したがって本発明の課題は、過渡的な過電圧の認識をより良く認識するだけでなく、フィードスルーの動作も保証することにある。
本発明の根底にある課題は、請求項1に記載のセンサ装置によって解決され、ならびに副請求項に記載の方法によって解決される。好ましい発展例は従属請求項に記載されている。さらに、本発明にとって重要な構成要件が以下の説明および図面の中にもあり、各構成要件は単独でもさまざまな組み合わせとしても本発明にとって重要となり得るが、その点について再度明示的に指摘することはしない。
アダプタを測定接続部および取付装置と結合可能であるのが好ましい。センサハウジングをアダプタによって取付装置と結合可能である。特にセンサ装置の設置に不備がある場合、測定接続部の非接触によって高圧電位が測定接続部に印加されることがあり、このことはフィードスルーの破損につながりかねない。アダプタによってアダプタまでの検査を行うことができるという利点があり、センサハウジングに配置されたコンポーネントがこの結果に影響を及ぼすことがない。特にアダプタにより、フィードスルーの主キャパシタンスを測定することができる。主キャパシタンスをチェックすることで、測定接続部にも取付装置にもアダプタの接触が正しく行われていることが確保される。
1つの好ましい実施形態では、測定接続部と取付装置の間に接続可能であるアダプタは過電圧防護部を有している。測定接続部の電位が、過電圧防護部の反応によって、定義されたレベルに保たれる。それにより、フィードスルーの安全な動作を保証するアダプタが提供される。
1つの好ましい実施形態では、センサ装置は、容量式に制御されるフィードスルーの測定接続部とアースとの間に測定キャパシタンスを配置可能である容量式の分圧器の原理に基づいて作動する。並列につながれて表面実装された複数のコンデンサデバイスを測定キャパシタンスが含んでいることにより、各々のコンデンサデバイスに内在する寄生インダクタンスを、個数の増大によっても表面実装によっても大幅に低減できるという利点がある。特定の周波数を超えると、誘導式に作用するコンデンサのコンポーネントのほうが優位になる。このことは、それぞれの共振周波数から始まる。キャパシタンス値が低いコンデンサについてはこの共振周波数が高くなり、したがって、本発明では個数を増やしたコンデンサデバイスが設けられる。コンデンサデバイスの表面実装により、配線されるデバイスに比べて測定帯域幅利得を追加的に実現できるという利点がある。このように、全体として広い周波数領域にわたって、実質的に一定の減衰という意味におけるセンサ装置の好ましい周波数挙動を実現することができる。このようにして、落雷、切換行為、接地事故などの形態の過渡性を周波数と振幅により、センサ装置の周波数応答に関わる追加の振動処理コストなしに検出し、記録することができる。
1つの好ましい実施形態では、コンデンサデバイスはセンサ装置の内部導体の長軸に対して実質的に等しい大きさの間隔をおいて配置される。等しい大きさの間隔をおくことで、それぞれのコンデンサデバイスが実質的に同じ位相位置で、測定接続部の側を起点として印加される信号により負荷されることが実現される。それにより、出力されるべき測定信号に関わる改善がもたらされる。
1つの好ましい実施形態では、センサ装置は長軸に関して実質的に同軸の構造を有している。実質的に同軸の構造は、出力されるべき測定信号に対するセンサ装置のジオメトリーの影響を小さくする。電界が半径方向に、およびそれに伴って内部導体の周囲で均等に形成されるからである。
1つの好ましい形態では、複数のコンデンサデバイスが1つの配線板の上に配置され、配線板は実質的に長軸の鉛直平面に配置される。それにより、コンデンサデバイスの等しい大きさの間隔が可能となり、同軸の構造が実現されるという利点がある。
1つの好ましい実施形態では、コンデンサデバイスは配線板の両方の側に配置される。このことは、コンデンサデバイスの個数の増加を可能にするという利点があり、このことは漏れインダクタンスのいっそうの低減につながる。
別の好ましい実施形態では、並列につながれて表面実装された別の複数のコンデンサデバイスが別の配線板の上に配置され、別の配線板は長軸の別の鉛直平面に配置される。この方策も、コンデンサデバイスの個数が増加し、そのようにして漏れインダクタンスが低減されるとともに、全体キャパシタンスが高くなることにつながるという利点があり、このことは、センサ装置の周波数応答と出力電圧に対して好ましい影響を及ぼす。
