JP2018199436A - 車両後部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の車両後部構造Sは、車体後部開口4の下辺4aに回動可能に軸支されたスロープ2と、前記スロープ2を前記車体後部開口4の側辺4bにロックするロック機構1と、を備え、前記車体後部開口4の側辺4bは、車体後部開口4の下辺4aの端部から上方に向けて延びる途中で、上方に向かうほど徐々に車幅方向外側に変位するように屈曲して延び、前記ロック機構1は、前記側辺4bの屈曲部6よりも上方に配置されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本実施形態での車両後部構造は、スロープのロック機構が車体後部開口の側辺の屈曲部よりも上方に配置されていることを主な特徴とする。
なお、以下の説明における前後上下左右の方向は、車両に着座したドライバから見た方向であり、次の図1に矢示する前後上下の方向、及び図2に示す左右の方向を基準とする。以下の説明における車幅方向は、この左右の方向に等しい。
図1に示すように、起立状態のスロープ2は、後記するように平面形状が略矩形を呈しており、下縁が後記する車体後部開口4の下辺4aに沿うように配置されている。また、スロープ2の下縁には、車幅方向(図1の紙面垂直方向)の両端にそれぞれヒンジブラケット3が配置されている。なお、図1中、ヒンジブラケット3は、作図の便宜上、左側(図1の紙面手前側)のヒンジブラケット3のみを記載し、右側(図1の紙面裏側)のヒンジブラケット3の図示は省略している。
側辺4bは、車体後部開口4の下辺4aの車幅方向(左右方向)の端部から上方に向けて延びる途中で、上方に向かうほど徐々に車幅方向外側に変位するように屈曲して延びている。図2中、符号6は、側辺4bの屈曲部である。
ロック機構1は、このような側辺4bの屈曲部6よりも上方に配置されている。また、ロック機構1は、スロープ2に対するロック位置P1が、起立収納時におけるスロープ2の上下方向の長さLの半分の位置P2よりも上方になるように配置されていることが望ましい。
図3に示すように、ロック機構1は、回動ロッド11と、ベース部材12と、ブラケット13と、操作ノブ14と、ストッパ15とを備えるとともに、ブラケット13の取付部を強化する補強部材8(図6参照)をさらに備えている。
本実施形態での回動ロッド11は、細長い板状部材で形成されている。この回動ロッド11の一端には、スロープ2の縁部を係止する係止部11aが形成され、他端には、ベース部材12に軸支される軸支部11bが形成されている。なお、図3中、符号21は、スロープ2の縁部に形成された係止穴である。この係止穴21の開口は、ロック機構1側に臨んでいる。
なお、図3中、突起22を係止している状態(ロック状態)の回動ロッド11を実線で示し、突起22に対する係止を解いた状態(アンロック状態)の回動ロッド11を仮想線(二点鎖線)で示している。
図4に示すように、回動ロッド11の係止部11aは、前記したロック状態の回動ロッド11の位置で、下方に開く略U字状の平面形状を有する板体で形成されている。前記したスロープ2(図3参照)の突起22(図3参照)は、この略U字状の内側に嵌り込む。
本実施形態でのベース部材12は、回動軸16を中心とした回動ロッド11の回動軌跡に沿うように上下方向に長く延びる略円弧形状の板体で形成されている。図4中、符号12cは、ベース部材12の略円弧形状の外周縁を形成するように板体が折り返されたフランジである。
また、ベース部材12には、回動ロッド11の回動軌跡に沿うように、後に説明するストッパ15の位置決めプレート15dが取り付けられている。
ブラケット13は、屈曲する板体で形成されている。
ブラケット13は、車体後部開口4(図2参照)の側辺4b(図2参照)を構成するリアピラーインナ5(パネル材)の板面に沿って配置されて接合される一対の接合部13b1,13b2と、これら接合部13b1,13b2同士を連結する連結部13cとを備えている。
本実施形態での取付部13a1,13a2のそれぞれは、接合部13b1,13b2の前端縁から略垂直方向に立ち上がる壁面で形成されている。
また、図示を省略した前記の延在部は、ベース部材12の板面に沿って延びる略円弧形状の板体を想定している。ちなみに、この延在部の外周縁は、ベース部材のフランジ12cの内周面と向き合っている。
次に、操作ノブ14について説明する。
