JP2018199147A - 被覆はんだ材料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】長期保管時および溶融時の表面の酸化を防止し、かつ、濡れ広がり性や接合性についても従来よりもさらに優れる被覆はんだ材料を製造する方法の提供。【解決手段】大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化してラジカル化有機リン化合物を生成させ、プラズマ重合反応を繰り返して進行させ、厚さ1nm以上100nm以下の含リン化合物を主成分として含む被覆膜をはんだ材料の表面に形成することにより被覆はんだ材料を効率よく製造する。【選択図】なし
Description
本発明は、半導体装置を製造する際に用いるはんだ材料、特に、被覆膜を用いた表面処理がなされている被覆はんだ材料の製造方法に関する。
半導体素子接合基板や半導体装置などの製造において、金属材料同士を接合する場合、あるいは、半導体素子などの電子部品をプリント基板に接合する場合に、はんだ付けが一般的に採用される。はんだ付けに使用されるはんだ材料は、ワイヤ、リボン、シート、プリフォーム材(打抜き材)、ボール、微粉末などの種々の形状に成形されている。
はんだ材料は、酸素の存在下で酸化しやく、保管中に、その表面に酸化膜が形成される。特に、はんだ材料を製造してから長期間経過後に使用する場合には、酸化が進行し、この酸化膜が厚いものとなり、はんだ材料の濡れ広がり性や接合性の低下、あるいは、空隙(ボイド)の生成を招く。また、使用時にも、はんだ材料は高温で溶融されるため、酸化が進行する。このような厚い酸化膜が存在するはんだ材料を使用した場合、被接合物同士の間に、この酸化物が介在して、導通不良や接合強度の低下といった問題が生じる。
そこで、はんだ材料の酸化に起因する問題に対して、従来から、はんだ材料の表面にフラックスを塗布したり、接合時にフラックスを用いたりすることが一般的に行われている。フラックスとしては、無機酸系、有機酸系、ロジンを基とした樹脂系が知られている。しかしながら、無機酸系のフラックスを用いた場合、フラックスとして活性度が強いため、電気的性質を低下させたり、被接合物を腐食させたりする原因となる。有機酸系のフラックスには、酸化膜との反応の活性力が弱いという欠点がある。樹脂系フラックスには、フラックス残渣が生成するため、電気信頼性の観点から、フロンなどの溶媒による洗浄除去が必要となるという問題がある。このように、いずれのフラックスも半導体装置などの用途に用いるには問題がある。
そこでフラックス以外によるはんだ材料の酸化を防止する手段として、はんだ材料の表面に被覆膜を形成する方法が提案されている。たとえば、特許文献1には、はんだ材料の表面を、リン化合物と界面活性剤からなるリン含有物質、具体的には、フルオロアルキル基含有リン酸エステル化合物と、ノニオン系界面活性剤により被覆する方法が提案されている。また、特許文献2および特許文献3には、はんだ材料の表面を、非イオン界面活性剤、具体的には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルにより被覆する方法が提案されている。
しかしながら、これらの方法は、いずれも、被覆膜を湿式法により形成しているため、膜厚が200nm以下の薄い被覆膜を全表面に形成することは困難である。すなわち、被覆膜が薄い場合には、十分に酸化を抑制することができず、厚い場合には、被覆膜の存在により、逆に、濡れ広がり性や接合性が低下したり、空隙(ボイド)が生じたりする場合がある。
一方、特許文献4には、プラズマを用いた、乾式の表面処理方法が記載されている。この方法は、車両用灯具におけるリフレクターの反射面を形成する方法に関し、基材の上に、アンダーコート層、銀蒸着膜などによる反射層、トップコート層を積層するものであるが、アンダーコート層とトップコート層として、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)などのシラン化合物を用いて、プラズマCVD法により、プラズマ重合により形成された酸化珪素膜(SiOx膜)を用いることが開示されている。この方法によれば、反射効率が低下しないコーティング構造を得られるとともに、湿式の表面処理の場合と比べて、薄い被覆膜を短時間で形成することが可能とされている。しかしながら、プラズマCVD法による表面処理は、一般的には、高価で、大型な真空装置または減圧装置が必要となるため、これによる生産コストの上昇や生産性の悪化を招き、量産技術としてはコストの問題がある。
一方、特許文献5には、ジメチルシロキサンなどの有機ケイ素化合物からなる噴霧液体コーティング材料を大気圧プラズマ放電中に導入して、金属などの基板をこの噴霧コーティング材料へ晒すことにより、ポリマー形成材料を重合させて、基板を腐食から保護したり、酸化に対するバリア膜を形成することが開示されている。また、シロキサン由来のコーティングは、酸素含有プラズマ処理によって酸化することもでき、非酸化条件のプラズマ処理では、シロキサンポリマーを形成できることも開示されている。しかしながら、この方法によりコーティングすると、ガスのプラズマ化と微粒化される原料物質の活性化を同時に行うため、原料物質の活性化を均一に行うことは難しいため、表面全体に均一な被膜を形成することが難しい。また、得られるコーティング膜の厚さは約300nmと厚い膜になるため、濡れ広がり性や接合性が低下したり、空隙(ボイド)が生じたりするおそれがある。
本発明は、長期保管時および溶融時の表面酸化を防止し、かつ、濡れ広がり性や接合性についても従来よりもさらに優れた、1nm以上100nm以下の膜厚を有する被覆膜が形成された被覆はんだ材料を効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、はんだ材料の表面に長期保管時および溶融時の表面酸化を防止する作用のある膜をはんだ材料表面に薄く均一に形成することで、はんだ材料の濡れ広がり性や接合性の低下を防止することについて鋭意検討を重ねた。その結果、大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化してラジカル化有機リン化合物を生成させ、プラズマ重合反応を繰り返して進行させ、厚さ1nm以上100nm以下の含リン化合物を含む被覆膜をはんだ材料の表面に形成することにより、はんだ材料の表面酸化を防止するとともに濡れ広がり性や接合性の低下を防止することができることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、はんだ材料の表面に被覆膜が形成された被覆はんだ材料の製造方法であって、以下の(ア)、(イ)のステップを含む被覆はんだ材料の製造方法である。
(ア) 大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化して、ラジカル化有機リン化合物を得るラジカル化ステップ
(イ)(ア)のラジカル化ステップで得たラジカル化有機リン化合物を、はんだ材料表面の金属とプラズマ重合反応させることにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成する被覆ステップ
