JP2018206594A - 非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 原料粉末に均一に炭素皮膜を被覆することで、サイクル性が良好で、電池に使用した場合に電池特性のバラツキが少ない非水電解質二次電池用負極活物質を製造することができる非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法を提供する。【解決手段】 リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末の表面を化学蒸着によって炭素皮膜で被覆することで、非水電解質二次電池用負極活物質を製造する方法であって、炭素皮膜で被覆する工程において、ロータリーキルンを用いて、該ロータリーキルンのレトルトを回転させることで、該レトルトの内部に収容した原料粉末を転動させながら、有機物ガス及び/又は蒸気中、50Pa〜80000Paの減圧下、600〜1200℃の温度で化学蒸着することにより、原料粉末の表面を炭素皮膜で被覆することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。【選択図】 図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用負極活物質(以下、単に負極活物質とも呼ぶ)の製造方法に関する。
近年、携帯型の電子機器、通信機器等の著しい発展に伴い、経済性と機器の小型化、軽量化の観点から、高エネルギー密度の二次電池が強く要望されている。従来、この種の二次電池の高容量化策として、例えば、負極材にV、Si、B、Zr、Snなどの酸化物及びそれらの複合酸化物を用いる方法(特許文献1、特許文献2等)、溶融急冷した金属酸化物を負極材として適用する方法(特許文献3)、負極材に酸化珪素を用いる方法(特許文献4)、負極材にSiO及びGeOを用いる方法(特許文献5)等が知られている。
また、負極材に導電性を付与することを目的として、SiOを黒鉛とメカニカルアロイング後、炭化処理する方法(特許文献6)、珪素粒子表面に化学蒸着法により炭素層を被覆する方法(特許文献7)、酸化珪素粒子表面に化学蒸着法により炭素層を被覆する方法(特許文献8)、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料を有機物ガス及び/又は蒸気中、50Pa〜30000Paの減圧下、1000℃〜1400℃で化学蒸着する方法(特許文献9)、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料の表面を黒鉛皮膜で被覆する方法としてローラーハースキルン、ロータリーキルン等の連続炉で行う方法(特許文献10)、珪素含有物の表面をロータリーキルンを用いて黒鉛被覆処理する際に、黒鉛被覆処理速度を所定の値に限定するCVD(化学蒸着)処理方法(特許文献11)がある。
特開平5−174818号公報 特開平6−60867号公報 特開平10−294112号公報 特許第2997741号 特開平11−102705号公報 特開2000−243396号公報 特開2000−215887号公報 特開2002−42806号公報 特許第5196149号 特開2013−8654号公報 特開2016−222475号公報
しかしながら、上記のようなSiやSi化合物などを用いた負極材では、充放電容量が上がり、エネルギー密度が高くなるものの、サイクル性が不十分であったり、市場の要求特性には未だ不十分であったりし、必ずしも満足でき得るものではなく、更なるエネルギー密度の向上が望まれていた。
特に、特許文献4では、酸化珪素をリチウムイオン二次電池用負極材として用い、高容量の電極を得ているが、本発明者らがみる限りにおいては、未だ初回充放電時における不可逆容量が大きかったり、サイクル性が実用レベルに達していなかったりし、改良する余地がある。また、負極材に導電性を付与する技術についても、特許文献6では、均一な炭素皮膜が形成されず、導電性が不十分であるといった問題がある。また、特許文献8の方法においては、炭素被覆の構造及び基材との融合が不十分であることより、サイクル性の向上は確認されるも、充放電のサイクル数を重ねると徐々に容量が低下し、一定回数後に急激に低下するという現象があり、二次電池用としてはまだ不十分であるといった問題が有る。また、特許文献9は、粉状の材料の表面に減圧下でのCVD処理で炭素被覆することが開示されているが、主に固定層でのCVD処理であるため(即ち、炉内に収容した粉状の材料からなる粉体層を攪拌等することなく固定したままCVD処理する)、仕込量を増加(即ち、粉体層の厚みが増加)させると、粉体層下部まで均一な炭素被覆が行われない。このように炭素被覆が不均一な材料を負極材として電池に用いると、電池特性が低下するといった問題があった。また、特許文献10の炭素被覆の方法では、生産性は上がるものの、被覆した黒鉛皮膜の均一性に劣り、リチウムイオン二次電池用負極材として用いた場合、電池特性にバラツキが大きくなるといった問題があった。また、特許文献11においては、ロータリーキルンを用いて均一な黒鉛被覆を行うことを目的としているが、負極材の量産化を目的とし、ロータリーキルンのサイズを大きくする(即ち、内径が大きくなる)と、粉体層の厚さが大きくなり、層内部まで黒鉛被覆が行われないといった問題があった。また、CVD処理雰囲気についても常圧、減圧の記載はあるものの、特に減圧条件については詳細な記載は無い。
