JP2018197508A - ダイヤフラムポンプの運転方法および運転システム - Google Patents

ダイヤフラムポンプの運転方法および運転システム Download PDF

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Abstract

【課題】ダイヤフラムの破損の予兆を検知できるダイヤフラムポンプの運転方法を提供する。【解決手段】ダイヤフラムポンプは、スラリーが吸引、送出される吸送室と、作動油が充填された油圧室と、吸送室と油圧室とを分離するダイヤフラムと、その往復動により油圧室内の油圧を昇降させダイヤフラムを往復動させるピストンと、吸送室の吸込側に接続された吸込側逆止弁と、吸送室の吐出側に接続された吐出側逆止弁とを備える。油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、ダイヤフラムの破損の予兆があると判断する。油圧室内の油圧波形に基づいてダイヤフラムの破損の予兆を検知できる。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイヤフラムポンプの運転方法および運転システムに関する。さらに詳しくは、スラリーを移送するのに用いられる油圧式ダイヤフラムポンプの運転方法および運転システムに関する。
ダイヤフラムポンプはダイヤフラムの往復動により吸送室の容積を周期的に変化させることで流体を移送するポンプである。吸送室の容積の増減量は常に一定であるので、流体の定量的な移送が可能である。そのため、ダイヤフラムポンプは流体の定量的な移送が要求される分野で用いられている。このような分野として、例えば連続的に化学反応処理を行なう化学工業分野、定量的な薬液注入が要求される水処理分野が挙げられる。
ケーシングの中で回転するインペラを有する渦巻きポンプに比べて、ダイヤフラムポンプは逆流が発生し難い構造である。そのため、ダイヤフラムポンプは自吸能力が高く、また吐出圧力が高い。このような特性から、ダイヤフラムポンプは粘度の高い液体や固形分濃度の高いスラリーを移送するのにも用いられる。
ダイヤフラムは樹脂製の膜であるため比較的破損しやすい。ダイヤフラムに孔が開いたり亀裂が入ったりすると、移送対象の流体が油圧室に入り込んでしまう。この状態のまま運転し続けると、ダイヤフラムポンプの内部構造が損傷する。特に、移送対象の流体が腐食性、摩耗性を有する場合には内部構造が損傷しやすい。
特許文献1には、ダイヤフラムが破損していることを検出する破損検出装置が開示されている。この破損検出装置はダイヤフラムが破損して初めてそれを検知できるものである。したがって、ダイヤフラムの破損を未然に防ぐことはできない。
特開2015−40517号公報
本発明は上記事情に鑑み、ダイヤフラムの破損の予兆を検知できるダイヤフラムポンプの運転方法および運転システムを提供することを目的とする。
また、ダイヤフラムの破損の原因を解消できるダイヤフラムポンプの運転方法および運転システムを提供することを目的とする。
第1発明のダイヤフラムポンプの運転方法は、スラリーを移送するダイヤフラムポンプの運転方法であって、前記ダイヤフラムポンプは、前記スラリーが吸引、送出される吸送室と、作動油が充填された油圧室と、前記吸送室と前記油圧室とを分離するダイヤフラムと、その往復動により前記油圧室内の油圧を昇降させ、前記ダイヤフラムを往復動させるピストンと、前記吸送室の吸込側に接続された吸込側逆止弁と、前記吸送室の吐出側に接続された吐出側逆止弁と、を備え、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断することを特徴とする。
第2発明のダイヤフラムポンプの運転方法は、第1発明において、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断した場合に、前記吸込側逆止弁を水洗することを特徴とする。
第3発明のダイヤフラムポンプの運転方法は、第2発明において、前記ダイヤフラムポンプの吸込側から洗浄水を流して、前記吸込側逆止弁を水洗することを特徴とする。
第4発明のダイヤフラムポンプの運転方法は、第1、第2または第3発明において、前記ダイヤフラムポンプは同期して動作する複数の単位ポンプを備え、前記複数の単位ポンプのそれぞれは、前記吸送室と、前記油圧室と、前記ダイヤフラムと、前記ピストンと、前記吸込側逆止弁と、前記吐出側逆止弁とを備え、前記複数の単位ポンプのいずれかにおいて、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断することを特徴とする。
第5発明のダイヤフラムポンプの運転方法は、第1発明において、前記ダイヤフラムの破損の予兆が現れる周期から水洗周期を定め、前記水洗周期ごとに前記吸込側逆止弁を水洗することを特徴とする。
第6発明のダイヤフラムポンプの運転方法は、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記ダイヤフラムポンプによりニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物を含む前記スラリーをオートクレーブに移送することを特徴とする。
