JP2023017251A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023017251000001
【課題】吸収性物品の取替作業を衛生的にかつ容易に実施でき、使用済みの吸収性物品を隠蔽性良く廃棄できる、吸収性物品の提供。
【解決手段】液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、これらの間に配置される吸収体20とを備え、バックシート30の非肌側表面に設けられる第1の粘着層80と、第1の粘着層80に貼り付けられる個包装シート70と、個包装シート70の非肌側に配置される剥離紙71と、を有し、個包装シート70は、その肌側表面に剥離剤が塗布されて、第1の粘着層80に剥離可能に貼り付けられ、かつその非肌側表面に設けられた第2の粘着層81を有し、剥離紙71は、第2の粘着層81を覆い、第2の粘着層81に剥離可能に貼り付けられる、吸収性物品50。
【選択図】図2

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
吸収性物品は、一般に、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置される吸収体と、を備え、トップシートを透過してきた尿等の体液を吸収体で吸収し、バックシートにより体液が着用者の衣服等に付着しないように構成されている。吸収性物品には、例えば、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、尿吸収パッド、生理用ナプキン等のパッド製品や、パンツタイプ紙おむつ、テープ止めタイプ紙おむつ等の紙おむつ製品等、用途に応じて様々な形態が存在し、高齢者、成人及び乳幼児を問わず汎用されている。吸収性物品は、通常、所定の包装体内に収納された製品が上梓されている。
吸収性物品の中でも、特にパッド製品は、バックシートの非肌側表面を着用者の下着に固定して使用するのが一般的である。そして、使用済のパッド製品を下着から取り外す作業には両手が必要になることから、新たに使用するパッド製品を把持した状態では、使用済のパッド製品の取り外し作業が難しくなる。
吸収性物品を取り替えるときに、多くの人が、使用済みの吸収性物品を新しい吸収性物品の包装体で包んで捨てている。このとき、包装体から新しい吸収性物品を取り出し、使用済みの吸収性物品を包んで捨てるまでの間、新しい吸収性物品の置き場所がないことがある。トイレ個室内に置台があったとしても、吸収性物品のズレ止めテープが貼り付く煩わしさがあり、また、肌側を下にして置くのは衛生面で不安がある。そのため、新しい吸収性物品を着用者自身の体に一時的に貼り付けたり、膝の上に置いたりするが、その場合には、ズレ止めテープの粘着力が弱まるおそれや、動いた際に誤って床に落下させるおそれがある。
また、使用済みの吸収性物品をトイレットペーパーで丸めて包んで捨てる人もいるが、包装体で包むよりも、トイレットペーパーによる包装は開きやすく、清掃者や次に使う人に使用済みの吸収性物品を見られるおそれがある。また、使用済の吸収性物品の露出を防ぐために、トイレットペーパーを何度も巻き付けると、嵩が増して、ゴミ箱が埋まりやすくなる。
このような課題を解決するために種々の提案がなされている。特許文献1には、吸収性物品と、吸収性物品を個別に包装する包装シートと、一端が包装シートの表面に剥離可能に貼付され、他端が包装シートの長手方向の端部に接合される粘着テープと、を有し、粘着テープは、第1粘着層、第1基材、第2粘着層、及び第2基材がこの順に積層され、第1基材と第2基材とを連結する連結部を更に有する、吸収性物品の包装体が開示されている(請求項1)。粘着テープにおいて、第1粘着層及びこれに接合された第1基材は、第1粘着層により、包装シートの非肌側面に剥離可能に貼り付けられ、第2粘着層及びこれに接合された第2基材は、第2粘着層により、第1基材の非肌側面に剥離可能に貼り付けられ、さらに第2粘着層は吸収性物品の包装体を壁や着用者の身体に一時的に貼付するための粘着層になる(段落0036乃至段落0037)。特許文献1によれば、粘着テープから連結部を起点にして第2粘着層及び第2基材を剥離して第1基材を介して包装シート及び吸収性物品に繋がった状態の第2粘着層を露出させ、この第2粘着層をトイレ個室内の壁や着用者の身体に貼り付けて吸収性物品を床に落ちないように固定し、両手を使って使用済の吸収性物品を取り外した後に、上記で固定した吸収性物品のみを取り外して下着に取り付けるように構成されている(段落0015、段落0053)。
特開2013-198586号公報
特許文献1に記載の吸収性物品の包装体では、第2の粘着層で該包装体を一時的に壁や身体に貼り付けても、該包装体が落下する可能性がなくなっていないことから、根本的な解決にはなっていない。また、外出先のトイレ個室では、壁が見た目に綺麗であっても必ずしも衛生的であると言うことはできない。また、特許文献1に記載の包装体は、使用済の吸収性物品を包装シート等の包材で包み込むようには構成されていないので、使用済の吸収性物品を包材やトイレットペーパーで包もうとすると、指先等が使用済の吸収性物品に直接触れて、手指が汚れやすい。
