<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域の下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域に向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域に向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域は、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部32と外レール部33とが取り付けられており、これら内レール部32及び外レール部33によって区画されるようにして遊技領域が形成されている。また、これら内レール部32及び外レール部33により遊技領域への遊技球の誘導レール34が構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構から発射された遊技球は上記誘導レール34によって遊技領域の上部に案内される。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部において遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域として区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口35,第1作動口(第1始動入球部)38,第2作動口(第2始動入球部)39,役物装置150、スルーゲート41、可変表示ユニット42、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口35、第1作動口38、第2作動口39及び役物装置150への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(第1作動センサ38a、第2作動センサ39c、入口センサ179(図6等参照))により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、第1作動口38への入球が発生した場合及び第2作動口39への入球が発生した場合には7個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口35への入球が発生した場合には8個の賞球の払い出しが実行され、役物装置150への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口38に係る賞球個数よりも第2作動口39に係る賞球個数が多いといったように、両作動口38,39の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口45が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口45を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘46が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口45への遊技球の入球と明確に区別するために、役物装置150、第1作動口38、第2作動口39又はスルーゲート41への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
役物装置150は、遊技盤24において略中央部に配設されている。第1作動口38及び第2作動口39は、遊技盤24においてこの役物装置150の下側に、横方向に並設されている。第1作動口38は役物装置150の左右に2つ設けられており、第2作動口39はこれら左右の第1作動口38によって挟まれる位置に配設されている。役物装置150との関係では、左右の第1作動口38は役物装置150を挟むように配設されており、役物装置150へ入賞しなかった遊技球がいずれかの第1作動口38へ到達可能(入賞可能)となっている。また、両第1作動口38と役物装置150との横方向の間隔は、遊技球1個分の直径以上の間隔となっており、第1作動口38と役物装置150との間を遊技球が流下可能となっている。
また、第2作動口39は役物装置150の下方に配設されている。第2作動口39は、両第1作動口38よりも若干下方に配置されており、役物装置150や第1作動口38に入球しなかった遊技球が第2作動口39へ到達可能(入球可能)となっている。
第2作動口39には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物39aが設けられている。電動役物39aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部39bに連結されており、当該電動役物駆動部39bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物39aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口39に入賞できず、電動役物39aが開放状態となることで第2作動口39への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、第2作動口39への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物39aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物39aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口39自身の変位により行われる構成としてもよい。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材47に設けられている。装飾部材47は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材47の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材47の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材47の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、各作動口38,39への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が絵柄等の表示によって明示される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート41への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口39に設けられた電動役物39aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット42には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置51が設けられている。図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
装飾部材47におけるメイン表示部43の下方部分には、メイン表示部43に対応した第1保留発光部54と第2保留発光部55とが設けられている。第1保留発光部54は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第1作動口38に入賞した個数は最大4つまで保留され、第1保留発光部54の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。第2保留発光部55は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第2作動口39に入賞した個数は最大4つまで保留され、第2保留発光部55の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、装飾部材47における役物用表示部44の下方部分には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部56が設けられている。遊技球がスルーゲート41を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部56の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留発光部54〜56の一部又は全部が図柄表示装置51の一部で表示される構成等であってもよい。
役物装置150は、いずれかの作動口38,39への遊技球の入球を条件として開放状態となり、当該役物装置150への遊技球の入球が可能となる。役物装置150内に遊技球が入り、さらにその遊技球が役物装置150内に設けられたV入賞口に入ると、それが後述するV入賞センサ192により検出され、大当たり状態となる。
ここで、役物装置150の構成について図5〜図8を用いて詳細に説明する。図5(a)は役物装置150の斜視図であり、図5(b)は役物装置150に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図であり、図6は役物装置150の分解斜視図であり、図7は役物装置150を構成する回転体ユニット180の分解斜視図であり、図8は回転体ユニット180の平面図である。
役物装置150は、大別して役物ユニット160と回転体ユニット180とから構成されている。役物ユニット160は、図6に示すように、ベース枠161を備えており、ベース枠161のフランジ162が遊技盤24にネジ止め固定されている。ベース枠161は、前後方向に延びる球受け板163により上下に区画されて、前後に貫通した上側開口164と下側開口165とが形成されている。
ベース枠161の前面における上側開口164の上方には、所定の厚みを有する天井部材167が取り付けられている。なお、天井部材167には上記可変表示ユニット42が形成されており、図柄表示装置51の表示画面Gが、遊技機前方に向くように設置されている。
ベース枠161における上側開口164の左右両側には、天井部材167と同一の厚みを有する一対の開閉役物168が設けられている。ベース枠161の背面側には、通路形成部材171及び駆動部固定板172が設けられており、駆動部固定板172の背面に一対の開閉役物駆動部173(電磁式ソレノイド)が取り付けられている。開閉役物駆動部173には通路形成部材171及び駆動部固定板172を貫通して設けられたリンク176の一端が連結されており、当該リンク176の他端が開閉役物168の軸部に連結されている。従って、開閉役物168は開閉役物駆動部173の駆動により開放動作される。
当該開放動作について詳細に説明すると、各開閉役物168は開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときには上方へ起立し、それぞれの先端部は天井部材167の左右両端に近接する。一方、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されると、各開閉役物168はそれぞれ外側へ開き、各開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との間には遊技球1個分よりも大きな隙間ができる。かかる構成により、各開閉役物168が開き、役物装置150が開放状態となったときにのみ、役物装置150内への遊技球の入球が可能となる。なお、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないとき(開閉役物168が上方へ起立したとき)であっても、同開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されているとき(開閉役物168が外側へ開いているとき)よりも、役物装置150への入球が困難な態様であればよく、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときに役物装置150へ入球可能な構成であってもよい。例えば、開閉役物駆動部173の駆動されているときは、開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との隙間が遊技球約1個分であり、開閉役物駆動部173が駆動されると同隙間がそれよりも大きくなる構成などが考えられる。
また、開閉役物駆動部173は、通路形成部材171及び駆動部固定板172により遊技機前方から視認できない構成となっており、当該開閉役物駆動部173は背面側がカバー部材174によりカバーされている。
ベース枠161の前面における下側開口165の縁部には、前枠175が取り付けられている。前枠175の上部に形成された延出壁175aは、ベース枠161の球受け板163よりも上方に延出しており、かかる延出壁175aにより球受け板163上に到達した遊技球の前方への飛び出しが規制されている。
通路形成部材171には、前後方向に延び球受け板163に繋がる通路板177が形成されており、さらに通路板177の奥側には上下方向に延びる遊技球通路178が形成されている(図5(b)に示す)。そして、通路板177が遊技球通路178に向けて下方に傾斜し、さらに当該遊技球通路178に向けて幅が狭くなる構成であることにより、球受け板163上に到達した遊技球は遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は当該遊技球通路178を流下する。遊技球通路178の入口側には入口センサ179が設けられており、役物装置150に入球した遊技球は必ず且つ即座に入口センサ179を通過する。これにより、役物装置150への遊技球の入球が検出される。なお、入口センサ179は、周知の近接センサにより構成されている。
役物ユニット160には、通路形成部材171の下方に位置するようにして回転体ユニット180が取り付けられている。回転体ユニット180は、図7に示すように、誘導通路形成部材181と排出通路形成部材191とを備えている。
誘導通路形成部材181には、その略中央に下方に凹んだ凹部182が形成されている。凹部182は、平面視で円形状をしている。そして、凹部182の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路183が形成されている。誘導通路183は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。誘導通路183の手前側中央は、ベース枠161の下側開口165の下端部分に位置している。誘導通路183の奥側中央は、役物ユニット160の遊技球通路178の鉛直下方に位置している。誘導通路183の奥側中央を形成する通路壁183aは周りの通路壁183aに比べ背が高くなっており、奥側の誘導通路183の上方には水平方向に延びる通路カバー184が形成されている。但し、通路カバー184には入口用開口184aが形成されており、平面視で(図8参照)、誘導通路183の奥側部分は奥側中央のみが露出された構成となっている。この入口用開口184aが遊技球通路178の出口と重なっていることにより、遊技球通路178を流下した遊技球は確実に誘導通路183の奥側中央に到達する。
誘導通路183の奥側中央には、球振分け部185が形成されている。球振分け部185は、その中心から左右両方に向けて下方に傾斜する傾斜面を有する。従って、誘導通路183に到達した遊技球は、左右いずれかに振り分けられる。そして、誘導通路183の傾斜に沿って転がることで誘導通路183の手前側に誘導される。誘導通路183の手前側には、凹部182側へ傾斜した導出部186が形成されている。
凹部182には、その底面にV入賞口182aが形成されている。V入賞口182aは排出通路形成部材191に形成されたV入賞通路191aに通じており、V入賞口182aに入った遊技球はV入賞通路191aを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路191aにはV入賞センサ192が設けられており、V入賞通路191aを通過する遊技球はV入賞センサ192により検出される。
また、凹部182の側面には外れ口182bが形成されている。外れ口182bは排出通路形成部材191に形成された外れ用通路191bに通じており、外れ口182bに入った遊技球は外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、外れ用通路191bには外れ用センサ193が設けられており、外れ用通路191bを通過する遊技球は外れ用センサ193により検出される。なお、V入賞センサ192及び外れ用センサ193は、周知の近接センサにより構成されている。また、V入賞通路191a及び外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される遊技球は、図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部に排出される。
排出通路形成部材191には下側から回転体用駆動部194が取り付けられており、当該回転体用駆動部194の上下方向に延びる出力軸194aは、排出通路形成部材191及び誘導通路形成部材181を貫通している。そして、出力軸194aには回転体201が固定されている。なお、当該回転体用駆動部194をステッピングモータとしてもよい。
回転体201は、誘導通路形成部材181の凹部182よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部182内に位置している。そして、回転体201は回転体用駆動部194の駆動に伴って反時計回りに回転する。回転体201の外周には内側に凹んだ10個の球案内部202が形成されており、これら球案内部202は等間隔で並んでいる。このうち、9個の球案内部202は有底の外れ口案内部203となっており、1個の球案内部202は無底のV入賞口案内部204となっている。外れ口案内部203の底面は、外側に向かうほど低位となるように傾斜している。各球案内部202は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路183の導出部186から導出される遊技球はいずれかの球案内部202に入る。この場合に、V入賞口案内部204に入った遊技球は回転体201の回転に伴ってV入賞口182aの上部に到達し、当該V入賞口182aからV入賞通路191a内に落下する。一方、外れ口案内部203に入った遊技球は回転体201の回転に伴って外れ口182bの横方に到達し、当該外れ口182bから外れ用通路191b内に入る。
また、本実施形態では、回転体201の回転位置を把握するために回転位置検出センサ196が設けられている。回転位置検出センサ196は所定の間隔を置いて対向する一対のアーム部196a,196bを有しており、一方のアーム部196aには発光素子が配設され、他方のアーム部196bにおける発光素子と対向する位置には受光素子が配設されている。回転位置検出センサ196はセンサ基板197上に設けられており、センサ基板197は、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間(発光素子と受光素子との間)に、回転体用駆動部194の出力軸194aに設けられたカットバン198が位置するように排出通路形成部材191に固定されている。
カットバン198は、略ドーナツ状をしており、出力軸194aの回転に伴って回転する。但し、非連続となるように切欠部198aが形成されている。従って、回転位置検出センサ196の発光素子からの光は基本的にカットバン198に遮られ、出力軸194aの回転に伴って切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過するときのみ発光素子からの光が受光素子に到達する。そして、回転体201の外周におけるV入賞口案内部204の位置に対応させて切欠部198aが形成されていることにより、受光素子が発光素子からの光を検知したか否かを監視することで、回転体201の回転位置を把握することができる。ちなみに、V入賞口案内部204が導出部186の手前側を通過する際に、切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過する。
さらに、本実施形態では、誘導通路183における左右一方、より具体的には外れ口182bが形成されている側である左側の誘導通路183には、第1振分部材300が設けられている。第1振分部材300は、誘導通路183における外れ口182bの上方において、当該誘導通路183の床部の一部を構成する底部として配設されている。第1振分部材300は、外れ口182bよりも奥側に配置されている。そして、第1振分部材300は、第1振分駆動部300a(電磁式ソレノイド)に接続されており、第1振分駆動部300aが駆動制御されることで、上記誘導通路183の床部の一部を構成する非振分状態と、当該第1振分部材300の後端を回転軸として下方に回転して外れ口182b側へ向けて下り傾斜となる振分状態と、に変位する。
上記構成により、第1振分駆動部300aが駆動されておらず(励磁状態となっておらず)、第1振分部材300が非振分状態である場合には、誘導通路183において左側に振り分けられた遊技球は、第1振分部材300を床部として当該第1振分部材300上を通過し、回転体201におけるいずれかの球案内部202に到達する。一方で、第1振分駆動部300aが駆動され(励磁状態となり)、第1振分部材300が振分状態となることで、第1振分部材300は下方の外れ口182b側に傾斜し、この第1振分部材300上を通過する遊技球は回転体201に到達することなく、そのまま外れ口182b(外れ用通路191b)へ誘導される。したがって、第1振分部材300の状態によってV入賞確率(V入賞センサ192により検知される確率)が変化する。
さらに、本実施形態では、遊技球通路178を通過した遊技球をV入賞通路191aへ直接誘導するワープ通路250が設けられている。ワープ通路250は1個の遊技球が通過可能な通過領域251を有しており、当該通過領域251は後下方に向けて湾曲させて形成されている。より具体的には、誘導通路183における球振分け部185の後方の通路壁183aには、後方に向けて開口させた開口部(図示略)が形成されており、当該開口部に通過領域251の入口部252が連通されている。また、排出通路形成部材191の上側には、V入賞通路191aに向けて遊技球が1個通過可能なV誘導通路260が形成されており、当該V誘導通路260の後端部261に上記ワープ通路250における通過領域251の出口部253が連通されている。V誘導通路260はV入賞通路191aに向けて下り傾斜となるように形成されており、V誘導通路260の前端262がV入賞通路191aに連通されている。
上記構成により、誘導通路183に到達した遊技球がワープ通路250側へ誘導されると、当該ワープ通路250内の通過領域251を通過してV誘導通路260へ導出される。そして、当該遊技球は、V誘導通路260を通過し、V入賞通路191aへ入球し、V入賞センサ192により検知される(V入賞する)。
ここで、ワープ通路250の入口部252の上流(前方)には、当該ワープ通路250への遊技球の流入を規制する(ワープ通路250へ振り分けるか、誘導通路183において左右に振り分けるかの振り分けを行う)ことが可能な第2振分部材310が設けられている。第2振分部材310は、第2振分駆動部310a(電磁式ソレノイド)に接続されており、当該第2振分駆動部310aが駆動制御されることで、ワープ通路250の入口部252の前方に配置される非振分状態と、それよりも上方に配置されて入口部252の前方に配置されない振分状態と、に変位する。すなわち、第2振分駆動部310aが駆動されておらず(励磁状態とならず)、非振分状態の場合には、遊技球はワープ通路250へ流入することができず、誘導通路183において左右に振り分けられる。一方、第2振分駆動部310aが駆動されて(励磁状態となり)、振分状態となると、遊技球はワープ通路250(後方)へ流入することが可能となり、この場合、回転体201による振分を経ずに直接V入賞通路191aへ導出される。つまり、第2振分部材310の状態によってV入賞確率(V入賞センサ192により検知される確率)が変化する。
なお、誘導通路183の奥側中央の球振分け部185は、遊技球を左右に振り分けるだけでなく、後方にも振り分けることが可能なように、後方への下り傾斜面を有している。但し、第2振分部材310が非振分状態である場合には、上記の下り傾斜面上に第2振分部材310が配置されるようになっており、非振分状態であるのにもかかわらず、上記の下り傾斜面側へ遊技球が振り分けられようとして当該遊技球がそこに留まってしまう事象の発生が抑制されている。
なお、本実施形態では、役物装置150に入賞した遊技球が、第2振分部材310による振分対象となる位置(球振分け部185)に到達するまでの期間は、約0.3secとなるように通路長が設定されている。また、役物装置150に入賞した遊技球が、第1振分部材300による振分対象となる位置(第1振分部材300上)に到達するまでの期間は、約0.5secとなるように通路長が設定されている。
以上説明した役物装置150に入った遊技球は、球受け板163上を転がることにより遊技球通路178内に入る。この場合に、当該遊技球は入口センサ179により検出される。遊技球通路178を流下した遊技球は、誘導通路183の奥側中央に形成された球振分け部185上に到達する。そして、当該球振分け部185に配置された第2振分部材310が非振分状態であることを条件に、左右いずれかの誘導通路183に振り分けられる。そして、その振り分けられた側の誘導通路183を転がることで導出部186に誘導される。導出部186に誘導された遊技球は当該導出部186の傾斜に沿って転がることで凹部182内に導出される。但し、球振分け部185において左側に振り分けられた場合には、第1振分部材300が非振分状態であることが、凹部182側へ導出される条件となる。つまり、左側の誘導通路183に誘導された遊技球は、凹部182側へ導出される場合もあれば、そのまま外れ口182bへ導出される場合もある。
凹部182内では回転体201が常に一定の速度で回転しており、凹部182内に導出されて外れ口案内部203に入った遊技球は外れ口182bに案内される。この場合に、当該遊技球は外れ用センサ193により検出される。一方、凹部182内に導出されてV入賞口案内部204に入った遊技球はV入賞口182aに案内される。この場合に、当該遊技球はV入賞センサ192により検出される。そして、V入賞センサ192により検出されることで、大当たり状態が発生する。
上記の球振分け部185に遊技球が到達した際に、第2振分部材310が振分状態である場合には、左右いずれかの誘導通路183だけでなく、ワープ通路250側へも遊技球は振り分けられる。そして、ワープ通路250側に振り分けられることによって、第1振分部材300や回転体201による振分を経ずに、直接、V入賞センサ192により検知されて、大当たり状態が発生する。
なお、10個の球案内部202のうち、V入賞口案内部204が1個であることにより、役物装置150の凹部182内に入った遊技球は1/10の確率でV入賞口182aに入ることとなる。また、V入賞センサ192及び外れ用センサ193により遊技球が検出されることで、上皿71に対し所定数の賞品球が払い出される。さらに、回転体ユニット180上における遊技球の動きは、前枠175の開口及びベース枠161の下側開口165を介して遊技機前方から視認可能となっている。
但し、球案内部202の数やV入賞口案内部204の数等は上記のものに限定されず、例えば、6つの球案内部202に対してV入賞口案内部204を1つとして、1/6の確率でV入賞する構成としてもよいし、その他の確率でV入賞する構成としてもよい。
上記の役物装置150における各センサ179、192,193、196等や、各駆動部173、300a、310a、194等の動力線や信号線は、誘導通路形成部材181に取り付けられた中継端子板199に接続されている。そして、これらの信号線はハーネスとして1束にされて後述する主制御装置に接続されており、主制御装置によって入球の検知、駆動部の駆動制御が行われる。但し、これらの一部又は全部をサブ側の制御装置である後述する演出制御装置側にて行う構成としてもよい。
図柄表示装置51では、いずれかの作動口38,39へ遊技球が入球して役物装置150が開放状態となることの報知、役物装置150へ遊技球が入球した場合の報知、両振分部材300,310への振分率、振り分けられた結果等の報知、回転体201での振分状況の報知、V入賞センサ192で遊技球を検知して大当たり状態の発生の報知等の、通常遊技状態中の報知の他、大当たり状態中のラウンド演出の報知も行う。なお、これらの演出の内容は、それぞれの遊技状況を遊技者が明確に把握可能であればよい。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
内枠の背面側には、主制御装置81と、演出制御装置82と、表示制御装置100とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置96を含む払出機構部と、払出制御装置97と、電源及び発射制御装置98とが搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111と、電源を監視する停電監視基板115と、を具備している。なお、主制御装置81において主制御基板111などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、両作動口38,39への入賞を検知する第1作動センサ38aや第2作動センサ39cの他、その他の入球部への入賞を検知する入賞検知センサとして、一般入賞口35への入賞を検知するセンサ35aやスルーゲート41への入賞を検知するセンサ41a等が設けられている。また、各種センサとして、役物装置150における入口センサ179、V入賞センサ192、外れ用センサ193、回転位置検出センサ196等が含まれている。MPU112では、これら各種センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196の検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)を行ったり、回転体201の位置把握を行ったりする。また、MPU112では、第1作動口38又は第2作動口39への入賞に基づいて、各種抽選が実行される。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部39b、開閉役物駆動部173、第1振分駆動部300a、第2振分駆動部310a、回転体用駆動部194等が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、いずれかの作動口38,39への入賞が発生したり、V入賞センサ192への入賞に基づく開閉実行モードに移行すると、役物装置150の開閉役物駆動部173が駆動制御されて、開閉役物168の開閉動作が実行される。また、これらの場合、両振分駆動部300a,310aの駆動制御が行われたり、回転体用駆動部194の駆動制御が行われる。
また、両作動口38,39への入賞に基づく当否抽選が行われた場合には、MPU112においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物39aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、MPU142が搭載された演出制御基板141を備えている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU142では、主制御装置81から受信したコマンドに基づき、各種発光部54〜56,63やスピーカ部64を駆動制御する。また、これらコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、プログラムROM153及びワークRAM154が複合的にチップ化された素子であるMPU152と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)155と、キャラクタROM156と、ビデオRAM157とがそれぞれ搭載された表示制御基板151を備えている。
MPU152は、演出制御装置82から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP155の制御(具体的にはVDP155に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM154は、MPU152による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP155は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP155はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP155は、MPU152、ビデオRAM157等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM157に記憶させる画像データを、キャラクタROM156から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM156は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM156には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM157は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM157の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図8を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置51の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図10に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉役物168の開閉を実行するか否か等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、作動口38,39への入賞に基づいて開閉役物168を開放状態とする際に、その入賞から開放状態とするまでの待機期間を設定するための開放種別カウンタCSと、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、を用いることとしている。さらに、第2作動口39の電動役物39aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口38又は第2作動口39への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜99)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての結果テーブル記憶エリア113aに結果テーブル(遊技結果情報群)として記憶されている。
ここで、結果テーブルの内容について図11(a)を用いて説明する。
図11(a)に示すように、結果テーブルには、遊技結果として、外れ結果、直当たり結果、通常開放結果が設定されている。通常開放結果は、作動口38,39への入賞に基づいて役物装置150における開閉役物168を開放状態とさせる遊技結果である。本実施形態では、第1作動口38への入賞が発生すると開閉役物168は1回開放状態となり、また、第2作動口39への入賞が発生すると開閉役物168は2回開放状態となるように設定されている。外れ結果とは、作動口38,39への入賞が発生した場合であっても開閉役物168が開放状態とならない結果である。この場合、役物装置150へ入賞させることはできず、大当たり状態(開閉実行モード)への移行は見込めない。直当たり結果とは、作動口38,39への入賞が発生しただけで大当たり状態(開閉実行モード)へ移行する結果であり、役物装置150への入賞はもちろんV入賞が発生しなくても、上記のように大当たり状態へ移行する。
大当たり乱数カウンタC1(0〜99)のうち、外れ結果となる乱数の値の数は1個であり、直当たり結果となる乱数の値の数は1個であり、それ以外は通常開放結果に対応する値となっている。そのため、本実施形態では、両作動口38,39への入賞に基づいて、98/100の確率で作動口38,39に対応する数の開閉役物168の開放が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放は行われないもののV入賞を経ずに開閉実行モードへの移行が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放も行われないし開閉実行モードへの移行も行われない。
なお、直当たり結果や外れ結果が設けられていない構成としてもよい。但し、これらの結果が含まれていることで、遊技の多様化が図られるし、特に直当たり結果が設けられていれば、釘調整などによって役物装置150への入賞が頻繁に発生しない遊技台であっても大当たり状態の発生に期待が持て、このような遊技台であっても遊技への意欲を増進させる効果も見込むことが可能となる。
大当たり種別カウンタC2は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり結果の種別を設定する乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての各種テーブル記憶エリア113dに種別テーブル(遊技種別情報群)として記憶されている。
ここで、種別テーブルの内容について図11(b)を用いて説明する。
図11(b)に示すように、種別テーブルには、大当たり結果の種別として、16R(ラウンド)継続モードと、継続率変動モードと、が設定されている。16R継続モードとは、16回のラウンド遊技が実行されるモードを示し、継続率変動モードとは、ラウンド遊技において次のラウンド遊技への継続率が変動するモードを示している。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた上限開放回数の開閉役物168の開放が行われたこと、(2)役物装置150への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ちなみに、本実施形態においては、1回のラウンド遊技において開閉役物168の開閉が19回行われ、1回のラウンド遊技の上限入賞個数は9個に設定されている。
各大当たり種別においてラウンド遊技が行われる最大回数は予め定められており、具体的にはいずれのモードの大当たり結果であっても最大のラウンド遊技は16回に設定されている。この場合、16R継続モードにおいては16回のラウンド遊技が無条件に継続されるように設定される。一方で、継続率変動モードにおいては予め定められた継続条件が成立した場合にラウンド遊技が継続するように設定されている。当該継続条件は、ラウンド遊技中に役物装置150へ遊技球が入賞し、且つその遊技球がV入賞することである。
開放種別カウンタCSは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。開放種別カウンタCSは定期的に更新される。但し、この更新タイミングは、上記の大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2とは異なるタイミングとなるように設定されている。そのため、各カウンタ値の更新タイミングを何らかの方法によって読み取る不正行為が行われにくくなっている。更新された開放種別カウンタCSは、他のカウンタC1,C2と同様に、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの待機時間(開放タイミング)を設定する乱数の値は、ROM113における待機情報群記憶手段としての開放タイミングテーブル記憶エリア113cに開放タイミングテーブル(待機期間情報群)として記憶されている。
ここで、開放タイミングテーブルの内容について図11(c)を用いて説明する。
図11(c)に示すように、開放タイミングとしては、作動口38,39への入賞タイミング(又は前回の開閉役物168の閉鎖タイミング)からの待機時間(待機期間)が、複数種類設定されている。より具体的には、0.5sec〜2.4secまで、0.1sec刻みで、20種類の待機時間が設定されている。そして、これらの各時間同士の間隔(0.1sec)は、遊技球の発射周期(0.6sec周期)よりも短くなるように設定されており、所謂止め打ち等によって役物装置150への入賞確率を意図的に変化させる(高める)行為が行われにくくなっている。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。
そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物39aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物39aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物39aを開放状態に制御しない。
なお、本実施形態では、遊技状態によらず、電動役物39aの開閉態様が異ならないように設定されている。すなわち、電動役物39aの開放抽選において当選し易い又は当選した場合の開放時間や開放回数が多い状態(所謂高頻度サポートモード)やそれよりも開放抽選における当選確率が低い又は当選した場合の開放時間や開放回数が少ない状態(所謂低頻度サポートモード)といったモードが設けられていない。これらのモードを有する構成とすると、出球の増減の幅は大きくなり得るため興趣向上を図ることができる一方で、高頻度サポートモード時における出球分を調整するために、低頻度サポートモード時における両作動口38,39への入賞頻度を低く設定する、といった仕様を取らざるを得ない事情も発生し得る。そのため、低頻度サポートモード時においては、作動口38,39への入賞が発生しにくくて遊技への意欲が低下し得る可能性もある。そこで、本実施形態のように、電動役物39aの開放態様を遊技状態によらずに設定することで、通常遊技状態時であっても作動口38,39への入賞をある程度期待でき、遊技への意欲の低下を回避することが可能となる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU112にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU112では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196の状態を読み込み、これら各種検知センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196の状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ38a,39c,35a,179において遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、入口センサ179によって役物装置150への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート41への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート41への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部56を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。作動口用の入賞処理では、作動口38,39のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定し、入賞していると判定する場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1等の数値情報を取得し、当該数値情報を抽選カウンタ用バッファ114aに記憶させる。
具体的に、作動口用の入賞処理について、図13及び図14のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が第1作動口38に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口38に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口38に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1作動口38に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。続くステップS205では、開閉役物168の開放回数を1回にセットする処理を実行する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放回数カウンタに「1」をセットする処理を実行する。その後、ステップS206では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が第1作動口38に入賞していないと判定した場合、ステップS207では、遊技球が第2作動口39に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口39に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口39に入賞したと判定すると、ステップS208にて払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS209では、第2作動口39に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS210では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。続くステップS211では、開閉役物168の開放回数を2回にセットする処理を実行する。具体的には、上記の開放回数カウンタに「2」をセットする処理を実行する。なお、ステップS205やステップS211の処理で開放回数が設定されたとしても、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値によって開閉役物168が開放状態とならない可能性もある。その後、ステップS206にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS207が共にNOの場合、すなわち第1作動口38,第2作動口39のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S208にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS206の情報取得処理を図14のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS210にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2や、後述する通常処理にて更新する開放種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第1作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第2作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。ステップS304の処理を実行した後は、情報取得処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、開放種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、開放種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、開放種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、遊技を進行させるための遊技御処理を実行する。この遊技制御処理では、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の各駆動部の駆動制御等を行う。
ステップS403の遊技制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードに移行する。なお、ステップS403の遊技制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、第2作動口39に設けられた電動役物39aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物39aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物39aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び開放種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、開放種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、開放種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、開放種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に開放種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技制御処理>
次に、ステップS403の遊技制御処理を図16〜図22のフローチャートを参照して説明する。
遊技制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにおける開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS506の遊技開始用処理及びステップS507〜ステップS509の遊技進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口38,39への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技が開始(作動口38,38への入賞を契機とする役物装置150の開放)されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、役物装置150が制御状態中か否かを判定する。制御状態中か否かとは、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の開閉動作の期間が含まれる。この制御状態であるか否かの判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにおける役物制御中フラグ格納エリアに役物制御中フラグが格納されていること、を条件に、制御状態であると判定する。上記の役物制御中フラグは、作動口38,39への入賞に基づく遊技結果が開放結果(本実施形態では、通常開放結果)だった場合に格納され、その結果に基づく役物装置150の動作(閉鎖後の待機期間も含む)の終了に際して消去される。
役物装置150が制御状態中でない場合には、ステップS503〜ステップS506の遊技開始用処理に進む。遊技開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口38及び第2作動口39のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にて、上記データ設定処理にて設定されたデータの遊技結果を判定する当否判定処理を実行し、そして、ステップS506にて役物装置150の制御を開始する制御開始処理を実行してから、本遊技制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理、ステップS505の当否判定処理及びステップS506の制御開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口39に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の当否判定の対象が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbのいずれの保留情報に対応するものであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1作動口38に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第1保留発光部54における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM113のコマンド情報記憶エリアから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2作動口39に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第2保留発光部55における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次にステップS505の当否判定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS701では、今回実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の結果テーブルと、を参照して、今回の遊技結果が直当たり結果であるか否かを判定する。直当たり結果である場合には、ステップS702に進み、各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する処理を実行する。V入賞フラグは、開放実行モードの発生をMPU112が把握するためのフラグである。
続くステップS703では直当たりコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS703では、メイン表示部43の表示を直当たりに対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS703にて設定された直当たりコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した直当たりコマンドに基づいて、開閉実行モードの開始演出のための処理を実行する。
ステップS701にて直当たり結果ではない場合には、ステップS704に進む。ステップS704では、今回実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の結果テーブルと、を参照して、今回の遊技結果が外れ結果であるか否かを判定する。外れ結果である場合には、ステップS705に進み、上記の作動口用の入賞処理(図13)におけるステップS205やステップS211にて開放回数カウンタ設定した値を「0」にクリアする。
そしてステップS706にて、外れコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS706では、メイン表示部43の表示を外れ結果に対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS706にて設定された外れコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した外れコマンドに基づいて、役物装置150が開放状態とならないことを報知するための処理を実行する。
ステップS704にて外れ結果ではない場合は、ステップS707にて、通常開放コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。また、ステップS704では、メイン表示部43の表示を通常開放結果に対応する表示に切り換える処理を実行する。その後、本当否判定処理を終了する。
ステップS707にて設定された通常開放コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した通常開放コマンドに基づいて、役物装置150が開放状態となることを報知するための処理を実行する。
すなわち、本実施形態では、作動口38,39への入賞に基づいて当否判定(遊技結果)の結果がすぐに報知される。
次に、ステップS506の制御開始処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
制御開始処理では、先ず、ステップS801にて、上記のRAM114における開放回数カウンタを参照して、開閉役物168の開放回数を把握する処理を実行する。続くステップS802では、開閉タイミング設定処理を実行する。開閉タイミング設定処理では、上記データ設定処理(図17)にて実行エリアAEにシフトされたデータのうち、開放タイミングに関するデータ、すなわち開放種別カウンタCSの値と、ROM113に記憶されている開放タイミングテーブルと、を参照して、今回の開閉役物168の開放タイミングを設定する。具体的には、本処理から、何sec後に開閉役物168を開放状態とするか(開閉役物駆動部173の駆動制御を開始するか)に対応する数値を開放タイミングテーブルから読み取り、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機カウンタに入力する。この待機カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の開放タイミングであることを把握することが可能となる。
続くステップS803では、第1振分設定処理を実行する。第1振分設定処理では、上記ステップS802にて設定された開放タイミングから、予め定められた第1期間(0.0sec)が経過したタイミングで第1振分部材300を振分状態とするとともに、そこから予め定められた第2期間(1.5sec)が経過したタイミングで第1振分部材300を非振分状態とするように設定する。
そして、ステップS804にて、第2振分設定処理を実行してから、本制御開始処理を終了する。第2振分設定処理では、上記ステップS802にて設定された開放タイミングから、予め定められた第3期間(1.8sec)が経過したタイミングで第2振分部材310を振分状態とするとともに、そこから予め定められた第4期間(0.1sec)が経過したタイミングで第2振分部材310を非振分状態とするように設定する。