本発明は前述のような問題に鑑みてなされたもので、原料粉末に均一に炭素皮膜を被覆することで、サイクル性が良好で、電池に使用した場合に電池特性のバラツキが少ない非水電解質二次電池用負極活物質を製造することができる非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末の表面を化学蒸着によって炭素皮膜で被覆することで、非水電解質二次電池用負極活物質を製造する方法であって、前記炭素皮膜で被覆する工程において、ロータリーキルンを用いて、該ロータリーキルンのレトルトを回転させることで、該レトルトの内部に収容した前記原料粉末を転動させながら、有機物ガス及び/又は蒸気中、50Pa〜80000Paの減圧下、600〜1200℃の温度で化学蒸着することにより、前記原料粉末の表面を炭素皮膜で被覆することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法を提供する。
減圧度が50Pa未満では、炭素被覆速度が低下し、CVD処理に長時間を要する場合があったり、真空ポンプの排気能力を上げる必要があったりする為、経済的とはいえない。逆に、真空度が80000Paを超えると炭素源である有機物ガス及び/又は蒸気が粉体層内部まで拡散し難くなり、粉体間の炭素被覆率にバラツキが生じる。また、処理温度が600℃より低いと炭素被覆処理に長時間を要し、生産性が低下する。逆に処理温度が1200℃を超えると、レトルト材質の選定が限定され(金属製が使用できない)、大型化ができず、量産が困難となったり、被覆炭素が一部SiC化する事で電池特性が低下する場合がある。また、処理温度が1200℃あれば、十分な炭素被覆速度が得られる。
このとき、前記リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末を、珪素粒子、珪素の微粒子が珪素系化合物に分散した複合構造を有する粒子、一般式SiO(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素からなる粒子、又はこれらの混合物とすることが好ましい。
化学蒸着により炭素皮膜の被覆を行う原料粉末としては、充放電容量の大きい珪素又は珪素を含む化合物からなるものであることが好ましく、本発明の方法による炭素被膜の被覆によってサイクル特性が悪化しやすい珪素を含む負極活物質のサイクル特性を向上させることができる。
またこのとき、前記ロータリーキルンとして、バッチ式のものを用いることができる。
バッチ式のロータリーキルンは、装置構造上レトルト内を50Pa〜80000Paの減圧とし易いため、本発明にはバッチ式のロータリーキルンが好適である。
また、前記化学蒸着によって前記原料粉末の表面に炭素皮膜を被覆することで、JIS K7194に準拠する4探針法によって測定した38.2MPa印加時の体積抵抗率が1Ω・cm以下である非水電解質二次電池用負極活物質を製造することが好ましい。
上記体積抵抗率が1Ω・cm以下となるように炭素皮膜を被覆することで、電池の負極活物質として用いた際に導電ネットワークが形成されやすく、電池特性を向上することができる負極活物質が得られる。
また、前記化学蒸着によって前記原料粉末の表面に炭素皮膜を被覆することで、平均粒子径が0.1〜30μm、BET比表面積が0.3〜30m/g、炭素被覆率が0.5〜40質量%の範囲内である非水電解質二次電池用負極活物質を製造することが好ましい。
炭素皮膜被覆後の負極活物質の粉末の平均粒子径が0.1μm以上であれば、表面酸化し難く、純度を高く維持できるので、負極活物質として用いた場合、高い充放電容量が得られ、さらに、嵩密度が向上し、単位体積あたりの充放電容量がより向上する。また、平均粒子径が30μm以下であれば、化学蒸着処理における炭素析出量が多いものと言えるため、負極活物質として用いた場合にサイクル性能がより向上する。また、BET比表面積が0.3m/g以上であれば、表面活性が大きくなり、負極活物質として用いた場合に高い充放電容量が得られる。BET比表面積が30m/g以下であれば、電極作製時に必要な結着剤の量が少なくなるので、電極としての容量を十分にとれるうえに、経済的にも有利となる。また、炭素被覆率が0.5質量%以上であれば、十分な導電性が得られる。