JP2018201582A - ガイドワイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガイドワイヤの先端部の柔軟性および病変部に対する通過性を向上することができるガイドワイヤを提供する。【解決手段】ガイドワイヤ10は、長尺状のコア部20と、線材50を螺旋状に巻回して形成された複数の巻回部40を有し、コア部の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部30と、を有している。自然状態において、コイル部の複数の巻回部は、コア部の軸方向の異なる位置にそれぞれ配置されている。コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、コイル部は、複数の巻回部のうち、一の巻回部41〜43と他の巻回部42、43とが、コア部の軸方向に互いに重なって形成された少なくとも一つの重なり部61〜63を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、ガイドワイヤに関する。
従来から、生体管腔内の治療等を行うためにカテーテルデバイスが用いられており、当該カテーテルデバイスを生体管腔の目的部位へ導くために、ガイドワイヤが使用される。ガイドワイヤは、生体管腔の管壁に損傷を与えることを防止するために、ガイドワイヤの先端の突き当て荷重(以下、「先端荷重」と称する。)を低下させて、ガイドワイヤの先端部の柔軟性を向上することが求められる。ガイドワイヤの先端部の柔軟性を確保するために、例えば、コアワイヤの先端部を覆うように、線材を螺旋状に巻回して形成されたコイル部を有するガイドワイヤが知られている(下記特許文献1を参照)。
米国特許出願公開第2007/29379号明細書
一方で、ガイドワイヤは、狭窄部や閉塞部等の病変部に対する通過性が求められる。しかしながら、一般的に、ガイドワイヤの先端部の柔軟性を向上すると曲げ剛性が低下して、ガイドワイヤの先端部は座屈し易くなる。ガイドワイヤの先端部が座屈すると、軸方向に対する押し込み力が軸に交差する方向に逃げてしまう。これにより、ガイドワイヤの押し込み力が低下して、病変部に対する通過性が低下してしまう場合があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、ガイドワイヤの先端部の柔軟性および病変部に対する通過性を向上することができるガイドワイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るガイドワイヤは、長尺状のコア部と、線材を螺旋状に巻回して形成された複数の巻回部を有し、前記コア部の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部と、を有する。自然状態において、前記コイル部の複数の前記巻回部は、前記コア部の軸方向の異なる位置にそれぞれ配置される。前記コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、前記コイル部は、複数の前記巻回部のうち、一の前記巻回部と他の前記巻回部とが、前記コア部の軸方向に互いに重なって形成された少なくとも一つの重なり部を有する。
上記ガイドワイヤは、ガイドワイヤが生体管腔の管壁や病変部に突き当たった際に、コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用して、コイル部に重なり部が形成される。ガイドワイヤは、コア部の収縮と重なり部の形成によって、コア部の軸方向に作用した外力が吸収され、ガイドワイヤの先端荷重が低下する。これにより、ガイドワイヤは、先端部の柔軟性が向上し、生体管腔の管壁に損傷を与えることを防止できる。また、ガイドワイヤは、重なり部を形成した状態からさらに押し込まれると、コイル部の復元力が軸方向に作用するとともに、重なり部によって押し込み力が軸に交差する方向に逃げるのを防止して、押し込み力をガイドワイヤの先端部へ確実に伝達する。これにより、ガイドワイヤは、病変部に対する通過性が向上する。また、コイル部が重なり部を形成することによって、ガイドワイヤの先端部が座屈し難くなるため、ガイドワイヤは、病変部に対する通過性がさらに向上する。
第1実施形態に係るガイドワイヤの側面図である。 図2(A)は、第1実施形態に係るガイドワイヤの軸方向断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す2B−2B線に沿うコア部の軸直交断面図である。 第1実施形態に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す軸方向断面図であり、図3(A)は、自然状態のガイドワイヤを示し、図3(B)は、コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態のガイドワイヤを示す。 図4(A)〜(C)は、コイル部の線材の径方向の重なり率を説明するための図である。 図5(A)は、ガイドワイヤを病変部の近傍まで挿入した状態を模式的に示す図であり、図5(B)は、ガイドワイヤが軸方向に収縮した状態を模式的に示す図である。 図6(A)は、ガイドワイヤが図5(B)に示す状態から軸方向にさらに収縮した状態を模式的に示す図であり、図6(B)は、ガイドワイヤが病変部を通過した後に元の形状に復元した状態を模式的に示す図である。 第2実施形態に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す軸方向断面図であり、図7(A)は、自然状態のガイドワイヤを示し、図7(B)は、コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態のガイドワイヤを示す。 第3実施形態に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す軸方向断面図であり、図8(A)は、自然状態のガイドワイヤを示し、図8(B)は、コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態のガイドワイヤを示す。 第3実施形態に係るガイドワイヤの要部を拡大して示す軸方向断面図であり、図9(A)は、ガイドワイヤが図8(B)に示す状態から軸方向にさらに収縮した状態を示し、図9(B)は、ガイドワイヤが図9(A)に示す状態から軸方向にさらに収縮した状態を示す。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