これらのタイミングは、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1振分用カウンタと第2振分用カウンタとで把握することができる。具体的には、ステップS803やステップS804では、先ず、第1,第3期間に相当する値(非振分状態から振分状態に変位させるタイミングに相当する値)を対応する振分用カウンタに入力する。これらの振分用カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで、対応する振分部材300,310の変位(非振分状態→振分状態)タイミングであることを把握することができる。そして、後述する振分用処理(図21)において、振分部材300,310の変位(駆動部300a,310aの駆動制御)が行われるとともに、振分状態を維持する期間に対応する値が、同振分カウンタに入力される。その後、同振分カウンタが所定値に至ることで、再度変位(振分状態→非振分状態)するタイミングが把握可能となる。
すなわち、本実施形態では、第1振分部材300及び第2振分部材310が変位するタイミングは一義的に定められており、より具体的には、役物装置150における開閉役物168の開放タイミングからそれぞれの振分部材300,310が変位するまでの期間が定められている。
なお、上記第1〜第4期間については、各振分部材300,310が振分状態となる期間が、役物装置150に入球した遊技球が振分部材300,310へ到達し得る期間となるように設定されている。
次に、遊技制御処理(図16)における遊技進行用処理について説明する。上記のとおり、遊技進行用処理とは、ステップS502にて役物装置150が制御状態中であると判定した場合に行われる処理である。すなわち、ステップS502にて制御状態中である場合には、ステップS507にて制御中処理を実行し、ステップS508にて振分用処理を実行し、続くステップS509にて入賞処理を実行してから、遊技制御処理を終了する。
先ず、ステップS507の制御中処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS901では、開閉役物168の開放タイミングであるか否かを判定する。この判定では、上記ステップS802にて設定した待機カウンタの値を参照することで、開放タイミングであるか否かが確認できる。ステップS901にて開放タイミングである場合には、ステップS902にて開放制御処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173を駆動制御することで、開閉役物168を開放状態に変位させる。また、ステップS902では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放期間カウンタに今回の開放期間(本実施形態では一律で2sec)に対応する値を入力する処理を実行する。開放期間カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の閉鎖タイミングであることを把握することが可能となる。
そして、続くステップS903にて、RAM114の開放回数カウンタを「1」減算する処理を実行してから、本制御中処理を終了する。
ステップS901にて開閉役物168の開放タイミングではない場合には、ステップS904に進む。ステップS904では、開閉役物168の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。この処理では、上記ステップS902で入力した開放期間カウンタの値を参照することで、閉鎖タイミングであるか否かを確認できる。ステップS904にて閉鎖タイミングである場合には、ステップS905にて閉鎖制御処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了することで、開閉役物168を閉鎖状態に変位させる。
続くステップS906では、RAM114の開放回数カウンタを参照して残りの開放回数が「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、ステップS907にて制御終了処理を実行する。この処理では、一の保留情報に対する役物装置150の制御の終了のための処理を行う。具体的には、各駆動部173,300a,310a,194のエラーの有無の確認、初期位置への復帰処理などを行う。続くステップS908では、制御終了コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本制御中処理を終了する。
ステップS908にて設定された制御終了コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した制御終了コマンドに基づいて、役物装置150の制御が終了することを報知するための処理を実行する。
ステップS906にて開放回数が「0」ではない場合、ステップS909にて待機期間設定処理を実行する。待機期間設定処理では、RAM114の待機期間カウンタに今回の待機期間(本実施形態では一律で1sec)に対応する値を入力する処理を実行する。
ステップS904にて閉鎖タイミングではない場合、ステップS908の処理を実行した後、又はステップS909の処理を実行した後は、本制御中処理を終了する。
次に、遊技制御処理(図16)におけるステップS508の振分用処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1001では、第1振分部材300の変位タイミングであるか否かを判定する。この判定は、上記のとおり、RAM114の第1振分用カウンタの値を参照することで確認することができる。そして、変位タイミングである場合には、ステップS1002にて、第1振分制御処理を実行する。この処理では、第1振分駆動部300aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、第1振分駆動部300aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、第1振分部材300を振分状態から非振分状態に変位させる。また、第1振分駆動部300aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、第1振分部材300を非振分状態から振分状態に変位させる。振分状態に設定した場合には、第2期間に対応する値を第1振分用カウンタに入力する。
ステップS1002において、今回の制御が2回開放(第2作動口39への入賞に基づく開放)に対応するものであれば、上記ステップS803の処理と同様に、開閉役物168の開放タイミングから、予め定められた第1期間が経過したタイミングで第1振分部材300を振分状態とするとともに、そこから予め定められた第2期間が経過したタイミングで第1振分部材300を非振分状態とするように設定する。なお、第1振分部材300を振分状態から非振分状態に変位させてから、2回目の開閉役物168の開放タイミングまでの期間を、第5期間ともいう。なお本実施形態では、この第5期間は1.0secに設定されている。
ステップS1001にて第1振分部材300の変位タイミングではない場合、又はステップS1002の処理を実行した後は、ステップS1003に進む。ステップS1003では、第2振分部材310の変位タイミングであるか否かを判定する。この判定は、上記のとおり、RAM114の第2振分用カウンタの値を参照することで確認することができる。そして、変位タイミングである場合には、ステップS1004にて、第2振分制御処理を実行する。この処理では、第2振分駆動部310aの駆動状態を変更する処理を行う。具体的には、第2振分駆動部310aの駆動状態を把握して、駆動状態である場合にはその駆動を終了して、第2振分部材310を振分状態から非振分状態に変位させる。また、第2振分駆動部310aが駆動状態ではない場合には駆動を開始して、第2振分部材310を非振分状態から振分状態に変位させる。振分状態に設定した場合には、第4期間に対応する値を第1振分用カウンタに入力する。
ステップS1004において、今回の制御が2回開放(第2作動口39への入賞に基づく開放)に対応するものであれば、上記ステップS804の処理と同様に、開閉役物168の開放タイミングから、予め定められた第3期間が経過したタイミングで第2振分部材310を振分状態とするとともに、そこから予め定められた第4期間が経過したタイミングで第2振分部材310を非振分状態とするように設定する。なお、第2振分部材310を振分状態から非振分状態に変位させてから、2回目の開閉役物168の開放タイミングまでの期間を、第6期間ともいう。なお本実施形態では、この第6期間は0.6secに設定されている。
ステップS1003にて第2振分部材310の変位タイミングではない場合、又はステップS1004の処理を実行した後は、本振分用処理を終了する。
次に、遊技制御処理(図16)におけるステップS509の入賞処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、入口センサ179からの検知信号を把握して、役物装置150内に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞している場合には、ステップS1102にて、役物内入賞コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本制御中処理を終了する。
ステップS1102にて設定された役物内入賞コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した役物入賞コマンドに基づいて、役物装置150内への入賞が発生したことの報知(役物装置150内の遊技球の動作に注目させるための報知)を行うための処理を実行する。
ステップS1101にて入口センサ179が検知状態ではない場合(既に入賞済みも含む)、又はステップS1102の処理を実行した後は、ステップS1103へ進む。ステップS1103では、V入賞センサ192からの検知信号を把握して、V入賞が発生したか否かを判定する。V入賞が発生した場合には、ステップS1104にて、RAM114にV入賞フラグを格納することで、大当たり状態(開閉実行モードへの移行)が発生することを記憶する。そして、ステップS1105では、制御終了処理を実行し、ステップS1106では、制御終了コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。
ステップS1105の処理は、上記ステップS907の処理と同様である。また、ステップS1106の処理にて設定する制御終了コマンドは、上記ステップS908のコマンドと同様であってもよいし、V入賞が発生したことを示す情報が含まれるようにしてもよい。ステップS908のコマンドと同様にしても、開閉実行モードの開始に際してはそれ用のコマンドが出力されるため、演出制御装置82側では開閉実行モードへの移行を把握できるし、コマンド数の増加を抑制可能である。一方、ステップS1106におけるコマンドにV入賞が発生したことを示す情報が含まれるようにすれば、いち早くその事象を演出制御装置82側で把握することができ、V入賞を祝福するような演出を、遊技球のV入賞タイミングにより近いタイミングで行うことが可能となる。
ステップS1103にてV入賞を検知していない場合、又はステップS1106の処理を実行した後は、本入賞処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図15)における、ステップS404の遊技状態移行処理について、図23〜図28のフローチャート等を参照しながら説明する。
先ず、ステップS1201では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1202に進み、今回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM114に、V入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
V入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1203にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に役物装置150の開閉役物168の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1204では、今回の開閉実行モードの種別を判定するための、種別判定処理を実行する。具体的には、今回の実行エリアAEに記憶されている保留情報のうち、大当たり種別カウンタC2を把握するとともに、ROM113の種別テーブルを参照して、今回の開閉実行モードの種別が、16R継続モードであるか、継続率変動モードであるかを判定する。
続くステップS1205では、ステップS1204の処理結果に基づいて、今回の開閉実行モードが16R継続モードであるか否かを判定する。16R継続モードである場合には、ステップS1206にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに継続フラグを格納する。継続フラグは、今回の開閉実行モードが16R継続モードであることをMPU112が把握するためのフラグである。
ステップS1205にて16R継続モードではない場合、又はステップS1206の処理を実行した後は、ステップS1207に進む。ステップS1207では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1ラウンドカウンタRC1に、「15」をセットするとともに、同各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする。第1ラウンドカウンタRC1は、一の開閉実行モードにおいて何回目のラウンド遊技であるかをカウントするためのカウンタであり、第2ラウンドカウンタRC2は一のラウンド遊技において開閉役物168の開放回数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1207の処理を実行した後は、ステップS1208にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、16R継続モード又は継続率変動モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
続くステップS1209では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中である場合には、ステップS1201にて肯定判定をし、ステップS1210に進む。ステップS1210では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1211にて開閉処理を実行する。
ここで、開閉処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1301にて開閉役物168を開放中であるか否かを判定する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動状態に基づいてかかる判定を行う。開閉役物168を開放中でない場合には、ステップS1302にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1303にてRAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。
第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」である場合又はタイマカウンタTの値が「0」でない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でなく且つタイマカウンタTの値が「0」である場合には、ステップS1304に進み、各ラウンドの設定処理を実行する。
各ラウンドの設定処理について具体的には、図25のフローチャートに示すように、先ずステップS1401にて、今回の設定処理の起動タイミングが、各ラウンドの開始タイミングであるか否かを判定する。具体的には、第2ラウンドカウンタRC2が「0」である場合に、各ラウンドの開始タイミングであると判定する。開始タイミングではない場合には、そのまま本設定処理を終了する。
続くステップS1402では、RAM114に継続フラグが格納されているか否かを判定する。すなわち、今回の開閉実行モードが、16R継続モードであるか否かを判定する。継続フラグが格納されておらず、今回の開閉実行モードが継続率変動モードである場合には、ステップS1403にてラウンド数の把握処理を実行する。この処理では、今回のラウンドの設定処理にて設定するラウンドが開閉実行モードにおける何ラウンド遊技目であるかを、第1ラウンドカウンタRC1の値を参照して把握する。そしてステップS1404にて、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されているラウンドパターンテーブルを参照する。
ラウンドパターンテーブルは、図27に示すように、一の開閉実行モードにおいて、各ラウンドの開閉パターンが定められている。各ラウンドの開閉役物168の開閉パターンは複数種類設定されており、開閉パターンAと、開閉パターンBと、開閉パターンCと、が設定されている。
既に説明したとおり、16R継続モードでは、無条件でラウンド遊技が16ラウンド目まで継続する。一方で、継続率変動モードでは、継続条件が成立することで、次のラウンドが継続される。そしてこの継続条件とは、ラウンド遊技中に役物装置150へ遊技球が入賞し、且つその遊技球がV入賞することである。
本実施形態では、各ラウンドの開閉役物168の開閉パターンを異ならせることで、継続率変動モードにおける各ラウンドの継続率に変化を生じさせている。より具体的には、開閉パターンAがB及びCよりも継続し易くなっている。なお、開閉パターンBと開閉パターンCとを比較すると、遊技球の入球タイミングによってV入賞の確率が異なり得る。
具体的には、図28に示すように、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されている開閉パターンテーブルでは、各ラウンドの開閉パターンA〜Cにおいて、何回目の開放かによって開閉態様が異なるように設定されている。
例えば、開閉パターンAでは、一のラウンド遊技における19回の開放中、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開放回数目では、遊技球の発射周期(0.6sec)よりも長い(3倍)、1.8secの開放を行いその後0.5secの閉鎖を行う(開閉パターンA1ともいう)。また、17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、1.0secの開放を行いその後4.0secの閉鎖を行う(開閉パターンA2ともいう)。すなわち、A1の場合には、発射周期との関係で役物装置150への入賞は比較的発生し易く、A2の場合には発生し得るもののA1よりは発生しにくい。
開閉パターンBについては、1回目〜10回目(RC2=1〜10)の開放回数目では、0.2secの開放を行いその後2.1secの閉鎖を行う(開閉パターンB1ともいう)。11回目〜13回目(RC2=11〜13)は、1.0secの開放を行いその後1.3secの閉鎖を行う(開閉パターンB2ともいう)。14回目〜16回目(RC2=14〜16)は、開閉パターンB1と同様である。17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、0.2secの開放を行いその後4.8secの閉鎖を行う(開閉パターンB3ともいう)。すなわち、B1及びB3の場合には、発射周期との関係で役物装置150への入賞はほぼ発生せず、B2の場合にはA2と略同等レベルで入賞が発生し得る。
開閉パターンCについては、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開放回数目では、0.2secの開放を行いその後2.1secの閉鎖を行う(開閉パターンC1ともいう)。なお、開閉パターンC1は開閉パターンB1と同様の開閉パターンである。17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、1.0secの開放を行いその後4.0secの閉鎖を行う(開閉パターンC2ともいう)。なお、開閉パターンC2は開閉パターンA1と同様の開閉パターンである。すなわち、C1の場合には役物装置150への入賞はほぼ発生せず、C2の場合にはA2と同様である。
このように、各ラウンドにおいて設定される開閉パターンA〜Cによって、開閉パターンが異なっている。また、同じラウンドであっても、何回目の開閉かによって、開閉態様が異なっている。
一方で、振分部材300,310の動作については、いずれのラウンドも動作態様が同じ態様となっている。
具体的には、第1振分部材300については、いずれの開閉パターンA〜Cであっても、1回目〜10回目(RC2=1〜10)の開放回数目では、開閉役物168の開放開始から期間TA1(0.0sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TA2(0.1sec)後に非振分状態に変位し、その後、期間TA3(1.3sec)に亘って非振分状態が維持される(動作パターンVA1ともいう)。11回目〜16回目(RC2=11〜16)は、開閉役物168の開放開始から期間TA4(0.0sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TA5(1.0sec)後に非振分状態に変位し、その後TA6(1.3sec)に亘って非振分状態が維持される(動作パターンVA2ともいう)。17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、非振分状態のまま変位しない(動作パターンVA3ともいう)。
第2振分部材310については、いずれの開閉パターンA〜Cであっても、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開放回数目では、非振分状態のまま変位しない(動作パターンVB1ともいう)。17回目〜19回目(RC2=17〜19)は、開閉役物168の開放開始から期間TB1(1.0sec)後に振分状態に変位して、その変位から期間TB2(0.1sec)後に非振分状態に変位し、その後TB3(3.9sec)に亘って非振分状態が維持される(動作パターンVB2ともいう)。
ここで、開閉実行モード中の各ラウンド遊技において、各開閉時(RC2)の開放時間と閉鎖時間との合計の動作期間は予め定められている。すなわち、いずれの開閉パターンであっても、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開閉時における動作期間は第1動作期間(2.3sec)であり、17回目〜19回目(RC2=17〜19)の開閉時における動作期間は第2動作期間(5.0sec)である。
また、開閉実行モード中の各振分部材300,310の動作パターンは、開閉役物168の開閉パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2との関係で変化するものではない。すなわち、いずれの開閉パターンであっても、第1振分部材300は、1回目〜10回目(RC2=1〜10)の開閉時にはVA1の動作パターンで動作し、11回目〜16回目(RC2=11〜16)の開閉時にはVA2の動作パターンで動作し、17回目〜19回目(RC2=17〜19)の開閉時にはVA3の動作パターンで動作する。また、第2振分部材310は、1回目〜16回目(RC2=1〜16)の開閉時にはVB1の動作パターンで動作し、17回目〜19回目(RC2=17〜19)の開閉時にはVB2の動作パターンで動作する。
換言すると、第1振分部材300の動作パターンは、1回のラウンド遊技の開始(ラウンド遊技の最初の開放時)から23.0sec後(0sec〜23.0sec、2.3sec×10回)にVA1からVA2に切り換わり、同ラウンド遊技の開始から36.8sec後(23.0sec〜36.8sec、23.0sec+2.3sec×6回)にVA2からVA3に切り換わる。そして、VA3の動作は、51.8sec後(36.8sec〜51.8sec、36.8sec+5.0sec×3回)まで継続する。
また、第2振分部材310の動作パターンは、1回のラウンド遊技の開始(ラウンド遊技の最初の開放時)から36.8sec後(0sec〜36.8sec、2.3sec×16回)にVB1からVB2に切り換わり、VB2の動作は、51.8sec後(36.8sec〜51.8sec、36.8sec+5.0sec×3回)まで継続する。
すなわち、各振分部材300,310の動作パターンは各ラウンドにおいて一義的に定められている。
各開閉パターンA〜Cと各振分部材の動作パターンとの関係をより詳しく説明すると、開閉パターンAであれば、A1の間(RC2=1〜16)は、役物装置150への入賞が比較的発生し易く、さらに、VA1の間(RC2=1〜10)は、V入賞となり易い(外れ側に振り分けられにくい)。一方、A1の間(RC2=1〜16)であってもVA2の間(RC2=11〜16)は、VA1よりはV入賞となりにくい(外れ側に振り分けられやすい)。なお、このA1の間は、第2振分部材310による振分は行われない(VB1)。開閉パターンAにおいて、A2となると(RC2=17〜19)、役物装置150への入賞はA1よりは発生しにくくなるものの、第1振分部材300による外れ側への振分は行われない(VA3)し、第2振分部材310によるV入賞側への振分が発生し得る(VB2)。すなわち、開閉パターンAのラウンドであれば、どの期間(RC2=1〜19)においても比較的V入賞の発生に期待が持て、ラウンド継続の可能性が高い。
開閉パターンBであれば、B1の間(RC2=1〜10)は、役物装置150への入賞はほぼ発生しないものの、入賞が発生すれば、第1振分部材300による外れ側への振分はされにくい(VA1)。B2となると(RC2=11〜13)、役物装置150への入賞は発生し得るようになる一方で、第1振分部材300による外れ側への振分はされ易くなる(VA2)。B1且つVA2である間(RC2=14〜16)は、役物装置150への入賞はほぼ発生しないし、入賞したとしても、外れ側に振り分けられ易い。B3となると(RC2=17〜19)、役物装置150への入賞はほぼ発生しないものの、第1振分部材300による外れ側への振分は行われない(VA3)し、第2振分部材310によるV入賞側への振分が発生し得る(VB2)。すなわち、役物装置150への入賞率や振分部材300,310の動作との関係からすると、開閉パターンBのラウンドであれば、B2の期間(RC2=11〜13)にV入賞が発生しなければ、他の期間ではV入賞の発生の可能性が低く、ラウンド継続の可能性が低い。
開閉パターンCであれば、C1の間(RC2=1〜16)は、役物装置150への入賞はほぼ発生しないものの、仮に発生したとすると、そのうち、VA1である間(RC2=1〜10)のほうがVA2である間(RC2=11〜16)よりもV入賞となり易い。一方、C2(RC2=17〜19)となれば、役物装置150への入賞はC1より発生し易くなり、更に、第1振分部材300による外れ側への振分は行われない(VA3)し、第2振分部材310によるV入賞側への振分が発生し得る(VB2)。すなわち、役物装置150への入賞率や振分部材300,310の動作との関係からすると、開閉パターンCのラウンドであれば、C1の期間ではV入賞はほぼ発生しないものの、C2の期間においてV入賞の発生に期待が持て、ラウンド継続も期待できる。
以上のように、本実施形態では、振分部材300,310や回転体201の動作パターンは各ラウンドにおいて同じであるものの、各ラウンド(RC1)の開閉パターンによって、ラウンド継続のし易さが相違する。また、各ラウンドにおける開閉回数(RC2)によっても、ラウンド継続のし易さ(V入賞のし易さ)が相違する。
各ラウンドの設定処理(図25)の説明に戻り、ステップS1404にてラウンドパターンテーブルを参照した後は、ステップS1405にて対応するラウンドの開閉パターンを設定する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eには各パターンA〜Cに対応させたフラグ格納エリアが設けられており、例えば、開閉パターンAであれば、対応するエリアにフラグを格納する。
ステップS1402にて継続フラグが格納されている場合、又はステップS1405の処理を実行した後は、ステップS1406に進む。ステップS1406では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた入賞カウンタPCに、「9」をセットする。入賞カウンタPCは、一のラウンド遊技における入賞個数を示すものであり、本実施形態では、一のラウンド遊技において9個の遊技球が役物装置150に入賞することで当該ラウンド遊技が終了する。そして、ステップS1407では、第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする処理を実行してから、本設定処理を終了する。
開閉処理(図24)の説明に戻り、ステップS1304の処理を実行した後は、ステップS1305にて各開放用の設定処理を実行する。
各開放用の設定処理では、具体的には図26のフローチャートに示すように、先ずステップS1501にて継続フラグが格納されているか否かを判定する。この処理は、上記ステップS1402の処理と同様である。継続フラグが格納されている場合には、続くステップS1502にて、今回のラウンドの開閉パターンをA1に設定する。すなわち、16R継続モードの場合には、全てのラウンド(RC1)で、全ての開放回数(RC2)において、最も長い開放時間となるパターンの開閉パターンが設定される。そのため、16R継続モードでは、各ラウンドにおいて最大入賞個数の入賞が発生し易くなっている。なお、本実施形態では、16R継続モードの開閉実行モードでは、V入賞しなくても(継続条件を満たさなくても)次のラウンドに継続する。
ステップS1501にて継続フラグが格納されておらず、継続率変動モードである場合には、ステップS1503に進む。ステップS1503では、第2ラウンドカウンタRC2を把握して、今回の開閉役物168の開放が、一のラウンド中の何回目の開放かを把握する。そして、ステップS1504にて、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dから、開閉パターンテーブルを参照し、ステップS1505にて対応する開閉パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2を設定する。
続くステップS1506では、今回の第2ラウンドカウンタRC2の値に対応する振分部材300,310の動作パターンを設定する処理を実行する。この処理では、上記のRAM114に設けられた、上述の第1振分用カウンタと第2振分用カウンタとが用いられる。そして、開閉パターンテーブルを参照して、対応する振分部材300,310の動作パターンを把握して、非振分状態から振分状態に変位するタイミングに相当する値をそれぞれ入力する。既に説明したとおり、これらの振分用カウンタは所定周期で更新(減算)され、所定値(例えば「0」)となることで、対応する振分部材300,310の変位(非振分状態→振分状態)タイミングであることを把握することができる。そして、後述する閉鎖処理(ステップS1321)や閉鎖時間の設定処理(ステップS1324やステップS1325)において、振分部材300,310の変位(振分状態→非振分状態)が行われるとともに、非振分状態を維持する期間に対応する値が、同振分カウンタに入力される。その後、同振分カウンタが所定値に至ることで、再度変位(非振分状態→振分状態)するタイミングが把握可能となる。
ステップS1502の処理を実行した後、又はステップS1506の処理を実行した後は、ステップS1507にて、第2ラウンドカウンタRC2を「1」減算する処理を実行してから、本設定処理を終了する。
開閉処理(図24)の説明に戻り、ステップS1305にて各開放用の設定処理を実行した後は、ステップS1306にて、開放処理を実行する。具体的には、開閉役物駆動部173の駆動制御を開始して、開閉役物168を開放状態とする。そして、ステップS1307にて開放コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この開放コマンドには、16R継続モードか否かの情報のほか、何ラウンド目の開放であるか(第1ラウンドカウンタRC1の情報)と、一のラウンドにおいて何回目の開放であるか(第2ラウンドカウンタRC2の情報)と、開閉パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2の情報と、が含まれる。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、開閉パターンや役物装置150への入賞率、当該役物装置150への入賞が発生した場合のV入賞率の高低等を報知する演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1301にて開閉役物168が開放中である場合にはステップS1308に進み、タイマカウンタTの値が「0」か否かを判定する。タイマカウンタTの値が「0」でない場合、ステップS1309にて役物装置150に遊技球が入賞したか否かを、入口センサ179の検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1310にて入賞カウンタPCの値を「1」減算した後に、ステップS1311にて、V入賞が発生したか否かをV入賞センサ192の検知状態により判定する。
ステップS1311にて、V入賞が発生している場合には、ステップS1312にて継続フラグが格納されているか否かを判定し、16R継続モードの開閉実行モードであるか否かを把握する。そして、ステップS1311にてV入賞が発生していない場合、又は、ステップS1312にて16R継続モードである場合には、ステップS1313に進み、入賞カウンタPCが「0」であるか否かを判定する。「0」ではなく、一のラウンドの最大入賞個数に達していない場合には、そのまま、本開閉処理を終了する。
ステップS1308にてタイマカウンタTの値が「0」である場合や、ステップS1313にて入賞カウンタPCが「0」となった場合、更に、ステップS1312にて継続率変動モードにおいてV入賞が発生した場合は、ステップS1314〜ステップS1328において開閉役物168の閉鎖用の各処理を実行する。
すなわち、ステップS1313にて入賞カウンタPCが「0」であり、最大入賞個数に達している場合には、ステップS1314にて、継続フラグが格納されているか否かを判定する。かかる処理は、上記ステップS1312の処理と同様である。継続フラグが格納されておらず継続率変動モードである場合には、ステップS1315にて、第1ラウンドカウンタRC1を「0」にクリアする処理を実行する。この処理は、継続率変動モードにおいて、V入賞が発生することなくラウンド遊技の最大入賞個数に達した場合に、当該開閉実行モードを終了させるための処理である。
一方、ステップS1308にてタイマカウンタTが「0」である場合、又はステップS1314にて16R継続モードにおいて入賞カウンタPCが「0」となった場合には、ステップS1316に進む。ステップS1316では、第2ラウンドカウンタRC2を「1」減算する処理を実行する。そして、ステップS1317にて、第2ラウンドカウンタRC2が「0」であるか否かを判定する。また、ステップS1312にて継続率変動モードにおいてV入賞が発生した場合は、ステップS1318にて第2ラウンドカウンタRC2を「0」にクリアする処理を実行する。この処理は、継続率変動モードにおいて、ラウンド遊技の途中でV入賞が発生した場合に、当該ラウンド遊技を終了させるための処理である。
ステップS1317にて第2ラウンドカウンタRC2が「0」であると判定した場合、又はステップS1318の処理を実行した後は、ステップS1319にて、一のラウンドが終了したとして、第1ラウンドカウンタRC1を「1」減算する処理を実行する。そして、ステップS1320にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eにラウンド更新フラグを格納する処理を実行する。ラウンド更新フラグは、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンドの終了に対応する処理であることを、MPU112が把握するためのフラグである。
ステップS1315の処理を行った場合(継続率変動モード中にV入賞が発生しないまま一のラウンドの最大入賞個数に達した場合)、ステップS1317にて第2ラウンドカウンタRC2が「0」ではない場合、及び、ステップS1320の処理を実行した場合、のいずれかの後は、ステップS1321に進む。ステップS1321では、閉鎖処理を実行する。この処理では、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了して、開閉役物168を閉鎖状態とする。
そして、ステップS1322にて、第1ラウンドカウンタRC1が「0」であり、開閉実行モードの最終ラウンドであるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1が「0」ではない場合には、ステップS1323に進み、上記のラウンド更新フラグが格納されているか否かを判定する。ラウンド更新フラグが格納されており、今回の閉鎖用の各処理が、一のラウンドの終了に対応する処理である場合には、ステップS1324に進む。
ステップS1324では、各ラウンド間の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)の設定処理を実行する。この処理では、予め定められた所定の時間(例えば1.0sec)に対応する数値をタイマカウンタTに入力する。
一方、ステップS1323にてラウンド更新フラグが格納されておらず、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンド中の各開放(閉鎖)に対応する(第2ラウンドカウンタRC2に対応する)ものである場合には、ステップS1325に進む。ステップS1325では、各開放用の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)の設定処理を実行する。この処理では、第2ラウンドカウンタRC2の値と、上記の開閉パターンテーブルと、を参照することで、今回の閉鎖時間(閉鎖期間、待機期間)を把握し、その時間に対応する数値をタイマカウンタTに入力する。
ステップS1324又はステップS1325の処理を実行した後は、ステップS1326にて閉鎖コマンドを設定し、本開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、今回の閉鎖用の各処理が一のラウンドの終了に対応するものなのか、一のラウンド中の各開閉用に対応するものなのか、の情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、上記各情報に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1322にて、第1ラウンドカウンタRC1が「0」であると判定した場合には、ステップS1327にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用の待機時間を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタに、ROM113に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードの種類(16R継続モード又は継続率変動モード)によって、待機時間情報が異なっており、16R継続モードのほうが継続率変動モードよりもエンディング用の待機時間が長くなるように待機時間情報が設定されている。また、継続率変動モードにおいては、長く開閉実行モードが継続した場合(ラウンド遊技の回数が多かった)ほど、エンディング用の待機時間が長くなるように待機時間情報が設定されている。このようにすることで、仮に少ないラウンド遊技の回数で開閉実行モードが終了してしまった場合であっても、早急に次の遊技に移行させることができ、次の開閉実行モードの発生に期待するよう遊技者の気持ちを切り換えさせることができる。換言すると、今回の開閉実行モードにおいてラウンド遊技の回数が多かったほどエンディング用の待機時間を長くすることで、遊技者が優越感に浸る時間を長くすることができる。なお、ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12)が実行される度に「1」減算される。
その後、ステップS1328にて、エンディングコマンドを設定した後に、本開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図15)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、上記ステップS1327にて設定したエンディング用の待機時間の情報や、開閉実行モードの種類、ラウンド遊技の継続回数などの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードの終了に対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
遊技状態移行処理(図23)の説明に戻り、ステップS1211にて開閉処理を実行した後に、ステップS1212にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS1213にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS1214にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。この処理では、開閉実行モード後の遊技状態を通常時の遊技状態(通常遊技状態)に戻すための処理を行う。例えば、役物装置150内の各振分部材300,310や回転体201を初期位置に配置させる。
なお、通常遊技状態として、第2作動口39に設けられた電動役物39aの開閉態様が変化する(例えば、他の状態よりも第2作動口39へ入賞し易い開閉態様となる)遊技状態や、作動口38,39への入賞時の遊技結果の種類や確率が変化する(例えば、直当たり結果となる確率が変化する)遊技状態など、を備える場合には、上記開閉実行モード終了時の移行処理においてそれらの遊技状態に設定する構成とするとよい。
ステップS1214の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1215にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、開閉実行モード中に使用した継続フラグ等を消去する。また、ステップS1215では、上記1209にて出力した大当たり信号を停止するなどして、一の開閉実行モードが終了したことの情報を外部出力する。これにより、遊技ホールのホールコンピュータにて、一の開閉実行モードの開始と終了とを把握することができる。
本実施形態における、開閉実行モード中の開閉パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2と、各振分部材300,310の動作タイミングと、の関係を、図29のタイミングチャートを参照しながら説明する。なお、各開閉パターンについての詳細は、再度図28を参照されたい。
第1振分部材300の動作パターンがVA1(RC2=1〜10)の場合には、開閉役物168が開放状態に変位するt1のタイミングと同タイミングにて非振分状態から振分状態に変位する。そして、その後(0.1sec後)のt2のタイミングで振分状態から非振分状態に変位する。なお、この状況(RC2=1〜10)では、第2振分部材310は変位しないため、第2振分部材310によるV入賞側への振分は発生しない。
この動作パターンVA1である状況で、開閉役物168の開閉パターンがA1であると、t1のタイミングで開放状態に変位して、当該開放状態はt6のタイミング(1.8sec後)まで維持される。この場合、開閉役物168が開放状態となっている期間(1.8sec)に対する第1振分部材300が振分状態となっている期間(0.1sec)の割合はごくわずかであり、このパターンにおいては、第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性は低い。
一方、動作パターンVA1である状況で、開閉役物168の開閉パターンがB1(C1)であると、t1のタイミングで開放状態に変位して、当該開放状態は上記t6のタイミングよりも早いt3のタイミング(0.2sec後)まで維持される。この場合、開閉役物168が開放状態となっている期間(0.2sec)に対する第1振分部材300が振分状態となっている期間(0.1sec)の割合は、上記開閉パターンA1の場合と比べて大きくなり、第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性は開閉パターンA1と比較して高くなる。但し、開閉役物168が開放状態となっている期間が短いため、役物装置150への入賞確率は、開閉パターンA1よりも低くなる。それら、役物装置150への入賞確率と、入賞した場合の第1振分部材300による振分率と、を勘案すると、動作パターンVA1である状況では、開閉パターンA1のほうが開閉パターンB1(C1)よりも、V入賞率は高い。
第1振分部材300の動作パターンがVA2(RC2=11〜16)の場合には、開閉役物168が開放状態に変位するt1のタイミングと同タイミングにて非振分状態から振分状態に変位する。そして、その後(1.0sec後)のt4のタイミングで振分状態から非振分状態に変位する。なお、この状況(RC2=11〜16)では、第2振分部材310は変位しないため、第2振分部材310によるV入賞側への振分は発生しない。
この動作パターンVA2である状況で、開閉役物168の開閉パターンがA1であると、開閉役物168が開放状態となっている期間(1.8sec)に対する第1振分部材300が振分状態となっている期間(1.0sec)の割合は、動作パターンVA1である状況と比べて大きくなり、第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性は動作パターンVA1と比較して高くなる。
一方、動作パターンVA2である状況で、開閉役物168の開閉パターンがB2である(RC2=11〜13)と、t1のタイミングで開放状態に変位して、当該開放状態は上記t3のタイミングよりも遅いt4のタイミング(1.0sec後)まで維持される。この場合、開閉役物168が開放状態となっている期間(1.0sec)に対する第1振分部材300が振分状態となっている期間(1.0sec)の割合は、上記開閉パターンB1の場合と比べて大きくなり、第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性は開閉パターンB1と比較して高くなる。但し、開閉役物168が開放状態となっている期間が開閉パターンB1よりも長いため、役物装置150への入賞確率は、開閉パターンB1よりも高くなる。それら、役物装置150への入賞確率と、入賞した場合の第1振分部材300による振分率と、を勘案すると、動作パターンVA2である状況では、開閉パターンB2のほうが開閉パターンB1(C1)よりも、V入賞率は高い。
また、動作パターンVA2である状況で、開閉役物168の開閉パターンがB1(C1)である(RC2=14〜16)と、t1のタイミングで開放状態に変位して、当該開放状態は上記t3のタイミング(0.2sec後)まで維持される。この場合、開閉役物168が開放状態となっている期間(0.2sec)に対する第1振分部材300が振分状態となっている期間(1.0sec)の割合は、上記開閉パターンB1,B2の場合と比べて大きくなり、第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性は動作パターンVA1における開閉パターンB1,B2と比較して高くなる。また、開閉役物168が開放状態となっている期間は開閉パターンB2よりも短いため、役物装置150への入賞確率は、開閉パターンB2よりも低くなる。さらに、この動作パターンVA2である場合においては、VA1である場合と開閉役物168の開閉タイミングや開閉状態が維持される期間は同じものの、VA2の場合には、開閉役物168が開放状態から閉鎖状態に切り換わった後においても第1振分部材300が振分状態である期間が存在するため、例えば、開閉役物168が閉鎖状態となる間際に役物装置150に入賞した遊技球であっても、その後に第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性がある。そのため、動作パターンVA2である状況では、開閉パターンB2よりもB1のほうがV入賞確率は低くなり、同じ開閉パターンB1であってもVA1よりもVA2のほうがV入賞確率は低い。
第1振分部材300の動作パターンがVA3(RC2=17〜19)の場合には、第1振分部材300は動作しないため、第1振分部材300によって外れ側に振り分けられる可能性はない。一方で、この期間においては、第2振分部材310の動作パターンはVB1からVB2に切り換わり、第2振分部材310によってV入賞側へ振り分けられる可能性が生じる。具体的には、動作パターンVB2では、開閉役物168が開放状態に変位するt1のタイミングから1.0sec後であるt4のタイミングで、第2振分部材310は非振分状態から振分状態に変位する。そして、その後0.1secに亘って当該振分状態が維持され、t5のタイミングで振分状態から非振分状態に変位する。
この動作パターンVA3,VB2である状況で、開閉役物168の開閉パターンがA2(C2)であると、開閉役物168はt1のタイミングで開放状態に変位して、当該開放状態はt4のタイミング(1.0sec後)まで維持される。この場合、開閉役物168が閉鎖状態となる間際に役物装置150に入賞した遊技球であれば、その後に第2振分部材310によってV入賞側に振り分けられる可能性がある。
一方、この動作パターンVA3,VB2である状況で、開閉役物168の開閉パターンがB3であると、開閉役物168はt1のタイミングで開放状態に変位して、当該開放状態はt3のタイミング(0.2sec後)まで維持される。この場合、役物装置150に遊技球が入球しても、開閉役物168が開放状態となっている期間と、第2振分部材310が振分状態となっている期間と、の間隔が大きいため、このパターンにおいて第2振分部材310によってV入賞側に振り分けられる可能性は低い。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
役物装置150に設けられた開閉役物168が閉鎖状態から開放状態に変位することで、当該役物装置150に遊技球が入賞することが可能となり、当該役物装置150内のV入賞センサ192により検知されることで開閉実行モードのラウンドが継続する構成において、各ラウンドで開閉役物168の開閉タイミングを異ならせる構成とした。これにより、役物装置150内に設けられた各役物(振分部材300,310や回転体201等)の動作タイミングを異ならせなくても、各ラウンドの継続率(V入賞率)を変化させることが可能となる。したがって、遊技の公平性を担保しつつ、興趣向上を図ることが可能となる。
継続率変動モードの開閉実行モードの各ラウンド遊技において、V入賞確率が他のラウンド(開閉パターンA)よりも低いラウンド(開閉パターンBやC)を設けた。これにより、特にこのラウンドにおいて次のラウンドに継続するか否かに関心を寄せさせることができ、注目度を好適に高めることができる。
上記のV入賞確率が低い開閉パターンのラウンドの次のラウンドは、V入賞確率がそれよりも高い開閉パターンのラウンドとした。これにより、当該V入賞確率が低いラウンドを越せば、その次は継続し易いものとして、当該V入賞確率が低いラウンドへの注目度をより一層高めることができる。
各ラウンドの開閉パターンにおいて、開閉役物168の開閉回数によってV入賞確率を異ならせた。これにより、一のラウンド遊技において、どの開閉回数でV入賞するか、V入賞し易いか、といった遊技を行うことが可能となり、興趣向上を図ることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、通常遊技状態中の開閉役物168の開閉タイミングを異ならせることで、役物装置150内のV入賞率に異ならせる構成としている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。
本実施形態では、第1作動口38へ入賞したことに基づく当否判定と、第2作動口39へ入賞したことに基づく当否判定と、が異なっている。具体的には、図30に示すように、本実施形態では、ROM113の結果テーブル記憶エリア113aには、第1作動口用の結果テーブル(図30(a))と、第2作動口用の結果テーブル(図30(b))と、が記憶されている。第1作動口用の結果テーブルは、上記第1の実施形態における結果テーブルと同様であるため、説明を省略する。
第2作動口用の結果テーブルには、遊技結果として、外れ結果、直当たり結果、通常開放結果のほかに、特別開放A結果と、特別開放B結果と、が設定されている。特別開放A結果と、特別開放B結果と、は、開放回数は通常開放結果と同じ回数(2回)であり、更に1回目の開放タイミングは通常開放結果と同じ(開放種別カウンタCSによる)ものの、1回目の開放状態を維持する期間の長さと、閉鎖状態を維持する期間の長さと、2回目の開放状態を維持する期間の長さと、が異なるように設定されている。
具体的には、通常開放結果の場合においては、開放状態が継続される期間は一律で2.0secであり、1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖状態が維持される待機期間も一律で1.0secである。これに対して、特別開放A結果である場合には、1回目の開放状態が維持される期間は期間TC1(0.1sec)であり、2回目の開放状態が維持される期間は期間TC3(0.7sec)であり、1回目と2回目の開放状態の間の待機期間は期間TC2(1.2sec)である。また、特別開放B結果である場合には、1回目の開放状態が維持される期間は期間TD1(0.1sec)であり、2回目の開放状態が維持される期間は期間TD3(0.3sec)であり、1回目と2回目の開放状態の間の待機期間は期間TD2(1.5sec)である。
これら1回目の開放状態が維持される期間や、2回目の開放状態が維持される期間については、上記制御中処理(図20)におけるステップS902にて設定する。具体的には、ステップS902では、今回の開放契機となった遊技結果を参照し、その結果に基づいて、今回の開放期間に対応する数値を開放期間カウンタに入力する処理を実行する。また、1回目と2回目の開放状態の間の待機期間については、上記制御中処理(図20)におけるステップS909にて設定する。具体的には、ステップS909では、今回の開放契機となった遊技結果を参照し、その結果に基づいて、今回の待機期間に対応する数値を待機期間カウンタに入力する処理を実行する。
本実施形態において、通常遊技状態中の開閉役物168の開閉タイミングと、各振分部材300,310の動作タイミングと、の関係について、図31のタイミングチャートを参照しながら説明する。図31(a)は、通常開放結果の場合の開閉役物168の開閉タイミングと各振分部材300,310の動作タイミングとの関係を示しており、図31(b)は、特別開放A結果及び特別開放B結果の場合の開閉役物168の開閉タイミングと各振分部材300,310の動作タイミングとの関係を示している。
図31(a)に示すように、t1のタイミングで作動口38,39への入賞が発生すると、開放種別カウンタCSの値に応じた期間を経て(ステップS802)、t2のタイミングで開閉役物168が開放状態に変位する。そして、この開放状態は2.0secに亘って維持されて、t9のタイミングで閉鎖状態に変位する。t1のタイミングで発生した入賞が第2作動口39への入賞であり、2回の通常開放結果であれば、t9のタイミングから1.0sec後のタイミングであるt10のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位する。そして、この開放状態も2.0secに亘って維持されて、t14のタイミングで閉鎖状態に変位する。
各振分部材300,310の動作について説明すると、上述のとおり、各振分部材300,310の動作タイミングの設定や駆動制御は、制御開始処理(図19)におけるステップS803の第1振分設定処理及びステップS804の第2振分設定処理や、振分用処理(図21)におけるステップS1002の第1振分制御処理及びステップS1004の第2振分制御処理にて行われる。
第1振分部材300は、開閉役物168が開放状態となるt2のタイミング(開放状態となってから第1期間の経過後)で非振分状態から振分状態に変位し、1.5sec(第2期間)に亘ってこの振分状態が維持される。そして、t5のタイミングで、振分状態から非振分状態に変位する。今回の開放が、2回の開放結果であれば、t5のタイミングから1.0sec(第5期間)に亘って非振分状態が維持され、その後の開閉役物168の開放タイミングであるt10のタイミング(開放状態となってから第1期間の経過後)で再度振分状態に変位する。この振分状態も1.5sec(第2期間)に亘って維持され、t11のタイミングで非振分状態に変位する。
第2振分部材310は、開閉役物168が開放状態となるt2のタイミングから1.8sec(第3期間)の経過後であるt7のタイミングで、非振分状態から振分状態に変位する。この振分状態は、0.1sec(第4期間)に亘って維持され、t8のタイミングで非振分状態に変位する。今回の開放が、2回の開放結果であれば、t8のタイミングからt10のタイミングまでの0.6sec(第6期間)と、当該t10のタイミングにて開閉役物168が開放状態となってから1.8sec(第3期間)と、に亘って、非振分状態が維持される。そして、t12のタイミングで非振分状態から振分状態に変位し、その状態が0.1sec(第4期間)に亘って維持され、t13のタイミングで非振分状態に変位する。
図31(b)に示すように、遊技結果が特別開放A結果又は特別開放B結果である場合には、t1のタイミングで作動口38,39への入賞が発生すると、開放種別カウンタCSの値に応じた期間を経て(ステップS802)、t2のタイミングで開閉役物168が開放状態に変位する。この動作については、上記通常開放結果の場合と同様である。
遊技結果が特別開放A結果である場合には、t2のタイミングから0.1sec(期間TC1)に亘って開放状態が維持され、t3のタイミングで閉鎖状態に変位する。そして、t3のタイミングから1.2sec(期間TC2)後であるt4のタイミングで、閉鎖状態から開放状態に変位する。この開放状態は、0.7sec(期間TC3)に亘って維持され、t9のタイミングで開放状態から閉鎖状態に変位して、2回目の開放が終了する。
遊技結果が特別開放B結果である場合には、t2のタイミングから0.1sec(期間TD1)に亘って開放状態が維持され、t3のタイミングで閉鎖状態に変位する。そして、t3のタイミングから1.5sec(期間TD2)後であるt6のタイミングで、閉鎖状態から開放状態に変位する。この開放状態は、0.3sec(期間TD3)に亘って維持され、t8のタイミングで開放状態から閉鎖状態に変位して、2回目の開放が終了する。