(ア) 大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化して、ラジカル化有機リン化合物を得るラジカル化ステップ
(イ)(ア)のラジカル化ステップで得たラジカル化有機リン化合物を、はんだ材料表面の金属とプラズマ重合反応させることにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成する被覆ステップ
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、はんだ材料は、下記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の群から選択される一種のはんだ合金である被覆はんだ材料の製造方法である。
(A)80質量%以上のPbと、Sn、Ag、Cu、In、Te、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Pbと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(B)80質量%以上のSnと、Ag、Sb、Cu、Ni、Ge、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Snと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(C)90質量%以上のZnと、2.0質量%以上9.0質量%以下のAlと、さらにAg、GeおよびPからなる群から選択される1種以上の第3元素とを含有するはんだ合金、
(D)ZnおよびSnを合計で80質量%以上含有するはんだ合金、
(E)85質量%以上のBiと、第2元素として0.01質量%以上13.5質量%以下のZn、又は0.01質量%以上12.0質量%以下のAgを含有するはんだ合金。
(A)80質量%以上のPbと、Sn、Ag、Cu、In、Te、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Pbと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(B)80質量%以上のSnと、Ag、Sb、Cu、Ni、Ge、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Snと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(C)90質量%以上のZnと、2.0質量%以上9.0質量%以下のAlと、さらにAg、GeおよびPからなる群から選択される1種以上の第3元素とを含有するはんだ合金、
(D)ZnおよびSnを合計で80質量%以上含有するはんだ合金、
(E)85質量%以上のBiと、第2元素として0.01質量%以上13.5質量%以下のZn、又は0.01質量%以上12.0質量%以下のAgを含有するはんだ合金。
(3)本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明において、有機リン化合物として、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリペンチル、亜リン酸水素ビス(2−ノニルフェニル)、亜リン酸トリフェニルから選択される少なくとも1種を用いる被覆はんだ材料の製造方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3の発明において、プラズマ化した反応ガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気から選択される少なくとも1種以上である被覆はんだ材料の製造方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4の発明において、キャリアガスは、アルゴン、ヘリウムおよび窒素から選択される少なくとも1種以上である被覆はんだ材料の製造方法である。
本発明によれば、長期保管時および溶融時に、はんだ材料表面および接合はんだ表面の酸化を効果的に防止することができる。さらに、本発明の被覆はんだ材料は、はんだ材料の表面に形成する被覆膜として、含リン化合物を採用することにより、従来の未被覆のはんだ材料と比較して、より優れた濡れ広がり性や接合性を示し、また空隙(ボイド)の発生も防止することができる。
また、本発明によれば、真空装置や減圧装置を使用する必要せずとも、大気圧下で、有機リン化合物のプラズマ重合反応を効率よく進行させることができるため、装置構成を簡単にすることができ、安価にはんだ材料を製造することができる。
また、本発明によれば、真空装置や減圧装置を使用する必要せずとも、大気圧下で、有機リン化合物のプラズマ重合反応を効率よく進行させることができるため、装置構成を簡単にすることができ、安価にはんだ材料を製造することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、以下に詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
1.被覆はんだ材料
本実施の形態に係る被覆はんだ材料は、はんだ材料の表面に被覆膜が形成されたはんだ材料である。この被覆膜は、大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物を瞬時にラジカル化し、継続的にプラズマ重合させることにより形成された、1nm以上100nm以下の膜厚を有する、含リン化合物を主成分として含む被覆膜である。なお、本発明において、はんだ材料には、はんだのみならず、ろう材も含まれるものと解釈される。
本実施の形態に係る被覆はんだ材料は、はんだ材料の表面に被覆膜が形成されたはんだ材料である。この被覆膜は、大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物を瞬時にラジカル化し、継続的にプラズマ重合させることにより形成された、1nm以上100nm以下の膜厚を有する、含リン化合物を主成分として含む被覆膜である。なお、本発明において、はんだ材料には、はんだのみならず、ろう材も含まれるものと解釈される。
(1)被覆膜
a)構成成分
本実施の形態に係る被覆膜は、主として含リン化合物から構成される。本発明では、含リン化合物とは、構造中にリンを含むポリマーのことをいう。
a)構成成分
本実施の形態に係る被覆膜は、主として含リン化合物から構成される。本発明では、含リン化合物とは、構造中にリンを含むポリマーのことをいう。
また、含リン化合物であるリンを含むポリマーの種類は任意であるが、はんだワイヤ表面の酸化進行を防止する観点、および基材への接合時における濡れ広がり性や接合性をさらに向上させる観点から、その主成分は、ポリリン酸、ポリリン酸エステル、ポリリン酸塩、およびこれらの3次元架橋体であることが好ましい。
このような主としてリンを含むポリマーからなる被覆膜は、高い緻密性を備えており、これによってはんだ材料に優れた耐酸化性を付与することができる。
また、基材への接合時においては、リンの還元作用によって、かつ、リンが酸化して気体となって蒸散し、接合部に残らないという性質を備えるため、はんだによる接合部の濡れ広がり性や接合性をより向上させることができる。
