレノルフィン遊離塩基を含む。
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、本明細書に記載される式(10)、(11)、(12)、(13)、(14)、及び(15)の化合物のうちの1つ以上に関する不純物のレベルを含む、本明細書に記載される不純物のレベルを有する、ブプレノルフィン遊離塩基を含む。
本明細書にさらに記載されるように、本開示のブプレノルフィン化合物及び組成物は、それを必要とする動物の病態を処置するために、単独または他の治療剤との組み合わせで使用することができる。したがって、いくつかの実施形態において、本医薬組成物は、他の治療剤を含まずに、本開示のブプレノルフィン化合物を含有するように製剤化される。他の実施形態では、本医薬組成物は、本開示のブプレノルフィン化合物(第1の治療剤)と、1つ以上の他の治療剤(例えば、1つ以上の第2の治療剤(複数可))とを含有するように製剤化される。
本開示の医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、丸剤、ペレット、多粒子(multi−particulates)、カプセル、液体を含有するカプセル、粉末を含有するカプセル、ビーズもしくは多粒子を含有するカプセル、ロゼンジ、即時放出経口製剤、制御放出製剤、持続放出製剤、坐薬、エアロゾル、噴霧剤、吸入用製剤、経皮送達系(例えば、パッチ、エアロゾル、噴霧剤、ゲル、膏薬、軟膏)、眼内製剤、経粘膜送達デバイス(例えば、歯肉、口腔鼻腔内、直腸、膣式、または舌下送達用)、または使用に好適な任意の他の形態を取ることができる。いくつかの実施形態では、本組成物は、カプセルの形態である(例えば、米国特許第5,698,155号を参照されたい)。好適な薬学的賦形剤の他の例は、参照により本明細書に援用される、Radebough et al.,“Preformulation,”pp.1447−1676 in Remington’s Pharmaceutical Sciences Vol.2(Gennaro,ed.,19th Ed.,Mack Publishing,Easton,PA,1995)に記載されている。
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、好ましくは、特定の経路による動物への適切な投与の形態を提供するように、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を好適な量で含む。そのような薬学的賦形剤は、希釈剤、懸濁化剤、可溶化剤、結合剤、崩壊剤、緩衝液、流動促進剤、防腐剤、着色剤、抗酸化剤、滑沢剤などから選択することができる。薬学的賦形剤は、水、または、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油といった石油、動物、植物、もしくは合成起源のものを含む油などの液体とすることができる。薬学的賦形剤は、食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などであってもよい。加えて、助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤、及び着色剤を使用することができる。ある好ましい実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、動物に投与されるときに無菌である。医薬組成物が静脈内投与されるとき、水は特に有用な賦形剤である。食塩水溶液ならびにデキストロース及びグリセロールの水溶液はまた、特に注射溶液のために液体賦形剤として用いられ得る。好適な薬学的賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなども含まれる。本組成物は、必要に応じて、少量の湿潤剤、乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。特定の剤形を製剤化するために使用することのできる薬学的に許容可能な担体及び賦形剤の具体例は、Handbook of Pharmaceutical Excipients,(Amer.Pharmaceutical Ass’n,Washington,DC,1986)に記載されている。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物または医薬組成物は、経皮パッチの使用によって経皮投与するために製剤化される。経皮パッチは、例えば、リザーバまたはマトリックス内に含有された本開示のブプレノルフィン化合物と、接着剤とを含むことができ、これにより、経皮デバイスが皮膚に接着することが可能になり、かつ本開示のブプレノルフィン化合物が経皮デバイスから動物の皮膚を通過することも可能になる。別の実施形態では、経皮パッチは、例えば、リザーバまたはマトリックス内に含有された本開示のブプレノルフィン化合物を含む医薬組成物と、接着剤とを含むことができ、これにより、経皮デバイスが皮膚に接着することが可能になり、かつ医薬組成物が経皮デバイスから動物の皮膚を通過することも可能になる。
好適な経皮製剤は、米国特許第6,264,980号、同第6,344,211号、同第RE41,408号、同第RE41,489号、及び同第RE41,571号;米国特許出願公開第2010/0119585号及び同第2014/0363487号;ならびに国際特許公開第WO 2013/088254号、同第WO 2014/090921号、及び同第WO 2014/195352号に記載されており、これらのそれぞれは、参照により本明細書に援用される。好適な経皮製剤は、ブプレノルフィン(例えば、ブプレノルフィン遊離塩基)不透過性バッキング層と、ブプレノルフィン不透過性バッキング層上の感圧接着剤層とを含む。感圧接着剤層は、皮膚接触層である。感圧接着剤層は、少なくとも1つのポリマー系感圧接着剤と、鎮痛有効量のブプレノルフィン遊離塩基またはその薬学的に許容可能な塩と、カルボン酸と、を含む。カルボン酸は、鎮痛有効量のブプレノルフィンが、カルボン酸中に可溶化されて混合物を形成するように、かつ、カルボン酸−ブプレノルフィン混合物が、感圧接着剤層内に分散した堆積物を形成するように、十分な量で存在する。カルボン酸は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、レブリン酸、及びそれらの混合物から選択される。一実施形態において、カルボン酸はレブリン酸である。別の実施形態では、感圧接着剤はポリシロキサンに基づく。別の実施形態では、感圧接着剤はポリシロキサンに基づき、カルボン酸はレブリン酸である。
いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンは、例えば、約24時間の投薬間隔、約3日間の投薬間隔、または約7日間の投薬間隔をもたらすように、経皮系において投与される。いくつかの実施形態では、経皮ブプレノルフィン系は、例えば、約0.001mcg/時間〜約50mcg/時間、または約0.01mcg/時間〜約40mcg/時間、または約0.05mcg/時間〜約30mcg/時間、または約0.1mcg/時間〜約20mcg/時間、または約0.5mcg/時間〜約10mcg/時間の速度でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、経皮ブプレノルフィン系は、例えば、約0.001mcg/時間〜約5mcg/時間、または約0.01mcg/時間〜約4mcg/時間、または約0.05mcg/時間〜約3mcg/時間、または約0.1mcg/時間〜約2mcg/時間、または約0.5mcg/時間〜約1mcg/時間の速度でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、経皮ブプレノルフィン系は、例えば、約50mcg/時間、約40mcg/時間、約30mcg/時間、約20mcg/時間、約10mcg/時間、約5mcg/時間、約4mcg/時間、約3mcg/時間、約2mcg/時間、約1mcg/時間、約0.5mcg/時間、約0.1mcg/時間、約0.05mcg/時間、約0.01mcg/時間、または約0.001mcg/時間の速度でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本医薬組成物は、経口投与用に製剤化される。経口送達される本開示の医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、ゲルキャップ、カプレット、ロゼンジ、水性または油性の溶液、懸濁液、顆粒、粉末、乳濁液、シロップ、急速溶解性錠剤(舌下送達用のものなど)、急速溶解性ストリップ(口腔送達用のものなど)、またはエリキシル剤の形態であり得る。ブプレノルフィンまたは他の(例えば、第2の)治療剤が経口錠剤中に組み込まれる場合、かかる錠剤は、圧縮型、粉薬錠剤、腸溶コーティング型、糖コーティング型、フィルムコーティング型、多重圧縮型、または多層型であり得る。
経口投与される医薬組成物は、安定で薬学的に受け入れられる剤形を提供するために、例えば、フルクトース、アスパルテーム、またはサッカリンなどの甘味剤;ペパーミント、ウィンターグリーンの油、またはサクランボなどの香味剤;着色剤;及び防腐剤、ならびに安定剤などの、1つ以上の追加の薬剤を含有することができる。固形経口剤形を作製するための技術及び組成物は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Lieberman et al.,eds.,2nd Ed.,Marcel Dekker,Inc.,1989 and 1990)に記載されている。また、錠剤(圧縮及び成形されたもの)、カプセル(硬ゼラチン及び軟ゼラチン)、及び丸剤を作製するための技術及び組成物は、King,“Tablets,Capsules,and Pills,”pp.1553−1593 in Remington’s Pharmaceutical Sciences(Osol,ed.,16th Ed.,Mack Publishing,Easton,PA,1980)に記載されている。液状経口剤形には、水性及び非水性両方の溶液、乳濁液、ならびに懸濁液が含まれ得る。液状経口剤形を作製するための技術及び組成物は、Pharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems(Lieberman et al.,eds.,2nd Ed.,Marcel Dekker,Inc.,1996 and 1998)に記載されている。
ブプレノルフィンまたは第2の治療剤が、注入(例えば、持続点滴またはボーラス注入)による非経口投与用に製剤化される場合、この製剤は、油性もしくは水性の溶剤中の懸濁液、溶液、または乳濁液の形態であり得、かかる製剤は、例えば1つ以上の緩衝剤、安定剤、懸濁化剤、分散剤などの薬学的に必要な添加剤をさらに含むことができる。本開示の製剤は、非経口注入される場合、例えば、等張滅菌溶液の形態であり得る。本製剤は、注入可能な製剤としての再構成に適した粉末(例えば、凍結乾燥されたもの)の形態であってもよい。
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、静脈内投与に適している。典型的に、かかる組成物は、滅菌等張水性緩衝液を含む。必要な場合、本組成物は、可溶化剤を含むこともできる。静脈内投与用の医薬組成物は、任意選択により、注入の部位における疼痛を緩和するために、ベンゾカインまたはプリロカインなどの局所麻酔薬を含むことができる。概して、成分は、単位剤形で、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルもしくはサシェなどの気密封止容器内に乾燥した凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として、別々に供給されるか、あるいは一緒に混合されて供給される。本開示の医薬組成物は、点滴によって投与される場合、例えば、無菌の薬学的グレードの水または食塩水を含む点滴ボトルで分注され得る。本開示の医薬組成物が注入によって投与される場合、成分が投与前に混合され得るように、注入用の滅菌水または食塩水のアンプルが提供されてもよい。
本開示の医薬組成物は、吸入によって投与される場合、乾燥エアロゾル、または水性もしくは部分的に水性の溶液に製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、小胞、特にリポソームで送達することができる(Langer,“New Methods of Drug Delivery,”Science 249:1527−1533(1990)(以降「Langer」)及びTreat et al.,“Liposome Encapsulated Doxorubicin Preliminary Results of Phase I and Phase II Trials,”pp.317−327 and 353−365 in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer(1989)を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本開示の医薬組成物は、即時放出形態で送達することができる。他の実施形態では、本開示の医薬組成物は、制御放出系または持続放出系で送達することができる。制御放出または持続放出の医薬組成物は、薬物療法を、それらの非制御または非持続放出の対応物によって達成される結果と比較して改善するという共通の目的を有し得る。組成物の制御放出または持続放出の利点には、薬物の活性の増加、投薬頻度の低減、及び服薬率の増加が含まれる。加えて、組成物の制御放出または持続放出は、作用発現の時間または他の特徴、例えばブプレノルフィン及び/もしくは別の治療剤の血中レベルなどに都合のよい影響を与えることができ、したがって、有害な副作用の発生を低減させることができる。
制御放出または持続放出の組成物は、所望の治療効果もしくは予防効果を迅速にもたらす量のブプレノルフィンまたは別の治療剤を初めに放出し、次に、長期間にわたって治療効果もしくは予防効果のレベルを維持する他の量のブプレノルフィンまたは別の治療剤を漸進的かつ連続的に放出する、即時放出成分を有し得る。身体におけるブプレノルフィン及び/または別の治療剤の一定レベルを維持するために、本医薬組成物は、代謝され身体から排泄される活性物質(複数可)の量に代わる速度で剤形から活性成分(複数可)を放出するように適合させることができる。活性成分の制御放出または持続放出は、pHの変化、温度の変化、酵素の濃度もしくは利用能、水の濃度もしくは利用能、または他の生理的条件もしくは化合物を含むがこれらに限定されない、様々な条件のいずれかによって誘起され得る。
