以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)の一側面は、色度が15.0EBC単位以下の麦芽を使用して原料液を調製することを含み、当該麦芽は、可溶性窒素含有量が0.30重量%以上、0.60重量%以下である第一麦芽1重量%以上、85重量%以下と、可溶性窒素含有量が当該第一麦芽より大きい第二麦芽15重量%以上、99重量%以下とを含む、発泡性飲料の製造方法である。
また、本方法の他の側面は、色度が15.0EBC単位以下の麦芽を使用して原料液を調製することを含む発泡性飲料の製造において、当該麦芽として、可溶性窒素含有量が0.30重量%以上、0.60重量%以下である第一麦芽1重量%以上、85重量%以下と、可溶性窒素含有量が0.61重量%以上である第二麦芽15重量%以上、99重量%以下とを使用することにより、前記発泡性飲料の泡持ちを向上させる方法である。
すなわち、本発明の発明者らは、色度が高くない麦芽を使用して原料液を調製することを含む発泡性飲料の製造において、当該麦芽として、可溶性窒素含有量が通常の麦芽のそれより小さい第一麦芽と、可溶性窒素含有量がより大きい第二麦芽とを、特定の範囲内の量比で使用することにより、泡持ちが効果的に向上した発泡性飲料が得られることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
本方法によれば、第一麦芽を特定の範囲内の量で使用することにより、当該第一麦芽に代えて、当該第一麦芽より可溶性窒素含有量が大きな麦芽を使用したこと以外は同一の方法で製造された発泡性飲料に比べて、発泡性飲料の泡持ちを向上させることができる。
具体的には、発泡性飲料のNIBEM値を増加させることができ、より具体的には、例えば、当該NIBEM値を3秒以上、好ましくは5秒以上、より好ましくは7秒以上、特に好ましくは11秒以上増加させることができる。
発泡性飲料のNIBEM値は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.29 泡−NIBEM−Tを用いた泡持ち測定法−」に記載の方法により測定される。
原料液の調製に使用される、第一麦芽及び第二麦芽を含む麦芽の色度は、15.0EBC単位以下であれば特に限られないが、例えば、12.0EBC単位以下であることとしてもよく、10.0EBC単位以下であることとしてもよく、8.0EBC単位以下であることとしてもよく、6.0EBC単位以下であることとしてもよい。
すなわち、第一麦芽及び第二麦芽の色度は、15.0EBC単位以下であれば特に限られないが、例えば、12.0EBC単位以下であることとしてもよく、10.0EBC単位以下であることとしてもよく、8.0EBC単位以下であることとしてもよく、6.0EBC単位以下であることとしてもよい。
麦芽の色度は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.8 色度」の「8.8.2 吸光度法(IM)」に準拠して、当該麦芽を使用して調製されたコングレス麦汁の色度を測定することによって求められる。
第一麦芽は、色度が上記いずれかの上限値以下であって可溶性窒素含有量(以下、「SN含有量」という。)が小さい麦芽である。一方、第二麦芽は、色度が上記いずれかの上限値以下であってSN含有量が当該第一麦芽のそれより大きい麦芽である。
第一麦芽のSN含有量は、0.30重量%以上、0.60重量%以下であれば特に限られないが、例えば、0.30重量%以上、0.57重量%以下であることとしてもよく、0.30重量%以上、0.55重量%以下であることとしてもよく、0.30重量%以上、0.54重量%以下であることとしてもよく、0.30重量%以上、0.51重量%以下であることとしてもよい。
第二麦芽のSN含有量は、第一麦芽のそれより大きければ特に限られないが、例えば、第一麦芽のSN含有量が0.60重量%以下の場合には、0.61重量%以上であり、第一麦芽のSN含有量が0.57重量%以下の場合には、0.58重量%以上であり、第一麦芽のSN含有量が0.55重量%以下の場合には、0.56重量%以上であり、第一麦芽のSN含有量が0.54重量%以下の場合には、0.55重量%以上であることとしてもよい。第二麦芽のSN含有量の上限値は特に限られないが、例えば、0.90重量%以下であることとしてもよい。
また、第二麦芽のSN含有量が0.55重量%以上である場合、第一麦芽のSN含有量は、0.30重量%以上、0.53重量%以下であることが好ましく、0.30重量%以上、0.52重量%以下であることがより好ましく、0.30重量%以上、0.51重量%以下であることがより一層好ましく、0.30重量%以上、0.50重量%以下であることが特に好ましい。
