以下では、図1から図8を用いて、本発明の一実施形態に係る宅配ボックス装置1の構成について説明する。
なお以下の説明では、図中に示した矢印に従って、上下方向、前後方向及び左右方向を定義する。
宅配ボックス装置1は、主として、居住者の不在時に宅配物(荷物)を保管しておくためのものである。宅配ボックス装置1は、例えば、賃貸住宅等の集合住宅、マンション等の共同住宅、戸建住宅の住戸内等に設けられる。本実施形態においては、宅配ボックス装置1は、賃貸住宅の住戸H内に設けられるものとする。図6から図8に示すように、宅配ボックス装置1は、例えば住戸H内の玄関に形成される。宅配ボックス装置1は、主要な構成として、収納ボックス10(収納空間20)、筐体30、投函口40、取出口50、スイッチ60、重量センサ70、送出機構80及び制御装置90を具備する。
図1、図2、図7及び図8に示す収納ボックス10は、荷物を収納する部分である。収納ボックス10は、上下方向に長い略直方体状に形成される。また、収納ボックス10は、前側及び左側が開放された略箱状に形成される。収納ボックス10の内部は、仕切り板11を介して複数(本実施形態においては、3つ)の空間(以下では「収納空間20」と称する。)に区画される。このように、収納ボックス10の内部には、3つの収納空間20が上下方向に連設される。
図2、図4、図7及び図8に示す収納空間20は、前側及び左側が開放された略箱状に形成される。各収納空間20の大きさ及び形状は、それぞれ略同一に形成される。各収納空間20には、後述する重量センサ70が設けられる。なお以下では、3つの収納空間20を、下から上へ順番に、第一収納空間21、第二収納空間22、第三収納空間23とそれぞれ称する場合がある。
図1、図3、図7及び図8に示す筐体30は、収納ボックス10を収納する部分である。より詳細には、筐体30は、収納ボックス10を当該筐体30の内部を上下方向に移動可能に収納する部分である。なお、収納ボックス10の移動は、後述する送出機構80により行われる。筐体30は、上下方向に長い略直方体状に形成される。筐体30の上下方向の長さは、収納ボックス10の少なくとも2倍以上の長さに形成される。筐体30は、前後及び左右を側板で囲まれるように形成される。
なお、図7に示すように、本実施形態においては、筐体30の前側板は、住戸Hの外壁の一部を兼用する。すなわち、筐体30の前側板は、玄関扉dの外側(居住スペースの反対側)に設けられた共用部Bに面するように形成される。これに対して、筐体30の左側板及び後側板は、玄関扉dの玄関横の内側(居住スペース側)に設けられた専有部Aに面するように形成される。
また、筐体30の内部に収納される収納ボックス10(各収納空間20)は、荷物を受け入れる前(あるいは、受け入れる際)の状態であるか、又は荷物を受け入れた後の状態であるかに基づいて、当該筐体30に対する相対的な位置関係が変更される。本実施形態において、各収納空間20は、荷物を受け入れる前(あるいは、受け入れる際)の状態である場合に、筐体30の上下方向中央部よりも上方に位置される。また、各収納空間20は、荷物を受け入れた後の状態である場合に、筐体30の上下方向中央部よりも下方に位置される。なお以下では、筐体30において、上下方向中央部よりも上方の部分を「筐体上部31」と称し、上下方向中央部よりも下方の部分を「筐体下部32」と称する。筐体上部31及び筐体下部32の内部は、上下方向に連通される。
筐体上部31は、収納ボックス10よりも若干大きく形成される。すなわち、筐体上部31は、収納ボックス10が最も上方へ移動した場合に、当該収納ボックス10の全部を収納可能に形成される(収納ボックス10の下部(より詳細には、第一収納空間21の一部)が、筐体下部32に位置しないように形成される)。
筐体下部32は、収納ボックス10よりも若干大きく形成される。すなわち、筐体下部32は、収納ボックス10が最も下方へ移動した場合に、当該収納ボックス10の全部を収納可能に形成される(収納ボックス10の上部(より詳細には、第三収納空間23の一部)が、筐体上部31に位置しないように形成される)。
図1、図3、図4及び図7に示す投函口40は、荷物が収納空間20へと投函される(入れられる)部分(開口部)である。投函口40は、筐体30の前側板に(すなわち、共用部Bに面するように)形成される。より詳細には、投函口40は、筐体上部31の前側下部に形成される。投函口40は、例えば地面から120cm程度の高さに形成される。本実施形態においては、投函口40の大きさ及び形状は、各収納空間20の前側の開放された部分の大きさ及び形状と略同一に形成される。換言すれば、本実施形態においては、投函口40は、1個分の収納空間20に対応する大きさ及び形状に形成される。
