JP2018196375A - 食酢及び該食酢を用いるトマト加熱加工品の風味劣化抑制方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与でき、かつ開封後にも常温保管可能である食酢、及び該食酢を用いるトマト加熱加工品の風味劣化抑制方法を提供する。【解決手段】柑橘類酢酸発酵液及びトマト酢酸発酵液を含有する食酢であって、酢酸とクエン酸の含有比が1:1〜8:1である、食酢。【選択図】なし

Description

本発明は、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与でき、かつ開封後にも常温保管可能である食酢、及び該食酢を用いるトマト加熱加工品の風味劣化抑制方法に関する。
トマトソース等のトマト加熱加工品は、加熱によって生トマトのフレッシュな風味が失われ、煮込み感のある香りを有するものが多い。そのため、生トマトのフレッシュな風味を維持する方法として、例えば、トマト原料を希釈した後に酢酸を添加する方法(特許文献1)、トマト原料に柑橘類を原料とする発酵酒を添加する方法(特許文献2)等が検討されている。
しかしながら、いずれの方法も生トマトのフレッシュな風味が際立つトマト加熱加工品を得るには効果が弱く、生トマトのフレッシュな風味を有するトマト加熱加工品を得るための技術にはさらなる検討の余地がある。
特開2000−60454号公報 特開2009−189266号公報
本発明の目的は、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与できる食酢、及び該食酢を用いるトマト加熱加工品の風味劣化抑制方法を提供することである。
本発明者らは、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与する方法を模索し、鋭意検討を重ねた。
その結果、柑橘類酢酸発酵液及びトマト酢酸発酵液を含有し、さらに酢酸とクエン酸の含有比を特定範囲とする食酢をトマト加熱加工品に添加することによりはじめて、生トマトのフレッシュな風味を有するトマト加熱加工品が得られることを見いだした。さらに意外にも、特定の酸度に調整することにより、常温保管時にも生トマトのフレッシュな風味を付与するという機能の劣化が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)柑橘類酢酸発酵液及びトマト酢酸発酵液を含有する食酢であって、
酢酸とクエン酸の含有比が1:1〜8:1である、
食酢、
(2)(1)の食酢の酸度が酢酸換算で4%以上8%以下である、
食酢、
(3)(1)又は(2)の食酢が加熱加工品用である、
食酢、
(4)(1)乃至(3)のいずれかの食酢を用いるトマト加熱加工品の風味改善方法であって、
トマト加熱加工品に対して(1)乃至(3)のいずれかの食酢を添加する、
トマト加熱加工品の風味改善方法、
である。
本発明によれば、生トマトのフレッシュな風味を有するトマト加熱加工品が得られ、複数の調味料の調合等の手間をとらず、香料等の添加物を使用せずに、トマト加熱加工品の品位向上を達成することができる。また、本発明の食酢の酸度を特定の範囲とすることにより、常温保管時にも生トマトのフレッシュな風味を付与するという機能の劣化が抑制された食酢を提供することができる。
トマトや柑橘類等の野菜及び果物を原料とする食酢は、それら原料に由来する特有の風味の劣化を抑制するために開封後の冷蔵保存が通例であったが、常温保管を可能とすることにより、使用者の作業性を向上することが可能となる。よって、食品工業及びレストランや小売業のセントラルキッチン等での加工・調理効率の向上にも貢献できる。
以下本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の特徴>
本発明の食酢は、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与でき、開封後に常温保管しても生トマトのフレッシュな風味を付与する機能が劣化が抑制された食酢であることに特徴を有する。
<食酢>
本発明の食酢は、トマト酢酸発酵液と柑橘類酢酸発酵液を含有し、酢酸とクエン酸の含有量が後述する含有比を満たすものである。これにより、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与することが可能となる。
食酢としては、醸造酢、合成酢のいずれであってもよいが、トマト加熱加工品に添加した際に生トマトのフレッシュな風味がより良好に得られる醸造酢であるとよい。また、これらの食酢に醤油、砂糖等を加えて調味した加工酢も、本発明の食酢に含める。
<トマト酢酸発酵液>
トマト酢酸発酵液は、後述するトマト原料にアルコールを添加した後、酢酸菌により酢酸発酵を行う。
