JP2018204260A - 融雪装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地面、道路や側溝などに設置し、雪や氷などを溶かすことができる融雪装置を提供する。【解決手段】前記融雪装置は、面状発熱部で構成された発熱部材、および前記面状発熱部を外側から保護する保護部材510、および融雪水の排水機構を備え、前記保護部材510は、略平坦な踏面511と、前記踏面の縁に配設された荷重負荷部とを備え、前記略平坦な踏面511からの荷重は、前記荷重負荷部により支えられ、前記面状発熱部は、前記荷重負荷部を除く範囲で前記踏面511と略同等の大きさを有しており、前記保護部材510の荷重負荷部およびベース部材540には、融雪水を融雪装置内部へ流入した後に外部へ排出可能な隙間が存在している。【選択図】図20

Description

本発明は、地面、道路や側溝などに設置し、雪や氷などを溶かすことができる融雪装置に関する。
積雪地域では、路面への積雪、さらには積雪による路面の凍結などを解消するため、効率的な除雪作業が重要な課題となっている。現状、地面の雪を電気ヒーターで融かす手段として主に埋設型の「舗装内に埋設したヒーティングケーブルによるロードヒーティング」と、非埋設型の「ゴムや樹脂でヒーターが挟み込まれている融雪マット」の2種類がある。
「舗装内に埋設したヒーティングケーブルによるロードヒーティング」は主に車道に使われているが、コスト高、施工が困難であるとともに、舗装で埋設されているため舗装に熱が奪われ融雪効率が悪い、という課題がある。一方、「ゴムや樹脂でヒーターが挟み込まれている融雪マット」は、歩道や民家の玄関に使われ、コストが安く、施工が容易であり、融雪効率が良いのが利点であるが、車道では重荷重が掛かる、タイヤの動きによりまくれる、ずれる等の現象が起きるため使用出来ない。
例えば、非埋設型で使用可能な融雪装置として、特許文献1(実開昭57−091805号公報)が挙げられる。この文献では、筐状躯体内に断熱体が裏面に積層されている発熱体が収納されており、筐状躯体の側面には発熱体の電極に通電するためのリード線の接続部が設けられている、路面敷設板が開示されている。この路面敷設板では、発熱体からの発熱が上板に伝導して融雪が行われる。また、リード線を収納する小箱を、側面の開口部にはめ込むことも可能である。
また、特許文献2(特開平10−88511号公報)には、所定の厚さの鋼板で形成した一端開口である箱体と、この箱体の底部内面側に取り付けかつ外部との接続部を有すると共に保護体により保護処理された発熱体と、上記箱体内部に開口面まで充填した充填材とを具備することを特徴とする融雪用ロードヒーティングパネルブロックが開示されている。
また、特許文献3(実開平6−22820号公報)には、溝型鋼の内部に面状発熱体と蓄熱材(砂)を入れた道路融雪や床暖房に用いられる発熱ユニットが記載されている。
実開昭57−091805号公報 特開平10−88511号公報 実開平6−22820号公報
しかしながら、特許文献1の路面敷設板では、発熱体と筐状躯体の上板が接しているため、車両などの荷重が上板にかかる度に、撓んだ上板と発熱体とが過度に接触し、発熱体を傷つけてしまう。また、リード線を収納する小箱を、側面の開口部にはめ込むため、側面の強度を十分担保できない可能性が存在する。さらに、断熱性を上げるためには大量の断熱材が必要となり、コスト高となる。
また、特許文献2では、充填材としてアスファルト、コンクリートセメント、透水性固形化土壌を用いており、特許文献3では蓄熱材として砂を用いているため、いずれも取扱性だけでなく、断熱性にも劣っている。
したがって、本発明の目的は、取扱性が良好で、耐久性に優れるととも、融雪効率の高い融雪装置を提供することである。
すなわち、本発明は、以下の態様で構成されうる。
〔態様1〕
面状発熱部と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部とで構成された発熱部材、および前記面状発熱部を外側(または上方)から保護する保護部材、を少なくとも備える融雪装置であって、前記保護部材は、略平坦な踏面と、前記踏面の縁に配設された互いに対向する少なくとも一対の荷重負荷部とを備え、前記略平坦な踏面からの荷重は、前記荷重負荷部により支えられ、前記面状発熱部は、前記荷重負荷部を除く範囲で前記踏面と略同等の大きさを有しており、融雪水の排水機構を少なくとも備える、融雪装置。
前記融雪装置では、面状発熱部により均一な発熱をすることが可能であるとともに、保護部材により面状発熱部に対して荷重がかからないように構成されているため、面状発熱部が荷重により損傷するのを抑制することが可能である。さらに、融雪水は、踏面から速やかに除去することができるため、平らな面に設置されている融雪装置であっても、融雪効率を向上することができる。さらに、融雪水の排水機構により、融雪水は、速やかに踏面から除去されるため、融雪装置の融雪効率を向上することができる。
なお、本発明において雪および氷を解かすことを総称して融雪という。また、前記融雪装置は、融雪効率を高める観点から、非埋設型の融雪装置であるのが好ましい。
さらに、本発明において、内側とは、融雪装置の設置面により近づく方向を意味し、外側とは、融雪装置の設置面からより離れる方向を意味している。
〔態様2〕
態様1の融雪装置において、前記面状発熱部が、導電性繊維を用いる面状発熱体で構成される、融雪装置。前記融雪装置では、導電性繊維のため面状発熱部が凹凸形状や、折れ曲がり形状であっても通電性を担保することが可能であり、融雪装置の形状を設置場所や、融雪装置内部の配置の自由度を向上することができる。
〔態様3〕
態様1または2の融雪装置において、前記保護部材が、前記踏面に対してかかる荷重を分散するための補強部(例えば、踏面の下に略均等に配設される角材やブレード材)を備える、融雪装置。前記融雪装置では、補強部により、耐荷重性を向上できるだけでなく、踏面の撓み量を低減し、面状発熱部の損傷を抑制し、融雪装置の耐久性を向上することができる。
〔態様4〕
態様1〜3のいずれか一態様の融雪装置において、前記融雪装置は、着脱自在に配設可能なカートリッジを備えており、前記カートリッジは、少なくとも前記面状発熱部で構成されている、融雪装置。前記融雪装置では、面状発熱部をカートリッジ方式とすることにより、ヒーターのメンテナンス性を向上させるとともに、融雪装置の修理を容易に行うことができる。特に、故障したとしても、カートリッジの交換により対応することが可能となる。
〔態様5〕
態様1〜4のいずれか一態様の融雪装置において、前記面状発熱部の内側(または下方)に断熱部材を備える、融雪装置。前記融雪装置では、断熱部材により面状発熱部からの放熱を融雪に効率よく利用することができる。
〔態様6〕
態様5の融雪装置において、前記融雪装置は、着脱自在に配設可能なカートリッジを備えており、前記カートリッジは、着脱自在に配設可能なカートリッジを備えており、前記カートリッジは、織物性面状発熱部と、平板状断熱材とを備えており、前記平板状断熱材は、前記織物性面状発熱部の上面に、所定の間隔で前記面状発熱部の長手方向に向かって戴置され、前記間隔を折曲部として断熱材を折り畳み可能である、融雪装置。前記融雪装置では、面状発熱部と断熱材を組み合わせて折り畳み式のカートリッジとすることにより、上述したカートリッジとしての利点を有するだけでなく、収納性を向上させることができる。
〔態様7〕
態様5または6のいずれか一態様の融雪装置において、前記発熱部材が、電極部の端子を収納するための収納部を備えており、この収納部が、前記断熱部材に内設されている、融雪装置。前記融雪装置では、端子を断熱部材に内設することにより、融雪装置の一体性を高め、収納部が外部の影響をうけるのを低減することが可能となる。
〔態様8〕
態様1〜7のいずれか一態様の融雪装置において、前記保護部材に、融雪水を融雪装置内部へ流入可能な隙間(例えば、踏面に配設される貫通孔、荷重負荷部に配設される切欠き部など)が存在する、融雪装置。前記融雪装置では、融雪水を融雪装置を通じて踏面から速やかに除去することができるため、平らな面に設置されている融雪装置であっても、融雪効率を向上することができる。
〔態様9〕
