JP2018198282A - 窒化鉄系磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な機械的強度と良好な最大エネルギー積とを両立できる窒化鉄系磁石を提供する。【解決手段】Fe16N2相を含む窒化鉄系磁石であって、窒化鉄系磁石は、窒化鉄系磁性粒子2と、酸化鉄系粒子4と、を有しており、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径に対する窒化鉄系磁性粒子の平均粒子長径の比として表される形状アスペクト比が3.0以上10.0以下であり、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径に対する酸化鉄系粒子の平均粒子径の比として表される酸化鉄系粒子の平均粒子径比が50%以上100%以下であり、窒化鉄系磁石の配向方向に平行な断面において、窒化鉄系磁性粒子が占める面積と酸化鉄系粒子が占める面積との合計面積に対する窒化鉄系磁性粒子が占める面積の比として表される窒化鉄系磁性粒子の面積比が80.0%以上99.9%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、窒化鉄系磁石に関する。
現在、優れた磁気特性を有する磁石としては、ネオジム磁石に代表される希土類磁石が例示され、各種モータ、発電機等の種々の分野で用いられている。
しかしながら、希土類磁石を構成する希土類元素の中には、埋蔵量が少ない元素、埋蔵地域が偏在している元素等が多く、原料価格が大きく変動し、安定した原料の供給が困難となる場合がある。
そこで、希土類元素を用いることなく、地球上に豊富に存在する元素のみを用いて、高性能な磁石を開発する研究が行われている。
このような高性能磁石としては、Fe−N系化合物を用いた強磁性窒化鉄系磁石が知られている。特に、Fe16相を含む窒化鉄系磁石は、巨大な飽和磁化を示し、理論的には、最大エネルギー積がネオジム磁石を凌駕する性能を有している。
たとえば、特許文献1には、所定の粒径を有する窒化鉄系粒子の個数の存在割合が特定の範囲内である窒化鉄系粉末を用いることにより、高い配向度を実現した窒化鉄系磁石が開示されている。
特開2016−17199号公報
特許文献1には、窒化鉄系粒子のうち、粒子径が大きい粒子と粒子径が小さい粒子との存在割合を特定の範囲内とすることにより、窒化鉄系粒子を配向方向に緻密に配置できることが記載されている。しかしながら、粒子径だけでなく、窒化鉄系粒子形状も考慮しなければ、磁石内に空隙が生じやすい。その結果、十分な密度を有する磁石が得られず、磁石としての機械的強度が不足してしまうという問題があった。
また、窒化鉄系磁性粒子を緻密に配置することにより、磁化が増加し最大エネルギー積は増加する傾向にある。ところが、さらに窒化鉄系磁性粒子を緻密に配置すると窒化鉄系磁性粒子間の磁気的な分離が困難となり保磁力が低下し、逆に最大エネルギー積が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、良好な機械的強度と良好な最大エネルギー積とを両立できる窒化鉄系磁石を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の窒化鉄系磁石は、
[1]Fe16相を含む窒化鉄系磁石であって、
窒化鉄系磁石は、窒化鉄系磁性粒子と、酸化鉄系粒子と、を有しており、
窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径に対する窒化鉄系磁性粒子の平均粒子長径の比として表される形状アスペクト比が3.0以上10.0以下であり、
窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径に対する酸化鉄系粒子の平均粒子径の比として表される酸化鉄系粒子の平均粒子径比が50%以上100%以下であり、
窒化鉄系磁石の配向方向に平行な断面において、窒化鉄系磁性粒子が占める面積と酸化鉄系粒子が占める面積との合計面積に対する窒化鉄系磁性粒子が占める面積の比として表される窒化鉄系磁性粒子の面積比が80.0%以上99.9%以下であることを特徴とする窒化鉄系磁石である。
[2]窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする[1]に記載の窒化鉄系磁石である。
本発明に係る窒化鉄系磁石が上記の特徴を有することにより、良好な機械的強度と良好な最大エネルギー積とを両立できる窒化鉄系磁石を提供することができる。
