JP2018197599A - 歯車機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い強度を有し且つウォームを樹脂以外の材料によって製造することが可能な歯車機構を提供すること。【解決手段】基準平面に対する第1回転軸の斜交角の傾斜方向及びウォームの歯部の螺旋形状を、ウォームの進み角よりウォームホイール歯部及びベベルギア歯部の捩れ角が大きくなるように設定し、ウォームの歯部が、ウォームホイール歯部及びベベルギア歯部と噛み合い且つウォームホイール歯部及びベベルギア歯部との間の噛み合い代が一定の噛み合い領域と、ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部と噛み合わない非噛み合い領域と、を有する。【選択図】 図3

Description

本発明は、ウォーム及びウォームホイールを備える歯車機構に関する。
特許文献1、2はウォーム及びウォームホイールを備える歯車機構を開示している。
特許文献1の歯車機構は、互いに噛合するウォーム及びウォームホイールを備えている。このウォームの軸とウォームホイールの軸とは、互いに90°の食い違い軸である。
このウォームの全体形状は略円筒形状である。即ち、このウォームの径は、回転軸方向のいずれの位置においても略同一である。
ウォームが回転軸まわりに回転すると、ウォームホイールは、ウォームよりも低い回転速度で自身の回転軸まわりに回転する。
特許文献2の歯車機構は、互いに噛合するウォーム及びウォームホイールを備えている。このウォームの軸とウォームホイールの軸とは、互いに90°の食い違い軸である。
このウォームの径は、回転軸方向の一方の端部が最少であり且つ回転軸方向の他方の端部が最大である。換言すると、このウォームの全体形状は略円筒形状ではなく半鼓形状(鼓をその軸線方向の中央部で軸線に対して直交する平面に沿って切断した形状)である。
ウォームが回転すると、ウォームホイールは、ウォームよりも低い回転速度で回転する。
特開2008−8322号公報 特開2003−80564号公報
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1の歯車機構のウォームの全体形状は略円筒形状である。
そのため、特許文献1のウォームは、軸線方向の中央部の少ない箇所(例えば、1箇所)のみでウォームホイールと噛合する。
従って、特許文献1のウォームとウォームホイールとの噛み合い率は低い。即ち、特許文献1では歯車機構全体の強度を高くするのが難しい。
一方、特許文献2の歯車機構のウォームの全体形状は半鼓形状である。
そのため、特許文献2のウォームは、回転軸方向の中央部及び中央部以外の部位においてウォームホイールと噛合する。換言すると、このウォームの多数箇所がウォームホイールの多数箇所と互いに噛合する。
従って、特許文献2のウォームとウォームホイールとの噛み合い率は特許文献1より高い。
ところで、半鼓形状のウォームは、略円筒形状のウォームより形状が複雑である。そのため、特許文献2のウォームを金属により構成し、且つ、全体が半鼓形状となるようにその表面を加工(例えば、切削加工)するのが難しい。
さらに、このウォームの全体形状が半鼓形状であるため、このウォームは成形型を利用した樹脂成形により製造可能である。換言すると、成形型内で樹脂が硬化して樹脂成形品(ウォーム)となった後に、成形型をウォームに対して、ウォームの回転軸方向の前記他方の端部側から前記一方の端部側へ、ウォームの歯部の螺旋形状に沿って移動させることにより、成形型をウォーム(成形品)から型抜きすることが可能である。
そのため、特許文献2のウォームの構成材料は、事実上、樹脂材に限定されてしまう。
本発明は、高い強度を有し且つウォームを樹脂以外の材料によって製造することが可能な歯車機構を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、所定の第1回転軸まわりに回転可能且つ螺旋形状の歯部を有する円筒形ウォームと、
所定の第2回転軸まわりに回転可能且つ前記ウォームの前記歯部と噛合する歯部を有するウォームホイールと、
を備え、
前記ウォームホイールの前記歯部が、
前記第1回転軸方向に見たときに前記ウォームの基準円と同心をなし且つ前記基準円より小径の円弧形状をなす歯先及び前記ウォームの前記歯部の歯面と共役である共役歯面を有するウォームホイール歯部と、
前記ウォームホイール歯部の前記歯先の前記円弧形状よりも小さい曲率の歯先及び前記ウォームの前記歯面と共役である共役歯面を有し、且つ、前記ウォームホイール歯部の歯幅方向の一端と連続するベベルギア歯部と、
を備え、
前記第1回転軸及び前記第2回転軸に対して直交する方向から見たときの前記第2回転軸に対して直交する平面である基準平面に対する前記第1回転軸の斜交角の傾斜方向及び前記ウォームの前記歯部の前記螺旋形状を、前記ウォームの進み角より前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部の捩れ角が大きくなるように設定し、
前記ウォームの前記歯部が、
前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部と噛み合い且つ前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部との間の噛み合い代が一定の噛み合い領域と、
前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部と噛み合わない非噛み合い領域と、
を有するのがよい。
