JP2018194318A - マイクロ水滴内イムノアッセイ - Google Patents

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Abstract

【課題】高感度かつ定量的測定が可能な液滴中の標的分子の濃縮方法を提供すること。【解決手段】液滴中の標的分子を濃縮するための方法は、基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程と、基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程と、第1の抗体を入れる工程と第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程とにより、第1の抗体、第2の抗体、及び標的分子を含有する液滴が形成されることと、基材内において液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程とを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、液滴中の標的分子を濃縮するための方法及びキットに関する。
近年、例えば単一細胞中の特定のタンパク質等の微量の生体分子を高収量に回収し、かつ高感度で測定できる微量の生体分子測定法が必要とされている。一つのアプローチとして、マイクロ水滴内に試料を閉じ込めて試料の拡散及び希釈を防ぎ、個々の水滴について該水滴中の試料を既存の生学分析法により測定する手法が多く開発されている。
例えば、非特許文献1には、マイクロ水滴内に抗原と蛍光標識抗体を加え、マイクロ水滴内に抗体を表面に被覆したマイクロ粒子を一つ入れ、マイクロ粒子表面へ濃縮した抗原と蛍光標識抗体との複合体を蛍光測定する手法が記載されている。本手法では、単一のマイクロ粒子を水滴内に入れる必要があるため、複数個の粒子が水滴内に入ることを防ぐために、粒子数に対して過剰量(約十倍)の水滴を生成しなければならない。このため、作製したマイクロ水滴のうちごく一部(10%程度)の水滴でしかイムノアッセイを行うことができず、試料のロスが多い。
非特許文献2には、マイクロ水滴内に抗原と抗体を表面に被覆した磁性粒子を入れ、磁気粒子をmagnetic tweezerで捕捉して洗浄したのち、 ELISA法にて測定する方法が記載されている。本手法では、水滴から磁性粒子を分離したのちに、磁性粒子表面に結合した抗原の濃度を測定する。そのため、測定結果と対応するサンプルの特定/回収ができない。
非特許文献3には、マイクロ水滴をゲル化させてイムノアッセイを行う方法が記載されている。本手法では、マイクロ水滴をゲル化するため、定量性がない。
非特許文献4では、本発明者らが、アビジンを結合させたナノ粒子と蛍光標識したビオチンとを用いて、マイクロ水滴内にナノ粒子に結合した蛍光標識ビオチンを維持しつつ、遊離型の蛍光標識ビオチンを自己乳化によりマイクロ水滴の外に追い出して、蛍光標識ビオチンから遊離型の蛍光標識ビオチンを分離し、かつ濃縮する方法について報告している。しかしながら、この手法ではアビジン−ビオチン結合を利用しているため特定のタンパク質しか測定できない。また、この手法では、界面活性剤Span80を含む有機相をマイクロ水滴の周囲に導入することにより、マイクロ水滴の界面にマイクロ水滴よりも小径のナノ水滴を形成することで遊離型の蛍光標識ビオチンをナノ水滴に移動させているが、タンパク質のような親水性高分子をナノ水滴へと追い出す方法は確立されていない。
Nature Protocols, 2013, 8(5): 870-891 Angew. Chem. Int. Ed. 2012, 51, 10765-10769 Lab Chip, 2013, 13, 4740-4744 Transducers 2015, 21-25
上記の従来技術のマイクロ水滴内での標的分子の測定方法では、試料のロスが多い、測定結果と試料の対応が取れないといった問題点があるが、これらの点を克服する方法が望まれている。
本発明の課題は、高感度かつ定量的測定が可能な、液滴中の標的分子の濃縮方法及びキットを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、標的分子に特異的に結合する抗体が結合されたナノ粒子及び界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を用いた逆ミセル抽出を用いることで、マイクロメートルサイズの油中水滴(マイクロ水滴)内で、特異的かつ高感度に微量の生体分子の定量を行えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の項に記載の主題を包含する。
項1.液滴中の標的分子を濃縮するための方法であって、
基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程と、
基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程と、
前記第1の抗体を入れる工程と前記第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程とにより、前記第1の抗体、前記第2の抗体、及び前記標的分子を含有する液滴が形成されることと、
