JP2018197673A - 非破壊検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動する検査対象物を透過した電磁波をスキャンして検査対象物の二次元画像を生成するに際し、検査対象物のスキャン速度が変化しても二次元画像の歪みが生じにくい非破壊検査装置を提供する。【解決手段】外部機器から所定の搬送速度で搬送されてくる検査対象物Wに電磁波を照射する電磁波照射手段120と、検査対象物Wの搬送方向に略直交する方向に直線状に設けられ所定の搬送速度で搬送される検査対象物Wを透過した電磁波を所定の周期ごとに検出して電磁波の強度に応じた電気信号を出力する電磁波検出手段130と、所定の周期ごとに出力される電気信号に基づき直線状の電磁波透過画像を順次生成し配列していくことで、検査対象物Wの二次元画像を生成する画像生成手段140と、検査対象物Wの搬送速度の変化を検出した場合に二次元画像の歪みが小さくなるように制御する制御手段150と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、検査対象物にX線などの電磁波を照射して非破壊で異物等の検査を行う非破壊検査装置に関する。
一般に、製品の製造から梱包、出荷に至るまでの各工程では、検査対象となる製品や混入しうる異物の種類(材料、大きさなど)に適した検査方法によって、製品や梱包内に異物が混入していないか検査が行われる。
このうち非破壊検査では、検査対象物にX線などの電磁波を照射し、透過した電磁波を検出する。このとき、検査対象物内の異物の有無や異物の材質により、場所により電磁波の透過の程度に相違が生じる。そのため、検出された電磁波の強度の面的分布を画像の濃淡で表現した二次元画像を生成することで、外観からは知りえない検査対象物内部の異物の有無等を検査することができる。
非破壊検査装置は、例えば、検査対象物を移動させながら電磁波を照射し、検査対象物を透過した電磁波を検査対象物の移動方向に対して略垂直な方向に直線状に複数の検出素子が配列されたラインセンサで連続的にスキャンしながら直線状の電磁波透過画像を次々に生成して、これらをスキャン方向に順次配列することで検査対象物の二次元画像を生成する。
非破壊検査装置による検査対象となる包装物が横ピロー包装機により包装されるものである場合、横ピロー包装機の最終段や縦シール手段と横シール手段との間に非破壊検査装置が設けられることがある。最終段に設けられる例が特許文献1に、縦シール手段と横シール手段との間に設けられる例が特許文献2に、それぞれ開示されている。
特許第4170366号公報 特開2016−120932号公報
非破壊検査装置を、外部機器、例えば横ピロー包装機と組み合わせて使用する際に、非破壊検査装置の前段にある横ピロー包装機の包装ラインの速度と、非破壊検査装置において検査対象物をラインセンサでスキャンするために検査対象物を移動させる速度とが同期制御されていると、横ピロー包装機の包装ラインで何らかのトラブルにより包装ラインの停止や速度の低下が生じた場合に、非破壊検査装置においても検査対象物の移動の停止や速度の低下が生じる。
電磁波が照射された検査対象物を移動させながら、検査対象物を透過した電磁波をラインセンサで連続的にスキャンすることにより線状の電磁波透過画像を次々に取得し、これらをスキャン方向に順次配列して検査対象物の二次元画像を生成する場合、正常に画像を生成するためには、検査対象物を移動させる速度がV(mm/秒)、移動方向のラインセンサの読み取り幅がR(mm/ライン)、スキャンレートがS(ライン/秒)のとき、概ね、V=R×Sの関係にある必要がある。そして、一般に検査対象物を移動させる速度は一定であることが前提とされること、ラインセンサの読み取り幅は採用するラインセンサの仕様により決まることから、スキャンレートはV/Rで固定的に設定される。
すなわち、図1(a)に示すように、1秒分の移動幅であるVの幅をもつ検査対象物Wが速度Vで移動するとき、検査対象物Wを透過した電磁波が、1秒分の移動幅であるVがS等分された読み取り幅Rのラインセンサ(電磁波検出手段30)により、1ライン目からSライン目まで周期的に順次検出され、その検出強度に応じて蓄積された電荷量に応じた電気信号が順次出力される。そして、順次出力された電気信号に基づき順次生成された直線状の電磁波透過画像を、図1(b),(c)に示すように順次配列していくことで、検査対象物Wの二次元画像が図1(d)に示すように生成される。
しかし、非破壊検査装置に検査対象物Wを供給する横ピロー包装機などの外部機器でトラブルが生じて検査対象物の移動速度が低下した場合、検査対象物の二次元画像を正常に生成できなくなる。具体的には、スキャンレートが固定された状態で検査対象物Wの移動速度が遅くなると、連続的に行われるスキャンにより次々に生成される直線状の画像に重なりが生じ、その結果、検査対象物Wの全長をスキャンすると、より多くの画像が取得されることになる。そして、このように取得された画像をスキャン方向に順次配列して生成された二次元画像は、通常の移動速度のときに生成される二次元画像と比べて、スキャン方向に伸長した歪みのある画像となってしまう。
すなわち、検査対象物Wが一定の速度で移動することを前提に読み取り幅とスキャンレートを設定した場合、速度が低下すると各検出周期において検出の対象となる検査対象物Wの部分が本来の速度の場合より移動方向手前にずれることになる。
図2を参照しつつ、速度がVからV/2に低下した場合を例にとって説明する。ここでは、ラインセンサによりn周期目でスキャンする検査対象物Wの直線状の領域を第n領域と表現する。検査対象物Wが図2(a)に示すように電磁波検出手段30に差し掛かる時点を起点に対比すると、速度がVの場合に電磁波検出手段30が第1領域を網羅する位置に到達する1周期目では、電磁波検出手段30は図2(b)に示すように第1領域の中間部までしか到達していないが、透過電磁波の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力し、これに基づき電磁波透過画像が生成される。