第7発明のダイヤフラムポンプの運転システムは、スラリーを移送するダイヤフラムポンプと、制御装置と、を備え、前記ダイヤフラムポンプは、前記スラリーが吸引、送出される吸送室と、作動油が充填された油圧室と、前記吸送室と前記油圧室とを分離するダイヤフラムと、その往復動により前記油圧室内の油圧を昇降させ、前記ダイヤフラムを往復動させるピストンと、前記吸送室の吸込側に接続された吸込側逆止弁と、前記吸送室の吐出側に接続された吐出側逆止弁と、前記油圧室内の油圧を測定する油圧計と、を備え、前記制御装置は前記油圧計の測定値が入力されており、前記制御装置は、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆と判断することを特徴とする。
第8発明のダイヤフラムポンプの運転システムは、第7発明において、前記ダイヤフラムポンプの吸込側に接続され、洗浄水を供給する洗浄水配管と、前記洗浄水配管に設けられた自動開閉弁と、を備え、前記制御装置は、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断した場合に、前記自動開閉弁を開き、前記吸込側逆止弁を水洗することを特徴とする。
第9発明のダイヤフラムポンプの運転システムは、第7または第8発明において、前記ダイヤフラムポンプは同期して動作する複数の単位ポンプを備え、前記複数の単位ポンプのそれぞれは、前記吸送室と、前記油圧室と、前記ダイヤフラムと、前記ピストンと、前記吸込側逆止弁と、前記吐出側逆止弁と、前記油圧計とを備え、前記制御装置は、前記複数の単位ポンプのいずれかにおいて、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断することを特徴とする。
第10発明のダイヤフラムポンプの運転システムは、第7発明において、前記制御装置は、前記ダイヤフラムの破損の予兆が現れる周期から定められた水洗周期ごとに前記吸込側逆止弁を水洗する操作を行なうことを特徴とする。
第11発明のダイヤフラムポンプの運転システムは、第7、第8、第9または第10発明において、前記スラリーはニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物を含み、前記ダイヤフラムポンプの吐出側は配管を介してオートクレーブに接続されていることを特徴とする。
第1発明によれば、油圧室内の油圧波形に基づいてダイヤフラムの破損の予兆を検知できる。
第2発明によれば、吸込側逆止弁を水洗することでダイヤフラムの破損の原因を解消できる。
第3発明によれば、ダイヤフラムポンプの吸込側から洗浄水を流すだけであるので、吸込側逆止弁の水洗が容易である。
第4発明によれば、多連式のダイヤフラムポンプであってもダイヤフラムの破損の予兆を検知できる。
第5発明によれば、予め定められた水洗周期ごとに吸込側逆止弁を水洗することで、ダイヤフラムの破損を予防できる。
第6発明によれば、ダイヤフラムの破損の予兆を検知し、その原因を解消することで、ダイヤフラムポンプの故障を防止できる。その結果、ダイヤフラムポンプが用いられるプロセスの停止時間を短縮でき、また、ダイヤフラムポンプのメンテナンス費用を低減できる。
第7発明によれば、油圧室内の油圧波形に基づいてダイヤフラムの破損の予兆を検知できる。
第8発明によれば、吸込側逆止弁を水洗することでダイヤフラムの破損の原因を解消できる。
第9発明によれば、多連式のダイヤフラムポンプであってもダイヤフラムの破損の予兆を検知できる。
第10発明によれば、予め定められた水洗周期ごとに吸込側逆止弁を水洗することで、ダイヤフラムの破損を予防できる。
第11発明によれば、ダイヤフラムの破損の予兆を検知し、その原因を解消することで、ダイヤフラムポンプの故障を防止できる。その結果、ダイヤフラムポンプが用いられるプロセスの停止時間を短縮でき、また、ダイヤフラムポンプのメンテナンス費用を低減できる。
本発明の第1実施形態におけるダイヤフラムポンプの縦断面図である。 同ダイヤフラムポンプに用いられる逆止弁の縦断面図である。 ダイヤフラムポンプの動作を示す模式図である。(A)図はダイヤフラムが往動終端位置に達したときの模式図である。(B)図はダイヤフラムが復動初期位置に達したときの模式図である。(C)図はダイヤフラムが復動終端位置に達したときの模式図である。(D)図はダイヤフラムが往動初期位置に達したときの模式図である。 正常時の油圧室内の油圧波形を示すグラフである。 (A)図は異常時の油圧室内の油圧波形の一周期分を示すグラフである。(B)図は(A)図のグラフにおける領域Rを拡大したグラフである。 異常時の油圧室内の油圧波形を示すグラフである。 本発明の第1実施形態における運転システムの説明図である。 本発明の第2実施形態における運転システムの説明図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係るダイヤフラムポンプの運転方法は、固体粒子を含むスラリーを移送するダイヤフラムポンプであれば、ダイヤフラムポンプの用途は特に限定されず適用できる。以下では、硫酸ニッケルを製造するプロセスにおいて、ニッケル・コバルト混合硫化物を含むスラリーをオートクレーブに移送するのに用いられるダイヤフラムポンプを例に説明する。
(硫酸ニッケル製造プロセス)