ウォームの外周面には、螺旋状の歯部が形成されている。そのため、この「円筒形」は実質的には「略円筒形」を意味する。
本発明のウォームは円筒形である。換言すると、本発明のウォームは単純な形状である。
従って、例えば、本発明のウォームを金属により構成し、且つ、全体が円筒形をなすようにウォームの表面を加工するのは難しくない。
即ち、本発明によればウォームを樹脂以外の材料によって製造することが可能である。
さらに、基準平面に対してウォームの第1回転軸が傾斜している。そのため、ウォームの歯部は、ウォームホイールのウォームホイール歯部及びベベルギア歯部と噛合する。換言すると、ウォームとウォームホイールとが複数(多数)の箇所で互いに噛合する。従って、ウォームが円筒形であるものの、ウォームとウォームホイールとの噛み合い率を高くすることが可能である。
また、ウォームの基準平面に対する第1回転軸の傾斜角である斜交角及びウォームの歯部の螺旋形状を、ウォームの進み角よりウォームホイール歯部及びベベルギア歯部の捩れ角が大きくなるように設定している。そのため、ウォームとの噛み合い率を高くするためにウォームホイールの歯部の数を多くした場合においても、ウォームホイール歯部及びベベルギア歯部の歯厚を大きくすることが可能である。
このように、ウォームとウォームホイールとの噛み合い率を高くすること、及び、ウォームホイール歯部及びベベルギア歯部の歯厚を大きくすることが可能であるため、歯車機構全体の強度を高くすることが可能である。
また、本発明は、前記ウォームホイールの前記第2回転軸に直交する断面の径が、前記第2回転軸の一方の端部から他方の端部へ向かうにつれて変化しないか又は大きくてもよい。
本発明をこのように構成した場合は、成形型を利用した樹脂成形によりウォームホイールを製造可能になる。
換言すると、樹脂材によりウォームホイールを成形した後に、成形型を成形品であるウォームホイールに対して第2回転軸の他方の端部側から一方の端部側へ移動させることにより、成形型をウォームホイールから型抜きすることが可能である。
また、本発明は、前記ウォームホイールの前記歯部が、前記ウォームホイール歯部の歯幅方向の他端と連続し、捩れ角が一定であり、且つ前記ウォームの前記歯面とは非共役の非共役歯面を有するヘリカルギア歯部を有してもよい。
本発明をこのように構成した場合は、捩れ角が一定であるヘリカルギア歯部がウォームホイールに形成される。
そのため、ヘリカルギア歯部の寸法を測定するのが容易である。
従って、ヘリカルギア歯部の寸法を測定することにより、ウォームホイールが設計値通りに成形されているか否かを容易に判定できる。
本発明の一実施形態の歯車機構(減速機構)の斜視図である。 歯車機構のウォームホイールの第2回転軸に沿って見た図である。 図2のIII矢線方向に見たときの歯車機構の図である。 図2のIV矢線方向に見たときの歯車機構の図である。 ウォームホイールの歯部(外周部)の模式的な断面図である。 ウォームホイールのヘリカルギア歯部の設計手順を説明するための図である。 ウォームホイールのヘリカルギア歯部の設計手順を説明するための図である。 ウォームホイールの歯部の形状を説明するための図である。 ウォームホイールの模式的な側面図である。 比較例のウォーム及びウォームホイールの模式的な斜視図である。 比較例のウォームホイールの模式的な側面図である。 ウォームホイールの歯底円径及び歯先円径の演算方法を説明するためのウォーム及びウォームホイールの模式的な断面図である。 ウォームの歯部及びウォームホイールの歯部の模式的な断面図である。 ウォームホイール歯部及びベベルギア歯部の歯先円直径及び歯底円直径を示す表である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1乃至図4等に示すように、本実施形態の歯車機構10はウォーム20及びウォームホイール30を備えている。
なお、本実施形態のウォーム20及びウォームホイール30のモジュール(m)は「1」である。
金属製のウォーム20は、その中心軸である第1回転軸20Xを中心とする略円筒形状である。換言すると、ウォーム20の第1回転軸20Xを中心とする外径は、第1回転軸20X方向のいずれの位置においても略同一である。ウォーム20は第1回転軸20Xまわりに正逆両方向に回転可能且つ第1回転軸20X方向に移動不能である。
ウォーム20の外周部には、単一(一条)の螺旋形状の歯部21が形成されている。図1乃至図4に示すように、歯部21が形成する螺旋は左ねじれ(S巻き)である。さらに図3に示すようにウォーム20の歯部21の進み角はγである。
略円筒形状のウォーム20は単純な形状である。そのため、例えば転造により金属製のウォーム20を製造することが可能である。ウォーム20を転造で製造する場合、ウォーム20の歯形は4形(I形)とする。ウォーム20を転造以外の方法で製造する場合、ウォーム20の歯形は1形(A形)、2形(N形)、3形(K形)、又は4形(I形)とする。なお、これらの歯形についてはJISB0102-2に記載されている。
このようにウォーム20は、製造方法(加工方法)によって歯形が決定される。
そして、例えば、ウォーム20を転造で製造するためにウォーム20の歯形を4形(I形)に設定した場合、このウォーム20のねじ面の歯面形状はインボリュートねじ面となる(JISB0102-1:2013 2.4.2.1参照)。
なお、本実施形態のウォーム20の緒元は以下の通りである。

歯数 1
歯直角モジュール 1.0(mm)
歯直角圧力角 20(deg)
基準円直径 6.0(mm)
歯先円直径 8.0(mm)
歯底円直径 3.5(mm)