本実施の形態に係る被覆膜は、主として含リン化合物によって構成されるが、本発明においては、後述の通り、被覆膜の形成に大気圧プラズマ重合法を適用することから、被覆膜には、主成分としての含リン化合物のほかに、原料の有機リン化合物由来の炭素成分、炭化水素などが含まれる場合がある。また、含リン化合物以外に、酸化防止剤、導電性微粒子、カップリング剤などの任意の添加成分を含ませることもできる。
なお、被覆膜における含リン化合物以外の成分の含有量は、10質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましい。被覆膜中の含リン化合物以外の成分が10質量%を超えると、被覆膜の膜質に影響が出て、緻密性の低下の恐れがあり、耐酸化性が損なわれたり、接合部の濡れ広がり性や接合性が損なわれるため好ましくない。
b)膜厚
被覆膜の膜厚は、1nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上80nm以下、より好ましくは5nm以上50nm以下とする。被覆膜の膜厚が1nm未満では、はんだ材料表面の酸化の進行を十分に抑制することができず、濡れ広がり性や接合性の低下、空隙(ボイド)の発生のおそれが生じるなど、本発明の効果を十分に奏することができない。一方、被覆膜の膜厚が100nmを超えると、はんだ材料表面の酸化の進行を抑制することはできるものの、被覆膜が厚すぎて、本来のはんだ接合部の濡れ広がり性や接合性の低下や、空隙(ボイド)の発生のおそれが生じるなど好ましくない。
被覆膜の膜厚は、1nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上80nm以下、より好ましくは5nm以上50nm以下とする。被覆膜の膜厚が1nm未満では、はんだ材料表面の酸化の進行を十分に抑制することができず、濡れ広がり性や接合性の低下、空隙(ボイド)の発生のおそれが生じるなど、本発明の効果を十分に奏することができない。一方、被覆膜の膜厚が100nmを超えると、はんだ材料表面の酸化の進行を抑制することはできるものの、被覆膜が厚すぎて、本来のはんだ接合部の濡れ広がり性や接合性の低下や、空隙(ボイド)の発生のおそれが生じるなど好ましくない。
c)特性
はんだ材料の表面に形成されている被覆膜は、きわめて薄く形成されているにもかかわらず、はんだ材料の表面の金属と強固に結合し、かつ、被覆膜の膜厚の均一性にも優れている。したがって、はんだ材料の表面における酸化の進行を抑制することができ、これにより、被覆はんだ材料の濡れ広がり性や接合性の向上および空隙(ボイド)の発生を効果的に抑制することが可能である。被覆膜の膜厚は、はんだ材料の表面に形成された被覆膜の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより求めることができる。
はんだ材料の表面に形成されている被覆膜は、きわめて薄く形成されているにもかかわらず、はんだ材料の表面の金属と強固に結合し、かつ、被覆膜の膜厚の均一性にも優れている。したがって、はんだ材料の表面における酸化の進行を抑制することができ、これにより、被覆はんだ材料の濡れ広がり性や接合性の向上および空隙(ボイド)の発生を効果的に抑制することが可能である。被覆膜の膜厚は、はんだ材料の表面に形成された被覆膜の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより求めることができる。
(2)はんだ材料
はんだ材料の表面に形成されている被覆膜は、はんだ材料の形状にかかわらず、例えば、ワイヤ、リボン、シート、プリフォーム材(打抜き材)、ボール、微粉末状などの種々の形状のはんだ材料に対して、その表面に被覆膜を形成することが可能である。
はんだ材料の表面に形成されている被覆膜は、はんだ材料の形状にかかわらず、例えば、ワイヤ、リボン、シート、プリフォーム材(打抜き材)、ボール、微粉末状などの種々の形状のはんだ材料に対して、その表面に被覆膜を形成することが可能である。
また、はんだ材料の組成は、特に限定されるべきものではないが、以下の組成(A)、(B)、(C)、(D)、(E)を有するはんだ材料を用いた場合に、その効果を好適に発揮することができる。なお、はんだ材料の組成は、ICP発光分光分析法により求めることができる。
(A)80質量%以上のPbと、Sn、Ag、Cu、In、Te、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Pbと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(B)80質量%以上のSnと、Ag、Sb、Cu、Ni、Ge、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Snと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(C)90質量%以上のZnと、2.0質量%以上9.0質量%以下のAlと、さらにAg、GeおよびPからなる群から選択される1種以上の第3元素とを含有するはんだ合金。
(D)ZnおよびSnを合計で80質量%以上含有するはんだ合金。
(E)85質量%以上のBiと、第2元素として0.01質量%以上13.5質量%以下のZn、又は0.01質量%以上12.0質量%以下のAgを含有するはんだ合金。
(A)80質量%以上のPbと、Sn、Ag、Cu、In、Te、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Pbと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(B)80質量%以上のSnと、Ag、Sb、Cu、Ni、Ge、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Snと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(C)90質量%以上のZnと、2.0質量%以上9.0質量%以下のAlと、さらにAg、GeおよびPからなる群から選択される1種以上の第3元素とを含有するはんだ合金。
(D)ZnおよびSnを合計で80質量%以上含有するはんだ合金。
(E)85質量%以上のBiと、第2元素として0.01質量%以上13.5質量%以下のZn、又は0.01質量%以上12.0質量%以下のAgを含有するはんだ合金。
(3)被覆はんだ材料
被覆はんだ材料は、はんだ材料の表面に、1nm以上100nm以下の膜厚を有する、含リン化合物を主成分として含む被覆膜が形成されたものである。また、被覆はんだ材料全体に対する被覆膜の含有量が、リン換算で100ppm以下、好ましくは70ppm以下、より好ましくは50ppm以下であることが好ましい。被覆はんだ材料全体に対するリン含有量が100ppmを超えると、濡れ広がり性や接合性が低下するというおそれが生じるため好ましくない。
被覆はんだ材料は、はんだ材料の表面に、1nm以上100nm以下の膜厚を有する、含リン化合物を主成分として含む被覆膜が形成されたものである。また、被覆はんだ材料全体に対する被覆膜の含有量が、リン換算で100ppm以下、好ましくは70ppm以下、より好ましくは50ppm以下であることが好ましい。被覆はんだ材料全体に対するリン含有量が100ppmを超えると、濡れ広がり性や接合性が低下するというおそれが生じるため好ましくない。