また、導電性の向上という観点からは、炭素被覆率が最大で40質量%あれば十分であり、炭素被覆率を40質量%以下とすることで、負極材に占める炭素皮膜の割合を小さくでき、充放電容量を向上できる。よって、このような平均粒子径、BET比表面積、及び炭素被覆率の範囲内となるように炭素皮膜を被覆することが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法であれば、原料粉末に均一に炭素皮膜を被覆することができるため、結果として、サイクル性が良好で、電池に使用した場合に電池特性のバラツキが少ない非水電解質二次電池用負極活物質を製造することができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法に使用できるバッチ式のロータリーキルンの一例を示す概略図である。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明者らは、上記の目的を達成するため種々検討を行った結果、比較的高容量な珪素酸化物などのリチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末の表面を炭素皮膜で被覆することで著しい電池特性の向上が見られることを確認すると同時に、市場の要求(電池特性、コスト)に答えるには、均一な炭素皮膜の被覆が必須であり、更に、炭素皮膜を有する負極活物質の量産化方式の確立が急務であるとの知見を得た。そこで、本発明者らは鋭意検討を行った結果、ロータリーキルンで原料粉末を転動しながら、50〜80000Paの減圧下、600〜1200℃の温度で炭素被覆処理を行うことで均一な炭素被膜が形成され、この炭素被覆粒子をリチウムイオン二次電池用負極活物質として用いることで市場の要求する特性レベルに到達し得ること及び量産化が可能ととなりコスト低減を図れることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法について説明する。まず、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法に用いることができるロータリーキルンについて図1を参照して説明する。なお、図1にはバッチ式のロータリーキルンを例示する。図1のように、ロータリーキルン1は、少なくとも、管状のレトルト2、レトルト2の内部を昇温するヒーター3、レトルト2の内部に炭素皮膜の原料となる有機物ガス及び/又は蒸気を導入するガス導入管4、レトルト2の内部を減圧する減圧機構5を具備する。
レトルト2は、炭素皮膜を被覆する対象となる、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末6を内部に収容する。また、管状のレトルト2は、略水平に配置されており、中心軸回りに回転可能なものである。このレトルト2の回転によって、レトルト2内に収容された原料粉末6を転動させることができる。なお、ここでいう転動とは、原料粉末6がレトルト2の内壁の上部の位置から転がり落ちる動きのことを言う。
減圧機構5は、例えば、排気バルブ7を介してレトルト2に接続された油回転ポンプ8からなるものを用いることができる。油回転ポンプ8はレトルト2から排気することでレトルト2の内部を減圧でき、また、排気バルブ7の開度を調整することで、減圧度を調整できる。
また、上記の通り、図1に示したロータリーキルン1はバッチ式であるが、これに限定されず、レトルト2のような回転機構を有する加熱装置であれば良く、バッチ式、連続式等を目的に応じ適宜選択することができる。但し、本発明においては、レトルト2の内部を減圧しやすいという点で、バッチ式のロータリーキルンを用いることが好ましい。
次に、上記のようなロータリーキルン1を用いる場合を例に本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法を説明する。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法では、リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末6の表面を炭素皮膜で被覆する工程において、ロータリーキルン1を用いて、該ロータリーキルン1のレトルト2を回転させることで、該レトルト2の内部に収容した原料粉末6を転動させながら、有機物ガス及び/又は蒸気中、50Pa〜80000Paの減圧下、600〜1200℃の温度で化学蒸着することにより、原料粉末6の表面を炭素皮膜で被覆する。
減圧度が50Pa未満では、炭素被覆速度が低下し、CVD処理に長時間を要する場合があったり、真空ポンプの排気能力を上げる必要があったりするので、経済的ではない。逆に、真空度が80000Paを超えると炭素源である有機物ガス及び/又は蒸気が、レトルト2の内部に収容された原料粉末6からなる粉体層の内部まで拡散し難くなり、粉体間の炭素被覆率にバラツキが生じる。減圧度は、100〜70000Paが好ましく、また、100〜50000Paがより好ましく、100〜30000Paとすることが特に好ましい。