本発明の目的は、吸収性物品の取替作業を衛生的にかつ容易に実施でき、使用済みの吸収性物品を隠蔽性良く廃棄できる、吸収性物品を提供することである。
本発明者は上記課題を解決するための研究過程で、新しい吸収性物品を従来のように着用者の身体やトイレ個室の壁等に貼り付けるのではなく、下着に接着された状態の使用済の吸収性物品の肌側表面に貼り付けて積層一体化して取り扱うことを着想した。本発明者は、前述の着想を実現するために鋭意研究を重ねた結果、バックシートの非肌側表面に所定構造の個包装シートを設けた吸収性物品を用いることで、使用済の吸収性物品と新しい吸収性物品とを積層一体化して取り扱いつつ、これらの取替を円滑にかつ容易にかつ衛生的に実施でき、更に使用済の吸収性物品を隠蔽性良く廃棄できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下の吸収性物品を提供する。
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、
前記バックシートの非肌側表面に設けられる第1の粘着層と、前記第1の粘着層に貼り付けられる個包装シートと、前記個包装シートの非肌側に配置される剥離紙と、を有し、
前記個包装シートは、その肌側表面に剥離剤が塗布されて、前記第1の粘着層に剥離可能に貼り付けられ、かつその非肌側表面に設けられた第2の粘着層を有し、
前記剥離紙は、前記第2の粘着層を覆い、前記第2の粘着層に剥離可能に貼り付けられる、吸収性物品。
(2)前記トップシートの肌側表面における、前記吸収性物品の長手方向の両端部に、一対の液不透過性のサイドシートを更に有する、上記(1)の吸収性物品。
(3)前記剥離紙は、前記第1の個包装シートよりも長手方向及び幅方向に小さい、上記(1)又は(2)の吸収性物品。
(4)前記剥離紙は、前記第2の粘着層よりも長手方向及び幅方向に大きい、上記(1)乃至(3)のいずれかの吸収性物品。
(5)前記剥離紙の非肌側表面に設けられた印刷層を更に有する、上記(1)乃至(4)のいずれかの吸収性物品。
(6)前記剥離紙が、半晒クラフト紙、クラフト紙、上質紙、中質紙、アルカリ性紙、グラシン紙、セミグラシン紙、板紙、又は白板紙を含む、上記(1)乃至(5)のいずれかの吸収性物品。
(7)前記第1の個包装シートが、樹脂フィルム、紙、不織布、又はこれらの2種以上の積層体である、上記(1)乃至(6)のいずれかの吸収性物品。
(8)前記剥離剤が、シリコーン系剥離剤又はフッ素系剥離剤である、上記(1)乃至(7)のいずれかの吸収性物品。
本発明によれば、吸収性物品の取替作業を衛生的にかつ容易に実施でき、使用済みの吸収性物品を隠蔽性良く廃棄できる吸収性物品が提供される。
本実施形態の吸収性物品の構成を模式的に示す、トップシート側から見た平面図である。 図1に示すX-X切断線による幅方向の模式断面図である。 本実施形態の吸収性物品の取り替え作業を示す模式図である。 製品(本実施形態に係る吸収性物品)である個包装体の一例を模式的に示す平面図である。
本明細書において、吸収性物品50の着用とは、体液吸収の前後を問わず、吸収性物品50を着用者の身体に装着した状態をいう。吸収性物品50の、長手方向とは、吸収性物品50を着用したときに着用者の股間部を介して前後に亘る、図中Yで示す方向であり、幅方向とは長手方向に対して略直交する、図中Xで示す方向であり、厚さ方向とは各構成部材を積層する、図中Zで示す方向である。吸収性物品50及びその各構成部材の肌側表面とは着用者の肌に当接する表面又は該肌を臨む表面であり、非肌側表面とは着用者の衣類に当接する表面又は衣類を臨む表面である。体液とは、尿、血液や軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<吸収性物品>
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る吸収性物品50について説明する。図1乃至図2は、吸収性物品50を示す。図3は、吸収性物品50の取り替え作業の一連の流れを示す。図4は、吸収性物品50の個包装体(製品)51を示す。各図は、吸収性物品50及び各構成部材の形状や、寸法の大小関係等を規定するものではない。
本実施形態の吸収性物品50は、ベビー用、成人用及び高齢者用の種々の吸収性物品として使用でき、その中でも、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、おりものシート等のパッド製品として特に好適に使用できる。吸収性物品50の、長手方向の寸法は例えば100mm以上800mm以下の範囲であり、幅方向の寸法は例えば50mm以上500mm以下の範囲である。各寸法を前述の数値範囲内にすると、軽失禁用製品、生理用ナプキン、おりものシート等に適した吸収性物品50が得られる。
