JP2018502854A - 疾患および障害を処置するためのカルシトニン類似体 - Google Patents

疾患および障害を処置するためのカルシトニン類似体 Download PDF

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Abstract

被験体の肝臓において、肝臓トリグリセリドの低減をもたらす、または脂肪蓄積を減少させる医薬としてのカルシトニン類似体。【選択図】なし

Description

本発明は、カルシトニンの類似体または模倣体に関し、また被験体の肝臓における脂肪の蓄積の低減におけるその使用に関する。
様々な種から天然に産生されるカルシトニンおよび天然カルシトニンの類似体は、糖尿病(I型およびII型)、過剰体重、食物摂取過剰、およびメタボリック症候群が含まれるがこれらに限定されない様々な疾患および障害の処置、血中グルコースレベルの調節、ブドウ糖負荷試験に対する応答の調節、食物摂取の調節、骨粗鬆症の処置ならびに骨関節炎の処置における医薬として提案されている。
今回、本発明者らは天然カルシトニンの特定の類似体が、肝臓におけるトリグリセリド(脂肪)の蓄積を減少させるという予測し得ない効果を有することを発見した。
WO2013/067357には、特性の改善をもたらすことを意図する修飾アミノ酸配列を有する天然カルシトニンの合成バリアントが開示されている。
GB1320112.4には、さらに有利な効果を有するカルシトニンが開示されている。
Kusakabeら(2011)は、アミリンおよびレプチン(L/A)の組み合わせの、組織トリグリセリド含量に対する効果について試験を行った。L/Aの同時投与は組織トリグリセリド含量を有意に低減することを発見した。アミリン用量は、100μg kg−1であった。しかし、単独投与の場合、LとAのいずれも、生理食塩水と比較して、組織トリグリセリド含量を低減しなかった。
Nishizawaら(1988)は、合成サケカルシトニンをラットに1000mU/ラット(1IU=25μg)を単回投与で、または12週間にわたり用量依存的に(0.5〜50mU/ラット)皮下投与した結果、血清中のトリグリセリドレベル、リポ蛋白レベルおよびコレステロールレベルを減少させたことを開示している。
また、同文献には、カルシトニンが培養ラット肝細胞においてコレステロールおよびトリグリセリドへのアセテートの取り込みを減少させたことが示されている。
組織トリグリセリド、特に肝臓トリグリセリドを減少させるためのより効果的な処置の開発が現在も求められている。
ここで、本発明は、被験体の肝臓において肝臓トリグリセリドの低減をもたらす、または脂肪蓄積を減少させる医薬としてのカルシトニン類似体を提供し、このカルシトニン類似体は、配列番号1または配列番号2に示され、
配列番号1は、CXSLSTCXLGXLXQXLHXLQXPXTDVGX10NAX11であり、
ここで、独立に、Xは、AまたはSであり;Xは、VまたはMであり;XはKまたはRであり;Xは、SまたはTのいずれかであり、Xは、DまたはEのいずれかであり;Xは、KまたはRであり;Xは、TまたはSであり;Xは、FまたはYであり;Xは、KまたはRであり;X10は、AまたはSであり;X11は、PまたはYであるが、Pが好ましく、
配列番号2は、CSNLSTCXLGXLSQXLHXLQXPXTDVGX10NX1211であり、
ここで、独立に、Xは、VまたはMであり;Xは、KまたはRであり;Xは、DまたはEであり;Xは、KまたはRであり;Xは、TまたはSであり;Xは、FまたはYであり;Xは、KまたはRであり;X10は、AまたはSであり;X12は、TまたはAであり、X11は、PまたはYであるが、Pが好ましく、ここで、前記ペプチド配列は各々、第1のアミノ酸の正の電荷を低減するために、そのN末端においてカルボキシル化するかまたは他の形で修飾することができ、これとは独立に、そのC末端においてアミド化することができ、各々の中の1位および7位のシステイン残基を、ともにα−アミノスベリン酸(Asu)で置きかえることができる。
本発明において使用される好ましいペプチド配列には、以下が含まれ、
配列番号3:CASLSTCXLGXLXQXLHXLQXPXTDVGX10NAX11
ここで、独立に、Xは、VまたはMであり;Xは、KまたはRであり;Xは、SまたはTのいずれかであり、Xは、DまたはEのいずれかであり;Xは、KまたはRであり;Xは、TまたはSであり;Xは、FまたはYであり;Xは、KまたはRであり;X10は、AまたはSであり;X11は、PまたはYであるが、Pが好ましく、
配列番号4:CASLSTCMLGRLSQXLHRLQXPKTDVGANAX11
ここで、独立に、Xは、DまたはEのいずれかであり;Xは、TまたはSであり;Xは、FまたはYであり;X11は、PまたはYであるが、Pが好ましく、
配列番号5:CSNLSTCVLGXLSQELHXLQTXPRTDVGANX1211
ここで、独立に、Xは、KまたはRであり;Xは、KまたはRであり;Xは、FまたはYであり;X12は、TまたはAであり、X11は、PまたはYであるが、Pが好ましく、
これらのすべては上述のように修飾することができる。
本発明において使用される他の好ましいペプチドには、以下が含まれ、
配列番号6:CASLSTCVLGRLSQXLHRLQTXPRTDVGANAP
配列番号7:CASLSTCMLGKLTQXLHKLQTXPRTDVGANAP
配列番号8(KBP−056/057):CASLSTCVLGKLSQXLHKLQTXPKTDVGANAP
配列番号9(KBP−088/089):CSNLSTCMLGRLSQXLHRLQTXPKTDVGANAP
配列番号10:CASLSTCMLGRLSQXLHRLQTXPKTDVGANAP
配列番号11:CASLSTCMLGKLTQXLHKLQTXPKTDVGANAP
配列番号12:CASLSTCVLGKLSQXLHKLQTXPRTDVGANAP
配列番号13:CSNLSTCVLGRLSQXLHRLQTXPKTDVGANAP
配列番号14(KBP−017):CASLSTCVLGKLSQXLHKLQSXPKTDVGANAP
配列番号15(KBP−018):CASLSTCVLGKLSQXLHKLQTXPKTDVGANAP
ここで、Xは、DまたはEのいずれかであり、Xは、独立に、FまたはYのいずれかであり、前記配列は各々、第1のアミノ酸の正の電荷を低減するために、そのN末端においてカルボキシル化するかまたは他の形で修飾することができ、これとは独立に、そのC末端においてアミド化することができ、各々の中の1位および7位のシステイン残基を、ともにα−アミノスベリン酸(Asu)で置きかえることができる。
本発明において使用される他の好ましいペプチドには、以下が含まれ、
配列番号16(KBP−011):CASLSTCVLGRLSQELHRLQTFPRTDVGANAP
配列番号17:CASLSTCMLGKLTQELHKLQTFPRTDVGANAP
配列番号18(KBP−018):CASLSTCVLGKLSQELHKLQTFPKTDVGANAP
配列番号19(KBP−088):CSNLSTCMLGRLSQELHRLQTFPKTDVGANAP
配列番号20:CASLSTCVLGRLSQELHRLQTYPRTDVGANAP
配列番号21:CASLSTCMLGKLTQELHKLQTYPRTDVGANAP
配列番号22:CASLSTCVLGKLSQELHKLQTYPKTDVGANAP
配列番号23(KBP−021):CSNLSTCMLGRLSQELHRLQTYPKTDVGANAP
配列番号24:CASLSTCVLGRLSQDLHRLQTFPRTDVGANAP
配列番号25:CASLSTCMLGKLTQDLHKLQTFPRTDVGANAP
配列番号26(KBP−056):CASLSTCVLGKLSQDLHKLQTFPKTDVGANAP
配列番号27:CSNLSTCMLGRLSQDLHRLQTFPKTDVGANAP
配列番号28:CASLSTCVLGRLSQDLHRLQTYPRTDVGANAP
配列番号29:CASLSTCMLGKLTQDLHKLQTYPRTDVGANAP
配列番号30(KBP−057):CASLSTCVLGKLSQDLHKLQTYPKTDVGANAP
配列番号31(KBP−089):CSNLSTCMLGRLSQDLHRLQTYPKTDVGANAP
配列番号32:CASLSTCVLGRLSQELHRLQSFPRTDVGANAP
配列番号33:CASLSTCMLGKLTQELHKLQSFPRTDVGANAP
配列番号34:CASLSTCVLGKLSQELHKLQSFPKTDVGANAP
配列番号35:CSNLSTCMLGRLSQELHRLQSFPKTDVGANAP
配列番号36:CASLSTCVLGRLSQELHRLQSYPRTDVGANAP
配列番号37:CASLSTCMLGKLTQELHKLQSYPRTDVGANAP
配列番号38:CASLSTCVLGKLSQELHKLQSYPKTDVGANAP
配列番号39:CSNLSTCMLGRLSQELHRLQSYPKTDVGANAP
配列番号40:CASLSTCVLGRLSQDLHRLQSFPRTDVGANAP
配列番号41:CASLSTCMLGKLTQDLHKLQSFPRTDVGANAP
