以下、本発明を好適な一実施形態に沿って説明するが、本発明は以下に示す実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において変更を加えてもよいし、各実施形態の技術を可能な範囲で組み合わせてもよい。
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両用表示装置を示すブロック図である。図1に示す車両用表示装置は、車両に搭載され、TFT−LCD(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイの一例)を表示器8として備えたいわゆるグラフィックメータであって、表示器8への画像表示により車両搭乗員に対して各種情報を提供するものである。
表示器8は、カラー画像の表示が可能な表示手段である。図2は、図1に示した表示器8を含む車両用計器を示す正面図である。図2に示す車両用計器10は、車両のダッシュボードに設けられたインストルメントパネルに設置されており、車両の各種警報、走行速度、及び各種モード等を表示するものである。
図2に示す例において、車両用計器10は、2つの表示器8a,8bを運転席側に備えている。一方、車両用計器10は、表示器8の助手席側にウォーニング表示部11aとシフトポジションインジケータ11bとを備えている。これら表示部11aとインジケータ11bは、液晶ディスプレイにより構成されるものではなく、いわゆる文字盤12と文字盤12の背面に設けられたランプ(図示せず)により構成され、ランプの点灯によって警告内容やシフト位置を表示する。
再度、図1を参照する。上記のような表示器8を含む車両用表示装置は、表示器8に加えて、CPU(Central Processing Unit:第1画像制御手段、第2画像制御手段、中間画像制御手段)1と、I/O2,3と、CPU電源4と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)5と、グラフィックコントローラ6と、LCD(Liquid Crystal Display)電源7と、スイッチ9とを備えている。
CPU1は、I/O2を介して、車両側のイグニッションスイッチの状態を表す信号(IGN+)を入力すると共に、I/O3を介して車両状態信号を、CAN(Controller Area Network)を通信プロトコルとして用いたCAN通信部にて受信する。なお、車両状態信号とは、例えば車速や過給圧力値などの車両物理量を示す情報を含んだ信号である。
また、CPU1は、ラフィックコントローラ6に対して命令コードを送信する機能を有する。グラフィックコントローラ6は、この命令コードに従って描画処理を行うこととなる。
CPU電源4は、車両側のプラス側電源ライン(+B)から供給される直流電力を入力してCPU1の動作に必要な直流電圧(Vcc)を生成する。また、CPU電源4は、必要に応じてリセット信号を生成したり、CPU1から出力されるスリープ信号に従って電力供給を抑制するための動作を行ったりする。EEPROM5は、CPU1が実行するプログラムの内容、予め用意された固定データ、及び描画に必要な画像データ等を保持している。
グラフィックコントローラ6は、CPU1からの命令コードに従った描画処理を行うものであり、メモリ61を備えている。メモリ61は、描画に必要なデータを記憶したものであって、速度計、及び走行モード(例えばノーマルモード、エコモード、パワーモード)等の表示に必要となる画像データを記憶している。画像データは、例えばイグニッションスイッチのオン時にEEPROM5から読み込まれて、メモリ61に記憶される。
このようなグラフィックコントローラ6は、描画処理にあたり、RGB各画像データを出力すると共に、水平同期信号及び垂直同期信号を表示器8のXドライバ81及びYドライバ82に対して出力することでこれらを制御し、表示器8の本体部83に速度計、及び走行モード等の画像を表示させる。
LCD電源7は、車両側のプラス側電源ライン(+B)から供給される直流電力を入力して、表示器8の表示に必要とされる所定の直流電力を生成し、表示器8に供給するものである。
スイッチ9は、車両搭乗員から操作を受け付ける操作部であり、例えば単一の押しスイッチにより構成されている。本実施形態においては、このスイッチ9が1回押圧される毎に、走行モードが変更されるようになっている。なお、スイッチ9は単一の押しスイッチに限られるものではなく、車両搭乗員からの指示内容を入力することができるのであれば、回転スイッチや十字キースイッチであってもよいし、さらには音声認識部であってもよい。
ここで、本実施形態に係る車両用表示装置は、車両の走行モードが変更される場合に、以下の特徴的な画像表示を行うようになっている。以下、この点について説明する。
図3は、本実施形態に係るCPU1の機能ブロック図である。図3に示すように、CPU1は、第1画像制御部(第1画像制御手段)1aと、第2画像制御部(第2画像制御手段)1bとを備えている。