また、投函口40は、収納ボックス10の移動に応じて、各収納空間20と前後方向に対向可能に形成される。これにより、荷物を配達する配達者は、投函口40と前後方向に対向して配置された収納空間20に、当該投函口40から荷物を入れることができる。なお、投函口40は、収納ボックス10が最も上方へ移動した場合に、第一収納空間21と前後方向に対向するように形成される(図7参照)。投函口40には、配達用扉41及び扉操作部42が設けられる。なお以下では、各収納空間20における投函口40と前後方向に対向する位置を、「投函位置」と称する場合がある。
配達用扉41は、配達者が収納空間20に荷物を入れる場合に開ける開閉扉である。配達用扉41は、投函口40に回動可能に支持される。配達用扉41は、通常時(配達者が荷物を配達する時)施錠されておらず、自由に開けることができる。
扉操作部42は、配達用扉41を施開錠する場合に使用するものである。扉操作部42は、例えば所定のキー操作により、数値(暗証番号)を入力することができる。扉操作部42は、例えば居住者が荷物の集荷を集荷業者に依頼した場合であって、集荷用の荷物を収納空間20を入れておく場合(不在時に渡す場合)に使用される。このように、扉操作部42によって、宅配ボックス装置1は、配達された荷物を収納するだけでなく、集荷される荷物を収納することができる。
図1、図3及び図8に示す取出口50は、居住者が荷物を引き取る部分(開口部)である。取出口50は、筐体30の左側板に(すなわち、専有部Aに面するように)形成される。より詳細には、取出口50は、筐体下部32の左側全体に亘って形成される。このように、取出口50は、左方を向くように形成され、前方を向くように形成された投函口40と異なる方向を向いて形成される。本実施形態においては、取出口50の大きさ及び形状は、収納ボックス10の左側部分の大きさ及び形状と略同一に形成される。換言すれば、本実施形態においては、取出口50は、3個分の収納空間20に対応する大きさ及び形状に形成される。
また、取出口50は、収納ボックス10の移動に応じて、各収納空間20と左右方向に対向可能に形成される。これにより、荷物を引き取る居住者は、当該取出口50と左右方向に対向して配置された収納空間20から荷物を引き取ることができる。なお、取出口50は、収納ボックス10が最も下方へ移動した場合に、全ての収納空間20と左右方向に対向するように形成される(後述の図12参照)。取出口50には、受取用扉51が設けられる。
受取用扉51は、居住者が収納空間20から荷物を引き取る場合に開ける開閉扉である。受取用扉51は、取出口50に回動可能に支持される。受取用扉51は、所定の施錠手段により施錠されており、所定の開錠手段がなければ開けることができない。なお、前記開錠手段は、居住者により管理されている。受取用扉51は、例えば透過性を有する部材により形成され、外側から内側の様子が視認できるように構成される。
図5及び図6に示すスイッチ60は、収納ボックス10を移動させる場合に使用するものである。スイッチ60は、押し込み操作可能に構成される。スイッチ60は、押し込み操作された場合は、収納ボックス10の移動を指示する操作信号を出力する。当該操作信号は、後述する制御装置90に入力される。スイッチ60は、荷物を収納した配達者により操作される。
また、スイッチ60は、例えば配達用扉41の右方の共用部Bに面する外壁に設けられる。すなわち、スイッチ60は、投函口40の外方に形成される。こうして、配達用扉41の開閉を問わず、スイッチ60と(投函位置に配置された)収納空間20との間には、配達用扉41が介在される。
図2、図4及び図5に示す重量センサ70は、収納空間20に収納された荷物の重量を計測するものである。重量センサ70は、各収納空間20の底板に設けられる。具体的には、重量センサ70は、第三収納空間23においては第二収納空間22との間の仕切り板11(底板)に設けられる。また、重量センサ70は、第二収納空間22においては第一収納空間21との間の仕切り板11(底板)に設けられる。また、重量センサ70は、第一収納空間21においては収納ボックス10の底板に設けられる。これにより、重量センサ70は、収納空間20に収納された荷物の重量を計測し、計測結果に関する信号を出力する。当該信号は、後述する制御装置90に入力される。
図5及び図8に示す送出機構80は、収納ボックス10を移動させるものである。送出機構80は、概ね筐体30の上方に形成される。送出機構80は、昇降用モータ81、及び、当該昇降用モータに一方が巻きかけられると共に他方が収納ボックス10に上方から固定されたチェーン等により構成される。このような構成により、昇降用モータ81の回転駆動に伴って、収納ボックス10が昇降移動することとなる。こうして、収納ボックス10が昇降移動すると、当該収納ボックス10の内部に形成された3つの収納空間20が全体として移動する。すなわち、送出機構80は、3つの収納空間20全体を送出することができる。