上述した第一麦芽のSN含有量の各範囲の下限値は0.30重量%に限られず、当該第一麦芽のSN含有量は、例えば、0.31重量%以上であることとしてもよく、0.32重量%以上であることとしてもよく、0.33重量%以上であることとしてもよく、0.34重量%以上であることとしてもよく、0.35重量%以上であることとしてもよい。
具体的に、例えば、第二麦芽のSN含有量が0.55重量%以上である場合、第一麦芽のSN含有量は、0.35重量%以上、0.53重量%以下であることが好ましく、0.35重量%以上、0.52重量%以下であることがより好ましい。
麦芽のSN含有量は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「4.3.5 可溶性窒素(IM)」に記載の方法により測定され、当該「4.3.5 可溶性窒素(IM)」の「5.結果の表示」の「(2)」に従って、麦芽乾物中の可溶性窒素含量として重量%で表示する。
原料液の調製に使用される、色度が上記いずれかの上限値以下である麦芽に含まれる、第一麦芽の量の範囲と、第二麦芽の量の範囲との組み合わせは、上述した第一麦芽1重量%以上、85重量%以下と、第二麦芽15重量%以上、99重量%以下との組み合わせに限られず、例えば、第一麦芽1重量%以上、75重量%以下と、第二麦芽25重量%以上、99重量%以下との組み合わせであることとしてもよく、第一麦芽1重量%以上、65重量%以下と、第二麦芽35重量%以上、99重量%以下との組み合わせであることが好ましく、第一麦芽1重量%以上、50重量%以下と、第二麦芽50重量%以上、99重量%以下との組み合わせであることがより好ましく、第一麦芽1重量%以上、40重量%以下と、第二麦芽60重量%以上、99重量%以下との組み合わせであることがより一層好ましく、第一麦芽1重量%以上、30重量%以下と、第二麦芽70重量%以上、99重量%以下との組み合わせであることが特に好ましい。
上述した第一麦芽の使用量の各範囲の下限値は1重量%に限られず、当該第一麦芽の使用量は、例えば、2重量%以上(この場合、第二麦芽の使用量は98重量%以下)であることとしてもよく、3重量%以上(この場合、第二麦芽の使用量は97重量%以下)であることが好ましく、4重量%以上(この場合、第二麦芽の使用量は96重量%以下)であることがより好ましく、5重量%以上(この場合、第二麦芽の使用量は95重量%以下)であることが特に好ましい。
さらに、原料液の調製に使用される、色度が上記いずれかの上限値以下である麦芽は、第一麦芽4重量%以上、25重量%以下と、第二麦芽65重量%以上、96重量%以下とを含むことが好ましく、第一麦芽5重量%以上、25重量%以下と、第二麦芽65重量%以上、95重量%以下とを含むことが特に好ましい。
第一麦芽は、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽であることが好ましく、大麦麦芽であることが特に好ましい。第二麦芽もまた、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽であることが好ましく、大麦麦芽であることが特に好ましい。
例えば、第一麦芽及び第二麦芽は、いずれも大麦麦芽及び/又は小麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が大麦麦芽及び/又は小麦麦芽であり、第二麦芽が大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が大麦麦芽であり、第二麦芽が大麦麦芽及び/又は小麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽及び第二麦芽が、いずれも大麦麦芽であることが特に好ましい。大麦麦芽及び小麦麦芽は、それぞれ大麦及び小麦を発芽させることにより調製される。
第一麦芽は、二条大麦麦芽及び/又は六条大麦麦芽であることとしてもよく、二条大麦麦芽であることが好ましい。第二麦芽もまた、二条大麦麦芽及び/又は六条大麦麦芽であることとしてもよく、二条大麦麦芽であることが好ましい。
例えば、第一麦芽及び第二麦芽は、いずれも二条大麦麦芽及び/又は六条大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が二条大麦麦芽及び/又は六条大麦麦芽であり、第二麦芽が二条大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が二条大麦麦芽であり、第二麦芽が二条大麦麦芽及び/又は六条大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽及び第二麦芽が、いずれも二条大麦麦芽であることが特に好ましい。二条大麦麦芽及び六条大麦麦芽は、それぞれ二条大麦及び六条大麦を発芽させることにより調製される。
なお、二条大麦麦芽である第一麦芽は、具体的には、色度が上述したいずれかの上限値以下であり、SN含有量が、第一麦芽について上述したいずれかの範囲内である、二条大麦麦芽である。