続いて電磁波検出手段30は、速度がVの場合に第2領域を網羅する位置に到達する2周期目で第1領域を網羅する位置に到達し、透過電磁波の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当する電磁波透過画像が生成される(図2(c))。続いて電磁波検出手段30は、3周期目で図2(d)に示すように第2領域の中間部に到達して、透過電磁波の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力し、これに基づき電磁波透過画像が生成される。そして電磁波検出手段30は、4周期目で第2領域を網羅する位置に到達し、透過電磁波の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当する電磁波透過画像が生成される(図2(e))。
以後も同様であり、すなわち、速度がV/2の場合に検査対象物Wの全体をスキャンするには、速度がVの場合の2倍の検出周期数を要することとなる。その結果、最終的に生成される二次元画像(図3(b))は、網掛け部分の周期(1周期目及び3周期目)について電磁波透過画像が余分に生成される結果、図3(a)に示す速度がVのときに生成される二次元画像に対して、幅がほぼ2倍に伸長された歪んだものとなる。
本発明の目的は、移動する検査対象物を透過した電磁波をスキャンして検査対象物の二次元画像を生成するに際し、検査対象物の移動速度が変化しても二次元画像の歪みが生じにくい非破壊検査装置を提供することにある。
本発明の非破壊検査装置は、外部機器から所定の搬送速度で搬送されてくる検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射手段と、検査対象物が搬送される方向に略直交する方向に直線状に設けられ、所定の搬送速度で搬送される検査対象物を透過した電磁波を所定の周期ごとに検出して、電磁波の強度に応じた電気信号を出力する電磁波検出手段と、所定の周期ごとに出力される電気信号に基づき直線状の電磁波透過画像を順次生成し、配列していくことで、検査対象物の二次元画像を生成する画像生成手段と、検査対象物の搬送速度の変化を検出した場合に、二次元画像の歪みが小さくなるように制御する制御手段と、を備える。
制御手段は、例えば、所定の搬送速度と外部機器により出力される情報に基づき特定される実際の搬送速度との間で差異が生じた場合に、二次元画像の歪みが小さくなるように制御するようにしてもよい。
制御手段による二次元画像の歪みが小さくなるようにする制御は、例えば、画像生成手段に対する二次元画像の生成の仕方の制御や電磁波検出手段に対する電磁波の検出周期の制御である。
画像生成手段に対する制御としては、例えば、所定の周期ごとの直線状の電磁波透過画像を順次配列して生成した画像を所定の搬送速度に対する実際の搬送速度の大小の程度に応じて拡縮して二次元画像を生成するように制御することが挙げられる。
画像生成手段に対する制御の別の例として、実際の搬送速度が所定の搬送速度に対して低下した場合に低下の程度に応じ、所定の周期ごとの電気信号のうち一部の周期の電気信号を間引き、残りの周期の電気信号について電磁波透過画像を生成して配列するように制御することが挙げられる。
画像生成手段に対する制御の更に別の例として、実際の搬送速度が所定の搬送速度に対して低下した場合に低下の程度に応じ、互いに隣接する2以上の検出周期の電気信号の強度の平均をとるなど算術処理することにより1の直線状の電磁波透過画像を生成するように制御することが挙げられる。
電磁波検出手段に対する制御としては、例えば、検査対象物を透過した電磁波を検出する周期を実際の搬送速度の増減の程度に応じて短長させるように制御することが挙げられる。
実際の搬送速度の特定に用いる、外部機器により出力される情報は、例えば外部機器の搬送手段を駆動させる回転軸の単位時間あたりの回転量に応じた周期で出力されるパルスとし、制御手段が、パルスの出力周期の変化の程度から実際の搬送速度の増減の程度を把握するようにしてもよい。
搬送速度の変化によって検査対象物の二次元画像に明るさのムラが生じるのを防ぐために、検査対象物を透過した電磁波を検出する各周期における電磁波検出手段の露光時間を搬送速度にかかわらず一定としてもよい。
本発明の非破壊検査装置によれば、移動する検査対象物を透過した電磁波をスキャンして検査対象物の二次元画像を生成するに際し、検査対象物の移動速度が変化しても二次元画像に歪みを生じにくくすることができる。
従来の非破壊検査装置において、ラインセンサにより検査対象物Wを透過したX線を検出して検査対象物Wの二次元画像を生成していく様子を示す図である。 従来の非破壊検査装置において、ラインセンサにより検査対象物Wを透過したX線を検出して検査対象物Wの二次元画像を生成していく様子を示す別の図である。 従来の非破壊検査装置において、検査対象物Wの移動速度の相違により、生成される二次元画像に相違が生じることを示す図である。 本発明の非破壊検査装置100の構成例を示す機能ブロック図である。 画像生成手段140に対する制御方法の第1の例を説明する図である。 搬送速度の時間変化の一例を示す図である。 画像生成手段140に対する制御方法の第1の例を説明する別の図である。 画像生成手段140に対する制御方法の第2の例を説明する図である。 画像生成手段140に対する制御方法の第3の例を説明する図である。 本発明の非破壊検査装置101の構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の非破壊検査装置200の構成例を示す機能ブロック図である。 X線検出手段130に対する制御方法の例を説明する図である。 本発明の非破壊検査装置201の構成例を示す機能ブロック図である。 検査対象物Wの搬送が停止した場合について説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、ここでは検査対象物Wに照射する電磁波がX線である場合を例にとって説明するが、検査対象物Wに照射することで検査対象物Wを透過し、透過強度の分布から検査対象物W内の異物の存否を画像化できる電磁波(例えば可視光や赤外線など)であれば、同様に実施することができる。
<<第1実施形態>>