硫酸ニッケルの原料としてニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物(MS:Mixed Sulfide)が用いられる。ニッケル・コバルト混合硫化物は低ニッケル品位のニッケル酸化鉱石を加圧酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leaching)し、加圧酸浸出液から鉄などの不純物を除去した後、ニッケルイオンおよびコバルトイオンを含む浸出液に硫化水素ガスを吹き込む湿式硫化反応などによって得られたものである。ニッケル・コバルト混合硫化物の主成分はNiS等の硫化物である。
レパルプ工程において、ニッケル・コバルト混合硫化物は水などによりレパルプされスラリーとなる。レパルプ工程では、固体粉末状のニッケル・コバルト混合硫化物をレパルプ槽に投入し、水とともに混合、撹拌してスラリーを製造する。
スラリーはオートクレーブに装入され加圧浸出に供される。図7に示すように、レパルプ工程で製造されたスラリーは始液槽101に一時的に貯留される。始液槽101は上流側配管102、ダイヤフラムポンプ1、および下流側配管103を介してオートクレーブ104に接続されている。ダイヤフラムポンプ1の吸込側は上流側配管102を介して始液槽101に接続されており、ダイヤフラムポンプ1の吐出側は下流側配管103を介してオートクレーブ104に接続されている。ダイヤフラムポンプ1の駆動により、始液槽101内のスラリーがオートクレーブ104に移送される。
加圧浸出工程では、オートクレーブ104によって混合硫化物に含まれるニッケルおよびコバルトが高圧空気により浸出される。例えば、オートクレーブ104に装入されるスラリーの固形分濃度は200〜300g/L、流量は50〜100L/分である。オートクレーブ104内の温度は150〜220℃、圧力はゲージ圧で1.7〜2.3MPaである。
オートクレーブ104からは硫酸ニッケルと硫酸コバルトとの混合水溶液である加圧浸出液が排出される。加圧浸出液は降圧、冷却された後に次工程に供給され、硫酸ニッケルの製造に用いられる。
(ダイヤフラムポンプ)
つぎに、ダイヤフラムポンプ1の構造を説明する。
なお、本実施形態のダイヤフラムポンプ1は作動油により駆動する油圧式ダイヤフラムポンプである。
図1に示すように、ダイヤフラムポンプ1はポンプ本体10を備えている。ポンプ本体10の前面(図1における左側)にはポンプカバー20が締結されている。ポンプ本体10とポンプカバー20との間には円板形のダイヤフラム30の外周縁部が締め込まれている。ダイヤフラム30は柔軟性を有する膜であり、ポリテトラフルオロエチレン、ゴムなどの樹脂で形成されている。
ポンプ本体10の内部には作動油が充填された油圧室11が形成されている。油圧室11はダイヤフラム作動室11aと、ピストン作動室11bと、ダイヤフラム作動室11aとピストン作動室11bとを接続する流路11cとからなる。ポンプカバー20の内部には移送対象の流体であるスラリーが吸引、送出される吸送室21が形成されている。油圧室11(ダイヤフラム作動室11a)と吸送室21とはダイヤフラム30で分離されている。
ダイヤフラム30はその中央部が一対のディスク31、32によって挟持されている。油圧室11側のディスク32にはガイドロッド33が接続されている。ガイドロッド33は軸孔34に通されており、ダイヤフラム30の表裏方向(図1における左右方向)に摺動可能となっている。
ガイドロッド33には圧縮バネ35が挿入されている。圧縮バネ35の一端はガイドロッド33の後端に形成されたフランジ36に支持されており、他端はポンプ本体10に形成されたショルダ37に支持されている。圧縮バネ35によりガイドロッド33はディスク31、32を油圧室11側に引き込む方向(図1における右方向)に付勢されている。これによりダイヤフラム30は油圧室11側に予負荷されている。
ポンプ本体10の内部にはピストン40が設けられている。ピストン40は円柱形のピストンヘッド41と、ピストンヘッド41に接続されたピストンロッド42とからなる。ピストンヘッド41はピストン作動室11bの側壁の一部を構成する円筒形のシリンダ部12に挿入されており、シリンダ部12の軸方向に沿って摺動可能となっている。ピストンヘッド41の側面とシリンダ部12の内壁とは液密にシールされている。
ピストン40は図示しない駆動部の駆動により往復動する。例えば、駆動部は電動モータと、電動モータの駆動により回転するクランクシャフトと、クランクシャフトに接続されたコネクティングロッドとからなる。コネクティングロッドはピストンロッド42に接続している。
ピストン40が往復動することにより油圧室11内の油圧が昇降する。より詳細には、ピストン40が往動(図1における左側に移動)すると、ピストンヘッド41が油圧室11の内部に向かって移動し、油圧室11内の油圧が上昇する。逆に、ピストン40が復動(図1における右側に移動)すると、ピストンヘッド41が油圧室11の外部に向かって移動し、油圧室11内の油圧が下降する。
油圧室11内の油圧が昇降することにより、ダイヤフラム30が往復動する。より詳細には、油圧室11内の油圧が上昇すると、ダイヤフラム30が往動(吸送室21側に移動)する。逆に、油圧室11内の油圧が下降すると、ダイヤフラム30が復動(油圧室11側に移動)する。このように、ピストン40の往復動によりダイヤフラム30が往復動する。