1つの好ましい実施形態では、コンデンサデバイスは、平坦に構成された第1の内側の導体と、平坦に構成された第2の外側の導体との間にそれぞれつながれる。導体の平坦な構成は単位長さあたりのインダクタンスを低減させ、このことは周波数挙動に対して好ましい影響を及ぼす。さらに、そのようにして配線板の製作が簡素化される。
1つの好ましい実施形態では、測定キャパシタンスと測定接続部の間の間隔を、フィードスルーとセンサ装置との実質的に固定的な結合可能性によって縮小することができる。測定キャパシタンスと測定接続部との間のこのような距離の縮小は、導線インダクタンスが大幅に低減され、それに伴い、測定に利用することができる周波数領域を拡張するという帰結をもたらす。
1つの好ましい実施形態では、測定接続部に外嵌するための測定アダプタが構成される。ハウジングアダプタが、フィードスルーのフランジへの固定的で流体密閉的な配置のために、および電気的に接触しない測定接続アダプタの収容のために構成される。センサハウジングは、ハウジングアダプタと固定的かつ流体密閉的に結合可能である。測定接続部とフィードスルーのフランジのさまざまな施工形態に合わせた適合化のほか、ハウジングアダプタ、測定接続アダプタ、およびセンサハウジングによって、測定接続部と測定キャパシタンスの間の距離が明らかに縮小される。さらに、それによって気象などの外部要因に耐える、フィードスルーの安定的で確実な結合が成立する。
1つの好ましい実施形態では、測定接続アダプタは測定接続部と反対を向く側で、配線板から突出する内部導体区域と結合可能である。それにより、測定接続部と測定キャパシタンスの間に簡素で短い結合部が具体化される。
1つの好ましい実施形態では、コンデンサデバイスは、セルフヒーリングによって好ましく特徴づけられるプラスチックフィルムコンデンサとしてそれぞれ構成される。相応の誘電体で絶縁破壊が起こったときにはキャパシタンスのわずかな損失が生じるものの、その一方で、このようなコンデンサは耐用寿命が長くなるという特徴がある。
本発明のその他の構成要件、適用可能性、および利点は、図面の各図に示されている本発明の実施例についての以下の説明から明らかとなる。記述または図示されている一切の構成要件はそれ自体として、または任意の組み合わせとして本発明の対象物を形成し、特許請求の範囲でのそれらのまとめ方や引用には左右されず、ならびに、明細書ないし図面の中でのそれらの文章表現ないし図示形式にも左右されない。機能が等価である量や構成要件については、すべての図面において、異なる実施形態であっても同じ符号が使われている。
次に、一例としての本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図面には次のものが示されている。
図1は、センサ装置2を模式的な断面図として示している。センサ装置2にはハウジングアダプタ4と測定接続アダプタ6が付属しており、ハウジングアダプタ4と測定接続アダプタ6は共同でアダプタ5と呼称される。ハウジングアダプタ4と測定接続アダプタ6は互いに固定的に結合されていてもよい。センサハウジング8は、第1のハウジング区域10と第2のハウジング区域12を含んでおり、第1のハウジング区域10はx方向に雌ねじを有しており、これに第2のハウジング区域12の雄ねじが流体密閉的で固定的な閉止のために係合する。
センサハウジング8の内部に、配線板14が結合部材16により機械的かつ導電的にセンサハウジング8と結合されている。センサハウジング8は長軸18を有していて、これからコンデンサデバイス20が等しい大きさの間隔をおいて配置されている。長軸18に沿ってx方向に、第1の内部導体区域22が配線板14から突出している。測定接続アダプタ6は第2の内部導体区域とも呼称される。配線板14は両方の側にコンデンサデバイス20を有している。コンデンサデバイス20はそれぞれ長軸18を中心として環状に配置されている。配線板14そのものは、長軸18の法平面24に位置している。
センサハウジング8、ハウジングアダプタ4、および測定接続アダプタ6は導電性の材料から製作される。センサハウジング8はセンサアダプタ4を介して、接地された、または接地可能な測定接続部によりフィードスルーで接地可能である。このようにすべてのコンデンサデバイス20が、フィードスルーの測定接続部と結合可能である内部導体22と、接地可能なセンサハウジング8との間にそれぞれつながれる。