図5に示す制御装置90は、送出機構80を制御することにより、収納ボックス10の移動を制御するものである。制御装置90は、RAMやROM等の記憶部や、CPU等の演算処理部、I/O等の入出力装置等により構成される。制御装置90は、所定の演算処理や記憶処理等を行うことができる。制御装置90は、収納ボックス10の移動を制御するための種々の情報やプログラム等が予め記憶される。
なお、制御装置90は、スイッチ60と接続される。制御装置90には、スイッチ60から、収納ボックス10の移動を指示する操作信号が入力される。
また、制御装置90は、重量センサ70と接続される。制御装置90には、重量センサ70から、収納空間20に収納された荷物の重量の計測結果に関する信号が入力される。
また、制御装置90は、送出機構80(より詳細には、昇降用モータ81)と接続される。制御装置90は、昇降用モータ81の駆動を指示する操作信号を生成し、当該操作信号を送出機構80に出力する。なお、制御装置90は、昇降用モータ81の駆動状態に基づいて、収納ボックス10の筐体30に対する相対的な位置に関する情報を取得することができる。すなわち、制御装置90は、各収納空間20がそれぞれ筐体30のうち筐体上部31内に位置するか、又は筐体下部32内に位置するかについての情報を取得することができる。
以下では、図9から図12を用いて、上述の如き構成の宅配ボックス装置1の使用態様について説明する。
なお、図9から図12は、説明の便宜上、宅配ボックス装置1の構成を簡略化して図示するものとし、例えば配達用扉41や受取用扉51等の図示は省略されている。なお、図9から図12に示す宅配ボックス装置1の左側面図は、専有部A(玄関)にいる居住者から当該宅配ボックス装置1を見た様子を示している。また、図9から図12に示す宅配ボックス装置1の正面図は、共用部B(玄関横)にいる配達者から当該宅配ボックス装置1を見た様子を示している。
宅配ボックス装置1において、まだ荷物が配達されていない(いずれの収納空間20にも荷物が収納されていない)場合には、図9(a)及び(b)に示すように、収納ボックス10は最も上方へ移動した状態となる。この状態においては、収納ボックス10の全部(全ての収納空間20)は、筐体上部31に収納された状態となる。
この状態において、居住者は、図9(a)に示すように、筐体下部32に収納ボックス10(収納空間20)がないこと(すなわち、配達された荷物がないこと)を認識することができる。また、配達者は、図9(b)に示すように、荷物が収納されていない収納空間20(第一収納空間21)があることを認識することができる。
こうして、配達者は、図9(c)及び(d)に示すように、荷物(荷物C1)を第一収納空間21に入れることができる。荷物C1を第一収納空間21に入れた配達者は、次にスイッチ60の押し込み操作を行う。この荷物C1の配達者は、スイッチ60の押し込み操作を行うと、配達業務が完了する。
こうして、スイッチ60の押し込み操作が行われると、制御装置90によって送出機構80が制御され、図10(a)及び(b)に示すように、収納ボックス10が収納空間1個分だけ下方へと下降される。この状態においては、収納ボックス10の一部(第一収納空間21)は、筐体上部31ではなく、筐体下部32に収納された状態となる。
この状態において、居住者は、図10(a)に示すように、筐体下部32に収納ボックス10の一部(第一収納空間21)があること(すなわち、配達された荷物が1つあること)を認識することができる。また、次の配達者は、図10(b)に示すように、荷物が収納されていない収納空間20(第二収納空間22)があることを認識することができる。こうして、次の配達者は、図10(c)及び(d)に示すように、荷物(荷物C2)を第二収納空間22に入れることができる。
なお、荷物C2の配達者は、当該荷物C2を第二収納空間22に入れる場合、先の配達者が配達した荷物C1の存在を認識することができない(あるいは、認識したとしても、抜き取ることができない)。このように、宅配ボックス装置1においては、後の配達者が荷物を収納空間20に入れる場合には、先の配達者が配達した荷物を抜き取ることができないため、防犯性の向上を図ることができる。
また、荷物C2を第二収納空間22に入れた配達者は、次にスイッチ60の押し込み操作を行う。この荷物C2の配達者は、スイッチ60の押し込み操作を行うと、配達業務が完了する。
こうして、スイッチ60の押し込み操作が行われると、制御装置90によって送出機構80が制御され、図11(a)及び(b)に示すように、収納ボックス10がさらに収納空間1個分だけ下方へと下降される。この状態においては、収納ボックス10の一部(第一収納空間21及び第二収納空間22)は、筐体上部31ではなく、筐体下部32に収納された状態となる。