吸送室21の吸込側は吸込流路22を介して吸込側逆止弁2の二次側が接続されている。吸込側逆止弁2の一次側には吸引口を有する吸引口部材23が接続されている。吸込側逆止弁2は吸引口から吸送室21に向かう流体の流れを許容し、その逆の流れを防止する。
吸送室21の吐出側は吐出流路24を介して吐出側逆止弁3の一次側が接続されている。吐出側逆止弁3の二次側には吐出口を有する吐出口部材25が接続されている。吐出側逆止弁3は吸送室21から吐出口に向かう流体の流れを許容し、その逆の流れを防止する。
ダイヤフラム30が復動すると吸送室21の容積が増加し、吸引口から吸送室21に移送対象の流体が吸引される。このとき、吸込側逆止弁2が開いて流体の流れを許容する。一方、吐出側逆止弁3は閉じている。なお、ダイヤフラム30が復動し、移送対象の流体が吸送室21に吸引される工程を吸引工程と称する。
ダイヤフラム30が往動すると吸送室21の容積が減少し、吸送室21内の流体が吐出口から送出される。このとき、吐出側逆止弁3が開いて流体の流れを許容する。一方、吸込側逆止弁2は閉じている。なお、ダイヤフラム30が往動し、移送対象の流体が吸送室21から送出される工程を送出工程と称する。
このように、ダイヤフラム30が往復動することにより吸送室21の容積が増減し、これにより移送対象の流体が吸送室21に吸引され、送出される。その結果、移送対象の流体がダイヤフラムポンプ1の吸引口(一次側)から吐出口(二次側)に向かって移送される。
ポンプ本体10の内部には作動油を貯留する貯留室13が形成されている。貯留室13内の油圧は大気圧程度である。油圧室11と貯留室13とを接続する流路14には圧力制御弁15が設けられている。油圧室11内の油圧が圧力制御弁15の設定圧力より高くなると、圧力制御弁15が開き油圧室11内の余剰分の作動油が貯留室13に逃げる。これにより、油圧室11内に過大な油圧が発生することを抑制できる。
また、油圧室11と貯留室13とは図示しない別の流路で接続されており、その流路には図示しない補充弁が設けられている。油圧室11内の油圧が補充弁の設定圧力(大気圧程度)より低くなると、補充弁が開き貯留室13内の作動油が油圧室11に補充される。これにより、油圧室11内の作動油が漏れ損失により減少した場合に、不足分が補われる。
ポンプ本体10には油圧室11とポンプ本体10の外部とを接続する細孔16が形成されている。細孔16のポンプ本体10外部側の端部には油圧計17が設けられている。油圧計17により油圧室11内の油圧を測定できる。
(逆止弁)
つぎに、吸込側逆止弁2および吐出側逆止弁3の構造を説明する。
なお、吸込側逆止弁2と吐出側逆止弁3とは同一構造であるので、吸込側逆止弁2を代表して説明する。また、以下では吸込側逆止弁2を単に逆止弁2と称する。
図2に示すように、逆止弁2はケーシング50を備えている。ケーシング50は内部に流体が流れるように円筒形に形成されている。ケーシング50の内部には弁部60が設けられている。弁部60はケーシング50の半径方向に張り出した円盤形の弁体61と、弁体61に設けられた弁棒62とからなる。
ケーシング50の内部には弁棒62を摺動可能に支持する支持部材63が設けられている。支持部材63により弁部60はその中心軸がケーシング50の中心軸と一致するように支持されている。また、弁部60はケーシング50の中心軸に沿って摺動可能となっている。なお、支持部材63はケーシング50の内部における流体の流れを阻害しないように複数の孔を有している。
弁棒62には圧縮バネ64が挿入されている。圧縮バネ64の一端は支持部材63に支持されており、他端は弁棒62の後端部に設けられたフランジ部65に支持されている。圧縮バネ64により弁部60は一方向(図2における下方向)に付勢されている。
ケーシング50の内壁の一部は半径方向内側に張り出している。この張り出し部分が弁体61と当接する弁座51である。圧縮バネ64は弁体61が弁座51に当接するように弁部60を付勢している。弁体61が弁座51に当接することでケーシング50内の流路が閉じられる。
ケーシング50の中心軸に沿って弁体61および弁座51が配置されている。弁座51側(図2における下側)が逆止弁2の一次側である。弁体61側(図2における上側)が逆止弁2の二次側である。逆止弁2は一次側から二次側に向かう流体の流れを許容し、その逆の流れを防止する。
以上に説明した逆止弁2はコーンバルブと称されるタイプのものである。ダイヤフラムポンプ1の吸込側逆止弁2および吐出側逆止弁3としてはコーンバルブのほか、ボール状の弁体を有するボール型の逆止弁を用いてもよい。
(多連式ダイヤフラムポンプ)
ところで、ダイヤフラムポンプ1はその構造上、流速が一定ではなく、脈動が発生する。また、吸送室21の容積により一サイクル当たりに吐出される流体の量が制限される。しかも、ダイヤフラム30の往復動の周期は機械的な上限がある。そのため、ダイヤフラムポンプ1は多量の流体の移送には不向きである。
脈動を緩和し、多量の流体の移送を可能にするために、複数の単位ポンプを連接した多連式ダイヤフラムポンプが考案されている。ここで、単位ポンプとはそれ単独でポンプとしての機能を有する構成を意味する。具体的には、単位ポンプは図1で示した構成であり、吸送室21、油圧室11、ダイヤフラム30、ピストン40、吸込側逆止弁2、吐出側逆止弁3、およびその他の部材を備える。
