JP2018199789A - ポリアミド樹脂組成物及びそれを用いてなる成形体、ポリアミド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物及びそれを用いてなる成形体、ポリアミド樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】摺動性に優れたポリアミド樹脂組成物及びそれを用いてなる成形体、並びにポリアミド樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ポリアミド樹脂(A)及び変性超高分子量ポリエチレン(B)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記変性超高分子量ポリエチレン(B)は、135℃のデカリン酸溶媒中で測定される平均極限粘度[η]が10〜40dl/gであり、前記ポリアミド樹脂組成物全体に対する前記ポリアミド樹脂(A)の含有量が75〜95重量%であり、前記変性超高分子量ポリエチレン(B)の含有量が5〜25重量%であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアミド樹脂組成物及びそれを用いてなる成形体、ポリアミド樹脂組成物の製造方法に関する。
ポリアミド樹脂は、優れた耐熱性、耐油性、成形性、剛性、強靭性に優れることから、ギア、カム、プーリー、軸受、ベアリングリテーナー、ドアチェック、タイミングチェーンガイド用品など、高速での摩擦条件下において用いられる摺動部品に使用されている。
このような摺動部品の摺動性、特に耐摩耗性を向上するために、ポリオレフィン成分を含有させたポリアミド樹脂の開発がなされている。
例えば特許文献1には、脂肪族ポリアミド樹脂85〜95重量%と、粘度平均分子量130万以上のポリエチレン樹脂粉末5〜15重量%の合計100重量部に対して、平均繊維長が0.5〜200μm、かつ平均繊維径が0.1〜20μmである繊維状無機充填剤を10〜90重量部を含むポリアミド樹脂とすることで、摺動特性、特に滑り摩耗およびざらつき摩耗ともに良好で、良外観の成形品を得られることが記載されている(請求項1、実施例1〜4等)。
また、特許文献2には、分子量の異なる変性ポリエチレンが微分散して海島構造が形成された変性ポリエチレン樹脂組成物において、海相と島相の変性率が異なることによって、ポリアミド樹脂等の他の樹脂との組成物にした場合の高温環境下の耐摩耗性を飛躍的に向上させうることが開示されている。
特開2006−28231号公報 国際公開第2016/194743号
しかしながら、特許文献1に記載のポリアミド樹脂組成物は、表1に記載のように動摩擦係数の値が0.10〜0.12であり、特許文献2に記載の樹脂組成物は、表2に記載のように動摩擦係数の値が0.18〜0.25であり、ポリアミド樹脂組成物としては決して悪い数値ではないものの、近年、環境への負荷がかかりにくいものが求められている中、ポリアミド樹脂組成物の摺動性にも更なる改善が求められている。
そこで、本発明は、摺動性に優れたポリアミド樹脂組成物及びそれを用いてなる成形体、ポリアミド樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂及び変性超高分子量ポリエチレンそれぞれの含有量や種類を限定することにより、摺動性に優れたポリアミド樹脂組成物となることを見出した。
すなわち、本発明は、ポリアミド樹脂(A)及び変性超高分子量ポリエチレン(B)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、前記変性超高分子量ポリエチレン(B)は、135℃のデカリン酸溶媒中で測定される平均極限粘度[η]が10〜40dl/gであり、前記ポリアミド樹脂組成物全体に対する前記ポリアミド樹脂(A)の含有量が75〜95重量%であり、前記変性超高分子量ポリエチレン(B)の含有量が5〜25重量%であることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、摺動性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
(A)ポリアミド樹脂
本発明に係るポリアミド樹脂(A)は、ポリアミド樹脂組成物全体に対する含有量が75〜95重量%であり、80〜95重量%であることが好ましい。ポリアミド樹脂(A)の含有量が75重量%未満となると、ポリアミド樹脂組成物の動摩擦係数が大きくなり、摺動性が悪化するため好ましくない。
ポリアミド樹脂(A)は、アミド結合を有する高分子からなる樹脂であり、アミノ酸、ラクタム、あるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするものである。本発明において、ポリアミド樹脂(A)は、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマー又はコポリマーを各々単独で、又は混合物として用いることができる。
アミノ酸として、例えば6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、12−アミノドデカン酸、4−(アミノメチル)安息香酸等が挙げられる。また、ラクタムとして、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム、エナントラクタム等が挙げられる。
