JP2018203361A - タンクの付帯設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】津波に対し、タンクの倒壊や流出を防止することができる共に、漂流物によるタンクの損傷を防止することができるタンクの付帯設備を提供する。【解決手段】タンクTに対し、津波対策用に設けられるタンクTの付帯設備1であって、津波に対しタンクTを浮上させるフロート部2と、タンクTの周囲に配設され、タンクTの浮上を案内する複数のガイド支柱3と、タンクTを囲繞すると共にタンクTに取り付けられ、タンクTを津波の漂流物から保護するプロテクト部5と、を備えたものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、原油、石油化学製品、工業用水、飲料水、圧縮ガス、液化ガス等の液体や気体を貯蔵するタンクに対し、津波対策として設けられるタンクの付帯設備に関するものである。
従来、この種のタンクの付帯設備として、地盤に立設した円筒形のタンクに対して施されたタンクの津波対策構造が知られている(特許文献1参照)。
このタンクの津波対策構造は、タンクの周囲に設けられた複数(8本)の鋼管杭と、複数の鋼管杭の内側に固定された複数の環状部材と、を備えている。複数の鋼管杭は、周方向に均等に且つ環状に配設され、その下端部が地盤に打ち込まれると共に、上端部が津波の高さh1とタンクの高さh2のとの和の高さよりも上方に配設されている。複数の環状部材は、樹脂などで円環状に形成され、複数の鋼管杭の内側において、上下方向に適宜の間隔をあけて固定されている。そして、複数の環状部材とタンクとの間には10cm程度の間隙が設けられ、複数の環状部材に対しタンクが挿通可能に構成されている。
この津波対策構造では、津波が生じて津波浸水による浮力や水平波力によってタンクが浮上しても、タンクの周囲に配設した複数の鋼管杭および複数の環状部材により、タンクの転倒や漂流が防止される。
特開2015−174685号公報
このような、従来のタンクの津波対策構造では、鋼管杭等によりタンクの転倒や漂流が防止されるが、漂流物(ガレキ)によるタンクの損傷は防止することはできない。津波は、数度に亘って来襲し、その際、漂流物を伴う。この場合、津波の流れに乗って来襲する漂流物がタンクに衝突するとタンクが損傷する。
すなわち、従来の津波対策構造では、鋼管杭等によりタンクが津波の流れに抗するため、かえって流れてくる漂流物により損傷され易くなるおそれがあった。
本発明は、津波に対し、タンクの倒壊や流出を防止することができる共に、漂流物によるタンクの損傷を防止することができるタンクの付帯設備を提供することを課題としている。
本発明のタンクの付帯設備は、タンクに対し、津波対策用に設けられるタンクの付帯設備であって、津波に対しタンクを浮上させるフロート部と、タンクの周囲に配設され、タンクの浮上を案内する複数のガイド支柱と、タンクを囲繞すると共にタンクに取り付けられ、タンクを津波の漂流物から保護するプロテクト部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、津波の来襲し水位が上昇してゆくと、フロート部によってタンクは、複数のガイド支柱を案内にして浮上してゆく。このため、タンクの転倒や流出を防止することができる。また、タンクには、これを囲繞するようにプロテクト部が取り付けられており、津波の流れに乗って来襲する漂流物(ガレキ)は、プロテクト部に衝突し、浮上したタンクに直接衝突することがない。このため、漂流物によるタンクの損傷を防止することができ、タンクの貯蔵物が外部に流出するのを防止することができる。なお、プロテクト部は、強度は元より、軽量で且つ適度な柔軟性を有する材料で構成することが好ましい。また、この構成は、比較的大きな津波を前提とするが、小さな津波、高潮、洪水等の水害にも対応可能である。
この場合、プロテクト部は、所定の間隙を存してタンクを囲繞していることが好ましい。
この構成によれば、タンクとプロテクト部との間に所定の間隙があるため、漂流物によってプロテクト部が凹んでも、タンクが損傷することがなく、タンクの損傷を有効に防止することができる。なお、この所定の間隙は、タンクの点検スペースとしても利用可能であることが好ましい。
この場合、プロテクト部は、防水性を有し、下端部においてタンクの下端部外周面に水密に取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、タンクとプロテクト部との間に間隙を、フロート部に対するサブのフロートとして機能させることができ、その分、フロート部をコンパクトに構成することができる。
また、プロテクト部の内周面とタンクの外周面との間には、間隙を維持する複数の補強部材が配設されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の補強部材のより、プロテクト部の変形を抑制し、プロテクト部とタンクとの間隙を適切に維持することができる。
また、プロテクト部は、径方向に厚みを有して環状に形成され、フロート部を兼ねていることが好ましい。
この構成によれば、フロート部に、漂流物に対しタンクを保護する機能を持たせることができる。これにより、全体の構造を単純化することができると共に、コストを抑えることができる。
同様に、フロート部は、タンクを支持する架台部を兼ねていることが好ましい。
この構成によれば、タンクは、架台部(フロート部)に支持された状態で、ガイド支柱に案内され浮上する。このため、タンクは、その姿勢を維持しつつ(傾くことなく)安定に上昇(浮上)し、且つ安定に下降する。したがって、津波が数度に亘って来襲しても、タンクの変形や、タンク内の貯蔵物の極端な波立ちを抑制することができる。
また、タンクの下端部に固定され、複数のガイド支柱に係合する支柱係合部を、更に備え、支柱係合部は、各ガイド支柱に対し上下方向にスライド可能に係合する複数のガイド係合部を有することが好ましい。
この構成によれば、タンクに固定され支柱係合部における複数のガイド係合部が、複数のガイド支柱に案内されて、タンクの浮上が行われる。すなわち、タンクは、水平方向に位置規制された状態で浮上する。このため、タンクは、その姿勢を維持しつつ(傾くことなく)安定に上昇(浮上)し、且つ安定に下降する。したがって、津波が数度に亘って来襲しても、タンク内の貯蔵物の極端な波立ちを抑制することができる(浮屋根タンクでは、貯蔵物が溢れ出るのを抑制する)。また、津波が去った後に、タンクを元の設置位置に復帰させることができる。
同様に、架台部と一体に形成され、タンクの浮上を複数のガイド支柱に案内されるスライド部を、更に備え、スライド部は、各ガイド支柱に対し上下方向にスライド可能に係合する複数のガイド係合部を有することが好ましい。
この構成によれば、タンクは、架台部に支持されると共に、複数のガイド支柱に係合する複数のガイド係合部によりその浮上が案内される。このため、タンクは、その姿勢を維持しつつ(傾くことなく)安定に上昇(浮上)し、且つ安定に下降する。したがって、津波が数度に亘って来襲しても、タンクの変形や、タンク内の貯蔵物の極端な波立ちを抑制することができる(浮屋根タンクでは、貯蔵物が溢れ出るのを抑制する)。また、津波が去った後に、タンクを元の設置位置に復帰させることができる。
一方、タンクには、外部設備に連なる配管が接続されており、タンクの近傍において配管に介設され、タンクの浮上に伴って配管の接続状態を解き、配管を外部設備側の固定配管とタンク側の移動配管とに分離するセパレート機構を、更に備え、セパレート機構は、フロート部の浮力により作動することが好ましい。
この構成によれば、セパレート機構により、タンクの浮上に伴って配管の接続状態を解くことができ、浮上時においてタンクの流出入口廻りが損傷するのを有効に防止することができる。また、セパレート機構は、フロート部の浮力により作動するため、津波に先立つ地震動等により電源が喪失してしまうことがあっても、セパレート機構を確実に作動させることができる。