参照する図5は、図3に示すロック機構1のV−V断面図である。このV−V線は、図3に示すように、ロック状態のロック機構1において、回動ロッド11(実線で示す)の左端部から回動軸16の中心軸、次いで後記するストッパ軸15a(隠れ線(点線)で示す)の中心軸、後記する固定ねじ15b5(隠れ線(点線)で示す)の中心軸、及び回動ロッド11の右端部を通る線分になっている。なお、図5中、スロープ2(図3参照)の突起22(図3参照)の図示は省略している。
このような操作ノブ14は、回動ロッド11の延在方向に沿って長く形成されるとともに、次に説明するストッパ15を構成するストッパ軸15aと一体に形成されている。このストッパ軸15aは、特許請求の範囲にいう「軸部材」に相当する。
そして、操作ノブ14は、後記するように、このストッパ軸15aを介して回動ロッド11と連結されることとなる。
ちなみに、ストッパ軸15aは、操作ノブ14の長手方向の中央部よりも回転軸16寄りに配置されている。
本実施形態でのストッパ15(図5参照)は、回動ロッド11を、ロック状態の位置(図3中、実線で示す回動ロッド11の位置)と、アンロック状態の位置(図3中、仮想線(二点鎖線)で示す位置)のそれぞれに位置決めするものである。
円筒部15c1の底部には、ストッパ軸15aの小径部15a2が挿通される挿通孔15c2が形成されている。円筒部15c1の軸方向中程の外周面には、フランジ15c3が形成されている。
このストッパ筒部15bは、操作ノブ14側から順番に、ストッパ軸15aの大径部15a1の挿通部15b1と、小径部15a2の挿通部15b2と、前記の付勢部収納穴15b3と、を備えている。
このような位置決めプレート15dは、図3中、回動ロッド11が実線で示すロック状態の位置から仮想線(二点鎖線)で示すアンロック状態の位置まで回動する際の、図5に示す突起15a3の回動軌跡に沿った略円弧形状に形成されている。
また、位置決めプレート15dには、回動ロッド11が仮想線(二点鎖線)で示されるアンロック状態の位置に配置された際に突起15a3(図5参照)が嵌り込む穴部15e2が形成されている。
次に、補強部材8(図6参照)について説明する。
図6は、ロック機構1(図4参照)のブラケット13(図4参照)の取付部であるリアピラーインナ5(パネル材)の裏側の様子を示す部分拡大斜視図である。つまり、図6は、リアピラーインナ5(図4参照)のVIa−VIa線(図4参照)における断面CSを含み、ロック機構1が取り付けられるリアピラーインナ5の板面の反対側の面を、矢示方向VIb(図4参照)から見た部分拡大斜視図である。なお、図6中の符号14は、ロック機構1の操作ノブである。
この補強部材8は、リアピラーインナ5(パネル材)の裏側(図6の左側面)に沿って上下方向に長い屈曲した板体で形成されている。
なお、本実施形態での補強部材8とリアピラーインナ5との接合は、スポット溶接を想定しているが他の接合方法を使用しても構わない。
ちなみに、本実施形態でのリアピラーインナ5は、リアピラーアウタ(図示を省略)と一体になって車両10のリアピラー(図示を省略)を形成している。
前記の屈曲片8dは、リアピラーインナ5がリアピラーアウタに向かって車幅方向外側に向けて屈曲して延びるリアピラーインナ5aに接続されている。
まず、本実施形態の車両後部構造S(図2参照)において、ロック機構1(図2参照)が起立状態のスロープ2(図2参照)をロックしているロック状態について説明する。
このロック状態のロック機構1は、図5に示すように、位置決めプレート15dの穴部15e1にストッパ軸15aの突起15a3が嵌り込んでいる。
位置決めプレート15dは、図3に示すように、ベース部材12及びブラケット13を介して車体後部開口4の側辺4bであるリアピラーインナ5(パネル材)に支持される。
これにより図3中、実線で示す回動ロッド11は、スロープ2の突起22を係止し、起立したスロープ2のロック状態を維持する。
図5に示すように、ロック状態のストッパ15は、穴部15e1に突起15a3が嵌り込んだ状態が維持されるように、ストッパ軸15aを位置決めプレート15d側に向けて付勢している。
これにより回動ロッド11は、ベース部材12に取り付けられた回動軸16周りに回動可能となる。
つまり、ユーザは、把持した操作ノブ14を後方に引いて所定方向に回動ロッド11を回動させることで起立収納したスロープ2に対するロック機構1のロック状態又はアンロック状態を選択的に設定することができる。
ところで、前記したように、従来の車両後部構造(例えば、特許文献1参照)においては、スロープの外縁に並行して延びる車体後部開口の下部の側辺にスロープがロックされていた。そのため従来の車両後部構造では、ロック部がスロープの外縁に干渉してスロープ幅を十分に確保できない問題があるとともに、スロープの支持安定性が不十分になる問題があった。