図4は、本発明の非破壊検査装置100の構成例を示す機能ブロック図である。非破壊検査装置100は、例えば、前工程を施す外部機器から搬送されてきた検査対象物WにX線を照射し、透過したX線を検出して、検出強度の面的分布を画像の濃淡で表現することで検査対象物Wの二次元画像を生成する。外部機器としては、例えば横ピロー包装機が挙げられる。この場合の検査対象物Wは、横ピロー包装機10で包装され、横ピロー包装機10の包装ライン11から所定の速度Vで搬送されてきた包装物である。
非破壊検査装置100は、搬送手段110、X線照射手段120、X線検出手段130、画像生成手段140、及び制御手段150を備える。
搬送手段110は、横ピロー包装機10の包装ライン11から所定の搬送速度で搬送されてきた検査対象物Wを、当該所定の搬送速度と同じ速度Vで所定の方向(図4ではX方向)に搬送する。非破壊検査装置100は、当該所定の搬送速度で検査対象物Wが搬送されているときに検査対象物Wの二次元画像が歪み無く生成されるように設計される。
X線照射手段120は、搬送手段110により搬送される検査対象物WにX線を照射する。
X線検出手段130は、検査対象物Wが搬送手段110により搬送される方向に略直交する方向(図4ではy方向)に直線状に設けられる複数の検出素子からなるラインセンサである。X線検出手段130は、搬送手段110により搬送されて移動する検査対象物Wを透過したX線を所定の周期ごとに検出し、検出したX線の強度に応じて蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力する。すなわち、固定されたラインセンサ上を検査対象物Wが移動する間、ラインセンサが検査対象物Wを所定の検出周期でスキャンすることで、検査対象物W全体について透過したX線が検出される。所定の検出周期、すなわちスキャンレート(ライン/秒)は、所定の搬送速度がV(mm/秒)、X線検出手段130の読み取り幅がR(mm/ライン)のとき、V/Rにより決定される(図1(a)参照)。例えば、検査対象物Wの移動方向の長さが1000mmのとき、X線が照射された検査対象物Wが移動するに従い、検査対象物Wを透過したX線が、読み取り幅1mmのX線検出手段130により1ライン目から1000ライン目まで1/1000秒に1ラインずつ順次検出される。
画像生成手段140は、X線検出手段130から所定の周期ごとに出力される電気信号に基づき直線状のX線透過画像を順次生成し配列していくことで、検査対象物Wの二次元画像を生成し、必要に応じ表示手段141に表示する。
制御手段150は、検査対象物Wの搬送速度が変化した場合に画像生成手段140において生成される二次元画像に生じる歪みがなるべく小さくなるように、画像生成手段140における画像生成処理を任意の方法で制御する。以下、3つの制御方法を例示する。
画像生成手段140に対する第1の制御方法として、所定の周期ごとの直線状のX線透過画像を順次配列して生成した画像を、所定の搬送速度に対する実際の搬送速度の大小の程度に応じて拡縮して、歪みが抑制された二次元画像を生成するように制御することが挙げられる。
図5を参照しつつ、所定の搬送速度において2周期で検査対象物Wの全体がスキャンされる場合を例にとって、第1の制御方法を説明する。なお、3周期以上で検査対象物Wをスキャンする場合にも同様な方法で実施することができる。以下、X線検出手段130により1周期目でスキャンする検査対象物Wの直線状の領域を第1領域、2周期目でスキャンする検査対象物Wの直線状の領域を第2領域とする。
図5(a0)から(a2)は所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合の処理を示したものであり、図5(a0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、X線検出手段130は1周期目(図5(a1))で第1領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当するX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段130は、2周期目(図5(a2))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列することで、検査対象物W全体の二次元画像が生成される。
一方、図5(b0)から(b4)は搬送速度がV/2になった場合の処理を示したものであり、図5(b0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、1周期目(図5(b1))では、X線検出手段130は第1領域の中間部までしか到達していないが、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力し、これに基づきX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段130は、速度がVの場合に第2領域を網羅する位置に到達する2周期目(図5(b2))で第1領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列する。続いてX線検出手段130は、3周期目(図5(b3))で第2領域の中間部に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づきX線透過画像が生成される。そして、この3周期目のX線透過画像を2周期目までのX線透過画像と並べて配列する。続いてX線検出手段130は、4周期目(図5(b4))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この4周期目のX線透過画像を3周期目までのX線透過画像と並べて配列する。
搬送速度がV/2の場合には、検査対象物W全体がX線検出手段130にスキャンされるまでに4周期を要することになる。X線検出手段130の読み取り幅Rは固定値であるため、スキャンに要する周期数が多いほど、周期ごとのX線透過画像を並べて形成した画像の幅は広がる。この例では、所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合には検査対象物W全体を2周期でスキャンできるのに対し、搬送速度がV/2になった場合には2倍の4周期を要するため、周期ごとのX線透過画像を並べて形成した画像の幅も2倍に広がる。これは、第1領域に該当するX線透過画像が第2周期で、また、第2領域に該当するX線透過画像が第4周期でそれぞれ生成されて、この2周期のみで検査対象物Wの二次元画像の生成できるにもかかわらず、更に、第1周期及び第3周期で生成されたX線透過画像が余分に配列されるためである。