第1画像制御部1aは、表示器8の所定の表示領域全体に第1全体画像を表示させるものである。また、第2画像制御部1bは、第1画像制御部1aにより表示させられている第1全体画像から変化した第2全体画像を所定の表示領域全体に表示させるものである。
ここで、本実施形態において第1全体画像及び第2全体画像は、図2に示した表示器8のいずれか一方の表示器8a,8bに表示されるようになっているが、双方に表示されるように構成してもよい。以下、表示器8a,8bのいずれか一方のみを指定しない場合には単に表示器8と称するものとする。
また、表示器8の所定の表示領域とは以下をいう。図4は、所定の表示領域を示す正面図である。図4に示すように、所定の表示領域とは、表示器8の画面全体Maを示すものであってもよいし、表示器8の画面の一部Miであってもよい。従って、第1全体画像及び第2全体画像は、画面全体Maに表示されてもよいし、画面の一部Miに表示されてもよい。
さらに、本実施形態においては、走行モードが変更される場合の例を示すため、上記した第1全体画像は変更前の走行モードを示す画像であり、第2全体画像は、変更後の走行モードを示す画像である。なお、第2全体画像は、変化の途中段階の画像ではなく最終表示状態を示すものである。
図5は、走行モードの画像を示す正面図であり、(a)は第1全体画像を示し、(b)は第2全体画像を示す。図5(a)及び図5(b)に示すように、第1及び第2画像制御部1a,1bは、車両の複数の状態(走行モード)に応じた複数のモード画像(状態マーク、所定のマーク)NP,PP,EPを第1及び第2全体画像内に表示させる。
ここで、現在の走行モードがエコモードである場合、図5(a)に示すように、第1画像制御部1aは、走行モードがエコモードであることを示すべく、エコモード表示画像EPを画面中央に大きく配置した第1全体画像を表示させる。なお、第1全体画像において、他の走行モードを示すノーマルモード表示画像NPは例えば画面の右上隅に配置され、パワーモード表示画像PPは例えば画面の左上隅に配置されている。
そして、このような表示状態から車両搭乗員によってスイッチ9が1回押圧されると、走行モードがエコモードからノーマルモードに変化し、第2画像制御部1bは、図5(b)に示す第2全体画像を表示させる。
すなわち、図5(b)に示すように、第2画像制御部1bは、現在の走行モードがノーマルモードであることを示すべく、ノーマルモード表示画像NPを表示器8の画面中央(所定箇所)に大きく配置した最終表示状態としての第2全体画像を表示させる。なお、第2全体画像において、他の走行モードを示すパワーモード表示画像PPは例えば画面の右上隅に配置され、エコモード表示画像EPを例えば画面の左上隅に配置されている。
このように、第2画像制御部1bは、第1全体画像から複数のモード表示画像NP,PP,EPの配置が変化した第2全体画像を最終表示状態として表示させる。
ここで、本実施形態に係るCPU1は、図3に示すように、更に中間画像制御部(中間画像制御手段)1cを備えている。中間画像制御部1cは、第1全体画像と第2全体画像との間に、変化の中間段階を示す中間全体画像を1枚だけ所定の表示領域全体に表示させるものである。
図6は、図5(a)に示す第1全体画像と図5(b)に示す第2全体画像との間に介在する中間全体画像を示す正面図である。中間画像制御部1cは、特定の軌跡上に、ブラー画像(残像画像)BPを配置した中間全体画像を表示させる。
ここで、特定の軌跡とは、ノーマルモード表示画像NP(所定のマーク)が画面中央(所定箇所)に移動する際の軌跡R1である。より詳細に第1画像制御部1aは、ノーマルモード表示画像NPを画面右上隅に配置した第1全体画像を表示している。そして、第2画像制御部1bは、ノーマルモード表示画像NPを表示器8の画面中央(所定箇所)に配置した第2全体画像を表示する。このように、第1全体画像と第2全体画像とでは、ノーマルモード表示画像NPが画面右上隅から画面中央に移動するかのようになっている。特定の軌跡とは、このような移動の軌跡であり、上記のノーマルモード表示画像NPについては画面右上隅から画面中央への軌跡R1を示している。
なお、後述するが、ノーマルモード表示画像NPは画面右上隅から画面中央に向けて弧を描きながら移動するように表現されるため、特定の軌跡R1は、画面右上隅から画面中央に向けて回転移動するものとなる。
また、ブラー画像BPとは、ノーマルモード表示画像NP(所定のマーク)が軌跡方向(軌跡R1の方向)に引き伸ばされた画像である。図6に示すように、ブラー画像BPは、軌跡方向に引き伸ばされることによって残像感を有した画像となっている。すなわち、ブラー画像BPは、人間が速く動く物体等を視認したときに知覚する残像を画像として表現したものとなっている。
このように中間画像制御部1cが、特定の軌跡上に、ブラー画像BPを配置した中間全体画像を表示させるため、視認者は、介在される画像がたとえ1枚であっても、第1及び第2全体画像の間に、複数枚の画像が介在したときやアニメーション画像が介在したときと同様に滑らかな変化を知覚することとなる。