第一麦芽は、皮麦及び/又は裸麦の大麦麦芽であることとしてもよく、皮麦の大麦麦芽であることが好ましい。第二麦芽もまた、皮麦及び/又は裸麦の大麦麦芽であることとしてもよく、皮麦の大麦麦芽であることが好ましい。
例えば、第一麦芽及び第二麦芽は、いずれも皮麦及び/又は裸麦の大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が皮麦及び/又は裸麦の大麦麦芽であり、第二麦芽が皮麦の大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が皮麦の大麦麦芽であり、第二麦芽が皮麦及び/又は裸麦の大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽及び第二麦芽が、いずれも皮麦の大麦麦芽であることが特に好ましい。皮麦及び裸麦の大麦麦芽は、それぞれ皮麦である大麦及び裸麦である大麦を発芽させることにより調製される。
第一麦芽は、皮麦及び/又は裸麦の二条大麦麦芽であることとしてもよく、皮麦の二条大麦麦芽であることが好ましい。第二麦芽もまた、皮麦及び/又は裸麦の二条大麦麦芽であることとしてもよく、皮麦の二条大麦麦芽であることが好ましい。
例えば、第一麦芽が皮麦及び/又は裸麦の二条大麦麦芽であり、第二麦芽が皮麦の二条大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽が皮麦の二条大麦麦芽であり、第二麦芽が皮麦及び/又は裸麦の二条大麦麦芽であることとしてもよく、第一麦芽及び第二麦芽が、いずれも皮麦の二条大麦麦芽であることが特に好ましい。
第一麦芽は、焙燥麦芽であることとしてもよい。第二麦芽もまた、焙燥麦芽であることとしてもよい。例えば、第一麦芽及び第二麦芽の両方が焙燥麦芽であることとしてもよく、いずれか一方のみが焙燥麦芽であることとしてもよい。
第一麦芽及び/又は第二麦芽が焙燥麦芽である場合、色度が上記いずれかの上限値以下である当該煤燥麦芽の色度は、例えば、0.5EBC単位以上であることとしてもよく、1.0EBC単位以上であることとしてもよく、1.5EBC単位以上であることとしてもよい。
第一麦芽のβ−グルカン含有量は、1000mg/L以上であることとしてもよい。この場合、第一麦芽のβ−グルカン含有量は、1000mg/L以上であれば特に限られないが、例えば、1200mg/L以上であることとしてもよく、1400mg/L以上であることとしてもよく、1600mg/L以上であることとしてもよく、1800mg/L以上であることとしてもよく、2000mg/L以上であることとしてもよい。第一麦芽のβ−グルカン含有量の上限値は特に限られないが、例えば、6000mg/L以下であることとしてもよい。
第一麦芽のβ−グルカン含有量が上記範囲内である場合、第二麦芽のβ−グルカン含有量は、当該第一麦芽のそれより小さいこととしてもよい。すなわち、第二麦芽のβ−グルカン含有量は、例えば、950mg/L以下であることとしてもよく、700mg/L以下であることとしてもよく、500mg/L以下であることとしてもよい。上述した第一麦芽のβ−グルカン含有量の各範囲と、第二麦芽のβ−グルカン含有量の各範囲とは、任意に組み合わせることができる。
麦芽のβ−グルカン含有量は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「4.6 高分子β−グルカン−ポストカラム・カルコフロール・フローインジェクション法−」に記載の方法により測定される。
原料液の調製に使用される、色度が上記いずれかの上限値以下である麦芽の全量に対する、第一麦芽の使用量と当該第二麦芽の使用量との合計の割合は、例えば、70重量%以上であることとしてもよく、80重量%以上であることとしてもよく、90重量%以上であることとしてもよく、100重量%であることとしてもよい。
原料液の調製には、色度が上記いずれかの上限値以下である麦芽以外の麦芽(すなわち、色度が上記いずれかの上限値より大きい麦芽)を使用することとしてもよい。この場合、原料液の調製に使用される麦芽の全量(色度が上記いずれかの上限値以下である麦芽の使用量と、色度が上記いずれかの上限値より大きい麦芽の使用量との合計)に対する、第一麦芽の使用量と当該第二麦芽の使用量との合計の割合は、例えば、80重量%以上であることとしてもよく、85重量%以上であることとしてもよく、90重量%以上であることとしてもよく、95重量%以上であることとしてもよく、97重量%であることとしてもよい。
本方法は、原料液の調製に先立って、発芽時間が72時間以下の発芽処理により第一麦芽を調製することをさらに含むこととしてもよい。この場合、第一麦芽を調製するための発芽処理における発芽時間は、72時間以下であれば特に限られないが、例えば、70時間以下であることとしてもよく、65時間以下であることとしてもよく、60時間以下であることとしてもよい。