配列番号42:CASLSTCVLGKLSQDLHKLQSFPKTDVGANAP
配列番号43:CSNLSTCMLGRLSQDLHRLQSFPKTDVGANAP
配列番号44:CASLSTCVLGRLSQDLHRLQSYPRTDVGANAP
配列番号45:CASLSTCMLGKLTQDLHKLQSYPRTDVGANAP
配列番号46(KBP−017):CASLSTCVLGKLSQDLHKLQSYPKTDVGANAP
配列番号47:CSNLSTCMLGRLSQDLHRLQSYPKTDVGANAP
配列番号48:CSNLSTCVLGKLSQELHKLQTYPRTDVGANAP
配列番号49(KBP−019):CASLSTCMLGRLSQDLHRLQTYPKTDVGANAP
これらは上述のように修飾することができる。
配列番号50(KBP−011):AcCASLSTCVLGRLSQELHRLQTFPRTDVGANAP−NH
配列番号51(KBP−017):AcCASLSTCVLGKLSQDLHKLQSYPKTDVGANAP−NH
配列番号52(KBP−018):AcCASLSTCVLGKLSQELHKLQTFPKTDVGANAP−NH
配列番号53(KBP−023):AcCASLSTCMLGKLTQELHKLQTFPRTDVGANAP−NH
配列番号54(KBP−042):AcCSNLSTCVLGKLSQELHKLQTYPRTDVGANAP−NH
配列番号55(KBP−056):AcCASLSTCVLGKLSQDLHKLQTFPKTDVGANAP−NH
配列番号56(KBP−057):AcCASLSTCVLGKLSQDLHKLQTYPKTDVGANAP−NH
配列番号57(KBP−088):AcCSNLSTCMLGRLSQELHRLQTFPKTDVGANAP−NH
配列番号58(KBP−089):AcCSNLSTCMLGRLSQDLHRLQTYPKTDVGANAP−NH
本発明において使用される他の好ましいペプチドには、以下が含まれ、
配列番号59:CASLSTCVLGRLSQXLHRLQTXPKTDVGANAY
配列番号60:CASLSTCMLGKLTQXLHKLQTXPKTDVGANAY
配列番号61:CASLSTCVLGKLSQXLHKLQTXPKTDVGANAY
配列番号62:CSNLSTCMLGRLSQXLHRLQTXPKTDVGANAY
配列番号63:CASLSTCVLGRLSQXLHRLQTXPRTDVGANAY
配列番号64:CASLSTCMLGKLTQXLHKLQTXPRTDVGANAY
配列番号65:CASLSTCVLGRLSQXLHRLQTXPKTDVGANAP
配列番号66:CASLSTCMLGKLTQXLHKLQTXPKTDVGANAP
ここで、Xは、DまたはEのいずれかであり、Xは、独立に、FまたはYのいずれかであり、これらのいずれかは上述のように修飾することができる。
本発明において使用される他の好ましいペプチドには、以下が含まれ、
配列番号67:CASLSTCVLGRLSQELHRLQTFPKTDVGANAY
配列番号68:CASLSTCMLGKLTQELHKLQTFPKTDVGANAY
配列番号69:CASLSTCVLGKLSQDLHKLQTFPKTDVGANAY
配列番号70:CSNLSTCMLGRLSQELHRLQTFPKTDVGANAY
配列番号71:CASLSTCVLGRLSQELHRLQTFPRTDVGANAY
配列番号72:CASLSTCMLGKLTQELHKLQTFPRTDVGANAY
配列番号73:CASLSTCVLGRLSQELHRLQTFPKTDVGANAP
配列番号74:CASLSTCMLGKLTQELHKLQTFPKTDVGANAP
これらのいずれかは上述のように修飾することができる。
ペプチドは、医薬としての投与用に製剤化することができ、腸内投与用に製剤化することもでき、非経口投与用に製剤化することもできる。好ましい製剤は、注射製剤、好ましくは、皮下注射製剤であるが、ペプチドは、経口投与用の担体と共に製剤化することができ、この場合、任意選択的に、担体はペプチドの経口バイオアベイラビリティを増大させる。適切な担体は、5−CNAC、SNAD、またはSNACを含む担体を含む。
任意選択的に、ペプチドはコーティングされたクエン酸粒子を含む経口投与用の医薬組成物中に製剤化され、コーティングされたクエン酸粒子は、ペプチドの経口バイオアベイラビリティを増大させる。
本発明は、医薬としての使用のための本発明のペプチドを含む。ペプチドは、糖尿病(I型および/またはII型)、過剰体重、食物摂取過剰、メタボリック症候群、関節リウマチ、非アルコール性脂肪肝疾患、骨粗鬆症、または骨関節炎、血中グルコースレベルの調節不良、ブドウ糖負荷試験に対する応答の調節不良、または食物摂取の調節不良の処置における使用のためのペプチドであり得る。特に、ペプチドは、有害な程度に高い空腹時血中グルコースレベルを低下させるのに使用することもでき、有害な程度に高いHbA1cを低下させるのに使用することもでき、あるいは有害な程度に高いブドウ糖負荷試験に対する応答を低減するのに使用することもできる。好ましくは、本発明のペプチドは、被験体の肝臓において肝臓トリグリセリドの低減をもたらすかおよび/または脂肪蓄積を減少させ、一方で同時に、被験体の食物摂取および/または体重の低減に用いることができる。
一部の実施形態では、上記で論じたカルシトニン模倣体のN末端側を修飾して、第1のアミノ酸の正の電荷を低減する。例えば、アセチル、プロピオニル、またはスクシニル基で、システイン1を置換することができる。本明細書中、「Ac」とは、アセチル基修飾を指す。各「Ac」は、プロピオニル基修飾を指す「Pr」で置きかえることもでき、またはスクシニル基修飾を指す「Succ」で置きかえることもできる。「NH」とは、アミド化されたC末端カルボン酸基を指す。正の電荷を低減する代替的な手段には、N末端におけるポリエチレングリコールベースのPEG化、またはグルタミン酸もしくはアスパラギン酸などの別のアミノ酸の付加が含まれるが、これらに限定されない。あるいは、リシン、グリシン、ホルミルグリシン、ロイシン、アラニン、アセチルアラニンおよびジアラニルが含まれるがこれらに限定されない他のアミノ酸を、上記で論じたペプチドのN末端へと付加することもできる。当業者により察知される通り、複数のシステイン残基を有するペプチドは、2つのこのようなシステイン残基の間でジスルフィド架橋を形成する頻度が高い。本明細書で提示される全てのこのようなペプチドは、場合によって、1または複数のこのようなジスルフィド架橋を、特に、Cys1−Cys7位に組み入れるものとして規定される。これを模倣すると、1位および7位におけるシステインは、α−アミノスベリン酸連結で接合的に置きかえることができる。本明細書で開示される全てのペプチドであって、KBP−0##番号を有するペプチドは、このようなジスルフィド架橋を有する。
本開示のカルシトニン模倣体は、遊離酸形態で存在し得るが、C末端のアミノ酸をアミド化することが好ましい。本出願人らは、このようなアミド化が、ペプチドの有効性および/またはバイオアベイラビリティに寄与し得ることを予測する。本開示のカルシトニン模倣体のアミド化形を製造するのに好ましい技法は、公知の技法に従い、前駆体(所望のアミド化生成物のC末端のアミノ基の代わりにグリシンを有する)を、ペプチジルグリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼの存在下で反応させることであり、ここで、前駆体は、例えば、US4708934、ならびにEP0308067およびEP0382403において記載されている反応により、アミド化生成物へと転換される。
組換えによる作製は、前駆体と、前駆体のサケカルシトニンへの転換を触媒する酵素との両方のために好ましい。このような組換えによる作製は、前駆体のアミド化生成物への転換についてさらに記載する、Ray MV、Van Duyne P、Bertelsen AH、Jackson−Matthews DE、Sturmer AM、Merkler DJ、Consalvo AP、Young SD、Gilligan JP、Shields PPによる、Biotechnology、11巻(1993)、64〜70ページにおいて論じられている。この文献で報告されている組換えによる生成物は、天然のサケカルシトニンと同一であり、溶液相および固相による化学的ペプチド合成を用いて作製されるサケカルシトニンとも同一である。
アミド化生成物の作製はまた、US7445911におけるConsalvoら;Millerら、US2006/0292672;Rayら、2002、Protein Expression and Pruification、26:249〜259;およびMehta、2004年7月、Biopharm.International、44〜46ページにより示される手順およびアミド化酵素を用いても達成することができる。