図1(a)は、窒化鉄系磁性粒子の粒子長径および粒子短径を説明するための模式図である。図1(b)は、窒化鉄系磁性粒子の粒子径を説明するための模式図である。 図2は、本実施形態に係る窒化鉄系磁石の配向方向に平行な断面における窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子との存在状態を示す模式的な断面図である。
以下、本発明を、具体的な実施形態に基づき、以下の順序で詳細に説明する。
1.窒化鉄系磁石
1.1 窒化鉄系磁性粒子
1.2 酸化鉄系粒子
1.3 窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子との存在状態
2.窒化鉄系磁石の製造方法
2.1 窒化鉄系磁性粒子の製造
2.2 酸化鉄系粒子の製造
2.3 窒化鉄系磁石の製造
3.本実施形態における効果
(1.窒化鉄系磁石)
本実施形態に係る窒化鉄系磁石は、強磁性窒化鉄相であるFe16相を含んでいる。また、当該窒化鉄系磁石は、窒化鉄系磁性粒子と、酸化鉄系粒子と、を有している。
なお、当該窒化鉄系磁石は、窒化鉄系磁性粒子および酸化鉄系粒子以外の成分、たとえば、樹脂を含んでいてもよい。また、当該窒化鉄系磁石は、樹脂成分を含まず、窒化鉄系磁性粒子および酸化鉄系粒子によりバルク形状を維持する磁石であってもよい。
また、本実施形態では、窒化鉄系磁石の内部において、窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子との存在状態を制御している。このようにすることにより、本実施形態に係る窒化鉄系磁石は、良好な機械的強度と良好な最大エネルギー積とを両立することができる。
本実施形態に係る窒化鉄系磁石は、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、亜鉛(Zn)等の遷移金属元素を含んでいてもよい。また、当該窒化鉄系磁石は、シリコン(Si)を含んでいてもよい。窒化鉄系磁石全体に対する、これらの遷移金属元素の含有量は、元素換算で、1質量%以下であることが好ましい。また、窒化鉄系磁石全体に対する、Siの含有量は、元素換算で、5質量%以下であることが好ましい。なお、本実施形態に係る窒化鉄系磁石は、本発明の効果が得られる範囲内において、上記の元素以外に、微量な不純物等を含んでいてもよい。本実施形態では、窒化鉄系磁石全体に対して、鉄(Fe)、窒素(N)および酸素(O)の合計が70質量%以上含まれていることが好ましい。
(1.1 窒化鉄系磁性粒子)
本実施形態では、窒化鉄系磁性粒子は、窒化鉄相としてFe16相を含む粒子と、Fe16相以外の窒化鉄相を含む粒子と、の両方を含む。高い最大エネルギー積を得るという観点から、窒化鉄系磁性粒子全体に対し、Fe16相を含む粒子は、95%以上であることが好ましい。窒化鉄系磁性粒子がFe16相を含む粒子から構成されていることがより好ましい。
図1(a)に示すように、窒化鉄系磁性粒子2において、粒子長径aと粒子短径bとを設定できる。粒子長径aは、粒子2と外接し面積が最小となる四角形Tの長辺の長さaとして定義され、粒子短径bは、粒子2と外接し面積が最小となる四角形Tの短辺の長さbとして定義される。
粒子長径aおよび粒子短径bの測定を、所定の個数の窒化鉄系磁性粒子に対して行い、それらの平均値を、それぞれ、平均粒子長径および平均粒子短径とする。なお、粒子長径aおよび粒子短径bを測定する粒子の個数は、本実施形態では、500から1500個程度である。そして、平均粒子短径に対する平均粒子長径を、窒化鉄系磁性粒子の形状アスペクト比として定義する。すなわち、形状アスペクト比=平均粒子長径/平均粒子短径である。
本実施形態では、形状アスペクト比が3.0以上10.0以下である。形状アスペクト比を上記の範囲内とすることにより、配向度が高まり、最大エネルギー積を良好にすることができる。形状アスペクト比は5.0以上であることが好ましい。一方、形状アスペクト比は7.0以下であることが好ましい。したがって、窒化鉄系磁性粒子2は、細長い形状を有しており、窒化鉄系磁性粒子2の長手方向を磁石の配向方向に略一致させることにより、配向度を高めることが容易となる。