ガイドワイヤ10は、例えば、生体管腔内に挿入されて、治療用または診断用のカテーテルの内腔(ガイドワイヤルーメン)に挿通された状態で、当該カテーテルを生体管腔の目的部位へ導くために用いられる。
図1に示すように、ガイドワイヤ10は、軸方向に延在する長尺状のコア部(コアワイヤ)20と、コア部20の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部30と、を有している。コイル部30は、線材50を螺旋状に巻回して形成された複数の巻回部40によって構成されている。
なお、本明細書の説明では、コア部20の長手方向(図1中の左右方向)を「軸方向」と定義し、各図において矢印Xで示す。また、軸方向に直交する方向を「径方向」と定義し、各図において矢印Rで示す。また、ガイドワイヤ10において生体内(血管内)に挿入される側を先端側(遠位側、図1中の左側)と定義し、各図において矢印X1で示し、先端側と反対側に位置する手元での操作がなされる側を基端側(近位側、図1中の右側)と定義し、各図において矢印X2で示す。また、本明細書において先端部とは、先端(最先端)から軸方向における一定の範囲を含む部分を意味し、基端部とは、基端(最基端)から軸方向における一定の範囲を含む部分を意味するものとする。
図2(A)、図3(A)に示すように、自然状態において、コイル部30の複数の巻回部40は、コア部20の軸方向の異なる位置にそれぞれ配置されている。ここで、「自然状態」とは、ガイドワイヤ10に対して外力が作用しない状態を意味する。
ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、コイル部30は、図3(B)に示すように、複数の巻回部40のうち、一の巻回部41〜43と他の巻回部42〜44とが、コア部20の軸方向に互いに重なって形成された少なくとも一つの重なり部61〜63を形成する。
ここで、「一の巻回部と他の巻回部とが軸方向に互いに重なる」とは、コイル部30において、コア部20が配置される側を内周面側、その反対側を外周面側としたとき、コイル部30の外周面側から内周面側を見た際に、一の巻回部と他の巻回部とが重なった部分を有することを意味する。
ガイドワイヤ10は、上記のような構成を有することにより、生体管腔に挿入される際に、仮に、生体管腔の管壁にガイドワイヤ10の先端が突き当たった場合に、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用して、コイル部30の一の巻回部41〜43と他の巻回部42〜44とが重なり部61〜63を形成する。これにより、ガイドワイヤ10の先端部が収縮することによって、ガイドワイヤ10の先端荷重を低下させることができる。このため、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性を向上させることができる。
また、ガイドワイヤ10が生体管腔の狭窄部や閉塞部等の病変部に突き当たった際に、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用して、コイル部30の一の巻回部41〜43と他の巻回部42〜44とが重なり部61〜63を形成する。これにより、ガイドワイヤ10の軸方向に作用する押し込み力が、軸に交差する方向に逃げるのを防止することができる。その結果、手元の操作によって基端側から伝えられた押し込み力をガイドワイヤ10の先端部に確実に伝達することができるため、ガイドワイヤ10の病変部に対する通過性を向上することができる。また、コイル部30の一の巻回部41〜43と他の巻回部42〜44とが重なり部61〜63を形成することによって、ガイドワイヤ10の先端部が座屈し難くなるため、ガイドワイヤ10の病変部に対する通過性をさらに向上することができる。
ガイドワイヤ10の軸方向に沿う長さは、特に限定されないが、例えば、200〜5000mmとすることができる。
以下、ガイドワイヤ10の各部の構成について詳細に説明する。
(コア部)
図2(A)に示すように、コア部20は、可撓性を有する一本の連続した長尺部材で構成されている。コア部20は、先端から基端側へ向かって外径が漸増するテーパー部20Aと、テーパー部20Aから基端側へ略一定の外径で延びる外径一定部20Bと、を有している。
なお、コア部20の形状は、図示する形状に限定されることはなく、例えば、先端側から基端側にかけて一定の外形形状(外径)で形成されていてもよい。また、例えば、コア部20は、一本の連続した長尺部材から構成せずに、複数の長尺部材から構成することも可能である。
図3(B)に示すように、コア部20は、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、コア部20の軸方向に収縮可能な収縮部21を有している。コア部20の収縮部21が収縮することによって、コイル部30に重なり部61〜63を好適に形成することができる。
本実施形態では、収縮部21は、図2(A)に示すように、コア部20を形成する一本の長尺部材の一部に軸方向に沿って設けられたスリット21Aによって、一本の長尺部材が分割された複数の分割部21B(図2(B)を参照)により構成されている。スリット21Aの軸方向に沿う長さL1は、特に限定されないが、例えば、80〜1000μm程度(2〜30個の巻回部40を軸方向に配置した長さ程度)とすることができる。