この状態において、居住者は、図11(a)に示すように、筐体下部32に収納ボックス10の一部(第一収納空間21及び第二収納空間22)があること(すなわち、配達された荷物が2つあること)を認識することができる。また、次の配達者は、図11(b)に示すように、荷物が収納されていない収納空間20(第三収納空間23)があることを認識することができる。こうして、次の配達者は、図11(c)及び(d)に示すように、荷物(荷物C3)を第三収納空間23に入れることができる。
なお、荷物C3の配達者は、当該荷物C3を第三収納空間23に入れる場合、先の配達者が配達した荷物C1及び荷物C2の存在を認識することができない(あるいは、認識したとしても、抜き取ることができない)。このように、宅配ボックス装置1においては、後の配達者が荷物を収納空間20に入れる場合には、先の配達者が配達した荷物が複数あっても1つも抜き取ることができないため(すなわち、全ての荷物を抜き取ることができないため)、防犯性の向上を図ることができる。
また、荷物C3を第三収納空間23に入れた配達者は、次にスイッチ60の押し込み操作を行う。この荷物C3の配達者は、スイッチ60の押し込み操作を行うと、配達業務が完了する。
こうして、スイッチ60の押し込み操作が行われると、制御装置90によって送出機構80が制御され、図12(a)及び(b)に示すように、収納ボックス10がさらに収納空間1個分だけ下方へと下降される。この状態においては、収納ボックス10の全部(第一収納空間21、第二収納空間22及び第三収納空間23)は、筐体上部31ではなく、筐体下部32に収納された状態となる。
この状態において、居住者は、図12(a)に示すように、筐体下部32に収納ボックス10の全部(第一収納空間21、第二収納空間22及び第三収納空間23)があること(すなわち、配達された荷物が3つあること)を認識することができる。また、次の配達者は、図11(b)に示すように、荷物が収納されていない収納空間がないことを認識することができる。すなわち、次の配達者は、宅配ボックス装置1がこれ以上の荷物を収納できないと認識することができる。
このように、宅配ボックス装置1においては、複数の荷物を順番に収納することができる。また、後の配達者が荷物を入れる場合には、先の配達者が配達した荷物は筐体下部32に収納された状態となっている。すなわち、後の配達者が荷物を入れる場合には、先の配達者が配達した荷物を抜き取ることができないため、防犯性の向上を図ることができる。
なお、筐体下部32に荷物が収納された収納空間20がある場合、居住者は、所定の開錠手段により受取用扉51を開錠して開けて、取出口50から荷物を引き取ることができる。こうして、居住者は、全ての荷物を引き取ると、宅配ボックス装置1を荷物が配達される前の状態へと戻すため、所定の操作手段を操作する。前記操作手段が操作されると、制御装置90によって送出機構80が制御され、収納ボックス10を最も上方へ移動した状態(図9参照)とすることができる。なお、宅配ボックス装置1においては、筐体下部32にある収納空間20は、前記所定の操作手段の操作以外では、筐体上部31に移動されないように構成される。
ここで、上述の如き構成の宅配ボックス装置1は、不審者が住戸Hへの侵入を試みる場合に使用されるおそれがある。具体的には、宅配ボックス装置1においては、住戸Hの外部に面する投函口40と内部に面する取出口50とが繋がっているため、不審者が当該宅配ボックス装置1の内部を通って住戸Hへの侵入を図ることが想定される。
そこで、本実施形態に係る宅配ボックス装置1においては、不審者の住戸Hへの侵入を防ぐための種々の構成を有している。
まず、宅配ボックス装置1を構成する各部材(例えば、筐体30や収納ボックス10)は、非常に強度が高く形成されている。例えば、前記各部材は、収納ボックス10を破壊して筐体30から取り除く作業(不審者が通り抜けるスペースを確保する作業)が行われた場合、作業が完了するまでに比較的長い時間(少なくとも数十分以上)がかかるように形成されている。これにより、不審者に筐体30から収納ボックス10を取り除く作業を断念させることができ、ひいては取り除いた部分からの不審者の侵入を防止することができる。
このように、収納ボックス10を取り除いた部分からの侵入が防止されるため、不審者が投函位置の収納空間20に入り込むと共に当該収納空間20を下方へ移動させ、これによって住戸Hへの侵入を図ることが想定される。