また、本実施形態では、窒化鉄系磁性粒子2の粒子径cを定義する。窒化鉄系磁性粒子の粒子径cは、上記の平均粒子長径および平均粒子短径とは異なり、当該粒子の円相当径として定義される。すなわち、図1(b)に示すように、窒化鉄系磁性粒子2の面積と同じ面積を有する円Aの直径cを、窒化鉄系磁性粒子2の粒子径cとする。そして、粒子面積の測定を、所定の個数の窒化鉄系磁性粒子に対して行い、それらの面積値から算出される円相当径の平均値を、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径とする。粒子面積を測定する粒子の個数は、本実施形態では、500から1500個程度である。
本実施形態では、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径は10nm以上100nm以下であることが好ましい。当該平均粒子径を上記の範囲内とすることにより、窒化鉄系磁石の機械的強度と最大エネルギー積とを高いレベルで両立することができる。当該平均粒子径は30nm以上であることがより好ましい。一方、当該平均粒子径は70nm以下であることがより好ましい。
(1.2 酸化鉄系粒子)
本実施形態では、酸化鉄系粒子としては、酸化鉄相を含む粒子であれば特に制限されない。酸化鉄相としては、たとえば、ウスタイト(FeO)相、ヘマタイト(Fe)相、マグネタイト(Fe)相等が例示される。また、酸化鉄系粒子として、ウスタイト相を有する粒子、ヘマタイト相を有する粒子、マグネタイト相を有する粒子等が混合されていてもよい。
磁気分離の観点から、酸化鉄系粒子は、ウスタイト相を有する粒子、ヘマタイト相を有する粒子等から構成されていることが好ましい。
また、本実施形態では、酸化鉄系粒子の粒子径を定義する。酸化鉄系粒子の粒子径は、当該粒子の円相当径として定義される。すなわち、上述した窒化鉄系磁性粒子の粒子径と同じ定義により定義される。また、酸化鉄系粒子の平均粒子径も、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径と同様に、粒子面積の測定を、所定の個数の酸化鉄系粒子に対して行い、それらの面積値から算出される円相当径の平均値を、酸化鉄系粒子の平均粒子径とする。粒子面積を測定する粒子の個数は、本実施形態では、500から1500個程度である。
本実施形態では、酸化鉄系粒子の平均粒子径と、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径との関係を規定する。すなわち、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径に対する酸化鉄系粒子の平均粒子径を、酸化鉄系粒子の平均粒子径比とした場合に、酸化鉄系粒子の平均粒子径比は、50%以上100%以下である。
当該平均粒子径比を上記の範囲内とすることにより、窒化鉄系磁石内の空隙が減少し窒化鉄系磁石の機械的強度が向上するとともに、最大エネルギー積を良好にすることができる。当該平均粒子径比は65%以上であることが好ましい。一方、当該平均粒子径比は85%以下であることが好ましい。
なお、酸化鉄系粒子の平均粒子径は、上記の平均粒子径比を満足する限りにおいて特に制限されないが、本実施形態では、3nm以上40nm以下であることが好ましい。
(1.3 窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子との存在状態)
本実施形態に係る窒化鉄系磁石の内部において、窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子との存在状態が制御されている。図2は、窒化鉄系磁石1の配向方向に平行な断面を模式的に示している。
図2に示すように、窒化鉄系磁性粒子2は、その長手方向が配向方向と略一致するように配置されていることが好ましい。また、上述したように、酸化鉄系粒子4の平均粒子径比は100%以下であるため、酸化鉄系粒子4は、窒化鉄系磁性粒子2よりも小さく、酸化鉄系粒子4は、窒化鉄系磁性粒子2間に存在し、窒化鉄系磁性粒子2間の空隙を埋めている。このように、所定の形状アスペクト比を有する窒化鉄系磁性粒子の間を、窒化鉄系磁性粒子よりも小さい酸化鉄系粒子が埋めることにより、窒化鉄系磁石における空隙を減らすとともに、窒化鉄系磁性粒子間の磁気分離が容易となり、保磁力を向上させる。
このような効果は、上述した酸化鉄系粒子4の平均粒子径比だけでなく、窒化鉄系磁性粒子2と酸化鉄系粒子4との存在比も関係している。本実施形態では、窒化鉄系磁性粒子2が占める面積と酸化鉄系粒子4が占める面積との合計面積に対する窒化鉄系磁性粒子2が占める面積の比を、窒化鉄系磁性粒子の面積比として定義する。すなわち、窒化鉄系磁石1の配向方向に平行な断面に、たとえば、樹脂成分が存在していても、樹脂成分が占める面積は考慮せずに、窒化鉄系磁性粒子2が占める面積と酸化鉄系粒子4が占める面積との合計面積から、面積比を算出する。
