JP2018194260A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】いわゆるマルチタイプの空気調和装置(1)などの冷凍装置において、冷媒回路(10)の利用側で冷媒の偏流が生じるのを抑制する。
【解決手段】複数の室内ユニット(3)の冷却負荷に対する冷却能力の不足度合いを表す指標としてサーモオフ比率を求め、サーモオフ比率が所定値以下の室内ユニット(3)が存在すると、液冷媒の温度を低下させるように圧力調整弁(18)を制御して過冷却熱交換器(17)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整するコントローラ(30)を設ける。
【選択図】図2
【解決手段】複数の室内ユニット(3)の冷却負荷に対する冷却能力の不足度合いを表す指標としてサーモオフ比率を求め、サーモオフ比率が所定値以下の室内ユニット(3)が存在すると、液冷媒の温度を低下させるように圧力調整弁(18)を制御して過冷却熱交換器(17)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整するコントローラ(30)を設ける。
【選択図】図2
Description
本発明は、熱源側ユニットに複数の利用側ユニットが接続された、いわゆるマルチタイプの冷凍装置に関し、特に、冷媒回路の各利用側ユニットで冷媒の偏流が生じるのを抑制する技術に関するものである。
従来、この種の冷凍装置であるいわゆる室内マルチの空気調和装置(例えば、特許文献1参照)では、各室内ユニット(利用側ユニット)に高低差があることや、室外ユニット(熱源側ユニット)から各室内ユニットへの連絡配管の長さが均一でないことなどが原因で、冷房運転(利用側を冷却する運転)中に冷媒の偏流が生じるおそれがある。冷媒の偏流が生じると、冷媒が流れにくい室内ユニットでは冷えにくくなったり、冷媒が多く流れる室内ユニットではサーモオフ(空調運転休止)を頻繁に繰り返したりするなど、問題が生じることが考えられる。このことは、庫内を冷蔵、冷凍する冷凍装置についても同様である。
上記のようにマルチタイプの冷凍装置で偏流が生じる問題に対しては、例えば、偏流が生じている場合には、利用側熱交換器の過熱度の設定の見直しを実施して、利用側ユニットの目標低圧圧力を変更することにより冷媒循環量を増やすことで、偏流対策が行われることがあった。
しかしながら、上記の従来の技術では、各利用側ユニットにおいて偏流が生じているかどうかを見定めて、その上で偏流対策の制御を行う必要があるため、対策が煩雑になってしまう問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、マルチタイプの冷凍装置において、冷媒回路の利用側で冷媒の偏流が生じるのを容易に抑制できるようにすることである。
第1の発明は、熱源側ユニット(2)と該熱源側ユニット(2)に接続された複数の利用側ユニット(3)とを有する冷媒回路(10)を備え、利用側空間を少なくとも冷却する冷却運転を行う冷凍装置を前提としている。
そして、この冷凍装置は、上記冷媒回路(10)の凝縮器(13)と蒸発器(16)の間の高圧液管(23)に設けられる冷却器(17,18)と、各利用側ユニット(3)の冷却負荷に対する冷却能力の不足度合いを表す指標を求める指標測定部(34)、及び上記指標が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を低下させるように、上記冷却器(17,18)を制御して高圧液冷媒の過冷却度を調整する過冷却度制御部(35)を有する制御器(30)と、を備えている。
第2の発明は、第1の発明において、上記冷却器(17,18)は、上記冷媒回路(10)の凝縮器(13)と蒸発器(16)の間の高圧液管(23)に接続される高圧側流路(17a)と該高圧側流路(17a)の冷媒圧力よりも低圧の冷媒が流れる低圧側流路(17b)とを有し、高圧側流路(17a)の冷媒が低圧側流路(17b)の冷媒と熱交換して過冷却される過冷却熱交換器(17)と、上記低圧側流路(17b)への冷媒流入側に設けられた圧力調整機構(18)と、を有し、上記過冷却度制御部(35)は、上記指標が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を低下させるように、上記圧力調整機構(18)を制御して上記過冷却熱交換器(17)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整するように構成されていることを特徴とする。