本開示に従う使用に適し得る制御放出及び持続放出の手段は、当該技術分野で知られているものから選択され得る。例としては、それぞれ参照により本明細書に援用される、米国特許第3,845,770号、同第3,916,899号、同第3,536,809号、同第3,598,123号、同第4,008,719号、同第5,674,533号、同第5,059,595号、同第5,591,767号、同第5,120,548号、同第5,073,543号、同第5,639,476号、同第5,354,556号、及び同第5,733,566号に記載のものが挙げられるが、それらに限定されない。かかる剤形は、様々な割合で、所望の放出プロファイルを提供するように、例えば、ヒドロプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、ゲル、透過性膜、浸透圧系、多層コーティング、微粒子、多粒子、リポソーム、ミクロスフェア、またはそれらの組み合わせを使用して、活性成分の一方もしくは両方の制御放出または持続放出を提供するために使用することができる。本明細書に記載のものを含む、当該技術分野で知られる好適な制御放出または持続放出の製剤は、本開示の活性成分との使用に容易に適合させることができる。Goodson,“Dental Applications,”in Medical Applications of Controlled Release,Vol.2,Applications and Evaluation,Langer and Wise,eds.,CRC Press,Chapter 6,pp.115−138(1984)も参照されたい。Langerによる概説で考察されている他の制御放出系または持続放出系を、本開示に従う使用に適合させてもよい。いくつかの実施形態では、ポンプを使用することができる。例えば、Saudek et al.,“A Preliminary Trial of the Programmable Implantable Medication System for Insulin Delivery,”New Engl.J.Med.321:574−579(1989))。いくつかの実施形態では、ポリマー材料を埋め込むことができる。例えば、Langer et al.,“Chemical and Physical Structure of Polymers as Carriers for Controlled Release of Bioactive Agents:A Review,”J.Macromol.Sci.Rev.Macromol.Chem.C23(1):61−126(1983)。
錠剤または丸剤としての経口剤形である場合、本開示の医薬組成物をコーティングして、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅延させ、それによって胃腸管の特定の部分に標的放出をもたらすか、または長期間にわたる持続作用をもたらすことができる。浸透活性駆動化合物(オスマジェント(osmagent))を包囲する選択的透過性膜もまた、経口投与される組成物に好適であり得る。これらの後者のプラットフォームでは、カプセルを包囲する環境からの流体が駆動化合物によって吸収され、駆動化合物が膨潤して、剤形の壁にある開口部を介して薬剤を置換する。このような送達プラットフォームは、即時放出製剤のスパイク状プロファイルとは対照的に、本質的にゼロ次の送達プロファイルをもたらすことができる。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールなどの時間遅延材料を使用することもできる。経口組成物は、数ある中でも例えばマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、及び炭酸マグネシウムから選択される、薬学的グレードの標準的な賦形剤を含むことが好ましい。
いくつかの実施形態では、剤形は、少なくとも1つのポリマーをさらに含むことができる。ポリマーの例としては、式(C12を含み、式中、nが3〜7,500であるマルトデキストリンポリマー、ポリ(エチレンオキシド)及びポリ(プロピレンオキシド)などのポリ(アルキレンオキシド)、アルカリカルボキシアルキルセルロースであって、アルカリがナトリウムまたはカリウムであり、アルキルがメチル、エチル、プロピル、またはブチルである、アルカリカルボキシアルキルセルロース、ならびに、エチレン−アクリル酸、エチレン−メタクリル酸、またはエチレン−エタクリル酸のコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリアルキレンオキシド及びカルボキシアルキルセルロースから成る群から選択される。ポリアルキレンオキシドは、ポリメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド(「PEO」)、及びポリプロピレンオキシドから成る群から選択されるメンバーであり得る。カルボキシアルキルセルロースは、アルカリカルボキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、カルボキシエチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースリチウム、カルボキシエチルセルロースナトリウム、カルボキシアルキルヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルヒドロキシエチルセルロース、及びカルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロースから成る群から選択されるメンバーであり得る。
いくつかの実施形態では、剤形中のPEOポリマーは、高分子量PEOであり、すなわち、一実施形態では少なくとも50万、別の実施形態では少なくとも100万〜最大1500万の分子量を有する。PEOの分子量は、レオロジー測定、例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第8,075,872号の6列、5〜14行に開示されるものによって決定される。高分子量PEOポリマーは、モデルRVF Brookfield粘度計(スピンドル番号2/回転速度2rpm)を使用し、5重量%水溶液で測定した4500cP〜17600cPか、記載した粘度計(スピンドル番号1または3/回転速度10rpm)を使用し、2重量%水溶液で測定した400cP〜4000cPか、または、記載した粘度計(スピンドル番号2/回転速度2rpm)を使用し、1重量%水溶液で測定した1650cP〜10000cPの、25℃における粘度を有する。
それぞれ少なくとも500Nの破壊強度を有する、ポリアルキレンオキシド、具体的にはPEO、より具体的には高分子量PEOを含有する剤形が有利であるが、これは、それらが例えば錠剤に与える硬度に起因して、かかる剤形が、薬物乱用者が利用可能な乳鉢及び乳棒などの従来の粉砕手段では微粉砕され得ないためである。このことが、経口または非経口、特に静脈内または経鼻の乱用を事実上妨げる。変更抵抗性があり微粉砕不可能な剤形は、例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第8,075,872号、同第8,114,383号、同第8,192,722号、及び同第8,309,060号に開示されている。
いくつかの実施形態では、剤形中のカルボキシアルキルセルロースポリマーは、変更される剤形にゲル様の品質を与えるように選択され、その結果、ゲル様の稠度により変更される剤形から急激な高揚感を得る快楽を損なうまたは妨害することにより、剤形中の本開示のブプレノルフィン化合物の乱用の可能性を低減させる。例えば、粘膜との接触時、このゲル様の稠度は、変更される剤形に与えられた高い粘度のために、吸収(例えば、経鼻経路内の吸収)を最低限に抑えることによって、変更される剤形の乱用を防止するか、または(例えば、変更される剤形をシリンジに押し通す難しさ、または投与の際の疼痛に起因して)変更される剤形の注入を実質的に困難にする。
剤形が変更され、水性液体中に(約0.5mL〜約10mL、好ましくは約1mL〜約5mLの水性液体中に)溶解された後に、剤形が粘性ゲルを形成し、このため、結果として得られる混合物が、一実施形態では少なくとも約10cPの粘度、また別の実施形態では少なくとも約60cPの粘度を有するように、カルボキシアルキルセルロースゲル化剤を、一実施形態では重量により約1:40〜約40:1、または別の実施形態では重量により約1:1〜約30:1、または別の実施形態では重量により約2:1〜約10:1の、ゲル化剤:本開示のブプレノルフィン化合物の比で、製剤に添加してもよい。別の実施形態では、カルボキシアルキルセルロースゲル化剤は、剤形が変更され、水性液体中に(約0.5mL〜約10mL、好ましくは約1mL〜約5mLの水性形態中に)溶解され、その後(例えば、約45℃超に)加熱された後に、剤形に粘性ゲルを形成させ、このため、結果として得られる混合物は、一実施形態では少なくとも約10cPの粘度、別の実施形態では少なくとも約60cPの粘度を有する。ゲル化剤を含有する、変更抵抗性のある剤形は、例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第7,842,307号、同第8,337,888号、同第8,524,275号、同第8,529,948号、及び同第8,609,683号に開示されている。
4.6 使用方法
本開示のブプレノルフィン化合物は、ヒト及び動物用の医薬品において有用である。本明細書にさらに記載されるように、本ブプレノルフィン化合物は、病態の処置または防止を必要とする動物の病態を処置または防止するために有用である。動物に投与されるとき、本ブプレノルフィン化合物は、1つ以上の薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む組成物の成分として投与され得る。本組成物は、任意の簡便な経路によって投与することができ、第2の治療活性剤と一緒に投与することもできる。投与は、全身性であっても局所性であってもよい。
いくつかの実施形態では、投与方法は、皮内、筋肉内、腹腔内、非経口、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮(例えば、パッチを介するもの)、直腸、吸入によるもの、経粘膜、または局所、具体的には耳、鼻、眼、もしくは皮膚に対するものを含むが、これらに限定されない。投与方法は、施術者の裁量に委ねられる。いくつかの事例において、投与は、ブプレノルフィン化合物の血流への放出をもたらす。他の事例では、投与は、ブプレノルフィン化合物の局所放出のみをもたらす。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物及び医薬組成物は、ブプレノルフィンを使用して処置されることが知られる病態を処置するために、単独または他の治療剤との組み合わせのいずれかで使用することができる。いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物及び医薬組成物は、疼痛及び薬物嗜癖から選択される病態を処置するために使用することができる。加えて、本開示のブプレノルフィン化合物は、例えば呼吸抑制、胃腸管運動障害(例えば、便秘)、多幸症などの有害なオピオイドの副作用の軽減に役立てるために、他のオピオイドと組み合わせて使用することができる。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示のブプレノルフィン化合物、及びその薬学的に許容可能な組成物は、動物の急性疼痛もしくは慢性疼痛を処置または防止するために使用することができる。ブプレノルフィンを使用して処置または防止することのできる疼痛の例としては、がん疼痛、神経障害性疼痛、陣痛、心筋梗塞痛、膵臓痛、疝痛、術後痛、頭痛、筋肉痛、関節炎痛、ならびに歯肉炎及び歯周炎を含む歯周病に関連する疼痛が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物、及びその薬学的に許容可能な組成物は、動物における炎症もしくは炎症性疾患に関連する疼痛の処置または防止のために使用することもできる。そのような疼痛は、局所炎症応答及び/または全身性炎症であり得る体組織の炎症が存在する場合に生じ得る。例えば、本ブプレノルフィン化合物は、以下を含むがこれらに限定されない炎症性疾患に関連する疼痛を処置または防止するために使用することができる:移植臓器拒絶;心臓、肺、肝臓、もしくは腎臓の移植を含むがこれらに限定されない、臓器移植から生じる再酸素化傷害(Grupp et al.,“Protection against Hypoxia−reoxygenation in the Absence of Poly(ADP−ribose)Synthetase in Isolated Working Hearts,”J.Mol.Cell Cardiol.31:297−303(1999)を参照されたい);関節炎、リウマチ性関節炎、骨関節炎、及び骨吸収の増大に関連する骨疾患を含む、関節の慢性炎症性疾患;回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群、及びクローン病などの炎症性腸疾患;喘息、成人性呼吸促迫症候群、及び慢性閉塞性気道疾患などの炎症性肺疾患;角膜ジストロフィー、トラコーマ、オンコセルカ症、ぶどう膜炎、交感性眼炎、及び眼内炎を含む、眼の炎症性疾患;歯肉炎及び歯周炎を含む、歯肉の慢性炎症性疾患;結核;癩病;尿毒症性合併症、糸球体腎炎、及びネフローゼを含む、腎臓の炎症性疾患;硬化性皮膚炎、乾癬、及び湿疹を含む、皮膚の炎症性疾患;神経系の慢性脱髄性疾患、多発性硬化症、AIDS関連神経変性及びアルツハイマー病、感染性髄膜炎、脳脊髄炎、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、ならびにウイルス性または自己免疫性脳炎を含む、中枢神経系の炎症性疾患;真性糖尿病I型及びII型を含む自己免疫疾患;糖尿病性白内障、緑内障、網膜症、腎症(例えば微量アルブミン尿及び進行性糖尿病性腎症など)、多発ニューロパチー、単ニューロパチー、自律神経ニューロパチー、足部の壊疽、アテローム硬化性冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、非ケトン性高血糖性−高浸透圧性昏睡、足部潰瘍、関節障害、及び皮膚または粘膜の合併症(例えば感染症、脛斑点、カンジダ感染症、または糖尿病性リポイド類壊死症など)を含むがこれらに限定されない、糖尿病合併症;免疫複合体性血管炎、及び全身性エリテマトーデス(SLE);心筋症、虚血性心疾患高コレステロール血症、及びアテローム性動脈硬化症などの心臓の炎症性疾患;ならびに、子癇前症、慢性肝不全、脳及び脊髄の外傷、及びがんを含む、著しい炎症性要素を有し得る様々な他の疾患。本開示のブプレノルフィン化合物は、例えば、グラム陽性もしくはグラム陰性ショック、出血性もしくはアナフィラキシー性ショック、または炎症性サイトカインに応答してがん化学療法により誘発されるショック、例えば、炎症性サイトカインに関連するショックによって例示される、身体の全身性炎症であり得る、炎症性疾患に関連する疼痛を、抑制、処置、または防止するために使用することもできる。このようなショックは、例えば、がんの治療薬として投与される化学治療剤によって誘発され得る。