具体的には、トマトピューレ等、トマト原料の規定量を撹拌混合した後、酵素を用いて清澄処理を行い、ここにアルコールを添加して酢酸菌による通気発酵法にて所望の酸度まで酢酸発酵を行う。
トマト酢酸発酵液の酸度は特に限定されないが、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与する観点から、4%以上がよく、さらに4.5%以上であるのが好ましい。
<トマト原料>
本発明で用いるトマト原料としては、例えば、生果、あるいは生果をカットしたダイストマト、生果から搾汁したトマトジュース、トマトジュースを濃縮して得られるトマトピューレ、トマトペースト、トマトエキス等が挙げられるが、この限りではない。
これらのトマト原料は1種のみで使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<トマト原料の使用量>
本発明において、トマト原料の使用量は特に限定されないが、トマトのフレッシュな風味を有する食酢を得やすい観点から、トマト酢酸発酵液1Lに対して生果換算で300g以上、さらに400g以上であるのが好ましい。
<柑橘類酢酸発酵液>
柑橘類酢酸発酵液は、後述する柑橘原料にアルコールを添加した後、酢酸菌により酢酸発酵を行う。
具体的には、柑橘果汁等の柑橘類原料の規定量を撹拌混合した後、酵素を用いて清澄処理を行い、ここにアルコールを添加して酢酸菌による通気発酵法にて所望の酸度まで酢酸発酵を行う。
<柑橘原料>
本発明で用いる柑橘原料としては、生果から搾汁した柑橘果汁そのものの他、濃縮果汁、希釈果汁等用いることができる。
原料となる柑橘類の種類は特に限定されず、例えば、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、蜜柑、柚子、すだち、かぼす等、任意のものを用いることができる。本発明においては、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与する観点からレモンを使用するのがよい。
<柑橘原料の使用量>
本発明において、柑橘原料の使用量は特に限定されないが、トマトのフレッシュな風味を有する食酢を得やすい観点から、柑橘類酢酸発酵液1Lに対して生果換算で200g以上、さらに250g以上であるのが好ましい。
<酢酸とクエン酸の含有量>
本発明の食酢は、酢酸とクエン酸を特定割合で含有することが重要である。具体的には、酢酸とクエン酸を1:1〜8:1の比で含有し、さらに1:1 〜 5:1の比で含有すると好ましく、さらに、2:1〜4:1の比で含有するとより好ましい。
酢酸の割合が多すぎると、トマト加熱加工品に添加した際にツンと鼻をつくような刺激臭が強くなり、クエン酸が多すぎるとトマト加熱加工品に添加しても生トマトのフレッシュな風味自体が付与され難く、好ましくない。
<トマト酢酸発酵液と柑橘類酢酸発酵液の含有量>
本発明の食酢に含有されるトマト酢酸発酵液と柑橘類酢酸発酵液の量は特に限定されないが、トマトを加熱調理しても生トマトのフレッシュな風味を付与及び維持する観点から、両発酵液とも食酢全量の10%以上であるとよく、食酢全量の15%以上であると好ましく、さらに食酢全量の20%以上であるのより好ましい。
また、前記酢酸とクエン酸の含有比を満たす観点から、トマト含有酢酸発酵液と柑橘類酢酸発酵液の含有比は、2:1〜1:2であるのがよく、さらに1:1〜1:2であるとより好ましい。
<酢酸>
本発明における酢酸は、トマト酢酸発酵液及び柑橘類酢酸発酵液に由来するもの、およびこれら以外の原料に由来するものを含む。
<クエン酸>
クエン酸は、トマト酢酸発酵液及び柑橘類酢酸発酵液に由来するものの他、これら以外の原料を必要に応じて使用することができ、例えば果汁、クエン酸の精製粉末等が挙げられる。本発明においては、トマト加熱加工品に添加した際に生トマトのフレッシュな風味を付与する観点から、柑橘類酢酸発酵液に由来するクエン酸のみを用いるのがよい。
<食酢の酸度>
本発明の食酢の酸度は、加熱処理後でもフレッシュなトマト特有のフレッシュな風味を十分に付与できるように、酢酸換算で4%以上あるとよく、さらには5%以上であるとよく、さらに6%以上であるとよい。
酸度の上限については特に制限はないが、酸味が強くなり過ぎてトマト加熱加工品の食味が損なわれないようにする観点から9%以下であるとよく、さらに8%以下であるとより好ましい。
酸度は、トマト酢酸発酵液及び柑橘類酢酸発酵液の混合のみで上記範囲を満たす場合はそのままでよく、満たさない場合は、別途有機酸を添加して酸度を調整してもよい。
有機酸を添加する場合、使用する有機酸は特に限定されないが、生トマトのフレッシュな風味を損なわない観点から、酢酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、アスコルビン酸またはそれらの塩、柑橘果汁等の酸材から選ばれる1種以上であるとよく、さらに酢酸であると好ましい。