第1,第2の発明では、複数の利用側ユニット(3)のうち、冷却負荷に対する冷却能力の不足度合いを表す指標が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を低下させるように上記圧力調整機構(18)などを有する冷却器(17,18)が制御されて、上記高圧液冷媒の過冷却度が調整される。このことにより、液冷媒は、過冷却度が大きくなって温度が低くなる。
第3の発明は、第1または第2の発明において、各利用側ユニット(3)の上記指標が、単位時間あたりに利用側ユニット(3)が休止をするサーモオフ動作になる時間の割合から求められるサーモオフ比率であり、上記過冷却度制御部(35)は、上記サーモオフ比率が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、上記冷却器(17,18)を制御して液冷媒の温度を低下させるように構成されていることを特徴とする。
第4の発明は、第1または第2の発明において、各利用側ユニット(3)の上記指標が、単位時間あたりに生じる利用側空間の温度と設定温度の温度差の平均値であり、上記過冷却度制御部(35)は、上記温度差の平均値が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、上記冷却器(17,18)を制御して液冷媒の温度を低下させるように構成されていることを特徴とする。
第5の発明は、第1または第2の発明において、各利用側ユニット(3)の上記指標が、該利用側ユニット(3)内の膨張機構(15)の単位時間あたりの平均開度であり、上記過冷却度制御部(35)は、上記膨張機構(15)の平均開度が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、上記冷却器(17,18)を制御して液冷媒の温度を低下させるように構成されていることを特徴とする。
上記第3,第4,第5の発明では、それぞれ、サーモオフ比率、単位時間あたりに生じる利用側空間の温度と設定温度の温度差の平均値、利用側ユニット(3)内の膨張機構(15)の単位時間あたりの平均開度を上記指標として、上記圧力調整機構(18)などを有する冷却器(17,18)が制御され、高圧液冷媒の過冷却度が調整される。
第6の発明は、第1から第5の発明の何れか1つにおいて、上記過冷却度制御部(35)は、上記指標が上記所定値以下の利用側ユニット(3)が存在するときの運転中に、すべての利用側ユニット(3)の上記指標が上記所定値よりも大きい第2所定値を超えると、上記液冷媒の温度を上昇させるように、上記冷却器(17,18)を制御して高圧液冷媒の過冷却度を調整することを特徴とする。
この第6の発明では、上記指標が上記所定値以下の利用側ユニット(3)が存在するときの運転中に、すべての利用側ユニット(3)の上記指標が上記所定値よりも大きい第2所定値を超えると、上記液冷媒の温度を上昇させるように、上記圧力調整機構(18)などを有する冷却器(17,18)が制御されて高圧液冷媒の過冷却度が調整される。
上記第1,第2の発明によれば、複数の利用側ユニット(3)のうち、冷却負荷に対する冷却能力の不足度合いを表す指標が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を低下させるように、上記圧力調整機構(18)などを有する冷却器(17,18)が制御されて、高圧液冷媒の過冷却度が調整される。このことにより、液冷媒の温度が低くなり、冷えていない利用側ユニット(3)の冷媒流量が少なくなるのを抑えられるので、冷媒回路(10)において、冷媒流量が少なくなる利用側ユニット(3)や冷媒流量が多くなる利用側ユニット(3)が生じる「偏流」を抑えることができる。このように、本発明によれば、高圧液冷媒の過冷却度を調整するだけで、冷媒回路(10)の利用側で冷媒の偏流が生じるのを抑制する構成を容易に実現することができる。
上記第3,第4,第5の発明によれば、それぞれ、サーモオフ比率、単位時間あたりに生じる利用側空間の温度と設定温度の温度差の平均値、利用側ユニット(3)内の膨張機構(15)の単位時間あたりの平均開度を上記指標として、上記圧力調整機構(18)などを有する冷却器(17,18)を制御して高圧液冷媒の過冷却度を調整することにより、冷媒回路(10)における冷媒の偏流を抑制する構成を容易に実現することができる。
