JP2018202778A - 印刷物、ならびに印刷物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な認証情報部や識別チップなどの追加媒体を必要とせず、特殊な加工工程を用いることなく、人工物メトリクス認証可能な印刷物を提供する。【解決手段】凹版印刷による凸状印刷部に対し、インキを硬化させる前に、凸状印刷部の少なくとも一部を覆うように、光透過性窓部を有するOVD転写層を転写することにより、凸状印刷部にランダム変形部が形成され、OVD転写層に設けた光透過性窓部を介して、ランダム変形部を観察することにより、人工物メトリクス認証が可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は人工物に固有の特徴を利用して、個別認証が可能な印刷物とその製造方法に関する。
近年、一人ひとりの人間に固有の指紋、静脈、虹彩、顔などの身体的特徴や、音声、筆跡、歩き方などの行動的特徴の情報を用いて個人の認証を行うバイオメトリクス認証、すなわち生体認証が様々な分野で実用化されている。
バイオメトリクスは、人間が対象であったが、同様な方法は物体の固体認証にも適用できる。これは、人工物メトリクスと呼ばれている。
人工物メトリクスとは、個々の物体に固有の物理的な特徴に基づいて、物体が正規のものであるかどうかを認証する技術である。
人工物メトリクスを利用することで、銀行カードや運転免許証、パスポートのような身分証明書などの、人間と一対一で対応する媒体だけでなく、金券やプリペイドカードを含む有価証券や、各種プリンタの消耗材や車などの交換部品、医薬品、ブランド品といった偽造対象となりやすい物品をはじめとする、所有者に紐付けされることなく流通する物品についても認証することが可能となる。
このような人工物メトリクスの例として、例えば特許文献1では、押出し成形により熱可塑性樹脂と金属粉とを同時成形することにより、金属粉が樹脂流れに対応してアット・ランダムに配列された模様となることを利用したデータキャリアが提案されている。
また特許文献2では、合成樹脂中に蛍光物質粒を混入した真贋認証チップを埋め込んだ認証カードが提案されている。
特開平10−44650号公報 国際公開第2007/072795号
上述の特許文献1、ならびに特許文献2は、いずれも認識情報部や識別用チップ部が認証用として設けられているということが容易に認識されうるため、認識情報部や識別用チップを解析することで、いずれ媒体が複製されてしまう恐れがある。
また、認識情報部や識別用チップを追加で媒体に設けることになるため、媒体を製造するために要する工程数やコストが増大する事となる。
そこで、本発明の課題は、特に識別用のチップ等を要さず、簡易な工程で個別認証が可能な印刷物、並びに印刷物の製造方法を提供しようとするものである。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものである。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基材上に識別記号と、凸状印刷部と、前記凸状印刷部の少なくとも一部を覆うように、OVD(Optical Variable Device)転写層と、を少なくとも有する印刷物であって、前記OVD転写層が微細な凹凸構造からなる絵柄部と、光反射層と、を少なくとも含み、前記OVD転写層に覆われた前記凸状印刷部の少なくとも一部が、その凸形状に乱れを生じた変形部を有しており、前記変形部を有する凸状印刷部を覆うOVD転写層の少なくとも一部に、光透過性の窓部を有することを特徴とする印刷物である。
請求項2に記載の発明は、前記微細な凹凸構造からなる絵柄部が、ホログラムまたは回折格子からなる画像を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の印刷物である。
請求項3に記載の発明は、支持体上に剥離可能にOVD転写層を有し、前記OVD転写層の少なくとも一部に光透過性窓部を有するOVD転写箔を作製する工程と基材上に凹版印刷機を用いて、硬化性インキを印刷する凹版印刷工程と、前記硬化性インキを硬化させる前に、前記硬化性インキが設けられた領域の少なくとも一部を覆い、且つ前記OVD転写層の光透過性窓部を有する領域の少なくとも一部が、前記硬化性インキが設けられた領域と重なるように、前記OVD転写箔を転写する工程と、前記硬化性インキを硬化させる工程と、識別記号を印字する工程と、を有することを特徴とする印刷物の製造方法である。
本発明によれば、凹版印刷による凸状印刷部に対し、特別な加工工程を施すことなく、ランダム変形部を形成することが可能となり、凸状印刷部の変形状態や色の滲みなどを観察することにより、人工物メトリクスとして応用可能な印刷物を提供することができる。
請求項1および請求項2の発明により、目視により真贋の判定が可能なOVD機能を有する印刷物でありながら、特定の場所をスマートフォンなどの携帯端末で観察することにより、システム認証が可能な印刷を提供することができる。
請求項3の発明により、OVD機能を有する印刷物の製造工程において、特別な加工工程を用いることなく、人工物メトリクスとして応用可能な印刷物を製造することができる。
本発明の実施形態に係る印刷物の一例を示す平面図である。 図1におけるA−A切断面の構成例を示す断面図である。 凸状印刷部を硬化させた後、OVD転写箔を転写した例を示す平面図である。 凸状印刷部は未硬化状態で、OVD転写箔を転写した例を示す平面図である。