多連式ダイヤフラムポンプを構成する複数の単位ポンプは同期して動作する。具体的には、各単位ポンプのピストン40を往復動させる駆動部が共通化している。駆動部を構成する複数のコネクティングロッドのそれぞれに各単位ポンプのピストンロッド42が接続されている。そして複数の単位ポンプはダイヤフラム30の往復動の位相が所定量ずつずれた状態で駆動される。例えば、3連式のダイヤフラムポンプの場合、3つの単位ポンプは位相が120度ずつずれた状態で駆動される。
図7に示すように、多連式ダイヤフラムポンプ1の場合、各単位ポンプの吸引口を並列に接続する吸込配管105が設けられる。また、各単位ポンプの吐出口を並列に接続する吐出配管106が設けられる。上流側配管102から供給された流体は吸込配管105で分岐され各単位ポンプに供給される。各単位ポンプから吐出された流体は吐出配管106で合流して下流側配管103に供給される。
なお、本実施形態の運転方法は、単位ポンプを1つのみ有する単式のダイヤフラムポンプにも適用できるし、複数の単位ポンプを有する多連式のダイヤフラムポンプにも適用できる。
(ダイヤフラムポンプの動作)
つぎに、ダイヤフラムポンプ1の動作とともに、油圧室11内の油圧波形を説明する。
図3にダイヤフラム30の位置と吸込側逆止弁2および吐出側逆止弁3の開閉状態とを模式的に示す。また、図4に油圧室11内の油圧波形のグラフを示す。なお、図4のグラフにおいて横軸は時間、縦軸は油圧室11内の油圧である。
図3(A)に示すように、ダイヤフラム30が往動の最終端に達した位置を往動終端位置と称する。このとき吸込側逆止弁2および吐出側逆止弁3の両方が閉じている。ダイヤフラム30が往動終端位置に達したときの油圧室11内の油圧は図4のグラフ中の点Aに相当する。
図3(B)に示すように、ダイヤフラム30が復動し始めた位置を復動初期位置と称する。このとき吸込側逆止弁2が閉状態から開状態に切り替わる。吐出側逆止弁3は閉じたままである。ダイヤフラム30が復動初期位置に達したときの油圧室11内の油圧は図4のグラフ中の点Bに相当する。点Aから点Bにかけて油圧室11内の油圧は短時間で下降する。点Aから点Bまでの工程を油圧下降工程と称する。
図3(C)に示すように、ダイヤフラム30が復動の最終端に達した位置を復動終端位置と称する。このとき吸込側逆止弁2が開状態から閉状態に切り替わる。吐出側逆止弁3は閉じたままである。ダイヤフラム30が復動終端位置に達したときの油圧室11内の油圧は図4のグラフ中の点Cに相当する。点Bから点Cにかけて油圧室11内の油圧は低いまま、徐々に下降する。点Bから点Cまでの工程が移送対象の流体が吸送室21に吸引される吸引工程である。
図3(D)に示すように、ダイヤフラム30が往動し始めた位置を往動初期位置と称する。このとき吐出側逆止弁3が閉状態から開状態に切り替わる。吸込側逆止弁2は閉じたままである。ダイヤフラム30が往動初期位置に達したときの油圧室11内の油圧は図4のグラフ中の点Dに相当する。点Cから点Dにかけて油圧室11内の油圧は短時間で上昇する。点Cから点Dまでの工程を油圧上昇工程と称する。
ダイヤフラム30は再び図3(A)に示す往動終端位置に達する。図4に示すように、点Dから次の点Aにかけて油圧室11内の油圧は高いまま、正弦波に近い緩やかな波形を描きながら徐々に上昇する。点Dから次の点Aまでの工程が移送対象の流体が吸送室21から送出される送出工程である。
(油圧波形)
本願発明者は油圧室11内の油圧波形を分析したところ、つぎの知見を得た。
正常時における油圧室11内の油圧は図4に示すような波形をとる。特に、油圧上昇工程(点C→点D)では油圧室11内の油圧はスムーズに上昇する。
図5(A)に示すように、油圧上昇工程(点C→点D)の初期において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合がある。図5(B)のグラフは図5(A)のグラフの領域Rを拡大したものである。図5(B)のグラフは図5(A)のグラフに比べて時間軸(横軸)のスケールを拡大している。図5(B)のグラフから分かるように、油圧の上昇にわずかな遅延期間DPが発生する。このとき、図5(A)に示すように、送出工程(点D→点A)における油圧の波形は、波の周期が短くなるなど、正常時に比べて乱れる。
図6のグラフは、遅延期間DPがさらに長くなった場合の油圧波形を示す。このとき、送出工程(点D→点A)における油圧波形は、正常時に比べてさらに乱れる。しかも、送出工程の初期において、油圧が異常に高くなるピーク油圧が発生する。
ピーク油圧が発生するとダイヤフラム30に想定よりも高い圧力負荷がかかる。そのため、ピーク油圧が継続して発生するとダイヤフラム30が破損する可能性がある。
本願発明者は油圧上昇の遅延期間DPおよびピーク油圧が発生する原因をつぎのように推測している。
スラリーをダイヤフラムポンプ1で移送する場合、ダイヤフラム30が復動終端位置に達して吸込側逆止弁2が開状態から閉状態に切り替わる際に、スラリーに含まれる固体粒子が吸込側逆止弁2の弁座51と弁体61との間に噛み込まれることがある。