図2(B)に示すように、分割部21Bでは、コア部20の分割されていない部分に比べて分割部21Bの断面形状の幅が細くなるため、曲げ剛性が低下する。したがって、収縮部21は、コア部20の収縮部21以外の部分に比べて変形し易くなる。
なお、本実施形態に係る収縮部21では、図2(B)に示すように、4つの分割部21Bによって構成しているが、分割部の数は特に限定されない。また、拡張部22を径方向に均一に拡張させる観点から、分割部21Bは、コア部20の中心軸に対して対称に配置されていることが好ましい。
図3(B)に示すように、収縮部21は、コア部20の軸方向に収縮した状態において、コア部20の径方向に拡張する拡張部22を有している。拡張部22は、複数の分割部21Bが径方向に広がるように変形することによって形成される。拡張部22は、径方向に拡張することによって、後述するコイル部30の第2のコイル部32を径方向に拡張することができる。
また、拡張部22のうち、コア部20の径方向に最も拡張する最大拡張部23は、後述するコイル部30の重なり部63を形成する巻回部43、44のうち、コイル部30の外周面側に配置される巻回部44付近に配置されている。本実施形態では、最大拡張部23は、巻回部44よりも基端側に位置する巻回部46と軸方向の同じ位置に配置されている。
拡張部22は、巻回部44付近に位置する巻回部46を径方向に拡張させることによって、巻回部46に追従させて巻回部44を径方向に拡張させることができる。これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、巻回部44を巻回部43の外周面側に円滑に配置することができるため、重なり部63をより確実に形成することができる。
なお、「巻回部44付近に位置する巻回部46」とは、巻回部46の拡張変形に追従させて巻回部44を拡張することができる程度の距離だけ巻回部44から軸方向に離れた位置に配置される巻回部46を意味し、巻回部44と巻回部46は隣り合う巻回部40であってもよいし、巻回部44と巻回部46との間に1〜8個の巻回部40が配置されていてもよい。
図3(A)を参照して、自然状態において、コア部20の拡張部22と、拡張部22と軸方向の同じ位置に配置されたコイル部30(後述する第2のコイル部32に相当)の内周面との距離D1は、例えば、10〜100μm程度とすることができる。このような値に設定することによって、拡張部22は、拡張部22と軸方向の同じ位置に配置されたコイル部30を好適に径方向に拡張することができる。
収縮部21は、弾性を有する材料によって構成されている。これにより、収縮部21は、コア部20の軸方向に収縮した状態において、軸方向に復元力(弾性力)を有する。当該復元力によって、ガイドワイヤ10の押し込み力をさらに向上させることができる。また、収縮部21は、コア部20の軸方向に収縮した後に、復元力によって再び伸長して、元の形状に復元することができる(図6(A)、(B)を参照)。コア部20の伸長に伴って、コイル部30の重なり部61〜63も重なる前の元の形状に戻るため、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性を再び確保することができる。
コア部20の構成材料は、弾性を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、Ni−Ti系合金、ステンレス鋼、超弾性合金、形状記憶合金などを用いることができる。
(コイル部)
図1に示すように、コイル部30は、線材50が螺旋状に巻回された状態で、軸方向に弾性力(復元力)を有するコイルばねである。
本実施形態では、線材50は、一本の連続した部材により構成されている。線材50は、略一定の線径を有し、断面形状は、略円形に形成されている。
本実施形態では、コイル部30は、図3(B)に示すように、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、軸方向に収縮(陥没)変形するように構成された第1のコイル部31および第2のコイル部32を有している。
コイル部30は、第1のコイル部31および第2のコイル部32によって、2段階に分けて収縮変形する。
まず、図5(B)に示すように、ガイドワイヤ10が病変部に突き当たった際に、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用すると、第1のコイル部31が重なり部61、62を形成して、コイル部30は軸方向に収縮変形する(第1段階)。
次に、図6(A)に示すように、さらにガイドワイヤ10を押し込むと、第2のコイル部32の巻回部44が、第1のコイル部31の巻回部43の外周面側に配置されることによって重なり部63を形成して、コイル部30は軸方向にさらに収縮変形する(第2段階)。
コイル部30を形成する線材50の構成材料は、線材50が螺旋状に巻回された状態で、軸方向に弾性力(復元力)を有する材料であれば特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、形状記憶合金、コバルト系合金、金、白金、タングステン等の金属、またはこれらを含む合金等を用いることが可能である。
なお、コイル部30は、例えば、その先端部と基端部とを異なる材料で構成することも可能である。例えば、コイル部30の先端部はX線不透過性を有する材料で構成することができ、コイル部30の基端部は先端部と比較してX線を透過し易い材料等で構成することが可能である。ここで、「X線不透過性を有する」とは、通常の医療現場において、放射線透視画像上で物体の存在が視認できる程度であることを意味する。
図2(A)に示すように、コイル部30の先端部は、固定材料81を介してコア部20の先端部付近に固定されており、コイル部30の基端部は、固定材料82を介してコア部20の外径一定部20Bに固定されている。固定材料81、82は、例えば、各種接着剤や半田、ろう材等によって構成することができる。
以下、第1のコイル部31および第2のコイル部32の構成について詳細に説明する。
(第1のコイル部)
