JP2018206850A - 基板実装部品付きプリント基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】リフロー工法により基板実装部品の固定用部材の複数の半田付け部をスルーホールに半田付け固定する場合に、半田ペーストの印刷エリアを比較的コンパクトにしつつ、十分な半田量を確保して赤目の発生を低減乃至は防止することができる、新規な基板実装部品付きプリント基板の製造方法を提供すること。【解決手段】プリント基板12と基板実装部品14と固定用部材16を準備する準備工程と、固定用部材16の複数の半田付け部38が挿通配置される複数のスルーホール52の各開口部55と各ランド部58のすべてを覆う大きさの単一の半田ペースト62を印刷する半田ペースト印刷工程と、半田ペースト62を貫通して複数の半田付け部38を複数のスルーホール52に挿通配置する基板実装部品装着工程と、半田ペースト62を加熱溶融して各半田付け部38を各スルーホール52に対して半田付けを行う半田付け工程と、を含むようにした。【選択図】図6
Description
本発明は、基板実装部品がプリント基板に対して実装されて固定されてなる基板実装部品付きプリント基板の製造方法に関するものである。
従来から、自動車用の電気接続箱の内部回路等として、プリント基板にコネクタ等の基板実装部品が実装されたものが用いられている。このような基板実装部品が実装されたプリント基板では、例えば、特開2017−28215号公報(特許文献1)に記載されているように、基板実装部品が、固定用ペグやボードロック等の固定用部材を備えており、固定用部材に設けられた複数の突起状の半田付け部が、プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付け固定されることにより、基板実装部品がプリント基板に対して固定されるようになっている。
ところで、プリント基板のスルーホールに固定用部材の半田付け部を半田付け固定する方法の1つとして、リフロー工法が知られている。かかるリフロー工法においては、スルーホールの実装面側の開口周縁に設けられたランド部に半田ペーストをメタルマスク版で印刷し、その後基板実装部品をプリント基板に配置して半田付け部をスルーホールに挿通配置する。この状態で加熱して半田を溶融することで、半田がスルーホールと半田付け部の間やランド部に濡れ広がり、その後の冷却で半田が凝固することで、半田付け部がスルーホールに半田付け固定される。
ところが、半田が十分に濡れ広がらないと、ランド部全体に半田が広がらず銅箔部分が露出する、いわゆる赤目現象を起こすおそれがあり、露出した銅箔部分が時間経過に伴い酸化する銅食われ等の問題をも招く結果となり好ましくなかった。特に、環境保護の観点から近年採用が増えている鉛フリー半田においては、濡れ広がり性が劣っており、赤目現象等の問題が一層深刻となる。
これに対して、特開2007−42862号公報(特許文献2)では、ランド部の外周側に半田ペーストを印刷することによりフロー半田付けの際の赤目現象の発生を防止する技術が提案されている。しかしながら、かかる構造をリフロー半田付けに適用すると、スルーホール内部への半田の濡れ広がりが不十分となり適切ではなかった。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、リフロー工法により基板実装部品の固定用部材の複数の半田付け部をスルーホールに半田付け固定する場合に、半田ペーストの印刷エリアを比較的コンパクトにしつつ、十分な半田量を確保して赤目の発生を低減乃至は防止することができる、新規な基板実装部品付きプリント基板の製造方法を提供することにある。
本発明の第一の態様は、スルーホールを備えたプリント基板と、該プリント基板に実装される基板実装部品と、該基板実装部品に設けられて該基板実装部品を前記プリント基板に固定するために前記スルーホールに挿通されて固定される複数の突起状の半田付け部を有する固定用部材と、を準備する準備工程と、前記プリント基板の前記基板実装部品の実装面側において、複数の前記半田付け部がそれぞれ挿通配置される複数の前記スルーホールの各開口部と該各開口部の周縁に設けられた各ランド部のすべてを覆う大きさの単一の半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷工程と、前記基板実装部品を前記プリント基板の前記実装面に載置して、前記半田ペーストを貫通して前記基板実装部品の複数の前記半田付け部を複数の前記スルーホールに挿通配置する基板実装部品装着工程と、前記半田ペーストを加熱溶融して前記各半田付け部を前記各スルーホールに対して半田付けを行う半田付け工程と、を含むことを特徴とする。
