JP2018204123A - ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法 - Google Patents

ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリフェニレンサルファイド繊維を濃色に染色することが可能な、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法を提供することを目的とする。【解決手段】界面活性剤を含み、染料を含まない処理液でポリフェニレンサルファイド繊維を処理し、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を得る工程と、染料を含む染色液で、前記界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を処理して着色する工程と、を備える、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法に関する。
有機繊維の染色方法としては、例えば、キャリア剤を用いる方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。一方で、特許文献2には、キャリア剤を使用することなくポリフェニレンサルファイド部材を染色する方法が開示されている。
国際公開第2015/159749号 特開2002−249990号公報
上記従来の染色方法では、ポリフェニレンサルファイド繊維を濃色に染色することが困難であった。そこで、本発明は、ポリフェニレンサルファイド繊維を濃色に染色することが可能な、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法を提供することを目的とする。
本発明は、界面活性剤を含み、染料を含まない処理液でポリフェニレンサルファイド繊維を処理し、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を得る工程と、染料を含む染色液で、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を処理して着色する工程と、を備える、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法に関する。
上記ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法は、ポリフェニレンサルファイド繊維を処理した後の処理液に染料を添加し、上記染色液を調整する工程を更に備えていてもよい。
界面活性剤は、ノニオン界面活性剤を含んでいてもよく、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを含んでいてもよい。上記ノニオン界面活性剤と上記アニオン界面活性剤との質量比(ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤)は、20/1〜5/1であってもよい。
上記ノニオン界面活性剤のHLB値は、3〜9であってもよい。
本発明によれば、ポリフェニレンサルファイド繊維を濃色に染色することが可能な、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法を提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法は、界面活性剤を含み、染料を含まない処理液でポリフェニレンサルファイド繊維を処理し、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を得る工程(界面活性剤付着工程)と、染料を含む染色液で、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を処理して着色する工程(着色工程)と、を備える。このような染色方法によれば、ポリフェニレンサルファイド繊維を濃色に染色することができる。
一般的に、ポリフェニレンサルファイド繊維は、その表面及び内部に染料が付着し難く、染色が難しい傾向にある。これに対して、本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法によれば、ポリフェニレンサルファイド繊維を容易に染色できる。本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法によれば、色ムラの抑制が容易であると考えられる。また、本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法によれば、濃色であると共に、堅牢性に優れた着色ポリフェニレンサルファイド繊維を得ることができる。
染色に用いるポリフェニレンサルファイド繊維の形状は限定されず、糸、織物、編物又は不織布であってもよい。上記繊維の太さは特に限定されないが、例えば、10〜100デニールのものを用いることができる。
以下、各工程について更に詳細に説明する。
(界面活性剤付着工程)
界面活性剤付着工程は、界面活性剤を含み、染料を含まない処理液でポリフェニレンサルファイド繊維を処理し、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を得る工程である。上記処理液は、溶媒を含んでいてもよい。処理液の溶媒としては、例えば、水及びポリエチレングルコールが挙げられる。上記処理液は、溶媒及び界面活性剤以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、浴中柔軟剤、平滑剤及び緩衝剤が挙げられる。
上記処理液中の界面活性剤の濃度は、ポリフェニレンサルファイド繊維を更に濃色に染色し易い観点から、例えば、1〜30g/Lであってもよく、5〜25g/Lであってもよく、10〜20g/Lであってもよい。
処理液によるポリフェニレンサルファイド繊維の処理方法としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド繊維を処理液に浸漬する方法、及びスプレー等によりポリフェニレンサルファイド繊維に対して処理液を塗布する方法が挙げられる。
処理液に浸漬する方法により、ポリフェニレンサルファイド繊維を処理する場合、ポリフェニレンサルファイド繊維の質量と処理液の質量との比(ポリフェニレンサルファイド繊維の質量:処理液の質量)である浴比は、1:1〜1:100であってもよい。浸漬時間は、1〜30分であってもよく、浸漬時の浴(処理液)の温度は、10〜80℃であってもよい。