本開示のブプレノルフィン化合物、またはその薬学的に許容可能な組成物は、神経損傷に関連する疼痛(すなわち、神経障害性疼痛)を処置または防止するために使用することもできる。慢性神経障害性疼痛は、病因不明の異質な疾患状態である。慢性神経障害性疼痛において、疼痛は、複数の機序によって媒介され得る。この種類の疼痛は、一般に、末梢神経または中枢神経の組織の損傷から生じる。その症候群には、脊髄損傷に関連する疼痛、多発性硬化症、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛、幻肢痛、灼熱痛、ならびに反射性交感神経性ジストロフィー及び腰痛が含まれる。慢性神経障害性疼痛の患者にとって、異常な疼痛の感覚が、自発痛、連続的な表層性灼熱感、及び/または疼く深部痛として説明され得るという点で、慢性疼痛は急性疼痛と異なる。この疼痛は、熱的痛覚過敏、冷的痛覚過敏、及び機械的痛覚過敏によって、または熱的アロディニア、冷的アロディニア、もしくは機械的アロディニアによって惹起され得る。
慢性神経障害性疼痛は、末梢感覚神経の損傷または感染症によって引き起こされる場合がある。これには、限定されないが、末梢神経の外傷、ヘルペスウイルス感染症、真性糖尿病、灼熱痛、神経叢裂離、神経腫、肢切断、及び血管炎に由来する疼痛が含まれる。神経障害性疼痛は、慢性アルコール中毒、ヒト免疫不全ウイルス感染症、甲状腺機能低下症、尿毒症、またはビタミン欠乏症に由来する神経損傷によって引き起こされる場合もある。卒中(脊髄または脳)及び脊髄損傷も、神経障害性疼痛を誘発し得る。がんに関連する神経障害性疼痛は、腫瘍成長による隣接した神経、脳、または脊髄の圧迫から生じる場合がある。加えて、化学療法及び放射線療法を含むがん治療が、神経損傷を引き起こす場合がある。神経障害性疼痛には、限定されないが、例えば、糖尿病患者が患う疼痛などの、神経損傷により引き起こされる疼痛が含まれる。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物及びその医薬組成物は、骨関節炎に関連する疼痛を処置または防止するために使用することができる。骨関節症、変形性関節症、または変形性関節疾患としても知られる骨関節炎(OA)は、関節軟骨及び軟骨下骨を含む関節の劣化を伴う機械的異常の一群である。本開示のブプレノルフィン化合物を使用して処置可能または防止可能なOAの例としては、関節痛、関節硬直、関節圧痛、関節ロッキング、及び関節滲出が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物及びその医薬組成物は、薬物嗜癖もしくは薬物乱用、具体的には別のオピオイドへの薬物嗜癖もしくはその薬物乱用の病態を処置または防止するために使用することができる。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィンは、別のオピオイドと同時に投与され、このブプレノルフィンは、比較的低い用量で投与されたとき、他のオピオイドによって引き起こされる多幸症を防止するか、最低限に抑えるか、抑制するか、寛解させるか、または元に戻すのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物及びその医薬組成物は、コデイン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、メサドン、モルヒネ、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、トラマドール、及び前述のいずれかの混合物から選択されるオピオイド作動薬の薬物嗜癖もしくは薬物乱用の病態を処置または防止するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物及びその医薬組成物を比較的低い用量で使用して、参照により本明細書に援用される米国特許第8,946,253号に開示されるように、呼吸抑制、具体的には、とりわけモルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、オキシモルホン、及びフェンタニルといった他のオピオイドにより引き起こされるものの病態を処置するか、寛解させるか、最低限に抑えるか、または防止することができる。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物またはその医薬組成物を比較的低い用量で使用して、胃運動の減少、胃内容排出の遅延、便秘、膨満感、及び筋痙攣などの腸運動障害の病態を処置するか、寛解させるか、最低限に抑えるか、または防止することができる。特に、本開示のブプレノルフィン化合物またはその医薬組成物は、モルヒネ、オキシコドン、ヒドロコドン、及びフェンタニルといった他のオピオイドにより引き起こされる腸運動障害(例えば、オピオイド誘発性便秘)の病態を処置するために使用することができる。
本明細書に記載される病態のいずれかの処置または防止に有効である、ブプレノルフィン化合物またはその薬学的に許容可能な組成物の量は、標準的な臨床技術によって決定することができる。用いられる精確な用量は、投与経路及び病態の重症度により決定され、各動物の状況に従って医療施術者の判断により決定され得る。しかしながら、好適な有効投薬量は、いくつかの実施形態では、約0.01mg/体重kg〜約2500mg/体重kgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ブプレノルフィン化合物の有効投薬量は、約0.01mg/体重kg〜約100mg/体重kgの範囲であり、別の実施形態では、約0.02mg/kg〜約50mg/体重kgの範囲であり、別の実施形態では、約0.025mg/kg〜約20mg/体重kgの範囲である。
いくつかの実施形態では、有効投薬量は、病態が緩解されるまで、約24時間毎、約12時間毎、約8時間毎、約6時間毎、または約4時間毎に投与される。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、例えば、約500mg未満、約400mg未満、約350mg未満、約300mg未満、約250mg未満、約200mg未満、約150mg未満、約100mg未満、約90mg未満、約80mg未満、約70mg未満、約60mg未満、約50mg未満、約40mg未満、約30mg未満、約20mg未満、約10mg未満、約9mg未満、約8mg未満、約7mg未満、約6mg未満、約5mg未満、約4mg未満、約3mg未満、約2mg未満、約1mg未満、約0.9mg未満、約0.8mg未満、約0.7mg未満、約0.6mg未満、約0.5mg未満、約0.4mg未満、約0.3mg未満、約0.2mg未満、または約0.1mg未満の用量で本開示のブプレノルフィン化合物を投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、例えば、約1mg〜約500mg、または約1mg〜約400mg、または約1mg〜約350mg、または約1mg〜約300mg、または約1mg〜約250mg、または約1mg〜約200mg、または約1mg〜約150mg、または約1mg〜約100mg、または約1mg〜約90mg、または約1mg〜約80mg、または約1mg〜約70mg、または約1mg〜約60mg、または約1mg〜約50mg、または約1mg〜約40mg、または約1mg〜約30mgの用量でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、例えば、約30mg〜約500mg、または約30mg〜約400mg、または約30mg〜約350mg、または約30mg〜約300mg、または約30mg〜約250mg、または約30mg〜約200mg、または約30mg〜約150mg、または約30mg〜約100mg、または約30mg〜約90mg、または約30mg〜約80mg、または約30mg〜約70mg、または約30mg〜約60mg、または約30mg〜約50mg、または約30mg〜約40mgの用量で本開示のブプレノルフィン化合物を投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、例えば、約0.1mg〜約30mg、または約0.2mg〜約30mg、または約0.3mg〜約30mg、または約0.4mg〜約30mg、または約0.5mg〜約30mg、または約0.6mg〜約30mg、または約0.7mg〜約30mg、または約0.8mg〜約30mg、または約0.9mg〜約30mg、または約2mg〜約30mg、または約3mg〜約30mg、または約4mg〜約30mg、または約5mg〜約30mg、または約6mg〜約30mg、または約7mg〜約30mg、または約8mg〜約30mg、または約9mg〜約30mgまたは約10mg〜約30mgの用量で本開示のブプレノルフィン化合物を投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、例えば、約3mg〜約500mg、または約3mg〜約400mg、または約3mg〜約350mg、または約3mg〜約300mg、または約3mg〜約250mg、または約3mg〜約200mg、または約3mg〜約150mg、または約3mg〜約100mg、または約3mg〜約90mg、または約3mg〜約80mg、または約3mg〜約70mg、または約3mg〜約60mg、または約3mg〜約50mg、または約3mg〜約40mg、または約3mg〜約30mg、または約3mg〜約20mgまたは約3mg〜約10mgの用量で本開示のブプレノルフィン化合物を投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経口剤形は、例えば、約0.1mg〜約3mg、または約0.2mg〜約3mg、または約0.3mg〜約3mg、または約0.4mg〜約3mg、または約0.5mg〜約3mg、または約0.6mg〜約3mg、または約0.7mg〜約3mg、または約0.8mg〜約3mg、または約0.9mg〜約3mg、または約1mg〜約3mg、または約2mg〜約3mgの用量で本開示のブプレノルフィン化合物を投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、舌下投与される。ブプレノルフィン化合物は、例えば、約4時間の投薬間隔、約6時間の投薬間隔、約8時間の投薬間隔、約12時間の投薬間隔、または約24時間の投薬間隔をもたらすように、舌下製剤において製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、舌下製剤は、例えば、約0.001mg〜約10mg、または約0.01mg〜約8mg、または約0.05mg〜約6mg、または約0.1mg〜約5mgまたは約0.5mg〜約4mg、または約1mg〜約2mgの用量で本開示のブプレノルフィン化合物を投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、例えば、約24時間の投薬間隔、約3日間の投薬間隔、または約7日間の投薬間隔をもたらすように、経皮系において投与される。
いくつかの実施形態では、経皮系は、例えば、約0.001mcg/時間〜約50mcg/時間、または約0.01mcg/時間〜約40mcg/時間、または約0.05mcg/時間〜約30mcg/時間、または約0.1mcg/時間〜約20mcg/時間、または約0.5mcg/時間〜約10mcg/時間の速度でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経皮系は、例えば、約0.001mcg/時間〜約5mcg/時間、または約0.01mcg/時間〜約4mcg/時間、または約0.05mcg/時間〜約3mcg/時間、または約0.1mcg/時間〜約2mcg/時間、または約0.5mcg/時間〜約1mcg/時間の速度でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、経皮系は、例えば、約50mcg/時間、約40mcg/時間、約30mcg/時間、約20mcg/時間、約10mcg/時間、約5mcg/時間、約4mcg/時間、約3mcg/時間、約2mcg/時間、約1mcg/時間、約0.5mcg/時間、約0.1mcg/時間、約0.05mcg/時間、約0.01mcg/時間、または約0.001mcg/時間の速度でブプレノルフィンを投与するように製剤化され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、任意の経路(例えば、経口、経皮、経粘膜、または皮下)によって、定常状態で、例えば、約0.001mg/kg〜約1mg/kg、または約0.005mg/kg〜約0.5mg/kg、または約0.05mg/kg〜約0.1mg/kgを提供するように投与され得る。他の実施形態では、本ブプレノルフィン化合物は、任意の経路(例えば、経口、経皮、経粘膜、または皮下)によって、定常状態で、例えば、約1mg/kg、約0.5mg/kg、約0.1mg/kg、約0.05mg/kg、約0.005mg/kg、または約0.001mg/kgを提供するように投与され得る。ブプレノルフィンが別の治療剤と組み合わせて使用される場合、本開示のブプレノルフィン化合物は、任意の好適な時間にわたって、例えば、他の薬剤を用いる療法の持続期間全体にわたって、または他の薬剤を用いる療法の全持続期間の一部にわたって投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、任意の経路(例えば、経口、経皮、経粘膜、または皮下)によって、第1の投与後に、または定常状態で、例えば、約0.001ng/mL〜約15ng/mL、または約0.005ng/mL〜約12ng/mL、または約0.05ng/mL〜約10ng/mL、または約0.05ng/mL〜約1ng/mL、または約0.05ng/mL〜約0.5ng/mL約0.5ng/mL〜約8ng/mL、または約1.0ng/mL〜約5ng/mL、または約2ng/mL〜約4ng/mLのCmaxを提供するように投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、任意の経路(例えば、経口または経皮もしくは皮下)によって、第1の投与後に、または定常状態で、例えば、約0.001ng/mL、約0.01ng/mL、約0.1ng/mL、約1ng/mL、約2ng/mL、約3ng/mL、約4ng/mL、または約5ng/mLのCmaxを提供するように投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、任意の経路(例えば、経口、経皮、経粘膜、または皮下)によって、第1の投与後に、または定常状態で、例えば、約5ng/mL未満、約4ng/mL未満、約3ng/mL未満、約2ng/mL未満、約1ng/mL未満、約0.1ng/mL未満、約0.01ng/mL未満、約0.001ng/mL未満、または約0.0001ng/mL未満のCmaxを提供するように投与され得る。