当該面積比は、80.0%以上99.9%以下である。当該面積比を上記の範囲内とすることにより、窒化鉄系磁石の空隙が減少して機械的強度が良好になることに加えて、窒化鉄系磁性粒子間の磁気分離が容易となるため最大エネルギー積を良好にすることができる。当該面積比は、85.0%以上であることが好ましい。一方、当該面積比は、95.0%以下であることが好ましい。
なお、当該面積比は、以下のようにして算出することができる。まず、窒化鉄系磁石の配向方向に平行な断面が現れるように、窒化鉄系磁石を切断する。切断した断面を電子顕微鏡等で観察して得られる所定の視野において、窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子とを同定する。所定の視野としては、3万〜30万倍の倍率で観察した視野であることが好ましい。
窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子とを同定する方法としては、たとえば、当該視野に存在する元素の存在量の情報を得ることができる方法であれば特に制限されない。本実施形態では、走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope)に付属のエネルギー分散型X線分析(EDS:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)装置を用いて、所定の領域について面分析を行い、当該領域内の測定点における各元素の存在量(濃度)の情報を得て、所定の元素のマッピングを行う。
得られる元素マッピング画像により、窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子との同定を行う。すなわち、鉄(Fe)および窒素(N)を所定量以上含む領域を窒化鉄系磁性粒子と判断し、鉄(Fe)および酸素(O)を所定量以上含む領域を酸化鉄系粒子と判断する。Fe、NおよびOの各所定量は、磁石の組成、各粒子の組成等に応じて決定すればよい。
続いて、所定の領域において、窒化鉄系磁性粒子と判断された領域の面積の合計を、窒化鉄系磁性粒子が占める面積とし、酸化鉄系粒子と判断された領域の面積の合計を、酸化鉄系粒子が占める面積とする。得られる窒化鉄系磁性粒子が占める面積と、酸化鉄系粒子が占める面積とから、窒化鉄系磁性粒子の面積比を算出することができる。
また、上述した窒化鉄系磁性粒子の粒子長径、粒子短径および粒子径と、酸化鉄系粒子の粒子径とについても、上述した窒化鉄系磁性粒子の面積比の算出方法と同様にして、図2に示す窒化鉄系磁石1の配向方向に平行な断面を電子顕微鏡等で観察して得られる所定の視野において測定することができる。
これらの測定は、元素マッピング画像に対して画像処理を行い、窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子とを同定して算出してもよい。
(2.窒化鉄系磁石の製造方法)
次に、窒化鉄系磁石の製造方法の一例について以下に説明する。
(2.1 窒化鉄系磁性粒子の製造)
本実施形態では、窒化鉄系磁性粒子は、酸化鉄粒子を製造した後、製造した酸化鉄粒子を窒化処理することにより製造する。酸化鉄粒子は、鉄(II)塩および/または鉄(III)塩(以下、単に「鉄塩」と呼ぶことがある)を含む鉄塩水溶液と、アルカリ水溶液と、を混合させた後に、熟成反応を進行させ、さらに酸化処理を行うことにより製造することができる。
本実施形態では、酸化鉄粒子を構成する酸化鉄としては、特に制限されず、たとえば、ウスタイト(FeO)、ヘマタイト(α−Fe)、マグヘマイト(γ−Fe)、マグネタイト(Fe)、オキシ水酸化鉄等が例示される。オキシ水酸化鉄としては、ゲーサイト(α−FeOOH)、β−FeOOH、γ−FeOOH等が例示される。
鉄塩としては特に制限されず、たとえば、硫酸塩、塩化物、硝酸塩、これらの水和物等が例示され、これらを適宜組み合わせてもよい。
アルカリ水溶液としては特に制限されず、たとえば、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水、アンモニア塩水溶液、尿素水溶液等が例示され、これらを適宜組み合わせてもよい。