また、炭素被覆処理を行う処理温度は、処理温度が600℃より低いと炭素被覆処理に長時間を要し、生産性が低下する。逆に、処理温度が1200℃を超えると、ヒーターの出力を非常に高くする必要があるため、経済的とは言えない。また、処理温度が1200℃あれば、十分な炭素被覆速度が得られる。また、特に一般式SiOx(0.5≦x<1.5)で表される酸化珪素からなる粒子を炭素被覆処理した場合、不均化反応が進行し過ぎ、炭素皮膜を被覆した酸化珪素(炭素被覆珪素複合体)をリチウムイオン二次電池負極材として用いた場合に、サイクル特性が低下してしまう。処理温度は特に700〜1100℃が好ましい。また、処理時間は、バッチ式のロータリーキルンの場合、0.5時間から30時間であることが好ましい。
特に、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法であれば、ロータリーキルン1による原料粉末6の転動と、80000Pa以下の減圧条件を組み合わせることで、炭素源である有機物ガス及び/又は蒸気が粉体層内部まで拡散し、均一な黒鉛皮膜の生成及び粉体間の炭素皮膜厚さのバラツキが低減される。すなわち、生産性を上げるべくロータリーキルン1内の仕込充填量を増加させた場合(粉体層厚さが増加)においても比較的均一な炭素皮膜が形成可能となり、電池特性の向上とバラツキの低減を図ることができる。また、このような製造方法は簡便であり、工業的規模の生産にも十分耐えうるものである。よって、高品質で、品質のばらつきが少ない負極活物質を大量生産できる。
また、本発明は、非水電解質二次電池用負極活物質としての充放電容量が現在主流であるグラファイト系のものと比較して数倍の容量であることから期待されている半面、繰り返しの充放電による性能低下が大きなネックとなっている珪素系活物質の電池特性を改善した炭素被覆珪素複合体の製造に好適である。
つまり、本発明において、炭素被覆処理を行う負極活物質の材料は、容量の大きい珪素を含むものであることが好ましく、珪素、酸化珪素、炭化珪素、窒化珪素、酸窒化珪素、及び、これらの混合物が挙げられるが、その中でも特に、珪素粒子、珪素の微粒子が珪素系化合物に分散した複合構造を有する粒子、一般式SiO(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素からなる粒子、又はこれらの混合物を用いた場合に本発明がより効果的である。
なお、本発明において、酸化珪素とは、通常、二酸化珪素と金属珪素との混合物を加熱して生成した一酸化珪素ガスを冷却・析出して得られた非晶質の珪素酸化物の総称である。本発明においては、上記の通り、材料として一般式SiOx(0.5≦x<1.6)の酸化珪素を用いることが好ましい。xは1.0≦x<1.3がより好ましく、特に1.0≦x≦1.2が好ましい。
また、珪素の微粒子が珪素系化合物に分散した微細な複合構造を有する粒子については、一般式SiOx(0.5≦x<1.6)の酸化珪素の粒子を出発原料とし、熱処理を行い不均化反応する事によって得られるが、この場合、珪素の微粒子の大きさは1nm〜500nmである事が好ましい。珪素の微粒子の大きさはX線回折・分析による結晶子のサイズを測定する事により得られる。また、ここでの珪素系化合物については、不活性なものが好ましく、製造し易さの点において二酸化珪素が好ましい。
本発明において炭素皮膜の原料として用いられる有機物ガス及び蒸気は、特に非酸性雰囲気下において、上記熱処理温度で熱分解して炭素(黒鉛)を生成し得るものが選択されることが好ましく、例えばメタン、エタン、エチレン、アセチレン、プロパン、ブタン、ブテン、ペンタン、イソブタン、ヘキサン等の炭化水素の単独もしくは混合物、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン、ジフェニルメタン、ナフタレン、フェノール、クレゾール、ニトロベンゼン、クロルベンゼン、インデン、クマロン、ピリジン、アントラセン、フェナントレン等の1環から3環の芳香族炭化水素もしくはこれらの混合物が挙げられる。また、タール蒸留工程で得られるガス軽油、クレオソート油、アントラセン油、ナフサ分解タール油も単独もしくは混合物として用いることができる。また、雰囲気は、特に限定されず、上記有機物の他にAr、N、H、He等の非酸化性ガスを混合する事もできる。なお、本明細書では、常温でも気体状態にあるものを有機物ガス、常温で気体状態ではないが、化学蒸着時の上記処理温度で気体状態となるものを有機物蒸気と定義する。