第一麦芽を調製するための発芽処理における発芽時間の下限値は、発芽が生じる(例えば、根が出る)範囲であれば特に限られないが、例えば、6時間以上であることとしてもよく、8時間以上であることとしてもよく、10時間以上であることとしてもよく、12時間以上であることとしてもよい。これら発芽時間の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。なお、本実施形態において、発芽時間は、浸麦終了時から、焙燥開始時までの間において、温度が発芽に適した温度に保持される時間である。具体的に、例えば、第一麦芽として大麦及び/又は小麦の煤燥麦芽を調製する場合、当該第一麦芽の発芽時間は、当該大麦及び/又は小麦の浸麦が終了した時点から、その後、焙燥を開始するまでの間において、当該浸麦後の大麦及び/又は小麦を、発芽に適した温度(例えば、12℃以上、22℃以下)に保持する時間である。
第一麦芽の発芽処理は、例えば、当該第一麦芽が大麦麦芽である場合、まず大麦に浸麦処理を施し、次いで、浸麦処理後の大麦(例えば、浸麦度が25重量%以上、45重量%以下の大麦)を、発芽に適した温度(例えば、12℃以上、22℃以下の温度)で、上述した範囲内の発芽時間維持して、当該大麦を発芽させることにより行う。本実施形態において、浸麦度は、浸麦が終了した時点における、浸麦後の大麦の水分含有量である。
第二麦芽もまた、SN含有量が第一麦芽のそれより大きくなる条件(例えば、より長い発芽時間や浸麦時間)を採用する点以外は同様の条件で発芽処理を行うことにより調製される。
第一麦芽及び/又は第二麦芽が焙燥麦芽である場合、本方法は、当該第一麦芽及び/又は第二麦芽の焙燥を行うことをさらに含むこととしてもよい。焙燥は、例えば、発芽処理により調製された第一麦芽及び/又は第二麦芽を、50℃以上、100℃以下の温度で、10時間以上、100時間以下の時間維持することにより行う。
本方法においては、上述のとおり、第一麦芽及び第二麦芽を含む麦芽を使用して原料液を調製する。すなわち、原料液の調製は、麦芽と水とを混合することを含む。具体的に、例えば、まず麦芽と水とを混合し、次いで、糖化を行って原料液を調製することとしてもよい。
糖化は、麦芽と水とを混合して調製された混合液を、分解酵素(例えば、多糖類分解酵素及び/又はタンパク質分解酵素)で処理することにより行う。分解酵素としては、麦芽に含まれる酵素を利用してもよいし、及び/又は、麦芽とは別に外的に添加した酵素を利用してもよい。糖化は、分解酵素が働く温度(例えば、30℃以上、80℃以下)で行う。
原料液の調製に使用する原料としては、麦芽に加えて、他の原料をさらに使用してもよい。すなわち、例えば、麦芽とホップとを使用して原料液を調製してもよい。この場合、例えば、まず麦芽と水とを混合して糖化を行い、次いで、ホップを添加して煮沸することにより原料液を調製することとしてもよい。
ホップは特に限られず、例えば、ホップエキス、ホップパウダー、ホップペレット、プレスホップ、生ホップ、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ及びヘキサホップからなる群より選択される1以上であることとしてもよい。
本方法は、上述のようにして調製された原料液を使用して発泡性飲料を得ることを含む。すなわち、本方法においては、例えば、原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うことにより、又はアルコール発酵を行うことなく、原料液と他の原料との混合及び発泡性の付与を行うことにより、発泡性飲料を得る。
アルコール発酵を行う場合、アルコール発酵開始時の発酵液における酵母の密度は特に限られないが、例えば、1×106個/mL以上、3×109個/mL以下であることが好ましい。酵母は、アルコール発酵を行う酵母であれば特に限られないが、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母及び清酒酵母からなる群より選択される1以上であることが好ましい。
アルコール発酵の条件は、発酵液中において酵母によるアルコール発酵が行われる条件であれば特に限られないが、例えば、当該発酵液を0℃以上、40℃以下の温度で、1日以上、14日以下の時間維持することにより行う。
アルコール発酵を行わない場合、原料液と混合する他の原料は特に限られないが、例えば、糖類、食物繊維、色素、香料、酸味料及び甘味料からなる群より選択される1種以上であることが好ましい。また、発泡性の付与は、例えば、炭酸水の使用及び/又は炭酸ガスの使用により行う。
本方法において得られる発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料であることが好ましい。
発泡性飲料は、そのNIBEM値が50秒以上であることとしてもよく、80秒以上であることが好ましく、150秒以上であることがより好ましく、200秒以上であることが特に好ましい。