図3(A)に示すように、自然状態において、第1のコイル部31は、コイル部30の先端から基端側へ向かって外径が漸増するように、線材50が隙間なく密巻きされた複数の巻回部41〜43により構成している。なお、第1のコイル部31の外径は、先端から基端側へ向かって線形状(直線状)に漸増する形状に限定されず、非線形状(例えば、曲線状)に漸増する形状であってもよい。
図3(B)に示すように、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、第1のコイル部31は、複数の巻回部41〜43のうち、一の巻回部41と他の巻回部42とが軸方向に互いに重なって形成された重なり部61と、一の巻回部42と他の巻回部43とが軸方向に互いに重なって形成された重なり部62と、を有している。
また、図3(A)に示すように、自然状態において、コア部20の軸方向に隣り合う巻回部41、42のうち、先端側に位置する巻回部41を形成する線材51の軸方向に沿う中心軸O1は、基端側に位置する巻回部42を形成する線材52の軸方向に沿う中心軸O2と異なる位置に配置されている。同様に、コア部20の軸方向に隣り合う巻回部42、43のうち、先端側に位置する巻回部42を形成する線材52の軸方向に沿う中心軸O2は、基端側に位置する巻回部43を形成する線材53の軸方向に沿う中心軸O3と異なる位置に配置されている。
これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、線材51は、線材52に対して径方向に相対的にずれて、軸方向に相対的に移動し易くなる。同様に、線材52は、線材53に対して径方向に相対的にずれて、軸方向に相対的に移動し易くなる。これにより、巻回部41と巻回部42は重なり部61を、巻回部42と巻回部43は重なり部62を、より確実に形成することができる。
また、自然状態において、線材51の軸方向に沿う中心軸O1は、線材52の軸方向に沿う中心軸O2よりもコイル部30の内周面側に配置されている。同様に、自然状態において、線材52の軸方向に沿う中心軸O2は、線材53の軸方向に沿う中心軸O3よりもコイル部30の内周面側に配置されている。これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、先端側に位置する巻回部41、42が基端側に位置する巻回部42、43の内周面側に入り込み易くなる。また、先端側に位置する巻回部41、42は、基端側に位置する巻回部42、43よりも外径が細いため、コイル部30の先端部を細径化することができる。これにより、ガイドワイヤ10の病変部に対する通過性を向上させることができる。
本実施形態では、図3(A)に示すように、コア部20の軸方向に隣り合う巻回部41、42のうち、先端側に位置する巻回部41を形成する線材51と、基端側に位置する巻回部42を形成する線材52は、径方向に互いに重なって形成された径方向重なり部71を有している。同様に、コア部20の軸方向に隣り合う巻回部42、43のうち、巻回部42を形成する線材52と、巻回部43を形成する線材53は、径方向に互いに重なって形成された径方向重なり部72を有している。
ここで、「線材50が径方向に互いに重なる」とは、コイル部30を軸方向から見た際に、隣り合う巻回部40の線材50が重なった部分を有することを意味する。
なお、線材51と線材52との位置関係は、線材52と線材53との位置関係と実質的に同様のため、以下の説明では、線材51と線材52との位置関係について詳細に説明し、線材52と線材53との位置関係については説明を省略する。
図4(A)を参照して、径方向重なり部71の径方向に沿う長さL2は、先端側に位置する巻回部41を形成する線材51の線径(径方向に沿う最長部分の長さ)R1に対する比率(L2/R1、以下、「重なり率」と称する。)が、0〜50%であることが好ましく、20%程度であることがより好ましい。
本実施形態では、重なり率L2/R1を20%程度に設定している。このため、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、巻回部41と巻回部42は、コア部20の軸方向に互いに重なって形成された重なり部61をより確実に形成することができる。
なお、コイル部30は、図4(B)に示すように、線材51Aと線材52Aとが径方向に重なった部分を有さない形態であってもよい。換言すると、線材51Aと線材52Aとは、径方向に異なる位置に配置されていてもよい。この場合、線材51Aと線材52Aとが径方向に重なった部分の長さL2は、0(ゼロ)になる。したがって、重なり率L2/R1は0%である。
また、図4(C)に示すように、線材51Bの線径R21と線材52Bの線径R22とが異なる場合においても、重なり率L2/R21は、0〜50%に設定することが好ましい。
(第2のコイル部)
図3(A)に示すように、第2のコイル部32は、第1のコイル部31よりも基端側に配置され、線材50が軸方向に離間するように疎巻きされた複数の巻回部44〜46により構成している。第2のコイル部32は、複数の巻回部44〜46を疎巻きに形成することによって、密巻きにする場合に比べて、径方向に拡張し易くなる。
図3(B)に示すように、第2のコイル部32は、コイル部30に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態で、コア部20の拡張部22により径方向に拡張される。
前述したように拡張部22の最大拡張部23は、第2のコイル部32の巻回部46と軸方向の同じ位置に配置されている。このため、拡張部22は、まず、巻回部46を径方向に拡張する。その後、巻回部46の径方向への拡張に追従して、巻回部44、45が径方向に拡張する。第2のコイル部32の巻回部44は、拡張に伴って、軸方向に収縮して、第1のコイル部31の巻回部43の外周面側に配置される。これにより、第1のコイル部31の巻回部43と、第2のコイル部32の巻回部44は、軸方向に互いに重なって形成された重なり部63を形成する。