また、本発明では、化学蒸着によって原料粉末6の表面に炭素皮膜を被覆することで、JIS K7194に準拠する4探針法によって測定した38.2MPa印加時の体積抵抗率が1Ω・cm以下である非水電解質二次電池用負極活物質を製造することが好ましい。このような負極活物質は、導電ネットワークが形成されやすく、電池特性を向上することができる。
また、本発明では、化学蒸着によって前記原料粉末6の表面に炭素皮膜を被覆することで、平均粒子径が0.1〜30μm、BET比表面積が0.3〜30m/g、炭素被覆率が0.5〜40質量%の範囲内である非水電解質二次電池用負極活物質を製造することが好ましい。
炭素皮膜被覆後の負極活物質粒子の平均粒子径が0.1μm以上であれば、表面酸化し難く、純度を高く維持できるので、負極活物質として用いた場合、高い充放電容量が得られ、さらに、嵩密度が向上し、単位体積あたりの充放電容量がより向上する。平均粒子径が30μm以下であれば、化学蒸着処理における炭素析出量が多いものと言える(即ち、平均粒子径が小さい方が粒子全体の質量のうち炭素の質量が占める割合が大きくなる)ため、負極活物質として用いた場合にサイクル性能がより向上する。平均粒子径は、特に0.3μm〜25μmとすること好ましい。なお、平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における重量平均粒子径で表すことができる。
また、炭素皮膜被覆後の負極活物質粒子のBET比表面積が0.3m/g以上であれば、表面活性が大きくなり、負極活物質として用いた場合に高い充放電容量が得られる。BET比表面積が30m/g以下であれば、電極作製時に必要な結着剤の量が少なくなるので、電極としての容量を十分にとれるうえに、経済的にも有利となる。BET比表面積は、特に、0.5〜25m/gとすることが好ましい。
また、炭素皮膜被覆後の負極活物質粒子の炭素被覆率が0.5質量%以上であれば、体積抵抗率が1Ω・cmを下回り、良好な導電性が得られる。また、導電性の向上では、炭素被覆率が最大で40質量%あれば十分であり、炭素被覆率を40質量%以下とすることで、負極材に占める炭素の割合を小さくでき、充放電容率を向上できる。炭素被覆率は、特に、2〜30質量%とすることが好ましい。炭素被覆率は、原料粉末と炭素皮膜の合計質量中における炭素皮膜の質量割合で定義される。
上記のような平均粒子径とBET比表面積を有する炭素被覆珪素複合体を得るためには、原料粉末6として、平均粒子径が0.1〜30μm、特に0.3μm〜25μm、また、BET比表面積が、0.1〜25m/g、特に0.2〜20m/gである粉末状の原料粉末6を用いることが望ましい。
以上のようにして、本発明によって、均一な炭素皮膜を有し、粒子間で炭素皮膜の厚さのばらつきが少ない負極活物質を得ることができる。また、以下のようにして、本発明の方法で製造した負極活物質を含む負極材を用いて、リチウムイオン二次電池を製造することができる。この場合、リチウムイオン二次電池は、上記の負極活物質を含む負極材を用いる点に特徴を有し、その他の正極、負極、電解質、セパレータなどの材料及び電池形状などは特に限定されない。
例えば、正極活物質としてはLiCoO、LiNiO、LiMn、V、MnO、TiS、MoSなどの遷移金属の酸化物及びカルコゲン化合物などが用いられる。電解質としては、例えば、過塩素酸リチウムなどのリチウム塩を含む非水溶液が用いられ、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフランなどを単独で、又は2種類以上を組み合わせて用いられる。また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用できる。
なお、本発明の方法を用いて製造した負極活物質を含む負極材を用いて負極を作製する場合、リチウムイオン二次電池負極材に黒鉛等の導電剤を添加することができる。この場合においても導電剤の種類は特に限定されず、構成された電池において、分解や変質を起こさない電子伝導性の材料であればよく、具体的にはAl,Ti,Fe,Ni,Cu,Zn,Ag,Sn,Si等の金属粉末や金属繊維、又は天然黒鉛、人造黒鉛、各種のコークス粉末、メソフェーズ炭素、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、各種の樹脂焼成体等の黒鉛を用いることができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すようなバッチ式のロータリーキルン1を用い、以下の条件にて炭素被覆処理を行った。まず、平均粒子径5μmの一般式SiO(x=1.02)で表される酸化珪素粉末をバッチ式のロータリーキルン1内のレトルト2(内径:800mm、長さ:1000L=1000mm)に30kg仕込んだ。次に、レトルト2を回転数1rpmにて回転させながら、窒素ガスをガス導入管4から30NL/min流入させ、300℃/hrの昇温速度で1000℃まで昇温・保持した。次に、窒素ガスを停止し、ガス導入管4からメタンガスを30NL/min流入し、油回転ポンプ8を作動させ、1000Paの減圧下、7時間の炭素被覆処理を行った。