そこで、制御手段150が実際の搬送速度を任意の方法により把握し、所定の搬送速度に対する速度低下の程度に応じた縮小率を特定して、その縮小率で画像生成手段140が画像の幅を縮小するように制御する。上記の事例では、制御手段150において搬送速度が1/2になったことで画像の幅が2倍になっているとして縮小率を1/2と特定し、画像生成手段140は画像の幅を1/2に縮小する。
これにより、搬送速度の低下による二次元画像の歪みの発生を抑制することができる。
制御手段150における所定の搬送速度に対する実際の搬送速度の大小の程度の把握は、例えば、横ピロー包装機10が備える速度検出手段12から搬送ライン11の速度の値が直接出力される場合にはそれを取得して把握してもよい。また、搬送ライン11がベルトコンベアであり、横ピロー包装機10に速度検出手段12として、ベルトコンベアを駆動する回転軸の単位時間あたりの回転量を検出し、回転量に応じた周期でパルスを出力するロータリーエンコーダが実装されていれば、ロータリーエンコーダから出力されるパルスを取得して、出力周期の変化から把握してもよい。
搬送速度が変化してもX線検出手段130の各検出周期における露光時間は一定とするのが望ましい。露光時間が相違することで、各周期のX線透過画像に検査対象物Wの実態に見合わない濃淡が生じ、それらを配列した二次元画像の精度が低下してしまうからである。
搬送速度が動的に変化する場合には、縮小率の制御も動的に行うとよい。
所定の搬送速度に対する速度低下の程度に応じた縮小率の特定方法は任意である。例えば、上記の例のように単に搬送速度が1/nになったときには、幅を1/nに縮小するとしてもよいし、速度の低下の程度を任意の計算式に代入することにより特定してもよい。また、予め速度の低下の程度と縮小率との対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。また、図6(a)に示すように、所定の搬送速度から速度が低下し始めてから停止するまで、又は図6(b)に示すように停止状態から所定の搬送速度に至るまでの搬送速度の時間変化に規則性がある場合には、例えば、0〜t1までの時間での縮小率、t1〜t2までの時間での縮小率というように、時間と縮小率との対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。
非破壊検査装置100は一般に所定の搬送速度の範囲内で使用され、この範囲内で速度が増減する限りでは、画像の幅が拡大するという問題が生じるということには変わりないため、縮小率を変化させることで二次元画像への歪みの発生を抑えることができる。これに対し、何らかの理由で搬送速度が所定の搬送速度を超え、生成される画像の幅が縮小されることもありうる。このような場合には、逆に所定の搬送速度を超えた程度に応じて、次のような処理により画像の幅を拡大すればよい。
図7を参照しつつ、所定の搬送速度において4周期で検査対象物Wの全体がスキャンされる場合を例にとって説明する。なお、4周期でない周期で検査対象物Wをスキャンする場合にも同様な方法で実施することができる。以下、1周期目から4周期目でスキャンする検査対象物Wの領域をそれぞれ第1領域、第2領域、第3領域、及び第4領域とする。
図7(a0)から(a4)は所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合の処理を示したものであり、図7(a0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、X線検出手段130は1周期目(図7(a1))で第1領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当するX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段130は、2周期目(図7(a2))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列する。続いてX線検出手段130は、3周期目(図7(a3))で第3領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第3領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この3周期目のX線透過画像を2周期目までのX線透過画像と並べて配列する。続いてX線検出手段130は、4周期目(図7(a4))で第4領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第4領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この4周期目のX線透過画像を3周期目までのX線透過画像と並べて配列することで、検査対象物W全体の二次元画像が生成される。
一方、図7(b0)から(b2)は搬送速度が2Vになった場合の処理を示したものであり、図7(b0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、X線検出手段130は1周期目(図7(b1))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段130は、2周期目(図7(b2))で第4領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第4領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列する。
搬送速度が2Vの場合には、検査対象物Wが2周期でX線検出手段130を通り過ぎてしまう。X線検出手段130の読み取り幅Rは固定値であるため、スキャンに要する周期数が少ないほど、周期ごとのX線透過画像を並べて形成した画像の幅は狭まる。この例では、所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合には検査対象物W全体をスキャンするのに4周期を要するのに対し、搬送速度が2Vになった場合には2周期で通過してしまうため、周期ごとのX線透過画像を並べて形成した画像の幅は半分に狭まる。