2.被覆はんだ材料の製造方法
次に、本実施の形態に係る被覆はんだ材料の製造方法について説明する。すなわち、大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化してラジカル化有機リン化合物を生成させ、プラズマ重合反応を繰り返して進行させ、1nm以上100nm以下の膜厚を有する、含リン化合物を含む被覆膜をはんだ材料の表面に形成することを特徴する。
次に、本実施の形態に係る被覆はんだ材料の製造方法について説明する。すなわち、大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化してラジカル化有機リン化合物を生成させ、プラズマ重合反応を繰り返して進行させ、1nm以上100nm以下の膜厚を有する、含リン化合物を含む被覆膜をはんだ材料の表面に形成することを特徴する。
(1)原料のはんだ材料の調製
原料のはんだ材料は、前述したように、その形状に特に制限されず使用することができるが、本発明の効果をより確実に発揮させるために、その表面に形成される酸化膜を除去したり、表面を平滑にすることが好ましい。
原料のはんだ材料は、前述したように、その形状に特に制限されず使用することができるが、本発明の効果をより確実に発揮させるために、その表面に形成される酸化膜を除去したり、表面を平滑にすることが好ましい。
具体的には、シート状のはんだ材料を使用する場合には、圧延するロールの表面粗さ(算術平均粗さRa)は、好ましくは0.30μm以下、より好ましくは0.20μm以下とすることが好ましい。なお、2種類以上の圧延方法を組み合わせて行う場合には、少なくとも最後の圧延に使用する圧延ロールの表面粗さ(Ra)を0.30μm以下とするのが好ましい。圧延ロールの表面粗さ(Ra)が0.30μmを超えると、得られるはんだ材料の表面粗さ(Ra)を小さくすることが難しくなり、本来のはんだ材料の濡れ広がり性や接合性を損なうおそれがあるため好ましくない。
(2)大気圧プラズマ重合処理
本実施の形態に係る被覆はんだ材料の被覆膜を形成する大気圧プラズマ重合処理について、詳細に説明する。この大気圧プラズマ重合処理は、
(ア)大気圧下でプラズマ化された反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに導入し、この有機リン化合物をラジカル化することでラジカル化有機リン化合物を形成する、ラジカル化ステップと、
(イ)ラジカル化有機リン化合物をはんだ材料表面の金属と反応させることにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成する、被覆ステップと、を備える。
本実施の形態に係る被覆はんだ材料の被覆膜を形成する大気圧プラズマ重合処理について、詳細に説明する。この大気圧プラズマ重合処理は、
(ア)大気圧下でプラズマ化された反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに導入し、この有機リン化合物をラジカル化することでラジカル化有機リン化合物を形成する、ラジカル化ステップと、
(イ)ラジカル化有機リン化合物をはんだ材料表面の金属と反応させることにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成する、被覆ステップと、を備える。
(ア)ラジカル化ステップ
ラジカル化ステップは、大気圧下でプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに導入し、この有機リン化合物をラジカル化することでラジカル化有機リン化合物を得るステップである。なお、ラジカル化有機リン化合物は、次の被覆ステップにおいて、はんだ材料表面の金属と反応することができる限り、その状態が制限されることはなく、単量体、半重合体または重合体のいずれの状態であってもよい。
ラジカル化ステップは、大気圧下でプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに導入し、この有機リン化合物をラジカル化することでラジカル化有機リン化合物を得るステップである。なお、ラジカル化有機リン化合物は、次の被覆ステップにおいて、はんだ材料表面の金属と反応することができる限り、その状態が制限されることはなく、単量体、半重合体または重合体のいずれの状態であってもよい。
プラズマ処理は従来から広く知られた技術であるが、本発明で利用する大気圧プラズマ重合処理は、常態では進行しない化学反応を、大気圧プラズマによる反応の活性化により進行させるものである。このような大気圧プラズマ重合処理は、連続処理に向いているため生産性が高く、真空装置が不要であるため処理コストが低く、簡単な装置構成で済むといったメリットを有する。
大気圧プラズマとしては、コロナ放電、誘電体バリア放電、RF放電、マイクロ波放電、アーク放電などを挙げることができるが、本発明では、特に限定されることなく、いずれも適用可能である。このため、プラズマ化するために使用する装置としては、大気圧下でプラズマ化することができるものであれば、特に限定されることなく、公知のプラズマ発生装置を使用することができる。なお、本発明において、大気圧とは、大気圧(1013.25hPa)およびその近傍の気圧を含み、通常の大気圧の変化の範囲内の気圧も含まれる。
プラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物を混合噴霧する方法は、特に限定されることなく、公知の手段が用いられる。たとえば、高温で蒸発させ、霧化した有機リン化合物と、キャリアガスからなる混合ガスを、大気圧中でプラズマ化されたプラズマ化した反応ガス中に導入すればよい。
このようにして、プラズマ化した反応ガス中に導入された有機リン化合物は、プラズマガスと接触すると瞬時にラジカルを生成する反応が進行し、その基本骨格を維持しつつ生成したラジカルが、プラズマ重合しながら、(イ)の被覆ステップとして、はんだ材料の表面に存在する金属と反応し、瞬時に、含リン化合物を主に含む被覆膜が形成されることとなる。
(有機リン化合物)
本発明では、被覆膜を形成するための被覆材料として、常温で液体である有機リン化合物を使用することができる。具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリペンチル、亜リン酸水素ビス(2−ノニルフェニル)、および亜リン酸トリフェニルから選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物を使用することができる。この中でも、リン酸トリメチルは、沸点が197℃で、無色かつ無臭の液体であり、空気中において高い安定性を示し、その取扱いが容易であることから、工業的に好適に用いることができる。
本発明では、被覆膜を形成するための被覆材料として、常温で液体である有機リン化合物を使用することができる。具体的には、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリペンチル、亜リン酸水素ビス(2−ノニルフェニル)、および亜リン酸トリフェニルから選ばれる少なくとも1種の有機リン化合物を使用することができる。この中でも、リン酸トリメチルは、沸点が197℃で、無色かつ無臭の液体であり、空気中において高い安定性を示し、その取扱いが容易であることから、工業的に好適に用いることができる。