好ましいアミド化ペプチドの作製は、例えば、E.coli内で、グリシン伸長前駆体を、グルタチオン−S−トランスフェラーゼとの可溶性の融合タンパク質として作製することにより進めることもでき、US6103495において記載されている技法に従い、前駆体を直接発現させることにより進めることもできる。このようなグリシン伸長前駆体は、C末端を除き、所望のアミド化生成物と同一な分子構造を有する(生成物が−−X−−NHで終結するのに対し、前駆体は−−X−glyで終結し、Xは生成物のC末端アミノ酸残基である)。上記の刊行物において記載されるα−アミド化酵素は、前駆体の生成物への転換を触媒する。この酵素は、上記で引用したBiotechnology and Biopharm.の論考において記載される通り、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内の組換えにより作製されることが好ましい。
本開示のペプチド活性薬剤の遊離酸形態も、「前駆体」上のC末端のグリシンを組み入れないことを除き同様に作製することができ、この場合は、この前駆体が、代わりに最終ペプチド生成物であり、アミド化ステップを要しない。
別段に言明される場合を除き、本開示のカルシトニン模倣体の好ましい用量は、治療的目的および予防的目的のいずれについても同一である。所望の用量については、以下でより詳細に論じるが、投与方式に応じて異なる。
別段に言及される場合または文脈から明らかな場合を除き、本明細書における用量とは、医薬賦形剤、医薬希釈剤、医薬担体、または他の成分などのさらなる成分を組み入れることが望まれるが、これらにより影響されずこれらを差し引いた活性化合物の重量を指す。ペプチド活性薬剤を送達するために一般に製薬業界で用いられる任意の剤形(カプセル、錠剤、注射など)が本明細書における使用に適し、製薬業界では、「賦形剤」、「希釈剤」、または「担体」という用語が、このような剤形内に有効成分と併せて組み入れることが典型的であるこのような非有効成分を包含する。好ましい経口剤形は、以下でより詳細に論じるが、本開示の活性薬剤を投与する専一の方式であると考えられているわけではない。
本開示のカルシトニン模倣体を患者へと投与して、多数の疾患または障害を処置することができる。本明細書で用いられる「患者」という用語は、動物界に属する任意の生物を意味する。ある実施形態では、「患者」という用語が、脊椎動物、より好ましくは、ヒトを含めた哺乳動物を指す。
当技術分野では、性別、年齢、および身長など、多数の因子に照らして体重の正常な範囲の尺度が数多く認識されている。本明細書で示される処置レジメンまたは防止レジメンを必要とする患者には、その体重が認識されている基準を超える患者、または、遺伝的因子、環境的因子、もしくは他の認識されている危険性因子に起因して、太り過ぎもしくは肥満となる危険性が一般的な人口集団より高い患者が含まれる。本開示によれば、カルシトニン模倣体を用いて、糖尿病を処置し得ることが想定されており、そこでは、体重のコントロールが処置の一側面である。
ある実施形態では、上記方法は、本明細書で記載されるペプチドのうちのいずれか1つの医薬としての有効量を、前記状態を処置するためにこれを必要とする患者へと腸内投与することを包含する。
ある実施形態では、上記方法は、本明細書で記載されるペプチドのうちのいずれか1つの医薬としての有効量を、前記状態を処置するためにこれを必要とする患者へと非経口投与することを包含する。非経口投与(腹腔内注射、皮下注射、静脈内注射、皮内注射、または筋内注射を含む)のために、例えば、本開示のペプチドの、ゴマ油もしくはラッカセイ油中または水性プロピレングリコール中の溶液を使用することができる。必要な場合、水溶液は、適切に緩衝処理し(8を超えるpHが好ましい)、液体の希釈剤をまず等張性にするものとする。これらの水溶液は、静脈内注射用に適する。油性溶液は、動脈内注射、筋肉内注射、および皮下注射用に適する。滅菌条件下におけるこれらの溶液全ての調製は、当業者に周知の標準的な製薬法により容易に達成される。非経口適用に適する調製物の例には、溶液、好ましくは、油性溶液または水溶液のほか、懸濁液、エマルジョン、または坐剤を含めたインプラントが含まれる。ペプチドは、注射剤と共に一般に用いられる、滅菌の生理食塩液、または5%生理食塩液のデキストロース溶液など、流体の担体中に分散させるなど、複数回投与フォーマットの滅菌形態で製剤化することもでき、単回投与フォーマットの滅菌形態で製剤化することもできる。
上記方法は、患者が前記状態を患っているかどうかを決定する予備的ステップ、および/または、例えば、各症例において、経口ブドウ糖負荷試験もしくは安静時血糖レベルの測定を実行して、前記処置が前記患者における状態を軽減するのにどの程度有効であるのかを決定する後続のステップを包含し得る。
患者の体重に対するコントロールを改善する目的で、減量を行うかまたは体重増加を回避するためには、活性化合物を、毎日少なくとも2回のように毎日1回以上、例えば、毎日2〜4回にわたり投与することが好ましい。活性化合物の製剤は、このような投与スケジュールに適切な単位用量を含有し得る。活性化合物は、糖尿病またはメタボリック症候群のための処置を受ける患者の体重をコントロールすることを視野に入れて投与することができる。
経口腸溶性製剤は、口腔内に保持して、舌下経路または口腔内経路を介する血流への移動を可能とする製剤とは対照的に、胃の下方の腸におけるその後の放出と、したがって、門脈を介する肝臓への送達のために、嚥下により摂取される製剤である。
本開示における使用に適する剤形には、錠剤、ミニタブレット、カプセル、顆粒、ペレット、粉末、発泡性固体、およびチュアブル固体製剤が含まれる。このような製剤には、好ましくは、加水分解されたゼラチンまたは低分子量のゼラチンであるゼラチンを組み入れることができる。このような製剤は、カルシトニンまたはその断片もしくはコンジュゲートと加水分解されたゼラチンまたは低分子量のゼラチンとを含む均質の水溶液を凍結乾燥させ、結果として得られる固体材料を、前記経口医薬製剤へとさらに加工することにより得ることができ、この場合、ゼラチンの平均分子量は1000〜15000ダルトンであり得る。このような製剤には、本明細書で開示される5−CNACまたは他の化合物などの保護的な担体化合物を組み入れることができる。
錠剤およびカプセルなどの経口製剤が好ましいが、本開示における使用のための組成物は、シロップ、エリキシル剤など、および坐剤などの形態も取り得る。経口送達は一般に、簡便であり、比較的容易であり、一般に痛みがなく、他の送達方式と比べて患者の服薬遵守の増大を結果としてもたらすので、選り抜きの送達経路である。しかし、消化管内で変化するpH、強力な消化酵素、活性薬剤が不透過性である消化管膜などの生物学的障壁、化学的障壁、および物理的障壁は、カルシトニン様ペプチドの哺乳動物への経口送達を問題のあるものとしており、例えば、哺乳動物における甲状腺の傍濾胞細胞、ならびに鳥類および魚類の鰓後腺により分泌される長鎖ポリペプチドホルモンであるカルシトニンの経口送達は、元来、消化管におけるカルシトニンの安定性が不十分であることのほか、腸壁を介するカルシトニンの血流への輸送が容易に可能ではないことに少なくとも部分的に起因して、困難であることが判明していた。
しかし、以下では、適切な経口製剤について記載する。
<患者の処置>
ある実施形態では、本開示のカルシトニン模倣体を、患者における模倣体の血清レベルを、1ミリリットル当たり5ピコグラム〜500ナノグラムの間、好ましくは、1ミリリットル当たり50ピコグラム〜250ナノグラムの間、例えば1〜100ナノグラムの間で維持するのに十分な用量で投与する。血清レベルは、当技術分野で公知のラジオイムノアッセイ法により測定することができる。主治医は、患者の応答をモニタリングすることができ、次いで、個別の患者における代謝および応答を引き起こすように、用量をある程度変化させることができる。ほぼ同時的な放出は、本開示の全ての構成成分を、単一の丸薬またはカプセルとして投与することにより最も良好に達成される。しかし、本開示はまた、例えば、要請される量のカルシトニン模倣体を、それらが全ての成分の必要量を併せてもたらすように、併せて投与し得る2つ以上の錠剤またはカプセルに分けることも包含する。本明細書で用いられる「医薬組成物」には、所与の投与において、1または複数の錠剤またはカプセル(または他の剤形)が推奨されるのかどうかに関わらず、患者への特定の投与に適切な完全な用量が含まれるがこれらに限定されない。
本開示のカルシトニン模倣体は、製品Unigene Enteripep(登録商標)において使用される方法を用いて、経口投与用に製剤化することができる。これらには、米国特許第5,912,014号、米国特許第6,086,918号、米国特許第6,673,574号、米国特許第7,316,819号、米国特許第8,093,207号、および米国特許公開第2009/0317462号において記載されている方法が含まれ得る。特に、これらには、化合物の、HIV−TATタンパク質のタンパク質形質導入ドメインなどの膜輸送体へのコンジュゲーション、1もしくは複数のプロテアーゼ阻害剤、および/またはコーティングされ得るpH降下剤、および/または酸抵抗性保護媒体、および/または界面活性剤であり得る吸収増強剤との合剤の使用が含まれ得る。
ある実施形態では、本開示のカルシトニン模倣体は、米国特許公開第2009/0317462号において公知の形で、経口送達用に製剤化することが好ましい。本開示に従う1つの好ましい経口剤形を、以下の表に示す。