添加する有機酸は、有機酸単体でも良く、有機酸を含有する食品素材を用いてもよいが、食酢として好ましい食味を維持する観点から、有機酸を含有する食品素材を用いるのが好ましい。有機酸を含有する食品素材は、例えば果汁、合成酢、醸造酢があるが、合成酢または醸造酢を用いると酸度を調整しやすく、特に醸造酢を用いると、本発明の食酢の食味を損なうことなく酸度を調整しやすい。
また、酸度調整のために添加する有機酸及び有機酸を含有する食品素材は、できるだけ少量であるほうが本発明の食酢の風味の点から好ましい。有機酸を含有する食品素材を用いる場合には、果汁であれば濃縮されたもの、合成酢または醸造酢を用いる場合には高酸度のものを用いるのが好ましい。
<食酢のpH>
本発明の食酢のpHは、トマト加熱加工品に生トマトのフレッシュな風味を付与する観点から、2.3以上3.5以下がよく、さらに2.5以上3以下であると好ましい。
<トマト加熱加工品>
トマト加熱加工品は、食品工業において加熱殺菌を施して製されるもののほか、例えば、中食産業のセントラルキッチンやレストランの厨房で加熱調理される料理も含む。具体的には、ケチャップ、サルサソース、トマトソース、ピザソース、ミートソース、デミグラスソース、ラタトゥイユソース等のトマト含有調味料、トマトスープ、トマトリゾット、トマト果汁入りジュース等が挙げられる。
本発明の食酢は、上記のトマト加熱加工品のうち、加熱温度が高く加熱時間が長いトマト含有調味料やトマトスープ、トマトリゾット等に好適に用いることができる。
<トマト加熱加工品の製造方法>
トマト加熱加工品は、常法により製すればよい。例えば、トマトソースであれば、トマト、オリーブオイル、にんにく、玉ねぎ、食塩、胡椒等の原料をニーダー等を用いて均一になるまで混合した後、加熱して調製する。
本発明の食酢は、トマト加熱加工品の加熱処理前に添加してもよいし、トマト加熱加工品の加熱処理後、喫食前の段階で添加してもよいが、トマト加熱加工品の生トマトのフレッシュな風味を付与しやすくする観点から、トマト加熱加工品の加熱処理後、喫食前の段階で添加するのが好ましい。
<その他の原料>
本発明においては、本発明の必須原料であるトマト酢酸発酵液及び柑橘類酢酸発酵液の原料を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し、配合することができる。
具体的には、例えば、食塩、砂糖、醤油、香辛料、その他の調味料、各種アミノ酸、各種ペプチド、各種ビタミン、各種ミネラル、アスパルテーム、フェニルアラニンなどの甘味料、着色料、香料、保存料等が挙げられる。
以下、本発明について、試験例、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[製造例1]
<トマト酢酸発酵液の製造方法>
トマトピューレ(トマト4倍濃縮)855gに清水を加えて3420mLとし、清澄化処理としてペクチナーゼを0.03%加えて、50℃で2時間処理を行った、清澄化処理後の液にアルコール酢、アルコール、清水を加えて、酸度(酢酸換算)2.5%、アルコール3.0%、総量6000mLとなるように調整した。これに酢酸菌を添加して30℃で酢酸発酵を行い、発酵後の液をろ過、殺菌して、酸度(酢酸換算)5%、トマト含有量(生果換算)570g/Lのトマト酢酸発酵液を得た。
[製造例2]
<柑橘類酢酸発酵液の製造方法>
レモン濃縮果汁(レモン6倍濃縮)300gに清水を加えて1800mLとし、清澄化処理としてペクチナーゼを0.03%加えて、50℃で2時間処理を行った。清澄化処理後の液にアルコール酢、アルコール、清水を加えて、酸度(酢酸換算)2.5%、アルコール3.0%、総量6000mLとなるように調整した。これを酢酸菌に添加して、30℃で酢酸発酵を行い、発酵後の液をろ過、殺菌して、酸度(酢酸換算)5%、レモン含有量(生果換算)300g/Lの柑橘類酢酸発酵液を得た。
[実施例1]
<本発明の食酢の製造方法>
製造例1で得たトマト酢酸発酵液、製造例2で得た柑橘類酢酸発酵液、及びアルコール酢(酸度15%)を表1の配合に準じて混合し、本発明の食酢を得た。得られた食酢中、酢酸とクエン酸の含有比は2:1、酸度(酢酸換算)は6%、pHは2.7であった。
実施例2〜5、比較例1〜7についても、表1の配合に準じて実施例1と同様にして食酢を製した。
[試験例1]食酢を用いて製したトマト加熱加工品の官能評価
実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた食酢を用いて、下記の方法によりトマトソースを製し、専門のパネル5名が下記の評価基準によりトマトソースの評価を行った。
<トマトソースの製造方法>