(反応ガス)
反応ガスとしては、プラズマ化が容易なものであれば特に限定されることはなく、たとえば、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気などを使用することができる。これらのガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、窒素、酸素または空気を使用することが好ましい。
反応ガスとしては、プラズマ化が容易なものであれば特に限定されることはなく、たとえば、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気などを使用することができる。これらのガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、窒素、酸素または空気を使用することが好ましい。
(キャリアガス)
また、キャリアガスとしては、気化した有機リン化合物を搬送することができるものであれば特に限定されることはなく、たとえば、アルゴン、ヘリウムおよび窒素などを使用することができる。これらのガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、窒素を使用することが好ましい。
また、キャリアガスとしては、気化した有機リン化合物を搬送することができるものであれば特に限定されることはなく、たとえば、アルゴン、ヘリウムおよび窒素などを使用することができる。これらのガスは、単独で使用してもよく、2種類以上を、所定の割合で混合して使用してもよい。なお、生産コストの観点から、窒素を使用することが好ましい。
(プラズマ化条件)
反応ガスをプラズマ化するための条件としては、使用するプラズマ装置や、目的とする被覆膜の厚さなどにより適宜選択されるべきものであるが、有機リン化合物を効率よくラジカル化し、高品質の被覆膜を形成する観点から、ジュネレータ出力電圧を、好ましくは150V〜350V、より好ましくは200V〜330Vの範囲とする。ジュネレータ出力電圧が150V未満では、プラズマガスが十分にプラズマ化することができないため、有機リン化合物を十分にラジカル化することができない。一方、350Vを超えると、装置への負荷が大きいため好ましくない。
反応ガスをプラズマ化するための条件としては、使用するプラズマ装置や、目的とする被覆膜の厚さなどにより適宜選択されるべきものであるが、有機リン化合物を効率よくラジカル化し、高品質の被覆膜を形成する観点から、ジュネレータ出力電圧を、好ましくは150V〜350V、より好ましくは200V〜330Vの範囲とする。ジュネレータ出力電圧が150V未満では、プラズマガスが十分にプラズマ化することができないため、有機リン化合物を十分にラジカル化することができない。一方、350Vを超えると、装置への負荷が大きいため好ましくない。
(イ)被覆ステップ
被覆ステップは、(ア)のラジカル化ステップで生成したラジカル化有機リン化合物を、はんだ材料表面の金属と反応させ、プラズマ重合反応を繰り返すことにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成するステップである。
被覆ステップは、(ア)のラジカル化ステップで生成したラジカル化有機リン化合物を、はんだ材料表面の金属と反応させ、プラズマ重合反応を繰り返すことにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成するステップである。
(ノズル距離、ノズル移動速度、処理回数)
本発明では、上述したように、被覆膜の厚さを1nm以上100nm以下の範囲とするが、被腹膜の厚さは、使用するプラズマ処理装置の条件設定により適宜調整することができる。
たとえば、プラズマ処理装置として、プラズマトリート株式会社製の大気圧プラズマ重合処理装置(プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を使用し、被覆膜を形成しようとする場合、ノズル距離を、好ましくは5mm〜50mm、より好ましくは7mm〜30mmとし、ノズル移動速度を、好ましくは1m/min〜40m/min、より好ましくは7m/min〜35m/minとする。
本発明では、上述したように、被覆膜の厚さを1nm以上100nm以下の範囲とするが、被腹膜の厚さは、使用するプラズマ処理装置の条件設定により適宜調整することができる。
たとえば、プラズマ処理装置として、プラズマトリート株式会社製の大気圧プラズマ重合処理装置(プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)を使用し、被覆膜を形成しようとする場合、ノズル距離を、好ましくは5mm〜50mm、より好ましくは7mm〜30mmとし、ノズル移動速度を、好ましくは1m/min〜40m/min、より好ましくは7m/min〜35m/minとする。
ノズル距離が5mm未満の場合、または、ノズル移動速度が1m/min未満の場合には、はんだ材料の表面に被覆膜を形成する工程で、はんだ材料表面の酸化が進行してしまい、得られる被覆はんだ材料は、はんだ材料表面と被覆膜の間に酸化膜が介在した状態になり、濡れ広がり性や接合性が低下する場合がある。一方、ノズル距離が30mmを超える場合、または、ノズル移動速度が40m/minを超える場合には、被覆膜の膜厚が1nm未満となってしまうことがある。ここで、ノズル距離とは、被覆膜の材料である有機リン化合物を噴出するノズルの先端から、被覆膜を形成されるはんだ材料の表面までの距離をいう。また、ノズル移動速度とは、前記ノズルが、はんだ材料に対して移動する速度をいい、基材の搬送速度とは、前記はんだ材料が、前記ノズルに対して移動する速度をいう。
3.被覆はんだ材料によるダイボンディング方法
本発明の被覆はんだ材料は、各種半導体素子と基板との接合に用いることができ、具体的には、ディスクリート、IC(集積回路)チップ、モジュールなど、多種多様の半導体素子と基板との接合に用いることができる。ここでは、ワイヤ状に成形した本発明の被覆はんだ材料を利用して、ICチップをリードフレームのダイ部に接合する、ダイボンディングを例に挙げて説明する。
本発明の被覆はんだ材料は、各種半導体素子と基板との接合に用いることができ、具体的には、ディスクリート、IC(集積回路)チップ、モジュールなど、多種多様の半導体素子と基板との接合に用いることができる。ここでは、ワイヤ状に成形した本発明の被覆はんだ材料を利用して、ICチップをリードフレームのダイ部に接合する、ダイボンディングを例に挙げて説明する。
なお、本発明の被覆はんだ材料を用いてダイボンディングをする場合、ICチップの水平を保つため、はんだ材料に、高融点粒子を混入し、複合材料として用いることが好ましい。この高融点粒子としては、はんだ材料の融点よりも50℃以上高いものを使用することが好ましく、具体的には、CuやNiなどの金属粒子、SiO2などの酸化物粒子、SiCなどの炭化物粒子を用いることができる。また、高融点粒子の含有量は、はんだ材料に対して1質量%〜40質量%とし、その平均粒径は1μm〜70μmとすることが好ましい。