そこで、制御手段150が実際の搬送速度を任意の方法により把握し、所定の搬送速度に対する速度低下の程度に応じた拡大率を特定して、その拡大率で画像生成手段140が画像の幅を拡大するように制御する。上記の事例では、制御手段150において搬送速度が2倍になったことをもって拡大率を2倍と特定し、画像生成手段140は画像の幅を2倍に拡大する。
これにより、最終的に生成される二次元画像の幅を適正化することができる。ただし搬送速度が2Vの場合、図7(b2)からわかるように、生成された画像に第2領域と第4領域からの透過X線に基づくX線透過画像が含まれないため、速度Vのときより解像度が劣ることになる。
画像生成手段140に対する第2の制御方法として、実際の搬送速度が所定の搬送速度に対して低下した場合に低下の程度に応じ、所定の周期ごとの電気信号のうち一部の周期の電気信号を間引き、残りの周期の電気信号についてX線透過画像を生成して配列するように制御することが挙げられる。
図8を参照しつつ、所定の搬送速度において2周期で検査対象物Wの全体がスキャンされる場合を例にとって、第2の制御方法を説明する。なお、3周期以上で検査対象物Wをスキャンする場合にも同様な方法で実施することができる。以下、1周期目でスキャンする検査対象物Wの領域を第1領域、2周期目でスキャンする検査対象物Wの領域を第2領域とする。
図8(a0)から(a2)は所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合の処理を示したものであり、図8(a0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、X線検出手段130は1周期目(図8(a1))で第1領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当するX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段130は、2周期目(図8(a2))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列することで、検査対象物W全体の二次元画像が生成される。
一方、図8(b0)から(b5)は搬送速度がV/2になった場合の処理を示したものであり、図8(b0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。搬送速度がV/2の場合、検査対象物Wのスキャンを図8(b1)から(b5)に示す5周期で終えるが、このうち、2周期目で検査対象物Wの第1領域からの透過X線が検出され(図8(b2))、4周期目で第2領域からの透過X線が検出される(図8(b4))。つまり、この2周期のみで検査対象物Wの二次元画像を生成することができる。そこで制御手段150は、1周期目、3周期目及び5周期目で検出された電気信号を間引き、残りの2周期目及び4周期目で検出された電気信号についてそれぞれX線透過画像を生成して配列するように画像生成手段140を制御することで、歪みのない二次元画像を生成することができる。
以上説明した第2の制御方法は、搬送速度が所定の搬送速度のときの各検出周期で透過X線が検出される検査対象物Wを分割した各領域が、搬送速度が低下して増加した複数の検出周期のうちのいずれかの周期においてスキャンされている場合に好適である。上記の例でいえば、搬送速度が所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVのときに透過X線が検出される第1領域及び第2領域が、搬送速度がV/2になったときの2周期目及び4周期目でそれぞれスキャンされているため、好適な場合に該当する。
搬送速度が動的に変化する場合には、X線透過画像を生成する周期を間引く程度の制御も動的に行うとよい。
所定の搬送速度に対する速度低下の程度に応じてX線透過画像を生成する周期を間引く程度を特定する方法は任意である。例えば、上記の例のように搬送速度が1/nになったときには、nの倍数の周期で検出された電気信号についてのみ、それぞれX線透過画像を生成して配列するようにしてもよいし、速度の低下の程度を任意の計算式に代入することにより特定してもよい。また、予め速度の低下の程度と縮小率との対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。また、図6(a)に示すように、所定の搬送速度から速度が低下し始めてから停止するまで、又は図6(b)に示すように停止状態から所定の搬送速度に至るまでの搬送速度の時間変化に規則性がある場合には、例えば、0〜t1までの時間での間引く程度、t1〜t2までの時間での間引く程度というように、時間と間引く程度との対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。
非破壊検査装置100は一般に所定の搬送速度の範囲内で使用され、この範囲内で速度が増減する限りでは、画像の幅が拡大するという問題が生じるということには変わりないため、X線透過画像を生成する周期を間引く程度を変化させることで、二次元画像への歪みの発生を抑えることができる。
画像生成手段140に対する第3の制御方法として、実際の搬送速度が所定の搬送速度に対して低下した場合に低下の程度に応じ、互いに隣接する2以上の検出周期の電気信号の強度の平均をとるなど算術処理することにより1の直線状の電磁波透過画像を生成するように制御することが挙げられる。
図9を参照しつつ、所定の搬送速度において2周期で検査対象物Wの全体がスキャンされる場合を例にとって、第3の制御方法を説明する。なお、3周期以上で検査対象物Wをスキャンする場合にも同様な方法で実施することができる。以下、1周期目でスキャンする検査対象物Wの領域を第1領域、2周期目でスキャンする検査対象物Wの領域を第2領域とする。