斜交角 13.0(deg)
軸間距離(中心距離) 29.8(mm)
進み角 9.6(deg)
樹脂製のウォームホイール30は、その中心軸である第2回転軸30Xまわりに正逆両方向に回転可能且つ第2回転軸30X方向に移動不能である。
ウォームホイール30の外周部には、第2回転軸30Xを中心とする円周方向に所定間隔で並べて形成された多数の歯部31が形成されている。各歯部31は、ウォームホイール30の第2回転軸30Xの一方の端部(図1、図3及び図5の上端部)から他方の端部(図1、図3及び図5の下端部)側に向かって延びている。
さらにウォームホイール30の上記他方の端部は、第2回転軸30Xを中心とする円柱形状である基端部39によって構成されている。基端部39の第2回転軸30Xを中心とする外径はウォームホイール30の中で最大である。
図1乃至図5及び図8に示すように、各歯部31は3つの部位によって構成されている。即ち、各歯部31は、ヘリカルギア歯部35、ウォームホイール歯部36、及びベベルギア歯部37を有している。
各歯部31の第2回転軸30Xの上記一方の端部側の部位はヘリカルギア歯部35によって構成されている。
図5に示すように、各ヘリカルギア歯部35の基準円35CS(基準面、基準線)の第2回転軸30Xを中心とする径、並びに、歯先円(歯先35ES)の径及び歯底円の径は、ヘリカルギア歯部35の歯幅方向のいずれの位置においても同一である。さらに各ヘリカルギア歯部35の捩れ角35βは、ヘリカルギア歯部35の歯幅方向のいずれの位置においても同一である。なお、本実施形態のヘリカルギア歯部35の(第2回転軸30Xを中心とする)歯底円直径は51.1mmであり且つ(第2回転軸30Xを中心とする)歯先円直径は55.6mmである。なお、ヘリカルギア歯部35の(第2回転軸30Xを中心とする)基準円直径は、「歯先円直径−基準円直径:基準円直径−歯底円直径=1.0:1.25・・・式(1)」となるように設定されている。この式(1)は、後述するウォームホイール歯部36の基準円直径及びベベルギア歯部37の基準円直径についても成立する。
各歯部31の歯幅方向の中間部はウォームホイール歯部36によって構成されている。各ウォームホイール歯部36の歯幅方向の一端は対応するヘリカルギア歯部35と連続している。
図5に示すように、各ウォームホイール歯部36の基準円36CSの第2回転軸30Xを中心とする径、並びに、歯先円(歯先36ES)の径及び歯底円の径は、第2回転軸30Xの上記一方の端部側から上記他方の端部側に向かうにつれて徐々に大きくなる。さらに第1回転軸20X方向に見たときの各ウォームホイール歯部36の歯先36ESの形状は、図5に示すように第1回転軸20Xを曲率中心とする円弧形状である。換言すると、歯先36ESの形状は基準円20CSと同心且つ基準円20CSより小径の円弧形状である。歯先36ESの第1回転軸20Xを中心とする半径(曲率半径)は、ウォーム20の歯底円半径に後述するクリアランスCL1を加算した値である。なお、本実施形態ではこの第クリアランスCL1を0.2mmに設定している。第1回転軸20X方向に見たときの歯先36ESの曲率は36Cvである。この曲率36Cvは基準円20CSの曲率より大きい。また、各ウォームホイール歯部36の歯底の第1回転軸20Xを中心とする半径(曲率半径)は、ウォーム20の歯先円半径に後述するクリアランスCL2を加算した値である。なお、本実施形態ではこの第クリアランスCL2を0.2mmに設定している。なお、ウォーム20の歯底円半径、基準円半径、及び歯先円半径、並びにウォームホイール歯部36の第1回転軸20Xを中心とした場合の歯底の半径、基準円の半径、及び歯先の半径の大小関係は以下の式(2)の通りである。なお、ウォームホイール歯部36の第2回転軸30Xを中心とする基準円半径(歯先円半径、歯底円半径)は、第2回転軸30Xの位置に応じて変化する。そのため、ウォームホイール歯部36の基準円の第1回転軸20Xを中心とした半径は、第2回転軸30X方向の所定位置ではウォーム20の基準円半径と完全同一となり、且つ、この所定位置以外の位置ではウォーム20の基準円半径と略同一となる。

ウォーム20の歯底円半径>ウォームホイール歯部36の歯先の第1回転軸20Xを中心とした半径>ウォーム20の基準円半径=(≒)ウォームホイール歯部36の基準円の第1回転軸20Xを中心とした半径>ウォーム20の歯先円半径>ウォームホイール歯部36の歯底の第1回転軸20Xを中心とした半径・・・式(2)

ところで、本実施形態では第2回転軸30Xに対して直交し且つ各ヘリカルギア歯部35と各ウォームホイール歯部36との境界点を通る平面を基準平面SP(図3乃至図5参照)と定義する。本実施形態では、図8及び図14に示すように、ウォームホイール歯部36の基準平面SPと交わる部位(図8の縦軸の0mmに対応する部位。以下、「交差部位」と称する)と、交差部位から第2回転軸30Xの上記他方の端部側へ3.0mm離れた部位との間にウォームホイール歯部36が形成されている。また、ウォームホイール歯部36の交差部位の(第2回転軸30Xを中心とする)歯底円直径は51.1mmであり且つ(第2回転軸30Xを中心とする)歯先円半径は55.6mmである。一方、ウォームホイール歯部36の交差部位から第2回転軸30Xの上記他方の端部側へ3.0mm離れた部位の(第2回転軸30Xを中心とする)歯底円直径は52.8mmであり且つ(第2回転軸30Xを中心とする)歯先円直径は58.4mmである。