上記第6の発明によれば、上記指標が上記所定値以下の利用側ユニット(3)が存在するときの運転中に、すべての利用側ユニット(3)の上記指標が上記所定値よりも大きい第2所定値を超えると、上記液冷媒の温度を上昇させるように上記圧力調整機構(18)などを有する冷却器(17,18)が制御されて高圧液冷媒の過冷却度が調整され、通常の運転に戻る。このように、通常の運転に戻るときは、過冷却度を大きくする運転を開始するときの所定値に対して、予め定められたディファレンシャル分だけ大きい第2所定値を基準として制御されるので、その後すぐに冷媒の偏流が生じてしまうことを抑制できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る冷凍装置の実施形態である空気調和装置(1)の概略構成図、図2は、この空気調和装置(1)の冷媒回路(10)を示す概略の配管系統図である。
図示するように、この空気調和装置(1)は、熱源側ユニットである室外ユニット(2)と、利用側ユニットである複数の室内ユニット(3)とが液側連絡配管(21)とガス側連絡配管(22)で接続されて構成された冷媒回路(10)を備えた、いわゆる室内マルチの空気調和装置(1)である。冷媒回路(10)は、充填された冷媒が循環して冷凍サイクルを行う閉回路である。この実施形態では、上記複数の室内ユニット(3)は、上記室外ユニット(2)に対して並列に接続されている。この空気調和装置(1)は、利用側空間である室内空間を冷却する冷房運転(冷却運転)と、室内空間を加熱する暖房運転(加熱運転)とを行う。
上記冷媒回路(10)は、圧縮機(11)と、四路切換弁(12)と、室外熱交換器(熱源側熱交換器)(13)と、室外膨張弁(室外膨張機構)(14)と、過冷却熱交換器(17)と、室内膨張弁(室内膨張機構)(15)と、室内熱交換器(利用側熱交換器)(16)とが順に冷媒配管で接続された回路である。圧縮機(11)と四路切換弁(12)と室外熱交換器(13)と室外膨張弁(14)は室外ユニット(2)に設けられ、室内膨張弁(15)と室内熱交換器(16)は各室内ユニット(3)に設けられている。
圧縮機(11)の吐出側は四路切換弁(12)の第1ポート(P1)に接続されている。四路切換弁(12)の第2ポート(P2)は室外熱交換器(13)のガス側端部に接続されている。室外熱交換器(13)の液側端部は室外膨張弁(14)に接続され、室外膨張弁(14)は過冷却熱交換器(17)が設けられた室外液管(23)を介して液側連絡配管(21)に接続されている。
上記過冷却熱交換器(17)は、冷房運転時に凝縮器になる上記室外熱交換器(13)と、同じく冷房運転時に蒸発器になる室内熱交換器(16)との間の室外液管(高圧液配管)(23)に接続される高圧側流路(17a)と、該高圧側流路(17a)の冷媒圧力よりも低圧の冷媒が流れる低圧側流路(17b)とを有している。過冷却熱交換器(17)は、高圧側流路(17a)を流れる冷媒が、低圧側流路(17b)を流れる冷媒と熱交換をして過冷却される熱交換器である。
低圧側流路(17b)は、室外液管(23)から分岐した分岐配管(26)に接続されている。分岐配管(26)は、過冷却熱交換器(17)の低圧側流路(17b)への冷媒流入側に圧力調整弁(圧力調整機構)(18)が設けられ、低圧側流路(17b)の冷媒流出側を上記圧縮機(11)の中間圧インジェクションポート(11a)に接続している。
この構成において、過冷却熱交換器(17)と圧力調整弁(18)により、高圧液冷媒の過冷却度を調整する冷却器(17,18)が構成されている。
液側連絡配管(21)は、各室内ユニット(3)に接続される分岐管(25)に分岐し、各分岐管(25)には室内膨張弁(15)と室内熱交換器(16)が接続されている。各分岐管(25)はガス側連絡配管(22)に接続され、ガス側連絡配管(22)は室外ユニット(2)の室外ガス管(24)を介して四路切換弁(12)の第3ポート(P3)に接続されている。また、四路切換弁(12)の第4ポート(P4)は、圧縮機(11)の吸入側に接続されている。
四路切換弁(12)は、第1ポート(P1)と第2ポート(P2)が連通して第3ポート(P3)と第4ポート(P4)が連通する第1位置(図2の実線の位置)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)が連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)が連通する第2位置(図2の破線の位置)とに切り換え可能に構成されている。