ジアミンとして、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンが挙げられる。
ジカルボン酸として、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
本発明に係るポリアミド樹脂(A)として、ε−カプロラクタム、6−アミノヘキサン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸、9−アミノノナン酸、α−ピロリドン、α−ピペリドン等の重合体、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン等の脂肪族ジアミンと、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二塩基酸、グルタール酸等の脂肪族ジカルボン酸とを重縮合して得られる重合体又はこれらの共重合体を用いることが好ましい。
本発明に係るポリアミド樹脂(A)の融点は、265℃以下であることが好ましく、融点が265℃以下であれば、その種類は特に定めるものではない。ポリアミド樹脂(A)の融点が265℃より高いと、例えば300℃以上の高温条件下で溶融混練することが必要となり、配合する変性超高分子量ポリエチレン(B)が熱によって劣化する可能性があるため好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂(A)として、具体的には、ポリアミド6、ポリアミド7、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド610、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6、ポリアミド6/12であることが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド6/66又はポリアミド66/6、ポリアミド66であることがより好ましく、ポリアミド66であることが特に好ましい。これらのうち、1種を単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
ポリアミド樹脂(A)は、摺動性の観点から、数平均分子量が10000〜30000であることが好ましく、13000〜29000であることがより好ましい。
(B)変性超高分子量ポリエチレン
本発明に係る変性超高分子量ポリエチレン(B)は、ポリアミド樹脂組成物全体に対する含有量が5〜25重量%であり、5〜20重量%であることが好ましく、5〜15重量%であることがさらに好ましい。変性超高分子量ポリエチレン(B)の含有量が5重量%より少ない、又は25重量%より多くなると、十分な摺動性が得られないため好ましくない。
本発明に係る変性超高分子量ポリエチレン(B)は、135℃のデカリン酸溶媒中で測定される平均極限粘度[η]が10〜40dl/gであり、15〜35dl/gであることが好ましく、20〜30dl/gであることがより好ましい。平均極限粘度[η]が10未満となると、ポリアミド樹脂組成物の動摩擦係数が高くなり、摺動性が悪化するため好ましくない。変性超高分子量ポリエチレン(B)の平均極限粘度[η]は、重合条件により調節することができる。
本発明に係る変性超高分子量ポリエチレン(B)は、例えば、超高分子量ポリエチレン及び変性基を含有する化合物を溶融混練し、超高分子量ポリエチレンをグラフト変性して変性基を導入することにより得られる。
変性超高分子量ポリエチレン(B)の変性基として、例えばカルボキシル基、カルボキシル金属塩、アミノ基、水酸基、シラノール基、アルコキシ基、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基等が挙げられる。中でも、カルボキシル基及び水酸基が好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。
前記変性基を含有する化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸又はその誘導体、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、ビニル基含有有機ケイ素化合物などの化合物が挙げられる。中でも、不飽和カルボン酸又はその誘導体、水酸基含有エチレン性不飽和化合物が好ましく、不飽和カルボン酸又はその誘導体が特に好ましい。
不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、カルボキシル基を1以上有する不飽和化合物、カルボキシル基を有する化合物とアルキルアルコールとのエステル、無水カルボキシル基を1以上有する不飽和化合物等を挙げることができる。不飽和基としては、ビニル基、ビニレン基、不飽和環状炭化水素基などを挙げることができる。これらの化合物は公知のものが使用でき、特に制限はない。具体的な化合物としては、例えばアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えば酸ハライド、アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。かかる誘導体の具体例としては、例えば塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエート等が挙げられる。中でも、無水マレイン酸及びアクリル酸が好ましく、無水マレイン酸は反応性が高いため特に好ましい。これらの不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体は、1種を単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。
