JP2018201703A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技への注目度を向上させることが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】開閉役物168が設けられた役物装置150を備えている。第2開閉実行モードに移行すると、開閉役物168を開閉させる可変入球制御が少なくとも1回行われるラウンド遊技が実行される。役物装置150内には、V入賞センサが設けられており、当該センサを遊技球が通過することで、次のラウンド遊技が実施される。また、役物装置150に対する遊技球の入賞及び排出の検知結果に基づいて、役物装置150内における遊技球の残存状況を特定するための処理を実行する。本パチンコ機では、各ラウンド遊技に対する各別の上記処理を行わず、複数のラウンド遊技に対して一の上記処理を行う。
【選択図】 図4

Description

本発明は遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機として可変入球装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−325811号公報
ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様とに切り替わり可能な可変入球手段と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
所定の条件により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、各前記特定遊技に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記特定遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技への注目度を向上させることができる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 裏パックユニットの正面図である。 (a)は役物装置の構成を示す斜視図であり、(b)は役物装置に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図である。 役物装置を分解して示す斜視図である。 役物装置を構成する回転体ユニットを分解して示す斜視図である。 回転体ユニットを示す平面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 (a)は結果テーブルを説明するための説明図であり、(b)は種別テーブルを説明するための説明図であり、(c)は開放タイミングテーブルを説明するための説明図である。 主制御装置のMPUにて実行されるNMI割込み処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。 情報取得処理を示すフローチャートである。 異常監視処理を示すフローチャートである。 メイン処理を示すフローチャートである。 通常処理を示すフローチャートである。 遊技停止判定処理を示すフローチャートである。 遊技制御処理を示すフローチャートである。 データ設定処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャートである。 制御開始処理を示すフローチャートである。 制御中処理を示すフローチャートである。 役物内動作部用処理を示すフローチャートである。 入賞処理を示すフローチャートである。 遊技状態移行処理を示すフローチャートである。 開閉処理を示すフローチャートである。 各ラウンド用の設定処理を示すフローチャートである。 ラウンドパターンテーブルを説明するための説明図である。 開閉パターンテーブルを説明するための説明図である。 各開放用の設定処理を示すフローチャートである。 (a)は第1振分パターンテーブルを説明するための説明図であり、(b)は第2振分パターンテーブルを説明するための説明図であり、(c)は振分パターンの組み合わせによる振分特性を説明するための説明図である。 開放中用処理を示すフローチャートである。 ラウンド更新処理を示すフローチャートである。 役物内通過用処理を示すフローチャートである。 残存球判定処理を示すフローチャートである。 第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 各ラウンド遊技の遊技性を示す説明図である。 残存球監視の流れを説明するためのタイミングチャートである。 第2の実施の形態において、第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 第3の実施の形態に係る開閉パターンテーブルを説明するための説明図である。 残存球判定処理を示すフローチャートである。 第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 第4の実施の形態に係る開放中用処理を示すフローチャートである。 2ラウンド目のラウンド遊技における遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 第5の実施の形態に係る開放タイミングテーブルを説明するための説明図である。 (a)は残存球判定処理を示すフローチャートであり、(b)は通常処理を示すフローチャートである。 第2開閉実行モードの終了後における遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 第2開閉実行モードの終了後における遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 残存球判定の実行タイミングを説明するためのタイミングチャートである。 第6の実施の形態に係る開放タイミングテーブルを説明するための説明図である。 (a)は遊技制御処理を示すフローチャートであり、(b)は当否判定処理を示すフローチャートである。 残存球判定処理を示すフローチャートである。 第1開閉実行モードが発生しないままシャッタ開放用の待機時間が経過した場合の遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 シャッタ開放用の待機時間が経過する前に第1開閉実行モードが発生した場合の遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 開放待機時間と第1開閉実行モードに係る遊技の流れとの関係について説明するためのタイミングチャートである。 第7の実施の形態に係る、役物装置を構成する回転体ユニットを分解して示す斜視図である。 (a)は各ラウンド用の設定処理を示すフローチャートであり、(b)は開閉部材の設定処理を示すフローチャートである。 (a)、(b)はラウンド更新処理を示すフローチャートであり、(c)は役物内動作部用処理を示すフローチャートである。 第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。 遊技機の別例を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域の下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域に向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域に向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域は、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部32と外レール部33とが取り付けられており、これら内レール部32及び外レール部33によって区画されるようにして遊技領域が形成されている。また、これら内レール部32及び外レール部33により遊技領域への遊技球の誘導レール34が構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構から発射された遊技球は上記誘導レール34によって遊技領域の上部に案内される。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部において遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域として区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口35,第1作動口(第1始動入球部)38,第2作動口(第2始動入球部)39,役物装置150、スルーゲート41、可変表示ユニット42、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口35、第1作動口38、第2作動口39及び役物装置150への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(第1作動センサ38a、第2作動センサ39c、入口センサ179(図10等参照))により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、第1作動口38への入球が発生した場合及び第2作動口39への入球が発生した場合には7個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口35への入球が発生した場合には8個の賞球の払い出しが実行され、役物装置150への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口38に係る賞球個数よりも第2作動口39に係る賞球個数が多いといったように、両作動口38,39の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口45が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口45を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘46が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口45への遊技球の入球と明確に区別するために、役物装置150、第1作動口38、第2作動口39又はスルーゲート41への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
役物装置150は、遊技盤24において略中央部に配設されている。第1作動口38及び第2作動口39は、遊技盤24においてこの役物装置150の下側に、横方向に並設されている。第1作動口38は役物装置150の左右に2つ設けられており、第2作動口39はこれら左右の第1作動口38によって挟まれる位置に配設されている。役物装置150との関係では、左右の第1作動口38は役物装置150を挟むように配設されており、役物装置150へ入賞しなかった遊技球がいずれかの第1作動口38へ到達可能(入賞可能)となっている。また、両第1作動口38と役物装置150との横方向の間隔は、遊技球1個分の直径以上の間隔となっており、第1作動口38と役物装置150との間を遊技球が流下可能となっている。
また、第2作動口39は役物装置150の下方に配設されている。第2作動口39は、両第1作動口38よりも若干下方に配置されており、役物装置150や第1作動口38に入球しなかった遊技球が第2作動口39へ到達可能(入球可能)となっている。
第2作動口39には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物39aが設けられている。電動役物39aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部39bに連結されており、当該電動役物駆動部39bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物39aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口39に入賞できず、電動役物39aが開放状態となることで第2作動口39への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、第2作動口39への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物39aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物39aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口39自身の変位により行われる構成としてもよい。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材47に設けられている。装飾部材47は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材47の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材47の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材47の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、各作動口38,39への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が絵柄等の表示によって明示される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート41への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口39に設けられた電動役物39aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット42には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置51が設けられている。図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
装飾部材47におけるメイン表示部43の下方部分には、メイン表示部43に対応した第1保留発光部54と第2保留発光部55とが設けられている。第1保留発光部54は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第1作動口38に入賞した個数は最大4つまで保留され、第1保留発光部54の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。第2保留発光部55は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第2作動口39に入賞した個数は最大4つまで保留され、第2保留発光部55の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、装飾部材47における役物用表示部44の下方部分には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部56が設けられている。遊技球がスルーゲート41を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部56の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留発光部54〜56の一部又は全部が図柄表示装置51の一部で表示される構成等であってもよい。
役物装置150は、いずれかの作動口38,39への遊技球の入球を条件として開放状態となり、当該役物装置150への遊技球の入球が可能となる。役物装置150内に遊技球が入り、さらにその遊技球が役物装置150内に設けられたV入賞口に入ると、それが後述するV入賞センサ192により検出され、大当たり状態となる。
ここで、役物装置150の構成について図6〜図9を用いて詳細に説明する。図6(a)は役物装置150の斜視図であり、図6(b)は役物装置150に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図であり、図7は役物装置150の分解斜視図であり、図8は役物装置150を構成する回転体ユニット180の分解斜視図であり、図9は回転体ユニット180の平面図である。
役物装置150は、大別して役物ユニット160と回転体ユニット180とから構成されている。役物ユニット160は、図7に示すように、ベース枠161を備えており、ベース枠161のフランジ162が遊技盤24にネジ止め固定されている。ベース枠161は、前後方向に延びる球受け板163により上下に区画されて、前後に貫通した上側開口164と下側開口165とが形成されている。
ベース枠161の前面における上側開口164の上方には、所定の厚みを有する天井部材167が取り付けられている。なお、天井部材167には上記可変表示ユニット42が形成されており、図柄表示装置51の表示画面Gが、遊技機前方に向くように設置されている。
ベース枠161における上側開口164の左右両側には、天井部材167と同一の厚みを有する一対の開閉役物168が設けられている。ベース枠161の背面側には、通路形成部材171及び駆動部固定板172が設けられており、駆動部固定板172の背面に一対の開閉役物駆動部173(電磁式ソレノイド)が取り付けられている。開閉役物駆動部173には通路形成部材171及び駆動部固定板172を貫通して設けられたリンク176の一端が連結されており、当該リンク176の他端が開閉役物168の軸部に連結されている。従って、開閉役物168は開閉役物駆動部173の駆動により開放動作される。
当該開放動作について詳細に説明すると、各開閉役物168は開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときには上方へ起立し、それぞれの先端部は天井部材167の左右両端に近接する。一方、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されると、各開閉役物168はそれぞれ外側へ開き、各開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との間には遊技球1個分よりも大きな隙間ができる。かかる構成により、各開閉役物168が開き、役物装置150が開放状態となったときにのみ、役物装置150内への遊技球の入球が可能となる。なお、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないとき(開閉役物168が上方へ起立したとき)であっても、同開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されているとき(開閉役物168が外側へ開いているとき)よりも、役物装置150への入球が困難な態様であればよく、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときに役物装置150へ入球可能な構成であってもよい。例えば、開閉役物駆動部173の駆動されているときは、開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との隙間が遊技球約1個分であり、開閉役物駆動部173が駆動されると同隙間がそれよりも大きくなる構成などが考えられる。
また、開閉役物駆動部173は、通路形成部材171及び駆動部固定板172により遊技機前方から視認できない構成となっており、当該開閉役物駆動部173は背面側がカバー部材174によりカバーされている。
ベース枠161の前面における下側開口165の縁部には、前枠175が取り付けられている。前枠175の上部に形成された延出壁175aは、ベース枠161の球受け板163よりも上方に延出しており、かかる延出壁175aにより球受け板163上に到達した遊技球の前方への飛び出しが規制されている。
通路形成部材171には、前後方向に延び球受け板163に繋がる通路板177が形成されており、さらに通路板177の奥側には上下方向に延びる遊技球通路178が形成されている(図6(b)に示す)。そして、通路板177が遊技球通路178に向けて下方に傾斜し、さらに当該遊技球通路178に向けて幅が狭くなる構成であることにより、球受け板163上に到達した遊技球は遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は当該遊技球通路178を流下する。遊技球通路178の入口側には入口センサ179が設けられており、役物装置150に入球した遊技球は必ず且つ即座に入口センサ179を通過する。これにより、役物装置150への遊技球の入球が検出される。なお、入口センサ179は、周知の近接センサにより構成されている。
役物ユニット160には、通路形成部材171の下方に位置するようにして回転体ユニット180が取り付けられている。回転体ユニット180は、図8に示すように、誘導通路形成部材181と排出通路形成部材191とを備えている。
誘導通路形成部材181には、その略中央に下方に凹んだ凹部182が形成されている。凹部182は、平面視で円形状をしている。そして、凹部182の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路183が形成されている。誘導通路183は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。誘導通路183の手前側中央は、ベース枠161の下側開口165の下端部分に位置している。誘導通路183の奥側中央は、役物ユニット160の遊技球通路178の鉛直下方に位置している。誘導通路183の奥側中央を形成する通路壁183aは周りの通路壁183aに比べ背が高くなっており、奥側の誘導通路183の上方には水平方向に延びる通路カバー184が形成されている。但し、通路カバー184には入口用開口184aが形成されており、平面視で(図9参照)、誘導通路183の奥側部分は奥側中央のみが露出された構成となっている。この入口用開口184aが遊技球通路178の出口と重なっていることにより、遊技球通路178を流下した遊技球は確実に誘導通路183の奥側中央に到達する。
誘導通路183の奥側中央には、球振分け部185が形成されている。球振分け部185は、その右側から左側に向けて下方に傾斜する傾斜面185aを有する。球振分け部185に到達した遊技球は、上記傾斜面185aの傾斜に沿って左側の誘導通路183に誘導される。そして、誘導通路183の傾斜に沿って転がることで誘導通路183の手前側に誘導される。誘導通路183の手前側には、凹部182側へ傾斜した導出部186が形成されている。
凹部182には、その底面にV入賞口182aが形成されている。V入賞口182aは排出通路形成部材191に形成されたV入賞通路191aに通じており、V入賞口182aに入った遊技球はV入賞通路191aを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路191aにはV入賞センサ192が設けられており、V入賞通路191aを通過する遊技球はV入賞センサ192により検出される。
また、凹部182の側面には外れ口182bが形成されている。外れ口182bは排出通路形成部材191に形成された外れ用通路191bに通じており、外れ口182bに入った遊技球は外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、外れ用通路191bには外れ用センサ193が設けられており、外れ用通路191bを通過する遊技球は外れ用センサ193により検出される。なお、V入賞センサ192及び外れ用センサ193は、周知の近接センサにより構成されている。また、V入賞通路191a及び外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される遊技球は、図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部に排出される。
ちなみに、本実施の形態において役物装置150には、上記V入賞通路191a又は外れ用通路191bを通るルート以外の排出経路が設けられておらず、役物装置150に入賞した遊技球が役物装置150の外部に排出される場合は、必ずV入賞通路191a又は外れ用通路191bのいずれかを通ることになる。
排出通路形成部材191には下側から回転体用駆動部194が取り付けられており、当該回転体用駆動部194の上下方向に延びる出力軸194aは、排出通路形成部材191及び誘導通路形成部材181を貫通している。そして、出力軸194aには回転体201が固定されている。なお、当該回転体用駆動部194をステッピングモータとしてもよい。
回転体201は、誘導通路形成部材181の凹部182よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部182内に位置している。そして、回転体201は回転体用駆動部194の駆動に伴って時計回りに回転する。回転体201の外周には内側に凹んだ10個の球案内部202が形成されており、これら球案内部202は等間隔で並んでいる。このうち、9個の球案内部202は有底の外れ口案内部203となっており、1個の球案内部202は無底のV入賞口案内部204となっている。外れ口案内部203の底面は、外側に向かうほど低位となるように傾斜している。各球案内部202は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路183の導出部186から導出される遊技球はいずれかの球案内部202に入る。この場合に、V入賞口案内部204に入った遊技球は回転体201の回転に伴ってV入賞口182aの上部に到達し、当該V入賞口182aからV入賞通路191a内に落下する。一方、外れ口案内部203に入った遊技球は回転体201の回転に伴って外れ口182bの横方に到達し、当該外れ口182bから外れ用通路191b内に入る。
また、本実施の形態では、回転体201の回転位置を把握するために回転位置検出センサ196が設けられている。回転位置検出センサ196は所定の間隔を置いて対向する一対のアーム部196a,196bを有しており、一方のアーム部196aには発光素子が配設され、他方のアーム部196bにおける発光素子と対向する位置には受光素子が配設されている。回転位置検出センサ196はセンサ基板197上に設けられており、センサ基板197は、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間(発光素子と受光素子との間)に、回転体用駆動部194の出力軸194aに設けられたカットバン198が位置するように排出通路形成部材191に固定されている。
カットバン198は、略ドーナツ状をしており、出力軸194aの回転に伴って回転する。但し、非連続となるように切欠部198aが形成されている。従って、回転位置検出センサ196の発光素子からの光は基本的にカットバン198に遮られ、出力軸194aの回転に伴って切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過するときのみ発光素子からの光が受光素子に到達する。そして、回転体201の外周におけるV入賞口案内部204の位置に対応させて切欠部198aが形成されていることにより、受光素子が発光素子からの光を検知したか否かを監視することで、回転体201の回転位置を把握することができる。ちなみに、V入賞口案内部204が導出部186の手前側を通過する際に、切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過する。
さらに、本実施の形態では、誘導通路183における左右一方、より具体的には外れ口182bが形成されている側である左側の誘導通路183には、第1振分部材300が設けられている。第1振分部材300は、外れ用通路191bの上方において、誘導通路183の床部の一部を構成する底部として配設されている。第1振分部材300は、第1振分駆動部300a(電磁式ソレノイド)に接続されており、第1振分駆動部300aが駆動制御されることで、上記誘導通路183の床部の一部を構成する非振分状態と、当該第1振分部材300の後端を回転軸として下方に回転して外れ用通路191b側へ向けて下り傾斜となる振分状態と、に切り替わる。
上記構成により、第1振分駆動部300aが駆動されておらず(励磁状態となっておらず)、第1振分部材300が非振分状態である場合には、誘導通路183において左側に振り分けられた遊技球は、第1振分部材300を床部として当該第1振分部材300上を通過し、回転体201におけるいずれかの球案内部202に到達する。一方で、第1振分駆動部300aが駆動され(励磁状態となり)、第1振分部材300が振分状態となることで、第1振分部材300は下方の外れ用通路191b側に傾斜し、この第1振分部材300上を通過する遊技球は回転体201に到達することなく、そのまま外れ用通路191bへ誘導される。したがって、第1振分部材300の状態によってV入賞確率(V入賞センサ192により検知される確率)が変化する。
さらに、本実施の形態では、遊技球通路178を通過した遊技球をV入賞通路191aへ直接誘導するワープ通路210が設けられている。ワープ通路210は、略円柱状の通路カバー211と、通路カバー211の内部空間を通路状に区画して球通路を形成する通路形成部212とを備えている。通路カバー211は透明性(透光性)を有する合成樹脂によって形成されており、その内側には、通路カバー211の内周壁面と通路形成部212とによって一条の螺旋通路213が形成されている。螺旋通路213には1個の遊技球が通過可能となっている。
通路カバー211の上部には、遊技球通路178を通過した遊技球を螺旋通路213に案内するための入口用案内部215が設けられている。入口用案内部215は、誘導通路183の通路壁183aのうち、球振分け部185の後方となる部分に対応して配置されている。具体的には、通路壁183aにおいて球振分け部185の後方となる部分には、後方に向けて開口させた開口部(図示略)が形成されており、当該開口部に入口用案内部215の入口部が連通している。入口用案内部215の出口部は、ワープ用入口部214を通じて螺旋通路213と連通しており、入口用案内部215の床面は、螺旋通路213に向けて下る傾斜状となっている。
通路カバー211の下部には、螺旋通路213を通過した遊技球を通路カバー211外に排出するためのワープ用出口部216が形成されている。ワープ用出口部216の前方には、前方に向けて下り傾斜状に延設され、ワープ用出口部216から排出された遊技球を排出通路形成部材191に案内する出口用案内部217が設けられている。排出通路形成部材191には、V入賞通路191aに向けて遊技球を誘導するV誘導通路260が形成されており、当該V誘導通路260の後端部261に上記出口用案内部217の出口部が連通している。V誘導通路260はV入賞通路191aに向けて下り傾斜となるように形成されており、V誘導通路260の前端262がV入賞通路191aに連通されている。ワープ用入口部214、入口用案内部215、ワープ用出口部216、出口用案内部217及びV誘導通路260はそれぞれ1個の遊技球が通過可能に構成されている。
上記構成により、誘導通路183に到達した遊技球がワープ通路210側へ誘導されると、当該ワープ通路210内の螺旋通路213を通過してV誘導通路260へ導出される。そして、当該遊技球は、V誘導通路260を通過し、V入賞通路191aへ入球し、V入賞センサ192により検知される(V入賞する)。
ここで、ワープ通路210における入口用案内部215の前方には、遊技球通路178を通過した遊技球を入口用案内部215(ワープ通路210)側と球振分け部185(左側の誘導通路183)側とのいずれかに振り分けることが可能な第2振分部材310が設けられている。第2振分部材310は、第2振分駆動部310a(電磁式ソレノイド)に接続されており、当該第2振分駆動部310aが駆動制御されることで、入口用案内部215の前方に配置される非振分状態と、それよりも上方に配置されて入口用案内部215の前方に配置されない振分状態と、に切り替わる。
さらに、第2振分部材310とワープ通路210のワープ用入口部214との間における入口用案内部215の途中位置には、ワープ用入口部214への遊技球の流入可否を切り替えるシャッタ221が設けられている。シャッタ221は、シャッタ用駆動部221a(電磁式ソレノイド)に接続されており、当該シャッタ用駆動部221aが駆動制御されることで、入口用案内部215の前方に配置されてワープ用入口部214への遊技球の流入を規制(ワープ用入口部214を閉鎖)する閉鎖状態と、それよりも上方に配置されてワープ用入口部214への遊技球の流入を許容(ワープ用入口部214を開放)する開放状態と、に切り替わる。
上記構成により、第2振分駆動部310aが駆動されておらず(励磁状態とならず)、第2振分部材310が非振分状態である場合には、遊技球は入口用案内部215へ流入することができず、球振分け部185側に振り分けられた後、左側の誘導通路183を下る。一方、第2振分駆動部310aが駆動されて(励磁状態となり)、第2振分部材310が振分状態となると、遊技球は入口用案内部215へ流入することが可能となり、入口用案内部215側に振り分けられる。
その際、シャッタ用駆動部221aが駆動されており(励磁状態となり)、シャッタ221が開放状態にある場合には、入口用案内部215上の遊技球がワープ用入口部214を通って螺旋通路213に入り、出口用案内部217及びV誘導通路260を通じてV入賞通路191aに導出される。つまり、回転体201による振分を経ずに直接V入賞する。逆に、シャッタ用駆動部221aが駆動されておらず(励磁状態とならず)、シャッタ221が閉鎖状態にある場合は、シャッタ221に当接することで遊技球が停止し、ワープ用入口部214への遊技球の流入が規制される。この状態はシャッタ221が開放状態となるまで継続され、役物装置150内に遊技球が貯留される。
ここで、第2振分部材310及び回転体201はいずれもパチンコ機10前方から視認可能となっているが、第2振分部材310は、回転体201よりも後方に配置されており、前方からの視認性が回転体201よりも低くなっている。このような構成となっていることで、第2振分部材310については、入口用案内部215側への振り分けタイミングを見計らって狙い打たれることを抑制できる。一方、回転体201については、遊技球が振り分けられる様子を見易くし、回転体201への関心を高めて存在感を向上させることが可能になる。
なお、誘導通路183の奥側中央の球振分け部185は、遊技球を左側に誘導するだけでなく、後方にも振り分けることが可能なように、後方への下り傾斜面を有している。この際、非振分状態にある第2振分部材310は、上記下り傾斜面の手前(前方)側に位置するように、下り傾斜面との位置関係が設定されている。これにより、非振分状態にある第2振分部材310によって、遊技球が下り傾斜面の途中位置に留まる事象の発生が抑制されている。
本実施の形態では、ワープ用入口部214の手前位置で貯留されていた遊技球がワープ通路210(螺旋通路213)を通ってV入賞センサ192に到達するまでの期間は、約2secとなるように通路長が設定されている。また、役物装置150に入賞した遊技球が左側の誘導通路183及び回転体201を経てV入賞センサ192に到達するまでの期間は約3secとなるように、通路長及び回転体201の回転速度が設定されている。ちなみに、本実施の形態において外れ口182bは、回転体201の回転方向(時計回り)に見てV入賞口182aよりも導出部186寄りに位置している。このため、役物装置150に入賞した遊技球が左側の誘導通路183及び回転体201を経て外れ用センサ193に到達するまでの期間(外れ用センサ193を経て役物装置150から排出されるまでの期間)は、左側の誘導通路183及び回転体201を経てV入賞センサ192に到達するまでの期間よりも短くなっている。
以上説明した役物装置150に入った遊技球は、球受け板163上を転がることにより遊技球通路178内に入る。この場合に、当該遊技球は入口センサ179により検出される。遊技球通路178を流下した遊技球は、誘導通路183の奥側中央に形成された球振分け部185上に到達する。そして、第2振分部材310が非振分状態であることを条件に、左側の誘導通路183に振り分けられる。その後、左側の誘導通路183を転がることで導出部186に誘導される。導出部186に誘導された遊技球は当該導出部186の傾斜に沿って転がることで凹部182内に導出される。但し、左側の誘導通路183を転動する遊技球が凹部182に到達し得るのは、第1振分部材300が非振分状態であることが条件となる。つまり、左側の誘導通路183に誘導された遊技球は、凹部182側へ導出される場合もあれば、そのまま外れ口182bへ導出される場合もある。
凹部182内では回転体201が回転しており、凹部182内に導出されて外れ口案内部203に入った遊技球は外れ口182bに案内される。この場合に、当該遊技球は外れ用センサ193により検出される。一方、凹部182内に導出されてV入賞口案内部204に入った遊技球はV入賞口182aに案内される。この場合に、当該遊技球はV入賞センサ192により検出される。
上記の球振分け部185に遊技球が到達した際に、第2振分部材310が振分状態である場合には、入口用案内部215側に振り分けられる。本実施の形態では、第2振分部材310が振分状態にある状況で遊技球が球振分け部185に到達した場合は、常に入口用案内部215側に遊技球が振り分けられるように、球振分け部185の形状が設定されている。遊技球が入口用案内部215側に振り分けられた場合に、シャッタ221が閉鎖状態にあるときは、既に説明したように、シャッタ221への当接位置(ワープ用入口部214の上流)で遊技球が停止し、その状態で役物装置150内に貯留される。その後、シャッタ221が開放状態に変位すると、遊技球がワープ用入口部214を通って螺旋通路213に流入し、V入賞センサ192に向けて移動する。
なお、10個の球案内部202のうち、V入賞口案内部204が1個であることにより、役物装置150の凹部182内に入った遊技球は1/10の確率でV入賞口182aに入ることとなる。また、V入賞センサ192及び外れ用センサ193により遊技球が検出されることで、上皿71に対し所定数の賞品球が払い出される。さらに、回転体ユニット180上における遊技球の動きは、前枠175の開口及びベース枠161の下側開口165を介して遊技機前方から視認可能となっている。
但し、球案内部202の数やV入賞口案内部204の数等は上記のものに限定されず、例えば、6つの球案内部202に対してV入賞口案内部204を1つとして、1/6の確率でV入賞する構成としてもよいし、その他の確率でV入賞する構成としてもよい。
上記の役物装置150における各センサ179、192,193、196等や、各駆動部173、221a、300a、310a、194等の動力線や信号線は、誘導通路形成部材181に取り付けられた中継端子板199に接続されている。そして、これらの信号線はハーネスとして1束にされて後述する主制御装置に接続されており、主制御装置によって入球の検知、駆動部の駆動制御が行われる。但し、これらの一部又は全部をサブ側の制御装置である後述する演出制御装置側にて行う構成としてもよい。
図柄表示装置51では、いずれかの作動口38,39へ遊技球が入球して役物装置150が開放状態となることの報知、役物装置150へ遊技球が入球した場合の報知、振り分けられた結果等の報知、回転体201での振分状況の報知、V入賞センサ192で遊技球を検知して大当たり状態の発生の報知等の、通常遊技状態中の報知の他、大当たり状態中のラウンド演出の報知や、異常が検知された場合のエラー報知も行う。なお、これらの演出の内容は、それぞれの遊技状況を遊技者が明確に把握可能であればよい。
ここで、図4に示すように、遊技盤24には、異常検知手段として振動検知センサ240と磁石検知センサ241とが設けられている。振動検知センサ240及び磁石検知センサ241は役物装置150周辺に設置されている。これらの検知センサ240,241は主制御装置81と電気的に接続されており、主制御装置81から動作電力(動作電圧)が供給されている状況において振動や磁石(磁気)を検知するとともに、その検知結果を主制御装置81に対して出力する。
既に説明した通り、役物装置150ではV入賞への振り分けが行われるため、役物装置150に振動を与えたり、磁石により遊技球を引き寄せたりすることで、遊技球の流れを変化させ、遊技球をV入賞口案内部204に誘導させようとする不正行為が想定される。これに対して、上記検知センサ240,241が設けられていることにより、上記不正行為が行われた場合に、それを把握することが可能となる。
なお、検知センサ240,241の位置は、振動や磁気を検知することができれば任意である。但し、役物装置150に対する不正行為を抑制する観点に着目すれば、役物装置150寄りに配置されている方が好ましい。
上記検知センサ240,241が接続されている主制御装置81は、これらの検知センサ240,241によって振動や磁石が検知された場合に、その後の遊技を停止させる遊技停止機能を有している。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3及び図5に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、裏パック基板92aが設置されている(図5参照)。裏パック基板92aには、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ92bの切換操作によりパチンコ機10の電源がON又はOFFされるようになっている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技場側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。電源及び発射制御装置98にはRAM消去スイッチ98aが設けられている(図5参照)。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技場の営業終了の場合のように電源スイッチ92bのみを操作して電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ98aを押しながら電源スイッチ92bを操作して電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図10のブロック図に基づいて説明する。
内枠の背面側には、主制御装置81と、演出制御装置82と、表示制御装置100とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置96を含む払出機構部と、払出制御装置97と、電源及び発射制御装置98とが搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111と、電源を監視する停電監視基板115と、を具備している。なお、主制御装置81において主制御基板111などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、両作動口38,39への入賞を検知する第1作動センサ38aや第2作動センサ39cの他、その他の入球部への入賞を検知する入賞検知センサとして、一般入賞口35への入賞を検知するセンサ35aやスルーゲート41への入賞を検知するセンサ41a等が設けられている。また、各種センサとして、役物装置150における入口センサ179、V入賞センサ192、外れ用センサ193、回転位置検出センサ196等が含まれている。MPU112では、これら各種センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196の検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)を行ったり、回転体201の位置把握を行ったりする。また、MPU112では、第1作動口38又は第2作動口39への入賞に基づいて、各種抽選が実行される。さらに、各種センサには、振動を検知する振動検知センサ240と、磁石を検知する磁石検知センサ241とが含まれている。MPU112では、これらの検知センサ240,241の検知結果に基づいて、異常監視を行ったりする。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部39b、開閉役物駆動部173、第1振分駆動部300a、第2振分駆動部310a、シャッタ用駆動部221a、回転体用駆動部194等が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、いずれかの作動口38,39への入賞が発生したり、V入賞センサ192への入賞に基づく開閉実行モードに移行すると、役物装置150の開閉役物駆動部173が駆動制御されて、開閉役物168の開閉動作が実行される。また、これらの場合、両振分駆動部300a,310aの駆動制御が行われたり、回転体用駆動部194の駆動制御が行われる。
また、両作動口38,39への入賞に基づく当否抽選が行われた場合には、MPU112においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物39aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視基板115は、電源及び発射制御装置98からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置81のMPU112に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置81は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、MPU142が搭載された演出制御基板141を備えている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU142では、主制御装置81から受信したコマンドに基づき、各種発光部54〜56,63やスピーカ部64を駆動制御する。また、これらコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、プログラムROM153及びワークRAM154が複合的にチップ化された素子であるMPU152と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)155と、キャラクタROM156と、ビデオRAM157とがそれぞれ搭載された表示制御基板151を備えている。
MPU152は、演出制御装置82から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP155の制御(具体的にはVDP155に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM154は、MPU152による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP155は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP155はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP155は、MPU152、ビデオRAM157等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM157に記憶させる画像データを、キャラクタROM156から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM156は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM156には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM157は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM157の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図11を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置51の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図11に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉役物168の開閉を実行するか否か等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、作動口38,39への入賞に基づいて開閉役物168を開放状態とする際に、その入賞から開放状態とするまでの待機期間を設定するための開放種別カウンタCSと、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、を用いることとしている。さらに、第2作動口39の電動役物39aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口38又は第2作動口39への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜99)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての結果テーブル記憶エリア113aに結果テーブル(遊技結果情報群)として記憶されている。
ここで、結果テーブルの内容について図12(a)を用いて説明する。
図12(a)に示すように、結果テーブルには、遊技結果として、外れ結果、直当たり結果、通常開放結果が設定されている。通常開放結果は、作動口38,39への入賞に基づいて役物装置150における開閉役物168を開放状態(開閉実行モード)とさせる遊技結果である。本実施の形態では、第1作動口38への入賞が発生すると開閉役物168は1回開放状態となり、また、第2作動口39への入賞が発生すると開閉役物168は2回開放状態となるように設定されている。外れ結果とは、作動口38,39への入賞が発生した場合であっても開閉役物168が開放状態とならない結果である。この場合、役物装置150へ入賞させることはできず、大当たり状態(開閉実行モード)への移行は見込めない。直当たり結果とは、作動口38,39への入賞が発生しただけで大当たり状態(開閉実行モード)へ移行する結果であり、役物装置150への入賞はもちろんV入賞が発生しなくても、上記のように大当たり状態へ移行する。
なお、以下においては、通常開放結果に基づく開閉実行モードと、大当たり結果(直当たり結果によるものと、V入賞の発生によるものとの双方を含む)に基づく開閉実行モードとを区別するため、前者を「第1開閉実行モード」といい、後者を「第2開閉実行モード」ということがある。
大当たり乱数カウンタC1(0〜99)のうち、外れ結果となる乱数の値の数は1個であり、直当たり結果となる乱数の値の数は1個であり、それ以外は通常開放結果に対応する値となっている。そのため、本実施の形態では、両作動口38,39への入賞に基づいて、98/100の確率で作動口38,39に対応する数の開閉役物168の開放が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放は行われないもののV入賞を経ずに開閉実行モードへの移行が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放も行われないし開閉実行モードへの移行も行われない。
なお、直当たり結果や外れ結果が設けられていない構成としてもよい。但し、これらの結果が含まれていることで、遊技の多様化が図られるし、特に直当たり結果が設けられていれば、釘調整などによって役物装置150への入賞が頻繁に発生しない遊技台であっても大当たり状態の発生に期待が持て、このような遊技台であっても遊技への意欲を増進させる効果も見込むことが可能となる。
大当たり種別カウンタC2は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり結果の種別を設定する乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての各種テーブル記憶エリア113dに種別テーブル(遊技種別情報群)として記憶されている。
ここで、種別テーブルの内容について図12(b)を用いて説明する。
図12(b)に示すように、種別テーブルには、大当たり結果の種別として、16R(ラウンド)継続モードと、継続率変動モードと、が設定されている。16R継続モードとは、16回のラウンド遊技が実行されるモードを示し、継続率変動モードとは、ラウンド遊技において次のラウンド遊技への継続率が変動するモードを示している。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた上限開放回数の開閉役物168の開放が行われたこと(換言すれば、総開放時間が予め定められた上限開放時間に達すること)、(2)役物装置150への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ちなみに、本実施の形態においては、1回のラウンド遊技において開閉役物168の開閉が19回行われ、1回のラウンド遊技の上限入賞個数は9個に設定されている。
各大当たり種別においてラウンド遊技が行われる最大回数は予め定められており、具体的にはいずれのモードの大当たり結果であっても最大のラウンド遊技は16回に設定されている。この場合、16R継続モードにおいては16回のラウンド遊技が無条件に継続されるように設定される。一方で、継続率変動モードにおいては予め定められた継続条件が成立した場合にラウンド遊技が継続するように設定されている。当該継続条件は、ラウンド遊技中に役物装置150へ遊技球が入賞し、且つその遊技球がV入賞することである。
開放種別カウンタCSは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。開放種別カウンタCSは定期的に更新される。但し、この更新タイミングは、上記の大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2とは異なるタイミングとなるように設定されている。そのため、各カウンタ値の更新タイミングを何らかの方法によって読み取る不正行為が行われにくくなっている。更新された開放種別カウンタCSは、他のカウンタC1,C2と同様に、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの待機時間(開放タイミング)を設定する乱数の値は、ROM113における待機情報群記憶手段としての開放タイミングテーブル記憶エリア113cに開放タイミングテーブル(待機期間情報群)として記憶されている。
ここで、開放タイミングテーブルの内容について図12(c)を用いて説明する。
図12(c)に示すように、開放タイミングとしては、作動口38,39への入賞タイミング(又は前回の開閉役物168の閉鎖タイミング)からの待機時間(待機期間)が、複数種類設定されている。より具体的には、0.5sec〜2.4secまで、0.1sec刻みで、20種類の待機時間が設定されている。そして、これらの各時間同士の間隔(0.1sec)は、遊技球の発射周期(0.6sec周期)よりも短くなるように設定されており、所謂止め打ち等によって役物装置150への入賞確率を意図的に変化させる(高める)行為が行われにくくなっている。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。
そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物39aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物39aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物39aを開放状態に制御しない。