ここで、遊技結果が特別開放A結果又は特別開放B結果である場合であっても、上記の各振分部材300,310の動作タイミングは同じである。そのため、開閉役物168における一の開放期間に対する各振分部材300,310が振分状態/非振分状態である期間の割合が、通常開放結果と、特別開放A結果及び特別開放B結果とで異なっている。
具体的には、通常開放結果においては、一の開放状態(例えばt2からt9、t10からt14)において、第1振分部材300が振分状態である割合は15/20であり、第2振分部材310が振分状態である割合は1/20である。
これに対して、特別開放A結果の場合には、2回目の開放状態(t4からt9)において、第1振分部材300が振分状態である割合は2/7であり上記通常開放結果の場合よりも低い。また、第2振分部材310が振分状態である割合は1/7であり上記通常開放結果の場合よりも高い。
特別開放B結果の場合には、2回目の開放状態(t6からt8)において、第1振分部材300が振分状態である割合は0/3であり上記通常開放結果の場合よりも低い。また、第2振分部材310が振分状態である割合は1/3であり上記通常開放結果の場合よりも高い。
既に説明したとおり、第1振分部材300が振分状態となると外れ側への振分が発生し得るものであり、第2振分部材310が振分状態となるとV入賞側への振分が発生し得るものである。そのため、上記のように、特別開放A結果や特別開放B結果のように、通常開放結果よりも第1振分部材300によって振り分けられる確率が低くなれば、V入賞の発生の確率は高くなる。また、通常開放結果よりも第2振分部材310によって振り分けられる確率が高くなれば、V入賞の発生の確率は高くなる。
以上のように、本実施形態では、通常遊技状態中の開閉役物168の開閉態様を異ならせることで、役物装置150内の各振分部材300,310や回転体201の動作パターンを変更することなく、役物装置150内に入賞した場合においてV入賞が発生する確率を変化させることが可能となる。
また、第2作動口39への入賞に基づく通常開放結果の開放回数(2回)と、特別開放A結果や特別開放B結果の開放回数(2回)、とを同じ回数としたことで、開閉回数のパターンを増加させる必要も生じないため記憶容量を削減することができる。
第2作動口39への入賞に基づいて開閉役物168が開放開始されるタイミングは、特別開放A結果や特別開放B結果であっても、他の通常開放結果と同様のタイミング(開放種別カウンタCSの値によるタイミング)とした。これにより、開閉役物168の開放タイミングに合わせて遊技球を発射させる、所謂止め打ちを行う行為を抑止することが可能となる。
なお、特別開放A結果や、特別開放B結果であることを、開閉役物168の開放タイミングよりも前のタイミングで図柄表示装置51等によって報知する構成としてもよい。このようにすることで、例えば、回転体201の回転位置と導出部186に到達するまでに要する期間との関係や、振分部材300,310の動作タイミングとの関係で、V入賞のし易さやしにくさを、役物装置150への入賞が発生してから報知する構成と比較して、そのV入賞のし易さやしにくさを、役物装置150への入賞よりも前のタイミングで行うことが可能となる。このようにすることで、より一層、遊技球の動作(流下態様)への関心を寄せさせることができる。
本実施形態においては、通常開放結果と各特別開放結果との関係でV入賞率の高低を説明したが、以下のように変更しても本発明の概念を適用できる。そこで、図32に示す変形例において、各特別開放結果と振分部材300,310(特に第2振分部材310)との関係で、V入賞率の高低を説明する。
本変形例では、特別開放結果として、特別開放A結果と、特別開放B結果と、特別開放C結果と、を設定する。各特別開放A〜C結果は、いずれも上記実施形態における特別開放A結果や特別開放B結果と同様に、2回の開放動作が行われる結果である。各特別開放A〜C結果としては、第1作動口38への入賞に基づいて所定の確率で振り分けられるものであってもよいし、第2作動口39への入賞に基づいて所定の確率で振り分けられるものであってもよい。
図32(a)に示す変形例における特別開放A結果では、ta1のタイミングで発生したいずれかの作動口38,39への入賞(上記振り分けられたこと)に基づいて、開放種別カウンタCSの値に応じた時間を経て、ta2のタイミングで1回目の開放動作が行われる(開閉役物168が開放状態に変位する)。
なお、本変形例において、V入賞率を変化させる振分部材としての第2振分部材310は、上記t2のタイミングから予め定められた期間である1.4sec後(ta7のタイミング)に振分状態に変位して、その状態が0.4secに亘って維持される(ta9のタイミングで非振分状態に変位する)ものとする。
特別開放A結果の1回目の開放動作は、ta2のタイミングから0.2sec(期間TE1)に亘って開放状態が維持され、ta3のタイミングで当該1回目の開放動作が終了する(開閉役物168が閉鎖状態に変位する)。そして、ta3のタイミングから1.2sec(期間TE2)後であるta7のタイミングで、2回目の開放動作が開始される(開閉役物168が開放状態に変位する)。その後、ta7のタイミングから0.4sec(期間TE3)後であるta9のタイミングで、2回目の開放動作が終了する(開閉役物168が閉鎖状態に変位する)。
本変形例における特別開放B結果の1回目の開放動作は、特別開放A結果と同様に、ta2のタイミングから0.2sec(期間TF1)に亘って開放状態が維持され、ta3のタイミングで当該1回目の開放動作が終了する。そして、ta3のタイミングから上記期間TE2とは異なる(短い)0.8sec(期間TF2)後であるta6のタイミングで、2回目の開放動作が開始される。その後、ta6のタイミングから0.5sec(期間TF3)後であるta8のタイミングで、2回目の開放動作が終了する。
本変形例における特別開放C結果の1回目の開放動作は、特別開放A結果や特別開放B結果と同様に、ta2のタイミングから0.2sec(期間TG1)に亘って開放状態が維持され、ta3のタイミングで当該1回目の開放動作が終了する。そして、ta3のタイミングから上記期間TE2や期間TF2とは異なる(短い)0.5sec(期間TG2)後であるta4のタイミングで、2回目の開放動作が開始される。その後、ta4のタイミングから0.2sec(期間TG3)後であるta5のタイミングで、2回目の開放動作が終了する。
これらの場合、特別開放A結果では、2回目の開放動作において開放状態が維持されるta7のタイミングからta9のタイミングにおいて、第2振分部材310が振分状態となっている状況と重なるため、この状況において役物装置150への入賞が発生すれば、ほぼ第2振分部材310によってV入賞側に振り分けられる。
特別開放B結果では、2回目の開放動作において、開放状態が維持される期間は特別開放A結果よりも長い(期間TE3<期間TF3)一方で、開閉役物168が開放状態となっている期間と第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複は、ta7のタイミングからta8のタイミングまでの期間であり、当該重複が発生する状況は上記特別開放A結果の場合よりも短くなる。その結果、役物装置150への入賞が発生しても、上記特別開放A結果のようにほぼV入賞側に振り分けられるわけではなく、入賞タイミングによって第2振分部材310によってV入賞側に振り分けられるか否かが異なってくる。より具体的には、2回目の開放動作の終盤の期間において役物装置150への入賞が発生すればV入賞側に振り分けられ、それ以外は、V入賞側には振り分けられない。
特別開放C結果では、2回目の開放動作において、開閉役物168が開放状態となっている期間と第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複は発生しない。その結果、2回目の開放動作において役物装置150への入賞が発生しても第2振分部材310によるV入賞側への振り分けは発生しない。
以上のように、各特別開放A〜C結果の開放動作タイミングを設定することで、V入賞が発生する確率を異ならせることができる。
図32(b)に示す変形例では、上記図32(a)に示す変形例において各特別開放A〜C結果の開放状態が維持されるトータルの期間を同じにしつつ、第2振分部材310によりV入賞側に振り分ける確率が異なるように開閉タイミングを設定している。
すなわち、上記図32(a)の場合と同様に、第2振分部材310は、1回目の開放タイミングであるtb2のタイミングから予め定められた1.4sec後のタイミングであるtb8のタイミングで、振分状態に変位する。そして、その0.4sec後であるtb10のタイミングで、非振分状態に変位する。
本変形例における特別開放A結果の1回目の開放動作は、tb2のタイミングから0.2sec(期間TH1)に亘って開放状態が維持され、tb3のタイミングで当該1回目の開放動作が終了する。そして、tb3のタイミングから1.2sec(期間TH2)後であるtb8のタイミングで、2回目の開放動作が開始される。その後、tb8のタイミングから0.4sec(期間TH3)後であるta9のタイミングで、2回目の開放動作が終了する。
本変形例における特別開放B結果の1回目の開放動作は、特別開放A結果と同様に、tb2のタイミングから0.2sec(期間TI1)に亘って開放状態が維持され、tb3のタイミングで当該1回目の開放動作が終了する。そして、tb3のタイミングから上記期間TH2とは異なる(短い)0.9sec(期間TI2)後であるtb7のタイミングで、2回目の開放動作が開始される。その後、tb7のタイミングから0.4sec(期間TI3)後であるtb9のタイミングで、2回目の開放動作が終了する。
本変形例における特別開放C結果の1回目の開放動作は、特別開放A結果や特別開放B結果と異なり、tb2のタイミングから上記期間TH1や期間TI1とは異なる(長い)0.4sec(期間TJ1)に亘って開放状態が維持され、tb4のタイミングで当該1回目の開放動作が終了する。そして、tb4のタイミングから上記期間TH2や期間TI2とは異なる(短い)0.3sec(期間TJ2)後であるtb5のタイミングで、2回目の開放動作が開始される。その後、tb5のタイミングから0.2sec(期間TJ3)後であるtb6のタイミングで、2回目の開放動作が終了する。
これらの場合、特別開放A結果において開閉役物168が開放状態となっているトータルの期間はTH1+TH3(0.6sec)であり、特別開放B結果の場合はTI1+TI3(0.6sec)であり、特別開放C結果の場合はTJ1+TJ3(0.6sec)であり、いずれの特別開放A〜C結果であっても、開放状態となっているトータルの期間は同じ長さとなる。
以上のように、各特別開放A〜C結果の開閉タイミングを、開放状態となっているトータルの期間が同じになるように設定した場合であっても、開閉役物168が開放状態となっている期間と第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複は、特別開放A結果>特別開放B結果>特別開放C結果の順となる。これにより、各開放結果において、役物装置150への入賞率自体は異ならせることなく、第2振分部材310の動作タイミングとの関係でV入賞率を異ならせることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、開閉実行モードにおいて各ラウンドの開閉パターンの設定方法が上記第1,第2の実施形態と異なっている。そこで、本実施形態における各ラウンドの設定処理について、図33(a)のフローチャートを参照しながら説明する。なお、既に説明した通り、各ラウンドの設定処理は、遊技状態移行処理(図23)における開閉処理(図24)のステップS1304にて実行される処理であり、開閉役物168の開放時に起動される処理である。
本実施形態における各ラウンドの設定処理では、図33(a)に示すように、上記第1の実施形態の説明において図25にて説明した処理とほぼ同様の処理となっている。異なる点としては、ステップS1402にて継続フラグが格納されていないと判定された場合に、上記各実施形態では、ステップS1403、ステップS1404にて予め定められたラウンドパターンを設定するための処理を実行するのに対して、本実施形態では、ステップS1402にて否定判定した場合には、ステップS1408にてラウンドパターンを抽選にて決定するための抽選処理を実行する。この抽選処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dからラウンドパターン用の抽選カウンタを取得するとともに、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dからラウンドパターン用の抽選テーブルを取得する。ラウンドパターン用の抽選カウンタは、例えば、所定周期で更新されるループカウンタとして構成されており、ランダムな数値情報を取得可能となっている。
ラウンドパターン用の抽選テーブルは、ラウンドパターン用の抽選カウンタの値に応じて、今回のラウンドパターンを決定可能となっている。より具体的には図33(b)に示すように、例えば、前回のラウンドパターンに応じて今回のラウンドパターンが異なるように抽選テーブルが設定されている。すなわち、前回のラウンドパターンに応じて、今回のラウンドパターンとして最もラウンド継続がし易いパターンAの選択率が異なっており、前回のラウンドパターンがパターンAであれば50%でパターンAが選択され、その他はラウンド継続がしにくいパターンBやパターンCが選択されるのに対して、前回のラウンドパターンがラウンド継続がしにくいパターンBやパターンCであればほぼパターンAが選択される(パターンBでは80%、パターンCでは90%)。なお、開閉実行モードの第1ラウンドにおいては、予め定められたパターンが設定される構成としてもよいし、抽選等によってランダムに設定される構成としてもよい。
そして、ステップS1408の処理を行った後は、ステップS1405にて対応するラウンドパターンの設定処理を行った後、ステップS1406以降の処理を実行する。
上記のようラウンド毎にラウンドパターンを抽選等によって決定する構成とすることで、開閉実行モードにおいて各ラウンドの開放パターンがより多様なものとなり、遊技の多様化を図ることができる。そして、上記実施形態では、ラウンド継続がしにくいパターン(パターンB,C)のラウンドの次のラウンドでは、ラウンド継続がし易いパターン(パターンA)のラウンドが選択され易く設定されているため、遊技者にとって不利なラウンドであってもそれを乗り越えれば次は遊技者にとって有利なラウンドとなるため、当該不利なラウンドですら遊技へ没頭させることが可能となる。また逆に、ラウンド継続がし易いパターンの次のラウンドはラウンド継続がしにくいラウンドが選択され易く設定されているため、出球率を大幅に高めることなく遊技の公平化を図ることが可能となる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、ラウンド継続の条件成立としてV入賞が発生したタイミングに応じて、次回以降のラウンドパターンを設定する構成とする。
図34は、本実施形態における開閉処理を示すフローチャートであり、基本的には上記各実施形態における開閉処理(図24)と同様である。異なる点としては、ステップS1311にてV入賞が発生し、ステップS1312にて継続変動モードであると判定した場合に、上記各実施形態ではステップS1318へ進むのに対して、本実施形態では、ステップS1329にてV入賞が発生したタイミング、すなわちラウンド中の開放回数を把握する処理を実行する。より具体的には、第2ラウンドカウンタRC2の値をRAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2記憶エリアに記憶する処理を実行する。当該第2ラウンドカウンタRC2記憶エリアは、ラウンド中の各開閉時に第2ラウンドカウンタRC2の更新が行われても、その更新には影響されずにそれとは別に第2ラウンドカウンタRC2の値を記憶可能に構成されている。
ステップS1329にて、第2ラウンドカウンタRC2の値を記憶した後は、ステップS1318にて第2ラウンドカウンタRC2を「0」にクリアして、ステップS1319以降の処理を実行する。
本実施形態における各ラウンド用の設定処理は、上記第3の実施形態において図33(a)にて示した、ラウンド毎にラウンドパターンの抽選処理を実行する構成とする。そして、本実施形態におけるラウンドパターンの抽選テーブル(振分テーブル)としては、図35(a)〜図35(c)に示すように、前回のラウンドパターンと、上記の第2ラウンドカウンタRC2と、の値に応じて次回のラウンドパターンが異なるように設定されている。より具体的には、前回のラウンドが継続し易いパターンAのラウンドであった場合には、図35(a)に示すように、次回のラウンドでは、第2ラウンドカウンタRC2が1〜16よりも17〜19である場合のほうがラウンド継続がし易いパターンAが選択され易くなっている。
すなわち、前回のラウンドにおいて、終盤(RC2=17〜19)の開閉回数にてラウンド継続の条件が成立した場合のほうが、前半(RC2=1〜10)や後半(RC2=11〜16)の開閉回数にてラウンド継続の条件が成立した場合よりも、次回のラウンドにおいて遊技者に有利となる構成となっている。
このようにすることで、ラウンド継続の条件がなかなか成立せずに遊技者としては不安になり得る場面であっても、終盤でラウンド継続すれば有利となるようにして、その不安感と次のラウンドの有利度とのバランスを楽しませる遊技とすることができる。
特に、パターンAでの終盤(RC2=17〜19)では、第2振分部材310によるV振分が発生し易い構成としているため、仮に、パターンAにおいて終盤までラウンド継続の条件が成立しなくても、その終盤においては当該ラウンド継続の条件は成立し易く、ラウンド継続の条件が成立せずに開閉実行モードが終了してしまう、といった事象の発生は抑制されている。そのため、上記のように、バランスを楽しませる遊技において、なるべくラウンドの終盤でV入賞が発生するよう、遊技者としてはそのV入賞のタイミングに高い関心を寄せることになると考えられる。よって、遊技への注目度をより一層高めることが可能となる。
さらに、図35(a)に示すように、パターンA時において前半(RC2=1〜10)と後半(11〜16)とを比較すると、前半のほうが後半よりも次回のラウンドでラウンド継続がし易いパターンAが選択され易く設定されており、前半のほうが後半よりも次回のラウンドが有利となるように設定されている。
本実施形態も含めて上記各実施形態では、継続変動モードの開閉実行モードにおいて、ラウンド継続の条件が成立した場合には、1ラウンドの入賞上限個数(9個)に達していなくても次のラウンドに移行する構成としているため、なるべく上限個数に近い入賞個数目でV入賞するように、遊技者は興味を寄せるものと考えられる。そうすると、例えば、入賞個数が少ない段階でV入賞してしまったりすると、入賞上限個数との関係で遊技者としてはそのラウンドでは損をしたものと感じてしまう可能性がある。そこで、上記のように比較的入賞個数が少ない段階であろうラウンドの前半でV入賞した場合のほうが、それよりも入賞個数が多い段階であろうラウンドの後半でV入賞した場合よりも、次回のラウンドが遊技者にとって有利となるようにする構成とすれば、上記のように遊技者が損をしたものと感じてしまうラウンドであっても、それを担保する構成となり、遊技者の不満を解消し得るものとなる。
図35(b)に示すパターンB時の抽選(振分)テーブル、及び図35(c)に示すパターンC時の抽選(振分)テーブルでは、それぞれV入賞が発生し易いタイミングの開閉回数でV入賞が発生すると、次回のラウンドでラウンド継続がし易いパターンAが選択され易くなっている。より具体的には、既に説明した通り、パターンBではラウンドの後半(RC2=11〜16)においてV入賞が発生し得るように開閉パターンが設定されており、そのタイミングでV入賞が発生すれば、次回は遊技者にとって有利なパターンAのラウンドとなり易い。また、パターンCではラウンドの終盤(RC2=17〜19)においてV入賞が発生し得るように開閉パターンが設定されており、そのタイミングでV入賞が発生すれば、次回は遊技者にとって有利なパターンAのラウンドとなり易い。一方、パターンBにおいて、ラウンドの前半(RC2=1〜10)や終盤(RC2=17〜19)においては、そもそも役物装置150への入賞が発生しにくくなっている。また、パターンCにおいてラウンドの前半(RC2=1〜10)や後半(RC2=11〜16)においても同様に、そもそも役物装置150への入賞が発生しにくくなっている。そこで、上記のような構成とすることで、遊技者が注目するポイントを集約することができ、遊技の抑揚がつけられる。
なお、各パターン時の抽選テーブルは一例に過ぎず、他の構成であってもよい。例えば、パターンBやパターンCにおいて入賞が発生しにくいタイミングでV入賞が発生したら、遊技者にとって有利となるように(パターンAが選択され易くなるように)設定すると、役物装置150への入賞が発生しにくい状況であっても、役物装置150への入賞を発生させようとする意義を生じさせることができ、遊技球の発射を停止する所謂止め打ち行為を抑制することが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、上記第4の実施形態において、開放パターンのバリエーションを異ならせている。すなわち、図36に示すように、本実施形態における開放パターンとしては、パターンA〜Cに加えて、又は代えて、パターンDやパターンEが設定されている。
パターンDでは、ラウンドの前半(RC2=1〜10)や後半(RC2=11〜16)では、役物装置150への入賞は発生し得るし、V入賞の可能性も十分にある。但し、パターンAと比較すると役物装置150への入賞率やV入賞率は低く設定されている。
そして、パターンDにおけるラウンドの終盤(RC2=17〜19)においては、開放状態の維持期間がパターンAよりも長く設定されており、役物装置150への入賞率やV入賞率は、パターンAよりもパターンDのほうが高く設定されている。そのため、ラウンド終盤においては、ラウンド継続の条件がパターンAよりもパターンDの成立し易く、上記のようにラウンドの前半や後半において条件成立のし易さを抑えつつも、最終的にはラウンド継続の条件が成立し得るものとすることができる。したがって、パターンDでは、入賞上限個数付近でラウンド継続の条件が成立し易く、継続変動モードの開閉実行モードにおいては、パターンAよりも遊技者にとっては有利なパターンとなる。
パターンEでは、ラウンドの前半(RC2=1〜10)においては、パターンAよりも開放状態が維持される期間が長く設定されている。そのため、役物装置150への入賞率やV入賞率はパターンAよりも高くなり、この期間においてはラウンド継続の条件も成立し易い。一方、ラウンドの後半(RC2=10〜16)においては、役物装置150への入賞が発生しにくくなるように設定されており、パターンBにおけるパターンB1やパターンCにおけるパターンC1と同様の開閉タイミングとなっている。
そして、パターンEにおけるラウンドの終盤(RC2=17〜19)においては、開放状態の維持期間が遊技球の発射周期よりも長く設定されており、役物装置150への入賞可能性は十分にあり得るし、更に、当該開放状態の維持期間において遊技球が役物装置150へ入賞すれば第2振分部材310によるV振分は発生し得る開閉タイミングとなっている。
本実施形態におけるラウンドパターンの抽選テーブル(振分テーブル)は、図37(a)〜図37(e)に示すように、前回のラウンドパターンと、第2ラウンドカウンタRC2と、の値に応じて次回のラウンドパターンが異なるように設定されている。
上記第4の実施形態との相違点としては、各パターンA〜Cの抽選(振分)テーブルにおいて、パターンD及びパターンEに振り分けられる例が加えられている点と、パターンD及びパターンEの抽選(振分)テーブルが設定されている点である。ここでは、パターンD及びパターンEの抽選テーブルの特徴について、詳細に説明する。
パターンDの抽選テーブルでは、ラウンドの前半及び後半(RC=1〜16)にラウンドの継続条件が成立すると、ラウンド継続がし易いパターンA,D,Eが選択されにくく、ラウンド継続がしにくいパターンB,Cが選択され易くなっている。一方、ラウンドの終盤(RC=17〜19)にラウンドの継続条件が成立すると、ラウンド継続がし易いパターンAが選択され易くなっている。上記のように、ラウンドの前半及び後半においては、役物装置150への入賞が発生し得るものの、パターンAよりも継続条件が成立しにくく設定されているため、当該前半及び後半においては、入賞は発生するが継続条件は成立しにくい(V入賞は発生しにくい)、といった状況を楽しませることができる。そして、パターンDにおけるラウンドの終盤においては、役物装置150への入賞率及びV入賞率が高められているため、継続条件が成立し易くなっている。そのため、パターンDにおいては、ラウンドの前半及び後半においてラウンドの入賞上限個数ぎりぎりまで入賞させ、そして、終盤に入賞上限個数に達するように入賞させる又はV入賞させることで、継続条件の成立タイミングを遊技者がある程度コントロールすることが可能となる。よって、遊技者の遊技への積極参加を見込むことができる。
パターンEの抽選テーブルでは、役物装置150への入賞が発生し易いラウンド前半(RC2=1〜10)においてV入賞が発生すると、ラウンド継続がしにくいパターンB,Cが選択され易く、ラウンド継続がし易いパターンA,D,Eが選択されにくくなっている。一方、同様の役物装置150への入賞が発生し易いラウンド終盤(RC2=17〜19)においてV入賞が発生すると、ラウンド継続がし易いパターンAが選択され易くなっている。そのため、仮に、役物装置150への入賞が発生し易い開閉回数であっても、次回のラウンドの継続率との関係で、前半に入賞させるか、それとも終盤に入賞させるか、といった選択を遊技者にさせることができ、遊技への積極参加を見込むことができる。
さらにパターンEの抽選テーブルでは、役物装置150への入賞が発生しにくいラウンド後半(RC2=11〜16)にV入賞が発生すると、ラウンド継続がし易いパターンAやパターンEが選択され易くなっている。その点と、上記終盤でV入賞が発生した場合の選択率との関係で、ラウンド数によっては、後半から役物装置150への入賞を狙ったほうが遊技者にとって有利となり得る場面も考えられる。そのため、役物装置150への入賞が発生しにくい状況であっても、遊技球を発射する意義を生じさせることができ、所謂止め打ち行為を抑制することが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、上記第4,第5の実施形態において、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて、開閉実行モード中の所定タイミングにて特別報知を実行する。先ず、図38のフローチャートを参照しながら、演出制御装置82のMPU142にて実行される演出用処理について説明する。当該演出用処理は、所定周期(例えば2msec周期)で起動される処理である。
演出用処理では、主制御装置81からのコマンドに基づいて、各種演出を実行するための処理を行う。ちなみに、演出制御装置82のRAM144には、主制御装置81から受信したコマンドを記憶可能な受信コマンド格納エリアが設けられている。当該エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
さて、演出用処理では、先ずステップSB101にて開放コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明した通り、開放コマンドは、開閉実行モード中の開閉処理において各ラウンドにおける各開放時に主制御装置81から出力されるコマンドである。ステップSB101にて開放コマンドを受信したと判定した場合には、ステップSB102にて開放対応処理を実行する。この処理については、後に詳細に説明するが、開閉実行モード中の所定タイミングにて特別報知を実行するための処理である。
ステップSB101にて否定判定した場合、又はステップSB102の処理を実行した後は、ステップSB103に進む。ステップSB103では、通常開放コマンドを受信したか否かを判定する。既に説明した通り、通常開放コマンドは、通常遊技状態中において作動口38,39への入賞が発生し、それに基づく抽選結果が直当たり結果や外れ結果のように開閉役物168の開放動作が発生しない場合以外において(通常開放結果や特別開放結果である場合に)主制御装置81から出力されるコマンドである。ステップSB103にて、通常開放コマンドを受信したと判定した場合には、ステップSB104にて通常開放対応処理を実行する。ちなみに、この通常開放コマンドには、主制御装置81にて設定した抽選結果の内容や開放回数、開閉役物168の開閉タイミング等の情報が含まれている。この通常開放対応処理では、受信したコマンドの情報に基づいて、作動口38,39への入賞時に開放回数を報知する開放回数報知や、開閉役物168の開放時の演出として開放用報知等の演出を行うための処理を実行する。
ステップSB103にて否定判定した場合、又はステップSB104の処理を実行した後は、ステップSB105に進む。ステップSB105では、その他の処理として、主制御装置81から受信する他のコマンド(通常遊技状態中の入賞や保留情報のシフトの情報が含まれるシフト時コマンドや遊技結果を示す外れコマンドや直当たりコマンド、また、役物装置150の制御時に出力される制御終了コマンドや役物内入賞コマンド、開閉実行モードの制御に関するオープニングコマンドや閉鎖コマンドやエンディングコマンド、等の各種コマンド)に基づいてそのコマンドの内容に応じた演出を実行するように表示制御装置100へ表示内容コマンドを出力して図柄表示装置51を表示制御するための処理を実行する。また、ステップSB105では、例えば演出用の操作手段(演出ボタン等)が演出制御装置82へ接続されていれば、その操作に応答するための演出(演出ボタンを操作したことに対する演出)を実行する。また、ステップSB105では、デモ画面用の演出を行うための制御を行ったり、その他、各種演出用の制御を実行する。そして、ステップSB105の処理を実行した後は、本演出用処理を終了する。
次に、本実施形態における開閉実行モード中の特別報知の内容について、図39を参照しながら説明する。図39(a)は、本実施形態において追加又は変更される開閉実行モード中の開放パターンについて説明するための説明図であり、図39(b)は開放対応処理を示すフローチャートであり、図39(c)は特別報知として図柄表示装置51の表示画面Gにて行われる各種特別演出の概要を示す概要図である。
先ず、図39(a)に示すように、本実施形態では、開閉実行モードの開放パターンとして、開放回数(RC2)の値に応じて開閉タイミングが相違するパターンCとパターンFが設定されている。既に説明した通り、パターンCにおいては、ラウンドの前半(RC2=1〜10)及び後半(RC2=11〜16)のいずれにおいても役物装置150への入賞がしにくい開閉タイミングで開閉役物168が動作する。そして、ラウンドの終盤(RC2=17〜19)において、第2振分部材310によるV振分が発生し得るようなタイミングで開閉役物168が動作する。
パターンFは、ラウンドの前半(RC2=1〜10)においては上記パターンCと同様に役物装置150への入賞がしにくい開閉タイミングで開閉役物168が動作する。その動作タイミングは、パターンCと同様のタイミングとなっている。そのため、ラウンド前半においては、パターンCのラウンドパターンが選択されたか、パターンFのラウンドパターンが選択されたか、が遊技者には識別困難又は不可能となっている。
パターンFにおいて、ラウンドの後半(RC2=11〜16)となると、上記パターンCとは異なり、役物装置150への入賞が発生し易い開閉タイミングで開閉役物168が動作する。つまり、ラウンドの後半になると、パターンCとは異なり、役物装置150への入賞が発生するし、ラウンド継続の条件としてV入賞も発生し得る。
パターンFにおいて、ラウンドの終盤(RC2=17〜19)となると、上記パターンCと同様にV振分が発生し得るものであるものの、開閉役物168の開放状態が維持される期間が上記パターンCの場合よりも長くなり、役物装置150への入賞率やV入賞率もパターンCよりも高くなる。
以上の通り、パターンCとパターンFとを比較すると、ラウンドの前半部分については、開閉役物168の開閉パターンが同様の開閉パターンとなっており、その結果、遊技者としては、その開閉パターンからはいずれのパターンC,Fのラウンドであるかを識別することが難しい。その一方で、ラウンドの後半部分及び終盤部分については、パターンFのほうがパターンCよりも遊技者にとって圧倒的に有利な状況となる。
そこで、そのような状況の変化を図柄表示装置51の表示画面Gにて報知する構成とする。そのための処理として、図39(b)に示すように開閉実行モード中に主制御装置81から出力された開放コマンドに対応する開放対応処理を実行する。ちなみに、主制御装置81から出力されるオープニングコマンドに開閉実行モードの種類(16R継続モード又は継続変動モード)の情報が含まれており、また、各開放時に出力される開放コマンドには、今回の開放がラウンド開始時の開放コマンドか、ラウンド中の各開放回数に相当する開放コマンドか、の情報や、第1ラウンドカウンタRC1の数値情報及び第2ラウンドカウンタRC2の数値情報等が含まれるものとし、これらの情報を演出制御装置82側でも把握可能となっている。
開放対応処理では、先ず、ステップSB201にて、今回の開放パターンがパターンC又はパターンFであるか否かを判定する処理を実行する。パターンC又はパターンFではない場合には、そのまま本対応処理を終了する。パターンC又はパターンFである場合には、ステップSB202にて第2ラウンドカウンタRC2が「11」であるか否かを判定する。既に説明した通り、第2ラウンドカウンタRC2が1〜10においては、パターンCとパターンFとは同様の開閉パターンで開閉部材が動作し、第2ラウンドカウンタRC2が「11」となってから、パターンCとパターンFとの開閉パターンの相違が発生する。そこで、ステップSB202にて第2ラウンドカウンタRC2が「11」ではない場合には、そのまま本対応処理を終了し、「11」である場合には、ステップSB203へ進む。
ステップSB203ではパターンCであるか否かを判定する。パターンCではなくパターンFである場合には、ステップSB204に進み、図柄表示装置51にて特別演出Aを実行するように表示制御装置100を制御してから、本対応処理を終了する。一方、ステップSB203にてパターンCであると判定した場合には、ステップSB205に進み、図柄表示装置51にて特別演出Bを実行するように表示制御装置100を制御してから、本対応処理を終了する。
図39(c)に示すように、特別演出Aでは、当該タイミング以降(ラウンドの後半部分以降)において遊技者にとって有利となることを報知するように、例えば、表示画面Gにて「ラッキー!!継続チャンス!」と表示する。特別演出Bでは、当該タイミング以降(ラウンドの後半部分以降)において遊技者にとって上記特別演出Aが行われる場合よりも不利となることを報知するように、例えば、表示画面Gにて「・・・・・・(残念)」と表示する。本実施形態の場合には、パターンCであっても当該ラウンドの終盤(RC2=17〜19)において第2振分部材310によるV振分が行われる可能性があるため、終盤において遊技者にとって有利な状況が存在することを報知するように、上記特別演出Bでは、「・・・・・・最後まであきらめるな!」と表示する。
以上のように、本実施形態では、ラウンドの途中まで開閉役物168の開閉パターンが同じであって、所定のタイミングから遊技者にとって有利となる開閉パターン(パターンF)と、それよりも不利となる開閉パターン(パターンC)と、を設け、当該所定のタイミングにおいて、図柄表示装置51にていずれのパターンであるかを報知する構成とした。このようにすることで、上記所定のタイミングまでは、いずれのパターンのラウンドであるかが識別困難な状況であって、当該所定のタイミングでの特別報知への関心を寄せさせることができる。
特に、所定のタイミングまでは、遊技者にとって不利な状況(役物装置150への入賞が発生しにくい状況)としたため、その所定のタイミングで遊技者にとって不利な状況が続くのか、それとも有利な状況に変化するのか、といった点について、遊技者の高い関心が寄せられるものと考えられる。
上記実施形態において、継続変動モードの開閉実行モードにおいて、パターンCとパターンFとの選択率を、パターンCよりもパターンFのほうが選択され易くすると、通常は遊技者にとって不利な状況が続くものとし、特別報知Aが実施された場合(パターンFが選択されたいた場合)の意外感を高めることができる。これにより、遊技者に、特別報知Aが行われたことによる恩恵を感じさせ易くすることができる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、上記第6の実施形態において、通常遊技状態中の所定タイミングで特別報知を実行する。この通常遊技状態中の特別報知としては、遊技球の発射タイミングを調節するように示唆する第1特別報知と、第2特別報知と、が設定されている。これらの各特別報知の詳細については、後に詳細に説明するが、各特別報知が行われることによって、役物装置150への入賞率と、第2振分部材310によるV振分が行わる率と、が高まるように設定されている。
これらの特別報知を実行する条件として、本実施形態では、例えば、開閉実行モード中のラウンド継続タイミングに応じて、遊技者にとって有利な特別報知を実行し易いモードとそうではないモードへ移行する構成とする。これらのモードについては後に詳細に説明するとして、先ずは、当該モードの移行に関係するラウンド継続タイミングの把握に関する処理について説明する。
図40は、本実施形態における開閉処理を示すフローチャートである。
本実施形態における開閉処理は、基本的には上記各実施形態における開閉処理(図24)と同様である。異なる点としては、ステップS1311にてV入賞が発生し、ステップS1312にて継続変動モードであると判定した場合に、上記各実施形態ではステップS1318へ進むのに対して、本実施形態では、ステップS1329にてV入賞が発生したタイミング、すなわちラウンド中の開放回数を把握する処理を実行する。より具体的には、第2ラウンドカウンタRC2の値をRAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2記憶エリアに記憶する処理を実行する。当該第2ラウンドカウンタRC2記憶エリアは、ラウンド中の各開閉時に第2ラウンドカウンタRC2の更新が行われても、その更新には影響されずにそれとは別に第2ラウンドカウンタRC2の値を記憶可能に構成されている。これは、上記第4の実施形態で説明した通りである。
ステップS1329の処理を実行した後は、ステップS1330にて上記ステップS1329にて把握した第2ラウンドカウンタRC2の値を、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたトータルラウンドカウンタTRCの値に加算する処理を実行する。トータルラウンドカウンタTRCは、継続変動モードの開閉実行モードにおいて、V入賞にてラウンド継続条件が成立したタイミング(RC2の値)の積算値を記憶するためのカウンタである。
そして、ステップS1330の処理を実行した後は、ステップS1318にて第2ラウンドカウンタRC2を「0」にクリアして、ステップS1319以降の処理を実行する。
また、本実施形態における開閉処理では、開閉実行モードの終了時、すなわちエンディング時に、今回の開閉実行モードにおける上記トータルラウンドカウンタTRCの値を演出制御装置82側へ出力する。すなわち、ステップS1327にてエンディングの開始処理を実行した後は、ステップS1331にて上記各種カウンタエリア114dからトータルラウンドカウンタTRCの値を読み出す処理を実行し、ステップS1328ではエンディングコマンドに対して、上記トータルラウンドカウンタTRCの値を設定する。
既に説明した通り、エンディングコマンドは主制御装置81から演出制御装置82へ出力され、当該コマンドに対応する処理は演出用処理(図38)のその他の処理(ステップSB105)にて行われる。図による詳細な説明は省略するが、当該その他の処理では、エンディングコマンドを受信したことに基づいて、当該エンディングコマンドに含まれるトータルラウンドカウンタTRCの値に応じて図柄表示装置51の特別報知の実行率が異なる表示モードを切り替える処理を行う。
表示モードとしては、通常モードと、救済モードと、特別モードと、が設定されている。図41(b)に示すように、通常遊技状態中に例えば第2作動口39への入賞に基づいて特別開放結果となった場合の特別報知の実行率として、救済モードが最も実行率が高く、救済モード、特別モード、通常モード、の順で特別報知の実行率が高くなるように設定されている。この場合、上記エンディングコマンドを受信した演出制御装置82では、そのエンディングコマンドに含まれるトータルラウンドカウンタTRCの値が1〜50であれば救済モードに設定し、51〜150であれば通常モードに設定し、151〜285であれば特別モードに設定する。
すなわち、開閉実行モードにおいてラウンド継続の条件成立としてV入賞の発生タイミングが早ければ救済モードに設定され易く、遅ければ特別モードに設定され易い。V入賞の発生タイミングが早い場合には、上限入賞個数に達していない可能性が高い。また、トータルラウンドカウンタTRCの値が小さければ、短いラウンド数で開閉実行モードが終了した可能性も高い。そこで、そのような場合には、表示モードを通常よりも特別報知が実行され易い救済モードに設定する。このようにすれば、開閉実行モードで多くの特典を得られなかった遊技者に対して、それを救済することが可能となる。
一方、上記のように、各ラウンドにおいて後半(RC2=11〜16)や終盤(RC2=17〜19)でV入賞が発生してラウンド継続条件が成立すると、遊技者にとって有利に扱われる(次のラウンドのパターンが継続率の高いパターンに設定され易い)場合があり、遊技者としては、なるべくラウンドの後半や終盤にV入賞を発生させるように操作しようとする。その結果、トータルラウンドカウンタTRCの値も高くなり得るため、その遊技者の頑張りに応じて、表示モードを通常よりも特別報知が実行され易い特別モードに設定する。このようにすることで、遊技者の遊技への積極参加をより見込むことができる。
なお、特別モードはあくまで遊技者の積極参加を見込むためのものであるため、救済モードよりも特別モードのほうが特別報知の実行率を低くしている。このようにすることで、出球率を高め過ぎず、遊技の公平性を担保することができる。
特別報知が実行される様子について、図41(a)及び図41(c)を参照しながら説明する。なお、ここでは、第2の実施形態の変形例にて説明した特別開放A結果や、第2振分部材310の動作パターンに基づいて説明を行うものとする。
図41(a)に示すように、t1のタイミングで作動口38,39への入賞が発生して、その遊技結果が特別開放A結果であったものとする。この場合、t2のタイミングで1回目の開放動作が開始され、t3のタイミングで終了する。また、t5のタイミングで2回目の開放動作が開始され、t6のタイミングで終了する。
ここで、遊技球は発射ハンドル60の操作により遊技球発射機構53から予め定められた発射周期(0.6sec、Pa)で発射される。例えば、発射ハンドル60の操作が継続実施されている状況として、P1のタイミングで遊技球が発射され、そのPa後であるP2のタイミングで次の遊技球が発射され、さらにそのPa後であるP3のタイミングで遊技球が発射され、さらにそのPa後であるP4のタイミングで遊技球が発射されたものとする。
先ず、特別報知が行われない場合について説明すると、発射周期Paとの関係で、例えばP1のタイミングで発射された遊技球が、特別開放A結果の1回目の開放動作で役物装置150へ入賞したとする(t2のタイミング)。その場合、役物装置150内に入賞した遊技球が第2振分部材310へ到達するに要する期間後であるt4のタイミングで、第2振分部材310に同遊技球が到達したとする。そうすると、このタイミングでは、第2振分部材310は振分状態となっておらず、第2振分部材310によるV振分は行われない。
また、例えば、P4のタイミングで発射された遊技球が2回目の開放動作の終了時(t6のタイミング)で役物装置150へ到達したものとする。この場合、t7のタイミングで第2振分部材310へ到達するものの、既に振分状態から非振分状態に変位しているため、第2振分部材310によるV振分は行われない。
次に、特別報知が行われる場合について説明する。t8のタイミングで作動口38,39への入賞が発生すると、第1特別報知として、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて、例えば「ちょっとまて!!」という表示が行われる。この表示に基づいて、遊技者は遊技球の発射を停止する。上記t8のタイミングでの入賞に基づく遊技結果が特別開放A結果であった場合、t9のタイミングで1回目の開放動作が開始されt10のタイミングで終了する。そして、2回目の開放動作はt12のタイミングで開始されt14のタイミングで終了する。
この場合、2回目の開放動作の開始よりも前のタイミングであるP5のタイミングで遊技球が発射されると、t12のタイミングで遊技球が役物装置150へ入賞し、当該入賞した遊技球はt13のタイミングで第2振分部材310に到達し、その結果、V振分が行われてV入賞が発生し得る。この場合、上記P5のタイミングよりも少し(0.1sec、期間PC)前のタイミングであるt11のタイミングで、第2特別報知として、図柄表示装置51の表示画面Gにおいて、例えば「今だ、打て!!」という表示が行われる。この表示に基づいて、遊技者は発射操作を開始し、その結果P5のタイミングで遊技球が発射され、上記の通り、V入賞が発生し得る。遊技者としては、発射周期Paよりも長いPbの期間に亘って遊技球の発射操作を停止していたことになる。
以上のように、特別報知として、開放動作との関係で、遊技球の発射操作を指示する特別報知を行うことで、V入賞率、すなわち開閉実行モードへの移行率を変化させることができる。そして、それを開閉役物168や振分部材300,310や回転体201の動作タイミングを変更することなく、演出側によって実現することで、遊技機としての基本的な構成を変更することなく、出球調整や遊技機の仕様変更を容易に行うことが可能となる。
なお、上記のように第1特別報知が行われることによって、遊技球の発射を停止させる期間が長くなり得る。そこで、例えば、第1特別報知から第2特別報知までの期間において、遊技球の発射を停止させるのではなく、第2特別報知が行われるべきタイミング(P5のタイミング)から逆算して、少しだけ発射を停止させて、その後、遊技球の発射を継続していても、V入賞が発生し得るように、第2特別報知を行うタイミングを調節してもよい。
また、開閉実行モードにおいて、役物装置150への入賞個数が少ないであろう状況(TRC=1〜50)において、遊技者にとって有利な状態へ移行する構成としたことで、開閉実行モードで遊技者の得られる特典が少なかったことを補てんすることが可能となる。
そして、開閉実行モードにおいて、役物装置150への入賞個数が多いであろう状況(TRC=151〜285)においても、遊技者にとって有利な状態に移行する構成としたことで、開閉実行モード時に単に役物装置150へ遊技球を入賞させるといった遊技だけでなく、その入賞タイミング(V入賞の発生タイミング)等へ関心を寄せさせ、遊技者の遊技への積極参加をより一層促すことが可能となる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、振分部材300,310の動作開始タイミングを以下のように変更する。すなわち、振分部材300,310の動作開始タイミングを、作動口38,39への入賞タイミングに変更する。
本実施形態では、作動口38,39への入賞に基づいて振分部材300,310の動作が開始され、その動作パターンが一律に設定されている。具体的には、第1振分部材300は、第1作動口38への入賞が発生したタイミングから第1期間(本実施形態では1.5sec)が経過したタイミングで非振分状態から振分状態に変位し、そのタイミングから第2期間(本実施形態では1.5sec)が経過すると振分状態から非振分状態に戻る。また、第2振分部材310は、第1作動口38への入賞が発生したタイミングから第3期間(本実施形態では3.3sec)が経過したタイミングで非振分状態から振分状態に変位し、そのタイミングから第4期間(本実施形態では0.1sec)が経過すると振分状態から非振分状態に戻る。第2作動口39の場合には、上記第1作動口38への入賞時の動作パターンと途中までは同様の動作パターンであり、具体的には、第1期間と第2期間(第3期間と第4期間)の経過までの動作パターンは同様であり、その後(第2期間又は第4期間の経過後)は、再び第1期間と第2期間(第3期間と第4期間)の動作パターンが繰り返される。このようにすることで、上記各実施形態のように開閉役物168の開閉タイミングを決定してから振分部材300,310の動作パターンを決定する構成と比較すると、制御の簡素化が図られる。
一方、このように作動口38,39への入賞タイミングから振分部材300,310の動作パターンを一律に設定する構成とすると、例えば、作動口38,39への入賞タイミングから第2振分部材310によるV入賞側への振分を狙い撃つ、所謂止め打ち行為が行われることが懸念される。そこで、本実施形態では、上記のように作動口38,39への入賞から振分部材300,310の動作パターンを一律に設定しつつも、上記第1の実施形態において説明したように、開閉役物168の開放開始タイミングをランダムとする構成を残すことで、そのような止め打ち行為が行われることを抑制している。また、このように開放開始タイミングのランダム化を図りつつも、開放開始タイミングを調節することで、V入賞率を遊技機側で意図的に変化させることも可能となっている。以下、そのための構成を詳細に説明する。
図42は、本実施形態における開閉タイミング設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、開閉タイミング設定処理は、通常処理の遊技制御処理(図16)において制御開始処理(ステップS506、図17)のステップS802に実行される処理であり、通常遊技状態中に作動口38,39への入賞が発生した場合において、開閉役物168の開閉タイミングを設定するための処理である。
本実施形態では、先ずステップS1601にて、ROM113の開放タイミングテーブル記憶エリア113cから開放タイミングテーブルを取得する処理を実行する。本実施形態における開放タイミングテーブルとしては、図43に示すように、第1開放タイミングテーブルと、第2開放タイミングテーブルとが設定されている。
第1開放タイミングテーブルは、図43(a)に示すように、上記各実施形態における開放タイミングテーブル(図11(c))と同様に、本処理の起動タイミングから開閉役物168の開放までの開放待機時間が、開放種別カウンタCSに応じてランダム(0.5sec〜2.4sec)に設定されている。一方、第2開放タイミングテーブルは、図43(b)に示すように、開閉役物168が開放状態となっている状況での第1振分部材300(外れ振分)や第2振分部材310(V振分)との動作との関係に応じて、開放待機時間が設定される。そして、第2開放タイミングテーブルのほうが、第1開放タイミングテーブルよりもV入賞が発生し易くなっている。第2開放タイミングテーブルについて詳細には、後に説明するが、第1開放タイミングテーブルと同様に、開放種別カウンタCSに応じて開放待機時間が異なるように設定されている。
いずれの開放タイミングテーブルが選択されるかは、例えば本処理の起動時(作動口38,39への入賞の発生時)の遊技状態によって異なる構成とする。具体的には、所定の開閉実行モード(例えば、16R継続モードの開閉実行モード)の終了後において予め定められた終了条件が成立するまでの間は、第2開放タイミングテーブルが選択され又は選択され易くなり、当該終了条件が成立した後は、第1開放タイミングが選択され又は選択され易くなっている。終了条件としては、例えば、作動口38,39への入賞や開閉役物168の開放回数(動作回数)が予め定められた所定回数(例えば10回)に達した場合に成立する構成や、所定の開閉実行モード(例えば継続変動モードとなる開閉実行モード)に移行することで成立する構成等が考えられる。
ステップS1601にていずれかの開放タイミングテーブルが選択された後は、ステップS1602にて開放種別カウンタCSを取得して、ステップS1603にて、対応する開放タイミング(開放待機時間)を設定する処理を行ってから、本開閉タイミング設定処理を終了する。
ステップS1601にて選択される各開放タイミングテーブルの詳細について、図43に加えて、図44のタイミングチャートを参照しながら説明する。
先ず、振分部材300,310の動作パターンと、開閉役物168の開放待機時間と、の関係について、図44を参照しながら説明する。
例えば、t1のタイミングで第1作動口38への入賞が発生すると、第1振分部材300については、当該入賞が発生したt1のタイミングから第1期間の経過後(1.5sec後)であるt3のタイミングで非振分状態から振分状態に変位し、その後の第2期間の経過後(1.5sec後)であるt6のタイミングで振分状態から非振分状態に変位する。また、第2振分部材310については、入賞が発生したt1のタイミングから第3期間の経過後(3.3sec後)であるt7のタイミングで非振分状態から振分状態に変位し、その後の第4期間の経過後(0.1sec後)であるt8のタイミングで振分状態から非振分状態に変位する。
第1作動口38への入賞に基づいて開放待機時間が定められ、例えばその開放待機時間が、第1振分部材300の変位タイミングまでの第1期間よりも短い第1待機時間(例えば0.5sec)に設定されると、入賞から当該第1待機時間の経過後であるt2のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位して、その後、予め定められた期間(2.0sec、ステップS902参照)に亘ってその開放状態が維持されて、t5のタイミングで閉鎖状態に変位する。この場合、開閉役物168が開放状態となっている期間において、第1振分部材300が振分状態となっている期間(外れ振分期間)が重なり、その期間の長さは1.0secとなる。また、第2振分部材310が振分状態となっている期間(V振分期間)とは重なりが生じない。
一方、第1作動口38への入賞に基づいて定められた開放待機時間が、第1振分部材300の変位タイミングまでの第1期間よりも長い第2待機時間(例えば、2.4sec)に設定されると、入賞から当該第2待機時間の経過後であるt4のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位して、その後、予め定められた期間(2.0sec)に亘ってその開放状態が維持されて、t10のタイミングで閉鎖状態に変位する。この場合、開閉役物168が開放状態となっている期間において、第1振分部材300との外れ振分期間は重なるものの、上記第1待機時間が設定された場合よりも短くなり、その期間の長さは0.6secとなる。また、第2振分部材310とのV振分期間は重なりが生じ、その期間の長さは0.1secとなる。
第2作動口39への入賞が発生した場合についての各振分部材300,310の動作パターンについては、上記第1作動口38への入賞が発生した場合の繰り返しとなるため、詳細な説明は省略するが、第1振分部材300については、t6のタイミングで非振分状態に変位してから第1期間の経過後であるt11のタイミングで振分状態に変位する。そして、当該t11のタイミングから第2期間の経過後であるt14のタイミングで再び非振分状態に変位する。第2振分部材310については、t8のタイミングで非振分状態に変位してから第3期間の経過後であるt15のタイミングで振分状態に変位する。そして、当該t15のタイミングから第4期間の経過後であるt16のタイミングで非振分状態に変位する。
第2作動口39への入賞に基づいて開放待機時間が定められ、例えばその開放待機時間が、第1待機時間である場合には、1回目の開放についての外れ振分期間やV振分期間については、上記第1作動口38への入賞時と同様である。1回目の開放が終了するt5のタイミングで、1回目の開放と2回目の開放との間の待機時間が設定され、この時間は予め定められた期間(1.0sec、ステップS909参照)となっている。そして、その待機時間の経過するt9のタイミングで2回目の開放状態となり、その開放状態は予め定められた期間(2.0sec、ステップS902参照)に亘って維持される。そして、その期間の経過するt13のタイミングで、閉鎖状態に変位する。このように、第1待機時間として0.5secが設定された場合は、2回目の開放時における外れ振分期間は1.1secとなり、1回目の場合よりも長くなる。また、2回目の開放時においても、V振分期間とは重なりが生じない。
第2作動口への入賞に基づいて定められた開放待機時間が、第2待機時間である場合には、1回目の開放についての外れ振分期間やV振分期間については、上記第1作動口38への入賞時と同様である。1回目の開放が終了するt10のタイミングで、各開放間の待機時間が設定され(1.0sec、ステップS909参照)、その期間が経過するt12のタイミングで開放状態に変位する。そして、この開放状態が維持される期間(2.0secステップS902参照)が経過するt17のタイミングで、閉鎖状態に変位する。このように、第2待機時間として2.4secが設定された場合は、2回目の開放時における外れ振分期間は0.6secとなり、1回目と同じ長さとなる。また、2回目の開放時においても、V振分期間との重複が発生し、その期間の長さは0.1secで1回目の場合と同じである。
このように、設定される開放待機時間によって、外れ振分期間及びV振分期間の長さが異なり得る。そして、本実施形態では、第2開放タイミングテーブルにおいて、この外れ振分期間又はV振分期間との重複関係を利用して、V入賞率を変化させる構成としている。
すなわち、開放待機時間が0.5sec(第1タイミング)から1.0sec(第2タイミング)にかけて設定されると、外れ振分期間と重複する期間は徐々に長くなる(1.0sec→1.5sec)。そのため、役物装置150に入賞した遊技球が外れ側に振り分けられる確率は、開放待機時間が0.5secに設定されるよりも1.0secに設定されるほうが高くなる。換言すると、V入賞率が低くなる。そこで、第2開放タイミングテーブルでは、図43(b)に示すように、開放待機時間が0.5secに設定される確率よりも1.0secに設定される確率のほうが低くなるように開放種別カウンタCSの値が割り振られている。
また、開放待機時間が1.0sec(第2タイミング)から1.3sec(第3タイミング)までに設定されると、外れ振分期間との重複する期間の長さは変わらない(最も長い1.5secのままである)し、V振分期間との重複も発生しない。そのため、これらの開放待機時間に設定される確率は他の時間に設定される確率よりも低くなるように開放種別カウンタCSの値が割り振られている。