一般的なダイボンディングでは、ワイヤ状のはんだ材料や半導体素子を供給するための開口部が設けられた半密閉状のチャンバ内に、ヒータ部が設けられている。このヒータ部に基板を搬送し、加熱する。この際、チャンバ内には、不活性ガスまたはフォーミングガス(不活性ガスに、還元性ガスとして水素を混合したガス)を流通させておく。その後、所定の温度まで加熱された基板上にはんだ材料を供給し、該はんだ材料を溶融させ、この上に半導体素子を載せ、加圧することにより、基板と半導体素子を接合する。
このとき、はんだ材料は、ヒータ部で、加熱された不活性ガスと空気の混合ガスを吹き付けられた状態で待機することとなるため、その表面で酸化が進行する。また、不活性ガスが流通しているとはいえ、チャンバ内は完全な密閉状とはなっていないため、はんだ材料の供給時にチャンバ内に流入した酸素によっても、酸化が進行することなる。
このとき、はんだ材料は、ヒータ部で、加熱された不活性ガスと空気の混合ガスを吹き付けられた状態で待機することとなるため、その表面で酸化が進行する。また、不活性ガスが流通しているとはいえ、チャンバ内は完全な密閉状とはなっていないため、はんだ材料の供給時にチャンバ内に流入した酸素によっても、酸化が進行することなる。
また、良好な接合を行うため、ヒータ部の温度を、はんだ材料の融点より30℃〜70℃程度高い温度に設定する必要がある。特に、Snを5質量%含むPb系はんだなどの高融点はんだを使用する場合には、ヒータ部の温度を340℃〜380℃程度に設定しなければならず、これにより、ますますはんだ材料の酸化が進行することとなる。
このようなダイボンディングを行う際、通常のはんだ材料に変えて、本発明の被覆はんだ材料を使用すれば、上述のポリシロキサン膜の作用により、待機時および溶融時の酸化を防止することが可能となる。このため、濡れ広がり性や強度に優れ、ボイドの発生が少ない接合が可能となり、信頼性の高い半導体素子接合基板、および、この基板を用いた各種装置を提供することができる。
以下、本発明について実施例を参照しながら、さらに詳細に説明するが本発明は下記の実施例に何ら限定されない。
[シート状はんだ材料試料の作製]
最初に、試料とするシート状はんだ材料を作製した。原料として、純度が99.9%以上の金属材料を準備した。以下の組成となるように母合金を作製し、圧延機を用いて、厚さ400μmまで粗圧延(温間圧延、圧延温度:90℃)した。その後、各インゴットについて、送り速度を調整しながら、表面粗さ(Ra)が0.20μmの圧延ローラにより仕上げ圧延を行った後、スリッタ加工により裁断することで、シート状25mm幅のはんだ材料を得た。
最初に、試料とするシート状はんだ材料を作製した。原料として、純度が99.9%以上の金属材料を準備した。以下の組成となるように母合金を作製し、圧延機を用いて、厚さ400μmまで粗圧延(温間圧延、圧延温度:90℃)した。その後、各インゴットについて、送り速度を調整しながら、表面粗さ(Ra)が0.20μmの圧延ローラにより仕上げ圧延を行った後、スリッタ加工により裁断することで、シート状25mm幅のはんだ材料を得た。
試料とした5種の組成は以下の通りである。
(A)Pb:97.5質量%、Ag:2.5質量%、Sn:5.0質量%。
(B)Sn:96.5質量%、Ag:3.5質量%。
(C)Zn:95.0質量%、Al:5.0質量%。
(D)Sn:91.0質量%、Zn;9.0質量%。
(E)Bi:97.3質量%、Ag:2.7質量%。
(A)Pb:97.5質量%、Ag:2.5質量%、Sn:5.0質量%。
(B)Sn:96.5質量%、Ag:3.5質量%。
(C)Zn:95.0質量%、Al:5.0質量%。
(D)Sn:91.0質量%、Zn;9.0質量%。
(E)Bi:97.3質量%、Ag:2.7質量%。
(実施例1)
実施例1として、はんだ材料(A)のシート状はんだ材料試料に対して、大気圧プラズマ重合処理を施し被覆膜を形成した。具体的には、被覆膜材料としてリン酸トリメチル(TMP)を、キャリアガスとしてN2を、プラズマガスとしてN2を使用し、大気圧プラズマ重合処理装置(プラズマトリート株式会社製、プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)により、各はんだ材料の表面に被覆膜を形成したものを、それぞれ使用した。なお、このときの大気圧プラズマ重合処理装置の条件は、以下のとおりであった。
プラズマ発生装置の発信周波数 :21kHz
ジェネレータの出力電圧 :280V
圧力 :大気圧(1013.25hPa)
ヘキサメチルジシロキサンの導入量:20g/h
ノズル距離 :10mm
ノズル移動速度 :20m/min
実施例1として、はんだ材料(A)のシート状はんだ材料試料に対して、大気圧プラズマ重合処理を施し被覆膜を形成した。具体的には、被覆膜材料としてリン酸トリメチル(TMP)を、キャリアガスとしてN2を、プラズマガスとしてN2を使用し、大気圧プラズマ重合処理装置(プラズマトリート株式会社製、プラズマポリマーラボシステム PAD−1型)により、各はんだ材料の表面に被覆膜を形成したものを、それぞれ使用した。なお、このときの大気圧プラズマ重合処理装置の条件は、以下のとおりであった。
プラズマ発生装置の発信周波数 :21kHz
ジェネレータの出力電圧 :280V
圧力 :大気圧(1013.25hPa)
ヘキサメチルジシロキサンの導入量:20g/h
ノズル距離 :10mm
ノズル移動速度 :20m/min
得られたシート状はんだ材料(A)に形成された被覆膜をTEM像で観察して、膜厚を求めたところ、14nmであった。ICP発光分光分析によるリンの含有量は、13ppmであった。下記に示す評価方法により、(a)耐酸化性評価、(b)濡れ性(接合性)評価を行ったところ、評価結果は(a)「○」、(b)「○」で、いずれも良好であった。
であった。
であった。
(実施例2)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離5mm、ノズル移動距離を1m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は20nmで、リンの含有量は18ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離5mm、ノズル移動距離を1m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は20nmで、リンの含有量は18ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例3)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離30mm、ノズル移動距離を20m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は4nmで、リンの含有量は4ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離30mm、ノズル移動距離を20m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