<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。
図2に示すように、遊技機本体12のうち内枠13が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠13には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして設けられた前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、裏パックユニット15に設けられた払出装置96より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
前扉枠14において下皿72の右方には、発射ハンドル60が設けられている。発射ハンドル60が操作されることにより、内枠13において遊技領域の下方に設けられた遊技球発射機構53から遊技領域に向けて遊技球が発射される。この場合、発射ハンドル60の回転操作量を変更することで、遊技領域に向けて発射される遊技球の発射強度、すなわち発射の勢いが変更される。
遊技領域は、内枠13に搭載された遊技盤24に形成されている。以下、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24の表面には、内レール部32と外レール部33とが取り付けられており、これら内レール部32及び外レール部33によって区画されるようにして遊技領域が形成されている。また、これら内レール部32及び外レール部33により遊技領域への遊技球の誘導レール34が構成され、遊技者が発射ハンドル60を回転操作したことにより遊技球発射機構から発射された遊技球は上記誘導レール34によって遊技領域の上部に案内される。
誘導レール34は、その出口部分が遊技領域の一方の側部において遊技領域の上部中央を向くようにして形成されている。そのため、遊技者による発射ハンドル60の回転操作量が大きくなるにしたがって、遊技領域の上部における遊技球の到達位置は、誘導レール34の出口部分が形成された側部の側からその反対側の側部の側へとシフトしていく。なお、誘導レール34の出口部分は、遊技領域の左側の側部に設けられている。
遊技盤24において遊技領域として区画される範囲には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口35,第1作動口(第1始動入球部)38,第2作動口(第2始動入球部)39,役物装置150、スルーゲート41、可変表示ユニット42、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口35、第1作動口38、第2作動口39及び役物装置150への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(第1作動センサ38a、第2作動センサ39c、入口センサ179(図6等参照))により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、第1作動口38への入球が発生した場合及び第2作動口39への入球が発生した場合には7個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口35への入球が発生した場合には8個の賞球の払い出しが実行され、役物装置150への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば第1作動口38に係る賞球個数よりも第2作動口39に係る賞球個数が多いといったように、両作動口38,39の賞球個数が相違していてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口45が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口45を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘46が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されずに当該遊技領域の流下を継続する態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口45への遊技球の入球と明確に区別するために、役物装置150、第1作動口38、第2作動口39又はスルーゲート41への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
役物装置150は、遊技盤24において略中央部に配設されている。第1作動口38及び第2作動口39は、遊技盤24においてこの役物装置150の下側に、横方向に並設されている。第1作動口38は役物装置150の左右に2つ設けられており、第2作動口39はこれら左右の第1作動口38によって挟まれる位置に配設されている。役物装置150との関係では、左右の第1作動口38は役物装置150を挟むように配設されており、役物装置150へ入賞しなかった遊技球がいずれかの第1作動口38へ到達可能(入賞可能)となっている。また、両第1作動口38と役物装置150との横方向の間隔は、遊技球1個分の直径以上の間隔となっており、第1作動口38と役物装置150との間を遊技球が流下可能となっている。
また、第2作動口39は役物装置150の下方に配設されている。第2作動口39は、両第1作動口38よりも若干下方に配置されており、役物装置150や第1作動口38に入球しなかった遊技球が第2作動口39へ到達可能(入球可能)となっている。
第2作動口39には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物39aが設けられている。電動役物39aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部39bに連結されており、当該電動役物駆動部39bにより駆動されて閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)及び開放状態(サポート状態又はガイド状態)のいずれかに配置される。電動役物39aの閉鎖状態では遊技球が第2作動口39に入賞できず、電動役物39aが開放状態となることで第2作動口39への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、第2作動口39への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物39aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物39aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、第2作動口39自身の変位により行われる構成としてもよい。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材47に設けられている。装飾部材47は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材47の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材47の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材47の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、各作動口38,39への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が絵柄等の表示によって明示される。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート41への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート41への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート41への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、第2作動口39に設けられた電動役物39aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット42には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置51が設けられている。図柄表示装置51は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置51は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
装飾部材47におけるメイン表示部43の下方部分には、メイン表示部43に対応した第1保留発光部54と第2保留発光部55とが設けられている。第1保留発光部54は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第1作動口38に入賞した個数は最大4つまで保留され、第1保留発光部54の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。第2保留発光部55は、左右に並べて発光部が複数(詳しくは4つ)配置されており、遊技球が第2作動口39に入賞した個数は最大4つまで保留され、第2保留発光部55の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、装飾部材47における役物用表示部44の下方部分には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部56が設けられている。遊技球がスルーゲート41を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部56の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留発光部54〜56の一部又は全部が図柄表示装置51の一部で表示される構成等であってもよい。
役物装置150は、いずれかの作動口38,39への遊技球の入球を条件として開放状態となり、当該役物装置150への遊技球の入球が可能となる。役物装置150内に遊技球が入り、さらにその遊技球が役物装置150内に設けられたV入賞口に入ると、それが後述するV入賞センサ192により検出され、大当たり状態となる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3及び図5に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、裏パック基板92aが設置されている(図5参照)。裏パック基板92aには、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ92bの切換操作によりパチンコ機10の電源がON又はOFFされるようになっている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技場側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル60の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置98にはRAM消去スイッチ98aが設けられている(図5参照)。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技場の営業終了の場合のように電源スイッチ92bのみを操作して電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ98aを押しながら電源スイッチ92bを操作して電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、役物装置150の構成について図6〜図9を用いて詳細に説明する。図6(a)は役物装置150の斜視図であり、図6(b)は役物装置150に設けられた通路の構成を簡略に示す平面図であり、図7は役物装置150の分解斜視図であり、図8(a)は役物装置150を構成する回転体ユニット180の平面図であり、図8(b),(c)は図8(a)のA−A線断面図であり、図9は回転体ユニット180の分解斜視図である。
役物装置150は、図7に示すように、大別して役物ユニット160と回転体ユニット180とから構成されている。役物ユニット160は、ベース枠161を備えており、ベース枠161のフランジ162が遊技盤24にネジ止め固定されている。ベース枠161は、前後方向に延びる球受け板163により上下に区画されて、前後に貫通した上側開口164と下側開口165とが形成されている。
ベース枠161の前面における上側開口164の上方には、所定の厚みを有する天井部材167が取り付けられている。なお、天井部材167には上記可変表示ユニット42が形成されており、図柄表示装置51の表示画面Gが、遊技機前方に向くように設置されている。
ベース枠161における上側開口164の左右両側には、天井部材167と同一の厚みを有する一対の開閉役物168が設けられている。ベース枠161の背面側には、通路形成部材171及び駆動部固定板172が設けられており、駆動部固定板172の背面に一対の開閉役物駆動部173(電磁式ソレノイド)が取り付けられている。開閉役物駆動部173には通路形成部材171及び駆動部固定板172を貫通して設けられたリンク176の一端が連結されており、当該リンク176の他端が開閉役物168の軸部に連結されている。従って、開閉役物168は開閉役物駆動部173の駆動により開放動作される。
当該開放動作について詳細に説明すると、各開閉役物168は開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときには上方へ起立し、それぞれの先端部は天井部材167の左右両端に近接する。一方、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されると、各開閉役物168はそれぞれ外側へ開き、各開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との間には遊技球1個分よりも大きな隙間ができる。かかる構成により、各開閉役物168が開き、役物装置150が開放状態となったときにのみ、役物装置150内への遊技球の入球が可能となる。なお、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないとき(開閉役物168が上方へ起立したとき)であっても、同開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されているとき(開閉役物168が外側へ開いているとき)よりも、役物装置150への入球が困難な態様であればよく、開閉役物駆動部173が駆動(励磁)されていないときに役物装置150へ入球可能な構成であってもよい。例えば、開閉役物駆動部173の駆動されているときは、開閉役物168の先端部と天井部材167の左右両端との隙間が遊技球約1個分であり、開閉役物駆動部173が駆動されると同隙間がそれよりも大きくなる構成などが考えられる。
また、開閉役物駆動部173は、通路形成部材171及び駆動部固定板172により遊技機前方から視認できない構成となっており、当該開閉役物駆動部173は背面側がカバー部材174によりカバーされている。
ベース枠161の前面における下側開口165の縁部には、前枠175が取り付けられている。前枠175の上部に形成された延出壁175aは、ベース枠161の球受け板163よりも上方に延出している。かかる延出壁175aにより球受け板163上に到達した遊技球の前方への飛び出しが規制されている。前枠175の下部には、透明性を有する透光部175bが設けられており、透光部175bの後方が視認可能となっている。
通路形成部材171には、前後方向に延び球受け板163に繋がる通路板177が形成されており、さらに通路板177の奥側には上下方向に延びる遊技球通路178が形成されている(図6(b)に示す)。そして、通路板177が遊技球通路178に向けて下方に傾斜し、さらに当該遊技球通路178に向けて幅が狭くなる構成であることにより、球受け板163上に到達した遊技球は遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は当該遊技球通路178を流下する。遊技球通路178の入口側には入口センサ179が設けられており、役物装置150に入球した遊技球は必ず且つ即座に入口センサ179を通過する。これにより、役物装置150への遊技球の入球が検出される。なお、入口センサ179は、周知の近接センサにより構成されている。
役物ユニット160には、通路形成部材171の下方に位置するようにして回転体ユニット180が取り付けられている。回転体ユニット180は、図9に示すように、誘導通路形成部材181と排出通路形成部材191とを備えている。
誘導通路形成部材181には、その略中央に下方に凹んだ凹部182が形成されている。凹部182は、平面視で円形状をしている。そして、凹部182の上面開口部の外縁に沿うようにして円環状の誘導通路183が形成されている。誘導通路183は、左右対称となっており、奥側中央から手前側中央に向かうほど低位となるよう傾斜している。誘導通路183の手前側中央は、ベース枠161の下側開口165の下端部分に位置している。誘導通路183の奥側中央は、役物ユニット160の遊技球通路178の鉛直下方に位置している。誘導通路183の奥側中央を形成する通路壁183cは周りの通路壁183cに比べ背が高くなっており、奥側の誘導通路183の上方には水平方向に延びる通路カバー184が形成されている。但し、図8(a)に示すように、通路カバー184には入口用開口184aが形成されており、平面視で誘導通路183の奥側部分は奥側中央のみが露出された構成となっている。この入口用開口184aが遊技球通路178の出口と重なっていることにより、遊技球通路178を流下した遊技球は確実に誘導通路183の奥側中央に到達する。
誘導通路183の奥側中央には、球振分け部185が形成されている。球振分け部185は、その中心から左右両方に向けて下方に傾斜する傾斜面を有する。従って、誘導通路183に到達した遊技球は、左右いずれかに振り分けられる。そして、誘導通路183の傾斜に沿って転がることで誘導通路183の手前側に誘導される。誘導通路183の手前側には、凹部182側へ傾斜した導出部186が形成されている。
図9に示すように、凹部182には、その底面にV入賞口182aが形成されている。V入賞口182aは排出通路形成部材191に形成されたV入賞通路191aに通じており、V入賞口182aに入った遊技球はV入賞通路191aを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、V入賞通路191aにはV入賞センサ192が設けられており、V入賞通路191aを通過する遊技球はV入賞センサ192により検出される。
また、凹部182の側面には外れ口182bが形成されている。外れ口182bは排出通路形成部材191に形成された外れ用通路191bに通じており、外れ口182bに入った遊技球は外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される。この場合に、外れ用通路191bには外れ用センサ193が設けられており、外れ用通路191bを通過する遊技球は外れ用センサ193により検出される。なお、V入賞センサ192及び外れ用センサ193は、周知の近接センサにより構成されている。また、V入賞通路191a及び外れ用通路191bを通じて役物装置150の外部へ排出される遊技球は、図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部に排出される。
排出通路形成部材191には下側から回転体用駆動部194が取り付けられており、当該回転体用駆動部194の上下方向に延びる出力軸194aは、排出通路形成部材191及び誘導通路形成部材181を貫通している。そして、出力軸194aには回転体201が固定されている。なお、当該回転体用駆動部194をステッピングモータとしてもよい。
回転体201は、誘導通路形成部材181の凹部182よりも若干小さい径の略円盤状をしており、凹部182内に位置している。そして、回転体201は回転体用駆動部194の駆動に伴って反時計回りに回転する。回転体201の外周には内側に凹んだ10個の球案内部202が形成されており、これら球案内部202は等間隔で並んでいる。このうち、9個の球案内部202は有底の外れ口案内部203となっており、1個の球案内部202は無底のV入賞口案内部204となっている(図8(a)参照)。外れ口案内部203の底面は、外側に向かうほど低位となるように傾斜している。各球案内部202は、1個の遊技球が入る程度の大きさをしており、誘導通路183の導出部186から導出される遊技球はいずれかの球案内部202に入る。この場合に、V入賞口案内部204に入った遊技球は回転体201の回転に伴ってV入賞口182aの上部に到達し、当該V入賞口182aからV入賞通路191a内に落下する。一方、外れ口案内部203に入った遊技球は回転体201の回転に伴って外れ口182bの横方に到達し、当該外れ口182bから外れ用通路191b内に入る。
また、本実施の形態では、回転体201の回転位置を把握するために回転位置検出センサ196が設けられている。回転位置検出センサ196は所定の間隔を置いて対向する一対のアーム部196a,196bを有しており、一方のアーム部196aには発光素子が配設され、他方のアーム部196bにおける発光素子と対向する位置には受光素子が配設されている。回転位置検出センサ196はセンサ基板197上に設けられており、センサ基板197は、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間(発光素子と受光素子との間)に、回転体用駆動部194の出力軸194aに設けられたカットバン198が位置するように排出通路形成部材191に固定されている。
カットバン198は、略ドーナツ状をしており、出力軸194aの回転に伴って回転する。但し、非連続となるように切欠部198aが形成されている。従って、回転位置検出センサ196の発光素子からの光は基本的にカットバン198に遮られ、出力軸194aの回転に伴って切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過するときのみ発光素子からの光が受光素子に到達する。そして、回転体201の外周におけるV入賞口案内部204の位置に対応させて切欠部198aが形成されていることにより、受光素子が発光素子からの光を検知したか否かを監視することで、回転体201の回転位置を把握することができる。ちなみに、V入賞口案内部204が導出部186の手前側を通過する際に、切欠部198aが両アーム部196a,196b間を通過する。
さらに、本実施の形態では、図8(a)に示すように、誘導通路183の左右一方、より具体的には右側誘導通路183bに、減速手段としての複数の突条206が設けられている。これら突条206は右側誘導通路183bを横断しており、遊技球の流下方向に並んで配置されている。当該突条206により遊技球が減速されることで、遊技球が左右いずれの誘導通路183を流下するかにより、導出部186に到達するまでの期間が異なるようになっている。具体的には、右側誘導通路183bの方が導出部186に到達するまでの期間が長くなっている。
さらに、本実施の形態では、図8(b)に示すように、誘導通路183の手前側中央に落下通路210が設けられている。落下通路210は、上下に開口する筒状となっており、入口部である落下口210a内に落下した遊技球を下方へ導くように構成されている。落下通路210は前枠175の透光部175b(図6(a))の後方に配置されており、落下通路210の前側壁部210bは透明性(透光性)を有している。したがって、前枠175の透光部175bを通じて、落下通路210を流下する遊技球を視認可能となっている。
落下通路210の上方には、落下口210aを開閉する落下用開閉部材211が設けられている。落下用開閉部材211は、略平板状に形成されており、落下口210aを閉鎖する状態において、上面211bが誘導通路183の上面(遊技球転動面)と同一高さとなるように形成されている。上面211bは、回転体201側に向かうほど低くなるように傾斜しており、上面211bには、前述した導出部186が形成されている。
また、落下用開閉部材211は、その裏面側において落下通路210の奥側壁部210cの上端部に回動可能に連結されており、左右方向に延びる回動軸211aを中心として上下方向に回動可能となっている。回動軸211aは、落下用開閉部材211の裏面における前端から後端に至る途中位置に設けられている。
落下用開閉部材211は、開閉部材用駆動部212(電磁式ソレノイド)に接続されており、開閉部材用駆動部212が駆動制御されることで開閉駆動される。詳しくは、開閉部材用駆動部212が駆動(励磁)されていないときには、落下用開閉部材211は水平姿勢となり、落下口210aを閉鎖する閉鎖状態となる(図8(b))。この場合、遊技球は、落下用開閉部材211の上面211bに形成された導出部186によって回転体201に誘導される。
一方、開閉部材用駆動部212が駆動(励磁)されると、落下用開閉部材211は、閉鎖状態(閉鎖位置)から下方に回動して起立姿勢となり、落下口210aを開放する開放状態となる(図8(c))。この場合、遊技球は、落下口210a内に落下し、落下通路210により下方へ誘導される。この際、落下用開閉部材211の後部211cが誘導通路183の上面よりも上方に突出し、回転体201への入口を塞ぐ。これにより、遊技球が誘導通路183を勢いよく流下した場合でも、当該遊技球が回転体201側に流下することを好適に抑制できる。なお、落下用開閉部材211が開放状態(開放位置)である状況において、開閉部材用駆動部212を駆動状態とすると、落下用開閉部材211は開放位置から上方に回動し、再び閉鎖状態となる。
落下通路210の下方には、図9に示すように、排出通路形成部材191に形成された後方誘導通路213が配置されている。後方誘導通路213は、落下通路210と通じており、後方に延設されている。後方誘導通路213は、落下通路210からの遊技球を後方の上昇装置215へ誘導する。
ここで、上昇装置215の構成について図9及び図10を用いて詳細に説明する。図10(a)は上昇装置215の分解斜視図であり、図10(b)は上昇装置215の横断面図である。
上昇装置215は、図9に示すように、スクリューコンベアによって構成されており、後方誘導通路213によって誘導された遊技球を揚送可能に構成されている。上昇装置215は、誘導通路形成部材181及び排出通路形成部材191の後方に配置され、それらを跨ぐようにして起立姿勢で配置されている。上昇装置215は、大別してスクリュー221と、スクリュー221を収容するスクリューカバー222とから構成されている。
スクリュー221は、図10に示すように、上下方向に延びる丸棒状のシャフト224を備えており、シャフト224の外周面には、螺旋状にガイド羽根225が形成されている。ガイド羽根225は、平面視反時計回り方向に沿って上り傾斜となるように形成されている。ガイド羽根225の外縁部における上下間の間隔L1は、遊技球の直径以上となっている。
スクリュー221の下方には、上昇装置用駆動部(電動モータ)223が配置され、シャフト224の下端部が上昇装置用駆動部223の出力軸と連結されている。上昇装置用駆動部223は主制御装置81と電気的に接続されており、主制御装置81から駆動信号が供給されている状況において、スクリュー221を時計回り方向に一定速度で回転駆動する。
スクリューカバー222は透明性(透光性)を有する合成樹脂より形成されており、縦長の有蓋筒状に形成されたカバー本体部230を備えている。カバー本体部230は、図10(b)に示すように、平面視で略釣鐘状をなしており、スクリュー221を収容可能な内部空間を備えている。カバー本体部230の上面には、シャフト224の上部が挿通される貫通孔231が形成されている。
カバー本体部230の前部には、前方に膨出する膨出部232が形成されている。膨出部232は、上下方向に沿って直線状に形成されており、スクリューカバー222の上端から下端までの全体に亘って設けられている。膨出部232は、図10(b)に示すように、平面視で略半球状をなしており、その内壁面232aの曲率は、遊技球の曲率と略同一となっている。内壁面232aの前端部232bとシャフト224との間隔L2は、遊技球の直径よりも僅かに大きくなっており、内壁面232aとシャフト224との間に1個の遊技球を収容可能となっている。
図10(a)に示すように、膨出部232の下部には、前方に開口し、遊技球をスクリューカバー222内に受け入れるための上昇用入口部235が形成されている。上昇用入口部235の前方には、後方誘導通路213(図9)からの遊技球を上昇用入口部235に案内する入口用案内部236が設けられている。入口用案内部236は、上昇用入口部235から前方へと延設され、後方誘導通路213の出口部213aに通じている。
膨出部232の上部には、前方に開口し、スクリューカバー222内の遊技球を排出するための上昇用出口部237が形成されている。上昇用出口部237の前方には、上昇用出口部237から排出される遊技球を案内する出口用案内部238が設けられている。出口用案内部238は、上昇用出口部237から前方へと延設され、入口用開口184aの上方まで延びている。より具体的には、上昇用出口部237は、入口センサ179(図6(b))の下方において遊技球通路178と通じている。
出口用案内部238は、前方に向けて下り傾斜となっており、遊技球通路178を流下する遊技球が出口用案内部238を通じてスクリューカバー222内に逆流することが抑制されている。なお、遊技球の逆流をより強く抑制するため、出口用案内部238の床面に凹凸等を設けることで、逆流方向の遊技球の流れを阻害するようにしてもよい。
以上説明した上昇装置215において、後方誘導通路213によって後方へと案内された遊技球は、入口用案内部236及び上昇用入口部235を通じてスクリューカバー222の内側に進入し、膨出部232の内壁面232aとシャフト224との間に収容される。収容された遊技球は、スクリュー221の回転駆動に伴ってガイド羽根225上を転動するが、この際、膨出部232の内壁面232aによって前方及び側方への移動が規制される。このため、遊技球は、ガイド羽根225の上り傾斜を登るようにして上方へと押し上げられながら、膨出部232の内側を上昇していく。膨出部232を上昇する遊技球が上昇用出口部237に達すると、当該遊技球は、出口用案内部238を下って遊技球通路178に誘導される。遊技球通路178に誘導された遊技球は、入口センサ179を通過することなく、球振分け部185に導出される。なお、本実施の形態では膨出部232を平面視半球状に形成しているが、遊技球の前方及び側方への移動を規制できれば足りるため、平面視矩形状等の他の形状としてもよい。
以上説明した役物装置150に入った遊技球は、球受け板163(図6及び図7等参照)上を転がることにより遊技球通路178内に入る。この場合に、当該遊技球は入口センサ179により検出される。遊技球通路178を流下した遊技球は、誘導通路183の奥側中央に形成された球振分け部185(図8)上に到達し、球振分け部185により左右いずれかの誘導通路183a,183bに振り分けられる。そして、その振り分けられた側の誘導通路183を転がることで手前側中央に誘導される。
この際、落下用開閉部材211が落下通路210を閉鎖している場合、遊技球は、落下用開閉部材211の上面に形成された導出部186の傾斜に沿って転がり、凹部182(図9)内に導出される。
凹部182内では回転体201が常に一定の速度で回転しており、凹部182内に導出されて外れ口案内部203に入った遊技球は外れ口182bに案内される。この場合に、当該遊技球は外れ用センサ193により検出される。一方、凹部182内に導出されてV入賞口案内部204に入った遊技球はV入賞口182aに案内される。この場合に、当該遊技球はV入賞センサ192により検出される。そして、V入賞センサ192により検出されることで、大当たり状態が発生する。
なお、10個の球案内部202のうち、V入賞口案内部204が1個であることにより、役物装置150の凹部182内に入った遊技球は1/10の確率でV入賞口182aに入ることとなる。また、V入賞センサ192及び外れ用センサ193により遊技球が検出されることで、上皿71に対し所定数の賞品球が払い出される。さらに、回転体ユニット180上における遊技球の動きは、前枠175の開口及びベース枠161の下側開口165を介して遊技機前方から視認可能となっている。
但し、球案内部202の数やV入賞口案内部204の数等は上記のものに限定されず、例えば、6つの球案内部202に対してV入賞口案内部204を1つとして、1/6の確率でV入賞する構成としてもよいし、その他の確率でV入賞する構成としてもよい。
一方、落下用開閉部材211が落下通路210を開放している場合、遊技球は落下通路210に落下する。落下通路210に落下した遊技球は、後方誘導通路213を経て上昇装置215に誘導され、上昇装置215により球振分け部185の上方に戻される。そして、球振分け部185により左右いずれかに振り分けられ、再び誘導通路183を流下する。
なお、落下通路210が開放されている間は、遊技球は回転体201に進入することなく、落下通路210に誘導され続ける。このため、落下通路210が閉鎖されるまで役物装置150内を繰り返しループする。
ちなみに、通路カバー184及び凹部182の通路壁は透明性(透光性)を有しており、これらを介して、上昇装置215内を上昇する遊技球を遊技機前方から視認可能となっている。なお、必ずしも通路カバー184及び凹部182の全体が透明性を有する必要はなく、それらのうちの上昇装置215の前方に位置する部分が透明性を有していればよい。また、上昇装置215内を遊技球が上昇する過程の少なくとも一部で遊技球を視認可能であればよい。
上記の役物装置150における各センサ179、192,193、196等や、各駆動部173、194、212、223等の動力線や信号線は、誘導通路形成部材181に取り付けられた中継端子板199に接続されている。そして、これらの信号線はハーネスとして1束にされて後述する主制御装置に接続されており、主制御装置によって入球の検知、駆動部の駆動制御が行われる。但し、これらの一部又は全部をサブ側の制御装置である後述する演出制御装置側にて行う構成としてもよい。
図柄表示装置51(図4)では、いずれかの作動口38,39へ遊技球が入球して役物装置150が開放状態となることの報知、役物装置150へ遊技球が入球した場合の報知、回転体201での振分状況の報知、V入賞センサ192で遊技球を検知して大当たり状態の発生の報知等の通常遊技状態における報知の他、大当たり状態中のラウンド演出の報知や、異常が検知された場合のエラー報知も行う。なお、これらの報知の内容は、それぞれの状況を遊技者が明確に把握可能であればよい。
ここで、図4に示すように、遊技盤24には、異常検知手段として振動検知センサ240と磁石検知センサ241とが設けられている。振動検知センサ240及び磁石検知センサ241は役物装置150周辺に設置されている。これらの検知センサ240,241は主制御装置81と電気的に接続されており、主制御装置81から動作電力(動作電圧)が供給されている状況において振動や磁石(磁気)を検知するとともに、その検知結果を主制御装置81に対して出力する。
既に説明した通り、役物装置150では回転体201によりV入賞への振り分けが行われるため、役物装置150に振動を与えたり、磁石により遊技球を引き寄せたりすることで、遊技球の流れを変化させ、遊技球をV入賞口案内部204に誘導させようとする不正行為が想定される。これに対して、上記検知センサ240,241が設けられていることにより、上記不正行為が行われた場合に、それを把握することが可能となる。
なお、検知センサ240,241の位置は、振動や磁気を検知することができれば任意である。但し、役物装置150に対する不正行為を抑制する観点に着目すれば、役物装置150寄りに配置されている方が好ましい。
上記検知センサ240,241が接続されている主制御装置81は、これらの検知センサ240,241によって振動や磁石が検知された場合に、その後の遊技を停止させる遊技停止機能を有している。但し、遊技停止状態とした場合であっても、回転体用駆動部194及び上昇装置用駆動部223に対しては駆動信号を出力し続け、回転体201及び上昇装置215の駆動を継続させる。
<パチンコ機10の電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