前記基材内において前記液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程と
を含む方法。
項2.液滴中の標的分子を検出するための方法であって、
基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程と、
基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程と、
前記第1の抗体を入れる工程と前記第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程とにより、前記第1の抗体、前記第2の抗体、及び前記標的分子を含有する液滴が形成されることと、
前記基材内において前記液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程と
前記濃縮された液滴の蛍光強度を測定する工程と
を含む方法。
項3.前記標的分子が細胞、細菌、又はウイルス内の標的分子であり、前記液滴は標的分子を含有する細胞を含む項1又は2に記載の方法。
項4.前記基材が、各ウェルが幅1〜1000μm、高さ1〜1000μmである複数のウェルを備えたプレートである項1〜3のいずれかに記載の方法。
項5.前記プレートが、前記複数のウェルの下方又は上方に、前記複数のウェルの各々と連通する通路をさらに備えている項4に記載の方法。
項6.前記蛍光標識が、FITC(フルオレセインイソチオシアナート)、フルオレセイン、及びTMR(テトラメチルローダミン)からなる群から選択される少なくとも一つである項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7.液滴中の標的分子を検出するためのキットであって、
ナノ粒子が結合されると共に前記標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体と、
蛍光標識されると共に前記標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と、
前記第1の抗体及び前記第2の抗体を収容するための基材と、
界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相と、
を備えたキット。
項8.前記基材が、各々が幅1〜1000μm、高さ1〜1000μmである複数のウェルを備えたプレートである項7に記載のキット。
項9.前記蛍光標識が、FITC(フルオレセインイソチオシアナート)、フルオレセイン、及びTMR(テトラメチルローダミン)からなる群から選択される少なくとも一つである項7又は8に記載のキット。
本発明によれば、作製したすべての水滴において、標的分子が水滴内に閉じ込められたまま、一水滴内でイムノアッセイ測定を行うことができる。このため、試料のロスが少なく、特異的かつ高感度に微量の生体分子の定量を行うことができる。
また、本発明をさらにセルソーターと本発明を組み合わせることで、がん幹細胞等の希少な試料についても一つの細胞レベルでの測定が可能となる。
(A),(B)本発明の方法におけるマイクロ水滴の状態を示す模式図。 一実施形態のマイクロ流体デバイスを示す略斜視図。 図1の部分拡大断面図。 (A)経時的な蛍光強度の面積分の値の変化を示すグラフ、(B)抗原濃度に対する面積分の値の検量線のグラフ。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
本発明は、液滴中の標的分子を濃縮するための方法であって、基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程と、基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程と、第1の抗体を入れる工程及び第2の抗体を入れる工程により、基材内に第1の抗体、第2の抗体、及び標的分子を含有する液滴が形成されることと、基材内において液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程とを含む方法を包含する。
第1の工程は、基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程からなる。
基材としては、ウェルを有するプレート、チップ、スライド、ポリマー膜等が挙げられるがこれらに限定されない。基材の材料としてはガラス、合成樹脂、金属等が挙げられるがこれらに限定されない。ガラス及び透明な合成樹脂が、エッチング又は射出成形等により標的分子を含有する水溶液の試料又は液滴を収容するためのウェルの製造が容易であり、かつ蛍光標識により発せられた蛍光の観察が容易であるため好ましい。
標的分子は、抗体により特異的に結合される分子であり、好ましくはタンパク質又はペプチドである。本明細書において「抗体」とは、任意の抗体断片又は誘導体を含む意味で用いられ、Fab、Fab'2、CDR、ヒト化抗体、多機能抗体、単鎖抗体(ScFv)などの各種抗体を含む。また、本明細書において「タンパク質」とは、51個以上のアミノ酸が結合された分子を指し、「ペプチド」とは、2個以上50個以下のアミノ酸が結合して形成された分子を指す。タンパク質及びペプチドとしては疾患マーカー(例えば腫瘍マーカー)、シグナル伝達物質、ホルモン、サイトカイン等が挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、標的分子及び抗体として、細胞表面に存在するタンパク質であるHER2及びこれに特異的に結合する抗HER2抗体、細胞核に存在するエストロゲン受容体(ER)及びこれに特異的に結合する抗ER抗体等とすれば、測定結果を乳がんの指標として使用することができる。