態様1〜8のいずれか一態様の融雪装置において、前記踏面に、融雪水を融雪装置内部へ流入可能な貫通孔(例えば、格子状の貫通孔や、打ち抜き加工の貫通孔)が存在する、融雪装置。前記融雪装置では、踏面に貫通孔を設けることにより、融雪装置の更なる軽量化が可能となるだけでなく、融雪水を踏面から積極的に除去することができ、融雪効率を向上することができる。さらに、面状発熱部と外気との接触率が高まるため、融雪効率を向上することができる。
〔態様10〕
態様1〜9のいずれか一態様の融雪装置において、さらに、保護部材を支持するためのベース部材(例えば、保護部材を内側(または下方)から取り囲む側面と、少なくとも一対の側面に配設された保護部材の受け部を少なくとも含む開口型のベース部材)を備え、前記ベース部材には、流入した融雪水の排水孔(例えば、ベース部材底面に配設される貫通孔、ベース部材枠部側面に配設される切欠き部など)が配設されている、融雪装置。前記融雪装置では、ベース部材を配設することにより、設置場所にとらわれず、可搬式の融雪装置として、さまざまな設置場所へ移動させることが可能であり、さらに、融雪装置内部に入り込んだ融雪水を、ベース部材に配設された排水孔より効率よく除去することができ、融雪効率を向上することができる。
〔態様11〕
態様5〜10のいずれか一態様の融雪装置において、前記ベース部材および前記断熱部材に囲まれて、中空構造が形成されている、融雪装置。前記融雪装置では、ベース部材および断熱部材により中空構造が形成されることにより、融雪装置の断熱性を高めて、融雪効率を向上することができる。
〔態様12〕
態様10または11の融雪装置において、前記ベース部材は、設置場所との接触部(例えば、前記ベース部材における前記底面)において波状または折れ板状である、融雪装置。前記融雪装置では、ベース部材の形状を特定の形状とすることにより、ベース部材の強度を向上できるだけでなく、設置場所での滑り止めとしても利用することができ、さらに、空気層の形成により断熱性能を向上させ、融雪効率を向上することができる。
〔態様13〕
態様1〜9のいずれか一態様の融雪装置において、側溝に設置される側溝蓋として用いられる、融雪装置。前記融雪装置では、側溝の構造を利用して敷設することが可能であり、設置が容易であるにもかかわらず、排水性に優れた融雪装置として利用可能である。
このように、本発明の融雪装置によれば、保護部材により、踏面からの荷重がかかることなく面状発熱部を内包すること、および生成した融雪水を踏面から積極的に排水する機構を備えることによって、面状発熱部が損傷するのを抑制して、融雪装置の耐久性を向上できるだけでなく、効率よく融雪することが可能である。
この発明は、添付の図面を参考にした以下の好適な実施例の説明から、より明瞭に理解されるであろう。しかしながら、実施例および図面は単なる図示および説明のためのものであり、この発明の範囲を定めるために利用されるべきものではない。この発明の範囲は添付の請求の範囲によって定まる。
本発明の第1の実施形態に係る融雪装置を説明するための概念的な概略分解斜視図である。 図1の融雪装置の概略斜視図である。 図2の融雪装置の保護部材の一部拡大斜視図である。 図2の融雪装置の矢断面での概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る融雪装置の概略斜視図である。 図5の融雪装置の概略分解斜視図である。 図5の融雪装置の一部を説明するための概略分解斜視図である。 図5の融雪装置で用いられる面状発熱体と断熱材とで構成されたカートリッジを取り外して、折りたたんだ様子を説明するための概略斜視図である。 図7の保護部材の矢断面での概略断面図である。 図5の融雪装置の概略断面図である。 図5の融雪装置の融雪水の排水機構を説明するための概略一部斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る融雪装置を説明するための概念的な概略斜視図である。 図12の融雪装置の一部について、底面側から見た様子を説明するためための概略斜視図である。 図12の融雪装置を取り付ける様子を説明するための概略側面図である。 本発明の第4の実施形態に係る融雪装置の概略側面図である。 図15の融雪装置の概略断面図である。 図15の融雪装置の概念的な概略分解斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る融雪装置の概略斜視図である。 図18の融雪装置の概略分解斜視図である。 図18の融雪装置の概略断面図である。 本発明の第6の実施形態に係る融雪装置の概略斜視図である。 図21の融雪装置の概略断面図である。 図2の融雪装置を連結させた実施形態を説明するための概略斜視図である。 図23の連結部分を説明するための概略斜視図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略斜視図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略斜視図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略斜視図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略斜視図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略斜視図である。 図29の融雪装置を説明するための概略側面図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略側面図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略斜視図である。 本発明の融雪装置の応用例を説明するための概略側面図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。ただし、本発明は、図示の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る融雪装置を説明するための概念的な概略分解斜視図であり、図2は、図1の融雪装置の概略斜視図であり、図3は、図2の融雪装置の保護部材の一部拡大斜視図であり、図4は、図2の融雪装置の矢断面での概略断面図である。
図1に示すように、融雪装置100は、面状発熱部121と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部(図示せず)とで構成された発熱部材120、およびこの面状発熱部121を外側(または上方)から保護する保護部材110、を少なくとも備えている。さらに、融雪装置100は、この面状発熱部121を外側(または上方)から保護する保護部材110と、前記面状発熱部121の内側(または下方)に配設された断熱部材130とを備えている。
融雪装置100は、さらに保護部材110を支持するためのベース部材140を、断熱部材の内側(または下方)において、設置面側に備えている。ベース部材140は、設置場所(例えば、道路や地面)の設置面と直接接触し、保護部材を下から覆うように配設されている。言い換えると、融雪装置100は、外側(または上方)から、保護部材110、発熱部材120(面状発熱部121)、断熱部材130、およびベース部材140の順で積層されている。
図1に示す実施形態では、ベース部材140は、設置場所と直接接触する底面部である折板141と、折板141の周縁に直立して配設され、ベース部材の少なくとも側面を形成するベース部材枠部142と、ベース部材枠部142の一部であり、前記ベース部材枠部142の対向する少なくとも一対の側面に形成された保護部材110の荷重受け部(以下、単に受け部と称する場合がある)143,143とを備えている。図では、受け部143,143は、ベース部材において、保護部材と接触する部分およびその部分から外側に向かうベース部材の先端(外端)で構成されている。
また、図1に示すように、融雪装置100では、発熱部材120は、面状発熱部221と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部122,122(図示せず)と、この電極部の端子の収納部123とを備えている。融雪水が融雪装置100の内部に侵入した場合に発熱部材がショートするのを防ぐため、面状発熱部121および電極部122,122は防水加工されているのが好ましい。また、収納部123は、面状発熱部121の裏側(すなわち、保護部材110とは反対側)に配設されているのが好ましい。