なお、本実施の形態では、遊技状態によらず、電動役物39aの開閉態様が異ならないように設定されている。すなわち、電動役物39aの開放抽選において当選し易い又は当選した場合の開放時間や開放回数が多い状態(所謂高頻度サポートモード)やそれよりも開放抽選における当選確率が低い又は当選した場合の開放時間や開放回数が少ない状態(所謂低頻度サポートモード)といったモードが設けられていない。これらのモードを有する構成とすると、出球の増減の幅は大きくなり得るため興趣向上を図ることができる一方で、高頻度サポートモード時における出球分を調整するために、低頻度サポートモード時における両作動口38,39への入賞頻度を低く設定する、といった仕様を取らざるを得ない事情も発生し得る。そのため、低頻度サポートモード時においては、作動口38,39への入賞が発生しにくくて遊技への意欲が低下し得る可能性もある。そこで、本実施の形態のように、電動役物39aの開放態様を遊技状態によらずに設定することで、通常遊技状態時であっても作動口38,39への入賞をある程度期待でき、遊技への意欲の低下を回避することが可能となる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81のMPU112にて実行される各制御処理について説明する。かかるMPU112の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理及び通常処理を説明する。
<NMI割込み処理>
先ず、NMI割込処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が停電監視基板115からMPU112のNMI端子に出力され、MPU112は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS100にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。当該処理については、後に説明する。
<タイマ割込み処理>
次に、タイマ割込み処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS102では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、遊技の進行を停止している状態(遊技停止状態)であるか否かを判定する。遊技停止状態であるか否かの判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに遊技停止フラグが格納されていることを条件に、遊技停止状態であると判定する。遊技停止状態であると判定した場合には、本タイマ割込み処理を終了する。
一方、遊技停止状態でないと判定した場合には、ステップS104にて、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196,240,241の状態を読み込み、これら各種検知センサの状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ38a,39c,35a,179において遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、入口センサ179によって役物装置150への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。
続くステップS105ではスルーゲート41への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート41への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS102にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部56を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS106では、作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口38,39のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定する。そして、入賞していると判定した場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1等の数値情報を取得し、当該数値情報を抽選カウンタ用バッファ114aに記憶する。なお、作動口用の入賞処理の詳細は後述する。
その後、ステップS107にて異常監視処理を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。異常監視処理では、振動検知センサ240及び磁石検知センサ241の検知結果を参照して振動検知や磁石検知の有無を判定したり、役物装置150における残存球異常の有無を判定したりする。なお、異常監視処理の詳細は後述する。
次に、ステップS106の作動口用の入賞処理について、図15及び図16のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が第1作動口38に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口38に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口38に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1作動口38に遊技球が入賞したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。続くステップS205では、開閉役物168の開放回数を1回にセットする処理を実行する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放回数カウンタに「1」をセットする処理を実行する。その後、ステップS206では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が第1作動口38に入賞していないと判定した場合、ステップS207では、遊技球が第2作動口39に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口39に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口39に入賞したと判定すると、ステップS208にて払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS209では、第2作動口39に遊技球が入賞したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS210では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。続くステップS211では、開閉役物168の開放回数を2回にセットする処理を実行する。具体的には、上記の開放回数カウンタに「2」をセットする処理を実行する。なお、ステップS205やステップS211の処理で開放回数が設定されたとしても、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値によって開閉役物168が開放状態とならない可能性もある。その後、ステップS206にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS207が共にNOの場合、すなわち第1作動口38,第2作動口39のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S208にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理(図19参照)におけるステップS603の外部出力処理にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS206の情報取得処理を図16のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS210にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS102にて更新した大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2や、後述する通常処理にて更新する開放種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第1作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第2作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。ステップS304の処理を実行した後は、情報取得処理を終了する。
次に、ステップS107の異常監視処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS401にて振動検知センサ240によって振動が検知されているか否かを判定する。振動が検知されている場合には、ステップS402にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに振動検知フラグを格納する。続くステップS403では、振動検知コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。振動検知コマンドは、振動の検知をMPU112にて特定したことを演出制御装置82に認識させるためのコマンドである。振動検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置82に送信される。続くステップS404では、振動の検知を特定したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行する。
ステップS401にて振動が検知されていない場合、又はステップS404の異常用の外部出力処理を実行した後は、ステップS405において、磁石検知センサ241によって磁石が検知されているか否かを判定する。磁石が検知されている場合には、ステップS406にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに磁石検知フラグを格納し、続くステップS407にて磁石検知コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。磁石検知コマンドは、磁石の検知をMPU112にて特定したことを演出制御装置82に認識させるためのコマンドである。磁石検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置82に送信される。続くステップS408にて、磁石の検知を特定したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行する。
ステップS405にて磁石が検知されていない場合、又はステップS408の異常用の外部出力処理を実行した後は、ステップS409にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに残存球フラグが格納されている否かを判定する。残存球フラグは、役物装置150内に遊技球が残存していることを示すものであり、役物装置150内に遊技球が存在すべきでない状況であるにもかかわらず、その存在が確認された場合に格納されるものである。残存球フラグが格納されていない場合には異常監視処理を終了する。
一方、残存球フラグが格納されている場合は、ステップS410にて、残存検知コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。残存検知コマンドは、残存球の検知をMPU112にて特定したことを演出制御装置82に認識させるためのコマンドである。残存検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置82に送信される。続くステップS411にて、残存球の検知を特定したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行し、異常監視処理を終了する。
<メイン処理>
次に、メイン処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS501では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、サブ側の制御装置(払出制御装置97等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS502では、RAM114へのアクセスを許可する。
その後、ステップS503では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチ98aがオンされているか否かを判定し、続くステップS504ではRAM114の各種フラグ格納エリア114eに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されている場合は、ステップS505にてRAM判定値を算出し、続くステップS506では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM114の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM114の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
既に説明したように、本パチンコ機10では、電源投入時にRAMデータを初期化する場合はRAM消去スイッチ98aを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ98aが押されていれば(ステップS503の結果がYES)、ステップS507〜ステップS509の処理に移行する。また、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに停電フラグが格納されておらず、電源遮断の発生情報が設定されていない場合(ステップS504の結果がNO)や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合(ステップS506の結果がNO)も、ステップS507〜ステップS509の処理に移行する。
ステップS507では、サブ側の制御装置(払出制御装置97等)を初期化するために、初期化コマンドを出力する。続くステップS508ではRAM114の使用領域を0にクリアし、ステップS509ではRAM114の初期化処理を実行する。その後、ステップS516にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ98aが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS510にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている停電フラグをクリアする。続くステップS511にてサブ側の制御装置(払出制御装置97等)を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。
続くステップS512では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに異常検知フラグ(振動検知フラグ、磁石検知フラグ、残存球フラグ)が格納されているか否かを判定する。異常検知フラグが格納されている場合には、ステップS513にて異常検知フラグをクリアし、異常検知状態を解除する。
ステップS512において異常検知フラグが格納されていない場合、又はステップS513にて異常検知状態を解除した後は、ステップS514にて、RAM114の遊技停止フラグに基づいて遊技停止状態が設定されているか否かを判定する。
遊技停止状態が設定されている場合には、ステップS515にて、RAM114の遊技停止フラグをクリアして遊技停止状態を解除する。具体的には、遊技球の発射を禁止する発射停止処理や払出装置96による遊技球の払出を停止させる払出停止処理等を解除する。その後、ステップS516にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。この際、電源遮断前において、振動や磁石、残存球の検知及び遊技停止状態の設定がなされていた場合には、それらが解除された状態にて復帰する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図19のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS601〜ステップS610の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS612,S613のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS601にて遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを判定し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技停止処理を実行する。遊技停止処理についての詳細は後述する。
続くステップS602にて遊技停止状態であるか否かを判定し、遊技停止状態でないことを条件に、ステップS603〜ステップS609の処理を実行する。ステップS603では外部信号出力処理を実行する。外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンド、振動検知コマンド、磁石検知コマンド、残存検知コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS604では、開放種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、開放種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、開放種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS605では、遊技を進行させるための遊技制御処理を実行する。遊技制御処理では、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の各駆動部の駆動制御(第1開閉実行モード)等を行う。ステップS605の遊技制御処理を実行した後は、ステップS606に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が第2開閉実行モードに移行する。ステップS605の遊技制御処理及びステップS606の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS607では、役物装置150内における遊技球の残存状況を特定するための残存球判定処理を実行する。残存球判定処理では、開閉実行モードへの移行に伴って役物装置150内に入賞した遊技球が適正に排出されず、役物装置150内に残存した状態となっているか否かを判定する。残存球判定処理についての詳細は後述する。
ステップS607の実行後は、ステップS608にて、第2作動口39に設けられた電動役物39aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物39aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物39aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS609では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS602において遊技停止状態であると判定した場合、又はステップS609の遊技球発射制御処理を実行した後は、ステップS610にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに停電フラグが格納されているか否かを判定する。
停電フラグが格納されていない場合は、ステップS611にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び開放種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS612,S613)。つまり、ステップS612では乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS613では開放種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS601〜ステップS609の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に開放種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS610にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、停電により電源が遮断されたことになるので、ステップS614以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS614では、各割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS615にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドをサブ側の制御装置(払出制御装置97等)に対して出力する。
そして、ステップS616にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS617にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置98からRAM114のデータ記憶保持用電源(電断時電力)が供給されるため、電源遮断前にRAM114に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<遊技停止判定処理>
次に、通常処理におけるステップS601の遊技停止判定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技停止判定処理では、ステップS701〜S703の各ステップにて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに振動検知フラグ、磁石検知フラグ又は残存球フラグが格納されているか否かを判定する。これにより、振動検知済み状態であるか否か、磁石検知済み状態であるか否か、残存球の存在を特定済み状態であるか否かをそれぞれ判定する。ステップS701〜S703のいずれにおいても否定判定をした場合には、そのまま本遊技停止判定処理を終了する。
一方、ステップS701〜S703のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS704に進む。ステップS704では、電動役物39a及び役物装置150(開閉役物168)を閉鎖状態に変位させる閉鎖制御処理を実行する。これにより、電動役物39a又は役物装置150が開放中である場合には強制的に閉鎖される。
続くステップS705では、電源及び発射制御装置98への発射許可信号をLOWレベルに切り換えて遊技球の発射を禁止する発射停止処理を実行し、さらに、ステップS706では、その他の解除処理を実行する。例えば、払出制御装置97に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置96による遊技球の払出を停止させる。また、演出制御装置82に対して遊技停止コマンドを出力し、図柄表示装置51における演出表示等を停止させる。ステップS706の実行後は、ステップS707にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに遊技停止フラグを格納し、遊技停止状態を設定する。その後、本遊技停止判定処理を終了する。
上記のように遊技停止判定処理にて遊技停止状態を設定することにより、その後に実行されるタイマ割込み処理(図14)のステップS103、及び通常処理(図19)のステップS602においていずれも肯定判定をすることとなる。そして、それらのステップにて肯定判定をした場合には、ステップS104〜ステップS107の処理、及び、ステップS604〜ステップS609の処理をスキップする。これらの処理は、実質的に遊技を進行させるための処理であり、かかる処理をスキップすることで、遊技の進行を停止させることができる。
ちなみに、遊技停止状態であっても各種抽選用のカウンタC1,C2,CS,CINI,C4を更新する処理はスキップされることなく継続される(図14のステップS101,S102及び図19のステップS612,S613を参照)。これにより、遊技停止状態中であっても各種抽選用のカウンタC1,C2,CS,CINI,C4の更新を継続することができる。なお、当該構成は、RAM消去スイッチ98aを操作し且つパチンコ機10の電源を遮断したとしても、各種抽選用のカウンタC1,C2,CS,CINI,C4の初期化が実行されない構成や、遊技停止状態の解除に際してRAM114の初期化を必須としない構成に適用するとより効果的である。
<遊技制御処理>
次に、ステップS605の遊技制御処理を図21〜図27のフローチャートを参照して説明する。
遊技制御処理では、先ずステップS801にて、第2開閉実行モード(直当たり結果又はV入賞の発生に基づく開閉実行モード)の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。第2開閉実行モードフラグは、第2開閉実行モードの実行中であることを示すものであり、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を第2開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて第2開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
第2開閉実行モード中である場合には、ステップS802以降の処理、すなわちステップS803〜ステップS806の遊技開始用処理、ステップS808〜ステップS810の遊技進行用処理及びステップS811〜S813の遊技終了用処理のいずれも実行することなく、本遊技制御処理を終了する。つまり、第2開閉実行モード中である場合には、作動口38,39への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技が開始(作動口38,38への入賞を契機とする役物装置150の開放)されることはない。
第2開閉実行モード中でない場合には、ステップS802にて、第1開閉実行モード(通常開放結果に基づく開閉実行モード)の実行中であるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。第1開閉実行モードフラグは、第1開閉実行モードの実行中であることを示すものであり、作動口38,39への入賞に基づく遊技結果が開放結果(本実施の形態では、通常開放結果)だった場合に格納され、その結果に基づく役物装置150の動作(閉鎖後の待機期間も含む)の終了に際して消去される。
第1開閉実行モード中でない場合には、ステップS803〜ステップS806の遊技開始用処理に進む。遊技開始用処理では、先ずステップS803にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口38及び第2作動口39のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS804にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを抽選処理用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS805にて、上記データ設定処理にて設定されたデータの遊技結果を判定する当否判定処理を実行する。その後、ステップS806にて役物装置150の制御を開始する制御開始処理を実行してから、本遊技制御処理を終了する。
ここで、ステップS804のデータ設定処理、ステップS805の当否判定処理及びステップS806の制御開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS901にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS902〜ステップS907の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS908〜ステップS913の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを抽選処理用として設定する。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口39に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS902にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS903では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS904では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS905にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS906では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の当否判定の対象が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbのいずれの保留情報に対応するものであるかを特定するための情報である。
続くステップS907では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口38に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS907にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第1保留発光部54における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS908にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS909では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS910では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS911にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS912では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS913では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口39に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS913にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第2保留発光部55における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次にステップS805の当否判定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1101では、今回実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の結果テーブルと、を参照して、今回の遊技結果が直当たり結果であるか否かを判定する。直当たり結果である場合には、ステップS1102に進み、各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する処理を実行する。V入賞フラグは、本来的にはV入賞センサ192によって遊技球の通過が検知されたことを示すものであるが、ここでは、第2開放実行モードの発生をMPU112が把握するためのフラグとして機能する。
続くステップS1103では直当たりコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS1103では、メイン表示部43の表示を直当たりに対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS1103にて設定された直当たりコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した直当たりコマンドに基づいて、開閉実行モードの開始演出のための処理を実行する。
ステップS1101にて直当たり結果ではない場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では、今回実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の結果テーブルと、を参照して、今回の遊技結果が外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果である場合には、ステップS1105に進み、上記の作動口用の入賞処理(図15)におけるステップS205やステップS211にて開放回数カウンタ設定した値を「0」にクリアする。
そしてステップS1106にて、外れコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS1106では、メイン表示部43の表示を外れ結果に対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS1106にて設定された外れコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した外れコマンドに基づいて、役物装置150が開放状態とならないことを報知するための処理を実行する。
ステップS1104にて外れ結果ではない場合は、今回の当否判定の結果が通常開放結果であることを意味する。この場合は、ステップS1107にて、通常開放コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS1107では、メイン表示部43の表示を通常開放結果に対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS1107にて設定された通常開放コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した通常開放コマンドに基づいて、役物装置150が開放状態となることを報知するための処理を実行する。すなわち、本実施の形態では、作動口38,39への入賞に基づいて当否判定(遊技結果)の結果がすぐに報知される。
次に、ステップS806の制御開始処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
制御開始処理では、先ず、ステップS1201にて、上記のRAM114における開放回数カウンタを参照して、開閉役物168の開放回数を把握する処理を実行する。続くステップS1202では、開閉タイミング設定処理を実行する。開閉タイミング設定処理では、上記データ設定処理(図22)にて実行エリアAEにシフトされたデータのうち、開放タイミングに関するデータ、すなわち開放種別カウンタCSの値と、ROM113に記憶されている開放タイミングテーブルと、を参照して、今回の開閉役物168の開放タイミングを設定する。具体的には、本処理から、何sec後に開閉役物168を開放状態とするか(開閉役物駆動部173の駆動制御を開始するか)に対応する数値を開放タイミングテーブルから読み取り、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機カウンタに入力する。この待機カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の開放タイミングであることを把握することが可能となる。
続くステップS1203では、第1振分部材300(図8参照)の動作態様を設定するための第1振分設定処理を実行する。ステップS1203の第1振分設定処理では、第1開閉実行モードの実行中において第1振分部材300が非振分状態(遊技球を外れ口182b側に振り分けない状態)を維持するように、上記動作態様を設定する。すなわち、本実施の形態では、第1開閉実行モードの実行時において役物装置150に入賞し且つ球振分け部185により左側の誘導通路183に誘導された遊技球は、いずれも回転体201に到達するものとなる。なお、これに限定されるものではなく、例えば、第1開閉実行モードの実行期間の一部において第1振分部材300を振分状態とし、役物装置150に入賞した遊技球が回転体201に至ることなく外れ口182bに導かれる機会を設ける構成としてもよい。
次に、ステップS1204にて、第2振分部材310(図8参照)の動作態様を設定するための第2振分設定処理を実行し、さらに、ステップS1205にて、シャッタ221(図8参照)の動作態様を設定するためのシャッタ設定処理を実行する。ステップS1204の第2振分設定処理では、第1開閉実行モードの実行中において第2振分部材310が非振分状態(遊技球を入口用案内部215側に振り分けない状態)を維持するように、第2振分部材310の動作態様を設定する。また、ステップS1205のシャッタ設定処理では、第1開閉実行モードの実行中においてシャッタ221が閉鎖状態(ワープ用入口部214を閉鎖した状態)を維持するように、シャッタ221の動作態様を設定する。
つまり、本実施の形態では、第1開閉実行モードに際してはワープ通路210を経由するルートを遮断し、専ら回転体201によってV入賞するか否かの振分抽選を受けるようにする。なお、これに限定されるものではなく、例えば、第1開閉実行モードの実行期間の一部においてワープ通路210を経由するルートを解放し(第2振分部材310を振分状態とし且つシャッタ221を開放状態とする)、役物装置150に入賞した遊技球が回転体201を経由せずにV入賞口182aに導かれる機会を設けてもよい。
ステップS1205の実行後は、ステップS1206にて、回転体201の動作態様を設定するための回転体用設定処理を実行する。ステップS1206の回転体用設定処理では、回転体201を初期位置(V入賞口案内部204が導出部186と対峙する位置)に復帰させるための設定や、初期位置への復帰後に回転体201が回転を開始する回転開始タイミング、回転を開始した回転体201の回転速度等を設定する。本実施の形態では、第1開閉実行モードの実行契機となった作動口38,39への入賞から予め定められた期間(例えば1sec)が経過したタイミングで初期位置から回転体201が回転を開始し、その後、約5secで1回転する回転を少なくとも第1開閉実行モードの終了時まで継続的に繰り返すように、回転体201の動作態様を設定する。ステップS1206の実行後は、本制御開始処理を終了する。
図21の遊技制御処理の説明に戻り、ステップS802で第1開閉実行モード中であると判定した場合は、ステップS807にて、終了時待機時間が経過したか否かを判定する。終了時待機時間は、開閉役物168の開閉が終了した後、第1開閉実行モードの終了を待機するための期間である。なお、終了時待機時間の設定処理については後述する。
終了時待機時間が経過していない場合は、ステップS808〜S810の遊技進行用処理を実行する。遊技進行用処理では、ステップS808にて制御中処理を実行し、ステップS809にて役物内動作部用処理を実行し、続くステップS810にて入賞処理を実行してから、遊技制御処理を終了する。
先ず、ステップS808の制御中処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301では、開閉役物168の開放タイミングであるか否かを判定する。この判定では、上記ステップS1202にて設定した待機カウンタの値を参照することで、開放タイミングであるか否かが確認できる。ステップS1301にて開放タイミングである場合には、ステップS1302にて開放制御処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173を駆動制御することで、開閉役物168を開放状態に変位させる。また、ステップS1302では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放期間カウンタに今回の開放期間(本実施の形態では一律で0.5sec)に対応する値を入力する処理を実行する。開放期間カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の閉鎖タイミングであることを把握することが可能となる。
そして、続くステップS1303にて、RAM114の開放回数カウンタを「1」減算する処理を実行する。続くステップS1304では、RAM114の開放回数カウンタを参照し、第1開閉実行モードにおける初回目の開放であるか否かを判定する。初回目の開放である場合は、ステップS1305にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1開閉実行モードフラグを格納し、その後、本制御中処理を終了する。一方、ステップS1305で初回目の開放でないと判定した場合、すなわち、2回開放における2回目の開放である場合は、そのまま本制御中処理を終了する。
ステップS1301にて開閉役物168の開放タイミングではない場合には、ステップS1306に進む。ステップS1306では、開閉役物168の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。この処理では、上記ステップS1302で入力した開放期間カウンタの値を参照することで、閉鎖タイミングであるか否かを確認できる。ステップS1306にて閉鎖タイミングである場合には、ステップS1307にて閉鎖制御処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了することで、開閉役物168を閉鎖状態に変位させる。
続くステップS1308では、RAM114の開放回数カウンタを参照して残りの開放回数が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、ステップS1309にて、終了時待機時間を設定するための処理を実行する。
終了時待機時間は、既に説明したように、開閉役物168の開閉が終了した後、第1開閉実行モードの終了を待機するための期間である。当該待機時間は、役物装置150に入賞した遊技球が役物装置150から排出されるまでの期間を加味して設定される。本実施の形態では、役物装置150に入賞した遊技球が左側の誘導通路183及び回転体201を経てV入賞センサ192に到達するまでの期間が約3secに設定されているところ、終了時待機時間はこれよりも長い所定期間(本実施の形態では一律に3.5sec)に設定される。このような構成となっていることで、役物装置150が閉鎖する間際に遊技球が入賞した場合であっても、V入賞に基づく大当たりの発生を期待することが可能となる。
ステップS1309では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた終了時待機時間カウンタに3.5secに対応する値を入力する処理を実行する。終了時待機時間カウンタはタイマ割込み処理(図14)が実行される度に更新(1ディクリメント)されるため、終了時待機時間カウンタが所定値(例えば「0」)となることで、終了時待機時間が経過したことを把握可能となる。
ステップS1308にて開放回数が「0」ではない場合、すなわち、2回開放における2回目の開放が残っている場合は、ステップS1310にて、当該2回目の開放を実行するまでの待機時間(閉鎖時間)の設定処理を実行する。ステップS1310の処理では、RAM114の待機時間カウンタに今回の待機時間(本実施の形態では一律で1sec)に対応する値を入力する処理を実行する。
ステップS1306にて閉鎖タイミングではない場合、ステップS1309の処理を実行した後、又はステップS1310の処理を実行した後は、本制御中処理を終了する。
次に、遊技制御処理(図21)におけるステップS809の役物内動作部用処理について、図26のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1401では、第1振分部材300の変位タイミングであるか否かを判定する。変位タイミングである場合には、ステップS1402にて、第1振分制御処理を実行する。この処理では、第1振分駆動部300aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、第1振分駆動部300aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、第1振分部材300を振分状態から非振分状態に変位させる。また、第1振分駆動部300aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、第1振分部材300を非振分状態から振分状態に変位させる。
ステップS1401にて第1振分部材300の変位タイミングではない場合、又はステップS1402の処理を実行した後は、ステップS1403に進む。ステップS1403では、第2振分部材310の変位タイミングであるか否かを判定する。変位タイミングである場合には、ステップS1404にて、第2振分制御処理を実行する。この処理では、第2振分駆動部310aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、第2振分駆動部310aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、第2振分部材310を振分状態から非振分状態に変位させる。また、第2振分駆動部310aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、第2振分部材310を非振分状態から振分状態に変位させる。
既に説明したように本実施の形態では、第1開閉実行モードにおいては第1振分部材300及び第2振分部材310のいずれも非振分状態に維持する設定とされているため(図24のステップS1203,S1204)、第1開閉実行モードにおける上記ステップS1401,S1403の判定では、常に否定判定をすることになり、上記ステップS1402,S1404の処理を実行しないものとなる。
ステップS1403にて第2振分部材310の変位タイミングではない場合、又はステップS1404の処理を実行した後は、ステップS1405に進む。ステップS1405では、シャッタ221の変位タイミングであるか否かを判定する。変位タイミングである場合には、ステップS1406にてシャッタ制御処理を実行する。この処理では、シャッタ用駆動部221aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、シャッタ用駆動部221aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、シャッタ221を開放状態から閉鎖状態に変位させる。また、シャッタ用駆動部221aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、シャッタ221を閉鎖状態から開放状態に変位させる。
なお、シャッタ221についても第1開閉実行モードにおいては閉鎖状態に維持する設定とされているため(図24のステップS1205)、第1開閉実行モードにおける上記ステップS1405の判定では、常に否定判定をすることになり、上記ステップS1406の処理を実行しないものとなる。
ステップS1406の実行後は、ステップS1407にて回転体制御処理を実行する。ステップS1407の処理では、既に述べた設定内容(図24のステップS1206)に従って回転体201を駆動制御すべく、回転体用駆動部194の駆動状態を制御する。ステップS1407の実行後は、本役物内動作部用処理を終了する。
次に、遊技制御処理(図21)におけるステップS810の入賞処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1501では、入口センサ179の検出状態を把握して、役物装置150に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞している場合には、ステップS1502にて、役物内入賞コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS1502にて設定された役物内入賞コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した役物内入賞コマンドに基づいて、役物装置150への入賞が発生したことの報知(役物装置150内の遊技球の動作に注目させるための報知)を行うための処理を実行する。
続くステップS1503にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた残存球カウンタRPCを1インクリメントする処理を実行する。この残存球カウンタRPCは役物装置150内に存在する遊技球の個数をMPU112にて把握するためのものである。
ステップS1501で役物装置150への入賞が発生していないと判定した場合、又はステップS1503の処理を実行した後は、ステップS1504にて、V入賞センサ192によって遊技球の通過(V入賞の発生)が検知されている否かを判定する。V入賞の発生が検知されている場合は、ステップS1505にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する。続くステップS1506にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた残存球カウンタRPCを1ディクリメントする処理を実行する。すなわち、ステップS1504でV入賞の発生が検知されている場合は、V入賞発生の他、役物装置150から遊技球が排出されたことにもなるため、残存球カウンタRPCを減数することで役物装置150内の遊技球の個数を更新する。ステップS1506の実行後は、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS1504でV入賞の発生が検知されていない場合は、ステップS1507にて、外れ用センサ193によって遊技球の通過(外れ)が検知されているか否かを判定する。外れが検知されている場合は、上記ステップS1506に進み、残存球カウンタRPCを1ディクリメントする処理を実行する。すなわち、外れが検知された場合についても、当該遊技球に対する外れが確定する他、役物装置150から遊技球が排出されたことを意味するため、残存球カウンタRPCを減数することで役物装置150内の遊技球の個数を更新する。これに対し、ステップS1507で外れが検知されていない場合、すなわち、V入賞及び外れのいずれも特定できていない場合は、残存球カウンタRPCを更新することなく本入賞処理を終了する。
図21の遊技制御処理の説明に戻り、ステップS807で終了時待機時間が経過していると判定した場合は、ステップS811に進み、ステップS811〜S813の遊技終了用処理を実行する。なお、終了時待機時間が未設定の状況下では、ステップS807にて否定判定をし、上述したステップS808〜S810の遊技進行用処理を実行する。
遊技終了用処理では、先ず、ステップS811にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された第1開閉実行モードフラグをクリアする処理を実行する。続くステップS812では制御終了処理を実行する。この処理では、一の保留情報に対する役物装置150の制御(第1開閉実行モード)の終了のための処理を行う。具体的には、各駆動部173,300a,310a,194のエラーの有無の確認、初期位置への復帰処理などを行う。
次いで、ステップS813にて、制御終了コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定し、その後、本遊技制御処理を終了する。ステップS813にて設定された制御終了コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した制御終了コマンドに基づいて、役物装置150の制御が終了することを報知するための処理を実行する。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図19)における、ステップS606の遊技状態移行処理について、図28〜図35のフローチャート等を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1601では、第2開閉実行モード(大当たり結果に基づく開閉実行モード)の実行中であるか否かを判定する。第2開閉実行モード中でない場合にはステップS1602に進み、第1開閉実行モード(通常開放結果に基づく開閉実行モード)の実行中であるか否かを判定する。第1開閉実行モードの実行中である場合は、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップS1603にて、今回の遊技結果が第2開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
V入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1604にて第2開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されたV入賞フラグを消去するとともに、同エリア114eに第2開閉実行モードフラグを格納する。また、ステップS1604では、開閉実行モードのオープニング用に役物装置150の開閉役物168の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図14)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1605では、今回の開閉実行モードの種別を判定するための、種別判定処理を実行する。具体的には、今回の実行エリアAEに記憶されている保留情報のうち、大当たり種別カウンタC2を把握するとともに、ROM113の種別テーブルを参照して、今回の開閉実行モードの種別が、16R継続モードであるか、継続率変動モードであるかを判定する。
続くステップS1606では、ステップS1605の処理結果に基づいて、今回の開閉実行モードが16R継続モードであるか否かを判定する。16R継続モードである場合には、ステップS1607にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグを格納する。継続フラグは、今回の開閉実行モードが16R継続モードであることをMPU112が把握するためのフラグである。
ステップS1606にて16R継続モードではない場合、又はステップS1607の処理を実行した後は、ステップS1608に進む。ステップS1608では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1ラウンドカウンタRC1に、「15」をセットするとともに、同各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする。第1ラウンドカウンタRC1は、一の第2開閉実行モードにおいて何回目のラウンド遊技であるかをカウントするためのカウンタであり、第2ラウンドカウンタRC2は一のラウンド遊技において開閉役物168の開放回数をカウントするためのカウンタである。
なお、本実施の形態では、直当たり又はV入賞が発生したときの第1開閉実行モードが、16回のラウンド遊技のうち1ラウンド目のラウンド遊技に対応し、2ラウンド目以降のラウンド遊技から第2開閉実行モードが開始される構成となっている。すなわち、2ラウンド目が第2開閉実行モードにおける初回ラウンドとなっている。
ステップS1608の実行後は、ステップS1609にて回転体用設定処理を実行する。回転体用設定処理では、回転体201を初期位置(V入賞口案内部204が導出部186と対峙する位置)に復帰させるための設定や、初期位置への復帰後に回転体201が回転を開始する回転開始タイミング、回転を開始した回転体201の回転速度等を設定する。本実施の形態では、オープニングの開始タイミングから予め定められた期間(例えば1sec)が経過したタイミングで初期位置からの回転を開始し、その後、約5secで1回転する回転を少なくとも第2開閉実行モードの終了時まで継続的に繰り返すように、回転体201の動作態様を設定する。