は4nmで、リンの含有量は4ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例4)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離10mm、ノズル移動距離を40m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は12nmで、リンの含有量は11ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離10mm、ノズル移動距離を40m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は12nmで、リンの含有量は11ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例5)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、実施例2の条件で被覆膜を形成し、これを5回繰り返し行った。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は98nmで、リンの含有量は90ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、実施例2の条件で被覆膜を形成し、これを5回繰り返し行った。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は98nmで、リンの含有量は90ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例6)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、反応ガスを酸素とした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は18nmで、リンの含有量は16ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、反応ガスを酸素とした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は18nmで、リンの含有量は16ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例7)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、反応ガスを空気とした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は16nmで、リンの含有量は15ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、反応ガスを空気とした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は16nmで、リンの含有量は15ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例8)
使用したシート状はんだ材料を(B)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は14nmで、リンの含有量は13ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
使用したシート状はんだ材料を(B)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は14nmで、リンの含有量は13ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例9)
使用したシート状はんだ材料を(C)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は14nmで、リンの含有量は14ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
使用したシート状はんだ材料を(C)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は14nmで、リンの含有量は14ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例10)
使用したシート状はんだ材料を(D)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は13nmで、リンの含有量は13ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
使用したシート状はんだ材料を(D)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は13nmで、リンの含有量は13ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(実施例11)
使用したシート状はんだ材料を(E)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は14nmで、リンの含有量は12ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
使用したシート状はんだ材料を(E)のはんだ材料に変更した以外は、実施例1と同じ条件で被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は14nmで、リンの含有量は12ppmで、耐酸化性評価は「○」、濡れ性(接合性)評価は「○」で、いずれも良好であった。
(比較例1)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離30mm、ノズル移動距離を40m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は2nmで、リンの含有量は2ppmで、耐酸化性評価は「x」、濡れ性(接合性)評価は「△」であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、ノズル距離30mm、ノズル移動距離を40m/minとした以外は、実施例1と同様にして被覆膜を形成した。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は2nmで、リンの含有量は2ppmで、耐酸化性評価は「x」、濡れ性(接合性)評価は「△」であった。
(比較例2)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、実施例2の条件で被覆膜を形成し、これを12回繰り返し行った。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は228nmで、リンの含有量は240ppmで、耐酸化性評価は「x」、濡れ性(接合性)評価は「△」であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成する際の条件として、実施例2の条件で被覆膜を形成し、これを12回繰り返し行った。得られた試料を実施例1と同様に評価した。被覆膜の膜厚は228nmで、リンの含有量は240ppmで、耐酸化性評価は「x」、濡れ性(接合性)評価は「△」であった。