面状発熱部121の内側(または下方)には断熱部材130が配設され、面状発熱部121からの放熱が内側(または下方)に散逸するのを抑制する。図1に示すように、収納部123が面状発熱部121の裏側に配設されている場合、融雪装置をコンパクトにする観点から、断熱部材130は収納部123を避けて配設されてもよい。
図2に示すように、融雪装置100は、保護部材110、発熱部材120、断熱部材130、およびベース部材140が一体となったヒーティングパネルとして、所望の設置場所に設置することができる。保護部材110は、前記略平坦な踏面111と、この踏面111に対してかかる荷重を分散するための補強部112と、前記踏面111からの荷重(保護部材自体の荷重も含む)を、ベース部材140に対して負荷する荷重負荷部113とを備えている。融雪装置100の前記踏面111に対してかかった荷重は、保護部材110に配設された補強部112により分散され、均等化される。そして、荷重負荷部113により、踏面111からの荷重が支持される。
より詳細には、図3に示すように、融雪装置100では、保護部材110はグレーチングで形成される。グレーチングは、図3に示すように最表面において互いに平行に配設された線状のクロスバー115、およびこのクロスバー115の下側で、クロスバーと略直交して接触するテープ状のベアリングバー116を少なくとも備えている。グレーチング表面のクロスバーにより略平坦な踏面111が形成される。グレーチングのクロスバー115と直交して接触するベアリングバー116が補強部112として機能し、この踏面111にかかる荷重は、グレーチング内で分散され、荷重により、グレーチングが下方へ撓む際の撓み量を低減することができる。そのため、保護部材110に対して荷重がかかった場合に生じる下方への撓みにより、面状発熱部111が損傷することを防ぐことができる。
さらにグレーチングにおいて、ベース部材140の受け部と接触する部分のエッジバー117およびクロスバー115、さらに前記接触部分の外側(または上方)に位置するベアリングバー116は、保護部材110の荷重負荷部113として機能する。すなわち、荷重負荷部113は、ベース部材140の受け部143と接触することにより、ベース部材140の受け部143に対して荷重を負荷する。なお、踏面111と補強部112と荷重負荷部113とはグレーチングとして一体成型されているが、それぞれの機能により各部材として識別することが可能である。荷重負荷部113は、保護部材において、ベース部材と接触する部分およびその部分から外側に向かう保護部材の先端(外端)で構成されている。
図4に示すように、ベース部材140の折板141は、ストライプ状に凹凸形状を有しており、複数の凸部により、断熱部材130を支持している。この断熱部材130の上には、面状発熱部121が、断熱部材130に対して、接着または非接着により接合または戴置されている。
一方、ベース部材140は、受け部143,143においてのみ保護部材110と接しているため、受け部143,143に対して、保護部材110からの荷重が加わる。受け部143,143は、それぞれ、断面略L字形状で、略L字形状の各底面が互いに内向して、保護部材110の荷重負荷部113と接触している。図4に示すように、ベース部材の受け部143,143の底面部は、面状発熱部121(特に発熱部材120)よりも、上下方向においてより高い位置に存在している。そのため、保護部材110の底面と発熱部材120の上面との間には隙間が存在している。なお、上述したように、保護部材110では、補強部112により撓み量が低減されているが、荷重により保護部材110が下方に撓んだ場合でも、前記隙間は維持された状態となるよう、各部材のサイズは調整される。例えば、断熱部材130は、撓み量を吸収するよう厚みが薄くてもよく、および/またはベース部材140の折板の凸部の高さは、撓み量を吸収するよう高さが低くてもよい。
保護部材110とベース部材140とは、保護部材110の荷重負荷部113とベース部材140の受け部143とにより互いに接しており、荷重負荷部113から受け部143に負荷される荷重は、荷重負荷部113およびベース部材140の受け部143により支えられる。そのため、荷重の負荷の有無にかかわらず、保護部材110と発熱部材120との間には隙間が存在し、踏面111にかかる荷重は、発熱部材120には影響しない。
一方、保護部材110と面状発熱部121は隙間を介して隣接しているため、面状発熱部111から放射される熱が、保護部材110を介して外部に放出され設置域の雪や氷を溶かすことができる。特に保護部材110に貫通孔114が形成されている場合、外気と面状発熱部111とが直接触れるため、融雪効率を高めることができる。
また、図4に示すように、発熱部材120において、面状発熱部121は、荷重負荷部113を除く範囲において、前記踏面111と略同等の大きさを有している。そのため、踏面111を全体的に温めて、融雪効率を高めることができるとともに、荷重負荷部113からの荷重を避けることができる。それにより、面状発熱部121が荷重により損傷するのを防ぎ、融雪装置の延命化を達成できる。
さらに、図4に示すように、断熱部材130の内側(または下方)に、中空構造150が存在している場合、砂などの充填材を配設する場合と比べ、融雪装置100の軽量化に貢献する。特に、断熱性の中空構造では融雪効率を高めることができる。より具体的には、図1および図4に示すように、ベース部材140には、設置面と接触して略密閉型であり断熱性に優れる断熱性中空構造151と、排水孔153が側面に存在する排水性中空構造152の双方が存在する。断熱性中空構造151は、断熱構造により面状発熱部からの発熱の散逸を防ぎ、融雪効率を高めることができるため好ましい。排水性中空構造152は、融雪装置100の内部に融雪水が入り込む場合に、積極的に融雪水を外部へ排除して、融雪水が滞留することによる温度低下を防ぐだけでなく、融雪水の再凍結を抑制できるため好ましい。
なお、断熱性中空構造151に融雪水が侵入しない場合は、排水孔が存在していなくてもよいが、図1に示すように、底面に排水孔154を配設してもよい。この場合、排水孔154は設置面との接触により閉ざされ断熱性を保持することができるが、融雪水が中空構造151に侵入した場合には、排水孔154より外部へと排水することが可能である。
したがって、融雪装置100は、融雪水の排水機構として、保護部材110の格子状の貫通孔114により融雪水を融雪装置100内部に導入し、この融雪水をベース部材140側面に設けられた排水孔153(必要に応じてベース部材140底面に設けられた排水孔154)から排出する仕組みを備えている。また、面状発熱体および/または断熱部材は、面状発熱体上に流入した水が排水孔側へ排出されるのを促進するために、本発明の効果を阻害しない範囲において、適宜傾斜構造やアーチ構造を有していてもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る融雪装置の概略斜視図であり、図6は、図5の融雪装置の概略分解斜視図であり、図7は、図5の融雪装置の一部を説明するための概略分解斜視図であり、図8は、図5の融雪装置で用いられる面状発熱体と断熱材とで構成されたカートリッジを取り外して、折りたたんだ様子を説明するための概略斜視図であり、図9は、図5の融雪装置の保護部材の概略断面図であり、図10は、図5の融雪装置の概略断面図であり、図11は、図5の融雪装置の融雪水の排水機構を説明するための概略一部斜視図である。