図7は、ブラー画像BPの一部を詳細に示す拡大図である。ノーマルモード表示画像NPは、「NORMAL」という文字画像から構成されている。そして、ブラー画像BPは、「N」の文字については、例えば図7に示すようになっている。
まず、上記したように、ブラー画像BPは、軌跡方向に引き伸ばされたものとなっている。加えて、このようなブラー画像BPは、図7の「N」の文字に示されるように、引き伸ばされた方向に濃淡が変化するグラデーション画像となっている。
詳細に説明すると、図7に示す例において「N」の文字は、軌跡方向に引き伸ばされた結果、7つの「N」の画像GP1〜GP7が重なり合ったものとなっている。このうち、7つの画像GP1〜GP7のうち、真ん中に位置する画像GP4が他の画像よりも濃い画像となっている。次いで、画像GP3,GP5、画像GP2,GP6、及び、画像GP1,GP7の順に濃い画像となっている。
なお、図7では「NORMAL」という文字画像で構成されるノーマルモード表示画像NPのうち、「N」の文字のみを図示して説明したが、他の文字である「ORMAL」についても同様である。さらに、図7に示す例では、7つの画像GP1〜GP7を例に説明したが、特に7つに限るものではない。加えて、最も濃い画像は、真ん中に位置する画像GP4に限らず、端に位置する画像GP1又は画像GP7であってもよい。
図8は、本実施形態に係る車両用表示装置による表示画像の遷移状態を示す正面図である。より詳細に説明すると、本実施形態に係る車両用表示装置は、図8に示す6つの全体画像AP1〜AP6を表示可能となっている。なお、図8に示す全体画像AP5は図5(a)に示した画像と同じであり、全体画像AP6は図6に示した画像と同じであり、全体画像AP1は図5(b)に示した画像と同じである。
本実施形態ではスイッチ9を操作する毎に走行モードが変更するようになっている。このため、全体画像AP5が表示されている状態から、スイッチ9が操作されると、全体画像AP6を経て、全体画像AP1が表示されることとなる。同様に、全体画像AP1が表示されている状態から、スイッチ9が操作されると、全体画像AP2を経て、全体画像AP3が表示され、全体画像AP3が表示されている状態から、スイッチ9が操作されると、全体画像AP4を経て、全体画像AP5が表示される。よって、全体画像AP5が第1全体画像である場合において全体画像AP1は第2全体画像に該当し、全体画像AP1が第1全体画像である場合において全体画像AP3は第2全体画像に該当し、全体画像AP3が第1全体画像である場合において全体画像AP5は第2全体画像に該当することとなる。
ここで、全体画像AP2,AP4は、上記した全体画像AP6と同様に、中間全体画像に相当するものであり、全体画像AP2では、パワーモード表示画像PPが軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPが、軌跡R1上に位置して表示されており、全体画像AP4では、エコモード表示画像EPが軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPが、軌跡R1上に位置して表示されている。
さらに、各中間全体画像AP2,AP4,AP6からも明らかなように、ブラー画像BPは、画面右上隅から画面中央に向かう軌跡上だけでなく、画面中央から画面左上隅に向かう軌跡R2上、及び、画面左上隅から画面右上隅に向かう軌跡R3上にも表示されている。これにより、本実施形態では3つの走行モードの変化を、3つのブラー画像BPを有した中間全体画像1枚だけを表示させることによって滑らかに表現している。
ここで、図5、及び図8に示すように、第1画像制御部1a及び第2画像制御部1bは、第1全体画像と第2全体画像とで位置が変化しない回転軌跡画像(静止画像)RP及び車両画像(静止画像)VPを表示させる。
回転軌跡画像RPは、軌跡方向に延在する画像であり、図5及び図8に示す例においては車両画像VPの周囲を覆うリング状の線画像である。第1画像制御部1a及び第2画像制御部1bは、このような回転軌跡画像RPを表示させることにより車両搭乗員に対して軌跡方向を感覚的に伝えるようにしている。
さらに、第1画像制御部1a及び第2画像制御部1bは、軌跡方向である回転方向の回転中心に車両画像VPを表示させる。このように、回転時において位置変化しない中心位置に静止画像を表示させて、第1全体画像から第2全体画像への変化時に軌跡方向を感覚的に伝えるようにしている。
加えて、図6及び図8の各中間全体画像AP2,AP4,AP6に示すように、中間画像制御部1cは、ブラー画像BPを静止画像である回転軌跡画像RP及び車両画像VP上に重ねて表示させる。これにより、中間全体画像においては、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無い回転軌跡画像RP及び車両画像VPとが重なって表示されることとなる。そして、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現するようにしている。