この場合、セパレート機構は、相互に離接自在に接合される、固定配管側の元側継手部および移動配管側の先側継手部から成る分離継手と、元側継手部に連なり、固定配管を開閉可能な元側バルブと、先側継手部に連なり、移動配管を開閉可能な先側バルブと、フロート部の浮力を受けて、元側継手部と先側継手部とを分離させる継手作動機構と、フロート部の浮力を受けて、元側バルブを閉塞動作させる元弁作動機構と、フロート部の浮力を受けて、先側バルブを閉塞動作させる先弁作動機構と、を有することが好ましい。
この構成によれば、フロート部によるタンクの浮上に際し、継手作動機構により、固定配管側と移動配管側とに分離する(接続状態を解く)ことができると共に、元弁作動機構および先弁作動機構により、固定配管および移動配管をそれぞれ閉塞することができる。したがって、浮上するタンクの流出入口廻りの損傷を防止することができるだけでなく、分離した配管部分からの貯蔵物の流出を有効に防止することができる。
また、浮上の後のフロート部の下降に伴いフロート部に優先して基盤上に着地し、基盤との間に作業空間が生ずるように、フロート部を所定の高さ位置に支持する複数の支持機構を、更に備え、各支持機構は、フロート部を支持する支持姿勢と、フロート部の基盤上への着座を許容する非支持姿勢と、の間で姿勢変更可能に構成された機構本体と、フロート部の上昇に伴う非支持姿勢から支持姿勢への姿勢変更を許容する共に、基盤に着地したときに支持姿勢を維持するように逆止めする逆止め部と、逆止め部の逆止め状態を解除する逆止め解除部と、を有することが好ましい。
この構成によれば、逆止め部により機構本体は、フロート部の上昇に伴って非支持姿勢から支持姿勢への姿勢変更が許容される一方、フロート部の下降に伴って基盤に優先的に着地し且つ支持姿勢を維持する。このため、複数の支持機構により、タンク(およびフロート部)の下降途中において、基盤との間に作業空間を構成すべく、タンク(およびフロート部)を所定の高さ位置に支持することができる。これにより、基盤上に残ったガレキ(漂流物)や土砂を取り除くことができる。また、損傷したフロート部等の補修を行うことができる。また、逆止め解除部により、機構本体の支持姿勢から非支持姿勢への姿勢変更が許容される。このため、複数の支持機構により、ガレキの撤去作業等の後、タンクおよびフロート部を元のように、基盤上に着地させることができる。なお、機構本体は、伸縮自在な構成であってもよいし、折畳み自在な構成であってもよい。また、この場合の基盤の語は、基礎或いは地盤を意味する。
この場合、機構本体は、油圧シリンダーおよびエアーシリンダーのいずれかの基本形態を有し、逆止め部は、ボトム側シリンダー室に連通する逆止弁を有し、逆止め解除部は、ボトム側シリンダー室に連通する開閉弁を有することが好ましい。
この構成によれば、ボトム側シリンダー室に連通する逆止弁および開閉弁の「閉」により、機構本体の伸長状態を維持し、その後、開閉弁の「開」で、機構本体の収縮させることができる。すなわち、機構本体の伸長状態の維持および維持解除を簡単に制御することができる。したがって、タンク(フロート部)を所定の高さ位置に支持する操作およびタンク(フロート部)を基盤上に着地させる操作を簡単に行うことができる。
第1実施形態に係る、付帯設備を含むタンク廻りの立面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 第1実施形態において、タンクが浮上した状態の、付帯設備を含むタンク廻りの立面図である。 第1実施形態において、セパレート機構全体の側面視構造図(a)、およびセパレート機構の先側バルブの上面視構造図(b)である。 第1変形例に係るセパレート機構の構造図である。 第2変形例に係るセパレート機構の構造図である。 第2実施形態に係る、付帯設備を含むタンク廻りの立面図である。 第2実施形態において、タンクが浮上した状態の、付帯設備を含むタンク廻りの立面図である。 第3実施形態に係る、付帯設備を含むタンク廻りの立面図である。 図9におけるB−B線断面図である。 第3実施形態において、タンクが浮上した状態の、付帯設備を含むタンク廻りの立面図である。 第4実施形態に係る付帯設備における着地脚の構造図である。 第4実施形態の変形例に係る着地脚のシステム図である。 第5実施形態に係るタンクの付帯設備における着地脚のシステム図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るタンクの付帯設備について説明する。このタンクの付帯設備(以下、単に「付帯設備」という。)は、主にタンクの津波対策として、タンクに付帯させるものであり、来襲する津波の水位に合わせてタンクを積極的に浮上させるものである。また、実施形態の付帯設備は、既設のタンクおよび新設のタンクのいずれにも適用可能である。
[タンク]
対象となるタンクは、原油、石油化学製品、工業用水、飲料水、圧縮ガス、液化ガス等を貯蔵するものである。また、タンクの形式には、固定屋根タンク、円錐屋根タンク、球面屋根タンク、浮屋根タンク、固定屋根付き浮屋根タンク、球形タンク等がある。以下、灯油、軽油、重油等を貯蔵物とする固定屋根タンクを例に、説明を進めることとする。
[第1実施形態]
図1は、付帯設備を含むタンク廻りの立面図、図2は、そのA−A線断面図、図3は、タンクが浮上した状態のタンク廻りの立面図である。これらの図に示すように、付帯設備1は、タンクTを支持すると共に、津波の来襲に対しタンクTを浮上させるフロート部2と、タンクTの周囲に配設した複数本(実施形態のものは、4本)のガイド支柱3と、各ガイド支柱3にスライド自在に係合する支柱係合部4と、タンクTを津波の漂流物から保護するプロテクト部5と、を備えている。
フロート部2は、タンクTの架台部を兼ねており、津波が来襲したときにタンクTを浮上させる。4本のガイド支柱3は、タンクTの浮上を案内すると共に、タンクTの流出を防止する。また、支柱係合部4およびプロテクト部5は、タンクTを囲繞すると共にタンクTに取り付けられている。
地盤G上には、コンクリートの基礎7が打設され、この基礎7上にフロート部2を介してタンクTが設置されている。図示しないが、基礎7の下側には、地盤Gの支持力を考慮して適宜の地業が施され、また基礎7には、防油堤等が併設されている。タンクTは、フロート部2に支持され、このフロート部2が基礎7に形成されたピット部7aに支持(着座)されている。詳細は後述するが、4本のガイド支柱3の上端には、これらを環状に連結する連結リング8が設けられ、またタンクTに接続された配管Pには、セパレート機構10が介設されている(詳細は後述する)。
津波が来襲すると、初期段階において、津波はピット部7aに流れ込みフロート部2に浮力を生じさせる。津波の高さがタンクTの中間高さ程度に達すると、フロート部2によりタンクTの浮上が開始される。タンクTの浮上は、支柱係合部4を介して4本のガイド支柱3により直上に案内される(図3参照)。この場合、来襲する津波には漂流物(ガレキ)が伴うが、浮上したタンクTは、プロテクト部5により漂流物から保護される。
図1および図3に示すように、4本のガイド支柱3は、タンクTの周囲において周方向に均等間隔で配設されている。各ガイド支柱3は、例えば杭地業に用いる鋼杭や既製鉄筋コンクリート杭で構成することが好ましく、実施形態ものは、鋼管杭(鋼杭の一種)で構成されている。各ガイド支柱3の下部は、基礎7を貫通して地盤Gに深く打ち込まれている。ガイド支柱3の地盤Gへの打込み深さは、地盤Gの耐力を考慮して設計され、またガイド支柱3の地盤Gからの高さは、想定される最大級の津波の高さを考慮して設計されている。さらに、実施形態のフロート部2は、タンクTの略上半部が津波の水面Sから出るように設計されている(図3参照)。したがって、ガイド支柱3の地盤Gからの高さは、想定される最大級の津波の高さを越えるものとなっている。
図1および図2に示すように、4本のガイド支柱3の上端には、これらを環状に連結する連結リング8が設けられている。連結リング8は、鋼材等で構成され、4本のガイド支柱3を相互に補強および位置決めしている。4本のガイド支柱3は、下部を地盤Gに定着され且つ上端を連結リング8で連結されることにより、フロート部2やタンクTが受ける津波の水平波力に耐えて、タンクTの浮上を案内する。連結リング8の内周面の径は、4本のガイド支柱3の内端を円形に結んだ仮想円と同径に形成されており、4本のガイド支柱3と共にタンクTの浮上を案内する。