図9(a0)から(a2)は所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合の処理を示したものであり、図9(a0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、X線検出手段130は1周期目(図9(a1))で第1領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当するX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段130は、2周期目(図9(a2))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列することで、検査対象物W全体の二次元画像が生成される。
一方、図9(b0)から(b3)は搬送速度が2V/3になった場合の処理を示したものであり、図9(b0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、1周期目(図9(b1))では、X線検出手段130は第1領域の先頭から2/3の部分までしか到達していないが、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力する。続いてX線検出手段130は、2周期目(図9(b2))で第2領域の先頭から1/3の部分に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力する。このとき、1周期目と2周期目のそれぞれでは、第1領域の一部からの透過X線のみを検出しているに過ぎないが、1周期目と2周期目のトータルでは第1領域全体について透過X線を検出できている。そこで、1周期目と2周期目でそれぞれ出力される電気信号について、強度をデジタル化して平均をとるなどの算術処理を施して、算術処理結果に基づき生成した1つのX線透過画像を第1領域のX線透過画像として生成する。そして、3周期目(図9(b3))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積した電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この第2領域に該当するX線透過画像を、先に生成した第1領域のX線透過画像と並べて配列することで、検査対象物W全体の二次元画像を生成することができる。
なお、ここでは2周期分の電気信号から1領域分のX線透過画像を生成する場合を例示したが、3周期以上の電気信号から1領域分のX線透過画像を生成してもよい。また、ここでは2つの領域のうち一方の領域は複数の周期の電気信号からX線透過画像を生成し、他方の領域は1周期の電気信号からX線透過画像を生成しているが、全ての領域のそれぞれについて複数の周期の電気信号からX線透過画像を生成してもよい。
搬送速度が動的に変化する場合には、どの複数の周期の電気信号を算術処理で1本化するか制御も動的に行うとよい。
所定の搬送速度に対する速度低下の程度に応じて、どの複数の周期の電気信号を算術処理で1本化するかを特定する方法は任意である。例えば、上記のような方法のほか、速度の低下の程度を任意の計算式に代入することにより特定してもよい。また、予め速度の低下の程度と、どの複数の周期の電気信号を算術処理で1本化するかを特定するルールと、の対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。また、図6(a)に示すように、所定の搬送速度から速度が低下し始めてから停止するまで、又は図6(b)に示すように停止状態から所定の搬送速度に至るまでの搬送速度の時間変化に規則性がある場合には、例えば、0〜t1までの時間での特定ルール、t1〜t2までの時間での特定ルールというように、時間と特定ルールとの対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。
第2の制御方法においては、搬送速度が所定の搬送速度のときの各検出周期で透過X線が検出される検査対象物Wを分割した各領域が、搬送速度が低下して増加した複数の検出周期のうちのいずれかの周期においてスキャンされている必要があったが、以上説明した第3の制御方法では、2以上の検出周期で透過X線が領域を跨いで検出された場合にも適用可能である。
また、非破壊検査装置200は一般に所定の搬送速度の範囲内で使用され、この範囲内で速度が増減する限りでは、画像の幅が拡大するという問題が生じるということには変わりないため、どの複数の周期の電気信号を算術処理で1本化するかを変化させることで、二次元画像への歪みの発生を抑えることができる。
<変形例>
本発明の非破壊検査装置は、必ずしも自ら搬送手段を備える必要はなく、例えば、横ピロー包装機などの外部機器が備える搬送機能を利用して、非破壊検査装置における検査対象物の搬送を実現してもよい。
図10は、横ピロー包装機10の包装ライン11を搬送手段として利用することにより、図4に示す非破壊検査装置100と同様の効果を奏する非破壊検査装置101の構成例を示すブロック図である。非破壊検査装置101は、X線照射手段120、X線検出手段130、画像生成手段140、及び制御手段150を備え、図4に示す非破壊検査装置100における搬送手段110の役割は、横ピロー包装機10の包装ライン11が代わりに担う。なお、包装ライン11の利用は例示であり、横ピロー包装機10が備える図示しない他の搬送機能を利用して実現してもよい。
<<第2実施形態>>
図11は、本発明の非破壊検査装置200の構成例を示す図である。第1実施形態の非破壊検査装置100は、X線検出手段130によるX線の検出周期は一定としつつ、制御手段150が画像生成手段140における画像生成処理を制御するものであるのに対し、非破壊検査装置200は、検査対象物Wの二次元画像に歪みが生じないように、制御手段250がX線検出手段130におけるX線の検出周期を検査対象物Wの搬送速度に応じて変化させる制御を行うものである。
非破壊検査装置200は、搬送手段110、X線照射手段120、X線検出手段230、画像生成手段140、及び制御手段250を備える。図4に示す非破壊検査装置100の構成要素と同じ符号を付した構成要素の機能は非破壊検査装置100と同じであるため、説明は省略する。
X線検出手段230は、制御手段250による制御により検出周期を変更可能とされている以外は、第1実施形態のX線検出手段130と同様の機能を備える。