開放待機時間が1.3sec(第3タイミング)よりも後である1.4sec(第4タイミング)以降に設定されると、V振分期間との重複が発生する。そのため、外れ振分期間との重複する期間の長さは上記最も長い重複が発生する場合の長さと変わらないものの、V振分期間との重複が発生する期間として、開放待機時間が1.4sec(第4タイミング)から1.5sec(第5タイミング)では、上記1.0sec〜1.3sec(第2タイミング〜第3タイミング)に設定される確率よりも高くなるように開放種別カウンタCSの値が割り振られている。
開放待機時間が1.4sec(第4タイミング)よりも後である1.5sec(第5タイミング)から2.4sec(第6タイミング)にかけて設定されると、外れ振分期間と重複する期間は徐々に短くなる(1.5sec→0.6sec)。また、この期間で設定されると、V振分期間との重複はいずれも発生し、その長さは0.1secで変わらない。そのため、役物装置150に入賞した遊技球が外れ側に振り分けられる確率は、開放待機時間が1.5secに設定されるよりも2.4secに設定されるほうが低くなる。換言すると、V入賞率が高くなる。そこで、第2開放タイミングテーブルでは、開放待機時間が1.5secに設定される確率よりも2.4secに設定される確率のほうが高くなるように開放種別カウンタCSの値が割り振られている。
以上のように、本実施形態では、各振分部材300,310の動作を、作動口38,39への入賞が発生したタイミングから一定の動作としたうえで、作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの開放待機時間を変更する構成としたため、役物装置150内でのV入賞の確率を変化させることが可能となる。
本実施形態では、V入賞の確率を変化させるうえで、開閉役物168が開放状態となってからの動作パターンは一律のパターンとした。すなわち、上記のようにV入賞確率を変化させているものの、開閉役物168の開閉パターンについては、大きな変更を要さず、開放前の待機時間(開放待機時間)を変更するだけでよい構成となっている。このようにすることで、簡素な構成で、V入賞率を異ならせることが可能となる。
なお、開放タイミングテーブルについて、第1開放タイミングテーブルと第2開放タイミングテーブルとを設けたが、これら以外にテーブルを設けてもよいし、第2開放タイミングテーブルのみであってもよい。また、第2開放タイミングテーブルにおいて、V入賞率が高くなる開放待機時間が選択され易い構成としたが、V入賞率が低くなる開放待機時間が選択され易い構成としてもよい。
いずれの開放タイミングテーブルを選択するかを、抽選等によって決定する構成としてもよい。この場合、遊技状態に応じて、その抽選に当選する確率(第2開放タイミングテーブルが選択される確率)が変化する構成とするとよい。
作動口38,39への入賞に基づく保留情報の消化時の遊技状態に応じて選択される開放タイミングテーブルが異なる構成としたが、保留情報の取得時の遊技状態に応じて選択される開放タイミングテーブルが異なる構成としてもよい。例えば、開閉実行モード中に取得された保留情報については、第2開放タイミングテーブルが選択される又は選択され易い構成とすると、開閉実行モード中に保留情報が取得されることによるメリットとして、保留内連荘を誘発させることが可能となり、興趣向上を図ることができる。特に、例えば開閉実行モード中において役物装置150への入賞がなかなか発生しないと、遊技者としてはせっかくの開閉実行モードであるのに賞球が得られにくいといった不満を感じ易くなる。これに対して、上記のように開閉実行モード中に取得された保留情報を有利に扱う構成とすれば、開閉実行モード中に役物装置150への入賞が発生しにくくても、そのこぼれ球が作動口38,39へ入賞することを期待し、その結果、上記不満を和らげるだけでなく、開閉実行モード自体が連荘し易くなる、といった新たな遊技性を実現することが可能となる。
また、保留情報の数が所定数(例えば2個)以上の場合に取得された保留情報については、第2開放タイミングテーブルが選択される又は選択され易い(有利に扱う)構成とすると、保留情報を多く取得させるメリットを生じさせることができる。そもそも、作動口38,39への入賞が発生し易い台ほど役物装置150への入賞は発生し易いものであり、その結果、開閉実行モードも発生し易くなる。それをさらに、上記構成のように保留情報が貯まり易い台ほど有利な構成とすれば、作動口38,39への入賞が発生し易い台ほど更に開閉実行モードが発生し易い台とすることができ、出球の増減の幅を大きくすることができ、興趣向上を図ることが可能となる。また、例えば、役物装置150の動作を長く設定したり、保留情報の消化時の遊技回(変動表示時間)の長さを長く設定する等、一の作動口38,39への入賞(保留情報の消化)から役物装置150の動作の終了までの期間を長く設定するほど、保留情報は貯まり易くなる。このような構成においては、その役物装置150の動作の終了まで遊技球の発射を停止する所謂止め打ち行為が行われ易くなる可能性がある。そこで、そのような構成に、上記のように保留情報が貯まり易い台ほど有利となる構成を適用すれば、保留情報を貯める意義を生じさせることができ、上記の止め打ち行為を抑止することが可能となる。
また逆に、保留情報の数が所定数(例えば2個)未満の場合に取得された保留情報については、第2開放タイミングテーブルが選択される又は選択され易い(有利に扱う)構成としてもよい。このようにすれば、作動口38,39への入賞がなかなか発生しなくても、それを救済することが可能となる。但し、このような構成とすると、保留情報を貯めにくくするように遊技球の発射と停止を繰り返す行為が行われ易くなる可能性がある。そこで、上記構成を採用する場合、例えば、遊技球の発射が所定期間以上継続している場合であって、且つ保留情報の数が所定数未満の場合には有利に扱う構成とするとよい。
さらに、遊技者の救済(なかなかV入賞が発生しないことの救済)という観点からすると、遊技状態として、一の開閉実行モードが終了してからの作動口38,39への入賞数(遊技回数)によって、第2開放タイミングテーブルの選択され易さが変化する構成、具体的には、一の開閉実行モードが終了してからの作動口38,39への入賞数(遊技回数)が所定数以上となれば第2開放タイミングテーブルが選択される又は選択され易くなる構成としてもよい。このようにすれば、開閉実行モードの発生がなかなか発生しない、所謂はまり台を救済することが可能となり、このようなはまり台であっても遊技を継続させる意義を生じさせることができる。
なお、遊技者の救済という観点からすると、上記のように一の開閉実行モードが終了してからの作動口38,39への入賞数(遊技回数)によって、保留情報消化時の有利度を変化させる構成だけでなく、例えば、単位時間当たりの開閉実行モードの発生率によって有利度を変化させる構成としてもよいし、前回の開閉実行モードの種類によって有利度を変化させる(例えば16R継続モードよりも不利な継続変動モードであった場合に有利度を高める)構成としてもよいし、今回の保留情報よりも前(例えば前回の保留情報)の消化時におけるV入賞の発生の有無又は役物装置150への入賞の有無によって有利度を変化させる構成としてもよい。
また、保留情報消化時に有利度を変化させる(V入賞率を変化させる)構成としては、本実施形態のように開閉待機時間を変化させる構成としてもよいし、上記第2の実施形態のように特別開放結果が選択され易く/選択されにくくすることで有利度を変化させる構成としてもよい。
<第9の実施形態>
本実施形態では、上記第8の実施形態と同様に各振分部材300,310の動作パターンを保留情報の消化タイミングから一定とする一方で、保留情報の消化時にメイン表示部43における図柄の変動表示を実行し、その変動表示の終了後に開閉役物168の開放を開始する構成とする。以下、そのための構成について説明する。
図45は、本実施形態における遊技制御処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、遊技制御処理は、定期的に起動される通常処理(図15)のステップS403にて実行される処理である。
本実施形態では、先ずステップS1701にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、そのまま本遊技制御処理を終了する。開閉実行モード中ではない場合には、ステップS1702にて役物制御状態中か否かを判定する。役物制御状態中ではない場合には、ステップS1703に進む。なお、ステップS1701及びステップS1702の処理は、上記ステップS501及びステップS502の処理と同様である。
ステップS1703では、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。ここで、本実施形態では、保留情報が当否判定の対象となることに基づいてメイン表示部43にて図柄の変動表示を開始し、当該保留情報の当否判定の結果に対応する停止結果として当該変動表示を終了させることを1遊技回として、各保留情報について順次遊技回の変動表示を実行する構成とする。そして、ステップS1703では、後述する変動表示時間の設定処理(ステップS1706)にて設定される変動表示時間に対応するカウンタが所定値(例えば「0」)となっていない場合に、1遊技回の実行中であると判定する。なお、1遊技回の実行の開始に際して、各種フラグ格納エリア114eに対応するフラグを格納し、1遊技回の終了に際して当該フラグを消去する構成とし、ステップS1703では当該フラグの有無を確認することで1遊技回の実行中であるか否かを判定する構成としてもよい。
1遊技回の実行中である場合には、そのまま本遊技制御処理を終了する。すなわち、本実施形態では、開閉実行モード中である場合及び役物制御状態中である場合の他、1遊技回中である場合も、役物制御用の処理が実行されない。
1遊技回の実行中ではない場合には、ステップS1704に進み、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合には、そのまま本遊技制御処理を終了する。この処理は、上記ステップS503の処理と同様である。
ステップS1704にて共通保留数CRNが「0」ではなく、当否判定の対象となっていない(未消化の)保留情報が存在する場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では、データ設定処理を実行する。この処理は、上記ステップS504の処理と同様であり、未消化の保留情報についての各種カウンタC1,C2,CS等の値を順次当否判定の対象とするための処理を実行する。
続くステップS1706では、変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理では、現状の共通保留数CRNの値と、今回の保留情報についての開放種別カウンタCSの値と、を取得するとともに、それらの値を、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dに記憶されている変動表示時間テーブルに照らし合わせることで、今回の遊技回の変動表示時間を特定し、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた変動表示時間用のカウンタに当該特定した変動表示時間の情報を入力する処理を実行する。
本実施形態における変動表示時間テーブルでは、図46(a)に示すように、各遊技回の変動表示時間が共通保留数CRNの値に応じて異なるように設定されており、共通保留数CRNの値が多くなるほど、すなわち、記憶されている保留情報の数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。共通保留数CRNの値が同じ場合において、いずれの変動表示時間が設定されるかは、開放種別カウンタCSの値に応じて0.1sec刻みでランダムに設定されるようになっている。例えば、共通保留数CRNが「0」である場合には、開放種別カウンタCSの値に応じて1.0sec〜2.4secの変動表示時間のうちのいずれかが選択され、その平均値は1.7secである。共通保留数CRNが「1」である場合には、開放種別カウンタCSの値に応じて0.7sec〜1.5secの変動表示時間のうちのいずれかが選択され、その平均値は1.1secである。共通保留数CRNが「2」である場合には、開放種別カウンタCSの値に応じて0.5sec〜1.3secの変動表示時間のうちのいずれかが選択され、その平均値は0.9secである。そして、共通保留数CRNが「3」以上である場合には、開放種別カウンタCSの値に応じて0.1sec〜0.5secの変動表示時間のうちのいずれかが選択され、その平均値は0.3secである。
ここで、本実施形態では、各振分部材300,310の動作パターンが、所定事象の発生としての保留情報の消化タイミングからの期間が短いほどV入賞率が高くなるように設定されている。具体的には、各振分部材300,310のうち、第2振分部材310の動作パターンとして、保留情報の消化タイミングから第3期間として0.3secで非振分状態から振分状態に変位し、第4期間として1.0secに亘ってその状態が維持される。その後、次の保留情報の消化タイミングまで非振分状態が維持される。なお、この動作パターンの設定は、既に説明した制御開始処理(図19)における振分設定処理(ステップS804の第2振分設定処理)や、振分用処理(図21)において設定される。また、第1振分部材300の動作パターンについては、上記各実施形態と同様であるため説明を省略する。
ステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて当否判定処理(ステップS505と同様)を実行し、ステップS1708にて制御開始処理(ステップS506と同様)を実行してから、遊技制御処理を終了する。ステップS1702にて役物制御状態中であると判定した場合には、ステップS1709にて制御中処理(ステップS507と同様)を実行し、ステップS1710にて振分用処理(ステップS508と同様)を実行し、ステップS1711にて入賞処理(ステップS509と同様)を実行してから、遊技制御処理を終了する。
本実施形態における、遊技回の変動表示時間の長さと、V振分との関係を、図46(b)を参照しながら説明する。なお、図46(b)においては、各共通保留数CRNに応じて選択され得る変動表示時間の平均値を、例として示している。
t1のタイミングで保留情報が消化されると、上記のように第3期間である0.3sec後であるt2のタイミングで第2振分部材310は非振分状態から振分状態に変位する。そして、第4期間である1.0secに亘ってその振分状態が維持され、t5のタイミングで非振分状態に戻る。
共通保留数CRNが「0」である場合の変動表示時間として、例えば1.7secが選択されると、t1のタイミングから1.7sec後であるt6のタイミングまでメイン表示部43の変動表示が行われ(遊技回が実行され)、同t6のタイミングで停止結果として遊技結果が表示される。例えば、遊技結果が(1回の)開放結果である場合には、t6のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位し、1.0secに亘って開放状態が維持されて、t9のタイミングで閉鎖状態に変位する。換言すると、開閉役物168は、所定事象として、t1のタイミングで保留情報の消化が行われてから、t6のタイミングまでの1.7secに亘る開放待機期間が設定されて、開放状態に変位する。この場合、第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複が発生しないため、第2振分部材310によるV振分は行われない。
共通保留数CRNが「1」である場合の変動表示時間として、例えば1.1secが選択されると、t1のタイミングから1.1sec後であるt4のタイミングまでメイン表示部43の変動表示が行われ(遊技回が実行され)、同t4のタイミングで停止結果として遊技結果が表示される。例えば、遊技結果が(1回の)開放結果である場合には、t4のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位し、1.0secに亘って開放状態が維持されて、t8のタイミングで閉鎖状態に変位する。換言すると、開閉役物168は、所定事象として、t1のタイミングで保留情報の消化が行われてから、t4のタイミングまでの1.1secに亘る開放待機期間が設定されて、開放状態に変位する。この場合、第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複が、t4のタイミングからt5のタイミングまでの期間(0.2sec)で発生するため、そのタイミングで役物装置150へ入賞すれば、第2振分部材310によるV振分は行われる。換言すると、そのタイミング以外(第2振分部材310が振分状態となっている期間と重複しないタイミング)で役物装置150へ入賞しても、第2振分部材310によるV振分は行われない。
共通保留数CRNが「2」である場合の変動表示時間として、例えば0.9secが選択されると、t1のタイミングから0.9sec後であるt3のタイミングまでメイン表示部43の変動表示が行われ(遊技回が実行され)、同t3のタイミングで停止結果として遊技結果が表示される。例えば、遊技結果が(1回の)開放結果である場合には、t3のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位し、1.0secに亘って開放状態が維持されて、t7のタイミングで閉鎖状態に変位する。換言すると、開閉役物168は、所定事象として、t1のタイミングで保留情報の消化が行われてから、t3のタイミングまでの0.9secに亘る開放待機期間が設定されて、開放状態に変位する。この場合、第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複が、t3のタイミングからt5のタイミングまでの期間(0.4sec)で発生するため、そのタイミングで役物装置150へ入賞すれば、第2振分部材310によるV振分は行われる。換言すると、そのタイミング以外(第2振分部材310が振分状態となっている期間と重複しないタイミング)で役物装置150へ入賞しても、第2振分部材310によるV振分は行われない。そして、この役物装置150へ入賞可能な期間と第2振分部材310が振分状態となっている期間とが重複する期間は、共通保留数CRNが「1」の場合よりも「2」の場合のほうが、長くなっている。すなわち、共通保留数CRNが「1」の場合よりも「2」の場合のほうが、V振分が行われる可能性が高くなる。
共通保留数CRNが「3」以上である場合の変動表示時間として、例えば0.3secが選択されると、t1のタイミングから0.3sec後であるt2のタイミングまでメイン表示部43の変動表示が行われ(遊技回が実行され)、同t2のタイミングで停止結果として遊技結果が表示される。例えば、遊技結果が(1回の)開放結果である場合には、t2のタイミングで開閉役物168は開放状態に変位し、1.0secに亘って開放状態が維持されて、t5のタイミングで閉鎖状態に変位する。換言すると、開閉役物168は、所定事象として、t1のタイミングで保留情報の消化が行われてから、t2のタイミングまでの0.3secに亘る開放待機期間が設定されて、開放状態に変位する。この場合、第2振分部材310が振分状態となっている期間との重複が、t2のタイミングからt5のタイミングまでの期間(1.0sec)で発生するため、そのタイミングで役物装置150へ入賞すれば、第2振分部材310によるV振分は行われる。そして、この役物装置150へ入賞可能な期間と第2振分部材310が振分状態となっている期間とが重複する期間は、共通保留数CRNが「1」や「2」の場合よりも「3」以上の場合のほうが、長くなっている。すなわち、共通保留数CRNが「1」や「2」の場合よりも「3」以上の場合のほうが、V振分が行われる可能性が高くなる。
以上のように、本実施形態では、共通保留数CRNの数が多くなるほど遊技回の変動表示時間が短くなり易い構成とし、変動表示時間が短くなるほどV入賞率が高まるように各振分部材300,310の動作パターンを設定したため、保留情報が多く記憶されている状況であるほどV入賞が発生する確率が高くなる。このような構成としたことで、例えば開閉実行モード中のように、保留情報が貯まりやすい状況において、その後(開閉実行モード後)にV入賞が発生して再び開閉実行モードに移行する、所謂連荘が発生し易い構成とすることが可能となる。また、保留情報が取得され易い遊技台ほど、V入賞が発生し易い(開閉実行モードへ移行し易い)遊技台となり、出球率の増減の幅が大きくなり、興趣向上を図ることが可能となる。
また、電動役物39aが開放状態となる頻度が高くなる高頻度サポートモードを有する構成の場合には、当該高頻度サポートモードに設定されることにより、第2作動口39への入賞が発生し易くなるため、共通保留数CRNが貯まり易くなる。つまり、開閉実行モードへ移行し易くなる。このようにすれば、各振分部材300,310の動作パターンを変更せずに、実質的に開閉実行モードへの移行率を変化させることが可能となり、遊技の多様化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、各遊技回の変動表示時間を変化させることで、V入賞率を異ならせる構成について説明したが、保留情報の消化タイミングから開閉役物168の開放タイミングまでの期間を変化させるための構成としては、上記第2,第3の実施形態のように開放待機時間を変化させる構成と意味合いは同等であり、いずれの構成であっても当該開閉役物168の開放タイミングまでの期間を変化させることによる効果は期待することができる。
<第10の実施形態>
本実施形態では、振分部材300,310の動作パターンとして、開閉実行モードの終了を所定事象の発生とし、当該開閉実行モードの終了後に各振分部材300,310が周期的に動作する構成とする。
具体的には、遊技状態移行処理(図23)における開閉実行モード終了時の移行処理(ステップS1214)において、各振分部材300,310を非振分状態にて維持する期間(第1期間及び第3期間)の設定(第1振分用カウンタ及び第2振分用カウンタに対応する数値情報を入力する処理)が行われる構成とする。そして、図47に示すように、本実施形態における通常処理では、当該通常処理の一処理として、振分用処理(図16におけるステップS508)を実行する。すなわち、ステップS1801〜ステップS1804にて上記ステップS401〜ステップS404の処理と同様の処理を実行し、ステップS1805にて振分用処理を実行する。ステップS1806〜ステップS1810の処理は、ステップS405〜ステップS409の処理と同様である。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態における遊技制御処理(ステップS1803)では、上記の振分用処理を通常処理にて行う関係上、ステップS507における制御中処理を実行した後は、ステップS509にて入賞処理を実行し、遊技制御処理を終了する構成とする。
本実施形態における振分用処理では、図48に示すように、ステップS1901にて開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中である場合には、そのまま本振分用処理を終了する。開閉実行モード中の振分部材300,310の動作の設定は、遊技状態移行処理(図23)にて実行するからである。ステップS1901にて開閉実行モード中ではないと判定した場合には、ステップS1902へ進む。ステップS1902では、ステップS1001と同様に、第1振分制御タイミングであるか否かを判定する。すなわち、第1振分用カウンタの数値情報を把握して、第1期間(第1振分部材300を非振分状態に維持する期間)又は第2期間(第1振分部材300を振分状態に維持する期間)の終了タイミングであるか否かを判定する。そして、ステップS1902にて肯定判定した場合には、ステップS1903にて、ステップS1002と同様に、第1振分部材300を非振分状態から振分状態に変位させる、又は振分状態から非振分状態に変位させるように、第1振分駆動部300aを駆動制御する。また、ステップS1903では、変位させた状態を維持する期間に対応する数値情報を、第1振分用カウンタに設定する処理を実行する。
ステップS1902にて否定判定した場合、又はステップS1903の処理を実行した後は、ステップS1904に進む。ステップS1904では、ステップS1003と同様に、第2振分制御タイミングであるか否かを判定する。すなわち、第2振分用カウンタの数値情報を把握して、第3期間(第2振分部材310を非振分状態に維持する期間)又は第4期間(第2振分部材310を振分状態に維持する期間)の終了タイミングであるか否かを判定する。そして、ステップS1904にて肯定判定した場合には、ステップS1905にて、ステップS1004と同様に、第2振分部材310を非振分状態から振分状態に変位させる、又は振分状態から非振分状態に変位させるように第2振分駆動部310aを駆動制御する。また、ステップS1905では、変位させた状態を維持する期間に対応する数値情報を、第2振分用カウンタに設定する処理を実行する。ステップS1904にて否定判定した場合、又はステップS1905の処理を実行した後は、本振分用処理を終了する。
次に、本実施形態における制御開始処理(ステップS506)について、図49を参照しながら説明する。既に説明したとおり、制御開始処理は、遊技制御処理(図16)において役物装置150の開閉役物168の開閉制御を開始する場合に起動される処理である。
先ずステップS2001では、開閉回数を把握する処理を実行する。この処理は、上記ステップS801の処理と同様の処理である。続くステップS2002では、第1振分部材300の振分状況を把握するための処理を実行する。具体的には、第1振分駆動部300aの駆動状態と、第1振分用カウンタの数値情報と、を把握することで、現状の第1振分部材300の状態が振分状態と非振分状態とのいずれであるかの情報と、その状態が継続する残り期間の情報と、を把握する処理を実行する。続くステップS2003では、第2振分部材310の振分状況を把握するための処理を実行する。具体的には、第2振分駆動部310aの駆動状態と、第2振分用カウンタの数値情報と、を把握することで、現状の第2振分部材310の状態が振分状態と非振分状態とのいずれであるかの情報と、その状態が継続する残り期間の情報と、を把握する処理を実行する。
続くステップS2004では、ステップS2001〜ステップS2003の処理結果に基づいて、開閉役物168の開閉タイミングを設定するための開閉タイミング設定処理を実行してから、本制御開始処理を終了する。
具体的に、ステップS2004の処理では、ステップS2001〜ステップS2003の処理結果に基づいて、第1振分部材300による外れ振分や第2振分部材310によるV振分が行われる確率が異なるように、開放待機時間を設定する。この開放待機時間が設定される様子について、図50を参照しながら説明する。図50では、例えば、t1のタイミングで開閉実行モードが終了した後、第1期間や第2期間が経過する度に周期的に第1振分部材300の駆動制御が行われ、また、第3期間や第4期間が経過する度に周期的に第2振分部材310の駆動制御が行われる構成について示している。
t2のタイミングで入賞が発生して、ステップS2001にて開放回数を1回と把握し、ステップS2002にて第1振分部材300が非振分状態であること及びその後に(t3のタイミングで)振分状態に変位することを把握し、ステップS2003にて第2振分部材310が非振分状態であること及びその後に(t6のタイミングで)振分状態に変位することを把握したとする。この場合、第1振分部材300による外れ振分が行われ易くなるように、且つ第2振分部材310によるV振分が行われにくくなるように、すなわち、V入賞率が低くなるように、開放待機時間として第1待機時間を設定する。具体的には、例えば、第1振分部材300が振分状態である期間中のt4のタイミングで開閉役物168が開放状態となるように設定するとともに、その状態がt6のタイミングまで維持されるように設定する。上記のように設定された場合、役物装置150への入賞が可能な期間(t4のタイミングからt6のタイミングまでの期間)と、t4のタイミングからt5のタイミングにおいて第1振分部材300による外れ振分が行われる期間と重複するとともに、第2振分部材310によるV振分が行われる期間とは重複しない。
一方、t8のタイミングで入賞が発生して、ステップS2001にて開放回数を1回と把握し、ステップS2002にて第1振分部材300が非振分状態であること、その後に(t9のタイミングで)振分状態に変位すること及び更にその後に(t10のタイミングで)非振分状態に変位することを把握し、ステップS2003にて第2振分部材310が非振分状態であること及びその後に(t11のタイミングで)振分状態に変位することを把握したとする。この場合、例えば、遊技状態(共通保留数CRNの数)や所定の抽選によって、上記t2のタイミングの場合とは異なり、第1振分部材300による外れ振分が行われにくくなるように、且つ第2振分部材310によるV振分が行われ易くなるように、すなわち、V入賞率が高くなるように、開放待機時間として第2待機時間を設定する。例えば、第1振分部材300が振分状態から非振分状態に変位した後の期間であるt11のタイミングで開閉役物168が開放状態となるように設定するとともに、その状態がt15のタイミングまで維持されるように設定する。上記のように設定された場合、役物装置150への入賞が可能な期間(t11のタイミングからt15のタイミングまでの期間)と、t14のタイミングからt15のタイミングにおいて第1振分部材300による外れ振分が行われる期間とが重複するものの、上記第1待機時間が設定された場合よりも当該外れ振分が行われる期間と重複する割合は少なくなる。また、役物装置150への入賞が可能な期間と、t12のタイミングからt13のタイミングにおいて第2振分部材310によるV振分が行われる期間とが重複し、上記第1待機時間が設定された場合よりもV振分が行われる期間と重複する割合は多くなる。すなわち、第1待機時間が設定された場合よりも第2待機時間が設定された場合のほうが、V入賞率が高くなる。
以上のように、周期的に各振分部材300,310が動作する構成においても、所定事象の発生として保留情報の消化タイミングからの開放待機時間を異ならせることで、V入賞率を異ならせることが可能となる。
上記構成において、把握した各振分部材300,310の動作状況に応じて開放待機時間を異ならせ、V入賞率が異なるように設定したが、V入賞率が同じ又は略同じとなるように開放待機時間を設定する構成としてもよい。具体的には、保留情報の消化時の各振分部材300,310の動作状況を把握して、役物装置150への入賞が可能となる期間と、外れ振分と重複する期間を予め定められた第1重複期間(第1特定期間)としたり、V振分と重複する期間を予め定められた第2重複期間(第2特定期間)とするように、開放待機時間を設定する構成としてもよい。このようにすることで、周期的に動作する振分部材300,310の動作状況に応じて遊技球を狙い撃ってV入賞率を高める行為を抑止することが可能となる。
また、上記構成において、各振分部材300,310の動作状況を把握した時点での遊技状態(例えば第4の実施形態のように記憶されている保留情報の数や、開閉実行モード後の遊技回の回数若しくは作動口38,39への入賞回数や、RTC等を用いた時間等)によって、V入賞率が異なるように開放待機時間を異ならせる構成としてもよい。
上記構成において、開放待機時間だけでなく、第2の実施形態のように、開放状態が維持される期間や開放回数を異ならせることで、V入賞率を異ならせる構成としてもよい。
<第11の実施形態>
本実施形態では、所定事象の発生時における回転体201の回転位置を把握して、その把握結果に基づいて開閉役物168の開閉パターンを設定する構成とする。以下、所定事象の発生として、例として通常遊技状態中の保留情報の消化時を所定事象として説明する。
図51は、本実施形態における開閉タイミング設定処理を示すフローチャートである。既に説明したとおり、開閉タイミング設定処理は、遊技制御処理(図16)において保留情報の消化時に制御開始処理(ステップS506)として行われる処理(図19のステップS802)である。
本実施形態では、先ずステップS2101〜ステップS2104にて、上記ステップS801〜ステップS804と同様の処理を実行し、開閉回数の把握、開閉タイミングの設定、各振分部材300,310の動作設定を行う。なお、本実施形態におけるステップS2102では、上記ステップS802と同様に開閉タイミングの設定を行うものの、後に説明する通り、その後に開閉タイミングが変更される可能性があるため、開閉タイミングの仮設定を行う処理ともいうことができる。
続くステップS2104では、現状の回転体201の位置を把握する処理を実行する。より詳しくは、回転位置検出センサ196からの検知信号に基づいて、回転体201のうちV入賞口案内部204の位置を把握する処理を実行する。そして、ステップS2105では、ステップS2102にて仮設定した開閉タイミングに基づいて、役物装置150へ遊技球が入賞可能な期間を把握するとともに、その期間において遊技球が入賞した場合に当該遊技球が導出部186まで到達するタイミングを把握し、それらの把握結果に基づいて、役物装置150へ入賞した遊技球が導出部186へ到達した場合の回転体201の位置を算出する処理を実行する。より詳しくは、役物装置150へ入賞した遊技球が導出部186に到達するのには約1.0secが要するものと想定されており(なお、この期間としては、役物装置150へ入賞した遊技球が各振分部材300,310へ振り分けられずに導出部186へ到達するルートでの期間について示しており、このルートを以下の説明では通常ルートともいう)、役物装置150への入賞が可能な期間、すなわち開閉役物168が開放状態となるように仮設定した期間から上記の1.0sec遅れたタイミングとなる期間において、回転体201におけるV入賞口案内部204がいずれの位置に配置されているかを、回転位置検出センサ196の検知信号から算出する。
続くステップS2107では、ステップS2106の処理結果に基づいて、通常ルートでV入賞が可能か否かを判定する処理を実行する。すなわち、役物装置150へ入賞した遊技球が通常ルートとして導出部186へ到達したとして、そのタイミングで回転体201のV入賞口案内部204が導出部186に到達した遊技球を受入可能な位置に配置されているか否かを判定する。ステップS2107にて否定判定した場合、すなわち、通常ルートでV入賞が可能ではない場合には、ステップS2108に進み、開閉タイミングの変更を行うか否かの変更抽選処理を実行する。かかる処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dから抽選用のカウンタを取得するとともに、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dから抽選用のテーブルを取得して、これらに基づいて開閉タイミングの変更抽選を実行する。ちなみに、この抽選の当選確率は、本実施形態では10%に設定されている。
ステップS2109では、ステップS2108の処理結果に基づいて、変更抽選に当選したか否かを判定する。変更抽選に当選していない場合には、そのまま本開閉タイミング設定処理を終了する。すなわち、この場合、ステップS2102にて仮設定された開閉タイミングがそのまま採用されて、開閉役物168の開閉制御が行われる。
ステップS2109にて変更抽選に当選したと判定した場合には、ステップS2110にて第1開閉タイミング変更処理を実行する。かかる処理では、通常ルートでV入賞が可能なように、開閉待機時間を変更する処理を実行する。より詳細には、ステップS2105にて把握した現時点での回転体201のV入賞口案内部204と、通常ルートで遊技球が導出部186へ到達するのに要する期間(約1.0sec)と、から、開閉役物168がどのタイミングで開放状態となっていれば通常ルートでV入賞が可能なタイミングで役物装置150へ入賞することが可能となるかを逆算して、当該逆算したタイミングで開閉役物168が開放状態となるように開閉待機時間を変更する。その後、本開閉タイミング設定処理を終了する。
ステップS2107にて通常ルートでV入賞が可能であると判定した場合は、ステップS2111に進む。ステップS2111では、ステップS2102にて仮設定したタイミングで開閉役物168を開放することで、第2振分部材310による振分(V振分)が行われる可能性があるか否かを判定する。具体的には、開閉役物168が開放状態となっている期間と、第2振分部材310が振分状態となっている期間と、が重複している場合には、第2振分部材310によるV振分が行われる可能性があると判定する。V振分が行われる可能性がないと判定した場合、すなわち、通常ルートでV入賞が発生する可能性があり、且つ第2振分部材310によるV振分が行われる可能性がない場合には、そのまま本開閉タイミング設定処理を終了する。この場合、ステップS2102にて仮設定された開閉タイミングがそのまま採用されて、開閉役物168の開閉制御が行われる。
ステップS2111にて第2振分部材310によるV振分が行われる可能性があると判定した場合、すなわち、通常ルート及びV振分のいずれでもV入賞の可能性があると判定した場合には、ステップS2112に進む。ステップS2112では、ステップS2102にて仮設定した開閉タイミング(開閉待機時間)を仮に変更する処理を実行する。より詳細には、例えば、ステップS2102にて仮設定した開閉タイミングから所定期間(0.5sec)遅くしたタイミングで開閉制御が開始されるように開閉タイミングを仮に変更する。続くステップS2113では、上記ステップS2112にて仮に変更した開閉タイミングにおける開閉パターンとした場合に、通常ルートでV入賞が可能であるか否かを判定する。ステップS2112にて通常ルートでV入賞が可能ではないと判定した場合、すなわち、ステップS2102にて仮設定した開閉タイミングでは通常ルートでもV振分でもV入賞の可能性があっても、ステップS2113にて仮に変更した開閉タイミングでは通常ルートではV入賞がなくなる場合には、そのまま開閉タイミング設定処理を終了する。この場合、ステップS2112にて仮に変更した開閉タイミングは採用せずに、ステップS2102にて仮設定された開閉タイミングがそのまま採用されて、開閉役物168の開閉制御が行われる。一方、ステップS2113にて、ステップS2112にて仮に変更した開閉タイミングであっても通常ルートでV入賞が可能であると判定した場合には、ステップS2114にて第2開閉タイミング変更処理を実行してから、本開閉タイミング設定処理を終了する。第2開閉タイミング変更処理では、上記ステップS2112にて仮に変更した開閉パターンを適用するように開閉待機時間の設定(すなわち、待機期間カウンタに対応する数値情報を入力し直す処理)を実行する。
開閉タイミングが変更される様子について、図52及び図53を参照しながら説明する。
図52(a)に示すように、t1のタイミングで保留情報が消化され、開閉役物168がt2のタイミングで開放状態に変位してt4のタイミングで閉鎖状態に変位するように、開閉タイミングの仮設定が行われたとする(ステップS2102の処理)。図52(a)では、第2振分部材310によるV振分が、t5のタイミングからt6のタイミングまで実行され、上記開閉役物168が開放状態である期間との重複が発生しない場合を示している。すなわち、この場合、第2振分部材310によるV振分の可能性がない。但し、役物装置150へ入賞した遊技球が導出部186へ到達するまでの間、回転体201が回転した結果、導出部186にて当該遊技球がV入賞口案内部204へ導出される可能性がある。すなわち、ステップS2107にて肯定判定し、且つステップS2111にて否定判定する場合である。この場合は、ステップS2102にて仮設定された開閉タイミングの変更を行わず、そのままの開閉タイミングで開閉役物168の開閉制御を実行する。
図51(b)では、上記図51(a)の場合と同様に第2振分部材310によるV振分の可能性はないものの、図51(a)の場合とは異なり通常ルートでのV入賞の可能性がある場合を示している。すなわち、ステップS2107にて否定判定する場合である。この場合、ステップS2108における変更抽選処理を経て、当該変更抽選に当選した場合には、ステップS2110にて第1開閉タイミング変更処理が行われる。
変更後の開閉パターンとして、パターン1では、開閉待機時間をt2のタイミングからt2.1のタイミングに変更する(遅らせる)。なお、t2.1のタイミングはV入賞との重複タイミング(5からt6のタイミング)よりも早いタイミングとなっている。そして、開閉役物168の開放状態が維持される期間を変更せずに、t4のタイミングよりも遅く、V振分との重複タイミングよりも遅い(t5からt6のタイミングよりも遅い)t4.1のタイミングで閉鎖状態に変位させる。これにより、開閉役物168が開放状態となる時間と、第2振分部材310によるV振分が行われ得る時間と、が重複する。
なお、変更後の開閉パターンとしては、上記の例に限定されず、以下のように変更する構成としてもよい。
変更後の開閉パターンとして、パターン2では、開閉待機時間をt2のタイミングから変更せずに、開閉役物168の開放状態が維持される期間を変更する(長くする)。そして、開閉役物168が開放状態に変位するタイミングはt2のままであるが、閉鎖状態に変位するタイミングはt4のタイミングよりも遅く、V振分との重複タイミングよりも遅い(t5からt6のタイミングよりも遅い)t4.2のタイミングで変位させる。
変更後の開閉パターンとして、パターン3では、開閉待機時間と、開閉役物168の開放状態が維持される時間と、のいずれもを変更する例を示している。すなわち、パターン3では、開閉待機時間をt2のタイミングよりも遅いt2.2のタイミングに変更するとともに、閉鎖状態に変位するタイミングをt4のタイミングよりも遅いt4.2のタイミングに変更する。なお、t2.2のタイミングはV入賞との重複タイミング(5からt6のタイミング)よりも早いタイミングとなっている。
変更後の開閉パターンとして、パターン4では、開閉回数を変更して、開閉役物168が開放状態となる時間と、第2振分部材310によるV振分が行われ得る時間と、が重複するように開閉パターンを変更する例を示している。この例では、1回の開放回数となる通常開放結果を、第2の実施形態で示した2回の開放回数となる特別開放結果に変更してV振分との重複が発生するようにする例を示しており、t2のタイミングで開放状態に変位した開閉役物168をt2.3のタイミングで一旦閉鎖状態とし、その後のt2.4のタイミングで再び開放状態に変位させる。t2.4のタイミングはV入賞との重複タイミング(5からt6のタイミング)よりも早いタイミングとなっている。そして、t4.2のタイミングで開閉役物168を閉鎖状態に変位させる。
変更後の開閉パターンとして、パターン5では、回転体201の位置関係から通常ルートでV入賞が可能となるように開閉パターンを変更する例を示している。より詳細には、現時点での回転体201のV入賞口案内部204の位置を把握するとともに、当該回転体201の回転速度から回転体201のV入賞口案内部204が導出部186に到達する期間を算出して、その算出結果と役物装置150へ入賞した遊技球が導出部186へ到達するのに要する時間とに基づいて、通常ルートでV入賞が可能となる開閉タイミングを逆算する。例えば、当該逆算した開閉タイミングとしてt2.5のタイミングに開放状態に変位させ、その後のt4.3のタイミングで閉鎖状態に変位させるように開閉タイミングを変更する。
なお、上記各変更パターンは一例にすぎず、他の開閉パターンに変更する構成としてもよい。要は、通常ルートでV入賞が発生しないと判断された場合に、V入賞の可能性が高まる開閉パターンに変更される構成であればよい。
図53では、通常ルート及び第2振分部材310によるV振分のいずれもでV入賞が発生する可能性がある場合、すなわち、ステップS2107にて肯定判定するとともに、ステップS2111にて肯定判定する場合を示している。例えば、t1のタイミングで保留情報が消化され、開閉役物168がt2のタイミングで開放状態に変位してt6のタイミングで閉鎖状態に変位するように、開閉タイミングの仮設定が行われたとする(ステップS2102の処理)。また、第2振分部材310によるV振分が、t3のタイミングからt4のタイミングまで実行され、上記開閉役物168が開放状態である期間との重複が発生する。さらに、回転体201のV入賞口案内部204についても、現状仮設定された開閉パターンで通常ルートでのV入賞が可能な位置に配置されている。
この場合、ステップS2112では、仮変更処理として、例えば開閉待機時間を所定時間(0.5sec)遅くしたt2.1のタイミングで開放状態に変位するように仮に変更する処理を実行する。この例においては、t2.1のタイミングはV振分が行われるタイミング(t3からt4のタイミング)よりも遅いタイミングとなり、仮変更後の開閉パターンではV振分によるV入賞の可能性はなくなる。また、開閉役物168はt2.1のタイミングで開放状態に変位した後、上記同様にt6のタイミングに閉鎖状態に変位する。すなわち、この例では、開放状態が維持される期間は短くなる。そして、ステップS2113にて、当該仮に変更した開閉パターンにおいて通常ルートでのV入賞が可能か否かを、回転体201のV入賞口案内部204の位置から判定する処理を行い、当該仮に変更した開閉パターンでも通常ルートでV入賞が可能であると判定した場合には、ステップS2114にて当該仮に変更した開閉パターンを今回の開閉パターンとして設定する第2開閉タイミング変更処理を実行する。その結果、通常ルートでのV入賞の可能性のみが残るように開閉タイミングが変更される。
以上のように、本実施形態では、所定事象としての保留情報の消化時における回転体201の位置との関係に基づいて、開閉役物168の開閉タイミングを設定する構成としたため、各振分部材300,310の動作パターンだけでなく、回転体201の動作パターンも加味してV入賞率を変化させることが可能となり、設定する開閉パターンの多様化を図ることができる。この場合、各振分部材300,310の動作パターンや、回転体201の動作パターンを変更せずに、開閉役物168の開閉パターンのみを変更しているため、遊技者に不公平感を与えにくくすることができ、遊技の公平性を担保することが可能となる。
回転体201の位置の把握結果に基づいて、通常ルートでV入賞が可能であるか否かを判定し、可能ではない場合に、開閉パターンの変更が行われ得る(第1開閉タイミング変更処理が実行され得る)構成とした。これにより、開閉パターンの変更を行うことでV入賞率を向上することが可能となり、遊技者に開閉実行モードへの期待を寄せさせることができる。
この第1開閉タイミング変更処理については、変更抽選処理を行い、当該変更抽選に当選した場合に、当該変更処理を行う構成としているところ、変更抽選については、例えば、当選確率が遊技状態等によって異なる構成としてもよい。具体的には、保留情報の記憶数や、開閉実行モード後において消化された遊技回の回数(保留情報の消化数)、開閉実行モード後における作動口38,39への入賞数、単位時間当たりのV入賞の発生率(開閉実行モードの発生率)、単位時間当たりの出球率(発射された遊技球の数と払い出された賞球の数の率)等によって、当選確率が異なる構成としてもよい。
仮設定した開閉パターンが、通常ルートでV入賞可能であっても、V振分は行われ得る開閉パターンである場合には、仮変更処理を行って、当該仮変更処理による仮変更後であっても通常ルートでV入賞が可能であれば、当該仮変更後の開閉パターンに変更する第2開閉タイミング変更処理を実行する構成とした。これにより、V入賞が発生する場合において、V振分によるものではなく通常ルートで発生する率を高めることができる。ここで、役物装置150へ遊技球が入球してから誘導通路183の球振分け部185に到達した後、ワープ通路250へ振り分けられると、ワープ通路250に振り分けられない場合(すなわち通常ルートを通過する場合)よりも当該遊技球の視認性が低下する。つまり、遊技球がワープ通路250へ振り分けられると、当該ワープ通路250へ振り分けられない場合よりも、遊技球の動作態様が遊技機前方から視認しにくくなる。また、ワープ通路250へ振り分けられた遊技球は、そのままV入賞するように導出されるものであり、一方、ワープ通路250へ振り分けられなかった遊技球は、その後に第1振分部材300による振分、及び回転体201による振分を経てV入賞する。そのため、当該遊技球の動作態様に注目させる、という観点からすると、ワープ通路250へ振り分けられるよりも、ワープ通路250に振り分けられないようにしたほうが、動作態様に注目させる効果を高めやすい。そこで、上記のように、通常ルートとV振分とのいずれでも可能である場合には、変更後においても通常ルートでV入賞が発生し得ることを条件として、開閉タイミングを変更する構成とすれば、通常ルート側でV入賞が発生する率を高めることができ、遊技球の動作態様への関心を高めることが可能となる。
上記構成において、仮変更後において、V振分が発生し得るか否か、すなわち、開閉役物168が開放状態である時間と、V振分が行われ得る時間と、が重複するか否かを判定する構成とし、通常ルートでV入賞が可能であって且つV振分が発生し得ないように開閉パターンを変更する構成としてもよい。このようにすれば、上記通常ルート側でV入賞が発生する効果をより確実に奏することができる。但しこの場合、処理負荷の極端な増加が懸念される。一方で、上記構成のように、仮変更後においてはV振分が発生するか否かに関わらず、通常ルート側のみを判定対象とすれば、処理負荷の増加を抑制しつつも、通常ルート側でV入賞が発生することによる効果を奏することができる。
なお、上記のように第2開閉タイミング変更処理が行われることによって、トータル的なV入賞率は低くなり得る。具体的には、通常ルート及びV振分いずれであってもV入賞が可能であった開閉パターンを、通常ルートのみでV入賞が可能となる開閉パターンに変更し得る構成としたため、V振分の分だけ、V入賞率が低くなり得る。そこで、例えば、このような第2開閉タイミング変更処理が行われた場合には、その分、特典を付与する構成とするとよい。具体的には、第2開閉タイミング変更処理が行われた状況で発生した開閉実行モードは16R継続モードが選択され易くなる構成であったり、第2開閉タイミング変更処理が行われた場合には、その後、第1開閉タイミング変更処理が行われる確率が高くなる(ステップS2108の変更抽選処理に当選する確率が高くなる)構成等が考えられる。これらのようにすることで、第2開閉タイミング変更処理が行われることによる効果を奏しつつも、それによりV入賞率の低下を好適に補てんすることができる。
上記実施形態では、各振分部材300,310の動作パターンが設定される所定事象の発生として保留情報が消化されることを例として説明したが、開閉実行モード中のラウンド遊技の開始を所定事象の発生としてもよい。この場合、例えば、各ラウンドで設定される開閉パターン(A〜C)を仮設定される開閉パターンとし、その仮設定された開閉パターンにおける通常ルートでのV入賞の発生の可能性を把握して、当該仮設定された計閉パターンを変更し得る構成としてもよい。
この場合、例えば、変更抽選処理では、開閉実行モードのラウンド数によって当選確率が異なる構成としてもよいし、一のラウンドにおける開閉回数(RC2)によって当選確率が異なる構成としてもよい。例えば、一のラウンドにおける開閉回数として、開閉回数が少ない場合には多い場合よりも当選確率が低くなるように設定すると、一のラウンドにおいて少ない開閉回数でV入賞が発生して、入賞上限個数に満たないのに当該ラウンドが終了してしまうといった事象の発生を抑制することができる。
また、第2開閉タイミング変更処理が行われることによるV入賞率の低下を補てんするための特典として、一のラウンド中に第2開閉タイミング変更処理が行われた回数によって、その後の変更抽選処理に当選する確率が高くなる構成としてもよい。すなわち、第2開閉タイミング変更処理が行われれば行われるほど、第1開閉タイミング変更処理も行われ易くなり、その第2開閉タイミング変更処理が行われた開閉時においてはV入賞率が低下したとしても、その後のV入賞率を高め、ラウンド継続率が低くならないようにしつつも(ラウンド継続率を高めつつも)、遊技球の動作態様へ関心を寄せさせることができる。
上記のように、第2開閉タイミング変更処理が行われた回数によってラウンド継続率を変化させる構成において、一のラウンド中の第2開閉タイミング変更処理が行われた回数によって当該一のラウンドにおける変更抽選処理の当選確率を高める構成とすると、一のラウンドにおける後側の開閉時にV入賞(ラウンド継続)が発生する確率を、先側の開閉時よりも高くすることができる。これにより、各ラウンドにおいて早々にラウンドが継続してしまってラウンド数が更新されてしまう不都合の発生を抑制するだけでなく、一のラウンドにおいて開閉回数が少ない段階では通常ルートのV入賞を期待させて遊技球の動作態様を楽しませ、開閉回数が多くなりラウンドの終了に近付くにつれてV振分が発生し易くなる、といった斬新な遊技を実現することができる。
また、第2開閉タイミング変更処理が行われた回数によってラウンド継続率を変化させる構成において、第2開閉タイミング変更処理が行われた回数を、次回以降のラウンドにおける変更抽選処理の当選確率に反映させる構成とすると、通常ルートでV入賞した(ラウンド継続した)場合のほうが、V振分によってV入賞した(ラウンド継続した)場合よりも、その後が有利に扱われることになり、遊技球の動作態様により一層関心を寄せさせることが可能となる。例えば、第2開閉タイミング変更処理が行われた回数が所定回数以上となったことに基づいて、その後のラウンドにおいて変更抽選処理の当選確率が高められる構成としてもよいし、その後のラウンドにおいて高継続率となる開閉パターンAが選択される確率が高くなる構成としてもよい。
また、第2開閉タイミング変更処理が行われた回数だけでなく、第2開閉タイミング変更処理が行われた後、V入賞(ラウンド継続)が発生した回数を、以降のラウンド継続率に反映させる構成としてもよい。
<第12の実施形態>
本実施形態では、主制御装置81のMPU112による各種処理の処理構成を、上記第1〜第11の実施形態と異ならせる。本実施形態では、上記各実施形態の通常処理における乱数初期値カウンタCINIの更新処理及び開放種別カウンタCSの更新処理以外の遊技進行用の各種処理(ステップS401〜ステップS406)を、タイマ割込み処理にて行う構成とする。そして、タイマ割込み処理として、上記遊技進行用の各種処理を加えたタイマ割込み処理と、それとは別途、回転体201の駆動制御に関するタイマ割込み処理を設ける。なお、以下の説明では、各タイマ割込み処理をそれぞれ、上記遊技進行用の各種処理を加えた側を第1タイマ割込み処理といい、回転体201の駆動制御に関する側を第2タイマ割込み処理という。
これら第1タイマ割込み処理及び第2タイマ割込み処理は、いずれも定期的に起動される処理である一方、それぞれの起動周期が異なっている。より具体的には、第1タイマ割込み処理は4msec周期(第1周期)で起動され、第2タイマ割込み処理は第1タイマ割込み処理の周期よりも短い周期であり、第1タイマ割込み処理の周期よりも半分未満の周期であり、第1タイマ割込み処理の周期の10分の1以下の周期である400μsec周期(0.4msec周期、第2周期)で起動される。第2タイマ割込み処理は、第1タイマ割込み処理に対して割込み可能な構成となっている。
先ず、本実施形態における通常処理について、図55のフローチャートを参照して説明する。
上記のとおり、本実施形態における通常処理では、遊技進行用の各種処理を第1タイマ割込み処理にて行う構成としたため非常に簡素なものとなっている。なお、本実施形態の通常処理の説明では、タイマ割込み処理の割込みに関する構成をより詳しく説明するため、停電時の割込みに関する構成についても説明する。
本実施形態では、先ずステップS2301にてRAM114に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板115において停電の発生が確認され当該停電監視基板115からMPU112のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、ステップS2302にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び開放種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
各カウンタの更新処理では、先ず、ステップS2303にてタイマ割込み処理(第1タイマ割込み処理及び第2タイマ割込み処理)の割込みを禁止する処理を行う。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにおける割込み許可フラグを確認し、当該割込み許可フラグが格納されていればそれを消去し、格納されていなければその状態を維持する処理を行う。MPU112は当該割込み許可フラグが格納されていることを確認することで、通常処理を実行中であっても第1タイマ割込み処理や第2タイマ割込み処理の割込みを許可することが可能となる。そして、ステップS2304にて乱数初期値カウンタCINIの更新処理を行う。続くステップS2305では、タイマ割込み処理の割込みを許可する処理を行う。具体的には、上記割込み許可フラグを格納する処理を行う。
続くステップS2306では、タイマ割込み処理を再度割込み禁止状態とする処理を行う。そして、ステップS2307にて開放種別カウンタCSの更新処理を行う。続くステップS2308では、タイマ割込み処理の割込みを許可する処理を行う。これらステップS2306及びステップS2308の処理は、ステップS2303及びステップS2305の処理と同様である。ステップS2308の処理を行った後は、ステップS2301に戻り、停電フラグが格納されているか否かの監視を行う。
このように、乱数初期値カウンタCINIの更新処理や開放種別カウンタCSの更新処理を行っている間を、タイマ割込み処理の割込みを禁止する構成とすることで、カウンタの更新中に処理が止まってしまう事象を回避することができる。
ステップS2301にて停電フラグが格納されていると判定した場合には、電源遮断が発生したことになるので、ステップS2309以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS2309では、タイマ割込み処理の割込みを禁止し、その後、ステップS2310にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS2311にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
このように、本実施形態では、通常処理において基本的には乱数の更新処理を繰り返し行う構成としたため、乱数の更新頻度を上記各実施形態よりも高めることができる。そして、乱数の更新用の処理を、遊技進行用の各種処理とは切り離して別途設ける構成としたことで、遊技の進行状況によって乱数が更新されないといった事象を好適に回避することができる。
なお、本実施形態においても乱数初期値カウンタCINIや開放種別カウンタCSの更新処理が行われるタイミングをランダムとするために、ステップS2302の判定タイミングをランダムにする(例えば3msec〜5msec)構成としてもよい。