(親水性被覆層)
コア部20およびコイル部30は、図示しない親水性被覆層に覆われていることが好ましい。親水性被覆層によって覆われていることにより摺動性が向上するため、ガイドワイヤ10が生体管腔の内壁やカテーテルに引っ掛かることをより一層防止することができる。
親水性被覆層の構成材料は特に限定されないが、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等からなる公知の親水性物質が挙げられる。
親水性被覆層の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜100μm程度であるのが好ましい。
(樹脂被覆層)
図2(A)に示すように、コア部20の基端部の外表面には、樹脂被覆層90を設けている。樹脂被覆層90は、例えば、PTFEやETFE等のフッ素系樹脂で形成することができる。
樹脂被覆層90の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜100μm程度であるのが好ましい。
次に、図5、図6を参照して、本実施形態に係るガイドワイヤ10の使用例を説明する。ここでは、血管(冠状動脈)が狭窄した病変部Nに形成された小さな穴(マイクロチャネル)Mにガイドワイヤ10の先端部を貫通させる手技を説明する。
術者は、図5(A)に示すように、イントロデューサ(図示せず)を介して、ガイドワイヤ10を生体管腔の病変部Nの近傍まで挿入する。この際に、仮に、生体管腔の管壁にガイドワイヤ10の先端が突き当たった場合に、ガイドワイヤ10は、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用して、コイル部30の一の巻回部41〜43と他の巻回部42〜44とが重なり部61〜63を形成する(図3(B)を参照)。これにより、ガイドワイヤ10の先端部が収縮することによって、ガイドワイヤ10の先端荷重を低下させることができる。このため、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性を向上させることができる。
次に、術者は、図5(B)に示すように、ガイドワイヤ10の先端を病変部Nに突き当てる。これにより、コイル部30に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用して、第1のコイル部31の巻回部41〜43は、重なり部61および重なり部62を順に形成する。これにより、コイル部30が収縮変形する。
また、コイル部30の収縮変形に伴って、コア部20が軸方向に収縮する方向に力が作用する。これにより、コア部20の収縮部21が収縮して、径方向に拡張した拡張部22を形成する。
その後、術者は、ガイドワイヤ10をさらに先端側へ押し込む。これにより、図6(A)に示すように、拡張部22はさらに径方向に拡張して、第2のコイル部32を径方向に押し広げて拡張させる。第2のコイル部32は、複数の巻回部44〜46が疎巻きに形成されているため、密巻きにする場合に比べて、径方向に拡張し易い。
第2のコイル部32は、径方向に拡張することによって軸方向に収縮して、第1のコイル部31の外周面側に配置される。これにより、第1のコイル部31の巻回部43と、第2のコイル部32の巻回部44は、軸方向に互いに重なって形成された重なり部63を形成する。
コイル部30が重なり部61〜63を形成することによって、ガイドワイヤ10の先端部が座屈し難くなるため、コイル部30の軸方向の押し込み力が軸に交差する方向に逃げるのを防止することができる。したがって、手元の操作によって基端側から伝えられたガイドワイヤ10の先端部の押し込み力をコア部20の軸方向に確実に伝達することができる。
また、コイル部30およびコア部20は、軸方向に収縮した状態で、コア部20の軸方向に作用する復元力を有する。当該復元力によって、ガイドワイヤ10の先端部の押し込み力をより一層向上させることができる。
ガイドワイヤ10は、病変部NのマイクロチャネルMを貫通した後、図6(B)に示すように、コイル部30およびコア部20の復元力によって、元の形状に復元する。これにより、重なり部61〜63が形成される前の状態に戻るため、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性を再び向上させることができる。これにより、ガイドワイヤ10をさらに推し進める際に、生体管腔の管壁に損傷を与えることを防止することができる。
以上のように本実施形態に係るガイドワイヤ10は、長尺状のコア部20と、線材50を螺旋状に巻回して形成された複数の巻回部40を有し、コア部20の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部30と、を有している。自然状態において、コイル部30の複数の巻回部40は、コア部20の軸方向の異なる位置にそれぞれ配置されている。コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、コイル部30は、複数の巻回部40のうち、一の巻回部41〜43と、他の巻回部42〜44とが、コア部20の軸方向に互いに重なって形成された少なくとも一つの重なり部61〜63を有している。
上記ガイドワイヤ10は、ガイドワイヤ10が生体管腔の管壁や病変部に突き当たった際に、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用して、コイル部30に重なり部61〜63が形成される。ガイドワイヤ10は、コア部20の収縮と重なり部61〜63の形成によって、コア部20の軸方向に作用した外力が吸収され、ガイドワイヤ10の先端荷重が低下する。これにより、ガイドワイヤ10は、先端部の柔軟性が向上し、生体管腔の管壁に損傷を与えることを防止できる。また、ガイドワイヤ10は、重なり部61〜63を形成した状態からさらに押し込まれると、コイル部30の復元力が軸方向に作用するとともに、重なり部61〜63によって押し込み力が軸に交差する方向に逃げるのを防止して、押し込み力をガイドワイヤ10の先端部へ確実に伝達する。これにより、ガイドワイヤ10は、病変部に対する通過性が向上する。また、コイル部30が重なり部61〜63を形成することによって、ガイドワイヤ10の先端部が座屈し難くなるため、ガイドワイヤ10は、病変部に対する通過性がさらに向上する。