超高分子量ポリエチレンを変性する際の前記変性基を含有する化合物の添加量は、超高分子量ポリエチレンに対して0.01〜10重量%であり、0.1〜5重量%であることが好ましく、0.2〜3重量%であることがさらに好ましい。
超高分子量ポリエチレンのグラフト変性は、例えば、超高分子量ポリエチレンを有機溶媒に溶解し、次いで変性基を含有する化合物及びラジカル開始剤などを溶液に加え、好ましくは70℃〜200℃、より好ましくは80℃〜190℃の温度で、好ましくは0.5〜15時間、より好ましくは1〜10時間反応させることにより行うことができる。
また、変性超高分子量ポリエチレン(B)は、押出機や二軸混練機などを用いて、無溶媒で、超高分子量ポリエチレンと変性基を含有する化合物とを反応させて製造することができる。この反応は、超高分子量ポリエチレンの融点以上、具体的には160℃〜330℃の温度で、0.5〜10分間溶融混練することにより行なわれることが望ましい。
なお、変性していない超高分子量ポリエチレンを添加した場合、ポリアミド樹脂組成物中に超高分子量ポリエチレンが微分散出来ず、動摩擦係数及び限界PV値は悪くなる。以上のように、本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、変性された超高分子量ポリエチレンが微分散することで、摩擦界面に変性超高分子量ポリエチレンの均一な被膜が形成され、優れた摺動性を発現することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、銅化合物を含有してもよい。銅化合物として、例えば塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅(ヨウ化銅)などのハロゲン化銅、硫酸銅、リン酸銅、ホウ酸銅、硝酸銅などの無機酸銅塩、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅、ステアリン酸銅などの有機酸銅塩、キレート剤が配位した銅錯塩が挙げられる。中でもハロゲン化銅が好ましく、ヨウ化第一銅が特に好ましい。これらの銅化合物は単独で用いることも、複数を併用することもできる。
銅化合物の含有量は、ポリアミド樹脂組成物全体を100重量%として、0.0001〜1重量%であり、0.005〜0.2重量%であることが好ましく、0.02〜0.1重量%であることがさらに好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ハロゲン化カリウムを含有してもよい。ハロゲン化カリウムとして、例えばヨウ化カリウム、臭化カリウム、及び塩化カリウムが挙げられ、中でもヨウ化カリウムが好ましい。
ハロゲン化カリウムの含有量は、ポリアミド樹脂組成物全体を100重量%として0.0001〜1重量%であり、0.005〜0.8重量%であることが好ましく、0.02〜0.5重量%であることがさらに好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、メラミンを含有してもよい。メラミンの含有量は、ポリアミド樹脂組成物全体を100重量%として0.0001〜1重量%であり、0.0015〜0.2重量%であることが好ましく、0.02〜0.1重量%であることがさらに好ましい。
銅化合物、ハロゲン化カリウム及びメラミンの重量比(銅化合物:ハロゲン化カリウム:メラミン)は、2〜4:10〜90:1〜3であることが好ましく、2.5〜3.5:10〜60:1.5〜2.5であることがより好ましい。
また、本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の樹脂や、通常配合される各種の添加剤を含有することができる。その他の樹脂としては、例えば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル系エラストマーなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂などのビニル芳香族系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、ロジン系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂のうち1種のみを含有してもよいし、2種以上を任意の割合で含有してもよい。