図9は、走行モードの画像AP1〜AP6と共に表示される画像を示す図である。上記したように、本実施形態において車両用表示装置は、2つの表示器8a,8bを備えている。このため、一方の表示器8に対して、図8に示した走行モードの画像を表示させ、他方に図9に示す画像を表示させることもできる。
図9に示すように、車両用表示装置は、他方の表示器8に、走行速度画像P1と、燃料計画像P2と、平均燃費画像P3と、オドメータ画像P4と、外気温計画像P5とを表示させる。詳細に車両用表示装置は、表示器8の上方左隅に外気温計画像P5を表示させ、上方右隅に燃料計画像P2を表示させる。また、車両用表示装置は、表示器8の下方左隅に平均燃費画像P3を表示させ、下方右隅にオドメータ画像Pを表示させる。さらに、車両用表示装置は、表示器8の画面中央に走行速度画像P1を表示させる。
加えて、車両用表示装置は、外気温計画像P5と燃料計画像P2との間に、走行モード画像(図9においてはエコモードである旨の画像)P6を表示させる。この走行モード画像P6の内容は、一方の表示器8に表示されている走行モードと対応している。よって、スイッチ9が操作されて走行モードが変更された場合には、図5〜図8に示すように画像制御が行われ、且つ、他方の表示器8についても、一方の表示器8と連動して走行モード画像P6の内容が変更されることとなる。
図10は、第1実施形態に係る車両用表示装置の処理を示すフローチャートである。まず、CPU1の第1画像制御部1aは、表示器8に第1全体画像を表示している。そして、図10に示すように、CPU1は、スイッチ9に対して操作があったかを判断する(S1)。
操作が無かったと判断した場合(S1:NO)、あったと判断されるまで、この処理が繰り返される。一方、操作があったと判断した場合(S1:YES)、中間画像制御部1cは、予め記憶される現在表示中の第1全体画像に応じた中間全体画像を表示させる(S2)。この中間全体画像は、第1全体画像と第2全体画像との変化の中間段階を示すものであり、上記したように特定の軌跡上に、ブラー画像BPが配置されたものとなっている。
その後、第2画像制御部1bは、最終表示状態となる第2全体画像を表示させる(S3)。そして、図10に示す処理は終了する。なお、図10に示す処理は車両用表示装置の電源がオフとなるまで繰り返し実行される。また、ステップS3にて表示された第2全体画像は、次回の図10に示す処理においては第1全体画像となることは言うまでもない。
このようにして、第1実施形態に係る車両用表示装置によれば、第1全体画像と第2全体画像との間に変化の中間段階を示す中間全体画像を1枚だけ表示させる。このため、第1全体画像と第2全体画像との間に変化を滑らかに表現するために、中間全体画像を1枚だけ記憶していればよく、記憶容量を削減することができる。また、中間全体画像は、モード画像NP,PP,EPが画面中央に移動する際の軌跡R1上に、モード画像NP,PP,EPが軌跡R1方向に引き伸ばされたブラー画像BPを有している。このように、軌跡R1上にモード画像NP,PP,EPが引き伸ばされたブラー画像BPが表示されることにより、視認者は、例え1枚の画像であっても、あたかも複数の画像が介在したときやアニメーション動画が介在したときと同様に滑らかな変化を知覚することとなる。従って、画像間の変化を滑らかに表現すると共に、滑らかな表現にあたり使用する記憶容量を削減することができる。
また、ブラー画像BPは、引き伸ばされた方向に濃淡が変化するグラデーション画像であるため、濃淡の変化により一層残像感が増すこととなり、一層画像間の変化を滑らかに表現することができる。
また、車両搭乗員からの指示内容が入力されることにより、第1全体画像から変化した第2全体画像を表示させるため、車両搭乗員のスイッチ操作や音声入力等によって画像を変化させることとなり、車両搭乗員の意思に応じた画像の変化を滑らかに表現することができる。
また、車両の複数の状態に応じた複数のモード画像NP,PP,EPを各全体画像内に表示させ、第1全体画像から複数のモード画像NP,PP,EPの配置が変化した第2全体画像を表示させる。このため、車両の複数の状態が表示されて、その配置から現在の車両の状態を示す場合に画像間の変化を滑らかに表現することができる。
また、第1全体画像と第2全体画像とで位置が変化しない回転軌跡画像RP及び車両画像VPを表示させ、中間全体画像では、ブラー画像BPを回転軌跡画像RP及び車両画像VP上に重ねて表示させる。このため、中間全体画像においては、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無い回転軌跡画像RP及び車両画像VPとが重なって表示されることとなり、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現することができる。