制御手段250は、検査対象物Wの搬送速度が変化した場合に画像生成手段140において生成される二次元画像に生じる歪みがなるべく小さくなるように、X線検出手段130における検出周期を制御する。
図12を参照しつつ、所定の搬送速度において2周期で検査対象物Wの全体がスキャンされる場合を例にとって制御方法を説明する。なお、3周期以上で検査対象物Wをスキャンする場合にも同様な方法で実施することができる。以下、1周期目でスキャンする検査対象物Wの領域を第1領域、2周期目でスキャンする検査対象物Wの領域を第2領域とする。
図12(a0)から(a2)は所定の搬送速度、すなわち搬送速度がVの場合の処理を示したものであり、図12(a0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。まず、X線検出手段230は1周期目(図12(a1))で第1領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第1領域に該当するX線透過画像が生成される。続いてX線検出手段230は、2周期目(図12(a2))で第2領域を網羅する位置に到達し、透過X線の検出によりこの周期で蓄積された電荷量に応じた電気信号を出力して、これに基づき第2領域に該当するX線透過画像が生成される。そして、この2周期目のX線透過画像を1周期目のX線透過画像と並べて配列することで、検査対象物W全体の二次元画像が生成される。
一方、図12(b0)から(b4)は搬送速度がV/2になった場合の処理を示したものであり、図12(b0)は検査対象物Wがスキャンされる直前の状態である。搬送速度がV/2の場合、本来の検出周期においては検査対象物Wのスキャンを図12(b1)から(b4)に示す4周期で終えるが、このうち、2周期目で検査対象物Wの第1領域からの透過X線が検出され(図12(b2))、4周期目で第2領域からの透過X線が検出される(図12(b4))。つまり、この2周期のみで検査対象物Wの二次元画像を生成することができる。そこで制御手段250は、X線検出手段130による透過X線の検出周期を、二次元画像に生じる歪みがなるべく小さくなるように、具体的には例えば、搬送速度の変化倍率の逆数の倍率で変更するように、X線検出手段130を制御する。図12の例では、搬送速度が1/2になっているので、検出周期を2倍にする。これにより、本来の2周期目と4周期目のタイミングでのみ透過X線の検出が行われるため、歪みのない二次元画像を生成することができる。
制御手段150における所定の搬送速度に対する実際の搬送速度の大小の程度の把握は、第1実施形態と同様に、例えば、横ピロー包装機10が備える速度検出手段12から搬送ライン11の速度の値が直接出力される場合にはそれを取得して把握してもよい。また、搬送ライン11がベルトコンベアであり、横ピロー包装機10に速度検出手段12として、ベルトコンベアを駆動する回転軸の単位時間あたりの回転量を検出し、回転量に応じた周期でパルスを出力するロータリーエンコーダが実装されていれば、ロータリーエンコーダから出力されるパルスを取得して、出力周期の変化から把握してもよい。
搬送速度が変化してもX線検出手段130の各検出周期における露光時間は、第1実施形態と同様、一定とするのが望ましい。露光時間が相違することで、各周期のX線透過画像に検査対象物Wの実態に見合わない濃淡が生じ、それらを配列した二次元画像の精度が低下してしまうからである。
搬送速度が動的に変化する場合には、検出周期の制御も動的に行うとよい。
所定の搬送速度に対する速度増減の程度に応じて検出周期を短長させる程度を特定する方法は任意であり、上記の例のように搬送速度の変化の倍率の逆数の倍率とする特定方法のほか、速度の増減の程度を任意の計算式に代入することにより特定してもよい。また、予め速度の増減の程度と周期を短長させる倍率との対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。また、図6(a)に示すように、所定の搬送速度から速度が低下し始めてから停止するまで、又は図6(b)に示すように停止状態から所定の搬送速度に至るまでの搬送速度の時間変化に規則性がある場合には、例えば、0〜t1までの時間での短長させる倍率、t1〜t2までの時間での短長させる倍率というように、時間と周期を短長させる倍率との対応関係を示すテーブルを用意しておき、これを参照して特定してもよい。
非破壊検査装置200は一般に所定の搬送速度の範囲内で使用され、この範囲内で速度が増減する限りでは、画像の幅が拡大していることには変わりないため、検出周期を変化させることで二次元画像への歪みの発生を抑えることができる。また、何らかの理由で搬送速度が所定の搬送速度を超えると、生成される画像の幅が縮小されることもありうるが、そのような場合には、所定の搬送速度を超えた程度に応じて、検出周期を短くすればよい。
<変形例>
本発明の非破壊検査装置は、必ずしも自ら搬送手段を備える必要はなく、例えば、横ピロー包装機などの外部機器が備える搬送機能を利用して、非破壊検査装置における検査対象物の搬送を実現してもよい。
図13は、横ピロー包装機10の包装ライン11を搬送手段として利用することにより、図11に示す非破壊検査装置200と同様の効果を奏する非破壊検査装置201の構成例を示すブロック図である。非破壊検査装置201は、X線照射手段120、X線検出手段230、画像生成手段140、及び制御手段250を備え、図11に示す非破壊検査装置200における搬送手段110の役割は、横ピロー包装機10の包装ライン11が代わりに担う。なお、包装ライン11の利用は例示であり、横ピロー包装機10が備える図示しない他の搬送機能を利用して実現してもよい。
<<第3実施形態>>
第1実施形態と第2実施形態は、搬送速度の変化はあるものの検査対象物Wの搬送は継続していることで、検査対象物Wの全体がスキャンされ、検査対象物Wの二次元画像を概ね適切に生成することができる場合に関するものである。
これに対し、何らかの事情が生じて検査対象物Wの搬送が停止した場合、検査対象物Wのスキャンが中断し、そのままX線検出手段130又は230による検出を継続すると、X線検出手段130又は230による検査対象物Wのスキャンが中断した位置に対応する検査対象物Wの特定の領域からの透過X線が検出され続けることになり、二次元画像の適切な生成に支障が生じる。