この空気調和装置(1)は、室内ユニット(3)と室外ユニット(2)を制御するためのコントローラ(30)として、各室内ユニット(3)に設けられた室内コントローラ(31)と、室外ユニット(2)に設けられたメインコントローラ(32)とを有している。
上記コントローラ(30)は、通信部(33)と、指標測定部(34)と、過冷却度制御部(35)とを備えている。具体的には、室内コントローラ(31)に、室内側通信部(33a)と指標測定部(34)とが設けられ、メインコントローラ(32)に、室外側通信部(33b)と過冷却度制御部(35)とが設けられている。
上記メインコントローラ(32)は、上記のように室外ユニット(2)に設ける代わりに、各室内ユニット(3)のうちの親機となる室内ユニット(3)に設けてもよいし、室内ユニット(3)や室外ユニット(2)の外部からすべてのユニット(2,3)を制御する中央監視機に設けてもよい。
上記通信部(33)を構成する室内側通信部(33a)と室外側通信部(33b)は、各室内ユニット(3)の状態(運転状態、停止状態、サーモオフ状態など)を各室内コントローラ(31)からメインコントローラ(32)に送信したり、メインコントローラ(32)で処理した信号をメインコントローラ(32)から各室内コントローラ(31)に送信したりする通信機能を有している。
上記室内コントローラ(31)の指標測定部(34)は、各室内ユニット(3)の冷却負荷(冷房負荷)に対する冷却能力の不足度合いを表す指標を求める機能を有している。ここで、本実施形態において、各室内ユニット(3)の上記の指標は、単位時間あたりに室内ユニット(3)が休止をするサーモオフ動作になる時間の割合(例えば、1時間(60分)のうち10分間サーモオフした場合のようなサーモオフの時間の割合)から求められるサーモオフ比率(上記の例では1/6)である。
上記メインコントローラ(32)の過冷却度制御部(35)は、上記指標であるサーモオフ比率が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在し、その状態が例えば連続で30分経過すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を例えば1℃低下(この温度は変更してもよい)させるように、上記圧力調整弁(18)を制御して、上記過冷却熱交換器(17)の高圧側流路(17a)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整する機能を有している。圧力調整弁(18)の制御の際は、開度を調整したときの液温変化の傾向に基づいて、開度を大きくするか小さくするかが決定される。なお、上記の経過時間は単なる一例であって適宜変更してもよいし、上記の状態が連続しなくてもよい。
また、上記過冷却度制御部(35)は、上記サーモオフ比率が上記所定値以下の利用側ユニット(3)が存在するときの運転中に、すべての利用側ユニット(3)のサーモオフ比率が上記所定値に対して予め設定されたディファレンシャル分だけ大きい第2所定値を超えると、上記液冷媒の温度を上昇させるように、上記圧力調整弁(18)を制御して上記過冷却熱交換器(17)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整する機能を有している。つまり、すべての利用側ユニット(3)のサーモオフ比率が上昇すると、液冷媒の温度を下げる制御が中止される。
−運転動作−
次に、この空気調和装置(1)の運転動作について説明する。この空気調和装置(1)は、冷房運転と暖房運転が可能である。ここでは、室内を冷却する冷房運転についてのみ説明し、暖房運転については省略する。
次に、この空気調和装置(1)の運転動作について説明する。この空気調和装置(1)は、冷房運転と暖房運転が可能である。ここでは、室内を冷却する冷房運転についてのみ説明し、暖房運転については省略する。
〈冷房運転〉
冷房運転時は、四路切換弁(12)を第1位置に切り換えて圧縮機(11)が起動される。このとき、室外膨張弁(14)が全開となり、室内膨張弁(15)の開度が調整される。この状態で圧縮機(11)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(13)で室外空気に放熱し、室外膨張弁(14)と過冷却熱交換器(17)を通った後、室内膨張弁(15)で減圧されて室内熱交換器(16)で室内空気から吸熱して蒸発する。このとき、室内空気が冷却され、室内が冷房される。室内熱交換器(16)から流出した低圧のガス冷媒は室外ユニット(2)に戻り、四路切換弁(12)を通過して圧縮機(11)に吸入される。過冷却熱交換器(17)では、高圧側流路(17a)の冷媒が低圧側流路(17b)の冷媒と熱交換して過冷却され、低圧側流路(17b)の冷媒は中間圧インジェクションポート(11a)から圧縮機(11)にインジェクションされる。冷房運転時は、以上の動作が繰り返して行われる。