この場合、吸込側逆止弁2は不完全に閉じられた状態となる。この状態のままダイヤフラム30が往動すると、吸送室21内の流体が吸込側逆止弁2の弁座51と弁体61との間の隙間を通って逆流する。これにより、油圧室11内の油圧が上昇せず、遅延期間DPが発生する。
弁座51と弁体61との間に噛み込まれた固体粒子が、逆流した流体により流されたり、弁座51と弁体61との間に働く圧力により細かく砕かれたりすると、吸込側逆止弁2が完全に閉じられる。それ以降は油圧室11内の油圧が上昇する。
正常時はダイヤフラム30が復動終端位置に達したときに吸込側逆止弁2が完全に閉じる。すなわち、ピストン40が復動側の下死点にあり運動エネルギーがほぼゼロのときに吸込側逆止弁2が閉じる。そのため、吸込側逆止弁2が閉じることによる油圧室11内の油圧の急激な上昇は発生しない。
これに対して、弁座51と弁体61との間に固体粒子が噛み込まれた場合、ダイヤフラム30が復動終端位置よりも往動したときに吸込側逆止弁2が完全に閉じる。すなわち、ピストン40が往動しており運動エネルギーが増加した段階で吸込側逆止弁2が閉じる。そのため、吸込側逆止弁2が閉じることにより油圧室11内の油圧が急激に上昇する。このように、吸込側逆止弁2に閉じ遅れが生じ、これが、送出工程において油圧の波形が乱れる原因となり、遅延期間DPが長い場合にはピーク油圧の原因となる。
以上の知見を踏まえて、本願発明者は、油圧室11内の油圧波形を分析し、油圧上昇工程において油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断することを見出した。
また、吸込側逆止弁2を水洗して、弁座51と弁体61との間に噛み噛み込まれた固体粒子を除去することで、ダイヤフラム30の破損の原因を解消することを見出した。
(運転システム)
つぎに、ダイヤフラムポンプ1の運転システム100を説明する。
図7に示すように、運転システム100は制御装置110を備えている。制御装置110はプロセスコンピュータや汎用コンピュータなどで構成されている。制御装置110とダイヤフラムポンプ1の油圧計17とは通信線で接続されている。制御装置110には油圧計17の測定値が入力されている。なお、ダイヤフラムポンプ1が多連式の場合には、ダイヤフラムポンプ1を構成する全ての単位ポンプに設けられた油圧計17の測定値が制御装置110に入力される。
制御装置110は入力された油圧計17の測定値に基づき、油圧波形を示すグラフを作成し、モニタ111に表示する機能を有する。作業員はモニタ111を見ることで、ダイヤフラムポンプ1の油圧室11内の油圧波形を確認できる。
また、運転システム100は洗浄水が貯留された洗浄水槽120を備えている。洗浄水槽120は洗浄水配管121を介して上流側配管102に接続されている。すなわち、洗浄水配管121はダイヤフラムポンプ1の吸込側に接続されている。洗浄水配管121を介して洗浄水をダイヤフラムポンプ1に供給できる。
洗浄水配管121および上流側配管102には、それぞれ自動開閉弁123、124が設けられている。自動開閉弁123を閉じて自動開閉弁124を開くことにより、始液槽101内のスラリーをダイヤフラムポンプ1に導くことができる。自動開閉弁123を開いて自動開閉弁124を閉じることにより、洗浄水槽120内の洗浄水をダイヤフラムポンプ1に導くことができる。
自動開閉弁123、124は操作装置125に通信線で接続されている。作業員が操作装置125を操作することで、自動開閉弁123、124を個別に開閉できる。
なお、モニタ111および操作装置125は、ダイヤフラムポンプ1から離れた遠隔地に設置してもよい。作業員がモニタ111を確認しながら操作装置125を操作できるよう構成することが好ましい。
(運転方法)
つぎに、ダイヤフラムポンプ1の運転方法を説明する。
通常運転時は自動開閉弁123を閉じて自動開閉弁124を開いた状態とする。ダイヤフラムポンプ1を駆動してスラリーをオートクレーブ104に移送する。この間、ダイヤフラムポンプ1の油圧室11内の油圧が油圧計17で測定される。油圧室11内の油圧波形を示すグラフがモニタ111に表示される。
作業員はモニタ111に表示されたグラフを確認する。図4に示すグラフのように、油圧上昇工程において油圧がスムーズに上昇している場合は正常と判断する。一方、図5または図6に示すグラフのように、油圧上昇工程において正常時に比べて油圧の上昇が一時的に遅れる場合、すなわち遅延期間DPが見られる場合に、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断する。
なお、ダイヤフラムポンプ1が多連式の場合には、ダイヤフラムポンプ1を構成する全ての単位ポンプのいずれかにおいて、油圧上昇工程における遅延期間DPが見られる場合に、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断する。
このように、油圧室11内の油圧波形に基づいてダイヤフラム30の破損の予兆を検知できる。すなわち、ダイヤフラム30が破損する前の予兆の段階でそれを検知できる。また、全ての単位ポンプの油圧を確認することで、多連式のダイヤフラムポンプ1であってもダイヤフラム30の破損の予兆を検知できる。
作業員はダイヤフラム30の破損の予兆があると判断した場合に、吸込側逆止弁2を水洗する。具体的にはつぎの手順で吸込側逆止弁2を水洗する。