熟成反応の条件は特に制限されず、鉄塩の種類およびアルカリ水溶液の種類に応じて適宜選択することができる。また、酸化処理の条件も特に制限されず、温度、通気時間を適宜設定すればよい。
また、熟成反応後に得られる酸化鉄の結晶性改良、粒子サイズの制御、および、粒子形状の制御を容易にする観点から、熟成反応は、オートクレーブによる水熱処理等の液中熟成反応であることが好ましい。
熟成反応により得られた酸化鉄粒子は、熟成反応後の水溶液をろ過して回収することができる。また、熟成反応後の水溶液に対して遠心分離機等を用いて水洗等の洗浄処理を施すことで、酸化鉄粒子を含む酸化鉄スラリーを得てもよい。
後述する還元処理によって酸化鉄粒子同士が焼結することを抑制するために、酸化鉄粒子表面の一部をSi化合物で被覆してもよい。Si化合物としては、特に制限されず、たとえば、コロイダルシリカ、シランカップリング剤、シラノール化合物等が例示される。
Si化合物で被覆する場合、Si化合物の被覆量は酸化鉄粒子に対してSi換算で0.1重量%以上20重量%以下であることが好ましい。Si化合物の被覆量を上記の範囲内とすることにより、熱処理時における酸化鉄粒子間の焼結を制御でき、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径を上述した範囲内とすることが容易となる。
また、Si化合物で被覆する工程は、ろ過により得られた酸化鉄粒子に対して行ってもよく、酸化鉄スラリーに対して行ってもよい。また、酸化鉄スラリーに対してSi化合物で被覆する工程を行った後には、酸化鉄スラリーをろ過することで酸化鉄粒子を回収することができる。
得られる酸化鉄粒子の平均粒子径は、特に制限されず、窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径を上述した範囲内とする場合には、10nm以上150nm以下であることが好ましい。
得られる酸化鉄粒子の粒子形状は、特に制限されず、たとえば、球状、針状、粒状、紡錘状、直方体状等であればよい。また、得られた酸化鉄粒子に対して後述する還元処理を行う前に、必要に応じて酸化鉄粒子を乾燥させてもよい。乾燥条件には特に制限はない。
続いて、得られた酸化鉄粒子に対して、還元処理を行い、鉄粒子を得る。そして、得られた鉄粒子に窒化処理を施すことにより、窒化鉄系磁性粒子を得ることができる。また、必要に応じて、窒化鉄系磁性粒子に対して、徐酸化処理を施し、窒化鉄系磁性粒子の表面に酸化物相を形成してもよい。
以下、還元処理、窒化処理および徐酸化処理について説明する。
還元処理の温度は特に限定されず、たとえば、200℃以上400℃以下とすることが好ましい。還元処理の温度を200℃以上とすることで酸化鉄粒子を十分に還元しやすくなる。還元処理の温度を400℃以下とすることで酸化鉄粒子を十分に還元しつつ、粒子間の焼結は適度に抑制しやすくなる。より好ましくは、還元処理の温度は230℃以上350℃以下である。
還元処理の時間は特に限定されず、たとえば、1時間以上96時間以下とすることが好ましい。還元処理の時間が96時間以下であると、還元処理の温度を上昇させても粒子間の焼結を適度に進みにくくなる。その結果、後述する窒化処理が進みやすくなる。還元処理の時間が1時間以上であると十分に還元が進行しやすくなる。還元処理の時間は、より好ましくは2時間以上72時間以下である。
還元処理の雰囲気は、還元性雰囲気であり、たとえば、H雰囲気とすればよい。
次に、還元処理によって得られた鉄粒子の窒化処理を行い、窒化鉄系磁性粒子を得る。得られる窒化鉄系磁性粒子に含まれる窒化鉄相としては、Fe16相が好ましいが、Fe16相以外の窒化鉄相が含まれていてもよい。
窒化処理の温度は100℃以上200℃以下であることが好ましい。窒化処理の温度が100℃以上の場合には窒化が十分に進行しやすくなる。窒化処理の温度が200℃以下の場合には、窒化が過剰に進行しにくくなり、磁気特性の低下を抑制しやすくなる。窒化処理の温度は、より好ましくは120℃以上180℃以下である。
窒化処理の時間は特に限定されず、たとえば、1時間以上48時間以下とすることが好ましい。窒化処理の時間が48時間以下であると、窒化処理の温度を高くしても磁気特性が低下しにくくなる。窒化処理の時間が1時間以上であると、窒化が十分に進行しやすくなる。窒化処理の時間は、より好ましくは3時間以上24時間以下である。
窒化処理の雰囲気は、NH雰囲気が好ましい。また、NHに対してNおよび/またはHなどを混合させた雰囲気であってもよい。