続くステップS1610では、オープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、16R継続モード又は継続率変動モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
続くステップS1611では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技場側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、第2開閉実行モード中である場合には、ステップS1601にて肯定判定をし、ステップS1612に進む。ステップS1612では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1613にて開閉処理を実行する。
ここで、開閉処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1701にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合は本開閉処理を終了する一方、「0」でない場合はステップS1702にて、ラウンド遊技中であるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにラウンドフラグが格納されているか否かを判定する。ラウンドフラグは、ラウンド遊技の実行中であることを示すフラグであり、ラウンド遊技の開始時に上記各種フラグ格納エリア114eに格納され、ラウンド遊技の終了時に消去される。
ステップS1702でラウンドフラグが格納されておらず、ラウンド遊技中でないと判定した場合は、ステップS1703にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。本ステップの処理は、後述するラウンド遊技間の閉鎖時間(待機時間)が経過したか否かを判定する処理に相当する。
タイマカウンタTの値が「0」でない場合は本開閉処理を終了する一方、「0」である場合はステップS1704に進み、各ラウンド用の設定処理を実行する。
各ラウンド用の設定処理について具体的には、図30のフローチャートに示すように、先ずステップS1801にて、RAM114に継続フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、今回の開閉実行モードが、16R継続モードであるか否かを判定する。継続フラグが格納されておらず、今回の開閉実行モードが継続率変動モードである場合には、ステップS1802にてラウンド数の把握処理を実行する。この処理では、今回のラウンドの設定処理にて設定するラウンドが開閉実行モードにおける何ラウンド遊技目であるかを、第1ラウンドカウンタRC1の値を参照して把握する。そしてステップS1803にて、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されているラウンドパターンテーブルを参照する。
ラウンドパターンテーブルには、図31に示すように、一の第2開閉実行モードにおいて、各ラウンドの開閉パターンが定められている。各ラウンドの開閉役物168の開閉パターンは複数種類設定されており、開閉パターンAと、開閉パターンBと、開閉パターンCと、開閉パターンDとが設定されている。
開閉パターンA〜Dの各パターンに関する具体的な開閉態様は、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶された開閉パターンテーブルにて規定されている。図32(a)〜(d)に示すように、開閉パターンテーブルには、各ラウンド遊技における開閉役物168の開放回数と対応づけて開閉役物168の開閉態様が記憶されている。開閉パターンテーブルは、ラウンド遊技を序盤(1回目から6回目までの開放)の第1遊技区間と、中盤(7回目から13回目までの開放)の第2遊技区間と、終盤(14回目から19回目までの開放)の第3遊技区間との3つの遊技区間(遊技期間)に区分けした上で、遊技区間毎に開閉役物168の開閉態様を規定したものとなっている。
例えば、開閉パターンAでは、図32(a)に示すように、一のラウンド遊技における19回の開放中、第1遊技区間に属する1回目〜6回目(RC2=19〜14)と、第2遊技区間に属する7回目〜13回目(RC2=13〜7)との開放回数目では、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長い1.5secの開放を行いその後0.5secの閉鎖を行う(開閉パターンP1ともいう)。また、第3遊技区間に属する14回目〜19回目(RC2=6〜1)は、0.5secの開放を行いその後1.5secの閉鎖を行う(開閉パターンP2ともいう)。P1の場合は、発射周期との関係で役物装置150への入賞は比較的発生し易く、P2の場合は発生し得るもののA1よりは発生しにくい。つまり、開閉パターンAは、第1遊技区間及び第2遊技区間で役物装置150に遊技球が入賞し易いものとなっている。
図32(b)に示すように、開閉パターンBについては、第2遊技区間が開閉パターンP1となり、第1遊技区間及び第3遊技区間が開閉パターンP2となるように設定されている。つまり、開閉パターンBは、第2遊技区間にて役物装置150に遊技球が入賞し易いものとなっている。
図32(c)に示すように、開閉パターンCについては、第1遊技区間が開閉パターンP1となり、第2遊技区間及び第3遊技区間が開閉パターンP2となるように設定されている。つまり、開閉パターンCは、第1遊技区間にて役物装置150に遊技球が入賞し易いものとなっている。
図32(d)に示すように、開閉パターンDについては、第3遊技区間が開閉パターンP1となり、第1遊技区間及び第2遊技区間が開閉パターンP2となるように設定されている。つまり、開閉パターンDは、第3遊技区間にて役物装置150に遊技球が入賞し易いものとなっている。
これらを踏まえ、各ラウンド遊技の入賞特性を説明すると、図32(e)に示すように、開閉パターンAが設定されている2ラウンド目のラウンド遊技は、第1遊技区間及び第2遊技区間(1回目〜13回目の開放)にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性Aを有するラウンド遊技となり、開閉パターンBが設定されている3ラウンド目〜7ラウンド目のラウンド遊技は、第2遊技区間(7回目〜13回目の開放)にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性Bを有するラウンド遊技となる。また、開閉パターンDが設定されている8ラウンド目〜11ラウンド目のラウンド遊技は、第3遊技区間(14回目〜19回目の開放)にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性Dを有するラウンド遊技となり、開閉パターンCが設定されている12ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、第1遊技区間(1回目〜6回目の開放)にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性Cを有するラウンド遊技となる。
各ラウンドの設定処理(図30)の説明に戻り、ステップS1803にてラウンドパターンテーブルを参照した後は、ステップS1804にて対応するラウンドパターン(ラウンドの開閉パターン)を設定する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eには各パターンA〜Dに対応させたフラグ格納エリアが設けられており、例えば、開閉パターンAであれば、対応するエリアにフラグを格納する。
ステップS1801にて継続フラグが格納されている場合、又はステップS1804の処理を実行した後は、ステップS1805に進む。ステップS1805では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCに、「9」をセットする。入賞カウンタPCは、一のラウンド遊技における入賞個数を示すものであり、本実施の形態では、一のラウンド遊技において9個の遊技球が役物装置150に入賞することで当該ラウンド遊技が終了する。続くステップS1806では、第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする処理を実行し、その後、ステップS1807にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにラウンドフラグを格納する。ステップS1807の実行後は本設定処理を終了する。
開閉処理(図29)の説明に戻り、ステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて各開放用の設定処理を実行する。
各開放用の設定処理では、具体的には図33のフローチャートに示すように、先ずステップS1901にて継続フラグが格納されているか否かを判定する。この処理は、上記ステップS1801の処理と同様である。継続フラグが格納されておらず、継続率変動モードである場合には、ステップS1902に進む。ステップS1902では、第2ラウンドカウンタRC2を把握して、今回の開閉役物168の開放が、一のラウンド中の何回目の開放かを把握する。そして、ステップS1903にて、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されている開閉パターンテーブル(図32(a)〜(d))を参照し、ステップS1904にて、ステップS1902にて把握した開放番目に対応する開閉パターンP1,P2を設定する。
続くステップS1905では、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されている振分パターンテーブルを参照する。ここで、振分パターンテーブルについて図34を参照しながら説明する。
振分パターンテーブルとしては、第1振分部材300用の第1振分パターンテーブル(図34(a))と、第2振分部材310用の第2振分パターンテーブル(図34(b))とが設けられている。先ずは第1振分パターンテーブルについて説明する。
図34(a)に示すように、第1振分パターンテーブルには、各ラウンド遊技における開閉役物168の開放回数と対応づけて第1振分部材300の動作態様が記憶されている。第1振分パターンテーブルは、開閉パターンテーブル(図32)の場合と同じく、ラウンド遊技を序盤(1回目から6回目までの開放)の第1遊技区間と、中盤(7回目から13回目までの開放)の第2遊技区間と、終盤(14回目から19回目までの開放)の第3遊技区間との3つの遊技区間に区分けした上で、遊技区間毎に第1振分部材300の動作態様を規定したものとなっている。
第1遊技区間(1回目〜6回目)及び第3遊技区間(14回目〜19回目)の各開放においては、第1振分部材300の動作態様が動作パターンMAに設定されている。動作パターンMAは、開閉役物168の開放開始から期間TM1(0.5sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TM2(0.1sec)後に非振分状態に変位し、その後、非振分状態が開閉役物168の閉鎖まで維持されるものとなっている。
また、第2遊技区間(7回目〜13回目)の各開放においては、第1振分部材300の動作態様が動作パターンMBに設定されている。動作パターンMBは、開閉役物168の開放開始から期間TM3(0.5sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TM4(0.5sec)後に非振分状態に変位し、その後、非振分状態が開閉役物168の閉鎖まで維持されるものとなっている。
すなわち、第2遊技区間では、第1振分部材300が振分状態とされる期間が第1遊技区間及び第3遊技区間よりも長くなっている。このため、左側の誘導通路183を流下する遊技球は、第2遊技区間において第1振分部材300により外れ口182bに振り分けられ易く、回転体201に到達しにくいものとなる。
次に、第2振分パターンテーブルについて説明する。図34(b)に示すように、第2振分パターンテーブルには、各ラウンド遊技における開閉役物168の開放回数と対応づけて第2振分部材310の動作態様が記憶されている。第2振分パターンテーブルは、第1振分パターンテーブルの場合と同じく、ラウンド遊技を序盤(1回目から6回目までの開放)の第1遊技区間と、中盤(7回目から13回目までの開放)の第2遊技区間と、終盤(14回目から19回目までの開放)の第3遊技区間との3つの遊技区間に区分けした上で、遊技区間毎に第2振分部材310の動作態様を規定したものとなっている。
第1遊技区間(1回目〜6回目)の各開放においては、第2振分部材310の動作態様が動作パターンSAに設定されている。動作パターンSAは、開閉役物168の開放開始から期間TS1(0.5sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TS2(0.1sec)後に非振分状態に変位し、その後、非振分状態が開閉役物168の閉鎖まで維持されるものとなっている。
また、第2遊技区間(7回目〜13回目)及び第3遊技区間(14回目〜19回目)の各開放においては、第2振分部材310の動作態様が動作パターンSBに設定されている。動作パターンSBは、開閉役物168の開放開始から期間TS3(0.5sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TS4(0.3sec)後に非振分状態に変位し、その後、非振分状態が開閉役物168の閉鎖まで維持されるものとなっている。
すなわち、第2遊技区間及び第3遊技区間では、第2振分部材310が振分状態とされる期間が第1遊技区間よりも長くなっている。このため、第1遊技区間にて役物装置150に遊技球が入賞するよりも、第2遊技区間及び第3遊技区間にて入賞する方が、入賞球が入口用案内部215側に振り分けられ易いものとなる。
ここで、本実施の形態では、第2振分部材310が振分状態とされる期間は、シャッタ221が閉鎖状態(ワープ用入口部214を閉鎖した状態)となるように、シャッタ221の動作態様が設定されている。このため、第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、ワープ通路210を通過することができず、そのまま役物装置150に貯留される。したがって、第2振分部材310の動作態様が上記のように設定されていることで、役物装置150に入賞した遊技球は、その入賞に係る開放番目が7回目〜13回目(第2遊技区間)及び14回目〜19回目(第3遊技区間)である場合に、役物装置150内に貯留され易いものとなる。
次に、第1振分部材300及び第2振分部材310の組み合わせによる振分特性について説明する。図34(c)に示すように、第1遊技区間(1回目〜6回目の開放)においては、第1振分部材300の動作態様が動作パターンSAに設定され、第2振分部材310の動作態様が動作パターンMAに設定される。このため、第1遊技区間にて役物装置150に入賞した遊技球は、役物装置150内に貯留されにくく且つ回転体201に到達し易いものとなる。
第2遊技区間(7回目〜13回目の開放)においては、第1振分部材300の動作態様が動作パターンSBに設定され、第2振分部材310の動作態様が動作パターンMBに設定される。このため、第2遊技区間にて役物装置150に入賞した遊技球は、役物装置150内に貯留され易く且つ回転体201に到達しにくいものとなる。
第3遊技区間(14回目〜19回目の開放)においては、第1振分部材300の動作態様が動作パターンSAに設定され、第2振分部材310の動作態様が動作パターンMAに設定される。このため、第3遊技区間にて役物装置150に入賞した遊技球は、役物装置150内に貯留され易く、貯留されなかった場合は回転体201に到達し易いものとなる。
上記第1振分部材300及び第2振分部材310の動作態様は、開閉役物168の開閉パターンの場合とは異なり、全ラウンド(2ラウンド目〜16ラウンド目)で共通のものとなっている。すなわち、各振分部材300,310の動作態様は各ラウンドにおいて一義的に定められている。
各開放用の設定処理(図33)の説明に戻り、ステップS1905にて振分パターンテーブルを参照した後は、ステップS1906にて、上記ステップS1902で把握した開放番目に対応する動作パターンを各振分部材300,310について設定する。具体的には、第1振分部材300については、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1振分用カウンタに期間TM1(0.5sec)に相当する値を設定する。また、第2振分部材310については、同エリア114dに設けられた第2振分用カウンタに期間TS1(0.5sec)に相当する値を設定する。第1振分用カウンタ及び第2振分用カウンタは、タイマ割込み処理(図14)が実行される度に更新(1ディクリメント)されるため、これらの各カウンタが所定値(例えば「0」)となることで、各振分部材300,310の変位タイミングを把握することが可能になる。
一方、ステップS1901の判定処理で継続フラグが格納されていると判定した場合は、ステップS1907に進み、今回のラウンドの開閉パターンをP1に設定する。すなわち、16R継続モードの場合には、全てのラウンド(RC1)で、全ての開放回数(RC2)において、最も長い開放時間となるパターンの開閉パターンが設定される。そのため、16R継続モードでは、各ラウンドにおいて最大入賞個数の入賞が発生し易くなっている。なお、本実施の形態では、16R継続モードの開閉実行モードでは、V入賞しなくても(継続条件を満たさなくても)次のラウンドに継続する。
続くステップS1908では、各振分部材300,310の動作態様(振分パターン)を設定する。16R継続モードである場合の振分パターンは、第1開閉実行モードの場合と同様に、各開放の開始から終了までの全体(換言すれば、ラウンド遊技の開始から終了までの全体)を通して各振分部材300,310が非振分状態に維持されるように、それらの動作態様を設定する。
ステップS1906の処理を実行した後、又はステップS1908の処理を実行した後は、本設定処理を終了する。
開閉処理(図29)の説明に戻り、ステップS1705にて各開放用の設定処理を実行した後は、ステップS1706にて、開放処理を実行する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動制御を開始して、開閉役物168を開放状態とする。そして、ステップS1707にて開放コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。この開放コマンドには、16R継続モードか否かの情報のほか、何ラウンド目の開放であるか(第1ラウンドカウンタRC1の情報)と、一のラウンドにおいて何回目の開放であるか(第2ラウンドカウンタRC2の情報)と、開閉パターンA〜Dの情報と、が含まれる。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、開閉パターンや役物装置150への入賞率等を報知する演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、上記ステップS1702でラウンドフラグが格納されており、ラウンド遊技中であると判定した場合は、ステップS1708に進み、開閉役物168を開放中であるか否かを判定する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。開閉役物168を開閉中である場合には、ステップS1709にて開放中用処理を実行し、その後、本開閉処理を終了する。
ここで、開放中用処理について図35のフローチャートを参照しながら説明する。
開放中処理では、先ずステップS2101にて、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。本ステップの処理は、開閉役物168の1回当たりの開放時間、すなわち、開閉役物168の開放を開始してからの経過時間が開閉パターンテーブル(図32)を参照して設定した開放時間(上限開放時間)に達したか否かを判定する処理となる。
タイマカウンタTの値が「0」ではなく、開閉役物168の開放時間が上限開放時間に達していない場合は、ステップS2102に進み、役物装置150に遊技球が入賞したか否かを、入口センサ179の検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS2103にて入賞カウンタPCの値を「1」減算した後に、ステップS2104にて、残存球カウンタRPCを1インクリメントする処理を実行する。ステップS2104の実行後は、ステップS2105にて、入賞カウンタPCが「0」であるか否かを判定する。「0」ではなく、一のラウンドの最大入賞個数(上限入賞個数)に達していない場合には、そのまま、本開閉処理を終了する。
一方、入賞カウンタPCが「0」であり、役物装置150への遊技球の入賞個数が一のラウンドの最大入賞個数に達している場合には、ステップS2106に進む。ステップS2106では、今回のラウンド遊技を終了すべく、第2ラウンドカウンタRC2を「0」にクリアする処理を実行する。
また、上記ステップS2101でタイマカウンタTの値が「0」である場合、すなわち、開閉役物168の開放時間が上限開放時間に達している場合は、ステップS2107に進み、第2ラウンドカウンタRC2を「1」減算する処理を実行する。
ステップS2106又はステップS2107の実行後は、ステップS2108にて閉鎖処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了して、開閉役物168を閉鎖状態とする。続くステップS2109では、第2ラウンドカウンタRC2が「0」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタRC2が「0」でない場合は、今回のラウンド遊技において残り開放があることを意味するところ、この場合は、ステップS2110に進み、各開放間の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)の設定処理を実行する。この処理では、第2ラウンドカウンタRC2の値と、上記の開閉パターンテーブル(図32)と、を参照することで、今回の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)を把握し、その時間に対応する数値をタイマカウンタTに入力する。
一方、ステップS2109で第2ラウンドカウンタRC2が「0」であり、残り開放がない場合は、ステップS2111に進み、終了時待機時間の設定処理を実行する。終了時待機時間は、ラウンド遊技における最終開閉が終了した後、ラウンド遊技の終了を待機するためのものである。つまり、本実施の形態では、終了時待機時間の経過時がラウンド遊技の終了時となっている。終了時待機時間は、第1開閉実行モードに係る終了時待機時間(図25のステップS1309)と同様、役物装置150に入賞した遊技球が役物装置150から排出されるまでの期間を加味して設定される。すなわち、役物装置150に入賞した遊技球が左側の誘導通路183及び回転体201を経てV入賞センサ192に到達するまでの期間(約3sec)よりも長い所定期間(本実施の形態では一律に3.5sec)に設定される。このため、ラウンド遊技の終了時には、役物装置150内に貯留されている遊技球を除き、役物装置150に入賞した遊技球の全てが役物装置150から排出されていることになる。
ステップS2111では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた終了時待機時間カウンタに3.5secに対応する値を入力する処理を実行する。終了時待機時間カウンタはタイマ割込み処理(図14)が実行される度に更新(1ディクリメント)されるため、当該カウンタが所定値(例えば「0」)となることで、終了時待機時間が経過したことを把握することが可能となる。
続くステップS2112では、シャッタ221の動作態様を設定するためのシャッタ設定処理を実行する。本処理では、ラウンド遊技の終了タイミングから期間TT1(0sec)の経過後にシャッタ221が閉鎖状態から開放状態に変位し、その変位から期間TT2(0.3sec)が経過したタイミングで閉鎖状態に復帰するように、シャッタ221の動作態様を設定する。なお、本実施の形態では、上記期間TT1が0secに設定されることから、シャッタ221はラウンド遊技の終了タイミングにて開放状態に変位することとなる。また、上記開放状態の維持期間(期間TT2)を除けば、シャッタ221は第2開閉実行モードの実行中において閉鎖状態を維持するように設定される。
ステップS2112では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたシャッタ用カウンタに上記期間TT1に相当する値を設定する。シャッタ用カウンタは、タイマ割込み処理(図14)が実行される度に更新(1ディクリメント)されるため、シャッタ用カウンタが所定値(例えば「0」)となることで、シャッタ221の変位タイミングを把握することが可能になる。
ステップS2110又はステップS2112の実行後は、ステップS2113にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンドの終了に対応するものなのか、一のラウンド中の各開閉用に対応するものなのか、の情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、上記各情報に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
開閉処理(図29)の説明に戻り、ステップS1708で開閉役物168が開放中でない、すなわち、開閉役物168が閉鎖中であると判定した場合は、ステップS1710に進み、タイマカウンタTの値が「0」であるか否かを判定する。本ステップの処理は、上記ステップS2110(図35)で設定した各開放間の閉鎖時間、又は、上記ステップS2111で設定した終了時待機時間が経過したか否かを判定する処理となる。
タイマカウンタTの値が「0」でない場合は本開閉処理を終了する一方、「0」である場合は、ステップS1711にて第2ラウンドカウンタRC2が「0」であるか否かを判定する。第2ラウンドカウンタRC2が「0」でない場合は、上記各開放間の閉鎖時間が経過したことを意味し、この場合は、今回のラウンド遊技における残り開放を実行すべく、ステップS1705以降の処理を実行する。一方、第2ラウンドカウンタRC2が「0」である場合は、上記終了時待機時間が経過したこと、換言すれば、ラウンド遊技の終了タイミングであることを意味し、この場合は、ステップS1712に進んでラウンド更新処理を実行する。その後、本開閉処理を終了する。
ここで、ラウンド更新処理について図36のフローチャートを参照しながら説明する。
ラウンド更新処理では、先ずステップS2201にて、第1ラウンドカウンタRC1の値が「1」であるか否かを判定する。ラウンド更新処理はラウンド終了タイミングにて実行される処理であるところ、ステップS2201では、今回のラウンド終了タイミングが第2開閉実行モードにおける最終ラウンドのものであるか否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「1」ではなく、最終ラウンド以外のラウンド遊技の終了タイミングに該当する場合は、ステップS2202に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグが格納されているか否かを判定する。この処理は、上記ステップS1801の処理と同様である。継続フラグが格納されていない場合、すなわち、第2開閉実行モードの実行態様が継続変動モードである場合は、ステップS2203にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、ステップS2203では、次のラウンド遊技への継続条件が成立しているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されており、上記継続条件が成立している場合は、ステップS2204に進み、各種フラグ格納エリア114eに格納されたV入賞フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS2202にて肯定判定した場合(第2開閉実行モードの実行態様が16R継続モードである場合)又はステップS2204の処理を実行した後は、ステップS2205にて、第1ラウンドカウンタRC1を「1」減算してラウンド数を更新する。続くステップS2206では、各ラウンド間の閉鎖時間(ラウンドインターバルの期間)の設定処理を実行する。この処理では、予め定められた所定の時間(例えば1.5sec)に対応する数値をタイマカウンタTに入力する。ここで設定された各ラウンド間の閉鎖時間については、次回以降の通常処理(開閉処理)において上記ステップS1703(図29)の判定処理を実行することで、その経過タイミングを把握することができる。
ステップS2206の実行後は、ステップS2207にてラウンド更新コマンドを設定する。この設定されたラウンド更新コマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。このラウンド更新コマンドには、上記ステップS2206にて設定した各ラウンド間の閉鎖時間や、次回のラウンド遊技のラウンド数(何番目のラウンド遊技であるか)などの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したラウンド更新コマンドに基づいて、ラウンド遊技の終了や次回ラウンドの開始に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
一方、上記ステップS2201で第1ラウンドカウンタRC1の値が「1」である場合(最終ラウンドの終了タイミングである場合)、又は、上記ステップS2203でV入賞フラグが格納されていない場合(継続条件が未成立の場合)は、ステップS2208に進む。ステップS2208では、第2開閉実行モードを終了すべく、第1ラウンドカウンタRC1の値を「0」にクリアする処理を実行する。続くステップS2209では、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用の待機時間を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図14)が実行される度に「1」減算される。
その後、ステップS2210にて、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図19)におけるステップS603にて、演出制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、上記ステップS2209にて設定したエンディング用の待機時間の情報や、第2開閉実行モードの種類、ラウンド遊技の継続回数などの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
ステップS2207の実行後又はステップS2210の実行後は、ステップS2211に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されたラウンドフラグをクリアする処理を実行し、その後、本ラウンド更新処理を終了する。
遊技状態移行処理(図28)の説明に戻り、ステップS1613の開閉処理を実行した後は、ステップS1614にて役物内動作部用処理を実行する。本ステップの処理は、図26の役物内動作部用処理と同様であるため、同図を援用して説明する。
ステップS1614の役物用動作部用処理では、先ずステップS1401にて、第1振分部材300の変位タイミングであるか否かを判定する。この判定は、上記ステップS1906(図33)にて設定した第1振分用カウンタの値を参照することで行うことができる。そして、第1振分用カウンタが所定値(例えば「0」)である場合、すなわち、変位タイミングである場合には、ステップS1402にて、第1振分制御処理を実行する。
この処理では、第1振分駆動部300aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、第1振分駆動部300aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、第1振分部材300を振分状態から非振分状態に変位させる。また、第1振分駆動部300aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、第1振分部材300を非振分状態から振分状態に変位させる。振分状態に設定した場合には、振分状態の維持期間TM2(0.5sec又は0.1sec)に対応する値を第1振分用カウンタに入力する。
ステップS1401にて第1振分部材300の変位タイミングではない場合、又はステップS1402の処理を実行した後は、ステップS1403に進む。ステップS1403では、第2振分部材310の変位タイミングであるか否かを判定する。この判定は、上記ステップS1906にて設定した第2振分用カウンタの値を参照することで行うことができる。そして、変位タイミングである場合には、ステップS1404にて、第2振分制御処理を実行する。この処理では、第2振分駆動部310aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、第2振分駆動部310aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、第2振分部材310を振分状態から非振分状態に変位させる。また、第2振分駆動部310aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、第2振分部材310を非振分状態から振分状態に変位させる。振分状態に設定した場合には、振分状態の維持期間TS2(0.3sec又は0.1sec)に対応する値を第2振分用カウンタに入力する。
ステップS1403にて第2振分部材310の変位タイミングではない場合、又はステップS1404の処理を実行した後は、ステップS1405に進む。ステップS1405では、シャッタ221の変位タイミングであるか否かを判定する。この判定は、上記ステップS2112(図35)にて設定したシャッタ用カウンタの値を参照することで行うことができる。そして、変位タイミングである場合には、ステップS1406にて、シャッタ制御処理を実行する。この処理では、シャッタ用駆動部221aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、シャッタ用駆動部221aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、シャッタ221を開放状態から閉鎖状態に変位させる。また、シャッタ用駆動部221aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、シャッタ221を閉鎖状態から開放状態に変位させる。開放状態に設定した場合には、開放状態の維持期間TT2(0.3sec)に対応する値をシャッタ用カウンタに入力する。
ステップS1405にてシャッタ221の変位タイミングではない場合、又はステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1407にて回転体制御処理を実行する。ステップS1407の処理では、上記ステップS1609の回転体用設定処理(図28)にて設定した設定内容に従って回転体201を駆動制御すべく、回転体用駆動部194の駆動状態を制御する。ステップS1407の実行後は、本役物内動作部用処理を終了する。
遊技状態移行処理(図28)の説明に戻り、ステップS1614の役物内動作部用処理を実行した後は、ステップS1615にて、V入賞の有無や役物装置150からの遊技球の排出を把握するための役物内通過用処理を実行する。
ここで、役物内通過用処理について図37のフローチャートを参照して説明する。
役物内通過用処理では、先ずステップS2301にて、V入賞センサ192によって遊技球の通過(V入賞の発生)が検知されている否かを判定する。V入賞の発生が検知されている場合は、ステップS2302にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する。続くステップS2303にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた残存球カウンタRPCを1ディクリメントする処理を実行する。すなわち、ステップS2303でV入賞の発生が検知されている場合は、V入賞発生の他、役物装置150から遊技球が排出されたことを意味するため、残存球カウンタRPCを減数することで役物装置150内の遊技球の個数を更新する。ステップS2303の実行後は、本役物内通過用処理を終了する。
一方、ステップS2301でV入賞の発生が検知されていない場合は、ステップS2304にて、外れ用センサ193によって遊技球の通過(外れ)が検知されているか否かを判定する。外れが検知されている場合は、上記ステップS2303に進み、残存球カウンタRPCを1ディクリメントする処理を実行する。すなわち、外れが検知された場合についても、当該遊技球に対する外れが確定する他、役物装置150から遊技球が排出されたことを意味するため、残存球カウンタRPCを減数することで役物装置150内の遊技球の個数を更新する。これに対し、ステップS2304で外れが検知されていない場合、すなわち、V入賞及び外れのいずれも特定できていない場合は、残存球カウンタRPCを更新することなく本役物内通過用処理を終了する。
遊技状態移行処理(図28)の説明に戻り、ステップS1615の処理を実行した後は、ステップS1616にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1617にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1618にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。この処理では、開閉実行モード後の遊技状態を通常時の遊技状態(通常遊技状態)に戻すための処理を行う。例えば、役物装置150内の各振分部材300,310やシャッタ221、回転体201を初期位置に配置させる。
なお、通常遊技状態として、第2作動口39に設けられた電動役物39aの開閉態様が変化する(例えば、他の状態よりも第2作動口39へ入賞し易い開閉態様となる)遊技状態や、作動口38,39への入賞時の遊技結果の種類や確率が変化する(例えば、直当たり結果となる確率が変化する)遊技状態など、を備える場合には、上記開閉実行モード終了時の移行処理においてそれらの遊技状態に設定する構成とするとよい。
ステップS1618の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1619にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モード中に使用した継続フラグ等を消去する。また、ステップS1619では、上記ステップS1611にて出力した大当たり信号を停止するなどして、一の開閉実行モードが終了したことの情報を外部出力する。これにより、遊技場のホールコンピュータ(管理制御装置)にて、一の開閉実行モードの開始と終了とを把握することができる。
次に、通常処理(図19)におけるステップS607の残存球判定処理について、図38のフローチャートを参照して説明する。
残存球判定処理では、先ずステップS2401にて第1開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。
第1開閉実行モードフラグが格納されており、第1開閉実行モード中である場合は、ステップS2402にて、上記ステップS1309(図25)で設定した終了時待機時間が経過しているか否かを判定する。具体的には、終了時待機時間カウンタの値が所定値(例えば「0」)となっているか否かを判定する。
終了時待機時間が経過していない場合は本残球判定処理を終了する一方、終了時待機時間が経過している場合は、ステップS2403にて、残存球カウンタRPCの値が「0」であるか否かを判定する。残存球カウンタRPCの値が「0」でなく、役物装置150への入賞個数と役物装置150からの排出個数とが一致しない場合は、ステップS2404に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに残存球フラグを格納する。残存球フラグは、役物装置150内に遊技球が残存していることを示すフラグである。こうして残存球フラグを格納した場合は、タイマ割込み処理におけるステップS107の異常監視処理(図17)にて遊技球が残存していることを把握し、通常処理におけるステップS601の遊技停止判定処理(図20)を経て遊技停止状態に移行する。
これに対し、ステップS2403にて残存球カウンタRPCの値が「0」であると判定した場合は、役物装置150内に遊技球が残存していないとして、そのまま本残存球判定処理を終了する。
一方、上記ステップS2401で第1開閉実行モード中でないと判定した場合は、ステップS2405に進み、第2開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。
第2開閉実行モードフラグが格納されており、第2開閉実行モード中である場合は、ステップS2405にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合は、ステップS2407に進み、エンディングが終了しているか否か(エンディング用の待機時間が経過したか否か)を判定する。エンディングが終了している場合、すなわち、第2開閉実行モードの終了タイミングである場合は、上記ステップS2403に進み、残存球カウンタRPCの値が「0」であるか否かを判定して残存球判定を実行する。なお、ステップS2405〜S2407のいずれかにて否定判定した場合は、本残存球判定処理を終了する。
<遊技の流れについて>
次に、第2開閉実行モードにおける遊技の流れについて、図39のタイミングチャートを中心に参照しながら説明する。ここでは、第2開閉実行モードの実行態様が継続変動モードであるとして説明を進める。なお、図39において角括弧書きの数字は一のラウンド遊技における開閉役物168の開放回数を示している。例えば、2ラウンド目のラウンド遊技における[1]は、当該ラウンド遊技での1回目の開放を意味している。
タイミングt1において2ラウンド目のラウンド遊技(第2開閉実行モードにおける初回ラウンドのラウンド遊技)が開始されると、開閉役物168の1回目の開放が開始される(図39(a),(b))。2ラウンド目のラウンド遊技は、開閉パターンAにて開閉役物168の開閉態様が制御されるため(図31参照)、開閉役物168の開放状態は、タイミングt1から1.5sec(図32(a)参照)が経過したタイミングt3まで維持される。タイミングt3では、開閉役物168が閉鎖状態に切り替えられ、その状態が0.5sec後のタイミングt4まで維持される。
また、開閉役物168の1回目の開放が開始された場合は、当該開始タイミング(タイミングt1)を基準として第2振分部材310の動作態様が制御される(図39(d))。1回〜6回目の開放(第1遊技区間)においては、第2振分部材310の動作パターンが動作パターンSAに設定されるため(図34(b)参照)、タイミングt1から0.5secが経過したタイミングt2にて第2振分部材310が非振分状態(遊技球を球振分け部185側に振り分ける状態)から振分状態(遊技球を入口用案内部215側に振り分ける状態)に切り替えられる。第2振分部材310の動作パターンが動作パターンSAである場合、当該振分状態は0.3sec間に亘って維持される。なお、第1振分部材300についても開閉役物168の開放開始タイミングを基準として動作態様が制御されるが、これについては便宜上図示を省略している。
その後、例えば、2回目開放の途中タイミングであるタイミングt5において、第2振分部材310が振分状態に切り替えられている状況下で、役物装置150に遊技球が入賞する(厳密には、入賞した遊技球が第2振分部材310に到達する)と、当該遊技球が第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられる(図39(c),(d))。この際、ワープ用入口部214の手前に配置されたシャッタ221は、当該ワープ用入口部214を閉鎖する閉鎖状態となっている(図39(e))。このため、第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、ワープ用入口部214に到達することなく、役物装置150内に貯留される。
その後、第2振分部材310によって球振分け部185側に振り分けられ、左側の誘導通路183を通じて回転体201に向かった他の入賞球が、例えば、5回目開放の途中タイミングであるタイミングt6において、回転体201によりV入賞口案内部204に振り分けられてV入賞口182aを通過すると、それがV入賞センサ192によって検知され、V入賞フラグがオン状態(RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された状態)となる(図39(g))。これにより、ラウンド継続条件が成立し、3ラウンド目のラウンド遊技(次回のラウンド遊技)の実施が確定する。
14回目開放の途中タイミングであるタイミングt7において、第2振分部材310が振分状態に切り替えられている中で、役物装置150に遊技球が入賞すると、当該遊技球が第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられる。但し、既に遊技球が貯留されているため、入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、貯留された遊技球によって跳ね返され、誘導通路183側に振り分けられる。このように、たとえタイミングよく複数個の遊技球が入口用案内部215側に振り分けられても、貯留される遊技球の数は1個に制限される。
その後のタイミングt8において、役物装置150への遊技球の入賞個数が1ラウンド当たりの上限入賞個数である9個に達すると、2ラウンド目のラウンド遊技における開閉役物168の開放が終了し、開閉役物168が閉鎖状態に切り替えられる。その後、開閉役物168を閉鎖状態としたままラウンド遊技の終了が待機され、その状態が開閉役物168の閉鎖タイミング(タイミングt7)から終了時待機時間(3.5sec)が経過するタイミングt9まで維持される。
既に説明したように、終了時待機時間は、役物装置150に入賞した遊技球が役物装置150から排出されるまでの期間を加味して設定されている。このため、ワープ用入口部214の手前で貯留されている遊技球を除き、役物装置150に入賞した遊技球の全てが排出された状態で2ラウンド目のラウンド遊技が終了する。よって、ラウンド遊技において最後の入賞球がV入賞口182a又は外れ口182bのいずれかを通過する前(最後の入賞球に対する結果が確定する前)に、ラウンド遊技が終了することが回避される。このため、役物装置150への遊技球の入賞個数が1ラウンド当たりの上限入賞個数に達した時点で、V入賞が未発生で継続条件(3ラウンド目のラウンド遊技を実施する条件)が成立していない状態であっても、最後の入賞球がV入賞を通過することで継続条件を成立させることができる。故に、最後の入賞球が排出されるまで、継続条件の成立を期待することが可能となる。
なお、終了時待機時間が経過した後に遊技球がV入賞センサ192を通過した場合は、V入賞として扱われず、継続条件が成立しない。つまり、終了時待機時間が経過する前に遊技球がV入賞センサ192を通過した場合に限ってV入賞が発生する。そのような意味では、終了時待機時間はV入賞の有効期間ということもできる。
タイミングt9において2ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、開閉役物168を閉鎖状態とした状態で、3ラウンド目のラウンド遊技の開始が待機される。この状態は、タイミングt9からラウンド間の待機時間(1.5sec)が経過するまで維持される。
また、タイミングt9では、ワープ用入口部214の手前に配置されたシャッタ221が、ワープ用入口部214を閉鎖する閉鎖状態から当該ワープ用入口部214を開放する開放状態に切り替えられる(図39(e))。これにより、入口用案内部215において役物装置150内に貯留されていた遊技球が、ワープ用入口部214に進み、ワープ通路210に進入する。ワープ通路210に進入した遊技球は、螺旋通路213を下った後、ワープ用出口部216及び出口用案内部217を通じてV誘導通路260に誘導され、V入賞通路191a(V入賞センサ192)に導かれる。
既に説明したように、ワープ用入口部214の手前位置で貯留されていた遊技球がワープ通路210を通ってV入賞センサ192に到達するまでの期間は、約2secとなっている。このため、タイミングt9で貯留が解除された遊技球は、2ラウンド目と3ラウンド目との間に設けられた待機期間(1.5sec)が経過した後に、V入賞センサ192に到達する。
上記待機期間が経過したタイミングt10では、3ラウンド目のラウンド遊技が開始され、開閉役物168の1回目の開放が開始される(図39(a),(b))。3ラウンド目のラウンド遊技は、開閉パターンBにて開閉役物168の開閉態様が制御されるため(図31参照)、開閉役物168の開放状態は、タイミングt3から1.5sec(図32(b)参照)が経過するまで継続される。
タイミングt10から約0.5sec遅れたタイミングt11では、ワープ通路210を流下した遊技球がV入賞センサ192に到達する。この遊技球は、先に述べたように、2ラウンド目のラウンド遊技において役物装置150内に貯留され、そのラウンド遊技の終了時に貯留が解除された遊技球である。つまり、2ラウンド目のラウンド遊技で貯留された遊技球は、3ラウンド目のラウンド遊技の開始後で且つ3ラウンド目のラウンド遊技の終了前であるタイミングで、V入賞センサ192を通過する。これにより、3ラウンド目のラウンド遊技においてV入賞フラグがオン状態となり、4ラウンド目のラウンド遊技の実施が確定する(図39(g))。
このように、本実施の形態では、2ラウンド目のラウンド遊技で役物装置150内に貯留された遊技球が、役物装置150から排出されることなくラウンド遊技を跨ぎ、3ラウンド目のラウンド遊技においてV入賞センサ192を通過(V入賞)する。つまり、2ラウンド目のラウンド遊技で役物装置150に入賞した遊技球が、その次のラウンド遊技である3ラウンド目のラウンド遊技だけでなく、その次々回のラウンド遊技である4ラウンド目のラウンド遊技の実施にも影響するものとなっている。このため、遊技者は、2ラウンド目のラウンド遊技を遊技している際に、4ラウンド目のラウンド遊技の実施を目指して遊技できるものとなっている。
ちなみに、2ラウンド目のラウンド遊技で貯留が発生しなかった場合は、たとえ貯留が解除されたとしても貯留球による上記V入賞は発生しない。この場合、3ラウンド目のラウンド遊技において、回転体201による振り分けを経てV入賞させれば、4ラウンド目のラウンド遊技が実施される。
ここで、4ラウンド目のラウンド遊技を実施するための方法に着目すると、2ラウンド目のラウンド遊技において遊技球を貯留させることと、3ラウンド目のラウンド遊技において回転体201のルートによりV入賞を発生させることとの2つが存在する。つまり、4ラウンド目の実施権利を獲得する機会を、3ラウンド目だけでなく、2ラウンド目にも付与することができる。これにより、4ラウンド目の実施を目指して遊技できる期間を、2ラウンド目及び3ラウンド目の複数ラウンドに亘って提供でき、ラウンド継続に対する期待感を長く持続させることが可能になる。
また、仮に2ラウンド目のラウンド遊技で入賞球を貯留できなくても、3ラウンド目で入賞した遊技球が当該ラウンドでV通過すれば、4ラウンド目の実施を達成することができるため、3ラウンド目を再挑戦ラウンドとして位置付けることができる。これにより、4ラウンド目が実施されやすい印象を与えることができ、遊技意欲を喚起することが可能になる。
その際、本実施の形態では、貯留された遊技球がワープ通路210を通って必ずV入賞センサ192に至る構成となっているため、貯留を成し遂げることができれば、回転体201を経るよりもV入賞の確率が格段に高まる。このため、遊技球が貯留されることを期待する期待感を強く喚起できるばかりか、遊技球が貯留された場合に、遊技者が安心して遊技を進めることが可能になる。加えて、必要となる遊技球の貯留数を少なく抑えることもでき、結果的に、役物装置150内における貯留領域の小サイズ化に寄与する。役物装置150内では、遊技球の流下経路となる誘導通路183や、遊技球を振り分けるための回転体201等の遊技部品が多数搭載されており、貯留領域の確保にあたってはそれらとの両立が強いられる。このため、貯留領域が小サイズ化されることで、役物設計を容易化することが可能となる。
一方で、第2振分部材310が振分状態となる期間は、非振分状態となる期間よりも短くなっており、役物装置150への入賞球が第2振分部材310により入口用案内部215側に振り分けられる確率は、球振分け部185側に振り分けられる確率よりも低くなっている。これにより、遊技者にとって過度に有利となることが抑制されている。
本実施の形態では、V入賞が発生しても、開閉役物168の開放回数が上限開放回数に達するか、役物装置150への遊技球の総入賞個数が上限個数に達するまでは、ラウンド遊技が継続される。このような構成となっていることで、貯留解除された遊技球がラウンド遊技の早期にV入賞する構成でありながらも、上限個数までの入賞を目指して遊技することが可能になる。そればかりか、新たな貯留を目指して遊技する期間を適正に確保することもできる。
しかも、本実施の形態では、3ラウンド目のラウンド遊技の開始前に貯留が解除され、当該ラウンド遊技の開始時点では、役物装置150内における遊技球の貯留領域(入口用案内部215)が空いた状態となっている。このため、ラウンド遊技の当初から新たな貯留の発生を見込めるものとなる。例えば、ラウンド遊技の途中で貯留が解除される構成では、その残り時間で貯留の発生を目指すものにならざるを得ないが、本実施の形態によれば、ラウンド遊技の全体を使って貯留の発生を目指すことが可能になる。
なお、第2振分部材310とシャッタ221との離間距離を遊技球の直径の2倍以上とし、複数個の遊技球を貯留し得る構成とすることも考えられる。この場合、貯留数が上限数未満であれば、貯留を解除せずとも新たに遊技球を貯留できるため、ラウンド遊技の途中で貯留を解除する構成としても、ラウンド遊技の当初から新たな貯留の発生を見込むことが可能になる。但し、貯留領域の拡大化による役物設計の困難化を招くことに加え、貯留を解除した場合に、新たな貯留球まで一緒に解除されないようにする工夫が必要になる。これらを踏まえると、本実施の形態の構成とすることが好ましい。
また、2ラウンド目で貯留された遊技球の貯留解除は、3ラウンド目において第2振分部材310が最初に振分状態に切り替えられる前に実行される。この場合、貯留領域に空きを確保してから、入口用案内部215側に遊技球を振り分けることができる。これにより、役物装置150に入賞した遊技球をせっかく入口用案内部215側に向かわせることができたにもかかわらず、既に貯留されている遊技球によって貯留が阻害される不都合を抑制することが可能になる。
さらに、貯留された遊技球の貯留解除は、開閉役物168が開放状態とされている状況下では行われず、閉鎖状態とされている状況で行われる構成となっている。役物装置150に遊技球が入賞し易い開放状態では、遊技球が入賞するか否かに遊技者の意識が集中し易い。このため、開放状態されている状況下で貯留を解除すると、貯留の解除を遊技者が見逃すおそれがある。この点、本実施の形態によれば、役物装置150への入賞が生じにくい閉鎖状態とされている状況下で貯留を解除するため、遊技者の見逃しを抑制することができる。
上記の後、例えば、3回目開放の途中タイミングであるタイミングt12において、第2振分部材310が振分状態に切り替えられている状況下で、役物装置150に遊技球が入賞すると、当該遊技球が第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられる(図39(c),(d))。この際、ワープ用入口部214の手前に配置されたシャッタ221は、当該ワープ用入口部214を閉鎖する閉鎖状態となっている(図39(e))。このため、第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、ワープ用入口部214に到達することなく、役物装置150内で貯留されることになる。