すなわち例えば、当初、検査対象物Wが所定の速度Vで搬送されている間は、図14(a),(b)に示すように1周期目に第1領域からの透過X線が、2周期目に第2領域からの透過X線がそれぞれ検出され、各検出周期で検出された透過X線に基づくX線透過画像を順次配列していくことで正常に二次元画像が生成されていく。しかし、X線検出手段130又は230が第2領域からの透過X線を検出する位置で検査対象物Wの搬送が停止すると、3周期目以後も第2領域からの透過X線が検出され続ける。そのため、図14(c),(d)に示すように第2領域からの透過X線に基づくX線透過画像が連続して配列されていくことになり、このような生成過程での二次元画像は検査対象物Wの実態にそぐわない。また、当該二次元画像が表示手段141に表示されることで装置利用者の混乱を招く。
そこで、例えば制御手段150又は250が検査対象物Wの搬送の停止を、速度検出手段12を介して検出した場合、制御手段150又は250が、X線検出手段130又は230により各検出周期において検出された透過X線に基づくX線透過画像の配列を行わないよう画像生成手段140を制御して、二次元画像の生成を中断する(図14(e),(f))。また、配列すべきX線透過画像がそもそも生成されないよう、制御手段150又は250による制御により、X線検出手段130又は230による検出自体を停止してもよい。
このように制御を行うことで、実態にそぐわない二次元画像の生成が継続されることを防ぐことができ、かつ、実態にそぐわない生成過程の二次元画像が表示手段141に表示されてしまうのを防ぐことができる。また、生成過程の二次元画像が適切なものであることで、搬送再開後の加速時に第1実施形態又は第2実施形態に示した制御を行うことで、適切な二次元画像の生成を継続することができる。
以上説明した本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。すなわち、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更や改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含む。
10…横ピロー包装機
11…包装ライン
12…速度検出手段
30…電磁波検出手段
100、101、200、201…非破壊検査装置
110…搬送手段
120…X線照射手段
130、230…X線検出手段
140…画像生成手段
141…表示手段
150、250…制御手段
W…検査対象物

Claims (10)

  1. 外部機器から所定の搬送速度で搬送されてくる検査対象物に電磁波を照射する電磁波照射手段と、
    前記検査対象物が搬送される方向に略直交する方向に直線状に設けられ、前記所定の搬送速度で搬送される前記検査対象物を透過した電磁波を所定の周期ごとに検出して、電磁波の強度に応じた電気信号を出力する電磁波検出手段と、
    前記所定の周期ごとに出力される前記電気信号に基づき直線状の電磁波透過画像を順次生成し、配列していくことで、前記検査対象物の二次元画像を生成する画像生成手段と、
    前記検査対象物の搬送速度の変化を検出した場合に、前記二次元画像の歪みが小さくなるように制御する制御手段と、
    を備える非破壊検査装置。
  2. 前記制御手段は、前記所定の搬送速度と前記外部機器により出力される情報に基づき特定される実際の搬送速度との間で差異が生じた場合に、前記二次元画像の歪みが小さくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の非破壊検査装置。
  3. 前記制御手段は、前記画像生成手段における前記二次元画像の生成の仕方を制御することで、前記二次元画像の歪みを小さくすることを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
  4. 前記制御手段は、前記所定の周期ごとの直線状の電磁波透過画像を順次配列して生成した画像を前記所定の搬送速度に対する前記実際の搬送速度の大小の程度に応じて拡縮して前記二次元画像を生成するように、前記画像生成手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の非破壊検査装置。
  5. 前記制御手段は、前記実際の搬送速度が前記所定の搬送速度に対して低下した場合に低下の程度に応じ、前記所定の周期ごとの前記電気信号のうち一部の周期の前記電気信号を間引き、残りの周期の前記電気信号について前記電磁波透過画像を生成するように、前記画像生成手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の非破壊検査装置。
  6. 前記制御手段は、前記実際の搬送速度が前記所定の搬送速度に対して低下した場合に低下の程度に応じ、互いに隣接する2以上の検出周期の前記電気信号の強度を算術処理することにより1の直線状の電磁波透過画像を生成するように、前記画像生成手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の非破壊検査装置。
  7. 前記算術処理は平均であることを特徴とする請求項6に記載の非破壊検査装置。
  8. 前記制御手段は、前記検査対象物を透過した電磁波を検出する周期を前記実際の搬送速度の増減の程度に応じて短長させるように、前記電磁波検出手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の非破壊検査装置。
  9. 前記外部機器により出力される情報は、前記外部機器の搬送手段を駆動させる回転軸の単位時間あたりの回転量に応じた周期で出力されるパルスであり、
    前記制御手段は、前記パルスの出力周期の変化の程度から、前記実際の搬送速度の増減の程度を把握する
    ことを特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
  10. 前記実際の搬送速度にかかわらず、前記検査対象物を透過した電磁波を検出する各周期における前記電磁波検出手段の露光時間が一定であることを特徴とする請求項2から9のいずれか1項に記載の非破壊検査装置。
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