すなわち、ホールトマト100重量部、オリーブオイルとペースト状のにんにくと共に加熱して得たあめ色玉ねぎ20重量部、ケチャップ10重量部、食塩0.3部、胡椒0.3部を添加して均一になるまで混合し、95℃で105重量部になるまで加熱した。ここに、実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた食酢を、トマトソース100部に対して酸度(酢酸換算)が0.15%となる量を投入し、さらに95℃で20分間加熱処理した後、冷却して、トマトソースを得た。
<評価基準>
A:生トマトのフレッシュな風味が際立つものである
B:生トマトのフレッシュな風味を有する
C:生トマトのフレッシュな風味が弱いまたは感じられない
Figure 2018196375
表1より、トマト酢酸発酵液及び柑橘類酢酸発酵液を含有し、酢酸とクエン酸の含有量が1:1〜8:1である食酢(実施例1〜5)は、トマトソースに添加した際に生トマトのフレッシュな風味を付与するものであり、特に酢酸とクエン酸の含有量が2:1〜4:1である食酢(実施例1、2、5)は、トマトソースに添加した際に生トマトのフレッシュな風味が際立つ好ましいものであった。
一方、酢酸とクエン酸の含有比が9:1である食酢(比較例1)及びアルコール酢のみ(比較例5)を添加したトマトソースは、ツンとした刺激臭が強くなり、トマトソースの風味として好ましくなかった。酢酸とクエン酸の含有比が1:2である食酢(比較例2)を添加したトマトソースは、生トマトのフレッシュな風味はほとんど感じられなかった。また、トマト酢酸発酵液のみ(比較例3)を添加したトマトソースは、生トマトのフレッシュな風味が弱く、柑橘類酢酸発酵液のみ(比較例4)及びレモン果汁のみ(比較例6)を添加したトマトソースは、生トマトのフレッシュな風味は全く感じられなかった。
トマト酢酸発酵液とレモン果汁の混合物(比較例7)を添加したトマトソースは、生トマトのフレッシュな風味が弱かった。
[試験例2]酸度によるトマトソースの風味比較
酢酸とクエン酸の含有比が3:1である本発明の食酢について、アルコール酢を添加して酸度を1%〜10%に調整し、それぞれをトマトソースに添加し、専門パネル5名が下記の評価基準でトマトソースの評価を行った。
<評価基準>
A:生トマトのフレッシュな風味が非常に際立つものである
B:生トマトのフレッシュな風味が際立つものである
C:生トマトのフレッシュな風味が付与されている
Figure 2018196375
表2より、トマトソースの酸度と、トマト加熱加工品において生トマトのフレッシュな風味が際立ちやすく、特に、酸度(酢酸換算)4%以上8%以下の場合に、生トマトのフレッシュな風味が非常に好ましいトマト加工品が得られることがわかる。
[試験例3]常温保存した食酢のトマトソースへの添加試験
実施例1、3、4で得られた食酢について、下記の条件で保存試験を行った後、保存試験後の食酢を添加したトマトソースを製し、専門のパネル5名がトマトソースの風味を評価した。
すなわち、実施例1、3、4で得られた食酢300mLをPETボトル容器に封入し、55℃で12日間保存した。保存後の各食酢を用い、試験例1の製法に準じてトマトソースを製し、専門パネル5人がトマトソースの風味を評価した。
試験例3において、実施例1、3、4の食酢は、常温保存後であっても、常温保存前の食酢を添加した際と同程度の生トマトのフレッシュな風味をトマトソースに付与できた。
特に、酢酸及びクエン酸と2:1〜4:1を満たす実施例1の食酢では、常温保管後も常温保管前と遜色のない生トマトのフレッシュな風味をトマトソースに付与することができた。
以上より、本発明の食酢は、常温保存してもトマト加熱加工品に対して生トマトのフレッシュな風味を付与する効果を有することが示された。
[実施例6]
実施例1の食酢2mLをトマト果汁100mLに添加し、均一に撹拌混合してトマトジュースとした。得られたトマトジュースは、生トマトのフレッシュな風味が非常に際立つものであった。
[実施例7]
実施例1の食酢を用い、加熱処理終了後に実施例1の食酢を添加する以外は試験例1に記載の方法と同様にして、トマトソースを製した。
得られたトマトソースは、加熱処理前に食酢を配合したトマトソースと比較して、生トマトのフレッシュな風味がより際立つ大変好ましいものであった。

Claims (4)

  1. 柑橘類酢酸発酵液及びトマト酢酸発酵液を含有する食酢であって、
    酢酸とクエン酸の含有比が1:1〜8:1である、
    食酢。
  2. 請求項1に記載の食酢の酸度が酢酸換算で4%以上8%以下である、
    食酢。
  3. 請求項1又は2に記載の食酢が加熱加工品用である、
    食酢。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の食酢を用いるトマト加熱加工品の風味改善方法であって、
    トマト加熱加工品に対して請求項1乃至3のいずれか一項に記載の食酢を添加する、
    トマト加熱加工品の風味改善方法。
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