そして、タイミングt13において3ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、シャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ(図39(e))、貯留が解除される。貯留が解除された遊技球は、4ラウンド目のラウンド遊技の開始タイミング(タイミングt14)から若干遅れたタイミングt15においてV入賞センサ192に到達する。これにより、4ラウンド目のラウンド遊技においてV入賞フラグがオン状態となり、5ラウンド目のラウンド遊技の実施が確定する(図39(g))。
<各ラウンド遊技の遊技性について>
次に、第2開閉実行モードにおける各ラウンド遊技の遊技性について図40を参照しながら説明する。図40は、各ラウンド遊技の遊技性を示す説明図である。
2ラウンド目のラウンド遊技における役物装置150への入賞特性は、1回目から13回目までの各開放にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性A(図32(e)参照)になっている。一方、1回目から13回目までの各開放における第1振分部材300及び第2振分部材310の振分特性は、前半の1回目から6回目までが、入賞球が回転体201に到達し易い振分特性A(図34(c)参照)になっており、後半の7回目から13回目までが、入賞球が役物装置150内に貯留され易い振分特性Bになっている。このため、2ラウンド目のラウンド遊技では、回転体201を経由するV入賞(自力継続)と、入賞球の貯留との両方を期待し易くなっている。
2ラウンド目のラウンド遊技は、第2開閉実行モードにおける初回のラウンド遊技であることから、貯留球による、それよりも前のラウンド遊技からの入賞球の持ち越しがない。このため、3ラウンド目のラウンド遊技を実施するためには、2ラウンド目のラウンド遊技において、回転体201を経由してV入賞させる必要が生じる。そこで、上記のような遊技性とすることで、上記V入賞を発生し易くし、3ラウンド目の実施難易度が過度に高くなることを抑制している。
ところで、ラウンド遊技は、役物装置150への遊技球の入賞個数が上限個数(9個)に達すると終了する構成となっている。このため、第2遊技区間の途中でラウンド遊技が終了することがあり得る。この場合において、役物装置150内に貯留され易い状態が、入賞球が回転体201に到達し易い状態よりも先に発生する構成であると、後者の状態に切り替わる前又は切り替わって早期にラウンド遊技が終了し、自力継続(3ラウンド目を実施するためのV入賞)の機会が満足に提供されないおそれがある。その結果、2ラウンド目においてせっかく遊技球を貯留させて4ラウンド目の実施権利を獲得しているにかかわらず、3ラウンド目が実施されず、上記貯留も無に帰すという残念な結果となりやすくなる。
この点、本実施の形態では、2ラウンド目において、入賞球が回転体201に到達し易い状態が、役物装置150内に貯留され易い状態よりも先に発生する構成となっている。このような構成となっていることで、自力継続の機会が好適に確保され、3ラウンド目が実施され易くなっている。これにより、3ラウンド目の実施を確定させた上で、さらに4ラウンド目の実施権利の獲得も目指すという遊技性を提供し易くなる。
3ラウンド目のラウンド遊技における役物装置150への入賞特性は、7回目から13回目までの各開放にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性B(図32(e)参照)になっている。一方、7回目から13回目までの各開放における第1振分部材300及び第2振分部材310の振分特性は、2ラウンド目の場合と同様、入賞球が役物装置150内に貯留され易い振分特性Bになっている。このため、3ラウンド目のラウンド遊技では、役物装置150内に入賞球を貯留させる遊技に重みを置いた遊技性となっている。
この場合、2ラウンド目で入賞球を貯留させることができていれば、3ラウンド目でその貯留球がV入賞して4ラウンド目の実施が確定し、さらに3ラウンド目で入賞球を貯留させることができれば、5ラウンド目の実施権利を獲得できる。一方、2ラウンド目で入賞球を貯留できていない場合は、3ラウンド目で入賞球を貯留させても、4ラウンド目が実施されない可能性があるため、必ずしも5ラウンド目が実施されるとは限らない。このように、役物装置150内に入賞球を貯留させる遊技に重みを置いたラウンド遊技では、その前のラウンドの遊技結果(貯留できたか否か)が大きく影響するものとなる。
なお、3ラウンド目における1回目〜6回目及び14回目〜19回目の各開放では、役物装置150への入賞が不可能なわけではない。このため、2ラウンド目よりは困難であるものの、3ラウンド目のラウンド遊技において、回転体201を経由してV入賞させることも可能である。4ラウンド目〜7ラウンド目のラウンド遊技の遊技性は、上記3ラウンド目の遊技性と同一になっている。
8ラウンド目〜11ラウンド目のラウンド遊技における役物装置150への入賞特性は、14回目から19回目までの各開放にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性D(図32(e)参照)になっている。つまり、8ラウンド目〜11ラウンド目のラウンド遊技では、1回目〜13回目の各開放で役物装置150への入賞が生じにくいものとなっている。このため、これらのラウンド遊技では、ラウンド遊技の終盤まで、遊技球の貯留と回転体201を経由したV入賞との両方が生じにくく、そのどちらも生じないままラウンド遊技が終了するのではないかという焦燥感を煽る遊技性となる。
一方、14回目から19回目までの各開放における第1振分部材300及び第2振分部材310の振分特性は、入賞球が役物装置150内に貯留され易く、回転体201にも到達し易い振分特性Cになっている。つまり、役物装置150への入賞が生じ易いラウンド終盤では、遊技球の貯留と回転体201を経由したV入賞との両方が生じ易いものとなっている。
12ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技における役物装置150への入賞特性は、1回目から6回目までの各開放にて役物装置150に遊技球が入賞し易い入賞特性C(図32(e)参照)になっている。一方、1回目から6回目までの各開放における第1振分部材300及び第2振分部材310の振分特性は、入賞球が回転体201に到達し易い振分特性Aになっている。このため、これらのラウンド遊技では、回転体201を経由するV入賞(自力継続)に重みを置いた遊技性となっている。
このように、あるラウンドでは入賞球を貯留させる遊技に重みを持たせる一方、他のラウンドでは自力継続を成し遂げる遊技に重みを持たせるなど、ラウンドによって遊技性を異ならせる構成となっている。これにより、1つの第2開閉実行モードの中で複数の遊技を楽しむことができ、遊技の単調化を抑制可能となる。
その際、振分部材300,310や回転体201の動作パターンを各ラウンドにおいて共通化し、各ラウンドの開閉パターンによって遊技性に違いを持たせるものとなっている。この場合、振分部材300,310や回転体201の動作パターンと、開閉パターンとの両方を各ラウンドで細かく設定する必要がなく、開閉パターンのみを設定すれば足りる。このため、主制御装置81の処理負荷や、パチンコ機10の設計時における作業負担を軽減可能となる。
また、上記の構成となっていることで、次の効果も期待される。役物装置150への入賞球がV入賞することで有利な状態(ラウンド継続)となる構成では、役物装置150に入賞した遊技球の行方に遊技者の注目が集まり易い。この場合、遊技者は、入賞球の流れを左右する振分部材300,310や回転体201に強い関心を示し、その動きを注視していると想定される。そのような中で、各ラウンドにおける振分部材300,310や回転体201の動作パターンを異ならせると、遊技者がそれに気付き、特性の変化が予め仕組まれたものと理解して興醒めするおそれがある。この点、本実施の形態では、振分部材300,310や回転体201の動きが各ラウンドで共通するため、そのような気付きを抑制することができる。これにより、ラウンド間における貯留されやすさ等の違いを偶然によるものと感じさせ易くなり、遊技球の挙動を楽しむ面白みを好適に提供することができる。
<残存球監視の流れについて>
次に、残存球監視の流れについて図41を参照しながら説明する。図41は、残存球監視の流れを説明するためのタイミングチャートである。
既に説明したように、本実施の形態では、各ラウンド遊技において役物装置150への入賞球を役物装置150内に貯留可能としており、その貯留球は、後のラウンド遊技において役物装置150から排出されるものとなっている。このため、貯留が生じたラウンド遊技では、その終了時において排出球の数が入賞球の数よりも少なくなる。この場合、ラウンド毎に残存球の判定処理を行うと、正規に遊技しているにもかかわらず頻繁に残存球異常となり、遊技の進行が阻害されるおそれがある。
そこで、図41に示すように、本実施の形態では、残存球の判定処理をラウンド毎に行わず、第2開閉実行モードの終了時に1回だけ行う構成となっている(タイミングt18)。これにより、役物装置150に入賞した遊技球が次のラウンドで排出され得る構成でありながらも、頻繁に残存球異常となることが抑制され、遊技を円滑に進めることが可能になる。
ここで、残存球の判定処理を用いた残存球監視の流れについてまとめると、次の通りとなる。第2開閉実行モードの残存球監視は、既に説明したように、残存球カウンタRPCに基づいて行われる(図38のステップS2411参照)。この残存球カウンタRPCは、第2開閉実行モードの途中でクリアされることなく、当該モードの開始から終了までを通して更新される。そして、エンディング終了時において残存球カウンタRPCが0であるか否かを判定し、0でない場合(入賞球数と排出球数とが不一致である場合)に残存球異常であると判定する。
つまり、本実施の形態おいて残存球監視は、第2開閉実行モードの開始タイミングから終了タイミングまで、具体的には、2ラウンド目において最初に役物装置150への入賞が発生したタイミングから最終ラウンドである16ラウンド目において最終の入賞球が役物装置150から排出されるタイミングまでを、監視対象期間として行われるものとなっている。
但し、役物装置150からの排出球数をカウントしていても、どの排出球が最終球であるのかを特定できないため、本実施の形態では、役物装置150への入賞球が全て排出されたであろうと見込まれるエンディング終了時に残存球の判定処理を行うようにしている。なお、第2開閉実行モードが16ラウンドまで続かず、途中のラウンドで終了した場合は、そのラウンドが最終回ラウンドとなり、当該ラウンドの終了後に行われるエンディングの終了時において残存球の判定処理を行う。
ここで、残存球異常となる事象としては、例えば糸を取り付けた不正球を役物装置150に入球させ、糸を通じて不正球を操作することで、不正にV入賞させようとする行為が行われた場合が考えられる。この場合、糸を引っ張ったり、緩めたりを繰り返して、V入賞センサ192を繰り返し通過させるように不正球を操作すると、役物装置150内への入賞球数よりも役物装置150からの排出球数が多くなって両者が不一致となる。
このような事象により残存球異常と判定すると、遊技停止状態に移行し、遊技進行が停止される。また、残存球異常と判定した場合は、遊技場側の管理制御装置に対して残存球異常の発生を示す外部信号を出力する。これらの処理により、上記不正行為が抑制される。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
役物装置150に入賞した遊技球を役物装置150内に貯留可能とし、その貯留球が次のラウンド遊技でV入賞センサ192(V入賞口182a)を通過可能となる構成とした。通常、一のラウンド遊技での入賞球により実施権利を獲得できるラウンド遊技は、当該入賞が発生したラウンド遊技から見て次回のラウンドになるが、本実施の形態では、上記入賞球により次々回ラウンドの実施権利を獲得可能であり、斬新な遊技性を実現することができる。
その際、役物装置150に入賞した遊技球が貯留されなかった場合は、当該入賞が発生したラウンド遊技で入賞球がV入賞センサ192を通過可能となる構成とした。この場合、例えば4ラウンド目の実施に着目すると、当該ラウンドの実施権利を獲得できる機会が2ラウンド目及び3ラウンド目の複数ラウンドに亘って付与される。これにより、ラウンド継続に対する期待感を長く持続させることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第2振分部材310の振分態様と残存球判定の実行タイミングとが上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態について図42を参照しながら説明する。図42は、第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。
2ラウンド目〜4ラウンド目における第2振分部材310の振分態様は、上記第1の実施の形態と同一である。すなわち、各ラウンド遊技における各開放の開始タイミングから0.5secが経過した後に、役物装置150に入賞した遊技球を入口用案内部215側に振り分ける振分状態に切り替えられ、その後、0.3sec間に亘ってその状態を維持する(図34(b)参照)。
一方、5ラウンド目のラウンド遊技においては、図42に示すように、第2振分部材310は、当該ラウンド遊技の開始から終了までの全体に亘って、役物装置150に入賞した遊技球を誘導通路183側に振り分ける非振分状態に維持される。すなわち、5ラウンド目のラウンド遊技では、第2振分部材310が振分状態に切り替えられない(図42(b)参照)。
このため、5ラウンド目のラウンド遊技では、役物装置150に入賞した遊技球が入口用案内部215に移動することができず、役物装置150内への遊技球の貯留が規制される。なお、図42では図示を省略しているが、開閉役物168の開閉態様や、第1振分部材300の振分態様、回転体201の動作態様は、上記第1の実施の形態と同様である。
また、本実施の形態では、5ラウンド目のラウンド遊技の終了時において、残存球判定を行う。具体的には、5ラウンドにおける最終開閉の終了後、終了時待機時間が経過したタイミングにおいて、残存球カウンタRPCが0であるか否かを判定する。そして、残存球カウンタRPCが0でない場合は、残存球異常であるとして、RAM114の各種フラグ格納エリアに残存球フラグを格納する。つまり、本実施の形態では、第2開閉実行モードの途中において残存球判定を行う。
ここで、2ラウンド目から5ラウンド目までのラウンド遊技の流れの一例について説明する。ここでは、2ラウンド目〜5ラウンド目の各ラウンドにおいて、役物装置150には上限数(9個)と同数の遊技球が入賞するものとする。また、2ラウンド目〜4ラウンド目の各ラウンドでは、第2振分部材310が振分状態に切り替えられているタイミングと、役物装置150への遊技球の入賞タイミングとが適合し、役物装置150内に遊技球が貯留されるものとする。
2ラウンド目のラウンド遊技において遊技球が貯留されると(タイミングt21)、かかる遊技球は、当該ラウンドの終了時まで貯留状態が維持される。そして、2ラウンド目のラウンド遊技が終了するタイミングt22において、シャッタ221が開放状態に切り替えられることで、貯留が解除される。貯留が解除された遊技球がV入賞センサ192に到達するには、所定の移動期間(約2sec)を要するため、当該遊技球は、3ラウンド目のラウンド遊技が開始されてからV入賞センサ192に到達する(タイミングt23)。
つまり、貯留された遊技球が役物装置150から排出されるのは、3ラウンド目のラウンド遊技が開始されてからとなる。このため、2ラウンド目のラウンド遊技の終了時であるタイミングt22では、役物装置150への遊技球の入賞個数に対して、役物装置150からの遊技球の排出個数が1個少ない状態となる。
3ラウンド目のラウンド遊技では、2ラウンド目のラウンド遊技で貯留解除された遊技球がV入賞センサ192に到達することから、排出個数が1加算される。但し、タイミングt24で遊技球が貯留され、3ラウンド中に役物装置150に入賞した遊技球が4ラウンド目に持ち越される。この持ち越し分によって上記加算分が相殺されるため、3ラウンド目のラウンド遊技の終了時であるタイミングt25においても、依然として役物装置150からの遊技球の排出個数が1個少ない状態となる。
同様に、4ラウンド目のラウンド遊技の終了時であるタイミングt27においても、4ラウンドの途中で入賞球の貯留が生じることから(タイミングt26)、役物装置150からの遊技球の排出個数が1個少ない状態となる。つまり、2ラウンド目〜4ラウンド目の各終了時では、正規に遊技していても入賞個数と排出個数とが一致し得ないものとなるため、これらのタイミングでは残存球判定を行わない。
5ラウンド目のラウンド遊技では、4ラウンド目のラウンド遊技で貯留解除された遊技球がV入賞センサ192に到達することから、排出個数が1加算される(タイミングt28)。また、5ラウンド目のラウンド遊技では、遊技球の貯留が規制されているため、5ラウンド中に入賞した遊技球は、すべて5ラウンド中に排出される。このため、5ラウンドだけを対象として入賞個数と排出個数とを比較した場合、入賞個数よりも排出個数が1個多い状態となる。この余剰分により、4ラウンド目の終了時に生じていた排出個数の不足分が補われ、通算の入賞個数と排出個数とが一致するものとなる。
なお、遊技者にしてみると、4ラウンド目までは貯留が可能であったにもかかわらず、5ラウンド目では、突然、第2振分部材310が振分状態に切り替えられなくなり、遊技球の貯留が不可能となる。このため、パチンコ機10において故障が発生したと勘違いするおそれがある。そこで、2ラウンド目〜4ラウンド目では貯留が可能である一方、5ラウンド目ではそれが不可能であることを、報知によって遊技者に知らせる構成とするとよい。このような構成としては、2ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技では、役物装置150の表示画面Gにおいて、貯留が可能であることを示唆する文字表示やキャラクタ表示、背景表示等の特定報知を行う一方、5ラウンド目のラウンド遊技ではそれを行わない構成としたり、2ラウンド目〜4ラウンド目と5ラウンド目との各ラウンド遊技において異なる報知を行う構成としたりすることができる。
5ラウンド目のラウンド遊技の終了時であるタイミングt29では、残存球判定が行われる。つまり、2ラウンド目から5ラウンド目までを監視対象期間として残存球判定が行われる。上記のとおり、正規に遊技されている状況であれば、通常は入賞個数と排出個数とが一致して残存球カウンタRPCが0となる。この場合、残存球異常は認定されず、6ラウンド目以降の遊技が継続される。これに対し、例えば、糸を取り付けた不正球によってV入賞センサ192を繰り返し通過させる行為が行われていた場合は、入賞球数よりも排出球数が多くなり、残存球異常となる。
このように、本実施の形態によれば、貯留が規制されるラウンド遊技を設け、当該ラウンド遊技の終了時において残存球判定を行うため、入賞球を次のラウンドで排出する構成でありながらも、第2開閉実行モードの途中において残存球判定を行うことができる。これにより、残存球異常をいち早く把握することができ、不正行為が行われていた場合に遊技場の被害が大きくなることを抑制できる。
2ラウンド目〜4ラウンド目の場合と同様に、6ラウンド目〜9ラウンド目のラウンド遊技では、役物装置150への遊技球の貯留が許容され、10ラウンド目のラウンド遊技では、貯留が規制される。また、11ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技では、役物装置150への遊技球の貯留が許容され、16ラウンド目のラウンド遊技では、貯留が規制される。そして、10ラウンド目及び16ラウンド目のラウンド遊技の終了時(タイミングt30,t31)において、残存球判定が行われる。つまり、一の第2開閉実行モードにおいて、所定ラウンド数おきに残存球判定が行われる。
なお、貯留を規制して残存球判定を行うラウンドをどのラウンドに設定するかは任意であり、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目に限定されるものではない。また、貯留を規制するラウンドの数についても任意であり、例えば、8ラウンド目の1回のみ貯留を規制して残存球判定を行う構成としてもよい。
残存球異常と判定した場合、上記第1の実施の形態と同様に、遊技停止状態に移行する。ところで、残存球異常は、不正行為に限らず、シャッタ221の誤動作により貯留が適切に解除されなかった場合にも発生し得る。例えば、何らかの事情により、4ラウンド目の終了時においてシャッタ221が開放状態に切り替えられなかった場合は、役物装置150内に遊技球が残ったままとなり、5ラウンド目の終了時において、排出個数が入賞個数よりも1個少ない状態となる。
このように、残存球異常は必ずしも不正行為が要因であるとは限らないため、不正行為に基づくものであるか否かによって、残存球異常が発生した場合の対応を変えられることが望ましい。そこで、本実施の形態では、以下の構成を有している。
遊技停止状態への移行後、それを解除すべく、遊技場の係員等によって、電源スイッチ92bが操作されてパチンコ機10の電源がオフ、オンされるが、その際、RAM消去スイッチ98aが押されながら電源がオンされた場合は、メイン処理(図18)においてRAM114の初期化処理(ステップS509)が実行される。これにより、5ラウンド目のラウンド遊技におけるV入賞(図42のタイミングt28)が無効化され、第2開閉実行モードの続き(6ラウンド目のラウンド遊技)を遊技することが不可能になる。
一方、RAM消去スイッチ98aが押されることなく電源がオンされた場合は、RAM114の初期化処理(ステップS509)が実行されない。また、メイン処理におけるステップS512,S513の処理によって、残存球異常の状態も解除され、遊技停止状態に移行する前の遊技状態に復帰する。これにより、5ラウンド目のV入賞が有効なものとなり、続きを遊技することが可能になる。
このような構成となっていることで、遊技場の係員等がパチンコ機10の下に駆け付けた際に不正行為が確認された場合は、RAM消去スイッチ98aを操作しながら電源オンすることで、それ以後も不正行為者が不当に利益を受け続けることが抑制される。一方、不正行為でないことが確認された場合や、不正行為が確認されない場合は、RAM消去スイッチ98aを操作せずに電源オンすることで、続きを遊技することが可能になり、遊技者の利益が損なわれることを抑制できる。
また、正規の遊技者と不正行為者とで差異を設ける場合にあっては、次のような構成としてもよい。
先ず、遊技停止状態に移行する場合にシャッタ221を閉鎖状態とする。すなわち、遊技停止状態の移行時においてシャッタ221が閉鎖状態にある場合は、遊技停止状態への移行後も上記閉鎖状態が維持されるように、シャッタ221の動作を制御する。これにより、役物装置150内に遊技球が貯留されている場合は、貯留状態が解除されることなく遊技停止状態に移行する。
その後、遊技停止状態を解除すべく、遊技場の係員等によって、電源スイッチ92bが操作されてパチンコ機10の電源がオフされるが、その場合も、シャッタ221を閉鎖状態に維持する。つまり、電源オフ後も貯留状態が維持される。ちなみに、本実施の形態では、上記第1の実施の形態にて説明したように、シャッタ用駆動部221aが駆動されていない場合は、シャッタ221が閉鎖状態になる構成となっている。このため、電断時におけるシャッタ用駆動部221aへのバックアップ電力の供給は不要である。なお、シャッタ用駆動部221aが駆動されることでシャッタ221が閉鎖状態となる構成では、シャッタ用駆動部221aにバックアップ電力を供給し、励磁状態とするとよい。
そして、パチンコ機10の電源オフ後、RAM消去スイッチ98aが押されることなく電源がオンされた場合は、シャッタ221を開放状態に切り替えることなく、パチンコ機10を立ち上げる。この場合、メイン処理(図18)におけるステップS512,S513の処理によって、残存球異常の状態が解除され、遊技停止状態に移行する前の遊技状態に復帰する。この場合も、シャッタ221を開放状態に切り替えることなく、貯留状態を維持する。
このような構成により、貯留球を残した状態で残存球異常及び遊技停止状態を解除することが可能になる。これにより、残された貯留球をサービス球として、遊技停止処理により中断された遊技の続きを遊技することが可能になる。つまり、6ラウンド目のラウンド遊技は、本来であれば、前のラウンドからの持ち越し球がないラウンドになるところ、シャッタ221の誤動作等により遊技停止状態となった場合は、持ち越し球がある状態で6ラウンド目を遊技することが可能になる。
一方、RAM消去スイッチ98aが押されながら電源がオンされた場合は、RAMの初期化処理が実行されることで、続きを遊技できなくなるため、上記のようなサービス球の提供は受けられない。また、RAM消去スイッチ98aが押されながら電源がオンされた場合は、シャッタ用駆動部221aを駆動し、シャッタ221を開放状態に切り替える。具体的には、メイン処理(図18)のステップS503にて肯定判定した後、ステップS516で割込み許可を設定する前に、シャッタ221を開放状態に切り替える処理を実行する。これにより、針金等の異物を役物装置150内に挿入して第2振分部材310を操作し、不正に遊技球を貯留させている場合に、その貯留球により再び不正行為が行われることを抑制できる。
その際、所定待機時間の経過後に割込み許可の設定処理(ステップS516)を実行する。すなわち、パチンコ機10の立ち上げに伴ってシャッタ221を開放状態に切り替える場合は、RAM消去スイッチ98aが操作されてから上記所定待機時間の経過後にV入賞を有効化する。この場合、上記所定待機時間は、貯留解除された遊技球がV入賞センサ192に到達するまでの所要期間よりも長い時間とする。このような構成により、立ち上げ時に貯留解除された遊技球がV入賞センサ192を通過することで、V入賞やV入賞エラー(V入賞が生じないはずのタイミングでV入賞が発生することで生じるエラー)が発生することを抑制できる。
なお、上記待機処理に代えて、排出確認処理を行ってから割込み許可の設定処理を行う構成としてもよい。すなわち、V入賞センサ192の通過を検知することに基づいて、貯留解除された遊技球が役物装置150から排出されたことを把握し、この後に割込み許可を設定する構成としてもよい。
また、RAM消去スイッチ98aが押されながら電源がオンされた際に、シャッタ221を開放状態に切り替える構成とすることで、係員等によるシャッタ221の動作確認を可能とできる。つまり、不正行為を発見したわけではないが、シャッタ221が正しく動作するかの確認が必要な場合に、RAM消去スイッチ98aを操作することで、これを行うことができる。
なお、上記実施の形態においては、5ラウンド目のラウンド終了時に残存球判定を行う構成としたが、5ラウンド目と6ラウンド目との間に設けられる待機期間(ラウンドインターバル期間)において、残存球判定を行う構成としてもよい。要は、残存球判定は5ラウンド目の終了に対応して行われるものであればよく、残存球判定の実行タイミングは、5ラウンド目の終了以後で且つ6ラウンド目の開始前のタイミングであれば、任意である。このことは、10ラウンド目及び16ラウンド目の終了時において行われる残存球判定についても同様である。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第2開閉実行モードにおける開閉役物168の開閉パターン、第2振分部材310の振分態様及び残存球判定の実行タイミングが上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態について図43を参照しながら説明する。図43は、本実施の形態に係る開閉役物168の開閉パターンテーブルを説明するための説明図である。なお、同図において上記各実施の形態と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、図32(b)〜(d)に示す開閉パターンB〜Dに代えて、図43(a)〜(c)に示す開閉パターンB’〜D’が設定されている。これら開閉パターンB’〜D’は、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶された開閉パターンテーブルにて規定されている。
図43(a)〜(c)に示すように、各開閉パターンテーブルは、ラウンド遊技を、1回目から2回目までの開放に対応した第1遊技区間と、3回目から8回目までの開放に対応した第2遊技区間と、9回目から13回目までの第3遊技区間と、14回目から19回目までの第4遊技区間とに区分けした上で、遊技区間毎に開閉役物168の開閉態様を規定したものとなっている。
開閉パターンB’〜D’では、一のラウンド遊技における19回の開放中、第1遊技区間に属する1回目〜2回目(RC2=19〜18)において、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短い0.1secの開放を行いその後0.5secの閉鎖を行う(短開放態様ともいう)。そして、その後の遊技区間では、図32の場合と同様に、開閉パターンP1又はP2のいずれかが設定される。これら開閉パターンP1,P2はいずれも開放時間が短開放態様よりも長くなっている。すなわち、本実施の形態では、開閉パターンB’〜D’の各開閉パターンにおいて、ラウンド遊技の開始から所定期間が経過するまで、開放状態となる期間が相対的に短い短開放態様にて開閉役物168が制御され、その後、開放状態となる期間が相対的に長い開閉パターンP1又はP2にて開閉役物168が制御される。
ここで、短開放態様は、開放状態となる期間が0.1secと非常に短いものとなっている。また、短開放態様において閉鎖状態となる期間は、開放期間よりも比較的に長い0.5secとなっている。つまり、開閉役物168が短開放態様にて制御される状況下では、その殆どにおいて閉鎖状態となり、ごく一瞬だけ開放状態に切り替えられる。このため、短開放態様では、役物装置150への遊技球の入賞が発生しないものとなっている。このような意味では、短開放態様は、役物装置150への入賞を規制する入賞規制態様ということもできる。
次に、主制御装置81のMPU112にて実行される残存球判定処理について図44のフローチャートを参照しながら説明する。図44は、本実施の形態に係る残存球判定処理を示すフローチャートである。なお、図44に示すステップS2701〜S2703の処理は、図38のステップS2405で肯定判定した場合に実行されるものであり、図38のステップS2406,S2407の処理に代えて実行されるものである。
ステップS2405で第2開閉実行モード中であると判定した場合は、ステップS2701にて、残存球判定の実行タイミングであるか否かを判定する。本実施の形態では、第2開閉実行モードが実行されている場合に、各ラウンドに対応して残存球判定を行う構成となっている。具体的には、各ラウンド遊技の開始から所定期間(1sec)が経過したタイミングで残存球判定を行うこととしている。
ラウンド遊技が開始されてからの経過期間の把握は、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた判定用カウンタを用いて行う。すなわち、判定用カウンタに1secに対応する値を設定し、これをタイマ割込み処理にて更新(減算)するなど、所定周期で更新する。そして、判定用カウンタが所定値(例えば「0」)となることで、残存球判定の実行タイミングが到来したことを把握することができる。
ステップS2701で残存球判定の実行タイミングでないと判定した場合は、本残存球判定処理を終了する。一方、残存球判定の実行タイミングあると判定した場合は、ステップS2702に進み、残存球カウンタRPCの値が「0」であるか否かを判定し、残存球判定を行う。この場合の残存球判定は、一の残存球判定が実行されてから次の残存球判定が実行されるまでの期間を対象とするものである。ちなみに、残存球カウンタRPCは、役物装置150への入賞が検知されるごとに1インクリメントされ(図35のステップS2104)、役物装置150からの遊技球の排出が検知されるごとに1ディクリメントされる(図37のステップS2303)。
残存球カウンタRPCの値が「0」でないと判定した場合は、ステップS2703に進み、役物装置150内に遊技球が残存しているとして、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに残存球フラグを格納する。その後、本残存球判定処理を終了する。一方、ステップS2703にて残存球カウンタRPCの値が「0」であると判定した場合は、役物装置150内に遊技球が残存していないとして、そのまま本残存球判定処理を終了する。
<遊技の流れについて>
次に、本実施の形態に係る遊技の流れについて図45を参照しながら説明する。図45は、第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。ここでは、2ラウンド目の途中において役物装置150に遊技球が貯留されたものとして説明を進める。
タイミングt41において2ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、シャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ、入口用案内部215に貯留されていた遊技球がワープ通路210に向けて移動する。これと同時に、3ラウンド目のラウンド遊技の開始を待機する待機状態(ラウンドインターバル)となり、当該待機状態は1.5secに亘って継続される。ここで、貯留が解除された遊技球がV入賞センサ192に到達するには約2secを要し、この時間は上記ラウンドインターバルの継続時間よりも約0.5sec長くなっている。このため、貯留が解除された遊技球は、3ラウンド目のラウンド遊技の開始後、約0.5secが経過してからV入賞センサ192に到達する(タイミングt43)。
タイミングt42において3ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、開閉役物168が短開放態様にて開閉制御される。短開放態様は、0.1sec間の開放状態と、0.5sec間の閉鎖状態とを2回に亘って繰り返すものであるため、短開放態様の実行期間はトータルで1.2secとなる(タイミングt45)。
また、3ラウンド目のラウンド遊技が開始されてから1secが経過したタイミングt44では、2ラウンド目のラウンド遊技に対応した残存球判定が行われる。すなわち、2ラウンド目のラウンド遊技で役物装置150に入賞した遊技球が全て役物装置150から排出されたか否かを判定する。つまり、本実施の形態では、2ラウンド目のラウンド遊技に対応した残存球判定を2ラウンド目の終了から所定期間(ラウンドインターバルの期間である1.5secと、上記1secとを合算した2.5sec)の経過後に実行する構成となっている。そして、当該判定処理にて、役物装置150への遊技球の入賞個数と、役物装置150からの遊技球の排出個数とが一致しなかった場合は、残存球異常として扱う。
同様に、3ラウンド目のラウンド遊技の終了時においても貯留が解除され(タイミングt46)、貯留が解除された遊技球は、4ラウンド目のラウンド遊技の開始後、約0.5secが経過してからV入賞センサ192に到達する(タイミングt48)。また、4ラウンド目の開始から1.2secが経過するまでは開閉役物168が短開放態様にて開閉制御され(タイミングt50)、さらに、4ラウンド目の開始から1secが経過したタイミングt49では、残存球判定が行われる。この残存球判定は、3ラウンド目のラウンド遊技に対応したものとなる。すなわち、3ラウンド目のラウンド遊技で役物装置150に入賞した遊技球が全て役物装置150から排出されたかを確認する処理となる。
ここで、役物装置150への遊技球の入賞個数と、役物装置150からの遊技球の排出個数との関係について説明する。ここでは、タイミングt45〜t50の期間を対象として上記関係を説明する。
タイミングt45において短開放態様が終了すると、開閉役物168の開閉制御が開閉パターンP1又はP2のいずれかに切り替えられる。これらの開閉態様では、役物装置150への入賞が許容されるため、タイミングt45〜t46の間では入賞が発生する。そして、役物装置150に入賞した遊技球のうち、貯留される遊技球以外の遊技球については、3ラウンド目が終了するタイミングt46までに役物装置150から排出される。このため、タイミングt46では、役物装置150への遊技球の入賞個数に対して、役物装置150からの遊技球の排出個数が1個少ない状態となる。
タイミングt47において4ラウンド目が開始されると、タイミングt47から1.2secが経過するタイミングt50まで開閉役物168が短開放態様にて開閉制御される。短開放態様では、役物装置150に遊技球が入賞不可となっているため、タイミングt47〜t50の間は新たな入賞が発生しない。
ここで、短開放態様の実行期間である1.2secは、4ラウンド目の開始後、貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの経過期間(約0.5sec)よりも長くなっている。このため、貯留解除球は、短開放態様の実行中にV入賞センサ192に到達する。上述のように、短開放態様の実行中は新たな入賞が発生しないため、貯留解除球がV入賞センサ192に到達したタイミングt48において、役物装置150への遊技球の入賞個数と、役物装置150からの遊技球の排出個数とが一致する。
この状態は、短開放態様が終了するタイミングt50まで維持される。このため、貯留解除球のV入賞センサ192への到達後であって、短開放態様の終了前のタイミングであるタイミングt49において、残存球判定を行うことで、残存球異常を適切に判定することができる。
このように、短開放態様にて開閉役物168が開閉制御されている期間において、前のラウンド遊技で貯留された遊技球をV入賞センサ192に通過させる構成としたため、役物装置150に遊技球が入賞する期間を避けて貯留解除球をV通過させることができる。これにより、役物装置150内に貯留解除球と入賞球とが混在することを抑制し、どちらの遊技球がV通過したのかを分かりやすくすることができる。
その上で、短開放態様の実行中であって且つ貯留解除球がV通過した後に、残存球判定を行う構成としたため、遊技球の持ち越しを行う中でもラウンドごとの残存球判定を行うことができ、残存球異常に強いパチンコ機10とすることが可能になる。また、ラウンド遊技と重複して残存球判定が行われるため、残存球判定を行ってからラウンド遊技を開始する場合に比べて遊技の円滑な進行を促進できる。
なお、短開放態様とはいえ開閉役物168が開放状態とされているため、遊技球の流下状況によっては入賞が発生する場合があり得る。この場合、入賞個数と排出個数とが不一致となることで直ちに残存球異常と判定すると、誤判定による遊技中断が起こりやすくなる。そこで、入賞個数と排出個数との不一致が1回の場合は残存球異常とせず、複数回(例えば2回)連続した場合に残存球異常とする構成としてもよい。
<第4の実施の形態>
第2開閉実行モードにおいて、その初回ラウンドである2ラウンド目のラウンド遊技は、前のラウンド遊技からの遊技球の持ち越し(貯留)がないため、2ラウンド目のラウンド遊技の中で回転体201を経由するV入賞(自力継続)を達成しない限り、3ラウンド目以降を実施することができない。このため、持ち越し球が期待できる3ラウンド目以降のラウンド遊技と比べると、次のラウンドの実施権利を獲得する難易度が高くなり、2ラウンド目までで第2開閉実行モードが終了する事態が起こり易い。
特に、2ラウンド目において役物装置150内に遊技球を貯留させることができたにもかかわらず、自力継続を達成できなかった場合は、第2開閉実行モードが早々に終了するに留まらず、せっかくの貯留球が台無しにもなる。この場合、遊技者の落胆が大きく、遊技意欲を減衰させるおそれがある。本実施の形態は、そのような場合の救済を図るものであり、以下、その構成について詳細に説明する。
本実施の形態は、シャッタ221の切替態様が上記各実施の形態と異なっている。図46は、本実施の形態において、主制御装置81のMPU112にて実行される開放中用処理を示すフローチャートである。ここで、図46に示すステップS2801〜S2804の処理は、図35の開放中用処理におけるステップS2104とステップS2105との間にて実行されるものである。なお、図35の開放中用処理は、第2開閉実行モードにおいて開閉役物168を開放状態から閉鎖状態に切り替えるための処理である。
ステップS2104で残存球カウンタRPCを更新した後は、ステップS2801にて、第1ラウンドカウンタRC1の値が「15」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1は、何ラウンド目のラウンド遊技であるかをカウントするものであり、ステップS2801では、実行中のラウンド遊技が第2開閉実行モードにおける初回ラウンド(2ラウンド目)であるか否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「15」であり、実行中のラウンド遊技が2ラウンド目である場合は、ステップS2802に進み、入賞カウンタPCの値が「1」であるか否かを判定する。入賞カウンタPCは、役物装置150への遊技球の入賞個数をカウントするものであるところ、その値は、上限入賞個数(9個)までの残り入賞数を示すものとなっている。ステップS2802では、役物装置150への入賞個数が上限入賞数まで残り1個の状態となっているか否かを判定する。
入賞カウンタPCの値が「1」であり、役物装置150への入賞個数が上限入賞個数まで残り1個の状態である場合は、ステップS2803にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、2ラウンド目のラウンド遊技において、回転体201を経由するV入賞(自力継続)を達成済みであるか否かを判定する。
V入賞フラグが格納されておらず、自力継続が未達成である場合は、ステップS2804にてシャッタ開放処理を実行する。ステップS2804では、シャッタ用駆動部221aを駆動してシャッタ221を閉鎖状態から開放状態に切り替える。これにより、入口用案内部215(図8参照)に遊技球が貯留されていた場合は、貯留が解除され、当該遊技球がワープ通路210を通じてV入賞センサ192に向けて移動する。
ステップS2804の実行後は、ステップS2105に進み、入賞カウンタPCの値が「0」であるか否かの判定処理を行う。また、ステップS2801,S2802で否定判定した場合、ステップS2803で肯定判定した場合も、ステップS2105に進む。
<遊技の流れについて>
次に、本実施の形態に係る遊技の流れについて図47を参照しながら説明する。図47は、2ラウンド目のラウンド遊技における遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。ここでは、2ラウンド目の途中であるタイミングt51において役物装置150に遊技球が貯留されたものとして説明を進める。
タイミングt52において、役物装置150に8個目の遊技球が入賞すると(図47(c))、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かが判定される。図47に示す例では、V入賞フラグが格納されていないため(図47(g))、同じくタイミングt52において、シャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる(図47(e))。その結果、遊技球の貯留が解除される(図47(f))。
貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの移動時間は約2secであるところ、第2開閉実行モードにおける各ラウンド遊技には、3.5secの終了時待機時間が設けられている。このため、貯留解除球は、2ラウンド目が終了するタイミングt54よりも前のタイミングt53においてV入賞センサ192を通過する(図47(g))。これにより、2ラウンド目のラウンド遊技の中でV入賞が発生し、3ラウンド目の実施権利が獲得される。
このように、2ラウンド目の特定タイミング(上限入賞数まで残り1個となったタイミング)でV通過しているか否か(自力継続を達成しているか否か)を判定し、V通過していない場合は、シャッタ221を開放して貯留を解除し、2ラウンド目のラウンド遊技の中でV通過させるため、遊技球を貯留させているにもかかわらず3ラウンド目が実施されない不都合を回避できる。
なお、シャッタ221の開放処理は貯留の有無とは無関係に行われるため、2ラウンド目のラウンド遊技において貯留球がない場合も、タイミングt52においてシャッタ221が開放される。但し、貯留球がないため、V入賞は発生しない。つまり、上記の救済措置は、2ラウンド目のラウンド遊技において貯留を達成できた場合に初めて機能するものであり、貯留が未達成の場合との間において優遇度合に差異が生じるものとなっている。
また、図47では図示を省略しているが、タイミングt52においてV入賞フラグが格納されている場合、すなわち、自力継続を達成できている場合は、タイミングt53においてシャッタ221が開放されず、上記第1の実施の形態と同様に、2ラウンド目が終了するタイミングt54においてシャッタ221が開放される。このため、貯留解除球が3ラウンド目においてV入賞センサ192を通過し、これにより、4ラウンド目の実施権利が獲得される。つまり、2ラウンド目において自力継続を達成できなかった場合に比べ、遊技者にとって有利となる構成となっている。
<第5の実施の形態>
本実施の形態は、第1開閉実行モードにおける開放待機時間(開放タイミング)、シャッタ221の切替態様及び残存球判定の実行タイミングが上記各実施の形態と異なっている。
本実施の形態について簡単に説明すると、本実施の形態では、第2開閉実行モード(大当たり結果に基づく開閉実行モード)が終了してから所定期間の経過後に、役物装置150内に貯留された遊技球の貯留を解除する構成となっている。そして、その貯留解除球がV入賞センサ192を通過するタイミングと、第2開閉実行モードの終了後における第1開閉実行モード(通常開放結果に基づく開閉実行モード)の実行タイミングとがうまく適合すれば、貯留解除球による第2開閉実行モードが発生する。なお、本実施の形態では、便宜上、共通保留数の上限が1個であるとして説明を進める。
図48は、本実施の形態に係る開放タイミングテーブルを説明するための説明図である。開放タイミングテーブルは、ROM113における開放タイミングテーブル記憶エリア113cに記憶されている。
開放タイミングテーブルでは、開放種別カウンタCSと関連付けて開放待機時間が規定されている。ここで、開放待機時間は、保留情報がない場合は、作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの待機時間となり、保留情報がある場合は、その保留情報の消化時(当該保留情報に対するステップS805(図21)の当否判定処理が行われたとき)から開閉役物168の開放までの待機時間となる。
図48に示すように、本実施の形態に係る開放テーブルでは、開放待機時間として0.5secと2.5secとの2種類が設定されている。0.5secの開放待機時間には開放種別カウンタCSの「0」〜「89」が対応し、2.5secの開放待機時間には開放種別カウンタCSの「90」〜「99」が対応している。すなわち、0.5secの開放待機時間が選択される確率は9/10、2.5secの開放待機時間が選択される確率は1/10となっており、後者の確率の方が低くなっている。
次に、主制御装置81のMPU112にて実行される残存球判定処理について図49(a)を参照しながら説明する。図49(a)の処理は、上記第1の実施の形態に係る図38の残存球判定処理に代えて実行されるものである。
本実施の形態に係る残存球判定処理では、先ず、ステップS3001にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに判定待機フラグが格納されているか否かを判定する。判定待機フラグは、第2開閉実行モードの終了後、残存球判定処理の実行を待機していることを示すものであり、第2開閉実行モードの終了時に設定される。
判定待機フラグが格納されていない場合は、ステップS3002にて、第1開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。第1開閉実行モードの実行中である場合は、ステップS3003に進み、ステップS3003〜ステップS3005の処理を実行する。これらの処理は、図38のステップS2402〜ステップS2404の処理と同様であるため、説明を省略する。
一方、第1開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップS3006に進み、第2開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。第2開閉実行モードの実行中である場合は、ステップS3007にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合は、ステップS3008に進み、エンディングが終了しているか否か、すなわち、エンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。
エンディングが終了している場合は、ステップS3009にてシャッタ設定処理を実行する。本処理では、第2開閉実行モードの終了タイミング(エンディングの終了タイミング)から所定期間(3.5sec)の経過後にシャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替わるように、シャッタ221の動作態様を設定する。なお、開放状態の維持期間は任意であるが、例えば、上記第1の実施の形態と同様に0.3secに設定する。
続くステップS3010では、判定待機時間の設定処理を実行する。判定待機時間は、残存球判定処理の実行タイミングを規定するものであり、本実施の形態では、第2開閉実行モードの終了タイミングからの待機時間となっている。判定待機時間は、上記ステップS3009で設定したシャッタ開放までの時間(3.5sec)に対して、貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの移動時間(約2sec)を加えた時間(約5.5sec)よりも長い所定時間とされ、例えば、6secに設定される。
ステップS3010の実行後は、ステップS3011にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに判定待機フラグを格納し、その後、本残存球判定処理を終了する。
一方、上記ステップS3001で判定待機フラグが格納されていると判定した場合は、ステップS3012に進み、残存球判定の実行タイミングであるか否かを判定する。この処理は、上記ステップS3010で設定した判定待機時間が経過したか否かを判定するものである。残存球判定の実行タイミングでない場合は、本残存球判定処理を終了する一方、残存球判定の実行タイミングである場合は、ステップS3013に進み、第1開閉実行モードの実行中であるか否かを判定する。かかる処理を実行することにより、残存球判定の実行タイミングと、第1開閉実行モードの実行期間とが重複しているか否かを判定する。
第1開閉実行モードの実行中でない場合は、ステップS3014にて、残存球カウンタRPCの値が「0」であるか否かを判定し、残存球判定を行う。この場合の残存球カウンタRPCは、第2開閉実行モードが開始されてから当該実行タイミングまでの期間を対象とするものである。ちなみに、残存球カウンタRPCは、役物装置150への入賞が検知されるごとに1インクリメントされ(図35のステップS2104や図27のステップS1503)、役物装置150からの遊技球の排出が検知されるごとに1ディクリメントされる(図37のステップS2303や図27のステップS1506)。
ステップS3014で残存球カウンタRPCの値が「0」でないと判定した場合は、ステップS3015に進み、役物装置150内に遊技球が残存しているとして、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに残存球フラグを格納する。ステップS3015の実行後、又はステップS3014で残存球カウンタRPCの値が「0」であると判定した場合は、ステップS3016にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された判定待機フラグを消去する。その後、本残存球判定処理を終了する。
また、上記ステップS3013で肯定判定した場合、すなわち、第1開閉実行モード中であると判定した場合は、ステップS3014,S3015の処理(残存球判定)をスキップし、ステップS3016の処理を実行する。この場合における残存球判定は、ステップS3004で行う。すなわち、残存球判定の実行タイミングと、第1開閉実行モードの実行期間とが重複した場合は、第1開閉実行モードの終了時において残存球判定を実行する。
次に、通常処理について図49(b)を参照して説明する。図49(b)は通常処理を示すフローチャートである。なお、図49(b)は、図19の通常処理と相違する部分のみを図示しており、図49(b)のステップS3101の処理は、図19のステップS606(遊技状態移行処理)が実行された後に行われる。
ステップS3101では、シャッタ用処理を実行する。この処理は、第1開閉実行モード及び第2開閉実行モードのいずれも実行されていない状況下で、シャッタ221を駆動制御するためのものである。具体的には、上記ステップS3009で設定したシャッタ221の駆動タイミングが到来した際に、第1開閉実行モードが実行されていない場合は、本処理にてシャッタ221を閉鎖状態から開放状態に切り替える。なお、シャッタ221の駆動タイミングが到来した際に第1開閉実行モードが実行中である場合は、図21のステップS809における役物内動作部用処理にて、シャッタ221を閉鎖状態から開放状態に切り替える。
<遊技の流れについて>
次に、本実施の形態に係る遊技の流れについて図50,図51を参照しながら説明する。図50,図51は、第2開閉実行モードの終了後における遊技の流れを説明するためのタイミングチャートであり、前者は、開放待機時間として2.5secが選択された場合、後者は、開放待機時間として0.5secが選択された場合を示している。ここでは、図50及び図51のいずれの場合においても、第2開閉実行モードの終了時において役物装置150内に遊技球が貯留されており、且つ、共通保留数が1個となっているものとし説明を進める。
先ず、図50を参照して2.5secの開放待機時間が選択された場合について説明する。タイミングt61において第2開閉実行モードが終了すると、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留されていた保留情報が実行エリアAEにシフトされ、当否判定が行われる。なお、この場合の当否判定の結果は、通常開放結果であったとする。当否判定の実行後、開閉役物168の開放待機が開始され、その状態が開放待機時間(2.5sec)が経過するまで継続される。
タイミングt62において開放待機時間が経過すると、開閉役物168が開放状態に切り替えられる。また、タイミングt62では、開閉役物168が開放されることに伴って第1開閉実行モードが開始される。タイミングt62から開放時間(0.5sec)が経過したタイミングt63では、開閉役物168が開放状態から閉鎖状態に切り替えられる。開閉役物168が閉鎖状態に切り替えられた後は、終了時待機時間(3.5sec)が経過するタイミングt66まで第1開閉実行モードの終了が待機される。第1開閉実行モードである間は、遊技球がV入賞センサ192を通過すると、それが有効化され、V入賞が発生する。なお、第2開閉実行モードの終了タイミング(タイミングt61)から見て第1開閉実行モードの終了までの経過時間は、開放待機時間である2.5secと、開閉役物168の開放時間である0.5secと、第1開閉実行モードの終了時待機時間である3.5secとを合算した6.5secとなる。
また、第2開閉実行モードの終了(タイミングt61)から3.5secが経過したタイミングt64では、シャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。これにより、役物装置150における遊技球の貯留状態が解除され、貯留解除球がV入賞センサ192に向けて移動を開始する。貯留解除球は、貯留解除から約2secが経過したタイミングt65においてV入賞センサ192に到達する。
この場合の到達タイミングは、第2開閉実行モードの終了タイミングから見て5.5sec後となり、第2開閉実行モードの終了タイミングから6.5sec後となる第1開閉実行モードの終了タイミング(タイミングt66)よりも前となる。よって、貯留解除球がV入賞センサ192を通過することによりV入賞が発生し、新たに第2開閉実行モードが開始される。