いくつかの実施形態では、本開示のブプレノルフィン化合物は、任意の経路(例えば、経口、経皮、経粘膜、または皮下)によって、第1の投与後に、または定常状態で、例えば、1時間当たり約0.01ng/mL〜1時間当たり約100ng/mL、または1時間当たり約0.1ng/mL〜1時間当たり約75ng/mL、または1時間当たり約1.0ng/mL〜1時間当たり約50ng/mL、または1時間当たり約5.0ng/mL〜1時間当たり約40ng/mL、または1時間当たり約10ng/mL〜1時間当たり約30ng/mLのAUCを提供するように投与され得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される定常状態または第1の投与のAUC及びCmax値は、経皮、経粘膜、舌下、口腔、経口、皮下、筋肉内、または非経口などの任意の好適な投与経路によって得ることができる。ブプレノルフィンの蓄積注入は、埋め込み(例えば、皮下的または筋肉内的に)によって、または筋肉内注入によって行われ得る。そのような製剤において、ブプレノルフィンの放出は、好適なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、ポリ乳酸グリコール酸)、イオン交換樹脂を用いた製剤、または難溶性誘導体(例えば、難溶性塩)由来の製剤によって制御することができる。いくつかの実施形態では、蓄積注入は、約1日〜約3か月、または約3日間、約7日間、約10日間、約14日間、約21日間、約1か月、約6週間、または約2か月の投薬間隔をもたらす。
いくつかの実施形態では、病態の処置または防止を必要とする動物における病態の処置方法または防止方法は、本開示のブプレノルフィン化合物または組成物(すなわち、第1の治療剤)を投与されている動物に、第2の治療剤を共投与することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、第2の治療剤は、有効量で投与される。
本開示の組成物は、本開示のブプレノルフィン化合物またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和化合物を、薬学的に許容可能な担体または賦形剤と混和することを含む方法によって調製される。混和は、化合物と薬学的に許容可能な担体または賦形剤とを混和するための既知の方法を使用して遂行することができる。一実施形態において、酢酸塩から調製されたブプレノルフィンは、組成物中に有効量で存在する。
本開示の全体を通して、ブプレノルフィン遊離塩基、ブプレノルフィンの酢酸塩、ブプレノルフィン酢酸塩の水和物、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物、及び/または様々な不純物の重量%が言及されるとき、その重量%は、例えば、本明細書に記載の実施例7の方法によって、HPLC純度により決定される。
以下の実施例は、本発明の理解を補助するために記載されるものであり、本明細書に記載されかつ特許請求される本発明を具体的に限定するものと解釈すべきではない。当業者の技術の範疇内である、現在公知であるかまたは後に開発される全ての均等物の代替物、ならびに製剤の変更または実験設計の変更を含む、かかる本発明の変化形態は、本明細書に組み込まれた本発明の範囲内のものと見なされる。
本開示の様々な特徴及び実施形態が以下の代表的実施例に例示されるが、これらは限定ではなく例示を目的とするものである。
実施例1:ブプレノルフィン遊離塩基を用いた酸スクリーニング実験
ブプレノルフィン遊離塩基は、有機アミン/フェノールであり、酸または塩基で処理されてその対応するアンモニウム塩またはフェノラート塩を形成することのできるものと考えることができる。生成物の塩と対象の不純物との間で物理的特質(例えば、溶解度)に差があるため、そのような塩を精製目的で形成することは潜在的に有利である。精製された塩を次に塩基(またはフェノラートの場合は酸)で処理して、所望のブプレノルフィン遊離塩基を再生することができる。
塩酸塩によるブプレノルフィンの精製。ブプレノルフィン遊離塩基のその塩酸塩への変換、及び遊離塩基への再変換を調査した。式(12)の化合物または式(14)の化合物の著しい浄化は、調査した条件のいずれにおいても観察されなかった。
塩形成によるブプレノルフィン遊離塩基の精製の試験をさらに拡大するために、他の酸を調査した。これらには、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、プロピオン酸、及びメタンスルホン酸が含まれた。これらの他の酸のスクリーニングでは、不純物である式(12)の化合物のみの除去を試験した。
酸スクリーニング実験の手順。20mLのシンチレーションバイアル内で、ブプレノルフィン遊離塩基(1.0g)を、水、有機溶媒、または混合した有機かつ水性の溶媒のいずれかに溶解もしくは懸濁し、続いて酸を添加した。溶解の達成に必要な場合、この混合物をパイブロック加熱系上で80℃まで加熱し、約25℃の温度までゆっくりと冷却させた。結晶性材料、すなわちブプレノルフィン塩が観察された場合、この固体を濾過し、水で洗浄し、80℃のオーブン内で約16時間にわたり低大気圧下で乾燥させ、元々の1.0gのブプレノルフィン遊離塩基の電荷に対する回収%を決定した。表3はその結果を要約する。約20℃の温度で固体である酸、すなわち酒石酸及びトルエンスルホン酸水和物に関しては、使用した酸の質量を酸の体積の代わりに提供する。
酢酸またはギ酸は、結晶の形成をもたらし、他の酸の添加は、濾過可能な塩を形成できなかった。しかしながら、酢酸またはギ酸のいずれかを使用する場合にブプレノルフィン塩の結晶化を達成するためには、使用される水の体積が、ブプレノルフィン遊離塩基の溶解を促進するために使用される酸の体積とほぼ同じでなければならないということが発見された。その後、より多量の水の添加が、ブプレノルフィン塩の結晶化をもたらした。例えば、80%の回収を達成した上記の表3中の酢酸の添加では、ブプレノルフィン遊離塩基が溶解し得るように、初めに2.5mLの酢酸及び2.5mLの水を添加した。その後、約25℃の温度において、さらなる12.5mLの水の添加が、ブプレノルフィン酢酸塩の結晶化をもたらした。
加えて、酢酸またはギ酸のいずれかを含有する2つの水性混合物のみが、式(12)の化合物の不純物の有望な浄化(最大40%)を呈した。ブプレノルフィンの対応する塩の回収率は、ギ酸のもの(61%)よりも酢酸の水性混合物(78.5%、4回の定量の平均)のものの方が高かった。いずれの場合も、ブプレノルフィンの対応する塩を、結晶性固体として単離した。他の酸は、ブプレノルフィンの対応する塩がもしあれば、それを油またはガムとしてもたらし、これは、濾過による単離のために修正可能ではなかった。興味深いことに、酢酸:水から単離された固体は、低大気圧下において昇温(例えば、85℃)で乾燥させるとブプレノルフィン遊離塩基をもたらしたことが発見された。理論に束縛されるものではないが、この発見は、酢酸とブプレノルフィンとの間の幾分か弱い会合を示唆すると考えられ、この現象は、水性酢酸を要する精製プロセスによるブプレノルフィン遊離塩基の有利な単離に発展した(例えば、以下の実施例2及び8を参照されたい)。酢酸:水溶媒系について繰り返された酸スクリーニング定量は、酢酸:水からの結晶化が、式(12)の化合物の浄化を有利に増加させたことを裏付けた。
実施例2:ブプレノルフィン酢酸塩の調製
ブプレノルフィン酢酸塩の調製のために、ブプレノルフィン遊離塩基(100gm、214mmol)を、1:1の酢酸:水(体積:体積、370mL)中に溶解させた。酢酸水溶液の添加中の温度は、60℃に維持した。さらに60℃で、この混合物を研磨濾過した、すなわち、生成物に関連しない不溶性不純物(例えば粉塵)を除去するために濾過した。次に、0.4体積の51重量%酢酸水溶液で溶解機器をすすぎ、すすぎ液及び濾液を合わせた。
結晶化:60℃において、合わせた濾液に約0.75体積(75mL)の水(逆溶媒)を8mL/分の速度で添加した。結果として得られた混和物に、0.5gのブプレノルフィン酢酸塩結晶を播種した。この溶液を0.5時間60℃に保ち、次に、約5.9体積(588mL)の水(逆溶媒)を、60℃の温度で約15mL/分の速度で添加した。その後、60℃の温度の約0.9体積(88mL)のIPAを添加し、この混合物を8℃/時間の速度で20℃に冷却して、沈殿物をもたらした。
ブプレノルフィン酢酸塩の単離:結晶化ステップからの沈殿物を濾過し、2.5体積の17重量%IPA水溶液で洗浄した。次にこの沈殿物に、20℃の17重量%IPA水溶液を用いた第2回目の洗浄を行った。
実施例3:単結晶X線分析によるブプレノルフィン酢酸塩四水和物の結晶構造
実施例2の方法と実質的に同等だが寸法のより大きい結晶の成長を促進するように改変した方法により得られた、およそ0.24mm×0.10mm×0.05mmの寸法を有する[C2942NO[CHCOO]・4HOの無色のプリズム状単結晶を、MICROMOUNT上に載置し、R−AXIS RAPID X線回折計(Rigaku Americas,Woodlands,TX)の中央に置いた。
封管銅源(λ=1.54187Å)とSpiderの湾曲した画像版検出器とを備えた上記の回折計で、回折データを約25℃の温度で取得した。逆格子空間で分割された4つのフレームを記録して、配向マトリックス及び初期セルパラメータを提供した。完全なデータセットに基づいて、最終セルパラメータを得て、精密化した。5°振動ステップ及び各フレームにつき300秒の曝露を使用して、逆格子空間の回折データセットを0.81Åの分解能まで得た。CRYSTALCLEARソフトウェアを使用して、強度の積分及びセルパラメータの精密化を遂行した。データ収集後の結晶及び記録された画像上の回折環の外観の観察は、結晶が回折実験中に緩徐に分解したことを示した。
OLEX2.SOLVE構造解析プログラム(Puschmann et al.,“[MS45−P09]Olex2 − a complete package for molecular crystallography,”Acta Cryst.A69:s679(2013))を備えたOLEX2(Dolmanov et al.,“Olex2:a complete structure solution,refinement and analysis program,”J Appl Cryst.42:339−341(2009))を使用し、電荷フリッピング(charge flipping)法を用いて構造を解析し、Gauss−Newton完全マトリックス最小化を使用して、OLEX2.REFINE精密化パッケージ(Bourhis et al.,“The anatomy of a comprehensive constrained,restrained refinement program for the modern computing environment − Olex2 dissected,”Acta Cryst.A71:1−17(2014))で精密化した。
全身性不在及び強度統計に基づいて、非中心対称の単斜P2空間群において構造を解析し精密化した。構造を解析するために使用した電荷フリッピング法によって非水素原子を見出し、異等方性原子転位パラメータを使用して精密化した。これらの水素原子を計算された位置に置き、等方性原子転位パラメータを用いて精密化した。この構造は、ブプレノルフィンの2つのカチオン及び2つの酢酸アニオン、ならびに8個の水分子を単位格子内に有し、ブプレノルフィンの1つのカチオン、1つの酢酸アニオン、及び4個の水分子は対称独立になっていた。
結晶内の分子の充填は、ブプレノルホニウム(buprenorphonium)カチオンと酢酸アニオンとの間の強いクーロン力の相互作用、ならびにブプレノルホニウムカチオン、酢酸アニオン、及び水分子の間の9つの明確に異なる水素結合(「HB」)によって決定された。
3つの強力なHBが構造内に存在した。図1中「A」によって表される1つのHBは、脂肪族ヒドロキシル基(図3中「O23」と表示される酸素原子を含有する)と、ブプレノルフィンのメトキシ基の酸素原子(図3中「O21」と表示される)との間の分子内水素結合であり、この分子内HBの長さは2.569Åであった。図1中「B」によって表される別のHBは、ブプレノルフィンの窒素カチオン(図3中「N1」と表示されるHB供与体)の水素と、酢酸アニオンの酸素原子のうちの1つ(図3中「O42B」と表示されるHB受容体)との間に形成された分子間HBであり、この分子間HBの長さは2.681Åであった。図1中「C」によって表される第3のHBは、水分子酸素(図3中「O1」と表示される)と、フェノール基(図3中「O11」と表示される酸素原子を含有するHB供与体)との間にある別の分子間HBであった。この結合の長さは2.591Åであり、強い相互作用を示した。
酢酸アニオンはまた、隣接した水分子に対する他のHBの形成に関与した。これら3つの相互作用のHB距離は、2.735Å(酢酸アニオンからO1を含有する水分子まで)、2.743Å(同様に別の水分子からO1を含有する水分子まで)、及び2.778Å(酢酸アニオンから、図3中「O4」と表示される酸素原子を含有する水分子の水素まで)であった。