もっとも、想定を越える津波が来襲したときの連結リング8は、タンクTの浮上端位置を規制するストッパーとして機能し、タンクTがガイド支柱3から離脱(流出)するのを防止する。なお、プロテクト部5とタンクTとの離間寸法は、10cm前後とすることが好ましい。また、実施形態では、ガイド支柱3を4本としたが、3本以上であればその数は任意である。
図1および図2に示すように、フロート部2は、タンクTの直下に位置しタンクTを直接支持する架台部を兼ねている。フロート部2は、上面視円形であって、タンクTと同径或いはタンクTよりわずかに大径に形成されている。図示では省略したが、フロート部2は、鋼材(鉄骨材)により骨組みされている。また、フロート部2は、外郭や隔板で仕切られた内部に、フロート材を組み込んで構成されている(いずれも図示省略)。
フロート材は、例えば発泡スチールや発泡ウレタン等の樹脂独立発泡体や、注入型の樹脂独立発泡体で形成され、或いはFRP(繊維強化プラスチック)のタンク等で構成されている。これにより、フロート材は、水を吸収することがなく、水に触れることがあってもその浮力を維持する。なお、フロート部2にタンクTを支持する複数の制振支持体を組み込んで、タンクTを制振構造としてもよい。
支柱係合部4は、タンクTの下端部外周面に固定され、基礎7上に着座している。支柱係合部4は、主要部が鋼材(鉄骨材)を組んで構成され、タンクTの周囲に位置する係合部本体11と、係合部本体11から延び、各ガイド支柱3に対し上下方向にスライド可能に係合する4つのガイド係合部12、を有している。係合部本体11は、上面視円形であって、タンクTよりも大径に形成されている(図2参照)。
各ガイド係合部12は、ガイド支柱3を囲繞するリング状の係合リング14と、係合部本体11から外方に延び、係合リング14を保持するリング保持部15と、を有している。すなわち、係合部本体11から4つリング保持部15が放射状に延び、この4つリング保持部15にそれぞれ係合リング14が取り付けられている(図2参照)。各係合リング14は、わずかな間隙を存してガイド支柱3にスライド自在に係合しおり、タンクTの浮上を案内するガイド支柱3との接点を構成している。
また、係合リング14は、防振ゴム等から成る防振部材で構成されている。これにより、各ガイド支柱3との接点となる4つの係合リング14は、実質のスライド部材として機能するだけでなく、地震動や津波によるタンクT(およびフロート部2)の横揺れ等を吸収する。また、タンクTの浮上時にフロート部2が傾くことがあっても、防振部材で構成され係合リング14は、ガイド支柱3との間の「かしぎ」を抑制する。なお、支柱係合部4は、係合部本体11と4つのガイド係合部12とを一体とした、上面視円形のものであってもよい。
図1ないし図3に示すように、プロテクト部5は、津波の漂流物からタンクTを保護するものであり、所定の周囲間隙21を存してタンクTを囲繞するように配設されている。また、プロテクト部5は、防水性を有し、その下端部は、支柱係合部4に支持された状態で、タンクTの下端部外周面に水密に取り付けられている。上述のように、プロテクト部5は、津波の漂流物からタンクTを保護するものであるから、一義的には防水性を問うものではないが、本実施形態のプロテクト部5は、防水性を有することで、タンクTとの間の周囲間隙21を第2(サブ)のフロートとしても機能させている。
この場合、プロテクト部5は、タンクTの上端部近傍まで延びる円筒状のプロテクト部本体22と、プロテクト部本体22の下端部に断面「L」字状に連なるタンク取付け部23と、を有している。そして、図示では省略したが、このタンク取付け部23とタンクTの下端部との間に環状のシール部材を介在した状態で、プロテクト部5がタンクTに取り付けられている。
プロテクト部本体22とタンク取付け部23とは、FRP(繊維強化プラスチック)等により一体に形成されている。すなわち、プロテクト部5は、漂流物の衝突に耐えるように、適度な強度や柔軟性を有する耐衝撃性の材料で形成されている。さらに、実施形態のものは、例えばカーボン繊維の強化プラスチックで構成され、軽量化をも図っている。
また、タンクTとプロテクト部5との間には、上記の周囲間隙21に複数(実施形態のものは3つ)の補強部材25が介設されている。各補強部材25は、FRP(繊維強化プラスチック)等により環状に形成され、適宜の抜き孔25aが形成されている(図2参照)。これにより、タンクTとプロテクト部5との間には、上端が開放された第2のフロートが構成されている。そして、タンクTには、この第2のフロート内に雨水が侵入しないように、屋根の延長上に庇部27が設けられている。
なお、実施形態のプロテクト部5は、第2のフロートを兼ねる構造としたが、防水性の無い単なる防護壁であってもよい。また、上記の周囲間隙21は、タンクTの点検スペースとして利用可能であることが好ましい。かかる場合に、上記の各補強部材25は、点検のための足場として機能する(複数の補強部材25は、階段等で結ばれる)。さらに、プロテクト部5の上端部をタンクTの上端部に水密に取付け、第2のフロートを密閉型としてもよい。
このように、第1実施形態の付帯設備1では、津波が来襲すると、タンクTは、フロート部2により、4本のガイド支柱3に案内されて浮上する。また、浮上したタンクTは、プロテクト部5により津波の漂流物(ガレキ)から保護される。このため、津波による、タンクTの転倒や流出を防止することができるだけでなく、漂流物によるタンクTの損傷をも防止することができる。また、プロテクト部5により第2のフロートを構成すると共に、フロート部2にタンクTの架台部と兼用させるようにしているため、付帯設備1全体を単純な構造とすることができ、コストを抑制することができる。
ところで、タンクTの下部には、貯蔵物を流出或いは流入させるための流出入口Taが設けられており(図4参照)、流出入口Taには、外部設備に連なる配管Pが接続されている。このため、単純にタンクTを浮上させると、配管Pが破断し或いはタンクTの流出入口Ta廻りが損傷し、貯蔵物が外部に流出するおそれがある。
そこで、本実施形態では、タンクTを浮上に伴って、配管Pを外部設備側の固定配管PAとタンクT側の移動配管PBとに分離するセパレート機構10が設けられている。タンクTの近傍における配管Pには、配管Pを開閉する開閉弁38(ゲートバルブやバタフライバルブ)と耐震用の可撓継手39(フレキシブル継手)が設けられており、セパレート機構10は、この開閉弁38と可撓継手39との間の配管Pに介設されている(図1参照)。
詳細は後述するが、セパレート機構10は、タンクTの浮力(浮上力)を利用して作動し、配管Pの接続状態を解く機能の他、固定配管PAおよび移動配管PBを閉塞する機能を有している。すなわち、セパレート機構10は、タンクTを浮上に伴って、配管Pを固定配管PAと移動配管PBとに分離し、且つ固定配管PAおよび移動配管PBをそれぞれ閉塞する。これにより、配管Pや流出入口Ta廻りの損傷が防止されると共に、貯蔵物の流出が防止される。
[第1実施形態のセパレート機構]
図4(a)および図4(b)は、それぞれ第1実施形態のセパレート機構10Aの側面視構造図および上面視構造図である。両図に示すように、このセパレート機構10Aは、上記の開閉弁38と可撓継手39との間の配管Pに介設され、配管Pを分離する機能および固定配管PAを開閉する機能を併せ持つバルブ付き分離継手41と、バルブ付き分離継手41に連なり、移動配管PBを開閉する機能を持つ先側バルブ42と、先側バルブ42に係合する係合スタンド43(固定側係合部材)と、を備えている。
図4(a)示すように、バルブ付き分離継手41は、固定配管PA側の元側継手部45および移動配管PB側の先側継手部46から成り、内部にクランク状の流路を構成している。そして、元側継手部45と先側継手部46とは、鉛直方向(上下方向)を軸方向として離接自在に差込み接合されている。そして、元側継手部45には、固定配管PA側の流路を開閉する逆止めの弁構造47(元側バルブ)が組み込まれている。逆止めの弁構造47は、球形の弁体51と、流路に突出した環状の弁座52と、弁体51を弁座52に向かって付勢するコイルバネ53と、を有している。また、弁構造47が組み込まれた元側継手部45の外周面には、ストレートの雄接合部54が形成されている。この雄接合部54は、例えば鏡面仕上げに加工されている。