ナノ粒子は直径ナノオーダーの粒子であり、平均粒径は特に限定されないが、50〜800nm程度のものを用いることができる。ナノ粒子を構成する材料は特に限定されるものではなく、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、及びポリ乳酸樹脂等の有機重合体樹脂、並びにシリカ等の無機材料等を挙げることができる。平均粒径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子顕微鏡写真を撮影し十分な数の粒子について断面積を計測し、その計測値を相当する円の面積としたときの直径を粒径として求めたものである。本願においては、20個の粒子の粒径の平均を平均粒径とする。
標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体は、標的分子の第1の部分と結合するように構成される。第1の抗体は、抗原エピトープとしての標的分子のアミノ酸配列の一部に基づき、周知の免疫学的手法により作製することができるし、標的分子に特異的な抗体が市販されている場合には、市販の抗体を使用してもよい。抗体はポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のいずれであってもよい。
ナノ粒子への第1の抗体の結合は、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、米国特許第4326008号及び米国特許第5326692等を参照されたい。
第2の工程は、基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程からなる。
蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体は、上記の標的分子の第1の部分とは異なる、標的分子の第2の部分と結合するように構成される。第2の抗体も、抗原エピトープとしての標的分子のアミノ酸配列の一部に基づき、周知の免疫学的手法により作製することができるし、標的分子に特異的な抗体が市販されている場合には、市販の抗体を使用してもよい。抗体はポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体のいずれであってもよい。抗体を蛍光物質で蛍光標識する方法は周知であり、また、市販の蛍光標識された抗体を使用してもよい。
蛍光標識に用いられる蛍光物質としては、特に限定されるものでなく、タンパク質又はペプチドの標識に通常用いられている蛍光物質から適宜選択して用いることができる。
蛍光物質としては、例えば、ローダミン系色素分子、スクアリリウム系色素分子、シアニン系色素分子、芳香環系色素分子、オキサジン系色素分子、カルボピロニン系色素分子、ピロメセン系色素分子、等の中から選択することができる。あるいはAlexa Fluor(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、BODIPY(登録商標、インビトロジェン社製)系色素分子、Cy(登録商標、GEヘルスケア社製)系色素分子、DY系色素分子(登録商標、DYOMICS社製)、HiLyte(登録商標、アナスペック社製)系色素分子、DyLight(登録商標、サーモサイエンティフィック社製)系色素分子、ATTO(登録商標、ATTO−TEC社製)系色素分子、MFP(登録商標、Mobitec社製)系色素分子等の中から1つ又は複数を選択することができる。このような色素分子の総称は、化合物中の主要な構造又は登録商標に基づき命名されており、それぞれに属する蛍光物質の範囲は当業者であれば過度の試行錯誤を要することなく適切に把握できる。
好ましい蛍光物質としては、例えばFITC(フルオレセインイソチオシアナート)、フルオレセイン、及びTMR(テトラメチルローダミン)からなる群から選択される少なくとも一つが挙げられるが、これらに限定されない。
水溶液は、溶媒としての水以外に、緩衝剤等の任意の物質を含有してもよい。例えば水溶液が緩衝液である場合、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸−クエン酸緩衝液、トリス緩衝液等が挙げられる。
蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを同じ一つの水溶液に溶解し、予め第2の抗体と標的分子とを結合させてから、かかる水溶液を基材に入れる。このようにすることで、標的分子と第2の抗体とが予め結合しているため、後の蛍光強度の測定時に、蛍光標識の蛍光強度と標的分子の量が対応し、より正確に標的分子を定量することができる。
標的分子(抗原)及び蛍光標識された第2の抗体の水溶液中の濃度は特に限定されないが、好ましくは標的分子の濃度が1pM〜100nM、蛍光標識された第2の抗体の濃度が標的分子濃度の1〜100倍、好ましくは数〜数十倍程度である。