本実施形態の吸収性物品50は、図1及び図2に示すように、肌側に位置する、液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向配置され、非肌側に位置する液不透過性のバックシート30と、トップシート10とバックシート30との間に配置される吸収体20と、トップシート10の肌側表面の幅方向両端部に設けられる一対の立体ギャザー40と、トップシート10の肌側表面の長手方向両端部に設けられる一対の液不透過性のサイドシート60と、バックシート30の非肌側表面に設けられる第1の粘着層80と、第1の粘着層80に剥離可能に貼り付けられる個包装シート70と、個包装シート70の非肌側に設けられる剥離紙71と、を備える。個包装シート70は、その肌側表面において第1の粘着層80に接するように設けられる第1の剥離層85と、その非肌側表面に設けられる第2の粘着層81とを有する。剥離紙71は、吸収性物品50の最も非肌側に位置して、第2の粘着層81に剥離可能に貼り付けられる。なお、吸収性物品50の肌側表面には、吸収性物品50を折り畳んで製品化するときに利用される、幅方向に延びて長手方向に配置される折返し線61、62の仮想線が設定されている。吸収性物品50の製品化については後述する。
本実施形態によれば、図3に示すように、使用済の吸収性物品50aを新しい吸収性物品50bに取り替えるときに、使用済の吸収性物品50aを下着90に貼り付けたまま、その肌側表面に、剥離紙71を取り除いて第2の粘着層81を露出させた新しい吸収性物品50bを貼り付けた後に(図3(a))、使用済の吸収性物品50aと新しい吸収性物品50bとの積層体を下着90から取り外し、該積層体を使用済の吸収性物品50aが内側を向くように折り曲げ(図3(b))、新しい吸収性物品50bを個包装シート70と第1の粘着層80との界面で切り離し(図3(c))、さらに、折り曲げた使用済の吸収性物品50aを、新しい吸収性物品50bの一部である第2の粘着層81及び個包装シート70で包み込み、その一方で、新しい吸収性物品50bを第1の粘着層80で下着90に貼り付けることで(図3(d))、使用済の吸収性物品50aが新しい吸収性物品50bに取り替えられる。
すなわち、本実施形態によれば、第1に、下着90に取り付けられた吸収性物品50aに吸収性物品50bを貼り付けた積層体を構成することで、両手を使って該積層体を下着90から容易に取り外すことができ、該積層体を両手で把持することで吸収性物品50bの落下が確実に防止され、また、外出先のトイレ個室の衛生状態が不明である壁に吸収性物品50bを貼り付ける必要がなくなる。第2に、個包装シート70が第1の粘着層80に剥離可能であることから、該積層体を、第2の粘着層81と個包装シート70とで包んだ吸収性物品50aと、第1の粘着層80が露出した吸収性物品50bと、に容易に分離でき、吸収性物品50bをそのまま第1の粘着層80で下着90に貼り付けた上で、第2の粘着層81を利用して吸収性物品50aを個包装シート70で十分に包んで廃棄することができるので、手指が吸収性物品50aに直接触れることなく衛生的であり、また、隠蔽性を顕著に高めることができる。
本実施形態の吸収性物品50は、トップシート10、吸収体20、バックシート30、第1の粘着層80、個包装シート70及び剥離紙71を基本構成単位とし、例えば、前述のような立体ギャザー40やサイドシート60の配設、トップシート10と吸収体20との間へのセカンドシート60やトランスファシート(不図示)の配置、キャリアシート(不図示)による吸収体20の被覆等の、公知の様々な改変を加えることができる。以下、本実施形態の吸収性物品50の構成部材について、トップシート10、吸収体20、バックシート30、立体ギャザー40、サイドシート60、個包装シート70及び剥離紙71の順で更に詳しく説明する。
<トップシート>
トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させて吸収体20の面方向に体液を拡散させる液透過性のシート状基材である。トップシート10は、着用者の肌に直接当接してもよいように、柔らかな感触で、肌に刺激を与えない基材が好ましい。該基材としては、例えば、親水性シート、同種又は異種の親水性シートの積層体である複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等が挙げられる。親水性シートとしては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いて作製された、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。これらの中でも各不織布が好ましい。
トップシート10には、液透過性を向上させる観点から、エンボス加工や穿孔加工を表面に施してもよい。トップシート10は、肌への刺激を低減させる観点から、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等の1種又は2種以上を含有してもよい。トップシート10の坪量は、強度、加工性及び液戻り量の観点から、例えば、15g/m以上40g/m以下の範囲、又は19g/m以上35g/m以下の範囲である。トップシート10の形状は特に制限されず、漏れがないように体液を吸収体20に誘導するために必要とされる、吸収体20の一部又は全部を覆う形状であればよい。
<吸収体>