また、軌跡方向に延在する回転軌跡画像RPを静止画像として表示させるため、車両搭乗員に対して、軌跡方向を感覚的に伝えることができることができる。
また、軌跡方向は回転方向である場合において回転中心に車両画像VPを表示させるため、回転時において位置変化しない中心位置に車両画像VPを表示させて、第1全体画像から第2全体画像への変化時に軌跡方向を感覚的に伝えることができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る車両用表示装置は、第1実施形態のものと同様であるが、一部内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
まず、第2実施形態に係る車両用表示装置は、オートマティック車においてマニュアル化した場合に車両停止(所定速度以下を含む)したときの自動ギアチェンジの際の画像変化を対象としている。すなわち、オートマティック車においてマニュアル化した場合、車両速度が所定速度以下となると、その後の車両発進に備えてギアが自動的に1速となる。よって、第2実施形態に係る車両用表示装置において、自動ギアチェンジ前を示す画像が第1全体画像に該当し、自動ギアチェンジ後の画像が第2全体画像に該当する。そして、車両用表示装置は、これら全体画像間に、中間全体画像を介在させる。
図11は、第2実施形態に係る車両用表示装置の画像を示す正面図であり、(a)は第1全体画像を示し、(b)は第2全体画像を示し、(c)は中間全体画像を示している。図11(a)及び図11(b)に示すように、第1及び第2画像制御部1a,1bは、走行モードがエコモードである旨を示すエコモード表示画像EPと、オドメータ画像P4とを第1及び第2全体画像内に表示させる。
さらに、自動ギアチェンジ前において、ギアが3速であったとすると、図11(a)に示すように、第1画像制御部1aは、現在のギアが3速であることを示すべく、3速画像3Pを画面中央に大きく配置した第1全体画像を表示させる。
そして、車両が減速していき、所定速度以下となると、第2画像制御部1bは、図11(b)に示す第2全体画像を表示させる。
すなわち、図11(b)に示すように、第2画像制御部1bは、現在のギアが1速であることを示すべく、1速画像(所定のマーク)1Pが画面中央(所定箇所)に大きく配置された第2全体画像を表示させる。
そして、中間画像制御部1cは、第1全体画像と第2全体画像との間に、図11(c)に示すような中間全体画像を介在させる。
ここで、図11(a)に示す第1全体画像において1速画像1Pは、仮想的に画面外の下側に位置しており、図11(b)に示す第2全体画像において3速画像3Pは、仮想的に画面外の上側に位置している。よって、図11(c)に示すように、第2実施形態において1速画像1Pに対するブラー画像BPは、画面外の下側から画面中央に至るまでの軌跡R4上に表示され、3速画像3Pに対するブラー画像BPは、画面中央から画面外の上側に至るまでの軌跡R5上に表示される。これにより、1速画像1Pは画面下側からスライドインするように表現され、3速画像3Pは、画面上側にスライドアウトするように表現される。
なお、第2実施形態においてブラー画像BPは第1実施形態と同様に軌跡方向に引き伸ばされたものであり、グラデーション画像となっている。また、図11に示すように、エコモード表示画像EPとオドメータ画像P4とは、第1全体画像と第2全体画像とで位置が変化しない静止画像となっており、中間画像制御部1cは、1速画像1Pのブラー画像BPをオドメータ画像P4と上に重ねて表示させている。よって、スライドイン時における残像感が一層強調されていることとなる。
このようして、第2実施形態に係る車両用表示装置によれば、第1実施形態と同様に、画像間の変化を滑らかに表現すると共に、滑らかな表現にあたり使用する記憶容量を削減することができる。また、濃淡の変化により一層残像感が増すこととなり、一層画像間の変化を滑らかに表現することができる。さらに、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無いオドメータ画像(静止画像)P4とが重なって表示されることとなり、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現することができる。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る車両用表示装置は、第1実施形態のものと同様であるが、一部内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
まず、第3実施形態に係る車両用表示装置は、表示器8にて警告灯を点灯させる際の画像変化を対象としている。すなわち、図2に示した例において警告灯は、表示器8に表示されるものではなく、文字盤12の背面に設けられたランプにより点灯させられるものとして説明したが、第3実施形態では警告灯を表示器8にて表示させるものとする。第3実施形態に係る車両用表示装置において、警告灯の点灯前を示す画像が第1全体画像に該当し、警告灯の点灯後の画像が第2全体画像に該当する。そして、車両用表示装置は、これら全体画像間に、中間全体画像を介在させる。