なお、第1の工程と第2の工程は、第1の工程が第2の工程が先であってもよいし、後であってもよいし、同時であってもよい。第1の工程及び第2の工程により、第1の抗体、第2の抗体、及び標的分子は同一水溶液中に混合されて、基材内で液滴を形成する。
第3の工程は、基材内において液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程からなる。
本明細書において「液滴」(マイクロ水滴と称することもある)とは、界面を有する水溶液の滴を指す。本発明の方法では、一つの液滴毎の標的分子が検出される。液滴のサイズは通常、直径がマイクロオーダーであり、例えば1〜1000μm程度である。一つの液滴の形状は基材内の収容部の形状にもよるが、断面略円形状、断面略矩形状等であることができる。
有機溶媒に溶解される界面活性剤としては、イオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤が挙げられ、イオン性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩脂肪酸塩、脂肪酸塩、リン酸エステル塩、スルホコハク酸系活性剤、スルホサクシナメート系活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテル硫酸塩、モノグリセライド硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アシル化イセチオン酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミドベタイン系界面活性剤、アミドアミノ酸系界面活性剤、カルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤、アミドスルホベタイン系界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン系界面活性剤、ホスホベタイン系界面活性剤等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキサイド、脂肪酸多価アルコールエステル等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の例としては、モノオレイン酸ソルビタンが挙げられるが、これらに限定されない。
有機溶媒としては、ケロシン、ハロゲン化炭素、常温(20℃)で液体の炭化水素等が挙げられるが、これらに限定されない。常温(20℃)で液体の炭化水素としては、シクロヘキサン、デカン、ヘキサデカン等が挙げられる。
第1の抗体、第2の抗体、及び標的分子を含有する液滴の周囲を、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相で満たすと、該有機相中でかつ液滴の界面に複数の膨潤ミセル(ナノ液滴と称することもある)が生じる。膨潤ミセルのサイズは通常、直径がナノメートルオーダーであり、例えば1〜1000nm程度である。
ここで、図1に示すように、基材内の液滴1(又はマイクロ水滴)には、標的分子2と、ナノ粒子4が結合されると共に標的分子2に特異的に結合可能な第1の抗体5(まとめてナノ粒子が結合された第1抗体3)と、蛍光物質7により蛍光標識されると共に標的分子2に特異的に結合可能な第2の抗体8(まとめて蛍光標識された第2の抗体6)とが液滴1中に含まれており、一部の蛍光標識された第2の抗体6は標的分子2に結合し、一部の蛍光標識された第2の抗体6は遊離の状態である。
本発明の液滴中の標的分子を濃縮するための方法によれば、標的分子2と結合した蛍光標識された第2の抗体6は、標的分子2が結合しているナノ粒子4のサイズが大きいために液滴1内に留まり図1A)、標的分子2と結合していない、遊離すなわちフリーの蛍光標識された第2の抗体6は、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相9で液滴1の周囲を覆うことにより、サイズが小さいために膨潤ミセル10中に追い出される(図1B)。抗IgG抗体のような分子量の大きなタンパク質を含む物質である遊離すなわちフリーの蛍光標識された第2の抗体6を液滴1から追い出せることは驚くべき知見である。
このように、本発明の方法によれば、抗体、逆ミセル抽出、及びナノ粒子を用いて、本発明の方法によれば、作製したすべてのマイクロ水滴で、標的分子がマイクロ水滴内に存在する条件でイムノアッセイができる。そのため、試料のロスがないか有意に少ない。また測定結果と試料の対応を取ることができる。さらに、濃縮された形で標的分子の試料を調製することができるため、従来よりも高感度な検出が可能である。このため、細胞、細菌、又はウイルスをマイクロ水滴に入れて、これらの内部で代謝分泌される標的分子を測定することが可能である。例えば、がん幹細胞等の希少な試料についても、一つの細胞レベルで、該細胞内の標的分子の測定が可能になると考えられる。
本発明は、液滴中の標的分子を検出するための方法であって、上記の液滴中の標的分子を濃縮するための方法において、濃縮された液滴の蛍光強度を測定する工程をさらに含む方法を包含する。