内枠の背面側には、主制御装置81と、演出制御装置82と、表示制御装置100とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置96を含む払出機構部と、払出制御装置97と、電源及び発射制御装置98とが搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板111と、電源を監視する停電監視基板115と、を具備している。なお、主制御装置81において主制御基板111などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板111には、MPU112が搭載されている。MPU112には、当該MPU112により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM113と、そのROM113内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM114と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU112に対してROM113及びRAM114が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置81以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU112には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU112の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板115及び払出制御装置97が接続されている。この場合に、停電監視基板115には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU112には停電監視基板115を介して電力が供給される。
また、MPU112の入力側には、各種センサが接続されている。各種センサには、両作動口38,39への入賞を検知する第1作動センサ38aや第2作動センサ39cの他、その他の入球部への入賞を検知する入賞検知センサとして、一般入賞口35への入賞を検知するセンサ35aやスルーゲート41への入賞を検知するセンサ41a等が設けられている。また、各種センサとして、役物装置150における入口センサ179、V入賞センサ192、外れ用センサ193、回転位置検出センサ196等が含まれている。MPU112では、これら各種センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196の検知結果に基づいて、各入球部への入賞判定(入球判定)を行ったり、回転体201の位置把握を行ったりする。また、MPU112では、第1作動口38又は第2作動口39への入賞に基づいて、各種抽選が実行される。さらに、各種センサには、振動を検知する振動検知センサ240と、磁石を検知する磁石検知センサ241とが含まれている。MPU112では、これらの検知センサ240,241の検知結果に基づいて、異常監視を行ったりする。
MPU112の出力側には、停電監視基板115、払出制御装置97及び演出制御装置82等が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、演出用の各種コマンドが出力される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、演出制御装置82は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置81と電気的に接続されている。
また、MPU112の出力側には各種駆動部として、電動役物駆動部39b、開閉役物駆動部173、回転体用駆動部194、開閉部材用駆動部212、上昇装置用駆動部223等が接続されている。主制御基板111には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU112は各種駆動部の駆動制御を実行する。具体的には、いずれかの作動口38,39への入賞が発生したり、V入賞センサ192への入賞に基づく開閉実行モードに移行すると、役物装置150の開閉役物駆動部173が駆動制御されて、開閉役物168の開閉動作が実行される。
また、両作動口38,39への入賞に基づく当否抽選が行われた場合には、MPU112においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物39aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU112において役物用表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板115は、主制御基板111と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される直流安定24ボルトの電圧を監視する。停電監視基板115は、電源及び発射制御装置98からの出力電圧が22ボルト未満になると停電(電源遮断)の発生と判断し、停電信号を主制御装置81のMPU112に設けられたNMI端子(ノンマスカブル割込み端子)へ出力する。これにより、主制御装置81は、停電の発生を認識してNMI割込み処理を即座に実行し、さらにこれに基づいて停電時処理を実行する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板111や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。ちなみに、電源及び発射制御装置98にはバックアップ用コンデンサなどの電断時用電源部が設けられており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合であっても当該電断時用電源部から主制御装置81のRAM114に記憶保持用の電力が供給される。
また、電源及び発射制御装置98は遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。この場合、遊技球発射機構53は、遊技盤24の誘導レール34に向けて延びる発射レールと、上皿71に貯留されている遊技球を発射レール上に供給する球送り装置と、発射レール上に供給された遊技球を誘導レール34に向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイドと、を備えており、当該ソレノイドに対して電源及び発射制御装置98から駆動信号が供給されることで遊技球が発射される。
演出制御装置82は、MPU142が搭載された演出制御基板141を備えている。MPU142には、当該MPU142により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM143と、そのROM143内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM144と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU142では、主制御装置81から受信したコマンドに基づき、各種発光部54〜56,63やスピーカ部64を駆動制御する。また、これらコマンドを解析した結果のコマンドを表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100は、プログラムROM153及びワークRAM154が複合的にチップ化された素子であるMPU152と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)155と、キャラクタROM156と、ビデオRAM157とがそれぞれ搭載された表示制御基板151を備えている。
MPU152は、演出制御装置82から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP155の制御(具体的にはVDP155に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。ワークRAM154は、MPU152による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリであり、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。
VDP155は、図柄表示装置51に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP155はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP155は、MPU152、ビデオRAM157等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM157に記憶させる画像データを、キャラクタROM156から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置51に表示させる。
キャラクタROM156は、図柄表示装置51に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM156には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
ビデオRAM157は、図柄表示装置51に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM157の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置51の表示内容が変更される。
<主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置81のMPU112にて各種抽選を行うための電気的な構成について図12を用いて説明する。
MPU112は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置51の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図12に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、開閉役物168の開閉を実行するか否か等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、作動口38,39への入賞に基づいて開閉役物168を開放状態とする際に、その入賞から開放状態とするまでの待機期間を設定するための開放種別カウンタCSと、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、を用いることとしている。さらに、第2作動口39の電動役物39aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1,C2,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM114の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ114aに適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ114aにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSに対応した情報は、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア114bに格納される。
保留球格納エリア114bは、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ114aに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、第1作動口38又は第2作動口39への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア114bには総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には第1作動口38又は第2作動口39への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜99)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア113aに当否テーブル(遊技結果情報群)として記憶されている。
ここで、当否テーブルの内容について図13(a)を用いて説明する。
図13(a)に示すように、当否テーブルには、遊技結果として、外れ結果、直当たり結果、通常開放結果が設定されている。通常開放結果は、作動口38,39への入賞に基づいて役物装置150における開閉役物168を開放状態とさせる遊技結果である。本実施の形態では、第1作動口38への入賞が発生すると開閉役物168は1回開放状態となり、また、第2作動口39への入賞が発生すると開閉役物168は2回開放状態となるように設定されている。外れ結果とは、作動口38,39への入賞が発生した場合であっても開閉役物168が開放状態とならない結果である。この場合、役物装置150へ入賞させることはできず、大当たり状態(開閉実行モード)への移行は見込めない。直当たり結果とは、作動口38,39への入賞が発生しただけで大当たり状態(開閉実行モード)へ移行する結果であり、役物装置150への入賞はもちろんV入賞が発生しなくても、上記のように大当たり状態へ移行する。
大当たり乱数カウンタC1(0〜99)のうち、外れ結果となる乱数の値の数は1個であり、直当たり結果となる乱数の値の数は1個であり、それ以外は通常開放結果に対応する値となっている。そのため、本実施の形態では、両作動口38,39への入賞に基づいて、98/100の確率で作動口38,39に対応する数の開閉役物168の開放が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放は行われないもののV入賞を経ずに開閉実行モードへの移行が行われ、1/100の確率で開閉役物168の開放も行われないし開閉実行モードへの移行も行われない。
なお、直当たり結果や外れ結果が設けられていない構成としてもよい。但し、これらの結果が含まれていることで、遊技の多様化が図られるし、特に直当たり結果が設けられていれば、釘調整などによって役物装置150への入賞が頻繁に発生しない遊技台であっても大当たり状態の発生に期待が持て、このような遊技台であっても遊技への意欲を増進させる効果も見込むことが可能となる。
大当たり種別カウンタC2は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり結果の種別を設定する乱数の値は、ROM113における当否情報群記憶手段としての各種テーブル記憶エリア113dに種別テーブル(遊技種別情報群)として記憶されている。
ここで、種別テーブルの内容について図13(b)を用いて説明する。
図13(b)に示すように、種別テーブルには、大当たり結果の種別として、16R大当たりと、8R大当たりと、が設定されている。16R大当たりとは、16回のラウンド遊技が実行されるモードを示し、8R大当たりとは、8回のラウンド遊技が実行されるモードを示している。
ここで、ラウンド遊技とは、(1)予め定められた上限開放回数の開閉役物168の開放が行われたこと、(2)役物装置150への遊技球の総入賞個数が予め定められた上限個数に達すること、のいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。ちなみに、本実施の形態においては、1回のラウンド遊技において開閉役物168の開閉が19回行われ、1回のラウンド遊技の上限入賞個数は9個に設定されている。
開放種別カウンタCSは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。開放種別カウンタCSは定期的に更新される。但し、この更新タイミングは、上記の大当たり乱数カウンタC1や大当たり種別カウンタC2とは異なるタイミングとなるように設定されている。そのため、各カウンタ値の更新タイミングを何らかの方法によって読み取る不正行為が行われにくくなっている。更新された開放種別カウンタCSは、他のカウンタC1,C2と同様に、遊技球が第1作動口38又は第2作動口39に入賞したタイミングでRAM114の保留球格納エリア114bに格納される。より詳しくは、第1作動口38に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2作動口39に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
作動口38,39への入賞から開閉役物168の開放までの待機時間(開放タイミング)を設定する乱数の値は、ROM113における待機情報群記憶手段としての開放タイミングテーブル記憶エリア113cに開放タイミングテーブル(待機期間情報群)として記憶されている。
ここで、開放タイミングテーブルの内容について図13(c)を用いて説明する。
図13(c)に示すように、開放タイミングとしては、作動口38,39への入賞タイミング(又は前回の開閉役物168の閉鎖タイミング)からの待機時間(待機期間)が、複数種類設定されている。より具体的には、0.5sec〜2.4secまで、0.1sec刻みで、20種類の待機時間が設定されている。そして、これらの各時間同士の間隔(0.1sec)は、遊技球の発射周期(0.6sec周期)よりも短くなるように設定されており、所謂止め打ち等によって役物装置150への入賞確率を意図的に変化させる(高める)行為が行われにくくなっている。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート41に遊技球が入賞したタイミングでRAM114の電役保留エリア114cに格納される。
そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物39aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物39aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物39aを開放状態に制御しない。
なお、本実施の形態では、遊技状態によらず、電動役物39aの開閉態様が異ならないように設定されている。すなわち、電動役物39aの開放抽選において当選し易い又は当選した場合の開放時間や開放回数が多い状態(所謂高頻度サポートモード)やそれよりも開放抽選における当選確率が低い又は当選した場合の開放時間や開放回数が少ない状態(所謂低頻度サポートモード)といったモードが設けられていない。これらのモードを有する構成とすると、出球の増減の幅は大きくなり得るため興趣向上を図ることができる一方で、高頻度サポートモード時における出球分を調整するために、低頻度サポートモード時における両作動口38,39への入賞頻度を低く設定する、といった仕様を取らざるを得ない事情も発生し得る。そのため、低頻度サポートモード時においては、作動口38,39への入賞が発生しにくくて遊技への意欲が低下し得る可能性もある。そこで、本実施の形態のように、電動役物39aの開放態様を遊技状態によらずに設定することで、通常遊技状態時であっても作動口38,39への入賞をある程度期待でき、遊技への意欲の低下を回避することが可能となる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU112にて実行される各制御処理を図14〜図25のフローチャートを参照しながら説明する。かかるMPU112の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理と、NMI端子への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがある。説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理及び通常処理を説明する。
<NMI割込み処理>
先ず、NMI割込処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。本処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が停電監視基板115からMPU112のNMI端子に出力され、MPU112は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS100にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。当該処理については、後に説明する。
<タイマ割込み処理>
次に、タイマ割込み処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU112により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。続くステップS102では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、遊技の進行を停止している状態(遊技停止状態)であるか否かを判定する。遊技停止状態であるか否かの判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに遊技停止フラグが格納されていることを条件に、遊技停止状態であると判定する。遊技停止状態であると判定した場合には、本タイマ割込み処理を終了する。
一方、遊技停止状態でないと判定した場合には、ステップS104にて、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種検知センサ38a,39c,35a,41a,179,192,193,196,240,241の状態を読み込み、これら各種検知センサの状態を判定して検知情報を保存する処理を実行する。また、賞球の発生に対応した各種検知センサ38a,39c,35a,179において遊技球の入賞が検知されている場合には、払出制御装置97に対して賞球の払い出し指示を行うための賞球コマンドを設定する。例えば、入口センサ179によって役物装置150への入賞が検知されている場合には、対応する賞球個数である15個の賞球を指示するための賞球コマンドを設定する。
続くステップS105ではスルーゲート41への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート41への入賞が発生していた場合には、電役保留エリア114cに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS102にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリア114cに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第3保留発光部56を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS106では、作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、作動口38,39のいずれかに遊技球が入賞したか否かを判定し、入賞していると判定した場合にはその時点における大当たり乱数カウンタC1等の数値情報を取得し、当該数値情報を抽選カウンタ用バッファ114aに記憶する。なお、作動口用の入賞処理の詳細は後述する。
その後、ステップS107にて異常監視処理を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。異常監視処理では、振動検知センサ240及び磁石検知センサ241の検知結果を参照して振動検知や磁石検知の有無を判定する。なお、異常監視処理の詳細は後述する。
次に、ステップS106の作動口用の入賞処理について、図16及び図17のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、遊技球が第1作動口38に入賞(始動入賞)したか否かを第1作動口38に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第1作動口38に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、第1作動口38に遊技球が入賞したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。続くステップS205では、開閉役物168の開放回数を1回にセットする処理を実行する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放回数カウンタに「1」をセットする処理を実行する。その後、ステップS206では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が第1作動口38に入賞していないと判定した場合、ステップS207では、遊技球が第2作動口39に入賞(始動入賞)したか否かを第2作動口39に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が第2作動口39に入賞したと判定すると、ステップS208にて払出制御装置97に遊技球を7個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS209では、第2作動口39に遊技球が入賞したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS210では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。続くステップS211では、開閉役物168の開放回数を2回にセットする処理を実行する。具体的には、上記の開放回数カウンタに「2」をセットする処理を実行する。なお、ステップS205やステップS211の処理で開放回数が設定されたとしても、上記のように大当たり乱数カウンタC1の値によって開閉役物168が開放状態とならない可能性もある。その後、ステップS206にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,S207のいずれも否定判定した場合、すなわち第1作動口38,第2作動口39のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S208にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S604にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS206の情報取得処理を図17のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS210にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS102にて更新した大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2や、後述する通常処理にて更新する開放種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第1作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第1作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、第2作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及び開放種別カウンタCSの各値を、第2作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした第2作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。ステップS304の処理を実行した後は、情報取得処理を終了する。
次に、ステップS107の異常監視処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS401にて振動検知センサ240によって振動が検知されているか否かを判定する。振動が検知されている場合には、ステップS402にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに振動検知フラグを格納する(振動検知フラグに「1」を設定する)。続くステップS403では、振動検知コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。振動検知コマンドは、振動の検知をMPU112にて特定したことを演出制御装置82に認識させるためのコマンドである。振動検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置82に送信される。
続くステップS404では、振動の検知を特定したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行する。
ステップS401にて振動が検知されていない場合、又はステップS404の異常用の外部出力処理を実行した後は、ステップS405において、磁石検知センサ241によって磁石が検知されているか否かを判定する。磁石が検知されていない場合には異常監視処理を終了する。
一方、ステップS405の判定処理にて磁石が検知されている場合には、ステップS406にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに磁石検知フラグを格納し、続くステップS407にて磁石検知コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。磁石検知コマンドは、磁石の検知をMPU112にて特定したことを演出制御装置82に認識させるためのコマンドである。磁石検知コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理において演出制御装置82に送信される。続くステップS408にて、磁石の検知を特定したことを遊技場側の管理制御装置に対して信号出力すべく、異常用の外部出力処理を実行し、異常監視処理を終了する。
<メイン処理>
次に、メイン処理について図19のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS501では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、サブ側の制御装置(払出制御装置97等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS502では、RAM114のアクセスを許可する。
その後、ステップS503では、電源及び発射制御装置98に設けたRAM消去スイッチ98aがオンされているか否かを判定し、続くステップS504ではRAM114の各種フラグ格納エリア114eに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS505ではRAM判定値を算出し、続くステップS506では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM114の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM114の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ98aを押しながら電源が投入される。したがって、RAM消去スイッチ98aが押されていれば、ステップS507〜ステップS509の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS507〜ステップS509の処理に移行する。
ステップS507では、サブ側の制御装置(払出制御装置97等)を初期化するために、初期化コマンドを出力する。続くステップS508ではRAM114の使用領域を0にクリアし、ステップS509ではRAM114の初期化処理を実行する。その後、ステップS516にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ98aが押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS510にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている停電フラグをクリアする。続くステップS511にてサブ側の制御装置(払出制御装置97等)を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。
続くステップS512では、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに異常検知フラグ(振動検知フラグ、磁石検知フラグ)が格納されているか否かを判定する。異常検知フラグが格納されている場合には、ステップS513にて異常検知フラグをクリアし、異常検知状態を解除する。
ステップS512において異常検知フラグが格納されていない場合、又はステップS513にて異常検知状態を解除した後は、ステップS514にて、RAM114の遊技停止フラグに基づいて遊技停止状態が設定されているか否かを判定する。
遊技停止状態が設定されている場合には、ステップS515にて、RAM114の遊技停止フラグをクリアして遊技停止状態を解除する。具体的には、遊技球の発射を禁止する発射停止処理や払出装置96による遊技球の払出を停止させる払出停止処理等を解除する。その後、ステップS516にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。この際、電源遮断前において、振動や磁石の検知及び遊技停止状態の設定がなされていた場合には、それらが解除された状態にて復帰する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図20のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS601〜ステップS610の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS612,S613のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS601にて遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを判定し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技停止処理を実行する。
続くステップS602にて落下用開閉部材211(図8等参照)を開閉制御する開閉部材制御処理を実行する。ステップS602の開閉部材制御処理では、落下用開閉部材211を開放状態に制御する処理を実行する。なお、ステップS601の遊技停止判定処理及びステップS602の開閉部材制御処理についての詳細は後述する。
その後、ステップS603では遊技停止状態であるか否かを判定し、遊技停止状態でないことを条件に、ステップS604〜ステップS609の処理を実行する。
ステップS604では外部信号出力処理を実行する。ステップS604の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、演出用コマンド、振動検知コマンド、磁石検知コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS605では、開放種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、開放種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、開放種別カウンタCSの更新値を、RAM114の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS606では、遊技を進行させるための遊技制御処理を実行する。この遊技制御処理では、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の各駆動部の駆動制御等を行う。
ステップS607の遊技制御処理を実行した後は、ステップS607に進み、遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モードに移行する。なお、ステップS606の遊技制御処理及びステップS607の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS608では、第2作動口39に設けられた電動役物39aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM114の電役保留エリア114cに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物39aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物39aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
その後、ステップS609では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS603において遊技停止状態であると判定した場合、又はステップS609の遊技球発射制御処理を実行した後は、ステップS610にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに停電フラグが格納されているか否かを判定する。
停電フラグが格納されていない場合は、ステップS611にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び開放種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS612,S613)。つまり、ステップS612では乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS613では開放種別カウンタCSの更新を実行する。