このように、第2開閉実行モード中に貯留させた遊技球を第2開閉実行モードの終了後も残存させ、所定期間の経過後に貯留解除する構成としたため、貯留球によって第2開閉実行モードを連荘させることができる。これにより、入賞球が貯留された場合の喜びを増強することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、第2開閉実行モードの終了後、貯留解除を待機する場合において、貯留解除のタイミングや当該タイミングまでの待機時間を示唆する報知を図柄表示装置51や表示発光部63、スピーカ部64等にて行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置51で報知する場合は、貯留解除のタイミングにて特定表示を行ったり、待機時間を表示したりするとよい。待機時間を表示する場合は、第2開閉実行モードの終了時に限らず、第2開閉実行モードの終了後、所定タイミングになった場合に、貯留解除タイミングまでの残り待機時間を表示する構成としてもよい。また、例えば、カウントダウン表示やレベルゲージ等によって残り時間の変化を示唆したり、第2開閉実行モードが終了してからの経過時間を示唆する報知を行ったりしてもよい。これらの報知に関する制御は、図柄表示装置51を制御する表示制御装置100や、表示発光部63及びスピーカ部64を制御する演出制御装置82にて行うことができる。
次に、図51を参照して0.5secの開放待機時間が選択された場合について説明する。タイミングt71において第2開閉実行モードが終了すると、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに保留されていた保留情報に基づき、当否判定が行われる。なお、この場合の当否判定の結果は、通常開放結果であったとする。当否判定の実行後、開閉役物168の開放待機が開始され、その状態が開放待機時間(0.5sec)が経過するまで継続される。開放待機時間が経過したタイミングt72では、開閉役物168が開放状態に切り替えられるとともに、第1開閉実行モードが開始される。
また、第2開閉実行モードの終了(タイミングt71)から3.5secが経過したタイミングt73では、シャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。これにより、役物装置150における遊技球の貯留状態が解除され、貯留解除球がV入賞センサ192に向けて移動を開始する。貯留解除球は、貯留解除から約2secが経過したタイミングt75においてV入賞センサ192に到達する。
一方、タイミングt72から開始された第1開閉実行モードは、当該モードの開始から4sec(開閉役物168の開放時間である0.5secと、第1開閉実行モードの終了時待機時間である3.5secとの合算時間)が経過したタイミングt74において終了する。ここで、第1開閉実行モードの終了タイミングは、第2開閉実行モードの終了タイミングから4.5sec後となるのに対し、貯留解除球がV入賞センサ192に到達するタイミングは、第2開閉実行モードの終了タイミングから5.5secとなる。すなわち、第1開閉実行モードが終了した後に貯留解除球がV入賞センサ192を通過することになる。この場合、貯留解除球がV入賞センサ192を通過しても有効なものとはならず、V入賞が発生しない。このため、新たな第2開閉実行モードの開始もなされない。
このように、0.5secの開放待機時間が選択された場合は、第1開閉実行モードが実行されても第2開閉実行モードが連荘しない構成であるため、第2開閉実行モードの終了時に貯留があり且つ保留がある状況であっても、第2開閉実行モードの連荘が確約されないものとなる。その結果、遊技球を貯留させ且つ保留を生じさせたとしても気を抜くことができなくなり、新たな第2開閉実行モードが発生するまで遊技の展開に注目させ続けることが可能になる。
また、選択される開放待機時間によって第2開閉実行モードの連荘しやすさが異なるため、第2開閉実行モードの終了後、どの開放待機時間が選択されるかに強い関心を抱かせることができ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
その際、保留消化又は作動口38,39への入賞(保留がない場合)に基づいて報知を行う場合は、2.5secの開放待機時間が選択された場合と、0.5secの開放待機時間が選択された場合とで、上記報知の報知態様を共通化又は識別不可とする構成とするとよい。この場合、報知から開放待機時間を推測しにくくなり、連荘の事前予測が困難となる。このため、貯留解除球がV入賞センサ192を通過し、連荘の有無が明確になるまで緊張感を持続させることが可能になる。上記報知は、図柄表示装置51や表示発光部63にて表示演出として行ってもよいし、スピーカ部64によって音声演出として行ってもよい。
なお、図50及び図51を参照した上記説明では、第2開閉実行モードの終了時において役物装置150内に遊技球が貯留されているものとしたが、貯留が発生しない場合もあり得る。すなわち、第2開閉実行モードにおける最終ラウンドでは、第2振分部材310が振分状態側に固定されているわけではなく、図34(b)に示す振分パターンテーブルに従って振分状態と非振分状態とに切り替え制御されている。このため、役物装置150への遊技球の入賞タイミングによっては、入賞球が入口用案内部215側に振り分けられないまま、最終ラウンド(第2開閉実行モード)が終了する場合が生じる。このような構成により、貯留がない状態で第2開閉実行モードが終了するかもしれないという緊張感を喚起することができ、第2開閉実行モードを淡々と消化するに過ぎない場合に比べ、興趣性を向上させることが可能になる。
次に、残存球判定の実行タイミングについて図52を参照しながら説明する。図52は、残存球判定の実行タイミングを説明するためのタイミングチャートである。
本実施の形態では、(1)判定待機時間の経過時に第1開閉実行モードが実行されていない場合と、(2)判定待機時間の経過時に第1開閉実行モードが実行されている場合とで、残存球判定の実行タイミングが異なっている。
(1)判定待機時間の経過時に第1開閉実行モードが実行されていない場合は、図52(a)に示すように、第2開閉実行モードの終了時に設定した判定待機時間(6sec)が経過したタイミングt77において、残存球判定を実行する。この場合、第2開閉実行モードの終了後、判定待機時間の経過前に第1開閉実行モードが行われることがあっても、第2開閉実行モードにおける役物装置150からの遊技球の排出と、第1開閉実行モードにおける役物装置150からの遊技球の排出と、第2開閉実行モードの終了時に貯留されていた遊技球の役物装置150からの排出と、の全てが終了してから残存球判定が実行される(図49のステップS3010からステップS3001でYESへの流れを参照)。よって、正規に遊技している状況下であれば、入賞個数と排出個数とが一致し、第2開閉実行モードと、その後の第1開閉実行モードと、当該第1開閉実行モードが終了した後の貯留解除球の排出との各状況における遊技球の出入りをまとめて、適切に残存球判定を行うことができる。
なお、図52(a)では、第2開閉実行モードの終了後に第1開閉実行モードが実行されるケースを例示したが、第1開閉実行モードが行われない場合も、適切に残存球判定を行うことができる。すなわち、貯留解除球の排出を待って残存球判定が行われることから、第2開閉実行モードの終了時において生じる、排出個数が1個少ない状況を解消した上で、残存球判定を行うことができる。
一方、(2)判定待機時間の経過時に第1開閉実行モードが実行されている場合は、図52(b)に示すように、判定待機時間が経過したタイミングt77ではなく、第1開閉実行モードが終了したタイミングt78において残存球判定を行う。例えば、タイミングt77で残存球判定を行う構成では、第1開閉実行モードにおいて、タイミングt77の直前に役物装置150への入賞が発生し、その入賞球がタイミングt77よりも後に排出されると、入賞個数よりも排出個数が少ない状態で残存球判定が実行されることになり、残存球異常であると誤判定するおそれがある。この点、図52(b)に示す構成であれば、第1開閉実行モードで入賞した遊技球の排出が終了してから残存球判定が行われるため、上記誤判定を抑制することができる。
<第6の実施の形態>
本実施の形態は、第1開閉実行モードにおいて役物装置150内に遊技球を貯留可能となっている点が上記各実施の形態と異なっている。
本実施の形態について簡単に説明すると、本実施の形態では、第1開閉実行モード(通常開放結果に基づく開閉実行モード)にて役物装置150内に入賞球を貯留し、当該モードが終了してから所定期間に亘って貯留状態を維持する構成となっている。そして、貯留状態の維持期間中に新たな第1開閉実行モードが発生した場合は、貯留状態を解除し、貯留解除球によってV入賞を発生させる。なお、本実施の形態では、便宜上、共通保留数の上限が0個、すなわち、保留機能を備えないものであるとして説明を進める。
図53は、本実施の形態に係る開放タイミングテーブルを示す図である。開放タイミングテーブルは、ROM113における開放タイミングテーブル記憶エリア113cに記憶されている。
開放タイミングテーブルでは、開放種別カウンタCSと関連付けて開放待機時間が規定されている。ここで、開放待機時間は、作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの待機時間となる。
図53に示すように、本実施の形態に係る開放テーブルでは、開放待機時間として0.5secと2secとの2種類が設定されている。0.5secの開放待機時間には開放種別カウンタCSの「0」〜「39」が対応し、2secの開放待機時間には開放種別カウンタCSの「40」〜「99」が対応している。すなわち、0.5secの開放待機時間が選択される確率は2/5、2secの開放待機時間が選択される確率は3/5となっており、前者の確率の方が低くなっている。
次に、主制御装置81のMPU112にて実行される各種制御処理のうち、上記第1の実施の形態と相違する部分について説明する。
先ず、本実施の形態では、第1開閉実行モードが実行される場合の第2振分部材310の動作態様が上記第1の実施の形態と異なっている。この場合の第2振分部材310の動作態様は、図24の制御開始処理におけるステップS1204の第2振分設定処理にて設定する。
本実施の形態においてステップS1204では、第1開閉実行モードの実行中に第2振分部材310を振分状態(遊技球を入口用案内部215側に振り分ける態様)に切り替えるように、その動作態様を設定する。具体的には、開閉役物168の開放タイミングから期間TS1’(0sec)の経過後に非振分状態から振分状態に切り替わり、そこから期間TS2’(0.3sec)後に非振分状態に復帰し、非振分状態を開閉役物168の閉鎖まで維持するように設定する。すなわち、本実施の形態では、第1開閉実行モードにおいて、役物装置150に入賞した遊技球を入口用案内部215側に振り分け可能となっている。
なお、第1開閉実行モードの実行中におけるシャッタ221の動作態様は、上記第1の実施の形態と同様に、第1開閉実行モードの全体に亘って閉鎖状態に維持されるように設定する。
次に、遊技制御処理について図54(a)を参照して説明する。図54(a)は、図21の遊技制御処理と相違する部分のみを図示しており、図54(a)のステップS3201,S3202の処理は、図21のステップS807で肯定判定した場合、すなわち、遊技終了用処理の一環として実行される。
ステップS807で終了時待機時間が経過したと判定した場合、すなわち、第1開閉実行モードの終了タイミングである場合は、ステップS3201にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。この処理は、第1開閉実行モードにおいてV入賞が発生したか否かを判定するものである。
V入賞フラグが格納されていない場合は、ステップS3202にてシャッタ設定処理を実行する。本処理では、第1開閉実行モードの終了後、シャッタ221を開放状態に切り替えるまでの待機時間Bを設定する。この待機時間Bは、第1開閉実行モードで役物装置150内に貯留した遊技球について、第1開閉実行モードの終了後、その貯留状態を維持する期間に相当する。待機時間Bは特に限定されるものではないが、例えば、5secを設定する。また、開放状態に切り替えた後のその維持期間は、上記第1の実施の形態と同様に0.3secに設定する。
なお、本実施の形態では、図49(b)に示すように、上記第6の実施の形態と同様に、通常処理(図19)の中でステップS3101のシャッタ用処理を実行する構成となっている。ステップS3101の処理は、第1開閉実行モード及び第2開閉実行モードのいずれも実行されていない状況下で、シャッタ221を駆動制御するためのものであり、上記ステップS3202で設定した待機時間Bが経過した場合は、本処理にてシャッタ221を閉鎖状態から開放状態に切り替える。
図54(a)の遊技制御処理の説明に戻り、ステップS3201でV入賞フラグが格納されていると判定した場合は、ステップS3203に進み、シャッタ221を閉鎖状態から開放状態に切り替えるシャッタ開放処理を実行する。本処理により、第1開閉実行モードにおいてV入賞が発生した場合において、役物装置150内に遊技球が貯留されている場合は、貯留が解除され、貯留球が役物装置150から排出される。
ステップS3203又はステップS3202の実行後は、ステップS811に進み、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された第1開閉実行モードフラグを消去する処理を実行する。
次に、当否判定処理について図54(b)を参照して説明する。図54(b)は、図23の当否判定処理と相違する部分のみを図示しており、図54(b)のステップS3301,S3302の処理は、図23のステップS1104で否定判定した場合、すなわち、当否判定の結果が通常開放結果であった場合に実行される。
ステップS1104で今回の遊技結果が外れ結果でないと判定した場合(通常開放結果であった場合)は、ステップS3301にてシャッタ設定処理を実行する。本処理では、作動口38,39への入賞後、シャッタ221を開放状態に切り替えるまでの待機時間Aを設定する。この待機時間Aは、作動口38,39への入賞が発生してからシャッタ221が開放状態となるまでのシャッタ221の閉鎖期間に相当する。待機時間Aの経過に基づくシャッタ221の開放は、作動口38,39への入賞に基づく第1開閉実行モードの中で、貯留解除球をV入賞センサ192に到達させるためのものである。このため、待機時間Aは、「上記入賞から第1開閉実行モードの終了までの経過期間」から「貯留解除球の移動時間」を減算した時間に比べて短いものであれば足り、例えば、0.5secに設定される。また、開放状態に切り替えた後のその維持期間は、上記第1の実施の形態と同様に0.3secに設定する。
続くステップS3302では、上記ステップS3202で設定された待機時間Bをクリアする処理を実行する。これにより、待機時間Bの経過後に予定されていたシャッタ221の開放動作が不実行化(キャンセル)される。すなわち、本実施の形態では、待機時間Bの経過途中に作動口38,39への入賞が発生した場合は、待機時間Bが経過してもシャッタ221を開放しない構成となっている。
続くステップS3303では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに判定待機フラグが格納されているか否かを判定する。判定待機フラグは、第1開閉実行モードの終了後、残存球判定処理の実行を待機していることを示すものである。判定待機フラグが格納されている場合は、ステップS3304にて判定待機フラグを消去する処理を実行する。ステップS3304の実行後、又はステップS3303で判定待機フラグが格納されていないと判定した場合は、ステップS1107(図23)にて通常開放コマンドの設定処理を実行する。
次に、残存球判定処理について図55を参照して説明する。図55の処理は、上記第1の実施の形態に係る図38の残存球判定処理に代えて実行されるものである。なお、本実施の形態において、第2開閉実行モード中の処理(図38のステップS2405以降の処理)、上記第1の実施の形態と同様であるため、図示及びその説明を省略する。
残存球判定処理では、先ず、ステップS3401において、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに判定待機フラグが格納されているか否かを判定する。判定待機フラグが格納されていない場合は、ステップS3402に進み、第1開閉実行モードの終了タイミングであるか否かを判定する。
第1開閉実行モードの終了タイミングである場合は、ステップS3403にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、当該第1開閉実行モードにてV入賞が発生したか否かを判定する。V入賞フラグが格納されておらず、V入賞が発生していない場合は、ステップS3404に進み、判定待機時間の設定処理を実行する。
判定待機時間は、残存球判定処理の実行タイミングを規定するものであり、本実施の形態では、第1開閉実行モードの終了タイミングからの待機時間となっている。判定待機時間は、上記ステップS3202(図54(a))で設定したシャッタ開放までの待機時間B(5sec)に対して、貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの移動時間(約2sec)を加えた時間よりも長い所定時間とされ、例えば、7.5secに設定される。続くステップS3405では、残存球判定の待機状態であるとしてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに判定待機フラグを格納する。ステップS3405の実行後、ステップS3402で否定判定した場合(第1開閉実行モードの終了タイミングでないと判定した場合)、又はステップS3403で肯定判定した場合(V入賞フラグが格納されていると判定した場合)は、本残存球判定処理を終了する。
一方、上記ステップS3401で判定待機フラグが格納されていると判定した場合は、ステップS3406に進み、上記ステップS3404で設定した判定待機時間が経過したか否かを判定する。判定待機時間が経過した場合は、ステップS3407にて、残存球カウンタRPCの値が「0」であるか否かを判定し、残存球判定を行う。残存球カウンタRPCは、役物装置150への入賞が検知されるごとに1インクリメントされ(図27のステップS1503)、役物装置150からの遊技球の排出が検知されるごとに1ディクリメントされる(図27のステップS1506)。
ステップS3407で残存球カウンタRPCの値が「0」でないと判定した場合は、ステップS3408に進み、役物装置150内に遊技球が残存しているとして、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに残存球フラグを格納する。ステップS3408の実行後、又はステップS3407で残存球カウンタRPCの値が「0」であると判定した場合は、ステップS3409にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された判定待機フラグを消去する。その後、本残存球判定処理を終了する。
なお、作動口38,39への入賞時において通常開放結果を判定した場合は、先のステップS3303(図54(b))において、判定待機フラグが格納されているか否かを判定し、格納されている場合は、ステップS3304にて判定待機フラグを消去する構成となっている。判定待機フラグが消去された場合、図55におけるステップS3401で否定判定するため、判定待機時間が経過してもステップS3407,S3408の残存球判定を実行しない。つまり、判定待機中に作動口38,39への入賞が発生した場合(第1開閉実行モードが発生した場合)は、残存球判定が不実行化(キャンセル化)される。
<遊技の流れについて>
次に、第1開閉実行モードに係る遊技の流れについて説明する。本実施の形態では、第1開閉実行モードが発生しないままシャッタ開放用の待機時間Bが経過した場合と、待機時間Bが経過する前に第1開閉実行モードが発生した場合とで遊技の流れが異なる。ここでは、先ず、第1開閉実行モードが発生しない場合について図56のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、開放待機時間についてはいずれも2secが選択されたものとする。
タイミングt81において作動口38,39への入賞が発生すると、待機時間A(0.5sec)が経過したタイミングt82にてシャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。シャッタ221は、開放状態が0.3secに亘って維持された後、再び閉鎖状態に切り替えられる。
作動口38,39への入賞(タイミングt81)から開放待機時間(2sec)が経過したタイミングt83では、開閉役物168が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。これと同時に、第2振分部材310が非振分状態から振分状態に切り替えられる。第2振分部材310は、振分状態が0.3secに亘って維持された後、再び非振分状態に切り替えられる。
タイミングt83の直後であるタイミングt84において遊技球が役物装置150に入賞すると、この時点では第2振分部材310が振分状態となっているため、入賞球が入口用案内部215側に振り分けられる。その際、シャッタ221は閉鎖状態となっているため、入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、入口用案内部215に貯留される。
その後、タイミングt85において第1開閉実行モードが終了すると、シャッタ開放用の待機時間B(5sec)が設定される。そして、待機時間Bが経過したタイミングt86では、シャッタ221が開放状態に切り替えられ、遊技球の貯留が解除される。その結果、貯留解除球がV入賞センサ192に向けて移動を開始し、その約2sec後にV入賞センサ192を通過する。但し、V入賞センサ192の通過時点では第1開閉実行モードが終了しているため、V入賞としては扱われない。
次に、待機時間Bが経過する前に第1開閉実行モードが発生した場合について図57のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、第1開閉実行モードが終了するタイミングt85までの流れは図56の場合と同様であるため、説明を省略する。
タイミングt85において第1開閉実行モードが終了すると、既に説明したように、シャッタ開放用の待機時間B(5sec)が設定される。待機時間Bが経過する前のタイミングであるタイミングt86’において作動口38,39への入賞が発生すると、待機時間Bがクリアされる。これにより、待機時間Bの経過タイミングであるタイミングt90’で予定されていたシャッタ221の開放が不実行化される。
タイミングt86’から待機時間A(0.5sec)が経過したタイミングt87’では、シャッタ221が開放状態に切り替えられ、遊技球の貯留が解除される。また、タイミングt86’から開放待機時間(2sec)が経過したタイミングt88’では、開閉役物168が開放状態に切り替えられ、第1開閉実行モードが開始される。ここで、第1開閉実行モードの実行期間は4sec(0.5secの開放時間と、3.5secの終了時待機時間との合算時間)であるところ、貯留解除球は、第1開閉実行モードの開始から約0.5secの経過後にV入賞センサ192を通過する。すなわち、タイミングt88’から開始された第1開閉実行モードの実行中に貯留解除球がV入賞センサ192を通過し、V入賞が発生する(タイミングt89’)。これにより、第2開閉実行モードへの移行が発生する。
このように、待機時間Bが経過する前に第1開閉実行モードが発生した場合は、先の第1開閉実行モードで役物装置150内に貯留された遊技球により、後の第1開閉実行モードでV入賞を発生させることが可能になる。すなわち、待機時間B内に作動口38,39に遊技球を入賞させれば、第2開閉実行モードが発生することになるため、上記待機時間Bは、第2開閉実行モードへの移行が生じやすい有利期間となる。これにより、第1開閉実行モードが終了した後の遊技を盛り上げることができ、遊技継続の意欲を喚起することが可能となる。
なお、図56及び図57では図示を省略しているが、タイミングt83からの第1開閉実行モードにおいて役物装置150に遊技球が入賞した場合、その遊技球が回転体201に到達し、当該第1開閉実行モードの中でV入賞が発生する場合もあり得る。このため、第1開閉実行モードの終了時における状態として、(a)V入賞を発生させることができた、(b)V入賞させることはできなかったが、役物装置150内に遊技球を貯留させることができた、(c)V入賞を発生させることもできなかったし、貯留させることもできなかった、の3状態を創出することができる。これにより、V入賞が発生したか否かの2状態に留まる従来のパチンコ機に比べて興趣性を向上させることが可能になる。
次に、開放待機時間と第1開閉実行モードに係る遊技の流れとの関係について説明する。先ず、0.5secの開放待機時間が選択された場合の流れについて図58(a)を参照して説明する。
タイミングt91において作動口38,39への入賞が発生すると、開放待機時間(0.5sec)が経過したタイミングt92において、開閉役物168が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。これと同時に、第2振分部材310が非振分状態から振分状態に切り替えられる。また、タイミングt92は、作動口38,39への入賞が発生してからシャッタ開放用の待機時間A(0.5sec)が経過したタイミングでもあるため、タイミングt92において、シャッタ221が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。
このように、0.5secの開放待機時間が選択された場合は、第2振分部材310が振分状態にある期間と、シャッタ221が開放状態にある期間とが重複する。そして、その重複期間中のタイミングt93において遊技球が役物装置150に入賞すると、当該遊技球は、第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられた後、そのまま入口用案内部215を通過してV入賞センサ192に向けて移動する。すなわち、入口用案内部215を通じてV入賞センサ192に至るルートが、役物装置150に入賞した遊技球をV入賞センサ192に直通させるルートとして機能する。
上記ルートを流下する遊技球は、入口用案内部215を通過してから約2sec後であるタイミングt94においてV入賞センサ192に到達する。つまり、役物装置150への入賞が生じた第1開閉実行モードの中でV入賞が発生する。
次に、2secの開放待機時間が選択された場合の流れについて図58(b)を参照して説明する。
タイミングt95において作動口38,39への入賞が発生すると、開放待機時間(2sec)が経過したタイミングt96において、開閉役物168が閉鎖状態から開放状態に切り替えられる。これと同時に、第2振分部材310が非振分状態から振分状態に切り替えられる。その際、シャッタ221は閉鎖状態となっており、第2振分部材310が振分状態にある期間と、シャッタ221が開放状態にある期間とが重複しない。このため、タイミングt96の直後であるタイミングt97で役物装置150に入賞した遊技球は、第2振分部材310によって入口用案内部215側に振り分けられた後、シャッタ221に当接して停止し、入口用案内部215に貯留される。
このように、開閉待機時間によって、入口用案内部215に振り分けられた遊技球がそのままV入賞する場合と、貯留される場合とが生じる構成となっている。このうち、後者の場合にあっては、待機時間Bの経過前に第1開閉実行モードが発生しなければV入賞に結び付かないため、第2開閉実行モードへの移行が確約されない。このため、遊技者にとっては、そのままV入賞する前者の方が有利となる。同じ入口用案内部215への振り分けであっても有利度合に差異が生じる構成であるため、振り分け後の遊技展開にも遊技者の関心を寄せることができ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、役物装置150に入賞した遊技球を貯留する構成が上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態について図59〜図62を参照して説明する。
図59は、本実施の形態に係る、役物装置150を構成する回転体ユニット180の分解斜視図である。同図に示すように、本実施の形態に係る役物装置150では、図8に示すワープ通路210、第2振分部材310、シャッタ221及びV誘導通路260が設けられていない。すなわち、役物装置150に入賞した遊技球は全て球振分け部185(図9参照)に導かれ、左右いずれかの誘導通路183を流下する。なお、球振分け部185は、上記各実施の形態と同様に、球振分け部185に到達した遊技球を常に左側の誘導通路183に誘導する。
左側の誘導通路183には、上記各実施の形態と同様に、第1振分部材300が設けられている。第1振分部材300は、図8に示すように、第1振分駆動部300aが駆動制御されることで、誘導通路183の床部の一部を構成する非振分状態と、当該第1振分部材300の後端を回転軸として下方に回転して外れ用通路191b側へ向けて下り傾斜となる振分状態と、に切り替わる。
第1振分部材300が非振分状態である場合には、誘導通路183において左側に振り分けられた遊技球は、第1振分部材300上を通過し、回転体201に到達する。一方で、第1振分部材300が振分状態となることで、第1振分部材300は下方の外れ口182b側に傾斜し、第1振分部材300上を通過する遊技球は回転体201に到達することなく、そのまま外れ用通路191bへ誘導される。
図59の役物装置150の説明に戻り、凹部182の側面裏側には、外れ口182bを開閉する開閉部材400が設けられている。開閉部材400は、外れ口182bに対応した大きさの略板状をなしており、凹部182の側面に沿って移動可能となっている。開閉部材400は、開閉部材用駆動部400a(電磁式ソレノイド)に接続されており、当該開閉部材用駆動部400aが駆動制御されることで、外れ口182bを開放する開放状態と、外れ口182bを閉鎖する閉鎖状態と、に切り替わる。開閉部材用駆動部400aは、主制御装置81と電気的に制御されており、主制御装置81からの駆動信号により駆動制御される。
開閉部材用駆動部400aが駆動されておらず(励磁状態とならず)、開閉部材400が開放状態である場合には、回転体201により外れ口案内部203に振り分けられた遊技球が、外れ口182bを通過可能となり、外れ用通路191bに誘導される。一方、開閉部材用駆動部400aが駆動され(励磁状態となり)、開閉部材400が閉鎖状態である場合には、外れ口案内部203に受け入れられている遊技球が外れ口182bに到達しても、外れ口182bを通過することができない。この場合、外れ口案内部203に遊技球が受け入れられた状態が継続され、外れ口案内部203において遊技球が貯留される。
外れ口案内部203は9個設けられており、各外れ口案内部203は遊技球を1個ずつ受け入れ可能に構成されている。よって、合計で9個の遊技球を貯留することが可能となっている。
なお、V入賞口182aには、開閉部材400及び開閉部材用駆動部400aのような開閉機構が設けられていない。すなわち、V入賞口182aは、常時開口して遊技球が通過可能な状態となっている。このため、V入賞口案内部204に振り分けられた遊技球は、回転体201の回転に伴い、V入賞口182aを通ってV入賞通路191aに誘導される。つまり、V入賞口案内部204に受け入れられた遊技球は、V入賞口182aに到達した以後は貯留されず、役物装置150の外部へ排出される。
次に、主制御装置81のMPU112にて実行される各種制御処理のうち、上記第1の実施の形態と相違する部分について説明する。
既に説明したように、本実施の形態に係る役物装置150は第2振分部材310及びシャッタ221を備えないため、本実施の形態では、それらの駆動制御に関する処理が不要となっている。このため、例えば、第2振分パターンテーブル(図34)を用いて第2振分部材310を駆動制御する処理(図24のステップS1204等)や、シャッタ221を駆動制御する処理(図24のステップS1205、図35のステップS2112等)が省略され、これらの処理を実行しない構成となっている。
本実施の形態に係る各ラウンド用の設定処理について図60(a)を参照して説明する。図60(a)は、図30の各ラウンド用の設定処理と相違する部分のみを図示しており、図60(a)のステップS3701,S3702の処理は、図30のステップS1804の実行後に行われる。なお、各ラウンド用の設定処理は、ラウンド遊技の開始時に実行されるものである(図29のステップS1705を参照)。
ステップS1804で、対応するラウンドパターンの設定処理(各ラウンドの開閉パターンの設定処理)を実行した後は、ステップS3701にて開閉部材400の設定処理を実行する。この処理は、各ラウンドでの開閉部材400の動作態様を設定するものである。
ここで、図60(b)のフローチャートを参照し、ステップS3701の処理について詳細に説明する。ステップS3701の処理では、先ず、ステップS3801にて、第1ラウンドカウンタRC1の値が「15」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「15」であるとは、2ラウンド目のラウンド遊技(第2開閉実行モードにおける初回ラウンド)を意味するため(図28のステップS1608参照)、ステップS3801では、実質的に、ラウンド遊技が2ラウンド目であるか否かを判定している。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「15」であると判定した場合、すなわち、2ラウンド目のラウンド遊技である場合は、ステップS3802に進み、2ラウンド目のラウンド遊技の全体に亘って閉鎖状態を維持するように、開閉部材400の動作態様を設定する。すなわち、2ラウンド目のラウンド遊技で外れ口案内部203に振り分けられた遊技球は、2ラウンド目のラウンド遊技が終了するまで、外れ口案内部203に貯留される。
一方、ステップS3801で第1ラウンドカウンタRC1の値が「15」でないと判定した場合は、ステップS3803に進み、第1ラウンドカウンタRC1の値が「3」以上で且つ「14」以下であるか否かを判定する。すなわち、実行するラウンド遊技が3ラウンド目から14ラウンド目までのいずれかであるか否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「3」以上で且つ「14」以下である場合は、ステップS3804にて、ラウンド遊技の開始から所定期間が経過するまで閉鎖状態となった後、所定の開放期間に亘って開放状態となり、その後、ラウンド遊技が終了するまで閉鎖状態となるように、開閉部材400の動作態様を設定する。このため、3ラウンド目から14ラウンド目までのラウンド遊技においては、ラウンド遊技の開始から所定期間が経過するまで、外れ口案内部203に振り分けられた遊技球が外れ口案内部203に貯留される状態となり、その後、開閉部材400が開放状態に切り替えられることで、貯留状態が解除される。そして、再び開閉部材400が閉鎖状態に切り替えられ、ラウンド遊技の残り期間において、外れ口案内部203に振り分けられた遊技球が外れ口案内部203に貯留される状態となる。
閉鎖状態を維持する上記所定期間は、1ラウンド分のラウンド遊技の実行期間よりも短いものであれば足り、任意であるが、本実施の形態では例えば5secとする。一方、開放状態を維持する上記開放期間についても任意であるが、外れ口案内部203に貯留された全ての遊技球を排出する場合は、回転体201が1周する期間よりも長い期間とする必要がある。本実施の形態では、開閉部材400を開放状態に切り替えた際、1secで1周するように回転体201の回転速度を高速化した上で、上記開放期間を1.5secとする。
上記ステップS3803で第1ラウンドカウンタRC1の値が「3」以上で且つ「14」以下でないと判定した場合は、ステップS3805に進み、第1ラウンドカウンタRC1の値が「2」であるか否か、すなわち、実行するラウンド遊技が15ラウンド目(最終ラウンドの1つ前のラウンド遊技)であるか否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「2」である場合は、ステップS3806にて、ラウンド遊技の開始から所定期間が経過するまで閉鎖状態となった後、所定の開放期間に亘って開放状態となり、その後、開放状態がラウンド遊技の終了まで維持されるように、開閉部材400の動作態様を設定する。このため、15ラウンド目のラウンド遊技においては、ラウンド遊技の開始から所定期間が経過するまで、外れ口案内部203に振り分けられた遊技球が外れ口案内部203に貯留される状態となり、その後、開閉部材400が開放状態に切り替えられることで、貯留状態が解除される。その後は、貯留解除された状態がラウンド遊技の終了まで続くため、外れ口案内部203に遊技球が振り分けられても貯留されない。なお、本ステップにおける上記所定期間は任意であるが、本実施の形態では、ステップS3804の上記所定期間と同一の長さとする。
上記ステップS3806で第1ラウンドカウンタRC1の値が「2」でないと判定した場合は、実行するラウンド遊技が16ラウンド目(最終ラウンド)のラウンド遊技であることを意味する。この場合は、ステップS3807にて、16ラウンド目のラウンド遊技の全体に亘って開放状態を維持するように、開閉部材400の動作態様を設定する。すなわち、16ラウンド目のラウンド遊技で外れ口案内部203に振り分けられた遊技球は、回転体201の回転に伴い役物装置150の外部に排出される。ステップS3802,S3804,S3806,S3807の各処理を実行した後は、開閉部材400の設定処理を終了する。
図60(a)の各ラウンド用の設定処理の説明に戻り、ステップS3701の処理を実行した後は、ステップS3702にて回転体用設定処理を実行する。既に説明したように、本実施の形態は、開閉部材400の開放状態への切り替えに合わせて回転体201を高速回転させる構成となっており、本ステップはその設定処理を行うものである。なお、本実施の形態では、ラウンドごとに回転体用設定処理を行うため、図28の遊技状態移行処理におけるステップS1609(回転体用設定処理)を実行しない。
ステップS3702では、第1ラウンドカウンタRC1の値が「2」以上で且つ「14」以下であるか否か(実行するラウンド遊技が23ラウンド目から15ラウンド目までのいずれかであるか否か)を判定し、肯定判定した場合は、所定期間(ステップS3804の上記所定期間と同一期間)の経過後、高速回転期間(1sec)に亘って高速回転が行われるように、回転体201の動作態様を設定する。
一方、上記判定により否定判定した場合、すなわち、実行するラウンド遊技が2ラウンド目又は16ラウンド目である場合は、ラウンド遊技の全体に亘って通常回転速度(5secで1周)が維持されるように、回転体201の動作態様を設定する。ステップS3702の実行後は、図30のステップS1805(役物装置150への上限入賞個数を設定する処理)を実行する。
次に、本実施の形態に係るラウンド更新処理について図61(a),(b)を参照しながら説明する。図61(a),(b)は、図36のラウンド更新処理と相違する部分のみを図示している。図61(a)のステップS3901の処理は、図36のステップS2206の実行後に行われ、図61(b)のステップS3902の処理は、図36のステップS2209の実行後に行われる。なお、ラウンド更新処理は、ラウンド遊技において役物装置150への入賞個数が上限入賞個数(9個)に達した場合、又は、開閉役物168の開放回数が上限回数(19回)に達した場合に実行されるものである(図29のステップS1712を参照)。
先ず、図61(a)のステップS3901における開閉部材400の閉鎖設定処理について説明する。この処理は、各ラウンド間の閉鎖期間(ラウンドインターバル)における開閉部材400の動作態様を設定するものである。ステップS3901では、上記閉鎖期間の全体に亘って開閉部材400が閉鎖状態となるように、開閉部材400の動作態様を設定する。このため、直前ラウンドの終了時において外れ口案内部203に遊技球が貯留されていた場合、上記閉鎖期間への移行後も貯留状態が維持され、その状態がそのまま次のラウンドに引き継がれる。ステップS3901の実行後は、図36のステップS2207(ラウンド更新コマンドの設定処理)に進む。
次に、図61(b)のステップS3902における開閉部材400の開放設定処理について説明する。この処理は、エンディング期間における開閉部材400の動作態様を設定するものである。ステップS3902では、エンディング期間の全体に亘って開閉部材400が開放状態となるように、開閉部材400の動作態様を設定する。このため、直前ラウンドの終了時に外れ口案内部203に遊技球が貯留されていても、それらの貯留球はエンディング期間中に役物装置150の外部に排出される。ステップS3902の実行後は、図36のステップS2210(エンディングコマンドの設定処理)に進む。
次に、本実施の形態に係る役物内動作部用処理について図61(c)を参照しながら説明する。図61(c)は、図26の役物内動作部用処理と相違する部分のみを図示しており、図61(c)のステップS4101,S4102の処理は、図26のステップS1403〜S1406に代えて実行されるものである。なお、役物内動作部用処理は、図28の遊技状態移行処理のステップS1615で実行されるものである。
役物内動作部用処理において、ステップS1401(第1振分部材300の制御タイミングである否かの判定処理)で否定判定した場合、又はステップS1402(第1振分部材300の駆動制御処理)を実行した後は、ステップS4101にて、開閉部材400の変位タイミング(制御タイミング)であるか否かを判定する。変位タイミングである場合には、ステップS4102にて、開閉制御処理を実行する。この処理では、開閉部材用駆動部400aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、開閉部材用駆動部400aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、開閉部材400を閉鎖状態から開放状態に変位させる。また、開閉部材用駆動部400aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、開閉部材400を開放状態から閉鎖状態に変位させる。ステップS4101で否定判定した場合、又はステップS4102の実行後は、ステップS1407(回転体制御処理)に進む。
<遊技の流れについて>
次に、本実施の形態に係る遊技の流れについて図62を参照しながら説明する。図62は、第2開閉実行モードにおける遊技の流れを説明するためのタイミングチャートである。ここでは、3ラウンド目及び4ラウンド目のラウンド遊技を例にとって説明する。なお、第2開閉実行モードの実行態様は継続変動モードであるとし、また、3ラウンド目のいずれかのタイミングでV入賞が発生して4ラウンド目が実施されるものとして説明を進める。
3ラウンド目のラウンド遊技が開始されたタイミングt101から5secが経過したタイミングt102では、開閉部材400が閉鎖状態から開放状態に切り替えられ、外れ口182bが開放される。この状態は1.5sec後のタイミングt103まで維持される。また、既に説明したように、タイミングt102〜t103の間は、回転体201が1secで1周するように高速回転する。
このため、タイミングt102の時点で外れ口案内部203に貯留されていた遊技球は、タイミングt103までの間において外れ口182bに誘導され、役物装置150の外部に排出される。その結果、タイミングt103における回転体201の状態は、図62(a)に示すように、9個全ての外れ口案内部203に遊技球が受け入れていない状態、すなわち、いずれの外れ口案内部203にも遊技球を受け入れることが可能な状態となっている。
そして、タイミングt103では、開閉部材400が開放状態から閉鎖状態に切り替えられ、外れ口182bが閉鎖される。これにより、回転体201において、外れ口案内部203に振り分けた遊技球を貯留することが可能な状態となる。このような状態は、4ラウンド目の開始から5secが経過したタイミングt106まで継続する。このため、3ラウンド目が終了するタイミングt104において、外れ口案内部203に遊技球が貯留されていた場合は、4ラウンド目が開始されるタイミングt105においても、それが引き継がれる。
タイミングt104において、例えば、図62(b)に示すように、4個の外れ口案内部203に遊技球が貯留されていた場合、これらの外れ口案内部203は貯留球によって塞がれた状態となり、新たな遊技球の受け入れが不可能となる。このため、4ラウンド目が開始されるタイミングt105において、遊技球を受け入れ可能な球案内部202の総数は、V入賞口案内部204を含めて6個となる。その結果、4ラウンド目の開始時点でのV入賞率(回転体201に到達した遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられる確率)は、1/6となる。
また、図62(c)に示すように、例えば、役物装置150に入賞した遊技球の多くが第1振分部材300により外れ口182bに振り分けれるなどして、遊技球を貯留する外れ口案内部203の数が1個に留まった場合は、4ラウンド目が開始されるタイミングt105において、遊技球の受け入れが可能な球案内部202の総数が9個となる。この場合のV入賞率は1/9となり、図62(b)の場合よりもV入賞率が低くなる。
このように、本実施の形態では、3ラウンド目のタイミングt103以降において外れ口案内部203に振り分けられた遊技球の数により、4ラウンド目の開始時における有利度合が変化する。このため、タイミングt103からt104までの期間Aは、4ラウンド目を有利に開始すべく、遊技球が貯留された外れ口案内部203の数を増やすための期間となる。
そして、4ラウンド目が開始されたタイミングt105から開閉部材400が開放状態に切り替えられるタイミングt106までの期間Bは、期間Aで溜めた貯留の恩恵を受けながらV入賞を目指す期間となる。期間Bにおいても、空いている外れ口案内部203に遊技球が振り分けられれば、当該案内部203に遊技球が貯留される。その結果、遊技球を受け入れ可能な球案内部202の総数が更に減り、V入賞口案内部204の占める割合がより高くなる。このため、期間Bでは、当該期間が終了するタイミングt106に近付くほど、V入賞率が高くなってV入賞が発生しやすくなる。
なお、V入賞が簡単化し過ぎると、継続変動モードを設けた意義が喪失したり、V入賞の魅力が低減したりする弊害がある。このため、V入賞がある程度難しいことが望ましい場合があり、その対策としては、例えば、回転体201において外れ口案内部203の数を増やしたり、一の外れ口案内部203への遊技球の受け入れ数を増やしたりすることが考えられる。但し、これらの場合、回転体201や外れ口案内部203の構造が複雑化し、役物設計の負担増を招くおそれがある。この点、本実施の形態では、第1振分部材300により、回転体201に向かう遊技球の数が低減されるため、外れ口案内部203の数や一の外れ口案内部203への遊技球の受け入れ数を少なく抑えることができる。これにより、回転体201や外れ口案内部203の構成を簡単化しながらも、ある程度のV入賞難易度を保つことが可能になる。
タイミングt106において開閉部材400が開放状態に切り替えられると、その状態が1.5secに亘って維持される。これにより、遊技球の貯留が解除され、回転体201の状態は、図62(a)に示すように、9個全ての外れ口案内部203に遊技球を受け入れていない状態となる。
その際、貯留解除のタイミングや当該タイミングまでの期間を示唆する報知を図柄表示装置51や表示発光部63、スピーカ部64等にて行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置51で報知する場合は、貯留解除のタイミングにて特定表示を行ったり、ラウンド開始時やその直前のラウンドインターバル、ラウンド開始後の所定タイミングで上記期間を表示したりするとよい。また、例えば、カウントダウン表示やレベルゲージ等によって残り時間の変化を示唆したり、ラウンド開始からの経過時間を示唆する報知を行ったりしてもよい。これらの報知に関する制御は、図柄表示装置51を制御する表示制御装置100や、表示発光部63及びスピーカ部64を制御する演出制御装置82にて行うことができる。
タイミングt106から1.5secが経過したタイミングt107では、開閉部材400が閉鎖状態に切り替えられ、その状態が4ラウンド目が終了するタイミングt108まで維持される。このため、タイミングt107〜t108は、タイミングt103〜t104の場合と同様に、5ラウンド目を有利とすべく、遊技球が貯留された外れ口案内部203の数を増やすための期間Aとなる。
その後、上記4ラウンド目の場合と同様にして5ラウンド目のラウンド遊技が行われ、以後は、ラウンド遊技の前半が前のラウンドの恩恵を受ける期間Bとなり、後半が次のラウンドのために貯留を増やす期間Aとなるラウンド遊技が、14ラウンド目まで繰り返される。
ちなみに、タイミングt105〜t106の期間BでV入賞が発生しなかった場合は、タイミングt107〜t108の期間AでV入賞を目指さざるを得なくなる。上記のとおり、タイミングt107ではそれまでの貯留がリセットされた状態となるため、期間AでのV入賞率は期間Bのそれよりも低くなると想定される。つまり、貯留解除タイミングをラウンド遊技の途中に設定することで、ラウンド遊技の中でV入賞しやすい状態からV入賞しくい状態への切り替えを行うことができる。このように、V入賞が優遇された期間をラウンド遊技の途中までに制限したため、V入賞が未発生のまま優遇期間が終了するかもしれないという緊張感の下でラウンド遊技を進めることができ、興趣性が向上する。
ところで、ラウンド遊技において継続条件を成立させるには、遊技球がV入賞センサ192を1回通過すれば足り、繰り返し通過させる必要はない。また、V入賞口案内部204は、外れ口案内部203とは異なり、遊技球が貯留されることもない。このため、V入賞の発生後、再び遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられても、遊技者にとっては、遊技球の払い出しが受けられる以上の見返りがない。これに対し、V入賞の発生後、遊技球が外れ口案内部203に振り分けられた場合は、遊技球の払い出しに留まらず、貯留が発生して次のラウンド遊技が有利化するメリットがある。
すなわち、本実施の形態では、V入賞の発生前は、外れ口案内部203よりもV入賞口案内部204が有利であるのに対し、V入賞の発生後は、V入賞口案内部204よりも外れ口案内部203が有利となる。つまり、V入賞の発生を境界として有利関係が逆転するものとなり、従来にはない斬新な遊技性を提供することができる。また、この構成では、V入賞口案内部204への振り分けを目指す遊技と、外れ口案内部203への振り分けを目指す遊技との2つの遊技を一のラウンド遊技の中で実現することができる。これにより、前者が担保されているに過ぎない従来のパチンコ機に比べ、興趣性を向上させることが可能になる。
次に、2ラウンド目のラウンド遊技の流れについて説明する。第2開閉実行モードにおいて、その初回ラウンドである2ラウンド目のラウンド遊技は、前のラウンド遊技からの遊技球の持ち越し(貯留)がないため、有利な状態でラウンド遊技を開始することができない。そこで、2ラウンド目においては、3ラウンド目〜14ラウンド目とは異なり、ラウンド遊技の途中で開閉部材400を開放状態に切り替えず、貯留を解除しない。このため、2ラウンド目のラウンド遊技では、ラウンド遊技の全体を使って外れ口案内部203に遊技球を貯留させていくことができる。これにより、2ラウンド目でのV入賞率を高め、第2開閉実行モードが早期に終了することを抑制している。なお、2ラウンド目で貯留させた遊技球は、3ラウンド目にそのまま引き継がれるため、3ラウンド目の期間Bでは特に有利に遊技を進めることができる。
次に、15ラウンド目及び16ラウンド目のラウンド遊技の流れについて説明する。既に説明したように、15ラウンド目では、ラウンド遊技の途中で開閉部材400を開放状態に切り替えるものの、その後、閉鎖状態に復帰させず、ラウンドの終了まで開放状態を維持する。このため、15ラウンド目では、前半の期間Bが終了すると、その後は遊技球が貯留されない。また、16ラウンド目では、ラウンド遊技の全体に亘って開閉部材400が開放状態に維持されるため、ラウンド遊技の全体を通して貯留が発生しない。
これは、第2開閉実行モードにおける上限ラウンドが16ラウンドに設定されていることから、16ラウンド目でV入賞が発生しても次のラウンドが実施されず、15ラウンド目の後半及び16ラウンド目で遊技球を貯留させる意義に乏しいためである。また、第2開閉実行モードの終了後も役物装置150内に残っていると、残存球判定のタイミングを確保しにくくなるが、上記構成となっていることで、残存球判定のタイミングを確保しやすくなる。
ちなみに、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様に、エンディングの終了時に残存球判定を行う。この場合において、本実施の形態では、エンディング期間中、開閉部材400を開放状態とする構成となっている。これにより、ラウンド遊技が16ラウンド目まで到達した場合はもちろんのこと、途中のラウンド(例えば5ラウンド目)で終了した場合も、エンディング終了時(残存球判定の実行時)には、役物装置150内の遊技球が全排出された状態とすることができ、適切に残存球判定を行うことが可能になる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
役物装置150において外れ口案内部203に振り分けられた遊技球を貯留可能とし、その貯留球により次のラウンド遊技のV入賞率が高まる構成とした。これにより、先後のラウンド遊技を連携させて遊技することが可能になり、ラウンド遊技ごとに遊技が独立する従来のパチンコ機に比べ、興趣性を向上させることが可能になる。
さらに、外れ口案内部203を貯留部として活用したことで、次の効果も期待される。通常、外れ用の受入部に遊技球が振り分けられると、遊技者は残念な気持ちにしかならないが、本実施の形態では、外れ口案内部203に遊技球が振り分けられた場合に遊技者にメリットが生じるため、外れ口案内部203が有益な受入部として認識される。これにより、V入賞口案内部204及び外れ口案内部203のいずれに遊技球が振り分けられても遊技者が喜べる遊技性を実現することができ、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。また、従来は不利なものとしか認識されていない外れ口案内部203が有利度合を高める受入部として機能するため、意外性を付与することもでき、遊技者に新鮮な印象を与えることが可能になる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、各種振分手段として回転体201、第1振分部材300及び第2振分部材310を設けたが、遊技球を振り分ける構成は任意である。また、動的な振分構造に限定されるものではなく、振分通路やクルーン等の静的な振分構造でもよい。
(2)上記各実施の形態では、入口用案内部215又は外れ口案内部203に貯留された遊技球をパチンコ機10の前方から視認可能な構成としたが、視認不能な構成としてもよい。この場合、遊技者から見て貯留の有無が明確とならず、これを推測する面白みを付加することができる。
(3)上記各実施の形態では、一の特定遊技(ラウンド遊技や第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)で役物装置150に入賞した遊技球が、その次の特定遊技でV入賞センサ192を通過する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、役物装置150に遊技球が入賞した特定遊技から見て、次々回の特定遊技で遊技球がV入賞センサ192を通過する構成としてもよい。要は、先の特定遊技での入賞球が、それよりも後に実行される特定遊技でV入賞センサ192を通過する構成であればよい。
(4)上記各実施の形態では、役物装置150への入球数と役物装置150からの排出数とを一のカウンタ(残存球カウンタRPC)により管理する構成としたが、入球数を把握するための第1カウンタと、排出数を把握するための第2カウンタとを設け、入球数と排出数とを各別に管理する構成としてもよい。この場合、残存球判定は、第1カウンタ及び第2カウンタの各値が一致するか否かを判定することに基づいて行うことができる。