吸収体20は、その長手方向の寸法(最大長さ)が、例えば、100mm以上800mm以下の範囲、150mm以上500mm以下の範囲、又は270mm以上500mm以下の範囲である。吸収体20の幅方向の寸法(最大幅)は、例えば、50mm以上500mm以下の範囲、60mm以上400mm以下の範囲、又は70mm以上105mm以下の範囲である。また、吸収体20の平面視形状が砂時計型である場合は、長手方向寸法が180mm以上800mm以下の範囲、着用者の腹部及び背部にそれぞれ当接する前部及び後部の幅方向寸法がともに60mm以上400mm以下の範囲であり、着用者の股間部に当接する中央部の幅方向寸法が90mm以上250mm以下の範囲である。吸収体20の平面視形状としては、例えば、砂時計型、Iの字状、長方形、4角が丸まった角丸四角形、長円等が挙げられる。
吸収体20としては、例えば、吸収性繊維と高吸収性ポリマーとを含むフラッフ吸収体が挙げられる。
(吸収性繊維)
吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュー、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N-BKP))、合成繊維、樹脂繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20に、基材としての吸収性繊維にフラッフパルプを用いた場合、吸収性繊維の坪量は、肌触りや体液吸収量等の観点から、例えば、100g/m以上800g/m以下の範囲、325g/m以上615g/m以下の範囲である。
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマー(以下「SAP」ともいう)としては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等が挙げられる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩が好ましく、ポリアクリル酸アルカリ金属塩がより好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムが更に好ましい。高吸収性ポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
高吸収性ポリマーは、例えば、粒子状、繊維状等の形態で用いられるが、取扱い易さ等の観点から好ましくは粒子状で用いられる。このとき、粉体としての流動性が悪い微粉末の高吸収性ポリマーの使用を避け、中位粒子径を有する高吸収性ポリマーを用いることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、吸収体20が体液を吸収した後に硬化することにより発生するごつごつとした触感を低減することができる。高吸収性ポリマー12の中位粒子径は、例えば、50μm以上600μm以下の範囲又は100μm以上500μm以下の範囲である。吸収体20における高吸収性ポリマーの含有量は、吸収体20全量の40重量%以上の範囲、又は40重量%以上70重量%以下の範囲である。
吸収体20において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートでもよい。前述のフラッフ吸収体以外にも、吸収体20として、複数の親水性シートとこれらの間に固着担持された高吸収性ポリマーとを含む吸収性シートを使用することもできる。SAP粒子の吸収体20からの漏洩防止や吸収体20の形状の安定化の観点から、吸収体20の下又は吸収体20を全体に包むように、キャリアシートを設けてもよい(不図示)。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュー、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、複数のキャリアシートの基材は同一でも異なっていてもよい。
<バックシート>
バックシート30は、吸収性シート20が保持する体液が着用者の衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、該基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の単層不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布積層体、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体等の複合不織布、これらの複合材料等が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
バックシート30の坪量は、強度及び加工性の点から、例えば15g/m以上60g/m以下の範囲である。また、着用時の蒸れを防止するため、バックシート30には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート30に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート30にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
(第1の粘着層)