冷房運転時は、四路切換弁(12)を第1位置に切り換えて圧縮機(11)が起動される。このとき、室外膨張弁(14)が全開となり、室内膨張弁(15)の開度が調整される。この状態で圧縮機(11)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(13)で室外空気に放熱し、室外膨張弁(14)と過冷却熱交換器(17)を通った後、室内膨張弁(15)で減圧されて室内熱交換器(16)で室内空気から吸熱して蒸発する。このとき、室内空気が冷却され、室内が冷房される。室内熱交換器(16)から流出した低圧のガス冷媒は室外ユニット(2)に戻り、四路切換弁(12)を通過して圧縮機(11)に吸入される。過冷却熱交換器(17)では、高圧側流路(17a)の冷媒が低圧側流路(17b)の冷媒と熱交換して過冷却され、低圧側流路(17b)の冷媒は中間圧インジェクションポート(11a)から圧縮機(11)にインジェクションされる。冷房運転時は、以上の動作が繰り返して行われる。
〈冷房運転時の偏流抑制動作〉
次に、本実施形態において冷房運転時に冷媒回路(10)の偏流を抑制する動作について説明する。
次に、本実施形態において冷房運転時に冷媒回路(10)の偏流を抑制する動作について説明する。
この空気調和装置(1)では、上記コントローラ(30)の通信部(33)(室内コントローラ(31)の室内側通信部(33a)とメインコントローラ(32)の室外側通信部(33b))により室外ユニット(2)と室内ユニット(3)において通信が行われている。室内コントローラ(31)では、指標測定部(34)により室内ユニット(3)の冷房負荷に対する能力の不足度合いを表す指標としてサーモオフ比率が求められる。サーモオフ比率は、冷却負荷によって変動し、冷えていない室内ユニット(3)では極端に小さくなる。
そして、過冷却度制御部(35)は、サーモオフ比率が所定値よりも小さい室内ユニット(3)が存在すると、過冷却熱交換器(17)の高圧側流路(17a)から流出する液冷媒の過冷却度を大きくする(液温を下げる)ように、圧力調整弁(18)の開度を調整する制御を行う。このことにより、サーモオフ比率が小さくて冷えていない室内ユニット(3)において、開度が大きくなっている室内膨張弁(15)を通過する冷媒流量を確保できるから、その室内ユニット(3)の冷媒流量が少なくなるのが抑えられる。また、冷えている室内ユニット(3)では室内膨張弁(15)の開度調整で冷媒流量が制御されているので、能力は変化しない。このように、冷えにくくなっている室内ユニット(3)の冷媒流量が増えるので、冷媒回路(10)における冷媒の偏流が抑制される。つまり、本実施形態では、サーモオフ比率の大中小の傾向を変更せずに、サーモオフ比率がゼロの室内ユニット(3)の存在をなくし、冷媒回路(10)における冷媒の偏流を抑制できる。
また、上記過冷却度制御部(35)は、上記サーモオフ比率が上記所定値以下の利用側ユニット(3)が存在するときの運転中に、すべての利用側ユニット(3)のサーモオフ比率が、上記所定値に対して予め設定されたディファレンシャル分だけ大きい第2所定値を超えると、上記液冷媒の温度を上昇させるように、上記圧力調整弁(18)を制御して上記過冷却熱交換器(17)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整する機能を有している。つまり、すべての利用側ユニット(3)のサーモオフ比率が上昇すると、液冷媒の温度を下げる制御が中止され、通常の運転に戻る。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記の指標であるサーモオフ比率が所定値よりも小さい室内ユニット(3)が存在すると、過冷却熱交換器(17)の高圧側流路(17a)から流出する液冷媒の過冷却度を大きくする(液温を下げる)ように、圧力調整弁(18)の開度を調整する制御を行うことにより、冷えていない室内ユニット(3)において、室内膨張弁(15)を通過する冷媒流量が少なくなるのを抑えられ、他の室内ユニット(3)では冷媒流量がほぼ変化しない。したがって、冷媒回路(10)において、冷媒流量が少なくなる室内ユニット(3)や冷媒流量が多くなる室内ユニット(3)が生じるのを抑えることができる。このように、本実施形態では、高圧液冷媒の過冷却度を調整するだけで、冷媒回路(10)における冷媒の偏流を抑制する構成を容易に実現することができる。