さらに各歯部31の一部はベベルギア歯部37によって構成されている。各ベベルギア歯部37の一端はウォームホイール歯部36と連続している。なお、交差部位から第2回転軸30Xの上記他方の端部側へ3.0mm離れた部位から6.6mm離れた部位との間にベベルギア歯部37が形成されている。
図5に示すように、各ベベルギア歯部37の第2回転軸30Xを中心とする径は、第2回転軸30Xの上記一方の端部側から上記他方の端部側に向かうにつれて徐々に大きくなる。さらに第1回転軸20X方向に見たときの各ベベルギア歯部37の歯先37ESの曲率37Cvは歯先36ESの曲率36Cvより小さい。より詳細には、第1回転軸20X方向に見たときの歯先37ESの形状は略直線である。換言すると、第1回転軸20X方向に見たときの歯先37ESの曲率半径はほぼ無限大である。但し、第1回転軸20X方向に見たときの歯先37ESの曲率37Cvが歯先36ESの曲率36Cvより小さければ、第1回転軸20X方向に見たときの歯先37ESの形状は略直線状でなくてもよい。
なお、本実施形態では、図8及び図14に示すように、ベベルギア歯部37のウォームホイール歯部36側の端部の(第2回転軸30Xを中心とする)歯底円直径は52.8mmであり且つ(第2回転軸30Xを中心とする)歯先円直径は58.4mmである。
さらに、ウォームホイール歯部36のヘリカルギア歯部35側の端部の第2回転軸30Xを中心とする歯先円径はヘリカルギア歯部35と同一であり、且つ、ウォームホイール歯部36のヘリカルギア歯部35側の端部を除く部分の第2回転軸30Xを中心とする歯先円径はヘリカルギア歯部35より大きい。さらに、ベベルギア歯部37のウォームホイール歯部36側の端部の第2回転軸30Xを中心とする歯先円径はウォームホイール歯部36のベベルギア歯部37側の端部と同一であり、且つ、ベベルギア歯部37のウォームホイール歯部36側の端部を除く部分の第2回転軸30Xを中心とする歯先円径はウォームホイール歯部36より大きい。さらに、基端部39の第2回転軸30Xを中心とする外径は、ベベルギア歯部37の基端部39側の端部の歯先円径と同一である。
即ち、ウォームホイール30は第2回転軸30Xを中心とする略回転対称形状である半鼓形状である。換言すると、ウォームホイール30の第2回転軸30Xを中心とする外径は、第2回転軸30Xの上記一端側から上記他端側へ向かうにつれて変化しないか又は大きくなる。
各歯部31の各ヘリカルギア歯部35の捩れ角35βは、ヘリカルギア歯部35の歯幅方向のいずれの位置においても一定である。
各歯部31の各ウォームホイール歯部36の捩れ角は36βである。但し、各ウォームホイール歯部36の捩れ角36βは、その歯幅方向の位置毎に僅かに異なる。即ち、各ウォームホイール歯部36の捩れ角36βは、第2回転軸30Xの上記一方の端部側から上記他方の端部側に向かうにつれて徐々に大きくなる。
図3及び図4に示すように各歯部31のベベルギア歯部37の捩れ角は37βである。但し、各ベベルギア歯部37の捩れ角37βは、その歯幅方向の位置毎に僅かに異なる。即ち、各ベベルギア歯部37の捩れ角37βは、第2回転軸30Xの上記一方の端部側から上記他方の端部側に向かうにつれて徐々に大きくなる。
但し、本実施形態では、捩れ角35β、捩れ角36β、及び捩れ角37βは互いに略同一である。
図3に示すように、第1回転軸20X及び第2回転軸30Xに対して直交する方向から見たときに、ウォーム20の第1回転軸20Xは基準平面SPに対して斜交角φで傾斜している。換言すると、ウォーム20とウォームホイール30との間の軸角は「90°+φ°」である。図3においてウォーム20の右端部を構成する部位が基準平面SPより上方に位置し且つウォーム20の左端部を構成する部位が基準平面SPより下方に位置するように、斜交角φの傾斜方向が設定されている。さらにウォーム20とウォームホイール30とは所定の軸間距離だけ離間している。
さらに図1乃至図4及び図9に示すように、ウォーム20の歯部21とウォームホイール30の複数の歯部31とは互いに常に噛合する。より詳細には、ウォーム20の歯部21の複数箇所は常に、複数の歯部31のウォームホイール歯部36及び別の複数の歯部31のベベルギア歯部37とそれぞれ噛合する。即ち、各歯部31のウォームホイール歯部36の一対の歯面及び各歯部31のベベルギア歯部37の一対の歯面は、ウォーム20の歯部21の一対の歯面とそれぞれ共役な共役歯面である。
そして、歯部21の螺旋形状を左ねじれ(S巻き)とし且つ歯部21の一対の歯面と各歯部31のウォームホイール歯部36及びベベルギア歯部37の一対の歯面とが互いに共役となるように第1回転軸20Xを基準平面SPに対して上記傾斜方向に斜交角φで傾斜させているので、ウォームホイール30の捩れ角35β、36β、37βはウォーム20の進み角γより大きくなるように設定されている。
なお、本実施形態のウォームホイール30の緒元は以下の通りである。なお、ウォームホイール歯部36及びベベルギア歯部37の歯先円直径及び歯底円直径は図14の表の通りである。

歯数 52
歯直角モジュール 1.0(mm)
歯直角圧力角 20(deg)
軸間距離(中心距離) 29.8(mm)
本実施形態のウォーム20はアクチュエータ(例えば、電動モータ)に直接又は間接的に接続される。そして、アクチュエータの駆動力によってウォーム20が第1回転軸20Xまわりに所定回数(この所定回数は「1」より大きい)だけ回転したときに、ウォームホイール30が第2回転軸30Xまわりに1回転する。即ち、本実施形態の歯車機構10は減速機構である。
なお、例えば、車両用クラッチアクチュエータ、車両用ドアロック用のアクチュエータ、車両用スライドドアのアクチュエータ、車両用ウィンドレギュレータのアクチュエータ、及び車両用サンルーフ機構のアクチュエータが、ウォーム20に接続されるアクチュエータの具体例である。