ブプレノルフィンの脂肪族ヒドロキシル基もまた、HB受容体として働き、HB供与体として働く隣接した水分子(O4を含有する)と共に、図1中「D」によって表されるHBを形成した。この相互作用のHB長さは2.802Åであり、分子内水素結合Aのものよりも著しく長かった。
フェノール基はまた、2つの分子内水素結合(両方とも隣接した水分子との結合)の形成に関与した。これら2つの水素結合のうちの1つ、先に図1中「C」と特定した酸素原子O1を有するHBは、図3中「O2」と表示される酸素原子と形成されたHB(3.007Å)よりも著しく短く(2.591Å)、したがってより強力であった。
4個の水分子全てが、異なる水素結合の形成に関与し;それらのうち3個は飽和であり、すなわち、それぞれが3つのHB(供与体として2個、そして受容体として1個)を形成した。1個の水分子(図3中「O3」と表示される酸素原子を含有する)は、1つのHB(O2を含有する別の水分子とのもの)のみの形成に関与した。理論に束縛されるものではないが、O3含有水分子は、脱水プロセス中に結晶格子を最も残しやすく、この水分子が4個の水分子のうち最も緩く結合していると考えられる。
水分子1(O1を含有する)は、2つの酢酸アニオンと2つのHBを形成し、ブプレノルフィンのフェノール性ヒドロキシル基からHBを受容した。水分子2(O2を含有する)は、2つの他の水分子と2つのHBを、供与体としてフェノール性ヒドロキシル基と1つを形成した。水分子3(O3を含有する)は、供与体として別の水分子(O2を含有する)と1つのHBのみを形成した。水分子4(O4を含有する)は、酢酸アニオンと1つの水素結合、ブプレノルフィンの脂肪族ヒドロキシル基と1つを形成し、別の水分子(O2を含有する)からHBを受容した。
約25℃の温度での結晶相の密度は、1.2535g/cmであると計算された。
表4は、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の単結晶X線分析の定量の一部を要約する。図2は、単位格子内のブプレノルフィン酢酸塩四水和物の充填図を示す。
分析されたブプレノルフィン酢酸塩四水和物の単結晶は、表5に記載の分率原子座標(×10)及び同等の等方性転位パラメータ(Å×10)を有した。図3は、表5で使用される原子付番方式を含む、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物結晶の成分の棒表現を示す。
実施例4:X線粉末回折によるブプレノルフィン酢酸塩四水和物の構造
結晶性形態のブプレノルフィン酢酸塩四水和物をさらに特徴決定するため、粉末状化合物をX線回折によって分析した。CuKα線を使用してブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料から得られた代表的なXRPDパターンは、上記の表1に提供される回折角(°2θ±0.2°)におけるピークをもたらし、図4に示されている。
XRPDパターンは、OPTIXの高精度長焦点線源を使用して生成されたCu線の入射ビームを使用し、X’Pert PRO MPD回折計(PANalytical Inc.,Westborough,MA)を用いて収集した。楕円状に傾斜した(elliptically graded)多層鏡を使用して、CuKα X線の焦点を、標本を通して検出器上に定めた。分析前に、シリコン標本(National Institute of Standards and Technology(「NIST」)Standard Reference Material 640d,Gaithersburg,MD)を分析して、Si 111ピークの観察される位置がNIST認定の位置と一致することを確認した。試料の標本を3μm厚フィルムの間に挟み、透過幾何学で分析した。ビームストップ、短い飛散防止延伸部、及び飛散防止ナイフ縁部を使用して、空気によって生成されるバックグラウンドを最小限に抑えた。ソーラスリットを入射ビーム及び回折ビームに使用して、軸発散からの広がりを最小限に抑えた。標本から240mmに位置するX’Celerator走査位置感受性検出器(PANalytical Inc.)、及びX’Pert Data Collectorソフトウェアバージョン2.2bを使用して、回折パターンを収集した。
実施例5:ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の示差走査熱量分析
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物をさらに特徴決定するため、この化合物を示差走査熱量測定(「DSC」)によって分析した。ブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料の代表的なDSC曲線が、図5に示されている。
熱流(W/g)対温度(℃)として提示されたブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料のDSCは、2つの遷移領域を有した。第1の遷移領域は、約50℃〜約180℃であった。この領域内のピーク(複数可)は幅広で1つ以上の極小値を有し、分析されている材料試料からの水及び/または酢酸の損失を表し得た。第2の遷移領域は、約210℃〜約225℃であった。この領域は、ブプレノルフィン塩基の溶融を表し得る急な遷移を特徴とした。この急な遷移は、ブプレノルフィンの遊離塩基形態のDSCにもほぼ同じピーク温度で存在した。
様々なサイズのブプレノルフィン酢酸塩四水和物のいくつかの試料を、異なる試料サイズ間での一貫性について分析した。DSC分析は、10℃/分の直線加熱傾斜を使用して250℃まで行った。測定値は、Q20 DSC装置(TA Instruments,New Castle,DE)を用いて決定した。遷移領域の積分(曲線下面積)(領域1/領域2)は、TA Instruments Universal Analysis 2000ソフトウェア(バージョン4.5A、ビルド4.5.0.5)により、第1の遷移領域については約35℃〜約180℃、及び第2の遷移領域については約203℃〜233℃の温度範囲にわたって決定した。遷移領域の積分比を、以下の表6に示す。以下で考察するロット2に関する代表的なDSCプロファイルは、図6に示されている。図6から分かるように、この定量では、領域1は、約35.5℃の「A」点から約178℃の「B」点まで延在し、領域2は、約206℃の「C」点から約231℃の「D」点まで延在した。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料間のこの積分比の一貫性について試験するために、いくつかの異なる試料ロットを分析した。DSC分析は、10℃/分の直線加熱傾斜を使用して250℃まで行った。結果を表7に示す。
2つの領域の積分比は、試料サイズの範囲全体で同様であった。2つの領域の積分比は、ブプレノルフィン酢酸塩のいくつかの試料間で同様であった。ブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料の領域1/領域2の概算積分比は、7.0〜約8.0であった。別の実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料の領域1/領域2の概算積分比は、7.1〜約7.9である。別の実施形態では、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料の領域1/領域2の概算積分比は、7.1〜約7.7である。
実施例6:ブプレノルフィン酢酸塩四水和物のKarl Fischer水%分析
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の13個の試料を、それらの水含有率について、Karl Fischer(「KF」)滴定分析によって測定した。KF分析方法論は当該技術分野で知られており、例えば、ASTM規格E203−08(「Standard Test Method for Water Using Volumetric Karl Fischer Titration」)及びISO 760:1978(「Determination of Water−Karl Fischer Method」)を参照されたい。ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の様々な試料に関するKF値の集録が、以下の一覧に示されている。この表は、多様な結晶化条件から生成され、かつ約25℃の温度及び約1atmの圧力で一定重量に乾燥させたいくつかの試料を表す。KF滴定は、915 KF Ti−Touch装置(Metrohm USA Inc.,Riverview,FL)を、HYDRANAL Composite 5 Karl Fischer試薬(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)と共に使用して実施した。結果を以下の表8に示す。13回の定量の平均もまた、ブプレノルフィン酢酸塩の四水和物について計算された水の理論上の重量パーセント(12.02重量%)と併せて、表8に提供されている。
試験した13個の異なるブプレノルフィン酢酸塩水和物試料に関する水の重量%の平均値は、この理論値から水0.25重量%だけ、または約2.1%だけしか異ならなかった。
実施例7:HPLC分析手順
内径100mm×3.0mmのGEMINI NX−C18逆相カラム、粒径3.0μm(Phenomenex,Torrance,CA)を用い、Waters 2695 HPLC(Waters Corp.,Milford,MA)を使用した。検出波長は240nmであった。勾配移動相は、表9に提供される勾配プロファイルに従って、移動相AとしてpH9.0の20mM水性重炭酸アンモニウム(「MPA」、99.5%、Fluka,St.Louis,MO)、及び移動相Bとしてアセトニトリル(「MPB」、99.9%、Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)を用いた。
カラム温度は40℃であり、注入体積は15μLであり、流量は1.0mL/分であった。分析は、各注入の約45分後に完結した。
各ブプレノルフィン酢酸塩四水和物試料は、HPLC分析のために次のように調製した。二連で、100.0±2.0mgの試料を秤量し、その重量を記録し(Wが各試料の重量である)、この試料を100mLのメスフラスコ内に定量的に移した。約50mLのメタノール(99.9%、Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)をフラスコに加え、この混和物を、全ての固体が溶解されたように見えるまで、必要に応じて超音波処理かつ/またはボルテックス混合した。その後、さらなるメタノールを標線まで添加し、この溶液を十分に混合した。
標準液を次のように調製した。既知の純度の27.0±1.0mgのUSPブプレノルフィン塩酸塩CIII標準品(#1078700、USP、Rockville,MD)を秤量し、その重量を記録し(WSTDが純度について補正したUSP標準の重量である)、それを25mLのメスフラスコ内に定量的に移すことによって、作業標準液を調製した。約15mLのメタノールをフラスコに加え、この混和物を、全ての固体が溶解されたように見えるまで、必要に応じて超音波処理かつ/またはボルテックス混合した。その後、さらなるメタノールを標線まで添加し、この溶液を十分に混合した。作業標準液は、1.0mg/mLの当量のブプレノルフィン遊離塩基を含有した。作業標準は、とりわけ、保持時間、テーリング係数、及びブプレノルフィンピークの再現性が許容可能であることを確認するために使用した。2.5mLの作業標準液を50mLのメスフラスコ内にピペット操作で入れ、メタノールで規定の体積まで希釈し、十分に混合することによって、中間標準液を調製した。中間標準液は、0.05mg/mLの当量のブプレノルフィン遊離塩基を含有した。1.0mLの中間標準液を100mLのメスフラスコ内にピペット操作で入れ、メタノールである体積まで希釈し、十分に混合することによって、感度標準液を調製した。感度標準液は、0.0005mg/mLの当量のブプレノルフィン遊離塩基を含有した。感度標準は、HPLCシグナル/ノイズ比が10以上であることを確認するために使用した。
系適合性標準を次のように調製した。10mgの材料(#Y0001122、European Directorate for the Quality of Medicines & Health Care、Strasbourg,France)を含むEuropean Pharmacopoeia標準「系適合性のためのブプレノルフィン(buprenorphine for system suitability)」の容器に、約2mLのメタノールを加えた。この容器に蓋をし、それをすすぎ全ての固体を溶解させるために数回振盪し反転させ、この溶液を10mLのメスフラスコ内に移した。この溶解手順をさらに2回繰り返した。約6mLの溶液を、全ての固体を確実に溶解させるに約5分間超音波処理し、約25℃の温度に冷却し、メタノールである体積まで希釈し、十分に混合した。系適合性標準液は、既知のプロファイルの不純物(European Pharmacopoeia monographs 1180,1181を参照されたい)と併せて、1.0mg/mLのブプレノルフィン遊離塩基を含有した。系適合性標準は、不純物ピークとブプレノルフィンピークとの間の必要な分解能が達成されたことを確認するために使用した。
HPLCカラムを必要に応じて清掃及び洗浄し、次に、40℃で30分間、1.0mL/分の流量で、80:20のMPA:MPBで平衡化した。その後、表10の注入順序に従った。
各試料ピークについて、対応するピーク面積を計器ソフトウェアによって決定して、Aの量をもたらした。再度計器ソフトウェアによって全てのピークの面積を合計することによって、全ピーク面積、ATOTALを決定した。いずれかのピークの面積が≦0.05×ATOTALであった場合、そのピークの面積をATOTALから除去し、微小ピークの寄与がATOTALから除去されなくなるまでこのプロセスを繰り返した。その後、例えば、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物ピークの面積%純度(例えば、実施例8の表11〜14を参照されたい)を、そのピークのA対ATOTALの比から決定し、等式1に従って次のように計算した。