図5および図6に示すように、融雪装置200は、保護部材210、発熱部材220および断熱部材230が一体型となって構成される上部部材270と、ベース部材240で構成される下部部材280とで構成される。ベース部材240は、設置場所の設置面と直接接触し、保護部材を内側(または下方)から覆うように配設されている。図6に示す実施形態では、第1の実施形態のベース部材140と同様に、ベース部材240を備えている。ベース部材240は、折板241と、折板241の周縁に直立して配設され、ベース部材242の少なくとも側面を形成するベース部材枠部242と、前記ベース部材枠部242の一部であり、前記ベース部材枠部242の対向する一対の側面に形成された受け部243,243とを備えている。融雪装置200は、保護部材210、発熱部材220、断熱部材230、およびベース部材240が一体となったヒーティングパネルとして、所望の設置場所に設置することができる。
ベース部材240は、受け部243,243においてのみ保護部材210と接しているため、受け部243,243に対して、保護部材210からの荷重が加わる。受け部243,243は、それぞれ、断面略L字形状で、略L字形状の各底面が互いに内向して、保護部材210の荷重負荷部213(図示せず)と接触する。
図7に示すように、上部部材270は、面状発熱部221と、この面状発熱部221を外側(または上方)から保護する保護部材210と、前記面状発熱部221の内側(または下方)に配設された断熱部材230とを備えている。なお、断熱部材230は、複数の断熱材231と、押さえ部232とを備えている。押さえ部232は、複数の断熱材231の内側(または下方)に配設され、複数の断熱材231を保護部材に対して固定する。そのため、押さえ部232により、断熱材231および面状発熱部221は、保護部材210の内側に収容されている。
図7に示すように、保護部材210は、一定の間隔で複数の貫通孔214が形成された略平坦な踏面211(例えば、パンチングメタル)を備えている。この踏面211に対してかかる荷重を分散するための補強部として、一定の間隔で互いに並行に複数の角材212が踏面の下に配設されている。これらの角材212により、踏面211に対する荷重を分散し、荷重による下方への撓み量を低減することができる。また、踏面211の周縁には、荷重負荷部213が踏面211に対して取り付けられ、保護部材210の側面を形成している。
保護部材210には、補強部212が存在しているため、保護部材210の内側(または下方)に配設される発熱部材220では、面状発熱部221が補強部212に沿って、波状または折板状に配設される。ここで、面状発熱部221は、荷重負荷部213を除く範囲において配設されている。面状発熱部221は、荷重負荷部213を除く範囲において、上部からの投影面として前記踏面211と略同等の大きさを有しているため、踏面211を全体的に温めて、融雪効率を高めることができる。なお、面状発熱部211は、必要に応じて、踏面211の裏側に対して、粘着剤や面ファスナー等の固定手段で固定されてもよい。
融雪装置200では、発熱部材220は、面状発熱部221と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部222,222(図示せず)と、この電極部の端子の収納部223とを備えている。電極部222,222と収納部223とは、融雪装置100で説明した形態と同様の形態であってもよい。なお、図では、保護部材210に、収納部223からの配線用穴218が設けられている。
さらに、複数の断熱材231が、面状発熱部221の内側(または下方)において、保護部材210の補強部212を避けて配設される。すなわち、各断熱材231は、荷重負荷部213および補強部212に囲まれる範囲で配設され、その外側(または上方)にある面状発熱部221と接している。
さらに、これらの複数の断熱材231は、互いに平行に配設された2本の棒材からなる押さえ部232により保護部材210側に押し付けられ、押さえ部232は、保護部材210の取付け部216により着脱自在に取り付けられる。
なお、発熱部材220が保護部材210から取り外し可能である場合、例えば、発熱部材220を、着脱自在に配設可能なカートリッジとして用いることができる。例えば、一態様として、図8に示すように、前記カートリッジは、織物性面状発熱部221と、平板状断熱材231とを備えている。図7に示すように、織物性面状発熱体221は、補強部212を回り込みつつ、保護部材210の内側に配設され、複数の平板状断熱材231は、この回り込み部分を避けて、それぞれ織物性面状発熱体221の内側に配設される。ここで、平板状断熱材231は、その上面が織物性面状発熱体221の内側面に接合される。そのため、織物性面状発熱部221と、平板状断熱材231とを融雪装置200から取り外し、これを上下方向でひっくり返した場合、平板状断熱材231は、織物性面状発熱部212の上面において、所定の間隔(すなわち、回り込み部分)で前記面状発熱部の長手方向に向かって戴置しており、ここで、平板状断熱材231と、織物性面状発熱部221との接触部分は接合している。そのため、図8に示すように、収納時には、前記間隔(すなわち、回り込み部分)を折曲部として断熱材を重ねた状態で、面状発熱部を折り畳むことができる。
発熱部材(および必要に応じて断熱材)が、取り外し可能なカートリッジを構成する場合、例えば、夏期にはカートリッジを取り外し、融雪装置の骨組み部分とは別に保管することにより、面状発熱部(および必要に応じて断熱材)の寿命を伸ばすことができるとともに、故障の可能性を低減させることができる。
図9は、図7の保護部材の矢断面での概略断面図である。図9に示すように、融雪装置200では、融雪装置200の前記踏面211に対してかかった荷重は、保護部材210に配設された補強部(角材)212により分散され、荷重が略均等化される。また、図9では、押さえ部232を保持するための取付け部216が、断面略コ字型で配設されている。取付け部216により、保護部材210に対して、断熱材231を固定するための押さえ部232が保持される。
図10は、図5の融雪装置の矢断面での概略断面図である。保護部材210とベース部材240とは、保護部材210の荷重負荷部213とベース部材240の受け部243とにより互いに接しており、荷重負荷部213から受け部243に負荷される荷重は、荷重負荷部213およびベース部材240の受け部243により支えられる。なお、図10に示すように、必要に応じて、荷重負荷部213には、補強角パイプ215を配設してもよい。強角パイプ215により、荷重負荷部213の強度(耐荷重性)を高めることができる。
また、断熱材231および面状発熱部221は、断熱部材230の押さえ部232により保護部材210に固定され、保護部材210の内側に収容されている。図10に示すように、断熱部材230とベース部材240の間には隙間が存在しているため、断熱部材230には、踏面211からの荷重がかからない。すなわち、面状発熱部221は断熱部材230により支持されているため、面状発熱部221に対しても、踏面211からの荷重が影響しない。面状発熱部221は、荷重負荷部213からの荷重を避けることができるため、面状発熱部221が荷重により損傷するのを防ぎ、融雪装置200の延命化を達成できる。
さらに図10に示すように、断熱部材230の内側(または下方)には、中空構造250が存在しているため、融雪装置200の軽量化に貢献する。さらに、断熱性の中空構造では融雪効率を高めることができる。
より具体的には、図10に示すように、ベース部材240には、設置面と接触して略密閉型であり断熱性に優れる第1の断熱性中空構造251と、設置面と非接触で略密閉型であり断熱性に優れる第2の断熱性中空構造255と、排水孔253が側面に存在する排水性中空構造252の双方が存在する。さらに、第2の断熱性中空構造255は、断熱部材230とベース部材240の間に隙間が存在することにより発生する中空構造である。これらの断熱性中空構造251,255は、断熱構造により面状発熱部からの発熱の散逸を防ぎ、融雪効率を高めることができるため好ましい。排水性中空構造252は、融雪装置200の内部に融雪水が入り込む場合に、積極的に融雪水を外部へ排除して、融雪水による温度低下を防ぐだけでなく、融雪水の再凍結を抑制できるため好ましい。
なお、第1の断熱性中空構造251に融雪水が侵入しない場合は、排水孔が存在していなくてもよいが、融雪装置100と同様に、外部への排水を行うために、底面に排水孔を配設してもよい。