センサ装置2、ハウジングアダプタ4、および測定接続アダプタ6はいずれも長軸18に関して実質的に同軸に構成されており、すなわち、これらは長軸18を中心として実質的に回転対称に構成されている。x方向と逆向きに配線板14から抵抗Rmが突出していて、この抵抗はx方向と逆向きに、図示しない形態でコネクタ27を介して、外部からアクセス可能な測定接続部24と導電接続される。
第1の内部導体区域22の周囲には、センサハウジング8の内部空間28で、第2のハウジング区域12と配線板14との間に図示しない形態で長軸18と同軸に、コイルの形態の変流器が配置されている。
ハウジングアダプタ4は、センサハウジング側の区域30により、センサハウジング8の円筒状の収容空間32に収容可能である。シール材34および36が環状に施工されていて、区域30とセンサハウジング8との間で流体密閉式の結合をする役目を果たす。センサハウジング8の中で半径方向に区域30へ供給可能なクランプねじ36が、環状の溝38への係合のために構成されている。クランプねじ36と溝38に代えて、収容空間32での区域30のこれ以外の固定を行うこともできる。それにより、センサハウジング8をハウジングアダプタ4と固定的かつ流体密閉式に結合可能である。
測定接続アダプタ6は、測定接続部と結合可能である内側に位置する収容区域40をx方向に有している。測定接続部は、特に、収容区域40に収容可能であるピンとして構成される。x方向と逆向きに、測定接続部6は、半径方向外側に向かって過電圧防護デバイス46のそれぞれのばね44と電気接触するために構成された区域42を有している。それにより、過電圧防護デバイス46は測定接続部に外嵌される測定接続アダプタ6とつながれ、および、アースとフィードスルーの接地ライニングとの間で接地されるハウジングアダプタ4とつながれる。
このように検査ステップで、配置されるセンサハウジング8なしに、区域42とハウジングアダプタ4の外側との間でフィードスルーの主キャパシタンスを測定することで、測定接続アダプタ6とハウジングアダプタ4の正しい設置をチェックすることができる。フィードスルー52の主キャパシタンスの測定は、たとえば第1の時点でフィードスルー52の高圧側に電圧を印加し、第1の時点から、区域42とハウジングアダプタ42の間で電圧が事前設定された値まで上昇する第2の時点までの時間を測定することで行うことができる。肯定的な検査の後に、すなわち測定値が所望の目標値と一致した後に、センサハウジング8を区域30を介して流体密閉式かつ固定的にハウジングアダプタ4と結合することができる。事前に測定接続部で直接判定された別の測定値と測定値が一致したときにも、肯定的な検査を同様に行うことができる。測定接続アダプタ6は、センサ装置2の内部導体の一部を形成する。それにより、ハウジングアダプタ4と測定接続アダプタ6とを含むアダプタ5を、測定接続部64および取付装置66と結合可能である。アダプタ5で、検査ステップに基づいてフィードスルー52の主キャパシタンスを測定可能である。センサハウジング8は、検査ステップが成功した後に、アダプタ5を用いて取付装置66と結合可能である。
アダプタ5にセンサハウジング8が配置された後、測定を実施することができる。過電圧防護部46がリリースされていると、センサ装置2によって信号を判定可能でないことになる。
第1の内部導体区域22は、測定接続アダプタ6の収容区域50へ収容可能であるマルチプルスプリングワイヤプラグ48を有している。それにより測定接続アダプタ6を、測定接続部と反対を向いている側で、配線板14から突出している内部導体区域22ないし48と結合可能である。
図2は、フィードスルー52の設計形態を一例として模式的な図面で示している。フィードスルー52は外部空間を、高圧変圧器56の絶縁流体で充填された内部空間54と接続し、高圧フィードスルーとも呼ぶことが可能である。フィードスルー52は高圧導体58を含んでおり、ならびに、高圧導体58と同軸に配置されてz方向で別様に段差のある、相互に絶縁された制御ライニング60を含んでいる。接地ライニング62がもっとも外側のライニングとして施工されて、ピンとして製作される測定接続部64を介して、フィードスルー52から導出されている。ピンの周囲には、測定接続部64に基づき、一般的には取付装置と呼ぶ接地されたフランジ66が配置される。測定接続部64は、フィードスルー52の外面からアクセス可能である。測定接続部64はフランジ66に対して、またはその他の取付装置に対して絶縁されるとともに、容量式に制御されるフィードスルー52の外側の導電性層の内の1つに、本例では一例として接地ライニング62に取付られて、損失係数、キャパシタンス、および部分放電の測定を可能にし、それに対して、フィードスルー52のフランジ66は接地される。