液滴の蛍光強度は、蛍光顕微鏡等の市販の蛍光分析装置を用いることにより、液滴内に細胞が存在する場合はフローサイトメーターと市販の蛍光分析装置とを組み合わせることにより、測定することができる。
ここで、本発明の液滴中の標的分子を濃縮又は検出するための方法を実施するために使用される基材を備えたマイクロ流体デバイスの例を示す。図2に示すように、マイクロ流体デバイス11は、基材としての平板状のプレート12を備えている。プレート12には、液滴16を収容するための複数のウェル13が設けられている。
図3を参照すると、プレート12の複数のウェル13の下方には通路15が設けられ、各ウェル13の内部の収容空間14は通路15と連通している。ウェル13の幅W1は好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜1000μmであり、高さH1は好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜1000μmである。複数のウェル13の下方に設けられた通路15の高さH2は好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜1000μmである。なお、図3ではウェル13の下方に通路15が設けられているが、通路15はウェルの上方に設けられてもよい。
本発明の液滴中の標的分子を濃縮又は検出するための方法において、プレート12の複数のウェル13内の各々に、ナノ粒子、第2の抗体、及び標的分子を含有する液滴16が形成された後、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相18を収容する注射器17からチューブ19を介して有機相18をプレート12に送り、プレート内の通路15を満たすことにより、液滴16の周囲が有機相18で覆われ、液滴16中の標的分子が濃縮される。有機相18はチューブ19が接続されている通路15の端部とは反対側の端部に接続されたチューブ20を介して流出される。
本発明は、液滴中の標的分子を検出するためのキットであって、ナノ粒子されると共に標的分子と結合可能な第1の抗体と、蛍光標識されると共に標的分子と結合可能な第2の抗体と、第1の抗体及び第2の抗体を収容するための基材と、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相とを備えたキットを包含する。第1の抗体、第2の抗体、基材、及び有機相については、上記の本発明の液滴中の標的分子を濃縮するための方法に関して上述した通りである。
このような構成のキットを用いることにより、液滴中の標的分子を基材に入れて、液滴中で特異的かつ高感度に標的分子を測定することができる。測定は、定性的測定のみならず、定量的測定も行うことができる。
本発明の方法及びキットは、貴重な微量サンプル(薬剤候補)を用いたスクリーニング及び解析を行ったり、ライフサイエンス分野において不均一性の高い細胞群(例:がん組織)の一つ一つの細胞の個性を調べたり(例:ガン幹細胞が分泌する特徴的なタンパク質の有無等)、微生物群(例;腸内フローラ、土壌の難培養性微生物等)の解析を行う等の種々の用途に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1 無細胞系におけるタンパク質の定量
(1)マイクロデバイスの作製
1.鋳型作製
フォトレジスト(KMPR-1035)を用いて、シリコンウェハ上に幅3mm高さ20μmの流路と、幅100μm高さ15μmのウェルを作成するための鋳型を作製した。
2.デバイス作製
2-1.ポリジメチルシロキサン(PDMS)と硬化剤(商品名:Silpot 184)を7:1の比率で混合し、鋳型に流し込み、75℃で1時間加熱しPDMSを硬化させ、その後、鋳型からPDMSを剥離した。
2-2.スライドガラスにPDMSと硬化剤を7:1で混合したものを塗布し、75℃で1時間加熱しPDMSを硬化させた。
2-3.2-1と2-2のPDMS面をプラズマ処理し、接合した。これにより、幅3 mm 高さ15μm の直線流路の上面に、幅100μm、高さ15μm のマイクロウェルが216個あるマイクロ流体デバイスを作製した。
(2)試料調製
1.抗体付きナノ粒子の調製
アビジンで修飾した50nmのポリスチレン粒子(micromod社にて特注)に、ビオチン修飾した抗ウサギIgG抗体(ヤギ、ポリクローナル)を粒子表面とのアビジン量の4倍量混合した。粒子濃度が5mg/mLとなるようにリン酸バッファーを加え、1時間以上静置した。
2.抗原入り試料の調製
抗原としてウサギIgGを、蛍光標識として40μg/mLテトラメチルローダミン標識抗ウサギIgG抗体(ヤギ、ポリクローナル、以下TR-IgG)を用いた。抗原及び蛍光標識抗ウサギIgG抗体を溶解させる溶液として、Abcam社のCell Lysis buffer(ab152163)を用いた。溶液のpHはリン酸バッファーを用いてpH7.6とした。以下の表1の割合で成分を混合し、1時間以上室温で静置し、試料溶液を得た。
(3)有機相の調製
Span80 133mM、ビスエチルヘキシルホスフェート(BEHP、アニオン性のリン酸系界面活性剤)67mMのヘキサデカン溶液を調製した。
(4)実験操作
1.アセトンをデバイスに満たし、75℃で加熱し、水を入れた。
2.上記(2)の試料溶液をデバイスに入れた。
3.ヘキサデカンをデバイスに入れた。