界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維おける界面活性剤の付着量は、ポリフェニレンサルファイド繊維100質量部に対して、0.5〜100質量部であることが好ましい。
界面活性剤は、ノニオン界面活性剤を含んでいてもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、並びにアルカノールアミン類の脂肪酸アミドが挙げられる。ノニオン界面活性剤の具体例は、ポリオキシアルキレンのアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンのフェニルエーテルを含む。
ノニオン界面活性剤は、ポリフェニレンサルファイド繊維を更に濃色に染色し易い観点から、ポリオキシアルキレンのアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンのフェニルエーテルであることが好ましい。ポリオキシアルキレンのアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。ポリオキシアルキレンのフェニルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンクロルフェニルエーテルが挙げられる。
ノニオン界面活性剤のHLB値は、3〜9であることが好ましい。ノニオン界面活性剤のHLB値が3〜9の範囲にあることで、ノニオン界面活性剤がポリフェニレンサルファイド繊維に付着し易くなると考えられる。
界面活性剤は、色ムラ及び汚れを低減し易い観点から、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを含んでいてもよい。
界面活性剤が、ノニオン界面活性剤に加えアニオン界面活性剤を含むことで、ノニオン界面活性剤が、溶媒(例えば、水)に溶解し易くなり、処理液中に均一に分散し易いと考えられる。したがって、ポリフェニレンサルファイド繊維に均一にノニオン界面活性剤が付着し易く、色ムラ及び汚れが低減され易いと考えられる。
アニオン界面活性剤は、特に限定されないが、上記ノニオン界面活性剤と相溶性のよいものが好ましい。相溶性は、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤とを水中で混合したときに、濁りや沈殿を生じるか否かで判定でき、このような現象が生じない場合、相溶性が良好であると判断できる。
アニオン界面活性剤の具定例は、カルボン酸塩であるセッケン、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルキルエーテル硫酸エステル塩、硫酸化油、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、イケポンT(商品名)、エアロゾルOT(商品名)及び高級アルコールリン酸エステル塩を含む。
ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との質量比(ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤)は、20/1〜5/1であってもよく、18/1〜10/1であってもよく、16/1〜12/1であってもよい。上記質量比が20/1以下であると、ノニオン界面活性剤が処理液中に均一に分散し易く、色ムラの発生を抑制し易い傾向にある。上記質量比が、5/1以上であると、ノニオン界面活性剤がポリフェニレンサルファイド繊維に十分に付着し易く、更に濃色に染色し易い傾向にある。
ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤と併用する場合、ノニオン界面活性剤のHLB値は、3〜8であることがより好ましく、4〜7であることが更に好ましく、5〜6であることが特に好ましい。
(着色工程)
着色工程は、染料を含む染色液で、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を処理して、着色する工程である。
上記染料としては、例えば、分散染料が挙げられる。分散染料としては、例えば、キノン系分散染料及びアゾ系分散染料が挙げられる。
上記染色液は、溶媒を含んでいてもよい。染色液の溶媒としては、例えば、水及びポリエチレングルコールが挙げられる。
上記染色液は、上記ポリフェニレンサルファイド繊維に界面活性剤付着させた後の処理液に染料を添加することで得られてもよい。すなわち、本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法は、ポリフェニレンサルファイド繊維を処理した後の処理液に染料を添加し、染色液を調整する工程を更に備えていてもよい。
染色液による界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維の処理方法としては、例えば、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を染色液に浸漬する方法、及びスプレー等により界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維に対して染色液を塗布する方法が挙げられる。
染色液に浸漬する方法により、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を処理する場合、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維の質量と染色液の質量との比(界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維の質量:染色液の質量)である浴比は、1:5〜1:30であってもよい。
着色工程において用いられる染料の量は、0.1〜30.0%owfであってもよく、0.5〜25.0%owfであってもよく、1.0〜20.0%owfであってもよい。
ここで、本明細書において、「%owf」は、ポリフェニレンサルファイド繊維の質量を基準とした、質量%を示す。