先側継手部46は、元側継手部45の雄接合部54に対応する内周面に、雄接合部54に接合する雌接合部56を有している。雌接合部56には、軸方向に間隙を存して3つのOリング57が設けられている。これにより、先側継手部46は、元側継手部45に対し軸方向に液密に差込み接合されている。雌接合部56の先端部は拡開形成されており、元側継手部45への接合をガイドし得るようになっている。詳細は後述するが、津波が去ってセパレート機構10Aが元の状態に復帰するときも、先側継手部46が、元側継手部45に円滑に接合されるようになっている。
また、先側継手部46には、軸方向に延びる弁開放ロッド58(弁開放部材)が設けられている。弁開放ロッド58は、基部を先側継手部46の一部に固定され、先端が上記の球形の弁体51に当接している。弁開放ロッド58が弁体51に当接している状態では、弁体51が弁座52から離間しており、弁体51は流路を開放する開放位置に移動している。すなわち、弁開放ロッド58は、コイルバネ53に抗して、弁体51を開放位置に位置規制している。
この状態から、津波によりタンクTが浮上を開始すると、先側バルブ42と共に先側継手部46が上動してゆく。これにより、元側継手部45の雄接合部54から先側継手部46の雌接合部56が上方に抜け、元側継手部45と先側継手部46との接合状態が解かれる。また同時に、先側継手部46の弁開放ロッド58が上動し、これに合わせてコイルバネ53に付勢された弁体51が、弁座52に当接する閉塞位置に移動する。すなわち、タンクTの浮上に伴って、バルブ付き分離継手41の接合が解かれて、配管Pが固定配管PAと移動配管PBとに分離すると共に、固定配管PAの流路が閉塞する。なお、請求項に言う継手作動機構および元弁作動機構は、タンクTの浮上に伴って上動する移動配管PBにより構成されている。
図4(a)および図4(b)に示すように、先側バルブ42は、逆止弁の構造を有するタンクT側の逆止弁部61と、逆止弁部61の弁体62を開放位置に位置規制するバルブ付き分離継手41側の弁開閉機構部63と、を備え、内部に水平な流路を構成している。逆止弁部61は、開放位置と閉塞位置との間で流路内を水平方向に移動可能な弁体62と、流路の狭小部分に形成された弁座64と、を有している。
弁体62は、弁座64に対応するテーパー部66aを有する弁体本体66と、弁体本体66から弁開閉機構部63側に突出する突当て突起67と、弁体本体66から突当て突起67とは逆側に突出する複数の開放脚部68と、を有している。複数の開放脚部68は、弁体本体66の背面において、周方向に均等に配置され、相互の間隙部分に流路が構成されるようになっている。すなわち、複数の開放脚部68は、弁体本体66の背面が直接流路壁に密接するのを阻止し、流路を確保できるよう機能している。突当て突起67は、後述する弁開閉機構部63の胴部72に当接しており、これにより弁体本体66の開放位置が位置規制されている。
弁開閉機構部63は、流路を横断するように延びる弁開閉部材71を有し、弁開閉部材71は、太径の胴部72と、胴部72を保持する軸部73と、軸部73の一方の端部に設けられた頭部74と、を有している。頭部74は、バルブハウジング76から露出しており、頭部74近傍において、軸部73とバルブハウジング76との間にはOリング77が設けられている。これにより、バルブハウジング76を貫通する軸部73の液密性が維持されている。
弁開閉部材71は、軸部73および胴部72を介して、バルブハウジング76に対し、弁体62の延在方向に直交する水平方向にスライド自在に支持されている。詳細は後述するが、弁開閉部材71のスライド移動は、上記の突当て突起67が胴部72に当接して弁体62を開放位置に位置規制する規制位置と、突当て突起67が胴部72から軸部73側に外れて弁体62の閉塞を許容する規制解除位置と、の間で行われる。
また、弁開閉機構部63は、バルブハウジング76と胴部72との間に介設したコイルバネ78(解除付勢部材)を有している。コイルバネ78は、弁開閉部材71をその頭部74がバルブハウジング76から突出するように付勢している。すなわち、コイルバネ78は、規制位置ある弁開閉部材71を、規制解除位置に向かって付勢している。
詳細は後述するが、先側バルブ42は、係合スタンド43のスタンド本体81に上方から嵌り込むように係合しており、この状態で、コイルバネ78に抗して頭部74が押され、弁開閉部材71は規制位置に移動している。一方、タンクTの浮上に伴って、先側バルブ42全体が上動すると、先側バルブ42は、係合スタンド43のスタンド本体81から上方に離脱する。このように、先側バルブ42のスタンド本体81からの係合が解かれると、弁開閉部材71は、コイルバネ78により規制位置ら規制解除位置にスライド移動する。そして、このスライド移動により、貯蔵物の流れ(圧力)に押された弁体62が、開放位置から弁座64に密接する閉塞位置に移動して流路を閉塞する。
なお、図中の符号79は、コイルバネ78に抗して弁開閉部材71を規制位置に維持するセッティングピンである。セッティングピン79は、段付きのユリアネジ等で構成され、バルブハウジング76にねじ込みその先端部を軸部73に形成した小穴73aに挿入することで、弁開閉部材71を規制位置に維持する。この状態で、先側バルブ42は、係合スタンド43にセット(係合)され、その後、セッティングピン79を緩めて先端部を小穴73aから引き抜くようにする。これにより、係合スタンド43に対する先側バルブ42のセッティングが完了する。
図4(a)に示すように、係合スタンド43は、先側バルブ42が係合するスタンド本体81と、スタンド本体81を支持するポール部82と、ポール部82の下端に設けた固定部83と、を有し、固定部83で基礎7上に固定されている。スタンド本体81は、上面が開放された断面「U」字状に形成され、その内周面には対向するように一対の係合溝81aが形成されている(図4(b)参照)。スタンド本体81には、上側から先側バルブ42が嵌り込むようにセット(係合)されるが、その際、弁開閉部材71の頭部74が一方の係合溝81aに嵌り込み、頭部74と反対側のバルブハウジング76の凸部が他方の係合溝81aに嵌り込む。なお、係合スタンド43のポール部82を入れ子式のスライド構造とし、先側バルブ42に対しスタンド本体81を下側から係合セットするようにしてもよい。
係合スタンド43は基礎7に固定される一方、先側バルブ42は移動配管PBの一部としてタンクTの浮上に伴って上動する。これにより、上記したように、先側バルブ42が自動的に閉塞される。したがって、固定配管PAと移動配管PBとが分離するタイミングで移動配管PBが閉塞され、移動配管PB側であるタンクT側からの貯蔵物の流出が防止される。なお、請求項に言う先弁作動機構は、タンクTの浮上に伴って上動する移動配管PBと、係合スタンド43とで構成されている。
以上のように、第1実施形態のセパレート機構10Aによれば、バルブ付き分離継手41および先側バルブ42により、タンクTの浮上に伴って、固定配管PAと移動配管PBとを適切に分離することができると共に、固定配管PAおよび移動配管PBを閉塞することができる。したがって、配管Pの破断やタンクTの流出入口Ta廻りの破損を防止することができると共に、貯蔵物の流出を有効に防止することができる。
[第1変形例のセパレート機構]
図5は、第1変形例のセパレート機構10Bの構造図である。同図に示すように、このセパレート機構10Bは、固定配管PA側の元側継手部92および移動配管PB側の先側継手部93から成る分離継手91と、分離継手91の下側に配設され固定配管PAを開閉可能な元側バルブ94と、分離継手91の上側に配設され移動配管PBを開閉可能な先側バルブ95と、を備えている。そして、元側バルブ94、分離継手91および先側バルブ95により構成される流路は、鉛直方向(上下方向)に延在している。