発泡性飲料は、その炭酸ガス圧が1.0kg/cm2以上であることとしてもよく、2.0kg/cm2以上であることとしてもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧の上限値は、特に限られないが、当該炭酸ガス圧は、3.0kg/cm2以下であることとしてもよい。
発泡性飲料の炭酸ガス圧は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.21 ガス圧」に記載の方法により測定される。
発泡性飲料は、発泡性アルコール飲料であることとしてもよい。発泡性アルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の発泡性飲料である。発泡性アルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1体積%以上、20体積%以下であることとしてもよい。
発泡性飲料は、発泡性ノンアルコール飲料であることとしてもよい。発泡性ノンアルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%未満の発泡性飲料である。発泡性ノンアルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であってもよく、0.05体積%未満であってもよく、0.005体積%未満であってもよい。本方法においては、アルコール発酵後の発酵液に、アルコール含有量を低減する処理を施して、発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。
発泡性飲料は、ビールテイスト飲料であることとしてもよい。本実施形態において、ビールテイスト飲料は、ビール様の香味を有する発泡性飲料である。すなわち、ビールテイスト飲料は、例えば、ビール、発泡酒、又は、発泡酒とアルコール成分(例えば、スピリッツ)とを含有する発泡性飲料であることとしてもよいが、アルコール含有量、及び製造時のアルコール発酵の有無に関わらず、ビール様の香味を有する発泡性飲料であれば特に限られない。ビールテイスト飲料は、発泡性アルコール飲料であってもよいし、発泡性ノンアルコール飲料であってもよい。発泡性アルコール飲料は、ビール、発泡酒、又は、発泡酒と他のアルコール成分(例えば、スピリッツ)とを含有する発泡性飲料、からなる群より選択される発泡性アルコール飲料であってもよい。
発泡性飲料のアルコール含有量は、上述のとおり特に限られないが、例えば、10.0体積%以下であることとしてもよく、8.0体積%以下であることとしてもよい。発泡性飲料のアルコール含有量は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.3.6 アルコライザー法」に記載の方法により測定される。
発泡性飲料の仮性エキスは、特に限られないが、例えば、5.0重量%以下であることとしてもよく、4.0重量%以下であることとしてもよい。発泡性飲料の仮性エキスは、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.2 外観(仮性)エキス−ピクノメーター法−」に記載の方法(ただし、比重はアルコライザーを使用して測定)により測定される。
発泡性飲料の総タンパク質含有量は、特に限られないが、例えば、25μg/mL以上、700μg/mL以下であることとしてもよく、50μg/mL以上、500μg/mL以下であることとしてもよい。発泡性飲料の総タンパク質含有量は、ウシ血清アルブミンを標準として使用したBradford法により測定される。
発泡性飲料の苦味価(BU)は、特に限られないが、例えば、2以上、200以下であることとしてもよく、5以上、100以下であることとしてもよい。発泡性飲料のアルコール含有量は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.15 苦味価(IM)」に記載の方法により測定される。
発泡性飲料のpHは、特に限られないが、例えば、2.8以上、5.1以下であることとしてもよく、3.8以上、4.5以下であることとしてもよい。発泡性飲料のpHは、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.7 pH」に記載の方法により測定される。
発泡性飲料の粘度は、特に限られないが、例えば、1.0mPa・s以上、2.0mPa・s以下であることとしてもよく、1.3mPa・s以上、1.6mPa・s以下であることとしてもよい。発泡性飲料の粘度は、例えば、毛細管(ウベローデ粘度管)式の粘度測定装置を使用して測定される。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[麦芽の調製]