(5)上記各実施の形態では、第2開閉実行モードの各ラウンド遊技において終了時待機時間を設けるが、これを設けない構成としたり、終了時待機時間を、役物装置150に入賞した遊技球が役物装置150から排出されるまでの時間よりも短くしてもよい。これらの構成により、入口用案内部215又は外れ口案内部203に貯留された遊技球以外の遊技球についても次のラウンドに持ち越し可能とできる。但し、ラウンド遊技での最終入賞球(役物装置150の閉鎖間際に入賞した遊技球)がV入賞センサ192を通過しても、その通過がラウンド遊技の終了後となり、V入賞が無効化する事態が起こり得ることなどを考慮すると、上記実施の形態の構成とすることが好ましい。
また、終了時待機時間を設ける構成において、役物装置150への入賞個数が上限入賞個数に達した場合に限り、終了時待機時間を設定する構成としてもよい。この構成によれば、例えば、開閉役物168の開放回数が上限開放回数に達した場合(但し、上限入賞個数への到達が同時発生していない場合に限る)に、速やかにラウンド遊技を終了でき、次のラウンド遊技までの待ち時間を短縮可能となる。
さらに、終了時待機時間を設ける構成において、役物装置150への入賞個数が上限入賞個数に達した場合に、V入賞が発生しているか否か(又は継続条件が成立しているか否か)を判定し、V入賞が発生済みの場合は終了時待機時間を設けない(終了時待機時間を0secとする)構成としてもよい。V入賞が発生済の場合は、最終入賞球がV通過するか否かを待つ意義に乏しいためである。
(6)上記各実施の形態において、第1開閉実行モードでV入賞が発生した場合に、V入賞の発生に基づいて第1開閉実行モードを終了させる構成としてもよい。これにより、終了時待機時間の経過を待たずに第2開閉実行モードを開始でき、遊技の円滑な進行を促進できる。この場合、第1開閉実行モードの終了から所定期間が経過した後に残存球判定を行うとよい。その際、所定期間を第2開閉実行モードのオープニング期間よりも短い期間とすることで、オープニングの実行中に残存球判定を済ませることができ、第2開閉実行モードに対する残存球判定との干渉を抑制できる。また、V入賞が発生した第1開閉実行モードに対する残存球判定を行わない構成とし、第2開閉実行モードとまとめて行う構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態において、作動口38,39への入賞に基づき、メイン表示部43及び図柄表示装置51の少なくとも一方にて、絵柄を変動表示させる構成、換言すれば、抽選処理が行われることに基づいて変動表示が開始され、上記抽選処理の結果に対応した停止結果を表示して変動表示を終了させることを1回とする遊技回を実行する構成としてもよい。この場合、作動口38,39への入賞に基づいて変動表示を開始させた後、開放待機時間と同一期間に亘って変動表示させ、その後、絵柄を停止表示させればよい。停止表示させる場合の絵柄の表示態様(停止表示結果)は、作動口38,39への入賞に基づいて行われる抽選処理(図12参照)の結果に対応するものとすればよい。
(8)上記各実施の形態では、各作動口38,39への入賞に基づいて保留情報が取得され、所定数(それぞれ4つ)を上限としてそれらの保留情報が記憶される構成を前提として説明したが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。
(9)上記各実施の形態では、各作動口38,39への入賞に基づく保留情報の保留個数として、いずれも4個を上限として記憶される構成を例として説明したが、3個未満であってもよいし、5個以上であってもよいし、各作動口38,39への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(10)上記各実施の形態では、保留情報の数を保留発光部54〜56にて表示するが、図柄表示装置51の表示画面Gに表示する構成としてもよい。図柄表示装置51は役物装置150の上部に設けられる構成であるところ、遊技者は、役物装置150への入賞、その後のV入賞といったように役物装置150を中心とした遊技球の動作態様に高い関心を寄せているものと考えられ、そのような関心を寄せている箇所に近い箇所(すなわち表示画面G)において保留情報の数を表示すれば、それがおのずと視界に入ってくるものと考えられる。このようにすれば、様々な箇所を用いて別々の報知を行う構成と比較して、情報の集約化を図ることができ、遊技をわかり易くすることが可能となる。但し、上記各実施の形態では、開閉実行モードに移行した場合にはそれの種類を表示画面Gにて報知する構成としており、表示画面Gにおいて保留個数を報知する構成とすると、開閉実行モードの種類を報知する際には、その保留個数の情報の表示を消去するか、保留個数の情報を残しつつも開閉実行モードの種類を報知する構成となる。前者の場合、開閉実行モードの種類の報知が行われている際に、保留情報の数を確認しようとも、それができない、といった不都合が考えられ、また、後者の場合、演出領域が小さくなることにより開閉実行モードの種類の報知自体が地味なものとなり得る不都合が考えられる。そこで、例えば、保留発光部54〜56を有しつつも、表示画面Gでも保留情報の数を表示する構成とすれば、表示画面Gにおいて保留情報の数の表示を消去したとしても、その際は保留発光部54〜56にて確認すればよく、各種情報をタイミングに合わせて好適に表示することが可能となる。
(11)上記各実施の形態では、保留情報として、作動口38,39への入賞時に大当たり種別カウンタC2を取得して、当該大当たり種別カウンタC2を用いて開閉実行モードの種類(大当たり種別)を決定する構成としたが、V入賞時に開閉実行モードの種類を決定するためのカウンタを取得して、それに基づいて開閉実行モードの種類を決定する構成としてもよい。このようにすれば、V入賞が発生していないのにもかかわらず、作動口38,39への入賞時にV入賞時に使用するカウンタを取得する処理を省略することが可能となり、処理構成の簡素化を図ることができる。但し、例えば、開閉パターンを決定する際に、V入賞時の開閉実行モードの種類を反映する構成、詳細には、例えば、16R大当たりであればV入賞率を高める/低める、8R大当たりであればV入賞率を高める/低める、などの構成とする場合には、保留情報として開閉実行モードの種類を決定するための大当たり種別カウンタC2が取得される構成のほうが好ましい。また、開閉制御の実行時や、先読み報知において、その保留情報に対応する開閉制御時にV入賞した場合の開閉実行モードの種類を報知する構成(例えば、「ここで当たりなら16R大当たり!!」といった表示等)においても、保留情報として開閉実行モードの種類を決定するための大当たり種別カウンタC2が取得される構成のほうが好ましい。
(12)上記各実施の形態では、電動役物39aによるサポートの態様が異ならないように設定したが、サポートの態様が異なるように複数種類のサポートモードを設定してもよい。詳細には、例えばサポートモードとして、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口39の電動役物39aが単位期間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とを設定する。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物39aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放期間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は、1回の開放期間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保期間(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続期間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。そのため、役物装置150が開放状態となる確率も高くなり、V入賞(大当たりの発生)確率も高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位期間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放期間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間を短くする、係る確保期間の平均期間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
なお、上記各実施の形態のように、電動役物39aによるサポート状態の高低を設けない構成の場合には、電動役物39aやスルーゲート41そのものを設けない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。
(13)上記各実施の形態では、役物装置150へのV入賞が発生することに基づいて、第2開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モードにおいては同役物装置への入賞が発生し易くなる構成としたが、第2開閉実行モードを他の入賞装置で実行する構成としてもよい。例えば、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と入球不可能又は入球困難な閉状態とに変位することが可能な可変入球装置を上記役物装置150とは別に設け、役物装置へのV入賞の発生等に基づいて、当該可変入球装置を開状態とするように主制御装置81が制御する構成とする。
(14)上記各実施の形態において、第2振分部材310により入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、必ずV入賞するようにしたが、一部が外れ側に入賞する構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態において、役物装置150へ入賞した遊技球は、V入賞通路191a又は外れ用通路191bにより役物装置の外部へ排出され、当該排出された遊技球は図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部へ排出される構成としたが、役物装置の外部として遊技領域に排出される構成としてもよい。
(16)上記各実施の形態では、異常検知に基づく遊技停止状態からRAM消去スイッチ98aを操作せずに電源復帰した場合に、異常検知状態及び遊技停止状態を解除するが、それらの状態を解除しない構成としてもよい。この場合、異常検知状態及び遊技停止状態を解除する解除スイッチをパチンコ機10の背面側に設ける構成とし、遊技場の係員等が当該解除スイッチを操作しながら電源復帰した場合に、主制御装置81が異常検知状態及び遊技停止状態を解除する構成とするとよい。これにより、電源スイッチ92bのみを操作して電源復帰した場合に、電源復帰後も遊技停止状態を継続することができる。
(17)上記各実施の形態では、入賞センサ192により遊技球が検知されることに基づいて賞球を払い出す構成としたが、V入賞センサ192及び外れ用センサ193により遊技球が検知されることに基づいて賞球を払い出す構成としてもよい。但し、役物装置150への入賞が発生してから賞球が払い出されるまでのタイムラグを考慮すると、上記各実施の形態の構成とすることが好ましい。
(18)上記各実施の形態において、役物装置150は開閉役物168を備えるが、開閉役物168を備えずに入球可能な構成としてもよい。この場合の役物装置は、例えば、「遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定領域」や「遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能なように区画された特定領域」等と表現することができる。
(19)上記各実施の形態は次のような構成にも適用できる。例えば、所定条件が成立したこと(例えば、いずれかの作動口38,39への入賞に基づく抽選が開閉実行モード(所謂大当たり遊技)への移行を発生させるもの(大当たり結果)であったこと)に基づいて、開閉実行モードへの移行を発生させるものであり、その抽選処理の抽選モードとして、開閉実行モードへの移行を発生させる抽選結果となる確率が所定確率である低確率モードと、上記抽選結果が低確率モードよりも高い高確率モードと、を備えた遊技機において、開閉実行モード中に可変入球装置が開状態とされた場合に遊技球がV入賞口182aを通過する(V入賞する)ことで、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モードに移行するものであってもよい(所謂V確変機)。また、上記各実施の形態のパチンコ機10は、所謂2種パチンコ機と呼ばれる遊技機に該当するものであるが、各実施の形態の構成を所謂1種2種混合タイプの遊技機に適用してもよい。
(20)上記第1〜第6の実施の形態では、ワープ通路210を回転体201の後方に配置するが、回転体201の側方や前方に配置してもよい。但し、側方に配置すると、役物装置150の横幅寸法が大きくなりやすく、役物装置外における遊技球の流下領域を狭めることに繋がる。この点を踏まえると、前後方向の空間を活用する前方又は後方に配置することが好ましい。但し、前方に配置すると、遊技者の関心が高い回転体201の視認性が妨げられるため、上記実施の形態のように後方に配置することが好ましい。この場合、必ずしも真後ろである必要はなく、斜め後方であってもよい。
(21)上記第1〜第6の実施の形態では、ワープ通路210を設け、役物装置150内に貯留された遊技球を回転体201を経由せずにV入賞センサ192に導く構成としたが、役物装置150内に貯留された遊技球を回転体201に導く構成としてもよい。この場合、貯留解除のタイミングに対応させ、貯留解除球をV入賞口案内部204に振り分け可能な所定位置(例えばV入賞口案内部204が導出部186と対峙する位置)で回転体201を停止させる構成とすると、貯留解除球のV入賞率を安定させることができる。
但し、貯留されずに回転体201に向かう遊技球と、貯留を経て回転体201に向かう遊技球との両方を考慮して回転体201の動きを制御する必要が生じるため、制御が複雑化し、主制御装置81の処理負荷が増大するおそれがある。また、貯留されずに回転体201に向かう遊技球と、貯留を経て回転体201に向かう遊技球とが干渉し、一方が他方のV入賞を阻害する場合もあることを考慮すると、各遊技球がV入賞センサ192に向かうルートは独立していることが好ましい。これらを踏まえると、上記実施の形態とすることが好ましい。
また、役物装置150内に貯留された遊技球を回転体201に導く構成とした場合、回転体201を通常どおりに回転させておく構成としてもよい。この場合、動作制御の複雑化に伴う処理負荷の増大を回避できる。但し、回転体201に向かう遊技球の数が貯留の分だけ増えるに留まり、際立ってV入賞しやすくなるわけではない。その結果、貯留の魅力が低減し、貯留を目指す意欲が乏しくなる。このような観点から見ると、上記実施の形態とすることが好ましい。
(22)上記第1〜第6の実施の形態では、遊技球を停止状態で貯留するが、遊技球を移動させながら貯留する構成としてもよい。例えば、役物装置150に入球した遊技球を役物装置150から排出させることなく循環させる循環路を設け、当該循環路内を移動させることで遊技球を貯留する構成とすることができる。この場合、循環路を移動する遊技球をV入賞センサ192に導出可能な導出部と、循環路内の遊技球を当該導出部側と、引き続き循環路を移動させる側とに振り分ける振分手段と、を設けるとよい。振分手段の振分タイミング(導出部側に振り分けるタイミング)を制御することで、適切なタイミングで貯留を解除することができる。
(23)上記第1〜第6の実施の形態では、貯留球の貯留が解除されてから貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの期間が一定期間(約2sec)となるように構成したが、上記期間を多様化する構成(貯留解除タイミングが同一であってもV入賞センサ192の通過タイミングに相違が生じる構成)としてもよい。
例えば、上記期間として、第1期間と、第1期間よりも長い第2期間とが少なくとも生じる構成とし、第1期間では貯留解除球が次のラウンド遊技でV入賞センサ192を通過し、第2期間では次のラウンド遊技の終了後にV入賞センサ192を通過してしまう構成とすることができる。次のラウンド遊技の終了後に貯留解除球がV入賞センサ192を通過する場合、次々回のラウンド遊技との間におけるラウンドインターバルでV入賞センサ192を通過する構成としてもよいし、次々回のラウンド遊技でV入賞センサ192を通過する構成としてもよい。前者の場合は貯留解除球によるV入賞が発生せず、後者の場合は次々回のさらに次のラウンドの実施が確定する。なお、第1期間の場合に貯留解除球が次のラウンド遊技の開始前にV入賞センサ192を通過し、第2期間の場合に次のラウンド遊技でV入賞センサ192を通過する構成としてもよい。これらの場合、貯留解除球によるその後の遊技展開がランダム化されるため、貯留が解除された遊技球の動きに対する注目度を高めることが可能になる。
貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの期間を多様化する構成としては、貯留部とV入賞センサ192との間にクルーン等の期間可変手段を設けるとよい。また、クルーンに代えて、V入賞センサ192までの通路長が異なる複数の球通路と、貯留解除された遊技球を上記複数の球通路に振り分ける振分手段とを設ける構成としてもよい。
(24)上記第1〜第6の実施の形態では、遊技球を貯留することで役物装置150内に滞留させる構成としたが、必ずしも貯留を伴うものである必要はない。例えば、V入賞センサ192に到達するまでの時間が長くなる移動路を設け、当該移動路内を移動させることで、先の特定遊技(ラウンド遊技等)で役物装置150に入賞した遊技球が後の特定遊技でV入賞センサ192を通過する構成としてもよい。
(25)上記第1〜第6の実施の形態では、1個の遊技球を貯留可能な構成としたが、複数個の遊技球を貯留可能な構成としてもよい。
(26)上記第1の実施の形態では、ラウンド遊技の終了時に貯留解除する構成としたが、終了よりも前に貯留解除してもよい。また、次のラウンド遊技が開始されてから貯留解除してもよいし、各ラウンド間の閉鎖時間(ラウンドインターバル)中に貯留解除してもよい。要は、先のラウンド遊技で入賞した遊技球が後のラウンド遊技でV入賞センサ192を通過可能となれば足り、貯留の解除タイミングは任意である。但し、次のラウンド遊技が開始されてから貯留解除する構成とすると、遊技者は、貯留解除だけでなく、役物装置150に遊技球が入賞するかや、入賞球がV入賞するかにも気を配る必要が生じ、慌ただしくなる。このため、貯留解除の見逃しが発生しやすく、この点を踏まえると、遊技が落ち着く先のラウンド遊技の終盤や終了時、ラウンドインターバルにて貯留解除することが好ましい。
(27)上記第1の実施の形態では、第1開閉実行モードにおいて第2振分部材310を非振分状態に維持し、入口用案内部215(ワープ通路210)側に遊技球を導かない構成としたが、第2振分部材310を振分状態と非振分状態とに切り替え駆動し、入口用案内部215側に遊技球を振り分け可能な構成としてもよい。この場合、さらにシャッタ221を開放状態としておけば、遊技球が入口用案内部215を通過し、ワープ通路210を直Vルートとして活用できる。
(28)上記第1の実施の形態において、大当たりの種別により、ラウンド遊技中における遊技球の貯留可否が相違する構成としてもよい。例えば、大当たりAと大当たりBとを設け、大当たりAの場合はラウンド遊技中の遊技球の貯留が可能となり、大当たりBの場合はそれが不可能となる構成とすることができる。また、大当たりの種別によって、遊技球の貯留が可能となるラウンドやラウンド数が相違する構成としてもよい。
(29)上記第2の実施の形態では、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンド目において第2振分部材310を非振分状態に維持することで、入賞球が貯留されないように構成したが、第2振分部材310を振分状態と非振分状態とに切り替え駆動する一方、シャッタ221を開放状態に維持するように構成してもよい。この場合、第2振分部材310により入口用案内部215側に振り分けられた遊技球は、入口用案内部215に貯留されることなく、ワープ通路210を経由してV入賞センサ192を通過する。つまり、当該振り分けられた遊技球は、次のラウンド遊技に持ち越されず、入賞が発生したラウンド遊技にてV入賞センサ192を通過する。
(30)上記第2の実施の形態において、5ラウンド目、10ラウンド目及び16ラウンドに代えて又は加えて、上限ラウンド(16ラウンド目)の1つ前のラウンド(15ラウンド目)を貯留不可なラウンドとし、当該1つ前のラウンドの終了に対応して残存球判定を行う構成としてもよい。上限ラウンドで遊技球がV入賞しても次のラウンドが実行されることがなく、1つ前のラウンドで遊技球を貯留させるメリットに乏しいところ、上記構成とすることで、遊技者の利益を損なうことなく、大当たりの途中で残存球判定を実行することが可能になる。
(31)上記第3の実施の形態では、残存球判定の実行タイミングをラウンド遊技の開始からの経過時間に基づいて設定したが、貯留の解除タイミングからの経過時間に基づいて設定してもよい。この場合、貯留の解除から残存球判定が実行されるまでの期間を、貯留解除球がV入賞センサ192に到達するまでの期間よりも長くしておけば、貯留解除球が役物装置150から排出された後に残存球判定を実行できる。
(32)上記第3の実施の形態に代えて次の構成としてもよい。上記第3の実施の形態では、ラウンドごとの残存球判定が可能となる反面、役物装置150への入賞が短開放態様により制限されるため、遊技者に対して入賞が生じにくいとの印象を与えるおそれがある。そこで、先ずは短開放態様を実行しない構成とする。そして、役物装置150に入球した遊技球を役物装置150内に滞留させることが可能な第2滞留手段と、その滞留を解除する第2滞留解除手段とを、入口用案内部215及びシャッタ221とは別に設け、上記第2滞留手段において遊技球を滞留可能とした状態でラウンド遊技を開始し、所定期間が経過したら滞留を解除する構成とする。さらに、入口センサ179を第2滞留手段の下流側に設け、第2滞留手段により滞留された遊技球が入賞カウントされない(入口センサ179によって検知されない)構成とする。この場合、上記所定期間内に「貯留解除球のV入賞センサ192の通過及び残存球判定(残存球判定は貯留解除球のV入賞後)」が行われる構成とすれば、役物装置150への遊技球の入賞に基づいて残存球カウンタRPCが更新されるのは、残存球判定の実行後となる。すなわち、残存球判定との干渉を回避しつつ役物装置150への入賞を許容することができ、ラウンドごとの残存球判定を可能としながらも遊技者に対して入賞しにくいと感じさせることを抑制できる。
なお、上記構成において、第2滞留手段は入口用案内部215及びシャッタ221の上流側に設けてもよいし、下流側に設けてもよい。また、上記構成において短開放態様を実行する構成としてもよい。この場合、短開放態様で入賞が生じた場合の入賞数と排出数との不一致を抑制できるという効果が生じる。
(33)上記第4の実施の形態では、役物装置150への入賞個数が特定数(8個)となることに基づいて貯留を解除したが、ラウンド遊技の開始からの経過時間に基づいて解除する構成としてもよい。この場合、役物装置150への入賞がなかなか発生せず、入賞個数が上記特定数に満たないままラウンド遊技が終了する場合も対応可能となる。なお、上記第4の実施の形態では、上記特定数を8個(上限入賞個数よりも1個少ない数)としたが、特定数は任意であり、例えば、上限入賞個数を特定数としてもよい。
(34)上記第4の実施の形態では、特例的な貯留解除を2ラウンド目のラウンド遊技に限って行う構成としたが、2ラウンド目以外のラウンド遊技で行う構成としてもよい。この場合、全てのラウンドで行ってもよいし、一部のラウンドで行う構成としてもよい。後者の場合は、特例的な貯留解除の実行対象となるラウンドを予め定めた上で、第2開閉実行モードの実行に際し、ラウンド遊技が上記予め定めたラウンドであるか否かを判定し、肯定判定した場合に特例的な貯留解除を行うように、シャッタ221の動作を制御するとよい。これにより、一部のラウンドを優遇することができる。この場合、そのような優遇のあるラウンドが実行される場合と、そうでないラウンドが実行される場合とで、異なる報知を行ったり、前者のみ特定報知を構成としてもよい。それらの報知は、図柄表示装置51や表示発光部63にて表示演出として行ってもよいし、スピーカ部64によって音声演出として行ってもよい。
(35)上記第5の実施の形態において、特定ラウンドが実行された場合に、第2開閉実行モードの終了後、所定期間に亘って遊技球が貯留可能となり、特定ラウンドが実行されなかった場合に、第2開閉実行モードの終了後における遊技球の貯留が不可能となる構成としてもよい。この場合、特定ラウンドまでラウンド遊技を継続させた場合の特典として、第2開閉実行モードの連荘チャンスを提供することができる。これにより、第2開閉実行モードにおいて特定ラウンドまで継続させるという遊技目標が加わり、第2開閉実行モードの面白みを増強できる。特定ラウンドは特に限定されないが、上限ラウンド(16ラウンド)よりも少ないラウンド(例えば10ラウンド)とすることが好ましい。この場合、少なくとも特定ラウンドまで継続させ、好ましくは上限ラウンドまで継続させるといった具合に、遊技者が遊技目標を段階的に設定することが可能となる。
また、特定ラウンドが実行された場合に、第2開閉実行モードの終了後における遊技球の貯留が不可能となり、特定ラウンドが実行されなかった場合に、第2開閉実行モードの終了後、所定期間に亘って遊技球が貯留可能となる構成としてもよい。この場合、少ないラウンド数で第2開閉実行モードが終了した場合の救済として、第2開閉実行モードの連荘チャンスを提供することができる。この場合の特定ラウンドも任意であるが、意図的な途中ラウンドでの終了を抑制する上では、例えば4ラウンド程度とすることが好ましい。
なお、貯留可否の切り替えは、例えば、エンディング期間でのシャッタ221の動作態様を制御することで行うことができる。具体的には、貯留可能とする場合は、エンディング期間においてシャッタ221を閉鎖状態とし、貯留不可とする場合は、エンディング期間においてシャッタ221を開放状態とすればよい。
(36)上記第5の実施の形態において、大当たりの種別により、第2開閉実行モードの終了後における遊技球の貯留可否が相違する構成としてもよい。例えば、大当たりAと大当たりBとを設け、大当たりAの場合は上記貯留が可能となり、大当たりBの場合は上記貯留が不可能となる構成とすることができる。
この場合において、大当たりAが実行される場合と、大当たりBが実行される場合とで、異なる報知を行ったり、前者のみ特定報知を構成としてもよい。それらの報知は、図柄表示装置51や表示発光部63にて表示演出として行ってもよいし、スピーカ部64によって音声演出として行ってもよい。なお、大当たり種別の振り分けを、例えば、大当たり種別カウンタC2の値に基づいて行った場合、パチンコ機10において、いずれの大当たり種別となるかを作動口38,39への入賞発生時又は保留消化時に把握可能となる。この場合、上記報知は、第2開閉実行モードに限らず、第1開閉実行モードやその開放待機時間において行う構成としてもよい。
(37)上記第5の実施の形態において、先の第2開閉実行モード中の特定タイミングにおいて保留がある場合に、当該保留されている保留情報や保留情報に対応する開放待機時間を先読みし(保留されている保留情報やそれに対応する開放待機時間を当該保留情報が当否判定等の抽選処理の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する)、その先読み結果に基づいて報知を行う構成としてもよい。例えば、連荘が見込まれる2.5secの開放待機時間が先読みされた場合に、先の第2開閉実行モードが終了するまでのいずれかのタイミングである所定タイミングにて特別報知(例えば、「大当たり遊技の終了時に球のストックがあれば連荘チャンス!」等)を行う構成とすることができる。
この場合、遊技者は、第2開閉実行モードの終了前において、終了時に貯留があると有利になることや、連荘の可能性が高いことを把握可能となるため、貯留がある状態で第2開閉実行モードを終了させようとする意欲が高まる。これにより、最終ラウンドの重要度を高めることができ、最後まで第2開閉実行モードを楽しむことが可能になる。また、保留情報があることで先読みがなされることから、保留を生じさせようとする意欲も高めることができる。
なお、連荘の見込みが薄い0.5secの開放待機時間が先読みされた場合は、上記特別報知とは異なる報知を行ってもよいし、特に報知を行わない構成としてもよい。また、保留情報の先読みは、主制御装置81で行ってもよいし、主制御装置81以外の制御装置(演出制御装置82等)で行ってもよい。
(38)上記第5の実施の形態では、第2開閉実行モードが終了してから貯留が解除されるまでの期間を画一化したが、長さの異なる複数の期間から一の期間を選択することで、貯留解除までの期間を多様化してもよい。例えば、大当たり種別カウンタC2の値を用いて抽選処理を実行し、その結果に基づいて上記期間を決定する構成とするとよい。貯留解除までの期間を多様化した場合、第2開閉実行モードが連荘するかの予測が困難化するため、実際に貯留が解除されるまでの緊張感が高まり、興趣性が向上する。また、貯留の解除タイミングがランダム化することで、解除タイミングに合わせて作動口38,39への入賞を狙い打つ行為を抑制することができ(第2開閉実行モードの終了時に保留情報がない場合)、遊技の公平性を担保しやすくなる。
上記構成において、貯留解除までの期間を示唆する所定報知を特定タイミング(例えば第2開閉実行モードの終了時)に行う構成としてもよい。この場合、貯留の解除タイミングを予測可能となるため、それに合わせて第1開閉実行モードを発生させようとする意欲を高めることが可能になる。この際、貯留解除までの残り時間に基づいてカウントダウン表示等を行ってもよい。また、上記所定報知を行わない構成としてもよい。この場合、貯留の解除タイミングが予測困難となるため、貯留が解除されるまで貯留球を注視し続けることが期待され、遊技への注目度を高めることができる。
また、上記構成において、第2開閉実行モードの終了時に保留情報がある場合は、当該保留情報に対応する開放待機時間と、選択された貯留解除までの期間との関係に基づいて報知を行う構成としてもよい。例えば、両者の関係において、第2開閉実行モードが連荘する又はその可能性が高い場合(貯留解除球が第1開閉実行モード中にV入賞センサ192を通過可能又は通過容易な場合)に、特別報知(例えば、「大当たり遊技の終了時に球をストックできれば大チャンス!」等)を行うとよい。なお、第2開閉実行モードが連荘しない場合又はその可能性が高い場合(貯留解除球が第1開閉実行モード中にV入賞センサ192を通過不能又は通過困難な場合)は、上記特別報知とは異なる報知を行ってもよいし、特に報知を行わない構成としてもよい。
さらに、第2開閉実行モード中の特定タイミングにおいて保留がある場合に、当該保留されている保留情報や保留情報に対応する開放待機時間を先読みし、その先読み結果と、選択された貯留解除までの期間との関係に基づいて報知を行う構成としてもよい。例えば、両者の関係において、第2開閉実行モードが連荘する又はその可能性が高い場合に、先読み後から先の第2開閉実行モードの終了までのいずれかのタイミングである所定タイミングにて上記特別報知を行う構成とすることができる。
(39)上記第6の実施の形態では、開放待機時間中や第1開閉実行モード中に作動口38,39への入賞が生じても保留情報が記憶されない構成としたが、保留情報が記憶される構成としてもよい。その上で、第5の実施の形態のように、先の第1開閉実行モードの終了後、予め定めた所定期間が経過した場合にシャッタ221を開放状態に切り替える構成(例えば、待機時間Aを無くし、待機時間Bのみとする)としてもよい。この場合において、開放待機時間としてさらに例えば4secを設け、2secの場合は後の第1開閉実行モード中に貯留球がV入賞センサ192を通過可能となり、4secの場合は後の第1開閉実行モード中に貯留球がV入賞センサ192を通過不可となるように、上記所定期間を設定する。
そして、作動口38,39への入賞から先の第1開閉実行モードの終了までのいずれかのタイミングである特定タイミングにおいて保留がある場合に、当該保留されている保留情報や保留情報に対応する開放待機時間を先読みし、その結果に基づいて報知を行う構成とするとよい。例えば、2secの開放待機時間が先読みされた場合に、先読み後から先の第1開閉実行モードの終了までのいずれかのタイミングである所定タイミングにて、特別報知(例えば、「球をストックできれば大チャンス!」等)を行うとよい。この場合、遊技者は、先の第1開閉実行モードにおいて貯留があると有利になることを把握可能となるため、貯留を生じさせようとする意欲が高まり、遊技への注目度を高めることが可能になる。また、保留情報があることで先読みがなされることから、保留を生じさせようとする意欲も高めることができる。なお、4secの開放待機時間が先読みされた場合は、上記特別報知とは異なる報知を行ってもよいし、特に報知を行わない構成としてもよい。
(40)上記第6の実施の形態において、待機時間Bを多様化してもよい。これにより、先の第1開閉実行モードの終了後から始まる有利期間の長さを多様化し、有利度合を相違させることができる。その場合において、待機時間B(貯留解除までの期間)を示唆する所定報知を特定タイミング(例えば先の第1開閉実行モードの終了時)で行う構成としてもよい。この場合、貯留の解除タイミングを予測可能となるため、それに合わせて第1開閉実行モードを発生させようとする意欲を高めることが可能になる。この際、貯留解除までの残り時間に基づいてカウントダウン表示等を行ってもよい。また、上記所定報知を行わない構成としてもよい。この場合、貯留の解除タイミングが予測困難となるため、貯留が解除されるまで貯留球を注視し続けることが期待され、遊技への注目度を高めることができる。
(41)上記第7の実施の形態では、役物装置150への入賞球が外れ口案内部203に振り分けられ、当該外れ口案内部203に遊技球が貯留されることで、有利となる構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、役物装置150に設けられた特定の受入部(外れ口案内部203及びV入賞口案内部204とは異なる受入部)や特定の通過部(外れ用センサ193及びV入賞センサ192とは異なる通過部)に入賞球が振り分けられることで、外れ口案内部203が閉鎖(入賞球の受け入れが不可となる)されたり、外れ口案内部203がV入賞口案内部204に変化してV入賞口案内部204の数が増えたりする構成としてもよい。なお、外れ口案内部203がV入賞口案内部204に変化する構成としては、外れ口案内部203に受け入れられた遊技球を外れ用センサ193に導く第1態様と、V入賞センサ192に導く第2態様とに切り替わり可能な導出手段と、導出手段の態様を第1態様から第2態様に切り替える切替手段とを設ける構成が考えられる。
(42)上記第7の実施の形態では、期間経過に基づいて貯留解除する構成としたが、役物装置150への入賞数に応じて貯留解除する構成としてもよい。この場合、上記入賞数が予め定めた所定数となることに基づいて貯留を解除する構成とすることができる。例えば、役物装置150への入賞がなかなか発生しない場合、外れ口案内部203への振り分け機会を十分に得られないまま、外れ口案内部203への遊技球の貯留が可能とされた状態(有利な状態)が終了することがあり得る。この点、上記構成によれば、入賞数が所定数となるまで上記状態が継続するため、外れ口案内部203への振り分け機会を適正に確保できる。
また、V入賞が発生することに基づいて貯留解除する構成としてもよい。この場合、早くV入賞させるほど、次のラウンドのために貯留球を増やす期間(期間A)が長くなり、より有利に遊技を進めることが可能になる。例えば、次のラウンド遊技(期間B)の開始後、V入賞が発生した場合に即座に貯留解除する構成とすることができる。
(43)上記第7の実施の形態では、貯留を解除する場合に全解除する(全ての貯留球を排出させる)構成としたが、部分解除される(貯留球の一部が排出される)構成としてもよい。また、第2開閉実行モードにおいて貯留が全解除されるラウンド遊技と、部分解除されるラウンド遊技とが生じる構成としてもよい。
(44)上記第7の実施の形態において、上記第2の実施の形態のように、貯留不可となるラウンド遊技が第2開閉実行モードの途中で生じる構成としてもよい。この場合、残存球判定は、上記第2の実施の形態のように、貯留不可とされたラウンド遊技の終了時に対応して実行することができる。
(45)上記第7の実施の形態において、上記第5の実施の形態のように、第2開閉実行モードの終了時に貯留が発生可能な構成(最終ラウンドで貯留が生じ且つそれがエンディング期間においても維持される構成)とし、貯留球によって、その後の第1開閉実行モードにおけるV入賞率が高くなる構成としてもよい。この場合、貯留は、第5の実施の形態と同様に、第2開閉実行モードの終了から所定期間が経過するまで継続する構成としてもよいし、第2開閉実行モードの終了後の第1開閉実行モードの実行回数が予め定めた所定回数となるまで継続する構成としてもよい。前者の場合は、有利期間(V入賞率が高まる期間)を時間によって規定することができ、後者の場合は第1開閉実行モードの回数によって規定することができる。後者においては、所定回数を複数回とした場合、貯留数の増加が可能となる構成とするとよい。例えば、所定回数を3回とした場合に、1回目及び2回目の第1開閉実行モードにおいて外れ口案内部203に振り分けられた遊技球が貯留される構成とすれば、貯留の追加が可能となり、3回目の第1開閉実行モードにおけるV入賞率をさらに高めることができる。
(46)上記第7の実施の形態において、上記第6の実施の形態のように、第1開閉実行モードで貯留が発生可能な構成(第1開閉実行モードで外れ口案内部203に振り分けられた遊技球が外れ口案内部203に貯留される構成)としてもよい。これにより、先の第1開閉実行モードで入賞球が外れ口案内部203に振り分けられることにより、後の第1開閉実行モードでのV入賞率が高くなる遊技性を実現することができる。この場合、先の第1開閉実行モードで発生した貯留は、上記第6の実施の形態と同様に、先の第1開閉実行モードの終了から所定期間が経過すること、又は、次の第1開閉実行モードが発生することに基づいて解除することができる。また、上記(39)、(40)の構成としてもよい。
(47)上記第7の実施の形態において、第1振分部材300に代えて又は加えて、回転体201において遊技球を貯留不可能な外れ口案内部203を設けてもよい。この場合、遊技球を貯留可能な外れ口案内部203と、貯留不能な外れ口案内部203とが存在し、同じ外れであっても有利度合に差異を設けることができる。これにより、前者の外れ口案内部203への振り分けを期待する面白みを付加できる。
(48)上記第7の実施の形態では、ラウンドごとに貯留解除する構成としたが、複数ラウンド(例えば、5ラウンド)に亘って貯留が維持される構成としてもよい。この場合、ラウンド遊技を進めるほど、遊技球を受け入れ可能な外れ口案内部203が減っていき、V入賞が高くなっていく遊技性を実現することができる。但し、過度に遊技者有利となるのを抑制すべく、外れ口案内部203の数を増やす構成とすることが好ましい(例えば50個程度)。
(49)上記第7の実施の形態では、1つの外れ口案内部203につき1個の遊技球を貯留可能な構成としたが、複数個の遊技球を貯留可能な構成としてもよい。
(50)上記第7の実施の形態では、外れ口案内部203に遊技球が振り分けられた場合に、後のラウンドにおけるV入賞口案内部204への振り分け確率が高まることで、V入賞の発生後、V入賞口案内部204に振り分けれるよりも外れ口案内部203に振り分けられる方が遊技者にとって有利となる構成としたが、別例として例えば下記の構成としてもよい。
先ず、入賞センサ192による入賞球の検知ではなく、V入賞センサ192及び外れ用センサ193による遊技球の検知に基づいて賞球を払い出す構成とする。その上で、図63に示すように、V入賞通路191aの下流側を二又状に分岐させ、一方の分岐路である第1通路410にはV入賞センサ192を配置し、他方の分岐路である第2通路411には遊技球検知センサを配置しない。さらに、両通路410,411の分岐点にはV入賞通路191aを流れる遊技球を第1通路410と第2通路411とに振り分ける振分部材412を配置する。振分部材412は不図示の駆動部により駆動制御され、また、駆動部は主制御装置81からの制御信号により制御される。一方、外れ用通路191bには分岐通路や振分部材を設けず、外れ口182bを通過した遊技球の全てを外れ用センサ193に導く。
上記構成において、一のラウンド遊技でV入賞が発生する前は、V入賞口182aを通過した遊技球を振分部材412により第1通路410側に振り分け、V入賞が発生した後は、上記遊技球を振分部材412により第2通路411側に振り分けるように、振分部材412の振分態様を切り替える。その結果、V入賞の発生前において遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられた場合は、遊技球がV入賞センサ192を通過することで賞球(15個)が払い出されるが、V入賞の発生後において遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられた場合は、V入賞センサ192を通過することなく遊技球が排出され、賞球が払い出されないものとなる。一方、V入賞の発生後において遊技球が外れ口案内部203に振り分けられた場合は、遊技球が外れ用センサ193を通過することで賞球(15個)が払い出される。つまり、賞球の有無で見た場合、V入賞の発生前はV入賞口案内部204と外れ口案内部203とで差異はないが、V入賞の発生後は、外れ口案内部203に振り分けられ場合にのみ賞球が得られ、V入賞口案内部204よりも外れ口案内部203の方が遊技者にとって有利となる。
なお、役物装置150からの遊技球の排出数を把握する目的で、第2通路411において遊技球の通過を検知する排出検知用センサを設けてもよい。この場合、当該センサにより遊技球が検知されても賞球が払い出されない構成としてもよいし、外れ用センサ193により遊技球が検知された場合の賞球数よりも少ない数の賞球(例えば3個)が払い出される構成としてもよい。つまり、賞球によって有利度合に差異を設ける場合、必ずしも一方を賞球無しとする必要はない。
また、上記図63の構成に代えて、V入賞の発生前後で賞球数が変化する構成としてもよい。具体的には、V入賞センサ192及び外れ用センサ193による遊技球の検知に基づいて賞球の払い出しを行う構成とした上で、V入賞の発生前は、V入賞センサ192の通過で所定個(例えば15個)の賞球、外れ用センサ193の通過で上記所定個よりも少ない個数(例えば10個)の賞球が得られる一方、V入賞の発生後は、賞球数の大小が逆転し、V入賞センサ192の通過で多めの賞球(例えば15個)、外れ用センサ193の通過で少なめの賞球(例えば10個)が得られる構成としてもよい。また、他の例として、V入賞の発生前は、V入賞センサ192及び外れ用センサ193のいずれを通過しても同数の賞球(例えば10個)が得られる一方、V入賞の発生後は、外れ用センサ193を通過した場合の賞球数がV入賞の発生前よりも多くなり(例えば15個)、V入賞センサ192を通過した場合の賞球数がV入賞の発生前よりも少ない(例えば0個)となる構成としてもよい。これらの構成によっても、V入賞の発生後は、遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられるよりも外れ口案内部203に振り分けられる方が遊技者にとって有利となる構成を実現できる。
ちなみに、上記各種別例において外れ口案内部203に振り分けられた遊技球は、上記第7の実施の形態のように貯留されてもよいし、されなくてもよい。また、上記各種別例は、上記(18)のように、開閉役物168を備えずに役物装置に遊技球が入球可能となる構成にも適用することが可能である。
(51)上記第1〜第7の実施の形態及び上記他の実施の形態に記載した各構成を、相互に組み合わせて適用してもよく、例えば、上記第1の実施の形態におけるワープ通路210及び第2振分部材310の構成と、上記第7の実施の形態における開閉部材400の構成とを組み合わせて適用してもよい。また、上記第1〜第7の実施の形態に対して、又は上記第1〜第7の実施の形態の一部又は全部について相互に組み合わせた構成に対して、上記他の実施の形態における各構成の一部又は全部を相互に組み合わせて適用してもよい。
(52)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機として可変入球装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
所定の条件(ラウンド遊技の場合は第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること、第1開閉実行モードの場合は作動口38,39への入賞に基づき通常開放結果となること、第2開閉実行モードの場合は大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技、第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技制御処理や遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通過部(V入賞センサ192)と、
を備え、
前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過した場合に、通過しない場合よりも遊技者にとって有利となる(継続変動モードのラウンド遊技で通過した場合は次回のラウンド遊技が実行される、第1開閉実行モードで通過した場合は第2開閉実行モードが実行される)構成であり、
前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、当該複数回の前記特定遊技のうち先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が、当該第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるようにする特定手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210、主制御装置81による第2振分部材310やシャッタ221の動作態様を制御する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定の条件が成立すると、可変入球手段が第1態様とされる可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技が実行され、その中で可変入球手段に入球した遊技球が通過部を通過すると、遊技者にとって有利な状態となる。このため、遊技者は、可変入球手段に入球した遊技球が通過部を通過するか否かに強い関心を抱く。通常、有利口となる通過部を遊技球が通過できるのは、可変入球手段への入球が発生した特定遊技の中に限られている。この場合、特定遊技が終了することに伴い、有利な状態になることへの期待感も消失するおそれがある。
この点、本構成では、特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、先の第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後の第2特定遊技で通過部を通過可能となる構成となっている。この場合、第1特定遊技において可変入球手段に遊技球を入球させれば、その遊技球により第1特定遊技の終了後も有利な状態になることへのチャンスが継続する。このため、第1特定遊技の終了を以って上記チャンスが終了する従来の遊技機と比べ、期待感の持続性や興趣性を高めることができる。
なお、上記特徴A1において、「前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通過部(V入賞センサ192)と、を備え、前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過した場合に、通過しない場合よりも遊技者にとって有利となる(継続変動モードのラウンド遊技で通過した場合は次回のラウンド遊技が実行される、第1開閉実行モードで通過した場合は第2開閉実行モードが実行される)構成であり」を、「前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通過部として、第1通過部(V入賞センサ192)と、前記第1通過部とは異なる第2通過部(外れ用センサ193)とを有し、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1通過部と前記第2通過部とに振り分け可能な振分手段(回転体201)を備え、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記振分手段により前記第1通過部に振り分けられた場合に、前記第2通過部に振り分けられた場合よりも遊技者にとって有利となる(継続変動モードのラウンド遊技で通過した場合は次回のラウンド遊技が実行される、第1開閉実行モードで通過した場合は第2開閉実行モードが実行される)構成であり」と言い換えてもよい。
特徴A2.前記第2特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が、当該第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるようにする手段(第2振分部材310、誘導通路183、回転体201)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後の第2特定遊技で通過部を通過可能となる場合と、後の第2特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、そのまま第2特定遊技で通過部を通過可能となる場合とが生じ得る。このため、第2特定遊技で有利状態を獲得するにあたり、第1特定遊技で入球した遊技球と第2特定遊技に入球した遊技球との両方に有利状態の獲得チャンスが生じるものとなる。これにより、有利状態の獲得機会を拡充することができ、興趣性が向上する。
特徴A3.前記特定手段は、
前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、前記通過部よりも上流側となる所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記所定領域にある遊技球が前記第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるように、前記滞留を解除する滞留解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球を可変入球手段内で滞留させ、その滞留を解除することにより、遊技球を通過部に向けて移動させることができる。この場合、遊技球が通過部を通過するタイミングを滞留の解除タイミングによって制御可能となり、可変入球手段への入球タイミングに依存しないタイミングで通過部を通過させることができる。例えば、第1特定遊技の終盤など、特定のタイミングで入球した場合に遊技球が第2特定遊技に持ち越されやすくなる構成であると、狙い打ちの横行を招くおそれがあるが、本構成によれば、そのような行為が抑制され、遊技の公平性を担保することが可能になる。
特徴A4.前記可変入球手段に入球した遊技球を前記滞留手段側と、当該滞留手段側とは異なる側とに振り分け可能な振分手段(第2振分部材310)と、
遊技球を前記滞留手段側に振り分け可能な第1振分態様(振分状態)と、遊技球を前記異なる側に振り分け可能な第2振分態様(非振分状態)とに前記振分手段を切り替える振分制御手段(主制御装置81による第2振分部材310を切り替え制御する機能)と、
を備え、
前記振分制御手段は、前記滞留解除手段により前記滞留が解除された後に前記振分手段を前記第1振分態様に切り替える手段を備えていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の滞留が解除された後に、滞留手段側への振り分けが許容される。この場合、遊技球が滞留される所定領域に空きが確保されてから、滞留手段側に遊技球を導くことができる。これにより、可変入球手段に入球した遊技球をせっかく滞留手段側に向かわせることができたにもかかわらず、既に滞留している遊技球によって滞留が阻害される不都合を抑制することが可能になる。
特徴A5.前記滞留解除手段は、前記可変入球手段が前記第1態様とされている状況下では前記滞留を解除せず、前記可変入球手段が前記第2態様とされている状況で前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
可変入球手段に遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様では、遊技球が可変入球手段に入球するか否かに遊技者の意識が集中し易い。このため、第1態様とされている状況下で滞留を解除すると、滞留の解除を遊技者が見逃すおそれがある。この点、本構成では、可変入球手段に遊技球が入球不可又は入球しにくい第2態様とされている状況下で滞留を解除するため、滞留解除の見逃しを抑制することができる。
特徴A6.前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球を前記滞留手段側と、当該滞留手段側とは異なる側と、に振り分け可能な振分手段(第2振分部材310)を備え、
前記振分手段により前記滞留手段側に振り分けられた遊技球が、前記第2特定遊技で前記通過部を通過可能となる一方、前記振分手段により前記異なる側に振り分けられた遊技球が、前記第1特定遊技で前記通過部を通過可能となる構成とされていることを特徴とする特徴A3乃至A5のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球をそれよりも後の第2特定遊技に持ち越す遊技と、当該遊技球を第1特定遊技の中で通過部に通過させる遊技と、を構築することができる。これにより、特定遊技の遊技性が多様化され、従来にはない斬新な遊技性を提供できる。また、振分手段による振り分けを介在させることで、遊技性の切り分けを明確化することができ、遊技者の混乱を抑制することが可能になる。
特徴A7.前記振分手段により前記滞留手段側に振り分けられた遊技球が、前記異なる側に振り分けられた遊技球よりも前記通過部を通過しやすくなっていることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段に入球した遊技球が滞留手段側に振り分けられる期待感を喚起することができる。また、滞留が発生した場合に、遊技者が特別な印象を抱き易くできり、総じて滞留手段を設けた意義を高めることが可能になる。
なお、本特徴を「前記振分手段により前記滞留手段側に振り分けられた遊技球が前記通過部を通過する確率が、前記異なる側に振り分けられた遊技球が前記通過部を通過する確率よりも高くなっている」と言い換えてもよい。
特徴A8.前記可変入球手段に入球した遊技球が前記振分手段により前記滞留手段側に振り分けられる確率が、前記振分手段により前記異なる側に振り分けられる確率よりも低くなっていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留手段を設けた意義を高めつつも、遊技者にとって過度に有利となることを抑制できる。
特徴A9.前記振分手段としての第1振分手段と、
前記第1振分手段により前記異なる側に振り分けられた遊技球を、前記通過部としての特定通過部を含む複数の通過部に振り分け可能な第2振分手段(回転体201)と、を備えていることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1振分手段により異なる側に振り分けられた遊技球の動きに面白みを付加した上で、通過部の通過機会を提供することができる。これにより、可変入球手段に入球した遊技球が滞留手段側に振り分けられない場合でも遊技を楽しむことが可能になる。
特徴A10.前記第1振分手段と前記第2振分手段とが遊技機前方から視認可能となっており、前記第1振分手段の視認性が前記第2振分手段の視認性よりも低くなっていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1振分手段の視認性を第2振分手段のそれよりも低くしたことで、第1振分手段については、滞留手段側への振り分けタイミングを見計らって狙い打たれることを抑制できる。一方、第2振分手段については、遊技球が振り分けられる様子を見易くし、第2振分手段への関心を高めて存在感を向上させることが可能になる。