ある実施形態では、本開示のカルシトニン模倣体を、適切な担体化合物との混合剤による腸内投与、とりわけ、経口投与用に製剤化することができる。適切な担体化合物には、米国特許第5,773,647号および米国特許第5866536号において記載される担体化合物が含まれ、中でも、5−CNAC(N−(5−クロロサリチロイル)−8−アミノカプリル酸、一般にはその二ナトリウム塩として)は、特に有効である。他の好ましい担体または送達剤は、SNAD(10−(2−ヒドロキシベンズアミド)デカン酸のナトリウム塩)およびSNAC(N−(8−[2−ヒドロキシベンゾイル]アミノ)カプリル酸のナトリウム塩)である。ある実施形態では、本開示の医薬組成物が、送達有効量、すなわち、化合物を送達して所望の効果をもたらすのに十分な量の、5−CNACなどの担体を含む。一般に、5−CNACなどの担体は、全組成物に対する重量で2.5%〜99.4%、より好ましくは、全組成物に対する重量で25%〜50%の量において存在させる。
加えて、WO00/059863は、式I
[式中、
、R、R、およびRは、独立に水素、−OH、−NR、ハロゲン、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシであり;
は、置換もしくは非置換のC〜C16アルキレン、置換もしくは非置換のC〜C16アルケニレン、置換もしくは非置換のC〜C12アルキル(アリーレン)、または置換もしくは非置換のアリール(C〜C12アルキレン)であり;RおよびRは、独立に水素、酸素、またはC〜Cアルキルである]
の二ナトリウム塩;ならびに、カルシトニン、例えば、サケカルシトニンなど、活性薬剤の経口送達に特に効果的なものとしてのその水和物および溶媒和物についても開示しているが、これらは、本開示においても用いることができる。
WO2005/014031において記載される通り、場合により、微粉化5−CNACを用いる腸溶性製剤が一般に好ましい場合がある。
化合物は、Bone Medical Limitedの製品Capsitoninにおいて使用される方法を用いて、経口投与用に製剤化することができる。これらには、Axcess製剤(Axcess formulations)に組み込まれている方法が含まれ得る。より詳しく述べると、有効成分は、胃内の通過に耐えることが可能な腸溶性カプセルへと封入することができる。例えば、WO02/028436において記載される通り、腸溶性カプセルは、活性化合物を、親水性の芳香族アルコールによる吸収増強剤と併せて含有し得る。公知の形において、腸溶性コーティングは、例えば、pHが3〜7のとき、pH感受性の形で透過性となり得る。WO2004/091584はまた、芳香族アルコール吸収増強剤を用いる適切な製剤化法についても記載している。
化合物は、製品Oramedにおいて見られる方法を用いて製剤化することができ、これには、WO2007/029238において見られるか、またはUS5,102,666において記載されている、オメガ−3脂肪酸を伴う製剤が含まれ得る。
一般に、医薬として許容される塩(とりわけ、一ナトリウム塩または二ナトリウム塩)、溶媒和物(例えば、アルコール溶媒和物)、およびこれらの担体または送達剤の水和物を用いることができる。
本開示に従う医薬組成物の経口投与は、例えば、毎日または毎週のベースで1回以上にわたり定期的に達成することもでき;間欠的に、例えば、1日または1週間にわたり不定期的に達成することもでき;または周期的に、例えば、数日間または数週間にわたり定期的に投与した後で、投与しない期間を伴って達成することもできる。本明細書で開示される実施形態の医薬組成物の剤形は、任意の公知の形態であることが可能であり、例えば、液体剤形の場合もあり、固体剤形の場合もある。液体の剤形には、エマルジョン溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物および5−CNACなどの担体に加えて、液体の製剤にはまた、当技術分野において一般に用いられる可溶化剤、例えば、エタノール;綿実油、ヒマシ油、およびゴマ油などの油;保湿剤;乳化剤;懸濁剤;甘味剤;香味剤;および水などの溶媒など、不活性の賦形剤も含まれ得る。固体剤形には、それらの全てが当技術分野で周知の方法により調製され得る、カプセル、軟質ゲルカプセル、錠剤、カプレット、粉末、顆粒、または他の固体経口剤形が含まれる。医薬組成物はさらに、pH調整剤、防腐剤、香味剤、矯味剤、芳香剤、保湿剤、等張剤、着色剤、界面活性剤、可塑化剤、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、流動補助剤、圧縮補助剤、可溶化剤、賦形剤、微晶質セルロース、例えば、FMC社により販売されているAvicel PH102などの希釈剤、またはこれらの任意の組合せが含まれるがこれらに限定されない添加剤も、通常使用される量で含み得る。他の添加剤には、リン酸緩衝塩、クエン酸、グリコール、および他の分散剤が含まれ得る。組成物にはまた、アクチノニンまたはエピアクチノニンおよびこれらの誘導体;アプロチニン、トラジロール、およびボーマンバーク阻害剤などの、1または複数の酵素阻害剤も組み入れることができる。さらに、輸送阻害剤、すなわち、ケトプロフィン(Ketoprofin)などの[rho]−糖タンパク質を本開示の組成物中に存在させることができる。本開示の固体医薬組成物は、従来の方法により、例えば、活性化合物、5−CNACなどの担体、および他の任意の成分の混合物をブレンドし、練り上げ、カプセルへと充填するか、または、カプセルへと充填する代わりに、成形した後、さらに製錠または圧縮成形して、錠剤をもたらすことにより調製することができる。加えて、公知の方法により固体分散液を形成した後、さらに加工して錠剤またはカプセルを形成することもできる。本開示の医薬組成物中の成分は、固体剤形全体にわたり均質にまたは均一に混合することが好ましい。
あるいは、活性化合物は、US2003/0069170において記載されているオリゴマー、例えば、
であり得る前記担体とのコンジュゲートとして製剤化することもできる。
このようなコンジュゲートは、US2003/0069170において記載される通り、脂肪酸および胆汁塩と組み合わせて投与することができる。
例えば、Mansoorらにおいて記載される通り、ポリエチレングリコール(PEG)とのコンジュゲートを用いることができる。
あるいは、活性化合物は、ニトロソ−N−アセチル−D,L−ペニシラミン(SNAP)およびカーボポール溶液と混合するか、またはタウロコール酸塩およびカーボポール溶液と混合して、粘膜付着性エマルジョンを形成することもできる。
活性化合物は、Pregoらにおいて開示されるキトサンナノカプセルへと投入することにより(場合によって、Prego Prego C、Torres D、Fernandez−Megia E、Novoa−Carballal R、Quinoa E、Alonso MJにおける通りにPEG修飾して)製剤化することもでき、Garcia−Fuentesらにおいて開示される、キトサンまたはPEGでコーティングされた脂質ナノ粒子へと投入することにより製剤化することもできる。この目的のためのキトサンナノ粒子は、Guggiらにおいて記載される通り、イミノチオラン修飾することができる。キトサンナノ粒子は、Dogruらにおいて記載される通り、水/油/水エマルジョン中に製剤化することができる。活性化合物のバイオアベイラビリティは、SinkoらまたはSongらにおいて記載される通り、タウロデオキシコール酸またはラウロイルカルニチンを用いることにより増大させることができる。一般に、担体として適するナノ粒子は、de la Fuenteらにおいて論じられており、本開示において用いることができる。
経口製剤に適する他の戦略には、Chiasma LtdによるWO2005/094785において記載されている一過性透過性増強剤(TPE)系の使用が含まれる。TPEでは、疎水性溶媒における固体の親水性粒子の油性懸濁液を用いて、薬物分子を好ましくない消化管(GI)環境による不活化から保護し、同時に、GI壁に対して、そのカーゴ薬物分子の透過を誘導するように働きかける。
US2008/0200563において記載される、粘膜上の排出ポンプの作用を阻害するためのグルタチオンまたは多数のチオール基を含有する化合物の使用もさらに含まれる。このような技法の実施例はまた、Caliceti,P.Salmaso,S.、Walker,G.、およびBernkop−Schnuerch,A.(2004)、「Development and in vivo evaluation of an oral insulin−PEG delivery system」、Eur.J.Pharm.Sci.、22、315〜323;Guggi,D.、Krauland,A.H.、およびBernkop−Schnuerch,A.(2003)、「Systemic peptide delivery via the stomach:in vivo evaluation of an oral dosage form for salmon calcitonin」、J.Control.Rel.92、125〜135;およびBernkop−Schnuerch,A.、Pinter,Y.、Guggi,D.、Kahlbacher,H.、Schoffmann,G.、Schuh,M.、Schmerold,I.、Del Curto,M.D.、D’Antonio,M.、Esposito,P.、およびHuck,Ch.(2005)「The use of thiolated polymers as carrier matrix in oral peptide delivery − Proof of concept」、J.Control.Release、106、26〜33においても記載されている。