しかしながら、宅配ボックス装置1においては、収納空間20を移動させる場合に使用するスイッチ60は、投函口40の外方に形成される。また、配達用扉41の開閉を問わず、スイッチ60と投函位置の収納空間20との間には、配達用扉41が介在される。具体的には、スイッチ60は、投函口40の右方に形成される。したがって、配達用扉41を右側に開けた場合には、投函口40からスイッチ60側を見ると、当該配達用扉41が配置されている。このように、スイッチ60は、不審者が投函位置の収納空間20に入り込んだ場合に、当該不審者による操作が行われ難い場所に形成される。こうして、(投函位置の収納空間20に入り込んだ不審者の)スイッチ60の押し込み操作による、当該不審者の侵入を防止することができる。
また、仮に不審者が複数いた場合、すなわち投函位置の収納空間20に入り込んだ一方の不審者とは異なる他方の不審者によってスイッチ60の押し込み操作が行われた場合であっても、受取用扉51が施錠されているため、前記一方の不審者は住戸Hへ侵入することができない。さらに、取出口50は、左方を向くように形成され、前方を向くように形成された投函口40と異なる方向を向いて形成される。このような構成によって、前記一方の不審者は、取出口50から住戸Hへ侵入する場合に、比較的狭い空間である収納空間20の内部で体の進行方向を変更する必要があるため、当該不審者の侵入をより困難にしている。
さらに、宅配ボックス装置1においては、スイッチ60の押し込み操作が行われた場合における制御装置90の処理によって、不審者の住戸Hへの侵入を防止している。具体的には、前記処理とは、スイッチ60の押し込み操作があった場合における、送出機構80を制御する場合(すなわち、収納空間20を移動させるため)の処理である。以下では、当該処理について説明する。なお以下では、当該処理を「収納空間移動処理」と称する。
以下では、制御装置90の収納空間移動処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS11において、制御装置90は、スイッチ60の押し込み操作があったか否かを判定する。制御装置90は、スイッチ60から収納ボックス10の移動を指示する操作信号が入力されたかの情報に基づいて、スイッチ60の押し込み操作があったか否かを判定する。制御装置90は、スイッチ60の押し込み操作がなかったと判定した場合(ステップS11で「NO」)、最初のステップに処理を戻す。
一方、制御装置90は、スイッチ60の押し込み操作があったと判定した場合(ステップS11で「YES」)、ステップS12に処理を移す。なお、制御装置90がスイッチ60の押し込み操作があったと判定した場合とは、通常であれば(不審者による操作でなければ)、荷物を収納空間20に入れた配達者が、当該収納空間20を筐体上部31から筐体下部32に移動させるため、スイッチ60の押し込み操作を行ったと想定される。
ステップS12において、制御装置90は、投函位置の収納空間20に収納された荷物の重量が所定の値(本実施形態においては、10kg)よりも重いか否かを判定する。制御装置90は、投函位置の収納空間20内の重量センサ70から入力された計測結果に関する信号に基づいて、荷物の重量が10kgよりも重いか否かを判定する。制御装置90は、投函位置の収納空間20に収納された荷物の重量が10kgよりも重くないと判定した場合(ステップS12で「NO」)、ステップS13に処理を移す。
ステップS13において、制御装置90は、送出機構80を制御することにより、収納空間20を一段下降させる。すなわち、制御装置90は、投函位置の(既に荷物を収納している)収納空間20を筐体下部32に移動させることによって、次の(まだ荷物を収納していない)収納空間20を投函位置に移動させる。これによって、既に収納空間20に収納された荷物は、当該収納空間20と共に筐体下部32に移動されるため、次の配達者によって抜き取られるのを防止することができる。また、まだ荷物を収納していない収納空間20が投函位置に位置することとなるため、次の配達者は、当該収納空間20に荷物を入れることができる。
一方、ステップS12において、制御装置90は、投函位置の収納空間20に収納された荷物の重量が10kgよりも重いと判定した場合(ステップS12で「YES」)、ステップS14に処理を移す。ステップS14において、制御装置90は、スイッチ60から入力された操作信号(指示)をキャンセルする。こうして、ステップS14の処理が実行されると、操作信号が制御装置90に入力されたにもかかわらず、収納空間20は下降されない(投函位置のままとなる)。制御装置90は、ステップS14の処理を実行した後、最初のステップに処理を戻す。