なお、融雪装置200では、踏面211に貫通孔214を設けているが、踏面には貫通孔が存在しなくともよい。例えば、踏面211の上面に滑り止め部材が敷設されている場合、貫通孔は滑り止め部材により塞がれる。踏面に貫通孔が存在しない場合であっても、保護部材の側面を利用して、融雪水を排水することが可能である。具体的には、例えば、保護部材の側面に、融雪水を流入可能な隙間(例えば、切欠き部)を設けるとともに、ベース部材の受け部側面と、保護部材の荷重負荷部側面との間が、融雪水を流入可能な程度の所定の幅を有している場合、融雪水を踏面から排水することができる。
例えば、保護部材の側面を利用した融雪水の排水機構としては、図11に示すように、荷重負荷部213とベース部材240の受け部243の対峙する面の間に隙間を設けるとともに、荷重負荷部213の側面に切り欠き部217を設けることによって、融雪装置200内部に融雪水を導入してもよく、この融雪水をベース部材240側面に設けられた排水孔253(必要に応じてベース部材240側面に設けられた排水孔254)から排出する仕組みが例示できる。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る融雪装置を説明するための概念的な概略斜視図であり、図13は、図12に示す融雪装置の一部を、底面側から見た様子を説明するための概略斜視図であり、図14は、図12の融雪装置の概略側面図である。
図12に示すように、融雪装置300は、側溝340に対して設置される。図12では、複数の融雪装置300が、ヒンジなどの固定手段で連結され、踏面を最外面として、側溝300の上に配設されている。なお、図12では、融雪装置を裏側(内側)から説明するために、一番端に配設された融雪装置300を直立させている。図13に示すように、融雪装置300は、面状発熱部321と、この面状発熱部321を外側(または上方)から保護する保護部材310と、前記面状発熱部321の内側(または下方)に配設された断熱部材330とを少なくとも備えている。融雪装置300の基本的な構造は、融雪装置200の上部部材270を構成する保護部材210、発熱部材220および断熱部材230に準じた構造とすることができ、例えば、排水機構として、踏面の貫通孔および/または保護部材側面の切欠き部などを利用して、融雪水を踏面から除去することが可能である。また、融雪装置300では、融雪装置200と同様に、断熱部材330が、複数の断熱材331と、押さえ部332(図示せず)とを備えている。
一方、融雪装置300には、ベース部材を設けてもよいが、ベース部材を設けなくともよい。ベース部材を設けない場合、図14に示すように、融雪装置300が側溝340の蓋部材として配設される。融雪装置300の下には側溝340が存在しているため、融雪装置300は、融雪装置300の断熱部材330と、側溝340の側壁341,341および底面342とにより形成される空間を、断熱部材330の内側(または下方)に存在する中空構造350として利用することができる。
そして、図14に示すように、保護部材310の荷重負荷部313と、側溝340の受枠343とが互いに接しており、踏面311からの荷重は、荷重負荷部313および側溝340の受枠343により支えられる。そのため、融雪装置200と同様に、融雪装置300の断熱部材330には、踏面311からの荷重がかからない。すなわち、面状発熱部321は断熱部材330により支持されているため、面状発熱部321に対しても、踏面311からの荷重が影響しない。荷重負荷部313からの荷重を避けることができるため、面状発熱部321が荷重により損傷するのを防ぎ、融雪装置300の延命化を達成できる。
中空構造350は、そのまま排水機能も有しているため、排水性中空構造として利用することが可能である。一方、図12に示すように、ヒンジなどの連結部材で連結された複数の融雪装置300を列状に配置した場合、列の端部から離れる箇所では、断熱性に優れる断熱性中空構造を形成することができる。この場合、融雪水の再凍結を防ぎながら、効率よく側溝により融雪水を除去することができる。また、連結部材により折り畳み可能な構成である場合、側溝内を容易に点検することが可能となる。
図15は、本発明の第4の実施形態に係る融雪装置の概略側面図であり、図16は、図15の融雪装置の概略断面図である。図17は、図15の融雪装置の概略分解斜視図である。図15に示すように、融雪装置400は、フラット型のスロープであってもよい。この場合、融雪装置400は、保護部材410として、貫通孔を有さない略平坦な踏面411(例えば、縞鋼板など)を備え、踏面411は所定の勾配で、設置面に対して傾斜している。
図16は、図15の融雪装置の概略断面図であり、図17は、図15の融雪装置の概略分解斜視図である。図16に示すように、融雪装置400は、融雪装置200の上部部材270と同様に、面状発熱部421などの発熱部材420(図示せず)および断熱部材430(図示せず)を保護部材410に収容している。
ここで、ベース部材440は、保護部材410を傾斜させるため、底面から直立している第1の側面の高さが、対向する第2の側面よりも高くなっている。第1の側面と第2の側面の高低差により、ベース部材440は、接地面に対して傾斜した状態で保護部材410を支持し、保護部材410の略平坦な踏面411は、接地面に対して傾斜した状態である。その結果、保護部材410の内側(または下方)に、踏面411と略平行に面状発熱部421が配設され、さらに前記面状発熱部421の内側(または下方)に、面状発熱部421と略平行に断熱部材430が配設されている。なお、融雪装置200と同様に、保護部材410には、補強部412が配設され、発熱部材420および断熱部材430(断熱材431)は、保護部材410に対して着脱自在に取り付けられる。
保護部材410では、略平坦な踏面411の縁に設けられた対向する一対の荷重負荷部413および415は、第1の荷重負荷部413が傾斜の上端に、第2の荷重負荷部415が傾斜の下端に配設されている。第1の荷重負荷部413および第2の荷重負荷部415は、それぞれ、ベース部材440に配設された、第1の受け部443および第2の受け部445と接している。そして、ベース部材440では、第1の荷重負荷部413からの荷重を第1の受け部443で支持し、第2の荷重負荷部415からの荷重を第2の受け部445で支持している。
より具体的には、第1の受け部443は、ベース部材440の第1の側面の直立部分の上端から、断面が鈍角の略くの字型で延出している。一方、第2の側面は、ベース部材440の底面に対して鈍角で外側(または上方)に延出し、第2の受け部445は、第2の側面に対して、断面が下向きに開口する略コの字型で延出している。そして、断面略コの字型の底面において、傾斜している保護部材410の底面部の上端側で保護部材410と接触している。すなわち、第2の受け部445は、下向きに開口する断面略コの字型の上面付近において、保護部材410の略平坦な踏面411から水平に延出している第2の荷重負荷部415と接触している。これらの荷重負荷部413,415と受け部443,445は、互いに着脱自在に取り付けられる。
図16に示すように、保護部材410の荷重負荷部413,415と、ベース部材440の受け部443,445とは互いに接しており、荷重は、荷重負荷部413,415およびベース部材440の受け部443,445により支えられる。言い換えると、保護部材410、発熱部材420および断熱部材430では、荷重負荷部413,415以外では、ベース部材440と接触していないため、断熱部材430には、踏面411からの荷重がかからない。また、断熱部材430の内側(または下方)には、ベース部材440内に中空構造450が存在している。
すなわち、面状発熱部421は断熱部材430により支持されているため、面状発熱部421に対しても、踏面411からの荷重が影響しない。面状発熱部421は、荷重負荷部413からの荷重を避けることができるため、面状発熱部421が荷重により損傷するのを防ぎ、融雪装置400の延命化を達成できる。
融雪装置400では、踏面411は所定の勾配で傾斜している。そのため、融雪装置400は、融雪水の排水機構として、この傾斜を利用することにより、融雪水を排出することができる。