(比較例3)
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成せずに実施例1と同様に評価した。耐酸化性評価は「x」、濡れ性(接合性)評価は「○」であった。
実施例1と同じシート状はんだ材料(A)を用いて、被覆膜を形成せずに実施例1と同様に評価した。耐酸化性評価は「x」、濡れ性(接合性)評価は「○」であった。
[評価]
実施例および比較例の試料に対して、以下の項目について評価を行った。
(a)耐酸化性評価 評価する試料に対して、JISZ2371に準拠した中性塩水噴霧試験を7日間行った後、試料の表面状態を、光学顕微鏡(株式会社ニコン製、ECLIPE M6600)を用いて観察した。この結果、表面状態が、初期の表面状態と同じである場合を「○」、初期の表面状態と比較して変色していたり、平滑性が悪化していたりする場合を「×」として評価した。
実施例および比較例の試料に対して、以下の項目について評価を行った。
(a)耐酸化性評価 評価する試料に対して、JISZ2371に準拠した中性塩水噴霧試験を7日間行った後、試料の表面状態を、光学顕微鏡(株式会社ニコン製、ECLIPE M6600)を用いて観察した。この結果、表面状態が、初期の表面状態と同じである場合を「○」、初期の表面状態と比較して変色していたり、平滑性が悪化していたりする場合を「×」として評価した。
(b)濡れ性(接合性)の評価
評価する試料に対して、雰囲気制御式濡れ性試験機(自社製)により評価を行った。
具体的には、雰囲気制御式濡れ性試験機のヒータ部に2重のカバーをして、ヒータ部の周囲4箇所から窒素を12L/minの流量で流しながら、ヒータ温度を融点より50℃高い温度に設定して加熱し、ヒータ温度が安定したことを確認した後、Cu基板(板厚:約0.70mm)をヒータ部に設置し、25秒間加熱した。各サンプルをCu基板の上に載置した後、さらに25秒間加熱した。加熱終了後、Cu基板をヒータ部から取り上げ、窒素雰囲気中で室温まで冷却した。Cu基板が十分に冷却したことを確認した後、Cu基板とサンプルの界面(接合部)を目視により、それぞれ観察した。 この結果、Cu基板とサンプルが接合しており、かつ、サンプルの濡れ広がりが良い場合(サンプルが薄く濡れ広がっている場合)を「○」と、接合することはできたが、サンプルの濡れ広がりが悪い場合(サンプルが盛り上がっている場合)を「△」、接合することができなかった場合を「×」として評価した。
評価する試料に対して、雰囲気制御式濡れ性試験機(自社製)により評価を行った。
具体的には、雰囲気制御式濡れ性試験機のヒータ部に2重のカバーをして、ヒータ部の周囲4箇所から窒素を12L/minの流量で流しながら、ヒータ温度を融点より50℃高い温度に設定して加熱し、ヒータ温度が安定したことを確認した後、Cu基板(板厚:約0.70mm)をヒータ部に設置し、25秒間加熱した。各サンプルをCu基板の上に載置した後、さらに25秒間加熱した。加熱終了後、Cu基板をヒータ部から取り上げ、窒素雰囲気中で室温まで冷却した。Cu基板が十分に冷却したことを確認した後、Cu基板とサンプルの界面(接合部)を目視により、それぞれ観察した。 この結果、Cu基板とサンプルが接合しており、かつ、サンプルの濡れ広がりが良い場合(サンプルが薄く濡れ広がっている場合)を「○」と、接合することはできたが、サンプルの濡れ広がりが悪い場合(サンプルが盛り上がっている場合)を「△」、接合することができなかった場合を「×」として評価した。
[評価結果]
この結果から、本発明の技術的範囲に属する実施例は、耐酸化性試験の前後で表面状態は変化せず、変色も見られなかったことから、耐酸化性に優れていることが確認された。また、濡れ性(接合性)評価においても、良好な結果が得られている。さらに、リン含有量もはんだ材料としての特性に影響を与えない範囲であることが確認された。
この結果から、本発明の技術的範囲に属する実施例は、耐酸化性試験の前後で表面状態は変化せず、変色も見られなかったことから、耐酸化性に優れていることが確認された。また、濡れ性(接合性)評価においても、良好な結果が得られている。さらに、リン含有量もはんだ材料としての特性に影響を与えない範囲であることが確認された。
Claims (5)
- はんだ材料の表面に被覆膜が形成された被覆はんだ材料の製造方法であって、以下の(ア)、(イ)のステップを含む被覆はんだ材料の製造方法
(ア)大気圧下で予めプラズマ化した反応ガス中に、有機リン化合物をキャリアガスとともに混合噴霧し、有機リン化合物をラジカル化して、ラジカル化有機リン化合物を得るラジカル化ステップ
(イ)(ア)のラジカル化ステップで得たラジカル化有機リン化合物を、はんだ材料表面の金属とプラズマ重合反応させることにより、はんだ材料の表面に1nm以上100nm以下の膜厚を有する含リン化合物を含む被覆膜を形成する被覆ステップ - 前記はんだ材料は、下記(A)、(B)、(C)、(D)、(E)の群から選択される一種のはんだ合金である請求項1に記載の被覆はんだ材料の製造方法。
(A)80質量%以上のPbと、Sn、Ag、Cu、In、Te、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Pbと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(B)80質量%以上のSnと、Ag、Sb、Cu、Ni、Ge、およびPからなる群から選択される1種以上の第2元素とを含有し、かつ、Snと第2元素との含有量が、合計で95質量%以上のはんだ合金、
(C)90質量%以上のZnと、2.0質量%以上9.0質量%以下のAlと、さらにAg、GeおよびPからなる群から選択される1種以上の第3元素とを含有するはんだ合金。
(D)ZnおよびSnを合計で80質量%以上含有するはんだ合金。
(E)85質量%以上のBiと、第2元素として0.01質量%以上13.5質量%以下のZn、又は0.01質量%以上12.0質量%以下のAgを含有するはんだ合金。 - 前記有機リン化合物は、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリペンチル、リン酸水素ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリペンチル、亜リン酸水素ビス(2−ノニルフェニル)、亜リン酸トリフェニルの群から選択される少なくとも1種を用いる請求項1または請求項2に記載の被覆はんだ材料の製造方法。
- 前記プラズマ化した反応ガスは、アルゴン、ヘリウム、窒素、酸素および空気から選択される少なくとも1種以上である請求項1から請求項3のいずれかに記載の被覆はんだ材料の製造方法。
- 前記キャリアガスは、アルゴン、ヘリウムおよび窒素から選択される少なくとも1種以上である請求項1から請求項4のいずれかに記載の被覆はんだ材料の製造方法。
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