このように、上述の如き処理により、制御装置90は、投函位置の収納空間20に収納された荷物の重量が10kgよりも重いと判定した場合には、操作信号が入力されたにもかかわらず、収納空間20を下降させない。ここで、例えば、人間(より詳細には、不審者として想定される人間)の体重(重量)は、少なくとも10kgよりも重いと想定される。したがって、仮に一方の不審者が投函位置の収納空間20に入り込んだ場合に、他の不審者によりスイッチ60の押し込み操作があった場合であっても、前記収納空間20が筐体下部32側(すなわち、住戸Hの内部に面する取出口50側)へと移動するのを防止することができる。こうして、宅配ボックス装置1においては、スイッチ60の押し込み操作が行われた場合における制御装置90の処理によって、不審者の住戸Hへの侵入を防止することができる。
以上の如く、本実施形態に係る宅配ボックス装置1は、
複数連設された荷物の収納空間20と、
少なくとも前記収納空間1個分に対応する大きさを有する投函口40と、
前記投函口40から各収納空間20に投函可能なように、前記複数の収納空間20全体を送出する送出機構80と、
を具備するものである。
このような構成により、後の配達者が荷物を収納空間20に入れる場合には、先の配達者が配達した荷物を抜き取ることができない。すなわち、宅配ボックス装置1においては、複数の荷物を収納すると共に防犯性の向上を図ることができる。
また、宅配ボックス装置1において、
前記複数の収納空間20は、
上下方向(所定方向)へ向けて連設され、
前記送出機構80は、
前記上下方向(所定方向)へ向けて前記複数の収納空間20全体を送出するものである。
このような構成により、宅配ボックス装置1が上下方向に長く形成されるため、(平面視において)大きな設置面積を確保する必要が無い。すなわち、宅配ボックス装置1においては、設置スペースの効率の向上を図ることができる。
また、宅配ボックス装置1は、
前記複数の収納空間20を内部に収納可能な筐体30を具備し、
前記投函口40は、
前記筐体30に形成されるものである。
このような構成により、例えば筐体30に一つの投函口40を形成しておけば、荷物を収納するための収納空間20(すなわち、投函位置の収納空間20)以外の収納空間20に対しては、筐体30の側面が当該収納空間20の開放された部分を覆うこととなる。すなわち、宅配ボックス装置1においては、複数の収納空間20に対してそれぞれ扉や蓋を設けることを必要としないため、構成の簡素化を図ることができる。
また、宅配ボックス装置1は、
前記筐体30に前記投函口40とは異なる方向を向いて形成される取出口50を具備するものである。
このような構成により、例えば投函位置の収納空間20に入り込んだ不審者がいた場合であって、当該不審者が取出口50から住戸Hに侵入しようとした場合に、比較的狭い空間である収納空間20の内部で体の進行方向を変更する必要があるため、当該不審者の侵入をより困難にしている。こうして、宅配ボックス装置1においては、防犯性の向上をさらに図ることができる。
また、宅配ボックス装置1において、
前記送出機構80は、
前記投函口40の外方から操作可能に設けられるものである。
このような構成により、例えば収納空間20に入り込んだ不審者がいた場合に、送出機構80を当該不審者による操作が行われ難くすることができる。こうして、宅配ボックス装置1においては、防犯性の向上をさらに図ることができる。
また、宅配ボックス装置1は、
前記投函口40の外方に形成され、前記送出機構80を操作するスイッチ60(操作部)と、
前記投函口40を開閉可能な配達用扉41(開閉扉)と、
を具備し、
前記投函口40の内方(投函位置の収納空間20)と前記スイッチ60(操作部)との間には開閉状態を問わず前記配達用扉41(開閉扉)が介在されるものである。
このような構成により、スイッチ60は、不審者が投函位置の収納空間20に入り込んだ場合に、当該不審者による操作が行われ難い場所に形成されることとなる。これによって、(投函位置の収納空間20に入り込んだ不審者の)スイッチ60の押し込み操作による当該不審者の侵入を防止することができ、ひいては防犯性の向上をさらに図ることができる。
また、宅配ボックス装置1は、
前記収納空間20内に収納された荷物の重量を計測する重量センサ70(重量計測手段)を具備し、
前記重量センサ70(重量計測手段)による計測結果が所定の値よりも重い場合に、送出機構80による複数の収納空間20全体の送出を行わない(通常と異なる所定の動作を行う)ものである。
このような構成により、仮に一方の不審者が投函位置の収納空間20に入り込んだ場合に、他の不審者によりスイッチ60の押し込み操作があった場合であっても、前記収納空間20が移動するのを防止することができる。こうして、宅配ボックス装置1においては、防犯性の向上をさらに図ることができる。
なお、本実施形態に係る重量センサ70は、重量計測手段の一形態である。
また、本実施形態に係る送出機構80による複数の収納空間20全体の送出を行わないことは、通常と異なる所定の動作の一形態である。
また、本実施形態に係るスイッチ60は、操作部の一形態である。