また、自然状態において、コア部20の軸方向に隣り合う少なくとも一組の巻回部41〜43のうち、先端側に位置する巻回部41、42を形成する線材51、52の軸方向に沿う中心軸O1、O2は、基端側に位置する巻回部42、43を形成する線材52、53の軸方向に沿う中心軸O2、O3と異なる位置に配置されてなる。これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、線材51、52は、線材52、53に対して径方向に相対的にずれて、軸方向に移動し易くなる。これにより巻回部41と巻回部42は重なり部61を、巻回部42と巻回部43は重なり部62を、より確実に形成することができる。
また、先端側に位置する巻回部41、42を形成する線材51、52の軸方向に沿う中心軸O1、O2は、基端側に位置する巻回部42、43を形成する線材52、53の軸方向に沿う中心軸O2、O3よりもコイル部30の内周面側に配置されてなる。これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、先端側に位置する巻回部41、42が基端側に位置する巻回部42、43の内周面側に入り込み易くなる。また、先端側に位置する巻回部41、42は、基端側に位置する巻回部42、43よりも外径が細いため、コイル部30の先端部を細径化することができる。これにより、ガイドワイヤ10の病変部に対する通過性を向上させることができる。
また、コア部20は、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、コア部20の軸方向に収縮可能な収縮部21を有する。これにより、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、コア部20の収縮部21が収縮することによって、コイル部30に重なり部61〜63を好適に形成することができる。
また、収縮部21は、コア部20の軸方向に収縮した状態において、コア部20の径方向に拡張した拡張部22を有する。これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、拡張部22は、コア部20の一部(第2のコイル部32)を径方向に拡張することができるため、重なり部63を好適に形成することができる。
また、拡張部22のうち、コア部20の径方向に最も拡張する最大拡張部23は、コイル部30の重なり部63を形成する巻回部43、44のうち、コイル部30の外周面側に配置される巻回部44付近に配置されてなる。拡張部22は、巻回部44付近に位置する巻回部46を径方向に拡張させることによって、巻回部44を巻回部46に追従させて径方向に拡張させることができる。これにより、ガイドワイヤ10に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、巻回部44を巻回部43の外周面側に円滑に配置することができるため、重なり部63をより確実に形成することができる。
また、収縮部21は、弾性を有する材料によって構成されてなる。これにより、収縮部21は、コア部20の軸方向に収縮した状態において、軸方向に復元力(弾性力)を有する。当該復元力によって、ガイドワイヤ10の押し込み力をさらに向上させることができる。また、収縮部21は、ガイドワイヤ10の先端部が病変部を通過した後に、軸方向に収縮した状態から元の形状に復元することができる。これにより、収縮部21の復元(伸長)に伴ってコイル部30の重なり部61〜63も重なる前の元の形状に戻るため、生体管腔を通過させる際のガイドワイヤ10の先端部の柔軟性を再び確保することができる。
<第2実施形態>
次に、図7を参照して、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において特に言及しない点については、上述した第1実施形態と同様に構成することができるものとする。
図7は、第2実施形態に係るガイドワイヤ100の要部を拡大して示す軸方向断面図、図7(A)は、自然状態のガイドワイヤ100を示し、図7(B)は、コア部120が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態のガイドワイヤ100を示す。
第2実施形態に係るコア部120の収縮部121は、軸方向に伸縮可能な入れ子構造によって構成されている点で前述した第1実施形態と相違する。
収縮部121は、先端側に配置される第1のコア部124と、第1のコア部124の基端側に配置され、第1のコア部124の一部を収容可能な収容部125Aを有する第2のコア部125と、を有する入れ子構造によって構成されている。
自然状態において、第1のコア部124は、図7(A)に示すように、第2のコア部125の収容部125Aから一部が引き出された状態になっている。コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、第1のコア部124は、図7(B)に示すように、第2のコア部125の収容部125Aに入れ子状に収容されて軸方向に収縮した状態になる。このようにして、コア部120の収縮部121は、軸方向に伸縮可能に構成されている。
なお、第1のコア部124と第2のコア部125との入れ子関係は、本実施形態と逆に、第1のコア部124に対して第2のコア部125を収容する構造であってもよい。
前述した第1実施形態と同様に、本実施形態に係るコイル部130は、コイル部130の先端部に配置され、コア部120が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、軸方向に収縮するように構成された第1のコイル部131および第2のコイル部132を有している。