このような車両後部構造Sによれば、より確実に車体に対するスロープ2の支持安定性を高めることができるとともに、スロープ2に外力が加わった際のロック機構1に掛る負荷を一段と小さくすることができる。
このような車両後部構造Sによれば、ブラケット13の取付部であるリアピラーインナ5の剛性が補強部材8によって高められて、スロープ2の支持安定性がさらに一段と向上する。
このような車両後部構造Sによれば、リング形状の操作ノブ14に手指を引っ掛けることができるので、操作ノブ14の操作性が向上する。
このような車両後部構造Sによれば、ユーザは、操作ノブ14の内周側の空間に手指を入れて操作ノブ14を把持することができる。つまり、この車両後部構造Sによれば、ロック機構1についてのロック状態からアンロック状態への切替え操作、又はその逆の切替え操作をユーザが容易に行うことができる。具体的には、ユーザは、操作ノブ14によるストッパ軸15aの引き操作から回動ロッド11の回動操作にわたる連続操作を容易に行うことができる。
このような車両後部構造Sによれば、例えば操作ノブ14の長手方向の中央部よりも係止部11a側にストッパ軸15aが配置されているものと比べて、突起22に対する係止部11aの係脱を、より小さい操作ノブ14(回動ロッド11)の操作量で行うことができる。
前記実施形態では、スロープ2が3枚のスライドスロープ2a,2b,2cからなるものに説明したが、スライドスロープの数は特に制限はなく、1つ又は3つ以上の構成とすることもできる。
また、本実施形態でのロック機構1は、左右の側辺4bのそれぞれに設けるものを想定しているが、左右の側辺4bのいずれか一方にのみロック機構1を設ける構成とすることができる。また、本発明は、1つの側辺4b当たりに2つ以上のロック機構1を設けた構成を排除するものでもない。
2 スロープ
2a スライドスロープ
2b スライドスロープ
2c スライドスロープ
3 ヒンジブラケット
4 車体後部開口
4a 下辺
4b 側辺
5 リアピラーインナ(パネル材)
6 屈曲部
7 バックドア
8 補強部材
10 車両
11 回動ロッド
11a 係止部
11b 軸支部
12 ベース部材
13 ブラケット
14 操作ノブ
15 ストッパ
15a ストッパ軸(軸部材)
16 回動軸
P1 ロック位置
P2 スロープの上下方向の長さの半分の位置
S 車両後部構造
Claims (6)
- 車体後部開口の下辺に回動可能に軸支されたスロープと、
前記スロープを前記車体後部開口の側辺にロックするロック機構と、
を備え、
前記車体後部開口の側辺は、車体後部開口の下辺の端部から上方に向けて延びる途中で、上方に向かうほど徐々に車幅方向外側に変位するように屈曲して延び、
前記ロック機構は、前記側辺の屈曲部よりも上方に配置されていることを特徴とする車両後部構造。 - 前記ロック機構は、前記スロープに対するロック位置が、起立収納時における前記スロープの上下方向の長さの半分の位置よりも上方になるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両後部構造。
- 前記ロック機構は、前記側辺を形成するパネル材にブラケットを介して取り付けられ、
前記ブラケットが取り付けられる前記パネル材の反対側には補強部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両後部構造。 - 前記ロック機構は、リング形状の操作ノブを備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両後部構造。
- リング形状を呈する前記操作ノブの内周側の空間幅は、一方向に長くなるように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両後部構造。
- 前記ロック機構は、一端に前記スロープに対して係止する係止部と、他端に回動軸に軸支される軸支部とを有する回動ロッドを備え、
前記操作ノブは、前記回動ロッドの延在方向に沿って長く形成されるとともに、前記回転ロッドと軸部材を介して連結され、
前記軸部材は、前記操作ノブの長手方向の中央部よりも前記回転軸寄りに配置されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の車両後部構造。
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