浸漬時の最高温度は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維のガラス転移温度(Tg)以上とすることができる。例えば、浸漬時の最高温度とPPS繊維のTgとの差((浸漬時最高温度)−(PPS繊維のTg))は、0〜80℃としてもよい。浸漬時の最高温度とPPS繊維のTgとの差((浸漬時最高温度)−(PPS繊維のTg))は、更に濃色に染色し易い観点から、35〜70℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
浸漬温度及び時間は、例えば、ポリフェニレンサルファイド繊維のガラス転移温度より10〜80℃低い温度条件で10〜60分保持した後、ポリフェニレンサルファイド繊維のガラス転移温度より0〜80℃高い温度で10〜180分保持し、次いで必要に応じ冷却する条件としてもよい。冷却時の温度は、例えば、ポリフェニレンサルファイド繊維のガラス転移温度より10〜80℃低い温度であってもよく、冷却時間は、1〜100分であってもよい。
着色工程は、更に濃色に染色し易い観点から、ポリフェニレンサルファイド繊維のガラス転移温度より35〜70℃高い温度で、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を染色液に浸漬する工程を含むことが好ましく、ポリフェニレンサルファイド繊維のガラス転移温度より40〜60℃高い温度で、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を染色液に浸漬する工程を含むことがより好ましい。
本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法は、着色工程の後に、ポリフェニレンサルファイド繊維に固着していない、界面活性剤及び染料を除去する工程を備えていてもよい。界面活性剤及び染料は、例えば、ポリフェニレンサルファイド繊維を洗浄液で洗浄することにより除去される。上記洗浄液としては、例えば、水;並びにアルカリ剤、アニオンノニオン界面活性剤及び還元剤を含む洗浄液が挙げられる。
着色工程の後、必要に応じ洗浄したポリフェニレンサルファイド繊維を、更に乾燥することで、染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得ることができる。
以上説明した本実施形態のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法においては、分散剤及び/又は染色助剤(キャリア剤又はカバリング剤を含む)を必ずしも必要としない。本実施形態に係る処理液及び染色液は、ポリフェニレンサルファイド繊維を更に濃色に着色する観点から、分散剤を含まないことが好ましい。このような分散剤の例としては、ポリオキシアルキレン・スチレンオキサイド付加物の硫酸化物又は脂肪酸エステル;スチレン化フェノール・エチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル;及びポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルの脂肪酸エステルが挙げられる。分散剤を含まない処理液及び染色液においては、界面活性剤又は染料が、ポリフェニレンサルファイド繊維に付着し易くなり、より濃色な着色が可能になると考えられる。
(実施例1)
ノニオン界面活性剤として、HLB値が6であるポリオキシエチレンクロルフェニルエーテルを14g/L、アニオン界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ソーダを1g/L含む処理液を得た。すなわち、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を15g/Lの濃度で含み、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との質量比が14/1である処理液を得た。
ポリフェニレンサルファイド繊維(質量120g/mの平織り組織の織物)を、処理液からなる浴(浴比1:30)に、50℃にて20分間浸漬して、界面剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を得た。なお、浸漬中、浴は撹拌した。
キノン系青色分散染料(住友化学製Sumikaron Blue E−RPAD(EA))を水に溶解して得た染料水溶液を、浸漬処理後の処理液に添加して染色液を得た。なお、染料の量は10%owfとなるように調整した。
次いで、界面剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を、染色液からなる浴中に、50℃にて20分間浸漬した後、140℃で120分間保持し、次いで80℃まで冷却した後に水洗した。
水洗後の繊維を80℃で20分間加熱することにより乾燥して、染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(実施例2)
青色分散染料の量を3%owfとしたこと、及び、染色液への浸漬条件を、50℃にて20分間浸漬した後、120℃で45分間保持し、次いで80℃まで冷却する条件としたこと以外は、実施例1と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(実施例3)
染色液に、分散剤を更に添加したこと以外は、実施例1と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。なお、分散剤としては、ポリオキシアルキレン・スチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステルを、1%owfとなる量で用いた。
(実施例4)
処理液の調整において、ノニオン界面活性剤の種類及び量を、HLB値が8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを15g/Lに変更したこと、並びに、アニオン界面活性剤を用いなかったこと以外は、実施例1と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(実施例5)
キノン系青色分散染料に代えて、アゾ系黒色分散染料(紀和化学工業製Kiwalon Polyester Black SK−184)を20%owfとなるように用いたこと以外は、実施例2と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(比較例1)ポリエステル系合成繊維の一般的な染色方法