図12は、第3実施形態に係る車両用表示装置の画像を示す正面図であり、(a)は第1全体画像を示し、(b)は第2全体画像を示し、(c)は中間全体画像を示している。
まず、第1画像制御部1aは、警告灯の点灯前、すなわち警告の発生前において、図12(a)に示すような第1全体画像を表示させる。ここでは、未だ警告が発生してしないため、何ら表示する内容が存在しない暗画像が第1全体画像として表示される。
その後、例えばエンジンに異常が発生すると、第2画像制御部1bは、図12(b)に示すように、エンジン異常を示す警告灯画像WP(所定のマーク)を画面中央(所定箇所)に有した第2全体画像を表示させる。
そして、中間画像制御部1cは、第1全体画像と第2全体画像との間に、図12(c)に示すような中間全体画像を介在させる。
ここで、図12(a)に示す第1全体画像において警告灯画像WPは、例えば仮想的に画面向かって右側(図2に示す運転席側)に位置している。よって、図12(c)に示すように、第3実施形態において警告灯画像WPに対するブラー画像BPは、画面向かって右側から画面中央に至るまでの軌跡R6上に表示される。これにより、警告灯画像WPは画面右側からスライドインするように表現される。
なお、第3実施形態においてブラー画像BPは第1実施形態と同様に軌跡方向に引き伸ばされており、グラデーション画像となっている。また、図12に示す例においては、警告灯画像WPを1つだけ画面中央に表示させる例を示しているが、これに限らず、図9に示すように警告灯画像WP以外の他の画像も表示されるようになっていてもよい。このとき、他の画像に位置が変化しない静止画像が含まれている場合、中間画像制御部1cはブラー画像BPを静止画像上に重ねて表示するようになっていてもよい。
加えて、警告灯画像WPはエンジン異常を警告するものに限らず、油圧異常、電池異常、及びドア開放などの他の警告灯の画像であってもよい。さらに、画面内には、複数の警告灯の画像が表示可能となっていてもよい。
このようして、第3実施形態に係る車両用表示装置によれば、第1実施形態と同様に、画像間の変化を滑らかに表現すると共に、滑らかな表現にあたり使用する記憶容量を削減することができる。また、濃淡の変化により一層残像感が増すこととなり、一層画像間の変化を滑らかに表現することができる。さらに、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無いオドメータ画像(静止画像)P4とが重なって表示されることとなり、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現することができる。その結果、残像感が強調されることによって、警告が出たことをドライバーに認識させ易くすることができる。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態に係る車両用表示装置は、第1実施形態のものと同様であるが、一部内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
まず、第4実施形態に係る車両用表示装置は、表示器8にて表示されるヒーコン画像の変化を対象としている。ここで、ヒーコン画像の一例を説明する。図13は、ヒーコン画像の一例を示す図である。ヒーコン画像は、車両内における風量、温度、及び風向の設定に関する風量項目、温度項目、及び風向項目の画像31〜33を含むものであり、例えば向かって左側(助手席側)から風量項目の画像31、温度項目の画像32、及び風向項目の画像33が、順に並べて表示させられている。なお、ヒーコン画像の下部には、オドメータ画像P4及び平均燃費画像P3についても表示されている。
さらに、ヒーコン画像内には、現在選択中である選択項目を示す枠画像36についても表示されている。図13に示す例において枠画像36は温度項目の画像32上に位置している。このため、車両は設定温度に関して変更操作を受け付けている状態となっている。すなわち、この状態において所定の操作部に対して更なる操作が行われると、設定温度は現在よりも高く又は低くされることとなる。
第4実施形態に係る車両用表示装置は、このような枠画像36の位置変化を対象としており、枠画像36の移動前を示す画像が第1全体画像に該当し、枠画像36の移動後の画像が第2全体画像に該当する。そして、車両用表示装置は、これら全体画像間に、中間全体画像を介在させる。なお、以下の説明においては、図13に示したヒーコン画像を第1全体画像とする。
図14は、第3実施形態に係る車両用表示装置の画像を示す正面図であり、(a)は第2全体画像を示し、(b)は中間全体画像を示している。