図7(A)に示すように、本実施形態では、自然状態において、第1のコイル部131は、外径が略一定に形成されている。第2のコイル部132は、第1のコイル部131よりも外径が大きく、略一定に形成されている。
また、コア部120の軸方向に隣り合う第1のコイル部131の巻回部143および第2のコイル部132の巻回部144のうち、先端側に位置する巻回部143を形成する線材153の軸方向に沿う中心軸O21は、基端側に位置する巻回部144を形成する線材154の軸方向に沿う中心軸O22よりもコイル部130の内周面側に配置されている。これにより、ガイドワイヤ100に対してコア部120が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、先端側に位置する巻回部143が基端側に位置する巻回部144の内周面側に入り込み易くなる。巻回部143が巻回部144の内周面側に入り込む動きを起点として、図7(B)に示すように、第1のコイル部131は、第2のコイル部132の内周面側に入り込むように移動する。これにより、第1のコイル部131の巻回部143と、第2のコイル部132の巻回部144とが、重なり部161を形成することができる。
第2実施形態に係るガイドワイヤ100においても、前述した第1実施形態と同様の効果が発揮される。
また、収縮部121は、コア部120の軸方向に伸縮可能な入れ子構造によって構成されてなる。これにより、コア部120は、比較的簡単な構造により、収縮部121を軸方向に伸縮することができる。
<第3実施形態>
次に、図8、図9を参照して、第3実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、第3実施形態において特に言及しない点については、前述した第1実施形態と同様に構成することができるものとする。
図8、図9は、第3実施形態に係るガイドワイヤ200の要部を拡大して示す軸方向断面図である。図8(A)は、自然状態のガイドワイヤ200を示し、図8(B)、図9(A)、(B)は、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態のガイドワイヤ200を示す。
図8(A)に示すように、第3実施形態に係るコイル部230は、コイル部230の先端部に配置され、コア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、軸方向に収縮するように構成された第1のコイル部231、第2のコイル部232および第3のコイル部233を有している。
前述した第1実施形態では、コイル部30が2段階に分けて収縮変形するように構成されていたが、本実施形態では、コイル部230が3段階に分けて収縮変形するように構成されている点で相違する。
まず、図8(B)に示すように、第1のコイル部231が重なり部261、262を形成して、ガイドワイヤ200は軸方向に収縮変形する(第1段階)。
次に、図9(A)に示すように、第2のコイル部232の巻回部244が、第1のコイル部231の巻回部243の外周面側に配置されることによって重なり部263を形成して軸方向にさらに収縮変形する(第2段階)。
第1段階および第2段階のガイドワイヤ200の軸方向の収縮変形に伴って、コア部20の拡張部22が径方向に拡張して、第3のコイル部233を径方向に拡張する。これにより、コイル部230が軸方向にさらに収縮して、図9(B)に示すように、第3のコイル部233の巻回部247、248は、第2のコイル部232の巻回部245、246の外周面側に配置されて、重なり部264をそれぞれ形成する(第3段階)。
第1のコイル部231は、前述した第1実施形態の第1のコイル部31と同様に、先端から基端側へ向かって外径が漸増するように、線材250が隙間なく密巻きされた複数の巻回部241〜243により構成している。本実施形態に係る第1のコイル部231は、線材251〜253の線径が先端へ向かって細くなっている点で前述した第1実施形態と異なる。これにより、第1のコイル部231は、先端に向かって曲げ剛性が低下するため、ガイドワイヤ200の先端部の柔軟性をさらに向上することができる。
自然状態において、コア部20の軸方向に隣り合う第1のコイル部231の巻回部241、242のうち、先端側に位置する巻回部241を形成する線材251の軸方向に沿う中心軸O31は、基端側に位置する巻回部242を形成する線材252の軸方向に沿う中心軸O32よりもコイル部230の内周面側に配置されている。また、コア部20の軸方向に隣り合う第1のコイル部231の巻回部242、243のうち、先端側に位置する巻回部242を形成する線材252の軸方向に沿う中心軸O32は、基端側に位置する巻回部243を形成する線材253の軸方向に沿う中心軸O33よりもコイル部230の内周面側に配置されている。
同様に、自然状態において、コア部20の軸方向に隣り合う第1のコイル部231の巻回部243および第2のコイル部232の巻回部244のうち、先端側に位置する第1のコイル部231の巻回部243を形成する線材253の軸方向に沿う中心軸O33は、基端側に位置する第2のコイル部232の巻回部244を形成する線材254の軸方向に沿う中心軸O34よりもコイル部230の内周面側に配置されている。
上記構成により、ガイドワイヤ200に対してコア部20が軸方向に収縮する方向に外力が作用した際に、先端側に位置する巻回部241〜243が基端側に位置する巻回部242〜244の内周面側にそれぞれ入り込み易くなる。これにより、図8(B)、図9(A)に示すように、巻回部241〜244は、それぞれ重なり部261〜263をより確実に形成することができる。
また、第1のコイル部231は、線材251〜253の線径が先端へ向かって細くなっているため、先端へ向かって線材251〜253の曲げ剛性が低下する。先端側と基端側で線材251〜253の曲げ剛性が変化する部分が変曲点となり、第1のコイル部231は、重なり部261〜263を形成する方向に変形し易くなる。