本実施形態によれば、上記の指標であるサーモオフ比率が所定値よりも小さい室内ユニット(3)が存在すると、過冷却熱交換器(17)の高圧側流路(17a)から流出する液冷媒の過冷却度を大きくする(液温を下げる)ように、圧力調整弁(18)の開度を調整する制御を行うことにより、冷えていない室内ユニット(3)において、室内膨張弁(15)を通過する冷媒流量が少なくなるのを抑えられ、他の室内ユニット(3)では冷媒流量がほぼ変化しない。したがって、冷媒回路(10)において、冷媒流量が少なくなる室内ユニット(3)や冷媒流量が多くなる室内ユニット(3)が生じるのを抑えることができる。このように、本実施形態では、高圧液冷媒の過冷却度を調整するだけで、冷媒回路(10)における冷媒の偏流を抑制する構成を容易に実現することができる。
−実施形態の変形例−
(変形例1)
上記実施形態では、各室内ユニット(3)の冷却負荷に対する能力の不足の度合いを表す指標としてサーモオフ比率を用いるようにしているが、他の指標を用いてもよい。例えば、各室内ユニット(3)の上記の指標は、単位時間あたりに生じる室内温度と設定温度の温度差の平均値であってもよい。この場合、上記過冷却度制御部(35)は、上記温度差の平均値が所定値以下の利用側ユニットが存在すると、上記圧力調整弁(18)を制御して液冷媒の温度を低下させる制御を行うように構成される。
(変形例1)
上記実施形態では、各室内ユニット(3)の冷却負荷に対する能力の不足の度合いを表す指標としてサーモオフ比率を用いるようにしているが、他の指標を用いてもよい。例えば、各室内ユニット(3)の上記の指標は、単位時間あたりに生じる室内温度と設定温度の温度差の平均値であってもよい。この場合、上記過冷却度制御部(35)は、上記温度差の平均値が所定値以下の利用側ユニットが存在すると、上記圧力調整弁(18)を制御して液冷媒の温度を低下させる制御を行うように構成される。
このように構成しても、上記実施形態と同様に、冷媒回路(10)における冷媒の偏流を抑制できる。また、冷媒回路(10)の冷媒の偏流を抑制できる空気調和装置(1)を、各室内ユニット(3)の上記の指標として単位時間あたりの室内温度と設定温度の温度差の平均値を用いて容易に実現できる。
(変形例2)
また、各室内ユニット(3)の上記の指標は、室内ユニット(3)内の室内膨張弁(15)の単位時間あたりの平均開度であってもよい。この場合、上記過冷却度制御部(35)は、上記室内膨張弁(15)の平均開度が所定値以下の室内ユニット(3)が存在すると、上記圧力調整弁(18)を調整して液冷媒の温度を低下させる制御を行うように構成される。
また、各室内ユニット(3)の上記の指標は、室内ユニット(3)内の室内膨張弁(15)の単位時間あたりの平均開度であってもよい。この場合、上記過冷却度制御部(35)は、上記室内膨張弁(15)の平均開度が所定値以下の室内ユニット(3)が存在すると、上記圧力調整弁(18)を調整して液冷媒の温度を低下させる制御を行うように構成される。
このように構成しても、上記実施形態と同様に、冷媒回路(10)における冷媒の偏流を抑制できる。また、冷媒回路(10)の冷媒の偏流を抑制できる空気調和装置(1)を、各室内ユニット(3)の上記の指標として単位時間あたりの室内ユニット(3)内の室内膨張弁(15)の平均開度を用いて容易に実現できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記実施形態では、冷房と暖房を行う空気調和装置に本発明を適用した例を説明したが、空気調和装置は本発明の適用対象の一例であり、本発明は、庫内の冷蔵や冷凍を行うマルチタイプの冷凍装置に適用することも可能である。本発明をマルチタイプの冷凍装置に適用することにより、冷蔵庫や冷凍庫を構成する複数の利用側ユニットが接続される冷媒回路において、冷却運転時に冷媒回路の利用側で冷媒の偏流が生じるのを抑制する構成を容易に実現することが可能になる。
また、各室内ユニット(3)の冷却負荷に対する能力の不足の度合いを表す指標は、サーモオフ比率、単位時間あたりの室内温度と設定温度の温度差の平均値、または単位時間あたりの室内ユニット(3)内の膨張機構の平均開度に限らず、他の値を用いてもよい。