以下に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に述べる種々の形態は、本発明の好適な具体例である。また、同一または類似の機能を有する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
(印刷物)
図1は本発明の実施形態に係る印刷物の一例を示した平面図である。
図1に示した印刷物1では、基材10上に、凹版印刷による凸状印刷部11が設けられ、凸状印刷部11の少なくとも一部を覆うように、OVD転写層20が設けられている。
前記OVD転写層20は、レリーフ型のホログラムや回折格子からなる絵柄を少なくとも有しており、前記凸状印刷部11を覆っている領域の少なくとも一部に光透過性窓部12が設けられている。
図2は図1のA−A線での切断面の構成例を示した図である。基材10上に凹版印刷による凸状印刷部11が設けられ、その一部を覆うように、OVD転写層20が設けられている。
また、OVD転写層20に覆われている凸状印刷部11は、ランダム変形部13を形成している。
図2に示したOVD転写層20は、剥離層21、OVD層22、光反射層23、接着層24の各層から構成されている。
ここで、基材10はいずれの素材が用いられてあっても良く、例えば、パルプやコットンなどからなる紙や和紙、コート紙やアート紙などのコーティングが施された紙類、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET−G、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂などの各種樹脂などを、単独あるいは混合または積層などした複合物として用いることができる。
更には、気泡やフィラー類を内包した樹脂シートや合成紙などを単独あるいは他のものとの複合物として用いられてあっても何ら問題ない。
これら基材10には、透かし加工や、易接着処理、帯電処理などの特殊加工ないし処理が施されてあっても良く、更には絵柄印刷や蛍光印刷などの印刷加工が施されてあっても良い。
また、基材10のOVD転写層20が設けられている面と反対側の面に粘着加工などが施されてあっても良い。
上述のような基材10上には、凸状印刷部11が設けられる。凸状印刷部11は、印刷インキが盛り上がり凸部を形成するものであれば良く、例えば、スクリーン印刷法や凹版印刷法などによって形成することができるが、凹版印刷法が好適に用いられる。
これは、スクリーン印刷法などに比べ、凹版印刷法はより微細で複雑な印刷を施すことが可能であり、偽造防止などのセキュリティ用途に用いる印刷法としては、凹版印刷法がより好ましいためである。
また凸状印刷部11は、その凸形状を確保するために硬化性インキを用いることが好ましく、硬化性のインキとしては、例えば、酸化重合型、紫外線硬化型、あるいは酸化重合と紫外線硬化の複合型などを例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
酸化重合型の樹脂としては、凹版インキ用として用いられる酸化重合型の樹脂であれば何れも用いることができ、例えば、ロジン変性フェノール樹脂や、乾性油変性アルキド樹脂、そして亜麻仁油、桐油、大豆油などの乾性油を例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
また紫外線硬化型の樹脂としては、凹版インキ用として用いられる紫外線硬化型の樹脂であれば何れも用いることができ、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、そしてヒドロキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル類などを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
これらのインキには、各種顔料、酸化重合触媒、光重合開始剤、重合禁止剤、分散剤等従来公知の各種添加剤を任意に選定して添加することができる。
OVD転写層20は、支持体上に剥離可能に転写層を設けた転写箔として供給することができる。
図2では、OVD転写層20は、剥離層21、OVD層22、光反射層23、接着層24の構成となっている。
この時、支持体としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、塩化ビニルなど任意の材料を用いることができる。
剥離層21は、OVD転写層20を支持体から剥がし易くするための層であり、支持体との密着性の低い材料であればいずれも用いることができる。
具体的には、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、などの各種樹脂を単独あるいは混合物、2層以上の積層物などとして用いることがでる。
また、剥離層21には、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックスなどのワックス類やステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩、シリコーンなどの各種添加剤が添加されてあっても良い。剥離層21の厚みは例えば、5μm以下とすることができる。
