JP2018201674A - 吸収性物品の製造方法 - Google Patents
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(2) (1)に記載の吸収性物品の製造方法において、前記ホットメルト系インクは、インクジェット印刷によって印刷され、前記インクジェット印刷における印刷ライン速度は、100m/分以上であり、前記インクジェット印刷は、前記吸収性物品の製造ラインに組み込まれたインライン印刷であってもよい。
(3) (1)又は(2)に記載の吸収性物品の製造方法において、前記ホットメルト系インクは、120℃で0.1Pa.s以下の溶融粘度を有していてもよい。
(4) (1)から(3)のいずれか1つに記載の吸収性物品の製造方法において、前記吸収性物品は、前記トップシート及び前記吸収体の間に配置された液拡散性シートを更に有し、前記液拡散性シートの身体側表面となる面又は衣類側表面となる面に、ドット状のホットメルト系インクを印刷して図柄、文字等を形成する工程を有し、前記図柄、文字等は、前記トップシートを通して視認可能であり、前記液拡散性シートにおける前記ホットメルト系インクのドットの平均面積は、1000μm2以上2000μm2以下であり、前記液拡散性シートにおける前記ホットメルト系インクのドット間隔は、50μm以上300μm以下であり、前記液拡散性シートに前記ホットメルト系インクが印刷されている領域における、前記ホットメルト系インクが占める面積割合は、12%以下であってもよい。
(5) (1)から(4)のいずれか1つに記載の吸収性物品の製造方法において、前記トップシートは、サーマルボンド不織布又はスパンボンド不織布であり、前記トップシートの坪量は、15g/m2以上50g/m2以下であってもよい。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法として、吸収性物品1は、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、パンツ型紙おむつ、テープ止め紙おむつ等の吸収性物品1であってもよい。吸収性物品1は、身体側表面に配置された液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向し、衣類側表面に配置された液不透過性又は液透過性のバックシートと、トップシート10及びバックシートの間に配置された吸収体11と、を備え、これにより、吸収体11は、トップシート10とバックシートとの間に挟まれた構造となっている。なお、トップシート10、バックシート、吸収体11は、接着剤や熱融着等により、それぞれが接合されていてもよい。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、吸収性物品1に用いられるトップシート10は、吸収体11に向けて体液を速やかに通過させるものであり、吸収体11を挟んで、バックシートに対向して配置される。トップシート10は、肌と当接するシートとなることから、やわらかな感触で、肌に刺激を与えないような性質を有する親水性不織布であることが好ましい。親水性不織布としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いた、エアスルー不織布等のサーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等を用いることができ、通気性及び着用時の肌触りの観点から、親水性エアスルー不織布等のサーマルボンド不織布又はスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、吸収性物品1に用いられるバックシートは、液不透過性を有するシート材であり、吸収体11を挟んで、トップシート10に対向して配置される。バックシートは、ポリエチレンシートやポリエチレンラミネート不織布等の厚みの薄いプラスチックシートを用いたシート材を用いることができる。なお、ムレ防止のために透湿性を有していてもよい。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、吸収性物品1に用いられる吸収体11は、基材としての吸収性繊維と、高吸水性ポリマー(Super Absorbent Polymer;以下、SAPとも称する)と、を含有する。吸収性繊維は、一般に生理用ナプキン、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品1に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュ、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを用いることが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N−BKP)等)、合成繊維、ポリマー繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体11の吸収性繊維は、吸収性能及び肌触りを損なわないよう、400g/m2以上800g/m2以下の坪量とすることが好ましい。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、吸収体11の上面への体液の拡散を促進するため、吸収性物品1におけるトップシート10と吸収体11との間に、液拡散性シートを設けてもよい。