なお、真空度の調整は排気バルブ7の開度調整によって行った。被覆処理後は降温し、負極活物質の粉末を回収した。負極活物質は、回収量が約31kgであり、体積抵抗率=0.15Ω・cm(体積抵抗率は、四探針式体積抵抗率計(三菱化学アナリテック製 MCP−PD51)に非水電解質二次電池負極材料を1.5g投入し、12kNの荷重(圧力換算すると38.2MPa)をかけた状態で測定を行った)、平均粒子径=5.2μm、BET比表面積=5.1m/g、炭素被覆率=5.4質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
[電池評価]
次に、以下の方法で、得られた負極活物質の粉末を用いた電池の初回効率及びサイクル特性の評価を行った。ここではまず、負極活物質にポリイミドを10質量%の量で加え、更に、N−メチルピロリドンを加えてスラリーとし、このスラリーを厚さ20μmの銅箔に塗布し、80℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、この電極を350℃で1時間真空乾燥した後、2cmに打ち抜き、負極とした。
次に、得られた負極の充放電特性を評価するために、対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として六フッ化リンリチウムを、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1モル/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレータに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池(テストセル)を作製した。
作製した評価用リチウムイオン二次電池は、一晩室温で放置した後、二次電池充放電試験装置((株)ナガノ製)を用い、テストセルの電圧が0Vに達するまで0.5mA/cmの定電流で充電を行い、0Vに達した後は、セル電圧を0Vに保つように電流を減少させて充電を行った。そして、電流値が40μA/cmを下回った時点で充電を終了した。放電は0.5mA/cmの定電流で行い、セル電圧が2.0Vを上回った時点で放電を終了し、放電容量を求めた。以上の充放電試験を50サイクル繰り返した。
その結果、初回充電容量1910mAh/g、初回放電容量1460mAh/g、初回充放電効率76.4%、50サイクル目の放電容量1350mAh/g、50サイクル後のサイクル維持率92.5%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
(実施例2)
真空度を30000Paとした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質の粉末は、回収量が約31kgであり、体積抵抗率=0.22Ω・cm、平均粒子径=5.2μm、BET比表面積=5.3m/g、炭素被覆率=5.4質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1900mAh/g、初回放電容量1460mAh/g、初回充放電効率76.8%、50サイクル目の放電容量1340mAh/g、50サイクル後のサイクル維持率91.8%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(実施例3)
真空度を50000Paとした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質の粉末は、回収量が約31kgであり、体積抵抗率=0.35Ω・cm、平均粒子径=5.0μm、BET比表面積=5.4m/g、炭素被覆率=5.6質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1890mAh/g、初回放電容量1450mAh/g、初回充放電効率76.7%、50サイクル目の放電容量1330mAh/g、50サイクル後のサイクル維持率91.7%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(実施例4)
真空度を80000Paとした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質の粉末は、回収量が約31kgであり、体積抵抗率=0.95Ω・cm、平均粒子径=5.1μm、BET比表面積=5.9m/g、炭素被覆率=5.7質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1890mAh/g、初回放電容量1430mAh/g、初回充放電効率75.7%、50サイクル目の放電容量1300mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率90.9%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(実施例5)