徐酸化処理の温度は40℃以上100℃以下であることが好ましい。徐酸化処理の温度を40℃以上とすることで、粒子表面に酸化物相が十分に形成されやすくなり、磁気特性が低下しにくくなる。また、徐酸化処理の温度が100℃以下の場合には、酸化物相の割合が過剰にならないように制御しやすくなり、磁気特性が低下しにくくなる。徐酸化処理の温度は、より好ましくは50℃以上80℃以下である。
徐酸化処理の時間は特に限定されないが、1時間以上96時間以下が好ましい。徐酸化処理の時間が96時間以下であると徐酸化温度が高い場合や徐酸化雰囲気中の酸素濃度が高い場合であっても酸化物相の割合が過剰になりにくく磁気特性が低下しにくくなる。徐酸化処理の時間が1時間以上未満であると酸化物相を十分に形成しやすくなり磁気特性が低下しにくくなる。徐酸化処理の時間は、より好ましくは2時間以上72時間以下である。
徐酸化処理の雰囲気は、Oを10ppm以上500ppm以下含むN雰囲気が好ましく、NおよびO以外にHeやArなどの不活性ガスを混合させても良い。Oが10ppm以上であると、酸化物相を十分に形成しやすく磁気特性が低下しにくくなる。また、Oが500ppm以下であると、徐酸化温度が高くても酸化物相の割合が過剰になりにくく磁気特性が低下しにくくなる。Oの含有量は、より好ましくは30ppm以上100ppm以下である。
以上の工程を経て、窒化鉄系磁性粒子を得ることができる。
(2.2 酸化鉄系粒子の製造)
本実施形態では、酸化鉄系粒子は、上記の窒化鉄系磁性粒子の製造に用いた酸化鉄粒子を製造する方法と同じ方法により製造することができる。製造条件は、窒化鉄系磁性粒子の製造に用いる酸化鉄粒子の製造条件と同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、窒化鉄系磁性粒子の製造に用いる酸化鉄粒子の製造条件とは異なる製造条件により、酸化鉄系粒子を製造する。
(2.3 窒化鉄系磁石の製造)
上記で得られた窒化鉄系磁性粒子からなる窒化鉄系磁性粉末および上記で得られた酸化鉄系粒子からなる酸化鉄系粉末が所定の割合で混合された混合粉末と、樹脂と、溶剤と、必要に応じて、各種分散剤、可塑剤などから選択される添加物と、をボールミルなどで混練し、窒化鉄系磁石用スラリーを得る。
得られた窒化鉄系磁石用スラリーを塗布し、乾燥することにより、窒化鉄系磁石用シートを得る。窒化鉄系磁石用シートを作製する際には、窒化鉄系磁石用スラリーを塗布した後、乾燥するまでの間に、磁石等を用いて磁気配向処理を施してもよい。スラリーを塗布する方法は特に制限されず、たとえば、ドクターブレード法等が例示される。
次いで、上述の工程により得られた窒化鉄系磁石用シートを積層して積層体を得る。続いて、得られた積層体に対し、積層方向の両側から加圧して窒化鉄系磁石を得る。加圧時の圧力は、好ましくは1MPa以上100MPa以下である。
また、積層体を加圧する際に、磁場を印加しながら加圧しても良い。磁場を印加しながら加圧することにより、窒化鉄系磁石に含まれる磁性粒子がさらに特定の方向に配向するので、より磁気特性に優れた窒化鉄系磁石を得ることができる。
あるいは、窒化鉄系磁石を成形する方法としては、窒化鉄系磁性粒子からなる窒化鉄系磁性粉末および酸化鉄系粒子からなる酸化鉄系粉末と、滑剤とを金型内に充填し磁場印加しながら加圧する方法を用いてもよい。この場合の加圧時の圧力は、好ましくは100MPa以上2GPa以下である。滑剤としては、公知の滑剤であれば特に制限されないが、本実施形態では、ステアリン酸系やラウリン酸系のものが好ましい。
得られた窒化鉄系磁石は、表面の酸化、樹脂等の劣化を防止するために、表面にめっきや塗装を施しても良い。
以上の工程を経て、本実施形態に係る窒化鉄系磁石を得ることができる。
(3.本実施形態における効果)
本実施形態では、Fe16相を含む窒化鉄系磁石において、形状アスペクト比が特定の範囲内である窒化鉄系磁性粒子と、窒化鉄系磁性粒子よりも小さい酸化鉄系粒子とを含有させることにより、針状の窒化鉄系磁性粒子間に形成される空隙を酸化鉄系粒子が補填し、かつ窒化鉄系磁性粒子間の磁気分離が容易となる。その結果、窒化鉄系磁石の機械的強度と最大エネルギー積とを両立することができる。
上記の効果は、窒化鉄系磁性粒子の面積比と、窒化鉄系磁性粒子の形状アスペクト比と、酸化鉄系粒子の平均粒子径比とが上述した範囲内である場合に得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の態様で改変しても良い。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