さらにウォーム20は、歯部21の一部の領域である噛み合い領域MA(図2、図3及び図9参照)のみがウォームホイール30の歯部31と噛合するように設計されている。
即ち、図2に示すように、第2回転軸30X方向に見たときに第2回転軸30Xを通り且つ第1回転軸20X及び第2回転軸30Xに対して直交する直線を直交直線OTLと定義する。この場合に、ウォーム20の基準円20CS上の直交直線OTLと交わる点を点Aと定義すると、噛み合い領域MAの一方の端部は点Aによって規定される。一方、噛み合い領域MAの他方の端部は、ウォーム20の基準円20CS上の一点である点Bによって規定される。この点Bと接触する歯部31の部位はベベルギア歯部37の外周側端部である。
さらに、噛み合い領域MAの全ての位置において歯部21の歯部31(ウォームホイール歯部36、ベベルギア歯部37)との噛み合い代EA(図13参照)が同一(一定)となるようにウォーム20(歯部21)の緒元(仕様)が設定されている。同様に、噛み合い領域MAの全ての位置において歯部31(ウォームホイール歯部36、ベベルギア歯部37)の歯部21のとの噛み合い代EAが同一(一定)となるようにウォームホイール30(歯部31)の緒元(仕様)が設定されている。
一方、ウォーム20(歯部21)の中で噛み合い領域MAに含まれず且つウォームホイール30の歯部31とウォームホイール30の径方向に対向する部位が非噛み合い領域UMA(図2及び図3参照)である。なお、ウォーム20の図2及び図3において点Bより左側に位置する部位は歯部31とウォームホイール30の径方向に対向しないので、この部位は非噛み合い領域UMAではない。
ところで、ウォームホイール30の外径を大きくすると、後述するように非噛み合い領域UMAにおいてウォーム20の歯部とウォームホイール30の歯部とが干渉するため、歯部31に歯先尖りが発生し易い。特に、歯部31の噛み合い領域MAの端部と接触する部位において歯先尖りが発生し易い。
歯部31に歯先尖りが発生するのを防止するためには、非噛み合い領域UMAにおいて歯部21と歯部31とが干渉しないようにする必要がある。
本実施形態では、第2回転軸30X方向に見たとき、直交直線OTLにおける第2回転軸30Xと点Aとの直線距離は25.8mmであり、且つ、第2回転軸30Xと点Bとの直線距離は33.0mmである。そのため、第2回転軸30X方向に見たとき、点Aと点Bとの間の第1回転軸20X方向の距離LABは20.6(mm)=(33−25.81/2(mm)である。
そして図3においてウォームホイール30上の周方向位置が点Aと同一であり且つ第2回転軸30Xと平行な方向の位置が点Bと同じである点を点B’とすると、点Aと点B’との距離LAB’はLBB’×tanφとなる。なお、LBB’は点Bと点B’との間の第1回転軸20X方向の距離であり、且つ、LBB’はLABと同一(20.6mm)である。
そして、距離LAB’が上述の噛み合い代EAより大きいとき、噛み合い領域MAの点A側の外側に位置する非噛み合い領域UMAにおいて歯部21と歯部31とは噛み合わない。換言すると、LBB’×tanφ>EAのとき歯部31に歯先尖りは発生しない。
本実施形態では噛み合い代EAは2m(モジュール)である。さらに上述のように本実施形態のモジュールは「1」である。
従って、φが5.6°より大きいとき、LBB’×tanφ>EA=2となる。そのため、本実施形態では斜交角φを5.6°より大きい13°に設定している。
さらに、噛み合い領域MAにおいてウォーム20とウォームホイール30とが干渉するのを避ける必要がある。換言すると、噛み合い領域MAの全ての位置において歯部21と歯部31(ウォームホイール歯部36、ベベルギア歯部37)との噛み合い代の大きさが上記噛み合い代EAとなるようにしつつ、図13に示すように、ウォーム20の歯底とウォームホイール30の歯先との間に所定のクリアランスCL1を形成し且つウォーム20の歯先とウォームホイール30の歯底との間に所定のクリアランスCL2を形成する必要がある。これらのクリアランスCL1、CL2を形成するためのウォームホイール30の歯先円半径及び歯底円半径の大きさは、演算手段を用いたCAEにより設定(演算)される。より詳細には、これらは以下の手順で設定される。
以下、ウォーム20の歯底円半径を「r20b」、ウォーム20の歯先円半径を「r20e」と称する。また、ウォームホイール30の歯底円半径を「r30b」と称し、ウォームホイール30の歯先円半径を「r30e」と称する。
まずクリアランスCL1を形成するためのウォームホイール30の歯先円半径r30eの大きさの設定手順について説明する。
図12は、第2回転軸30X上の所定の位置を通り且つ第2回転軸30Xに対して直交する水平面によって切断したウォーム20及びウォームホイール30の模式的な断面図である。より詳細には、図12は、ウォーム20の歯底円20bc及びウォームホイール30の歯先円30ecの模式的な断面図である。さらに図12には、歯先円30ecと同心をなし且つ歯先円30ecより大径の接触円30tc1が描かれている。この接触円30tc1の半径はrtc1である。さらに半径rtc1と歯先円30ecの歯先円半径r30eとの差がクリアランスCL1である。接触円30tc1はウォーム20の歯底円20bcと接触している。さらに図12中の「a1」はウォーム20の歯底円20bcの短軸であり且つ「b1」は長軸である。
接触円30tc1の半径rtc1は、短軸a1及び長軸b1に基づいて演算可能である。さらに短軸a1及び長軸b1は、ウォーム20の歯底円20bcの半径である歯底円半径r20bを含む緒元情報に基づいて演算可能である。