真空度を100Paとした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。なお、真空度を上げる為、油回転ポンプに加えメカニカルブースターポンプも作動させた。負極活物質の粉末は、回収量が回収量は、約31kgであり、体積抵抗率=0.13Ω・cm、平均粒子径=5.2μm、BET比表面積=5.1m/g、炭素被覆率=5.2質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1920mAh/g、初回放電容量1470mAh/g、初回充放電効率76.6%、50サイクル目の放電容量1360mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率92.5%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(実施例6)
真空度を50Paとした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。なお、真空度を上げる為、油回転ポンプに加えメカニカルブースターポンプも作動させた。負極活物質の粉末は、回収量が回収量は、約31kgであり、体積抵抗率=0.10Ω・cm、平均粒子径=5.2μm、BET比表面積=5.1m/g、炭素被覆率=5.0質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1930mAh/g、初回放電容量1480mAh/g、初回充放電効率76.7%、50サイクル目の放電容量1370mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率92.6%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(実施例7)
CVD処理温度を1200℃、処理時間を1.5時間(炭素被覆率が5%となるように調整)とした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質の粉末は、回収量が回収量は、約31kgであり、体積抵抗率=0.74Ω・cm、平均粒子径=5.0μm、BET比表面積=4.3m/g、炭素被覆率=5.6質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1870mAh/g、初回放電容量1410mAh/g、初回充放電効率75.4%、50サイクル目の放電容量1270mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率90.1%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(実施例8)
CVD処理温度を600℃、処理時間を20時間(炭素被覆率が5%となるように調整)とした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質の粉末は、回収量が回収量は、約31kgであり、体積抵抗率=0.16Ω・cm、平均粒子径=5.1μm、BET比表面積=5.8m/g、炭素被覆率=4.8質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1940mAh/g、初回放電容量1500mAh/g、初回充放電効率77.3%、50サイクル目の放電容量1390mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率92.7%の高容量であり、かつ初回充放電効率及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池であった。
(比較例1)
CVD処理雰囲気を常圧(101500Pa、油回転ポンプを作動させず)とした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質は、回収量が約31kgであり、体積抵抗率=1.23Ω・cm、平均粒子径=5.3μm、BET比表面積=6.3m/g、炭素被覆率=5.9質量%の炭素被覆珪素複合体であった。体積抵抗率が1Ω・cmを超えてしまったのは、実施例ほど均一な炭素皮膜が形成されていないためと考えられる。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1820mAh/g、初回放電容量1330mAh/g、初回充放電効率73.1%、50サイクル目の放電容量1170mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率88.0%であり、明らかに実施例に比べ、初回充放電容量、サイクル性に劣るリチウムイオン二次電池であった。