OVD層22は、その表面に微細な凹凸構造を有するもので、これら凹凸構造は、例えば微細な凹部または凸部を設けた金型を樹脂に押し付けることにより形成することができる。この際、金型に設けられる凹部または凸部は、少なくともレリーフ型のホログラムあるいは回折格子からなる絵柄を含んでいることが望ましい。
微細な凹凸構造が形成されるOVD層22は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、放射線硬化樹脂などの各種樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂などや、これらの混合物、またはこれらの共重合体などを使用することができる。
熱硬化性樹脂を用いる場合には、例えば、アクリル系ポリオール樹脂やポリエステル系ポリオール樹脂などのポリオール系樹脂とイソシアネート化合物との架橋反応によって形成されるウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂などや、これらの混合物、またはこれらの共重合物を使用することができる。
放射線硬化樹脂を用いる場合には、典型的には、重合性化合物と開始剤とを含んでおり、重合性化合物としては、例えば、光ラジカル重合が可能な化合物を使用することができる。
具体的には、例えば、エチレン性不飽和結合またはエチレン性不飽和基を有したモノマー、オリゴマーまたはポリマーを使用することができる。あるいは光ラジカル重合が可能な化合物として、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエイスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマー、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートおよびポリエステルアクリレート等のオリゴマー、またはウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、およびアクリルアクリレート等のポリマーなどを使用してもよい。
重合性化合物として光ラジカル重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を使用することができる。
この光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物、アントラキノンおよびメチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノンおよび2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モリホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン、アシルホスフィンオキサイド、または、ミヒラーズケトンなどを使用することができる。
あるいは、重合性化合物として、光カチオン重合が可能な化合物を使用してもよい。光カチオン重合が可能な化合物としては、例えば、エポキシ基を備えたモノマー、オリゴマーもしくはポリマー、キセタン骨格含有化合物、または、ビニルエーテル類を使用する。
重合性化合物として光カチオン重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光カチオン重合開始剤を使用する。この光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩または混合配位子金属塩を使用する。
あるいは、重合性化合物として、光ラジカル重合が可能な化合物と光カチオン重合が可能な化合物との混合物を使用してもよい。
この場合、開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤との混合物を使用する。あるいは、この場合、光ラジカル重合および光カチオン重合の双方の開始剤として機能しうる重合開始剤を使用してもよい。
このような開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩または芳香族スルホニウム塩を使用する。
また、重合開始剤を使用しない例として、電子線照射により重合性化合物の重合反応を引き起こす方法を用いてもよい。
前記放射線硬化樹脂は、増感色素、染料、顔料、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、塗面改質剤、可塑剤、含窒素化合物、エポキシ樹脂等の添加剤、離型剤またはこれらの組合せを更に含んでいてもよい。
また、放射線硬化樹脂には、その成形性を向上させるべく、非反応性の樹脂を更に含有
させてもよい。この非反応性の樹脂としては、例えば、前記熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを単独または混合物として用いることができる。
光反射層23は、例えば、Al、Sn、Cr、Ni、Cu、Au、Agなどの金属類ならびにこれらの合金からなる金属材料や、OVD層22とは屈折率のことなる透明材料であって、例えば、Sb、Fe、TiO、CdS、CeO、ZnS、SiO、Si、ZnO、MgOなどの無機材料を例示することができ、これら金属材料と無機材料とを少なくとも一部が重なるようにするなどの複合的に用いる方法や、屈折率の異なる無機材料同士を積層して用いるなどの方法が取られてあっても良い。