液拡散性シートとしては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等の不織布や、スパンボンド/メルトブローン、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布を挙げることができる。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、吸収性物品1の身体側表面には、使用者の排泄した体液の横漏れを防止するため、吸収性物品1の長手方向に沿って、立体ギャザー用弾性部材と立体ギャザーシートを有する一対の立体ギャザー12を備えていてもよい。立体ギャザー12は、吸収性物品1の幅方向端部(固定端)において、バックシートに固定されており、自由端側は、端部にて二つ折りにされていることが好ましい。そして、立体ギャザー用弾性部材は、二つ折りにされた自由端側の立体ギャザーシートに挟持されていることが好ましい。これにより、立体ギャザー12が起立性を有し、着用者の体型に合わせて変形可能なものとすることができる。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、吸収性物品1は吸収性物品1を包装する包装シート13を備えていてもよい。包装シート13としては、例えば、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアルコール等の樹脂フィルム、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布及びスパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布、あるいはこれらの複合材料等を用いることができる。また、吸収性物品1と接する包装シート13の内側には、シリコン等による剥離処理を行うこともできる。
本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法において、トップシート10の身体側表面となる面又は衣類側表面となる面に、ドット状のホットメルト系インクを印刷して図柄、文字等を形成する工程を有し、トップシート10の身体側表面となる面に図柄、文字等を形成する工程を有していることが好ましい。なお、ホットメルト系インクが印刷されて形成されるのは、図柄、文字等であればよく、ホットメルト系インクが印刷されることで非印刷領域に形成される図柄、文字等、いわゆる、白抜き図柄、白抜き文字等であってもよく、数字、記号、図形等、吸収性物品1に通常印刷されるものであればよい。また、ブランド、製品名等を印刷してもよく、美粧性の向上を目的に、意匠やデザインを印刷してもよい。また、介護・病院施設等で吸収性物品1の利用者ごとに異なる製品を用いる場合の誤認防止を目的に、吸収量の目安等の吸収性物品1の仕様を印刷することもできる。
吸収性物品1の製造方法としては、上述に述べた製造方法以外においては、特に限定はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法のように、ホットメルト系インクをトップシート10の身体側表面となる面又は衣類側表面となる面に印刷する工程を設け、さらに、液拡散性シート及び立体ギャザー12をトップシート10に配置した上で、吸収体11をトップシート10とバックシートとの間に挟持し、トップシート10とバックシートとを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定する工程を設けることで製造することができる。また、例えば、液拡散性シート及び立体ギャザー12をあらかじめトップシート10に配置した上で、吸収体11をトップシート10とバックシートとの間に挟持し、トップシート10とバックシートとを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定する工程を設け、さらに、本発明の実施形態に係る吸収性物品1の製造方法のように、ホットメルト系インクをトップシート10に施すことで製造することができる。
実施例1では、吸収性物品のトップシート、液拡散性シート、包装シート等に用いることができるエアスルー不織布に、ホットメルト系インクをインクジェット印刷によって印刷した。エアスルー不織布の坪量は20g/m2であり、繊度は2.0dtexであった。また、インクジェットプリンタのヘッドは市販品を用い、インクジェット印刷の印刷ライン速度は200m/分であった。また、ホットメルト系インクは、バインダーを40質量%と、ワックスを55質量%と、顔料を5質量%含有するものを使用した。
実施例1の不織布について、不織布が吸収する時間を測定した。測定方法は以下のとおりである。実施例1の不織布を、最も濃く印刷された領域を含む縦100mm、横200mmの試料とした。バットに含浸用ろ紙(商品名:Advantech #26−WA、200mm×200mm)を10枚重ねて入れ、ろ紙の上に実施例1の不織布試料を乗せ、内径30mmの円形の注水孔を設けた筒状のおもり(荷重46g/cm2)を使用して10mL注水し、不織布試料が吸収する時間を測定した(1回目)。1回目の注水から3分間隔で3回目まで10mLを注水し、不織布試料が吸収する時間を測定した。図4は、実施例1の不織布の吸収速度の測定結果である。なお、実施例1の不織布について、ホットメルト系インクを印刷しないものについても、上述と同様の吸収速度の測定を行い、参考例として図示した。