特徴A11.前記滞留解除手段により前記滞留を解除された遊技球が、前記第2振分手段を通らずに前記特定通過部を通過可能な構成とされていることを特徴とする特徴A9又はA10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2振分手段の動作設計にあたって滞留解除球を考慮する必要がなくなり、第2振分手段の制御を簡単化できる。また、滞留解除球が第2振分手段を通らない構成となっていることで、滞留解除球と、異なる側に振り分けられた遊技球とが第2振分手段において干渉することが抑制される。これにより、それらの一方の遊技球が特定通過部に振り分けられそうな状況が発生した場合に、他方の遊技球によってそれが阻害されるなどの不都合の発生を抑制できる。
特徴A12.前記滞留解除手段としての第1解除手段と、
前記所定領域にある遊技球が前記第1特定遊技で前記通過部を通過可能となるように、前記滞留を解除する第2解除手段と、
を備えていることを特徴とする特徴A3乃至A11のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留解除球が第1特定遊技で通過部を通過する場合が生じ得る。これにより、解除タイミングへの遊技者の関心を高めることができ、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴A13.前記特定遊技の開始後、予め定めた終了条件(役物装置150への入賞個数が上限個数となること、又は、開閉役物168の開放回数が上限回数となること)が成立することに基づいて、その特定遊技を終了させる特定遊技終了手段(主制御装置81による開放中用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技終了手段は、前記特定遊技において前記終了条件の成立前に遊技球が前記通過部を通過しても、前記終了条件が成立するまで当該特定遊技を継続可能となっていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれかに記載の遊技機。
例えば、遊技球が通過部を通過することで特定遊技が終了する構成では、第2特定遊技において、可変入球手段への入球が発生する前に、第1特定遊技からの持ち越し球が通過部を通過すると、入球がないまま第2特定遊技が終了し、第2特定遊技を十分に遊技できない不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、終了条件の成立前に遊技球が通過部を通過しても、終了条件が成立するまで特定遊技が継続されるため、上記不都合の発生を回避し、第2特定遊技の遊技期間を適切に確保可能となる。
特徴A14.前記特定遊技(ラウンド遊技)を複数回実行することが可能な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技状態は、一の前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記特定遊技を実行可能となるように構成されており、
前記特定手段は、前記特別遊技状態において、前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が、前記第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるようにするものであることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、複数回の特定遊技が実行可能となる特別遊技状態があり、その特別遊技状態では、一の特定遊技において通過部を遊技球が通過することで、次の特定遊技を行うことが可能になる。すなわち、遊技球を通過部に通過させることが次の特定遊技の実施条件となる。そのような前提の下、本構成では、先に実行される第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後に実行される第2特定遊技で通過部を通過可能となる。第2特定遊技で通過部を遊技球が通過した場合、実行可能となるのは第2特定遊技の次に実施される特定遊技(便宜上、第3特定遊技という)であるところ、この第3特定遊技は、第1特定遊技から見た場合、次の特定遊技よりも更に後の特定遊技となる。つまり、本構成によれば、第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、次の次以降の特定遊技の実施に影響を与えるものとなり、斬新な遊技性を提供することが可能になる。
特徴A15.前記特定手段は、
前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、前記通過部よりも上流側となる所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記所定領域にある遊技球が前記第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるように、前記滞留を解除する滞留解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、
を備え、
前記滞留解除手段は、前記第1特定遊技の特定タイミング(役物装置150への入賞個数が8個となったタイミング)で遊技球が前記通過部を未だ通過していない場合に、前記所定領域にある遊技球が当該第1特定遊技で前記通過部を通過可能となるように、前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
遊技球を通過部に通過させることが次の特定遊技を実施する条件となる構成の下では、第1特定遊技において、遊技球を滞留させることができても、遊技球が通過部を通過していなければ、次の特定遊技が実施されず、滞留も無に帰す事態となる。この場合、遊技者の落胆が大きく、遊技意欲を減衰させるおそれがある。この点、本構成では、第1特定遊技の特定タイミングで通過部を未通過である場合に、滞留球を活用して第1特定遊技で通過部を通過させる。これにより、遊技球を滞留させている中で次の特定遊技が実施されない不都合を回避できる。また、このような救済は、滞留球がある場合に限られるため、滞留を生じさせるようとする意欲を増強する効果も期待できる。
特徴A16.前記所定の条件は、遊技領域に設けられた入球部(作動口38,39)に遊技球が入球することに基づいて成立するものであり、
前記特定遊技(第1開閉実行モード)において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、前記特定遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行する構成となっていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれかに記載の遊技機。
遊技領域に設けられた入球部に遊技球が入球することに基づいて特定遊技が実行され、その特定遊技において可変入球手段に入球した遊技球が通過部を通過すれば、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行する。そのような前提の下、本構成では、先に実行される第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後の第2特定遊技で通過部を通過可能となる。この場合、第1特定遊技において可変入球手段に遊技球を入球させれば、その遊技球により第1特定遊技の終了後も特定遊技状態を獲得するチャンスが発生する。このため、第1特定遊技の終了を以って上記チャンスが終了する従来の遊技機と比べ、興趣性が向上する。
特徴A17.予め定められた契機(作動口38,39への入賞)の発生に基づいて抽選処理を実行する抽選手段を備え、
前記所定の条件は、前記抽選手段の抽選結果が特定結果(大当たり結果)となることであり、
遊技状態として、第1遊技状態(低確率モード)と、当該第1遊技状態よりも前記抽選手段の抽選結果が前記特定結果となりやすい第2遊技状態(高確率モード)と、を有しており、
前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、当該特定遊技の終了後の遊技状態を前記第2遊技状態に移行させる手段を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において遊技球が通過部を通過すると、抽選結果が特定結果となり易い第2遊技状態に移行する。そのような前提の下、本構成では、先に実行される第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後の第2特定遊技で通過部を通過可能となる。この場合、第1特定遊技において可変入球手段に遊技球を入球させれば、その遊技球により第1特定遊技の終了後も第2遊技状態に移行させるチャンスが発生する。このため、第1特定遊技の終了を以って上記チャンスが終了する従来の遊技機と比べ、興趣性が向上する。
特徴A18.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
所定の条件(ラウンド遊技の場合は第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること、第1開閉実行モードの場合は作動口38,39への入賞に基づき通常開放結果となること、第2開閉実行モードの場合は大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技、第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技制御処理や遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、複数回の前記特定遊技のうちの第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が、当該第1特定遊技よりも後の第2特定遊技で前記可変入球手段から排出されるようにする特定手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210、主制御装置81による第2振分部材310やシャッタ221の動作態様を制御する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴A1と同様の効果を奏することができる。また、本特徴に対して上記特徴A1〜A17のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴A1乃至A18の各構成に対して、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C14、特徴D1乃至D12、特徴E1乃至E8、特徴F1乃至F16、特徴G1乃至G9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
所定の条件(ラウンド遊技の場合は第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること、第1開閉実行モードの場合は作動口38,39への入賞に基づき通常開放結果となること、第2開閉実行モードの場合は大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技、第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技制御処理や遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段(入口センサ179)と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段(V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、各前記特定遊技に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記特定遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定の条件が成立すると、可変入球手段が第1態様とされる可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技が実行され、その中で可変入球手段に遊技球が入球すると、遊技者に特典が付与される。この場合において、第1及び第2検知手段の検知結果に基づいて、可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理が実行される。これにより、可変入球手段に対する遊技球の出入りが監視され、不正に特典を得ようするという行為が抑制される。
通常、残存状況を特定するための特定処理は特定遊技毎に行われるが、この場合、特定遊技の終了時において入球数と排出数とが整合していることが要求される。このため、特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球の全てをその特定遊技の中で排出させなければならず、遊技設計の自由度が制限される。この点、本構成によれば、複数回の特定遊技に対して一の特定処理を実行するため、複数回の特定遊技の中で入球数と排出数とが対応すれば足りる。これにより、可変入球手段内に遊技球を残存させた状態で特定遊技を終了可能となり、遊技設計の自由度を高めることができる。また、特定処理の実行頻度を低減できるため、特定処理の処理負荷を軽減することが可能になる。
特徴B2.前記特定遊技(ラウンド遊技)を複数回実行することが可能な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通過部(V入賞センサ192)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、一の前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記特定遊技を実行可能となるように構成されており、
前記特定処理実行手段は、前記特別遊技状態において、各前記特定遊技に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記特定遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成では、複数回の特定遊技が実行可能となる特別遊技状態があり、その特別遊技状態では、一の特定遊技において通過部を遊技球が通過することで、次の特定遊技を行うことが可能になる。すなわち、遊技球を通過部に通過させることが次の特定遊技の実施条件となる。そのような前提の下、本構成では、特別遊技状態において、複数回の特定遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能となっている。この場合、一の特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が次回以降の特定遊技に持ち越されて通過部を通過し、それによって特定遊技の実施が決まるという斬新な遊技性を実現することができる。
特徴B3.前記特定処理実行手段は、前記特別遊技状態において前記特定遊技ごとの前記特定処理を実行せず、最終回の前記特定遊技が終了することに対応して前記特定処理を実行する手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態に対してまとめて一の特定処理を実行するため、特定処理の実行頻度が少なくて済み、処理負荷が軽減される。また、特別遊技状態を単位として特定処理を実行するため、ある特定遊技では遊技球の持ち越しを許容し、他の特定遊技では持ち越しを規制するといった切り替えが不要となり、持ち越しの有無を制御する構成や処理を簡単化できる。
特徴B4.前記特別遊技状態で実行される前記特定遊技のうち、先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、前記可変入球手段から排出することなく、前記第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技に持ち越し、前記第2特定遊技で通過部を通過可能となるようにする手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210)を備えていることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
上記構成によれば、先に実行される第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後に実行される第2特定遊技で通過部を通過可能となる。第2特定遊技で通過部を遊技球が通過した場合、実行可能となるのは第2特定遊技の次に実施される特定遊技(便宜上、第3特定遊技という)であるところ、この第3特定遊技は、第1特定遊技から見た場合、次の特定遊技よりも更に後の特定遊技となる。つまり、本構成によれば、第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、次の次以降の特定遊技の実施に影響を与えるものとなり、斬新な遊技性を提供することが可能になる。
なお、本特徴を特徴B3に適用した場合は、特別遊技状態に対してまとめて一の特定処理を実行するため、可変入球手段に入球した遊技球を後の特定遊技に持ち越す構成でありながらも、残存球異常を適切に判定することが可能になる、という効果が期待される。
特徴B5.前記特別遊技状態で実行される前記特定遊技のうち、先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、前記可変入球手段から排出することなく、前記第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技に持ち越し、前記第2特定遊技で通過部を通過可能となるようにする手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210)を備え、
前記第1特定遊技では前記持ち越しが許容される一方、前記第2特定遊技では前記持ち越しが規制されるように構成されており、
前記特定処理実行手段は、前記第1特定遊技の終了に対応した前記特定処理を行わない一方、前記第2特定遊技の終了に対応して前記特定処理を実行する手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、先に実行される第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、それよりも後に実行される第2特定遊技で通過部を通過可能となる。第2特定遊技で通過部を遊技球が通過した場合、実行可能となるのは第2特定遊技の次に実施される特定遊技(便宜上、第3特定遊技という)であるところ、この第3特定遊技は、第1特定遊技から見た場合、次の特定遊技よりも更に後の特定遊技となる。つまり、本構成によれば、第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、次の次以降の特定遊技の実施に影響を与えるものとなり、斬新な遊技性を提供することが可能になる。
さらに、本構成では、第2特定遊技で持ち越しを規制することで、第2特定遊技の終了時において、可変入球手段に対する入球数と排出数とを整合させることができる。その上で、第2特定遊技の終了時に特定処理を行う構成としたため、特別遊技状態の途中で特定処理を実行できる。これにより、残存球異常をいち早く把握することができ、不正行為が行われていた場合に、遊技場の被害が大きくなることを抑制できる。また、持ち越しが許容される第1特定遊技の終了時には特定処理を実行しないため、残存球異常の誤判定を抑制することができる。
特徴B6.前記特別遊技状態は、予め定めた特定回数を上限として前記特定遊技を実行可能となっており、
少なくとも前記特定回数目の1つ前の前記特定遊技が前記第2特定遊技となるものであることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
特定回数目の1つ前の特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、特定回数目の特定遊技で通過部を通過しても、次の特定遊技が実行されることはないため、特定回数目の1つ前の特定遊技で遊技球の持ち越しを許容する遊技者のメリットが乏しい。かかる特性を利用し、本構成では、特定回数目の1つ前の特定遊技を持ち越しが規制される特定遊技とし、その終了時において特定処理を実行する構成となっている。これにより、遊技者の利益を損なうことなく、特別遊技状態の途中で特定処理を実行することが可能になる。
特徴B7.前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、前記通過部よりも上流側となる所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記所定領域にある遊技球が前記第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるように、前記滞留を解除する滞留解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B4乃至B6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の持ち越しを実現するにあたって、実用上好ましい態様とすることができる。特に、第1特定遊技の終了後、可変入球手段内に遊技球がいつまで残留するかを、滞留解除手段の解除タイミングにより制御することができる。これにより、滞留領域の拡張化や球通路の延長化等によって滞留時間を稼がなくても、遊技球を第2特定遊技へ持ち越し可能となり、可変入球手段の大型化や構成の複雑化を抑制可能となる。また、滞留解除手段を備えることで、滞留の発生タイミングに依存せずに遊技球を第2特定遊技へ持ち越し可能となる。例えば、特定のタイミングで滞留が生じた場合にのみ、遊技球が第2特定遊技に持ち越される構成であると、遊技者が滞留の発生タイミングにまで気を配る必要が生じ、注意が散漫化し易くなる。この点、本構成によれば、そのような配慮が不要となり、滞留させることに集中して遊技可能となる。
特徴B8.前記特定処理の結果、残存球異常が把握された場合に異常対応処理(遊技停止処理)を実行する異常対応手段(主制御装置81による遊技停止処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、残存球異常が把握された場合に異常対応処理が実行されるため、不正行為を抑制することが可能になる。
特徴B9.複数回の前記特定遊技のうち先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該可変入球手段内の所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記所定領域にある遊技球が前記第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技で前記可変入球手段から排出されるように、前記滞留を解除する解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、
を備え、
前記異常対応手段は、前記残存球異常が把握された場合に、前記滞留手段による前記滞留を解除することなく前記異常対応処理を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常対応処理を解除する場合に滞留を解除しないため、滞留球が残った状態で遊技場の係員等が立ち会う機会を確保することができる。これにより、係員等が不正行為でないことを確認できた場合に、滞留球を活用して遊技者の救済を図ることが可能になる。
特徴B10.前記異常対応手段により実行された前記異常対応処理を解除する異常解除手段(主制御装置81によるメイン処理を実行する機能)を備え、
前記異常解除手段は、
特定の操作が行われた場合(RAM消去スイッチ98aが押されることなく電源スイッチ92bが操作された場合)に、前記滞留が解除されないようにして前記異常対応処理を解除する第1手段と、
前記特定の操作とは異なる操作が行われた場合(RAM消去スイッチ98aが押されて電源スイッチ92bが操作された場合)に、前記滞留が解除されるようにして前記異常対応処理を解除する第2手段と、
を備えていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作態様を異ならせることで、滞留球を残すか否かを選択して異常対応処理を解除することができる。これにより、遊技場の係員等によって残存球異常の要因が不正行為である否かが確認された場合に、その確認結果に応じて対応を変えることが可能になる。
特徴B11.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
所定の条件(第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われるラウンド遊技(ラウンド遊技)を実行するラウンド遊技実行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段(入口センサ179)と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段(V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記ラウンド遊技が複数回に亘って実行される場合に、各前記ラウンド遊技に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記ラウンド遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴B1と同様の効果を奏することができる。なお、本特徴において「ラウンド遊技」は、「可変入球手段に入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数となったこと、又は、可変入球手段を第2態様とする期間若しくは回数が予め定めた上限値となったことに基づいて終了する遊技」として表現することが可能である。また、本特徴に対して上記特徴B1〜B10のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴B12.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
所定の条件(ラウンド遊技の場合は第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること、第1開閉実行モードの場合は作動口38,39への入賞に基づき通常開放結果となること、第2開閉実行モードの場合は大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技、第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技制御処理や遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段(入口センサ179)と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段(V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記特定遊技における前記可変入球手段への遊技球の入球及び当該入球した遊技球の排出に対する前記特定処理を、当該特定遊技の終了後である特定タイミングで実行することが可能な構成とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定の条件が成立すると、可変入球手段が第1態様とされる可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技が実行され、その中で可変入球手段に遊技球が入球すると、遊技者に特典が付与される。この場合において、第1及び第2検知手段の検知結果に基づいて、可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理が実行される。これにより、可変入球手段に対する遊技球の出入りが監視され、不正に特典を得ようするという行為が抑制される。
通常、残存状況を特定するための特定処理は特定遊技の終了時に行われるが、この場合、特定遊技の終了時において入球数と排出数とが整合していることが要求される。このため、特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球の全てをその特定遊技の中で排出させなければならず、遊技設計の自由度が制限される。この点、本構成によれば、特定遊技の終了後である特定タイミングで特定処理が実行されるため、かかる特定タイミングで入球数と排出数とが対応すれば足りる。これにより、可変入球手段内に遊技球を残存させた状態で特定遊技を終了可能となり、遊技設計の自由度を高めることができる。
特徴B13.前記可変入球制御として、第1制御態様(開閉パターンP1,P2)と、前記第1制御態様よりも前記可変入球手段に遊技球が入球しにくい第2制御態様(短開放態様)とを有しており、
複数回の前記特定遊技のうち、先に実行される第1特定遊技の後に前記特定処理が実行される場合に、前記第1特定遊技の次に実行される第2特定遊技において、前記第2制御態様により前記可変入球制御が行われている状況で、前記特定処理を実行可能な構成とされていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
遊技の円滑な進行を踏まえると、特定処理を実行してから特定遊技を実行するよりも、それらを並行させることが望ましい。この点、上記構成では、可変入球制御の一態様として第2制御態様を備え、当該制御態様の実行期間で特定処理を行う構成となっている。第2制御態様にて可変入球制御が行われる場合、可変入球手段に遊技球が入りにくいため、その期間に合わせて特定処理を行うことで、入球数と排出数との不整合が生じることを抑制できる。つまり、本構成によれば、第2特定遊技中に特定処理を実行することができ、遊技の円滑な進行を促進できる。
特徴B14.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
所定の条件(大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われるラウンド遊技(ラウンド遊技、第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)を複数回に亘って実行可能となる特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段(入口センサ179)と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段(V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態で実行される所定の前記ラウンド遊技において前記特定処理の実行を制限する手段(ラウンド遊技ごとの残存球判定を実行しなかったり、2〜4ラウンド目のラウンド遊技の終了時に残存球判定を実行しなかったりする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定の条件が成立すると特別遊技状態に移行し、その中で可変入球手段に遊技球が入球すると、遊技者に特典が付与される。この場合において、第1及び第2検知手段の検知結果に基づいて、可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理が実行される。これにより、可変入球手段に対する遊技球の出入りが監視され、不正に特典を得ようするという行為が抑制される。
通常、残存状況を特定するための特定処理はラウンド遊技毎に行われるが、この場合、特定遊技の終了時において入球数と排出数とが整合していることが要求される。このため、特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球の全てをそのラウンド遊技の中で排出させなければならず、遊技設計の自由度が制限される。この点、本構成によれば、特定遊技状態中の所定のラウンド遊技において特定処理の実行が制限されるため、可変入球手段内に遊技球を残存させた状態でラウンド遊技を終了可能となり、遊技設計の自由度を高めることができる。また、特定処理の実行頻度を低減できるため、特定処理の処理負荷を軽減することが可能になる。なお、本特徴に対して上記特徴B1〜B13のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴B15.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段(入口センサ179)と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段(V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定処理実行手段は、前記可変入球制御が複数回に亘って実行される場合に、各前記可変入球制御に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記可変入球制御に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴B1と同様の効果を奏することができる。また、本特徴に対して上記特徴B1〜B14のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴B1乃至B15の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴C1乃至C14、特徴D1乃至D12、特徴E1乃至E8、特徴F1乃至F16、特徴G1乃至G9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
を備え、
前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技として、第1条件により実行される第1特定遊技(第1開閉実行モード)と、当該第1特定遊技よりも遊技者にとって有利なものであって、前記第1条件とは異なる第2条件により実行される第2特定遊技(第2開閉実行モード)と、を有しており、
前記第2条件は、前記第1特定遊技において前記可変入球手段に入球した遊技球が通過部(V入賞センサ192)を通過することであり、
前記第2特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該第2特定遊技の終了後である特定タイミングまで、前記通過部よりも上流側の所定領域(入口用案内部215)に滞留させることが可能な特定手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210、主制御装置81による第2振分部材310やシャッタ221の動作態様を制御する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成において、遊技者にとって有利な第2特定遊技を生じさせるためには、可変入球手段に遊技球を入球させ、その遊技球が通過部を通過することが必要になる。かかる状況の下、本構成では、第2特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該第2特定遊技の終了後も可変入球手段内に滞留させることが可能となっている。この構成によれば、第2特定遊技の終了後、可変入球手段に遊技球を入球させなくても、可変入球手段内に遊技球が存在する状態となり、その遊技球が通過部を通過することで新たな第2特定遊技が実行される。つまり、本構成によれば、第2特定遊技中に可変入球手段に入球させた遊技球によって新たな第2特定遊技を発生させることが可能となり、興趣性が向上する。
特徴C2.前記第2特定遊技が終了した場合に、前記滞留が生じている場合と、前記滞留が生じていない場合とが発生するようにする手段(主制御装置81によるステップS1905、S1906の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技の終了時において常に遊技球が滞留するものとはならない。これにより、第2特定遊技の終了時に滞留を生じさせることができるか否かを楽しむ面白みを付与することができ、漠然と第2特定遊技を消化するに過ぎない場合に比べ、興趣性が向上する。
特徴C3.前記特定手段は、前記第2特定遊技の終了後、前記特定タイミングとなった場合に、遊技状況にかかわらず前記滞留を解除する手段(主制御装置81によるステップS3009の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定遊技後の特定タイミングになると、そのときの遊技状況にかかわらず遊技球の滞留が解除されるため、遊技機において、滞留解除球が通過部を通過するタイミングと、第1特定遊技の実行タイミングとのタイミング調整がなされない。このため、遊技者が、滞留解除球が通過部を通過するタイミングと適合するように第1特定遊技を生じさせる余地が生じ、これにより、両タイミングが適合するか否かを楽しむ面白みを付与可能となる。なお、本特徴において「遊技状況にかかわらず」を「前記第1特定遊技の実行状況にかかわらず」と言い換えてもよい。
特徴C4.前記特定タイミング又は当該特定タイミングまでの期間を示唆する所定報知が所定の報知手段にて行われるように、当該所定の報知手段を制御する報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技の終了時において滞留球がある場合に、所定報知を参照することで、滞留球が通過部を通過するタイミングを予測可能となる。その結果、その予測タイミングに適合させるように第1特定遊技を発生させるという遊技が創出され、興趣性が向上する。
なお、特徴C4に代えて又は加えて、「前記特定タイミングまでの期間の経過状況又は前記第2特定遊技が終了してからの経過期間を示唆する特定報知が所定の報知手段にて行われるように、前記所定の報知手段を制御する報知制御手段を備えている」という特徴を備えてもよい。この場合も、特定報知を参照することで、滞留球が通過部を通過するタイミングを予測可能となり、特徴C4と同様の効果を奏することが可能になる。なお、本特徴を特徴C4に加えて備える場合、特定報知は、所定報知が行われる報知手段と同一の報知手段で行われてもよいし、別の報知手段で行われてもよい。
特徴C5.前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1特定遊技の開始契機となる入球部(作動口38,39)と、
前記第2特定遊技の実行中に前記入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する前記開始契機の実行を保留することが可能な保留手段(保留球格納エリア114b)と、
前記第2特定遊技の終了時において前記保留がある場合に、前記保留に基づく前記第1特定遊技を前記第2特定遊技の終了後に実行することが可能な手段(主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)と、
を備えている特徴とする特徴C1乃至C4のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技の終了時において保留があれば、その保留を用いて第1特定遊技を生じさせることができる一方、保留がなければ、入球部に遊技球を入球させない限り第1特定遊技を生じさせることができない。すなわち、保留を生じさせた場合は、そうでない場合よりも第1特定遊技の発生を容易化することができ、有利に遊技を進めることが可能になる。さらに、上記構成では、第2特定遊技の実行中に入球への入球が生じると、保留が生じる構成となっている。これにより、第2特定遊技において、可変入球手段に遊技球を入球させる楽しみと、入球部に遊技球を入球させて保留を生じさせる楽しみとを同時に付与することができる。
特徴C6.前記入球部が前記可変入球手段の下流側に配置されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部が可変入球手段の下流側に配置されているため、第2特定遊技において、可変入球手段からのこぼれ球により保留を生じさせる楽しみを付与することができる。これにより、可変入球手段に入球しなかった遊技球に対しても遊技者の興味をひくことができ、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴C7.前記第2特定遊技の終了後において前記第1条件が成立し且つ第1結果(取得された開放種別カウンタCSの値が50〜99)である場合に、前記第1特定遊技を第1タイミング(2secの開放待機時間の経過後)で実行する一方、前記第1条件が成立し且つ前記第1結果とは異なる第2結果(取得された開放種別カウンタCSの値が0〜49)である場合に、前記第1特定遊技を前記第1タイミングとは異なる第2タイミング(0.5secの開放待機時間の経過後)で実行する手段を備えていることを特徴とする特徴C3乃至C6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立した場合の第1特定遊技の実行タイミングが多様化される。この場合、滞留解除球が通過部を通過するタイミングを予測して第1条件を成立させても、通過タイミングと第1特定遊技の実行タイミングとを適合させることが困難化する。これにより、狙い打ちを抑制することができ、遊技の公平性を担保することが可能になる。
特徴C8.前記発射手段により発射された遊技球が入球可能であって、前記第1特定遊技の開始契機となる入球部(作動口38,39)と、
前記第2特定遊技の実行中に前記入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球に対応する前記開始契機の実行を保留することが可能な保留手段(保留球格納エリア114b)と、
前記第2特定遊技の終了時において前記保留がある場合に、前記保留に基づく前記第1特定遊技を前記第2特定遊技の終了後に実行することが可能な第1特定遊技実行手段(主制御装置81によるデータ設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記保留に基づく前記第1特定遊技が第1タイミング(2secの開放待機時間の経過後)で実行された場合に、前記滞留を解除された滞留解除球が前記第1特定遊技において前記通過部を通過可能又は通過し易い第1状態となり、前記第1タイミングとは異なる第2タイミング(0.5secの開放待機時間の経過後)で実行された場合に、前記滞留解除球が前記第1特定遊技において前記通過部を通過不能又は前記第1状態に比べて通過しにくい第2状態となる構成とされていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技の終了時において保留があれば、その保留を用いて第1特定遊技を生じさせることができる一方、保留がなければ、入球部に遊技球を入球させない限り第1特定遊技を生じさせることができない。すなわち、保留を生じさせた場合は、そうでない場合よりも第1特定遊技の発生を容易化することができ、有利に遊技を進めることが可能になる。但し、保留に基づく第1特定遊技が第1タイミングで実行された場合は第2特定遊技が発生しやすくなるものの、第2タイミングで実行されると第2特定遊技が発生しにくくなる。つまり、第2特定遊技の終了時において保留があるだけでは第2特定遊技の連荘が確約されず、遊技者は遊技球を滞留させ且つ保留を生じさせたとしても気を抜くことができない状態となる。これにより、第2特定遊技が終了した後の遊技の展開に注目させ続けることができ、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴C9.前記保留に基づく前記第1特定遊技が前記第1タイミングで実行されるか否かを、当該保留に基づく前記開始契機の実行前に特定する先特定手段(主制御装置81により先読みを実行する機能)と、
前記先特定手段により前記第1特定遊技が前記第1タイミングで実行されることが特定された場合に、前記第2特定遊技の終了前に特定報知が所定の報知手段にて行われるように、当該所定の報知手段を制御する報知制御手段と、
を備えていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2特定遊技の終了時に遊技球が滞留していれば連荘の可能性が高くなることを遊技者が知った上で、第2特定遊技を遊技することが可能になる。これにより、第2特定遊技の終了時に滞留がある状態とする意欲を格段に高めることができ、可変入球手段に入球した遊技球への注目度を一層向上させることが可能になる。
特徴C10.前記第2特定遊技の終了後、前記可変入球手段内に滞留する遊技球を遊技機前方から視認可能となっていることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留の有無を遊技者が目視によって把握することができ、滞留が発生した場合に、新たな第2特定遊技が発生する期待感を効果的に煽ることが可能になる。
特徴C11.前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段(入口センサ179)と、
前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段(V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段(主制御装置81による残存球判定処理を実行する機能)と、を備え、
前記特定処理実行手段は、前記第2特定遊技における前記可変入球手段への遊技球の入球及び当該入球した遊技球の排出に対する前記特定処理を、前記滞留する遊技球が前記可変入球手段から排出された後に実行する手段を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、可変入球手段内に遊技球が残存する状態で第2特定遊技が終了する中でも、特定処理において可変入球手段に対する入球数と排出数とを整合させることができ、適切に残存球判定を行うことが可能になる。
特徴C12.前記特定処理実行手段は、前記第2特定遊技の終了後、所定の判定待機期間(6sec)が経過した場合に前記特定処理を実行する手段(主制御装置81によるステップS3010の処理を実行する機能)を備え、
前記所定の判定待機期間は、前記滞留する遊技球が前記可変入球手段から排出されるまでの期間よりも長いものであることを特徴とする特徴C11に記載の遊技機。
上記構成では、第2特定遊技が終了してから判定待機期間が経過することに応じて特定処理が実行される構成とされ、その判定待機期間は、滞留球が可変入球手段から排出されるまでの期間よりも長い期間とされている。これにより、滞留球が排出されたか否かの確認処理を行わなくても、滞留球の排出後に特定処理を実行することが可能となる。
特徴C13.前記特定処理実行手段は、前記判定待機期間が経過した場合に前記第1特定遊技中でない場合は、前記判定待機期間の経過に応じて前記特定処理を実行する一方、前記判定待機期間が経過した場合に前記第1特定遊技中である場合は、前記特定処理を当該第1特定遊技の終了に対応して実行する手段(主制御装置81によるステップS3012〜S3016、S3002〜S3005の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
例えば、判定待機期間の経過時に第1特定遊技中である場合に、判定待機期間の経過に応じて特定処理を行う構成では、判定待機期間の経過直前に可変入球手段への入球が発生し、当該期間の経過後に入球した遊技球が排出されると、入球数よりも排出数が少ない状態で特定処理が実行され、残存球異常の誤判定を招く。この点、本構成では、判定待機期間の経過時に第1特定遊技中である場合は、第1特定遊技が終了してから特定処理が行われるため、入球数と排出数とを整合させて特定処理を実行することができ、上記誤判定を抑制できる。
特徴C14.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記可変入球制御で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該可変入球制御後も前記可変入球手段内に滞留させることが可能な特定手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210、主制御装置81による第2振分部材310やシャッタ221の動作態様を制御する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴C1と同様の効果を奏することができる。また、本特徴に対して上記特徴C1〜C13のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴C1乃至C14の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B15、特徴D1乃至D12、特徴E1乃至E8、特徴F1乃至F16、特徴G1乃至G9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
所定の条件(作動口38,39への入賞)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(第1開閉実行モード)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
前記特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該特定遊技後に前記可変入球手段から排出可能とする特定手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210、主制御装置81による第2振分部材310やシャッタ221の動作態様を制御する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記可変入球手段からの遊技球の排出タイミングを、前記特定遊技後の遊技結果が第1遊技結果である場合(所定期間内に第1開閉実行モードが発生した場合)に第1タイミングとし、前記特定遊技後の遊技結果が前記第1遊技結果とは異なる第2遊技結果である場合(第1開閉実行モードが未発生のまま所定期間が経過した場合)に、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングとする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、当該特定遊技後に可変入球手段から排出可能とされている。その際、遊技球の排出タイミングは、第1タイミングと第2タイミングとを含む複数のタイミングに多様化され、排出タイミングが画一的な場合に比べ興趣性を向上させることができる。さらに、特定遊技後の遊技結果が第1遊技結果である場合に第1タイミングとなり、特定遊技後の遊技結果が第2遊技結果である場合に第2タイミングとなる構成となっている。この場合、特定遊技が終了した後の遊技が、特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球の排出タイミングに影響を及ぼすものとなる。これにより、特定遊技が終了した後の遊技への関心が高まり、遊技への注目度を向上させることが可能になる。
特徴D2.前記可変入球手段からの遊技球の排出タイミングが前記第1タイミングである場合と、前記第2タイミングである場合とで、遊技者にとっての有利度合が異なることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技後の遊技結果が第1遊技結果となるか第2遊技結果となるかに強い関心を抱かせることができ、特定遊技が終了した後の遊技への注目度が一層高まる。
特徴D3.前記特定遊技の後、前記第1遊技結果とならなかった場合に、前記第2遊技結果となる構成となっており、
前記第1タイミングで遊技球が排出される方が、前記第2タイミングで遊技球が排出されるよりも遊技者にとって有利となる構成となっていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技後の遊技結果が第1遊技結果となるようにする意欲が喚起され、特定遊技が終了した後の遊技への注目度が一層高まる。
特徴D4.前記可変入球手段に入球した遊技球により所定の遊技結果(V入賞)となることに基づいて、前記特定遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記第1遊技結果が、前記特定遊技の終了後である特定タイミングまでに前記所定の条件が成立することであり、
前記特定手段は、先の前記特定遊技の後、前記第1遊技結果となった場合に、当該第1遊技結果に対応して実行される後の前記特定遊技において、先の前記特定遊技から持ち越された遊技球により前記所定の遊技結果となるように、遊技球を排出する手段(主制御装置81によるステップS3301、S3302の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技の終了後である特定タイミングまでに所定の条件を成立させれば、先の特定遊技で可変入球手段に入球させた遊技球により特別遊技状態に移行させることができる。これにより、特定遊技の終了後において特別遊技状態に移行しやすい有利期間を付与することができる。その結果、特定遊技後の遊技が盛り上がり、遊技への注目度を好適に高めることが可能になる。また、有利期間を特定タイミングまでに制限する構成としたため、所定の条件が未成立の状態で有利期間が終了する場合を創出できる。これにより、所定の条件が成立しないまま有利期間が終了するかもしれないスリルの中で遊技することができ、興趣性が向上する。
特徴D5.先の前記特定遊技において前記可変入球手段に遊技球が入球した場合に、当該遊技球により当該先の前記特定遊技において前記所定の遊技結果となることが可能となるようにする手段(第2振分部材310、回転体201、主制御装置81による第2振分部材310や回転体201の動作態様を制御する機能)を備えていることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の特定遊技においても所定の遊技結果となり得る。この場合、特別遊技状態への移行機会として、先の特定遊技において所定の遊技結果となる第1機会と、特定タイミングまでに所定の条件を成立させ、後の特定遊技において所定の遊技結果となる第2機会と、の複数の機会を提供することができる。通常、特別遊技状態への移行は、一の特定遊技の中で所定の遊技結果となる場合に限れているところ、本構成によれば、特定遊技の終了後も特別遊技状態へ移行する余地が残され、興趣性が向上する。
特徴D6.前記所定の条件は、遊技領域に設けられた入球部(作動口38,39)に遊技球が入球することに基づいて成立するものであることを特徴とする特徴D4又はD5に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の条件が入球部への入球に基づいて成立するため、特定遊技の終了後、遊技領域上での遊技球の動きや行方に対する関心が高まり、それらを見て楽しむ面白みを増強することができる。また、既存の制御プログラムを活用して特徴D4又はD5の構成を実現可能となり、プログラム変更を少なく抑えることができる。これにより、プログラム変更に伴う遊技機設計の負担増を抑制することができる。
特徴D7.前記特定手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該可変入球手段内の所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記滞留を解除する滞留解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、を備え、
前記滞留解除手段は、前記先の前記特定遊技の後、前記第1遊技結果となった場合に、前記後の前記特定遊技において前記所定の遊技結果となるように前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴D4乃至D6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が特定タイミングまでのどのタイミングで所定の条件を成立させても、後の特定遊技で所定の結果となるように、遊技機において滞留の解除タイミング(遊技球の可変入球手段からの排出タイミング)が制御される。これにより、遊技者は、条件成立のタイミングまで気にせずに済み、所定の条件を成立させることに集中して遊技可能になる。
なお、本特徴を上記特徴D5に適用した場合は、(1)先の特定遊技で所定の遊技結果とすることができた、(2)先の特定遊技で所定の遊技結果とならなかったが、遊技球を滞留させることができた、(3)先の特定遊技で所定の遊技結果とならなかったし、遊技球を滞留させることもできなかった、といった3状態を創出することができる。所定の遊技結果となるか否かの択一的な遊技性しかない従来の遊技機に比べて、楽しみ方の幅を拡げることが可能になる。