光反射層23は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法(CVD法)などの従来公知の成膜手段が適用可能であり、その膜厚は、10nm〜1000nmの範囲とすることが好ましい。
また、光反射層23として、金属材料を用いる場合には、図2に見られるように、光反射層を部分的に設けるデメタライズ加工が用いられてあっても良い。
デメタライズ加工を行う場合には、OVD層22の表面全体に金属薄膜を形成した後、所望のパターンでマスク層の印刷を行い、マスク層が設けられた以外の場所の金属薄膜を従来公知のエッチング液を用いて除去する方法や、金属薄膜上にレジストを塗布し、パターン露光を行い、レジストの現像と共に、金属薄膜のパターンエッチングを行う方法などを例示することができる。
更には、金属薄膜を取除きたい領域において、OVD層22の表面に特殊な凹凸構造を設け、そこに真空蒸着法などによりアルミニウム箔膜を設けた後、MgOや珪素酸化物などの薄膜を形成し、エッチング処理を施すことにより、特殊な凹凸構造部のみのアルミニウム薄膜を除去する方法などを例示することができる。
この様な特殊な凹凸構造の例としては、例えば、凹部または凸部の中心間距離が400nm以下で、凹部又は凸部の深さあるいは高さが200nm〜600nm程度のテーパ形状構造のものや、あるいは中間転写フィルム製造時の搬送方向ならびに搬送方向から左右に10度までの方向に延在している凹凸構造で、凹部または凸部の中心間距離が100nm〜3000nmで、凹部または凸部の深さあるいは高さが20nm〜1500nm程度であり、延在方向に垂直な断面形状が、例えば、V字形状やU字形状のような先細り形状あるいは矩形形状である凹凸構造などを例示することができる。
ここで、テーパ形状とは、例えば、円錐状、角錐状、楕円錐状、円柱状もしくは円筒状、角柱状もしくは角筒状、截頭円錐状、截頭角錐状、截頭楕円錐状、半球、半楕円体、弾丸型、おわん型などの形状を示すものとする。
接着層24の材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、溶剤揮散型接着剤、ホットメルト型接着剤、電子線硬化型接着剤および感熱接着剤などの接着剤を使用することができる。
反応硬化型接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタンおよびアクリルウレタンなどのポリウレタン系樹脂、または、エポキシ樹脂などを使用することができる。
溶剤揮散型接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂およびウレタン樹脂などを含んだ水性エマルジョン型接着剤、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合樹脂およびアクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂などを含んだラテックス方接着を使用する。
ホットメルト接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂およびポリウレタン樹脂などをベース樹脂として含んだものを使用する。
電子線硬化型接着剤としては、例えば、アクリロイル基、アリル基およびビニル基などのビニル系官能基を1個または複数個有したオリゴマーを主成分として含んだものを使用する。具体的には、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテルアクリレートまたはポリエーテルメタクリレートと接着付与剤との混合物を使用することができる。この接着付与剤としては、例えば、リンを含んだアクリレートもしくはその誘導体、または、カルボキシ基を含んだアクリレートもしくはその誘導体などを例示することができる。
感熱接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂または塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。
また、接着層24は、予めOVD転写層20の一部として設けることなく、基材10上に印刷あるいは塗布されたインキを接着層として用いる手法が取られてあっても良い。
(印刷物の製造方法ならびに認証方法)
上述で示したようなOVD転写箔は、支持体上に剥離層21をグラビアコート法、リバースグラビアコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ダイコート法など、従来公知のコーティング法を任意に用いて形成した後、同じく従来公知のコーティング法を用いて、OVD層22を形成する。
その後、微細な凹構造または凸構造を有する金属版をOVD層22に押し当て、熱圧を加えて、OVD層22の表面に凹凸構造からなる絵柄模様を形成する。
金属版は、例えば、ガラスなどの基板上にレジストなどの感剤を塗布し、レーザあるいは電子線などを用いて、撮影あるいは描画を行い、現像することによりレリーフ画像を得た後、得られたレリーフ面に対し、Ni電鋳などの手法により、金属を堆積した後、レジストから剥がす方法などによって形成することができる。
次いで、前述の光反射層23を設け、接着層24を設ける場合には、従来公知のコーティング法を任意に用いることで、設けることができる。
基材10上への凸状印刷部11の形成については、凹版印刷方法が好適に用いられる。凸状印刷部11は、前述のような硬化性インキが用いられ、硬化性インキの硬化作業を実施する前に、上述で得られたOVD転写箔を用いて、OVD転写層20の転写が実施される。