また、セパレート機構10Bは、フロート部2の浮力を受けて、元側継手部92と先側継手部93とを分離させる継手作動機構96と、フロート部2の浮力を受けて、元側バルブ94を閉塞動作させる元弁作動機構97と、フロート部2の浮力を受けて、先側バルブ95を閉塞動作させる先弁作動機構98と、を備えている。この場合、元弁作動機構97、継手作動機構96および先弁作動機構98は、フロート部2の浮力を受けるべく、フロート部2或いはタンクTに固定されている。
分離継手91は、元側バルブ94に連なる元側継手部92と先側バルブ95に連なる先側継手部93とを有し、元側継手部92と先側継手部93とは、鉛直方向(上下方向)に差込み接合されている。また、分離継手91は、元側継手部92と先側継手部93との接合状態をロック・アンロックするフッキング機構99を有している。
元側継手部92の上部内周面には、テーパー形状の雌接合部101が形成されている。また、元側継手部92の中間部外周面には、環状のフック受け部102が突設されている。一方、先側継手部93の下部外周面には、上記の雌接合部101が接合するテーパー形状の雄接合部103が形成されている。この雌接合部101と雄接合部103とは、相補的なテーパー形状を為しており、また雌接合部101と雄接合部103との当接部分には、図示しないがシールパッキンが設けられている。これにより、元側継手部92と先側継手部93とは、上下方向(軸方向)において、液密に差込み接合されている。
フッキング機構99は、複数(3つ以上)のフック爪105(フッキング部材)と、複数のフック爪105の先端部に設けられた環状バネ106と、を有している。各フック爪105は、「く」字状に反った形状に形成され、上下中間部で先側継手部93の外周面に回動自在に支持されている。詳細は後述するが、各フック爪105は、下半部が軸線に平行になるフッキング位置と、上半部が軸線に平行になるフッキング解除位置との間で回動する。
環状バネ106は、コイルスプリングの端部同士を結んで環状に形成したものであり、複数のフック爪105をその下部において囲繞するように配設されている。すなわち、環状バネ106は、各フック爪105をフッキング位置に向かって回動するように付勢している。これにより、複数のフック爪105は、環状バネ106により上記のフック受け部102にフッキングされるフッキング位置(ロック)と、環状バネ106に抗してフック受け部102から外れるフッキング解除位置(アンロック)との間で、それぞれ回動する。
継手作動機構96は、複数のフック爪105の下部外周面を円形に結んだ仮想円を内周面とする環状のフック解除リング108(フッキング解除部材)と、先端側でフック解除リング108を支持し基端側でタンクT側に固定された支持アーム109と、を有している。フック解除リング108は、好ましくは2分割構造とし、分離継手91が施工された後にセットされる。
元側継手部92と先側継手部93とが接合した状態で、複数のフック爪105を囲繞するように配設されたフック解除リング108は、環状バネ106の上側近傍に位置しており、また各フック爪105はフッキング位置に移動している。この状態からタンクTが浮上してゆくと、これに伴ってフック解除リング108が上動してゆく。フック解除リング108が、フック爪105の上部に達すると、複数のフック爪105は同時にフッキング解除位置に回動しフック受け部102から外れる。これにより、元側継手部92と先側継手部93(分離継手91)との接合が解かれて、配管Pが固定配管PAと移動配管PBとに分離する。
元側バルブ94は、市販のリフト式逆止弁を改造し、これを横向きに取り付けたものであり、開放位置と閉塞位置との間で弁体111の移動を案内する支持ロッド112が、ハウジング(取付け蓋113)を貫通して外部に露出している。先端で弁体111を支持する支持ロッド112は、取付け蓋113を貫通すると共に、取付け蓋113にスライド自在に支持されている。取付け蓋113には、支持ロッド112との間にOリング114が設けられ、液密性が維持されている。支持ロッド112の露出部分には、貫通孔112aと指掛け用のリング部112bとが形成されており、このリング部112bにより、後述する作動ピン121を貫通孔112aに簡単にセットできるようになっている。
元側バルブ94の内部には、支持ロッド112に巻回するようにしてコイルバネ116(閉塞付勢部材)が設けられている。コイルバネ116は、開放位置ある弁体111を閉塞位置に向かって付勢している。詳細は後述するが、支持ロッド112を外に向かってに引き、作動ピン121を貫通孔112aに挿入することで、弁体111は、コイルバネ116に抗して開放位置に位置規制される。この状態から、作動ピン121を引き抜くと、弁体111は、コイルバネ116により弁座117に密接する閉塞位置に移動する。
元弁作動機構97は、支持ロッド112の貫通孔112aに挿入(係合)される作動ピン121(ロッド係合部材)と、作動ピン121の上端部に連結したワイヤー122と、ワイヤー122に連結した取付けブラケット123と、有している。取付けブラケット123は、タンクT側に固定されており、タンクTが浮上すると、取付けブラケット123およびワイヤー122を介して、作動ピン121が支持ロッド112の貫通孔112aから引き抜かれるように上動する。
すなわち、タンクTの浮上に伴って、作動ピン121が支持ロッド112の貫通孔112aから引き抜かれる(係合解除)。作動ピン121が貫通孔112aから引き抜かれると、コイルバネ116により支持ロッド112がスライドし、弁体111が閉塞位置に移動する。これにより、元側バルブ94が閉塞動作する。なお、弁体111を元の開放位置にセットする場合には、コイルバネ116に抗して支持ロッド112を引き出し、作動ピン121を上側から貫通孔112aに挿入する。
先側バルブ95は、元側バルブ94と同じ構造を有している。但し、先側バルブ95は、元側バルブ94に対し上下反転して取り付けられている。また、先弁作動機構98も、元弁作動機構97と同じ構造を有している。この場合は、取付けブラケット123の上下方向の取付け位置が異なるものの、全体として同一の姿勢で設けられている。
このように、第1変形例のセパレート機構10Bによれば、タンクTの浮上に伴って、分離継手91が分離し、またほぼ同時に元側バルブ94および先側バルブ95が閉塞動作する。すなわち、タンクTの浮上に合わせて固定配管PAと移動配管PBとを適切に分離させることができると共に、固定配管PAおよび移動配管PBを閉塞することができる。したがって、固定配管PAおよび移動配管PBからの貯蔵物の流出を有効に防止することができる。
なお、分離継手91の切離しタイミングと、元側バルブ94および先側バルブ95の閉塞タイミングと、の相互の関係は、元弁作動機構97側および先弁作動機構98側の作動ピン121の差込み長さ等で調整することが好ましい。また、タンクTが浮上を開始してから分離継手91が分離するまでの間では、配管Pに引張り力が加わるが、この引張り力は、可撓継手39で吸収される。
[第2変形例のセパレート機構]
図6は、第2変形例のセパレート機構10Cの構造図である。同図に示すように、このセパレート機構10Cは、第1変形例と同様に、元側継手部132および先側継手部133から成る分離継手131と、分離継手131の下側に配設された元側バルブ134と、分離継手131の上側に配設された先側バルブ135と、を備えている。そして、元側バルブ134、分離継手131および先側バルブ135により構成される流路は、鉛直方向(上下方向)に延在している。
また、セパレート機構10Cは、元側継手部132と先側継手部133とを分離させる継手作動機構136と、元側バルブ134を閉塞動作させる元弁作動機構137と、先側バルブ135を閉塞動作させる先弁作動機構138と、を備えている。もっとも詳細は後述するが、元弁作動機構137と先弁作動機構138とは、相互に兼用した構成になっている。
分離継手131は、元側継手部132と先側継手部133とを有し、元側継手部132と先側継手部133とは、鉛直方向(上下方向)に差込み接合されている。また、分離継手131は、元側継手部132と先側継手部133との接合状態をロック・アンロックするロック機構139を有している。この場合、分離継手131は、いわゆるワンタッチ継手(ワンタッチカプラ)の形態を有している。