ここで、ステップS601〜ステップS610の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に開放種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
一方、ステップS610にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、停電により電源が遮断されたことになるので、ステップS614以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS614では、各割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS615にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドをサブ側の制御装置(払出制御装置97等)に対して出力する。
そして、ステップS616にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS617にてRAM114のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御装置98からRAM114のデータ記憶保持用電源が供給されるため、電源遮断前にRAM114に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
<遊技制御処理>
次に、ステップS606の遊技制御処理を図21及び図22のフローチャートを参照して説明する。
遊技制御処理では、先ずステップS701にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにおける開閉実行モードフラグ格納エリアに開閉実行モードフラグが格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS702以降の処理、すなわちステップS703〜ステップS706の遊技開始用処理、ステップS707〜ステップS708の遊技進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口38,39への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技が開始(作動口38,38への入賞を契機とする役物装置150の開放)されることはない。
開放実行モード中でない場合は、ステップS702にて、役物装置150が制御状態中であるか否かを判定する。制御状態中には、作動口38,39への入賞に基づく役物装置150の開閉動作の期間が含まれる。この制御状態であるか否かの判定は、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに役物制御中フラグが格納されていることを条件に、制御状態であると判定する。上記の役物制御中フラグは、作動口38,39への入賞に基づく遊技結果が開放結果(本実施の形態では、通常開放結果)だった場合に格納される。格納された役物制御中フラグは、役物装置150に入賞した遊技球が全て排出された場合(V入賞センサ192又は外れ用センサ193を通過した場合)に消去される。なお、通常開放結果に対応する役物装置150の開閉動作が実行されているにも関わらず、役物装置150に遊技球が入賞していない場合には、開閉動作の終了後(開放回数が2回の場合は2回目の開閉動作の終了後)、所定の待機期間(例えば2sec)が経過した場合に消去される。
役物装置150が制御状態中でない場合には、ステップS703〜ステップS706の遊技開始用処理に進む。遊技開始用処理では、先ずステップS703にて、共通保留数CRNが「0」であるか否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、第1作動口38及び第2作動口39のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技制御処理を終了する。
共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS704にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合には第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2作動口39に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントし、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。その後、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリア〜第4エリアに格納されたデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理を実行する。
また、第2結果表示部用のデータ設定処理においても、上記の場合と同様、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの1ディクリメント、及び、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータの実行エリアAEへの移動処理を実行するとともに、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリア〜第4エリアに格納されたデータのシフト処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS705において、データ設定処理にて設定されたデータの遊技結果を判定する当否判定処理を実行する。
当否判定処理では先ず実行エリアAEにシフトされたデータ(大当たり乱数カウンタC1)と、ROM113の当否テーブル(図13(a))とを参照して、大当たり乱数カウンタC1の数値情報が直当たり結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。一致している場合には直当たり結果であると判定し、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する処理を実行する。V入賞フラグは、開放実行モードの発生をMPU112が把握するためのフラグである。
一方、直当たり結果に対応した数値情報と一致していない場合には、大当たり乱数カウンタC1の数値情報が外れ結果に対応した数値情報と一致しているか否かを判定する。外れ結果に対応した数値情報と一致している場合には外れ結果であると判定し、外れ結果に対応した数値情報と一致していない場合には通常開放結果であると判定する。
当否判定処理を実行した後は、ステップS706にて役物装置150の制御を開始する制御開始処理を実行し、遊技開始用処理を終了する。
制御開始処理では、RAM114の各種カウンタエリア114dにおける開放回数カウンタを参照して、開閉役物168の開放回数を把握する処理を実行する。
さらに制御開始処理では、開閉役物168の開閉タイミングを設定する開閉タイミング設定処理を実行する。開閉タイミング設定処理では、ステップS704のデータ設定処理にて実行エリアAEにシフトされた開放種別カウンタCSの値と、ROM113に記憶されている開放タイミングテーブル(図13(c))とを参照して、今回の開閉役物168の開放タイミングを設定する。具体的には、本処理から、何sec後に開閉役物168を開放状態とするか(開閉役物駆動部173の駆動制御を開始するか)に対応する数値を開放タイミングテーブルから読み出し、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機カウンタに設定する。待機カウンタの数値情報はタイマ割込み処理(図15)が実行される度に1ディクリメントされる。
次に、遊技制御処理における遊技進行用処理について説明する。上記のとおり、遊技進行用処理とは、ステップS702にて役物装置150が制御状態中であると判定した場合に行われる処理である。すなわち、ステップS702にて制御状態中である場合には、ステップS707にて制御中処理を実行し、ステップS708にて入賞処理を実行してから、遊技制御処理を終了する。
ステップS707の制御中処理では、ステップS706の制御開始処理にて設定した待機カウンタの値を参照することで、開閉役物168を開放する開放タイミングであるか否かを判定する。開放タイミングである場合には、開閉役物駆動部173を駆動制御することで、開閉役物168を開放状態に変位させる。また、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた開放期間カウンタに今回の開放期間(本実施の形態では一律で2sec)に対応する値を設定する処理を実行する。開放期間カウンタの数値情報はタイマ割込み処理(図15)が実行される度に1ディクリメントされ、所定値(例えば「0」)となることで開閉役物168の閉鎖タイミングであることを把握することができる。
一方、開閉役物168の開放タイミングでない場合には、開放期間カウンタの値を参照して、開閉役物168を閉鎖する閉鎖タイミングであるか否かを判定する。閉鎖タイミングである場合には、開閉役物駆動部173の駆動制御を終了することで、開閉役物168を閉鎖状態に変位させる。
さらに、制御中処理では、RAM114の開放回数カウンタを参照して残りの開放回数が「0」であるか否かを判定し、開放回数が「0」ではないことを条件に、RAM114の待機期間カウンタに次の開放までの待機期間(本実施の形態では一律で1sec)に対応する値を設定する。
ステップS707の制御中処理を実行した後は、ステップS708の入賞処理を実行する。ステップS708の入賞処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、入口センサ179の検出状態を把握して、役物装置150に遊技球が入賞したか否かを判定する。入賞している場合には、ステップS802にて、役物内入賞コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS802にて設定された役物内入賞コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS604にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した役物内入賞コマンドに基づいて、役物装置150への入賞が発生したことの報知(役物装置150内の遊技球の動作に注目させるための報知)を行うための処理を実行する。
続くステップS803にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた残球カウンタRPCを1インクリメントする処理を実行する。この残球カウンタRPCは役物装置150内に存在する遊技球の個数をMPU112にて把握するためのものである。
ステップS801にて役物装置150への入賞が発生していないと判定した場合、又はステップS803の処理を実行した後は、ステップS804において、RAM114の残球カウンタRPCの値が「1」以上であるか否かを判定する。「1」未満である場合、すなわち、役物装置150内に遊技球が存在しない場合には、本入賞処理を終了する。
一方、残球カウンタRPCが「1」以上である場合には、ステップS805にて、V入賞センサ192の検出状態を把握して、遊技球がV入賞口182aを通過したか否かを判定する。遊技球がV入賞口182aを通過した場合には、ステップS806にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納することで、大当たり状態(開閉実行モードへの移行)が発生することを記憶する。これに対し、遊技球がV入賞口182aを通過していない場合には、ステップS807にて、外れ用センサ193の検出状態を把握して、遊技球が外れ口182bを通過したか否かを判定する。
遊技球が外れ口182bを通過した場合、又はステップS806にてV入賞フラグの格納処理を実行した後は、ステップS808にて、RAM114の残球カウンタRPCの値を1ディクリメントし、その後、本入賞処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、通常処理(図20)における、ステップS607の遊技状態移行処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS901では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、今回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM114に、V入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
V入賞フラグが格納されている場合には、ステップS903にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に役物装置150の開閉役物168の開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM113に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図15)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS904では、今回の開閉実行モードの種別を判定するための、種別判定処理を実行する。具体的には、今回の実行エリアAEに記憶されている保留情報のうち、大当たり種別カウンタC2を把握するとともに、ROM113の種別テーブルを参照して、今回の開閉実行モードの種別が、16R大当たりであるか、8R大当たりであるかを判定する。
続くステップS905では、ステップS904の処理結果に基づいて、今回の開閉実行モードが16R大当たりであるか否かを判定する。16R大当たりである場合には、ステップS906にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1ラウンドカウンタRC1に、「15」をセットするとともに、同各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする。第1ラウンドカウンタRC1は、一の開閉実行モードにおいて何回目のラウンド遊技であるかをカウントするためのカウンタであり、第2ラウンドカウンタRC2は一のラウンド遊技において開閉役物168の開放回数をカウントするためのカウンタである。
一方、ステップS905の判定処理において16R大当たりでないと判定された場合には、今回の開閉実行モードの種別が8R大当たりであることを意味するため、ステップS907にて、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられた第1ラウンドカウンタRC1に、「7」をセットするとともに、同各種カウンタエリア114dに設けられた第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットする。
ステップS906又はステップS907の処理を実行した後は、ステップS908にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS604にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、16R大当たり又は8R大当たりのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置51における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置100に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置100では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置51を表示制御する。
続くステップS909にて外部信号設定処理を実行し、その後、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技場側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
一方、ステップS901にて開閉実行モード中であると判定した場合には、ステップS910にて、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS911にて開閉処理を実行する。
開閉処理では、役物装置150が閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタRC1又は第2ラウンドカウンタRC2が「1」以上であることを条件として、開閉役物駆動部173を駆動状態とすることで役物装置150を開放させる。また、役物装置150が開放中である場合には、当該役物装置150の開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、開閉役物駆動部173の駆動状態を停止し、役物装置150を閉鎖させる。
ステップS911の開閉処理を実行した後は、ステップS912にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS913にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS914にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。この処理では、開閉実行モード後の遊技状態を通常時の遊技状態(通常遊技状態)に戻すための処理を行う。
なお、通常遊技状態として、第2作動口39に設けられた電動役物39aの開閉態様が変化する(例えば、他の状態よりも第2作動口39へ入賞し易い開閉態様となる)遊技状態や、作動口38,39への入賞時の遊技結果の種類や確率が変化する(例えば、直当たり結果となる確率が変化する)遊技状態など、を備える場合には、上記開閉実行モード終了時の移行処理においてそれらの遊技状態に設定する構成とするとよい。
ステップS914の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS915にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、上記ステップS909にて出力した大当たり信号を停止するなどして、一の開閉実行モードが終了したことの情報を外部出力する。これにより、遊技場のホールコンピュータにて、一の開閉実行モードの開始と終了とを把握することができる。
次に、通常処理(図20)におけるステップS601の遊技停止判定処理について、図24のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技停止判定処理では、ステップS1001,S1002にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに振動検知フラグ又は磁石検知フラグが格納されているか否かを判定し、振動検知済み状態であるか否か、磁石検知済み状態であるか否かを判定する。ステップS1001及びS1002のいずれにおいても否定判定をした場合には、そのまま本遊技停止判定処理を終了する。
一方、ステップS1001及びS1002のいずれかにて肯定判定をした場合には、ステップS1003〜ステップS1005の処理を実行する。ステップS1003では、電動役物39a及び役物装置150(開閉役物168)を閉鎖状態に変位させる閉鎖制御処理を実行する。これにより、電動役物39a又は役物装置150が開放中である場合には強制的に閉鎖される。ステップS1004では、電源及び発射制御装置98への発射許可信号をLOWレベルに切り換えて遊技球の発射を禁止する発射停止処理を実行し、さらに、ステップS1005では、その他の解除処理を実行する。例えば、払出制御装置97に対して遊技停止コマンドを出力し、払出装置96による遊技球の払出を停止させる。また、演出制御装置82に対して遊技停止コマンドを出力し、図柄表示装置51における演出表示等を停止させる。
ステップS1003〜ステップS1005の処理を実行した後は、ステップS1006において、開閉部材用駆動部212を駆動状態(励磁状態)として、落下用開閉部材211(図8等参照)を開放状態に変位させる。これにより、落下通路210が開放され、誘導通路183を流下する遊技球が落下通路210に誘導されるようになる。
続くステップS1007にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに遊技停止フラグを格納し、遊技停止状態を設定する。その後、本遊技停止判定処理を終了する。
上記のように遊技停止判定処理にて遊技停止状態を設定することにより、その後のタイマ割込み処理(図15)におけるステップS103、及び通常処理(図20)におけるステップS603にて肯定判定をすることとなる。そして、それらのステップにて肯定判定をした場合には、ステップS104〜ステップS107の処理、及び、ステップS604〜ステップS609の処理をスキップする。これらの処理は、実質的に遊技を進行させるための処理であり、かかる処理をスキップすることで、遊技の進行を停止させることができる。
ちなみに、遊技停止状態であっても各種抽選用のカウンタC1,C2,CS,CINI,C4を更新する処理はスキップされることなく継続される。これにより、遊技停止状態中であっても各種抽選用のカウンタC1,C2,CS,CINI,C4の更新を継続することができる。なお、当該構成は、RAM消去スイッチ98aを操作し且つパチンコ機10の電源を遮断したとしても、各種抽選用のカウンタC1,C2,CS,CINI,C4の初期化が実行されない構成や、遊技停止状態の解除に際してRAM114の初期化を必須としない構成に適用するとより効果的である。
次に、通常処理(図20)におけるステップS602の開閉部材制御処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
開閉部材制御処理では先ず、ステップS1101において、落下用開閉部材211が開放状態であるか否かを判定し、開放状態でない場合、すなわち、落下用開閉部材211が閉鎖状態である場合には、本制御処理を終了する。
一方、ステップS1101の判定処理において落下用開閉部材211が開放状態であると判定した場合には、ステップS1102において、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに遊技停止フラグが格納されているか否かを判定し、遊技停止状態が設定されているか否かを判定する。遊技停止状態が設定されている場合には、落下用開閉部材211を開放状態のまま維持し、本制御処理を終了する。これに対し、ステップS1102の判定処理において、遊技停止状態に設定されていないと判定した場合には、ステップS1103にて、開閉部材用駆動部212を駆動停止状態(非励磁状態)として落下用開閉部材211を閉鎖状態に変位させる。これにより、落下通路210が閉鎖され、誘導通路183を流下する遊技球が回転体201に誘導されるようになる。
次に、異常が検知された場合の流れについて図26のタイミングチャート等を参照しながら説明する。
一般に、パチンコ機においては、振動を与えるなどの不正行為が行われた場合、それを検知して遊技停止状態に移行するように構成されている。しかしながら、振動の発生要因は、そのパチンコ機を遊技する遊技者自らがパチンコ機を叩くなどの行為を行うものに限らず、周辺のパチンコ機でパチンコ機を叩く行為が行われた結果、自身が遊技するパチンコ機で振動が検知されてしまう場合もある。
このような場合までも、自らパチンコ機を叩くなどした場合と同様に遊技停止状態に移行してしまうのでは、遊技者に対して酷といえる。特に、役物装置内に遊技球が入賞している状況において、他の遊技者の不正行為により振動が検知されると、役物装置内の遊技球がV入賞口を通過しても無効化されてしまう。この場合、V入賞口の通過を達成したにも関わらず、その利益を享受できなくなり、損害を被るばかりか、憤慨して遊技意欲を消失することにもなりかねない。
本パチンコ機10は、上記のような周囲の者の行為に起因して異常検知を受けた遊技者を救済可能とするものであり、以下、当該機能について詳細に説明する。
図26(a)に示すように、t1のタイミングにおいて、役物装置150への遊技球の入賞が発生すると、入口センサ179により遊技球の通過が検知され、残球カウンタRPCの値が「0」から「1」にインクリメントされる(図22のステップS801〜ステップS803)。
その直後のt2のタイミングにおいて、例えば、振動検知センサ240により振動の発生が検知されると、RAM114に振動検知フラグが格納されて振動検知状態となる(図18のステップS401〜ステップS402)。これに伴い、RAM114に遊技停止フラグが格納され、遊技停止状態に移行する(図24のステップS1007)。
さらに、t2のタイミングでは、遊技停止状態に移行することに伴い、落下用開閉部材211が閉鎖状態から開放状態に変位し(図24のステップS1006)、落下通路210を開放する。その結果、t1のタイミングで役物装置150に入賞した遊技球は、図27(a)に示すように、誘導通路183を流下した後、落下通路210に落下し、後方誘導通路213(図9)を通じて上昇装置215に誘導される。
前述したように上昇装置215は常時駆動されているため、上昇装置215に誘導された遊技球は、上昇装置215内を上昇し、その後、球振分け部185(図8等参照)に向けて排出される。そして、再び誘導通路183を流下し、以後、落下用開閉部材211が閉鎖状態とされるまで、役物装置150内をループする。これにより、回転体201への遊技球の流れ(V入賞口182aへの遊技球の流れ)が制限され、遊技停止状態(V入賞口182aの通過が無効化された状態)の下で遊技球がV入賞口182aを通過することが回避される。
その後、遊技場の係員等がパチンコ機10の下に駆けつけ、図26(a)のt3のタイミングにて電源スイッチ92bをOFF操作して電源遮断すると、パチンコ機10は、停電時処理を実行し、電源遮断前にRAM114に記憶されていた情報(残球カウンタRPC、振動検知フラグ及び遊技停止フラグ)をそのままの状態で維持する。
そして、t4のタイミングにおいて、上記係員等が電源スイッチ92bをON操作して電源復帰させると、図19のメイン処理が実行される。この際、残球カウンタRPCの数値情報については電源遮断前の状態が維持される一方、振動検知フラグ及び遊技停止フラグはクリアされ、異常検知状態及び遊技停止状態が解除される(図19のステップS512〜ステップS515)。
その後、t5のタイミングにて通常処理(図20)が実行されることに伴い、落下用開閉部材211が開放状態から閉鎖状態に変位し(図25のステップS1103)、落下通路210を閉鎖する。その結果、図27(b)に示すように、役物装置150内でループしていた遊技球は、誘導通路183を流下した後、落下用開閉部材211の上面に形成された導出部186によって回転体201に誘導される。
ここで、前述のように、回転体201の駆動は遊技停止状態の下でも継続されているため、電源復帰タイミングによって回転体201の回転位置が相違するものとなる。さらに、ループ路上における電源復帰時の遊技球の位置も回転体201の振分結果に影響を及ぼす。このため、回転体201に誘導された遊技球がいずれの球案内部202に振り分けられるかをランダム化することができる。これにより、遊技停止状態からの遊技再開時において、振分抽選を楽しむ機会を確保することができる。
なお、遊技停止中に回転体201の駆動を停止してもよい。すなわち、上昇装置215が駆動されていることにより遊技球が移動し続けることから、回転体201の駆動有無に関わらず、一定程度のランダム性を確保することができる。この場合、例えば、電源復帰後において、回転体201の回転開始後に落下通路210を閉鎖する構成とし、回転開始から通路閉鎖までの期間を流動的に変化させることで、ランダム性の向上を図ってもよい。
そして、t6のタイミングにおいて、回転体201に誘導された遊技球がV入賞口182aを通過した場合には、それがV入賞センサ192により検知される。これに伴い、主制御装置81においてV入賞口182aの通過が把握され(図22のステップS805)、開閉実行モードが実行される。なお、回転体201に誘導された遊技球がV入賞口182aを通過しなかった場合、すなわち、外れ口182bを通過した場合には、外れ結果として扱われる。
このように、本パチンコ機10によれば、周囲の者が生じさせた振動の影響で振動が検知され、遊技停止状態に移行した場合に、異常検知前に発射された遊技球によって開閉実行モードが実行される可能性を残すことができ、悪意のない遊技者を救済することが可能になる。
ところで、本実施の形態では、振動検知センサ240により振動が検知されると、役物装置150に入賞済みの遊技球を役物装置150内で滞留させ、遊技の再開後、役物装置150内の残留球を利用して回転体201の振分抽選を行う構成となっている。この場合、残留球に対する回転体201の振分終了前に、開閉役物168が開放状態に移行して役物装置150に新たな遊技球が進入すると、当該遊技球により上記残留球の回転体201への流れが阻害されて遊技者に不快感を与えたり、役物装置150内の遊技球の個数が増えた状態で回転体201の振り分けが行われる結果、過度に有利な条件で振分抽選が行われたりするなど、不都合が生じ得る。
この点、本実施の形態によれば、役物装置150内に遊技球が存在する場合には、遊技再開時点で保留記憶が存在したり、作動口38,39への入賞が発生したりしても、開閉役物168を開放状態としない構成となっている。具体的には、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに役物制御中フラグが格納されている場合(図21のステップS702の判定処理において肯定判定される場合)に、ステップS704のデータ設定処理を実行せず、保留エリアRa,Rbに格納されたデータを実行エリアAEに移動しない構成となっている。このため、役物装置150内の遊技球が全て排出されて役物制御中フラグがクリアされるまでは、開閉役物168の新たな開放が行われず、役物装置150を閉鎖した状態が維持される。これにより、残留球に対する回転体201の振り分けが終了するまで役物装置150への新たな遊技球の進入を制限することができ、上記不都合の発生が好適に回避される。
ちなみに、上記のように役物装置150の開放を制限する構成とした場合、遊技球を発射しても役物装置150が開放しないことから、遊技者が遊技球の発射を止めて役物装置150内での遊技球の動きに見入っている期間が生じることが予想される。本実施の形態では、役物装置150の開放制限を解除する前に払出停止処理を解除するため、払出の途中で異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合に、上記期間を利用して残りの遊技球の払い出しを済ませることができる。
なお、開閉役物168の開放を制限するにあたっては、役物制御中フラグに代えて残球カウンタRPCの値を参照する構成としてもよい。具体的には、残球カウンタRPCの値が「1」以上である場合に開閉役物168を開放状態としない構成とすることができる。また、必ずしも開閉役物168の開放を制限する必要はなく、開放を許容する構成としてもよい。この場合、新たに入賞した遊技球によって残留球の流れが阻害されたり、当該遊技球が残留球と共に回転体201の振分対象となったりすることを回避すべく、遊技再開後の所定期間に亘って遊技球の発射を禁止して新たな遊技球の発射を行えない構成としたり、新たに入賞した遊技球の移動範囲を役物装置150の内部で制限し、当該遊技球が残留球の移動範囲に進入しない構成としたりするとよい。
また、本実施の形態では、電源スイッチ92bをON操作してから少なくともメイン処理(図19)の実行期間が経過した後でないと、落下用開閉部材211により落下通路210が閉鎖されない。電源スイッチ92bのOFF、ON操作には遊技機本体12の開放が必要なところ、遊技機本体12が開放された状態で落下通路210が閉鎖されると、遊技者に無理な姿勢での遊技を強いたり、遊技球の視認性が低下したりするという不都合が生じ得る。この点、本実施の形態によれば、遊技場の係員等が上記実行期間を利用して遊技機本体12を閉じることができる。これにより、遊技機本体12を閉じた状態で遊技再開後の遊技を行うことができ、上記不都合を好適に解消することが可能になる。
図26の説明に戻り、不正行為の目的を持って自ら振動を生じさせた場合には、遊技者に対する上記のような救済は不要であり、電源復帰後にV入賞したとしても、それを無効化し得ることが好ましい。このような場合、本パチンコ機10では、次のように対処することができる。
t2のタイミングにて検知された振動がパチンコ機10を遊技する遊技者自身の行為によるものであり、遊技場の係員等によってそれが確認された場合には、図26(b)のt14のタイミングにて、上記係員等は、RAM消去スイッチ98aを押しながら電源スイッチ92bを操作して電源を投入する。その結果、RAM114のデータがクリアされ、残球カウンタRPCの値も0にクリアされる。
その後、通常処理の実行に伴って落下用開閉部材211が閉鎖されることから(t15のタイミング)、役物装置150内に残存する遊技球がV入賞口182aを通過する可能性があるが、仮にV入賞口182aを通過したとしても(t16のタイミング)、それが主制御装置81にて把握されることはない。すなわち、本パチンコ機10では、残球カウンタRPCの値が「1」以上であることを条件にV入賞口182aの通過(V入賞センサ192の検出状態)を把握するため(図22のステップS804〜ステップS805)、残球カウンタRPCの値が0にクリアされた状況の下では、上記V入賞口182aの通過があっても無効なものとされる。したがって、パチンコ機10を遊技する遊技者の不正行為によって振動が検知された場合には、当該遊技者を救済の対象外とすることができる。
なお、上記説明では、異常発生の要因として振動を例示したが、磁石の場合であっても同様である。また、異常検知に基づく遊技停止状態に移行していない場合に、落下用開閉部材211によりV入賞口182aへの遊技球の流れを制限しない構成としたが、遊技停止状態中でない場合においてV入賞口182aへの遊技球の流れを制限しつつも、遊技停止状態中である場合と比べると、当該流れが制限されにくくなっている構成としてもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
異常検知に基づく遊技停止状態への移行に伴い落下通路210を開放して、回転体201への遊技球の流れを制限するように構成した。これにより、異常が検知されている状況において遊技球がV入賞口182aを通過することが阻止される。
その上で、遊技停止状態の解除に伴い落下通路210を閉鎖して、回転体201への遊技球の流れを再開するように構成した。これにより、異常検知前に発射された遊技球がV入賞口182aを通過可能となり、遊技者は開閉実行モードの発生を期待し得るようになる。したがって、周囲の者の行為に起因して異常が検知された場合に遊技者を好適に救済することができる。
回転体201への遊技球の流れを制限した場合に、遊技球を役物装置150内でループさせるようにした。これにより、役物装置150内に残存する遊技球を活用して救済を図ることが可能になり、新たな遊技球の発射(消費)を強いたり、役物装置150への入賞を求めたりすることが回避される。
さらに、上記ループ路の途中に上昇装置215を配置し、上記ループに際して遊技球を揚送するように構成した。この場合、遊技球が回転体201に至るまでの過程で、遊技球が上昇するという通常の動きとは異なる特殊な動きを付与することができる。これにより、遊技球の動きに面白みを持たせることができ、遊技の中断期間において、遊技球を用いた遊技演出のように見せることが可能になる。
回転体201への到達期間が異なる誘導通路183a,183bを設け、上昇装置215により揚送された遊技球を各誘導通路183a,183bに振り分けるように構成した。戻された遊技球が左右いずれの誘導通路183a,183bを流下するかにより、回転体201への遊技球の到達タイミングを相違させることができ、戻された遊技球に対する振分結果のランダム性を向上させることが可能になる。
<第1の実施の形態の変形例>
本変形例は、遊技球の流れを制限する制限手段の位置が上記第1の実施の形態と異なっている。本変形例の役物装置300について図28及び図29を参照しながら説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付すとともにその説明を省略する。
役物装置300では、異常検知に基づく遊技停止状態への移行に伴い、回転体201に進入した遊技球を上昇装置215に誘導するように構成されている。具体的には、V入賞口182aに連通するV入賞通路310において、当該通路310から分岐するようにV側誘導通路311が設けられている。V側誘導通路311は、V入賞センサ192の上流側近傍において、V入賞通路310から分岐しており、その出口部311aが上昇装置215に通じている。
V入賞通路310とV側誘導通路311との分岐点にはV側振分部材312が設けられている。V側振分部材312は、V側振分駆動部313(電磁式ソレノイド)に接続されており、V側振分駆動部313が駆動制御されることで、遊技球をV側誘導通路311に振り分ける振分状態と、当該振分状態から回動軸312aを中心に回動して遊技球をV側誘導通路311に振り分けない(V入賞センサ192に振り分ける)非振分状態と、に変位する。