4.上記(3)で調製した有機相をシリンジポンプを用いて0.2μL/minで流すことで、各マイクロウェルに一つずつマイクロ水滴を作成した。その後2μL/minで流した。
5.4でマイクロ水滴を30分間蛍光顕微観察し、マイクロ水滴1つの蛍光強度の面積分をImage Jにて計測した。
6.蛍光強度の面積分が時間変化しなくなったところで、その値を抗原濃度についてプロットし、検量線を得た(図4(A),(B))。
(結果)
マイクロ水滴周囲にSpan80とBEHPとを含む有機相を流すことで、自然乳化によりナノメートルサイズの水滴(ナノ水滴)がマイクロ水滴界面で生成し、マイクロ水滴が縮小した。 その際、TR-IgG は 97%がナノ水滴へと出て行くことが明らかとなった。界面活性剤として Span 80 又は BEHP のどちらか一方のみを入れた場合はTR-IgGはマイクロ水滴内 に留まり、濃縮されることがわかった(データ非図示)。BEHP による TR-IgG 表面の疎水化と、Span 80によるナノ水滴生成が、TR-IgG のナノ水滴への分配挙動に寄与していると考えられる。
1,16…液滴、2…標的分子、3…ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体、4…ナノ粒子、5…第1の抗体、6…蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体、8…第2の抗体、9…界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相、10…膨潤ミセル、12…基材としてのプレート、13…ウェル、14…通路。

Claims (9)

  1. 液滴中の標的分子を濃縮するための方法であって、
    基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程と、
    基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程と、
    前記第1の抗体を入れる工程と前記第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程とにより、前記第1の抗体、前記第2の抗体、及び前記標的分子を含有する液滴が形成されることと、
    前記基材内において前記液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程と
    を含む方法。
  2. 液滴中の標的分子を検出するための方法であって、
    基材に、ナノ粒子が結合されると共に標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体を入れる工程と、
    基材に、蛍光標識されると共に標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程と、
    前記第1の抗体を入れる工程と前記第2の抗体と標的分子とを含有する水溶液を入れる工程とにより、前記第1の抗体、前記第2の抗体、及び前記標的分子を含有する液滴が形成されることと、
    前記基材内において前記液滴の周囲に、界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相を入れ、液滴中の標的分子を濃縮する工程と
    前記濃縮された液滴の蛍光強度を測定する工程と
    を含む方法。
  3. 前記標的分子が細胞、細菌、又はウイルス内の標的分子であり、前記液滴は標的分子を含有する細胞を含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記基材が、各ウェルが幅1〜1000μm、高さ1〜1000μmである複数のウェルを備えたプレートである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記プレートが、前記複数のウェルの下方又は上方に、前記複数のウェルの各々と連通する通路をさらに備えている請求項4に記載の方法。
  6. 前記蛍光標識が、FITC(フルオレセインイソチオシアナート)、フルオレセイン、及びTMR(テトラメチルローダミン)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 液滴中の標的分子を検出するためのキットであって、
    ナノ粒子が結合されると共に前記標的分子に特異的に結合可能な第1の抗体と、
    蛍光標識されると共に前記標的分子に特異的に結合可能な第2の抗体と、
    前記第1の抗体及び前記第2の抗体を収容するための基材と、
    界面活性剤を溶解させた有機溶媒を含有する有機相と、
    を備えたキット。
  8. 前記基材が、各々が幅1〜1000μm、高さ1〜1000μmである複数のウェルを備えたプレートである請求項7に記載のキット。
  9. 前記蛍光標識が、FITC(フルオレセインイソチオシアナート)、フルオレセイン、及びTMR(テトラメチルローダミン)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項7又は8に記載のキット。
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