同様に、各不純物ピークについて、その不純物ピークの面積%純度(例えば、表2及び16を参照されたい)を、その不純物ピークのA対ATOTALの比から決定し、上記の等式を使用して計算した。ブプレノルフィン遊離塩基の面積%純度(例えば、実施例9の表16を参照されたい)もまた、ブプレノルフィン四水和物試料をブプレノルフィン遊離塩基試料で置き換えることにより、この様式で決定した。
特定の事例において、ブプレノルフィン遊離塩基の重量%純度を、上述のHPLC分析手順によって決定した(例えば、実施例9の表15を参照されたい)。ブプレノルフィン遊離塩基の定量化は、その応答を上述のUSPブプレノルフィン塩酸塩CIII外部標準品のHPLC応答と比較することによって達成した。重量%純度は、等式2に従って次のように計算した。
式中、
S*は、試料中のブプレノルフィン遊離塩基のピーク面積であり、
STDは、定量化のために使用される作業標準の平均ピーク面積であり、
S*は、試料中のブプレノルフィン遊離塩基の重量(mg単位)であり、
STDは、純度について補正された標準の重量(mg単位)である。
等式2中、「4」という量は、希釈係数であり、「0.9277」という量は、ブプレノルフィンHCl塩標準に対するブプレノルフィン遊離塩基の分子量比であり、「100」という量は、純度の百分率を得るために使用される変換係数である。
試料中の不純物または未知物質(unknown)の定量的決定は、等式4に従って次のように試料中のその重量%を計算することによって達成した。
式中、
I/Uは、試料中の不純物または未知物質のピーク面積であり、
I/Uは、不純物または未知物質を含有する試料の重量(mg単位)であり、
RRFI/Uは、不純物または未知物質の相対応答係数である。
等式3中、ASTD及びWSTDの量は、等式2に関する上記の定義の通りである。相対応答係数、例えば、RRFI/Uは通常、当業者に知られる方法によって決定される。例えば、Gordon et al.,“Relative Response Factor for Lamivudine and Zidovudine Related Substances by RP−HPLC with DAD Detection,”Chem.Materials Res.6(12):160−165(2014)を参照されたい。
等式1、2、及び3の計算は、この実施例で使用したWaters HPLC計器に備えられたEMPOWERソフトウェアにより、自動的に行なった。
実施例8:ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の安定性分析
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の試料を、初めに、及び1か月及び3か月の熟成の後に分析した。実施例2に記載した方法により得られたブプレノルフィン酢酸塩四水和物の約300mgの試料を秤量し、可視光及びUV光を通す安定性バッグ(ARMORFLEXモデル番号SB4016−01、ILC Dover、Frederica,DE)内に入れることによって、各被験試料を調製した。加熱したバッグシーラーを使用して、各バッグを封止した。以下に規定した安定性試験条件のうちの1つにおける曝露後、試料を取り出し、実施例7に記載のHPLCによって、面積%純度について分析した。
各熟成試料に関する二連の結果を平均して、以下の表11〜14に報告される面積%純度結果をもたらした。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の長期熟成安定性を、25℃及び60%の湿度の安定性チャンバ条件下において、暗所で決定した。0か月、1か月、及び3か月の時点で試料を検査した。結果を表11に示す。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物は、長期熟成条件下で最長3か月にわたって安定であり、変質しなかった。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の加速熟成安定性を、40℃及び75%の湿度の安定性チャンバ条件下において、暗所で検査した。0か月、1か月、及び3か月の時点で試料を検査した。結果を表12に示す。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物は、加速熟成条件下で最長3か月にわたって安定であり、変質しなかった。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の光安定性を、25℃及び60%の湿度の条件下において、Caron安定性チャンバ内で検査した。UV光における熟成安定性の試験では、0か月、1か月、及び3か月の期間にわたって連続的に、21.9W/mの強度のTL 20W/12RS UV電球(Philips Lighting)からのUV光に試料を曝露した。可視光における熟成安定性の試験では、0か月、1か月、及び3か月の期間にわたって連続的に、27Kルクスの強度を有するF24T12/CW/HO蛍光電球(Philips Lighting)からの可視光に試料を曝露した。結果をそれぞれ表13及び14に示す。
ブプレノルフィン酢酸塩四水和物は、最長3か月にわたってUV光及び可視光に対して安定であり、純度は0.1面積%しか変化しなかった。
実施例9:ブプレノルフィン遊離塩基の調製
方法1:精製されたブプレノルフィン遊離塩基を、およそ100gの粗製ブプレノルフィン遊離塩基(「100gバッチ」)から次のように調製した。モデルFD100−C22検査室用濾過乾燥機(GL Filtration Ltd.,Rossington,Doncaster,UK)内のブプレノルフィン酢酸塩四水和物(およそ109g、およそ182mmol、粗製ブプレノルフィン遊離塩基から実施例2の方法により調製)の湿った濾過ケーキに、水(120mL)、IPA(180mL)、及び水性水酸化アンモニウム(28重量%アンモニア水溶液、19.5g、1.7当量)の事前混合した溶液を投入した。結果として得られたスラリーを35℃で4時間撹拌し、濾過した。単離した湿性固体に、水(120mL)、IPA(180mL)、及び水性水酸化アンモニウム(28重量%アンモニア水溶液、19.5g、1.7当量)の事前混合した溶液の第2の分量を投入した。結果として得られたスラリーを35℃で4時間撹拌し、濾過した。単離した固体を約25℃の温度に冷却し、80:20の水:IPA(200mL)中で2回再スラリー化し、濾過した。この固体を、減圧(150トル)下において70℃で、8時間にわたり濾過乾燥機内で乾燥させて、精製された白色の粉末(78.3g、収率92%)としてのブプレノルフィン遊離塩基を得た。
上述の方法1をスケールアップすることによって、およそ65kgの粗製ブプレノルフィン遊離塩基(「65kgバッチ」)から、精製されたブプレノルフィン遊離塩基を調製した。
上記の調製のそれぞれから得られた、精製されたブプレノルフィン遊離塩基を、その構成要素の含有重量%(精製されたブプレノルフィン遊離塩基自体の重量%純度)について、実施例7に提供されるHPLC手順によって分析した。結果を表15に示す。
方法2:窒素質量流量制御器、真空ポンプ、及び液体充填加熱ジャケットを装備した、モデルFD100−C22検査室用濾過乾燥機に、固体としてのブプレノルフィン酢酸塩四水和物(109.82g、実施例2の方法と実質的に同等の方法により調製)を投入した。この系を封止し、150トルの減圧下に置いた。次に、窒素流量を200mL/分に設定し、この系に65℃の加熱流体を供給し、30分間適温に保った。次に、6時間にわたって65℃から95℃まで漸進的に加熱した加熱流体をこの系に供給した。その後、この系に、95℃の加熱流体を24時間にわたって供給した。この24時間の間、固体のバッチ温度は67℃〜70℃の範囲であった。20℃に冷却すると、結果として得られたブプレノルフィン遊離塩基が、白色の固体として排出された(83.61g、収率97%)。
上記で得られた、精製されたブプレノルフィン遊離塩基を、その構成要素の含有面積%(精製されたブプレノルフィン遊離塩基自体の面積%純度)について、実施例7に提供されるHPLC手順によって分析した。結果を表16に示す。
方法3:固形ブプレノルフィン酢酸塩四水和物(およそ214mmol)を含む溶解容器に、IPA(ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の投入量に基づいて5体積)を投入し、この混和物を70℃に加熱して、固体を溶解させる。結果として得られる溶液を、0.2μmのポリプロピレン濾過媒体を使用して研磨濾過し、結晶化容器内に投入する。IPA(2体積)を加えて溶解容器をすすぎ、このすすぎ液を70℃に加熱し、次に研磨濾過する。結果として得られる濾過されたすすぎ液も結晶化容器内に投入し、容器内容物を全体にわたって60℃の温度に維持する。添加漏斗を介して、水性水酸化アンモニウム(28重量%アンモニア水溶液、19.5g、1.5当量)を結晶化容器内に投入する。次に、60℃のバッチ温度を維持しながら、逆溶媒である水(ブプレノルフィン酢酸塩四水和物の投入量に基づいて5体積)を、20分間にわたって連続的に結晶化容器に加えると、ブプレノルフィン遊離塩基生成物が沈殿する。この沈殿物をさらに30分間スラリー化し、このスラリーを60℃のバッチ温度で濾過して、ブプレノルフィン遊離塩基を固体として得る。この固体を80:20の水:IPA(2体積)中で2回再スラリー化して、酢酸アンモニウムを除去し、濾過して、ブプレノルフィン遊離塩基を白色の固体として得る。この固体を、低大気圧(150トル)下において70℃で、8時間にわたり真空乾燥オーブン内で乾燥させて、白色の粉末としての精製されたブプレノルフィン遊離塩基を得る。ほぼ同一の実験は、93%の収率を有した。
方法4:ブプレノルフィン酢酸塩四水和物(1.00g)を、80℃の蓋付きバイアル内の水(10mL)中で3時間加熱した。スラリーを熱いまま濾過し、2mLの温水(50℃)で2回洗浄した。生成物であるブプレノルフィン遊離塩基を空中で乾燥させた(0.61g、収率78%)。H NMR(CDOD)は、この生成物が微量の酢酸を含む遊離塩基であったことを裏付けた。
方法5:ヘプタン(60mL)を含む、Dean−Starkトラップを装備したフラスコ内に、ブプレノルフィン酢酸塩四水和物(10.53g)を投入した。この溶液を3.5時間還流させた。還流温度は86℃〜99℃の範囲であった。トラップは、1.85mLの液体を収集した(酢酸及び水の理論量は2.2mLであった)。この混合物を冷却し、濾過し、ヘプタンで洗浄し、空気中で乾燥させて、遊離塩基形態を得た(8.00g、収率98%)。H NMR(CDOD)は、この生成物が微量の酢酸を含む遊離塩基であったことを裏付けた。
本発明は、本発明のいくつかの態様の例証として意図される実施例に開示された具体的な実施形態による範囲に限定されるものではなく、機能的に同等であるあらゆる実施形態が本発明の範囲に含まれる。実際、本明細書に示され記載されたものに加えて、本発明の様々な改変形態が、当業者にとって明らかとなり、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
本出願に引用された公開文献、特許、特許出願、及び他の文献は全て、あたかも各個別の公開文献、特許、特許出願、または他の文献があらゆる目的のために参照により援用されるように個別に示されるのと同じ範囲まで、あらゆる目的のために、それらの全体において参照により本明細書に援用される。

Claims (160)

  1. ブプレノルフィンの酢酸塩。
  2. 水和物を含む、請求項1に記載のブプレノルフィンの酢酸塩。
  3. 前記水和物が、前記ブプレノルフィンの酢酸塩の分子1個当たり1〜6個の水分子を含む、請求項2に記載のブプレノルフィンの酢酸塩。
  4. 前記水和物が、四水和物である、請求項3に記載のブプレノルフィンの酢酸塩。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの精製酢酸塩。
  6. ブプレノルフィンの本質的に純粋な酢酸塩である、請求項5に記載のブプレノルフィンの精製酢酸塩。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩の結晶性形態。
  8. 請求項4に記載のブプレノルフィンの酢酸塩の結晶性形態。
  9. 少なくとも16.21及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ、8.77、10.31、または18.47におけるピークのうちの少なくとも1つと実質的に同等の2θ角における少なくとも1つのさらなるピークを有する、CuKα線への曝露によって得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項8に記載の結晶性形態。
  10. 少なくとも8.77、10.31、16.21、18.47、及び18.70におけるピークと実質的に同等の2θ角におけるピークを含み、かつ6.38、11.93、または19.40におけるピークのうちの少なくとも1つと実質的に同等の2θ角における少なくとも1つのさらなるピークを有する、CuKα線への曝露によって得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項8に記載の結晶性形態。
  11. 少なくとも以下の表中のもののピークと実質的に同等の回折角におけるピークを含む、CuKα線への曝露によって得られるX線粉末回折パターンを特徴とする、請求項8に記載の結晶性形態。
  12. CuKα線を使用して測定するときに、図4に示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する、請求項8に記載の結晶性形態。
  13. 約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約50℃〜約140℃における少なくとも1つのピーク位置を有する第1の遷移領域を示す、請求項8〜12のいずれか1項に記載の結晶性形態。
  14. 前記結晶性形態が、約10℃/分の加熱速度で熱流示差走査熱量計により測定した場合に、約217℃〜約225℃におけるピーク位置を有する第2の遷移領域を示す、請求項8〜13のいずれか1項に記載の結晶性形態。
  15. 約217℃〜約225℃における前記第2の遷移領域に対する約50℃〜約140℃における前記第1の遷移領域に関して、約7〜約8の積分比を示す、請求項14に記載の結晶性形態であって、前記積分が、それぞれ、約35℃〜約180℃及び約203℃〜約233℃の温度範囲にわたって決定される、前記結晶性形態。