ここで、図3に示されるような、従来手法のように、硬化性インキを硬化させた後に、OVD転写層20を転写した場合には、凸状印刷部11が転写時の熱圧の影響による変形を起こし難く、OVD転写層20を設けない部分と同様に、未変形部30として形成される。
これに対して、本発明の印刷物の製造方法では、硬化性インキに対する硬化作業を実施する前に、OVD転写層20の転写作業を実施するため、図4に示すように、OVD転写層20を設けた部分の凸状印刷部11が、熱圧による変形を引き起こし、ランダム変形部14となる。
ランダム変形部14では、凸状印刷部11の変形や、色の滲みなどが発生し、OVD転写層20が設けられていない部分の凸状印刷部11と比べると外観上の違いが発生する。
凸状印刷部11の少なくとも一部にOVD転写層20を転写する場合には、OVD転写層20に設けられた光透過性窓部12が、凸状印刷部11と重なるように位置調整されて転写を実施することが重要であり、これにより、光透過性窓部12を介して、凸状印刷部11に発生したランダム変形部14を観察することが可能となる。
ランダム変形部14は、OVD転写層20の転写工程において、偶発的に発生するもので、形状の変化や色の滲みは、ランダムに発生するため、作製された個々の印刷物毎に異なるパターンを形成することができる。
OVD転写層20の転写を実施した後、凸状印刷部11の硬化性インキを硬化させる。硬化方法は、用いる硬化性インキの種類に応じて、養生あるいは紫外線などの光照射等を任意に選択して実施する。
これにより、ランダム変形部14の情報が固定され、認証データとして用いることができる。
最後に、各印刷物に識別記号13の印字がなされ、小切れ断裁などの作業を実施することで、最終的な印刷物を得ることができる。
通常、印刷物を使用するユーザは、OVD転写層20に設けられたホログラムや回折格子画像、凹版印刷のパターンなどを目視観察により観察することで一定の真贋判定が可能となるが、必要に応じて、光透過性窓部12を介して、凸状印刷部11を読取ることにより、人工物メトリクス認証を実施することが可能となる。
人工物メトリクス認証実施にあたっては、印刷部が得られた段階で、識別番号などからなる識別記号13の読み取りと、OVD転写層20の光透過性窓部12を介して、凸状印刷部11のランダム変形部14の画像を撮影し、識別記号13に紐付けされた画像情報としてサーバー等に保管される。
この時、サーバー等に保管される情報は、画像そのものの情報であっても良いし、画像処理によって得られた特徴点などの方法として保管されてあっても良い。
認証作業を実施しようとするユーザは、スマートフォンなどの携帯端末やデジタルカメラなどを用いて、ランダム変形部14の撮影、ならびに識別記号13の入力を実施し、サーバーにアクセスすることにより、対象となる印刷物が本物であるかどうかの認証作業を実施することが可能となる。
ここで、識別記号13の入力は、ランダム変形部14と同様に撮影によって実施する方法が取られてよく、あるいはユーザが打ち込みによる入力を実施する方法が取られても良い。
各入力情報の取り込み手法については、その用途や携帯端末などに導入されるアプリケ
ーションソフトの内容などに応じて、任意に設定することができる。
以上のように本発明の印刷物を用いることにより、目視判定による真贋判定可能な印刷物において、一見すると人工物メトリクス認証可能な部分が認識困難で、且つ特別な加工手段を導入するとなく、人工物メトリクス認証用印刷物を提供することができる。
1 … 印刷物
10… 基材
11… 凸状印刷部
12… 光透過性窓部
13… 識別記号
14… ランダム変形部
20… OVD転写層
21… 剥離層
22… OVD層
23… 光反射層
24… 接着層
30… 未変形部

Claims (3)

  1. 基材上に識別記号と、凸状印刷部と、前記凸状印刷部の少なくとも一部を覆うように、OVD(Optical Variable Device)転写層と、を少なくとも有する印刷物であって、
    前記OVD転写層が微細な凹凸構造からなる絵柄部と、光反射層と、を少なくとも含み、前記OVD転写層に覆われた前記凸状印刷部の少なくとも一部が、その凸形状に乱れを生じた変形部を有しており、
    前記変形部を有する凸状印刷部を覆うOVD転写層の少なくとも一部に、光透過性の窓部を有することを特徴とする印刷物。
  2. 前記微細な凹凸構造からなる絵柄部が、ホログラムまたは回折格子からなる画像を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の印刷物。
  3. 支持体上に剥離可能にOVD転写層を有し、前記OVD転写層の少なくとも一部に光透過性窓部を有するOVD転写箔を作製する工程と
    基材上に凹版印刷機を用いて、硬化性インキを印刷する凹版印刷工程と、
    前記硬化性インキを硬化させる前に、前記硬化性インキが設けられた領域の少なくとも一部を覆い、且つ前記OVD転写層の光透過性窓部を有する領域の少なくとも一部が、前記硬化性インキが設けられた領域と重なるように、前記OVD転写箔を転写する工程と、
    前記硬化性インキを硬化させる工程と、
    識別記号を印字する工程と、を有することを特徴とする印刷物の製造方法。
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