3つの異なる品種(以下、「品種A」、「品種B」及び「品種C」という。)の大麦(いずれも皮麦である二条大麦)に発芽処理を施して、品種及びSN含有量が異なる複数種類の第一麦芽を調製した。
すなわち、まず大麦に浸麦処理を施して、浸麦度が35.0重量%〜40.2重量%の大麦を得た。次いで、浸麦処理後の大麦を、15℃〜20℃の温度で、18時間〜48時間維持して、当該大麦を発芽させることにより、麦芽を得た。さらに、この麦芽を、55℃〜83.5℃の温度で、29時間維持することにより、焙燥を行った。
こうして、色度が1.7EBC単位〜2.5EBC単位であり、SN含有量が0.34重量%〜0.54重量%であり、β−グルカン含有量が2080mg/L〜4008mg/Lである第一麦芽を得た。得られた第一麦芽はいずれも、皮麦である二条大麦の焙燥麦芽であった。
一方、第二麦芽としては、第一麦芽とは異なる品種の市販の大麦麦芽(具体的には、皮麦である二条大麦の焙燥麦芽)を使用した。この第二麦芽は、色度が4.0EBC単位〜4.9EBC単位であり、SN含有量が0.79重量%〜0.83重量%であり、β−グルカン含有量が118mg/L〜152mg/Lであった。
また、対照例において第一麦芽に代えて使用する第二麦芽(以下、「対照麦芽」という。)を、対応する当該第一麦芽と同一品種の大麦に発芽処理を施して調製した。すなわち、まず大麦に浸麦処理を施して、浸麦度が43.0重量%〜45.0重量%の大麦を得た。次いで、浸麦処理後の大麦を、15℃〜20℃の温度で、144時間〜168時間維持して、当該大麦を発芽させることにより、麦芽を得た。さらに、この麦芽を、50℃〜88℃の温度で、30時間〜40時間維持することにより、焙燥を行った。
こうして、色度が3.1EBC単位〜4.1EBC単位であり、SN含有量が0.69重量%〜0.80重量%であり、β−グルカン含有量が58mg/L〜80mg/Lである対照麦芽を得た。
[発泡性飲料の製造]
麦芽としては、第一麦芽15重量%又は対照麦芽15重量%、及び第二麦芽85重量%に加え、さらに、色度が150EBC単位以上である大麦麦芽(いわゆるカラメル麦芽)を、当該第一麦芽の使用量と第二麦芽の使用量との合計に対して約3重量%使用して、原料液を調製した。
すなわち、まず第一麦芽又は対照麦芽と、第二麦芽と、カラメル麦芽と、水とを混合して得られた混合液の糖化を行った。次いで、糖化後の混合液にホップペレット及びホップエキスを添加して90分間煮沸を行った。煮沸後の混合液を冷却して原料液(いわゆる麦汁)を得た。さらに、原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行った。アルコール発酵後には、さらに熟成を行った。こうして、発泡性飲料を得た。
そして、上述のようにして得られた各発泡性飲料について、NIBEM値、アルコール含有量、仮性エキス、総タンパク質含有量、苦味価(BU)、pH、及び粘度を測定した。また、各発泡性飲料について、熟練したパネラーによる官能検査を行った。
官能検査においては、各パネラーが、各発泡性飲料について、その香味の評価結果として、「A」、「B」又は「C」の符号を付与した。すなわち、発泡性飲料の香味が非常に優れている場合には「A」が付与され、優れている場合には「B」が付与され、優れていない場合には「C」が付与された。
[結果]
図1には、各例について、麦芽(第一麦芽又は対照麦芽)の製麦条件及び分析結果と、発泡性飲料の分析結果とを示す。例1−1−1及び例1−1−2では第一麦芽が使用され、これらの対照例として、例1−1−0では当該第一麦芽に代えて対照麦芽が使用された。例1−2−1及び例1−2−2では第一麦芽が使用され、これらの対照例として、例1−2−0では当該第一麦芽に代えて対照麦芽が使用された。例1−3−1では第一麦芽が使用され、これの対照例として、例1−3−0では当該第一麦芽に代えて対照麦芽が使用された。例1−4−1〜例1−4−4では第一麦芽が使用され、これらの対照例として、例1−4−0では当該第一麦芽に代えて対照麦芽が使用された。なお、例1−4−4においては品種Bの第一麦芽が使用され、他の例においては品種Aの第一麦芽又は対照麦芽が使用された。
図1において、「ΔNIBEM(秒)」は、各例において第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料の「NIBEM(秒)」から、対応する対照例において対照麦芽を使用して得られた発泡性飲料の「NIBEM(秒)」を減じて得られた値を示す。すなわち、第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料の「ΔNIBEM(秒)」は、対応する対照例で得られた発泡性飲料に対する、「NIBEM(秒)」の増加量を示す。