さらに、役物装置300では、外れ口182bに連通する外れ用通路315において、当該通路315から分岐するように外れ側誘導通路316が設けられている。外れ側誘導通路316は、外れ用センサ193の上流側近傍において、外れ用通路315から分岐しており、V側誘導通路311と同様、出口部316aが上昇装置215に通じている。
外れ用通路315と外れ側誘導通路316との分岐点には外れ側振分部材317が設けられている。外れ側振分部材317は、外れ側振分駆動部318(電磁式ソレノイド)に接続されており、外れ側振分駆動部318が駆動制御されることで、遊技球を外れ側誘導通路316に振り分ける振分状態と、当該振分状態から回動軸317aを中心に回動して遊技球を外れ側誘導通路316に振り分けない(外れ用センサ193に振り分ける)非振分状態と、に変位する。
なお、V側振分駆動部313及び外れ側振分駆動部318は主制御装置81と電気的に接続されており、主制御装置81によってV側振分部材312及び外れ側振分部材317の振分態様が制御される。
次に、本変形例における異常が検知された場合の流れについて、図29を参照しながら説明する。
異常が検知されておらず遊技停止状態に移行していない状態では、図29(a)に示すように、V側振分部材312及び外れ側振分部材317は非振分状態に制御される。回転体201の球案内部202に受け入れられた遊技球は、V入賞口182a又は外れ口182bに進入した後、V入賞通路310又は外れ用通路315を流下してV入賞センサ192又は外れ用センサ193に導かれる。
一方、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合には、図29(b)に示すように、V側振分部材312及び外れ側振分部材317はいずれも振分状態に制御される。回転体201の球案内部202に受け入れられた遊技球は、V側誘導通路311又は外れ側誘導通路316に振り分けられ、V入賞センサ192又は外れ用センサ193に到達することなく、上昇装置215に導かれる。
そして、上昇装置215に導かれた遊技球は、上昇装置215内を上昇した後、上昇装置215の出口用案内部238を通じて球振分け部185に導出され、再び回転体201に向けて誘導通路183を流下する。以後、遊技停止状態が解除されるまで、上記ルートを遊技球がループする。これにより、V入賞センサ192及び外れ用センサ193への遊技球の流れが制限され、遊技球の各センサ192,192の通過が阻止される。
その後、電源スイッチ92bが操作されて電源の遮断後に再投入されることで、遊技停止状態が解除され、これに伴いV側振分部材312及び外れ側振分部材317が非振分状態となる。これにより、図29(a)に示すように、V入賞センサ192及び外れ用センサ193への遊技球の流れが再開される。
本変形例によれば、回転体201の球案内部202に遊技球を受け入れ済みの状態で振動や磁石が検知された場合でも、救済の対象とすることができ、悪意のない遊技者を幅広く救済することが可能になる。
なお、上記構成では、V入賞口182a及び外れ口182bに進入した遊技球を区別することなくループさせるように構成したが、異常検知状態に基づく遊技停止状態への移行後、役物装置300内の遊技球が最初にV入賞口182a及び外れ口182bのいずれに進入するかを判定し、V入賞口182aに進入した場合のみ遊技球をループさせてもよい。具体的には、V入賞口182aとV側振分部材312の間、外れ口182bと外れ側振分部材317の間に遊技球の通過を検出するセンサを配置し、当該センサの検出状態から遊技球が最初にV入賞口182aに進入したことを把握した場合には、V側振分部材312及び外れ側振分部材317を振分状態とし、最初に外れ口182bに進入したことを把握した場合には両振分部材312,317を非振分状態とする。これにより、意図的に遊技停止状態を生じさせ、回転体201の振分抽選のやり直しを図る不正行為を抑制することが可能となる。
さらに、上昇装置215をV入賞口182a用と外れ口182b用とに各別に設けるとともに、V入賞口182aの上昇装置215によって揚送された遊技球をV入賞口182a又はV入賞通路310に直接誘導する球通路を配置し、V入賞口182aに進入した遊技球はV入賞口182aに戻り、外れ口182bに進入した遊技球は外れ口182bに戻る構成としてもよい。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、遊技球を上昇装置215に誘導する構成が上記第1の実施の形態と異なっている。本実施の形態の役物装置400について図30〜図35を参照しながら説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付すとともにその説明を省略する。
図30及び図31に示すように、役物装置400において誘導通路形成部材181の手前側中央には、正面視略台形状で上方に突出する突出部402が設けられている。当該突出部402により誘導通路401が左側誘導通路401aと右側誘導通路401bとに仕切られている。
突出部402の左右両側には、左側ガイド部材403a及び右側ガイド部材403bが設けられている。左側ガイド部材403aは、左側誘導通路401aを流下する遊技球を回転体201に誘導するものであり、右側ガイド部材403bは、右側誘導通路401bを流下する遊技球を回転体201に誘導するものである。これら各ガイド部材403a,403bは、左右対称に構成されており、誘導通路形成部材181の前端から凹部182における上面開口部の前端に至るように前後方向に延設されている。
左側ガイド部材403aを例にとって詳しく説明すると、図33(a)に示すように、左側ガイド部材403aの上面は、全体として回転体201側に向かうほど低くなる傾斜状となっている。左側ガイド部材403aの上面後半部には、左側ガイド部材403aの上面前半部から一段下がって左側導出部404が形成されている。左側導出部404の上面は、左側誘導通路401aの上面(遊技球転動面)と同一高さとなっている。左側導出部404の外縁に沿う段差面405は、平面視で前方に凸となる円弧状に形成されており(図32参照)、これにより、遊技球が後方へ向かうように誘導される。
また、左側ガイド部材403aは、その裏面側において回動可能に支持されている。詳しくは、左右方向に延びる回動軸406aを中心に上下方向へ回動することで、上面の傾斜方向が変化するように構成されている。左側ガイド部材403aは、左側ガイド用駆動部410a(電磁式ソレノイド)に接続されており、左側ガイド用駆動部410aが駆動制御されることで回動する。
左側ガイド用駆動部410aが駆動(励磁)されていないときには、左側ガイド部材403aは、図33(a)に示すように、その上面が回転体201側に向けて下り傾斜となる姿勢となり、左側誘導通路401aを流下する遊技球を回転体201に誘導する順傾斜状態となる。
一方、左側ガイド用駆動部410aが駆動(励磁)されると、左側ガイド部材403aは、図35(a)に示すように、順傾斜状態から下方に回動することで上面の傾斜方向が反転し、手前側(回転体201とは反対側)に向けて下り傾斜となる逆傾斜状態となる。この場合、左側誘導通路401aを流下する遊技球は、回転体201に誘導されずに、誘導通路形成部材181の前方に配置された受入部415へと誘導される。
ちなみに、右側ガイド部材403bにおいても、裏面側の回動軸406bを中心に上下方向に回動可能となっており、右側ガイド用駆動部410b(電磁式ソレノイド)が駆動制御されることで、順傾斜状態と逆傾斜状態とを切り換え可能となっている。
図30に示すように、受入部415の上面には、左側ガイド部材403aの前方に位置して左側受入口416aが形成されているとともに、右側ガイド部材403bの前方に位置して右側受入口416bが形成されている。これら各受入口416a,416bは上方へ開口しており、1個の遊技球が通過可能となっている。
受入部415の内側には、図35(b)に示すように、各受入口416a,416bから入球した遊技球が流下可能な内側空間417が形成されている。内側空間417の下部には、内側空間417内の遊技球を出口部418に集合させる傾斜面419が設けられており、当該出口部418を介して遊技球が下方に排出される。
受入部415は、透明性(透光性)を有する合成樹脂により形成されており、前枠175の透光部175b(図6)の後方に位置している。したがって、前枠175の透光部175bを通じて、受入部415内の遊技球を視認可能となっている。なお、必ずしも受入部415の全体が透明性を有する必要はなく、少なくも前壁部415aが透明性を有していればよい。
図33(b)及び図35(b)に示すように、受入部415の上面には、当該上面上を左右方向に移動することで各受入口416a,416bを開閉する略平板状の開閉板423が設けられている。開閉板423は、図30に示すように、各受入口416a,416bを同時に閉鎖可能な大きさとなっており、その左右中央部には、左側受入口416aに対応する形状及び大きさの切欠部424が形成されている。開閉板423は、開閉板用駆動部425(電磁式ソレノイド)に接続されており、開閉板用駆動部425が駆動制御されることで、各受入口416a,416bを開閉する。
詳しくは、開閉板用駆動部425が駆動(励磁)されていないときには、開閉板423は、切欠部424が左側受入口416aと右側受入口416bの間となるように位置し(図32及び図33(b)参照)、各受入口416a,416bを閉鎖する閉鎖状態となる。一方、開閉板用駆動部425が駆動(励磁)されると、開閉板423は、上記閉鎖状態(閉鎖位置)から左方向に移動することで、右側受入口416bの上方から退避するとともに、切欠部424が左側受入口416aの上方に移動し(図34及び図35(b)参照)、各受入口416a,416bを開放する開放状態となる。
受入部415の下方には、図31に示すように、排出通路形成部材191に形成された後方誘導通路426が配置されている。後方誘導通路426は、受入部415の出口部418と通じており、後方に延設されている。後方誘導通路426は、受入部415からの遊技球を後方の上昇装置215へ誘導する。
上記構成において、左側ガイド用駆動部410a、右側ガイド用駆動部410b及び開閉板用駆動部425は、主制御装置81と電気的に接続されている。左側ガイド部材403a及び右側ガイド部材403bの傾斜方向制御、並びに開閉板423の開閉制御は、主制御装置81によってなされる。
次に、本実施の形態における異常が検知された場合の流れについて、図32〜図35を参照しながら説明する。
異常が検知されておらず遊技停止状態に移行していない状態では、各ガイド部材403a,403bは順傾斜状態とされ、開閉板423は閉鎖状態とされる。この場合、役物装置400に入った遊技球は、図32に示すように、球振分け部185によって左側誘導通路401a又は右側誘導通路401bに振り分けられた後、左側ガイド部材403a又は右側ガイド部材403bによって回転体201に誘導される。そして、遊技球が回転体201のV入賞口案内部204に受け入れられ、V入賞口182a(図31)を通過した場合には、開閉実行モードに移行する。
異常検知に基づく遊技停止状態に移行すると、各ガイド用駆動部410a,410b及び開閉板用駆動部425が駆動状態(励磁状態)とされる。これにより、図34及び図35に示すように、各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態に切り換えられるとともに、開閉板423が開放状態に切り換えられる。
この場合、役物装置400に入賞した遊技球は、各誘導通路401a,401bを流下した後、各ガイド部材403a,403bによって受入部415に誘導される。受入部415に誘導された遊技球は、各受入口416a,416bから受入部415内に進入し、後方誘導通路426(図31)に向けて落下する。
後方誘導通路426に落下した遊技球は、上昇装置215に誘導され、上昇装置215により球振分け部185の上方に戻される。そして、球振分け部185により左右のいずれかに振り分けられ、再び左側誘導通路401a又は右側誘導通路401bを流下する。
各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態とされ且つ開閉板423が開放状態とされている間は、遊技球は回転体201に進入することなく、受入部415に誘導され続ける。このため、各ガイド部材403a,403b及び開閉板423の状態が反転制御されるまで、役物装置400内を遊技球がループし続ける。
これにより、回転体201への遊技球の流れ(V入賞口182aへの遊技球の流れ)が制限され、役物装置400に遊技球が入賞した後に異常が検知された状況において、遊技球がV入賞口182aを通過することが回避される。
その後、電源スイッチ92b(図5)が操作されて電源の遮断後に再投入されると、遊技停止状態が解除されることに伴い、各ガイド部材403a,403bが順傾斜状態に切り換えられ、開閉板423が閉鎖状態に切り換えられる。その結果、図32に示すように、回転体201への遊技球の流れ(V入賞口182aへの遊技球の流れ)が再開され、役物装置400内をループしていた遊技は回転体201に導出される。そして、遊技球がV入賞口182aを通過した場合には開閉実行モードへ移行する。ちなみに、役物装置400内に遊技球が存在する間は、開閉役物168が開放状態とされることはなく、役物装置400への新たな入賞が制限される。
以上のように、本実施の形態に係る役物装置400によれば、周囲の者の行為に起因して異常が検知された場合において、悪意のない遊技者を救済することができ、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施の形態では、異常検知に基づく遊技停止状態に移行していない場合に、各ガイド部材403a,403bによりV入賞口182aへの遊技球の流れを制限しない構成としたが、遊技停止状態中でない場合においてV入賞口182aへの遊技球の流れを制限しつつも、遊技停止状態中である場合と比べると、当該流れが制限されにくくなっている構成としてもよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、左側ガイド部材403a及び右側ガイド部材403bの切り換えタイミングが上記第2の実施の形態と異なっている。すなわち、上記第2の実施の形態では、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合に各ガイド部材403a,403bを順傾斜状態から逆傾斜状態に変位させたが、本実施の形態では、さらに異常検知に基づく遊技停止状態に移行しない場合にも、上記各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に変位させる。以下、かかる構成について説明する。
本実施の形態における回転体201は反時計回り方向に一定速度で回転し、その回転速度は10secで回転体201が1回転するように設定される。加えて、役物装置400の受入部415には、図31の二点鎖線で示す受入用センサ430a,430bが設けられている。これら各センサ430a,430bは、各受入口416a,416bを通過した遊技球を検出するものであり、演出制御装置82と電気的に接続されている。さらに、本実施の形態では、上記第2の実施の形態における、受入部415の上面に設けられていた開閉板423と、当該開閉板423を開閉駆動する開閉板用駆動部425とを備えておらず、受入部415の各受入口416a,416bが常時開放している。
このような構成の下、電源投入に伴って回転体201の回転位置を原点位置に復帰させる原点復帰処理を行い、回転体201の回転開始後、回転体201と同期させて各ガイド部材403a,403bを動作させる。以下、当該動作を行うために主制御装置81のMPU112にて実行される制御処理について説明する。
<メイン処理>
図36は、本実施の形態における主制御装置81のMPU112にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
本実施の形態のメイン処理では、ステップS2001〜ステップS2006にて、上記各実施の形態におけるメイン処理(図19)のステップS501〜ステップS506と同様の処理を実行し、RAM消去スイッチ98aが押されていない場合の他、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値により記憶保持されたデータの異常が確認された場合には、ステップS2007〜ステップS2009の処理に移行する。
ステップS2007〜ステップS2009では、上記各実施の形態におけるメイン処理(図19)のステップS507〜ステップS509と同様に、初期化コマンドの出力、RAM114の使用領域のクリア及びRAM114の初期化処理を実行する。
ステップS2009の処理を実行した後は、ステップS2010に進み、初期化時原点復帰処理を実行する。ステップS2010の初期化時原点復帰処理について図37(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
初期化時原点復帰処理では先ず、ステップS2101にて、回転体201の回転位置を原点位置に復帰させる復帰処理を実行する。回転体201の原点位置は、図40(a)に示すように、回転体201のV入賞口案内部204が左側ガイド部材403aと対峙する位置に、換言すれば、V入賞口案内部204の手前に左側ガイド部材403aが位置する位置に設定されている。本実施の形態では、V入賞口案内部204が上記原点位置を通過する際に、回転体用駆動部194の出力軸194aに設けられたカットバン198の切欠部198a(図31)が、回転位置検出センサ196の両アーム部196a,196b間を通過するように構成されている。
ステップS2101では、回転位置検出センサ196からの検出信号に基づいて回転体201の回転位置を把握し、回転体201の回転位置が原点位置でない場合には、回転体用駆動部194を駆動制御して回転体201を原点位置に向けて回転駆動する。そして、上記検出信号の状態から回転体201が原点位置に到達したことを確認すると、続くステップS2102にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに原点復帰フラグを格納する。原点復帰フラグは回転体201が原点復帰していることを示すフラグである。
メイン処理(図36)の説明に戻り、ステップS2003の判定処理において、RAM消去スイッチ98aが押されていないと判定した場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値が正常であることを条件に、ステップS2011にてRAM114の停電フラグをクリアし、続くステップS2012にて復電コマンドを出力する。これらの処理は、上記各実施の形態におけるメイン処理(図19)のステップS510,S511と同様のものである。
ステップS2012の処理を実行した後は、ステップS2013に進み、原点復帰処理を実行する。ステップS2013の原点復帰処理について図37(b)のフローチャートを参照しながら説明する。
原点復帰処理では、ステップS2201にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに異常検知フラグ(振動検知フラグ、磁石検知フラグ)が格納されているか否かを判定し、異常検知状態であるか否かを判定する。異常検知状態である場合には、その時点での回転体201の回転状態を維持すべく、本原点復帰処理を終了する。
一方、異常検知状態でない場合には、ステップS2202にて、回転体201の回転位置を原点位置に復帰させる復帰処理を実行する。この処理は、初期化時原点復帰処理(図37(a))のステップS2101と同様のものである。回転位置検出センサ196からの検出信号に基づき回転体201が原点位置に復帰したことを確認すると、続くステップS2203にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに原点復帰フラグを格納する。
ステップS2013の原点復帰処理を実行した後は、ステップS2014〜ステップS2019にて、上記各実施の形態におけるメイン処理(図19)のステップS512〜ステップS516と同様の処理を実行し、本メイン処理を終了する。
<通常処理>
図38は、本実施の形態における主制御装置81のMPU112にて実行される通常処理を示すフローチャートである。
本実施の形態の通常処理では、ステップS2301〜ステップS2304にて、上記各実施の形態における通常処理(図20)のステップS601、ステップS603〜ステップS605と同様の処理を実行する。
ステップS2304の開放種別カウンタCSの更新処理を実行した後は、続くステップS2305にて回転体201の回転駆動を開始する回転開始処理を実行する。ステップS2305の回転開始処理について図39のフローチャート等を参照しながら説明する。
回転開始処理では、ステップS2401にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに原点復帰フラグが格納されているか否かを判定する。原点復帰フラグが格納されている場合には、ステップS2402にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに回転フラグが格納されているか否かを判定する。回転フラグは回転体201が回転中であることを示すフラグである。
回転フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2403にて、回転体用駆動部194を駆動状態として回転体201の回転駆動を開始する。本処理により、回転体201は、反時計回り方向への回転を開始し、以後、10secで1回転する回転速度にて定速回転する。
ステップS2403の処理を実行した後は、ステップS2404にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されている原点復帰フラグをクリアし、さらに、ステップS2405にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに回転フラグを格納する。
次いで、ステップS2406にて左側ガイド部材403aの開始時待機期間をセットする。この開始時待機期間は、回転体201の回転開始後、左側ガイド部材403aを順傾斜状態にて待機させる期間を定めるものである。ステップS2406では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタT1の値に「500」をセットする。ここでセットされたタイマカウンタT1の値は、タイマ割込み処理(図15)が実行される度に1ディクリメントされる。このため、開始時待機期間は1secとなっている。この1secの期間は、図40(b)に示すように、回転体201が原点位置から回転を開始してから、V入賞口案内部204の左隣の外れ口案内部203aが左側ガイド部材403aの後方位置に到来するまでの期間である。
ステップS2406の処理を実行した後は、ステップS2407にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1待機フラグを格納する。この第1待機フラグは、左側ガイド部材403aが待機状態であることを示すフラグである。
次いで、ステップS2408にて右側ガイド部材403bの開始時待機期間を設定する。この開始時待機期間は、回転体201の回転開始後、右側ガイド部材403bを順傾斜状態にて待機させる期間を定めるものである。ステップS2408では、RAM114の各種カウンタエリア114dに設けられたタイマカウンタT2の値に「1500」をセットし、上記開始時待機期間として3secを設定する。この3secの期間は、図40(c)に示すように、回転体201が原点位置から回転を開始してから、V入賞口案内部204の左隣の外れ口案内部203aが右側ガイド部材403bの後方位置に到来するまでの期間である。
ステップS2408の処理を実行した後は、ステップS2409にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2待機フラグを格納し、回転開始処理を終了する。第2待機フラグは、右側ガイド部材403bが待機状態であることを示すフラグである。
なお、ステップS2401の判定処理にて否定判定した場合、又はステップS2402の判定処理にて肯定判定した場合には、回転開始処理を終了する。
通常処理(図38)の説明に戻り、ステップS2305にて回転開始処理を実行した後は、ステップS2306にて、左側ガイド部材403a及び右側ガイド部材403bの切り換え制御を行うガイド部材制御処理を実行する。ステップS2306のガイド部材制御処理について図41のフローチャートを参照しながら説明する。
このガイド部材制御処理は、各ガイド部材403a,403bの順傾斜状態から逆傾斜状態への切り換え、逆傾斜状態から順傾斜状態への切り換えを制御するものである。先ず、ステップS2501にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに回転フラグが格納されているか否かを判定する。回転フラグが格納されていない場合には本ガイド部材制御処理を終了し、回転フラグが格納されている場合にはステップS2502以降の処理に進む。
ステップS2502以降の処理では、ステップS2502〜ステップS2513において左側ガイド部材403aの切り換え制御処理を行い、ステップS2514〜ステップS2525において右側ガイド部材403bの切り換え制御処理を行う。
ここでは、先ずステップS2502〜ステップS2513の左側ガイド部材403aの切換制御について説明する。左側ガイド部材403aの切り換え制御処理では、ステップS2502にて、RAM114の各種フラグ格納エリアに第1逆傾斜フラグが格納されているか否かを判定する。この第1傾斜フラグは、左側ガイド部材403aが逆傾斜状態であることを示すフラグである。
第1逆傾斜フラグが格納されていない場合には、ステップS2503にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1待機フラグが格納されているか否かを判定する。第1待機フラグが格納されている場合には、左側ガイド部材403aが待機状態であることを意味するため、ステップS2504にて、左側ガイド部材403aの開始時待機期間が終了したか否か、具体的にはRAM114のタイマカウンタT1の値が「0」であるか否かを判定する。
タイマカウンタT1の値が「0」である場合には、ステップS2505にて、RAM114の第1待機フラグをクリアし、続くステップS2506にて、左側ガイド部材403aの逆傾斜期間をセットする。この逆傾斜期間は、左側ガイド部材403aを逆傾斜状態に切り換えた場合の逆傾斜状態の維持期間を定めるものである。ステップS2506では、RAM114のタイマカウンタT1の値に「250」をセットし、逆傾斜期間として0.5secを設定する。
ステップS2506の処理を実行した後は、ステップS2507にて、左側ガイド用駆動部410aを駆動状態として左側ガイド部材403aを逆傾斜状態に変位させ、続くステップS2508にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第1逆傾斜フラグを格納する。
一方、ステップS2502の判定処理において、第1傾斜フラグが格納されていると判定した場合には、左側ガイド部材403aが逆傾斜状態であることを意味するため、ステップS2509にて、RAM114のタイマカウンタT1の値が「0」であるか否か、すなわち、左側ガイド部材403aの逆傾斜期間が終了したか否かを判定する。
タイマカウンタT1の値が「0」である場合には、ステップS2510にて、左側ガイド部材403aの順傾斜期間を設定する。この順傾斜期間は、左側ガイド部材403aを順傾斜状態に切り換えた場合の順傾斜状態の維持期間を定めるものである。ステップS2510では、RAM114のタイマカウンタT1の値に「4750」をセットし、順傾斜期間として9.5secを設定する。
ステップS2510の処理を実行した後は、ステップS2511にて、左側ガイド用駆動部410aを駆動停止状態として左側ガイド部材403aを順傾斜状態に変位させ、続くステップS2512にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納された第1逆傾斜フラグをクリアする。
また、ステップS2503の判定処理において、第1待機フラグが格納されていないと判定した場合には、左側ガイド部材403aが順傾斜状態であることを意味するため、ステップS2513にて、左側ガイド部材403aの順傾斜期間が終了したか否か、具体的にはRAM114のタイマカウンタT1の値が「0」であるか否かを判定する。
タイマカウンタT1の値が「0」である場合には、ステップS2506〜ステップS2508の処理に進み、左側ガイド部材403aの逆傾斜期間を設定した上で左側ガイド部材403aを逆傾斜状態に変位させる。
なお、ステップS2504,S2509,S2513の各種判定処理で否定判定した場合、又はステップS2508,S2512の処理を実行した後は、ステップS2514以降の処理に進み、右側ガイド部材403bの切り換え制御処理を実行する。
次に、ステップS2514〜ステップS2525の右側ガイド部材403bの切換制御について説明する。右側ガイド部材403bの切換制御では、ステップS2514にてRAM114の各種フラグ格納エリア114eに、右側ガイド部材403bが逆傾斜状態であることを示す第2逆傾斜フラグが格納されている否かを判定する。
第2逆傾斜フラグが格納されていない場合には、ステップS2515において、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに第2待機フラグが格納されていると判定することを条件に、ステップS2516にて、RAM114のタイマカウンタT2の値が「0」であるか否か(右側ガイド部材403bの開始時待機期間が終了したか否か)を判定する。
タイマカウンタT2の値が「0」である場合には、ステップS2517〜ステップS2520の処理に進み、第2待機フラグのクリア処理、右側ガイド部材403bを逆傾斜状態に維持する逆傾斜期間(0.5sec)の設定処理、右側ガイド部材403bを逆傾斜状態に変位させる処理、第2逆傾斜フラグの格納処理を実行する。
一方、ステップS2514の判定処理にて第2逆傾斜フラグが格納されていると判定した場合には、タイマカウンタT2の値が「0」であること(右側ガイド部材403bの逆傾斜期間が終了していること)を条件に、ステップS2522〜ステップS2524の右側ガイド部材403bを順傾斜状態に維持する順傾斜期間(9.5sec)の設定処理、右側ガイド部材403bを順傾斜状態に変位させる処理、第2逆傾斜フラグのクリア処理を実行する。
また、ステップS2515の判定処理にて第2待機フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS2525にてタイマカウンタT2の値が「0」であること(右側ガイド部材403bの順傾斜期間が終了していること)を条件に、ステップS2518における右側ガイド部材403bの逆傾斜期間の設定処理に進む。
そして、ステップS2516,S2521,S2525の各種判定処理で否定判定した場合、又はステップS2520,S2524の処理を実行した後は、ガイド部材制御処理を終了する。
通常処理(図38)の説明に戻り、ステップS2306のガイド部材制御処理を実行した後は、ステップS2307以降の処理に進む。なお、ステップS2307以降の処理は、上記各実施の形態における通常処理(図20)のステップS606以降の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、本実施の形態において役物装置400に遊技球が入賞した場合の遊技の流れについて図42等を参照しながら説明する。なお、異常が検知された場合の流れについては上記第2の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
図42は、本実施の形態における、回転体201の回転動作と各ガイド部材403a,403bの切り換え動作との関係を説明するためのタイミングチャートである。
t21のタイミングにおいて、回転体201の原点復帰処理(図36のステップS2010,S2013)が実行され、t22のタイミングにて、回転体201が原点位置に復帰すると、回転体201の回転が開始される(図39のステップS2403)。さらに、t22のタイミングでは、回転体201の回転が開始されることに伴い、左側ガイド部材403aの開始時待機期間(1sec)及び右側ガイド部材403bの開始時待機期間(3sec)が設定される(図39のステップS2406,S2408)。
t22のタイミングから左側ガイド部材403aの開始時待機期間が経過したt23のタイミングでは、左側ガイド部材403aが順傾斜状態から逆傾斜状態に切り換えられる(図41のステップS2507)。そして、0.5sec間に亘って逆傾斜状態が維持され、その後、順傾斜状態に切り換えられる(図41のステップS2506〜ステップS2511)。
順傾斜状態に切り換えられてから9.5sec間の順傾斜期間が経過すると、t26のタイミングにて、再び左側ガイド部材403aが逆傾斜状態に切り換えられる(図41のステップS2509〜ステップS2513)。このt26のタイミングは、回転体201が原点位置を通過するt25のタイミングから1sec後のタイミングとなっている。そして、0.5sec間の逆傾斜期間を経た後、9.5sec間に亘って順傾斜状態とされる。以後、上記と同様にして、左側ガイド部材403aは、10sec周期で1回逆傾斜状態に切り換えられ、回転体201の回転動作に同期して切り換え駆動される(t29のタイミング)。
そして、左側ガイド部材403aが逆傾斜状態となっている状態において、役物装置400に入賞した遊技球が左側ガイド部材403aに到達すると、当該遊技球は左側ガイド部材403aによって受入部415に誘導される。受入部415に誘導された遊技球は、後方誘導通路426を経て上昇装置215に誘導され、上昇装置215により球振分け部185の上方に戻される。
その際、受入部415に設けられた受入用センサ430a,430bによって遊技球の通過が検出される。演出制御装置82では、当該検出結果に基づき、回転体201の振分抽選に再挑戦する機会が付与されたことの報知を実行する。例えば、図柄表示装置51の表示画面Gにて「再挑戦!」と表示する。
既に説明したように、回転体201の原点位置は、左側ガイド部材403aの後方位置にV入賞口案内部204が位置する位置に設定されている(図40(a))。つまり、回転体201は、原点位置に位置する状態にて、左側ガイド部材403aにより誘導される遊技球をV入賞口案内部204に振り分けやすくなっている。このため、回転体201が原点位置に到来するタイミングで、役物装置400に入賞した遊技球が左側ガイド部材403aに到達することが、遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられる可能性が高くなる条件となる。
そして、左側ガイド部材403aが逆傾斜状態となるタイミングは、V入賞口案内部204の左隣の外れ口案内部203aが左側ガイド部材403aの後方位置に到来するタイミング、換言すれば、左側ガイド部材403aに対してV入賞口案内部204の位置が球案内部202の1個分だけ右側にずれているタイミングである。このタイミングは、遊技球の左側ガイド部材403aへの到達が、遊技球をV入賞口案内部204に振り分けやすい状態から僅かに遅れたものであり、非常に惜しかったものといえる。本実施の形態では、このような惜しいタイミングで遊技球が左側ガイド部材403aに到達した場合に、遊技球を受入部415に誘導可能とする。
一方、t22のタイミングから右側ガイド部材403bの開始時待機期間(3sec)が経過したt24のタイミングでは、右側ガイド部材403bが順傾斜状態から逆傾斜状態に切り換えられ、0.5sec間に亘って逆傾斜状態が維持される(図41のステップS2518〜ステップS2521)。その後、順傾斜状態に切り換えられ、9.5sec間に亘って順傾斜状態が維持された後、t27のタイミングにて、再び逆傾斜状態に切り換えられる(図41のステップS2522〜ステップS2525)。以後、上記と同様にして、右側ガイド部材403bは、10sec周期で1回逆傾斜状態に切り換えられ、回転体201の回転動作に同期して切り換え駆動される(t30のタイミング)。
右側ガイド部材403bが逆傾斜状態となるタイミングについても、右側ガイド部材403bに対してV入賞口案内部204の位置が球案内部202の1個分だけ右側にずれているタイミングである。この場合も、遊技球の右側ガイド部材403bへの到達が僅かに遅れたものであり、このような惜しいタイミングで遊技球が右側ガイド部材403bに到達した場合に、遊技球を受入部415に誘導可能として回転体201の振分抽選に再挑戦する可能性を付与する。
ここで、役物装置400では、受入部415に誘導された遊技球が再び各ガイド部材403a,403bに戻るルートとして、左側誘導通路401aを通過する第1の戻り通路と、右側誘導通路401bを通過する第2の戻り通路とを備えている(図31等参照)。本実施の形態において、上記各戻り通路の遊技球の戻り期間は、回転体201の回転周期と、V入賞口案内部204が左側ガイド部材403aの後方位置を通過してから右側ガイド部材403bの後方位置に到達するまでの期間と、各ガイド部材403a,403bの逆傾斜状態への切換タイミングと、を加味して設定されている。具体的には7secと11secに設定されている。