まず、窒化鉄系磁性粒子からなる窒化鉄系磁性粉末を以下のようにして製造した。攪拌速度600rpmで攪拌しながら、1.60mol/LのNaCO水溶液1Lを反応容器中に投入した後、Fe2+濃度が0.8mol/Lである硫酸第一鉄水溶液1Lを添加・混合し、FeCOを含む懸濁液を生成した。反応容器内の雰囲気は、1L/minの流量でNガスを反応容器内に流し続けることにより、非酸化性雰囲気とした。
生成した懸濁液中に1L/minの流量でNガスを流しながら、温度55℃で2時間保持して熟成した後、当該懸濁液の温度を40℃とし、流量を50L/minとした空気を当該懸濁液中に4時間通気してゲーサイトを生成させた。その後、遠心分離機を用いて2Lのイオン交換水で3回洗浄を行うことによりゲーサイトスラリーを作製した。
作製したゲーサイトスラリー1gに対して50mL相当の純水を加えて攪拌しながら、オルトケイ酸ナトリウム水溶液をSiが1.0質量%となるように加えた。得られた分散液を数時間静置して上澄み液を除去した。続いて、得られた試料1gに対して200mL相当の純水を加えて上澄み液を除去する作業を7回繰り返した後、85℃の真空乾燥機で乾燥し、乳鉢及び乳棒を用いて解砕を行った。ゲーサイト粒子からなるゲーサイト粉末を空気中750℃で加熱処理してヘマタイト粒子からなるヘマタイト粉末を得た。
ヘマタイト粉末5gを焼成ボートに入れ、熱処理炉に静置した。炉内に窒素ガスを充填した後、水素ガスを1L/minの流量で流しながら、5℃/minの昇温速度で250℃まで昇温し、250℃で48時間保持して還元処理を行った。還元処理後後、水素ガスの供給を止めて窒素ガスを2L/minの流量で流しながら140℃まで降温した。続いて、アンモニアガスを0.2L/minの流量で流しながら、140℃で24時間保持して窒化処理を行った。窒化処理後、窒素ガスを2L/minの流量で流しながら、50℃まで降温することにより、窒化鉄系磁性粒子からなる窒化鉄系磁性粉末を得た。
次に、酸化鉄系粒子からなる酸化鉄系粉末を以下のようにして製造した。硫酸鉄七水和物(FeSO・7HO)162gと塩化鉄六水和物(FeCl・6HO)83gとをイオン交換水500mLに溶解し、鉄塩水溶液を作製した。作製した鉄塩水溶液とは別に準備した2.4mol/L水酸化ナトリウム水溶液500mLを30℃に保持し、当該水酸化ナトリウム水溶液に対して、作製した鉄塩水溶液を500g添加した。その後、水酸化ナトリウム水溶液と鉄塩水溶液との混合液の温度を70℃で一定となるように制御して30分撹拌することで液中熟成反応を進行させ、酸化鉄を生成させた。
その後、遠心分離機を用いて2Lのイオン交換水で3回洗浄を行うことにより酸化鉄スラリーを作製した。粒径制御のために、必要に応じて、以下に示す粒成長反応と遠心分離による分級操作を行って、酸化鉄系粒子からなる酸化鉄系粉末を得た。
粒成長反応は以下のようにして行った。硫酸鉄七水和物(FeSO・7HO)28gをイオン交換水400mLに溶解し、鉄塩水溶液を作製した。作製した鉄塩水溶液に、上記で得られた酸化鉄スラリー1000mLのうち100mLを0.4mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液400mLを添加した後に、空気を1L/minの流量で流しながら70℃で一定となるように温度制御して30分熟成反応を進行させて酸化鉄粒子を粒成長させた。
分級操作は、遠心分離機(日立工機製CR22GIII)の回転速度と時間を変更することによってを用いて、酸化鉄スラリーの分級操作を行った。
次に、得られた窒化鉄系磁性粉末および酸化鉄系粉末と混練させる樹脂と溶剤とを準備した。樹脂としてはウレタン樹脂を、溶剤としてはキシレン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを準備した。ウレタン樹脂の分子量は23000であった。溶剤はキシレン、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンを重量比4:4:2で混合したものを用いた。
酸化鉄系粉末が全体に対して9.7質量%含まれるように窒化鉄系磁性粉末と酸化鉄系粉末とを混合した混合粉末10g、ウレタン樹脂4.7gおよび溶剤30gをそれぞれ秤量し、直径2mmのジルコニアボールとともにボールミルで20時間混練し、窒化鉄系磁石用スラリーを得た。
得られた窒化鉄系磁石用スラリーをドクターブレード法にてPETフィルム上に塗布して、窒化鉄系磁石用シートを得た。