活性化合物は、医薬有効成分が、エマルジョン、マイクロエマルジョン、または懸濁液として可溶化される、WO2004/084870において記載されているシームレスのマイクロスフェア内に製剤化することもでき、ミニスフェアへと製剤化することもでき、従来のコーティング法または新規のコーティング法により様々にコーティングし得る。結果として、「あらかじめ可溶化された」形態における封入薬物となり、これは、経口投与されると、活性薬物の、消化管に沿った特定の場所への特定の速度における所定の即時放出または持続放出をもたらす。基本的に、薬物のあらかじめの可溶化は、同時に透過性および薬物安定性を増強しながら、その動態プロファイルの予測可能性を増強する。
US2009/0074824において記載される通り、キトサンでコーティングされたナノカプセルを使用することができる。ナノカプセルは、胃液の作用に対して安定であるので、この技法により投与される活性分子は、ナノカプセルの内部に保護される。加えて、この系の粘膜付着性特性は、腸壁への付着時間を延長する(これらの系の消化管の通過には、遅延が見られることが検証されている)ことから、活性分子のより有効な吸収を容易にする。
TSR1 Inc.により開発された方法を用いてもよい。これらの方法には、親水性可溶化法(HST)が含まれるが、この場合には、正負両方の電荷を保有する天然由来のコラーゲン抽出物であるゼラチンにより、レシチンミセル中に含有される有効成分の粒子がコーティングされ、それらの凝集またはクランピングが防止される。これは、極性相互作用を介して、疎水性薬物粒子の保湿性の改善を結果としてもたらす。加えて、両親媒性のレシチンにより、溶解用流体と粒子表面との間の表面張力が低減される。
有効成分は、賦形剤としてのククルビツリルと共に製剤化することができる。
あるいは、Merrion PharmaceuticalsによるGIPET法を使用して、US2007/0238707において記載される中鎖脂肪酸もしくは中鎖脂肪酸の誘導体、またはUS7268214において記載される膜移行ペプチドであり得る吸収増強剤と共に有効成分を含有する腸溶性コーティング錠剤を作製することもできる。
制御放出剤形からなるGIRES(商標)法を、経口投与用の薬物カプセル内に留置されるガス注入式パウチの内部で使用することができるが、この場合、カプセルが溶解すると、ガス発生系により、胃内でパウチが膨張する。臨床試験では、パウチが胃内に16〜24時間にわたり滞留することが示されている。
あるいは、有効成分を、胃内の酵素的分解に耐えることを可能とする保護的修飾剤へとコンジュゲートし、その吸収を容易とすることもできる。有効成分は、単分散の短鎖メトキシポリエチレングリコール糖脂質誘導体と共有結合的にコンジュゲートし、これを、精製後に、乾燥医薬有効成分へと結晶化および凍結乾燥させることができる。このような方法は、US5438040およびwww.biocon.comにおいて記載されている。
有効成分を送達するためにはまた、肝指向性小胞(HDV)も使用することができる。HDVは、有効成分を封入するリポソーム(≦150nm直径)からなってよく、それらの脂質二重層内にはまた、肝細胞ターゲティング分子も含有してよい。ターゲティング分子は、封入された有効成分の肝細胞への送達を方向付け、したがって、効果をもたらすのに要請される有効成分は比較的少量である。このような技法はUS2009/0087479において記載されており、さらに、www.diasome.comにおいても記載されている。
有効成分は、中鎖部分グリセリドとともに、場合により、インスリンとの関連でUS2002/0115592において記載される長鎖のPEG種と混合させて、アルコールと共溶媒とを含む実質的に非水性の親水性溶媒をさらに含有する組成物へと組み込むことができる。
あるいは、Shen Z、Mitragotri S、Pharm Res.、2002年4月、19(4):391−5、「Intestinal patches for oral drug delivery」において記載されている腸内パッチも用いることができる。
有効成分は、米国特許第7189414号において記載されている、疎水性ポリマーとブレンドしたハイドロゲルから形成される浸食性マトリックスへと組み込むことができる。
処置される成人ヒトに適する用量レベルは、0.001μg/kg/日から50mg/kg/日の範囲であり得る。より好ましくは、用量は、0.01μg/kg/日から5mg/kg/日の範囲、さらに好ましくは、0.1μg/kg/日から500μg/kg/日の範囲であり得る。このような用量範囲は、経口剤のまたは非経口の例えば注射用剤の有効成分用である。経口のまたは他の腸溶性製剤については、用量は、0.01〜100mg/kg/日であり、注射用または他の非経口製剤については、0.01〜1000μg/kg/日であり得る。
患者の投与処置の頻度は、毎日1〜6回、例えば、毎日2〜4回であり得る。処置は、少なくとも6週間、好ましくは少なくとも6カ月間、好ましくは少なくとも1年間の長期にわたり維持されることが望ましく、場合によっては生涯にわたり維持されることが望ましい。
関連する状態のための併用処置を、本開示に従う組成物と、1または複数の他の治療剤の別個の投与とを用いて実行することができる。あるいは、併用投与用に、本開示に従う組成物に1または複数の他の治療剤を組み込むことができる。
本開示に従う併用療法には、記載される活性化合物の、インスリン、GLP−2、GLP−1、GIP、もしくはアミリンとの組合せ、または一般に、他の抗糖尿病剤との組合せが含まれる。これにより、メトフォルミン、ブホルミン、およびフェンホルミンなどのビグアニド、バラグリタゾン、ピオグリタゾン、リボグリタゾン、ロシグリタゾン、およびトログリタゾンなどのTZD(PPAR)、アレグリタザール、ムラグリタザール、およびテサグリタザールなどの二重PPARアゴニストを含めたインスリン増感剤、またはカルブタミド、クロルプロパミド、グリクラジド、トルブタミド、トラザミド、グリピジド、グリベンクラミド、グリブリド、グリキドン、グリクロピラミド、およびグリメピリドなどのスルホニルウレア、ナテグリニド、レパグリニド、およびミチグリニドなどのメグリチニド/グリニド(K+)、エキセナチド、リラグルチド、およびアルビグルチドなどのGLP−1類似体、アログリプチン、リナグリプチン、サキサグリプチン、シタグリプチン、およびビルダグリプチンなどのDPP−4阻害剤を含めた分泌促進剤、(急速作用型)インスリンリスプロ、インスリンアスパルト、インスリングルリジン、(長時間作用型)インスリングラルギン、インスリンデテミルなどのインスリン類似体もしくは特殊な製剤、吸入用のインスリンエクスベラおよびNPHインスリン、ならびにアカルボース、ミグリトール、およびボグリボースなどのアルファ−グルコシダーゼ阻害剤、プラムリンチドなどのアミリン類似体、デパグリフロジン、レモグリフロジン、およびセルグリフロジンなどのSGLT2阻害剤を含めた他の薬剤のほか、ベンフルオレックスおよびトルレスタットを含めた種々の薬剤と共に、合剤とすることを含む併用療法を施すことができる。
さらに、併用には、レプチンと共に同時投与するまたは合剤とすることが含まれる。レプチン抵抗性は、2型糖尿病の要素として十分に確認されたものであるが、これまでのところ、レプチンの注射は、この状態を改善できていない。これに対し、アミリンや、したがってサケカルシトニン模倣体などアミリン様の能力を伴う分子も、レプチン感受性を改善することが可能であることを裏付ける証拠が存在する。アミリン/レプチンの併用は、体重および食物摂取に対する相乗作用的効果を示しており、また、インスリン抵抗性も示している[Kusakabe Tら]。
以下の実施例では、本明細書で開示される実施形態が記載されるが、これらは、本開示を理解する一助となる目的で提示されるものであり、いかなる形であれ、その後に後続する特許請求の範囲において規定される本開示の範囲を限定するものとみなすべきではない。以下の実施例は、当業者に、記載される実施形態をどのようにして実施して用いるのかについての完全な開示および記載を与える目的で提示されるものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものでも、以下の実験が実施した全ての実験または唯一の実験であることを表すと意図するものでもない。用いられる数(例えば、量、温度など)に関する精度を確保するために努力を払ったが、ある程度の実験の誤差および偏差は免れないものとする。別段に示されない限り、比は重量比であり、分子量は重平均分子量であり、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧近傍である。
添付の図面を参照する以下の限定を意図しない例により、本発明をさらに例示し説明する。