または、融雪装置400は、必要に応じて、融雪装置200などと同様に、融雪装置400の内部に融雪水を導入した後に、排水孔から融雪水を排出する仕組みを備えていてもよい。例えば、図17に示すように、保護部材410の荷重負荷部413,415には切欠き部417が設けられ、また、ベース部材440の第2の側面には排水孔453が設けられている。これにより、融雪水は、融雪装置400へ切欠き部417などから流入し、その後、排水孔453から外部へと流出する。
図18は、本発明の第5の実施形態に係る融雪装置の概略斜視図であり、図19は、図18の融雪装置の概略分解斜視図であり、図20は、図18の融雪装置の概略断面図である。図18に示すように、融雪装置500は、例えば、工事現場などに配設される敷板として用いられてもよい。図18および図19に示すように、融雪装置500は、保護部材510と、発熱部材520と、ベース部材540とを備えている。保護部材510は、略平坦な踏面を有する平板511と、踏面511の周縁内側(または下方)に配設されたスペーサ515とを備え、平板511およびスペーサ515は、固定部材により着脱自在に一体化され、第1の貫通孔514および第2の貫通孔517を周縁に有している。
発熱部材520は、荷重負荷部513を除く範囲で踏面511と略平行に配設された面状発熱部521を備える。ベース部材540は、保護部材と略同等の水平投影面積を有するとともに、第1の貫通孔544および第2の貫通孔547を周縁に有する平板である。図20に示すように、保護部材510(平板511とスペーサ515)とベース部材540とは、それぞれの第2の貫通孔517,547を介して、ボルトなどの固定手段560で着脱自在に固定される。踏面511からの荷重は、保護部材510およびベース部材540のスペーサ515と接する部分により支えられる。そのため、荷重負荷部513を除く範囲で配設されている面状発熱部521には、踏面511からの荷重がかからない。さらに、図に示すように、面状発熱部521が、直接ベース部材540に戴置されている場合、厚みが低減した(例えば、5cm〜25cm、好ましくは10cm〜20cm)融雪装置とすることが可能である。
また、貫通孔514および544は、面状発熱部521を避けて配設されるのが好ましく、貫通孔514および544が連通しているのが、良好な排水の観点からより好ましい。付加的または代替的に、融雪水の排水機構として、スペーサ515の一部に切欠き部514(図示せず)を設けて、貫通孔514から流入する融雪水を排水してもよい。
また、図示していないが、発熱部材は、面状発熱部と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部とで構成され、電極部の端子の収納部は、融雪装置内部に配設されていてもよいが、融雪装置を薄型にする場合、電極部端子は、切欠き部514および/または貫通孔544を介して、融雪装置外部に配設されてもよい。なお、融雪装置500は、必要に応じて、面状発熱部521の下に、断熱部材を配設してもよい。また、保護部材510とベース部材540とは、ボルトなどの固定手段560で着脱自在に固定されるため、面状発熱部521(および断熱部材)を取り出して、修理、保存などしてもよい。
図21は、本発明の第6の実施形態に係る融雪装置の概略斜視図であり、図22は、図21の融雪装置の概略断面図である。図21に示すように、融雪装置900は、例えば、工事現場などに配設される鋼製階段として用いられてもよい。図22に示すように、融雪装置900は、保護部材910と、発熱部材920と、断熱部材930と、ベース部材940とを備えている。保護部材910は、略平坦な踏面を構成する平板911と、この平板911の一端と垂直下向きに接続し、前記踏面の蹴り込み面を形成する平板916と、これらの平板911,916の周縁において、平板と垂直方向に形成された荷重負荷部913とを備えている。なお、踏面911および蹴り込み面916は、それぞれ貫通孔914および917(図示せず)を有している。
図22に示すように、発熱部材は、荷重負荷部913を除く範囲で踏面911および蹴り込み面916のそれぞれと略平行に配設された面状発熱部921を備える。ベース部材940は、踏面911および蹴り込み面916と、それぞれ略同等の水平投影面積を有する平板を備えている。踏面911からの荷重は、荷重負荷部913およびベース部材940の枠部913と接する部分により支えられる。そのため、荷重負荷部913を除く範囲で配設されている面状発熱部921には、踏面911からの荷重がかからない。また、面状発熱部921が可撓性材料である場合、面状発熱部921は、踏面911および蹴り込み面916の間で階段の形状に合わせて略直角に折り曲げることが可能である。
さらに、図21および図22では、一対の踏面および蹴り込み面を有する融雪装置を例示しているが、踏面および蹴り込み面をさらに接続して、複数対の踏面および蹴り込み面を有する融雪装置としてもよい。なお、保護部材910とベース部材940とは、ボルトなどの固定手段(図示せず)で着脱自在に固定されるため、面状発熱部921のみを取り出して、修理、保存などしてもよい。
また、踏面911および蹴り込み面916では、それぞれに配設された貫通孔914および917(図示せず)は、面状発熱部921を避けて配設されてもよいし、面状発熱部921を避けずに配設されてもよい。例えば、踏面911の貫通孔914から融雪装置900内部へ流入する融雪水は、蹴り込み面916の貫通孔917から融雪装置外部へと排水することができる。付加的または代替的に、融雪水の排水機構として、荷重負荷部913の踏面911の側面に切欠き部918、蹴り込み面916の側面に切欠き部919を設けて、切欠き部918から流入する融雪水を切欠き部919から排水してもよい。融雪装置400は、排水機構として、貫通孔914、917および切欠き部918、919を自在に組み合わせて備えていてもよい。
また、図示していないが、発熱部材は、面状発熱部と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部とで構成され、電極部の端子の収納部は、融雪装置内部に配設されていてもよいが、融雪装置を薄型にする場合、電極部端子は、貫通孔914、917および切欠き部918、919のいずれかを介して、融雪装置外部に配設されてもよい。
図22に示すように、面状発熱部921の階段側内方に、面状発熱部921と略平行に断熱部材930が配設されている。また、保護部材910とベース部材940とは、ボルトなどの固定手段(図示せず)で着脱自在に固定されてもよく、その場合、保護部材910とベース部材940とを取り出して、別途、修理、保存などしてもよい。
本発明の融雪装置は、単独でヒーティングパネルとして設置してもよいし、または複数の融雪装置を組み合わせて、適宜適用してもよい。例えば、図23および図24に示すように、連結部材(例えば、連結金具245)により複数のヒーティングパネルを連結させ、面積を拡大させて設置することもできる。また、ヒーティングパネルには、図23に示すように、必要に応じて、スロープアタッチメント246を取り付けてもよい。
連結部材の構成は、当業者により適宜設計することが可能である。例えば、好ましい構成としては、図24に示すように、例えば、第2の実施形態である融雪装置200において、ベース部材240の裏側から、ベース部材240の側面に設けられた下側切り欠き部(連結用溝部)244に、連結金具245を圧入して取り付けてもよい。また、スロープアタッチメントを融雪装置に取り付けてもよく、その場合、連結部材247を、ベース部材240の側面に設けられた上側切り欠き部(連結用溝部)248に落とし込んで取り付けてもよい。このような融雪装置は、例えば図25および26に示すように、駐車場ロードヒーティングや、歩道ヒーティングとして用いることが可能である。
さらに、ヒーティングパネルの形状は、設置場所に応じて、様々な形状とすることができ、例えば、図27に示す略台形板状のヒーティングパネル200’と、長方形板状のヒーティングパネル200とを組み合わせて、図28に示すように、高架へのスロープ部(特にスロープカーブ)に配設してもよい。
または、図29および図30に示すように、吹払柵680の下部空間の融雪用ヒーター600として設置してもよい。融雪用ヒーター600は、面状発熱部の柔軟性を生かし、法肩に沿って折れ曲がった形状として一体型としてもよいし、複数(例えば2つ)の長方形板状の融雪装置200を、法面の形状に合わせて連結部材でつなぎ合わせて形状を調整してもよい。上述のように、融雪用ヒーターは強度に優れるため、車などの荷重がかかった場合でも、面状発熱部が荷重により損傷することを防ぐことができる。