そして、半径rtc1と歯先円半径r30eとの差がクリアランスCL1と一致するように歯先円半径r30eを設定する。
続いて、クリアランスCL2を形成するためのウォームホイール30の歯底円半径r30bの大きさの設定手順について説明する。
図12には、ウォーム20の歯先円20ec及びウォームホイール30の歯底円30bcの模式的な断面図が描かれている。さらに図12には、歯底円30bcと同心をなし且つ歯底円30bcより大径の接触円30tc2が描かれている。この接触円30tc2の半径はrtc2である。さらに半径rtc2と歯底円30bcの歯底円半径r30bとの差がクリアランスCL2である。接触円30tc2はウォーム20の歯先円20ecと接触している。さらに図12中の「a2」はウォーム20の歯先円20ecの短軸であり且つ「b2」は長軸である。なお、実際は、歯先円20ecと歯底円20bcの大きさは互いに異なり、歯底円30bcと歯先円30ecの大きさは互いに異なり、且つ、接触円30tc2と接触円30tc1の大きさは互いに異なる。しかし、図12では、便宜上、歯先円20ecと歯底円20bcの大きさ、歯底円30bcと歯先円30ecの大きさ、及び接触円30tc2と接触円30tc1の大きさ、をそれぞれ同一として各円を描いている。
接触円30tc2の半径rtc2は、短軸a2及び長軸b2に基づいて演算可能である。さらに短軸a2及び長軸b2は、ウォーム20の歯先円半径はr20eを含む緒元情報に基づいて演算可能である。
そして、半径rtc2と歯底円半径r30bとの差がクリアランスCL2と一致するように歯底円半径r30bを設定する。
ところで、上述のように、基準平面SPに対して左ねじれ螺旋形状の歯部21を有するウォーム20の第1回転軸20Xが上記傾斜方向に斜交角φで傾斜しているので、ウォーム20が略円筒形状であるにも拘わらず、図9に示すように、ウォーム20の噛み合い領域MAの多数箇所(図9では6箇所)がウォームホイール30の多数の歯部31と噛合する。換言すると、ウォーム20の噛み合い領域MAの多数箇所がウォームホイール30の複数のウォームホイール歯部36及び複数のベベルギア歯部37と噛合する(図9中の黒点がウォーム20とウォームホイール30との噛合箇所を表している)。
そのため、ウォームが略円筒形状であり且つ斜交角φが「0°」の場合(即ち、特許文献1の場合)と比べて、ウォーム20とウォームホイール30との噛み合い率が高くなる。
また、ウォーム20の進み角γよりウォームホイール歯部36の捩れ角36β及びベベルギア歯部37の捩れ角37βが大きい。
そのため、図9から明らかなように、ウォーム20との噛み合い率を高くするためにウォームホイール30の歯部31の数を多くした場合においても、隣接する歯部31同士の間隔を広くできる。そのため、各歯部31(ウォームホイール歯部36及びベベルギア歯部37)の歯厚を大きくすることが可能である。
このように本実施形態の歯車機構10では、ウォーム20とウォームホイール30との噛み合い率を高くすること、及び、ウォームホイール30の各ウォームホイール歯部36及び各ベベルギア歯部37の歯厚を大きくすることが可能であるため、歯車機構10全体の強度を高くすることが可能である。
なお、図10及び図11は歯部21が形成する螺旋形状が右ねじれ(Z巻き)であり且つ歯部21の進み角がγである比較例のウォーム20を示している。このウォーム20のウォームホイール30に対する軸角及び軸間距離は本実施形態と同一である。
図11から明らかなように、この場合もウォームが略円筒形状であり且つ斜交角φが「0°」の場合と比べて、ウォーム20とウォームホイール30との噛み合い率は高くなる。
しかしこの場合は、歯部21の一対の歯面と各歯部31の一対の歯面とが互いに共役となるように第1回転軸20Xを基準平面SPに対して斜交角φで傾斜させると、ウォームホイール30の捩れ角35β、36β、37βがウォーム20の進み角γより小さくなる。そのため、図11から明らかなように、ウォーム20との噛み合い率を高くするためにウォームホイール30の歯数を多くした場合は隣接する各歯部31同士の間隔が狭くなる。そのため、各歯部31(ウォームホイール歯部36及びベベルギア歯部37)の歯厚を薄くせざるを得ない。
従って、この場合は歯車機構10全体の強度は歯車機構10と比べて低くなる。
なお、図示は省略してあるが、螺旋形状が左ねじれ(S巻き)であり且つ歯部21の進み角がγであるウォーム20を、図3においてウォーム20の右端部を構成する部位を基準平面SPより下方に位置させ且つ図3においてウォーム20の左端部を構成する部位を基準平面SPより上方に位置するように、斜交角φの傾斜方向を設定することが可能である。
しかし、この場合は、図10及び図11の比較例と同様に、歯部21の一対の歯面と各歯部31の一対の歯面とが互いに共役となるように第1回転軸20Xを基準平面SPに対して斜交角φで傾斜させると、ウォームホイール30の捩れ角36β、37βがウォーム20の進み角γより小さくなる。
一方、ウォーム20の歯部21とウォームホイール30の各ヘリカルギア歯部35とは互いに噛合しない。換言すると、ウォームホイール30の各ヘリカルギア歯部35はウォーム20の回転力をウォームホイール30に伝達しない。
ウォームホイール30の各ヘリカルギア歯部35は、演算手段を用いた以下の要領(CAE)により設計される。