特徴D8.前記第1タイミングで遊技球が排出される方が、前記第2タイミングで遊技球が排出されるよりも遊技者にとって有利な構成となっており、
前記特定遊技後の状態を、前記第1遊技結果となる期待度が相対的に高低となる第1状態と第2状態とにする状態用手段を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、第1遊技結果が遊技者にとって有利となり、その期待度が相対的に高低となる第1状態と第2状態とが設けられるため、特定遊技後の遊技が単調化することを抑制し、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴D9.前記第1遊技結果が、前記特定遊技の終了後である特定タイミングまでに前記所定の条件が成立することであり、
前記第1状態と前記第2状態とで前記特定タイミングまでの期間が異なることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定タイミングまでの期間が長ければ第1遊技結果となる期待度が高くなり、短ければ期待度が低くなるため、遊技者にとって分かり易く期待度を多様化することができる。
特徴D10.前記特定タイミング又は当該特定タイミングまでの期間を示唆する所定報知が所定の報知手段にて行われるように、当該所定の報知手段を制御する報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴D4乃至D9のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知を参照することで遊技者が特定タイミングを把握することができる。これにより、いつまでに所定の条件を成立させるべきかを認識することができ、遊びやすさが向上する。
なお、特徴D10に代えて又は加えて、「前記特定タイミングまでの期間の経過状況又は前記第2特定遊技が終了してからの経過期間を示唆する特定報知が所定の報知手段にて行われるように、前記所定の報知手段を制御する報知制御手段を備えている」という特徴を備えてもよい。この場合、特定報知を参照することで、特定タイミングまでの残り期間を把握することができ、第1遊技結果とならないまま有利期間が終了するかもしれない緊張感を効果的に煽ることができる。なお、本特徴を特徴D10に加えて備える場合、特定報知は、所定報知が行われる報知手段と同一の報知手段で行われてもよいし、別の報知手段で行われてもよい。
特徴D11.前記可変入球手段に入球した遊技球により所定の遊技結果(V入賞)となることに基づいて、前記特定遊技よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、
前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該可変入球手段内の所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記特定遊技の回数が予め定められた所定数となったことに基づいて前記滞留を解除する滞留解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、
を備え、
前記滞留解除手段により前記滞留が解除された遊技球により前記所定の遊技結果となることが可能な構成とされていることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、特定遊技の回数が所定回数に達することで滞留が解除され、その滞留解除球により所定の遊技結果となり、特別遊技状態へ移行する構成とされている。これにより、特定遊技を何度繰り返しても特別遊技状態に移行しない場合の救済を図ることができ、遊びやすさが向上する。
特徴D12.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出制御装置97)と、
前記可変入球制御で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該可変入球制御後に前記可変入球手段から排出可能とする特定手段(第2振分部材310、シャッタ221、ワープ通路210、主制御装置81による第2振分部材310やシャッタ221の動作態様を制御する機能)と、
を備え、
前記特定手段は、前記可変入球手段からの遊技球の排出タイミングを、前記可変入球制御後の遊技結果が第1遊技結果である場合(所定期間内に第1開閉実行モードが発生した場合)に第1タイミングとし、前記可変入球制御後の遊技結果が前記第1遊技結果とは異なる第2遊技結果である場合(第1開閉実行モードが未発生のまま所定期間が経過した場合)に、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングとする手段を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴D1と同様の効果を奏することができる。また、本特徴に対して上記特徴D1〜D11のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴D1乃至D12の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C14、特徴E1乃至E8、特徴F1乃至F16、特徴G1乃至G9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
所定の条件(大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技)を複数回実行することが可能な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球を、当該可変入球手段内の所定領域(入口用案内部215)において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段(主制御装置81によるシャッタ221を閉鎖状態とする機能)と、
前記所定領域にある遊技球が前記特定遊技後に前記可変入球手段から排出されるように、前記滞留を解除する滞留解除手段(主制御装置81によるシャッタ221を開放状態とする機能)と、
前記特別遊技状態において実行される複数回の前記特定遊技のうち、一の前記特定遊技である第1特定遊技(3ラウンド〜7ラウンド)では、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記滞留手段により滞留されやすく、前記第1特定遊技とは異なる第2特定遊技(12ラウンド〜16ラウンド)では、前記第1特定遊技よりも前記可変入球手段に入球した遊技球が前記滞留手段により滞留されにくくなるようにする特定手段(主制御装置81によるステップS1905、S1906の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球を、特定遊技の終了後も可変入球手段に残存させることが可能になる。すなわち、可変入球手段に入球した遊技球が特定遊技を跨いで可変入球手段から排出される場合を生じさせることができ、斬新な遊技性を提供することができる。この場合において、例えば、滞留手段による滞留の生じやすさ(換言すれば、遊技球の持ち越されやすさ)が画一化されていると、遊技球の持ち越しが日常化し、特別遊技状態を淡々と消化するだけの遊技になりかねない。この点、本構成では、第1特定遊技では滞留手段による滞留が生じやすく、第2特定遊技では滞留が生じにくくなっており、遊技球の持ち越されやすさを多様化することができる。これにより、遊技の単調化を抑制し、遊技への注目度を高めることが可能になる。
特徴E2.前記可変入球手段に入球した遊技球を前記滞留手段側と、当該滞留手段側とは異なる側と、に振り分け可能な振分手段(第2振分部材310)と、
前記振分手段を制御する振分制御手段(主制御装置81によるステップS1905、S1906の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定遊技と前記第2特定遊技とで前記振分手段の振分態様が共通するように、前記振分手段が制御され、
前記第1特定遊技と前記2特定遊技とで前記可変入球手段への遊技球の入球しやすさが異なるように、前記可変入球制御が実行されることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成では、振分手段の振分態様を第1特定遊技と第2特定遊技とで共通化し、可変入球制御によって滞留の生じやすさを異ならせる構成となっている。この場合、振分手段の振分態様と可変入球制御の実行態様とを各特定遊技で細かく設定する必要がなく、後者のみを設定すれば足りる。このため、制御に要する処理負荷や、遊技機の設計時における作業負担を軽減可能となる。
また、上記構成によって次の効果も期待される。滞留が生じることで遊技球の持ち越しがなされる構成では、滞留が生じるか否かに遊技者の注目が集まり易い。この場合、遊技者は、滞留の有無に影響を与える振分手段に強い関心を示し、その動きを注視していると想定される。そのような中で、振分手段の動きを異ならせると、遊技者がそれに気付き、滞留しやすさの違いが予め仕組まれたものと理解して興醒めするおそれがある。この点、本構成では、振分手段の動きが各特定遊技で共通するため、そのような気付きを抑制することができる。これにより、滞留しやすさの違いが偶然によるものと感じさせ易くなり、遊技球の挙動を楽しむ面白みを好適に提供することができる。
特徴E3.一の前記特定遊技は、前記可変入球制御の実行回数に応じた複数の遊技区間に区分可能となっており、
前記第1特定遊技と前記第2特定遊技とで各前記遊技区間における前記振分手段の振分態様が共通するように、前記振分手段が制御され、
前記第1特定遊技と前記第2特定遊技とで各前記遊技区間の少なくとも1つにおいて前記可変入球手段への遊技球の入球しやすさが異なるように、前記可変入球制御が実行されることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成では、第1特定遊技と第2特定遊技とで各遊技区間における振分手段の振分態様が共通する一方、各遊技区間の少なくとも1つにおいて可変入球制御の態様が相違する構成となっている。この場合、振分手段が遊技球を滞留手段側に振り分けやすい遊技区間に対し、可変入球手段に入球しやすい入球制御態様を組み合わせれば、滞留が生じやすい特性を生成でき、入球しにくい態様を組み合わせれば、滞留が生じにくい特性を生成できる。つまり、滞留の生じやすさを簡単に変えることができ、可変入球制御の設計負担を軽減することが可能になる。
特徴E4.前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通過部(V入賞センサ192)を備え、
前記特別遊技状態では、一の前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記特定遊技を行うことが可能となっており、
前記特定遊技において前記可変入球手段に入球した遊技球のうち、前記滞留手段により滞留されない遊技球が当該特定遊技で前記通過部を通過可能となり、前記滞留手段により滞留された遊技球が当該特定遊技後に実行される前記特定遊技で前記通過部を通過可能となるように構成されていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、一の特定遊技において通過部を遊技球が通過することで、次の特定遊技を行うことが可能になり、遊技球を通過部に通過させることが次の特定遊技の実施条件となる。そのような状況の下、本構成では、特定遊技において可変入球手段に遊技球が入球した際に、その遊技球が滞留手段により滞留されなかった場合は、当該特定遊技で通過部を通過可能となり、滞留手段により滞留された場合は、後の特定遊技で通過部を通過可能となる構成となっている。かかる構成によれば、ある特定遊技の実施が直前の特定遊技で入球した遊技球により達成される場合と、直前の特定遊技よりも更に前の特定遊技で入球した遊技球により達成される場合とを生じさせることができ、従来にはない斬新な遊技性を提供することができる。これにより、遊技者に新鮮な印象を与え、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、本特徴を特徴E2又はE3に適用する場合は、「前記滞留手段により滞留されない遊技球が当該特定遊技で前記通過部を通過可能となり、前記滞留手段により滞留された遊技球が当該特定遊技後に実行される前記特定遊技で前記通過部を通過可能となる」を「前記振分手段により前記異なる側に振り分けられた遊技球が当該特定遊技で前記通過部を通過可能となり、前記振分手段により前記滞留手段側に振り分けられた遊技球が当該特定遊技後に実行される前記特定遊技で前記通過部を通過可能となる」としてもよい。
特徴E5.前記特定遊技の開始後、予め定めた終了条件(役物装置150への入賞個数が上限個数となること、又は、開閉役物168の開放回数が上限回数となること)が成立することに基づいて、その特定遊技を終了させる特定遊技終了手段(主制御装置81による開放中用処理を実行する機能)を備え、
前記特定遊技終了手段は、前記特定遊技において前記終了条件の成立前に遊技球が前記通過部を通過しても、前記終了条件が成立するまで当該特定遊技を継続することを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
例えば、遊技球が通過部を通過することで特定遊技が終了する構成では、後の特定遊技において、可変入球手段への入球が発生する前に、先の特定遊技からの持ち越し球が通過部を通過すると、入球がないまま後の特定遊技が終了し、十分に遊技できない不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、終了条件の成立前に遊技球が通過部を通過しても、終了条件が成立するまで特定遊技が継続されるため、上記不都合の発生を回避し、遊技期間を適切に確保可能となる。
特徴E6.前記特別遊技状態において初回に実行される前記特定遊技(2ラウンド目のラウンド遊技)は、前記可変入球手段に入球した遊技球が前記滞留手段による前記滞留が生じにくい第1状態(開閉パターンP1と動作パターンSAとの組み合わせ)で開始された後、前記第1状態よりも前記滞留が生じやすい第2状態(開閉パターンP1と動作パターンSBとの組み合わせ)に変化する構成となっていることを特徴とする特徴E4又はE5に記載の遊技機。
初回の特定遊技では、それよりも前に実行される特定遊技が存在せず、遊技球の持ち越しがない。このため、次の特定遊技を実施するには、初回の特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が当該特定遊技の中で通過部を通過することが不可欠となる。この場合において、例えば、滞留が生じた際に遊技球が通過部を通過していないと、その状態のまま初回の特定遊技が終了して次の特定遊技が実施されず、滞留球も無駄に終わるのではないかと不安になりやすい。この点、本構成では、滞留が生じにくい第1状態で開始された後、滞留が生じやすい第2状態に変化するため、次の特定遊技の実施を確定させてから滞留を目指す状況が生じやすく、遊技者の不安感を軽減することが可能になる。
なお、本特徴を特徴E5に適用した場合は、次の効果も期待される。特定遊技は終了条の成立に基づいて終了するため、早期に終了条件が成立すると、特定遊技が短期間で終了することがある。この場合において、第1状態よりも先に第2状態となる構成であると、第2状態の間又は第1状態への切り替わり直後に特定遊技が終了し、初回の特定遊技で遊技球を通過部に通過させる機会が満足に提供されないおそれがある。この点、上記構成では、第2状態よりも先に第1状態となるため、初回の特定遊技で遊技球を通過部に通過させる機会が好適に確保され、次の特定遊技が実施されやすくなる。
特徴E7.前記可変入球手段に入球した遊技球を前記滞留手段側と、当該滞留手段側とは異なる側とに振り分け可能な振分手段(第2振分部材310)と、
遊技球を前記滞留手段側に振り分け可能な第1振分態様(振分状態)と、遊技球を前記異なる側に振り分け可能な第2振分態様(非振分状態)とに前記振分手段を切り替える振分制御手段(主制御装置81による第2振分部材310を切り替え制御する機能)と、
を備え、
前記振分制御手段は、前記滞留解除手段により前記滞留が解除された後に前記振分手段を前記第1振分態様に切り替える手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の滞留が解除された後に、滞留手段側への振り分けが許容される。この場合、遊技球が滞留される所定領域に空きが確保されてから、滞留手段側に遊技球を導くことができる。これにより、可変入球手段に入球した遊技球をせっかく滞留手段側に向かわせることができたにもかかわらず、既に滞留している遊技球によって滞留が阻害される不都合を抑制することが可能になる。
特徴E8.前記滞留解除手段は、前記可変入球手段が前記第1態様とされている状況下では前記滞留を解除せず、前記可変入球手段が前記第2態様とされている状況で前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれかに記載の遊技機。
可変入球手段に遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様では、遊技球が可変入球手段に入球するか否かに遊技者の意識が集中し易い。このため、第1態様とされている状況下で滞留を解除すると、滞留の解除を遊技者が見逃すおそれがある。この点、本構成では、可変入球手段に遊技球が入球不可又は入球しにくい第2態様とされている状況下で滞留を解除するため、滞留解除の見逃しを抑制することができる。
なお、上記特徴E1乃至E8の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C14、特徴D1乃至D12、特徴F1乃至F16、特徴G1乃至G9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
所定の条件(ラウンド遊技の場合は第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること、第1開閉実行モードの場合は作動口38,39への入賞に基づき通常開放結果となること、第2開閉実行モードの場合は大当たりとなること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技、第1開閉実行モード、第2開閉実行モード)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技制御処理や遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、当該複数回の前記特定遊技のうち先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球により、当該第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技において遊技者にとっての有利度合を変化させる特定手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定の条件が成立すると、可変入球手段が第1態様とされる可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技が実行される。通常、可変入球手段に入球した遊技球によって有利な結果となるか否かは、当該入球が発生した特定遊技の終了に伴って終結するが、本構成によれば、先の第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球により、後の第2特定遊技での有利度合が変化する構成となっている。これにより、先後の特定遊技を連携させて遊技することが可能になり、特定遊技ごとに遊技が独立する従来の遊技機に比べて興趣性を向上させることが可能になる。
特徴F2.前記特定手段は、前記第1特定遊技で前記可変入球手段に遊技球が入球した場合に所定の遊技結果(外れ口案内部203に遊技球が振り分けられる結果)になると、前記第2特定遊技での有利度合を第1度合(外れ口案内部203への振り分けによりV入賞率が高くなる状態)とし、前記第1特定遊技で前記可変入球手段に遊技球が入球しても前記所定の遊技結果にならない場合は、前記第2特定遊技での有利度合を前記第1度合よりも不利な第2度合(外れ口案内部203への振り分けがないことによりV入賞率が高くならない状態)とする手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
例えば、可変入球手段への入球が発生した時点で有利となることが決定する構成であると、入球を成し遂げた時点で遊技者が満足し、入球した後の遊技球に対する興味が希薄になるおそれがある。この場合、可変入球手段の構成を工夫して入球後の遊技球の動きに面白みを与えるなどしても、十分な演出効果を期待できなくなる。この点、本構成では、第2特定遊技で有利となるには、可変入球手段への入球だけでは足りず、所定の遊技結果となることが求められる。これにより、入球した後の遊技球への注目度を高めることが可能になる。
特徴F3.前記可変入球手段へ入球した遊技球を、少なくとも1つの第1受入部(V入賞口案内部204)と少なくとも1つの第2受入部(外れ口案内部203)とを含む複数の受入部に振り分ける振分手段(回転体201)と、
前記第1受入部に遊技球が振り分けられた場合に遊技者に特典(次のラウンド遊技の実施)を付与する一方、前記第2受入部に遊技球が振り分けられても前記特典を付与しない特典付与手段(主制御装置81によるラウンド更新処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定の遊技結果が、前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第2受入部に振り分けられることであることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
上記構成では、第1受入部に遊技球が振り分けられた場合に特典が付与され、第2受入部に遊技球が振り分けられた場合は特典が付与されないものとなっている。通常、特典付与のない第2受入部に遊技球が振り分けられると、遊技者は残念な気持ちにしかならないが、本構成では、先の第1特定遊技で第2受入部に遊技球が振り分けられると、後の第2特定遊技で有利となる構成となっている。これにより、第1受入部及び第2受入部のいずれに遊技球が振り分けられても遊技者が喜べる遊技性を実現することでき、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。また、従来は不利なものとしか認識されていない第2受入部が有利度合を高める受入部として機能するため、意外性を付与することもでき、遊技者に新鮮な印象を与えることが可能になる。
特徴F4.前記特定手段は、前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第2受入部に振り分けられた場合に、前記第2特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第1受入部に振り分けられる確率を第1確率(外れ口案内部203への振り分けによりV入賞率が上昇した場合の確率)とし、前記第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第2受入部に振り分けられない場合に、前記第2特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球が前記第1受入部に振り分けられる確率を前記第1確率よりも低い第2確率(外れ口案内部203への振り分けがなく、V入賞率が上昇しない場合の確率)とする手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能)を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の第1特定遊技で遊技球が第2受入部に振り分けられれば、後の第2特定遊技で遊技球が第1受入部に振り分けられやすくなり、第2特定遊技において特典を獲得しやすくなる。
特徴F5.前記特定手段は、前記第2受入部に所定数の遊技球が受け入れられた場合に、当該第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とする受入用手段(遊技球が貯留されることで外れ口案内部203を塞ぐ機能)を備え、
前記受入用手段により前記第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れが不可又は困難とされた状態で、前記第2特定遊技を実行可能になっていることを特徴とする特徴F3又はF4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2受入部に所定数の遊技球が受け入れられると、当該第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れが不可となる。この場合、第1及び第2受入部を含む複数の受入部において、遊技球の受け入れが可能な受入部の総数が減り、その分、第1受入部の割合が高まる。そして、新たな遊技球の受け入れが不可又は困難とされた状態で後の第2特定遊技が実行されるため、第2特定遊技において第1受入部への振り分け確率が高まり、特典を獲得しやすくなる。なお、本特徴において「第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れが困難」とは、基本的に受け入れないけども、かと言って絶対的な不可ではないことを意味し、その具体例としては、上記第7の実施の形態において、外れ口案内部203に貯留されている遊技球の上にさらに遊技球が載ることがあり得る状況が挙げられる。
特徴F6.前記複数の受入部は、前記第1受入部及び前記第2受入部のいずれとも異なる第3受入部を含んでおり、
前記特典付与手段は、前記第3受入部に遊技球が振り分けられても前記特典を付与しない構成となっており、
前記第3受入部に遊技球が受け入れられても当該第3受入部に対する新たな遊技球の受け入れが可能な構成となっていることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成では、第3受入部に遊技球が振り分けられても特典が付与されないし、第2特定遊技において有利となることもない。このような第3受入部が存在することで、第2受入部の優位性を強調することができる。また、第3受入部は遊技者にとって残念な受入部となるため、第3受入部への振り分けを避けたい心理が働くことが想定される。その結果、可変入球手段に入球した遊技球の動きをより注視することが期待され、遊技球への注目度を好適に高めることが可能になる。
特徴F7.前記第1特定遊技が実行された場合に、所定の終了条件が成立することに基づいて当該第1特定遊技を終了させる手段(主制御装置81による開放中用処理を実行する機能)を備え、
前記所定の終了条件として、前記可変入球手段に入球した遊技球の個数が予め定めた所定数(9個)に達することを含んでおり、
前記第2受入部に受入可能な遊技球の総数が前記所定数よりも多いことを特徴とする特徴F5又はF6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2受入部に遊技球が受け入れ不可となる状況が簡単に生じることが抑制され、第2受入部に遊技球を振り分け可能な期間を長く持続させることができる。
特徴F8.前記受入用手段として、前記第2受入部に遊技球が受け入れられた場合に、当該第2受入部に遊技球を貯留可能とする手段(外れ口案内部203に遊技球を貯留する機能)を備え、
前記第2受入部に遊技球が貯留された状態で前記第2特定遊技を実行可能になっていることを特徴とする特徴F5乃至F7のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、第2受入部に貯留される遊技球が当該第2受入部を塞ぐことで、当該第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とすることができる。すなわち、第2受入部に振り分けられた遊技球を活用することで、上記受け入れを不可等とする構成を簡単に構築することができる。また、貯留球が第2受入部を塞ぐことから、見た目にも分かりやすく、遊技性の理解を容易化することも可能になる。
特徴F9.前記受入用手段によりなされた前記新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とする状態を、前記第2特定遊技の途中で解除する解除手段(ラウンド遊技の途中で貯留を解除する機能)を備えていることを特徴とする特徴F5乃至F8のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば、先の第1特定遊技で第2受入部に遊技球が振り分けられたことによる恩恵が、第2特定遊技の途中までしか得られなくなる。この場合、恩恵がある状態で第1受入部に遊技球が振り分けられないと、それよりも不利な状況下で第1受入部への振り分けを目指さざるを得なくなる。これにより、遊技者の緊張感を盛り上げることができ、遊技への注目度を高めることができる。
なお、本特徴を上記特徴F8に適用する場合は、「前記受入用手段によりなされた前記新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とする状態を、前記第2特定遊技の途中で解除する解除手段」を、「前記第2受入部における遊技球の貯留を前記第2特定遊技の途中で解除する解除手段」としてもよい。
特徴F10.前記解除手段は、前記第2特定遊技の途中である特定タイミングとなった場合に、遊技状況にかかわらず前記解除を行う手段(ラウンド開始から5sec経過後に貯留を解除する機能)を備えていることを特徴とする特徴F9に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1受入部への振り分けの有無などの遊技状況とは無関係に、受け入れ不可な状態が解除される。これにより、第1受入部への振り分けがないまま恩恵がなくなるかもしれない緊張感を効果的に煽ることができ、興趣性が向上する。
特徴F11.前記特定タイミング又は当該特定タイミングまでの期間を示唆する所定報知が所定の報知手段にて行われるように、当該所定の報知手段を制御する報知制御手段を備えていることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
上記構成によれば、受け入れ不可又は困難な状態の解除タイミングを遊技者が予測可能になる。これにより、第2特定遊技のいつまでが有利なのかを把握しやすくなり、遊びやすさが向上する。
なお、特徴F11に代えて又は加えて、「前記特定タイミングまでの期間の経過状況又は前記第2特定遊技が終了してからの経過期間を示唆する特定報知が所定の報知手段にて行われるように、前記所定の報知手段を制御する報知制御手段を備えている」という特徴を備えてもよい。この場合も、特定報知を参照することで、受け入れ不可な状態の解除タイミングを予測可能となり、特徴F11と同様の効果を奏することが可能になる。なお、本特徴を特徴F11に加えて備える場合、特定報知は、所定報知が行われる報知手段と同一の報知手段で行われてもよいし、別の報知手段で行われてもよい。
特徴F12.前記解除手段は、前記第2特定遊技における前記可変入球手段への遊技球の入球個数が予め定めた所定個数となることに基づいて前記解除を行う手段を備えていることを特徴とする特徴F9乃至F11のいずれかに記載の遊技機。
例えば、可変入球手段に遊技球がなかなか入球しない場合は、振分手段による振り分けを十分に受けられないまま、受け入れ不可な状態(有利な状態)が終了することがあり得る。この点、本構成によれば、可変入球手段への遊技球の入球個数が所定個数に達するまでは受け入れ不可な状態が継続されるため、有利な状態で振り分けを受ける機会を適正に確保できる。
特徴F13.前記振分手段としての第1振分手段と、
前記可変入球手段内における前記第1振分手段の上流にて、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1振分手段側と、前記第1振分手段側とは異なる側とに振り分ける第2振分手段(第1振分部材300)と、
を備え、
前記第2振分手段により前記異なる側に振り分けられた遊技球が前記第2受入部に到達不可となるように構成されていることを特徴とする特徴F3乃至F12のいずれかに記載の遊技機。
第1受入部への振り分けが簡単化し過ぎることを抑制したい場合は、第2受入部の数を増やしたり、一の第2受入部への遊技球の受け入れ数を増やしたりすることが考えられる。但し、第1振分手段や第2受入部の構造が複雑化し、遊技機設計の負担増を招くおそれがある。この点、上記構成では、第2振分手段により、第1振分手段に向かう遊技球の数が低減されるため、第2受入部の数や一の第2受入部への遊技球の受け入れ数を少なく抑えることができ、構成を簡単化できる。また、第2振分手段が介在することから、第2受入部への振り分け難易度が高くなり、遊技球が第2受入部に振り分けられた際の達成感を増強することもできる。
特徴F14.前記特定遊技(ラウンド遊技)を複数回実行することが可能な特別遊技状態(第2開閉実行モード)に移行させる遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記特別遊技状態において、一の前記特定遊技で前記第1受入部に遊技球が振り分けられた場合に、前記特典として次の前記特定遊技を実行可能とするものであることを特徴とする特徴F3乃至F13のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、複数回の特定遊技が実行可能となる特別遊技状態があり、その特別遊技状態では、一の特定遊技において第1受入部に遊技球が振り分けられることで、次の特定遊技を行うことが可能になる。すなわち、第1受入部に遊技球が振り分けられることが次の特定遊技の実施条件となる。そのような前提の下、本構成では、先の第1特定遊技で第2受入部に遊技球が振り分けられることにより、後の第2特定遊技で第1受入部に遊技球が振り分けられやすくなる。第2特定遊技で第1受入部に遊技球が振り分けられた場合、実行可能となるのは第2特定遊技の次に実施される特定遊技(便宜上、第3特定遊技という)であるところ、この第3特定遊技は、第1特定遊技から見た場合、次の特定遊技よりも更に後の特定遊技となる。つまり、本構成によれば、第1特定遊技で可変入球手段に入球した遊技球が、次の次以降の特定遊技の実施に影響を与えるものとなり、斬新な遊技性を提供することが可能になる。
特徴F15.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
所定の条件(第2開閉実行モードが開始されたり、継続条件が成立したりすること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われるラウンド遊技(ラウンド遊技)を実行するラウンド遊技実行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記ラウンド遊技が複数回に亘って実行される場合に、当該複数回の前記ラウンド遊技のうち先に実行される第1ラウンド遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球により、当該第1ラウンド遊技よりも後に実行される第2ラウンド遊技において遊技者にとっての有利度合を変化させる特定手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴F1と同様の効果を奏することができる。なお、本特徴において「ラウンド遊技」は、「可変入球手段に入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数となったこと、又は、可変入球手段を第2態様とする期間若しくは回数が予め定めた上限値となったことに基づいて終了する遊技」として表現することが可能である。また、本特徴に対して上記特徴F1〜F14のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
特徴F16.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球制御が複数回に亘って実行される場合に、当該複数回の前記可変入球制御のうち先に実行される第1可変入球制御で前記可変入球手段に入球した遊技球により、当該第1可変入球制御よりも後に実行される第2可変入球制御において遊技者にとっての有利度合を変化させる特定手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴F1と同様の効果を奏することができる。また、本特徴に対して上記特徴F1〜F15のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴F1乃至F16の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C14、特徴D1乃至D12、特徴E1乃至E8、特徴G1乃至G9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による制御中処理や開閉処理を実行する機能)と、
所定の条件(ラウンド遊技の開始条件が成立すること)により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技(ラウンド遊技)を実行する特定遊技実行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を、少なくとも1つの第1受入部(V入賞口案内部204)と少なくとも1つの第2受入部(外れ口案内部203)とを含む複数の受入部に振り分け可能な振分手段(回転体201)と、
前記第1受入部に遊技球が振り分けられた場合に遊技者に特典(次のラウンド遊技の実施)を付与する一方、前記第2受入部に遊技球が振り分けられても前記特典を付与しない特典付与手段(主制御装置81によるラウンド更新処理を実行する機能)と、
前記特定遊技において、前記第1受入部に遊技球が振り分けられた後、前記第1受入部に遊技球が振り分けられるよりも、前記第2受入部に遊技球が振り分けられる方が遊技者にとって有利となるようにする特定手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能、V入賞口案内部204よりも外れ口案内部203の方が賞球を多くする機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、所定の条件が成立すると、可変入球手段が第1態様とされる可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技が実行され、可変入球手段に遊技球が入球すると、第1受入部と第2受入部とを含む複数の受入部に遊技球が振り分けられる。そして、遊技球が第1受入部に振り分けられると特典が付与され、第2受入部に振り分けられた場合は特典が付与されない。通常、特典付与のない第2受入部に遊技球が振り分けられると、遊技者は残念な気持ちにしかならないが、本構成では、第1受入部に遊技球が振り分けられた後、第1受入部よりも第2受入部の方が遊技者にとって有利となる構成となっている。これにより、第1受入部及び第2受入部のいずれに遊技球が振り分けられても遊技者が喜べる遊技性を提供することでき、遊技意欲を好適に高めることが可能になる。
特徴G2.前記特典付与手段は、前記特定遊技において前記第1受入部に遊技球が振り分けられた後、当該特定遊技の中で再び前記第1受入部に遊技球が振り分けられても、当該振り分けに対応する前記特典を付与しない構成となっていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成では、第1受入部に遊技球が振り分けられた後、遊技球が再度第1受入部に振り分けられてもそれに応じた新たな特典は付与されない。この場合、第1受入部への最初の振り分けで遊技者が満足する結果、その後の振り分けへの興味が薄れ、特定遊技の残り期間において、可変入球手段に入球した遊技球への注目度が低下するおそれがある。この点、第1受入部に遊技球が振り分けられた後、第1受入部よりも第2受入部が遊技者にとって有利となるため、第1受入部への最初の振り分けがなされた以後も、可変入球手段に入球した遊技球への注目度を高めることができる。
また、第1受入部への最初の振り分けがなされる前は、第1受入部への振り分けにより特典付与が生じることから、第2受入部よりも第1受入部が有利となる一方、第1受入部への最初の振り分けがなされた後は、第1受入部よりも第2受入部が有利となる。すなわち、第1受入部への振り分けの前後で有利関係が逆転し、第1受入部への振り分けを目指す遊技と、第2受入部への振り分けを目指す遊技との2つ遊技を一の特定遊技の中で実現することができる。これにより、前者が担保されているに過ぎない従来の遊技機に比べ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴G3.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記第1受入部に遊技球が振り分けられた後、前記第2受入部への遊技球の振り分け回数が多くなるほど遊技者にとって有利となるようにする手段(遊技球が振り分けられた外れ口案内部203の数が多くなるほどV入賞率が高くなる機能)を備えていることを特徴とする特徴G1又はG2に記載の遊技機。
例えば、前記第2受入部に繰り返し遊技球が振り分けられても有利度合が変化しない構成であると、第1受入部への振り分け後、第2受入部への振り分けを1回達成できれば、その後の遊技への興味が薄れやすくなる。この点、本構成では、第2受入部に遊技球が振り分けられるほど有利となるため、第2受入部への振り分けが達成された後も、第2受入部への振り分けを目指す意欲を持続させることができる。これにより、特定遊技の最後まで遊技を楽しむことができ、興趣性が向上する。
なお、本特徴は、「前記第2受入部が複数設けられており、前記特定手段は、前記特定遊技において、前記第1受入部に遊技球が振り分けられた後、前記振分手段により遊技球が振り分けられた前記第2受入部の数が多くなるほど、遊技者にとって有利となるようにする手段(遊技球が振り分けられた外れ口案内部203の数が多くなるほどV入賞率が高くなる機能)を備えている」と言い換えることもできる。
特徴G4.前記特定手段は、前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、当該複数回の前記特定遊技のうち先に実行される第1特定遊技で前記第2受入部に遊技球が振り分けられると、当該第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技において有利となるようにする手段(外れ口案内部203に遊技球が貯留された状態を次のラウンドに引き継ぐ機能)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれかに記載の遊技機。
上記構成では、先の第1特定遊技における第2受入部への振り分けが、後の第2特定遊技における有利度合を高めるものとなっている。すなわち、第2受入部への振り分け結果が特定遊技を跨いで反映されるものとなり、斬新な遊技性を提供することができる。
特徴G5.前記特定手段は、前記第2受入部に所定数の遊技球が受け入れられた場合に、当該第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とする受入用手段(遊技球が貯留されることで外れ口案内部203を塞ぐ機能)を備え、
前記受入用手段により前記第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れが不可又は困難とされた状態で、前記第2特定遊技を実行可能になっていることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2受入部に所定数の遊技球が受け入れられると、当該第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れが不可又は困難となる。この場合、第1及び第2受入部を含む複数の受入部において、遊技球の受け入れが可能な受入部の総数が減り、その分、第1受入部の割合が高まる。そして、新たな遊技球の受け入れが不可又は困難とされた状態で後の第2特定遊技が実行されるため、第2特定遊技において第1受入部への振り分け確率が高まり、特典を獲得しやすくなる。なお、本特徴において「第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れが困難」とは、基本的に受け入れないけども、かと言って絶対的な不可ではないことを意味し、その具体例としては、上記第7の実施の形態において、外れ口案内部203に貯留されている遊技球の上にさらに遊技球が載ることがあり得る状況が挙げられる。
特徴G6.前記受入用手段として、前記第2受入部に遊技球が受け入れられた場合に、当該第2受入部に遊技球を貯留可能とする手段(外れ口案内部203に遊技球を貯留する機能)を備え、
前記第2受入部に遊技球が貯留された状態で前記第2特定遊技を実行可能になっていることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2受入部に貯留される遊技球が当該第2受入部を塞ぐことで、当該第2受入部に対する新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とすることができる。すなわち、第2受入部に振り分けられた遊技球を活用することで、上記受け入れを不可等とする構成を簡単に構築することができる。また、貯留球が第2受入部を塞ぐことから、見た目にも分かりやすく、遊技性の理解を容易化することも可能になる。
特徴G7.前記受入用手段によりなされた前記新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とする状態を、前記第2特定遊技の途中で解除する解除手段(ラウンド遊技の途中で貯留を解除する機能)を備えていることを特徴とする特徴G5又はG6に記載の遊技機。
上記構成によれば、先の第1特定遊技で第2受入部に遊技球が振り分けられたことによる恩恵が、第2特定遊技の途中までしか得られなくなる。この場合、恩恵がある状態で第1受入部に遊技球が振り分けられないと、それよりも不利な状況下で第1受入部への振り分けを目指さざるを得なくなる。これにより、遊技者の緊張感を盛り上げることができ、遊技への注目度を高めることができる。
なお、本特徴を上記特徴G6に適用する場合は、「前記受入用手段によりなされた前記新たな遊技球の受け入れを不可又は困難とする状態を、前記第2特定遊技の途中で解除する解除手段」を、「前記第2受入部における遊技球の貯留を前記第2特定遊技の途中で解除する解除手段」としてもよい。
特徴G8.前記振分手段としての第1振分手段と、
前記可変入球手段内における前記第1振分手段の上流にて、前記可変入球手段に入球した遊技球を前記第1振分手段側と、前記第1振分手段側とは異なる側とに振り分ける第2振分手段(第1振分部材300)と、
を備え、
前記第2振分手段により前記異なる側に振り分けられた遊技球が前記第2受入部に到達不可となるように構成されていることを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれかに記載の遊技機。
第1受入部への振り分けが簡単化し過ぎることを抑制したい場合は、第2受入部の数を増やしたり、一の第2受入部への遊技球の受け入れ数を増やしたりすることが考えられる。但し、第1振分手段や第2受入部の構造が複雑化し、遊技機設計の負担増を招くおそれがある。この点、上記構成では、第2振分手段により、第1振分手段に向かう遊技球の数が低減されるため、第2受入部の数や一の第2受入部への遊技球の受け入れ数を少なく抑えることができ、構成を簡単化できる。また、第2振分手段が介在することから、第2受入部への振り分け難易度が高くなり、遊技球が第2受入部に振り分けられた際の達成感を増強することもできる。
特徴G9.遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様(開放状態)と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様(閉鎖状態)とに切り替わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
前記可変入球手段へ入球した遊技球を少なくとも1つの第1受入部(V入賞口案内部204)と少なくとも1つの第2受入部(外れ口案内部203)とを含む複数の受入部に振り分ける振分手段(回転体201)と、
前記第1受入部に遊技球が振り分けられた場合に遊技者に特典(次のラウンド遊技の実施)を付与する一方、前記第2受入部に遊技球が振り分けられても前記特典を付与しない特典付与手段(主制御装置81によるラウンド更新処理を実行する機能)と、
前記第1受入部に遊技球が振り分けられた後、前記第1受入部に遊技球が振り分けられるよりも、前記第2受入部に遊技球が振り分けられる方が遊技者にとって有利となるようにする特定手段(開閉部材400により外れ口案内部203に遊技球を貯留させる機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、上記特徴G1と同様の効果を奏することができる。また、本特徴に対して上記特徴G1〜G8のいずれかに記載の各構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによる更なる効果を奏することができる。
なお、上記特徴G1乃至G9の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B15、特徴C1乃至C14、特徴D1乃至D12、特徴E1乃至E8、特徴F1乃至F16のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
上述した各特徴A〜G群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A〜G群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A〜G群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A〜G群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機(球使用回胴式遊技機):複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…パチンコ機、38…第1作動口、39…第2作動口、53…遊技球発射機構、81…主制御装置、92b…電源スイッチ、97…払出制御装置、98a…RAM消去スイッチ、114b…保留球格納エリア、150…役物装置、179…入口センサ、183…誘導通路、192…V入賞センサ、193…外れ用センサ、201…回転体、203…外れ口案内部、204…V入賞口案内部、210…ワープ通路、215…入口用案内部、221…シャッタ、300…第1振分部材、310…第2振分部材、400…開閉部材。

Claims (7)

  1. 遊技者による発射操作に基づいて遊技球を発射する発射手段と、
    前記発射手段により発射された遊技球が入球可能又は入球し易い第1態様と、遊技球が入球不可又は前記第1態様よりも入球しにくい第2態様とに切り替わり可能な可変入球手段と、
    前記可変入球手段を前記第2態様から前記第1態様とし、その後、前記第2態様とする可変入球制御を実行する可変入球制御手段と、
    前記可変入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
    所定の条件により、前記可変入球制御が少なくとも1回行われる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
    前記可変入球手段への遊技球の入球を検知可能な第1検知手段と、
    前記可変入球手段からの遊技球の排出を検知可能な第2検知手段と、
    前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知結果に基づいて、前記可変入球手段内における遊技球の残存状況を特定するための特定処理を実行する特定処理実行手段と、
    を備え、
    前記特定処理実行手段は、前記特定遊技が複数回に亘って実行される場合に、各前記特定遊技に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記特定遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定遊技を複数回実行することが可能な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
    前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な通過部と、
    を備え、
    前記特別遊技状態は、一の前記特定遊技において前記通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記特定遊技を実行可能となるように構成されており、
    前記特定処理実行手段は、前記特別遊技状態において、各前記特定遊技に対する各別の前記特定処理を行わず、複数回の前記特定遊技に対して一の前記特定処理を実行することが可能な構成とされていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記特定処理実行手段は、前記特別遊技状態において前記特定遊技ごとの前記特定処理を実行せず、最終回の前記特定遊技が終了することに対応して前記特定処理を実行する手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記特別遊技状態で実行される前記特定遊技のうち、先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、前記可変入球手段から排出することなく、前記第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技に持ち越し、前記第2特定遊技で前記通過部を通過可能となるようにする手段を備え、
    前記第1特定遊技では前記持ち越しが許容される一方、前記第2特定遊技では前記持ち越しが規制されるように構成されており、
    前記特定処理実行手段は、前記第1特定遊技の終了に対応した前記特定処理を行わない一方、前記第2特定遊技の終了に対応して前記特定処理を実行する手段を備えていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  5. 前記特別遊技状態は、予め定めた特定回数を上限として前記特定遊技を実行可能となっており、
    少なくとも前記特定回数目の1つ前の前記特定遊技が前記第2特定遊技となるものであることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 複数回の前記特定遊技のうち先に実行される第1特定遊技で前記可変入球手段に入球した遊技球の少なくとも1つを、当該可変入球手段内の所定領域において、当該可変入球手段から排出することなく滞留させることが可能な滞留手段と、
    前記所定領域にある遊技球が前記第1特定遊技よりも後に実行される第2特定遊技で前記可変入球手段から排出されるように、前記滞留を解除する解除手段と、
    前記特定処理の結果、残存球異常が把握された場合に異常対応処理を実行する異常対応手段と、
    を備え、
    前記異常対応手段は、前記残存球異常が把握された場合に、前記滞留手段による前記滞留を解除することなく前記異常対応処理を実行する手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
  7. 前記異常対応手段により実行された前記異常対応処理を解除する異常解除手段を備え、
    前記異常解除手段は、
    特定の操作が行われた場合に、前記滞留が解除されないようにして前記異常対応処理を解除する第1手段と、
    前記特定の操作とは異なる操作が行われた場合に、前記滞留が解除されるようにして前記異常対応処理を解除する第2手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
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