かかる構成により、左側ガイド部材403aにより受入部415に誘導された遊技球のうち、第1の戻り通路を通過する遊技球は外れ口案内部203に振り分けられやすく、第2の戻り通路を通過する遊技球はV入賞口案内部204に振り分けられやすくなる。左側ガイド部材403aが逆傾斜状態に切り換えられてから、V入賞口案内部204が左側ガイド部材403aの後方位置に到達するまでに9secを要し、右側ガイド部材403bの後方位置に到達するまでに11secを要するためである。つまり、第1の戻り通路を通過する遊技球は、V入賞口案内部204が左側ガイド部材403aの後方位置に到達するよりも早く回転体201(左側ガイド部材403a)に到達し、第2の戻り通路を通過する遊技球は、V入賞口案内部204が左側ガイド部材403aの後方位置に到達するタイミングで回転体201(右側ガイド部材403b)に到達する。
さらに、右側ガイド部材403bにより受入部415に誘導された遊技球のうち、第1の戻り通路を通過する遊技球はV入賞口案内部204に振り分けられやすく、第2の戻り通路を通過する遊技球は外れ口案内部203に振り分けられやすくなる。右側ガイド部材403bが逆傾斜状態に切り換えられてから、V入賞口案内部204が左側ガイド部材403aの後方位置に到達するまでに7secを要し、右側ガイド部材403bの後方位置に到達するまでに9secを要するためである。つまり、第1の戻り通路を通過する遊技球は、V入賞口案内部204が左側ガイド部材403aの後方位置に到達するタイミングで回転体201(左側ガイド部材403a)に到達し、第2の戻り通路を通過する遊技球は、V入賞口案内部204が右側ガイド部材403bの後方位置に到達するよりも遅く回転体201(右側ガイド部材403b)に到達する。
ちなみに、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様、役物装置400内に遊技球が存在する間は、開閉役物168が開放状態とされることはなく、新たな遊技球の入賞が制限される。
なお、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態とする期間は0.5secよりも短くしてもよいし、長くしてもよい。逆傾斜状態とする期間を短くすることで、遊技球が受入部415側に振り分けられにくくなり、運よく振り分けられた場合の高揚感を高めることが可能になる。逆に、逆傾斜状態とする期間を長くすることで、遊技球が受入部415側に振り分けられやすくなり、回転体201の振分抽選に再挑戦する機会を増やすことが可能になる。
各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に変位させるタイミングについても、各ガイド部材403a,403bに対して、V入賞口案内部204の位置が球案内部202の1個分だけ右側にずれているタイミングに限らず、例えば、V入賞口案内部204の位置が球案内部202の2個分右側にずれているタイミングでも、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に変位させてもよい。この場合、1個分ずれた状態から2個分ずれた状態となるまで逆傾斜状態を継続させてもよいし、各回で0.5sec間の逆傾斜期間を設定するものとしてもよい。
さらに、各ガイド部材403a,403bに対してV入賞口案内部204の位置が左側にずれているタイミングで、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に変位させてもよい。具体的には、図43に示すように、回転体201の原点通過タイミングから9sec間の経過後に左側ガイド部材403aを逆傾斜状態に変位させ、上記原点通過タイミングから1sec間の経過後に右側ガイド部材403bを変位させるとよい。これにより、遊技球の到着タイミングが僅かに早くて惜しい場合に、回転体201の振分抽選に再挑戦する機会を付与することが可能となる。
さらに、本実施の形態では、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合に各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に変位させるが、かかる場合に逆傾斜状態に変位させない構成としてもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
各ガイド部材403a,403bにより遊技球を回転体201側と受入部415側とに振り分け可能とし、受入部415側に振り分けられた遊技球を上昇装置215により揚送して回転体201の上流に戻すように構成した。これにより、役物装置400に入賞した遊技球がそのまま回転体201に至る場合と、上昇装置215を経由して回転体201に至る場合とが生じ、V入賞口182aに至るまでのルートを多様化することができる。
遊技球の到着タイミングが僅かにずれて惜しい場合に回転体201への進入を回避して回転体201への再進入の機会を付与するように構成した。これにより、V入賞口182aへの振り分けを諦めかけていたところに、回転体201の振分抽選に再挑戦する機会が付与されるという復活要素を備えた斬新な遊技性を遊技球の動きによって実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。しかも、惜しい場合に限って再挑戦遊技の機会を付与するため、頻繁に再挑戦遊技が付与されることが回避され、再挑戦遊技が発生した場合の驚きや嬉しさを高めることが可能になる。
上昇装置215により遊技球を揚送し、揚送された遊技球が回転体201に流下するように構成した。この場合、遊技球が回転体201に至るまでの過程で、遊技球が上昇するという通常の動きとは異なる特殊な動きを付与することができる。これにより、遊技球の動き自体の面白みを高めながら、遊技球の動きを多様化することが可能になる。
遊技球の回転体201への進入を回転体201の直前(各ガイド部材403a,403b)で一旦回避し、上昇装置215を通じて改めて回転体201に進入する機会を付与するように構成した。初回の接近時と再接近時とで遊技球の回転体201への接近タイミングが相違することから、回転体201の振分結果に相違が生じ得る。これにより、初回の接近時のタイミングが外れ口案内部203に振り分けられやすいタイミングであっても、2度目の接近においてV入賞口案内部204に振分けられることを期待することが可能になる。
回転体201への進入位置及び到達期間が異なる誘導通路401a,401bを設け、上昇装置215により揚送された遊技球を各誘導通路401a,401bに振り分けるように構成した。戻された遊技球が左右いずれの誘導通路401a,401bを流下するかにより、回転体201への遊技球の進入位置及び到達タイミングを相違させることができ、戻された遊技球に対する振分結果のランダム性を向上させることが可能になる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、回転体の構成及び遊技球を上昇装置215に誘導する構成が上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態の役物装置500について図44〜図48を参照しながら説明する。なお、上記各実施の形態と同様の構成については同一の符号を付すとともにその説明を省略する。
本実施の形態における役物装置500は、図44及び図45に示すように、回転体510を備えている。回転体510には、球案内部202として、外れ口案内部203及びV入賞口案内部204の他、有底の再挑戦口案内部511が設けられている。すなわち、球案内部202は、8個の外れ口案内部203と、1個のV入賞口案内部204と、1個の再挑戦口案内部511とから構成されている。
再挑戦口案内部511は、回転体510の中心を挟んでV入賞口案内部204と対峙して配置されている。再挑戦口案内部511は、1個の遊技球が入る程度の大きさを有しており、その底面511a(図46(b))は外側に向かうほど低くなるように傾斜している。
回転体ユニット501の凹部182には、V入賞口182a及び外れ口182bの他、再挑戦口520が形成されている。再挑戦口520は、凹部182の奥側通路壁182cに形成されており、1個の遊技球が通過可能に前方に開口している。
図46(b)に示すように、再挑戦口520が位置する高さは、回転体510の再挑戦口案内部511の高さに対応したものとなっている。具体的には、再挑戦口案内部511が再挑戦口520の手前に位置する状態において、再挑戦口案内部511の底面511aと略同一の高さに再挑戦口520の下端が位置している。このため、再挑戦口案内部511に入った遊技球は、回転体201の回転に伴い再挑戦口520の前方に到達することで再挑戦口520内に入る。
ここで、図46(b)及び図47(b)に示すように、回転体510において、再挑戦口案内部511の底面511aと、外れ口案内部203の底面203bとの間には高低差が設けられている。具体的には、底面203bが底面511aよりも遊技球の半径分程度低くなっている。このため、外れ口案内部203に入った遊技球が再挑戦口520の前方に到達しても、奥側通路壁182cにより再挑戦口520側への移動が規制され、再挑戦口520内には入らない。
再挑戦口520の後方には、当該再挑戦口520内に入った遊技球を受入可能な再挑戦用通路521が設けられている。再挑戦用通路521は再挑戦口520に入った遊技球を下方へ誘導する。再挑戦用通路521の下部には再挑戦用センサ523が設けられており、再挑戦用通路521を通過する遊技球は再挑戦用センサ523により検出される。なお、再挑戦用センサ523は演出制御装置82と電気的に接続されている。
再挑戦用通路521の下方には、図45に示すように、排出通路形成部材191に形成された後方誘導通路524が配置されている。後方誘導通路524は上昇装置215に通じており、再挑戦用通路521を通過した遊技球は、後方誘導通路524を経由して上昇装置215へ導かれる。
次に、役物装置500に遊技球が入賞した場合の遊技の流れについて、図48等を参照しながら説明する。なお、遊技球がV入賞口182a又は外れ口182bに入った場合の流れについては、上記各実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
役物装置500に遊技球が入賞すると、図48(b)に示すように、当該遊技球は、遊技球通路178(図6)を通じて球振分け部185上に到達し、球振分け部185により左側誘導通路183a及び右側誘導通路183bのいずれかに振り分けられる。そして、いずれかの誘導通路183a,183bを転がることで導出部186に誘導される。
導出部186に誘導された遊技球は、当該導出部186の傾斜に沿って回転体510に導出される。図48(a)に示すように、回転体510に導出されて再挑戦口案内部511に入った遊技球(図中のP)は、回転体510の回転に伴って再挑戦口520(図44)へと案内される。
なお、10個の球案内部202のうち、再挑戦口案内部511が1個であることにより、遊技球は1/10の確率で再挑戦口520に入ることとなる。但し、再挑戦口案内部511の数は上記のものに限定されず、例えば、再挑戦口案内部511を2個として1/5の確率で入る構成としてもよいし、その他の確率で入る構成としてもよい。また、再挑戦口案内部511の位置も上記のものに限定されず、V入賞口案内部204に隣接して配置してもよいし、その他の位置に配置してもよい。
再挑戦口520に案内された遊技球は、図46に示すように、再挑戦用通路521内を流下し、後方誘導通路213に誘導される。この場合に、当該遊技球は再挑戦用センサ523により検出される。これに伴い、演出制御装置82では、回転体201の振分抽選に再挑戦する機会が付与されたことの報知を実行する。例えば、図48(a)に示すように、図柄表示装置51の表示画面Gにて「再挑戦!」と表示する。
後方誘導通路213に誘導された遊技球は、上昇装置215に入り、上昇装置215内を上昇する。上昇装置215内を上昇した遊技球は、出口用案内部238を介して球振分け部185の上方に戻される。
球振分け部185の上方に戻された遊技球は、左右のいずれかに振り分けられ、再び各誘導通路183a,183bを流下する。各誘導通路183a,183bを流下した遊技球は、導出部186を経て回転体510に導出され、再び振分抽選に供される。
本実施の形態においても、上記第3の実施の形態と同様に、戻された遊技球が第1の戻り通路(左側誘導通路183aを通過するルート)及び第2の戻り通路(右側誘導通路183bを通過するルート)の一方を通る場合にV入賞口案内部204に振り分けられやすくなり、他方を通る場合に外れ口案内部203に振り分けられやすくするとよい。
ちなみに、本実施の形態では、遊技球が再挑戦口案内部511に入ってから再び回転体510に戻ってくるまでの期間が、回転体510の回転周期の整数倍とならないように設定されている。このことは左側誘導通路183a及び右側誘導通路183bのいずれを通過する場合も同様である。これにより、再挑戦口案内部511に入った遊技球が再び再挑戦口案内部511に入ることが回避され、実質的にループ回数が1回に制限されている。
なお、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様、役物装置500内に遊技球が存在する間は、開閉役物168が開放状態とされることはなく、新たな遊技球の入賞が制限される。
また、本実施の形態に上記第1の実施の形態を適用し、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合に、遊技球を上昇装置215に導く構成としてもよい。具体的には、図44〜図47に示す構成において、誘導通路183の手前側中央に落下通路210(図8参照)を設けるとともに、当該落下通路210を開閉する落下用開閉部材211(図8参照)を設ける。その上で、排出通路形成部材191に後方誘導通路213(図9参照)を形成し、落下通路210からの遊技球を上昇装置215に導く構成とする。この場合、後方誘導通路213上に後方誘導通路524(図45参照)を形成してもよいし、後方誘導通路524における球入口を後方誘導通路213からずらした上で、両誘導通路213,524を合流させてもよい。
かかる構成の下、異常検知に基づく遊技停止状態に移行していない場合には、落下用開閉部材211により落下通路210を閉鎖する。これにより、遊技球を回転体510に進入可能とし、V入賞を狙う遊技や再挑戦口案内部511への振り分けに伴う再挑戦遊技を実行可能とする。
一方、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合には、落下用開閉部材211により落下通路210を開放する。これにより、誘導通路183を流れる遊技球を落下通路210に誘導して上昇装置215へ導き、V入賞口182aへの遊技球の流れを制限する。この状態を遊技停止状態(異常検知状態)が解除されるまで維持し、遊技球を役物装置500内でループさせる。
この場合、異常検知に基づく遊技停止状態に移行していない状態と、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した状態とで、遊技球の上昇装置215への誘導しやすさが異なっている。すなわち、前者の場合は、導出部186の後方に再挑戦口案内部511が位置する期間(1s)にて再挑戦口案内部511への遊技球の受け入れが許容され、遊技球が上昇装置215に誘導される。一方、後者の場合は、遊技停止状態が解除されるまで遊技球が上昇装置215に誘導され続ける。つまり、前者が後者よりも遊技球を上昇装置215に誘導しにくくなっている。
例えば、上記いずれの場合も誘導しやすさを等しくすると、異常要因の発生が検知されていない状況下では遊技球が戻されやすくなり過ぎたり、異常要因の発生が検知された場合には救済できない事態が生じたりするなどの不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、各状況に応じて誘導しやすさを使い分けることができ、共通の上昇装置215を用いながらも、異常要因の発生が検知されていない状況下での興趣向上と、異常要因の発生が検知された場合の救済と、を好適に両立させることが可能になる。
さらに、第1の実施形態に代えて、図28等に示す上記第1の実施の形態の変形例や図30〜図35に示す上記第2の実施の形態を本実施の形態に適用してもよいし、それらを適宜組み合わせたものを本実施の形態に適用してもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
回転体510に再挑戦口案内部511を設け、再挑戦口案内部511に入った遊技球を上昇装置215により揚送して回転体510の上流に戻すようにした。これにより、再挑戦口案内部511に遊技球が入れば、遊技球が再び回転体510に導かれ、振分抽選への再挑戦が可能になる。このため、遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられない場合でもV入賞口182aを通過する可能性が残り、期待感を抱くことが可能になる。すなわち、遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられることへの期待感だけに留まらず、再挑戦口案内部511に振り分けられることへの期待感も喚起することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
この場合、上昇装置215を経由せずに遊技球が回転体510に至る場合と、上昇装置215を経由して遊技球が回転体510に至る場合とで、遊技球の回転体510の到達タイミングが相違することから、前者の場合と後者の場合とで回転体510の振分結果に相違が生じ得る。このため、初回の振分抽選で遊技球がV入賞口案内部204に振り分けられなかった場合でも、次回の振分抽選において遊技球がV入賞口案内部204に入ることを期待することが可能になる。
加えて、初回の振分抽選と次回の振分抽選とで共通の回転体510を用いる構成とした。このため、個別の回転体を設けた場合に比べて回転体510の占有スペースを節約化し得るとともに、部品点数を低減することが可能になる。
上昇装置215により遊技球を揚送し、揚送された遊技球が回転体510に流下するように構成した。この場合、遊技球が回転体510に至るまでの過程で、遊技球が上昇するという通常の動きとは異なる特殊な動きを付与することができる。これにより、遊技球の動き自体の面白みを高めながら、遊技球の動きを多様化することが可能になる。
回転体201への到達期間が異なる誘導通路183a,183bを設け、上昇装置215により揚送された遊技球を各誘導通路183a,183bに振り分けるように構成した。戻された遊技球が左右いずれの誘導通路183a,183bを流下するかにより、回転体201への遊技球の到達タイミングを相違させることができ、再挑戦の振分抽選における振分結果をランダム化することが可能になる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、V入賞口182aを通過した遊技球を用いてラウンド遊技の回数を決定する構成が上記各実施の形態と異なっている。本実施の形態の役物装置600について図49〜図52を参照しながら説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付すとともにその説明を省略する。
役物装置600は、V入賞口182aを通過した遊技球を上昇装置215に誘導するように構成されている。以下、かかる構成について説明する。
V入賞口182aに連通するV入賞通路610には、16Rセンサ611とV入賞センサ192とが設けられている。16Rセンサ611は、V入賞センサ192と同様に、V入賞口182aを通過した遊技球を検出するものであり、その検出結果は開閉実行モードの実行時におけるラウンド遊技の回数を決定するために用いられる。この点についての詳細は後述する。
16Rセンサ611は、V入賞センサ192の上流(V入賞センサ192よりもV入賞口182a寄り)に配置されており、V入賞口182aに入った遊技球は、16Rセンサ611の通過後にV入賞センサ192を通過する。16Rセンサ611は主制御装置81と電気的に接続されている。
V入賞センサ192の下流には、V入賞通路610から分岐するようにして分岐誘導通路620が設けられている。分岐誘導通路620は上昇装置215に通じており、分岐誘導通路620を通過する遊技球は上昇装置215に導出される。
分岐誘導通路620とV入賞通路610との分岐点には振分部材621が設けられている。振分部材621は、振分駆動部623(電磁式ソレノイド)に接続されており、振分駆動部623が駆動制御されることで、遊技球を分岐誘導通路620に振り分ける振分状態と、当該振分状態から回動軸621aを中心に回動して遊技球を排出側通路622に振り分けない非振分状態と、に変位する。振分部材621は、開閉実行モードが実行されていない状況において、遊技球がV入賞センサ192を通過する前の状態では、振分状態に制御されている。
また、外れ口182bに連通する外れ用通路630には、8Rセンサ631と外れ用センサ193とが設けられている。8Rセンサ631は、外れ用センサ193と同様に、外れ口182bを通過した遊技球を検出するものであり、その検出結果は開閉実行モードの実行時におけるラウンド遊技の回数を決定するために用いられる。この点についての詳細は後述する。
8Rセンサ631は、外れ用センサ193の上流(外れ用センサ193よりも外れ口182b寄り)に配置されており、外れ口182bに入った遊技球は、8Rセンサ631の通過後に外れ用センサ193を通過する。8Rセンサ631は主制御装置81と電気的に接続されている。
なお、本実施の形態では、大当たり種別を判定するための大当たり種別カウンタC2(図12等参照)を用いず、RAM114の各種カウンタエリア114dにも大当たり種別カウンタC2を格納するためのエリアが設けられていない。また、ROM113の各種テーブル記憶エリア113dにも種別テーブル(図13(b))が記憶されていない。
<入賞処理>
図50は、本実施の形態における主制御装置81のMPU112にて実行される入賞処理を示すフローチャートである。
本実施の形態の入賞処理では、ステップS3001,S3002にて、上記各実施の形態における入賞処理(図22)のステップS801、S802と同様の処理を実行する。
ステップS3002の処理を実行した後は、続くステップS3003にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグが格納されているか否かを判定する。V入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS3004にて、V入賞センサ192の検出状態を把握して、遊技球がV入賞センサ192を通過したか否かを判定する。遊技球がV入賞センサ192を通過した場合には、ステップS3005にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eにV入賞フラグを格納する。
続くステップS3006にて、V入賞コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS3006にて設定されたV入賞コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS604の外部出力処理にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したV入賞コマンドに基づいて、V入賞が発生したことの報知(開閉実行モードに移行することへの報知)を行うための処理を実行する。
ステップS3006の処理を実行した後は、ステップS3007にて、振分部材621の振分態様を切り換える切換処理を実行する。ステップS3007では、振分駆動部623を制御し、振分部材621を振分状態から非振分状態に変位させる処理を行う。これにより、ステップS3007の処理が行われた後にV入賞通路610を通過する遊技球は、分岐誘導通路620に誘導されることなく、役物装置600外に排出されることとなる。
ここで、ステップS3007における切換処理は、V入賞口182aの通過を把握してから所定の待機期間が経過した後に実行される。この待機期間は、振分部材621を振分状態に維持しておく期間であり、遊技球がV入賞センサ192を通過してから振分部材621に到達するまでの期間よりも長く、且つ、V入賞センサ192を通過した遊技球が上昇装置215を経由して再び振分部材621に戻るまでの最短期間よりも短いものとされる。例えば、前者の期間が0.5secに設定され、後者の期間が7secに設定されている場合には、待機期間として1.5secを設定する。
ステップS3007の処理を実行した後、又はステップS3003の判定処理にて肯定判定した場合には、続くステップS3008にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに16Rフラグが格納されているか否かを判定する。この16Rフラグは遊技球が16Rセンサ611を通過したことを示すフラグである。
16Rフラグが格納されていない場合には、ステップS3009にて、16Rセンサ611の検出状態を把握して、遊技球が16Rセンサ611を通過したか否かを判定する。遊技球が16Rセンサ611を通過した場合には、ステップS3010にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに16Rフラグを格納し、16R大当たり(16回のラウンド遊技が行われる開閉実行モードへの移行)が発生することを記憶する。
続くステップS3011にて、16Rコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS3011にて設定された16Rコマンドは、通常処理にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した16Rコマンドに基づいて、16R大当たりが発生したことの報知を行うための処理を実行する。
ステップS3011の処理を実行した後、又はステップS3009の判定処理にて否定判定した場合には、ステップS3012にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに8Rフラグが格納されているか否かを判定する。この8Rフラグは遊技球が8Rセンサ631を通過したことを示すフラグである。
8Rフラグが格納されていない場合には、ステップS3013にて、8Rセンサ631の検出状態を把握して、遊技球が8Rセンサ631を通過したか否かを判定する。遊技球が8Rセンサ631を通過した場合には、ステップS3014にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに8Rフラグを格納し、8R大当たり(8回のラウンド遊技が行われる開閉実行モードへの移行)が発生することを記憶する。
続くステップS3015にて、8Rコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。ステップS3015にて設定された8Rコマンドは、通常処理にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した8Rコマンドに基づいて、8R大当たりが発生したことの報知を行うための処理を実行する。
ステップS3015の処理を実行した後、又はステップS3013の判定処理で否定判定した場合には、本入賞処理を終了する。また、ステップS3004の判定処理で否定判定した場合及びステップS3008,S3012で肯定判定した場合も本入賞処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
図51は、本実施の形態における主制御装置81のMPU112にて実行される遊技状態移行処理を示すフローチャートである。
本実施の形態の遊技状態移行処理では、ステップS3101〜ステップS3103にて、上記各実施の形態における遊技状態移行処理(図23)のステップS901〜ステップS903と同様の処理を実行する。
ステップS3103の開閉実行モードの開始処理(オープニング用待機時間を設定する処理)を実行した後は、ステップS3104にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに16Rフラグが格納されているか否かを判定する。
16Rフラグが格納されている場合は、ステップS3105にて、RAM114の第1ラウンドカウンタRC1に「15」、第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットし、続くステップS3106にて、RAM114の16Rフラグをクリアする。一方、16Rフラグが格納されていない場合には、ステップS3107にて、RAM114の各種フラグ格納エリア114eに8Rフラグが格納されているか否かを判定する。8Rフラグが格納されている場合には、ステップS3108にて、RAM114の第1ラウンドカウンタRC1に「7」、第2ラウンドカウンタRC2に「19」をセットし、続くステップS3109にて、RAM114の8Rフラグをクリアする。なお、ステップS3107の判定処理にて否定判定した場合には遊技状態移行処理を終了する。
以後、ステップS3110〜ステップS3117にて、上記各実施の形態における遊技状態移行処理(図23)のステップS908〜ステップS915と同様の処理を実行する。
次に、役物装置600に遊技球が入賞した場合の遊技の流れについて、図52を参照しながら説明する。
役物装置600に遊技球が入賞すると、当該遊技球は、遊技球通路178(図6)を通じて球振分け部185上に到達し、球振分け部185により左側誘導通路183a及び右側誘導通路183bのいずれかに振り分けられる。そして、いずれかの誘導通路183a,183bを転がることで導出部186に誘導される。
導出部186に誘導された遊技球は、当該導出部186の傾斜に沿って回転体201に導出される。図52(a)に示すように、回転体201に導出された遊技球がV入賞口案内部204に入ると、当該遊技球(図中のP)は、回転体201の回転に伴ってV入賞口182aへと案内される。
V入賞口182aに案内された遊技球はV入賞通路610を流下し、V入賞センサ192により検出される。当該検出結果が主制御装置81にて把握されることで、開閉実行モードへの移行が発生する。また、主制御装置81から演出制御装置82にV入賞コマンドが送信されることに伴い、演出制御装置82では、V入賞が発生したことの報知(開閉実行モードに移行することへの報知)を行うための処理を実行する。例えば、図52(a)に示すように、図柄表示装置51の表示画面Gにて「大当たり!」と表示する。
なお、V入賞通路610を流下する遊技球は、V入賞センサ192に先立ち16Rセンサ611によっても検出されるが、主制御装置81は、V入賞センサ192の通過を検知済みであることを条件に16Rセンサ611の検出結果を把握するため(図50のステップS3003〜ステップS3008)、この時点の16Rセンサ611の検出結果は主制御装置81にて把握されない。
上記の際、振分部材621は、図52(a)に示すように、振分状態に制御されている。このため、V入賞通路610を流下する遊技球は、振分部材621によって分岐誘導通路620に誘導される。分岐誘導通路620に誘導された遊技球は、上昇装置215に入り、上昇装置215内を上昇する。上昇装置215内を上昇した遊技球は、出口用案内部238を介して球振分け部185の上方に戻される。ちなみに、振分部材621は、V入賞センサ192の通過が検知されてから待機期間(1.5sec)が経過した後に、振分状態から非振分状態に切り換えられる。
演出制御装置82では、V入賞が発生したことの報知を所定期間(例えば、1sec)に亘って継続した後に、ラウンド決定遊技(開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数を決定するための遊技)に移行することの報知を行うための処理を実行する。例えば、図52(b)に示すように、図柄表示装置51の表示画面Gにて「ラウンドチャレンジ!Vに入ったら16R!」等のテロップ表示を行う。
球振分け部185の上方に戻された遊技球は、左右のいずれかに振り分けられ、各誘導通路183a,183bを流下する。各誘導通路183a,183bを流下した遊技球は、導出部186を経て再び回転体201に導出される。
本実施の形態においても、上記第3の実施の形態と同様に、戻された遊技球が第1の戻り通路(左側誘導通路183aを通過するルート)及び第2の戻り通路(右側誘導通路183bを通過するルート)の一方を通る場合にV入賞口案内部204に振り分けられやすくなり、他方を通る場合に外れ口案内部203に振り分けられやすくするとよい。
図52(c)に示すように、回転体201に導出された遊技球がV入賞口案内部204に入った場合には、当該遊技球(図中のP)は、回転体201の回転に伴いV入賞口182aに案内され、V入賞通路610を流下する。V入賞通路610を流下する遊技球は、16Rセンサ611により検出される。この時点での検出結果は、V入賞センサ192の通過を検知済みの状態でのものであるため、当該検出結果が主制御装置81にて把握され、16大当たりが決定する。また、主制御装置81から演出制御装置82に16Rコマンドが送信されることに伴い、演出制御装置82では、16大当たりが発生したことの報知を行うための処理を実行する。例えば、図柄表示装置51の表示画面Gにて「16R大当たり!!」と表示する。
16Rセンサ611を通過した遊技球は、振分部材621が非振分状態であることに伴い、分岐誘導通路620には誘導されず、そのまま役物装置600外に排出される。
一方、図52(d)に示すように、回転体201に導出された遊技球が外れ口案内部203に入った場合には、当該遊技球(図中のP)は、回転体201の回転に伴い外れ口182bに案内され、外れ用通路630を流下する。外れ用通路630を流下する遊技球は、8Rセンサ631により検出され、8R大当たりが決定する。また、主制御装置81から演出制御装置82に8Rコマンドが送信されることに伴い、演出制御装置82では、8大当たりが発生したことの報知を行うための処理を実行する。例えば、図柄表示装置51の表示画面Gにて「8R大当たり」と表示する。
なお、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様、役物装置600内に遊技球が存在する間は、開閉役物168が開放状態とされることはなく、新たな遊技球の入賞が制限される。
また、本実施の形態に上記第1の実施の形態を適用し、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合に、遊技球を上昇装置215に導く構成としてもよい。具体的には、図49に示す構成において、誘導通路183の手前側中央に落下通路210(図8参照)を設けるとともに、当該落下通路210を開閉する落下用開閉部材211(図8参照)を設ける。その上で、排出通路形成部材191に後方誘導通路213(図9参照)を形成し、落下通路210からの遊技球を上昇装置215に導く構成とする。
かかる構成の下、異常検知に基づく遊技停止状態に移行していない場合には、落下用開閉部材211により落下通路210を閉鎖する。これにより、上述のV入賞口182aを通過した遊技球が上昇装置215に導かれる遊技を実行可能とする。
一方、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合には、落下用開閉部材211により落下通路210を開放する。これにより、誘導通路183を流れる遊技球を落下通路210に誘導して上昇装置215へ導き、V入賞口182aへの遊技球の流れを制限する。この状態を遊技停止状態(異常検知状態)が解除されるまで維持し、遊技球を役物装置600内でループさせる。
この場合、異常検知に基づく遊技停止状態に移行していない状態と、異常検知に基づく遊技停止状態に移行したとで、遊技球の上昇装置215への誘導しやすさが異なっている。すなわち、前者の場合は、導出部186の後方にV入賞口案内部204が位置する期間(1s)にて遊技球が上昇装置215に誘導される一方、後者の場合は、遊技停止状態が解除されるまで遊技球が上昇装置215に誘導され続ける。つまり、前者が後者よりも遊技球を上昇装置215に誘導しにくくなっている。これにより、共通の上昇装置215を用いながらも、異常要因の発生が検知されていない状況下での興趣向上と、異常要因の発生が検知された場合の救済と、を好適に両立させることが可能になる。
さらに、第1の実施形態に代えて、上記第1の実施の形態の変形例や上記第2の実施の形態を本実施の形態に適用してもよいし、それらを適宜組み合わせたものを本実施の形態に適用してもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
遊技球がV入賞口182aを通過した場合に開閉実行モードの実行を決定するとともに、V入賞口182aを通過した遊技球を上昇装置215により揚送して回転体510の上流に戻し、再びV入賞口182aを通過するか否かによってラウンド遊技の回数を決定するように構成した。これにより、遊技球が再びV入賞口182aを通過できるかを楽しむ斬新な遊技性を付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
上昇装置215により遊技球を揚送し、揚送された遊技球が回転体201に流下するように構成した。この場合、遊技球が回転体201に至るまでの過程で、遊技球が上昇するという通常の動きとは異なる特殊な動きを付与することができる。これにより、遊技球の動き自体の面白みを高めながら、遊技球の動きを多様化することが可能になる。