まず、図6に示すように、演算手段によって各歯部31の基準平面SPによって切断された断面の中心部に位置する対称基準点SSPの位置を演算し、且つ、演算手段に接続されたディスプレイ(図示略)上に対称基準点SSPを表示する。換言すると、演算手段を用いて、各ウォームホイール歯部36の対応するヘリカルギア歯部35側の端面の中心部に位置する対称基準点SSPの位置を演算する。
そして、演算手段を用いて、各歯部31のウォームホイール歯部36及びベベルギア歯部37の一対の歯面31a、31bと、各歯部31の対称基準点SSPに関して点対称の位置関係となる仮想歯面31a’、31b’を演算し、且つ、演算した仮想歯面31a’、31b’をディスプレイ上において各歯部31にそれぞれ対応させて表示する。さらに、図7に示すように、演算手段を用いて、各歯部31の基準平面SP上の断面(各ウォームホイール歯部36の対応するヘリカルギア歯部35側の端面)をそのまま第2回転軸30Xの上記一方の端部側に捩れ角35βで捩じりながら延ばしたヘリカルギア歯部形成面35FS(図6では図示略)を演算し、且つ、演算したヘリカルギア歯部形成面35FSをディスプレイ上に表示する。そして、図7に仮想線で示したように、演算したヘリカルギア歯部形成面35FSが仮想歯面31a’、31b’からウォームホイール30の外周側に突出する場合は、演算手段を用いて、仮想歯面31a’、31b’より内周側に位置するようにヘリカルギア歯部形成面35FSの形状を修正(再演算)する。そして、設定したヘリカルギア歯部形成面35FSが仮想歯面31a’、31b’より内周側に位置する場合に、このヘリカルギア歯部形成面35FSをヘリカルギア歯部35の設計形状として選択(決定)する。
そして、後述する成形要領に従って、この設計形状(ヘリカルギア歯部形成面35FS)に沿ってウォームホイール30にヘリカルギア歯部35を形成する。
仮に仮想歯面31a’、31b’に基づいてウォームホイール30にヘリカルギア歯部35を形成した場合は、このヘリカルギア歯部35の一対の歯面はウォーム20の歯部21の一対の歯面と共役関係になる。そのため、この場合は、ウォーム20の歯部21がヘリカルギア歯部35と噛合する。
しかし、上述した仮想歯面31a’、31b’より内周側に位置するヘリカルギア歯部形成面35FSに沿ったヘリカルギア歯部35をウォームホイール30に形成した場合は、このヘリカルギア歯部35の一対の歯面はウォーム20の歯部21よりもウォームホイール30の内周側に位置し且つウォーム20の歯部21の一対の歯面と非共役関係になる。従って、ウォーム20の歯部21とウォームホイール30の各ヘリカルギア歯部35は互いに噛合しない。
本実施形態のウォームホイール30は、演算手段(及びディスプレイ)を用いた以下の要領(CAE)によって製造可能である。
まず、上記緒元のウォーム20を基準平面SPに対して斜交角φで傾斜させ且つウォームホイール30との軸間距離が上記距離となるようにした場合に、ウォーム20の歯部21の一対の歯面と共役関係になる一対の歯面を有し、所定の捩れ角36β、37βを有し、且つ歯先36ES、37ESの形状がそれぞれ所定の曲率36Cv、37Cvとなる基準円36CS、37CSを有するウォームホイール歯部36及びベベルギア歯部37を、演算手段により演算する。さらに、上記の要領に基づいてヘリカルギア歯部形成面35FSを演算手段により演算する。さらに噛み合い代EA、クリアランスCL1、及びクリアランスCL2を考慮して、歯部31の各緒元情報(歯底円半径r30b、歯先円半径r30e、歯たけ、円ピッチ、圧力角など)を演算手段により演算する。すると、これらの要件をすべて満たすウォームホイール30の三次元モデル(図示略)がディスプレイに表示される。
さらに、この三次元モデル(のデータ)に基づいて金属製の成形型を製造する。この成形型は、固定型と、固定型に対して自身の軸線を中心とする所定の螺旋方向に相対移動可能な可動型、とを有する。固定型及び可動型の内面には、それぞれ成形面が形成されている。
固定型に対して可動型を接触させたとき(即ち、型締めしたとき)、固定型の内面(成形面)と可動型の内面(成形面)との間に上記三次元モデルと実質的に同形状のキャビティが形成される。
固定型に対して可動型を接触させた状態でキャビティに流動性を有する硬化性樹脂材料を注入したら、樹脂材料が硬化するまでこの接触状態を維持する。そして、樹脂材料が硬化したら可動型を上記螺旋方向に沿って固定型から離間するように移動させる。
上述のように、ウォームホイール30の第2回転軸30Xを中心とする外径は第2回転軸30Xの上記一端側から上記他端側へ向かうにつれて変化しないか又は大きくなる。さらに、可動型の移動方向である上記螺旋方向の捩れ角は捩れ角35β、捩れ角36β、及び捩れ角37βと実質的に同一である。さらに、キャビティ内の樹脂材料は硬化時に(僅かに)収縮するので、樹脂成形品(ウォームホイール30)の外形形状は固定型及び可動型の内面(成形面)によって規定されるキャビティより僅かに小寸である。
そのため、可動型を上記螺旋方向に沿って固定型から離間するように移動させると、可動型はウォームホイール30から円滑に離間する。
可動型を固定型及びウォームホイール30から分離したら、固定型に設けたイジェクタによってウォームホイール30を固定型から分離させる。
ウォームホイール30は、例えばこのような要領によって製造可能である。
さらに、このようにして製造されたウォームホイール30は所定の寸法測定検査を受ける。
ある1つのウォームホイール30に対して寸法測定検査を行い、ウォームホイール30の所定部位の測定寸法が設計値と同一又は所定の誤差範囲内であれば、このウォームホイール30は設計値通りに成形されていると判定される。その一方で、このウォームホイール30の所定部位の測定寸法の設計値との誤差量が所定の誤差範囲より大きければ、このウォームホイール30は設計値通りに成形されていない不良品であると判定される。