図1において、「官能検査(A−B−C)」欄には、評価結果として「A」、「B」及び「C」のそれぞれの符号を付与したパネラーの人数を示す。すなわち、例えば、例1−1−0における「2−5−0」との表示は、2人のパネラーが「A」を付与し、5人のパネラーが「B」を付与し、いずれのパネラーも「C」は付与しなかったことを示す。なお、官能検査を行ったパネラーの人数は、例1−1−0〜例1−1−2で7人、例1−2−0〜例1−2−2で4人、その他の例では6人であった。
図1に示すように、SN含有量が0.34重量%〜0.54重量%である第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料のNIBEM値は全て、当該第一麦芽に代えて対照麦芽を使用して得られた発泡性飲料のそれより増加し、ΔNIBEM値は7秒〜25秒であった。
また、SN含有量が0.34重量%〜0.52重量%である第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料のNIBEM値は、より顕著に増加し、ΔNIBEM値は10秒〜25秒であった。
さらに、SN含有量が0.35重量%〜0.52重量%である第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料のNIBEM値は、特に顕著に増加し、ΔNIBEM値は12秒〜25秒であった。
また、SN含有量が0.34重量%〜0.54重量%である第一麦芽を使用した例で得られた発泡性飲料のΔNIBEM値の算術平均値(当該例のNIBEM値の合計を、当該例の数で除して得られた平均値)は17秒であったのに対し、0.34重量%〜0.52重量%である第一麦芽を使用した例で得られた発泡性飲料のΔNIBEM値の算術平均値は18秒であり、0.34重量%〜0.46重量%である第一麦芽を使用した例で得られた発泡性飲料のΔNIBEM値の算術平均値は19秒であった。すなわち、第一麦芽のSN含有量が小さくなるにつれて、当該第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料のΔNIBEM値が大きくなる傾向が確認された。
さらに、SN含有量が0.35重量%〜0.54重量%である第一麦芽を使用した例で得られた発泡性飲料のΔNIBEM値の算術平均値は18秒であり、0.35重量%〜0.52重量%である第一麦芽を使用した例で得られた発泡性飲料のΔNIBEM値の算術平均値は19秒であり、0.35重量%〜0.46重量%である第一麦芽を使用した例で得られた発泡性飲料のΔNIBEM値の算術平均値は21秒であった。
また、図1における官能検査の結果に示されるように、第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料の香味は、当該第一麦芽に代えて対照麦芽を使用して得られた発泡性飲料のそれと同等以上であった。
なお、発泡性飲料のアルコール含有量(体積%)、仮性エキス(重量%)、総タンパク質含有量(μg/mL)、BU、pH及び粘度(mPa・s)と、第一麦芽の使用による当該発泡性飲料のNIBEM値の増加との間には、明確な関連は認められなかった。すなわち、例えば、図1に示す例から選択される2つの例について、アルコール含有量、仮性エキス、総タンパク質含有量、BU、pH又は粘度が同一であっても、ΔNIBEM値が異なる場合や、ΔNIBEM値が同一であっても、アルコール含有量、仮性エキス、総タンパク質含有量、BU、pH又は粘度が異なる場合があった。
[麦芽の調製]
第一麦芽は、上述の実施例1で使用した品種Aの大麦を使用して、焙燥を50℃〜88℃の温度で、30時間〜40時間行った点以外は上述の実施例1と同様に調製した。得られた第一麦芽は、色度が1.9EBC単位であり、SN含有量が0.38重量%であり、β−グルカン含有量が2820mg/Lであった。
第二麦芽は、上述の実施例1と同様に調製した。得られた第二麦芽は、色度が4.1EBC単位であり、SN含有量が0.75重量%であり、β−グルカン含有量が34mg/Lであった。
[発泡性飲料の製造]
麦芽として第一麦芽及び第二麦芽のみを使用し、当該第一麦芽の使用量を変えて、8種類の原料液を調製した。すなわち、麦芽として、第一麦芽を0重量%(第二麦芽100重量%:第一麦芽を使用せず、第二麦芽のみを使用)、3重量%(第二麦芽97重量%)、10重量%(第二麦芽90重量%)、15重量%(第二麦芽85重量%)、30重量%(第二麦芽70重量%)、50重量%(第二麦芽50重量%)、75重量%(第二麦芽25重量%)又は90重量%(第二麦芽10重量%)使用した。
そして、得られた各原料液を使用し、上述の実施例1と同様にして、発泡性飲料を製造した。また、各発泡性飲料について、NIBEM値、アルコール含有量、仮性エキス、総タンパク質含有量、苦味価(BU)及びpHを測定した。
さらに、各発泡性飲料について、熟練した4人のパネラーによる官能検査を行った。官能検査においては、各パネラーが、「シャープさ」及び「べとつき感」の各項目について、対照例(例2−0)に付与すべき点数を「5.0」とした場合の相対的な点数として、「0.0」から「10.0」まで「0.5」刻みの点数を付与した。