また、通常処理において電源遮断が発生した場合の処理を行う構成とし、当該電源遮断時の処理を行う際にはタイマ割込み処理の割込みを禁止する構成としたため、電源遮断時の遊技の進行状況によって電源遮断時用の処理が行えないといった事象も回避することができる。つまり、本実施形態における通常処理は、常時継続して実施している必要がある乱数の更新処理と、非常時の処理と、を有する処理といえる。そして、この通常処理に遊技進行用の各種処理を含まないようにしたため、乱数の更新が遊技状況によって滞る事象も回避することが可能となる。
次に、タイマ割込み処理のうち、遊技進行用の各種処理が含まれる第1タイマ割込み処理について、図56のフローチャートを参照して説明する。
上記のとおり、第1タイマ割込み処理は、上記第1〜第11の実施形態におけるタイマ割込み処理及び通常処理の遊技進行用の各種処理に相当するものであり、図56におけるステップS2402〜ステップS2406が上記第1〜第11の実施形態におけるタイマ割込み処理(ステップS101〜ステップS105)に相当し、ステップS2407〜ステップS2412が上記第1〜第11の実施形態における通常処理(ステップS401〜ステップS406)に相当する。
まず、ステップS2401では、第2タイマ割込み処理の割込みを許可する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2割込み許可フラグを格納する。MPU112は当該第2割込み許可フラグが格納されていることを確認することで、第1タイマ割込み処理を実行中であっても第2タイマ割込み処理の割込みを許可することが可能となる。
ステップS2402では、各種センサ読み込み処理を実行する。続くステップS2403では乱数初期値カウンタCINIの更新処理を実行し、ステップS2404では大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、電動役物開放カウンタC4の更新処理を実行する。そして、ステップS2405にてスルー用の入賞処理を実行し、ステップS2406にて作動口用の入賞処理を実行する。これらステップS2402〜ステップS2406の処理は、上記ステップS101〜ステップS105の処理と同様の処理である。
続くステップS2407では、外部出力処理を実行し、続くステップS2408では、開放種別カウンタCSの更新処理を実行する。これらステップS2407及びステップS2408の処理は、上記ステップS401及びステップS402の処理と同様である。
続くステップS2409では遊技制御処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS403の処理と略同様である。上記各実施形態との相違点については、後に詳細に説明する。
続くステップS2410では遊技状態移行処理を実行し、ステップS2411では電役サポート処理を実行し、ステップS2312では遊技球発射制御処理を実行する。これらの処理は、上記ステップS404〜ステップS406の処理と同様である。
ステップS2413では、第2タイマ割込み処理の割込みを禁止する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eの第2割込み許可フラグを消去する。ステップS2413の処理を行った後は、第1タイマ割込み処理を終了する。
このように、第1タイマ割込み処理は、通常処理に対して割り込み可能である一方、第1タイマ割込み処理が行われている間は、第1タイマ割込み処理に対して第2タイマ割込み処理が割込み可能となっている。
また、本実施形態における第1タイマ割込み処理は、遊技進行用の各種処理が全て備わっている処理といえる。そのため、例えば、設計時に遊技の仕様や内容を変更する際には当該第1タイマ割込み処理の内容を変更すればよく、他の処理(通常処理や後述する第2タイマ割込み処理)の内容を大幅に変更する必要がない。また、遊技進行用の各種処理を一の周期処理に集約することで、上記第1〜第11の実施形態のように複数の周期処理によって遊技を進行させる構成と比較して処理構成がシンプルとなるといった利点もある。その一方で、このような遊技進行用の各種処理を一処理に集約する構成とすると、第1タイマ割込み処理の起動周期が長くなり易い、といった問題も生じ得る。起動周期が長くなると、上記のカウンタの更新処理や非常時の処理のように、不都合が生じ得る処理もある。また、常時動作すべき役物(例えば回転体201)用の駆動処理の起動周期が長くなってしまうと、スムーズな動作が実現できないといった不都合だけでなく、当該役物の動作の微調整を行うことができない、といった不都合も生じ得る。そこで本実施形態においては、上記通常処理においてカウンタの更新処理を行ったり、非常時の処理を行う構成としたほか、回転体201の駆動制御用の処理を当該第1タイマ割込み処理とは別途設けられた第2タイマ割込み処理によって行う構成とし、起動周期が長くなることによる弊害を回避している。
以下、本実施形態における第2タイマ割込み処理について、図57のフローチャートを参照して説明する。
ここで、回転体201は、予め定められたタイミング(本実施形態では電源投入時)から周期的な動作を行う役物である。より詳しくは、回転体201は、電源投入時から、常時、所定周期として約2.3secで1周(1回転)するように設定されている。そして、V入賞口案内部204が導出部186に対応する位置に配置される状態がV入賞が発生し易い第1状態(第1位置)であり、V入賞口案内部204が導出部186以外に対応する位置に配置される状態がV入賞が発生しにくい第2状態(第2位置)である(図8参照)。なお、本実施形態では、電源投入時に上記第1状態(初期位置)に配置されてから、その後、所定周期で常時回転用の駆動制御が行われる。また、既に説明したとおり、回転体201の回転位置は、回転位置検出センサ196により検知することが可能である。
先ずステップS2501では、第1タイマ割込み処理の割込みを禁止する処理を実行する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eの第1割込み許可フラグを確認し、当該第1割込み許可フラグが格納されていればそれを消去する処理を実行し、格納されていなければその状態を維持する。MPU112は当該第1割込み許可フラグが格納されていることを確認することで、第2タイマ割込み処理を実行中であっても第1タイマ割込み処理の割込みを許可することが可能となる。但し、以下に説明するように、第2タイマ割込み処理の実行中は第1割込み許可フラグを消去しているため、第1タイマ割込み処理が第2タイマ割込み処理に対して割り込むことはない。
続くステップS2502では、実行中の第1タイマ割込み処理の処理状態(いずれの処理を行っているか)をMPU112のレジスタに記憶する処理を行う。かかる処理を行うことで、MPU112では、第2タイマ割込み処理終了後に、割込んだ状況から第1タイマ割込み処理を開始させることが可能となる。
ステップS2503では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた役物用カウンタYKを1加算する処理を実行する。役物用カウンタYKは、回転体201を所定角度(0.5度)回転(単位動作)させるタイミングを把握するためのカウンタである。続くステップS2504では、回転体201の回転タイミングであるか否かを判定する。具体的には、上記役物用カウンタYKが「8」以上となっているか否かを判定する。上記のとおり、第2タイマ割込み処理は0.4msec周期で起動され、起動されるたびに役物用カウンタYKが1ずつ加算される。そのため、ステップS2504にて肯定判定する場合とは、前回回転体201を所定角度回転させてから0.4msec×8で3.2msec経過したか否かを判定する処理といえる。
ステップS2504にて肯定判定した場合、ステップS2505にて回転体201の駆動部を駆動制御して、所定角度(0.5度)回転させる。本実施形態では、回転体201の所定角度回転させる動作が720回行われることで、当該回転体201における1周分の動作(1セットの動作、周回動作)が行われるようになっている。すなわち、ステップS2505の処理が720回行われることで、回転体201は360度回転して1周する。
続くステップS2506では、役物用カウンタYKを0にクリアする処理を実行する。かかる処理にて、次の所定角度回転させる(単位動作させる)タイミングまでのカウントを行うことが可能となる。そして、ステップS2507にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたステップカウンタSKを1加算する処理を実行する。ステップカウンタSKは、回転体201の回転角度をMPU112が把握するためのカウンタである。すなわち、役物用カウンタYKが8カウントされる度にステップカウンタSKが1カウントされ、回転体201は0.5度回転する。そして、ステップカウンタSKが360であれば、回転体201は初期位置から180度回転した状態を示し、ステップカウンタSKが720であれば、初期位置から360度回転した状態(1周した状態)を示す。
続くステップS2508では、ステップカウンタSKが720であるか否かを判定する。すなわち、回転体201が1周したか否かを判定する。1周した場合には、ステップS2509にて回転位置検出センサ196の位置情報を把握する処理を実行し、ステップS2510にて、当該回転位置検出センサ196からの位置情報と、ステップカウンタSKの情報と、を照らし合わすことで、実際に回転体201が1周したか否かを判定する。回転位置検出センサ196からの位置情報とステップカウンタSKの情報とのずれが生じていない場合には、ステップS2511にて、ステップカウンタSKを0にクリアする処理を実行する。一方、ずれが生じている場合には、ステップS2512にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eにエラーフラグを格納する。
ステップS2404及びステップS2408のいずれかの処理で否定判定した場合、又はステップS2511及びステップS2511のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2513にて第1タイマ割込み処理の割込みを許可する処理を実行してから、第2タイマ割込み処理を終了する。ステップS2513では、第1割込み許可フラグを格納する処理を行う。
以上のように、第2タイマ割込み処理では、回転体201の回転制御用の処理のみを行い、他の遊技進行用の処理(例えば、入賞処理や当否判定処理等)は行わない。このようにすることで、第2タイマ割込み処理の一処理に要する期間の短縮化が図られている。
次に、本実施形態における遊技制御処理(ステップS2409)について、図58のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における遊技制御処理では、先ず、ステップS2601にて、上記エラーフラグが格納されているか否かを判定する。エラーフラグが格納されている場合には、ステップS2602にてエラー処理を実行してから、本遊技制御処理を終了する。エラー処理では、遊技の進行に合わせたエラー用の報知(すなわち回転体201の位置がずれている状態であることの報知)を、外部の制御装置(例えば演出制御装置82やホールコンピュータ等)に対して行うための処理を実行する。遊技の進行に合わせたエラー用の報知としては、例えば、遊技を行っていることを条件(例えば遊技球が発射されていること、前扉枠14が閉じていること、図柄表示装置51による変動表示が行われていること、等)として、回転体201の位置ずれ生じていることを、表示発光部63による発光制御やスピーカ部64によるエラー音の報知、ホールコンピュータに対するエラー情報の出力設定(ステップS2407の外部出力処理にて出力される情報の設定)する構成とするとよい。
ステップS2601にて否定判定した場合、すなわち、エラーフラグが格納されていない場合には、ステップS2603〜ステップS2611の処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS501〜ステップS509の処理と同様である。
第1タイマ割込み処理と第2タイマ割込み処理の起動周期と、回転体201の1ステップ分(0.5度分)の回転周期との関係を、図59を用いて再度説明する。
第1タイマ割込み処理は第1周期として4msec毎に起動されるように設定している。これに対して、第2タイマ割込み処理は第1周期よりも短い周期である0.4msec毎に起動されるように設定している。このようにすることで、回転体201の1ステップ分の回転周期を、第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短い周期(3.2msec)とすることが可能となり、回転体201の細かい調整を行うことができる。
すなわち、例えば、回転体201の回転速度を遅くしたり早くしたりする場合には、上記1ステップ分の回転周期を長くする/短くするようにすればよい。この場合であっても、第2タイマ割込み処理によって回転体201の駆動制御を行えば、第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短い範囲で回転体201の1ステップ分の回転周期を変更することが可能となる。
特に、回転体201は、その位置によってV入賞口案内部204側へ遊技球を誘導するか、外れ口案内部203へ遊技球を誘導するかが異なり、V入賞率を定めるうえで重要な要素となっている。そして、V入賞が発生すると開閉実行モードへ移行する遊技性であるため、V入賞率が異なると、開閉実行モードへの移行率が異なることになる。つまり、回転体201の回転速度を調節することで出球率を調節することが可能となる。ここで、出球率を変更する上で、釘46等の配置の変更を行おうとすると、微妙な出球率の調節が可能である一方で、遊技盤24全体の各役物の配置の変更を要し、設計変更に多大な労力が必要になる。これに対して、回転体201の回転速度の調節により出球率を変更可能であれば、制御上の変更によってのみ出球率の変更が可能であり、設計者にとって好ましい。しかし、仮に回転体201を第1タイマ割込み処理によって駆動制御する構成としてしまうと、4msec周期又はその倍数の周期によってのみ駆動制御を行うこととなり、微妙な回転速度の調節が困難と考えられる。また、1ステップ分の回転角度(0.5度)を変更することで、回転角度の調節を行うことも可能であるが、そのような調節は、ステッピングモータの微妙な調節が必要となり、これも設計変更上、多大な労力を要するといえる。
そこで、上記のように、回転体201用に設けられた短い周期で起動させる第2タイマ割込み処理を用いることで、制御上の変更のみで回転体201の回転速度の変更を可能とし、出球率の調節を容易に行うことができる。
ここで、例えば、第1タイマ割込み処理の起動周期を短くし、当該第1タイマ割込み処理側に回転体201の駆動制御用の処理を加える構成も考えられる。しかし、第1タイマ割込み処理は、遊技の進行のための処理が多数設定されており、1処理に要する期間が遊技状態によって異なり得るだけでなく、上記遊技の進行のための処理を行うための期間未満には第1タイマ割込み処理の起動周期を短くすることができない。そこで、上記のように別の周期処理とすれば、遊技の進行を好適に実施しつつも、回転体201の微妙な調節が可能となる。
第1タイマ割込み処理に対して第2タイマ割込み処理を割込み可能としたことにより、第1タイマ割込み処理よりも第2タイマ割込み処理を優先して行うことができ、第2タイマ割込み処理の起動周期を第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短くした効果を実質的に奏することができる。
第2タイマ割込み処理による第1タイマ割込み処理に対する割込みが発生した場合に、次の第1タイマ割込み処理を割込み発生時の処理から起動可能な構成とした。すなわち、第2タイマ割込み処理の起動時(ステップS2502)に、MPU112のレジスタに現状の第1タイマ割込み処理の処理状況を記憶する構成とした。このようにすることで、次回の第1タイマ割込み処理を途中から再開することが可能となる。仮に、再度第1タイマ割込み処理を一から(ステップS2401から)開始する構成としてしまうと、例えば、第1タイマ割込み処理において当否判定処理が行われ、大当たりが発生するとした後に、第2タイマ割込み処理の割込みが発生したとすると、遊技者にとって不利益が生じ得る。つまり、その後の当否判定処理の前に各種カウンタの更新処理が行われ、それにより、その後の当否判定処理においては大当たり当選とならない場合があるからである。
<第13の実施形態>
本実施形態では、第2タイマ割込み処理によって駆動制御される役物を、回転体201の他に別途設ける。具体的には、上記第1〜第11の実施形態において示した第1振分部材300を、第2タイマ割込み処理の駆動制御の対象とする。既に説明したとおり、第1振分部材300は、第1振分駆動部300a(電磁式ソレノイド)に接続されており、第1振分駆動部300aが駆動制御されることで、誘導通路183の床部の一部を構成する非振分状態と、当該第1振分部材300の後端を回転軸として下方に回転して外れ口182b側へ向けて下り傾斜となる振分状態と、に変位する。そして、非振分状態となると遊技球をV入賞口182a側に案内し、振分状態となると遊技球を外れ口182b側に案内する。
本実施形態では、第1振分部材300を、回転体201と同様に、電源投入時から所定周期で駆動制御される構成とする。また、以下の説明では、回転体201との関係で、回転体201を第1役物といい、第1振分部材300を第2役物という。
なお、本実施形態では、第1振分部材300の駆動制御を第2タイマ割込み処理にて行う構成とするため、第1タイマ割込み処理における遊技制御処理(ステップS2409)では、振分用処理(図21)のステップS1001やステップS1002は実行しない。また、それに伴い、制御開始処理(図19)における第1振分設定処理(ステップS803)の処理も行わない。
本実施形態における第2タイマ割込み処理を、図60のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2701では、第1タイマ割込み処理の割込みを禁止する処理を実行する。そして、ステップS2702にて、ステップS2502の処理と同様に、MPU112のレジスタに第1タイマ割込み処理の処理状況を記憶したうえで、ステップS2703に進む。
ステップS2703では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1役物用カウンタYK1を1加算する処理を実行する。第1役物用カウンタYK1は、上記第11の実施形態における役物用カウンタYKに対応するものであり、第1役物(回転体201)の動作タイミングを把握するためのカウンタである。また、ステップS2704では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第2役物用カウンタYK2を1加算する処理を実行する。第2役物用カウンタYK2は、上記第2役物(第1振分部材300)に対応するものであり、第2役物の動作タイミングを把握するためのカウンタである。
ステップS2703及びステップS2704のカウンタの更新処理を実行した後は、ステップS2705〜ステップS2712の第1役物用処理と、ステップS2713〜ステップS2722の第2役物用処理と、を実行するとともに、ステップS2723にてエラーフラグを格納する処理を実行する。第1役物用処理と第2役物用処理とは、上記ステップS2504〜ステップS2511の処理に対応するものであり、また、ステップS2723の処理はステップS2512の処理に対応するものである。
具体的には、ステップS2705では、第1役物用カウンタYK1が「8」以上であるか否かを判定する。「8」以上であり、第1役物の1ステップ分の動作タイミングである場合には、ステップS2706に進み、回転体201の駆動部を駆動制御して、1ステップ分(0.5度分)回転させる。続くステップS2707では、第1役物用カウンタYK1を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS2708にて第1ステップカウンタSK1を1加算する処理を行う。
ステップS2709では、第1ステップカウンタSK1が第1役物の1周分に相当する「720」となっているか否かを判定する。「720」であれば、ステップS2710にて第1役物位置把握処理を実行して、回転体201の位置ずれが生じていないかどうかを把握する。そして、続くステップS2711にて、ステップS2710の処理結果に基づいて、回転体201が実際に1周しているか否かを判定する。1周している場合には、ステップS2712にて第1ステップカウンタSK1を0にクリアする処理を実行する。
ステップS2705若しくはステップS2709にて否定判定した場合、又はステップS2712の処理を実行した後は、第2役物用処理に進む。
第2役物用処理では、ステップS2713にて、第2役物用カウンタYK2が「11」以上であるか否かを判定する。「11」以上である場合には、ステップS2714にて、第2役物用カウンタYK2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS2715にて第2ステップカウンタSK2を1加算する処理を行う。
ステップS2716では、第2ステップカウンタSK2が第2役物の第1の動作タイミングに相当する「240」となっているか否かを判定する。「240」であれば、ステップS2717にて第2役物用の駆動部をON制御する。すなわち、第1振分部材300の第1振分駆動部300aの駆動制御を開始して、第1振分部材300を振分状態から非振分状態に変位させる。
ステップS2716にて否定判定した場合、ステップS2718にて、第2ステップカウンタSK2が第2役物の第2の動作タイミングに相当する「480」となっているか否かを判定する。「480」であれば、ステップS2719にて第2役物用の駆動部をOFF制御する。すなわち、第1振分部材300の第1振分駆動部300aの駆動制御を終了して、第1振分部材300を非振分状態から振分状態に変位させる。そして、ステップS2720にて第2役物位置把握処理を実行して、第2役物の位置ずれが生じていないか否かを把握する。第2役物位置把握処理では、第1振分部材300が振分状態に配置されているか否かを判定する(非振分状態から振分状態に変位されている最中であればその状態で肯定判定する)。そして、ステップS2721にて、ステップS2720の処理結果に基づいて、第2役物が実際に1周(振分状態→非振分状態→振分状態)しているか否かを判定する。1周している場合には、ステップS2722にて第2ステップカウンタSK2を0にクリアする処理を実行する。
ステップS2711又はステップS2721にて位置ずれが生じていると判定した場合には、ステップS2723にてエラーフラグを格納する。
ステップS2713及びステップS2718のいずれかの処理で否定判定した場合、又はステップS2717、ステップS2722及びステップS2723のいずれかの処理を実行した後は、ステップS2724にて第1タイマ割込み処理の割込みを許可する処理を実行してから、第2タイマ割込み処理を終了する。
すなわち、第1役物用処理と第2役物用処理との相違点としては、第1役物用処理では、上記第11の実施形態と同様に、第1役物用カウンタYK1が8以上となった場合(3.2msec周期)で1ステップ分の動作を行うように回転体201の駆動制御を行う。そして、第1役物としての回転体201は、720ステップ分の動作によって1周分の周回動作が終了するように設定されている。一方、第2役物用処理では、第2役物用カウンタYK2が11以上となった場合(4.4msec周期)で1ステップ分のカウントを行い、当該カウント(第2ステップカウンタSK2)を240回行うことで、第2役物(第1振分部材300)における駆動部300aの駆動制御のON/OFFを行う。そして、第2役物は、480ステップ分のカウント(動作)によって、1周回分の動作が終了するように設定されている。
ここで、各役物の1ステップ分の期間と、第1タイマ割込み処理と第2タイマ割込み処理の起動周期との関係を、図61を参照して説明する。
既に説明したとおり、第1タイマ割込み処理は第1周期として4msec毎に起動されるように設定している。これに対して、第2タイマ割込み処理は第1周期よりも短い周期である0.4msec毎に起動されるように設定している。このようにすることで、第1役物の1ステップ分の期間を、第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短い期間(3.2msec)とすることが可能となり、第1役物の細かい調整を行うことができる。これは、上記第11の実施形態で説明したとおりである。
これに対して、第2役物の1ステップ分の期間(4.4msec)は、第1タイマ割込み処理の起動周期(4msec)よりも長い周期であって、且つ第1タイマ割込み処理の2回分の起動周期(8msec)よりも短い周期とした。このように、第2タイマ割込み処理という第1タイマ割込み処理よりも短い周期で起動される処理によって、各役物の動作制御を行う構成とすることで、第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短い期間を単位として動作させることも可能であるし、第1タイマ割込み処理の起動周期よりも長い期間を単位として動作させることも可能となる。これにより、各役物の動作タイミングの微調整を処理の変更によってのみ可能とし、出球率の変更を大幅に容易化することができる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施形態では、作動口38,39への入賞に基づいて役物装置150への入賞が可能となり、その入賞した遊技球が更にV入賞口182aへ入賞した場合に開閉実行モードへ移行する遊技機において、役物装置150内での遊技球の動作を、各振分部材300,310や回転体201によって変化させる構成としたが、役物装置150内の遊技球の動作を変化させる構成は上記のものに限定されない。例えば、各振分部材300,310の少なくとも一方を備えない構成であってもよいし、回転体201を備えない構成であってもよい。要は、役物装置150内に入賞した遊技球が、V入賞口182a又は外れ口182bへ振り分けられる構成において、その振分が所定の動作が行われる振分部によって振り分けられるものであればよい。
(2)上記各実施形態では、役物装置150への入賞タイミングを変化させる構成として、開閉役物168の開閉パターンを異ならせる構成としたが、要は、役物装置150への入賞タイミングを変化させることで、その後のV入賞率を変化させることが可能であればよく、開閉役物168の開閉パターンではなく、他の役物の動作パターンを変化させることで、V入賞率を変化させる構成としてもよい。但し、当該他の役物を役物装置150内の役物とすると、せっかく役物装置150内に入賞したのに当該他の役物の動作パターンが変化することによってV入賞しないといった事象が発生し得るため、遊技者に不公平性感を与えかねない。そこで、上記他の役物とは、役物装置150への入賞タイミングを変化させる、役物装置150外のものであるとよい。
(3)振分部材300,310の動作開始を、開閉役物168の開放タイミングとしたが、予め定められた特定事象(所定事象)が発生したタイミングであれば他のタイミングであってもよい。すなわち、ラウンド遊技の開始タイミングであってもよいし、開閉役物168の開放や閉鎖、又はラウンド遊技の開始から所定期間が経過したタイミングであってもよい。
(4)上記第1の実施形態において、継続率変動モードの開閉実行モードでは、第8ラウンドを開閉パターンBとし、第11ラウンドを開閉パターンCとし、これらのラウンドにおいて継続率を低くしたが、各ラウンドの開閉パターンの構成は上記のものに限定されない。例えば、第8ラウンド等の所定のラウンド以降のラウンドを全て開閉パターンBのような低継続のラウンドとしてもよいし、所定のラウンドまでを全て低継続のラウンドとして当該所定のラウンド以降を高継続のラウンド(開閉パターンA)としてもよい。また、開閉パターンAよりも継続し易い(V入賞確率が高い)開閉パターンやBやCよりも継続しにくい(V入賞確率が低い)開閉パターンを設定してもよい。これらの開閉パターンのラウンドを各ラウンドの開閉パターンに含めることで、開閉パターンの多様化を図ることができる。
また、全てのラウンドの開閉パターンを、継続しにくい開閉パターン(開閉パターンB,C)とする構成としてもよい。この場合、全てのラウンドを開閉パターンBとしてもよいし、全てのラウンドを開閉パターンCとしてもよいし、上記開閉パターンBやCよりも継続しにくい開閉パターンとしてもよいし、これらの組合せとしてもよい。
さらに、逆にすべてのラウンドの開閉パターンを、継続し易い開閉パターン(開閉パターンA)としてもよい。
なお、上記の各開閉パターンで構成される開閉実行モードを、第1の実施形態における継続率変動モードの開閉実行モードの開閉実行モードと変更する構成としてもよいし、その開閉実行モード全て又はいずれかを加えてもよいし、それぞれの開閉実行モードを組合せて上記第1の実施形態に加えてもよい。
(5)上記第2の実施形態において、2回の開閉(第2作動口39への入賞に基づく開閉)パターンを変更することで、V入賞確率を変化させる構成としたが、1回の開閉パターンを変更してもよいし、開閉回数を変更してもよい。例えば、1回の開閉パターンを変更する構成においては、通常開放結果では振分部材300,310によってV入賞側へ振分されにくいような動作パターンとなるように開放時間を設定し、所定の結果では振分部材300,310の動作パターンを変更することなく開閉役物の開放時間を変更してV入賞側に振分され易いようにしてもよい。
(6)上記第2の実施形態のように遊技結果によってV入賞確率を変化させる(開閉パターンを変化させる)構成として、遊技状態によって、その変化させる結果(特別開放A結果や特別開放B結果)の確率が異なる構成としてもよい。
(7)開閉パターンを変化させることで、V入賞確率を変化させる構成として、V入賞確率を向上させる構成について詳しく説明したが、V入賞確率を低下させる構成としてもよい。
(8)各振分部材300,310を設けなくても、開閉パターンを異ならせることによって、役物装置150に入賞すればほぼV入賞する(V入賞側に振り分けられる)開閉パターンを設けてもよい。この場合、回転体201の回転位置を把握して、開閉役物168の開閉パターンを決定する構成とするとよい。当該構成においても、回転体201の動作パターンを変更することなく、V入賞確率を変化させることができる。
(9)回転体201の回転位置を把握して、開閉パターンを変化させることで、V入賞確率を変化させる構成としては、例えば以下の構成も考えられる。
作動口38,39への入賞に基づく遊技結果(結果テーブル)として、開閉パターンを変化させることが可能な特別開放C結果を設ける。この特別開放C結果となった場合に、回転位置検出センサ196の検知結果に基づいて、回転体201の位置を把握する。例えば、役物装置150に入賞した遊技球が、振分部材300,310に振り分けられなかった場合に、導出部186から凹部182(球案内部202)へ導出されるまでの期間を到達期間とすると、その到達期間と、V入賞口案内部204が導出部186に対応する位置まで回転する期間と、の関係から、開閉役物168の開閉タイミングを設定する。このようにすると、開閉役物168が開放状態となった場合にV入賞が発生し易いパターンを、回転体201の動作パターンを変更することなく設定することができる。
(10)上記各実施形態では、役物装置150に入賞した遊技球は、第2振分部材310による振分対象となる位置に到達するまでに約0.3sec要し、第1振分部材300による振分対象となる位置に到達するまでには上記第2振分部材310側の位置から約0.2sec要するように通路長が設定されている構成としたが、この構成を変更することによっても、上記のように、開閉役物168の開閉状態となっている期間と、各振分部材300,310が振分状態となっている期間と、の関係により、外れ側に振り分けられる確率や、V入賞側に振り分けられる確率を変化させることも可能である。
(11)上記実施形態では、電動役物39aによるサポートの態様が異ならないように設定したが、サポートの態様が異なるように複数種類のサポートモードを設定してもよい。詳細には、例えばサポートモードとして、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口39の電動役物39aが単位期間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とを設定する。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物39aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放期間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は、1回の開放期間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保期間(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続期間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。そのため、役物装置150が開放状態となる確率も高くなり、V入賞(大当たりの発生)確率も高くなる。また、上記第2の実施形態のように、第1作動口38と第2作動口39とで、開閉役物168の開放回数だけでなく遊技結果(大当たり種別)を異ならせる構成においては、第2作動口39への入賞確率が高まるモード(高頻度サポートモード)では、第2作動口39用に設定された遊技結果(大当たり種別、上記第2の実施形態では特別開放A,B)となる確率が高くなる。さらに、第2作動口39への入賞が頻繁に発生すれば、それに伴う賞球も頻繁に得られることができ、遊技者としては者は、この高頻度サポートモード時には持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。このように、サポートモードの高低を利用して、有利度を変化させることができ、遊技の多様化が図られる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位期間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間(例えば、スルーゲート41への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の期間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保期間が選択され易い又は平均の確保期間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放期間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間を短くする、係る確保期間の平均期間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
(12)上記第2の実施形態では、第1作動口38と第2作動口39とで遊技結果の結果テーブルを異ならせることで、有利度の高低を生じさせる構成としたが、第1の実施形態のように、同じ結果テーブルとしてもよい。具体的には、第1作動口用の結果テーブルにおいて、特別開放A結果や特別開放B結果を設けてもよい。この場合、第1作動口38へ入賞したのにもかかわらず、実質2回の開放が行われるため、遊技者にとっては得をした気持ちになれるし、これら特別開放A結果や特別開放B結果においてはV入賞確率が高まるため、仮に第2作動口39への入賞が発生しにくい場合であっても、第1作動口38側への入賞で特別開放A結果等となることに期待を持たせることが可能となる。
(13)上記各実施形態では、各作動口38,39への入賞に基づいて保留情報が取得され、所定数(それぞれ4つ)を上限としてそれらの保留情報が記憶される構成を前提として説明したが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。但し、上記のように保留情報が記憶されない構成においては、例えば、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の制御中に、作動口38,39への入賞が再度発生した場合等は、せっかく作動口38,39への入賞が発生したのにその分の開閉役物168の開放が行われないため、遊技者としては損をした気持ちになり得るため、遊技への関心が低下しかねない。また、上記実施形態では、開閉実行モード中には役物装置150だけでなく作動口38,39へも入賞し得る構成である。そのため、保留情報が記憶される側の構成においては、その分の保留情報が開閉実行モード後に消化されて、その保留情報の消化に伴う開閉役物168の開閉でV入賞が発生すれば、開閉実行モードが連荘することになる。その結果、その連荘の発生を前提とした遊技とすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。但し、所定の状態中として、例えば、役物装置150の制御中や、開閉実行モード中に作動口38,39への入賞が発生した場合には保留情報を取得する構成とし、他の場合には保留情報を取得しない構成としてもよい。このようにすれば、上記のように役物装置150の制御中や開閉実行モード中に作動口38,39への入賞が発生した場合に遊技者に喪失感を与えることを抑制することができる。
また、上記の所定の状態中に取得した保留情報の遊技結果として、特別開放A結果や特別開放B結果となり易い構成としてもよい。一般的には、遊技者は、開閉役物168の開放中には開閉役物168への入賞を期待するものである。そして、その開閉役物168の開放中に当該開閉役物168に入賞しなかった場合に上記のように保留情報を取得する構成とすれば、仮に開閉役物168に入賞しなかった場合であっても作動口38,39へ入賞することに期待させることができる。そのうえで、さらに上記のようにその入賞に基づく遊技結果を特別開放A結果や特別開放B結果(V入賞が発生し易い開閉パターンの結果)とすれば、開閉役物168の開放中において、開閉役物168側だけでなく作動口38,39への入賞を期待させる、といった斬新な遊技とすることが可能となる。このようにすれば、より一層の興趣向上を図ることが可能である。
(14)上記実施形態において、開閉パターンA1〜A2,B1〜B3,C1〜C2や、特別開放A結果や特別開放B結果といったように、開閉役物168の開閉パターンを異ならせることで役物装置150内の各駆動部300,310,201の動作パターンを異ならせることなくV入賞確率を変化させる構成としたが、これらの開閉パターンや各駆動部300,310,201の動作パターンは一例であって、他のパターンの組合せによってV入賞確率を変化させる構成としてもよい。
(15)上記第2の実施形態では、特別開放A結果や特別開放B結果における開閉役物168の1回目の開放開始タイミングを他の場合(通常開放結果)と異ならせることなく、V入賞確率を変化させる構成としたが、1回目の開放開始タイミングを異ならせてV入賞確率を変化させる構成としてもよい。この場合、例えば、特別開放A結果や特別開放B結果の場合には、開放種別カウンタCSに関わらず、役物装置150内の各駆動部300,310,201の動作パターンに応じた開放タイミングを設定する構成としてもよい。この開放タイミングを、例えば図柄表示装置51等により報知する(「○○秒後に入賞させろ!」といった文字表示など)構成とすると、遊技への注目度をより一層高めることができる。一方、その開放タイミングを報知しない(「入賞したらチャンス!」といった特別開放A,B結果であることのみの報知)構成とすると、狙い撃ちを抑制することが可能となり、遊技者の熟練度によるV入賞率の高低をなくし、遊技の公平性を担保することができる。
(16)上記各実施形態において、主制御装置81が、不正行為を検知する検知手段(センサ)と、その検知結果に基づいてそれに対応する処理を実行する手段(例えば定期的に起動される通常処理内の一処理として加える)を有している構成としてもよい。特に、上記実施形態では、役物装置150へのV入賞によって開閉実行モードが開始し、またV入賞によってラウンド遊技が継続し得るため、役物装置150へのV入賞を不正に発生させる行為が想定される。この行為としては、例えば、磁気や電波や振動によるものが考えられ、それら(磁気、電波、振動など)を検知する検知センサを設け、当該検知センサの検知結果に基づいて、遊技の進行の停止や報知、更に遊技ホールへの通知(外部出力)を行う構成とするとよい。また、上記第2の実施形態では、V入賞確率が高められた開閉パターンを設定しているため、その開閉パターンとなること、すなわち第2作動口39への入賞(センサ39cの検知)を不正に発生させる行為や、何らかの方法で大当たり乱数カウンタC1の更新周期を読み取るなどして特別開放A結果や特別開放B結果となり易いタイミングで第2作動口39への入賞(センサ39cの検知)を不正に発生させる行為も想定される。すなわち、これらのようにV入賞確率が高まる開閉パターンを不正に発生させる行為を抑制する構成(磁気、電波、振動などの検知センサとその検知結果に基づく処理を行う手段)を備えることで、V入賞確率を高めて興趣を向上させつつも、それを不正に発生させる行為を抑制することが可能となる。
(17)上記各実施形態のように、電動役物39aによるサポート状態の高低を設けない構成の場合には、電動役物39aやスルーゲート41そのものを設けない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。
(18)上記各実施形態において、通常遊技状態中の開閉制御において、V入賞が発生した場合には、V入賞フラグが設定されて(ステップS1104)、当該開閉制御を終了してそのまま開閉実行モードが開始される構成としたが、V入賞が発生しても当該開閉制御が続行される構成としてもよい。このようにすれば、当該開閉制御中においてV入賞後にも役物装置150への入賞が発生し得る構成となり、役物装置150へ入賞が発生しそうだったのに(すなわちそれに基づく特典、賞球が得られそうだったのに)、V入賞が発生したため、役物装置150へ入賞させることができずに、損をした気持ちにさせてしまう事象の発生を抑制することができる。一方で、V入賞が発生した場合には、すぐさまそれを報知するとともに、開閉実行モードへ移行させる構成のほうが、V入賞の発生タイミングと開閉実行モードの発生タイミングとが近くなるため、いずれの遊技球によってV入賞が発生して開閉実行モードへ移行したかが明確となり、結果として、遊技球の動作態様への注目度を高めることが可能となる。そこで、これら相反する課題を解決すべく、例えば、回転体201や各振分部材300,310の動作パターンを把握して、一の保留情報に基づく開閉制御において、役物装置150への入賞が先のタイミング(第1タイミング)で発生した場合よりも、後のタイミング(第2タイミング)で発生した場合のほうがV入賞率が高くなるように、開閉パターンを設定する構成としてもよい。このようにすれば、そもそも、V入賞の発生は、一の開閉制御における後のタイミングのほうが発生し易い構成となり、V入賞が発生した後、更に役物装置150への入賞が発生し得る事象自体を発生しにくくすることができる。
(19)V入賞の発生するタイミングを、遊技球の発射周期との関係で設定する構成としてもよい。より詳細には、例えば、役物装置150における開閉役物168が開放状態が遊技球の発射周期(0.6sec)よりも短い期間(例えば0.3sec)に亘って維持される構成とすると、当該開放状態が維持される期間において役物装置150への入賞は発生しにくくなる。しかし、例えば、この遊技球の発射周期よりも短い期間が開放状態を維持する期間として設定されたとしても、遊技球の発射タイミングによっては、ちょうど開放状態である状況で役物装置150に到達し得る(入賞し得る)場合もある。そして、役物装置150内に入賞すれば、役物装置150内の各振分部材300,310や回転体201の動作パターンによって、V入賞率が変化することは上述のとおりである。そこで、開閉タイミング設定処理において、遊技球の発射周期を把握して、その発射周期に基づいて、役物装置150への入賞可能性の有無を把握して、それに基づいて、V入賞率を変化させるように開閉パターンを設定する構成とするとよい。
(20)入口センサ179を左右の開閉役物168に対応させてそれぞれ設けてもよい。すなわち、上記各実施形態では、いずれの開閉役物168から役物装置150へ入賞した場合であっても、同じ入口センサ179によって検知される構成としたが、それぞれ別々の入口センサを設け、当該別々の入口センサによって遊技球の入賞を検知する構成としてもよい。このようにすれば、役物装置150への入賞が発生した場合には、それをより早急に検知することができるし、左右の入賞経路によってV入賞率が異なる構成において、それに応じた報知(例えば、V入賞し易い側の入賞経路から入賞した場合にはその旨の報知)を行うことができる。より詳細には、上記実施形態では、第1振分部材300は誘導通路183において左側に設けられている構成であり、例えば、この左側の誘導通路183に振り分けられる率が左右の入賞経路によって異なる場合には、右側の誘導通路183に振り分けられる率の高い入賞経路から入賞したほうが、遊技者にとって高い関心を寄せるものと考えられる。そこで、その入賞を入賞後に報知する構成とすれば、遊技者としては、遊技球の動作に対して常に関心を寄せていなくてもよくなり、ゆったりと遊技を楽しむことができる。このような左右の入賞経路によってV入賞率が異なる構成において、上記実施形態のように各振分部材300,310や回転体201の動作パターンを異ならせることなく、開閉役物168の開閉タイミングや開閉パターンを異ならせることで、V入賞率を変化させる、という発明を適用すれば、より厳密にV入賞率を変化させることが可能となり、遊技の多様化を図ることができる。
(21)上記各実施形態において、第2振分部材310による振分(V振分)が行われた遊技球は、必ずV入賞するようにしたが、一部が外れ側に入賞する構成としてもよい。
(22)当否判定の結果(遊技結果)として、通常開放結果、外れ結果、直当たり結果、の他、開放回数は同じであるものの開閉パターンが異なる特別開放A結果や特別開放B結果を設けたが、他の結果を設けてもよい。例えば、開放回数が異なる結果(第1作動口用の結果テーブルにおいて2回開放となる結果、第2作動口用の結果テーブルにおいて1回開放となる結果)や、開放回数は同じであるものの開放状態が維持される期間が異なる結果(通常よりも長くなる結果、短くなる結果)などを設けてもよい。これらの結果を用いても、その結果において開放状態が維持される期間と、各振分部材300,310や回転体201の動作パターンとの関係から、V入賞率を調節することができる。
(23)通常遊技状態において、開閉パターンを当否判定の結果(遊技結果)を用いて異ならせる構成としたが、以下の構成を適用してもよい。例えば、当否判定を行うカウンタと、遊技結果の種類を決定するカウンタと、をそれぞれ設ける。そして、当否判定を行うカウンタを用いた判定では、開放状態とするか否かのみを決定し、遊技結果の種類を決定するカウンタを用いた判定では、開閉パターンの種類(すなわち、第2の実施形態のように通常開放とするか、特別開放とするか等)を決定する。このようにすれば、各判定処理の処理構成を簡素なものとすることができるし、例えば、保留情報を用いて先読み報知を実行する構成においては、その先読み報知として開放結果とすることのみの報知を行う構成であれば、その保留情報のうちの当否判定を行うためのカウンタのみを読み取ればよくなり、先読み報知に関する構成の簡素化も図ることができる。
(24)保留情報として、作動口38,39への入賞時に大当たり種別カウンタC2を取得して、当該大当たり種別カウンタC2を用いて開閉実行モードの種類(大当たり種別)を決定する構成としたが、V入賞時に開閉実行モードの種類を決定するためのカウンタを取得して、それに基づいて開閉実行モードの種類を決定する構成としてもよい。このようにすれば、V入賞が発生していないのにもかかわらず、作動口38,39への入賞時にV入賞時に使用するカウンタを取得する処理を省略することが可能となり、処理構成の簡素化を図ることができる。但し、例えば、開閉パターンを決定する際に、V入賞時の開閉実行モードの種類を反映する構成、詳細には、例えば、16R継続モードであればV入賞率を高める/低める、継続変動モードであればV入賞率を高める/低める、などの構成とする場合には、保留情報として開閉実行モードの種類を決定するための大当たり種別カウンタC2が取得される構成のほうが好ましい。また、開閉制御の実行時や、先読み報知において、その保留情報に対応する開閉制御時にV入賞した場合の開閉実行モードの種類を報知する構成(例えば、「ここで当たりなら16R継続モードゲット!!」っといった表示等)においても、保留情報として開閉実行モードの種類を決定するための大当たり種別カウンタC2が取得される構成のほうが好ましい。
(25)上記各実施形態において、遊技制御処理における入賞処理にてV入賞を検知することで、開閉実行モードが開始される構成としたが、以下のように変更してもよい。すなわち、作動口38,39への入賞に基づいて開閉実行モードにおける1ラウンド目が開始され、遊技制御処理においては、その1ラウンド目の継続の有無をV入賞の発生の有無によって判定する構成とする。この場合、第1作動口38への入賞に基づく開閉実行モードの1ラウンド目(RC1)では、1回の開放回数(RC2)となるラウンド遊技が実行され易く、第2作動口39への入賞に基づく開閉実行モードの1ラウンド目(RC1)では、2回の開放回数(RC2)となるラウンド遊技が実行され易い構成とする。そして、各作動口38,39への入賞に基づく開閉実行モードの1ラウンド目の各開閉回数において、各振分部材300,310や回転体201の動作パターンを異ならせることなく、開閉役物168の開閉パターンを異ならせることで、V入賞率を異ならせ、ラウンド遊技の継続率を異ならせる構成とする。このようにしても、上述した特徴的な各構成によるそれぞれ特異な効果を奏することが可能となる。
(26)上記各実施形態において、第1作動口38への入賞に基づく保留情報と、第2作動口39への入賞に基づく保留情報と、の消化順序(当否判定の対象となる順序)を第2作動口39への入賞に基づく保留情報のほうが優先される構成としたが、保留情報の取得順としてもよい。例えば、第2作動口39への入賞に基づく保留情報の当否判定のほうが、第1作動口38への入賞に基づく保留情報の当否判定よりも有利な判定(V入賞が発生し易い開閉パターンが設定され得る)が行われる構成においては、遊技者としては、上記実施形態のように第2作動口39への入賞に基づく保留情報についての当否判定を先に実行して欲しい気持ちもあるし、それを後回しにして(V入賞が発生し易い開閉パターンを後にとっておき)、先に第1作動口38への入賞に基づく保留情報の当否判定を実行して欲しい気持ちもある。そのような、遊技者の揺れる気持ちを、第1作動口38や第2作動口39への入賞順序といった、遊技者の意図しないランダムとなる順序に委ねることで、遊技をより多様なものとすることが可能となる。
また、電動役物39aのサポートモードの高低を用いて、第2作動口39への入賞率を異ならせる構成を適用すると、上記各実施形態のように第2作動口39への入賞に基づく保留情報の当否判定が優先される構成においては、第2作動口39への入賞が頻発することで、第1作動口38への入賞に基づく保留情報の当否判定の順序が繰り下げられ続けられ得るため、当該第1作動口38への入賞タイミングと、当該入賞に基づく保留情報の当否判定のタイミングと、のずれが大きくなり得る。当該入賞タイミングと当否判定のタイミングとのずれが大きくなると、例えば、入賞が発生していないのにもかかわらず当否判定を行わせる等の不正行為が実行されたとしても、遊技ホールの管理者がそれを見抜くことが困難となり得る。そして、不正行為の発見が遅れることで、不正行為が行われ易くなり得る、といった不都合が考えられる。そのため、上記のように入賞順序通りに当否判定を行う構成とすれば、入賞タイミングと当否判定タイミングとのずれを極力小さくすることができ、結果的に不正行為を未然に抑止することが可能となる。
(27)各作動口38,39への入賞に基づく保留情報の保留個数として、いずれも4個を上限として記憶される構成を例として説明したが、3個未満であってもよいし、5個以上であってもよいし、各作動口38,39への入賞に基づく保留情報の上限記憶数がそれぞれの異なる構成としてもよい。例えば、各作動口38,39において、それぞれ1つずつの保留情報を記憶可能な構成としてもよい。このようにすると、例えば、開閉実行モード中に保留情報が貯まりすぎることによる開閉実行モード後の連荘が誘発される可能性が低下し、出球の増減の幅を小さくしてマイルドな遊技性とすることが可能となる。
(28)保留発光部54〜56を図柄表示装置51の表示画面Gにて表示する構成としてもよい。図柄表示装置51は役物装置150の上部に設けられる構成であるところ、遊技者は、役物装置150への入賞、その後のV入賞といったように役物装置150を中心とした遊技球の動作態様に高い関心を寄せているものと考えられ、そのような関心を寄せている箇所に近い箇所(すなわち表示画面G)において保留情報の数を表示すれば、それがおのずと視界に入ってくるものと考えられる。このようにすれば、様々な箇所を用いて別々の報知を行う構成と比較して、情報の集約化を図ることができ、遊技をわかり易くすることが可能となる。但し、上記各実施形態では、開閉実行モードに移行した場合にはそれの種類(15R継続モード、継続変動モード)を表示画面Gにて報知する構成としており、表示画面Gにおいて保留個数を報知する構成とすると、開閉実行モードの種類を報知する際には、その保留個数の情報の表示を消去するか、保留個数の情報を残しつつも開閉実行モードの種類を報知する構成となる。前者の場合、開閉実行モードの種類の報知が行われている際に、保留情報の数を確認しようとも、それができない、といった不都合が考えられ、また、後者の場合、演出領域が小さくなることにより開閉実行モードの種類の報知自体が地味なものとなり得る不都合が考えられる。そこで、例えば、保留発光部54〜56を有しつつも、表示画面Gでも保留情報の数を表示する構成とすれば、表示画面Gにおいて保留情報の数の表示を消去したとしても、その際は保留発光部54〜56にて確認すればよく、各種情報をタイミングに合わせて好適に表示することが可能となる。
(29)上記各実施形態において、遊技制御処理では、役物制御状態中であれば、後続の保留情報の消化は行われない構成としたが、以下のように変更してもよい。すなわち、役物制御状態中において、役物装置150への遊技球の入賞が発生したか否かを判定し、その遊技球がV入賞センサ192又は外れ用センサ193にて検知されたか否か、すなわち、役物装置150に入賞した遊技球が未だ役物装置150内に存在するか否かを判定し、役物装置150内に存在する場合には、開閉役物168が閉鎖状態となり役物制御状態が終了していても、後続の保留情報の消化を行わない構成とする。このようにすれば、一つ一つの役物装置150への入賞をより大事に見守る意識が芽生え、結果として、遊技への注目度を高めることが可能となる。
(30)上記各実施形態において、役物装置150へのV入賞が発生することに基づいて、開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モードにおいては同役物装置150への入賞が発生し易くなる構成としたが、開閉実行モードを他の入賞装置で実行する構成としてもよい。例えば、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と入球不可能又は入球困難な閉状態とに変位することが可能な可変入球装置を設け、役物装置150へのV入賞の発生等に基づいて、当該可変入球装置を開状態とするように主制御装置81が制御する構成とする。そして、16R継続モードの開閉実行モードを当該可変入賞装置において実行する構成としてもよいし、継続変動モードの開閉実行モードも当該可変入賞装置において実行する構成としてもよい。前者の場合、継続変動モードについては、上記各実施形態と同様に開閉役物168の開閉パターンを異ならせることで役物装置150内のV入賞率を異ならせ、ラウンド遊技の継続率を調節することが可能である。また、後者の場合、可変入球装置内にV入賞口と外れ入賞口とを設け、これら各入賞口の上流部に各入賞口への入賞を振り分ける振分部を設ける。この振分部を所定の動作パターンにて動作させて、可変入賞装置へ入賞した遊技球を、V入賞口と外れ入賞口とに振り分ける構成とする。そして、継続変動モードとして、当該振分部の動作パターンを異ならせることなく、可変入賞装置への入賞タイミングを変化させるように開状態と閉状態との切り換えタイミングを変化させて、V入賞口への入賞率を調節する。このようにすれば、役物装置150においてラウンド遊技の継続率を変化させる構成に代え、又は加えて、他の入賞装置によってそれを実現することも可能となる。
(31)第2振分部材310によるV振分が行われた遊技球は、遊技機前方からの視認性がそれよりも低下する領域としてワープ通路250へ導出される構成としたが、遊技機前方からの視認性の変化しない領域を通過してV入賞が発生する構成としてもよいし、遊技機前方からの視認性が向上する領域を通過してV入賞が発生する構成としてもよい。このようにすれば、V振分が行われたことを、遊技球の視認性が低下するだけでなくその遊技球のその後の動作態様によって容易に確認することができる。特に、本パチンコ機10のように、V入賞が発生するか否かについて、最大の注目が注がれる構成においては、V振分が行われたことをより際立たせたほうが注目度を高めやすくなるものと考えられる。そこで、上記構成のように、V振分時に遊技機前方からの視認性が低下しない(変化しない/向上する)構成とすれば、その後の遊技球の動作を存分に視認させることができ、注目度を高めるうえで好ましい。
但し、V振分を意図的に発生させるように狙い撃ちを行う行為を抑制する、という観点からすると、V振分が行われた後の遊技球の視認性や、V振分が行われる箇所(第2振分部材310の設けられた領域)の視認性を高め過ぎないほうが好ましい。
その点、上記各実施形態では、遊技機前方からの視認性が比較的低い第2振分部材310によるV振分と、遊技機前方からの視認性が比較的高い第1振分部材300による外れ振分と、の両振分部材300,310の動作パターンの組合せによって、V入賞率を変化させる構成としているため、遊技機前方からの視認性の低下による不都合を第1振分部材300によってカバーするとともに、遊技機前方からの視認性が向上することによる不都合を第2振分部材310によってカバーし、両者を併存させることで、視認性の高低のそれぞれの不都合を補いあうことが可能となっている。
(32)役物装置150へ入賞した遊技球は、V入賞通路191a又は外れ用通路191bにより役物装置150の外部へ排出され、当該排出された遊技球は図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部へ排出される構成としたが、役物装置150の外部として遊技領域に排出される構成としてもよい。
(33)開閉待機時間や遊技回の変動表示時間を変更することで、所定事象の発生として保留情報の消化時や開閉実行モードの終了時からの各振分部材300,310や回転体201の動作パターンを変更することなく、役物装置150内のV入賞率を変化させる構成としたが、第2の実施形態のように、2回開放の開閉パターンとして、1回目と2回目の開放状態が維持される期間を異ならせる構成や、1回目と2回目の開放状態と開放状態との待機時間を変更する構成、をそれぞれ個別に適用したり、組合せて適用することにより、V入賞率を変化させる構成としてもよい。