作製した窒化鉄系磁石用シートをPETフィルムから剥離して積層した。得られた積層体を積層方向の両側から20MPaの圧力をかけて成形することにより、窒化鉄系磁石の試料を得た。
(実施例2〜20および比較例1〜7)
窒化鉄系磁性粉末の製造において、熟成反応の通気時間、酸化処理の通気温度および反応時間、並びに、還元処理の温度および時間、窒化処理の温度および時間を表1に示す条件とした以外は、実施例1と同様にして窒化鉄系磁性粉末を製造した。
また、粒成長反応における酸化鉄スラリー添加量、分級操作における遠心分離機の回転速度および時間を表1に示す条件とした以外は、実施例1と同様にして酸化鉄系粉末を製造した。製造条件を表1に示す。
Figure 2018198282
上記で得られた窒化鉄系磁性粉末および酸化鉄系粉末を表1に示す割合で混合した混合粉末を用いた以外は、実施例1と同じ方法により、窒化鉄系磁石の試料を得た。
得られた窒化鉄系磁石試料の断面を、走査透過型電子顕微鏡を用いて観察し、10万倍の倍率の視野に対して、エネルギー分散型X線分析装置(STEM−EDS、日本電子製JEM2100F)を用いて元素マッピングを行い、窒化鉄系磁性粒子と酸化鉄系粒子とを同定した。同定した窒化鉄系磁性粒子および酸化鉄系粒子について、それらの面積を算出し、窒化鉄系磁性粒子の面積比を算出した。
また、窒化鉄系磁性粒子および酸化鉄系粒子について、各1000個の粒子を選び、窒化鉄系磁性粒子および酸化鉄系粒子の面積から円相当径をそれぞれ算出し、その平均値をそれぞれの平均粒子径とした。
さらに、窒化鉄系磁性粒子については、粒子長径および粒子短径のそれぞれの平均値から平均粒子長径および平均粒子短径を算出し、形状アスペクト比を算出した。
また、酸化鉄系粒子については、針状窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径と酸化鉄系粒子の平均粒子径とから、酸化鉄系粒子の平均粒子径比を算出した。なお、各粒子面積、円相当径、粒子長径、粒子短径、の算出には、画像解析ソフト(マウンテック社製のMac−View)を用いた。結果を表2に示す。
得られた試料について、機械的強度としての曲げ強度および最大エネルギー積を以下のようにして測定した。
窒化鉄系磁石の曲げ強度は、以下のようにして測定した。得られた窒化鉄系磁石の試料を80×10×4mmのサイズに加工し、JIS K7171規格に準じて曲げ強度試験機(島津製作所製AGS)を用いて測定試料5点の平均値により算出した。本実施例では、曲げ強度が25MPa以上である試料を良好であると判断した。結果を表2に示す。
また、窒化鉄系磁石の最大エネルギー積を、BHトレーサー(玉川製作所製TM−BH25)を用いて測定試料5点の平均値により算出した。本実施例では、最大エネルギー積が4.0MGOe以上である試料を良好であると判断した。結果を表2に示す。
Figure 2018198282
表2より、窒化鉄系磁性粒子の面積比、窒化鉄系磁性粒子の形状アスペクト比および酸化鉄系粒子の平均粒子径比が上述した範囲内である場合に、窒化鉄系磁石の機械的強度と最大エネルギー積とを両立できることが確認できた。
本発明に係る窒化鉄系磁石は、高い機械的強度と高い最大エネルギー積とを両立できるので、種々の分野における高性能磁石として好適に用いることができる。
1… 窒化鉄系磁石
2… 窒化鉄系磁性粒子
4… 酸化鉄系粒子

Claims (2)

  1. Fe16相を含む窒化鉄系磁石であって、
    前記窒化鉄系磁石は、窒化鉄系磁性粒子と、酸化鉄系粒子と、を有しており、
    前記窒化鉄系磁性粒子の平均粒子短径に対する前記窒化鉄系磁性粒子の平均粒子長径の比として表される形状アスペクト比が3.0以上10.0以下であり、
    前記窒化鉄系磁性粒子の前記平均粒子短径に対する前記酸化鉄系粒子の平均粒子径の比として表される前記酸化鉄系粒子の平均粒子径比が50%以上100%以下であり、
    前記窒化鉄系磁石の配向方向に平行な断面において、前記窒化鉄系磁性粒子が占める面積と前記酸化鉄系粒子が占める面積との合計面積に対する前記窒化鉄系磁性粒子が占める面積の比として表される前記窒化鉄系磁性粒子の面積比が80.0%以上99.9%以下であることを特徴とする窒化鉄系磁石。
  2. 前記窒化鉄系磁性粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化鉄系磁石。
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