元側継手部132の上部外周面には、テーパー形状の雄接合部141が形成されている。また、雄接合部141の中間部外周面には、後述する複数のロックボール148が係合する円弧状断面の環状溝142が形成されている。一方、先側継手部133の下部内周面には、上記の雄接合部141が接合するテーパー形状の雌接合部143が形成されている。また、雄接合部141と雌接合部143との当接部分には、図示しないがシールパッキンが設けられており、元側継手部132と先側継手部133とは、上下方向(軸方向)において、液密に差込み接合されている。一方、雌接合部143の中間部には、周方向に複数の横孔144が形成され、この横孔144には、後述する複数のロックボール148が収容されている。
ロック機構139は、先側継手部133を囲繞するように配設した環状のロック部材146と、ロック部材146を下方に付勢するロックバネ147と、上記の複数の横孔144に投入した複数のロックボール148と、を有している。ロック部材146は、円筒部151とフランジ部152とから成り、フランジ部152には、ロックバネ147のバネ受け部152aが形成されている。円筒部151の内周面には、その中間部に下方に拡開するテーパー面151aが形成され、また下部にテーパー面151aに連なる拡開面151bが形成されている。
ロック部材146は、先側継手部133に対し上下方向にスライド自在(上下動自在)に支持されると共に、ロックバネ147により下方に付勢されている。ロックバネ147により、ロック部材146が下動してそのテーパー面151aが複数のロックボール148に対峙するロック位置(下動位置)では、複数のロックボール148がテーパー面151aにより内方に押されて環状溝142に入り込み、雄接合部141と雌接合部143との接合状態がロックされる。一方、ロックバネ147に抗して、ロック部材146が上動してその拡開面151bが複数のロックボール148に対峙するロック解除位置(上動位置)では、複数のロックボール148が拡開面151bと環状溝142との間で自由に移動し、雄接合部141と雌接合部143との接合状態がロック解除(アンロック)される。
継手作動機構136は、ロック部材146の円筒部151を囲繞するように設けられた環状のロック解除リング154(ロック解除部材)と、先端側でロック解除リング154を支持し基端側でタンクT側に固定された支持アーム155と、を有している。ロック解除リング154は、好ましくは2分割構造とし、分離継手131が施工された後にセットされる。
元側継手部132と先側継手部133とが接合した状態で、ロック解除リング154は、ロック部材146のフランジ部152から下方に離間した位置にある。この状態からタンクTが浮上してゆくと、これに伴ってロック解除リング154が上動してゆく。ロック解除リング154が、フランジ部152に達しさらにロック部材146を押し上げロック解除位置に達すると、ロックボール148が自由状態となる。これにより、元側継手部132と先側継手部133と(分離継手131)の接合が解かれて、配管Pが固定配管PAと移動配管PBとに分離する。
元側バルブ134は、市販のバタフライバルブを改良したものである。具体的には、元側バルブ134は、操作レバー161Aが下向き45°の開放位置と上向き45°の閉塞位置との間で開閉操作される構成としている。一方、先側バルブ135は、元側バルブ134と同じ構造を有し、元側バルブ134に対し上下反転して取り付けられている。すなわち、先側バルブ135は、操作レバー161Bが上向き45°の開放位置と下向き45°の閉塞位置との間で開閉操作される構成としている。
相互に兼用となる元弁作動機構137および先弁作動機構138は、元側バルブ134の操作レバー161Aと先側バルブ135の操作レバー161Bとを繋ぐ繋ぎ部材163により構成されている。繋ぎ部材163は、ステンレス線や銅線等の線材で構成され、張った状態で両操作レバー161A,161Bの先端部同士を連結している。
タンクTが浮上し分離継手131が分離すると、繋ぎ部材163を介して両操作レバー161A,161Bが相互に引かれる。これにより、元側バルブ134の操作レバー161Aは、下向き45°から上向き45°に回動操作され、元側バルブ134は閉塞する。同時に、先側バルブ135の操作レバー161Bは上向き45°から下向き45°に回動操作され、先側バルブ135も閉塞する。さらに、タンクTが浮上してゆくと、繋ぎ部材163は限界に達して破断する。
このように、第2変形例のセパレート機構10Cによれば、タンクTの浮上に合わせて固定配管PAと移動配管PBとを適切に分離させることができると共に、固定配管PAおよび移動配管PBを閉塞することができる。したがって、固定配管PAおよび移動配管PBからの貯蔵物の流出を有効に防止することができる。
なお、この場合も、タンクTが浮上を開始してから分離継手131が分離するまでの間では、配管Pに引張り力が加わるが、この引張り力は、可撓継手39で吸収することが好ましい。また、第1変形例の分離継手91と第2変形例の分離継手131とは、相互に代替え可能である。
[第2実施形態]
次に、図7および図8を参照して、第2実施形態に係る付帯設備1Aについて説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
第2実施形態の付帯設備1Aでは、フロート部2Aが、タンクTの下側ではなく、タンクTの周囲に配設され、且つこのフロート部2Aが上記のプロテクト部5を兼ねる構造となっている。
フロート部2Aは、断面縦長の環状に形成され、所定の周囲間隙21を存して、タンクTを囲繞するように配設されている。フロート部2Aには、その下端部にタンク取付け部23が設けられており、第1実施形態と同様にフロート部2Aは、タンク取付け部23を介してタンクTに水密に取り付けられている。この場合も、フロート部2Aは、一義的には防水性を問うものではないが、本実施形態のフロート部2Aは、少なくとも内周面からタンク取付け部23にかけての部分が、防水性を有している。また、フロート部2Aは、支柱係合部4上に着座し、その上端は、第1実施形態のプロテクト部5と同様にタンクTの上端部近傍まで延びている。これにより、第2実施形態においても、タンクTとフロート部2Aとの間に第2のフロートが構成されている。
この場合のフロート部2Aは、形状は異なるものの第1実施形態のものと同様の基本構造を有している。したがって、タンクTの上半部が水面S上に出る程度の浮力を有し、また漂流物により、フロート部2Aが損傷を受けることがあっても、フロート部2Aの浮力が損なわれることはない。
このように、第2実施形態の付帯設備1Aでは、津波が来襲すると、タンクTは、フロート部2Aにより、4本のガイド支柱3に案内されて浮上する。また、浮上したタンクTは、プロテクト部5を兼ねるフロート部2Aにより津波の漂流物(ガレキ)から保護される。このため、津波による、タンクTの転倒や流出を防止することができるだけでなく、漂流物によるタンクTの損傷をも防止することができる。また、フロート部2AがタンクTの周囲に配設されているため、既設のタンクTにも簡単に設備することができる。
[第3実施形態]
次に、図9ないし図11を参照して、第3実施形態に係る付帯設備1Bについて説明する。なお、第3実施形態では、主に第1実施形態と異なる部分について説明する。
第3実施形態の付帯設備1Bでは、フロート部2Bが、第1実施形態におけるフロート部2と支柱係合部4とを一体とし、その全体を平面視円形とした形態を有している。
すなわち、この実施形態のフロート部2Bは、タンクTの架台部を兼ねるフロート本体31と、フロート本体31の周囲に配設され、複数のガイド支柱3に係合するスライド部32と、で一体に形成されている。そして、スライド部32には、各ガイド支柱3に対し上下方向にスライド可能に係合する4つのガイド係合部12が設けられている。
この場合、フロート部2Bも、ガイド係合部12の部分を除いて、第1実施形態のものと同様の基本構造を有している。したがって、タンクTの上半部が水面S上に出る程度の浮力を有し、また漂流物により、フロート部2Bが損傷を受けることがあっても、フロート部2Bの浮力が損なわれることはない。また、プロテクト部5は、第1実施形態と同様の形態を有している。