まず、第1画像制御部1aは、図13に示すように、枠画像36の移動前のヒーコン画像を第1全体画像として表示させる。その後、例えば車両搭乗員が枠画像36を左側に移動させるよう、スイッチ9等を操作したとする。これにより、第2画像制御部1bは、図14(a)に示すように、枠画像(所定のマーク)36を風量項目の画像31上(所定箇所)に位置させた第2全体画像を表示させる。
そして、中間画像制御部1cは、第1全体画像と第2全体画像との間に、図14(b)に示すような中間全体画像を介在させる。
すなわち、中間画像制御部1cは、温度項目の画像32から風量項目の画像31に向かう軌跡R7上に、枠画像36が軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPを配置した中間全体画像を表示させる。
なお、第4実施形態においてブラー画像BPは第1実施形態と同様にグラデーション画像となっている。また、図14に示す例では、ブラー画像BPが静止する風量項目の画像31及び温度項目の画像31,32上に重なって表示されている。
このようして、第4実施形態に係る車両用表示装置によれば、第1実施形態と同様に、画像間の変化を滑らかに表現すると共に、滑らかな表現にあたり使用する記憶容量を削減することができる。また、濃淡の変化により一層残像感が増すこととなり、一層画像間の変化を滑らかに表現することができる。さらに、車両搭乗員の意思に応じた画像の変化を滑らかに表現することができる。加えて、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無いオドメータ画像(静止画像)P4とが重なって表示されることとなり、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現することができる。その結果、ドライバーに対して、操作をしたという感覚(クリック感)を強めることができる。
次に、本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態に係る車両用表示装置は、第1実施形態のものと同様であるが、一部内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
まず、第5実施形態に係る車両用表示装置は、第1実施形態と同様に、走行モードの変化を対象としている。よって、第5実施形態に係る車両用表示装置において、走行モードの変更前の画像が第1全体画像に該当し、走行モード変更後の画像が第2全体画像に該当する。車両用表示装置は、これら全体画像間に、中間全体画像を介在させる。
図15は、第5実施形態に係る車両用表示装置の画像を示す正面図であり、(a)は第1全体画像を示し、(b)は第2全体画像を示し、(c)は中間全体画像を示している。なお、図15に示す各画像において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付す。
まず、第1画像制御部1aは、図15(a)に示すように、現在の走行モードがエコモードである場合、エコモード表示画像(所定のマーク)EPを第1全体画像内に表示させる。このとき、第1画像制御部1aは、エコモード表示画像EPが画面中央に大きく配置された第1全体画像を表示させる。
なお、第1全体画像において、他の走行モードを示すノーマルモード表示画像NP及びパワーモード表示画像PPは表示されていない。第1全体画像において他の走行モードの画像NP,PPは仮想的に画面外に位置しており、ノーマルモード表示画像NPは仮想的に画面外右側に位置し、パワーモード表示画像PPは仮想的に画面外左側に位置している。
そして、このような表示状態から車両搭乗員によってスイッチ9が1回押圧されると、走行モードがエコモードからノーマルモードに変化し、第2画像制御部1bは、図15(b)に示す第2全体画像を表示させる。
すなわち、図15(b)に示すように、第2画像制御部1bは、現在の走行モードがノーマルモードであることを示すべく、ノーマルモード表示画像(所定のマーク)NPが表示器8の画面中央(所定箇所)に大きく配置された第2全体画像を表示させる。
なお、この第2全体画像においても、他の走行モードを示すパワーモード表示画像PP、及びエコモード表示画像EPは表示されておらず、パワーモード表示画像PPは仮想的に画面外右側に位置し、エコモード表示画像EPは仮想的に画面外左側に位置している。
そして、中間画像制御部1cは、第1全体画像と第2全体画像との間に、図15(c)に示すような中間全体画像を介在させる。
中間全体画像では、画面外右側から画面中央に向かう軌跡R8上に、ノーマルモード表示画像NPがこの軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPが配置されている。また、中間全体画像では、画像中央から画面外左側に向かう軌跡R9上に、エコモード表示画像EPがこの軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPが配置されている。