バックシート30の非肌側表面には、第1の粘着層80が設けられている。第1の粘着層80の平面視形状は特に限定されないが、例えば、吸収性物品50の幅方向に延びる帯状のもの、複数の細長い四角形が互いに離隔しつつ略平行に幅方向又は斜め方向にストライプ状に延びるもの、複数の円形、正方形、三角形、六角形又は星形が幅方向及び/又は長手方向に等間隔に並んだもの等が挙げられる。
第1の粘着層80は、第1の個包装シート70に対して接着性を示す接着剤を含んでいる。第1の粘着層80に含まれる接着剤としては特に限定されず、公知の接着剤を使用できるが、例えば、ホットメルト接着剤等が挙げられる。ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下のものを特に限定なく使用でき、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン系共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン系共重合体等の合成ゴム系ホットメルト接着剤、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。ホットメルト接着剤の、バックシート30の非肌側表面への塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法等、公知の方法が利用できる。第1の粘着層80に、両面テープ等を用いることもできる。
<立体ギャザー>
立体ギャザー40は、例えば、吸収性物品50の着用者が排泄した体液の横漏れ等を防止するために、トップシート10の肌側表面の幅方向両端部において、吸収性物品50の長手方向に沿って延びるように設けてもよい。立体ギャザー40は、弾性伸縮部材40aと、撥水性及び/又は防水性のシート部材40bと、を含む。
弾性伸縮部材40aは、シート部材40bの自由端(他端)付近に長手方向に沿って配設され、該自由端に起立性を付与し、シート部材40bの自由端及びその近傍領域を着用者の体型に合わせて変形可能にする。シート部材40bは、本実施形態では幅方向一端(固定端)がバックシート30の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向途中部がトップシート10の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向他端が起立性を有する自由端である。シート部材40bの固定端(幅方向一端)の固定位置は、本実施形態に限定されず、例えば、バックシート30の非肌側面、内部に吸収体20を収納したトップシート10とバックシート30との各縁辺の全部又は一部接合体の肌側面又は非肌側面の幅方向両端付近、トップシート10の肌側面の幅方向両端付近等が挙げられる。
シート部材40bは撥水性及び/又は防水性を有するシートであり、例えば不織布から構成される。第1シート部材用不織布としては、疎水性繊維にて形成された撥水性及び/又は防水性(液不透過性)の不織布を特に限定なく使用でき、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体である複合不織布(SMS不織布)等が挙げられる。シート部材40bの坪量は、例えば、13g/m以上20g/m以下の範囲である。弾性伸縮部材40aとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。
<サイドシート>
サイドシート60は、例えば、吸収性物品50を使用済から新品に取り替えるために、使用済と新品とを接着して積層体とするときに、使用済と新品との接着力を高め、新品がトイレ個室等の床に落下するのをより確実に防止する。本実施形態のサイドシート60は、トップシート10の肌側表面の長手方向両端部において、吸収性物品50の幅方向に延びるように設けられる。すなわち、トップシート10の肌側表面において、長手方向の両端部に一対の液不透過性のサイドシート60を設けてもよい。サイドシート60の材質としては、バックシート30に用いられるのと同じ、液不透過性の不織布や樹脂フィルムを特に限定なく使用できる。サイドシート60は、例えば、トップシート10の長手方向両端部を、その形状に沿って覆うように設けられ、一方及び他方の長手方向の寸法は例えば10mm以上30mm以下の範囲である。また、別の実施形態では、サイドシート60をトップシート10肌側表面の幅方向両側の立体ギャザー40の外側領域を覆うように配設してもよい。
<個包装シート>
個包装シート70は、バックシート30の非肌側表面に設けられる第1の粘着層80に、剥離可能に貼り付けられている。個包装シート70は、図2に示すように、その肌側表面に第1の剥離層85を有し、その非肌側表面に第2の粘着層81を有している。個包装シート70及び第2の粘着層81は、例えば、新しい吸収性物品(以下単に「新品」ともいう)50に取り替えるときに、使用済の吸収性物品(以下単に「使用済」ともいう)50を衛生的に包み込んで隠蔽するために使用される。剥離紙71は、例えば、第2の粘着層81を覆って保護するために使用され、吸収性物品50を着用するときに剥がされる。なお、個包装シート70は、使用済みの吸収性物品50を包み込む包装材として用いられることから、吸収性物品50の個包装シート70及び剥離紙71を除く本体部分よりも幅広に構成することで、手指が使用済みの吸収性物品50に触れることなく、確実にかつ隠蔽性良く包み込むことができる。