実施例1の不織布について、液戻り量であるウエットバック量を測定した。測定方法は以下のとおりである。実施例1の不織布を、最も濃く印刷された領域を含む縦100mm、横200mmの試料とした。電子天秤で測定用ろ紙(商品名:Advantech #2、55φ)10枚の質量(WA)を測定した。バットに含浸用ろ紙(商品名:Advantech #26−WA、200mm×200mm)を5枚重ねて入れた。メスシリンダーで生理食塩水200mLを量り取り、含浸用ろ紙にかけ、1分間程度静置した。各含浸用ろ紙の縁を持ち垂直状態にし、水切りを1分間行った。水切り後の含浸用ろ紙を5枚重ねた上に実施例1の不織布試料を乗せ、不織布試料の上に質量を測定した測定用ろ紙を乗せ、測定用ろ紙の上に円柱状のおもり(直径55mm、質量688g)2個を重ねて乗せたおもりを乗せてから30秒静置し、30秒後に、おもり、測定用ろ紙、不織布試料を取り出し、電子天秤で測定用ろ紙の質量(WB)を測定した。WB−WAより算出される値を、ウエットバック量とした。図5は、実施例1の不織布のウエットバック量の測定結果である。なお、実施例1の不織布について、ホットメルト系インクを印刷しないものについても、上述と同様のウエットバック量の測定を行い、参考例として図示した。
実施例1の不織布について、不織布に印刷する柄、文字等を複数回切り替えて、通常の吸収性物品1の製造ラインと同様に1週間稼働させた場合の、生産性、切替性について、評価を行った。実施例1の不織布のランニングコストの評価結果を表1に示した。
実施例1の不織布について、印刷された柄、文字等の鮮明さを20名のモニターテストによる官能評価を行った。なお、◎及び〇を合格とした。実施例1の不織布の印刷の鮮明さの官能評価の結果を表1に示した。
◎:「鮮明に見える」「明瞭に見える」が16人以上20人以下のとき
〇:「鮮明に見える」「明瞭に見える」が11人以上15人以下のとき
△:「鮮明に見える」「明瞭に見える」が6人以上10人以下のとき
×:「鮮明に見える」「明瞭に見える」がいないか、1人以上5人以下のとき
実施例1の不織布について、印刷された柄、文字等の印刷領域について、やわらかさ、肌触りを20名のモニターテストによる官能評価を行った。なお、◎及び〇を合格とした。実施例1の不織布の風合いの官能評価の結果を表1に示した。
◎:「やわらかい」「肌触りがよい」が16人以上20人以下のとき
〇:「やわらかい」「肌触りがよい」が11人以上15人以下のとき
△:「やわらかい」「肌触りがよい」が6人以上10人以下のとき
×:「やわらかい」「肌触りがよい」がいないか、1人以上5人以下のとき
比較例1では、吸収性物品のトップシート、液拡散性シート、包装シート等に用いることができるエアスルー不織布に、水性インクをフレキソ印刷によって印刷した。エアスルー不織布の坪量は20g/m2であり、繊度は2.0dtexであった。また、フレキソ印刷の印刷ライン速度は200m/分であった。また、水性インクは、ポリウレタン樹脂、水、着色剤等で構成される不織布用途に通常用いられるものを使用した。
10 トップシート
11 吸収体
12 立体ギャザー
13 包装シート
Claims (5)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置された吸収体と、を有する吸収性物品の製造方法であって、
前記トップシートの身体側表面となる面又は衣類側表面となる面に、ドット状のホットメルト系インクを印刷して図柄、文字等を形成する工程を有し、
前記トップシートに印刷された前記ホットメルト系インクの各ドットの平均面積は、1000μm2以上2000μm2以下であり、
前記トップシートに印刷された前記ホットメルト系インクの各ドットのドット間隔は、50μm以上300μm以下であり、
前記トップシートに前記ホットメルト系インクが印刷されている領域における、前記ホットメルト系インクのドットが占める面積割合は、12%以下であることを特徴とする吸収性物品の製造方法。 - 前記ホットメルト系インクは、インクジェット印刷によって印刷され、
前記インクジェット印刷における印刷ライン速度は、100m/分以上であり、
前記インクジェット印刷は、前記吸収性物品の製造ラインに組み込まれたインライン印刷であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品の製造方法。 - 前記ホットメルト系インクは、120℃で0.1Pa.s以下の溶融粘度を有することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品の製造方法。
- 前記吸収性物品は、前記トップシート及び前記吸収体の間に配置された液拡散性シートを更に有し、
前記液拡散性シートの身体側表面となる面又は衣類側表面となる面に、ドット状のホットメルト系インクを印刷して図柄、文字等を形成する工程を有し、
前記図柄、文字等は、前記トップシートを通して視認可能であり、
前記液拡散性シートにおける前記ホットメルト系インクの各ドットの平均面積は、1000μm2以上2000μm2以下であり、
前記液拡散性シートにおける前記ホットメルト系インクの各ドットのドット間隔は、50μm以上300μm以下であり、
前記液拡散性シートに前記ホットメルト系インクが印刷されている領域における、前記ホットメルト系インクのドットが占める面積割合は、12%以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の吸収性物品の製造方法。 - 前記トップシートは、サーマルボンド不織布又はスパンボンド不織布であり、
前記トップシートの坪量は、15g/m2以上50g/m2以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の吸収性物品の製造方法。
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