(34)上記第9の実施形態では、共通保留数CRNが多いほど変動表示時間が短くなり、その結果、V振分との重複が発生し易い構成としたが、V振分が行われるタイミングを遅く設定し、変動表示時間が長くなるほうがV振分との重複が発生し易くなる構成としてもよい。この場合、共通保留数CRNが多いほど変動表示時間が長くなる構成としてもよいし、共通保留数CRNが多いほど開閉役物168の開放状態が維持される期間が長く設定される結果としてV振分との重複が発生し易くなる構成としてもよい。
(35)上記第9の実施形態では、遊技状態によらず共通保留数CRNに応じた変動表示時間を設定する構成としたが、当該共通保留数CRNに応じた変動表示時間を設定するモードとそうではないモードとを設定してもよい。
具体的には、図54(a)に示すように、大当たり種別として、上記各実施形態における16R継続モードや継続変動モードの他に、2R継続モードの開閉実行モードへ移行する大当たり結果を設定する。2R継続モードの開閉実行モードでは、ラウンド遊技が2回のみ(又は1回のみ)行われる開閉実行モードであり、例えば2ラウンド目にV入賞等して継続条件が成立したとしても開閉実行モードは終了するものとする。そのため、2R継続モードの開閉実行モードは、他の開閉実行モードよりも得られる賞球が少ないものと想定される。
図54(b)は、本変形例の変動表示時間の設定処理を示すフローチャートである。変動表示時間の設定処理は、遊技制御処理(図45)のステップS1706にて実行される処理である。
先ず、ステップS2201では、現状の遊技状態が特別モードか否かを判定する。特別モードとは、前回の開閉実行モードが上記の2R継続モードであった場合に設定されるモードであり、遊技状態移行処理(図23)における開閉実行モードの終了処理(ステップS1215)にて設定される。現状の遊技状態が特別モードではない場合には、ステップS2202にて予め定められた所定時間(例えば0.7sec)を変動表示時間として設定する処理を実行し、本設定処理を終了する。この場合、開閉役物168の開放動作の開始直後に役物装置150への入賞が発生すればV振分が発生し得るが、それ以外はV振分は発生しない。
一方、現状の遊技状態が特別モードである場合には、ステップS2203にて共通保留数CRNに応じた変動表示時間(図46(a)参照)を設定してから、本設定処理を終了する。既に説明した通り、共通保留数CRNが多いほどV振分が発生し易い変動表示時間が選択され得る。開閉実行モード中は共通保留数CRNが多くなり易い(保留情報が貯まり易い)ため、特別モードに設定されることで開閉実行モードの発生率が高くなる。
このようにすれば、遊技者にとって有利ではない2R継続モードの開閉実行モード後であっても、その後に更に開閉実行モードへ移行し易くなり、当該有利ではない分の補てんを行うことができる。
なお、上記構成において、2R継続モードでは、ラウンド遊技の途中でV入賞が発生しても入賞上限個数に達するまでラウンド遊技を継続する構成とするとよい。このようにすることで、開閉実行モード中に共通保留数CRNが多くなり易くなり、開閉実行モード後に連荘を見込むことが可能となる。
また、上記構成において、特別モード中のV入賞(大当たりの発生)では、2R継続モードが選択され易いように、各モード別の振分テーブルを設けてもよい。このようにすることで、出球の少ない2R継続モードが延々と連荘して、結果的に多くの出球を得られる、という新たな遊技を創出することができる。
さらに、上記構成において、特別モード中は、例えば電動役物39aのサポート状態が行われるようにすれば、共通保留数CRNは貯まり易くなり、結果として開閉実行モードの連荘を見込むことができる。
(36)上記各実施形態等で説明した大当たりの種別は一例であって、他の大当たり種別を設けてもよい。例えば、2R継続モードであっても、1ラウンド目にV入賞が発生しなければ1ラウンドで終了するように継続変動モードでラウンド数の上限を設けてもよいし、継続変動モードのうち、各ラウンドで開閉パターンの選択率が異なる構成としてもよい。例えば、継続変動モードのラウンド数の上限を5ラウンドとする5R継続変動モードの大当たり設け、さらに、その各ラウンドでラウンド継続率の高い開閉パターンAが選択され易い5R継続変動モードAと、各ラウンドでラウンド継続率の低い開閉パターンBが選択され易い5R継続変動モードBと、を設けてもよい。
(37)上記各実施形態において、保留情報が消化されることに基づいて役物制御状態に移行する又は遊技回が開始されるため、遊技状態がそれまでの遊技状態から所定の遊技状態へ移行しているということができるし、保留情報が消化されてその当否判定の結果として開閉役物168の開閉制御が開始されることに基づいて遊技状態がそれまでの遊技状態から所定の遊技状態へ移行しているということができるし、開閉実行モードが終了することに基づいて遊技状態はそれまでの遊技状態から所定の遊技状態へ移行しているということができる。
(38)上記各実施形態において、保留情報が消化されることに基づいて、すなわち、開放待機時間の開始時や遊技回の開始時に、開閉役物168が所定の動作を実行する構成としてもよい。所定の動作とは、例えば、役物装置150内への遊技球の入球は発生し得ないが、閉鎖状態から開放状態側に少しだけ移動し、開放状態となり得ることを示唆する動作などが考えられる。
(39)上記の各発明は以下のような構成にも適用できる。すなわち、遊技盤24において、遊技球が入球可能な開状態と、当該開状態よりも遊技球が入球困難又は入球不可能な閉状態との切り換わりが行われる単位切換制御(所謂ラウンド遊技)を実行可能な可変入球装置を設ける。そして、所定条件が成立したこと(例えば、いずれかの作動口38,39への入賞に基づく抽選結果が大当たり結果であったこと、所定の報知部にてそれが報知されたこと)に基づいて、遊技者にとって有利な状態として、当該可変入球装置の単位切換制御が複数回行われる特別遊技状態(所謂大当たり状態)へ移行させる。また、可変入球装置において、当該装置へ入球した遊技球を、第1通過部(例えばVゾーン)とそれとは異なる第2通過部(通常ゾーン)とのいずれに通過させるかを振り分ける振分装置を設ける。特別遊技状態においては、一の単位切換制御中に第1通過部への通過したことを条件として、次の単位切換制御へ移行可能とする構成とする。このような構成においても、単位切換制御における切り換わりタイミングを変更すれば、振分装置側の振分タイミングを変更しなくても、第1通過部側への通過率(すなわち単位切換制御の継続率)を変化させることができる。このようにすれば、例えば、一の特別遊技状態において単位切換制御が行われる回数(ラウンド数)の上限等を報知しつつも、継続率を変化させて、実際に単位切換制御が行われる回数(第1通過部への通過)に注目させる、といった遊技を実現することができる。すなわち、単に、可変入球装置へ入球させる、といった単純な遊技だけでなく、可変入球装置への入球タイミングや可変入球装置の開放タイミング、更には遊技球の流下態様等に対して注目させる、といった遊技を実現することができ、遊技への注目度を好適に高めることができる。
(40)上記(39)の構成において、第1通過部側を遊技球が通過することを、単位切換制御における継続条件としたが、以下のように変更してもよい。例えば、所定条件が成立したこと(例えば、いずれかの作動口38,39への入賞に基づく抽選結果が大当たり結果であったこと、所定の報知部にてそれが報知されたこと)に基づいて、当該可変入球装置が開状態に切換制御される構成とし、その開状態中において第1通過部へ遊技球を通過させることで、遊技者にとって有利な状態として、当該可変入球装置又はそれとは異なる可変入球装置の単位切換制御が行われる特別遊技状態(所謂大当たり状態)へ移行させる構成とする。このような構成においても、開状態とする(又は閉状態とする)タイミングを変更すれば、振分装置側の振分タイミングを変更しなくても、第1通過部への通過率(特別遊技状態への移行率)を変化させることができる。すなわち、特別遊技状態の発生率を、作動口38,39への入球に基づく抽選の当選確率や、可変入球装置への入球率だけでなく、可変入球装置の開閉パターンによって変化させることが可能となり、遊技の多様化を図ることができる。
(41)上記第12,第13の実施形態において、第1役物(回転体201)や第2役物(第1振分部材300)の1周分の周期は上記のものに限定されず、より短い周期やより長い周期としてもよい。例えば、第1役物としての回転体201であれば、より長い周期の7200ステップ分を1周分の周期としてもよい。この場合、0.4msec×8カウント×7200ステップ≒23secとなり、1回転させるのに十分に長い周期とすることができるとともに、1ステップ分の動作をより細かく(回転角度を0.05度)することが可能となる。この場合であっても、1ステップ分の期間が第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短ければ、第2タイマ割込み処理にて回転体201の駆動制御を行う意義を担保することができる。
(42)上記第12,第13の実施形態において、各タイマ割込み処理の起動周期は上記のものに限定されず、それよりも長い周期や短い周期であってもよい。要は、第1タイマ割込み処理の起動周期と第2タイマ割込み処理の起動周期とが異なる周期であればよく、より詳しくは、第2タイマ割込み処理の起動周期の方が第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短い周期であればよい。これらの場合、短い側のタイマ割込み処理(役物用のタイマ割込み処理)の起動周期は、1処理回で役物駆動制御用の処理が行える長さ(例えば0.1msec以上)に設定されていればよい。
(43)第1タイマ割込み処理の起動周期と、第2タイマ割込み処理の起動周期の倍数とが一致しないように、起動周期を設定してもよい。例えば、図62に示すように、第1タイマ割込み処理の起動周期を7msecとし、第2タイマ割込み処理の起動周期を0.4msecとする。このようにすれば、第1タイマ割込み処理と第2タイマ割込み処理の起動タイミングが重複する機会が極端に抑制され、複数のタイマ割込み処理を実行することによる負荷の集中等の問題が低減される。
(44)第13の実施形態において、第1役物と第2役物とを第2タイマ割込み処理にて駆動制御する構成としたが、それぞれ別々のタイマ割込み処理にて駆動制御する構成としてもよい。すなわち、第1役物用のタイマ割込み処理(第13の実施形態における第2タイマ割込み処理)とは別途、第2役物用のタイマ割込み処理を設ける構成としてもよい。このようにすることで、各タイマ割込み処理における1処理回の処理負荷を低減することができ、1処理回に要する期間を短縮することが可能となる。また、上記構成において、各タイマ割込み処理の起動周期を異ならせてもよい。すなわち、第1役物用のタイマ割込み処理と第2役物用のタイマ割込み処理との起動周期を異ならせる構成としてもよい。このようにすれば、例えば、処理構成自体は、第1役物用のタイマ割込み処理と第2役物用のタイマ割込み処理とを同じとしつつ、起動周期を異ならせることで第1役物と第2役物との1ステップ分の動作タイミングを異ならせることが可能となる。なお、上記構成においては、いずれの役物についてのタイマ割込み処理の起動周期も、遊技の進行用の第1タイマ割込み処理の起動周期と異ならせてもよいし、いずれか一方は第1タイマ割込み処理の起動周期と同じとしてもよい。
(45)第12,第13の実施形態において、各役物の周回動作の開始タイミングは電源投入時に限定されず、他の実施形態において示した所定のタイミング(例えば開閉実行モードの開始タイミングや終了タイミング、作動口38,39への入球タイミング等)であってもよい。これらの場合、当該所定のタイミングで初期位置に復帰させる構成とすることが好ましい。初期位置に復帰させる構成の場合、初期位置に復帰させる動作を行うための時間が必要となる。そこで、例えば開閉実行モードの開始タイミングに設定する場合にはオープニング期間を当該初期位置に復帰させる動作を行う時間として用いればよいし、開閉実行モードの終了タイミングに設定する場合にはエンディング期間を当該動作を行う時間として用いればよい。また、作動口38,39への入球タイミングとする場合には、入球からの時間が短いことが考えられる。そこで、作動口38,39への入球に基づく一の周回動作の終了後に初期位置に復帰させておく構成とすると、作動口38,39への入球後に初期位置に復帰させる構成と比較して、その動作を行う時間が短縮される。
(46)第1タイマ割込み処理に対して第2タイマ割込み処理を割り込ませる場合、MPU112のレジスタに現状の第1タイマ割込み処理の処理状況を記憶させる構成としたが、RAM114に記憶領域を設け、当該記憶領域に記憶させる構成としてもよい。このような構成としても、同様の効果を奏することができる。
(47)上記第12,第13の実施形態において、周回動作させる役物は第12の実施形態のように回転体201単独であったり、第13の実施形態のように回転体201と第1振分部材300との組合せに限定されない。すなわち、第12の実施形態において第1振分部材300のみを駆動制御する構成としてもよいし、第13の実施形態において回転体201と他の回転体とを駆動制御する構成や第1振分部材300と他の振分部材(第2振分部材310)を駆動制御する構成としてもよい。
すなわち、第2タイマ割込み処理において駆動制御する役物は、回転体201のように定速回転する役物に限定されず、第13の実施形態における第2役物(例えば第1振分部材300)のように、振分状態(第1位置)に配置されてから所定期間に亘ってその状態が維持され、その後、非振分状態(第2位置)に配置さて所定期間に亘ってその状態が維持されるように切換制御される役物であってもよい。このような、切換制御される役物であっても、振分状態から非振分状態となり振分状態に戻るまでの動作が一定の動作を行う構成であればよい。
また、これら回転体201等の役物が、役物装置150内に設けられる構成に限定されず、遊技領域PEにおいて設けられる構成であってもよい。この構成であっても、回転体201等の役物の下流側に所定の入球部が存在していれば、回転体201等の役物が動作することによって所定の入球部の入球率が変化する構成となり、回転体201等の役物の駆動制御を微調整する意義を高めることができる。
さらに、所定の入球部の入球率が変化する構成だけでなく、回転体201等の役物の動作状況によって有利不利が異なる構成であれば、遊技機の仕様を管理する上で回転体201等の役物の駆動制御を微調整する意義を高めることができる。
(48)上記第12,第13の実施形態において、第1タイマ割込み処理よりも第2タイマ割込み処理の起動周期を短い構成としたが、役物用の第2タイマ割込み処理の方が遊技進行用の第1タイマ割込み処理よりも起動周期が長い構成としてもよい。この場合であっても、役物用のタイマ割込み処理を設け、当該役物用のタイマ割込み処理の起動周期を変更するだけで、役物の動作タイミングを変更することが可能となる、という効果を奏することができ、出球率の変更の容易化に貢献することが可能となる。
(49)上記第12,第13の実施形態において、各種役物が1周動作するステップ数を「720」や「480」としたが、このステップ数を変更してもよい。例えば、「713」や「491」のように、1周するためのステップ数を第1タイマ割込み処理の起動周期(4msec)の整数倍と一致しない構成(第1タイマ割込み処理では判定できない周期)としてもよい。このようなステップ数の周期であっても、第2タイマ割込み処理であれば、各種役物の制御を行うことが可能である。
(50)上記第12,第13の実施形態において、回転体201が定速回転することを前提として説明したが、途中で速度が変更される構成としてもよい。例えば、0度から180度は第1速度で回転し、180度から360度は第1速度とは異なる第2速度で回転する構成とする。このような構成としても、第2タイマ割込み処理において、0度及び180度に相当するステップ数(0/720、360)で速度を変更する処理を加えればよく、起動周期の短い第2タイマ割込み処理で好適に駆動制御することが可能である。速度を変更する処理としては、1ステップ分のカウント(役物用カウンタYK)を変更すればよく、より具体的には、速度を速くするのであればステップS2504にて把握する役物用カウンタYKを「8」よりも(それまでの値よりも)小さくし、速度を遅くするのであればステップS2504にて把握する役物用カウンタYKを「8」よりも(それまでの値よりも)大きくすればよい。
(51)上記第12,第13の実施形態において、第1タイマ割込み処理において遊技進行用の各種処理を行う構成とし、第2タイマ割込み処理を各種役物の制御専用の処理として第2タイマ割込み処理の起動周期を短くしたが、第2タイマ割込み処理の全体の処理数が第1タイマ割込み処理の処理数よりも少ない構成であれば、第2タイマ割込み処理の起動周期を第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短くすることができる。また、第2タイマ割込み処理で参照する参照数(例えばRAM114やROM113のアクセス数)や、第2タイマ割込み処理で判定する判定数、出力数を第1タイマ割込み処理のそれよりも少なくする構成であっても、第2タイマ割込み処理の起動周期を第1タイマ割込み処理の起動周期よりも短くすることができる。また、各タイマ割込み処理における処理量(データ使用量、一処理にかかるMPU112の駆動量、熱量など)の相違によっても、第2タイマ割込み処理の起動周期が短いことを表現することも可能である。
(52)上記第12,第13の実施形態において、位置把握処理やエラーフラグを格納するための処理を有しない構成としてもよい。このようにすれば、第2タイマ割込み処理の処理数をより少なくすることができる。
(53)上記第12,第13の実施形態において、通常処理にて各種カウンタの更新処理や停電時の処理を行う構成としたが、これらの処理も第1タイマ割込み処理にて行う構成としてもよい。この場合、第1タイマ割込み処理におけるステップS2412の後に停電フラグの有無を確認する処理を加える。そして、停電フラグが格納されている場合にはステップS2309〜ステップS2311の処理を実行するようにする。また、停電フラグが格納されていない場合には、第2タイマ割込み処理の割込みを禁止する(ステップS2413)とともに、次の起動周期に至ったか否かを判定する処理(ステップS2302)を行い、起動周期に至った場合には、ステップS2401に戻り、起動周期に至っていない場合には、各種カウンタの更新処理(ステップS2303〜ステップS2308)を行う構成とする。この場合、割込みを禁止/許可する処理(ステップS2303、ステップS2305等)は第2タイマ割込み処理の割込みを禁止/許可する構成とするとよい。
(54)上記第12,第13の実施形態において、エラーフラグを格納するための処理を第2タイマ割込み処理にて行う一方、エラーフラグが格納されたことに基づくエラー処理を第1タイマ割込み処理側で行う構成としたが、エラー処理についても第2タイマ割込み処理にて行う構成としてもよい。このようにすれば、エラーに対してより迅速な対応を行うことが可能となる。但し、第2タイマ割込み処理の処理数を少なくするという観点からすると、第1タイマ割込み処理にてエラー処理を行う構成とするほうが好ましい。
(55)上記第12,第13の実施形態において、遊技の進行状況によってエラー処理を行わない/実行タイミングを遅らせる等の制限をする構成としてもよい。より具体的には、例えば、開閉実行モード中である場合にはエラー処理をすぐに行う一方、開閉実行モード中ではない場合には役物装置400の開閉制御が終了してからエラー処理を行う構成、又はその逆の構成としてもよい。開閉実行モード中と開閉実行モード中以外とを比較すると、第1役物(回転体201)や第2役物(第1振分部材300)の動作エラーによって生じる遊技者や遊技ホールの利益が異なり得るからである。
(56)上記第12,第13の実施形態に示した役物駆動制御用のタイマ割込み処理の構成を、第1〜第11の各実施形態に示した役物駆動制御のタイミングに関する構成に適用してもよい。この場合、上記第13にて一部示したように、第1振分部材300や第2振分部材310に関する駆動制御用の処理(振分用処理)を第2タイマ割込み処理にて行う構成とするとよい。また、第1〜第11の各実施形態に示した役物装置150の開閉制御用の処理(制御中処理)に関しても第2タイマ割込み処理にて行う構成としてもよい。
(57)上記第12,第13の実施形態に示した役物駆動制御用のタイマ割込み処理の構成を、演出用の役物や報知用の役物等、遊技の進行に直接的に関与しない役物に適用してもよい。このような役物であっても、駆動制御の微妙な調整が必要となる場合もあり得るからである。
(58)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域に設けられた可変入球装置を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過することを契機として、遊技状態が特定制御状態に移行する。この場合、可変入球装置が所定期間に亘って開放され、当該可変入球装置への遊技球の入球が可能となる。そして、特定事象(所定事象)として例えば可変入球装置に遊技球が入球し且つ当該遊技球が可変入球装置に設けられたV入賞口等の有利口に入球したことに基づいて、その後に上記可変入球装置又は他の可変入球装置の開閉が所定の態様で継続して行われるようになっている。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、例えば、上記パチンコ機においては、V入賞口等への入球態様の多様化を図るなどの工夫が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入にくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
所定事象(作動口38,39への入球やラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能や遊技制御処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(ラウンド遊技の継続や開閉実行モードの発生)を付与する特典付与手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能や入賞処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
を備え、
前記可変受入制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に、第1条件が成立したこと(開閉パターンAであることであり、特別開放A結果又は特別開放B結果であること、第2開放タイミングテーブルが選択されたこと、保留情報の数が所定数以上であること、振分部材300,310の動作状況の把握結果が所定の結果であったことや開閉実行モードからの遊技回の回数が所定回数以下であること、変更抽選処理による変更抽選に当選したことや仮変更後であっても通常ルートでV入賞が可能であること等、V入賞が発生し易い条件が成立したこと)に基づいて、第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンA用の処理を実行する機能や制御開始処理や制御中処理において特別開放A結果や特別開放B結果用の処理を実行する機能、第2開放タイミングテーブルに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能、保留情報の数が所定数以上であることに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能、振分部材300,310の動作状況や遊技状態に基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能、第1開閉タイミング変更処理又は第2開閉タイミング変更処理を実行する機能等、V入賞が発生し易いように開閉役物168の開閉制御を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合に、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(開閉パターンB,Cであること、通常開放結果であること、第1開放タイミングテーブルが選択されたこと、保留情報の数が所定数未満であること、振分部材300,310の動作状況の把握結果が所定の結果ではなかったことや開閉実行モードからの遊技回の回数が所定回数を超えること、変更抽選処理による変更抽選に当選しなかったことや仮変更後に通常ルートでV入賞が可能でないことやもともと通常ルートでのみV入賞が可能であること等、V入賞が発生しにくい条件が成立したこと)に基づいて、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンB,C用の処理を実行する機能制御開始処理や制御中処理において通常開放結果用の処理を実行する機能、第1開放タイミングテーブルに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能、保留情報の数が所定数未満であることに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能、振分部材300,310の動作状況や遊技状態に基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能、仮設定した開閉タイミングをそのまま採用する処理を実行する機能等、V入賞が発生しにくいように開閉役物168の開閉制御を実行する機能)と、を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定事象の発生に基づいて可変受入手段への遊技球の受入が可能となり、その遊技球が第1通過部を通過すると特典が付与される構成において、可変受入手段には、振分手段が設けられており、予め定められたタイミングで第1通過部側を通過し易い/しにくい態様の切換が行われる。そして、このような遊技機において、所定事象が発生した場合に、第1条件が成立すると第1タイミングで可変受入手段への受入を左右する状態切換制御が行われ、第1条件とは異なる第2条件が成立すると第1タイミングとは異なる第2タイミングで上記状態切換制御が行われる。このようにすることで、振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部側への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることができる。
特に、可変受入手段へ遊技球が受け入られたのにもかかわらず、当該遊技球が振分手段によって第1通過部側を通過しない事象が発生する(多発する)と、遊技者にとってはなかなか特典が得られることができずに遊技への関心が低下してしまうだけでなく、遊技者に不公平感も与えかねない。そこで、上記のように振分手段側の振分タイミングについては、それを変更することなく、状態切換タイミングを異ならせることで、可変受入手段への受入タイミングを異ならせ、その後の第1通過部側への通過率を変化させる構成としたことで、上記のような不都合の発生を回避することができる。
なお、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりのタイミングとして、「予め定められたタイミング」を、「特定事象の発生から予め定められた期間が経過したタイミング」と言い換えてもよい。
特徴A2.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球の入球がしにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
所定事象(作動口38,39への入球やラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変入球手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能や、遊技制御処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(ラウンド遊技の継続や開閉実行モードの発生)を付与する特典付与手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能や入賞処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
を備え、
前記可変入球制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に、第1条件が成立したこと(開閉パターンAであることであり、特別開放A結果又は特別開放B結果であること、第2開放タイミングテーブルが選択されたこと、保留情報の数が所定数以上であること、振分部材300,310の動作状況の把握結果が所定の結果であったことや開閉実行モードからの遊技回の回数が所定回数以下であること、変更抽選処理による変更抽選に当選したことや仮変更後であっても通常ルートでV入賞が可能であること等の、V入賞が発生し易い条件が成立したこと)に基づいて、第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンA用の処理を実行する機能や、主制御装置81による制御開始処理や制御中処理において特別開放A結果や特別開放B結果用の処理を実行する機能や、第2開放タイミングテーブルに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、保留情報の数が所定数以上であることに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、振分部材300,310の動作状況や遊技状態に基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、第1開閉タイミング変更処理又は第2開閉タイミング変更処理を実行する機能等、V入賞が発生し易いように開閉役物168の開閉制御を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合に、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(開閉パターンB,Cであることや、通常開放結果であることや、第1開放タイミングテーブルが選択されたことや、保留情報の数が所定数未満であることや、振分部材300,310の動作状況の把握結果が所定の結果ではなかったことや開閉実行モードからの遊技回の回数が所定回数を超えることや、変更抽選処理による変更抽選に当選しなかったことや仮変更後に通常ルートでV入賞が可能でないことやもともと通常ルートでのみV入賞が可能であること等、V入賞が発生しにくい条件が成立したこと)に基づいて、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンB,C用の処理を実行する機能や、主制御装置81による制御開始処理や制御中処理において通常開放結果用の処理を実行する機能や、第1開放タイミングテーブルに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、保留情報の数が所定数未満であることに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、振分部材300,310の動作状況や遊技状態に基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、仮設定した開閉タイミングをそのまま採用する処理を実行する機能等、V入賞が発生しにくいように開閉役物168の開閉制御を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定事象の発生に基づいて可変入球手段への遊技球の入球が可能となり、その遊技球が第1通過部を通過すると特典が付与される構成において、可変入球手段には、振分手段が設けられており、予め定められたタイミングで第1通過部側を通過し易い/しにくい態様の切換が行われる。そして、このような遊技機において、所定事象が発生した場合に、第1条件が成立すると第1タイミングで可変入球手段への入球を左右する状態切換制御が行われ、第1条件とは異なる第2条件が成立すると第1タイミングとは異なる第2タイミングで上記状態切換制御が行われる。このようにすることで、振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部側への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることができる。
特に、可変入球手段に遊技球が入球したのにもかかわらず、当該遊技球が振分手段によって第1通過部側を通過しない事象が発生する(多発する)と、遊技者にとってはなかなか特典が得られることができずに遊技への関心が低下してしまうだけでなく、遊技者に不公平感も与えかねない。そこで、上記のように振分手段側の振分タイミングについては、それを変更することなく、状態切換タイミングを異ならせることで、可変入球手段への入球タイミングを異ならせ、その後の第1通過部側への通過率を変化させる構成としたことで、上記のような不都合の発生を回避することができる。
なお、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりのタイミングとして、「予め定められたタイミング」を、「特定事象の発生から予め定められた期間が経過したタイミング」と言い換えてもよい。
特徴A3.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球の入球がしにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
所定事象(ラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変入球手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(ラウンド遊技の継続)を付与する特典付与手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
所定条件が成立したこと(主制御装置81によるステップS1204の処理において、継続率変動モードであると判定されたこと)に基づいて、前記可変入球手段の前記状態切換制御を複数回である所定回数実行可能な特定状態(継続率変動モードの開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定状態は、一の前記状態切換制御において、前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記状態切換制御を行う構成であり、
前記可変入球制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に、第1条件が成立したこと(開閉パターンAであること)に基づいて、前記特定状態において第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンA用の処理を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合に、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(開閉パターンB,Cであること)に基づいて、前記特定状態において前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンB,C用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定事象の発生に基づいて可変入球手段への遊技球の入球が可能となり、その遊技球が第1通過部を通過すると特典が付与される構成において、可変入球手段には、振分手段が設けられており、予め定められたタイミングで第1通過部側を通過し易い/しにくい態様の切換が行われる。そして、このような遊技機において、所定事象が発生した場合に、第1条件が成立すると第1タイミングで可変入球手段への入球を左右する状態切換制御が行われ、第1条件とは異なる第2条件が成立すると第1タイミングとは異なる第2タイミングで上記状態切換制御が行われる。このようにすることで、振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部側への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることができる。
また、上記構成は、特定状態中において一の状態切換制御中に第1通過部を遊技球が通過すると次の状態切換制御が行われる構成であり、この特定状態中においては、第1通過部を遊技球が通過するか否かについて、遊技者は強い関心を寄せる。
特に、可変入球手段に遊技球が入球したのにもかかわらず、当該遊技球が振分手段によって第1通過部側を通過しない事象が発生する(多発する)と、遊技者にとってはなかなか次の状態切換制御が行われずに遊技への関心が低下してしまうだけでなく、遊技者に不公平感も与えかねない。そこで、上記のように振分手段側の振分タイミングについてはそれを変更することなく、状態切換タイミングを異ならせることで、可変入球手段への入球タイミングを異ならせ、その後の第1通過部側への通過率を変化させる構成としたことで、上記のような不都合の発生を回避することができる。
なお、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりのタイミングとして、「予め定められたタイミング」を、「特定事象の発生から予め定められた期間が経過したタイミング」と言い換えてもよい。
特徴A4.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球の入球がしにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変入球手段(役物装置150)と、
所定事象(作動口38,39への入球)の発生に基づいて、前記可変入球手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(開閉実行モードの発生)を付与する特典付与手段(主制御装置81による入賞処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に入球した遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
所定条件が成立したこと(主制御装置81による当否判定処理において外れ結果又は直当たり結果ではないと判定されたこと)に基づいて、前記可変入球手段の前記状態切換制御を所定回数実行可能な特定状態(通常開放結果、特別開放A結果又は特別開放B結果に基づいて、制御中処理が行われる状態)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変入球制御手段は、
前記所定事象が発生した場合に、第1条件が成立したこと(特別開放A結果又は特別開放B結果であることや、第2開放タイミングテーブルが選択されたことや、保留情報の数が所定数以上であることや、振分部材300,310の動作状況の把握結果が所定の結果であったことや開閉実行モードからの遊技回の回数が所定回数以下であることや、変更抽選処理による変更抽選に当選したことや仮変更後であっても通常ルートでV入賞が可能であること等、V入賞が発生し易い条件が成立したこと)に基づいて、前記特定状態において第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(主制御装置81による制御開始処理や制御中処理において特別開放A結果や特別開放B結果用の処理を実行する機能や、第2開放タイミングテーブルに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、保留情報の数が所定数以上であることに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、振分部材300,310の動作状況や遊技状態に基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、第1開閉タイミング変更処理又は第2開閉タイミング変更処理を実行する機能等、V入賞が発生し易いように開閉役物168の開閉制御を実行する機能)と、
前記所定事象が発生した場合に、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(通常開放結果であることや、第1開放タイミングテーブルが選択されたことや、保留情報の数が所定数未満であることや、振分部材300,310の動作状況の把握結果が所定の結果ではなかったことや開閉実行モードからの遊技回の回数が所定回数を超えることや、変更抽選処理による変更抽選に当選しなかったことや仮変更後に通常ルートでV入賞が可能でないことやもともと通常ルートでのみV入賞が可能であること等、V入賞が発生しにくい条件が成立したこと)に基づいて、前記特定状態の開始タイミングを前記第1切換実行手段による場合と異ならせることなく、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(主制御装置81による制御開始処理や制御中処理において通常開放結果用の処理を実行する機能や、第1開放タイミングテーブルに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、保留情報の数が所定数未満であることに基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、振分部材300,310の動作状況や遊技状態に基づいて開閉タイミングを設定する処理を実行する機能や、仮設定した開閉タイミングをそのまま採用する処理を実行する機能等、V入賞が発生しにくいように開閉役物168の開閉制御を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定事象の発生に基づいて可変入球手段への遊技球の入球が可能となり、その遊技球が第1通過部を通過すると特典が付与される構成において、可変入球手段には、振分手段が設けられており、予め定められたタイミングで第1通過部側を通過し易い/しにくい態様の切換が行われる。そして、このような遊技機において、所定事象が発生した場合に、第1条件が成立すると第1タイミングで可変入球手段への入球を左右する状態切換制御が行われ、第1条件とは異なる第2条件が成立すると第1タイミングとは異なる第2タイミングで上記状態切換制御が行われる。このようにすることで、振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部側への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることができる。
特に、可変入球手段に遊技球が入球したのにもかかわらず、当該遊技球が振分手段によって第1通過部側を通過しない事象が発生する(多発する)と、遊技者にとってはなかなか特典が付与されずに遊技への関心が低下してしまうだけでなく、遊技者に不公平感も与えかねない。そこで、上記のように振分手段側の振分タイミングについてはそれを変更することなく、状態切換タイミングを異ならせることで、可変入球手段への入球タイミングを異ならせ、その後の第1通過部側への通過率を変化させる構成としたことで、上記のような不都合の発生を回避することができる。
また、所定条件が成立することで可変入球手段に入球することが可能な特定状態となる。そして上記構成によれば、特定状態の開始タイミングを異ならせることなく状態切換制御のタイミングを異ならせることができる。これにより、特定状態において可変入球手段への入球率が多様となるだけでなく、振分手段の態様の切り換わりタイミングとの関係で状態切換制御のタイミングを設定すれば、特定状態において第1通過部への遊技球の通過を狙い撃ちしにくくしつつも、第1通過部側への通過率を異ならせることができる。
なお、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりのタイミングとして、「予め定められたタイミング」を、「特定事象の発生から予め定められた期間が経過したタイミング」と言い換えてもよい。
特徴A5.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段による状態切換制御が行われる場合、すなわち、第1条件が成立した場合のほうが、第1通過部を遊技球が通過し易いため、その通過に基づく特典が付与され易い。そのため、遊技者は、第1条件が成立するか第2条件が成立するかに大きな関心を寄せると考えられ、その結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特に、特徴A3の構成に本構成を適用すると、特定状態中において第1通過部を遊技球が通過することが、次の状態切換制御へ移行する条件であるため、第1条件が成立した場合には次の状態切換制御へ移行し易く、逆に第2条件が成立した場合には次の状態切換制御に移行しにくい構成となる。そのため、各状態切換制御においていずれの条件が成立するか否かだけでなく、その状態切換制御の継続率を変化させることができ、斬新な遊技とすることができる。
また、特徴A4の構成に本構成を適用すると、特定状態の開始タイミングを異ならせることなく第1通過部への通過率を変化させることができるため、狙い撃ち等の行為を抑制しつつも特典の付与率(第1通過部への通過率)を変化させることができ、斬新な遊技とすることができる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入にくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
所定事象(ラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(ラウンド遊技の継続や開閉実行モードの発生)を付与する特典付与手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
所定条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段の前記状態切換制御が複数回(例えば19回、RC2)に亘って行われる特定制御(ラウンド遊技)を、複数回(例えば16回、RC1)に亘って実行可能な特別遊技状態(継続率変動モードの開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態では、一の前記特定制御において、前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記特定制御を行うことが可能となる構成であり、
前記可変受入制御手段は、
前記特定制御中において、第1条件が成立したこと(例えば、開閉パターンAであること等の、V入賞を発生させ易い条件が成立したこと)に基づいて、第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンA用の処理等の、主制御装置81によるV振分が行われ易いタイミングとなるように開閉役物168の開閉制御ための処理を実行する機能)と、
前記特定制御中において、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(例えば、開閉パターンB,Cであること等の、V入賞を発生させにくい条件が成立したこと)に基づいて、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンB,C用の処理等の、V振分が行われにくいタイミングとなるように開閉役物168の開閉制御ための処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段への遊技球の受入が可能となった状況で受入られた遊技球が、第1通過部を通過すると特典が付与される構成において、可変受入手段には、振分手段が設けられており、予め定められたタイミングで第1通過部側を通過し易い/しにくい態様の切換が行われる。そして、このような遊技機において、所定条件が成立すると、状態切換制御が複数回に亘って実行可能な特定制御を、複数回に亘って実行可能な特別遊技状態に移行する。この特別遊技状態は、一の特定制御において第1通過部を通過したことに基づいて次の特定制御を行うことが可能となる構成となっており、そのため、可変受入手段への受入個数だけでなく、可変受入手段に受入れられた遊技球が第1通過部を通過するか否か、といった点に遊技者の関心が寄せられる。
このような構成において、一の特定制御中に、第1条件が成立すると第1タイミングで状態切換制御が行われ、第2条件が成立すると第2タイミングで状態切換制御が行われる。可変受入手段において振分手段側の振分態様は予め定められたタイミングで、その振分態様は変化することがないため、上記のように可変受入手段側の状態切換制御のタイミングを変更することで、振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部側への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることができる。
以上の結果、特別遊技状態中の特定制御の継続率を、振分手段側の振分態様を変更することなく、設計することができ、遊技の多様化を図ることができる。よって、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりのタイミングとして、「予め定められたタイミング」を、「特定事象の発生から予め定められた期間が経過したタイミング」と言い換えてもよい。
特徴B2.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段による状態切換制御が行われる場合、すなわち、第1条件が成立した場合のほうが、第1通過部を遊技球が通過し易いため、その通過に基づいて次の特定制御へ移行し易い。そのため、遊技者は、第1条件が成立するか第2条件が成立するかに大きな関心を寄せると考えられ、その結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴B3.前記特別遊技状態中において、前記振分手段の切り換わりタイミングが、一の前記特定制御の開始時から予め定められたタイミングとして定められていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりタイミングが、一の特定制御の開始時から固定となる一方で、第1条件が成立するか第2条件が成立するかによって可変受入手段への受入タイミングは異なり、そのため、第1通過部への通過率は変化する。これにより、振分手段の動作パターンを変更することなく特定制御の継続率を変化させることができる。
特徴B4.前記特別遊技状態の各前記特定制御において、前記第1条件又は前記第2条件のいずれが成立するかを、当該特別遊技状態の移行時に設定する手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立するか第2条件が成立するかによって、特別遊技状態中の特定制御の継続率が変化する構成において、いずれの条件が成立するかは特別遊技状態への移行時には設定されているため、例えば、特別遊技状態の開始時(移行時)に、継続率に関する報知(継続率が高い特別遊技状態であることの報知又は継続率が低い特定状態であることの報知等)を実行することが可能となる。よって、特別遊技状態への移行時にいずれの条件が成立するかについて注目させることができ、遊技への関心を高めることが可能となる。
なお、「当該特別遊技状態への移行時」とは、「前記所定条件が成立したことに基づいて」とも言い換えることができる。
特徴B5.前記特別遊技状態の各前記特定制御において、前記第1条件又は前記第2条件のいずれが成立するかを、当該特定制御の開始時に設定する手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1条件が成立するか第2条件が成立するかによって、特別遊技状態中の特定制御の継続率が変化する構成において、いずれの条件が成立するかは特別遊技状態における特定制御の開始時に設定されるため、各特定制御においていずれの条件が成立するか(継続率が高いか低いか)に関して、常に注目させることができる。
特徴B6.前記振分手段は、一の遊技球の流下経路上に複数個設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各振分手段における第1態様と第2態様との組合せによって、その後の第1通過部への通過率が変化する。そして、第1条件及び第2条件のいずれが成立するかによって、状態切換制御の実行タイミングが異なるように設定されるため、第1通過部の通過率をより多様に設定することができる。よって、興趣向上を図ることが可能となる。
なお、「前記振分手段とは別途設けられ、周期的な動作を行うことにより、前記可変受入手段に受入れられた遊技球を前記第1通過部側及び前記第2通過部側のいずれかへ導出することが可能な周期動作手段(回転体201)」を設ける構成とすると、予め定められたタイミングで第1態様と第2態様とが切り換わる各振分手段と、周期的な動作が行われる周期動作手段と、の区別を明確にすることができる。
特徴B7.前記複数個設けられた各前記振分手段として、遊技機前方から視認可能な第1振分手段(第1振分部材300、回転体201)と、遊技機前方からの視認性が前記第1振分手段よりも低い第2振分手段(第2振分部材310)と、が設けられていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態において第1通過部を遊技球が通過すると特定制御が継続する構成において、第1通過部への通過率を振り分ける振分手段を視認することができれば、その振分が行われる様を見て楽しむ、という遊技を行うことができ、遊技への注目度を高める、という観点から好ましい。一方で、振分手段が視認可能であると、振分手段の振分を狙い打たれる行為が行われる可能性が生じ、不正行為が発見しにくくなるという課題も生じ得る。そこで、振分手段を複数個設け、その視認性に高低の差を設けることで、視認性の高低に起因した相反する課題を解決することが可能となる。
特徴B8.前記第2振分手段が前記第1態様となるほうが、前記第1振分手段が前記第1態様となるよりも、前記第1通過部を遊技球が通過する可能性が高いことを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
上記構成によれば、視認性が低い側の第2振分手段による振分が行われたほうが、第1通過部を通過する可能性が高いため、狙い打ちが行われることをより好適に抑制することができる。上記のように、視認性の高低による相反する課題ではあっても、不正行為が行われると、遊技ホールや遊技機メーカーだけでなく、他の正当な遊技を行う遊技者に対しても不利益を与えかねない。そのため、不正行為対策は最優先すべき事項であると考えられる。
特徴B9.前記可変受入手段に受入れられた遊技球が前記振分手段に到達した場合に、当該振分手段が前記第2態様であっても、その後に当該遊技球は前記第1通過部へ導出され得る構成であることを特徴とする特徴B1乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段と第2切換実行手段のいずれによって可変受入手段の状態切換制御が行われても、第1通過部を通過する可能性を残すことができる。このようにすることで、状態切換制御のタイミングによって特定制御の継続率に変化を持たせつつも、それだけで継続率が定まらないようにし、仮に継続率が低くなる状態切換制御が行われた場合であっても、遊技への関心が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
特徴B10.前記特別遊技状態において、一の前記特定制御中に前記第1通過部を遊技球が通過すると、当該特定制御が行われる期間が残っていても、次の前記特定制御に移行する構成であることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定制御中の第1通過部を通過するタイミングによって、当該一の特定制御において可変受入手段に遊技球が受入れられる遊技球数が異なる。そのため、遊技者としては、いつ第1通過部を遊技球が通過するかについて、高い関心を寄せるものと考えられ、遊技への注目度を高めることができる。
なお、「特定制御が行われる期間」について、より詳しくは、「特定制御における状態切換制御の回数」と言い換えることができる。
特徴B11.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
一の前記特定制御において、前記第1条件は前記第2条件よりも後のタイミングで成立し易いように設定されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定制御が行われる期間において、後側になるほど第1通過部側を遊技球が通過し易いように制御され易くなる。このようにすることで、一の特定制御中に可変受入手段に受入れられる遊技球数が多くなるし、遊技球が第1通過部を通過するか否かに関心を寄せさせる期間が長くなる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴B12.前記第1条件及び前記第2条件のいずれが成立した場合であっても、前記特定制御中において一の前記状態切換制御が行われる期間は同じ期間に設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1通過部の通過率、すなわち特定制御の継続率を変化させつつも、当該特定制御における各状態切換制御に要する期間は同じ期間であるため、遊技の公平性が担保される。各状態切換制御に要する期間までも異ならせてしまうと、特定制御の継続率だけでなく、可変受入手段に受入れられる遊技球数も異なることとなるからである。
特徴B13.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記特別遊技状態の各前記特定制御において、前記第1条件又は前記第2条件のいずれが成立するかを、当該特定制御の開始時に設定する設定手段を備え、
当該設定手段は、各前記特定制御における第1所定回数目の前記状態切換制御では、前記第2条件よりも前記第1条件が成立し易くなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1所定回数目の特定制御では、第1条件が成立し易くなっているため、第1通過部を遊技球が通過し易い。すなわち、第1所定回数目の特定制御は、継続率が高くなっている。そのため、当該第1所定回数目の特定制御においては、当該特定制御が継続するものとして、優雅な気持ちで特別遊技状態を楽しませることができる。よって、興趣向上を図ることができる。
特徴B14.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記特別遊技状態の各前記特定制御において、前記第1条件又は前記第2条件のいずれが成立するかを、当該特定制御の開始時に設定する設定手段を備え、