個包装シート70は、必要に応じて第1の粘着層80と接する肌側表面に、着色や絵柄等の印刷層(不図示)を有していてもよい。このとき、印刷層は第1の剥離層85の下に形成される。印刷層には1種又は2種以上の色を使用でき、また、着色に加えて花柄等の絵柄を施すことができる。印刷層の形成により、吸収性物品50の美粧性が向上し、印刷層が形成された個包装シート70で使用済の吸収性物品50を包むことで、隠蔽性が一層向上するとともに、個包装シート70と剥離紙71との見分けがつきやすくなり、剥離紙71と間違えて個包装シート70を剥がす等の誤操作がなくなり、取替を手順通り円滑に実施できる。不織布の着色は、例えば、顔料、染料等の着色剤の混錬により着色された繊維を用いて不織布を構成してもよく、不織布の表面に着色剤を塗布して着色層や絵柄層を形成してもよい。樹脂フィルムの着色は、原料樹脂と着色剤とを溶融混錬してフィルム化してもよく、樹脂フィルムの表面に塗布、印刷等により着色層を形成してもよい。紙の着色は、紙自体を着色剤の溶液、分散液等に浸漬して着色してもよく、紙の表面に塗布、印刷等により着色層を形成してもよい。
個包装シート70には、例えば、樹脂フィルム、不織布、紙、又はこれらの2種以上の積層体が使用される。不織布は、抗菌性不織布でもよい。抗菌性不織布の使用により、個包装シート70での雑菌の繁殖及びそれに伴う臭いの発生が防止されるので、吸収性物品50の取り替え作業をより一層衛生的にかつより一層安全に実施できる。ここで使用する抗菌性不織布の坪量は、強度及び加工性の観点から、例えば15g/m以上50g/m以下の範囲であり、樹脂フィルムや不織布の坪量は、強度及び加工性の観点から、例えば15g/m以上30g/m以下の範囲であり、紙の坪量は例えば30g/m以上70g/m以下の範囲である。
抗菌性不織布とは、抗菌活性2.0以上の抗菌性繊維を含む不織布である。抗菌性不織布としては、例えば、抗菌活性2.0以上の抗菌性繊維を主成分として含有しかつ他の繊維をも含有する不織布、抗菌活性2.0以上の抗菌性繊維からなる不織布等が挙げられる。「主成分として含有する」とは、全体の50重量%を超えて含有することを意味する。抗菌性繊維以外に含有可能な繊維としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等が挙げられる。
抗菌性繊維としては、抗菌性を有する繊維であれば特に限定されないが、無機系抗菌剤を練り込んだ合成繊維を繊維化したものが好ましい。無機系抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の抗菌性金属イオンを含有する無機化合物を特に制限なく使用でき、例えば、前述の抗菌性金属イオンを含有する金属化合物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、ハイドロキシアパタイト、粘土鉱物類、アルミナ、シリカ、ベントナイト等の無機多孔体等が挙げられる。無機系抗菌剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。抗菌性繊維は、例えば、溶融状態にある合成樹脂に無機系抗菌剤の1種又は2種以上を添加及び混錬した後、該合成樹脂を紡糸する方法により作製できる。ここで、無機系抗菌剤を配合する合成樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、架橋型ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルホルマール等が挙げられる。無機系抗菌剤の合成樹脂に対する配合量は、抗菌活性値を所定範囲にする観点や、得られる抗菌性繊維の強度の観点等から、例えば、無機系抗菌剤と合成樹脂との合計量100重量%中の、0.005重量%以上0.5重量%以下の範囲である。
本実施形態では、JIS L 1902菌液吸収法に順じて黄色ブドウ球菌及び大腸菌を用い、対照に標準布(綿布)を用いた抗菌試験を実施し、得られた抗菌活性値が2.0以上である抗菌性繊維を用いる。ここで、抗菌活性値は、JISL1902の菌液吸収法に従って測定される。
(第1の剥離層)
本実施形態では、個包装シート70の肌側表面に剥離剤が塗布され、第1の剥離層85が形成されている。第1の剥離層85は、個包装シート70の肌側表面の、第1の粘着層80と接する領域に形成された、剥離剤を含む薄層である。第1の剥離層85は、肌側表面の全面又は一部に設けてもよく、ストライプ状や点在するように設けてもよい。本実施形態によれば、個包装シート70を剥離しやすくなり、吸収性物品50の取り替え作業が行いやすくなる。剥離剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤等が挙げられる。また、個包装シート70の肌側表面の第1の剥離層85の総面積を、剥離紙71の肌側表面の第2の剥離層86の総面積よりも小さくすることで、剥離紙71を剥がすときに、誤って個包装シート70までもが剥がされるのを防止できる。
(第2の粘着層)