(比較例2)
真空度を85000Paとした他は、実施例1と同様な方法で炭素被覆処理を行った。負極活物質は、回収量が、約31kgであり、体積抵抗率=1.15Ω・cm、平均粒子径=5.1μm、BET比表面積=5.9m/g、炭素被覆率=5.7質量%の炭素被覆珪素複合体であった。体積抵抗率が1Ω・cmを超えてしまったのは、実施例ほど均一な炭素皮膜が形成されていないためと考えられる。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1850mAh/g、初回放電容量1390mAh/g、初回充放電効率75.1%、50サイクル目の放電容量1240mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率89.2%であり、明らかに実施例に比べ、初回充放電容量、サイクル性に劣るリチウムイオン二次電池であった。
(比較例3)
黒鉛製トレイ(内径800mm)に平均粒子径5μmの一般式SiO(x=1.02)で表される酸化珪素粉末を10kg仕込み(粉体層の厚さ:32mm)、真空炉中で1000Paの減圧下、メタンガスを20NL/min流入させながら、1000℃×5時間の炭素被覆処理を行った。このように、ロータリーキルンを用いない加熱炉(材料が固定層でのCVD処理)内で、減圧雰囲気下でCVD処理を行った。回収物は、粉体層の上部は黒色であるが、粉体層下部は炭素被覆されていない、まだらな状態であった。回収量は、約11kgであり、体積抵抗率=2.18Ω・cm、平均粒子径=5.2μm、BET比表面積=5.4m/g、炭素被覆率=5.1質量%の炭素被覆珪素複合体であった。
得られた負極活物質を用いて、実施例1と同様な方法で電池評価を行った。その結果、初回充電容量1760mAh/g、初回放電容量1310mAh/g、初回充放電効率74.4%、50サイクル目の放電容量1100mAh/g、50サイクル後のサイクル保持率84.0%であり、明らかに実施例に比べ、初回充放電容量、サイクル性に劣るリチウムイオン二次電池であった。
上記実施例1〜6及び比較例1〜3の条件、及び実施結果を下記表1にまとめる。
Figure 2018206594
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…ロータリーキルン、 2…レトルト、 3…ヒーター、
4…ガス導入管、 5…減圧機構、 6…原料粉末、
7…排気バルブ、 8…油回転ポンプ。

Claims (5)

  1. リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末の表面を化学蒸着によって炭素皮膜で被覆することで、非水電解質二次電池用負極活物質を製造する方法であって、
    前記炭素皮膜で被覆する工程において、
    ロータリーキルンを用いて、該ロータリーキルンのレトルトを回転させることで、該レトルトの内部に収容した前記原料粉末を転動させながら、
    有機物ガス及び/又は蒸気中、50Pa〜80000Paの減圧下、600〜1200℃の温度で化学蒸着することにより、前記原料粉末の表面を炭素皮膜で被覆することを特徴とする非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  2. 前記リチウムイオンを吸蔵、放出し得る材料からなる原料粉末を、珪素粒子、珪素の微粒子が珪素系化合物に分散した複合構造を有する粒子、一般式SiO(0.5≦x<1.6)で表される酸化珪素からなる粒子、又はこれらの混合物とすることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  3. 前記ロータリーキルンとして、バッチ式のものを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  4. 前記化学蒸着によって前記原料粉末の表面に炭素皮膜を被覆することで、JIS K7194に準拠する4探針法によって測定した38.2MPa印加時の体積抵抗率が1Ω・cm以下である非水電解質二次電池用負極活物質を製造することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
  5. 前記化学蒸着によって前記原料粉末の表面に炭素皮膜を被覆することで、平均粒子径が0.1〜30μm、BET比表面積が0.3〜30m/g、炭素被覆率が0.5〜40質量%の範囲内である非水電解質二次電池用負極活物質を製造することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用負極活物質の製造方法。
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