本態様によれば、半田ペースト印刷工程において、基板実装部品の固定用部材が有する複数の半田付け部が挿通配置されるプリント基板の複数のスルーホールの各開口部と各ランド部のすべてを覆う大きさの単一の半田ペーストを印刷するようにしている。これにより、ランド部間の空間を巧く利用して、全体の半田ペーストの面積を小さくしつつ半田量を確保することができる。それゆえ、十分な半田量を確保することができ、リフロー工法における赤目現象の発生を有利に低減乃至は防止することができる。しかも、ランド部間の空間も単一の半田ペーストの印刷領域として利用することで、半田ペーストの印刷領域をコンパクトに集約することができることから、近隣のプリント配線の状態による影響をそれ程受けることなく十分な半田量を確保できて、半田ペーストの印刷領域確保の自由度が向上される。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、複数の前記スルーホールが直線状に整列配置されている一方、前記半田ペーストが前記スルーホールの整列方向に広がる平面視矩形状に形成されているものである。
本態様によれば、スルーホールの整列方向に広がる矩形状に半田ペーストが形成されていることから、コンパクト性を一層有利に確保しつつスルーホール間のスペースを巧く利用して十分な半田量を確保することができる。
本発明によれば、半田ペースト印刷工程において、基板実装部品の固定用部材が挿通配置されるプリント基板の複数のスルーホールの各開口部と各ランド部のすべてを覆う大きさの単一の半田ペーストが印刷されている。それゆえ、ランド部間の空間を巧く利用して、半田量を確保でき、リフロー工法における赤目現象の発生を有利に低減乃至は防止できる。しかも、ランド部間の空間も単一の半田ペーストの印刷領域として利用することで、近隣のプリント配線の状態による影響をそれ程受けることなく十分な半田量を確保できて、半田ペーストの印刷領域確保の自由度が向上されている。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1〜4には、本発明の一実施形態としての基板実装部品付きプリント基板の製造方法を用いて製造された基板実装部品付きプリント基板10、が示されている。基板実装部品付きプリント基板10は、図1,3に示されているように、プリント基板12と、プリント基板12に実装される基板実装部品であるコネクタ14と、コネクタ14に設けられてコネクタ14をプリント基板12に固定するための固定用部材16と、を含んで構成されている。なお、理解を容易とするため、図1,3では、後述するプリント配線50を記載していない。また、以下の説明において、上方とは、図1,3中の上方、下方とは、図1,3中の下方を言うものとする。
図1〜4に示されているように、本実施形態では、コネクタ14は、プリント基板12の側縁部18(図2中、左側縁部)に実装された側方接続型コネクタとされている。かかるコネクタ14を構成するコネクタハウジング20は、合成樹脂から形成された一体成形品とされており、プリント基板12の側方(図2中、左方)に開口する略矩形の相手側コネクタ装着部22を有する箱体形状を呈している。なお、相手側コネクタ装着部22には図示しない相手側コネクタが嵌合されるようになっている。一方、コネクタハウジング20の幅方向(図2中、上下方向)の両側の下端部には、幅方向外方に向かって突出する扁平ブロック状の固定用部材保持部24が設けられている。固定用部材保持部24には、固定用部材保持部24の上面26に開口してコネクタハウジング20の長手方向(図2中、左右方向)に延びる溝状の固定用部材収容部28が設けられている。また、固定用部材保持部24の下面30には、コネクタハウジング20の長手方向に離隔した3箇所において固定用部材保持部24の下面30に開口すると共に固定用部材収容部28に連通された溝状の固定用突起挿通孔32が設けられている(図4参照)。
そして、このような構成とされたコネクタハウジング20の固定用部材保持部24の固定用部材収容部28に対して、固定用部材16が収容保持されている。固定用部材16は、図3に示されているように、平板形状を有しており、例えば銅板等の表面に錫等のめっきが施された金属平板がプレス打ち抜き加工されて形成されている。固定用部材16の下端部36には、固定用部材16の幅方向(図4中、左右方向)で相互に離隔した3つのボードロック用の突起状の半田付け部38a,38b,38cが下方に向かって突設されており、いずれの半田付け部38a,38b,38cも基端側が先端側よりも幅広とされている。また、半田付け部38bが下方に向かって直線状に突出して形成されている一方、半田付け部38a,38cは、半田付け部38bから離隔する方向に向かって湾曲形成されていると共に半田付け部38bから離隔する側の側縁部の先端部において側面視で略三角形状の抜け止め突起40が形成されている。そして、かかる固定用部材16が固定用部材保持部24の固定用部材収容部28に収容保持されることにより、固定用部材16の半田付け部38a,38b,38cが固定用突起挿通孔32を挿通して先端部分が固定用突起挿通孔32から下方に向かって突出する。これにより、固定用部材16の半田付け部38a,38b,38cが、コネクタハウジング20から下方に向かって突設されている(図1,4参照)。