当該設定手段は、各前記特定制御における第2所定回数目の前記特定制御では、前記第1条件よりも前記第2条件が成立し易くなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2所定回数目の特定制御では、第2条件が成立し易くなっているため、第1通過部を遊技球が通過しにくい。すなわち、第2所定回数目の特定制御は、継続率が低くなっている。そのため、当該第2所定回数目の特定制御においては、当該特定制御が継続するか否か、すなわち第1通過部を遊技球が通過するか否かについて、遊技球の行方に注目させ、特別遊技状態中の注目度に抑揚をつけることができる。よって興趣向上を図ることができる。
なお、特徴B13との関係で、「第2所定回数」を「前記第1所定回数とは異なる回数である第2所定回数」と表現してもよい。
特徴B15.前記設定手段は、前記第2所定回数目の次の前記特定制御では、前記第2条件よりも前記第1条件が成立し易くなるようにすることが可能であることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続率が低い第2所定回数目に継続すれば、次の特定制御では継続率が高くなるように設定されているため、より一層、第2所定回数目に継続するか否かが重要な要素となり、当該第2所定回数目の特定制御への注目度を高めることができる。
特徴B16.前記遊技状態移行手段により移行される前記特別遊技状態には、前記第2条件よりも前記第1条件が成立し易い第1特別遊技状態(16R継続モード)と、前記1条件よりも前記第2条件が成立し易い第2特別遊技状態(継続変動モード)と、が設けられていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とのうちのいずれの特別遊技状態となるかによって、その特別遊技状態における特定制御の継続率が異なる。よって、特別遊技状態の種類に関心を寄せさせることができ、遊技への注目度向上が図られる。
特徴B17.前記遊技状態移行手段は、前記可変受入手段に受入れられた遊技球が前記第1通過部を通過したことに基づいて、前記特別遊技状態へ移行させることが可能な構成であり、
前記第1通過部を通過してから少なくとも前記特別遊技状態へ移行させるまでにおいて、前記第1特別遊技状態と前記第2特別遊技状態とのいずれに移行させるかを所定の報知手段(図柄表示装置51)にて報知することが可能な報知制御手段(演出制御装置82による、主制御装置81からの制御終了コマンドに基づいて開閉実行モード用の演出を実行する機能)を備え、
前記所定の報知手段は、前記可変受入手段の近傍に設けられていることを特徴とする特徴B16に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態移行前においては、遊技者は、可変受入手段に受入れられるか否か、受入れられた当該遊技球が第1通過部を通過するか否か、について注目しており、その後は、いずれの特別遊技状態に移行するか否かに注目する。そして、所定の報知手段が、可変受入手段の近傍に設けられている構成としているため、このような、遊技者の注目する対象が異なっても、おのずと目に入る範囲でそれぞれの報知が行われ、遊技者の関心先が分散してしまうことを抑制することができる。
なお、「前記所定の報知手段は、前記可変受入手段の近傍」とは、例えば、
「前記可変受入手段と前記所定の報知手段とは、それぞれを有する演出用のユニットに設けられており、当該演出用のユニットが遊技球の流下する遊技領域に設置されている」構成や、
「前記可変受入手段と前記所定の報知手段とを、遊技盤に固定する固定ユニットを備え、当該固定ユニット内において、前記所定の報知手段は、前記可変受入手段を覆う囲み部に対して固定される」構成等と表現することも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行処理(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
所定条件が成立したこと(作動口38,39への入球が発生したこと、開放待機時間が終了したこと、変動表示時間が終了したこと等)に基づいて、前記可変受入手段の前記状態切換制御を所定回数実行可能な特定状態(通常開放結果等の基づいて、制御中処理が行われる状態)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入制御手段は、
前記所定条件が成立した場合に、第1条件が成立したこと(例えば、特別開放結果であること等、のV入賞を発生させ易い条件が成立したこと)に基づいて、第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(V振分を発生させ易いタイミングで開閉役物168の開閉制御の処理を実行する機能)と、
前記所定条件が成立した場合に、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(通常開放結果であること等のV入賞を発生させにくい条件が成立したこと)に基づいて、前記所定条件の成立タイミングを前記第1切換実行手段による場合と異ならせることなく、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(V振分を発生させにくいタイミングで開閉役物168の開閉制御の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段に遊技球が受入られて、その遊技球が第1通過部を通過すると、特別遊技状態に移行する構成において、可変受入手段には、振分手段が設けられており、予め定められたタイミングで第1通過部側を通過し易い/しにくい態様の切換が行われる。そして、このような遊技機において、可変受入手段の状態切換制御は、所定条件が成立したことに基づいて行われ、その場合に、第1条件が成立すると第1タイミングで可変受入手段への受入を左右する状態切換制御が行われ、第1条件とは異なる第2条件が成立すると第1タイミングとは異なる第2タイミングで上記状態切換制御が行われる。このようにすることで、振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部側への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることができる。
特に、可変受入手段に遊技球が受入られたのにもかかわらず、当該遊技球が振分手段によって第1通過部側を通過しない事象が発生する(多発する)と、遊技者にとってはなかなか特別遊技状態へ移行せずに遊技への関心が低下してしまうだけでなく、遊技者に不公平感も与えかねない。そこで、上記のように振分手段側の振分タイミングについてはそれを変更することなく、状態切換タイミングを異ならせることで、可変受入手段への受入タイミングを異ならせ、その後の第1通過部側への通過率を変化させる構成としたことで、上記のような不都合の発生を回避することができる。
なお、振分手段において第1態様と第2態様との切り換わりのタイミングとして、「予め定められたタイミング」を、「特定事象の発生から予め定められた期間が経過したタイミング」と言い換えてもよい。
特徴C2.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段による状態切換制御が行われる場合、すなわち、第1条件が成立した場合のほうが、第1通過部を遊技球が通過し易いため、その通過に基づく特典が付与され易い。そのため、遊技者は、第1条件が成立するか第2条件が成立するかに大きな関心を寄せると考えられ、その結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特に、特徴C1においては、所定条件の成立タイミングを異ならせることなく第1通過部への通過率を変化させることができるため、狙い打ち等の行為を抑制しつつ特別遊技状態への移行率(第1通過部への通過率)を変化させることができ、斬新な遊技とすることができる。
特徴C3.前記振分手段は、前記第1態様と前記第2態様との切り換わりタイミングが、前記所定条件が成立してから予め定められたタイミングとして設定されているものであることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段は、所定条件が成立してから予め定められたタイミングで第1態様と第2態様との切り換わりが行われる。このようにすれば、振分手段がランダムなタイミングで切り換わる構成と比較して、遊技者へ遊技の公平感を与えやすい。一方で、特徴C1に記載した通り、第1切換実行手段や第2切換実行手段は、特定状態中の状態切換制御のタイミングがそれぞれ異なっている。したがって、遊技の公平性を担保しつつも、各切換実行手段によって状態切換制御が行われることで第1通過部への通過率を異ならせることが可能となる。
特徴C4.前記第1切換実行手段及び前記第2切換実行手段は、前記特定状態において前記状態切換制御が行われる回数を異ならせることなく、前記第1タイミングと前記第2タイミングとで前記状態切換制御の実行タイミングを異ならせることが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の特定状態における状態切換制御が行われる回数を異ならせずに、第1通過部への通過率を異ならせることが可能となる。よって、状態切換制御の回数が多くなる又は少なくなることに起因して、遊技者が不公平感を抱く可能性を低減することができる。
特徴C5.前記第1切換実行手段及び前記第2切換実行手段は、一の前記特定状態において前記可変受入手段が前記第1状態となる期間の長さを異ならせることなく、前記第1タイミングと前記第2タイミングとで前記状態切換制御の実行タイミングを異ならせることが可能な構成であることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態となり遊技球を受入可能となる期間の長さが同じであるため、いずれの切換実行手段によって状態切換制御が行われても、可変受入手段への受入率(入球率)自体は変化しない。そのため、遊技の公平性をより担保することができる。
なお、「前記可変受入手段に遊技球が受入られたことに基づいて、遊技者に特典(役物装置150への入賞に基づく賞球)を付与する手段(払出装置96)」を備える構成とすると、可変受入手段への受入率が変化しないことによる公平性をより高めることができる。ちなみに、第1通過部へいかに遊技球を通過させるか、という遊技性から鑑みると、上記の可変受入手段に遊技球が受入られたことに基づいて付与される特典は、第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて付与される特典(特別遊技状態への移行)とは異なる特典であることが好ましい。
特徴C6.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記特定状態において複数回の前記状態切換制御が行われる場合、後側の前記状態切換制御のほうが前側の前記状態切換制御よりも、前記第1切換実行手段による前記状態切換制御が行われ易い構成であることを特徴とする特徴C1乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状態において複数回の状態切換制御が行われる場合においては、後側の状態切換制御のほうが前側の状態切換制御よりも第1通過部への通過率が高くなる。これにより、特定状態を最後まで楽しませることが可能となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴C7.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記特定状態における一の前記状態切換制御において、前記可変受入手段が前記第1状態となる期間の長さが相対的に長短となるように長期間態様と短期間態様との前記状態切換制御が設定されており、
前記第1切換実行手段は、前記長期間態様となる前記状態切換制御を選択し易い構成であることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、長期間態様となる状態切換制御において第1通過部への通過率が高まるため、可変受入手段への受入率と第1通過部への通過率とがリンクする。そのため、遊技者にとって注目すべきポイントが明確となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴C8.前記発射手段は、予め定められた発射周期(0.6sec)で遊技球を発射するものであり、
前記第1切換実行手段及び前記第2切換実行手段は、一の前記特定状態において前記可変受入手段が前記第1状態となる期間の長さを異ならせることなく、前記第1タイミングと前記第2タイミングとで前記状態切換制御の実行タイミングを異ならせることが可能な構成であり、
前記特定状態において複数回の前記状態切換制御が行われる場合、前記短期間態様となる前記状態切換制御では、前記可変受入手段が前記第1状態となる期間が前記発射周期よりも短くなるように設定されていることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、短期間態様となる状態切換制御では遊技球の受入が期待できないものの、その分、長期間態様となる状態切換制御では遊技球の受入が最大限期待できるものとなる。よって、遊技者が注目すべきタイミングがより明確となり、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴C9.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記第1切換実行手段により前記状態切換制御が行われる場合と、前記第2切換実行手段により前記状態切換制御が行われる場合とで、前記特定状態が前記第1切換実行手段によるほうが早く終了するように設定され得るものであることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1通過部への通過率が高くなる第1切換実行手段による状態切換制御が行われたほうが、特定状態が早く終了するため、例えば、次の特定状態が控えている場合には、早期にその次の特定状態に移行させることができるし、第1通過部への通過が発生した場合には当該特定状態の終了後に特別遊技状態へ早期に移行させることができる。よって、遊技の円滑な進行を実現するとともに、仮に第1通過部への通過が発生しなかった場合であっても、遊技者に落胆してしまう暇を与えずに、早期に気持ちの切り換えを促すことができる。
特徴C10.前記振分手段は、前記第1態様と前記第2態様との切り換わりタイミングが、前記所定条件が成立してから予め定められたタイミングとして設定されており、
前記所定条件とは、前記状態切換制御として前記可変受入手段が前記第2状態から前記第1状態への切り換えが行われること成立するものであることを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第2状態から第1状態への切り換わりが開始されてから予め定められたタイミングで振分手段の切り換わりが行われる。このようにすることで、可変受入手段の動作開始タイミングと振分手段の動作開始タイミングとが一定となり、遊技の公平性がより担保される。
特徴C11.前記振分手段は、前記第1態様と前記第2態様との切り換わりタイミングが、前記所定条件が成立してから予め定められたタイミングとして設定されており、
前記遊技領域には、遊技球が入球可能な入球部(作動口38,39)が設けられており、
前記入球部への入球が発生したことに基づいて、又は前記入球部への入球に基づく入球情報が所定の判定対象となったことに基づいて、前記所定条件が成立するものであることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部への遊技球の入球に基づいて特定状態が開始され、又はその入球に基づく入球情報が所定の判定対象となったことに基づいて特定状態が開始される。そして、この特定状態の開始から予め定められたタイミングで振分手段の切り換わりが行われる。このようにすることで、入球部への入球又は入球情報が判定対象となるタイミングと振分手段の動作開始タイミングとが一定となり、遊技の公平性がより担保される。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入にくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
所定事象(ラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞通路191a)と、
所定条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段の前記状態切換制御が複数回(例えば19回、RC2)に亘って行われる特定制御(ラウンド遊技)を、複数回(例えば16回、RC1)に亘って実行可能な特別遊技状態(継続率変動モードの開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別遊技状態は、一の前記特定制御において、前記特定通過部を遊技球が通過したことを継続条件とし、当該継続条件が成立したことに基づいて、次の前記特定制御を行うことが可能となる構成であり、
前記特定制御には、前記継続条件の成立し易さが相対的に高低となる高継続特定制御と、低継続特定制御と、が設定されており、
前記特定制御の各前記状態切換制御が行われる期間として、前記状態切換制御の制御タイミングが異なるとして第1タイミングで前記状態切換制御が行われる第1所定期間と、当該第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御が行われる第2所定期間と、が設定されおり、
前記特別遊技状態における所定の特定制御にて、前記第1所定期間に前記継続条件が成立したことに基づいて、次回の特定制御を前記高継続特定制御として設定し、前記第2所定期間に前記継続条件が成立したことに基づいて、次回の特定制御を前記低継続特定制御として設定することが可能な設定手段(主制御装置81によるステップS1408の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1所定期間において継続条件が成立するか、第2所定期間において継続条件が成立するかによって、次回の特定制御の継続率が異なる。これにより、遊技者としては、所定の特定制御における継続条件の成立タイミングに高い関心を寄せるものと考えられる。そして、このような効果を、可変受入手段の状態切換制御のタイミングを変更するだけで実現するができ、簡素な構成で遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴D2.前記所定の特定制御において、前記第2所定期間よりも前記第1所定期間のほうが後側に設定されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御において後側の第1所定期間にて継続条件が成立すれば、次回の特定制御は高継続特定制御となり遊技者にとって有利となる。そのため、特別遊技状態中の各特定制御をより長く楽しませることができ、遊技者にとって好ましい。さらに、例えば、特定制御において、第2所定期間中ではなく第1所定期間中に継続条件が成立するように、可変受入手段への遊技球の受入タイミングを調節する、といった遊技を行うことが可能となり、特定制御中の継続条件成立タイミングを調節する新たな遊技を創出することができる。
特徴D3.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記特定通過部を遊技球が通過し易いタイミングに設定されていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、後側の第1所定期間中のほうが特定通過部を通過し易いタイミングで状態切換制御が行われるため、当該後側の第1所定期間中のほうが継続条件が成立し易い。そのため、例えば、継続条件が成立しにくい第2所定期間中は、特定通過部への通過を望まず、その後の第1所定期間を待って特定通過部へ通過させる、という斬新な遊技を実現することができる。
特徴D4.前記第1所定期間と前記第2所定期間とのいずれであっても、前記可変受入手段へ遊技球が受入可能な期間となるように前記第1状態となる期間の長さが設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御において第1所定期間と第2所定期間とで可変受入手段へ遊技球が受入られるため、遊技球の発射を継続する意義を生じさせることができる。これにより、遊技球の発射を停止させる所謂止め打ちを抑制することができる。
特徴D5.前記第1所定期間よりも前記第2所定期間のほうが前記可変受入手段が前記第1状態となる期間の長さが長くなるように設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立すれば次回の特定制御が低継続特定制御となり得る第2所定期間であっても、遊技球の発射を継続する意義が生じる。例えば、特別遊技状態において特定制御の回数が制限されており、その上限回数目の特定制御においては、次回の継続率は関係ない。そこで、上記のような構成とすれば、第2所定期間においても可変受入手段へ遊技球を受入れさせようという意思をもって遊技に望ませることが可能となる。
特徴D6.前記特別遊技状態は、一の前記特定制御において、前記状態切換制御の回数が予め定められた所定回数(RC2=19)に達した場合に、前記継続条件が成立していなければ当該特別遊技状態が終了するものであることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者としては、状態切換制御の回数が所定回数に達するよりも前に継続条件を成立させようとするものと考えられる。但し、例えば特徴D2のように、高継続特定制御に設定される第1所定期間が、特定制御の後側に設定されていれば、なるべく継続条件が後側に成立するようにしたいものとも考える。そこで、そのような、特別遊技状態の終了条件(継続条件が成立せずに所定回数に達すること)と、第1所定期間中に継続条件を成立させようとする、といったバランス感を楽しませることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D7.前記特別遊技状態は、一の前記特定制御において、前記可変受入手段への受入個数が予め定められた所定個数(例えば9個)に達した場合に、前記継続条件が成立していなければ当該特別遊技状態が終了するものであることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者としては、可変受入手段への受入個数が所定個数に達するよりも前に継続条件を成立させようとするものと考えられる。但し、例えば特徴D2のように、高継続特定制御に設定される第1所定期間が、特定制御の後側に設定されていれば、なるべく継続条件が後側に成立するようにしたいものとも考える。そこで、そのような、特別遊技状態の終了条件(継続条件が成立せずに所定個数に達すること)と、第1所定期間中に継続条件を成立させようとする、といったバランス感を楽しませることができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴D8.前記設定手段は、今回の前記特定制御を前記高継続特定制御に設定した場合、次の前記特定制御も前記高継続特定制御に設定し易いものであることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態中の所定の特定制御で、第1所定期間に継続条件を成立させれば、次回以降は高継続特定制御が設定され易い。そのため、当該所定の特定制御における注目度がより一層高まることになり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴D9.前記所定の特定制御は、前記低継続特定制御であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しにくい低継続特定制御であっても、第1所定期間において継続条件が成立すれば、次の特定制御は高継続特定制御に設定される。そのため、継続条件が成立しにくい低継続特定制御中ですら、注目度を高めることが可能となる。
特徴D10.前記所定の特定制御の次の特定制御も、前記所定の特定制御に設定され得るものであることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、成立タイミングによって継続条件が異なる所定の特定制御が継続し得るため、特別遊技状態中の各特定制御のそれぞれにおいて、高い関心を寄せさせる(継続条件の成立タイミングを見逃さないようにさせる)ことができる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(開閉実行モードへの移行、ラウンドの継続条件の成立)を付与する特典付与手段(例えば、主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
を備え、
前記可変受入制御手段の前記状態切換制御の制御態様には、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達し易い第1タイミング(V振分が行われ得るタイミング)が含まれるように前記可変受入手段を前記第1状態とする第1状態切換制御態様(V振分が行われ易いタイミングとなるようにする開閉役物168の開閉制御)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達しにくい第2タイミング(V振分が行われにくいタイミング)が含まれるように前記可変受入手段を前記第1状態とする第2状態切換制御態様(V振分が行われにくいタイミングとなるようにする開閉役物168の開閉制御)と、
が設定されており、
前記可変受入制御手段は、前記状態切換制御を実行する場合、前記第1状態切換制御態様と前記第2状態切換制御態様のいずれを実行するかを切り換える切換手段(例えば、主制御装置81による各ラウンド用の設定処理や各開閉用の設定処理、制御中処理等の、開閉役物168の制御タイミングをV振分けが行われ易いタイミングの開閉態様とそうではないタイミングの開閉態様となるように制御する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段へ受け入れられた遊技球が、予め定められたタイミングで振分先が変更される振分手段によって振り分けられた結果、第1通過部側に振り分けられると、遊技者に特典が付与される。このような構成において、可変受入手段の状態切換制御を行う可変受入制御手段は、第1通過部側を通過し易い第1タイミングが含まれる可変受入制御を実行可能な第1切換制御態様と、第1通過部側を通過しにくい第2タイミングが含まれる第2可変受入制御態様と、の切り換えを実行可能な切換手段を備えているため、予め定められたタイミングで動作する振分手段側の振分態様を変更することなく、第1通過部への通過し易さ/しにくさ(通過率)を異ならせることが可能となる。よって、遊技の公平性を担保しつつ、興趣向上を図ることができる。
特徴E2.前記第1タイミングで前記可変受入手段へ受け入れられた遊技球であっても、前記第1通過部を通過しにくいタイミングが含まれるように当該第1タイミングが設定されていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に振分手段によって第1タイミングで可変受入手段へ受入れられたとしても、それが必ず第1通過部側へ振り分けられるものではなくなるため、その第1タイミングであっても安心させずに、受入られた遊技球の行く先への関心を薄れさせない。よって、遊技への関心を好適に維持させることができる。
特徴E3.前記第2タイミングは、前記可変受入手段へ受け入れられた遊技球が、前記第1通過部を通過可能なタイミングに設定されていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に振分手段によって第2タイミングで可変受入手段に受入れられたとしても、第1通過部を通過する可能性を残し、遊技者を落胆させず、遊技への関心が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
特徴E4.前記第1状態切換制御態様は、複数回の前記状態切換制御によって構成されており、その複数回の前記状態切換制御のうちの一の前記状態切換制御が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達し易い第1タイミングとなる前記状態切換制御として設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、少なくとも一の状態切換制御については、予め定められたタイミングで実行しなければいけない状況が存在する場合であっても、その状態切換制御ではなく、他の状態切換制御によって、第1通過部側に到達し易い第1タイミングで状態切換制御を行えば、上記のような状況をふまえたうえで、特徴E1に記載した優れた効果を発揮することができる。
特徴E5.前記複数回の前記状態切換制御のうち、前記第1タイミングとなる前記状態切換制御とは異なる前記状態切換制御が、当該第1タイミングとなる前記状態切換制御よりも先に行わるように前記第1状態切換制御態様が設定されていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1タイミングとなる状態切換制御ではない側の状態切換制御が先に行われるので、そのタイミングでは、遊技者としてはそれが第1状態切換制御態様なのかどうかを判断することができない。そのようにすることで、各状態切換制御態様への関心を高め、遊技へ没頭させることができる。
特徴E6.前記振分手段は、前記異なる前記状態切換制御が行われるタイミングから前記予め定められたタイミングで切り換わり可能な構成であることを特徴とする特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段の振分タイミングを第1タイミングとは関係なく規定することができる。すなわち、上記第1タイミングとは異なる側の状態切換制御に合わせて、振分手段の振分タイミングを設定することができるため、例えば、一の状態切換制御に関しては遊技機の規定に合わせ、それ以外の状態切換制御(第1タイミングの状態切換制御)を変えることで、特徴E1に記載した優れた効果を奏することができる。
特徴E7.前記第2状態切換制御態様は、複数回の前記状態切換制御によって構成されており、その複数回の前記状態切換制御のうちの一の前記状態切換制御が、前記振分手段が前記第1態様である状況で当該振分手段へ到達しにくい第2タイミングとなる前記状態切換制御として設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、少なくとも一の状態切換制御については、予め定められたタイミングで実行しなければいけない状況が存在する場合であっても、その状態切換制御ではなく、他の状態切換制御によって、第1通過部側に到達しにくい第2タイミングで状態切換制御を行えば、上記のような状況をふまえたうえで、特徴E1に記載した優れた効果を発揮することができる。
なお、特徴E4を有する遊技機に構成を適用すれば、両方の状態切換制御態様が複数回の状態切換制御となり、遊技者にいずれの切換制御態様がわかりにくくする、という効果を高めることができる。
特徴E8.前記複数回の前記状態切換制御のうち、前記第2タイミングとなる前記状態切換制御とは異なる前記状態切換制御が、当該第2タイミングとなる前記状態切換制御よりも先に行わるように前記第2状態切換制御態様が設定されていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2タイミングとなる状態切換制御ではない側の状態切換制御が先に行われるので、そのタイミングでは、遊技者としてはそれが第2状態切換制御態様なのかどうかを判断することができない。そのようにすることで、各状態切換制御態様への関心を高め、遊技へ没頭させることができる。
特徴E9.前記振分手段は、前記異なる前記状態切換制御が行われるタイミングから前記予め定められたタイミングで切り換わり可能な構成であることを特徴とする特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段の振分タイミングを第2タイミングとは関係なく規定することができる。すなわち、上記第2タイミングとは異なる側の状態切換制御に合わせて、振分手段の振分タイミングを設定することができるため、例えば、一の状態切換制御に関しては遊技機の規定に合わせ、それ以外の状態切換制御(第2タイミングの状態切換制御)を変えることで、特徴E1に記載した優れた効果を奏することができる。
特徴E10.前記第1状態切換制御態様は、複数回の前記状態切換制御によって構成されており、その複数回の前記状態切換制御のうちの一の前記状態切換制御が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達し易い第1タイミングとなる前記状態切換制御として設定されており、
前記第2状態切換制御態様は、複数回の前記状態切換制御によって構成されており、その複数回の前記状態切換制御のうちの一の前記状態切換制御が、前記振分手段が前記第1態様である状況で当該振分手段へ到達しにくい第2タイミングとなる前記状態切換制御として設定されており、
前記第1タイミングとなる前記状態切換制御とは異なる前記状態切換制御と、前記第2タイミングとなる前記状態切換制御とは異なる前記状態切換制御と、が同じタイミングで実行されるように設定されていることを特徴とする特徴E1乃至E9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば、少なくとも一の状態切換制御については、予め定められたタイミングで実行しなければいけない状況が存在する場合であっても、その状態切換制御ではなく、他の状態切換制御によって、第1通過部側に到達し易い第1タイミングや到達しにくい第2タイミングで状態切換制御を行えば、上記のような状況をふまえたうえで、特徴E1に記載した優れた効果を発揮することができる。そして、これら第1タイミングや第2タイミングとは異なる側の状態切換制御を同じタイミングで実行すれば、遊技者にいずれの切換制御態様がわかりにくくする、という効果を高めることができる。
特徴E11.前記複数回の前記状態切換制御のうち、前記第1タイミングとなる前記状態切換制御とは異なる前記状態切換制御が、当該第1タイミングとなる前記状態切換制御よりも先に行わるように前記第1状態切換制御態様が設定されており、
前記複数回の前記状態切換制御のうち、前記第2タイミングとなる前記状態切換制御とは異なる前記状態切換制御が、当該第2タイミングとなる前記状態切換制御よりも先に行わるように前記第2状態切換制御態様が設定されおり、
前記振分手段は、各前記異なる前記状態切換制御が行われるタイミングから前記予め定められたタイミングで切り換わり可能な構成であることを特徴とする特徴E10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1タイミングや第2タイミングとは異なる側の状態切換制御が行われるタイミングに合わせて振分手段の切り換わりタイミングを設定することができる。上記特徴E10のように、遊技者としては、いずれの切換制御態様かがわかりにくくなっており、さらに、その異なる側の状態切換制御は、第1タイミングや第2タイミングの状態切換制御よりも先に行われるため、そのわかりにくくする効果も高められている。よって、例えば、第1状態切換制御態様であるとして狙い打つような行為を抑止することが可能となる。
特徴E12.前記可変受入制御手段は、所定条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段の前記状態切換制御が複数回(例えば19回、RC2)に亘って行われる特定制御(ラウンド遊技)を、複数回(例えば16回、RC1)に亘って実行可能な特別遊技状態(継続率変動モードの開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備え、
前記特別遊技状態では、一の前記特定制御において、前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、次の前記特定制御を行うことが可能となる構成であることを特徴とする特徴E1乃至E11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態中の可変受入制御の制御態様に対して、本発明を適用し、特徴E1の優れた効果を奏することができる。
特徴E13.前記特典付与手段は、前記特典として、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(開閉実行モード)に移行させることが可能な構成であり、
前記可変受入制御手段は、所定条件が成立したこと(作動口38,39への入球が発生したこと、開放待機時間が終了したこと、変動表示時間が終了したこと等)に基づいて、前記可変受入手段の前記状態切換制御を所定回数実行可能な特定状態(通常開放結果等の基づいて、制御中処理が行われる状態)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特に、通常遊技状態中の可変受入制御の制御態様に対して、本発明を適用し、特徴E1の優れた効果を奏することができる。
<特徴F群>
特徴F1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(第1作動口38,第2作動口39)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報を、予め定められた複数の数である特定数を上限として記憶する情報記憶手段(保留球格納エリア114b)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報を、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を順次実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機において、
前記遊技領域には、
遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a)と、
前記特定通過部の上流側に設けられ、当該特定通過部へ遊技球を導出し易い第1態様(開放状態や振分状態)と当該第1態様よりも前記特定通過部へ遊技球を導出しにくい第2態様(閉鎖状態や非振分状態)とに切り換わり可能な振分手段(開閉役物168、第1振分部材300,310)と、
が設けられており、
前記特定通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技状態を遊技者にとって有利な有利状態に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記振分手段の前記第1態様と前記第2態様との態様切換制御を実行する可変振分制御手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変振分制御手段は、
前記移行判定手段によって前記移行判定が行われる場合に、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が第1所定数であること基づいて、第1タイミングで前記態様切換制御を実行する第1切換実行手段(例えば共通保留数CRNが0である場合に主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段によって前記移行判定が行われる場合に、前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が前記第1所定数とは異なる第2所定数であることに基づいて、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記態様切換制御を実行する第2切換実行手段(例えば共通保留数CRNが3である場合に主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、入球部への入球に基づいて特別情報が取得され、その特別情報は特定数を上限に情報記憶手段に記憶され、その記憶されている特別情報が順次移行判定の対象となる遊技機において、遊技領域には特定通過部が設けられており、その特定通過部の上流側には振分手段が設けられており、その振分の態様切換制御は、移行判定時に記憶されている特別情報の数によって異なるタイミングで行われる。これにより、特別情報の記憶数と特定通過部への通過率とを関連付けることができ、例えば、特別情報の記憶数が多ければ特定通過部へ通過し易いタイミングで態様切換制御を行う構成としたり、特別情報の記憶数が少なければ特定通過部へ通過し易いタイミングで態様切換制御を行う構成としたり、して、記憶数との関係で有利状態への移行率を変化させるという斬新な遊技とすることができる。
ここで、例えば、記憶数との関係で有利状態への移行率を変化させる構成として、有利状態が数値情報による抽選を経て移行させるか否かが決定されることを前提とすると、その抽選確率を記憶数の数に応じて異ならせることも可能である。しかし、そのような構成とすると、数値情報のやり取りだけで有利状態への移行が決定し、遊技球の流下態様を楽しむという、遊技機本来の楽しみを逸脱してしまうだけでなく、数値情報のみのやり取りで進行する遊技性を逆手に取った不正行為が行われる可能性も増大する。そこで、上記構成のように、遊技球が特定通過部を通過したことにより有利状態に移行する構成において、その特定通過部よりも上流側の振分手段の態様切換制御を特別情報の記憶数と関連付けることで、遊技球の流下態様を楽しませつつも、不正行為を行われにくくもすることができる。よって、遊技の注目度を好適に高めることができる。
特徴F2.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記特定通過部を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記第1所定数は前記第2所定数よりも多い数として設定されていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が多いほど、特定通過部を通過し易いタイミングで態様切換制御が実行される。これにより、情報記憶手段に特別情報が多く記憶されることを期待する、という新たな遊技を創出し、興趣向上を図ることができる。
特徴F3.遊技状態には、前記情報記憶手段に前記特別情報が記憶されていても、前記移行判定手段による移行判定が行われない所定状態(開閉実行モード)が設定されていることを特徴とする特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴F2の遊技機において、所定状態では移行判定が行われないため、特別情報が貯まり易くなる。これにより、当該所定状態中にいかに特別情報を記憶させるか、といった遊技を創出することができる。
なお、所定状態について、「前記情報取得手段による前記特別情報の取得は行われる一方で、前記移行判定手段による移行判定が行われない」状態と表現することも可能である。
特徴F4.前記所定状態とは、前記有利状態であることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定通過部を遊技球が通過して有利状態に移行すると、特別情報についての移行判定が行われず、その結果、有利状態中は特別情報が貯まり易くなる。例えば、有利状態の終了条件が成立して終了し、貯まっている特別情報についての移行判定が行われると、上記のように特定通過部を遊技球が通過し易いタイミングで態様切換制御が行われる。その結果、有利状態が連荘することになる。このように、有利状態への移行確率の変化や有利状態の連荘を数値情報を用いた抽選等で実現するのではなく、遊技状態と振分手段の態様切換制御といった遊技者が見た目上理解可能な範囲で実現することで、遊技の公平性が担保された新たな遊技を創出することが可能となる。
特徴F5.前記振分手段として、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数によって、前記第1切換実行手段又は前記第2切換実行手段により前記態様切換制御が実行される第1振分手段(開閉役物168)と、
前記情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に関わらず、予め定められたタイミングで前記態様切換制御が実行される第2振分手段(回転体201,第1振分部材300,第2振分部材310)と、
が設けられていることを特徴とする特徴F1乃至F4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報の記憶数によって態様切換制御のタイミングが異なる第1振分手段と、異ならない第2振分手段と、が設けられており、特別情報の数に関係ない側の第1振分手段が設けられている分、遊技者に対して遊技の公平感を与えやすい。
特徴F6.前記第1振分手段は、前記第2振分手段よりも前記特定通過部への流下経路における上流側に配置されていることを特徴とする特徴F5に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2振分手段よりも上流側の第1振分手段の態様切換制御が行われるタイミングを特別情報の数に応じて異なるようにすることで、予め定められたタイミングで態様切換制御が行われる第2振分手段についても、第1振分手段側の設定で特定通過部への振分率を異ならせることが可能となる。よって、特徴F5の効果をより好適に奏することができる。
特徴F7.前記遊技領域には、遊技球を受入可能な所定の受入装置(役物装置150)が設けられており、
前記特定通過部は、前記所定の受入装置に受入れられた遊技球が通過可能な位置に配置されており、
前記第1振分手段は前記所定の受入装置内に受入れられた遊技球を振分困難な位置に設けられている一方で、前記第2振分手段は前記所定の受入装置内に受入れられた遊技球を振分可能な位置に設けられていることを特徴とする特徴F5又は特徴F6に記載の遊技機。
上記構成によれば、受入装置内に受入れられた遊技球は、第2振分手段によって特定通過部側へ振り分けられるか否かが決定する。例えば、受入装置内に受入れられた遊技球が、第1振分手段によって特定通過部とは異なる側に振り分けられると、遊技者としては、遊技ホールや遊技機側において何らかの操作が行われたのでは、不信感を抱きかねない。これに対して、上記構成のようにすることで、受入装置内に受入れられた遊技球については、第1振分手段は関与せず、一定のタイミングで動作する第2振分手段によって振分が行われるため、公平感を感じさせ易い。
特徴F8.前記第1振分手段は、前記第1態様となることで前記所定の受入装置に遊技球を受入れることが可能な態様となり、前記第2態様となることで前記所定の受入装置に遊技球を受入れることが困難な態様となることを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1振分手段と第2振分手段とを所定の受入装置との関係で好適に配置することができる。また、所定の受入装置に遊技球が受入られたとしても、第2振分手段による振分が行われるため、全てが特定通過部を通過するとは限らない。そのため、第1振分手段による態様切換制御のタイミングを変更して、所定の受入装置への受入率を異ならせても、特定通過部の通過率が変化することが直接的にはわかりにくい。このようにすることで、特定通過部の通過率を変化させる構成において、遊技者に不公平感を与えにくくすることができる。
特徴F9.前記第1切換実行手段は、前記第1振分手段が前記第1態様である状態が維持される期間が第1期間となるように制御し、
前記第2切換実行手段は、記第1振分手段が前記第1態様である状態が維持される期間が前記第1期間となるように制御するものであることを特徴とする特徴F8に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段により態様切換制御が行われる場合であっても、第2切換実行手段により態様切換制御が行われる場合であっても、所定の受入装置への受入率は変化しない。よって、遊技の不公平感を与えにくい。
なお、「所定の受入装置へ遊技球が受入られたことに基づいて、遊技者に特典(賞球)を付与することが可能な特典付与手段(払出装置96)」を備える構成とすると、受入率を変化させない効果をより具体的に奏することができる。
特徴F10.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記特定通過部を遊技球が通過し易いタイミングに設定されており、
前記第1所定数は前記第2所定数よりも多い数として設定されており、
前記第1タイミングは前記第2タイミングよりも前記移行判定が行われるタイミングに近いタイミングとなるように設定されていることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、情報記憶手段に記憶されている特別情報の数が多いほど特定通過部を通過し易い構成において、特別情報の数が多いほど態様切換制御も早く実行される。よって、特別情報の数を多くして特定通過部を通過させ易くする遊技を実現しつつも、円滑・迅速な遊技を実現することができる。
特徴F11.前記可変振分制御手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が、前記特別情報が前記移行情報に対応しているとする結果であったことに基づいて、前記態様切換制御を実行可能となるものであることを特徴とする特徴F1乃至F10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部への入球に基づいて取得された特別情報が移行判定の対象となり、その移行判定の判定結果が移行情報に対応しているとする結果であったことに基づいて、可変振分制御手段による振分手段の態様切換制御が実行される。そして、この態様切換制御によって特定通過部を通過し易くなるか否かが定まる。このような遊技機に、上記特徴F1の特別情報の記憶数に応じた態様切換制御の変化という特徴的な構成を適用することで、入球部への入球からスタートする遊技において、その入球部への入球率自体が最重視されることとなり、所定の入球部へ遊技球を入球させる、といった遊技機本来の楽しみを重視しつつ、斬新な遊技性を創出することができる。よって、興趣向上を図ることができる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入にくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
所定事象(ラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に第1特典(ラウンド遊技の継続や開閉実行モードの発生)を付与する第1特典付与手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(例えば第1振分部材300であれば非振分状態であり、第2振分部材310であれば振分状態)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(例えば第1振分部材300であれば振分状態であり、第2振分部材310であれば非振分状態)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(振分部材300,310や回転体201)と、
所定条件が成立したことに基づいて、前記第1特典として、前記可変受入手段の前記状態切換制御が複数回(例えば19回、RC2)に亘って行われる特定制御(ラウンド遊技)を実行可能な特別遊技状態(継続率変動モードの開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態では、一の前記特定制御において、前記第1通過部を遊技球が通過したことを把握する把握手段(主制御装置81によるステップS1329、S1330の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入制御手段は、
前記特定制御中において、第1条件が成立したこと(例えば、開閉パターンAであること等の、V入賞を発生させ易い条件が成立したこと)に基づいて、第1タイミングで前記状態切換制御を実行する第1切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンA用の処理等の、主制御装置81によるV振分が行われ易いタイミングとなるように開閉役物168の開閉制御ための処理を実行する機能を実行する機能)と、
前記特定制御中において、前記第1条件とは異なる第2条件が成立したこと(例えば、開閉パターンB,Cであること等の、V入賞を発生させにくい条件が成立したこと)に基づいて、前記第1タイミングとは異なる第2タイミングで前記状態切換制御を実行する第2切換実行手段(主制御装置81による各ラウンド用の設定処理、各開放用の設定処理において開閉パターンB,C用の処理等の、V振分が行われにくいタイミングとなるように開閉役物168の開閉制御ための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記把握手段の把握結果に応じて第2特典(図35の各振分テーブル、図41(b)の表示モード)を付与することが可能な第2特典付与手段(主制御装置81によるステップS1408の処理を実行する機能、演出制御装置82によるステップSB105の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、通常遊技状態中において、可変受入手段へ受け入れられた遊技球が、第1通過部を通過すると第1特典として特別遊技状態に移行する。この特別遊技状態では、可変受入手段の状態切換制御が、第1切換実行手段による場合と、第2切換実行手段による場合と、でその制御タイミングが異なり、その結果、第1通過部への通過率が変化することになる。この場合、振分手段は、予め定められたタイミングでその態様が切り換わるため、上記のように第1通過部への通過率が異なるようにしても、遊技者に与える不信感や不公平感を低減することが可能となっている。
さらに、特別遊技状態において、第1通過部を通過したことが把握手段によって把握されており、その把握結果に基づいて、第2特典が付与され得る。そのため、遊技者としては第2特典が付与されるように、特別遊技状態中に第1通過部を通過するように、すなわち第1切換実行手段による制御が行われることを望むものと考えられる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴G2.前記第1タイミングのほうが前記第2タイミングよりも前記第1通過部側を遊技球が通過し易いタイミングに設定されていることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段による状態切換制御が行われる場合、すなわち、第1条件が成立した場合のほうが、第1通過部を遊技球が通過し易いため、その通過に基づいて次の特定制御へ移行し易い。そのため、遊技者は、第1条件が成立するか第2条件が成立するかに大きな関心を寄せると考えられ、その結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴G3.遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利モード(パターンAの開閉パターンや、救済モード又は特別モード)と、低有利モード(パターンB,Cの開閉パターンや、通常モード)とが設定されており、
前記第2特典は、前記高有利モード又は前記低有利モードとして設定されており、
前記第2特典付与手段は、前記把握手段の把握結果に基づいて、前記高有利モードと前記低有利モードとのいずれかを設定するように構成されていることを特徴とする特徴G1又は特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態中に第1通過部への通過状況に応じて、高有利モードか低有利モードかに設定される。遊技者としては、もちろん、有利な高有利モードへ設定されて欲しいものと考えるであろうから、当然にして第1通過部への通過状況に高い関心が寄せられる。よって、遊技への注目度が高められる。
特徴G4.前記第2特典付与手段は、前記把握手段による把握結果として前記第1通過部への通過回数又は通過タイミングに基づいて、前記第2特典を付与するものであることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、より第1通過部への通過状況に高い関心を寄せさせることができる。
特徴G5.前記特別遊技状態として、前記特定制御の継続可能回数が第1回数(例えば2回)として設定される第1特別遊技状態(2R継続モードの開閉実行モード)と、当該第1回数よりも多い回数である第2回数(例えば16回)として設定される第2特別遊技状態(16R継続モード又は継続変動モードの開閉実行モード)と、が設定されており、
各前記特別遊技状態において、前記第1切換実行手段と前記第2切換実行手段とのいずれにより前記特定制御を実行するかを設定する設定手段(主制御装置81によるステップS1408の処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記第1特別遊技状態では前記特定制御において前記第1切換実行手段が設定し易く、前記第2特別遊技状態では前記特定制御において前記第2切換実行手段が設定し易く、構成されていることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態として特定制御の継続可能回数の異なる各特別遊技状態が設定されており、継続可能回数が少ない第1特別遊技状態では第1通過部への通過率が高い第1切換実行手段が設定され易く、継続回数がそれよりも多い第2特別遊技状態では第1通過部への通過率が低い第2切換実行手段が設定され易い。そして、特別遊技状態中の第1通過部への通過が把握手段によって把握され、その結果に基づいて第2特典が付与される。このようにすることで、特別遊技状態の有利/不利の関係と、第2特典付与手段による第2特典の付与とを関連付けることができ、遊技の多様化を図ることができる。よって、興趣向上に役立てることが可能となる。
特徴G6.遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利モード(パターンAの開閉パターンや、救済モード又は特別モード)と、低有利モード(パターンB,Cの開閉パターンや、通常モード)とが設定されており、
前記第2特典は、前記高有利モード又は前記低有利モードとして設定されており、
前記第2特典付与手段は、
前記把握手段の把握結果として、前記第1通過部を遊技球が通過した回数が特定回数未満であったこと又は通過タイミングが特定通過タイミングよりも早いとする第1把握結果であることに基づいて前記高有利モードに設定し、