  16. 約7.1〜約7.8の積分比を示す、請求項15に記載の結晶性形態。
  17. 単斜晶であることを特徴とする、請求項8〜16のいずれか1項に記載の結晶性形態。
  18. 単位格子パラメータが、a=10.5±0.5Å、b=10.9±0.5Å、及びc=14.4±0.5Åである、請求項17に記載の結晶性形態。
  19. 単位格子パラメータが、a=10.52±0.05Å、b=10.92±0.05Å、及びc=14.44±0.05Åである、請求項17に記載の結晶性形態。
  20. 空間群がP2である、請求項17〜19のいずれか1項に記載の結晶性形態。
  21. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩、または請求項7〜20のいずれか1項に記載の結晶性形態、及び薬学的に許容可能な担体を含む、医薬組成物。
  22. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩、請求項7〜20のいずれか1項に記載の結晶性形態、または請求項21に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  23. ブプレノルフィンの酢酸塩の調製方法であって、
    (a)ブプレノルフィン遊離塩基を、酢酸を含む溶液に溶解容器内で接触させて、混和物を形成するステップであって、前記混和物が約40℃〜約80℃の温度にある、ステップと、
    (b)任意選択により、ステップ(a)の前記混和物を濾過するステップと、
    (c)ステップ(a)または(b)で生成された前記混和物に薬剤を添加して、ブプレノルフィンの酢酸塩を沈殿させるステップと、
    (d)ステップ(c)で沈殿した前記ブプレノルフィンの酢酸塩を単離するステップと、を含む、前記方法。
  24. ステップ(a)において、前記ブプレノルフィン遊離塩基が、前記遊離塩基の出発質量に対して約2質量当量〜約6質量当量の、酢酸を含む前記溶液と接触する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ブプレノルフィン遊離塩基が、前記遊離塩基の出発質量に対して約3質量当量〜約5質量当量の、酢酸を含む前記溶液と接触する、請求項23に記載の方法。
  26. 酢酸を含む前記溶液が、水溶液である、請求項23〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記水溶液が、前記水溶液の重量に対して約40重量%〜約70重量%の酢酸を有する、請求項26に記載の方法。
  28. 前記水溶液が、前記水溶液の重量に対して約45重量%〜約60重量%の酢酸を有する、請求項26に記載の方法。
  29. ステップ(a)において、前記混和物が、ある期間にわたって約40℃〜約80℃の温度にあり、その結果、前記ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している、請求項23〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. ステップ(a)において、前記混和物が、ある期間にわたって約45℃〜約75℃の温度にあり、その結果、前記ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している、請求項29に記載の方法。
  31. ステップ(a)において、前記混和物が、ある期間にわたって約50℃〜約70℃の温度にあり、その結果、前記ブプレノルフィン遊離塩基の大部分が溶解している、請求項29に記載の方法。
  32. ステップ(a)において、前記混和物が、前記ブプレノルフィン遊離塩基の溶解を加速するように撹拌される、請求項23〜31のいずれか1項に記載の方法。
  33. ステップ(a)の前記混和物が、ステップ(b)において濾過装置で濾過される、請求項23に記載の方法。
  34. ステップ(b)において、前記濾過装置に加えられるステップ(a)の前記混和物が、約40℃〜約80℃の温度にある、請求項33に記載の方法。
  35. ステップ(b)において、前記濾過装置に加えられるステップ(a)の前記混和物が、約45℃〜約75℃の温度にある、請求項33に記載の方法。
  36. 酢酸を含む溶液の追加体積が、前記溶解容器、前記濾過装置、または前記溶解容器及び前記濾過装置をすすぐために使用される、請求項33〜35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 酢酸を含む前記溶液の前記追加体積が、ステップ(a)における前記ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.1質量当量〜約2.0質量当量である、請求項36に記載の方法。
  38. 酢酸を含む前記溶液の前記追加体積が、ステップ(a)における前記ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.3質量当量〜約0.5質量当量である、請求項36に記載の方法。
  39. 前記溶液の前記追加体積が、酢酸水溶液である、請求項36〜38のいずれか1項に記載の方法。
  40. 酢酸を含む前記溶液の前記追加体積が、前記溶液の重量に対して約40重量%〜約70重量%で存在する酢酸を含む水溶液である、請求項39に記載の方法。
  41. ステップ(c)において、前記薬剤が、逆溶媒、種晶、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項23〜40のいずれか1項に記載の方法。
  42. 前記薬剤が逆溶媒を含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記逆溶媒が水を含む、請求項42に記載の方法。
  44. ステップ(a)における遊離塩基の出発質量に対して約0.2質量当量〜約8.0質量当量の逆溶媒が、ステップ(a)または(b)の前記混和物に添加される、請求項42または43に記載の方法。
  45. 前記逆溶媒が、ステップ(a)またはステップ(b)の前記混和物の前記温度の約10℃以内で添加される、請求項42〜44のいずれか1項に記載の方法。
  46. 前記逆溶媒が、ステップ(a)またはステップ(b)の前記混和物の前記温度の約5℃以内の温度で添加される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記薬剤が種晶を含む、請求項41に記載の方法。
  48. 前記種晶がブプレノルフィンの酢酸塩を含む、請求項47に記載の方法。
  49. ステップ(a)における前記ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.1重量%〜約5.0重量%の種晶が、ステップ(a)または(b)の前記混和物に添加される、請求項48に記載の方法。
  50. 前記種晶が添加されるときに、ステップ(a)または(b)の前記混和物が、約40℃〜約80℃の温度にある、請求項47〜49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記種晶が添加されるときに、ステップ(a)または(b)の前記混和物が、約55℃〜約65℃の温度にある、請求項50に記載の方法。
  52. 第1の量の前記逆溶媒が添加され、次いで前記種晶が添加される、請求項41に記載の方法。
  53. 前記種晶が添加され、次いで第2の量の前記逆溶媒が添加される、請求項52に記載の方法。
  54. 前記逆溶媒の前記第1の量が、ステップ(a)における前記ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.2質量当量〜約2.0質量当量である、請求項52または53に記載の方法。
  55. ステップ(a)における前記ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約0.1重量%〜約5.0重量%の前記種晶が添加される、請求項52〜54のいずれか1項に記載の方法。
  56. 逆溶媒の前記第2の量が、ステップ(a)における前記ブプレノルフィン遊離塩基の出発質量に対して約1.0質量当量〜約6.5質量当量である、請求項53〜55のいずれか1項に記載の方法。
  57. 前記薬剤の添加後、かつステップ(d)において前記ブプレノルフィンの酢酸塩を単離する前に、前記混和物を約30℃以下の温度に冷却することをさらに含む、請求項23〜56のいずれか1項に記載の方法。
  58. ステップ(c)の前記沈殿後、かつステップ(d)における前記ブプレノルフィンの酢酸塩の前記単離前に、前記混和物に共溶媒を添加することをさらに含む、請求項23〜56のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記共溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項58に記載の方法。
  60. 前記共溶媒が、イソプロピルアルコールである、請求項58に記載の方法。
  61. 前記共溶媒の添加後、かつステップ(d)における前記ブプレノルフィンの酢酸塩の前記単離前に、前記混和物を約30℃以下の温度に冷却することをさらに含む、請求項58〜60のいずれか1項に記載の方法。
  62. ステップ(d)における前記単離が、濾過によって遂行される、請求項23〜61のいずれか1項に記載の方法。
  63. ステップ(d)の前記単離から得られた前記ブプレノルフィンの酢酸塩を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから前記酢酸塩を濾過することをさらに含む、請求項23〜62のいずれか1項に記載の方法。
  64. 請求項23〜63のいずれか1項に記載の方法から得られる、ブプレノルフィン酢酸塩生成物。
  65. 前記生成物が、式(10)の化合物、
    またはその塩を約0.10重量%以下含む、請求項64に記載の生成物。
  66. 前記生成物が、式(11)の化合物、
    またはその塩を約0.10重量%以下含む、請求項64または65に記載の生成物。
  67. 前記生成物が、式(12)の化合物、
    またはその塩を約0.10重量%以下含む、請求項64〜66のいずれか1項に記載の生成物。
  68. 前記生成物が、式(12)の前記化合物により表される不純物またはその塩を約0.08重量%以下含む、請求項67に記載の生成物。
  69. 前記生成物が、式(14)の化合物、
    またはその塩を約0.10重量%以下含む、請求項64〜68のいずれか1項に記載の生成物。
  70. 前記生成物が、式(13)の化合物、
    またはその塩を約0.10重量%以下含む、請求項64〜69のいずれか1項に記載の生成物。
  71. 前記生成物が、式(15)の化合物、
    またはその塩を約0.10重量%以下含む、請求項64〜70のいずれか1項に記載の生成物。
  72. 請求項64〜71のいずれか1項に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  73. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項64〜71のいずれか1項に記載の生成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  74. ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
    (a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液及び塩基性材料と接触させて、混和物を形成するステップと、
    (b)ブプレノルフィン遊離塩基をもたらすように、ステップ(a)の前記混和物を約20℃〜約90℃の温度で撹拌するステップと、
    (c)ステップ(b)の前記ブプレノルフィン遊離塩基を単離するステップと、
    (d)任意選択により、ステップ(a)〜(c)を1回以上繰り返すステップと、を含む、前記方法。
  75. ステップ(a)において、前記ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)における前記酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約1質量当量の前記溶液と接触する、請求項74に記載の方法。
  76. ステップ(a)の前記溶液が、水及びアルコールを含む、請求項74または75に記載の方法。
  77. 前記溶液が、水中約30重量%〜約70重量%のアルコールを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 前記溶液が、水中約40重量%〜約60重量%のアルコールを含む、請求項76に記載の方法。
  79. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項76〜78のいずれか1項に記載の方法。
  80. 前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、請求項79に記載の方法。
  81. 前記塩基性材料が、水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、水素化物、リン酸塩、ホウ酸塩、酸化物、シアン化物、ケイ酸塩、アミン、及びそれらの組み合わせから選択される、請求項74に記載の方法。
  82. 前記ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)における前記ブプレノルフィンの酢酸塩の出発モルに対して約0.5モル当量〜約20モル当量の塩基性材料と接触する、請求項74に記載の方法。
  83. 前記ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の前記出発モルに対して約1モル当量〜約10モル当量の塩基性材料と接触する、請求項82に記載の方法。
  84. ステップ(a)の前記混和物が、ステップ(b)で約1時間〜約36時間にわたって撹拌される、請求項74〜83のいずれか1項に記載の方法。
  85. 撹拌ステップ(b)が、約2時間〜約8時間かかる、請求項84に記載の方法。
  86. ステップ(b)において、前記混和物が、約25℃〜約90℃の温度で撹拌される、請求項84または85に記載の方法。