さらに、図31に示すように、縁石フラットスロープの表面部材において融雪装置700を用いてもよい。図31では、融雪装置700は、略直方体状の中央部分780、この中央部分に対して互いに反対側に向かって下側へ傾斜する第1のスロープ部分781および第2のスロープ部分782の上に、敷設されている。融雪装置700は、面状発熱部の柔軟性を生かし、法肩に沿って折れ曲がった形状として一体型としてもよいし、部材780,781,782のそれぞれの上に、3つの長方形板状の融雪装置200を連結部材でつなぎ合わせて形状を調整してもよい。または、フラット型のスロープ融雪装置400と、箱型の融雪装置200とを連結部材でつなぎ合わせて組み合わせ、融雪装置700としてもよい。
さらに、図32および28に示すように、階段へのフラット型スロープとして融雪装置800を用いてもよい。この場合、融雪装置800として、長方形板状の融雪装置200を用いて、階段の各段で所定の勾配を形成するスロープ土台880の上に敷設されてもよい。または、複数のフラット型のスロープ融雪装置400を連結部材でつなぎ合わせて、融雪装置800としてもよい。図32に示すように、融雪装置800は、踏面に滑り止め部材870が敷設されていてもよい。
なお、さまざまな変形例は、上述した第2の実施形態である融雪装置200以外の実施形態であってもよく、例えば、第1の実施形態である融雪装置においても同様に適用可能である。
以下、構成部材の材質などについて説明する。これらの材質などについての説明は、特に言及がない限り、上記の実施形態のいずれに対しても、適用可能である。
(発熱部材)
発熱部材は、面状発熱体およびこれを被覆する防水性の被覆材を面状発熱部として備え、ている。面状発熱体としては、輻射面状発熱体(赤外線)、フィルム、シート等の基材上に通電面状発熱体としてカーボンブラック等の導電性粒子を添加した塗料、インキ等をコーティング、又は印刷したもの、炭素繊維を必須成分として含む繊維に樹脂を含浸した導電性シート、導電性粒子等がコートされた導電性繊維を含む編織物などが挙げられ、これらはいずれも本発明における融雪装置に内蔵される面状発熱体として用いられる。
これらのうち、カーボンナノチューブで被覆された有機繊維を含む織編物から構成される面状発熱体が、広い面積で均一に発熱し、柔軟性・耐屈曲疲労性に優れる面状発熱体であることから本発明において好ましく用いられる。均一発熱ゆえに、従来のニクロムなどの線状面状発熱体と比べて対象物へ均一に熱伝導するため、融雪用途においては効率的な融雪機能を発揮することが可能である。
例えば、柔軟な素材である織物性面状発熱体であると、保護部材の補強部の凹凸形状に沿って、設置することが可能である。これによりヒーターを雪に近づけられるため熱伝達率が向上し融雪効率を向上することができる。
上記の導電性繊維を用いる面状発熱体は、導電性繊維を含む編織物で形成された発熱部と、この発熱部を通電するための電極部とで構成されている。前記導電性繊維が、有機繊維と、この有機繊維の表面を被覆するカーボンナノチューブとを含む。前記カーボンナノチューブの割合は、有機繊維100質量部に対して、0.1〜50質量部程度であってもよい。前記有機繊維は、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂からなる群から選択された少なくとも一種で構成されていてもよい。前記導電性繊維は、単糸繊度11dtex以下のマルチフィラメント糸又は紡績糸であってもよい。前記導電性繊維は、有機繊維に、カーボンナノチューブを含む分散液中に有機繊維を浸漬して、導電層を有機繊維の表面に付着させた繊維であってもよい。前記導電性繊維の20℃における線電気抵抗値が1×10-1〜1×105Ω/cm程度であってもよい。前記編織物は、ポリエステル系繊維で構成された経糸と導電性ポリエステル系繊維で構成された緯糸とで構成された織布であってもよい。前記編織物は、電極部との接触部分を除いて、絶縁層で被覆された導電性ポリエステル系繊維で構成された編布であってもよい。
発熱部材は、面状発熱部に加えて、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部を備えている。電極部は、通電可能な導電材料で形成されており、導電性を有していれば特に限定されず、炭素材やセラミックなどであってもよいが、通常、金属が利用される。金属としては、例えば、タングステンなどの周期表第6A族金属、マンガンなどの周期表第7A族金属、鉄、ニッケル、コバルト、白金などの周期表第8族金属、銅、銀、金などの周期表第1B族金属、亜鉛などの周期表第2B族金属、アルミニウムなどの周期表第3B族金属、スズ、鉛などの周期表第4B族金属、ビスマスなどの周期表第5B族金属などが挙げられる。これらの金属のうち、クロム、ニッケル、銅、銀、金、アルミニウムなどの金属が汎用される。電極部の形状は、発熱部の形状に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、通常、矩形状シートである発熱部の両端部に配設されるため、帯状又は線状(繊維状又は棒状)である。電極部のサイズは、発熱部の形状に応じて選択できる。また、電極部は、通常絶縁性および防水性の被覆材で被覆されている。
防水性の被覆材が上記の面状発熱体(必要に応じて電極部)を被覆して面状発熱部を構成している。被覆材としては、疎水性の樹脂、ゴム、金属箔などからなる被覆材が挙げられる。また、面状発熱体の表裏面を、電気絶縁性のフィルムまたはシートなどの被覆材でラミネートしているのが好ましく、好ましい被覆材の材質としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、フッ素樹脂(好ましくは、エチレン4フッ化エチレン(ETFE)、ゴム、熱可塑性エラストマーなどであってもよい。
電極部の端子は、必要に応じて収納部に収納されるのが好ましい。収納部は、端子を収納できる限り、特に、形状および場所は限定されず、配設場所は、融雪装置内部であっても外部であってもよい。収納部は、融雪装置内部に収納できるのが好ましい。収納部は、面状発熱部の保護材側に配設されてもよいが、耐水性の観点からは面状発熱部の保護材とは反対側に配設されるのが好ましい。その場合、収納部は、断熱材内部に収納できるのがより好ましい。このような場合、収納部は好ましい箇所に収納可能となる形状および厚みを有している。
(断熱部材)
断熱部材に用いられる断熱材としては、融雪装置に適用可能な断熱性を有している限り特に限定されず、繊維系断熱材、プラスチックボード系断熱材などを、適宜利用することができる。これらのうち、軽量性、加工性、防水性の観点から、好ましくは発泡プラスチックなどの断熱材などが挙げられる。好ましくは、ポリウレタンフォーム(例えば、硬質ウレタンフォーム)、ポリスチレンフォーム(例えば、ビーズ法ポリスチレンフォーム、押出法ポリスチレンフォーム)、フェノールフォームなどを用いてもよい。
断熱材は、防水性であるのが好ましく、必要に応じて、断熱材表面に防湿層(防水性コーティングなど)を有していてもよく、断熱材を防水性フィルムに内包していてもよい。
断熱材の厚みや形状は、目的に応じて適宜設定することが可能である。例えば、断熱材の厚みは、5〜100mm程度の広い範囲から選択でき、用途に応じて、例えば、5〜10mm程度であってもよく、好ましくは15〜50mm程度であってもよい。
(保護部材)
保護部材では、融雪装置に対して求められる目的に応じて、材質を適宜選択することが可能である。比較的荷重の負荷が低い場合、軽量性の観点から、保護部材を樹脂で形成してもよい。一方、比較的荷重の負荷が高い場合、堅牢性の観点から、保護部材を鋼材で形成してもよい。また、目的に応じて、保護部材の一部を樹脂で形成し、一部を鋼材で構成してもよい。例えば、荷重の負荷の低い箇所(例えば、踏面など)には樹脂を用い、荷重の負荷の高い箇所(例えば、荷重負荷部、補強部など)には鋼材を用いてもよい。