染料として3%owfとなる量のキノン系青色分散染料(住友化学製Sumikaron Blue E−RPAD(EA))と、分散剤として1%owfとなる量のポリオキシアルキレン・スチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(日華化学製ニッカサンソルト RM3406)とを含む染色液を得た。
次いで、ポリフェニレンサルファイド繊維(質量120g/m2の平織り組織の織物)を、染色液からなる浴(浴比1:30)に、50℃にて20分間浸漬した後、120℃で45分間保持し、次いで80℃まで冷却した後に水洗した。
水洗後の繊維を80℃で20分間加熱することにより乾燥して、染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(比較例2)ポリエステル系合成繊維の一般的キャリア染色方法
染料として3%owfとなる量のキノン系青色分散染料(住友化学製Sumikaron Blue E−RPAD(EA))と、分散剤として1%owfとなる量のポリオキシアルキレン・スチレンオキサイド付加物の脂肪酸エステル(日華化学製ニッカサンソルト RM3406)と、染色助剤(キャリア剤又はカバリング剤)として4%owfとなる量のベンジルベンゾエート乳化物(日華化学製ニッカサンソルト RX−39)とを含む染色液に染色液を変更したこと以外は、比較例1と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(比較例3)
キノン系青色分散染料に代えて、アゾ系黒色分散染料(紀和化学工業製Kiwalon Polyester Black SK−184)を20%owfとなるように用いたこと以外は、比較例1と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(比較例4)
キノン系青色分散染料に代えて、アゾ系黒色分散染料(紀和化学工業製Kiwalon Polyester Black SK−184)を20%owfとなるように用いたこと以外は、比較例2と全く同一にして染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
<濃色性評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたポリフェニレンサルファイド繊維の濃色性を、COLOR−EYE 3100(Gretag Macbeth社製)により、各繊維のL値を測定することで評価した。評価結果を表1及び表2に示す。なお、L値は低いほど濃色であることを示す。
<色ムラ及び汚れ評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4で得られたポリフェニレンサルファイド繊維の色ムラ及び汚れを、目視にて以下の基準に従って評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
A:色ムラ及び汚れなし
B:色ムラ又は汚れが若干あり
Figure 2018204123
Figure 2018204123
表1及び表2に示すとおり、本実施形態の染色方法によれば、ポリフェニレンサルファイド繊維を濃色に(L値が低い態様で)染色することが可能であることを確認した。
(実施例6)
水洗に代えて、還元洗浄(アルカリ剤、アニオンノニオン界面活性剤、還元剤を含む洗浄液により洗浄する)を行ったこと以外は、実施例1と全く同一にして、染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
(実施例7)
キノン系青色分散染料に代えて、アゾ系黒色分散染料(紀和化学工業製Kiwalon Polyester Black SK−184)を用いたこと以外は、実施例6と全く同一にして、染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得た。
<洗濯堅牢度評価>
実施例6及び7で得られた染色されたポリフェニレンサルファイド繊維について、JIS L0844に従って洗濯堅牢度試験(変退色)を行い、洗濯堅牢度を評価した。評価結果を表3に示す。
<汗堅牢度評価>
実施例6及び7で得られた染色されたポリフェニレンサルファイド繊維について、JIS L0848に従って汗堅牢度試験(変退色)を行い、汗堅牢度を評価した。評価結果を表3に示す。
<摩擦堅牢度評価>
実施例6及び7で得られた染色されたポリフェニレンサルファイド繊維について、JIS L0849に従って摩擦堅牢度試験(乾燥)を行い、摩擦堅牢度を評価した。評価結果を表3に示す。
Figure 2018204123
表3に示すとおり、本実施形態の染色方法によれば、高い堅牢度を備えた、染色されたポリフェニレンサルファイド繊維を得ることができることを確認した。

Claims (6)

  1. 界面活性剤を含み、染料を含まない処理液でポリフェニレンサルファイド繊維を処理し、界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を得る工程と、
    染料を含む染色液で、前記界面活性剤付着ポリフェニレンサルファイド繊維を処理して着色する工程と、
    を備える、ポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。
  2. 前記ポリフェニレンサルファイド繊維を処理した後の処理液に染料を添加し、前記染色液を調整する工程を更に備える、請求項1に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。
  3. 前記界面活性剤が、ノニオン界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。
  4. 前記界面活性剤が、ノニオン界面活性剤とアニオン界面活性剤とを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。
  5. 前記ノニオン界面活性剤と前記アニオン界面活性剤との質量比(ノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤)が、20/1〜5/1である、請求項4に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。
  6. 前記ノニオン界面活性剤のHLB値が、3〜9である、請求項3〜5のいずれか一項に記載のポリフェニレンサルファイド繊維の染色方法。
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