また、本実施形態に係る配達用扉41は、開閉扉の一形態である。
以上、実施形態について説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態において、宅配ボックス装置1は、筐体30に収納ボックス10が収納されるものであったが、必ずしも筐体30を有するものでなくてもよい。例えば、図14(a)及び(b)に示すように、収納ボックス10が住居の屋外、例えば、戸建て住宅における玄関ポーチや、集合住宅(賃貸住宅)におけるエントランス付近の地面に収納される構成とすれば、宅配ボックス装置は筐体を有することなく形成することができる。このような場合には、投函口及び取出口は兼用されることとなる。なお、図14(a)に示す状態は、宅配ボックス装置1において、収納ボックス10の全部が筐体上部31に収納された状態に相当する。また、図14(b)に示す状態は、宅配ボックス装置1において、収納ボックス10の一部(第一収納空間21)が筐体下部32に収納された状態に相当する。
また、宅配ボックス装置1は、収納ボックス10を設けることなく構成することもできる。例えば、図15(a)に示す宅配ボックス装置1は、筐体30の内側に上下方向に延設されたレール30aと、当該レール30aに対して所定の駆動力により上下方向に摺動可能に設けられた支持部110と、当該支持部110に載置された仕切り板11と、を具備する。この実施形態においては、3つの仕切り板11が設けられる。以下では、3つの仕切り板11を下から上へ順番に、「仕切り板11a」、「仕切り板11b」、「仕切り板11c」とそれぞれ称する。こうして、仕切り板11aと仕切り板11bとの間の空間は、前記第一収納空間21となる。また、仕切り板11bと仕切り板11cとの間の空間は、前記第二収納空間22となる。また、仕切り板11cよりも上方の空間は、前記第三収納空間23となる。
図15(a)に示す状態から、全ての支持部110が下方へと移動すると、全ての仕切り板11も下方へと移動することにより、第一収納空間21・第二収納空間22・第三収納空間23がそれぞれ一段下降する。すなわち、図15(a)に示す状態においては、投函位置に第一収納空間21が配置されていたが、図15(b)に示す状態においては、投函位置に第二収納空間22が配置されることとなる。このように、宅配ボックス装置1は、収納ボックス10を設けることなく構成することができる。
また、本実施形態において、複数の収納空間20は、上下方向に連設されるものとしたが、これに限定するものではない。例えば、複数の収納空間20が連設される方向は、上下方向(すなわち、側面視で直線方向)だけでなく、側面視で湾曲方向(例えば、側面視で円周方向や弧方向等)であってもよい。こうして、例えば側面視で円周方向に複数の収納空間20が連設される場合には、円周上に互いに適宜の間隔をあけて複数の収納空間20が形成される(いわば観覧車のように形成される)。また、複数の収納空間20が連設される方向は、平面視で直線方向(例えば、平面視で前後方向や左右方向)や湾曲方向(例えば、平面視で円周方向や弧方向等)であってもよい。また、本実施形態においては、3つの収納空間20が設けられたが、収納空間20の数は特に限定するものではない。
また、本実施形態において、投函口40の大きさ及び形状は、各収納空間20の前側の開放された部分(以下では「前側開放部分」と称する)の大きさ及び形状と略同一に形成されるとしたが、これに限定するものではない。投函口40の大きさは、少なくとも各収納空間20の前側開放部分よりも大きければよい(少なくとも1個分の収納空間20に対応する大きさであればよい)。例えば、投函口40の上下方向における大きさが、各収納空間20の前側開放部分よりもかなり大きい場合(具体的には、投函口40の上下方向における大きさが、複数個分の収納空間20の前側開放部分の大きさと略同一である場合)には、当該複数個の収納空間20間の仕切り板11を取り外し、大きく1個となった収納空間20に長物(ゴルフバック等)を入れることができる。なお、投函口40の左右方向における大きさは、各収納空間20の前側開放部分の左右方向における大きさと略同一であることが望ましい。
また、本実施形態において、配達用扉41は、投函口40に回動可能に支持されるものとしたが、これに限定するものではない。配達用扉41は、投函口40に対して上下方向や左右方向等の任意の方向にスライド可能なものであってもよい。
