JP2018196342A - 粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤、及びチアミンラウリル硫酸塩の溶解時間の短縮方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、実施形態に係るチアミンラウリル硫酸塩の溶解時間の短縮方法の処理手順の図である。実施形態に係るチアミンラウリル硫酸塩の溶解時間の短縮方法は、乾燥工程(S01)、粒度分布調整工程(S02)を含む。
実施形態に係る粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤は、含有する粉末状のチアミンラウリル硫酸塩が、目開き600μmの篩を全体の97重量%以上が通過し、及び目開き180μmの篩に全体の70重量%以上が残るものとして、粒度分布が調整されている。チアミンラウリル硫酸塩剤は、ビタミンB1補給の栄養強化剤として各種食品に使用することができる。また、チアミンラウリル硫酸塩は、優れた抗菌力を有することから、チアミンラウリル硫酸塩剤は、食品の日持ち向上剤にも使用することができる。
次に、チアミンラウリル硫酸塩剤を水に添加した際の溶解時間を確認するために行った溶解時間確認試験について説明する。
溶解時間確認試験1では、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤、及び比較例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、これらを水に添加した際の溶解時間を確認した。
溶解時間確認試験2では、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、これらを水に添加した際の溶解時間を確認した。実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤は、先に説明した他の実施形態に係るチアミンラウリル硫酸塩の溶解時間の短縮方法の処理手順(図2参照)に従って粒度分布調整したものである。ここで、図8は、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤の粒度分布の表を示し、図9は、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤の粒度分布の図を示す。実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤については、実施例1と同様の各篩、及び各篩を振動させる振動篩機を用い、粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、篩分けによる粒度分布測定を行った。なお、実施例2については、篩分けによる粒度分布測定を3回行って比率を算出し、3回の比率の平均を求めた。図8、図9に示すように、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤は、例えば、目開き250μmの篩を通過し、及び目開き212μmの篩に残る、粒径250μm〜212μmのチアミンラウリル硫酸塩剤が全体に占める割合(比率)が28.78%と最も高く、2番目に、粒径355μm〜250μmのチアミンラウリル硫酸塩剤の比率が21.23%と高くなっている。また、粒径600μmを上回るチアミンラウリル硫酸塩剤の比率は2.52%であり、粒径180μm以下のチアミンラウリル硫酸塩剤の比率は24.37%となっている。
溶解時間確認試験3では、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、粒度分布別に、水に添加した際の溶解時間を確認した。溶解時間確認試験3は、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、粒度分布別に、濃度が1.00重量%となるように、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤を計り取り、ウォーターバスに移し、予め加温しておいた50℃の温水を加えた。具体的には、1.0gの粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤を計り取り、100mlの温水を加えた。次に、ウォーターバス内で攪拌(約150rpm)しながら、ウォーターバス内の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤が全て溶解するまでの溶解時間を測定した。溶解時間の測定は、溶解時間確認試験1と同じであるので説明を割愛する。
溶解時間確認試験4では、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、粒度分布別に、水に添加した際の溶解時間を確認した。溶解時間確認試験4は、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、粒度分布別に、濃度が1.00重量%となるように、実施例2の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤を計り取り、ウォーターバスに移し、予め加温しておいた50℃の温水を加えた。具体的には、1.0gの粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤を計り取り、100mlの温水を加えた。次に、ウォーターバス内で攪拌(約150rpm)しながら、ウォーターバス内の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤が全て溶解するまでの溶解時間を測定した。溶解時間の測定は、溶解時間確認試験1と同じであるので説明を割愛する。
溶解時間確認試験3,4によって、粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤は、含有される粉末状のチアミンラウリル硫酸塩が、目開き180μmの篩を通過したものについて、溶解時間が長くなることが確認された。そこで、溶解時間確認試験5では、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、目開き180μmの篩を通過した粉末状のチアミンラウリル硫酸塩が全体に対してどの程度含まれることで、溶解時間が変化するために実施した。具体的には、溶解時間確認試験5は、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤について、目開き180μmの篩を通過する粉末状のチアミンラウリル硫酸塩の混合比率(混合比)が10%刻みで変化し、濃度が1.00重量%となるように、実施例1の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤を計り取り、ウォーターバスに移し、予め加温しておいた50℃の温水を加えた。目開き250μmの篩を通過し、及び目開き180μmの篩に残った粉末状のチアミンラウリル硫酸塩の混合比率(混合比)が90重量%、目開き180μmの篩を通過した粉末状のチアミンラウリル硫酸塩の混合比率(混合比)が10重量%の場合、目開き250μmの篩を通過し、及び目開き180μmの篩に残った粉末状のチアミンラウリル硫酸塩を0.9g計り取り、目開き180μmの篩を通過した粉末状のチアミンラウリル硫酸塩を0.1g計り取り、これらに100mlの温水を加えた。次に、ウォーターバス内で攪拌(約150rpm)しながら、ウォーターバス内の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤が全て溶解するまでの溶解時間を測定した。溶解時間の測定は、溶解時間確認試験1と同じであるので説明を割愛する。なお、目開き250μmの篩を通過し、及び目開き180μmの篩に残った粉末状のチアミンラウリル硫酸塩に、目開き180μmの篩を通過した粉末状のチアミンラウリル硫酸塩を混合する試験を溶解時間確認試験5−1とし、目開き424μmの篩を通過し、及び目開き250μmの篩に残った粉末状のチアミンラウリル硫酸塩に、目開き180μmの篩を通過した粉末状のチアミンラウリル硫酸塩を混合する試験を溶解時間確認試験5−2とし、目開き600μmの篩を通過し、及び目開き425μmの篩に残った粉末状のチアミンラウリル硫酸塩に、目開き180μmの篩を通過した粉末状のチアミンラウリル硫酸塩を混合する試験を溶解時間確認試験5−3とする。
実施形態、及び実施例に係る粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤は、粉末状のチアミンラウリル硫酸塩粒度分布を調整することで、チアミンラウリル硫酸塩の溶解時間を従来よりも短縮することができる。また、実施形態、及び実施例に係る粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤は、従来の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤と比較して所謂粉立ちが少ないことから、取り扱い性も優れている。
Claims (4)
- 含有する粉末状のチアミンラウリル硫酸塩が、目開き600μmの篩を全体の97重量%以上が通過し、及び目開き180μmの篩に全体の70重量%以上が残ることを特徴とする粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤。
- 濃度が1.0重量%となるように50℃の水に添加した場合の溶解時間が120秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤。
- 含有する粉末状のチアミンラウリル硫酸塩が、目開き425μmの篩を全体の93重量%以上が通過し、及び目開き180μmの篩に全体の70重量%以上が残ることを特徴とする粉末状のチアミンラウリル硫酸塩剤。
- チアミンラウリル硫酸塩を乾燥させる乾燥工程と、
乾燥後の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩の粒度分布を調整する粒度分布調整工程を含み、
粒度分布調整工程では、乾燥後の粉末状のチアミンラウリル硫酸塩が、目開き600μmの篩を全体の97重量%以上が通過し、及び目開き180μmの篩に全体の70重量%以上が残るものとして粒度分布が調整される、チアミンラウリル硫酸塩の溶解時間の短縮方法。
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