このようにx方向で、まず測定接続アダプタ6が測定接続部64に外嵌され、次いで、ハウジングアダプタ4が測定接続アダプタ6を非導電的に収容するようにフランジ66に配置され、最後に、センサハウジング8がハウジングアダプタ4に配置される。
図3では、センサ装置2がフランジ66を介して流体密閉式かつ固定的にフィードスルー52と結合されている。クランプねじ36だけが、まだクランプ状態で示されていない。このように図3は、測定接続部64が測定接続アダプタ6の収容区域40によってどのように収容され、そのようにして測定接続部64から内部導体区域22を介してコンデンサデバイス20との電気接続を成立させるかを図示している。図1とは異なり、図3にはハウジングアダプタ4の別の実施形態が示されている。ハウジングアダプタ4はx方向で、フランジ66の雌ねじに係合する。したがってフランジ66は、測定接続部64が挿通される測定開口部を提供する。測定接続部64は、接地キャップにより接地可能である制御ライニングと、すなわち接地ライニング62と、導電接続されている。
図4aは、本件で適用される容量式の分配器に依拠する測定原理の模式的な等価回路図68を示している。フィードスルー52は高圧導体58を含んでいる。主キャパシタンスC1は、高圧導体58と測定接続部64の間のキャパシタンスである。ピックアップキャパシタンスC2は、測定接続部64と接地された取付フランジ66との間のキャパシタンスである。フィードスルー52とセンサ装置2の間のインターフェースとしての役目を、測定接続部64と接地されたフランジ66とが果たす。測定キャパシタンスCmがコンデンサデバイス20によって形成される。測定キャパシタンスCmと測定接続部24の間に、抵抗Rmが配置されている。測定接続部24と接地された接続部70との間で、測定電圧Umを評価ユニット72により検出可能である。抵抗Rmは、接続部24および70と評価ユニット72との間の導線を相応の特性インピーダンスで終端する。
図4bは模式的な電圧・時間・グラフを示している。電圧Uが時間tに対して図示されている。50Hzの周波数を有する位相の電圧推移74が示されている。電圧推移74は、振幅A1およびA2を有する、過渡的な推移76の形態の差異を時点t1の周辺に有している。このような過渡的な推移76を、センサ装置2により測定電圧Umとして図像化可能である。
図4cは、一例としての模式的な減衰・周波数・グラフを示しており、既知の電圧形状を有する、特に既知の周波数を電圧Uinが高圧導体58とアースの間で設定されており、電圧Uoutが測定接続部24とアースの間で測定されている。減衰推移78は、第1の下側の周波数領域80ではほぼ一定の減衰を有しており、中程度の周波数領域82では減衰が共振周波数84の領域で低下しており、高い周波数領域86では再びほぼ一定の減衰が実現される。
図5は配線板14の平面図を示している。長軸18を中心として環状に、コンデンサデバイス20が配置されている。コンデンサデバイス20は、長軸18に向かっては、平坦に構成された第1の導体87と導電接続されるとともに、外方に向かっては、平坦に構成された第2の導体88と導電接続される。さらには図示しない形態で、2つの別の過電圧防護デバイスが第1の導体87と第2の導体88の間に配置される。第1の導体87は実質的に円環状であるとともに、取付穴ないしフィードスルー穴によってのみ途切れている。第2の導体88も実質的に円環状に構成される。導体87および88は、長軸18に対して実質的に同軸に構成されている。接触穴90が、センサハウジング8の機械的、電気的な接触のための役目を果たす。
図6には、過電圧防護デバイス46が配置される環状のばね92の模式的な平面図が示されている。ばね92は、ハウジングアダプタ4の区域30の対応する内側溝に収容可能である。
図7は、センサ装置2の別の実施形態をハウジングアダプタ4と測定接続アダプタ6なしに示している。図1とは異なり、センサハウジング8の中に、法平面24から間隔をおく長軸18の別の法平面96に別の配線板94が配置されている。配線板94は配線板14に準じて構成される。相応の結合手段98が、センサハウジング8との電気的、機械的な結合を成立させる。
表面実装されたコンデンサデバイスはSMDコンデンサデバイスとも呼ぶことが可能であり、ここでSMDはSurface Mounted Deviceを表す。