前記把握手段の把握結果として、前記第1通過部を遊技球が通過した回数が前記特定回数以上又は通過タイミングが前記特定通過タイミング以後であったとする第2把握結果であることに基づいて前記低有利モードに設定するものであることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴G5の遊技機において、第1特別遊技状態においては特定制御の回数が少ないため、第1通過部へ通過し易い一方でその通過回数や通過タイミングは、第2特別遊技状態よりも早くなり得る。そこで、そのような場合には、遊技者にとっての有利度が高い高有利モードに設定される構成とすれば、第1通過部に通過し易い第1特別遊技状態の有利性をより際立たせることが可能となる。以上の結果、興趣向上を図ることができる。
特徴G7.前記高有利モード又は前記低有利モードは、前記特別遊技状態の終了時に設定されるものであることを特徴とする特徴G6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別遊技状態後は高有利モードに設定され易く、第2特別遊技状態後は低有利モードに設定され易い。第1特別遊技状態は、第1通過部の通過率が第2特別遊技状態よりも高いものの、特定制御の回数が第2特別遊技状態よりも少ない。そこで、第1特別遊技状態と第2特別遊技状態との有利度のバランスを上記のように構成すれば、遊技者にとって不利な感覚を覚えがちな第1特別遊技状態であってもその後に有利となるため、遊技への意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
特徴G8.前記高有利モードと前記低有利モードとは、前記高有利モードのほうが前記所定条件が成立し易くなるように設定されていることを特徴とする特徴G7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特別遊技状態後には、再度所定条件が成立して特別遊技状態へ移行し易くなる。このようにすれば、特定制御の回数が少ない第1特別遊技状態であっても、遊技者は納得して遊技を続行するものと考えられる。よって、遊技への注目度を高めることができる。
特徴G9.前記第1切換実行手段により前記状態切換制御が行われると、前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達し易いタイミング(V振分が行われ得るタイミング)が含まれる前記第1タイミングで前記可変受入手段が前記第1状態となり、
前記第2切換実行手段により前記状態切換制御が行われると、前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達しにくいタイミング(V振分が行われにくいタイミング)が含まれる前記第2タイミングで前記可変受入手段を前記第1状態となるものであることを特徴とする特徴G5乃至G8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1切換実行手段と第2切換実行手段による各状態切換制御のタイミングを異ならせる、といった簡素な構成で高有利モードと低有利モードとの有利度の違い(特別遊技状態への移行率)を実現することができる。ここで、特別遊技状態への移行抽選の当選確率を変化させる(所定条件の成立確率を変化させる)構成も考えられる。しかしこの場合、遊技機内部の処理構成の複雑化や、遊技者の理解度の低下など、様々な不都合が生じ得る。そこで、上記のような可変受入手段の状態切換制御のタイミングを変更し、且つ振分手段のタイミングは変更しないといった簡素な構成によって、そのような特別遊技状態の移行率を変化させる構成とすれば、上記のような不都合発生を回避しつつ、遊技の多様化を図ることができる。
特徴G10.前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(第1作動口38,第2作動口39)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81による作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が、予め定められた移行情報に対応しているか否かの移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置81による当否判定処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による前記移行判定が行われたことに基づいて、所定の報知手段にて所定の演出を開始し、当該移行判定の結果に対応する停止結果として当該所定の演出を終了することを一の遊技回として、前記所定の報知手段を制御する報知制御手段(演出制御装置82による演出用処理を実行する機能)と、
前記遊技回の演出期間を設定する期間設定手段(主制御装置81による変動表示時間の設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記可変受入手段は、前記所定事象として、前記移行判定手段による前記移行判定が前記移行情報に対応している結果として前記報知制御手段により報知されたことに基づいて前記状態切換制御を実行するものであり、
前記振分手段は、前記特別情報が前記移行判定の対象となったことに基づいて予め定められた特定期間が経過してから前記第1態様への切り換わりが行われる構成であり、
遊技者にとっての有利度が相対的に高低となる高有利モード(パターンAの開閉パターンや、救済モード又は特別モード)と、低有利モード(パターンB,Cの開閉パターンや、通常モード)とが設定されており、
前記第2特典は、前記高有利モード又は前記低有利モードとして設定されており、
前記期間設定手段は、前記高有利モードでは、前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達し易いタイミング(V振分が行われ得るタイミング)となるように前記演出期間を設定することが可能な構成であることを特徴とする特徴G5乃至G9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、入球部への入球に基づいて移行判定が行われ、その移行判定の結果が移行情報に対応していれば、遊技回後に可変受入手段が第1状態となる。この場合、高有利モードでは、振分手段の切り換えが発生した場合に第1通過部側に振り分けられ易いように遊技回の演出期間を設定するため、その後に第1通過部を通過すれば、特別遊技状態に移行する。このように、特定制御の回数が少ない第1特別遊技状態であっても、それが所謂連荘するような構成とし、それを可変受入手段の状態切換制御のタイミングの変更といった、非常に簡素な構成で実現することで、斬新な遊技を実現することができる。
<特徴H群>
特徴H1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入にくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
所定事象(ラウンド遊技の開始)の発生に基づいて、前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による開閉処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入られた遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞通路191a)と、
所定条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段の前記状態切換制御が複数回(例えば19回、RC2)に亘って行われる特定制御(ラウンド遊技)を、複数回(例えば16回、RC1)に亘って実行可能な特別遊技状態(継続率変動モードの開閉実行モード)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定制御には、遊技者にとっての有利度が相対的に高低となるように、前記状態切換制御のタイミングが異なる高有利制御態様と低有利制御態様とが設定されており、
前記特別遊技状態において、各前記特定制御の制御態様を前記高有利制御態様と低有利制御態様とのいずれを実行するかを設定する設定手段(主制御装置81による各ラウンドの設定処理を実行する機能)と、
前記特別遊技状態の所定の特定制御において、前記低有利制御態様から前記高有利制御態様に切り換わりを発生させる切換手段(主制御装置81による各開放用の設定処理を実行する機能)と、
前記所定の特定制御において、所定の報知手段(図柄表示装置51)にて特別報知を実行する特別報知実行手段(演出制御装置82による開放対応処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態中において、可変受入手段の制御態様が異なるタイミングで特別報知が行われる。すなわち、当該制御態様として遊技者にとっての有利度が低い低有利制御態様から有利度が高い高有利制御態様に切り換わるタイミング(所定の特定制御)において、特別報知が行われる。このようにすれば、遊技者は、特別遊技状態への移行に際して、低有利制御態様であったものが高有利制御態様に切り換わったものとして、喜びが大きいものとなる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴H2.前記特別遊技状態は、一の前記特定制御において、前記特定通過部を遊技球が通過したことを継続条件とし、当該継続条件が成立したことに基づいて、次の前記特定制御を行うことが可能となる構成であり、
前記低有利制御態様と前記高有利制御態様とは、前記可変受入手段の前記状態切換制御の態様を異ならせることで前記継続条件の成立率を異ならせて、前記有利度の高低を設定しているものであることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、低有利制御態様と高有利制御態様とを、特別遊技状態中の特定制御の継続率の高低によって実現するとともに、その継続率の高低は、可変受入手段の状態切換制御の態様によって実現している。このようにすれば、遊技球が可変受入手段へ受け入れられるか否か、そしてそれが特定通過部を通過するか否か、といった遊技球の動作態様を楽しむ、といった遊技機本来の楽しみを残しつつ、所定の報知手段にて特別報知されることも期待させる、という遊技の多様化が図られる。
特徴H3.前記特別遊技状態には、前記所定の特定制御において前記低有利制御態様から前記高有利制御態様への切り換わりが発生し得る第1特別遊技状態と、前記所定の特定制御において当該切り換わりが発生しない第2特別遊技状態と、が設定されていることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成よれば、遊技者としては、発生した特別遊技状態が第1特別遊技状態か第2特別遊技状態かについて高い関心を寄せ、さらに、それが第1特別遊技状態(高有利制御態様に切り換わるもの)であることを期待する。その結果、所定の特定制御への注目度が高まるとともに、特別報知への関心も高まるものと考えられる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴H4.前記第1特別遊技状態では、当該第1特別遊技状態の開始から前記所定の特定制御よりも前の特定制御では前記低有利制御態様で各特定制御の状態切換制御が行われるものであり、
前記第2特別遊技状態では、当該第2特別遊技状態の開始から前記所定の特定制御よりも前の特定制御では前記低有利制御態様で各特定制御の状態切換制御が行われるものであることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態の開始時から、第1,第2特別遊技状態のいずれであるかを可変受入手段の制御態様からは識別することができない。そのため、所定の特定制御時の特別報知への期待感が高められる。
特徴H5.前記特別遊技状態として、前記第1特別遊技状態よりも前記第2特別遊技状態のほうが選択される確率が高いものとして設定されていることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者としては、特別遊技状態に移行しても、第2特別遊技状態であろうと考え注目度が低下し得る。そのようなタイミングで、特別報知を実行して高有利制御態様に切り換わる(実は第1特別遊技状態であった)演出を実行することで、遊技者の驚きと喜びを好適に実現することが可能となる。
特徴H6.前記切換手段は、前記所定の特定制御において各状態切換制御の特定回数目(RC2=11)で行われるものであることを特徴とする特徴H1乃至H5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定制御の途中(複数回行われる状態切換制御の特定回数目)において低有利制御態様から高有利制御態様への切り換わりが発生する。このようにすることで、特別遊技状態において複数回行われる特定制御毎に、上記の切り換わりが発生するのでは、と期待させることができ、各特定制御への関心を高めることが可能となる。
特徴H7.前記特定制御には、前記低有利制御態様から前記高有利制御態様への切り換わりが発生し得る第1特定制御(パターンF)と、当該切り換わりが発生しない第2特定制御(パターンC)と、が設定されていることを特徴とする特徴H6に記載の遊技機。
上記構成よれば、遊技者としては、特別遊技状態の各特定制御が第1特定制御か第2特定制御かについて高い関心を寄せ、さらに、それが第1特定制御(高有利制御態様に切り換わるもの)であることを期待する。その結果、所定の特定制御への注目度が高まるとともに、特別報知への関心も高まるものと考えられる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴H8.前記第1特定制御では、当該第1特定制御の開始から前記特定回数目の状態切換制御よりも前の状態切換制御では前記低有利制御態様で各状態切換制御が行われるものであり、
前記第2特定制御では、当該第2特定制御の開始から前記特定回数目の状態切換制御では前記低有利制御態様で各状態切換制御が行われるものであることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態において各特定制御の開始時から、第1,第2特定制御のいずれであるかを可変受入手段の制御態様からは識別することができない。そのため、特定回数目の特別報知への期待感が高められる。
<特徴I群>
特徴I1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を第1方向へ振り分ける第1態様と、前記第1方向とは異なる第2方向へ振り分ける第2態様と、に予め定められたタイミングで切り換わり可能な第1振分手段(回転体201,第1振分部材300,第2振分部材310)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を第3方向へ振り分ける第3態様と、前記第3方向とは異なる第4方向へ振り分ける第4態様と、に切り換わり可能な第2振分手段(開閉役物168)と、
所定条件が成立したことに基づいて、前記第1振分手段が前記第1態様と前記第2態様とのいずれの態様であるかを把握する把握手段(主制御装置81によるステップS2105の処理を実行する機能)と、
前記把握手段による把握結果に基づいて、前記第2振分手段の前記第3態様と前記第4態様との切り換わり態様を設定する設定手段(主制御装置81によるステップS2107〜ステップS2114の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、第1振分手段は予め定められたタイミングで第1態様と第2態様との切り換わりが行われ、第2振分手段はその第1振分手段の態様に応じて切り換わり態様が設定される。すなわち、一定の動作を行う第1振分手段と、不定期な動作を行う第2振分手段と、がリンクする。これにより、第1振分手段と第2振分手段という遊技球の流下方向を変化させる複数の振分手段を、それぞれ関連付けることが可能となる。よって、遊技球の流下態様を多様なものとすることができ、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴I2.前記第1振分手段は、遊技球の流下経路において前記2振分手段の下流側に設けられていることを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2振分手段を制御することで、その下流側の第1振分手段をも制御することになる。よって、制御構成の簡素化を図りつつ、複数の振分手段を用いた遊技球の流下態様の多様化を図ることできる。
特徴I3.遊技球の流下経路において前記第1振分手段の下流側には、所定の通過部(V入賞口182a)が設けられており、
当該所定の通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(例えば、開閉実行モードやラウンド継続)を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各振分手段による振分を経て、所定の通過部を遊技球が通過すれば、遊技者は特典を得ることができる。この場合、所定の通過部よりも上流側に配置された各振分手段は、一方は定期的な動作が行われ、他方は不定期な動作が行われ得るものであり、定期的な動作が行われる振分手段側(第1振分手段側)によって遊技の公平性を担保しつつも、不定期な動作が行われる振分手段側(第2振分手段側)によって特典の付与率を調節することが可能となる。よって、興趣向上を図ることができる。
特徴I4.前記所定の通過部への流下経路として、前記第1振分手段からの経路のほうが第2振分手段からの経路よりも短い経路となるように前記第1振分手段と前記第2振分手段との位置が設定されていることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
上記構成によれば、定期的な動作が行われる側の振分手段のほうが所定の通過部に近い位置に配置される。そのため、遊技者に不公平感を与えにくい。
特徴I5.前記第1振分手段により前記第1方向又は前記第2方向のいずれに振り分けられても、前記所定の通過部へ到達可能となるように遊技球の流下経路が定められていることを特徴とする特徴I3又は特徴I4に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1振分手段による定期的な振分が行われていても、所定の通過部へは到達可能であるため、遊技の公平性が担保され易い。
なお、第1振分手段による振分の意義をより明確にするために、
「前記所定の通過部への到達率が、前記第1方向へ振り分けられた場合と、前記第2方向へ振り分けられた場合と、で相対的に高低となるように設定されている」構成としてもよい。
特徴I6.前記所定の通過部への到達率が、前記第1方向へ振り分けられた場合と、前記第2方向へ振り分けられた場合と、で相対的に高低となるように設定されており、
前記設定手段は、前記把握手段の把握結果に基づいて、前記第1振分手段により前記所定の通過部への到達率が低い側の方向へ振り分けられるように前記第2振分手段の設定を行うことが可能であることを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の通過部への到達率が高い側に振り分ければ、遊技者としては喜ばしいものと考えられる。その一方で、特徴I5に記載の通り、いずれの方向に振り分けられても所定の通過部へは到達可能であるため、到達率が高い側に振り分けられると、所定の通過部へ到達するか否かといった遊技球の動作態様を見る楽しみは低下し得る。そこで、第2振分手段による振分を上記のように設定して、遊技球の動作態様によって特典が得られるか否かという遊技を存分に楽しませることが可能となる。
特徴I7.前記所定の通過部への到達率が低い側のほうが、前記所定の通過部への到達率が高い側よりも、遊技機前方からの視認性が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の動作態様を見る楽しみをより効果的に発揮することができる。
<特徴J群>
特徴J1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球を受入可能な第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも遊技球を受入しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切り換わり可能な可変受入手段(役物装置150)と、
前記可変受入手段の前記第1状態と前記第2状態との状態切換制御を実行する可変受入制御手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球が通過可能な第1通過部(V入賞通路191a)及び第2通過部(外れ用通路191b)と、
前記第1通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記可変受入手段に受入れられた遊技球を、前記第1通過部側へ振り分けられ易い第1態様(回転体201によってV入賞側へ導出し易い位置)と、前記第1態様よりも前記第1通過部側へ振り分けられにくい第2態様(回転体201によって外れ側へ導出し易い位置)と、に、予め定められたタイミングで切り換わり可能な振分手段(回転体201)と、
前記振分手段を把握することにより前記第1態様と前記第2態様との切り換わり状況を把握する把握手段(主制御装置81によるステップS2105の処理を実行する機能)と、
所定条件が成立したこと(作動口38,39への入球が発生したこと、開放待機時間が終了したこと、変動表示時間が終了したこと等)に基づいて、前記把握手段による把握結果を加味して、前記可変受入手段の前記状態切換制御を所定回数実行可能な特定状態(通常開放結果等の基づいて、制御中処理が行われる状態)に移行させることが可能な遊技状態移行手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定条件が成立した場合には、可変受入手段への受入が可能となる状態切換制御が行われる。そして、可変受入手段に受入れられた遊技球が第1通過部を通過すると、遊技者に特典が付与される。この場合、第1通過部を通過するか否かを左右する振分部材の状況を把握手段が把握しており、状態切換制御はこの把握手段の把握結果が加味されて行われる。そのため、例えば、第1通過部を通過させ易いようにすることもできるし、第1通過部を通過しにくいようにもできる。よって、遊技機設計者の設計通りの出球となり、出球率の管理を好適に実行することができる。
特徴J2.前記遊技状態移行手段は、
前記把握手段の把握結果に基づいて、前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達し易い第1タイミング(V振分が行われ得るタイミング)が含まれるように前記可変受入手段を前記第1状態とする第1状態切換制御態様(V振分が行われ易いタイミングとなるようにする開閉役物168の開閉制御)と、
前記把握手段の把握結果に基づいて、前記可変受入手段に受入れられた遊技球が、前記振分手段が前記1態様である状況で当該振分手段へ到達しにくい第2タイミング(V振分が行われにくいタイミング)が含まれるように前記可変受入手段を前記第1状態とする第2状態切換制御態様(V振分が行われにくいタイミングとなるようにする開閉役物168の開閉制御)と、
のいずれかを含む前記特定状態に移行させることが可能な構成であることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
上記構成によれば、把握手段による把握結果に基づいて、第1通過部側へ振り分けられるか否か、を可変受入手段に受入れられた遊技球が振分手段まで到達するに要する期間等が加味される。このようにすれば、より、設計者の設計通りの出球とすることができる。
特徴J3.前記把握手段は、前記振分手段の位置又は前回の切り換わりタイミングからの期間(回転位置検出センサ196による検知結果)を把握することで、前記第1態様と前記第2態様との切り換わり状況を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
上記構成によれば、把握手段は、振分手段の位置又は前回の振分手段の切り換わりタイミングからの期間を把握する、といった簡素な構成で、上記J1の優れた効果を奏することができる。
特徴J4.前記把握手段は、前記所定条件が成立したことに基づいて、前記可変受入手段が前記第1状態である期間中において当該可変受入手段へ遊技球の受入が発生した場合の、当該遊技球が前記振分手段へ到達したタイミングでの当該振分手段の態様を把握可能に構成されていることを特徴とする特徴J1乃至J3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、可変受入手段が第1状態である期間中のいずれのタイミングで遊技球が受入られたとしても、その遊技球が振分手段へ到達したタイミングでの振分手段の態様を把握することができるため、より正確に振分手段による振分率を判断することができる。
特徴J5.前記振分手段は、少なくとも所定周期で回転する回転体を有しており、
前記把握手段は、前記回転体の位置を検知する検知センサを有し、当該検知センサの検知結果に基づいて、少なくとも当該回転体については該回転体の位置を把握することが可能な構成であることを特徴とする特徴J1乃至J4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、従来からある構成を好適に流用して、上記J1に記載の優れた効果を奏することができる。
特徴J6.前記振分手段は、複数の振分手段として、第1振分手段(振分部材300,310)と、第2振分手段(回転体201)とを有し、
前記第1振分手段は、前記第2振分手段よりも上流側に配置されており、
前記第1通過部及び前記第2通過部は前記第2振分手段よりも下流側に配置されており、
前記把握手段は、前記第1振分手段と前記第2振分手段とのいずれの位置又は前回の切り換わりタイミングからの期間を把握可能に構成されている一方で、前記第1振分手段についての把握結果よりも前記第2振分手段についての把握結果のほうを優先するものであることを特徴とする特徴J1乃至J5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、下流側の把握結果を優先することで、より第1通過部又は第2通過部へ近い位置での振分状況を判定することができる。その結果、第1通過部への通過に基づく特典の付与率を、より正確に加味した可変受入手段の状態切換制御を設定することが可能となる。
特徴J7.前記振分手段は、複数の振分手段として、第1振分手段(振分部材300,310)と、第2振分手段(回転体201)とを有し、
前記第1振分手段は、前記第2振分手段よりも上流側に配置されており、
前記第1通過部及び前記第2通過部は前記第2振分手段よりも下流側に配置されており、
前記第1振分手段により遊技球が振り分けられた場合、前記第2振分手段を経ずに前記第1通過部へ遊技球を導出可能に構成されており、
前記把握手段は、前記第1振分手段によって、前記第1通過部側へ振り分けられ得ると把握した場合であっても、前記第2振分手段の前記第1態様と前記第2態様との切り換わり状況を把握することを特徴とする特徴J1乃至J6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮に第1振分手段によって第1通過部側へ振り分けられ得る状況であっても、第2振分手段の状況を把握しておけば、可変受入手段の状態切換制御の設定に関して、その第2振分手段の状況を反映させることができる。このようにすることで、より多様な状態切換制御の設定を行うことが可能となる。
特徴J8.前記振分手段は、複数の振分手段として、第1振分手段(振分部材300,310)と、第2振分手段(回転体201)とを有し、
前記第2振分手段は、前記第1振分手段よりも遊技者からの視認性が高い位置に配置されており、
前記遊技状態移行手段は、前記把握手段により、前記第1振分手段及び前記第2振分手段のいずれによっても前記第1通過部側へ振り分けられ得ると把握された場合は、前記第2振分手段によって前記第1通過部側へ振り分けられ得るように前記状態切換制御を設定することが可能であることを特徴とする特徴J1乃至J7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、視認性の高い側の振分手段(第2振分手段)によって振り分けられたほうが、遊技者としては、それを確認することができる。よって、単に、第1通過部へ通過させればよい(特典が付与されればよい)、という観点ではなく、遊技球の動作を楽しむ、といった遊技機本来の楽しみを踏まえつつ、特徴J1の素晴らしい効果を奏することが可能となる。
<特徴K群>
特徴K1.遊技者の発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域を流下する遊技球を第1方向へ振り分ける第1態様と、前記第1方向とは異なる第2方向へ振り分ける第2態様と、に切り換わり可能な振分手段(開閉役物168)と、
遊技球の流下経路において前記振分手段の下流側に設けられた所定の通過部(V入賞口182a)と、
当該所定の通過部を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に特典(例えば、開閉実行モードやラウンド継続)を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置81による遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記振分手段により前記第1方向又は前記第2方向のいずれに振り分けられても、前記所定の通過部へ到達可能となるように遊技球の流下経路が定められており、
前記所定の通過部への到達率が、前記第1方向へ振り分けられた場合と、前記第2方向へ振り分けられた場合と、で相対的に高低となるように設定されており、
前記振分手段により前記所定の通過部への到達率が高い側に振り分けられる場合に、前記所定の通過部への到達率が低い側に振り分けられるように変更する手段(主制御装置81による第2開閉タイミング変更処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、所定の通過部を遊技球が通過することで遊技者に特典が付与され、その所定の通過部の上流側には振分手段が設けられており、その振分方向によって所定の通過部への到達率が相対的に高低となるように流下経路が設定されている。このような構成においては、遊技者としては、所定の通過部への到達率が高い側に振り分けられるように願うものと考えられる。しかし、いずれに振り分けられても所定の通過部へ到達可能であるのであれば、所定の通過部への到達率が低い側に振り分けられたほうが、当該所定の通過部へ到達するか否かというドキドキ感を味わうことが可能となる。その点で、上記構成のように、到達率が高い側に振り分けられる場合に、低い側に振り分けられるように変更する手段を備えていれば、そのような遊技球の流下を存分に楽しませることが可能となり、興趣向上に役立てることができる。
特徴K2.前記所定の通過部への到達率が低い側のほうが、前記所定の通過部への到達率が高い側よりも、遊技機前方からの視認性が高くなるように設定されていることを特徴とする特徴K1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球の動作態様を見る楽しみをより効果的に発揮することができる。
<特徴L群>
以下の特徴L群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域を流下する遊技球の流下態様を変化させる可動役物等の変位手段を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める工夫が望まれている。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴L0.第1周期で起動され、遊技進行用の所定の処理を含む第1周期処理を実行する手段(第12,第13の実施形態における主制御装置81による第1タイマ割込み処理を実行する機能)と、
所定の第1位置(導出部186に対応する位置)と当該第1位置とは異なる第2位置(導出部186とは異なる位置)とに変位可能な変位手段(回転体201)と、
前記変位手段の前記第1位置及び前記第2位置の変位を制御する変位制御処理を実行する手段(主制御装置81によるステップS2503〜ステップS2507、ステップS2511、ステップS2703〜ステップS2708、ステップS2712〜ステップS2718、ステップS2722の処理を実行する機能)と、
前記第1周期とは異なる第2周期であって、前記第1周期処理とは独立して起動され、前記変位制御処理を含む第2周期処理を実行する手段(第12,第13の実施形態における主制御装置81による第2タイマ割込み処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の第1周期処理よりとは異なる周期で起動される第2周期処理に変位手段を変位制御させる処理(変位制御処理)を設定したため、例えば、第1周期処理側の処理負荷が高騰した場合等によって、第1周期処理の一処理に要する期間が第1周期よりも長くなってしまった場合(つまり、次の第1周期処理を第1周期後に起動できない場合)等であっても、第2周期処理は第1周期処理とは独立して起動されるため、上記のような事象が発生しても第2周期処理における変位制御処理を設定どおりのタイミングで起動させ、設定どおりの動作を変位手段に行わせることができる。これにより、変位手段が状況に応じて設定とは異なる動作を行ってしまう(設計者の意図とは異なる動作を行ってしまう)、といった不都合を回避することができる。よって、多様な遊技に応じた変位制御処理を設計することができ、遊技の多様化に貢献することができる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴L1.第1周期で起動され、遊技進行用の所定の処理を含む第1周期処理を実行する手段(第12,第13の実施形態における主制御装置81による第1タイマ割込み処理を実行する機能)と、
前記遊技進行に関与するものであって、所定の第1位置(導出部186に対応する位置)と当該第1位置とは異なる第2位置(導出部186とは異なる位置)とに変位可能な変位手段(回転体201)と、
前記変位手段の前記第1位置及び前記第2位置の変位を制御する変位制御処理を実行する手段(主制御装置81によるステップS2503〜ステップS2507、ステップS2511、ステップS2703〜ステップS2708、ステップS2712〜ステップS2718、ステップS2722の処理を実行する機能)と、
前記第1周期とは異なる第2周期であって、前記第1周期処理とは独立して起動され、前記変位制御処理を含む第2周期処理を実行する手段(第12,第13の実施形態における主制御装置81による第2タイマ割込み処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の第1周期処理よりとは異なる周期で起動される第2周期処理に変位手段を変位制御させる処理(変位制御処理)を設定したため、例えば、第1周期処理側の処理負荷が高騰した場合等によって、第1周期処理の一処理に要する期間が第1周期よりも長くなってしまった場合(つまり、次の第1周期処理を第1周期後に起動できない場合)等であっても、第2周期処理は第1周期処理とは独立して起動されるため、上記のような事象が発生しても第2周期処理における変位制御処理を設定どおりのタイミングで起動させ、設定どおりの動作を変位手段に行わせることができる。これにより、変位手段が状況に応じて設定とは異なる動作を行ってしまう(設計者の意図とは異なる動作を行ってしまう)、といった不都合を回避することができる。よって、多様な遊技に応じた変位制御処理を設計することができ、遊技の多様化に貢献することができる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴L2.第1周期で起動され、遊技進行用の所定の処理を含む第1周期処理を実行する手段(第12,第13の実施形態における主制御装置81による第1タイマ割込み処理を実行する機能)と、
前記遊技進行に関与するものであって、所定の第1位置(導出部186に対応する位置)と当該第1位置とは異なる第2位置(導出部186とは異なる位置)とに変位可能な変位手段(回転体201)と、
前記変位手段の前記第1位置及び前記第2位置の変位を制御する変位制御処理を実行する手段(主制御装置81によるステップS2503〜ステップS2507、ステップS2511、ステップS2703〜ステップS2708、ステップS2712〜ステップS2718、ステップS2722の処理を実行する機能)と、
前記第1周期よりも短い第2周期であって、前記第1周期処理とは独立して起動され、前記変位制御処理を含む第2周期処理を実行する手段(第12,第13の実施形態における主制御装置81による第2タイマ割込み処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の第1周期処理とは異なる周期で起動される第2周期処理に変位手段を変位制御させる処理(変位制御処理)を設定したため、例えば、第1周期処理側の処理負荷が高騰した場合等によって、第1周期処理の一処理に要する期間が第1周期よりも長くなってしまった場合(つまり、次の第1周期処理を第1周期後に起動できない場合)等であっても、第2周期処理は第1周期処理とは独立して起動されるため、上記のような事象が発生しても第2周期処理における変位制御処理を設定どおりのタイミングで起動させ、設定どおりの動作を変位手段に行わせることができる。これにより、変位手段が状況に応じて設定とは異なる動作を行ってしまう(設計者の意図とは異なる動作を行ってしまう)、といった不都合を回避することができる。
特に、第2周期処理は、第1周期処理よりも短い周期で起動される構成としている。そのため、第1周期処理に変位制御処理を設定する構成と比較して、上記のような他の処理の影響を受けることがない、といった効果だけでなく、変位手段の変位タイミングの微調整を、第1周期よりも細かい第2周期に基づいて行うことが可能となる。この場合、変位手段の微調整をより細かく設定したいのであれば、第1周期をより短い周期として、且つ第1周期処理に変位制御処理を設定する構成も考えられる。ところが、そのような構成としてしまうと、第1周期処理の周期が短くなった分、上記のような処理負荷の高騰によって処理に要する期間が第1周期よりも長くなる可能性が高くなる。そのため、第1周期処理と第2周期処理とを独立して起動可能な処理したうえで、第2周期を設定する意義が生じるものと考えられる。したがって、変位手段の微調整を好適に行うことができ、遊技の多様化に貢献することができる。以上の結果、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴L3.遊技領域に向けて遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段を制御する発射制御処理を実行する手段(主制御装置81による遊技球発射制御処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定の入球部(V入賞口182a)と、
前記所定の入球部に遊技球が入球したことに基づく入球処理を実行する手段(主制御装置81による遊技制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1周期処理には、前記発射制御処理及び前記入球処理とが含まれており、
前記変位手段は、前記第1位置と前記第2位置とに変位することにより前記所定の入球部への入球率を変化させることが可能な構成であることを特徴とする特徴L0乃至L2のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技進行用の処理(第1周期処理)として遊技球を発射させる発射制御処理や、入球部への入球に基づく入球処理(例えば、入球を検知する検知処理や、検知に基づいて当否判定等を実行する処理、当否判定の結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等)が含まれている。つまり本遊技機は、発射制御処理が行われることによって、遊技球が遊技領域に発射されて遊技が開始され、入球処理が行われることによって、入球部への入球に基づく遊技が繰り広げられる遊技機といえる。このような遊技機においては、上記特徴L1に記載したような、処理負荷の高騰(発射制御処理が行われる状況や、入球に基づく処理として大当たりとなった場合の処理などが重複)する場合が現実的に多くなり、特徴L1のような構成とする意義が高まるといえる。
さらに、変位手段は、第1位置と第2位置とに変位することで、所定の入球部への入球率を変化させることが可能な構成となっている。そのため、変位手段の変位は、遊技の進行(入球部へ遊技球が入球するか否か)の重要な要素といえる。そうすると、仮に第1周期処理に全ての処理を設定する構成とすると、入球処理側が滞る可能性が生じ、それに関係する変位制御処理も滞ってしまい、結果的に遊技の進行が滞ってしまいかねない。
特に、入球部への入球率を変化させる変位手段の動作は、見た目上、遊技の進行に大きく関与していることが明らかであり、このような変位手段の動作が滞ってしまうと、表示画面等による大当たり発生の報知が遅れる等と比較して、遊技者に多大な不信感を与えかねない。また、設計者としては、入球部への入球率によって当該遊技機の出球率を設計するものであり、その入球率を変化させる変位手段の変位が設計通りとならないと、設計者の設計した出球率とは異なる出球率となってしまう。そこで、このような特徴L3の構成に特徴L0乃至L2の発明を適用すれば、上記の不都合を回避しつつ、多様な遊技性を実現(設計する)ことが可能となる。
特徴L4.前記第2周期処理は、前記変位制御処理用に設けられているものであることを特徴とする特徴L0乃至L3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2周期処理を変位制御処理専用とすることで、他の処理を加えることによる処理負荷の増加を回避することができる。仮に、第2周期処理に他の処理が加わると、第1周期処理側と同様の不都合が生じ得るからである。
なお、上記構成は、「前記第2周期処理は、前記変位制御処理専用に設けられているものである」や、「前記第2周期処理は、前記変位制御処理以外の処理が設定されないように構成されている」と表現することも可能である。
特徴L5.前記第1周期処理よりも前記第2周期処理の方が処理数が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴L0乃至L4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、変位手段を変位制御させる処理が含まれる第2周期処理の方が第1周期処理よりも処理数が少なく設定されているため、第2周期処理側の処理負荷を減らすことができ、設計どおりの周期で第2周期処理を起動させることができる。これにより、設計どおりの周期で変位手段を変位制御させることができ、特徴L1の効果を好適に奏することが可能となる。
なお、上記構成は、「前記第1周期処理で参照される参照数は、前記第2周期処理での参照数よりも多くなるように設定されている」や、「前記第1周期処理で判定される判定数は、前記第2周期処理での判定数よりも多くなるように設定されている」や、「前記第1周期処理により出力される出力数は、前記第2周期処理での出力数よりも多くなるように設定されている」や、「前記第1周期処理で処理される処理量は、前記第2周期処理での処理量よりも多くなるように設定されている」とも表現することができる。いずれの場合であっても、変位制御処理を含む第2周期処理に要する期間が、遊技進行用の各種処理を含む第1周期処理に要する期間よりも短くなるように設定されていれば、設計どおりの周期で変位手段を変位制御させる効果を奏することが可能である。
特徴L6.前記第1周期処理の実行中に前記第2周期処理の起動を許容する一方、前記第2周期処理の実行中に前記第1周期処理の起動を制限する手段(主制御装置81による第1タイマ割込み処理において第2タイマ割込み処理の割込みの許可/禁止の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴L0乃至L5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1周期処理よりも第2周期処理の方が優先して実行される構成となる。このようにすれば、変位手段の制御が滞る事象をより好適に回避することが可能となる。
特徴L7.前記第1周期処理の実行中に前記第2周期処理が起動される場合、実行中の前記第1周期処理の状況を記憶する記憶手段(主制御装置81によるステップS2502,ステップS2702の処理を実行する機能)を備え、
前記第1周期処理の実行中に前記第2周期処理が起動された場合、当該第2周期処理の実行後に前記記憶手段により記憶された前記第1周期処理の状況から、当該第1周期処理を再開することが可能な構成であることを特徴とする特徴L6に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1周期処理を実行中に第2周期処理が起動された場合であっても、当該起動された第2周期処理の終了後に、第1周期処理の続きから再開することが可能となる。これにより、第1周期処理内の実行済みの処理が再度実行されてしまう等の不都合を回避することができる。
特徴L8.前記変位手段を複数有し、
前記複数の変位手段は、それぞれ異なる変位周期で前記第1位置と前記第2位置の変位が行われることを特徴とする特徴L0乃至L7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の変位手段に対して、遊技進行用の第1周期処理とは異なる第2周期処理によって変位制御処理を行うことが可能となり、変位手段を複数有するような遊技機に対しても特徴L0乃至L2の効果を奏することが可能となる。そればかりか、それぞれの変位手段が異なる周期に設定されているため、仮にこれら異なる周期のものを第1周期処理にて行う構成とすると、短い側の周期に第1周期処理の第1周期を設定する必要が生じる。しかし、第1周期処理は遊技進行のための各種処理を行う必要があり、一処理に要する期間よりも、当該第1周期を短くすることはできない。そればかりか、他方の変位手段の変位周期との兼ね合いで、単に短い側の周期を第1周期とするだけでは他方の変位手段を動作させることができない場合もある。すなわち、各変位周期が互いに割り切れない期間である場合(一方の変位周期が他方の変位周期の整数倍ではない場合)には、一の周期の処理で複数の周期の変位手段を動作させることができない。そのため、これらの異なる変位周期の変位手段を、それ用の第2周期処理にて行う構成とすれば、遊技進行用の各種処理に影響を及ぼすことなく、複数の変位手段の変位動作を好適に実施することが可能となる。
なお、複数の変位手段において、第1位置と第2位置とは変位手段同士で同じ位置である必要はなく、それぞれの変位手段に対して第1位置と第2位置とが設定されていてもよい。この点は、以下の変位手段を複数有することに関する各特徴にも当てはまることである。
特徴L9.前記複数の変位手段のうち、一の前記変位手段は、前記第2周期処理が第1回数起動されることで前記第1位置と前記第2位置との切換制御のための動作を実行し、他の前記変位手段は、前記第2周期処理が前記第1回数とは異なる第2回数起動されることで前記第1位置と前記第2位置との切換制御のための動作を実行するものであり、
前記第2周期処理が前記第1回数起動された場合の前記第2周期の合計期間は前記第1周期よりも短く、且つ、前記第2周期処理が前記第2回数起動された場合の前記第2周期の合計期間は前記第2周期よりも長くなるように、前記第1周期及び前記第2周期が設定されていることを特徴とする特徴L8に記載の遊技機。
上記構成によれば、実質的に第1周期の第1周期処理だけでは、各変位手段の切換制御をそれぞれ行うことができなくなる。つまり、第1周期よりも短い変位周期で動作するものと、第1周期よりも長い変位周期で動作するものと、の組み合わせを第1周期処理にて行うことは困難となる。これにより、変位手段用の処理を第1周期処理とは別に設ける、といった特徴L0乃至L2の意義が高められる。
特徴L10.遊技領域に向けて遊技球を発射させる発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な所定の入球部(V入賞口182a)と、
を備え、
前記変位手段として、第1変位手段(第1振分部材300)と第2変位手段(回転体201)とを有し、
前記第1変位手段は前記第1位置と前記第2位置とに変位することにより前記第2変位手段へ流下する遊技球の流下態様を変化させることが可能な構成であり、前記第2変位手段は前記第1位置と前記第2位置とに変位することにより前記所定の入球部への入球率を変化させることが可能な構成であることを特徴とする特徴L0乃至L9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、それぞれの変位手段(第1変位手段、第2変位手段)の変位の関係性よって所定の入球部への入球率が変化する。より具体的には、第1変位手段が変位すれば第2変位手段へ流下する遊技球の流下態様が変化し、第2変位手段が変位すると所定の入球部への入球率が変化する。つまり、第2変位手段は所定の入球部への入球率を変化させ、第1変位手段は第2変位手段を介して所定の入球部への入球率を変化させる構成といえる。そのため、単に一の変位手段が所定の入球部の入球率に関与する構成と比較して、一の変位手段の変位タイミングがずれると他の変位手段にも影響がおよび、所定の入球部への入球率が設計と大きく異なることになる。このような構成に特徴L1の発明を適用すれば、設計通りの変位タイミングで変位手段を変位させることが可能となり、多様な入球率を設計する際に大いに役立たせることができる。
なお、本構成を特徴L9に適用する場合、特徴L10でいう「第1変位手段」と「第2変位手段」とは、特徴L9でいう「一の変位手段」と「他の変位手段」のいずれにも当てはめることが可能である。「第1変位手段」を「一の変位手段」とすると、所定の入球部に近い側の「第2変位手段」の方が変位周期が長くなり、「第2変位手段」を「一の変位手段」とすると、所定の入球部に近い側の「第2変位手段」の方が変位周期が短くなる。
特徴L11.前記変位手段は、所定数(720、480)の単位動作(第1ステップカウンタSK1、第2ステップカウンタSK2の1カウントに相当する動作)によって前記第1位置と前記第2位置との変位が行われる構成であり、
前記変位制御処理は、前記第2周期処理が所定回数(8、11)起動されることによって前記変位手段による一の前記単位動作が行われるように設定されていることを特徴とする特徴L0乃至L10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2周期処理の所定回数分の起動に対して一の単位動作が対応しているため、第1位置と第2位置との変位タイミング(所定動作のタイミング)を変更するためには、第2周期処理の起動周期(第2周期)を変更するのではなく、所定数や所定回数を変更すればよい。これにより、変位手段の変位タイミングの微調整を容易に行うことが可能となる。
特徴L12.前記変位手段として、第1変位手段(第1振分部材300)と第2変位手段(回転体201)とを有し、
前記第1変位手段は、第1変位周期で前記第1位置と前記第2位置のとの変位が行われる構成であり、
前記第2変位手段は、前記第1変位周期とは異なる第2変位周期で前記第1位置と前記第2位置との変位が行われる構成であり、
前記第1変位周期は、第1所定回数の前記第2周期処理が起動することによって行われる前記単位動作が第1所定数行われることによって構成されており、
前記第2変位周期は、第2所定回数の前記第2周期処理が起動することによって行われる前記単位動作が第2所定数行われることによって構成されていることを特徴とする特徴L11に記載の遊技機。
上記構成によれば、変位周期が異なる複数の変位手段を有する構成であっても、第2周期処理の起動周期を変更しなくても、第1所定回数、第1所定数、第2所定回数、第2所定数を変更するだけで変位周期を微調整することが可能となる。
特徴L13.所定の異常状態を把握する把握処理を実行する手段(主制御装置81によるステップS2408〜ステップS2410、ステップS2709〜ステップS2711、ステップS2720〜ステップS2721の処理を実行する機能)と、
前記把握処理により前記所定の異常状態であると判定された場合に、所定の報知(エラー報知)を行うための応答処理を実行する手段(主制御装置81によるステップS2601、ステップS2602の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記応答処理は、前記第1周期処理に含まれるように設定されていることを特徴とする特徴L0乃至L12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、変位手段用の第2周期処理に他の処理を組み込む必要がなく、第2周期処理の処理期間(第2周期)を短くすることが可能となる。ここで、所定の異常状態が発生した場合には、それはいち早く報知する必要があるといえ、このような処理(応答処理)こそ、短い周期によって起動される処理に組み込まれる必要があるとも考えられる。しかし、このような所定の異常状態の報知は、遊技の進行との兼ね合いで、報知すべきか否かが異なる場合がある。そこで、異常状態の報知を遊技進行の処理に加える構成とすれば、変位手段のための第2周期処理の処理負荷を低減させつつも、異常状態の報知を精度高く実施することが可能となる。
特徴L14.前記把握処理は、前記第2周期処理において実行されるように設定されていることを特徴とする特徴L13に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常の報知については、遊技状態との兼ね合いで行う一方で、異常の把握(検知)自体は、より迅速に行うことが可能となる。
特徴L15.前記第1周期の長さは、前記第2周期の長さの整数倍とならないように設定されていることを特徴とする特徴L0乃至L14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、起動周期を調整するといった非常に簡素な構成で、第1周期処理と、第2周期処理とが重複することによる処理負荷の増加の発生を好適に抑制することができる。
特徴L16.前記第2周期の長さは、前記第1周期の長さの半分未満に設定されていることを特徴とする特徴L0乃至L15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2周期処理に要する期間(第2周期)が、第1周期処理に要する期間(第1周期)の半分未満となるように設定されているため、同じ期間であっても第2周期処理を第1周期処理の2倍以上の回数起動させることができる。このような第2周期処理に変位制御処理が含まれているため、変位手段の変位制御をより細かく調整することが可能となる。
特徴L17.前記第2周期の長さは、前記第1周期の長さの10分の1以下に設定されていることを特徴とする特徴L0乃至L16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2周期処理に要する期間(第2周期)が、第1周期処理に要する期間(第1周期)の10分の1以下となるように設定されているため、同じ期間であっても第2周期処理を第1周期処理の10倍以上の回数起動させることができる。このような第2周期処理に変位制御処理が含まれているため、変位手段の変位制御をより細かく調整することが可能となる。
特徴L18.前記変位手段は、一の前記変位制御処理によって所定角度回転することを一の単位動作とし、前記第1位置から前記第2位置を経て前記第1位置まで回転することを1回転とする回転体であることを特徴とする特徴L0乃至L17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、変位手段を変位制御することは、回転体を所定角度回転させることになる。このような回転体を回転させる構成において、遊技進行用の各種処理が含まれる第1周期処理側に変位制御処理が含まれるようにしてしまうと、回転体のスムーズな回転が妨げられたり、遊技進行の状況に基づく処理負荷の増減によって回転体の回転速度が変化したりしてしまう不都合が発生する可能性がある。そこで、第2周期処理側に回転体を回転させる変位制御処理が含まれるようにすれば、上記のような不都合を好適に回避することができる。
特徴L19.前記変位手段は、前記第1位置に配置される状態を第1期間に亘って維持した後、前記第2位置に変位し、前記第2位置に配置される状態を第2期間に亘って維持し、その後、前記第1位置に変位することを一の周期動作として動作する動作体であることを特徴とする特徴L0乃至L18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者としては変位手段がいずれの位置に配置されているかを明確に把握することが可能と考えられる。特に特徴L3のように、変位手段の位置によって所定の入球部の入球率が変化する構成においては、いずれの位置に配置されるかに大きな関心が寄せられるといえる。このような構成において、仮に変位制御処理を遊技進行用の各種処理が含まれる第1周期処理に含まれるようにすると、遊技進行の状況に基づく処理負荷の増減によって、第1位置と第2位置との変位タイミングにズレが生じてしまう可能性がある。そして、上記のように遊技者が変位手段の位置に関心を寄せていることから鑑みると、このようなズレは遊技者に不信感を与えかねない。そこで、第2周期処理に変位制御処理が含まれるようにすれば、上記のような不都合を好適に回避することができる。
なお、複数の変位手段を有する構成においては、一の変位手段に特徴L18を適用し、他の変位手段に特徴L19を適用する構成としてもよい。このような構成とすると、一定の速度で回転する回転体の回転制御と所定のタイミングで位置変位が行われる動作体の変位制御とのそれぞれを管理する必要があり、遊技進行用の各種処理が含まれる第1周期処理ではなく第2周期処理側で管理する意義が高まるといえる。
また、複数の変位手段を有する構成においては、複数の変位手段に特徴L18を適用する構成としてもよい。このような構成とすると、一定の速度で回転する複数の回転体の回転制御を管理する必要があり、遊技進行用の各種処理が含まれる第1周期処理ではなく第2周期処理側で管理する意義が高まるといえる。
また、複数の変位手段を有する構成においては、複数の変位手段に特徴L19を適用する構成としてもよい。このような構成とすると、所定のタイミングで位置変位が行われる複数の動作体の変位制御を管理する必要があり、遊技進行用の各種処理が含まれる第1周期処理ではなく第2周期処理側で管理する意義が高まるといえる。
なお、上述した各特徴A〜L群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A〜L群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A〜L群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A〜L群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。