添加剤としては、例えば、添着剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候剤、フィラー、可塑剤、発泡剤、ブロッキング防止剤、粘着性付与剤、シール性改良剤、防雲剤、離型剤、架橋剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、着色剤(顔料、染料等)、カップリング剤、ガラス繊維などの無機強化材等が挙げられる。これらの添加剤のうち1種のみを含有してもよいし、2種以上を任意の割合で含有してもよい。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、適宜成形して成形体とし、摺動部品に用いることができる。摺動部品としては、例えば、ギア、カム、プーリー、軸受、ベアリングリテーナー、ドアチェック、タイミングチェーンガイド用品などの動的用途を目的とするものが挙げられる。本発明のポリアミド樹脂組成物を用いてなる成形体は、例えば、射出成形法等により製造することができる。
本発明に係るポリアミド樹脂組成物の製造方法として、各成分を混練してポリアミド樹脂(A)に変性超高分子量ポリエチレン(B)を微分散させることができる方法であれば特に制限はなく、例えば、二軸押出機、単軸押出機、多軸押出機等によって製造する方法を挙げることができる。
以上のように、本発明に係るポリアミド樹脂組成物及びそれを用いてなる成形体、並びにポリアミド樹脂組成物の製造方法によれば、摺動性に優れた摺動部品を得ることができ、自動車部品等として用いた場合に低燃費化、省エネルギー化が可能となる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明の目的を限定するものではない。
[ポリアミド樹脂組成物の製造]
ポリアミド樹脂組成物の材料として、以下のものを使用した。
ポリアミド66(PA66)・・・宇部興産株式会社製、2015B
無水マレイン酸変性超高分子量ポリエチレン・・・三井化学株式会社製、リュブマー(登録商標)LY1040(極限粘度[η]:25dl/g)
添着剤・・・丸菱油化工業株式会社製、バルー7220
表1に示す配合量(重量%)に従い、二軸混練機(日本製鋼所社製、TEX44HCT)を用いて各成分を混練して、実施例1〜3及び比較例1に係るポリアミド樹脂組成物を得た。
[評価]
以下の方法に従い、実施例1〜3及び比較例1に係るポリアミド樹脂組成物の限界PV値及び動摩擦係数を測定して、摩擦特性の評価を行った。結果を表1に示す。
(限界PV値)
住友重機械工業社製SE100Dの射出成形機を用いて、60mm×40mm×3mmの試験片を作成し、JIS K7218A法に準拠し、鈴木式摩擦摩耗試験機(オリエンテック社製、EFM−III−EN)で、材質がJIS規格G4051に記載のS45Cの炭素鋼である外径25.6mm、内径20mm、高さ15mmのリングを用いて、リングオンプレート方式で、試験速度を700mm/sとし、試験荷重を試験開始時に25kgf(245N)を掛け、10分毎に荷重を25kgf(245N)上昇させていく条件で、作成した試験片の限界PV値を測定した。試験片が溶融した荷重の直前の荷重と試験速度700mm/sより限界PV値を求めた。
(動摩擦係数)
上記限界PV値の測定と同様に、鈴木式摩擦摩耗試験機(オリエンテック社製、EFM−III−EN)を用いてリングオンプレート方式で、試験速度を700mm/sとし、試験荷重を試験開始時に25kgf(245N)を掛け、10分毎に荷重を25kgf(245N)上昇させていく条件で、作成した試験片の限界PV値となる直前の摩擦抵抗力の測定を行った。動摩擦係数は、次の式から算出される値である。
動摩擦係数=(摩擦抵抗力)/(試験片にかけた荷重)
以上のように、変性超高分子量ポリエチレンを5〜15重量%含有する実施例1〜3のポリアミド樹脂組成物は、変性超高分子量ポリエチレンを含有しない比較例1と比較して限界PV値が高く、動摩擦係数も小さくなっていることから、摺動性に優れているといえる。

Claims (4)

  1. ポリアミド樹脂(A)及び変性超高分子量ポリエチレン(B)を含有するポリアミド樹脂組成物であって、
    前記変性超高分子量ポリエチレン(B)は、135℃のデカリン酸溶媒中で測定される平均極限粘度[η]が10〜40dl/gであり、
    前記ポリアミド樹脂組成物全体に対する前記ポリアミド樹脂(A)の含有量が75〜95重量%であり、前記変性超高分子量ポリエチレン(B)の含有量が5〜25重量%であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記変性超高分子量ポリエチレン(B)の変性基がカルボキシル基、カルボキシル金属塩、アミノ基、水酸基、シラノール基、アルコキシ基、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基のうちいずれか1以上であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載のポリアミド樹脂組成物からなる成形体。
  4. ポリアミド樹脂(A)及び変性超高分子量ポリエチレン(B)を混練するポリアミド樹脂組成物の製造方法であって、
    前記変性超高分子量ポリエチレン(B)は、135℃のデカリン酸溶媒中で測定される平均極限粘度[η]が10〜40dl/gであり、
    前記ポリアミド樹脂組成物全体に対する前記ポリアミド樹脂(A)の添加量が75〜95重量%であり、前記変性超高分子量ポリエチレン(B)の添加量が5〜25重量%であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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