加えて、コネクタハウジング20には、幅方向(図2中、上下方向)に整列配置された一群(本実施形態では12個)の接続端子42が収容保持されている。各接続端子42は、他方の端部がコネクタハウジング20の相手側コネクタ装着部22の内部に突設されている一方、一端部44がコネクタハウジング20の外方において下方に向かって屈曲されて構成されている。
プリント基板12は、図3に示されているように、ガラスエポキシ樹脂などの公知の絶縁材料で形成された略矩形平板状の絶縁基板において、基板実装部品であるコネクタ14が実装される実装面である表面46あるいは裏面48等にプリント配線50(図2参照)を設けたものである。また、プリント基板12の側縁部18には、コネクタハウジング20の幅方向(図2中、上下方向)の両側に設けられた固定用部材保持部24に取り付けられた固定用部材16の3つの半田付け部38a,38b,38cが挿通される、6個のスルーホール52が貫設されている。より詳細には、かかる6個のスルーホール52は、コネクタ14の相手側コネクタ装着部22の開口方向で3個ずつ平行かつ直線状に整列配置されている。一方、プリント基板12の略中央部には、コネクタハウジング20の幅方向に整列配置された一群(本実施形態では12個)の接続端子42の一端部44が挿通される、一群のスルーホール54が一直線状に整列配置された状態で貫設されている。
図3に示されているように、スルーホール52,54はいずれも略円形断面形状の貫通孔とされている一方、スルーホール52の方がスルーホール54よりもやや大径とされている。また、図4に示されているように、スルーホール52の内周面にはいずれも全面に亘ってめっき層56が形成されていると共に、プリント基板12のスルーホール52の開口部55の周りにはめっき層56に接続されたフランジ状のランド部58が設けられている。なお、図示は省略するが、スルーホール54の内周面にもめっき層56が形成されていると共に、スルーホール54の開口部55の周りにもめっき層56に接続されたフランジ状のランド部58が設けられている。
そして、このような構造とされたプリント基板12のスルーホール52,54に対して、コネクタ14に装着された固定用部材16の半田付け部38a,38b,38cおよび一群(本実施形態では12個)の接続端子42の一端部44がそれぞれ挿通配置されている。なお、図4に示されているように、半田付け部38a,38cは、かかる状態において、半田付け部38bから離隔する側の側縁部の一部がスルーホール52の内面に形成されためっき層56に圧接されている。また、かかる側縁部の先端部に形成された抜け止め突起40がプリント基板12の裏面48に係合してスルーホール52からの抜けが防止されている。かかる状態において、スルーホール52,54に挿通配置された固定用部材16の半田付け部38a,38b,38cおよび一群の接続端子42の一端部44に対して、例えば、リフロー工法を用いて半田付けを行う。これにより、スルーホール52に挿通配置された固定用部材16の半田付け部38a,38b,38cが半田付けされて、コネクタハウジング20がプリント基板12に固定される。また、接続端子42の一端部44(半田付け部)がスルーホール54に対して半田付けされることにより、各接続端子42がスルーホール54を介してプリント基板12のプリント配線50と電気的に接続されている。なお、図4では、理解を容易とするため、半田60を仮想線で記載している。
次に、このような基板実装部品付きプリント基板10を製造するのに好適に用いることのできる、基板実装部品付きプリント基板の製造方法に関する本発明の一実施形態を、図1〜6を参照しつつ説明する。
先ず、図3に示されているように、プリント基板12と、プリント基板12に実装される基板実装部品であるコネクタ14と、固定用部材16と、を準備する準備工程が実行される。次に、3つの半田付け部38a,38b,38cがそれぞれ挿通配置される3つのスルーホール52の実装面である表面46側の各開口部55およびその周縁に設けられた各ランド部58のすべてを覆う大きさの単一の半田ペースト62の一対を印刷する半田ペースト印刷工程が実行される(図5参照)。より詳細には、かかる半田ペースト62の一対はそれぞれ、図示しないメタルマスクによって、準備されたプリント基板12の表面46側にスルーホール52の整列方向に広がる平面視で略矩形状に形成されている。なお、図示は省略するが、半田ペースト印刷工程において、一群の接続端子42の一端部44が挿通配置される各スルーホール54に対しては、従来構造と同様に、表面46側の開口部55およびその周縁に設けられたランド部58を覆う半田ペースト62が相互に離隔するように印刷されて形成されている。