例えば、ウォームホイール30の歯部31の歯厚を容易に測定できる方法として周知のヴィトイーンピン法(オーバーピン法)がある。周知のように、歯部の捩れ角が歯幅方向の所定範囲に渡って一定の場合に、このヴィトイーンピン法を用いて歯部の歯厚を測定できる。
そして本実施形形態のウォームホイール30のヘリカルギア歯部35は、歯幅方向の全長に渡って捩れ角35βが一定である。従って、ヘリカルギア歯部35の歯厚はヴィトイーンピン法を用いて容易に測定できる。従って、本実施形態のウォームホイール30は設計値通りに成形されているか否かを容易に判定できる。
一方、ヘリカルギア歯部35に相当する部位を具備しない一般的なウォームホイールは、歯部の歯厚をヴィトイーンピン法を用いて測定できない。従って、このようなウォームホイールは設計値通りに成形されているか否かを容易に判定できない。
また、仮にウォームホイール30が基準平面SPよりもヘリカルギア歯部35側に位置する部位を備えない場合は、ウォーム20の歯部21がウォームホイール歯部36の上記一方の端部側の端部と噛み合うおそれがある。ウォーム20の歯部21とウォームホイール歯部36の当該端部とが噛み合うと、ウォームホイール歯部36の当該端部及び歯部21の当該端部との噛み合い部において応力集中が発生する。
これに対して歯車機構10では、ウォームホイール30がヘリカルギア歯部35を備えているので、このような不具合が発生しない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるべきものではない。
例えば、ウォーム20を樹脂製にしてもよい。この場合は、例えば、成形型を利用してウォーム20を製造可能である。
ウォームホイール30を金属製とした上で、ウォームホイール30を鍛造により製造してもよい。
また金属製のウォームホイール30を粉末冶金により製造してもよい。
また、樹脂製又は金属製のウォームホイール30を切削加工により製造してもよい。
ウォーム20及びウォームホイール30のモジュール(m)の大きさは「1」以外であってもよい。
10・・・歯車機構(減速機構)、20・・・ウォーム、20bc・・・歯底円、20ec・・・歯先円、20CS・・・基準円、30tc1、30tc2・・・接触円、
20X・・・第1回転軸、21・・・歯部、30・・・ウォームホイール、30bc・・・歯底円、30ec・・・歯先円、30X・・・第2回転軸、31・・・歯部、35・・・ヘリカルギア歯部、36・・・ウォームホイール歯部、36β・・・捩れ角、36CS・・・基準円、36Cv・・・曲率、36ES・・・歯先、37・・・ベベルギア歯部、37β・・・捩れ角、37CS・・・基準円、37Cv・・・曲率、37ES・・・歯先、γ・・・進み角、φ・・・斜交角、MA・・・噛み合い領域、UMA・・・非噛み合い領域。

Claims (3)

  1. 所定の第1回転軸まわりに回転可能且つ螺旋形状の歯部を有する円筒形ウォームと、
    所定の第2回転軸まわりに回転可能且つ前記ウォームの前記歯部と噛合する歯部を有するウォームホイールと、
    を備え、
    前記ウォームホイールの前記歯部が、
    前記第1回転軸方向に見たときに前記ウォームの基準円と同心をなし且つ前記基準円より小径の円弧形状をなす歯先及び前記ウォームの前記歯部の歯面と共役である共役歯面を有するウォームホイール歯部と、
    前記ウォームホイール歯部の前記歯先の前記円弧形状よりも小さい曲率の歯先及び前記ウォームの前記歯面と共役である共役歯面を有し、且つ、前記ウォームホイール歯部の歯幅方向の一端と連続するベベルギア歯部と、
    を備え、
    前記第1回転軸及び前記第2回転軸に対して直交する方向から見たときの前記第2回転軸に対して直交する平面である基準平面に対する前記第1回転軸の斜交角の傾斜方向及び前記ウォームの前記歯部の前記螺旋形状を、前記ウォームの進み角より前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部の捩れ角が大きくなるように設定し、
    前記ウォームの前記歯部が、
    前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部と噛み合い且つ前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部との間の噛み合い代が一定の噛み合い領域と、
    前記ウォームホイール歯部及び前記ベベルギア歯部と噛み合わない非噛み合い領域と、
    を有する、歯車機構。
  2. 請求項1に記載の歯車機構において、
    前記ウォームホイールの前記第2回転軸に直交する断面の径が、前記第2回転軸の一方の端部から他方の端部へ向かうにつれて変化しないか又は大きくなる、歯車機構。
  3. 請求項1又は2に記載の歯車機構において、
    前記ウォームホイールの前記歯部が、
    前記ウォームホイール歯部の歯幅方向の他端と連続し、捩れ角が一定であり、且つ前記ウォームの前記歯面とは非共役の非共役歯面を有するヘリカルギア歯部を有する、歯車機構。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111536218A (zh) * 2020-05-15 2020-08-14 重庆大学 点线演化环面蜗杆传动副及其工作方式

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