まず、ダイヤフラムポンプ1の駆動を停止する。つぎに、自動開閉弁124を閉じて自動開閉弁123を開く。つぎにダイヤフラムポンプ1の駆動を開始する。これにより、ダイヤフラムポンプ1に洗浄水が流れる。ダイヤフラムポンプ1の吸込側から洗浄水を流すことで、吸込側逆止弁2が水洗される。
吸込側逆止弁2を水洗することで、弁座51と弁体61との間に噛み込まれた固体粒子を除去できる。これにより、ダイヤフラム30の破損の原因を解消できる。しかも、ダイヤフラムポンプ1の吸込側から洗浄水を流すだけであるので、吸込側逆止弁2の水洗が容易である。
なお、モニタ111に表示された油圧波形から、油圧上昇工程における遅延期間DPがなくなったことが確認できれば、吸込側逆止弁2に噛み込まれた固体粒子が除去されたと判断できる。油圧波形から水洗の完了を判断できるので、水洗時間を必要最小限にでき、スラリー移送の停止時間を短くできる。
吸込側逆止弁2を水洗した後は、再び通常運転に戻す。
まず、ダイヤフラムポンプ1の駆動を停止する。つぎに、自動開閉弁123を閉じて自動開閉弁124を開く。つぎにダイヤフラムポンプ1の駆動を開始する。これにより、ダイヤフラムポンプ1でスラリーをオートクレーブ104に移送する。
以上のように、ダイヤフラム30の破損の予兆を検知し、その原因を解消することで、ダイヤフラムポンプ1の故障を防止できる。その結果、ダイヤフラムポンプ1が用いられる硫酸ニッケル製造プロセスの停止時間を短縮できる。また、ダイヤフラム30の交換頻度を低減できるのでダイヤフラムポンプ1のメンテナンス費用を低減できる。
油圧室11内の油圧波形に基づいたダイヤフラム30の破損の予兆の検知を繰り返し行なうと、ダイヤフラム30の破損の予兆が一定の周期で現れることがある。この場合、ダイヤフラム30の破損の予兆が現れる周期から水洗周期を定め、水洗周期ごとに吸込側逆止弁2を水洗してもよい。ここで、水洗周期はダイヤフラム30の破損の予兆が現れる周期と同程度またはそれより短い周期に設定される。
予め定められた水洗周期ごとに吸込側逆止弁2を水洗することで、ダイヤフラム30の破損を予防できる。
〔第2実施形態〕
つぎに、本発明の第2実施形態に係るダイヤフラムポンプの運転システム200を説明する。
図8に示すように、本実施形態の運転システム200は第1実施形態の運転システム100において自動開閉弁123、124が制御装置110と通信線で接続されたものである。その余の構成は第1実施形態と同様であるので、同一部材に同一符号を付して説明を省略する。
第1実施形態ではダイヤフラム30の破損の予兆の判断を作業員が行なうが、本実施形態では制御装置110がこの判断を行なう。すなわち、制御装置110は、ダイヤフラムポンプ1の油圧計17から入力された測定値に基づいて、油圧上昇工程において油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断する。
なお、ダイヤフラムポンプ1が多連式の場合には、制御装置110は、ダイヤフラムポンプ1を構成する全ての単位ポンプのいずれかにおいて、油圧上昇工程において油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断する。
また、制御装置110は、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断した場合に、自動開閉弁124を閉じて自動開閉弁123を開き、吸込側逆止弁2を水洗する。吸込側逆止弁2を水洗することで、弁座51と弁体61との間に噛み込まれた固体粒子を除去できる。これにより、ダイヤフラム30の破損の原因を解消できる。
以上のように、ダイヤフラム30の破損の予兆の判断を制御装置110が行なうことで、作業員を介することなく吸込側逆止弁2の水洗作業を行なうことができる。
なお、ダイヤフラム30の破損の予兆が現れる周期から水洗周期を定め、制御装置110が水洗周期ごとに吸込側逆止弁2を水洗する操作を行なうよう構成してもよい。
つぎに、実施例を説明する。
(実施例1)
図7に示す設備を用いてスラリーの移送を行った。オートクレーブ104に装入されるスラリーの固形分濃度は200〜300g/L、流量は50〜100L/分である。オートクレーブ104内の温度は150〜220℃、圧力はゲージ圧で1.7〜2.3MPaである。
第1実施形態と同様の手順で、ダイヤフラム30の破損の予兆があると判断した場合に、吸込側逆止弁2の水洗を行った。約1年間の操業期間中にダイヤフラム30が破損して取り替えた回数は4回であった。
(比較例1)
実施例1と同様の条件でスラリーの移送を行った。ただし、ダイヤフラム30の破損の予兆の判断、および吸込側逆止弁2の水洗は行わなかった。約1年間の操業期間中にダイヤフラム30が破損して取り替えた回数は45回であった。
以上より、ダイヤフラム30の破損の予兆を検知し、そのタイミングで吸引側逆止弁2の水洗を行なうことにより、ダイヤフラム30の破損が抑制されることが確認された。
1 ダイヤフラムポンプ
10 ポンプ本体
11 油圧室
13 貯留室
17 油圧計
20 ポンプカバー
21 吸送室
30 ダイヤフラム
40 ピストン
2 吸込側逆止弁
3 吐出側逆止弁
50 ケーシング
51 弁座
60 弁部
61 弁体