回転体201への到達期間が異なる誘導通路183a,183bを設け、上昇装置215により揚送された遊技球を各誘導通路183a,183bに振り分けるように構成した。戻された遊技球が左右いずれの誘導通路183a,183bを流下するかにより、回転体201への遊技球の到達タイミングを相違させることができ、ラウンド決定用の振分抽選における振分結果をランダム化することが可能になる。
V入賞口案内部204に遊技球が入った場合に、当該遊技球を同一の回転体201に戻すように構成した。これにより、開閉実行モードへの移行が発生するか否かの振分抽選を行う振分手段を活用して、ラウンド遊技の回数を決定する振分抽選を行うことができる。この場合、個別の回転体を設けた場合に比べて回転体の占有スペースを節約化し得るとともに、部品点数を低減することが可能になる。
<第5の実施の形態の変形例>
上記第5の実施の形態では、遊技球がV入賞口182aを通過する回数によってラウンド遊技の回数を異ならせたが、本変形例では、ラウンド遊技の回数によって遊技球がV入賞口182aを通過する回数を異ならせる。
具体的には、16Rセンサ611及び8Rセンサ631を備えず、作動口38,39への入賞時に大当たり種別カウンタC2を取得し、その大当たり種別カウンタC2とROM113の種別テーブル(図13(b))とを用いてラウンド遊技の回数を決定する。その上で、遊技球がV入賞口182aを通過した場合には、当該遊技球を上記振分部材621及び分岐誘導通路620を通じて上昇装置215に誘導し、回転体201の上流に戻す。
16R大当たりを判定している場合には、戻された遊技球がV入賞口案内部204に入るように回転体510の回転位置を制御し、8R大当たりを判定している場合には、当該遊技球が外れ口案内部203に入るように制御する。
この際、遊技球が各誘導通路183a,183bの途中位置(好ましくは各誘導通路183a,183bの後半部)に至るまでは、回転体201の回転方向や回転速度等を通常時とは異なるものとし、遊技球がどちらの案内部に入るのかを予測しにくくするとよい。例えば、V入賞口案内部204と外れ口案内部203とが交互に導出部186の後方に到来するように、回転体201の回転方向を繰り返し反転させたり、回転体201の回転速度を高速化したりすることで、遊技者の期待感を煽りつつ演出効果を高めることが可能になる。
本変形例によっても、遊技者の目線では、V入賞口182aを2回通過した場合(V入賞口案内部204に2回入った場合)と、そうでない場合とで、異なる特典(16R大当たり、8R大当たり)が付与されるため、上記第5の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本変形例においては、右側誘導通路183bの突条206を備えない構成とし、遊技球が各誘導通路183a,183bのいずれを通過しても、回転体201(導出部186)に到達するまでの期間が等しくなる構成とすることが好ましい。この場合、戻された遊技球が各誘導通路183a,183bのいずれを通過するかにかかわらず、回転体201の回転制御を共通化できるため、制御処理の負荷を軽減できる。
また、本変形例において、ラウンド遊技の判定結果に基づいて、V入賞口182aを通過した遊技球が回転体201に到達するまでの戻り期間を制御する構成としてもよい。例えば、上記判定結果に基づいて上昇装置用駆動部223(図10参照)の回転速度を制御することで、上昇装置215における遊技球の上昇速度を制御する構成とするとよい。この場合、回転体201を一定速度で回転させてもよいし、回転体201の回転制御(振分制御)と戻り期間の制御とを併用してもよい。
さらに、本変形例においても、上記第1の実施の形態やその変形例、上記第2の実施の形態を本実施の形態に適用してもよいし、それらを適宜組み合わせたものを本実施の形態に適用してもよい。また、本変形例を上記第5の実施の形態と併用してもよい。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、「振分手段」として回転体201,510を設けたが、遊技球をV入賞口182aと他の通過部(外れ口182b又は再挑戦口520)とに振り分ける構成は任意であり、例えば、振分羽根が揺動するものなど他の構成を用いてもよい。また、動的な振分構造に限定されるものではなく、振分通路やクルーン等の静的な振分構造でもよい。
(2)上記各実施の形態では、「案内手段」又は「戻し手段」としてスクリューコンベアからなる上昇装置215を設けたが、バケットコンベア等の他のコンベア装置を用いてもよい。また、ピストン機構によって遊技球を上方に持ち上げる構成や、遊技球を磁石により吸着して上方に搬送する構成等としてもよく、遊技球を上昇させ得るものであればその構成は任意である。
(3)上記各実施の形態では、上昇装置215を遊技停止中も含めて常時駆動させるが、次のように構成してもよい。
上記第1及び第2の実施の形態では、上昇装置215を異常検知に基づく遊技停止中のみ駆動させてもよい。この場合、当該期間の全てで駆動を継続する必要はなく、一部で駆動させてもよい。例えば、上昇装置215への遊技球の到達や上昇装置215に遊技球を誘導する通路で遊技球の通過を検出し、その検出結果に基づき上昇装置215を駆動させるとよい。但し、上昇装置215は目立ちやすく、その駆動によって演出効果が見込めるため、遊技停止中に限らず、遊技停止期間外の少なくとも一部においても駆動させることが好ましい。
上記第3〜第5の実施の形態では、役物装置400,500,600内に遊技球が入賞してから排出されるまで(役物装置内の残球数が0になるまで)の期間のみ駆動させてもよいし、受入用センサ430a,430b、再挑戦用センサ523、V入賞センサ192により遊技球の通過が検出された場合に所定期間に亘って駆動させてもよい。但し、上記のように、演出効果を高めるとの観点から、上記期間以外の少なくとも一部においても駆動させることが好ましい。
(4)上記各実施の形態では、上昇装置215を回転体201,510の後方に配置するが、回転体201,510の側方や前方に配置してもよい。但し、側方に配置すると、役物装置150,300,400,500,600の横幅寸法が大きくなりやすく、役物装置外における遊技球の流下領域を狭めることに繋がる。この点を踏まえると、前後方向の空間を活用する前方又は後方に配置することが好ましい。但し、前方に配置すると、遊技者の関心が最も高い回転体201,510の視認性が妨げられるため、上記各実施の形態のように後方に配置することが好ましい。この場合、必ずしも真後ろである必要はなく、斜め後方であってもよい。
(5)上記各実施の形態では、上昇装置215を役物装置150,300,400,500,600内に配置するが、役物装置外の遊技領域に配置してもよい。この場合、役物装置150等と上昇装置215との間に往路及び復路を設けるとよい。かかる構成によれば、役物装置150等の構成が簡略化し、当該装置内のレイアウト設計が容易化する。この構成において、上昇装置215は遊技盤24の後方に配置してもよい。この場合、遊技盤24又は遊技盤24における上昇装置215の前方部分を透明化(透光化)し、上昇装置215を視認可能とするとよい。上記往路及び復路についても同様である。
(6)上記各実施の形態では、単一の上昇装置215により遊技球を上昇させるが、複数の上昇装置を用いて多段的に上昇させてもよい。この場合、前段の上昇装置から排出された遊技球を側方に移動させて後段の上昇装置に誘導してもよいし、当該排出された遊技球を下方に流下させて後段の上昇装置に誘導してもよい。これにより、複雑な動きを遊技球に与えることができ、遊技球の動き自体の面白みを高めることが可能になる。
(7)上記各実施の形態では、上昇装置215内を遊技球が上昇する過程の少なくとも一部で遊技球を視認可能としたが、上昇装置215内を上昇する遊技球を遊技機前方から視認不能な構成としてもよい。
(8)上記各実施の形態において、役物装置150は開閉役物168を備えるが、開閉役物168を備えずに入球可能な構成としてもよい。
(9)上記各実施の形態では、「特定通過部」としてV入賞口182a又はV入賞センサ192を備えたが、作動口38,39、スルーゲート41又は一般入賞口35や、それらにおける遊技球の通過を検出するセンサを「特定通過部」として備えてもよい。この場合、「特定通過部」としての作動口38、39等は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と入球不可能又は入球困難な閉状態とに変位することが可能な可変入球装置内に設けられてもよいし、遊技領域上に設けられてもよい。また、V入賞口182aを役物装置150,300,400,500,600外に備えてもよい。
(10)上記各実施の形態において、球振分け部185を設けない構成とし、誘導通路183を左右のいずれかのみの通路としてもよい。この場合、役物装置150,300,400,500,600内の構成を簡略化できるが、戻された遊技球が回転体201,510に到達するまでの期間が固定化されやすくなるため、上記各実施の形態のように構成する方が好ましい。
(11)上記各実施の形態では、右側誘導通路183b,401bに減速手段(突条206)を設けたが、これに代えて又は加えて各誘導通路183a,183b,401a,401bの通路長を異ならせてもよい。これによっても、上流に戻された遊技球が回転体201,510に至るまでの期間を各誘導通路で異ならせることができる。
(12)上記実施の形態では、電動役物39aによるサポートの態様が異ならないように設定したが、サポートの態様が異なるように複数種類のサポートモードを設定してもよい。詳細には、例えばサポートモードとして、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2作動口39の電動役物39aが単位期間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(又は高頻度ガイド状態)とを設定する。
低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物39aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放期間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物39aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖期間は、1回の開放期間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保期間(すなわち、役物用表示部44における1回の表示継続期間)が短く設定されている。
上記のとおり、高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2作動口39への入賞が発生する確率が高くなる。そのため、役物装置150が開放状態となる確率も高くなり、V入賞(大当たりの発生)確率も高くなる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位期間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放期間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保期間を短くする、係る確保期間の平均期間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
なお、上記各実施の形態のように、電動役物39aによるサポート状態の高低を設けない構成の場合には、電動役物39aやスルーゲート41そのものを設けない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。
(13)上記各実施の形態では、各作動口38,39への入賞に基づいて保留情報が取得され、所定数(それぞれ4つ)を上限としてそれらの保留情報が記憶される構成を前提として説明したが、保留情報が記憶されない構成としてもよい。このようにすれば、構成の簡素化を図ることができる。
(14)上記各実施の形態では、各作動口38,39への入賞に基づく保留情報の保留個数として、いずれも4個を上限として記憶される構成を例として説明したが、3個未満であってもよいし、5個以上であってもよいし、各作動口38,39への入賞に基づく保留情報の上限記憶数が相違する構成としてもよい。
(15)上記各実施の形態では、保留情報の数を保留発光部54〜56にて表示するが、図柄表示装置51の表示画面Gに表示する構成としてもよい。図柄表示装置51は役物装置150の上部に設けられる構成であるところ、遊技者は、役物装置150への入賞、その後のV入賞といったように役物装置150を中心とした遊技球の動作態様に高い関心を寄せているものと考えられ、そのような関心を寄せている箇所に近い箇所(すなわち表示画面G)において保留情報の数を表示すれば、それがおのずと視界に入ってくるものと考えられる。このようにすれば、様々な箇所を用いて別々の報知を行う構成と比較して、情報の集約化を図ることができ、遊技をわかり易くすることが可能となる。但し、上記各実施の形態では、開閉実行モードに移行した場合にはそれの種類を表示画面Gにて報知する構成としており、表示画面Gにおいて保留個数を報知する構成とすると、開閉実行モードの種類を報知する際には、その保留個数の情報の表示を消去するか、保留個数の情報を残しつつも開閉実行モードの種類を報知する構成となる。前者の場合、開閉実行モードの種類の報知が行われている際に、保留情報の数を確認しようとも、それができない、といった不都合が考えられ、また、後者の場合、演出領域が小さくなることにより開閉実行モードの種類の報知自体が地味なものとなり得る不都合が考えられる。そこで、例えば、保留発光部54〜56を有しつつも、表示画面Gでも保留情報の数を表示する構成とすれば、表示画面Gにおいて保留情報の数の表示を消去したとしても、その際は保留発光部54〜56にて確認すればよく、各種情報をタイミングに合わせて好適に表示することが可能となる。
(16)上記第1〜第4の実施の形態及び上記第5の実施の形態の変形例では、保留情報として、作動口38,39への入賞時に大当たり種別カウンタC2を取得して、当該大当たり種別カウンタC2を用いて開閉実行モードの種類(大当たり種別)を決定する構成としたが、V入賞時に開閉実行モードの種類を決定するためのカウンタを取得して、それに基づいて開閉実行モードの種類を決定する構成としてもよい。このようにすれば、V入賞が発生していないのにもかかわらず、作動口38,39への入賞時にV入賞時に使用するカウンタを取得する処理を省略することが可能となり、処理構成の簡素化を図ることができる。但し、例えば、開閉パターンを決定する際に、V入賞時の開閉実行モードの種類を反映する構成、詳細には、例えば、16R大当たりであればV入賞率を高める/低める、8R大当たりであればV入賞率を高める/低める、などの構成とする場合には、保留情報として開閉実行モードの種類を決定するための大当たり種別カウンタC2が取得される構成のほうが好ましい。また、開閉制御の実行時や、先読み報知において、その保留情報に対応する開閉制御時にV入賞した場合の開閉実行モードの種類を報知する構成(例えば、「ここで当たりなら16R大当たり!!」といった表示等)においても、保留情報として開閉実行モードの種類を決定するための大当たり種別カウンタC2が取得される構成のほうが好ましい。
(17)上記各実施の形態において、役物装置150,300,400,500,600へのV入賞が発生することに基づいて、開閉実行モードに移行し、当該開閉実行モードにおいては同役物装置への入賞が発生し易くなる構成としたが、開閉実行モードを他の入賞装置で実行する構成としてもよい。例えば、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と入球不可能又は入球困難な閉状態とに変位することが可能な可変入球装置を上記役物装置とは別に設け、役物装置へのV入賞の発生等に基づいて、当該可変入球装置を開状態とするように主制御装置81が制御する構成とする。
(18)上記各実施の形態において、役物装置150,300,400,500,600へ入賞した遊技球は、V入賞通路191a又は外れ用通路191bにより役物装置の外部へ排出され、当該排出された遊技球は図示しない排出通路を介してパチンコ機10の外部へ排出される構成としたが、役物装置の外部として遊技領域に排出される構成としてもよい。
(19)上記各実施の形態では、開閉実行モードに移行した場合に無条件に最終回(16ラウンド目又は8ラウンド目)のラウンド遊技まで開閉実行モードが継続される構成としたが、ラウンド遊技中に遊技球がV入賞口182aを通過することを条件に次のラウンド遊技に進む構成としてもよい。また、8R大当たりの開閉実行モードが実行される場合に、8ラウンド目までは無条件にラウンド遊技が継続し、16ラウンドを上限として、8ラウンド以降の各回のラウンド遊技において遊技球がV入賞口182aを通過することを条件に開閉実行モードが継続する構成としてもよい。
上記構成を第1〜第3の実施の形態に適用した場合には、ラウンド遊技中に異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合にV入賞口182aへの遊技球の流れを制限し、且つ、遊技停止状態が解除された場合に、役物装置150,300,400内の遊技球がV入賞口182aに流下可能とするとよい。
(20)上記各実施の形態は次のような構成にも適用できる。例えば、所定条件が成立したこと(例えば、いずれかの作動口38,39への入賞に基づく抽選結果が可変入球装置を開状態に移行させる開放結果であったこと)に基づいて、可変入球装置が開状態に切換制御される構成とし、その開状態中において、可変入球装置内に設けられるV入賞口182aへ遊技球を通過させることで、遊技者にとって有利な状態とする。当該有利な状態としては、当該可変入球装置又はそれとは異なる可変入球装置の単位切換制御(所謂ラウンド遊技)が行われる特別遊技状態(所謂大当たり状態)へ移行させるものであってもよい(所謂1種2種混合機)。また、上記いずれかの作動口38,39への入賞に基づく抽選が開閉実行モードへの移行を発生させるか否かに対応するものであり、その抽選処理の抽選モードとして、開閉実行モードへの移行を発生させる抽選結果となる確率が所定確率である低確率モードと、上記抽選結果が低確率モードよりも高い高確率モードと、を備える遊技機において、開閉実行モード中に可変入球装置が開状態とされた場合に遊技球がV入賞口182aを通過することで、開閉実行モード終了後の遊技状態が高確率モードに移行するものであってもよい(所謂V確変機)。
(21)上記第1及び第2の実施の形態において、上昇装置215を設けない構成とし、回転体201への遊技球の進入を規制する規制位置と、当該位置から退避して回転体201への遊技球の進入を許容する許容位置とに変位可能なストッパ部材を回転体201の入口部に設けてもよい。ストッパ部材により回転体201の手前で遊技球を停留(停止)させることにより、遊技の中断を遊技者に分かりやすくすることができる。なお、遊技球を停留させる構成を、上昇装置215により遊技球を上昇させる構成と併用してもよい。
(22)上記第1〜第3の実施の形態では、「異常検知手段」として振動検知センサ240及び磁石検知センサ241を設けたが、これらの一方を設けない構成としてもよい。また、電波検知センサを設け、電波を検知した場合に遊技停止状態に移行する構成としてもよい。これにより、電波を照射することで不正にV入賞センサ192の出力を変化させようとする行為を抑制することができる。この場合、上記3つの検知センサのうちの1つ又は2つを設けない構成としてもよい。
(23)上記第1〜第3の実施の形態では、異常検知に基づく遊技停止状態からRAM消去スイッチ98aを操作せずに電源復帰した場合に、異常検知状態及び遊技停止状態を解除するが、それらの状態を解除しない構成としてもよい。この場合、異常検知状態及び遊技停止状態を解除する解除スイッチをパチンコ機10の背面側に設ける構成とし、遊技場の係員等が当該解除スイッチを操作しながら電源復帰した場合に、主制御装置81が異常検知状態及び遊技停止状態を解除する構成とするとよい。これにより、電源スイッチ92bのみを操作して電源復帰した場合に、電源復帰後も遊技停止状態を継続することができる。
(24)上記第1〜第3の実施の形態では、電源スイッチ92bをON操作してからメイン処理が実行され、その後、通常処理が実行されることに伴い、V入賞口182a、V入賞センサ192への遊技球の流れを再開(落下通路210の開放等)する構成としたが、次のようにしてもよい。
電源スイッチ92bをON操作してから一定の待機期間の経過後にV入賞口182a等への遊技球の流れを再開する構成としてもよい。この場合、電源スイッチ92bの操作タイミングから上記流れの再開タイミングを遊技者が予測し得るようになり、再開タイミングを推定できることによる緊張感を喚起することができる。すなわち、回転体201による遊技球の振り分け先は上記流れの再開タイミングの影響を受けやすいところ、かかるタイミングを推定できることにより振り分け先の大雑把な予測が可能となる。その結果、当該予測結果と実際の振分結果とが一致するかなど、実際に流れが再開されて振分がなされるまでの間に緊張が生じ、遊技への注目度を効果的に高めることが可能になる。加えて、上記流れを再開するまでの待機期間を変化させる場合に比べ、再開のための制御処理を簡略化することができ、処理負荷の軽減を図ることができる。なお、上記メイン処理が実行され、その後、通常処理が実行されるまでの期間が一定期間であれば、敢えて専用の待機期間を設けなくてもよい。
また、互いに異なる複数の期間から1の期間を選択する機能を備え、当該機能により選択された期間を上記待機期間とする構成としてもよい。この場合、電源スイッチ92bの操作タイミングから上記流れの再開タイミングを遊技者が予測することができず、再開タイミングを推定できないことによる緊張感を喚起することができる。すなわち、回転体201による遊技球の振り分け先は上記流れの再開タイミングの影響を受けやすいところ、かかるタイミングが推定できないことにより振り分け先の予測が不可能となる。その結果、実際に流れが再開されて振分がなされるまでに緊張が生じ、遊技への注目度を効果的に高めることが可能になる。なお、上記メイン処理が実行され、その後、通常処理が実行されるまでの期間が疎らになる構成であれば、結果的に上記待機期間が不定となるため、敢えて専用の待機期間や当該待機期間を選択する専用機能を設けなくてもよい。
さらに、前扉枠14の前面等の遊技者が操作可能な位置に遊技者操作ボタンを設け、電源スイッチ92bがON操作されたことを条件に、上記遊技者操作ボタンが操作されることを以って、V入賞口182a、V入賞センサ192への遊技球の流れを再開する構成としてもよい。これにより、遊技停止状態(V入賞口182a、V入賞センサ192の遊技球の通過が無効化された状態)を解除するか否かは遊技場の係員等が行いつつも、上記流れの再開タイミングを遊技者に委ねることができる。その結果、遊技者が任意のタイミングで上記流れを再開可能となり、興趣性を向上させることが可能になる。なお、上記遊技者操作ボタンは主制御装置81と電気的に接続される構成とするとよい。
(25)上記第1〜第3の実施の形態では、残球カウンタRPCの値が1以上であることを条件にV入賞センサ192の検出結果を把握するように構成したが、役物制御中フラグがRAM114の各種フラグ格納エリア114eに格納されていることを条件にV入賞センサ192の検出結果を把握してもよい。
(26)上記第1〜第3の実施の形態では、異常検知に基づく遊技停止状態に移行した場合に、遊技球がV入賞口182aを通過しても、それを検知しない構成としたが、遊技球のV入賞口182aの通過を検知した上で、通過に基づく処理(開閉実行モードへの移行)を実行しない構成としたり、当該処理を実行すると決定した上で、その実行前又は実行中に当該処理を無効化したりする構成としてもよい。
(27)上記第1〜第3の実施の形態では、V入賞口182aへの流れが制限された遊技球を遊技領域における回転体201の上流に戻すが、V入賞口182aへの流れが制限された遊技球が回転体201に流下可能な構成であれば足り、回転体201に至るまでの経路は任意である。遊技領域外を通る経路でもよい。
(28)上記第1〜第3の実施の形態では、遊技停止状態からの遊技再開時において、役物装置150,300,400内に遊技球が存在することを条件に開閉役物168を開放状態としない構成としたが、遊技再開後に所定期間が経過するまでは開閉役物168を開放状態としない構成としてもよい。具体的には、次のように構成することができる。
異常検知されていない通常状態において、役物装置150等に遊技球が入賞してから予め定めた通常用待機期間が経過するまでは、開閉役物168を開放状態としない構成とする。通常用待機期間は、役物装置150等に遊技球が入賞してから回転体201の振分抽選が終了するまでの所要期間又はそれよりも長い期間とする。その上で、異常要因の発生が検知された場合に上記通常用待機期間の計測を中断し、遊技再開後の通常処理の実行開始に伴い残り期間の計測を再開する構成とする。この場合、残り期間内に振分抽選が終了しないおそれがあるため、異常検知時又は遊技再開時に延長期間(異常用待機期間)を追加し、その合計期間が経過するまでは開閉役物168を開放状態としない構成とするとよい。異常用待機期間は、役物装置150等内の遊技球に対する回転体201の振分抽選が終了するまでの所要期間又はそれよりも長い期間とするとよい。本構成によっても、異常検知前に発射された遊技球が役物装置150等内に残存している状況において、別の遊技球が役物装置150等内に進入することが抑制される。
(29)上記第1〜第3の実施の形態では、遊技停止状態からの遊技再開時において、役物装置150,300,400内に遊技球が存在することを条件に開閉役物168を開放状態としない構成としたが、役物装置150等内における遊技球の有無に関係なく、遊技再開時点で保留記憶が存在したり、第1作動口38又は第2作動口39に遊技球が入賞したりしたことに応じて、開閉役物168を開放状態とする構成としてもよい。これにより、遊技再開時において運良く役物装置150等に遊技球を入賞させることができた場合には、遊技球の個数を増やした状態で回転体201の振分抽選が受けられる遊技性を付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
(30)上記第2及び第3の実施の形態において、各ガイド部材403a,403bに代えて、各誘導通路401a,401bを流下する遊技球が衝突することで、当該遊技球の流下方向を変化させて受入部415に誘導する誘導部材を設けてもよい。この場合、当該誘導部材を、回転体201の入口部を塞ぐ閉位置と、当該位置から退避して入口部を開放する開位置と、に切り換え可能とするとよい。例えば、各誘導通路401a,401bの遊技球転動面から上方へ突出可能な突出部材により上記誘導部材を構成するとよい。
(31)上記第2及び第3の実施の形態では、2つのガイド部材403a,403bを設けるが、各誘導通路401a,401bを凹部182の手前側中央において合流させ、当該合流位置に単一のガイド部材を設ける構成としてもよい。この場合、受入部415においても、上記単一のガイド部材の前方に単一の受入口を設けるようにするとよい。但し、第3の実施の形態では、誘導通路を合流させると、回転体201の手前で遊技球が左右に揺動しやすくなることから、受入部415への遊技球の振分率の設計が困難化するため、上記実施の形態のように構成する方が好ましい。
(32)上記第3の実施の形態では、受入部415に誘導された遊技球を各ガイド部材403a,403bの上流(球振分け部185)に戻す構成としたが、各ガイド部材403a,403bを介さないで回転体201に直接戻す構成としてもよい。例えば、各ガイド部材403a,403bを経由しないで回転体201に至る誘導通路を設け、受入部415に誘導された遊技球を当該誘導通路に導くように構成するとよい。
(33)上記第3の実施の形態では、順傾斜期間及び逆傾斜期間を設定してタイマ制御により各ガイド部材403a,403bの傾斜状態を切り換え制御するが、回転体201の回転位置を加味して各ガイド部材403a,403bの傾斜状態を切り換え制御してもよい。例えば、回転体201の回転位置が原点位置に到達するタイミングを把握し、当該タイミングから1sec後又は3sec後に各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に切り換える制御を、回転体201の各回又は複数回転毎の回転において行うなど、定期的に行う構成とするとよい。また、回転体201の回転位置が各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に切り換えるべき位置に到達したことを検出するセンサを設け、当該センサの検出結果に基づいて各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に切り換えてもよい。
(34)上記第3の実施の形態では、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に切り換える頻度を、回転体201の1回転に対して1回とするが、1回転に対して2回以上としてもよいし、2回転以上の回転に対して1回としてもよい。前者の場合には、再挑戦遊技の実行頻度を多くして遊技者が再挑戦遊技を体験しやすくできる一方、後者の場合には、再挑戦遊技の実行頻度を少なくして再挑戦遊技が発生した場合の驚きや嬉しさを高めることができる。
(35)上記第3の実施の形態では、各ガイド部材403a,403bを一定間隔(10sec)で逆傾斜状態に切り換えるが、前後の切り換え間隔を異ならせてもよい。このようにすることで、各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態となるタイミングを遊技者が予測しにくくなる。その結果、回転体201に向かっていた遊技球が突如再挑戦のルートの方(受入部415側)に誘導されたとの印象を与えやすくなり、興趣性が向上する。
なお、前後の切り換え間隔を異ならせる場合でも、各ガイド部材403a,403bを周期的に切り換える構成とする方が好ましい。これにより、切り換え制御の処理負荷を軽減することができる。
(36)上記第3の実施の形態では、各ガイド部材403a,403bの傾斜状態の切り換えを回転体201の回転(振分手段の動作)に同期させるが、非同期であってもよい。但し、V入賞口案内部204に振り分けられやすいタイミングで回転体201に向かっている遊技球を受入部415側に誘導するケースが生じ得るため、上記第3の実施の形態のように構成する方が好ましい。
(37)上記第3の実施の形態では、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態とする際の傾斜角度を固定化しているが、複数の傾斜角度に制御可能に構成してもよい。このようにすることで、各ガイド部材403a,403b上の遊技球の受入部415への誘導されやすさを調整することができる。例えば、通常遊技中に各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態とする場合には、遊技停止状態の場合よりも傾斜角度を緩やかなものとしてもよい。また、通常遊技中に各ガイド部材403a,403bを逆傾斜とする場合において、複数の傾斜角度に制御可能に構成し、遊技球が受入部415に誘導されやすい状態と、それよりも誘導されにくい状態とを生じさせるようにしてもよい。なお、上記構成では、各ガイド用駆動部410a,410bをステッピングモータにより構成し、当該モータの回転量を制御することで傾斜角度を制御するとよい。
(38)上記第3の実施の形態において、受入用センサ430a,430bを遊技球が通過する回数を計数し、当該計数した回数が予め定めたループ回数の上限回数(例えば1回)を超えた場合は各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態に切り換えない(遊技球を上昇装置215に誘導しない)構成としてもよい。これにより、制御処理によってループ回数を制限することができる。この場合、受入用センサ430a,430bを主制御装置81と電気的に接続し、主制御装置81にて通過回数を計数する構成とするとよい。上限回数は、役物装置400への入賞後、役物装置400内の残球数が0になるまでの期間、又は、役物装置400の役物制御中期間におけるループ回数の上限とするとよい。
(39)上記第3及び第4の実施の形態では、役物装置400,500内に遊技球が存在することを条件に開閉役物168を開放状態としない構成としたが、遊技球のループ開始に伴って所定の待機期間を設定し、当該待機期間中は開閉役物168を開放状態としない構成としてもよい。具体的には、次のように構成することができる。
遊技球が受入部415に誘導されていない又は再挑戦口520を通過していない非ループ状態において、役物装置400,500に遊技球が入賞してから予め定めた通常用待機期間が経過するまでは、開閉役物168を開放状態としない構成とする。通常用待機期間は、役物装置400等に遊技球が入賞してから回転体201,510の振分抽選が終了するまでの所要期間又はそれよりも長い期間とする。その上で、受入用センサ430a,430b、再挑戦用センサ523により遊技球を検出した場合に、残り期間に対して延長期間(再挑戦用待機期間)を追加し、合計期間が経過するまでは開閉役物168を開放状態としない構成とする。再挑戦用待機期間は、役物装置400等内の遊技球に対する回転体201等の振分抽選が終了するまでの所要期間又はそれよりも長い期間とするとよい。
(40)上記第3及び第4の実施の形態では、役物装置400,500内に遊技球が存在することを条件に開閉役物168を開放状態としない構成としたが、役物装置400,500内における遊技球の有無に関係なく、第1作動口38又は第2作動口39への入賞が発生したことに応じて、開閉役物168を開放状態とする構成としてもよい。これにより、ループ中に運良く役物装置400等に遊技球を入賞させることができた場合には、遊技球の個数を増やした状態で回転体201,510の振分抽選が受けられる遊技性を付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
(41)上記第4の実施の形態において、後方誘導通路524から分岐して外れ用通路191bに繋がる分岐通路を設けるとともに、当該分岐通路と後方誘導通路524との分岐点に振分部材を設ける構成とした上で、再挑戦用センサ523を遊技球が通過する回数を計数し、当該計数した回数が予め定めたループ回数の上限回数(例えば1回)を超えた場合は、遊技球を上昇装置215に誘導しないように上記振分部材の振分態様を制御する構成としてもよい。これにより、制御処理によってループ回数を制限することができる。この場合、再挑戦用センサ523を主制御装置81と電気的に接続し、主制御装置81にて通過回数を計数する構成とするとよい。また、上限回数は、役物装置500への入賞後、役物装置500内の残球数が0になるまでの期間、又は、役物装置500の役物制御中期間におけるループ回数の上限とするとよい。
(42)上記第5の実施の形態では、V入賞の割合と16大当たりの割合とがいずれも1/10となるように構成したが、それらの割合を異ならせてもよく、具体的には、後者の割合が前者の割合よりも高くなる構成としてもよい。この場合、複数の外れ口案内部203に対して各別に外れ口182b及び遊技球センサを設け、2回目の回転体201の振り分けにおいて、遊技球がV入賞口案内部204に入った場合の他、特定の外れ口案内部に入った場合にも16R大当たりが実行される構成とするとよい。これにより、V入賞及び16R大当たりの発生確率を独立して設定することができる。この場合、戻された遊技球の回転体201への到達前に、外れ口案内部203のうちのどの案内部が特定の外れ口案内部であるのかを報知する構成とするとよい。
さらに、2回目の回転体201の振り分けにおいて、遊技球がV入賞口案内部204に入った場合と、特定の外れ口案内部に入った場合と、それ以外の外れ口案内部に入った場合とで、異なる特典を付与可能な構成としてもよい。例えば、遊技球がV入賞口案内部204に入った場合には16R大当たりが実行され、特定の外れ口案内部に入った場合には12R大当たりが実行され、それ以外の外れ口案内部に入った場合には8R大当たりが実行される構成とするとよい。
これらの構成において、作動口38,39への入賞時又はV入賞時に抽選用のカウンタ値を取得して、当該カウンタ値を用いた抽選結果に基づき、外れ口案内部203のうちのどの案内部を特定の外れ口案内部とするか(特定の外れ口案内部の割合)を決定する構成としてもよい。これにより、16R大当たり又は12R大当たりの割合を可変化することができる。この場合も、戻された遊技球の回転体201への到達前に、外れ口案内部203のうちのどの案内部が特定の外れ口案内部であるのかを報知する構成とするとよい。
(43)上記第5の実施の形態では、ループ回数を1回に制限したが、2回以上のループが可能な構成としてもよい。この場合、通過回数が多くなるほど有利な特典が得られる構成とすることが好ましく、例えば、V入賞口182aを2回通過した場合には12R大当たりが実行され、V入賞口182aを3回通過した場合には16R大当たりが実行される構成とするとよい。
(44)上記第5の実施の形態において、電動役物39aのサポートモードとして高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを備えるものとし、2回目の回転体201の振り分けにて、遊技球がV入賞口182aを通過した場合に、開閉実行モード終了後の遊技状態が高頻度サポートモードに移行する構成としてもよい。
また、作動口38,39への入賞時又はV入賞時に上記各サポートモードのいずれに移行するかを判定するための抽選用カウンタ値を取得し、当該抽選用カウンタ値に基づいて高頻度サポートモードに移行すると判定した場合に、遊技球がV入賞口案内部204に入るように回転体201の回転態様を制御してもよい。