なお、図15(a)及び図15(b)に示すように、第1及び第2画像制御部1a,1bは、第1全体画像と第2全体画像とで位置が変化しない回転軌跡画像(静止画像)RP及び車両画像(静止画像)VPを表示させている。さらに、中間画像制御部1cは、図15(c)に示すように、回転軌跡画像RP及び車両画像VP上にブラー画像BPを重ねて表示している。また、第5実施形態においてブラー画像BPは第1実施形態と同様にグラデーション画像となっている。
このようして、第5実施形態に係る車両用表示装置によれば、第1実施形態と同様に、画像間の変化を滑らかに表現すると共に、滑らかな表現にあたり使用する記憶容量を削減することができる。また、濃淡の変化により一層残像感が増すこととなり、一層画像間の変化を滑らかに表現することができる。さらに、車両搭乗員の意思に応じた画像の変化を滑らかに表現することができる。加えて、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無いオドメータ画像(静止画像)P4とが重なって表示されることとなり、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現することができる。
次に、本発明の第6実施形態を説明する。第6実施形態に係る車両用表示装置は、第1実施形態のものと同様であるが、一部内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点について説明する。
まず、第6実施形態に係る車両用表示装置は、車両電源オン時におけるオープニング画像の変化を対象としている。第6実施形態においてオープニング画像は、2枚の画像(前半画像と後半画像)と、この2枚の画像との間に介在する中間全体画像とからなっている。よって、オープニング画像の前半画像が第1全体画像に該当し、後半画像が第2全体画像に該当する。
図16は、第6実施形態に係る車両用表示装置の画像を示す正面図であり、(a)は第1全体画像を示し、(b)は第2全体画像を示し、(c)は中間全体画像を示している。
まず、第1画像制御部1aは、図16(a)に示すように、円形画像(所定のマーク)CPを画面中央に配置した第1全体画像を表示させる。なお、図16に示す例では円形画像CPを図示するが、円形画像CPに代えて、自動車メーカのロゴマークや車種名を示す文字等の画像であってもよい。
そして、第2画像制御部1bは、図16(b)に示す第2全体画像を表示させる。すなわち、図16(b)に示すように、第2画像制御部1bは、第1全体画像よりも円形画像CPが拡大した第2全体画像を表示させる。この第2全体画像において円形画像CPは、横長の画面において円上部が画面上端近傍に位置し円下部が画面下端近傍に位置するような拡大位置(所定箇所)BSに表示されている。ここで、図16(b)に示す円形画像CPは、図示しないが、円形画像CPの中央に表示される指針と目盛(文字板)の周囲を囲う装飾(リング)画像に相当する。円形画像CP拡大後に順次指針・目盛等が表示されていく。なお、第2全体画像において円形画像CPの中心位置は第1全体画像における円形画像CPの中心位置と一致しているものとする。
そして、中間画像制御部1cは、第1全体画像と第2全体画像との間に、図16(c)に示すような中間全体画像を介在させる。
すなわち、中間画像制御部1cは、画面中央から拡大位置BSへ向かう軌跡R10上に、円形画像CPが軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPを配置した中間全体画像を表示させる。
なお、図16に示す例において中間画像制御部1cは、円形画像CPが拡大位置BSへ向かう軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPを表示しているが、これに限らず、円形画像CPが縮小位置SS(図16(a)参照)へ向かう軌跡方向に引き伸ばされたブラー画像BPを表示するようになっていてもよい。加えて、第6実施形態においてブラー画像BPは、第1実施形態と同様にグラデーション画像となっていると共に、静止画像上に重なって表示されるようになっていてもよい。
このようして、第6実施形態に係る車両用表示装置によれば、第1実施形態と同様に、画像間の変化を滑らかに表現すると共に、滑らかな表現にあたり使用する記憶容量を削減することができる。また、濃淡の変化により一層残像感が増すこととなり、一層画像間の変化を滑らかに表現することができる。さらに、引き伸ばされたブラー画像BPと引き伸ばし等が無いオドメータ画像(静止画像)P4とが重なって表示されることとなり、この重なりによって一層残像感が強調されて画像間の変化をより一層滑らかに表現することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態の技術を可能な範囲で組み合わせてもよい。
例えば、本実施形態に係る車両用表示装置は車両用計器10の一部に表示器8を有しているが、表示器8は車両用計器10の一部として設けられる場合に限らず、例えば運転席と助手席との間に部分や、後部座席用などに設けられていてもよい。