第3のコイル部233は、線材250が軸方向に離間するように疎巻きに形成された複数の巻回部247〜249により構成している。複数の巻回部247〜249を疎巻きに形成することによって、密巻きにする場合に比べて、径方向に拡張し易くなる。
第3実施形態に係るガイドワイヤ200においても、前述した第1実施形態と同様の効果が発揮される。
以上、実施形態を通じてガイドワイヤを説明したが、本発明は実施形態において説明した構成に限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
例えば、ガイドワイヤは、コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、コイル部が少なくとも一つの重なり部を有している限りにおいて、重なり部の数や位置は特に限定されない。
また、自然状態において、コア部の軸方向に隣り合う少なくとも一組の巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸が異なる位置に配置されている限りにおいて、このような位置に配置された巻回部の数や位置は特に限定されない。
また、自然状態において、コア部の軸方向に隣り合う少なくとも一組の巻回部のうち、先端側に位置する巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸は、基端側に位置する巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸よりもコア部の径方向外方に配置されていてもよい。この場合、線材が重なり部を形成した状態において、先端側に位置する巻回部は、基端側に位置する巻回部よりも外周面側に配置される。
また、コア部の収縮部の構成は、コア部の軸方向に収縮可能な限りにおいて、前述した実施形態において説明した構成に特に限定されない。例えば、第2実施形態において説明した入れ子構造の第1のコア部の基端と、第2のコア部の収容部の内面との間にばね等の弾性部材を設けてもよい。これにより、自然状態において、弾性部材は、第1のコア部と第2のコア部とが互いに離間する方向に付勢力を付与することができる。その結果、ガイドワイヤの押し込み力をさらに向上させることができるとともに、自然状態において、コア部の収縮部が不用意に収縮することを防止することができる。
また、ガイドワイヤは、2段階または3段階に分けて収縮変形する構成に限定されず、1段階で収縮変形してもよいし、4段階以上に分けて収縮変形してもよい。
また、ガイドワイヤの要部以外の形状や構成は、前述した実施形態および本明細書に添付した図面に示した構成に限定されず、公知のガイドワイヤの形状や構成を使用することができる。例えば、ガイドワイヤの先端部にX線不透過性を有するマーカを適宜設けてもよい。
10、100、200 ガイドワイヤ、
20、120 コア部、
21、121 収縮部、
22 拡張部、
23 最大拡張部、
30、130、230 コイル部、
40、41〜46、141〜146、241〜249 巻回部、
50、51〜56、153、154、251〜259 線材、
61〜63、161、261〜264 重なり部、
X 軸方向、
R 径方向、
X1 先端側、
X2 基端側。

Claims (8)

  1. 長尺状のコア部と、
    線材を螺旋状に巻回して形成された複数の巻回部を有し、前記コア部の少なくとも先端部を覆うように配置されたコイル部と、を有し、
    自然状態において、前記コイル部の複数の前記巻回部は、前記コア部の軸方向の異なる位置にそれぞれ配置され、
    前記コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、前記コイル部は、複数の前記巻回部のうち、一の前記巻回部と他の前記巻回部とが、前記コア部の軸方向に互いに重なって形成された少なくとも一つの重なり部を有する、ガイドワイヤ。
  2. 自然状態において、前記コア部の軸方向に隣り合う少なくとも一組の前記巻回部のうち、先端側に位置する前記巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸は、基端側に位置する前記巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸と異なる位置に配置されてなる、請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 自然状態において、前記先端側に位置する前記巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸は、前記基端側に位置する前記巻回部を形成する線材の軸方向に沿う中心軸よりも前記コイル部の内周面側に配置されてなる、請求項2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記コア部は、前記コア部が軸方向に収縮する方向に外力が作用した状態において、前記コア部の軸方向に収縮可能な収縮部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記収縮部は、前記コア部が軸方向に収縮した状態において、前記コア部の径方向に拡張した拡張部を有する、請求項4に記載のガイドワイヤ。
  6. 前記拡張部のうち、前記コア部の径方向に最も拡張する最大拡張部は、前記重なり部を形成する前記巻回部のうち、前記コイル部の外周面側に配置される前記巻回部付近に配置されてなる、請求項5に記載のガイドワイヤ。
  7. 前記収縮部は、前記コア部の軸方向に伸縮可能な入れ子構造によって構成されてなる、請求項4に記載のガイドワイヤ。
  8. 前記収縮部は、弾性を有する材料によって構成されてなる、前記請求項4〜7のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
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