要は、回転体201の上流に戻された遊技球がV入賞口182aを通過する場合と、そうでない場合とで、異なる特典が付与され得るものであればよく、例えば、遊技球がV入賞口182aを再通過した場合に特殊な演出映像が表示される等の特定演出が行われる構成であってもよい。
(45)上記第5の実施の形態において、V入賞センサ192の通過前は、16Rセンサ611及び8Rセンサ631を非アクティブ化(動作電力の供給を停止)し、V入賞センサ192の通過後に各Rセンサ611,631をアクティブ化(動作電力を供給)する構成としてもよい。
(46)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴群は、「パチンコ機等の遊技機として、遊技領域又は遊技領域に設けられた役物装置内や可変入球装置内に、遊技球が通過可能な所定の通過部が設けられ、所定の通過部を遊技球が通過することで特典を付与するものが知られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術について、「ここで、興趣向上を図る上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a、V入賞センサ192)と、
遊技球が前記特定通過部を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記特定通過部への遊技球の流れを制限する第1態様と、当該第1態様よりも前記特定通過部への遊技球の流れを制限しにくい又は制限しない第2態様とに切り換わり可能な制限手段(落下用開閉部材211、V側振分部材312、左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403b)と、
前記制限手段を前記第1態様と前記第2態様とに切り換える切換手段(主制御装置81による落下用開閉部材211等の態様を切り換える機能)と、
を備え、
前記切換手段は、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に前記制限手段を前記第1態様とする手段と、
前記第1態様とされた前記制限手段を所定の条件により前記第2態様とする手段と、
を備え、
前記第1態様において前記特定通過部への流れが制限された遊技球が、前記制限手段が前記第2態様とされることに伴い、前記特定通過部を通過可能とする手段(落下通路210、後方誘導通路213、上昇装置215及び誘導通路183により遊技球を回転体201に戻す機能、V側誘導通路311、外れ側誘導通路316、上昇装置215及び誘導通路183により遊技球を回転体201に戻す機能、受入部415、後方誘導通路426、上昇装置215及び誘導通路401により遊技球を回転体201に戻す機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合に、制限手段が第1態様とされて特定通過部への遊技球の流れが制限される。これにより、異常要因が発生した場合に、それが検知されている状況において遊技球が特定通過部を通過することが阻止される。
第1態様の下で制限手段により特定通過部への流れを制限された遊技球は、制限手段が第2態様とされることに伴い、特定通過部を通過可能となり得る。このため、異常要因の発生の検知前に発射された遊技球が特定通過部を通過する可能性が生じ、遊技者は、検知後に再開される遊技において特典の付与を期待し得るようになる。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に遊技者を救済することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴A2.前記制限手段により前記特定通過部への流れが制限された遊技球を前記制限手段の上流に案内可能な案内手段(落下通路210、後方誘導通路213、上昇装置215及び誘導通路183により遊技球を落下用開閉部材211の上流に案内する機能、V側誘導通路311、外れ側誘導通路316、上昇装置215及び誘導通路183により遊技球をV側振分部材312、外れ側振分部材317の上流に案内する機能、受入部415、後方誘導通路426、上昇装置215及び誘導通路401により遊技球を左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403bの上流に案内する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段により特定通過部への遊技球の流れが制限された場合に、制限手段の上流に戻る動きを遊技球に与えることができる。これにより、遊技球の動きに面白みを与えて遊技球を用いた遊技演出のように見せながら、制限手段が第2態様とされることに応じて遊技球が特定通過部を通過可能となる構成を好適に実現することができる。
特徴A3.遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定領域(役物装置150,300,400、可変入球装置)を備え、
前記特定通過部は、前記特定領域内に配置されており、
前記制限手段は、前記第1態様とされた場合に、前記特定領域に入球した遊技球の前記特定通過部への流れを制限するように構成されており、
前記案内手段は、前記制限手段により前記特定通過部への流れが制限された遊技球を前記特定領域内における前記制限手段の上流に案内可能であることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
上記構成では、特定領域に入球した遊技球が特定通過部を通過可能になるところ、制限手段は、特定領域に入球した遊技球の特定通過部への流れを制限する。これにより、特定領域に入球した遊技球が救済の対象となり、過度な救済が抑制される。
また、案内手段は、特定通過部への流れが制限された遊技球を特定領域内における制限手段の上流に案内するため、遊技球が特定領域内に戻される。これにより、制限手段が第2態様とされた場合に、特定領域への入球を条件とすることなく遊技球が特定通過部を通過可能となり、悪意のない遊技者を好適に救済することが可能になる。
特徴A4.前記特定通過部を含む複数の通過部(V入賞口182a、外れ口182b、V入賞センサ192、外れ用センサ193)と、
それら複数の通過部のいずれかに遊技球を振り分け可能な振分手段(回転体201)と、
を備え、
前記案内手段は、前記制限手段により前記特定通過部への流れが制限された遊技球を前記振分手段の上流に案内可能であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定通過部への流れを制限された遊技球は、案内手段を通じて振分手段に導かれ、振分手段の振り分けに供される。このため、制限手段が第2態様とされた場合に遊技球が常に特定通過部へ向かうものとはならず、遊技球の行方にランダム性を付与することができる。これにより、意図的に異常要因を発生させる行為を抑制しつつ、悪意のない遊技球に対しては振分抽選を楽しむ機会を確保することが可能になる。
特徴A5.前記制限手段は前記振分手段の直前に配置されており、
前記案内手段は、前記制限手段による遊技球の制限位置よりも上流に遊技球を案内可能であることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段が第1態様とされた場合、遊技球が振分手段に至る前に案内手段を通じて上流側に戻される。このため、振分手段への進入後に特定通過部に振り分けられた遊技球が再び振分手段に戻されて他の通過部に振り分けられるという不都合を回避することができる。さらに、振分手段の直前に制限手段を配置するため、振分手段に至る前の遊技球を幅広く救済の対象とすることができる。
なお、制限手段の配置位置として「振分手段の直前」を「遊技球の流れにおける振分手段の直前」と言い換えてもよい。また、本特徴における「振分手段」を「前記特定通過部を含む複数の通過部のいずれかに遊技球を振り分け可能な振分手段」と言い換えてもよい。
特徴A6.前記制限手段(V側振分部材312)は、前記特定通過部(V入賞センサ192)の直前に配置されており、
前記案内手段は、前記特定通過部の直前にて前記制限手段により当該特定通過部への流れが制限された遊技球を、前記振分手段の上流に案内可能であることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定通過部に至る前の遊技球を幅広く救済することができ、遊技球が振分手段に進入した状態で異常要因の発生が検知された場合も救済の対象とすることが可能になる。
なお、制限手段の配置位置として「特定通過部の直前」を「遊技球の流れにおける特定通過部の直前」と言い換えてもよい。
特徴A7.前記振分手段は、遊技球を振り分ける態様として、特定態様と、当該特定態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けにくい非特定態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能となっており、
遊技球を前記振分手段に誘導可能な複数の誘導手段(左側誘導通路183a,401a、右側誘導通路183b,401b)を備え、
複数の前記誘導手段は、各前記誘導手段によって誘導される遊技球が前記振分手段に到達するまでの期間が異なるように構成されており、
前記制限手段によって前記特定通過部への流れが制限された遊技球を複数の前記誘導手段のいずれかによって前記振分手段に誘導可能に構成されていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段を動的手段により構成することで興趣性を向上させることができ、さらに、予め定められたタイミングで作動させることで処理負荷の軽減を図ることができる。
加えて、上記構成では、振分手段に到達するまでの期間が異なる複数の誘導手段を設け、案内手段によって案内される遊技球を複数の誘導手段のいずれかによって振分手段に誘導可能に構成されている。上記遊技球がどの誘導手段により振分手段に誘導されるかにより当該遊技球の振分手段への到達タイミングを相違させることができ、振分手段の振分結果をランダム化することが可能になる。
特徴A8.前記特定通過部は遊技領域に設けられており、
前記案内手段は、前記制限手段により前記特定通過部への流れが制限された遊技球を前記遊技領域における前記制限手段の上流に案内可能であることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、特定通過部が遊技領域に設けられ、案内手段は、特定通過部への流れが制限された遊技球を遊技領域における制限手段の上流に案内する。これにより、制限手段が第2態様とされることに伴い、遊技球が遊技領域を通って特定通過部を通過可能となる。一般に、遊技領域は遊技者からの視認性が高められているところ、本構成によれば、案内手段により案内された遊技球が特定通過部を通過するまでの過程を遊技者が視認しやすくなり、興趣性が向上する。
特徴A9.前記案内手段により遊技球が案内される過程の少なくとも一部で、当該遊技球が視認可能であることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、制限手段の上流に戻る遊技球の流れを遊技者が目視によって確認可能となる。これにより、演出効果を高めることができるとともに、特定通過部側への流れが制限された遊技球が排出されたと勘違いしたり、遊技者が遊技球を見失って混乱したりすることが抑制される。
特徴A10.前記制限手段は、前記第1態様において前記特定通過部への流れを制限された遊技球を前記特定通過部の上流で停留可能に構成されていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成においては、特定通過部への遊技球の流れが制限された場合に、特定通過部に遊技球を通過させる遊技が中断されるところ、遊技球が特定通過部の上流に停留する(止まっている)ことで、遊技の中断を遊技者に分かりやすくすることができる。
特徴A11.遊技球が前記特定通過部を通過したことに基づいて処理(開閉実行モード)を実行可能な第1状態(非遊技停止状態)と、遊技球が前記特定通過部を通過した場合であっても、前記通過を検知しない、前記通過に基づく前記処理を実行しない、又は前記処理を無効化する第2状態(遊技停止状態)と、を有しており、
異常要因の発生が検知された場合に、前記第1状態から前記第2状態への移行を実行可能な第1移行手段(主制御装置81による遊技停止状態に移行する機能)と、
操作可能な操作手段(電源スイッチ92b、RAM消去スイッチ98a、解除スイッチ)と、
前記操作手段の操作態様に応じて前記第2状態から前記第1状態への移行を実行可能な第2移行手段(主制御装置81による、RAM114のデータをクリアせずに遊技停止状態を解除する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常要因の発生が検知された場合に遊技機の状態が第1状態から第2状態に移行されるため、振動や磁気等により遊技球を特定通過部に導いて不正に特典を得ようとする行為を抑制することができる。
加えて、操作手段の操作態様に応じて第2状態から第1状態への移行を実行可能な構成としたため、例えば、遊技場の係員等により不正行為が確認された場合には、第1状態に移行するための操作態様とは異なる操作態様で操作手段を操作するか、或いは操作手段を操作しないなどすれば、第2状態を維持することができる。すなわち、状況に応じて第2状態を維持するか、第1状態に復帰させるかを選択可能となり、悪意のない遊技者を救済しつつ、不正行為により遊技場が損害を被ることを抑制することが可能になる。
特徴A12.遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a、V入賞センサ192)と、
遊技球が前記特定通過部を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記特定通過部側への遊技球の流れを制限する第1態様と、当該第1態様よりも前記特定通過部側への遊技球の流れを制限しにくい又は制限しない第2態様とに切り換わり可能な制限手段(落下用開閉部材211、V側振分部材312、左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403b)と、
前記制限手段を前記第1態様と前記第2態様とに切り換える切換手段(主制御装置81による落下用開閉部材211等の態様を切り換える機能)と、
を備え、
前記切換手段は、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に前記制限手段を前記第1態様とする手段と、
前記第1態様とされた前記制限手段を所定の条件により前記第2態様とする手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合に、制限手段が第1態様とされて特定通過部側への遊技球の流れが制限される。これにより、異常要因が発生した場合に、それが検知されている状況において遊技球が特定通過部を通過することが阻止される。第1態様の下で制限手段により特定通過部への流れを制限された遊技球は、制限手段が第2態様とされることに伴い、特定通過部に向けて移動可能となり得る。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に遊技者を好適に救済することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な複数の通過部(V入賞口182a、V入賞センサ192、外れ口182b、外れ用センサ193)と、
前記複数の通過部のうち特定通過部(V入賞口182a、V入賞センサ192)を遊技球が通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に、前記複数の通過部より上流側となる所定領域にある遊技球を排出することなく滞留させる滞留手段(回転体201、又はV入賞センサ192及び外れ用センサ193の上流側にある遊技球を役物装置150,300,400外に排出することなく役物装置150,300,400内で滞留させる機能)と、
前記滞留手段により遊技球を滞留させた後に当該滞留を解除する解除手段(落下用開閉部材211により落下通路210を閉鎖する機能、V側振分部材312と外れ側振分部材317を振分状態から非振分状態に切り換える機能、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態から順傾斜状態に切り換える機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合、複数の通過部より上流側の所定領域にある遊技球は排出されることなく滞留する。これにより、異常要因の発生が検知された場合に遊技球が特定通過部を通過することが阻止される。そして、解除手段により遊技球の滞留状態が解除された場合に、当該遊技球が複数の通過部を通過可能となり得る。このため、異常要因の発生の検知前に発射された遊技球が特定通過部を通過する可能性が生じ、遊技者は、滞留解除後の遊技において特典の付与を期待し得るようになる。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に遊技者を救済することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴B2.前記滞留手段により遊技球を滞留させる場合に、当該遊技球とは別の遊技球が前記所定領域に進入することを制限可能な制限手段(役物装置150,300,400内に遊技球が存在する場合や所定の待機期間中である場合に、作動口38,39への入賞が発生しても開閉役物168を開放状態としない機能)を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記B1の構成では、異常要因の発生が検知されると、所定領域にある遊技球を排出することなく滞留させ、当該状態の解除後、滞留していた遊技球によって特定通過部を通過させる遊技が実行される。この場合、かかる遊技球が特定通過部を通過するか否かの決定前に、当該遊技球とは別の遊技球が所定領域に進入すると、当該別の遊技球により上記滞留していた遊技球の特定通過部への流れが阻害されて遊技者に不快感を与えたり、遊技球の個数が増えた状態で上記遊技が行われる結果、過度に有利な条件で遊技が行われたりするなど、不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、遊技球が滞留中である場合は、それとは別の遊技球が所定領域に進入することが制限されるため、上記不都合を好適に解消することが可能になる。
特徴B3.遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な特定領域(役物装置150,300,400、可変入球装置)を備え、
前記複数の通過部は前記特定領域内に配置されており、
前記滞留手段は前記特定領域内で遊技球を滞留可能であることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技領域に設けた特定領域内に複数の通過部を配置し、当該特定領域内で遊技球を滞留可能に構成されている。この場合、滞留状態の解除後において、特定領域内に入球済みの遊技球を用いて特定通過部を通過させる遊技を行うことができる。よって、特定領域への新たな遊技球の入球を強いることがなく、悪意のない遊技者を好適に救済することが可能になる。
特徴B4.前記滞留手段により遊技球を前記特定領域内で滞留させる場合に、前記特定領域への遊技球の入球を制限可能な制限手段を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域への遊技球の入球を制限するため、簡単な構成によって所定領域への遊技球の進入を好適に制限することが可能になる。
特徴B5.前記特定領域内の所定状況を把握可能な把握手段(役物装置150,300,400内に遊技球が存在するか否かを判定する機能)を備え、
前記制限手段は、前記把握手段により把握される前記所定状況が特定状況である場合に、前記特定領域への遊技球の入球を制限可能であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域内の所定状況に応じて特定領域への入球制限の有無を切り換えることが可能になる。これにより、入球を制限すべき場合には適切に制限することを可能としつつ、入球を制限する必要性に乏しい場合は入球を許容して遊技の円滑な進行を図ることが可能になる。
特徴B6.前記把握手段は、前記所定状況として前記特定領域内の遊技球の有無を把握可能であり、
前記特定状況が前記特定領域内に遊技球が存在している状況であることを特徴とする特徴B4又はB5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定領域内に遊技球が存在している場合に特定領域への遊技球の入球を制限することができ、滞留していた遊技球が特定領域内に残存している状況において別の遊技球が特定領域内に進入することが抑制される。
特徴B7.前記解除手段による前記解除後に所定期間が経過した場合に前記制限手段による前記制限を解除可能な制限解除手段を備えていることを特徴とする特徴B4乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留解除後の所定期間中は特定領域への遊技球の入球を制限することができる。例えば、所定期間を、特定領域内の遊技球が複数の通過部のいずれかを通過するまでの所要期間、特定領域外に排出されるまでの所要期間、又はそれらよりも長い期間に設定することで、滞留していた遊技球が特定領域内に残存している状況において別の遊技球が特定領域内に進入することが抑制される。
特徴B8.前記滞留手段によって滞留される遊技球を前記所定領域の範囲内で移動させる移動手段(落下通路210、後方誘導通路213、上昇装置215及び誘導通路183の範囲内で遊技球を移動させる機能、V側誘導通路311、V側振分部材312、外れ側誘導通路316、外れ側振分部材317、上昇装置215、回転体201及び誘導通路183の範囲内で遊技球を移動させる機能、左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403b、受入部415、後方誘導通路426、上昇装置215及び誘導通路401の範囲内で遊技球を移動させる機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留中の遊技球が1箇所に留まらず、所定領域の範囲内で移動する。この場合、遊技球の位置が変動することから、滞留状態が解除された場合の遊技球の行先(複数の通過部のうちのいずれを通過するか)をランダム化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴B9.前記移動手段は、遊技球を周回するように移動させる手段(落下通路210、後方誘導通路213、上昇装置215及び誘導通路183を周回するように遊技球を移動させる機能、V側誘導通路311、V側振分部材312、外れ側誘導通路316、外れ側振分部材317、上昇装置215、回転体201及び誘導通路183を周回するように遊技球を移動させる機能、左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403b、受入部415、後方誘導通路426、上昇装置215及び誘導通路401を周回するように遊技球を移動させる機能)を備えていることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が所定領域の範囲内で周回するため、遊技球の滞留期間が長期化しても遊技球の移動範囲が広くなることが抑制され、遊技領域が限られている遊技機において最適な構成とすることができる。
特徴B10.遊技球が前記特定通過部を通過したことに基づいて処理(開閉実行モード)を実行可能な第1状態(非遊技停止状態)と、遊技球が前記特定通過部を通過した場合であっても、前記通過を検知しない、前記通過に基づく前記処理を実行しない、又は前記処理を無効化する第2状態(遊技停止状態)と、を有しており、
異常要因の発生が検知された場合に、前記第1状態から前記第2状態への移行を実行可能な第1移行手段(主制御装置81による遊技停止状態に移行する機能)と、
操作可能な操作手段(電源スイッチ92b、RAM消去スイッチ98a、解除スイッチ)と、
前記操作手段の操作態様に応じて前記第2状態から前記第1状態への移行を実行可能な第2移行手段(主制御装置81による、RAM114のデータをクリアせずに遊技停止状態を解除する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常要因の発生が検知された場合に遊技機の状態が第1状態から第2状態に移行されるため、振動や磁気等により遊技球を特定通過部に導いて不正に特典を得ようとする行為を抑制することができる。加えて、操作手段の操作態様に応じて第2状態から第1状態への移行を実行可能な構成としたため、例えば、遊技場の係員等により不正行為が確認された場合には、第1状態に移行するための操作態様とは異なる操作態様で操作手段を操作するか、或いは操作手段を操作しないなどすれば、第2状態を維持することができる。すなわち、状況に応じて第2状態を維持するか、第1状態に復帰させるかを選択可能となり、悪意のない遊技者を救済しつつ、不正行為により遊技場が損害を被ることを抑制することが可能になる。
特徴B11.遊技機前方へ開閉可能な遊技機構成体(遊技機本体12)を備え、
前記遊技機構成体を遊技機前方へ開放した場合に前記操作手段を遊技機前方から操作可能な位置に、前記操作手段が配置されていることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作手段の操作に遊技機構成体の開放が必要となるため、遊技者が操作手段を操作することができず、遊技場の係員等の立会が不可欠となる。これにより、異常検知が不正行為によるものか否かの判断や、その後の対処を遊技場の係員等に委ねることができ、不正行為を抑制することが可能になる。
特徴B12.前記解除手段は、前記操作手段が操作されてから少なくとも所定期間経過後に前記滞留手段による前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
上記B11の構成では、操作手段の操作のために遊技機構成体が開放されるところ、遊技機構成体が開放された状態で遊技球の滞留状態が解除されると、遊技者に無理な姿勢での遊技を強いたり、遊技球の視認性が低下したりするという不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、操作手段が操作されてから遊技球の滞留状態が解除されるまでの間に少なくとも所定期間が確保されるため、遊技場の係員等が当該所定期間を利用して遊技機構成体を閉じることができる。これにより、遊技機構成体を閉じた状態で滞留解除後の遊技を開始することができ、上記不都合を好適に解消することが可能になる。
特徴B13.前記所定期間を一定期間とする手段を備えていることを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留解除のための制御処理を簡略化することができ、処理負荷を軽減することが可能になる。加えて、所定期間が一定期間であることから、遊技者が解除タイミングを予測し得るようになり、解除タイミングを推定できることによる緊張感を喚起することが可能になる。
なお、本特徴に対して「遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段を備え、前記振分手段は、遊技球の振分態様として、第1態様と、当該第1態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けやすい第2態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能となっている」構成を適用することで、上記効果を相乗的に高めることが可能になる。すなわち、振分手段による遊技球の振り分け先は滞留状態の解除タイミングの影響を受けやすいところ、解除タイミングを推定できることにより振り分け先の大雑把な予測が可能となる。その結果、当該予測結果と実際の振分結果とが一致するかなど、実際に滞留解除されて振分がなされるまでの間に緊張が生じ、遊技への注目度を効果的に高めることが可能になる。
特徴B14.前記所定期間を複数の期間から選択する手段を備えていることを特徴とする特徴B12又はB13に記載の遊技機。
上記構成によれば、滞留状態の解除タイミングを遊技者が予測しにくくすることができ、解除タイミングを推定できないことによる緊張感を喚起することができる。
なお、本特徴に対して「遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段を備え、前記振分手段は、遊技球の振分態様として、第1態様と、当該第1態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けやすい第2態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能となっている」構成を適用することで、上記効果を相乗的に高めることが可能になる。すなわち、振分手段による遊技球の振り分け先は滞留状態の解除タイミングの影響を受けやすいところ、解除タイミングが推定できないことにより振り分け先の予測が不可能となる。その結果、実際に滞留解除されて振分がなされるまでに緊張が生じ、遊技への注目度を効果的に高めることが可能になる。
特徴B15.遊技機前方側に配置され、遊技者が操作可能な遊技者操作手段(遊技者操作ボタン)を備え、
前記解除手段は、前記第2移行手段により前記第2状態から前記第1状態への移行がなされた状況において前記遊技者操作手段が操作された場合に、前記滞留手段による前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴B11乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1状態に復帰させるか否かは遊技場の係員等が行いつつも、滞留状態の解除タイミングを遊技者に委ねることができる。これにより、遊技者が任意のタイミングで滞留状態を解除することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、本特徴に対して「遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段を備え、前記振分手段は、遊技球の振分態様として、第1態様と、当該第1態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けやすい第2態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能となっている」構成を適用することで、上記効果を相乗的に高めることが可能になる。すなわち、振分手段による遊技球の振り分け先は滞留状態の解除タイミングの影響を受けやすいところ、遊技者が上記解除タイミングを決めることで技術介入することができ、効果的に興趣性を高めることが可能になる。
特徴B16.遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a、V入賞センサ192)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に、前記特定通過部より上流側となる所定領域にある遊技球を排出することなく滞留させる滞留手段(落下通路210、後方誘導通路213、上昇装置215及び誘導通路183により遊技球を役物装置150内でループさせる機能、V側誘導通路311、V側振分部材312、外れ側誘導通路316、外れ側振分部材317、上昇装置215、回転体201及び誘導通路183により遊技球を役物装置300内でループさせる機能、左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403b、受入部415、後方誘導通路426、上昇装置215及び誘導通路401により遊技球を役物装置400内でループさせる機能)と、
前記滞留手段により遊技球を滞留させた後に当該滞留を解除する解除手段(落下用開閉部材211により落下通路210を閉鎖する機能、V側振分部材312と外れ側振分部材317を振分状態から非振分状態に切り換える機能、各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態から順傾斜状態に切り換える機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合、特定通過部の上流側の所定領域にある遊技球は排出されることなく滞留する。これにより、異常要因の発生が検知された場合に遊技球が特定通過部を通過することが阻止される。そして、解除手段により遊技球の滞留状態が解除された場合には、当該遊技球が特定通過部に向けて移動可能となり得る。このため、滞留状態の解除後に遊技球が特定通過部を通過する可能性が生じる。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に遊技者を救済することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な複数の通過部(V入賞口182a、外れ口182b)と、
遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段(回転体201,501)と、
遊技球が前記複数の通過部のうちの特定通過部(V入賞口182a)を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
所定箇所に到達した遊技球を前記所定箇所の上流に戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
前記戻し手段により戻された遊技球を前記振分手段に移動可能とする移動可能手段(左側誘導通路401a、右側誘導通路401b)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、発射された遊技球が振分手段に至った後、振分手段により複数の通過部のうちのいずれかに振り分けられ、特定通過部に振り分けられた場合に特典が付与され得る。このため、遊技者は、遊技球が発射されてから振分手段により振り分けられるまでの遊技球の動きに強い関心を抱く。
このような構成の下、本特徴では、所定箇所に到達した遊技球が所定箇所の上流に戻されて振分手段に移動可能となっている。すなわち、遊技球が振分手段に至るまでの過程で、遊技球が上流側に戻るという通常の動きとは異なる特殊な動きが付加される。これにより、遊技球の動き自体の面白みを高めながら、遊技球の動きを多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、移動可能手段に係る「移動可能」を「通過可能、流入可能、進入可能、進行可能、到達可能、転動可能又は流下可能」と言い換えてもよい。
特徴C2.前記戻し手段は、前記振分手段の上流側の前記所定箇所に到達した遊技球を戻すことが可能であることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段への遊技球の進入を一旦回避し、改めて振分手段の振分抽選に臨む遊技を実現することができる。これにより、振分手段の振分抽選に再挑戦する機会を付与し得る斬新な遊技性を実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴C3.前記振分手段は第1振分手段であり、
前記第1振分手段の上流において、遊技球を前記第1振分手段側と、当該第1振分手段側とは異なる側とに振り分け可能な第2振分手段(左側ガイド部材403a、右側ガイド部材403b)を備え、
前記戻し手段は、前記第2振分手段により前記異なる側に振り分けられた遊技球を戻すことが可能であることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が第2振分手段により第1振分手段側に振分けられてそのまま第1振分手段に至る場合と、第2振分手段により第1振分手段側とは異なる側に振り分けられ、戻し手段を経由して第1振分手段に至る場合とが生じ、特定通過部への入球態様が多様化する。
さらに、上記構成では、第1振分手段の上流において第2振分手段による振り分けを行うため、第1振分手段において特定通過部に振り分けられた遊技球が再び第1振分手段に戻されて他の通過部に振り分けられるという不都合が生じることを抑制することができる。
特徴C4.前記振分手段は、遊技球の振分態様として、第1態様と、当該第1態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けやすい第2態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能となっていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
振分手段が第1態様と第2態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能な動的手段によって構成されている場合、第1振分手段の動作状況と遊技球の移動状況とから、遊技球が特定通過部を通過する可能性が低いことを予測できてしまい、早々に期待感が消失してしまうことがあり得る。