第2の粘着層81は、剥離紙71に対して接着性を示す接着剤を含んでいる。第2の粘着層81は、上述した第1の粘着層80と同じ構成を有している。好ましい実施形態としては、第1の粘着層80での接着剤の坪量を第2の粘着層81での接着剤の坪量よりも高めた実施形態、第1の粘着層80の接着剤を第2の粘着層81の接着剤よりも接着力の強いものにする実施形態、第1の粘着層80の面積を第2の粘着層81の面積よりも大きくする実施形態等が挙げられる。これらの実施形態によれば、剥離紙71を剥がすときに、誤って個包装シート70までもが剥がされるのを防止できる。
<剥離紙>
剥離紙71は、紙基材と、紙基材の全面又は一部に設けられ、剥離剤を含む剥離層と、を含み、更に紙基材と剥離層との間に目止め層(不図示)を有していてもよい。ここで、紙基材としては、例えば、半晒クラフト紙、クラフト紙、上質紙、中質紙、アルカリ性紙、グラシン紙、セミグラシン紙、板紙、白板紙等が挙げられる。剥離層に含まれる剥離剤としては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤等が挙げられる。本実施形態では、図2に示すように、剥離紙71は、その肌側表面において、第2の粘着層81と接する領域に、第2の剥離層86を有している。また、目止め層は、紙基材に剥離剤を塗工するときに、剥離剤が紙基材に浸透するのを防止するためのものであり、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール等の熱可塑性樹脂からなる数μm乃至数十μm程度の薄層として形成される。目止め層はクレーコート層でもよい。剥離紙71が紙基材を含み、紙基材は個包装シート70を構成する不織布や樹脂フィルムに比べて剛性が高いことから、個包装シート70から剥がし易いという利点がある。
好ましい実施形態では、剥離紙71は、個包装シート70よりも長手方向及び幅方向に小さく、及び/又は、第2の粘着層81よりも長手方向及び幅方向に大きい。本実施形態によれば、剥離紙71がめくり易くなり、剥離紙71を剥がして第2の粘着層81を露出することで、使用済の上に新品を接着及び積層するときに、剥離紙71が邪魔にならないように構成することができる。別の好ましい実施形態では、剥離紙71は、非肌側表面に設けられる印刷層(不図示)を有している。印刷層は、個包装シート70の肌側表面に形成される印刷層と同じ構成を有している。本実施形態によれば、吸収性物品50の全体としての美粧性を高め、製品としての吸収性物品50の秘匿性が向上する。
<吸収性物品の取替例>
図3は、使用済みの吸収性物品50aを新しい吸収性物品50bに取り替える取替方法の一例を示す模式断面図である。図3に示す取替方法は、第1のステップ(図3(a))、第2のステップ(図3(b))、第3のステップ(図3(c))、及び第4のステップ(図3(d))を含み、この順で実施される。なお、図3(a)乃至図3(d)では、吸収性物品50a、50bの個包装シート70及び剥離紙71を除く各本体部分を一つの層として略記し、第1の剥離層85及び第2の剥離層86の図示を一部省略している。
図3(a)に示す第1のステップでは、新しい吸収性物品50bの剥離紙71を剥がして第2の粘着層81を露出させた後、下着90に接着されている使用済みの吸収性物品50aの肌側表面に、露出した第2の粘着層81を介して新しい吸収性物品50bを貼り付け、吸収性物品50bと吸収性物品50aとの積層体(以下単に「積層体」という)を得る。この積層体を、下着90から両手を使って取り外すことで(不図示)、新しい吸収性物品50bを着用者の身体やトイレ個室の壁面等に接着する必要がなくなる。なお、剥離紙71と第2の粘着層81との間には、剥離紙71の肌側表面に設けられた第2の剥離層86が存在するので、剥離紙71の端部に力を加えて引っ張れば、剥離紙71のみを容易に剥がすことができる。
図3(b)に示す第2のステップでは、第1のステップで得られる積層体を、使用済みの吸収性物品50aが内側になるように2つ折りにする。このとき、折る方向は長手方向又は幅方向のどちらでも構わないが、折りやすさの観点から長手方向に折ることが好ましい。また、2つ折りにした積層体は、両手で把持することができる。
図3(c)に示す第3のステップでは、第2のステップで得られる2つ折りにした積層体を、2つ折りの状態を維持しつつ、新しい吸収性物品50bの個包装シート70と第1の粘着層80との界面(第1の剥離層85)で両手を使って徐々に分離し、第2の粘着層81を介して個包装シート70で2つ折りに包まれた使用済みの吸収性物品50aと、第1の粘着層80のみがバックシート30の非肌側表面に残存する新しい吸収性物品50bと、を得る。なお、個包装シート70を、吸収性物品50bの、個包装シート70及び剥離紙71を除いた本体部分よりも幅広に構成することで、使用済みの吸収性物品50aを確実に包み込むことができる。
図3(d)に示す第4のステップでは、第3のステップで得られる、第1の粘着層80のみがバックシート30の非肌側表面に残存する新しい吸収性物品50bを、第1の粘着層80により下着90に貼り付けるとともに、第3のステップで得られる、個包装シート70で2つ折りに隠蔽性良く包まれた使用済みの吸収性物品50aをゴミ箱等に廃棄し、取替作業が終了する。