このように、第3施形態の付帯設備1Bでは、津波が来襲すると、タンクTは、フロート部2Bにより、4本のガイド支柱3に案内されて浮上する。また、浮上したタンクTは、プロテクト部5により津波の漂流物(ガレキ)から保護される。このため、津波による、タンクTの転倒や流出を防止することができるだけでなく、漂流物によるタンクTの損傷をも防止することができる。また、プロテクト部5により第2のフロートを構成すると共に、フロート部2Bに、タンクTの架台部や支柱係合部4を兼用させるようにしているため、付帯設備1B全体を単純な構造とすることができ、コストを抑制することができる。
[第4実施形態]
ところで、津波が去ると、タンクTおよびフロート部2は元の位置に下降し基礎7上に着座することとなるが、その際、基礎7上にはガレキや土砂が残っていることが想定される。そこで、本実施形態では、フロート部2或いは支柱係合部4に複数の着地脚170(支持機構)を設け、下降してきたタンクT、フロート部2および支柱係合部4をいったん複数の着地脚170で所定の高さ位置に支持し、ガレキや土砂を撤去した後、基礎7(基盤)上に着座(着地)させ得るようにしている。
図12は、油圧シリンダーを改造した着地脚170であり、この着地脚170の複数個が、フロート部2を囲むように取り付けられている。同図に示すように、各着地脚170は、油圧シリンダーの形態を有しており、シリンダーチューブ181と、シリンダーチューブ181に内蔵したピストン182と、一方の端部にピストン182を設けたピストンロッド183と、を備えている。ピストンロッド183の他方の端部は、ブラケット184を介してフロート部2に支持される一方、シリンダーチューブ181の下端は、基礎7上に着座している。
ピストン182には、複数の逆止弁186が組み込まれている。各逆止弁186は、ピストン182が上動するときに「開」となり、下動するときに「閉」となる向きで組み込まれている。また、ピストン182を隔てて上側の上シリンダー室187(ヘッド側シリンダー室)および下側の下シリンダー室188(ボトム側シリンダー室)には、それぞれ作動油が充填されている。すなわち、上シリンダー室187と下シリンダー室188とは、複数の逆止弁186を介して連通している。一方で、上シリンダー室187と下シリンダー室188とは、上シリンダー室187の上端部と下シリンダー室188の下端部とを繋ぐリターンパイプ191により連通している。そして、リターンパイプ191の下シリンダー室188側には、リターンパイプ191の流路を開閉するリターンバルブ192(開閉弁)が介設されている。
タンクT(フロート部2)が浮上してゆくと、シリンダーチューブ181(および作動油)の重みで、ピストン182およびピストンロッド183が、シリンダーチューブ181を残して上動してゆく。このとき、複数の逆止弁186は「開」となり、上シリンダー室187の作動油は下シリンダー室188に流入する。やがて、ピストン182がシリンダーチューブ181の上端部に達すると、ピストンロッド183に引かれてシリンダーチューブ181も上動してゆく。すなわち、ピストン182が上動端まで達すると、着地脚170全体が上動(持ち上げられる)してゆく。
一方、津波が去って、タンクTおよびフロート部2が下降してゆくと、伸びきった着地脚170が先に基礎7上に着地する。続いて、ピストンロッド183が下方に押される。これにより、複数の逆止弁186は「閉」となり、上シリンダー室187の作動油は負圧、下シリンダー室188の作動油は正圧となって、ピストンロッド183の下動が位置規制される。結果、タンクTおよびフロート部2が、着地脚170(複数)により支持された状態(フロート部2の下側に作業空間を構成)になる。ここで、基礎7上に流れ込んだガレキや土砂の撤去、各部の補修およびセパレート機構10の清掃等が行われる。なお、着地脚170に支持されたフロート部2の下面と基礎7の上面との間の距離(作業空間)は、作業性を考慮して1.0〜1.5m程度とすることが好ましい。
撤去・清掃等の作業が終了したら、着地脚170(複数)のリターンバルブ192の開放操作を実施する。リターンバルブ192を開放操作すると、リターンパイプ191を介して、下シリンダー室188の作動油が上シリンダー室187に流入し、タンクTおよびフロート部2がゆっくり下降してゆく。やがて、タンクTおよびフロート部2が基礎7上に着座し、また分離していたセパレート機構10が接合状態となる。
このように、フロート部2に複数の着地脚170を設けることにより、津波後の清掃等を容易に行うことができ、タンクTを元の状態に完全復旧させることができる。また、着地脚170自身も自動復旧させることができる。なお、ピストン182に設けられる逆止弁186は、単一のものであってもよい。また、複数の着地脚170を、フロート部2の内部に組み込む形態であってもよい。
[第4実施形態の変形例]
図13は、第4実施形態の変形例に係る着地脚170のシステム図である。この変形例では、複数(全て)の着地脚170における上シリンダー室187のポートが供給メインパイプ194に接続されると共に、下シリンダー室188のポートが排出メインパイプ195に接続されている。供給メインパイプ194は、複数の着地脚170に渡るように環状に配管され、配管の一か所には継手(チーズ)を介して供給バルブ196が接続されている。同様に、排出メインパイプ195は、複数の着地脚170に渡るように環状に配管され、配管の一か所には継手(チーズ)を介して排出バルブ197が接続されている。
この変形例では、複数の着地脚170により支持されたタンクTおよびフロート部2を下降させるときに、供給バルブ196側に作動油の供給タンク198を接続すると共に、排出バルブ197側に作動油の排出タンク199を接続する。この状態で、供給バルブ196を「開」とすると共に、排出バルブ197を「開」とする。これにより、複数の着地脚170の下シリンダー室188から作動油が同時に抜かれ、且つ複数の着地脚170の上シリンダー室187に作動油が同時に供給される。これにより、供給バルブ196および排出バルブ197の2つのバルブ操作で、複数の着地脚170を同時に作動させることができ、タンクTおよびフロート部2を、水平姿勢を維持したまま下降させ、且つ基礎7上に着地させることができる。
[第5実施形態]
図14は、エアーシリンダーを改造した着地脚170Aであり、第4実施形態と同様に、この着地脚170Aの複数個が、フロート部2を囲むように取り付けられている。同図に示すように、各着地脚170Aは、エアーシリンダーの形態を有しており、シリンダーチューブ201と、シリンダーチューブ201に内蔵したピストン202と、一方の端部にピストン202を設けたピストンロッド203と、を備えている。この着地脚170Aは、第4実施形態とは異なり、上下反転した姿勢で設けられている。すなわち、シリンダーチューブ201の基端(ボトム側)が、ブラケット204を介してフロート部2に支持される一方、ピストンロッド203の他方の端(ヘッド側)が、基礎7上に着座している。
そして、ピストン202を隔てて上側の基側シリンダー室205(ボトム側シリンダー室)および下側の先側シリンダー室206(ヘッド側シリンダー室)には、それぞれエアーが供給されている。また、基側シリンダー室205には、ピストン202を相対的に付勢する押圧バネ207が内蔵されている。一方、基側シリンダー室205の第1ポート208には逆止弁209が接続され、第2ポート211には排気パイプ212が接続されている。逆止弁209は、シリンダーチューブ201が上動(ピストン202が相対的に下動)するときに「開」となり、下動(ピストン202が相対的に上動)するときに「閉」となる向きで接続されている。
排気パイプ212は、複数(全て)の着地脚170Aにおける基側シリンダー室205の第2ポート211に接続されている。この場合、排気パイプ212は、複数の着地脚170Aに渡るように環状に配管され、配管の一か所には継手(チーズ)を介して排気バルブ213(開閉弁)が接続されている。また、先側シリンダー室206の端部には、通気口として機能する第3ポート214が設けられ、この第3ポート214には、立上げパイプ215を介してフィルター216が接続されている。