続いて、図6に示されているように、かかる半田ペースト62の一対が形成されたプリント基板12に対して、その実装面である表面46にコネクタ14を載置する。同時に、各スルーホール52の開口部55上にある半田ペースト62を貫通して、コネクタ14の3つの半田付け部38a,38b,38cの一対を対応する3つのスルーホール52の一対に挿通配置することにより、基板実装部品装着工程が実行される。なお、図6では、理解を容易とするため、半田ペースト62を仮想線で記載している。
最後に、図4に示されているように、かかる基板実装部品装着工程の後に、コネクタ14が実装されたプリント基板12をリフロー炉に入れて、半田ペースト62を加熱溶融する。これにより、各半田付け部38a,38b,38cおよび一群の接続端子42の一端部44を各スルーホール52,54に対して半田付けを行う半田付け工程が実行されて、基板実装部品付きプリント基板10が完成される。
本実施形態の製造方法によれば、半田ペースト印刷工程において、各固定用部材16の半田付け部38a,38b,38cが挿通配置されるスルーホール52の表面46側の各開口部55および各ランド部58のすべてを覆う大きさの単一の半田ペースト62が印刷されて形成されている。それゆえ、ランド部58間の空間を巧く利用することができて、かかる半田ペースト62の全体面積を小さくしつつ半田量を確保できる。また、十分な半田量を確保できることから、リフロー工法を用いて半田付けを行った際の赤目現象の発生を有利に低減乃至は防止できる。さらに、ランド部58間の空間を巧く利用することにより半田ペースト62の印刷領域をコンパクトに集約できることから、仮に近隣にプリント配線50があったとしても、半田ペースト62の印刷領域を有利に確保できる。加えて、半田ペースト62がスルーホール52の整列方向に広がる平面視で略矩形状に形成されていることから、コンパクト性を一層有利に確保しつつスルーホール52のランド部58間のスペースを巧く利用して十分な半田量を確保できる。
以上、本発明の複数の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの具体的な記載によって限定されない。例えば、上記実施形態では、半田ペースト62は、スルーホール52の整列方向に広がる平面視で略矩形状に形成されていたが、近隣のプリント配線50等を考慮に入れて、楕円形状等の任意の形状が採用可能である。また、上記実施形態では、基板実装部品であるコネクタ14がボードロック用の固定用部材16を備えている場合を例示して説明を行ったが、ペグ用の固定用部材を備えている場合でも、本発明を同様に適用可能であることは言うまでもない。
10:基板実装部品付きプリント基板、12:プリント基板、14:コネクタ(基板実装部品)、16:固定用部材、38a〜c:半田付け部、46:表面(実装面)、52:スルーホール、55:開口部、58:ランド部、62:半田ペースト
Claims (2)
- スルーホールを備えたプリント基板と、該プリント基板に実装される基板実装部品と、該基板実装部品に設けられて該基板実装部品を前記プリント基板に固定するために前記スルーホールに挿通されて固定される複数の突起状の半田付け部を有する固定用部材と、を準備する準備工程と、
前記プリント基板の前記基板実装部品の実装面側において、複数の前記半田付け部がそれぞれ挿通配置される複数の前記スルーホールの各開口部と該各開口部の周縁に設けられた各ランド部のすべてを覆う大きさの単一の半田ペーストを印刷する半田ペースト印刷工程と、
前記基板実装部品を前記プリント基板の前記実装面に載置して、前記半田ペーストを貫通して前記基板実装部品の複数の前記半田付け部を複数の前記スルーホールに挿通配置する基板実装部品装着工程と、
前記半田ペーストを加熱溶融して前記各半田付け部を前記各スルーホールに対して半田付けを行う半田付け工程と、を含む
ことを特徴とする基板実装部品付きプリント基板の製造方法。 - 複数の前記スルーホールが直線状に整列配置されている一方、前記半田ペーストが前記スルーホールの整列方向に広がる平面視矩形状に形成されている請求項1に記載の基板実装部品付きプリント基板の製造方法。
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JP2017108161A JP2018206850A (ja) | 2017-05-31 | 2017-05-31 | 基板実装部品付きプリント基板の製造方法 |
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JP2021141224A (ja) * | 2020-03-06 | 2021-09-16 | 住友電装株式会社 | 回路構成体及び回路構成体の製造方法 |
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