16日間の研究の終了時における食物摂取、体重および精巣上体脂肪組織デポ(depot)を示す図である。 肥満ラットにおける16日間の処置後の肝臓トリアシルグリセロール(TAG)およびアラキドン酸を示す図である。 肥満ラットにおける16日間の処置後の肝臓遊離脂肪酸(FFA)を示す図である。 体重を60日間にわたる処置の関数として示すもので、5つの用量群および媒体群における時間の関数としてベースラインで正規化した体重として示す図である。 研究の終了時における絶対体重を示す図である。リーン(lean)は、非肥満対照群を示し、媒体は肥満対照群を示す。右側のペアフィーディング群は、対照群の食事を、対応する積極的処置群のレベルと合致するように制限した群を示し、これにより特に食物摂取量の減少により導入された体重減少を示す。 終了時における腎傍脂肪デポの重量の測定結果を示す図である。 実験の終了時に回収した肝臓からのトリアシルグリセロールの抽出結果を示す図である。 KBP−042を用いた体重減少結果を示す図である。 実施例2で行った試験の結果をすべてまとめて示す。 KBP−042を用いた脂肪組織の減少結果を示す図である。 凍結肝臓切片のオイルレッドO染色を示す(倍率x40)。(A)リーン;(B)媒体;(C)2.5μg/kg KBP−042;(D)2.5μg/kg KBP−089;(E)ペアフィーディングKBP−089;(F)定量 KBP−042または媒体で処置した動物で実施した経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の間の血中グルコースおよびインスリンレベルを示す図である。 KBP−042または媒体で処置した動物で実施した経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の間の血中グルコースおよびインスリンレベルを示す図である。 インスリン感受性についてのKBP−042の効果を示す図である。
≪実施例1≫
2試験を行ったが、両試験において用いた肥満ラットは次のように作成した。
肥満ラットを得るために、12週齢の雄のSprague−Dawleyラットに、合計12週間にわたり、げっ歯類用普通食および60kcal%高脂肪食(D12495;Research Diets社)からなる食餌を施した。高脂肪食を12週間与えた後、ラットを、体重を基づき複数の処置群へと無作為化した。
最初の研究は、16日間の処置研究で、3つの群を研究した:リーン(同齢であるが高脂肪食でない)、媒体(肥満対照群)、および7.5μg/kg/日のKBP−042。実験の間、体重および食物摂取量をモニタリングし、実験終了時に、秤量とトリグリセリド、遊離脂肪酸およびアラキドン酸の量のポテンシャル分析とのために肝臓および脂肪デポを回収した。
第2の研究は、以下の群について、KBP−042の食物摂取量に対する効果とは独立した体重に対する効果を評価した:媒体、0.625μg/kg/日のKBP−042、1.25μg/kg/日のKBP−042、2.5μg/kg/日のKBP−042、5μg/kg/日のKBP−042、10μg/kg/日のKBP−042、5μg/kg/日に合致するペアフィーディング(カロリー制限)、および10μg/kg/日に合致するペアフィーディング(カロリー制限)。
実験の間、体重および食物摂取量をモニタリングし、終了時に、秤量とトリグリセリド量のポテンシャル分析とのために肝臓および脂肪デポを回収した。
[組織脂質分析]
<内部標準の調製>
定量手順はいくつかの工程を含むので、結果のノーマライズとあらゆる損失の補正とを可能にするために、内部標準を各試料抽出物に添加した。内部標準は、3.66mg/mLのC19:0 TAG(Sigma−Aldrich、製品番号T4632)、2.73mg/mLのC17:0 リン脂質(PL)、0.4mg/mLのC19:0 FFA(Sigma−Aldrich、製品番号N−8263)、0.096mg/mLのC15:0 ジアシルグリセロール(DAG)、0.06mg/mLのd31−標識セラミド、0.03mg/mLのd7−標識スフィンゴシン、1.036mg/mLのシトスタノール(Sitostanol)、0.04mg/mLのd31−標識スフィンゴミエリンおよび1.596mg/mLのC15:0 コレステロールエステルをクロロホルム:メタノール2:1(v/v)中に含む溶液として調製した。
<組織脂質抽出>
本方法は、Folchら[89][90、91]に基づく。抽出時、試料をそれぞれ500mgに分けてガラスチューブに移し、続いて、クロロホルム:メタノール2:1(v:v)中の100μg/mLブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を10mL添加し、氷上に置いた。各試料に、150μLの内部標準溶液を添加した。ロータ−ステータ液浸ブレンダー(IKA、Ultra−Turrax T25)を用いて氷水に浸した試料チューブでホモジナイズした。試料はそれぞれ3x10秒間、50秒間隔でホモジナイズし、その後、ホモジネートは35mLスクリューキャップ遠心管に移した。凝集物は、元のガラスチューブ内で5mLクロロホルム:メタノール2:1で洗浄し、そして、ホモジネートに定量的に移した。ホモジネートに、MiliQ水中0.73%(w/v)NaClを3mL(全ホモジネート体積の0.24倍)添加し、混合して、続いて、2800・gで5分間4℃で遠心分離して、2相系を形成した。下側の層を清浄な12.5mL遠心管に移した。その後、ホモジネート(上側の層)に3mLのクロロホルム:メタノール85:15を加えて混合し、続いて、別の遠心分離工程を行った。その後、新たな下側の層を分離して最初の抽出物に加え、40℃の水浴中で窒素下で乾燥させ、続いて、300μLのクロロホルム:メタノール2:1に再溶解させた。この時点で、この脂質抽出物は−20℃で保存できる。
<脂質分画>
脂質抽出物をアミノ−プロピルカラム(Phenomenex Strata NH2、製品番号8B−S009−HBJ)で分画した。カラムは、2x2mLのクロロホルム:メタノール23:1(v:v)で予め洗浄し自然乾燥させた。分画の間、カラムは乾燥させないようにした。カラムを、2x1mLのヘキサンでプライムし、次いで、脂質抽出物を添加した。コレステロールエステルを含む画分1は、3mLのヘキサンで清浄なチューブに溶出した。TAGを含む画分2は、3mLのヘキサン:クロロホルム:酢酸エチル100:5:5(v:v:v)を用いて清浄なチューブに溶出した。DAG、コレステロールおよびセラミドを含む画分3は、3x2mLのクロロホルム:メタノール23:1(v:v)を用いて新しいガラスに溶出した。FFAを含む画分4は、ジエチルエーテル中2%酢酸を5mL用いて新しいガラスに溶出した。PLを含む画分5は、4mLのメタノールを用いて新しいガラスに溶出した。画分1および2は、窒素下で40℃で乾燥させ、300μLのクロロホルム:メタノール95:5に再溶解させ、−20℃で保存した。画分4と画分5の半量(画分5A)とは、窒素下で40℃で乾燥させ、300μLのクロロホルム:メタノール2:1に再溶解させ、−20℃で保存した。画分3は、同様に乾燥させて、135μLのクロロホルムおよび67.5μLのイソプロパノールに再溶解させ、HPLCバイアルに移して−20℃で保存した。画分の残り半分(画分5B)は、窒素下で乾燥させ、200μLのクロロホルム:イソプロパノール1:1(v:v)に再溶解させ、HPLCバイアルに移して−20℃で保存した。
<脂肪酸のメチル化>
脂肪酸をガスクロマトグラフィで分析するために、脂肪酸をより揮発性の脂肪酸メチルエステル(FAME)型に変える必要がある。これは、メタノール中での三フッ化ホウ素触媒メチル化を用いて行われる。メチル化工程のために、トリアシルグリセロールは加水分解する必要があり、これは手順の最初の工程においてアルカリ条件下で行われる。続いて、メチル化およびFAME生成物の抽出を行う。各画分を、窒素下40℃で乾燥させて、続いて、メタノール中の0.5MのNaOHを1mL加えた。スクリューキャップで固く閉じた試料チューブを、5分間80℃でヒートブロック内で還流して、加水分解を仲介した。加水分解工程後、メタノール中20%BFを1mLおよびメタノール中0.1%ヒドロキノンを0.5mL添加する前に、試料を室温まで冷ました。その後、試料を80℃で2分間還流してメチル化を仲介し、続いて冷却した。試料にMili−Q中0.73%NaClを2mL加え、続いて、10秒間混合した。これにより、含水率が上がることでメタノール層の極性が高くなる。その後、試料に0.5mLのヘプタンを加え、続いて、10秒間混合し、FAMEを抽出して、そして2800・gで1分間遠心分離した。上層(ヘプタン)を、清浄な3mL遠心管に移した。メチル化した試料に、さらに0.5mLのヘプタンを加え、混合し、遠心分離して、最初の抽出物に移した。残りの溶液は廃棄した。上層(ヘプタン抽出物)に1mLの飽和アルカリNaCl溶液を加え、10秒間混合して、2800・gで1分間遠心分離した。その後、上層を新しい3mLチューブに移した。TAG画分は、メチル化後に使用可能であり、小容量インサート付きGCバイアルに移した。
<GC−FIDを用いた脂質分析>