このように、本実施形態によれば、取替作業の間中両手が塞がることがなく、新しい吸収性物品50bを壁面等に貼り付ける必要がなく、床に落下する危険性もなく、衛生的にかつ安全に、取替作業を実施できる。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品50は、公知の製造方法により製造できるが、例えば、トップシート10とバックシート30との間に吸収体20を収容する工程と、トップシート10の縁辺とバックシート30の縁辺とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を利用して固定する工程と、立体ギャザー40をバックシート30及びトップシート10の所定位置に設置する工程と、必要に応じて一対のサイドシート60を配設する工程と、バックシート30の非肌側表面に、第1の粘着層80により個包装シート70を接着し、更に第2の粘着層81により剥離紙71を接着する工程と、を含む製造方法が挙げられる。吸収性物品50には、必要に応じて、レッグギャザー、ウエストギャザー、サイドフラップ等が適宜設けられる。こうして得られた吸収性物品50を折り畳み、必要に応じて樹脂フィルム等からなる個包装体内に収納して製品化される。
<製品>
前述のように作製された吸収性物品50は、図1に示すように、幅方向に延びる2本の折返し線(仮想線)61、62が長手方向の所定位置に定められている。折返し線61とこれに最も近接する側の長手方向の一端までを領域50B、折返し線62とこれに最も近接する側の長手方向の他端までを領域50Aとする。吸収性物品50を製品化するときは、図4に示すように、領域50A、50Bをそれぞれトップシート10の肌側表面に向けて折返して吸収性物品50の折畳み体を得、この折畳み体を樹脂フィルム55により包装する。樹脂フィルム55による折畳み体の包装は、例えば、樹脂フィルム55を長手方向に折り重ねて、外周側の樹脂フィルム55の端部と内周側の樹脂フィルム55とをテープ(例えばタグテープ)87で封止し、幅方向両端部を熱シールや超音波シール等で封止してシール部55a形成することで、吸収性物品50の折畳み体が樹脂フィルム55で包装され、個包装体である製品51が得られる。製品51のテープ87を開封して吸収性物品50を取り出せば、2つ折りにして個包装シート70及び第2の粘着層81で被われた使用済の吸収性物品50を収納して隠蔽性をより一層高めて廃棄することができる。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 トップシート
20 吸収体
30 バックシート
40 立体ギャザー
40a 弾性伸縮部材
40b シート部材
50、50a、50b 吸収性物品
51 製品(個包装体)
55 樹脂フィルム
55a シール部
60 サイドシート
61、62 折返し線
70 個包装シート
71 剥離紙
80 第1の粘着層
81 第2の粘着層
85 第1の剥離層
86 第2の剥離層
87 テープ
90 下着

Claims (8)

  1. 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、
    前記バックシートの非肌側表面に設けられる第1の粘着層と、前記第1の粘着層に貼り付けられる個包装シートと、前記個包装シートの非肌側に配置される剥離紙と、を有し、
    前記個包装シートは、その肌側表面に剥離剤が塗布されて、前記第1の粘着層に剥離可能に貼り付けられ、かつその非肌側表面に設けられた第2の粘着層を有し、
    前記剥離紙は、前記第2の粘着層を覆い、前記第2の粘着層に剥離可能に貼り付けられる、吸収性物品。
  2. 前記トップシートの肌側表面における、前記吸収性物品の長手方向の両端部に、一対の液不透過性のサイドシートを更に有する、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記剥離紙は、前記第1の個包装シートよりも長手方向及び幅方向に小さい、請求項1又は請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記剥離紙は、前記第2の粘着層よりも長手方向及び幅方向に大きい、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. 前記剥離紙の非肌側表面に設けられた印刷層を更に有する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  6. 前記剥離紙が、半晒クラフト紙、クラフト紙、上質紙、中質紙、アルカリ性紙、グラシン紙、セミグラシン紙、板紙、又は白板紙を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  7. 前記第1の個包装シートが、樹脂フィルム、紙、不織布、又はこれらの2種以上の積層体である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  8. 前記剥離剤が、シリコーン系剥離剤又はフッ素系剥離剤である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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