100 運転システム
110 制御装置
111 モニタ
120 洗浄水槽
121 洗浄水配管
123 自動開閉弁
124 自動開閉弁
125 操作装置

Claims (11)

  1. スラリーを移送するダイヤフラムポンプの運転方法であって、
    前記ダイヤフラムポンプは、
    前記スラリーが吸引、送出される吸送室と、
    作動油が充填された油圧室と、
    前記吸送室と前記油圧室とを分離するダイヤフラムと、
    その往復動により前記油圧室内の油圧を昇降させ、前記ダイヤフラムを往復動させるピストンと、
    前記吸送室の吸込側に接続された吸込側逆止弁と、
    前記吸送室の吐出側に接続された吐出側逆止弁と、を備え、
    前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断する
    ことを特徴とするダイヤフラムポンプの運転方法。
  2. 前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断した場合に、前記吸込側逆止弁を水洗する
    ことを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムポンプの運転方法。
  3. 前記ダイヤフラムポンプの吸込側から洗浄水を流して、前記吸込側逆止弁を水洗する
    ことを特徴とする請求項2記載のダイヤフラムポンプの運転方法。
  4. 前記ダイヤフラムポンプは同期して動作する複数の単位ポンプを備え、
    前記複数の単位ポンプのそれぞれは、前記吸送室と、前記油圧室と、前記ダイヤフラムと、前記ピストンと、前記吸込側逆止弁と、前記吐出側逆止弁とを備え、
    前記複数の単位ポンプのいずれかにおいて、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断する
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のダイヤフラムポンプの運転方法。
  5. 前記ダイヤフラムの破損の予兆が現れる周期から水洗周期を定め、
    前記水洗周期ごとに前記吸込側逆止弁を水洗する
    ことを特徴とする請求項1記載のダイヤフラムポンプの運転方法。
  6. 前記ダイヤフラムポンプによりニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物を含む前記スラリーをオートクレーブに移送する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のダイヤフラムポンプの運転方法。
  7. スラリーを移送するダイヤフラムポンプと、
    制御装置と、を備え、
    前記ダイヤフラムポンプは、
    前記スラリーが吸引、送出される吸送室と、
    作動油が充填された油圧室と、
    前記吸送室と前記油圧室とを分離するダイヤフラムと、
    その往復動により前記油圧室内の油圧を昇降させ、前記ダイヤフラムを往復動させるピストンと、
    前記吸送室の吸込側に接続された吸込側逆止弁と、
    前記吸送室の吐出側に接続された吐出側逆止弁と、
    前記油圧室内の油圧を測定する油圧計と、を備え、
    前記制御装置は前記油圧計の測定値が入力されており、
    前記制御装置は、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆と判断する
    ことを特徴とするダイヤフラムポンプの運転システム。
  8. 前記ダイヤフラムポンプの吸込側に接続され、洗浄水を供給する洗浄水配管と、
    前記洗浄水配管に設けられた自動開閉弁と、を備え、
    前記制御装置は、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断した場合に、前記自動開閉弁を開き、前記吸込側逆止弁を水洗する
    ことを特徴とする請求項7記載のダイヤフラムポンプの運転システム。
  9. 前記ダイヤフラムポンプは同期して動作する複数の単位ポンプを備え、
    前記複数の単位ポンプのそれぞれは、前記吸送室と、前記油圧室と、前記ダイヤフラムと、前記ピストンと、前記吸込側逆止弁と、前記吐出側逆止弁と、前記油圧計とを備え、
    前記制御装置は、前記複数の単位ポンプのいずれかにおいて、前記油圧室内の油圧が上昇する工程において、油圧の上昇が一時的に遅れる場合に、前記ダイヤフラムの破損の予兆があると判断する
    ことを特徴とする請求項7または8記載のダイヤフラムポンプの運転システム。
  10. 前記制御装置は、前記ダイヤフラムの破損の予兆が現れる周期から定められた水洗周期ごとに前記吸込側逆止弁を水洗する操作を行なう
    ことを特徴とする請求項7記載のダイヤフラムポンプの運転システム。
  11. 前記スラリーはニッケルおよびコバルトを含む混合硫化物を含み、
    前記ダイヤフラムポンプの吐出側は配管を介してオートクレーブに接続されている
    ことを特徴とする請求項7、8、9または10記載のダイヤフラムポンプの運転システム。
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