また、本実施形態において、取出口50の大きさ及び形状は、収納ボックス10の左側部分の大きさ及び形状と略同一に形成される(3個分の収納空間20に対応する大きさ及び形状に形成される)としたが、これに限定するものではない。取出口50の大きさは、少なくとも各収納空間20の左側の開放された部分(以下では「左側開放部分」と称する)よりも大きければよい。例えば、取出口50の大きさは、1個分の収納空間20の左側開放部分の大きさと略同一であってもよい。なお、本実施形態のように、取出口50の大きさが3個分の収納空間20に対応する大きさに形成された場合には、例えば当該3個の収納空間20間の仕切り板11を取り外して大きく1個となった収納空間20に長物(ゴルフバック等)を収納した場合であっても、当該長物を取出口50から容易に取り出すことができる。
また、本実施形態において、受取用扉51は、取出口50に回動可能に支持されるものとしたが、これに限定するものではない。受取用扉51は、取出口50に対して上下方向や左右方向等の任意の方向にスライド可能なものであってもよい。
また、本実施形態においては、送出機構80及び制御装置90を具備し、制御装置90が送出機構80の昇降用モータ81を制御することによって、電気的な構成により収納空間20全体を送出するものとしたが、これに限定するものではない。送出機構80は、電気的な構成を使用せず、機械的な構成を使用して手動により収納空間20全体を送出するものであってもよい。
前記機械的な構成として、例えば、送出機構80は、筐体30の内側に上下方向に延設されたレールと、収納ボックス10の外側に設けられ、前記レールに対して下(送出)方向に相対移動可能にスライド可能であると共に上方向に相対移動不能に係止可能である爪部と、を具備することができる。こうして、配達者が仕切り板11を掴んで引き下げることにより、収納ボックス10が筐体30に対して下方へ移動し、収納空間20全体を下方へ移動させることができる。一方、配達者が仕切り板11を掴んで引き上げようとしても、爪部により収納ボックス10が筐体30に対して上方へ移動しないため、収納空間20全体を上方へ移動させることができない。なお、このような構成においては、専有部A側からの操作(すなわち、居住者の操作)によって前記爪部を収納可能とし、収納ボックス10(収納空間20)を上方へ移動可能とすることが望ましい。
また、本実施形態において、スイッチ60は、投函口40の外方に形成されるものとしたが、これに限定するものではない。スイッチ60は、投函口40の内方に形成されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、投函口40が前側に形成され、取出口50が左側に形成される構成(すなわち、投函口40及び取出口50の臨む方向が互いに直交するように形成される構成)であったが、これに限定するものではない。例えば、投函口40が前側に形成され、取出口50が後側に形成される構成(すなわち、投函口40及び取出口50の臨む方向が互いに反対となるように形成される構成)であったり、投函口40が前側に形成され、取出口50も前側に形成される構成(すなわち、投函口40及び取出口50の臨む方向が互いに同一となるように形成される構成)であってもよい。
また、本実施形態において、制御装置90は、投函位置の収納空間20に収納された荷物の重量が10kgよりも重いと判定した場合に、収納空間20を下降させないものとしたが、10kgに限定するものではなく、任意の重さに設定することができる。
また、本実施形態において、制御装置90は、投函位置の収納空間20に収納された荷物の重量が10kgよりも重いと判定した場合に、収納空間20を下降させない(送出機構80による複数の収納空間20全体の送出を行わない)ものとしたが、これに限定するものではない。例えば、制御装置90は、上述の如く判定した場合に、所定のブザーから警告音を鳴らしたり、所定の表示部(例えば、扉)に「異常あり」等の警告を表示する等の、通常時と異なる任意の動作を行うことができる。これにより、防犯性の向上を図ることができる。
また、本実施形態においては、複数の収納空間20は、荷物を収納した後、下降するものとしたが、これに限定するものではない。すなわち、投函口40と取出口50との上下方向における位置関係を反対にすることで、複数の収納空間20は、荷物を収納した後、上昇するものとしてもよい。また、このように複数の収納空間20が上昇するものとした場合には、収納した荷物が所定の値よりも重い場合に、物理的に上昇不可能な構成(例えば、上昇せずに落下する構成)としてもよい。これにより、簡易な構成によって不審者の侵入を防止することができる。
また、本実施形態に係る重量センサ70は、一実施形態であり、収納空間20に収納された荷物の重量は、任意の方法により計測することができる。また、本実施形態に係る重量センサ70は、各収納空間20ごと重量を計測するものとしたが、収納空間20全体の重量を計測するものであってもよい。なお、重量センサ70は、宅配ボックス装置1に必ずしも設けられなくともよい。すなわち、宅配ボックス装置1は、重量センサ70を設けることなく構成することもできる。