なお、「シャープさ」は、飲んだ直後の味と、後味との落差として評価された。官能検査においては、「シャープさ」が強いほど、当該「シャープさ」について大きな点数が付与され、「べとつき感」が強いほど、当該「べとつき感」について大きな点数が付与された。そして、「シャープさ」が第一麦芽を使用しない対照例に比べて増強されているほど発泡性飲料の香味は好ましいと評価され、また、「べとつき感」が抑えられているほど発泡性飲料の香味は好ましいと評価された。
[結果]
図2には、各例について、第一麦芽の使用量、及び発泡性飲料の分析結果を示す。図2において、各例における「シャープさ(官能検査)」及び「べとつき感(官能検査)」欄に示される数値は、パネラーによって付与された点数の合計を、パネラーの数で除して得られた算術平均値である。
図2に示すように、第一麦芽を使用して得られた発泡性飲料(例2−1〜例2−7)のNIBEM値は全て、当該第一麦芽を使用せず、麦芽として第二麦芽のみを使用して得られた発泡性飲料(例2−0)のそれより増加し、ΔNIBEM値は5秒〜65秒であった。
しかしながら、第一麦芽を90重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−7)については、官能検査において、第一麦芽を使用せず得られた発泡性飲料(例2−0)に比べて、「シャープさ」が顕著に低減され、「べとつき感」が顕著に増強されており、香味の点で好ましくないものであった。
これに対し、第一麦芽を3重量%〜75重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−1〜例2−6)は、許容される香味又は好ましい香味を有していた。ただし、第一麦芽を75重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−6)は、許容される香味を有していたものの、第一麦芽を使用せず得られた発泡性飲料(例2−0)に比べて、「シャープさ」が低減され、「べとつき感」が比較的強かった。
すなわち、第一麦芽を3重量%〜50重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−1〜例2−5)は、第一麦芽を75重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−6)に比べて、好ましい香味を有していた。
また、第一麦芽を50重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−5)は、第一麦芽を使用せず得られた発泡性飲料(例2−0)と同等の「シャープさ」を維持していたが、「べとつき感」の増強が比較的大きかった。
これに対し、第一麦芽を3重量%〜30重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−1〜例2−4)は、第一麦芽を使用せず得られた発泡性飲料(例2−0)に比べて、「シャープさ」が顕著に増強されており、「べとつき感」の増強は小さかった。すなわち、第一麦芽を3重量%〜30重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−1〜例2−4)は、優れた香味を有していた。
さらに、第一麦芽を10重量%又は15重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−2及び例2−3)は、第一麦芽を使用せず得られた発泡性飲料(例2−0)に比べて、NIBEM値が顕著に増強され、且つ「シャープさ」が極めて顕著に増強されていた。すなわち、第一麦芽を10重量%又は15重量%使用して得られた発泡性飲料(例2−2及び例2−3)は、顕著に増強された泡持ち特性と、優れた香味とを有していた。
なお、発泡性飲料のアルコール含有量(体積%)、仮性エキス(重量%)、総タンパク質含有量(μg/mL)、BU及びpHと、第一麦芽の使用による当該発泡性飲料のNIBEM値の増加との間には、必ずしも明確な関連は認められなかった。すなわち、例えば、図2に示す例から選択される2つの例について、アルコール含有量、仮性エキス、総タンパク質含有量、BU又はpHが、同一又は近似した値であっても、ΔNIBEM値が比較的大きく異なる場合があった。また、アルコール含有量、仮性エキス、総タンパク質含有量、BU又はpHの増加傾向又は減少傾向と、ΔNIBEM値の増加傾向との間に明確な関連は認められなかった。具体的に、例えば、例2−0から例2−3まで、アルコール含有量は同値であったが、ΔNIBEM値は大きく増加していた。また、例2−0と例2−1とで仮性エキスは同値であったが、例2−1のNIBEM値は例2−0のそれより増加した一方で、例2−4から例2−5にかけては、仮性エキスは増加したが、ΔNIBEM値は減少した。