また、前記踏面は、上述したように、貫通孔を有していてもよいし、有していなくてもよい。軽量化の観点からは、踏面には貫通孔を有しているのが好ましい。また、踏面には、必要に応じて滑り止め層(例えば、滑り止め用シート)が設けられていてもよいし、例えば、縞鋼板のように、表面に滑り止め用の突起などが設けられていてもよい。
さらに、保護部材は、補強部を有していてもよいし、有していなくてもよい。比較的荷重の負荷が高い場合、堅牢性の観点から、踏面の下に補強部を設けるのが好ましい。補強部が存在すると、踏面に対してかかる荷重を分散し、踏面の撓み量を低減することができるため好ましい。
(ベース部材)
ベース部材は、保護部材を下から覆うように配設されており、融雪装置に対して求められる目的に応じて、材質を適宜選択することが可能である。比較的荷重の負荷が低い場合、軽量性の観点から、ベース部材を樹脂で形成してもよい。一方、比較的荷重の負荷が高い場合、堅牢性の観点から、ベース部材を鋼材で形成してもよい。また、目的に応じて、保護部材の一部を樹脂で形成し、一部を鋼材で構成してもよい。例えば、荷重の負荷の低い箇所(例えば、設置場所との接触部など)には樹脂を用い、荷重の負荷の高い箇所(例えば、ベース部材枠部、ベース部材枠部)には鋼材を用いてもよい。
また、接触部は、折板以外の形状であってもよく、波状であってもよいし、略平面状であってもよい。また、地面に対して、アンカーピンなどの固定具で固定可能であってもよい。好ましくは接触部が折板状であり、その場合、ベース部材の強度を向上できるとともに、空気層の生成により融雪装置の断熱性を向上させることができる。さらに、折板形状によって、設置面への滑り止め効果を発揮することができ、設置面が傾斜している場合や、地盤不良である場合でも、良好に融雪装置を設置することができる。
また、ベース部材は、保護部材を内側(または下方)から被覆するための側壁などにより保護部材を固定することが可能であるが、必要に応じて、ベース部材は、保護部材と着脱可能な固定手段により固定されていてもよい。
(排水機構)
排水機構としては、融雪装置の主に踏面上で発生する融雪水を速やかに除去することができる限り、特に限定されず、例えば、保護部材の踏面に貫通孔を設けてもよいし、保護部材の側面に切欠部(例えば、側面部の下端に配設される高さ5mm〜3cm程度、好ましくは5mm〜1cm程度の切欠部)を設けて、融雪水を踏面上から除去してもよい。さらには、保護部材そのものを、傾斜させることにより、踏面上から融雪水を除去してもよい。
また、ベース部材が存在し、融雪装置内部に融雪水が流入する場合、排水機構としては、保護部材から流入した融雪水を外部に除去するために、ベース部材にも、融雪水を融雪装置外部へ流出可能な隙間を設けて、融雪水を融雪装置外部へ除去してもよい。融雪水を外部へ除去できる限り特に限定されないが、ベース部材に設けられる隙間としては、例えば、ベース部材底面に設けられる貫通孔、ベース部材側面に設けられる切欠部(例えば、側面部の下端に配設される高さ5mm〜3cm程度、好ましくは5mm〜1cm程度の切欠部)が挙げられる。
本発明の融雪装置は、非埋設型であるため、融雪マットのように容易に設置出来るだけでなく、発熱部材が雪に近い箇所に存在するため融雪効率が高い。仮設することが可能であるとともに、追加、撤去が容易であるため、応急処置的な使い方ができるだけでなく、必要な箇所に必要に応じて設置できるだけでなく、さらに適宜後施工することもできる。
また、荷重が踏面にかかっても、面状発熱部を傷つけないため、歩道だけではなく、車両が通行するような重荷重が掛かる場所においても、耐久性を高めることができる。
さらに、発熱部材を保護部材から取り外せる場合、ヒーター部分を修理することができ、メンテナンス性を向上することができる。
本発明の融雪装置は、地中に埋設せずヒーターと雪が接触するため融雪効率が高く、各種の分野、例えば、車道や歩道などの交通用途(例えば、車道ヒーティング、駐車場ヒーティング、歩道ヒーティング、路肩ブロック、縁石フラットスロープ、歩道フラットスロープ、階段フラットスロープ、柵用ヒーティング、特に吹払柵用ヒーティング)、排水溝などの土木用途(例えば、側溝蓋)、農業用途(例えば、温室用マットなど)、建築用途(例えば、内装板、階段、プラシキや敷鉄板などの敷板など)などに利用可能である。
以上のとおり、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、変更または削除が可能であり、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
100,200,300,400,500,600,700,800,900・・・融雪装置
110,210,310,410,510・・・保護部材
120,220,320,420,520・・・発熱部材
121,221,321,421,521・・・面状発熱部
130,230,330,430・・・断熱部材
140,240,440,540・・・ベース部材

Claims (13)

  1. 面状発熱部と、この発熱部を通電するための少なくとも一対の電極部とで構成された発熱部材、および
    前記面状発熱部を外側から保護する保護部材、を少なくとも備える融雪装置であって、
    前記保護部材は、略平坦な踏面と、前記踏面の縁に配設された互いに対向する少なくとも一対の荷重負荷部とを備え、
    前記略平坦な踏面からの荷重は、前記荷重負荷部により支えられ、
    前記面状発熱部は、前記荷重負荷部を除く範囲で前記踏面と略同等の大きさを有しており、
    融雪水の排水機構を少なくとも備える、融雪装置。
  2. 請求項1の融雪装置において、前記面状発熱部が、導電性繊維を用いる面状発熱体で構成される、融雪装置。
  3. 請求項1または2の融雪装置において、前記保護部材が、前記踏面に対してかかる荷重を分散するための補強部を備える、融雪装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項の融雪装置において、前記融雪装置は、着脱自在に配設可能なカートリッジを備えており、前記カートリッジは、少なくとも前記面状発熱部で構成されている、融雪装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項の融雪装置において、前記面状発熱部の内側に断熱部材を備える、融雪装置。
  6. 請求項5の融雪装置において、前記融雪装置は、着脱自在に配設可能なカートリッジを備えており、前記カートリッジは、織物性面状発熱部と、平板状断熱材とを備えており、前記平板状断熱材は、前記織物性面状発熱部の上面に、所定の間隔で前記面状発熱部の長手方向に向かって戴置され、前記間隔を折曲部として断熱材を折り畳み可能である、融雪装置。
  7. 請求項5または6のいずれか一項の融雪装置において、前記発熱部材が、電極部の端子を収納するための収納部を備えており、この収納部が、前記断熱部材に内設されている、融雪装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項の融雪装置において、保護部材に、融雪水を融雪装置内部へ流入可能な隙間が存在する、融雪装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項の融雪装置において、前記踏面に、融雪水を融雪装置内部へ流入可能な貫通孔が存在する、融雪装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項の融雪装置において、さらに、保護部材を支持するためのベース部材を備え、前記ベース部材には、流入した融雪水の排水孔が配設されている、融雪装置。
  11. 請求項5〜10のいずれか一項の融雪装置において、前記ベース部材および前記断熱部材に囲まれて、中空構造が形成されている、融雪装置。
  12. 請求項10または11の融雪装置において、前記ベース部材は、設置場所との接触部において波状または折れ板状である、融雪装置。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項の融雪装置において、側溝に設置される側溝蓋として用いられる、融雪装置。
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