  87. ステップ(b)において、前記混和物が、約30℃〜約45℃の温度で撹拌される、請求項86に記載の方法。
  88. ステップ(c)における前記単離が、濾過によって遂行される、請求項74〜87のいずれか1項に記載の方法。
  89. ステップ(c)の前記ブプレノルフィン遊離塩基を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから前記遊離塩基を濾過するステップをさらに含む、請求項74〜88のいずれか1項に記載の方法。
  90. 請求項74〜89のいずれか1項に記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
  91. 前記生成物が、式(10)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項90に記載の生成物。
  92. 前記生成物が、式(11)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項90または91に記載の生成物。
  93. 前記生成物が、式(12)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項90〜92のいずれか1項に記載の生成物。
  94. 前記生成物が、式(12)の前記化合物により表される不純物を約0.08重量%以下含む、請求項93に記載の生成物。
  95. 前記生成物が、式(14)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項90〜94のいずれか1項に記載の生成物。
  96. 前記生成物が、式(13)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項90〜95のいずれか1項に記載の生成物。
  97. 前記生成物が、式(15)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項90〜96のいずれか1項に記載の生成物。
  98. 請求項90〜97のいずれか1項に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  99. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項90〜97のいずれか1項に記載の生成物、または請求項98に記載の医薬組成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  100. ブプレノルフィンの酢酸塩を、前記酢酸を除去するのに十分な圧力、温度、及び時間で処理することを含む、ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法。
  101. 前記圧力が、約100トル〜約200トルの低大気圧である、請求項100に記載の方法。
  102. 前記温度が、少なくとも約30℃であり、前記時間が、少なくとも約1時間である、請求項101に記載の方法。
  103. 前記温度が、少なくとも約50℃である、請求項102に記載の方法。
  104. 前記温度が、少なくとも約65℃である、請求項102に記載の方法。
  105. 前記処理が、少なくとも約5時間持続する、請求項100〜104のいずれか1項に記載の方法。
  106. 前記処理が、少なくとも約10時間持続する、請求項105に記載の方法。
  107. 前記ブプレノルフィン遊離塩基を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから前記遊離塩基を濾過することをさらに含む、請求項100〜106のいずれか1項に記載の方法。
  108. 前記圧力が、約620トル〜約780トルの大気圧である、請求項100に記載の方法。
  109. 前記温度が、約65℃〜約100℃である、請求項108に記載の方法。
  110. 前記処理が、少なくとも約7時間持続する、請求項108または109に記載の方法。
  111. 前記処理が、本質的に純粋なブプレノルフィン遊離塩基を形成するのに十分長く持続する、請求項108〜110のいずれか1項に記載の方法。
  112. 最終的なブプレノルフィン遊離塩基生成物中の酢酸が、約0.5重量%未満で存在する、請求項100〜111のいずれか1項に記載の方法。
  113. 請求項100〜112のいずれか1項に記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
  114. 請求項113に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  115. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項113に記載の生成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  116. ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
    (a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶液中に溶解させて、混和物を形成するステップと、
    (b)任意選択により、ステップ(a)の混和物を濾過するステップと、
    (c)ステップ(a)または(b)の混和物に塩基性材料を添加して、第2の混和物を形成するステップと、
    (d)ステップ(c)で生成された前記第2の混和物に逆溶媒を添加して、前記ブプレノルフィン遊離塩基の沈殿物を形成するステップと、
    (e)ステップ(d)の前記沈殿物を単離するステップと、を含む、前記方法。
  117. ステップ(a)の前記溶液が、有機溶媒を含む、請求項116に記載の方法。
  118. 前記有機溶媒が、アルコールを含む、請求項117に記載の方法。
  119. 前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールから成る群から選択されるアルコールを含む、請求項118に記載の方法。
  120. ステップ(d)の前記逆溶媒が、水溶液を含む、請求項116〜119のいずれか1項に記載の方法。
  121. 前記ブプレノルフィンの酢酸塩が、ステップ(a)における前記ブプレノルフィンの酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約3質量当量の前記溶液と接触する、請求項116〜120のいずれか1項に記載の方法。
  122. 前記ブプレノルフィンの酢酸塩の実質的に全てが溶解されるように、ステップ(a)の前記混和物を、約20℃〜約90℃の温度で混合することをさらに含む、請求項116〜121のいずれか1項に記載の方法。
  123. ステップ(a)において、前記混和物が、少なくとも約40℃の温度にある、請求項122に記載の方法。
  124. ステップ(a)において、前記混和物が、少なくとも約50℃の温度にある、請求項122に記載の方法。
  125. ステップ(a)の前記混和物が、ステップ(b)で濾過される、請求項116〜124のいずれか1項に記載の方法。
  126. ステップ(c)において、ステップ(a)におけるブプレノルフィンの酢酸塩の出発モル数に対して約1.0モル当量〜約20モル当量の塩基性材料が、ステップ(a)または(b)で生成された前記混和物に添加される、請求項116〜125のいずれか1項に記載の方法。
  127. ステップ(d)において、ステップ(a)における前記ブプレノルフィンの酢酸塩の出発質量に対して少なくとも約3質量当量の前記逆溶媒が、ステップ(c)で生成された前記第2の混和物に添加される、請求項116〜126のいずれか1項に記載の方法。
  128. ステップ(e)における前記単離が、濾過によって遂行される、請求項116〜127のいずれか1項に記載の方法。
  129. ステップ(e)の前記単離から得られた前記遊離塩基を、水とアルコールとを含むスラリー化溶液でスラリー化し、そこから前記遊離塩基を濾過することをさらに含む、請求項116〜128のいずれか1項に記載の方法。
  130. 請求項116〜129のいずれか1項に記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
  131. 前記生成物が、式(10)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項130に記載の生成物。
  132. 前記生成物が、式(11)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項130または131に記載の生成物。
  133. 前記生成物が、式(12)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項130〜132のいずれか1項に記載の生成物。
  134. 前記生成物が、式(12)の前記化合物を約0.08重量%以下含む、請求項133に記載の生成物。
  135. 前記生成物が、式(14)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項130〜134のいずれか1項に記載の生成物。
  136. 前記生成物が、式(13)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項130〜135のいずれか1項に記載の生成物。
  137. 前記生成物が、式(15)の化合物を約0.10重量%以下含む、請求項130〜136のいずれか1項に記載の生成物。
  138. 請求項130〜137のいずれか1項に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  139. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項130〜137のいずれか1項に記載の生成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  140. ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
    (a)ブプレノルフィンの酢酸塩と水溶液との混和物を加熱して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
    (b)ステップ(a)の前記混和物を濾過することと、を含む、前記方法。
  141. 前記水溶液が、水から本質的に成る、請求項140に記載の方法。
  142. 前記水溶液が、水とアルコールとの混合物を含む、請求項140に記載の方法。
  143. 前記アルコールが、イソプロピルアルコールである、請求項142に記載の方法。
  144. 前記加熱が、約70℃〜約90℃の温度である、請求項140〜143のいずれか1項に記載の方法。
  145. ステップ(b)の固体濾過生成物を第2の水溶液で洗浄することをさらに含む、請求項140または141に記載の方法。
  146. ステップ(b)の前記固体濾過生成物を乾燥するステップをさらに含む、請求項140〜145のいずれか1項に記載の方法。
  147. 請求項140〜146のいずれか1項に記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
  148. 請求項147に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  149. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項147に記載の生成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  150. ブプレノルフィン遊離塩基の調製方法であって、
    (a)ブプレノルフィンの酢酸塩を溶媒中に混合して、混和物を形成することと、
    (b)前記混和物を還流温度で還流させ、前記酢酸塩を蒸気相中の酢酸として除去することと、
    (c)前記混和物を冷却して、沈殿したブプレノルフィン遊離塩基をもたらすことと、
    (d)前記ブプレノルフィン遊離塩基を単離することと、を含む、前記方法。
  151. ステップ(d)の前記単離が、ステップ(c)の前記沈殿したブプレノルフィン遊離塩基を濾過することを含む、請求項150に記載の方法。
  152. 前記溶媒が、有機溶媒を含む、請求項150または151に記載の方法。
  153. 前記有機溶媒が、ヘプタンを含む、請求項152に記載の方法。
  154. 請求項150〜153のいずれか1項に記載の方法から得られる、ブプレノルフィン遊離塩基生成物。
  155. 請求項154に記載の生成物と、薬学的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物。
  156. 疼痛の処置方法であって、それを必要とする動物に、請求項154に記載の生成物を有効量で投与することを含む、前記方法。
  157. 疼痛の処置のための薬品の製造における、請求項64〜71、90〜97、113、130〜137、147、及び154のいずれか1項に記載の生成物、または請求項72、98、114、138、148、及び155のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用。
  158. 疼痛の処置に使用するための、請求項64〜71、90〜97、113、130〜137、及び154のいずれか1項に記載の生成物、または請求項72、98、114、138、及び155のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  159. 疼痛の処置のための薬品の製造における、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩、または請求項7〜20のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩の結晶性形態の使用。
  160. 疼痛の処置に使用するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩、または請求項7〜20のいずれか1項に記載のブプレノルフィンの酢酸塩の結晶性形態。
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