メチル化脂質画分を、フューズドシリカキャピラリーカラム(Sigma−Aldrich;Supelco SP−2380、製品番号24111)付きAgilent6890Nガスクロマトグラフおよび水素炎イオン化検出器(FID)を用いて分析した。
<データ処理>
総トリアシルグリセロールおよびアラキドン酸を、総ピーク面積(Areatot)(内部標準の面積を引いたもの)と内部標準の面積(Areain−std)の比として、内部標準の質量(min−std)を掛けて算出した。この詳細を式(1)に示す。最終的な濃度を得るために、総含量は試料重量でノーマライズした。
個々の脂肪酸の含量を同定し、個々の脂肪酸のピーク面積(AreaFA)と、総同定脂肪酸面積(AreaID)から内部標準のピーク面積(Areain−std)を引いたものとの比として百分率で表して算出した。この詳細を式(2)に示す。
[結果]
16日間にわたる最初の研究の結果を図1〜3に示す。図1に示すように、ペプチド
AcCSNLSTCVLGKLSQELHKLQTYPRTDVGANAP−NH(KBP−042)(配列番号54)
は、16日間の処置において、生理食塩水と比較して、食物摂取量(A)、体重増加(B)および内臓脂肪(精巣上体)(C)を減少させた。
図2に示すように、KBP−ペプチドは、抽出肝臓組織中のトリアシルグリセロールおよびアラキドン酸(炎症促進性メディエータ)量に改善をもたらした。
図3に示すように、KBP−ペプチドは、抽出肝臓組織中の遊離脂肪酸量に改善をもたらした。
このように、16日間にわたる研究は、KBP−042が予測通り食物摂取量を早期に明白に減少させ、顕著な体重減少をもたらすことを示した。さらに、脂肪デポが減少した。重要なことに、肝臓脂肪酸組成の分析から、KBP−042がトリアシルグリセロールおよび遊離脂肪酸の蓄積を減少させ、脂肪肝に対するベネフィットを示すことが示された。最後に、KBP−042が肝臓の脂肪酸アラキドン酸レベルを減少させており、アラキドン酸は炎症促進性メディエータであることが知られていることから、この分子のレベルの減少は、脂肪肝および肝臓の脂肪症を防止するという点において有利であるといえる。
8週間にわたる研究の結果を図4〜7に示す。ここでは、最初の研究により得られた知見のすべてが確認された。
図4に示すように、KBP−ペプチドは、食物摂取量制限とは独立した実質的な体重減少を示したカロリー制限群(ペアフィーディング)と比較しても、顕著な体重減少をもたらした。また、この8週間にわたる研究もペアフィーディング対照群(カロリー制限)を含み、すなわち、食物摂取量の減少とは独立した体重および脂肪肝に対するKBP−042の有利な効果が確認された。
図5に示すように、KBP−ペプチドは、媒体や、さらにはペアフィーディング実験と比較しても、腎傍脂肪デポの測定値を減少させた。
図6に示すように、KBP−ペプチドは、媒体や、さらにはペアフィーディング実験と比較しても、肝臓のトリグリセリド量を減少させた。
図7に示すように、KBP−ペプチドは、8週間にわたる処置の後、トリアシルグリセロールに改善をもたらした。
≪実施例2−体重減少(KBP−042)≫
普通食群(ND)を、高脂肪食(HFD)ラットで研究する全パラメータの基準として含めた。ND群のエンドポイントデータを図8に示し、実施した試験の結果のすべては図9にまとめ、HFD−媒体と比較する。
図8は、A)研究の間の、0日目の無作為化から処置の最終日(56日目)までの絶対体重推移、B)媒体−補正体重、C)エンドポイント体重、D)全研究期間にわたる全処置群の食物摂取量を示す。食物摂取量は、最初の6日間については毎日モニタリングし、その後は毎週モニタリングした。ペアフィーディング群は、対応する処置群(5μg/kgまたは10μg/kg)の平均と同様に給餌した。各群は、媒体(n=12)を除いて、n=10とした。C)、E)およびF)の群間の統計分析は、Tukey事後検定を伴う一元配置分散分析(One−way ANOVA)で行い、以下の脚注を付した:###P<0.001、ND−対照と対比、*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、HFD−媒体と対比、††P<0.01、†††P<0.001、ペアフィーディング5μg/kgと対比、‡‡P<0.01、‡‡‡P<0.001、ペアフィーディング10μg/kgと対比。データは、平均±標準誤差(SEM)で表す。
総じて、HFD−媒体は、経口および経静脈ブドウ糖負荷試験において耐糖能に障害を有し(曲線下総面積がより大きい)、両試験において、より高いインスリンレベルを示した。予測通り、HFDラットは肥満であり、処置の開始時に前糖尿病性であることが、全てのデータにより示された。
KBP−042で8週間にわたり処置した後、体重に用量依存性かつ持続性の減少が見られた。3つの高処置群(2.5μg/kg、5μg/kgおよび10μg/kg)において、研究の初期段階で大きな体重損失が観察され(図8Aおよび8B)、2つの対応するペアフィーディング群(ペアフィーディング5μg/kgおよびペアフィーディング10μg/kg)も同様であった。これは、処置の最初の6日間における食物摂取量の大幅な減少によく対応する(図8D)。しかし、摂食におけるこの一過性の大幅な減少の後、研究の過程において、食物摂取量は正常化した。ペアフィーディング群は、食物摂取量の増加後に再び体重が増えたのに対し、KBP−042処置では、初期の体重減少が56日間の処置を通して継続した。56日目に動物の体重を測定し、KBP−042での処置を評価した。2.5μg/kg、5μg/kgおよび10μg/kgの群で、HFD−媒体と比較して、体重は有意に減少した。対応する処置群と同量の食餌を施されたペアフィーディング群は、HFD−媒体動物と比較して体重に有意な差がなかったが、3つの高処置群(2.5μg/kg、5μg/kgおよび10μg/kg)では、食物摂取量の減少が体重変化とよく対応した(図8E)。
食物摂取量と体重変化をもとに、食餌の効率を算出したが(図8F)、予測通り、2.5μg/kg、5μg/kgおよび10μg/kgのKBP−042処置は、結果として食餌効率の激減をもたらし、これはペアフィーディング対照とは有意に異なり、これはおそらくエネルギー消費の増加を示す。
結論として、KBP−042は、体重の大幅な減少を仲介し、8週間にわたり体重減少を維持した。
≪実施例3−脂肪組織の減少(KBP−042)≫
実施例2の研究の最後に、3つの異なる脂肪組織を分離した。
結果を図10に示す:A)〜C)56日間の処置の後の、分離した精巣上体、鼠径部および腎傍の白色脂肪組織の各重量;D)KBP−042または生理食塩水による56日間にわたる処置の経過後の、肝臓組織から抽出した総トリアシルグリセリド量;E)、F)処置の56日経過後の、それぞれ血漿アディポネクチンおよびレプチンレベル。各群は、媒体(n=12)を除いて、n=10とした。群間の統計分析は、Tukey事後検定を伴うOne−way ANOVAで行い、以下の脚注を付した:##P<0.01、###P<0.001、ND−対照と対比;*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、HFD−媒体と対比;†P<0.05、††P<0.01、ペアフィーディング5μg/kgと対比;‡P<0.05、ペアフィーディング10μg/kgと対比。データは、平均±SEMで表す。
図10A〜Cに示すように、分離した精巣上体および腎傍の白色脂肪組織の重量は、10μg/kgのKBP−042での処置の後に有意に減少した。腎傍脂肪組織については、2.5、5および10μg/kg群でも有意なサイズの減少を示した。同様の減少はペアフィーディング対照では見られなかった。鼠径部の白色脂肪組織では減少の傾向が見られた。
肝臓における脂質の蓄積を評価するために、トリアシルグリセロール(TAG)を肝臓から抽出し分析した(図10D)。HFD−媒体群は、予測通り、ND群と比較して劇的に高いTAGレベルを有した。この蓄積は、10μg/kgのKBP−042での処置の後に有意に減少し、一方、対応するペアフィーディング対照群では肝臓TAGの有意な減少は見られなかった。TAGレベルにおける大きな分散が、統計的有意性の達成を難しくしているが、その傾向は用量依存性の効果を示した。処置が選択的に(例えば、飽和対一価不飽和対ポリ不飽和の代謝)脂肪酸代謝を変えるかの評価をするために、本発明者らは肝TAGの脂肪酸組成も分析した。その結果は、相対分布に違いがなく、すなわち、本処置は、特定の種類の脂肪酸の代謝に影響することなしに、TAGを全体的に減少させることを示した(図9)。
最後に、2つのアディポカイン、アディポネクチンおよびレプチンを、処置の56日経過後に測定した(図10Eおよび10F)。アディポネクチンレベルは、1.25μg/kg、2.5μg/kg、5μg/kgおよび10μg/kgの用量のKBP−042での処置に応答して有意に増加した。レプチンについては、血漿レプチンのレベルが減少する傾向が見られ、10μg/kgのKBP−042を対応するペアフィーディング対照と比較したとき、統計的有意性に達した。
要約すると、脂肪デポ、脂質、およびアディポカインのデータにより、KBP−042処置の作用として、代謝状態が強力に改善したことが支持される。脂肪組織および異所性脂質蓄積は、KBP−042により減少した。