この点、上記構成では、第2振分手段により第1振分手段側とは異なる側に遊技球が振り分けられることで、遊技球の第1振分手段への進入が一旦回避され、戻し手段を通じて改めて第1振分手段に進入する機会が付与される。その結果、遊技球の第1振分手段への到達タイミングが変化し、第1振分手段における振分結果を変化させることができる。このため、初期の予測とは異なる振分結果を期待し得るようになり、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴C5.前記移動可能手段は、遊技球を前記振分手段に誘導可能な複数の誘導手段(左側誘導通路401a、右側誘導通路401b)を備え、
複数の前記誘導手段は、各前記誘導手段によって誘導される遊技球が前記振分手段に到達するまでの期間が異なるように構成されており、
前記戻し手段により戻された遊技球を複数の前記誘導手段のいずれかによって前記振分手段に誘導可能に構成されていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、戻し手段によって戻される遊技球がどの誘導手段により振分手段に誘導されるかにより振分手段への到達タイミングを相違させることができ、戻された遊技球に対する振分手段の振分結果をランダム化することが可能になる。
特徴C6.前記第2振分手段は、遊技球の振分態様として、第1振分態様と、当該第1振分態様よりも遊技球を前記第1振分手段側とは異なる側に振り分けやすい第2振分態様とに切り換わり可能になっており、
前記第2振分手段を前記第1振分態様と前記第2振分態様とに切り換える切換手段(主制御装置81による各ガイド部材403a,403bを切り換え制御する機能)を備え、
前記切換手段は、遊技球の前記第1振分手段への到達予定タイミングにおける前記第1振分手段の振分態様が前記第1態様である場合に、当該遊技球が前記第2振分手段において前記第2振分態様により振り分けられるように、前記第2振分手段を切り換えることを特徴とする特徴C3乃至C5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1振分手段の振分態様が第1態様である状況において遊技球が第1振分手段に到達するであろう場合に、第2振分手段が第2振分態様に切り換えられ、戻し手段を通じて遊技球が第1振分手段に戻されやすくなる。これにより、遊技者が特典の付与を諦めかけていたところに、第1振分手段の振分抽選に再挑戦する機会が付与されるという復活要素を備えた斬新な遊技性を遊技球の動きによって実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴C7.前記切換手段は、遊技球の前記第1振分手段への到達予定タイミングの直前に前記第1振分手段が前記第2態様から前記第1態様に切り換わる場合に、当該遊技球が前記第2振分手段において前記第2振分態様により振り分けられるように、前記第2振分手段を切り換えることを特徴とする特徴C6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定通過部に振り分けられやすい第2態様の終了タイミングから若干遅れて遊技球が第1振分手段に到達する惜しいタイミングである場合に、第1振分手段への遊技球の進入を一旦回避し、改めて第1振分手段の振分抽選に臨む遊技が行われやすくなる。惜しい場合に再挑戦遊技の機会を付与するため、頻繁に再挑戦遊技が付与されることが抑制され、再挑戦遊技が発生した場合の驚きや嬉しさを高めることが可能になる。
特徴C8.前記切換手段は、前記第1振分手段への遊技球の到達予定タイミングの直後に前記第1振分手段が前記第1態様から前記第2態様に切り換わる場合に、当該遊技球が前記第2振分手段において前記第2振分態様により振り分けられるように、前記第2振分手段を切り換えることを特徴とする特徴C6又はC7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定通過部に振り分けられやすい第2態様の開始タイミングよりも若干早く遊技球が第1振分手段に到達する惜しいタイミングである場合に、第1振分手段への遊技球の進入を一旦回避し、改めて第1振分手段の振分抽選に臨む遊技が行われやすくなる。惜しい場合に再挑戦遊技の機会を付与するため、頻繁に再挑戦遊技が付与されることが抑制され、再挑戦遊技が発生した場合の驚きや嬉しさを高めることが可能になる。
特徴C9.前記特定通過部は第1通過部であり、
前記複数の通過部には、前記第1通過部とは異なる第2通過部(再挑戦口520)が含まれており、
前記戻し手段は、前記第2通過部を通過した遊技球を戻すことが可能であることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段によって遊技球が第2通過部に振り分けられれば、遊技球が再び振分手段に導かれ、振分抽選への再挑戦が可能になる。このため、遊技球が第1通過部(特定通過部)に振り分けられない場合でも第1通過部を通過する可能性が残り、期待感を抱くことが可能になる。すなわち、振分手段により遊技球が第1通過部に振り分けられることへの期待感だけに留まらず、第2通過部に振り分けられることへの期待感も喚起することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
また、第2通過部を通過した遊技球を戻し手段を介して同一の振分手段に導くため、遊技者に対し再挑戦の印象を抱かせやすくなる。さらに、初回の振分抽選と次回以降の振分抽選とで共通の振分手段を利用できることから、個別の振分手段を設けた場合に比べて振分手段の占有スペースの節約化や部品点数の低減化が図られる。
特徴C10.遊技球の前記第2通過部の通過回数が所定回数以下の場合に、前記戻し手段により遊技球を戻すことを特徴とする特徴C9に記載の遊技機。
振分手段により遊技球が第2通過部に振り分けられた場合、その遊技球は再度振分手段に導かれてループするが、かかるループが過度に繰り返されると、遊技進行の停滞を招くおそれがある。この点、上記構成によれば、第2通過部の通過回数が所定回数以下の場合に遊技球をループさせるため、遊技進行の停滞を抑制することができる。
特徴C11.前記振分手段は、遊技球の振分態様として、第1態様と、当該第1態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けやすい第2態様とに予め定められたタイミングで切り換わり可能となっていることを特徴とする特徴C9又はC10に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段を動的手段により構成することで興趣性を向上させることができ、さらに、予め定められたタイミングで作動させることで処理負荷の軽減を図ることができる。
遊技球が戻されずに振分手段に到達する場合と、戻されてから振分手段に到達する場合とでは、振分手段への遊技球の到達タイミングが相違する。このことから、振分手段が予め定められたタイミングで作動する状況では、前者の場合と後者の場合とで振分手段の振分結果に相違が生じやすくなる。このため、先の振分抽選で第1通過部に振り分けられなかった場合でも、後の振分抽選において第1通過部に振り分けられることを期待することが可能になる。
特徴C12.前記移動可能手段は、遊技球を前記振分手段に誘導可能な複数の誘導手段(左側誘導通路183a、右側誘導通路183b)を備え、
複数の前記誘導手段は、各前記誘導手段によって前記振分手段に誘導される遊技球が当該振分手段に到達するまでの期間が異なるように構成されており、
前記戻し手段により戻された遊技球を複数の前記誘導手段のいずれかによって前記振分手段に誘導可能に構成されていることを特徴とする特徴C9乃至C11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、戻し手段によって戻される遊技球がどの誘導手段により振分手段に誘導されるかにより当該遊技球の振分手段への到達タイミングが相違し、振分結果にも相違が生じ得る。これにより、戻された遊技球に対する振分結果を予測しにくくなり、遊技球が第1通過部を通過することへの期待感を持続させることが可能になる。
特徴C13.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a)と、
遊技球が前記特定通過部を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
所定箇所に到達した遊技球を前記所定箇所の上流に戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
前記戻し手段により戻された遊技球を前記特定通過部に移動可能とする移動可能手段(左側誘導通路401a、右側誘導通路401b)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成では、遊技球が特定通過部を通過した場合に特典が付与され得るところ、遊技者は、発射された遊技球の動きに強い関心を抱く。このような構成の下、本特徴では、所定箇所に到達した遊技球が所定箇所の上流に戻されて特定通過部に移動可能となっている。すなわち、遊技球が特定通過部に至るまでの過程で、遊技球が上流側に戻るという通常の動きとは異なる特殊な動きが付加される。これにより、遊技球の動き自体の面白みを高めながら、遊技球の動きを多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な複数の通過部(V入賞口182a、外れ口182b)と、
遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段(回転体201)と、
前記複数の通過部のうち第1通過部(V入賞口182a)を遊技球が通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
遊技球を前記振分手段により振り分け可能な位置に戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
前記複数の通過部のうち前記第1通過部とは異なる第2通過部(外れ口182b)を遊技球が通過する可能性が高い又は通過する場合に遊技球を前記戻し手段に誘導可能な第1誘導手段(回転体201により遊技球が外れ口182bに振り分けられる可能性が高い場合に、左側ガイド部材403a及び右側ガイド部材403bが逆傾斜状態となって遊技球を上昇装置215側に誘導する機能、遊技球が再挑戦口520を通過する場合に遊技球を上昇装置215側に誘導する機能)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に、前記第1通過部を遊技球が通過することを規制する通過規制手段(異常要因の発生が検知された場合に各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態となってV入賞口182aへの遊技球の流れを制限する機能、異常要因の発生が検知された場合に落下用開閉部材211が落下通路210を開放してV入賞口182aへの遊技球の流れを制限する機能)と、
前記通過規制手段により規制された遊技球を前記戻し手段に誘導可能とする第2誘導手段(異常要因の発生が検知された場合に各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態となって遊技球を上昇装置215側に誘導する機能、異常要因の発生が検知された場合に落下用開閉部材211が落下通路210を開放して遊技球を上昇装置215側に誘導する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、特典の付与が期待できる第1通過部とは異なる第2通過部を遊技球が通過する可能性が高い又は通過する場合に、第1誘導手段及び戻し手段を通じて遊技球が振分手段により振り分け可能な位置に戻される。これにより、遊技者が特典の付与を諦めかけていたところに、振分手段の振分抽選に再挑戦する機会が付与されるという復活要素を備えた斬新な遊技性を遊技球の動きによって実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
加えて、上記構成においては、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合に、通過規制手段により第1通過部を遊技球が通過することが規制される。このため、異常要因が発生した場合に、それが検知されている状況において遊技球が第1通過部を通過することが阻止される。通過規制手段により規制された遊技球は、第2誘導手段により戻し手段に誘導され、戻し手段を通じて振分手段による振り分けが可能な位置に戻される。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に、遊技者を救済することができる。すなわち、本構成によれば、異常要因の発生時には第1通過部の遊技球の通過を規制しつつも、再挑戦遊技のための戻し手段を活用して遊技者に非がない場合の救済を図ることが可能になる。
特徴D2.前記第2通過部を遊技球が通過する可能性が高い又は通過する場合に、予め定めた期間(各ガイド部材403a,403bの逆傾斜期間、導出部186の後方に再挑戦口案内部511が位置する期間)にて前記第1誘導手段を前記誘導可能な状態とすることが可能な第1手段(各ガイド部材403a,403bを逆傾斜期間が経過するまで逆傾斜状態を維持する機能、導出部186の後方に再挑戦口案内部511が位置する期間において再挑戦口案内部511への遊技球の受け入れを許容する機能)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に、異常検知状態が解除されるまでは前記第2誘導手段を前記誘導可能な状態とすることが可能な第2手段(各ガイド部材403a,403bを異常検知状態が解除されるまでは逆傾斜状態に維持する機能、異常検知状態が解除されるまでは落下用開閉部材211が落下通路210を開放し続ける機能)と、を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2通過部を遊技球が通過する可能性が高い又は通過する場合には、予め定めた期間に亘って遊技球を戻し手段に誘導可能となり、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合には、期間の経過に関わらず、異常検知状態が解除されるまでは遊技球を戻し手段に誘導可能な状態が維持される。すなわち、遊技球を戻し手段に誘導可能な状態を維持する条件を異ならせることで、共通の戻し手段を用いながらも異常要因の発生が検知されていない状況下での興趣向上と、異常要因の発生が検知された場合の救済と、を好適に両立させることが可能になる。
特徴D3.前記第1誘導手段による遊技球の前記戻し手段への誘導しやすさと、前記第2誘導手段による遊技球の前記戻し手段への誘導しやすさと、を異ならせる手段(異常要因の発生が検知されていない場合と、異常要因の発生が検知されている場合とで、各ガイド部材403a,403bの逆傾斜状態時における傾斜角度を異ならせる機能、再挑戦口案内部511による上昇装置215への遊技球の誘導しやすさと、落下用開閉部材211による上昇装置215への遊技球の誘導しやすさと、を異ならせる機能)を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2通過部を遊技球が通過する可能性が高い又は通過する場合の遊技球の戻し手段への誘導しやすさと、異常要因の発生が検知された場合の遊技球の戻し手段への誘導しやすさと、が異なっている。例えば、上記いずれの場合も誘導しやすさを等しくすると、異常要因の発生が検知されていない状況下では遊技球が戻されやすくなり過ぎたり、異常要因の発生が検知された場合には救済できない事態が生じたりするなどの不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、各状況に応じて誘導しやすさを使い分けることができ、異常要因の発生が検知されていない状況下での興趣向上と、異常要因の発生が検知された場合の救済と、を好適に両立させることが可能になる。
特徴D4.前記第1誘導手段による前記誘導可能な状態を前記第2誘導手段による前記誘導可能な状態に比べて遊技球を前記戻し手段に誘導しにくくする手段(異常要因の発生が検知されていない場合に、異常要因の発生が検知されている場合よりも、各ガイド部材403a,403bの逆傾斜状態時における傾斜角度を緩やかにする機能、再挑戦口案内部511による上昇装置215への遊技球の誘導可能な状態を、落下用開閉部材211による上昇装置215への遊技球の誘導可能な状態よりも、誘導しにくくする機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常要因の発生が検知された場合には好適に遊技者の救済を図ることができる一方、異常要因の発生が検知されていない状況下では戻し手段への遊技球の誘導しやすさをある程度制限し、再挑戦遊技が発生した場合の驚きや嬉しさを確保することができる。これにより、異常要因の発生が検知された場合の適切な救済措置を可能としつつ、異常要因の発生が検知されていない状況下での興趣向上を図ることが可能になる。
特徴D5.前記第1誘導手段による遊技球の前記戻し手段への誘導回数を所定回数以下に制限する一方(戻り期間の設定によりループ回数を制限する機能や戻り回数を計数してループ回数を制限する機能)、前記第2誘導手段による遊技球の前記戻し手段への誘導回数を制限しないことを特徴とする特徴D1乃至D4のいずれか1に記載の遊技機。
戻し手段に遊技球が誘導された場合、その遊技球は振分手段に導かれてループするが、かかるループが過度に繰り返されると、遊技進行の停滞を招くおそれがある。上記構成によれば、異常要因の発生が検知されていない状況下では戻し手段への誘導回数を制限することで、遊技進行に支障が生じることが抑制される。一方で、異常要因の発生が検知された場合には、誘導回数に制限を設けることなく遊技球を戻し手段に誘導可能とすることで、救済を図る上で必要な期間に亘り遊技球を戻し手段に誘導可能となる。
特徴D6.前記第1誘導手段は、遊技球が前記第1通過部よりも前記第2通過部を通過する可能性が高い場合に遊技球を前記戻し手段に誘導可能であることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が第1通過部よりも第2通過部を通過する可能性が高い場合に、第1誘導手段により遊技球が戻し手段に誘導され、戻し手段を通じて遊技球が戻される。これにより、遊技者が第2通過部の通過を予測していたところに、振分抽選への再挑戦に移行する遊技性を実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴D7.遊技球が前記第1通過部を通過したことに基づいて処理(開閉実行モード)を実行可能な第1状態(非遊技停止状態)と、遊技球が前記第1通過部を通過した場合であっても、前記通過を検知しない、前記通過に基づく前記処理を実行しない、又は前記処理を無効化する第2状態(遊技停止状態)と、を有しており、
異常要因の発生が検知された場合に、前記第1状態から前記第2状態への移行を実行可能な第1移行手段(主制御装置81による遊技停止状態に移行する機能)と、
前記第2誘導手段により前記戻し手段に誘導された遊技球を前記振分手段より上流側となる所定領域で滞留させる滞留手段(上昇装置215に誘導された遊技球を役物装置400内における回転体201の上流側で滞留させる機能)と、
前記第1移行手段による前記第2状態への移行後に、前記第2状態から前記第1状態への移行を実行可能な第2移行手段(主制御装置81により遊技停止状態を解除する機能)と、
前記第2移行手段により前記第2状態に移行した場合に、前記滞留手段による前記滞留を解除する解除手段(各ガイド部材403a,403bを逆傾斜状態から順傾斜状態に切り換える機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合、第2誘導手段により戻し手段に誘導された遊技球は振分手段より上流側の所定領域で滞留する。そして、第2状態から第1状態への移行、すなわち、遊技が再開された場合に、遊技球の滞留状態が解除され、当該遊技球が振分手段の振り分けに供される。このため、異常検知に起因して戻し手段に遊技球が誘導された場合には、再開手段により遊技再開されるまで遊技球を振分手段の上流側で滞留させておくことができる。これにより、遊技再開前に遊技球が振分手段に移動して遊技者の救済が果たせなくなる事態を好適に回避することが可能となる。
特徴D8.操作可能な操作手段(電源スイッチ92b、RAM消去スイッチ98a、解除スイッチ)を備え、
前記第2移行手段は、前記操作手段の操作態様に応じて前記第2状態から前記第1状態への移行を実行する手段を備えていることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作手段の操作態様に応じて第2状態から第1状態への移行を実行可能な構成としたため、例えば、遊技場の係員等により不正行為が確認された場合には、第1状態に移行するための操作態様とは異なる操作態様で操作手段を操作するか、或いは操作手段を操作しないなどすれば、第2状態を維持することができる。すなわち、第2状態を維持するか、第1状態に復帰させるかを選択可能となり、悪意のない遊技者を救済しつつ、不正行為により遊技場が損害を被ることを抑制することが可能になる。
特徴D9.遊技機前方へ開閉可能な遊技機構成体(遊技機本体12)を備え、
前記遊技機構成体を遊技機前方へ開放した場合に前記操作手段を遊技機前方から操作可能な位置に、前記操作手段が配置されていることを特徴とする特徴D8に記載の遊技機。
上記構成によれば、操作手段の操作に遊技機構成体の開放が必要となるため、遊技者が操作手段を操作することができず、遊技場の係員等の立会が不可欠となる。これにより、異常検知が不正行為によるものか否かの判断や、その後の対処を遊技場の係員等に委ねることができ、不正行為を抑制することが可能になる。
特徴D10.前記解除手段は、前記操作手段が操作されてから少なくとも所定期間経過後に前記滞留手段による前記滞留を解除する手段を備えていることを特徴とする特徴D9に記載の遊技機。
上記D9の構成では、操作手段の操作のために遊技機構成体が開放されるところ、そのままの状態で遊技球の滞留状態が解除されると、遊技者に無理な姿勢での遊技を強いたり、遊技球の視認性が低下したりするという不都合が生じ得る。この点、本構成によれば、操作手段が操作されてから遊技球の滞留状態が解除されるまでの間に少なくとも所定期間が確保されるため、遊技場の係員等が当該所定期間を利用して遊技機構成体を閉じることができる。これにより、遊技機構成体を閉じた状態で滞留解除後の遊技を開始することができ、上記不都合を好適に解消することが可能になる。
特徴D11.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な複数の通過部(V入賞口182a、外れ口182b)と、
遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段(回転体201)と、
遊技球が前記複数の通過部のうち特定通過部(V入賞口182a)を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
遊技球を前記振分手段により振り分け可能な位置に戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
前記複数の通過部のうち前記特定通過部を遊技球が通過する場合に遊技球を前記戻し手段に誘導可能な第1誘導手段(遊技球がV入賞口182aを通過する場合に遊技球を上昇装置215側に誘導する機能)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に、前記特定通過部を遊技球が通過することを規制する通過規制手段(異常要因の発生が検知された場合に落下用開閉部材211が落下通路210を開放してV入賞口182aへの遊技球の流れを制限する機能)と、
前記通過規制手段により規制された遊技球を前記戻し手段に誘導可能とする第2誘導手段(異常要因の発生が検知された場合に落下用開閉部材211が落下通路210を開放して遊技球を上昇装置215側に誘導する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技球が特定通過部を通過する場合に、第1誘導手段及び戻し手段を通じて遊技球が振分手段により振り分け可能な位置に戻される。これにより、特定通過部を通過した遊技球によって再び振分手段の振分抽選が行われるという斬新な遊技性を実現することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
加えて、上記構成においては、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合に、通過規制手段により特定通過部を遊技球が通過することが規制される。このため、異常要因が発生した場合に、それが検知されている状況において遊技球が特定通過部を通過することが阻止される。通過規制手段により規制された遊技球は、第2誘導手段により戻し手段に誘導され、戻し手段を通じて振分手段による振り分けが可能な位置に戻される。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に、遊技者を救済することができる。すなわち、本構成によれば、異常要因の発生時には特定通過部の遊技球の通過を規制しつつも、再振分遊技のための戻し手段を活用して遊技者に非がない場合の救済を図ることが可能になる。
なお、本特徴に対して特徴D2乃至特徴D10のいずれかを適用してもよい。
特徴D12.遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a)と、
前記特定通過部を通過可能な位置に遊技球を戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
異常要因の発生を検知可能な異常検知手段(振動検知センサ240、磁石検知センサ241)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知されていない状況における特定の場合に、遊技球を前記戻し手段に誘導可能な第1誘導手段(異常要因の発生が検知されていない状況下で遊技球が外れ口182bを通過する可能性が高い場合に、左側ガイド部材403a及び右側ガイド部材403bが逆傾斜状態となって遊技球を上昇装置215側に誘導する機能、遊技球が再挑戦口520を通過する場合に遊技球を上昇装置215側に誘導する機能)と、
前記異常検知手段により前記異常要因の発生が検知された場合に、前記特定通過部を遊技球が通過することを規制する通過規制手段(異常要因の発生が検知された場合に各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態となってV入賞口182aへの遊技球の流れを制限する機能、異常要因の発生が検知された場合に落下用開閉部材211が落下通路210を開放してV入賞口182aへの遊技球の流れを制限する機能)と、
前記通過規制手段により規制された遊技球を前記戻し手段に誘導可能とする第2誘導手段(異常要因の発生が検知された場合に各ガイド部材403a,403bが逆傾斜状態となって遊技球を上昇装置215側に誘導する機能、異常要因の発生が検知された場合に落下用開閉部材211が落下通路210を開放して遊技球を上昇装置215側に誘導する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、異常要因の発生が検知されていない状況における特定の場合に、第1誘導手段及び戻し手段を通じて遊技球が特定通過部を通過可能な位置に戻される。すなわち、遊技球が特定通過部に至るまでの過程で、遊技球が戻るという通常の動きとは異なる特殊な動きが付加される。これにより、遊技球の動き自体の面白みを高めながら、遊技球の動きを多様化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
加えて、上記構成においては、異常検知手段により異常要因の発生が検知された場合に、通過規制手段により第1通過部を遊技球が通過することが規制される。このため、異常要因が発生した場合に、それが検知されている状況において遊技球が第1通過部を通過することが阻止される。通過規制手段により規制された遊技球は、第2誘導手段により戻し手段に誘導され、戻し手段を通じて遊技球が特定通過部を通過可能な位置に戻される。これにより、異常要因の発生が周囲の者の行為に起因するものであった場合に、遊技者を救済することができる。すなわち、本構成によれば、異常要因の発生時には第1通過部の遊技球の通過を規制しつつも、遊技球に戻る動きを与えるための戻し手段を活用して遊技者に非がない場合の救済を図ることが可能になる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な複数の通過部(V入賞口182a、外れ口182b)と、
遊技球を前記複数の通過部のいずれかに振り分け可能な振分手段(回転体201)と、
遊技球が前記複数の通過部のうちの特定通過部(V入賞口182a)を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
前記特定通過部を通過した遊技球を前記振分手段の上流に戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
を備え、
前記戻し手段により戻された遊技球が前記特定通過部を通過する場合と、そうでない場合とで、異なる特典(16R大当たり、8R大当たり)を付与可能となっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、振分手段により遊技球が特定通過部に振り分けられた場合、戻し手段により遊技球が戻されて再び振分手段による振り分けに供される。そして、戻された遊技球が特定通過部を通過する場合と、そうでない場合とで、異なる特典が付与され得る。このため、遊技球が再び特定通過部を通過できるかを楽しむ斬新な遊技性を付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴E2.遊技球が前記特定通過部を通過する回数に応じて異なる特典を付与可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が特定通過部を通過する回数に応じて異なる特典が付与されるため、遊技球が特定通過部を通過できるかだけでなく、特定通過部を何回通過できるかを楽しむ斬新な遊技性を付与することができる。
特徴E3.遊技球が前記特定通過部を通過する回数が多いほど遊技者に有利な特典を付与可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技球が特定通過部を通過する回数が多くなることを期待する遊技性を付与することができる。このため、遊技球が特定通過部を通過するほど、その後の振分結果に対する関心が強くなり、遊技への注目度を効果的に高めることが可能になる。
特徴E4.前記振分手段は、遊技球の振分態様として、第1態様と、当該第1態様よりも遊技球を前記特定通過部に振り分けやすい第2態様とに切り換わり可能になっており、
遊技球を前記振分手段に誘導可能な複数の誘導手段(左側誘導通路183a、右側誘導通路183b)を備え、
複数の前記誘導手段は、各前記誘導手段によって誘導される遊技球が前記振分手段に到達するまでの期間が異なるように構成されており、
前記戻し手段によって戻された遊技球を複数の前記誘導手段のいずれかによって前記振分手段に誘導可能に構成されていることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、振分手段に到達するまでの期間が異なる複数の誘導手段を設け、戻し手段によって戻された遊技球をいずれかの誘導手段よって振分手段に誘導可能に構成されている。この場合、どの誘導手段によって誘導されるかにより遊技球の振分手段への到達タイミングを相違させることができる。これにより、戻された遊技球に対する振分結果をランダム化することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴E5.前記戻し手段により遊技球が戻される前に特典内容を決定可能な決定手段(主制御装置81によるラウンド遊技の回数を決定する機能)と、
前記戻し手段により遊技球が戻された場合に、前記振分手段の振分態様を制御する振分制御手段(主制御装置81による回転体201の回転態様を制御する機能)と、
を備え、
前記振分制御手段は、前記決定手段により決定された特典内容に応じて、前記戻し手段により戻された遊技球が前記特定通過部を通過するか否かが異なるように前記振分手段を切り換え制御可能であることを特徴とする特徴E1乃至E4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、戻し手段により戻される前に特典内容が決定され、その決定内容に応じて、戻し手段により戻された遊技球が特定通過部を通過するか否かが異なるように振分手段が制御される。これにより、振分手段を活用して特典内容の報知を行う報知手段を構成することができる。この場合、遊技球の動きによって特典内容を報知することができ、斬新な報知態様を実現することが可能になる。
特徴E6.遊技球の前記特定通過部の通過回数が所定回数以下の場合に、前記戻し手段により遊技球を前記振分手段の上流に戻すことが可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
振分手段により遊技球が特定通過部に振り分けられた場合、その遊技球は再度振分手段に導かれてループするが、かかるループが過度に繰り返されると、遊技進行の停滞を招くおそれがある。この点、上記構成によれば、特定通過部の通過回数が所定回数以下の場合に遊技球をループさせるため、遊技進行の停滞を抑制することができる。
特徴E7.前記特定通過部は第1通過部(V入賞口182a)であり、
前記複数の通過部には、前記第1通過部とは異なる複数の第2通過部(外れ口182b)が含まれており、
前記戻し手段により戻された遊技球が、前記複数の第2通過部のうち特定の前記第2通過部と前記第1通過部とのいずれかを通過する場合と、前記特定の第2通過部と前記第1通過部とのいずれも通過しない場合とで、異なる特典を付与可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、戻し手段により戻された遊技球が特定通過部を通過する場合の他、特定の第2通過部を通過する場合にも、異なる特典が付与され得る。これにより、戻された遊技球が第1通過部(特定通過部)を通過する期待感に留まらず、特定の第2通過部を通過する期待感を喚起することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴E8.前記複数の第2通過部における前記特定の第2通過部の割合を変更可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の第2通過部の割合が画一的とならないことにより、異なる特典が付与される確率を変化させることができ、興趣性を向上させることが可能になる。
特徴E9.前記戻し手段により戻された遊技球が前記第1通過部を通過する場合と、前記特定の第2通過部を通過する場合とで、異なる特典を付与可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E7又はE8に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者が第1通過部と特定の第2通過部とを区別して意識するようになり、遊技球が第1通過部を通過することへの期待感と、特定の第2通過部を通過することへの期待感と、をそれぞれ生じさせることができる。
特徴E10.前記戻し手段により戻された遊技球が前記第1通過部を通過する場合に、前記特定の第2通過部を通過する場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能な手段を備えていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、戻し手段により遊技球が戻された場合に、遊技球が第1通過部を通過することへの期待感が優先的に生じる結果、遊技球が第1通過部を通過することへの期待感と、特定の第2通過部を通過することへの期待感と、を段階的に生じさせることができる。
特徴E11.遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記発射手段により発射された遊技球が通過可能な特定通過部(V入賞口182a)と、
遊技球が前記特定通過部を通過したことに基づいて特典(開閉実行モード)を付与可能な付与手段(主制御装置81による開閉実行モードを実行する機能)と、
前記特定通過部を通過した遊技球を前記特定通過部の上流に戻すことが可能な戻し手段(上昇装置215)と、
を備え、
前記戻し手段により前記特定通過部の上流に戻された遊技球が前記特定通過部を通過する場合と、そうでない場合とで、異なる特典(16R大当たり、8R大当たり)を付与可能となっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技球が特定通過部を通過した場合、戻し手段により遊技球が特定通過部の上流に戻される。そして、戻された遊技球が特定通過部を通過する場合と、そうでない場合とで、異なる特典が付与され得る。このため、遊技球が再び特定通過部を通過できるかを楽しむ斬新な遊技性を付与することができ、興趣性を向上させることが可能になる。
なお、上述した各特徴A〜E群の各発明に示した技術的思想を、各特徴A〜E群の各発明に対して互いに適用してもよく、一部又は全部を組み合わせ各特徴A〜E群の各発明に対して適用してもよい。また、各特徴A〜E群の各発明に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。