タンクT(フロート部2)が浮上してゆくと、フロート部2と共にシリンダーチューブ201が上動する一方、ピストン202は、自重および押圧バネ207により基礎7上に着座した状態を維持する。このとき、逆止弁209は「開」となり、外部から基側シリンダー室205にエアーが流入する。また同時に、先側シリンダー室206のエアーは、第3ポート214および立上げパイプ215を介してフィルター216から外部に流出する。なお、排気バルブ213は、「閉」を維持する。やがて、ピストン202がシリンダーチューブ201の下端部(先端部)に達すると、シリンダーチューブ201に引かれてピストン202およびピストンロッド203も上動してゆく。すなわち、着地脚170Aは、伸びきった後上動(持ち上げられる)してゆく。
一方、津波が去って、タンクTおよびフロート部2が下降してゆくと、伸びきった着地脚170Aが先に基礎7上に着地する。続いて、シリンダーチューブ201が下方に押され、基側シリンダー室205が昇圧する。これにより、逆止弁209は「閉」となり、ピストンロッド203に対するシリンダーチューブ201の下動が位置規制される。結果、タンクTおよびフロート部2が、着地脚170A(複数)により支持された状態になる。ここで、第4実施形態と同様に、ガレキの撤去・清掃等の作業が行われる。
撤去・清掃等の作業が終了したら、排気バルブ213を開放操作する。排気バルブ213が開放操作されると、複数の着地脚170Aの基側シリンダー室205からエアーが同時に抜かれ、且つ複数の着地脚170Aの第3ポート214から先側シリンダー室206にエアーが同時に供給される。これにより、タンクTおよびフロート部2は、水平姿勢を維持したまま下降し、且つ基礎7上に着地する。
このように、フロート部2に複数の着地脚170Aを設けることにより、津波後の清掃等を容易に行うことができ、タンクTを元の状態に完全復旧させることができる。また、着地脚170A自身も自動復旧させることができる。なお、第5実施形態において、第4実施形態のように、ピストン202に逆止弁209を組み込む構造とすることも可能である。
1,1A,1B…付帯設備、2,2A,2B…フロート、3…ガイド支柱、4…支柱係合部、5…プロテクト部、7…基礎、10,10A,10B,10C…セパレート機構、11…係合部本体、12…ガイド係合部、21…周囲間隙、22…プロテクト部本体、23…タンク取付け部、25…補強部材、31…フロート部本体、32…スライド部、41…バルブ付き分離継手、42…先側バルブ、43…係合スタンド、45…元側継手部、46…先側継手部、91…分離継手、92…元側継手部、93…先側継手部、94…元側バルブ、95…先側バルブ、96…継手作動機構、97…元弁作動機構、98…先弁作動機構、131…分離継手、132…元側継手部、133…先側継手部、134…元側バルブ、135…先側バルブ、136…継手作動機構、137…元弁作動機構、138…先弁作動機構、170,170A…着地脚、181…シリンダーチューブ、182…ピストン、183…ピストンロッド、186…逆止弁、187…上シリンダー室、192…リターンバルブ、195…排出メインパイプ、197…排出バルブ、201…シリンダーチューブ、202…ピストン、203…ピストンロッド、205…基側シリンダー室、209…逆止弁、212…排気パイプ、213…排気バルブ、T…タンク、Ta…流出入口、G…地盤、P…配管、PA…固定配管、PB…移動配管

Claims (12)

  1. タンクに対し、津波対策用に設けられるタンクの付帯設備であって、
    津波に対し前記タンクを浮上させるフロート部と、
    前記タンクの周囲に配設され、前記タンクの浮上を案内する複数のガイド支柱と、
    前記タンクを囲繞すると共に前記タンクに取り付けられ、前記タンクを津波の漂流物から保護するプロテクト部と、を備えたことを特徴とするタンクの付帯設備。
  2. 前記プロテクト部は、所定の間隙を存して前記タンクを囲繞していることを特徴とする請求項1に記載のタンクの付帯設備。
  3. 前記プロテクト部は、防水性を有し、下端部において前記タンクの下端部外周面に水密に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のタンクの付帯設備。
  4. 前記プロテクト部の内周面と前記タンクの外周面との間には、前記間隙を維持する複数の補強部材が配設されていることを特徴とする請求項2または3に記載のタンクの付帯設備。
  5. 前記プロテクト部は、径方向に厚みを有して環状に形成され、前記フロート部を兼ねていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタンクの付帯設備。
  6. 前記フロート部は、前記タンクを支持する架台部を兼ねていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタンクの付帯設備。
  7. 前記タンクの下端部に固定され、前記複数のガイド支柱に係合する支柱係合部を、更に備え、
    前記支柱係合部は、前記各ガイド支柱に対し上下方向にスライド可能に係合する複数のガイド係合部を有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のタンクの付帯設備。
  8. 前記フロート部は、前記架台部を兼ねるフロート本体と、前記フロート本体の周囲に配設され、前記複数のガイド支柱に係合するスライド部と、で一体に形成され、
    前記スライド部は、前記各ガイド支柱に対し上下方向にスライド可能に係合する複数のガイド係合部を有することを特徴とする請求項6に記載のタンクの付帯設備。
  9. 前記タンクには、外部設備に連なる配管が接続されており、
    前記タンクの近傍において前記配管に介設され、前記タンクの浮上に伴って前記配管の接続状態を解き、前記配管を前記外部設備側の固定配管と前記タンク側の移動配管とに分離するセパレート機構を、更に備え、
    前記セパレート機構は、前記フロート部の浮力により作動することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のタンクの付帯設備。
  10. 前記セパレート機構は、
    相互に離接自在に接合される、前記固定配管側の元側継手部および前記移動配管側の先側継手部から成る分離継手と、
    前記元側継手部に連なり、前記固定配管を開閉可能な元側バルブと、
    前記先側継手部に連なり、前記移動配管を開閉可能な先側バルブと、
    前記フロート部の浮力を受けて、前記元側継手部と前記先側継手部とを分離させる継手作動機構と、
    前記フロート部の浮力を受けて、前記元側バルブを閉塞動作させる元弁作動機構と、
    前記フロート部の浮力を受けて、前記先側バルブを閉塞動作させる先弁作動機構と、を有することを特徴とする請求項9に記載のタンクの付帯設備。
  11. 前記浮上の後の前記フロート部の下降に伴い前記フロート部に優先して基盤上に着地し、前記基盤との間に作業空間が生ずるように、前記フロート部を所定の高さ位置に支持する複数の支持機構を、更に備え、
    前記各支持機構は、
    前記フロート部を支持する支持姿勢と、前記フロート部の前記基盤上への着座を許容する非支持姿勢と、の間で姿勢変更可能に構成された機構本体と、
    前記フロート部の上昇に伴う前記非支持姿勢から前記支持姿勢への姿勢変更を許容する共に、前記基盤に着地したときに前記支持姿勢を維持するように逆止めする逆止め部と、
    前記逆止め部の逆止め状態を解除する逆止め解除部と、を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のタンクの付帯設備。
  12. 前記機構本体は、油圧シリンダーおよびエアーシリンダーのいずれかの基本形態を有し、
    前記逆止め部は、ボトム側シリンダー室に連通する逆止弁を有し、
    前記逆止め解除部は、前記ボトム側シリンダー室に連通する開閉弁を有することを特徴とする請求項11に記載のタンクの付帯設備。
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