≪実施例4−肝臓脂肪レベルの減少(KBP−042およびKBP−089)≫
実施例2の研究の終了時に、ラットの肝臓を急速凍結を用いてOCT中に包埋し、その後、凍結ミクロトームを用いて切り出した。切片は、HFDラットのKBP−042、HFDラットのKBP−089、対照HFDラットおよびリーンラット比較の4群から作製した。
切片は、オイルレッドO染色を用いて染色した。HFD食餌ラット(図11B)からの肝臓切片の染色は、リーンラット(図11A)と比較して脂質蓄積において57.1%の有意な増加(p<0.01)を示した。毎日2.5μg/kgのKBP−042で処置したラットの肝臓における脂質蓄積(図11C)は、媒体と比較して、HFD誘導脂質蓄積を有意に78.3%低減し(p<0.05)、リーンラットと同等であった(P=0.8173)。2.5μg/kgのKBP−089で処置したラットの肝臓における脂質蓄積(図11D)は、媒体と比較して、脂質蓄積を有意に155.3%減少させ(p<0.001)、これもリーンラットと同等であった(p=0.9976)。ペアフィーディングKBP−089肝臓における脂質蓄積は、KBP−089で処置したラットよりも66,5%大きく(p<0.001)、媒体とは有意な差がなかった(0.6711)。統計的検定を、多重比較のためのDunnet事後検定を伴うone−way ANOVAで行った。**p<0.01、***p<0.001。
したがって、図11Cおよび11Dに示すように、KBP−042およびKBP−089による処置は、肝臓切片に存在する脂質の実質的な低減をもたらし、リーンラットにおいて観察されたレベルまで完全に減少させた。染色強度を測定すると(図11F)、これらのデータから、KBP−042およびKBP−089が肝臓脂質蓄積に有意な減少を誘導したことが確認された。
この結果は、肝臓組織におけるHFD誘導脂質蓄積は、カロリー制限によってではなくKBP処置により低減が可能であることを示している。
≪実施例5−耐糖能の改善(KBP−042)≫
体重および肝臓脂肪の減少が耐糖能の改善を示すかを評価するために、未処置動物(単回投与後)、処置の3週間後および再び7週間後の両方に対して経口ブドウ糖負荷試験を行った。
動物は、グルコースの急速経口投与(2g/kg)を時間=0において行い、KBP−042または生理食塩水をt=−30において投与した。図12A、12Bおよび12Cは、短期間OGTT、3週間後のOGTT、7週間後のOGTTそれぞれの間の血中グルコースレベルを示す。図12D、12Eおよび12Fは、短期間OGTT、3週間後のOGTTおよび7週間後のOGTTのそれぞれについての曲線下面積(AUC)を示す。図12G、12Hおよび12Iは、短期間OGTT、3週間後のOGTTおよび7週間後のOGTTのそれぞれの間のインスリンレベルを示す。図12J、12Kおよび12Lは、短期間OGTT、3週間後のOGTTおよび7週間後のOGTTのそれぞれの間のインスリンレベルを、曲線下面積で表して示す。各群は、媒体(n=12)を除いて、n=10とした。群間の統計分析は、Tukey事後検定を伴うOne−way ANOVAで行い、以下の脚注を付した:*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、HFD−媒体と対比;††P<0.01、†††P<0.001、ペアフィーディング5μg/kgと対比;‡‡P<0.01、‡‡‡P<0.001、ペアフィーディング10μg/kgと対比。データは、平均±SEMで表す。
急速投与後に実施したOGTTは、HFD−媒体と比較して、10μg/kg群でわずかに耐糖能障害を示した(図12A)。KBP−042の皮下投与後30分間にわたり、血糖上昇効果が観察された(t=0)。曲線下総面積(tAUC)は、10μg/kgのKBP−042の投与で有意に増加した(図12D)。しかし、グルコース投与後の最初の60分間のインスリンレベルは、KBP−042を投与した動物において減少した(図12Gおよび12J)。
KBP−042または生理食塩水での処置の3週間後、KBP−042の3つの高処置群(2.5μg/kg、5μg/kgおよび10μg/kg)では、tAUCが有意に減少した(図12Bおよび12E)。興味深いことに、インスリンレベルは、0.625μg/kgのKBP−042群を除くすべての処置群において減少した(図12Hおよび12K)。ペアフィーディング10μg/kg群もインスリン応答が低下した(図12K)。
OGTTを処置の第7週で行ったとき(図12C)、tAUCを検討すると(図12F)、2つの高処置群(5μg/kgおよび10μg/kg)でのみ耐糖能の改善が見られた。興味深いことに、3つの高処置群で耐糖能が向上した(または2.5μg/kg群で維持)一方で、グルコース投与後の最初の60分間においてインスリンレベルの急激な減少が見られた(図12Iおよび12L)。ペアフィーディング群では、HFD−媒体と比較して、耐糖能またはインスリンレベルに変化は見られなかった。
結論として、KBP−042での処置は、長期的な処置の後、耐糖能を改善しインスリンレベルを減少させた。
≪実施例6−KBP−042のインスリン感受性に対する効果≫
肝臓脂肪がインスリン感受性を低減することが知られているので、高インスリン正常血糖クランプにおいてグルコース注入率(GIR)を用いてKBP−042のインスリン感受性に対する効果を検討した。本研究では、NDラットをインスリン抵抗性HFDラットおよび5μg/kgKBP−042処置HFDラットと比較した。
結果を図13に示した:A)21日間にわたる処置の後の、血中グルコースをベースレベルに維持したときの、高インスリン正常血糖クランプの間の定常状態におけるグルコース注入率(GIR);B)21日間にわたる処置の後の、高インスリン正常血糖クランプ実験日での体重。群間の統計分析は、Tukey事後検定を伴うOne−way ANOVAで行い、以下の脚注を付した:*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。データは平均±SEMで表す。
図13Aは、GIRが、NDと比較して、HFD群において〜30%(p=0.057)減少したことを示す。KBP−042での処置は、HFD−媒体と比較して、GIRに有意な増加をもたらした(82%、p<0.001)。KBP−042処置をNDと比較すると、GIRは27%増加している(p<0.05)。予測通り、体重は、NDと比較して、10週間のHFDの後に増加した(図13B)。図13Bは、21日間にわたるKBP−042での処置が体重を〜18%減少させ、研究の終了時点においてNDラットと有意な差がなかったことを示している。
このように、KBP−042は、高インスリン正常血糖クランプにおいて全身のインスリン感受性を改善した。
要約すると、本発明者らはここに、肥満人口の増加によりここ十年の間に突出しつつある疾患である脂肪肝を減少することに関する新しい可能性を提示するものである。
本明細書では、別段に明示的に指し示されない限りにおいて、「または」という語は、条件のうちの1つだけが満たされることを要請する作用子である「除外的なまたは」とは対照的に、言明された条件の一方または両方が満たされる場合に、真値を返す作用子の意味で使用される。「〜を含む(comprising)」という語は、「〜からなる(consisting of)」を意味するのではなく、「〜を含む(including)」の意味で使用する。上記で認めた全ての先行する教示は、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書において、任意の先行する公表文献を認めたことで、それらの教示が、本明細書の日付現在において、オーストラリアまたは他の地域において、共通の一般的な知見であったことの容認または表示であると理解されるべきではない。

Claims (10)

  1. 被験体の肝臓において、肝臓トリグリセリドの低減をもたらす、または脂肪蓄積を減少させる医薬としてのカルシトニン類似体であって、配列番号1または配列番号2に示されるカルシトニン類似体。
  2. 配列番号3に示される請求項1に記載のカルシトニン類似体。
  3. 配列番号4に示される請求項1に記載のカルシトニン類似体。
  4. 配列番号5に示される請求項1に記載のカルシトニン類似体。
  5. 配列番号6〜74のいずれか1つに示される請求項1に記載のカルシトニン類似体。
  6. 被験体の肝臓において、肝臓トリグリセリドの低減をもたらす/脂肪蓄積を減少させる医薬としてのカルシトニン類似体であって、配列番号54、55、57または58のいずれか1つに示されるカルシトニン類似体。
  7. 肝臓トリグリセリドの低減/脂肪蓄積の減少を必要とする哺乳類被験体の肝臓において、肝臓トリグリセリドの低減をもたらす/脂肪蓄積を減少させる方法であって、請求項1に記載のカルシトニン類似体の有効量を投与するステップを含む方法。
  8. 投与量は、0.001〜50μg/kg/日である、請求項7に記載の方法。
  9. 投与量は、0.01〜5μg/kg/日である、請求項7に記載の方法。
  10. 前記被験体はヒトである、請求項7または請求項8に記載の方法。
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