また、上記実施形態では、上記指標の値に応じて室内ユニットをグループ化して制御をおこなうようにしてもよい。例えば、室内ユニット(3)が、サーモオフ比率の大きいグループ(室内が冷えていてよくサーモオフになるグループ:冷却負荷に対する能力の不足度合いは小さい)、中間のグループ、小さいグループ、ゼロのグループ(室内があまり冷えておらずサーモオフにならないグループ:冷却負荷に対する能力の不足度合いが大きい)のように、複数のグループに分け、サーモオフ比率の小さいグループが存在すると液温を低下させるように制御してもよい。この場合も、指標はサーモオフ比率に限定しなくてよい。
また、上記実施形態では、高圧液管(23)を流れる高圧液冷媒の過冷却度を調整する冷却器(17,18)として、過冷却熱交換器(17)と圧力調整弁(圧力調整機構)(18)とを用いているが、冷媒回路(10)とは別の、独立した冷却機能を有する冷却器(クーラ)を設けて高圧液冷媒の過冷却度を調整するようにしてもよい。要するに、冷却器は、高圧液冷媒の過冷却度を調整できる限りは構成を適宜変更してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、熱源側ユニットに複数の利用側ユニットが接続されたマルチタイプの空気調和装置などの冷凍装置において、冷媒回路の各利用側ユニットで冷媒の偏流が生じるのを抑制する技術について有用である。
1 空気調和装置(冷凍装置)
2 室外ユニット(熱源側ユニット)
3 室内ユニット(利用側ユニット)
10 冷媒回路
15 室内膨張弁(膨張機構)
16 室内熱交換器
17 過冷却熱交換器(冷却器)
17a 高圧側流路
17b 低圧側流路
18 圧力調整弁(圧力調整機構、冷却器)
23 室外液管(高圧液管)
26 分岐配管
30 コントローラ(制御器)
34 指標測定部
35 過冷却度制御部
2 室外ユニット(熱源側ユニット)
3 室内ユニット(利用側ユニット)
10 冷媒回路
15 室内膨張弁(膨張機構)
16 室内熱交換器
17 過冷却熱交換器(冷却器)
17a 高圧側流路
17b 低圧側流路
18 圧力調整弁(圧力調整機構、冷却器)
23 室外液管(高圧液管)
26 分岐配管
30 コントローラ(制御器)
34 指標測定部
35 過冷却度制御部
Claims (6)
- 熱源側ユニット(2)と該熱源側ユニット(2)に接続された複数の利用側ユニット(3)とを有する冷媒回路(10)を備え、利用側空間を少なくとも冷却する冷却運転を行う冷凍装置であって、
上記冷媒回路(10)の凝縮器(13)と蒸発器(16)の間の高圧液管(23)に設けられる冷却器(17,18)と、
各利用側ユニット(3)の冷却負荷に対する冷却能力の不足度合いを表す指標を求める指標測定部(34)と、上記指標が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を低下させるように、上記冷却器(17,18)を制御して高圧液冷媒の過冷却度を調整する過冷却度制御部(35)と、を有する制御器(30)と、
を備えていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記冷却器(17,18)は、
上記冷媒回路(10)の凝縮器(13)と蒸発器(16)の間の高圧液管(23)に接続される高圧側流路(17a)と該高圧側流路(17a)の冷媒圧力よりも低圧の冷媒が流れる低圧側流路(17b)とを有し、高圧側流路(17a)の冷媒が低圧側流路(17b)の冷媒と熱交換して過冷却される過冷却熱交換器(17)と、
上記低圧側流路(17b)への冷媒流入側に設けられた圧力調整機構(18)と、
を有し、
上記過冷却度制御部(35)は、上記指標が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、各利用側ユニット(3)の上記指標のすべてが上記所定値より大きいときよりも液冷媒の温度を低下させるように、上記圧力調整機構(18)を制御して上記過冷却熱交換器(17)から流出する高圧液冷媒の過冷却度を調整するように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1または2において、
各利用側ユニット(3)の上記指標は、単位時間あたりに利用側ユニット(3)が休止をするサーモオフ動作になる時間の割合から求められるサーモオフ比率であり、
上記過冷却度制御部(35)は、上記サーモオフ比率が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、上記冷却器(17,18)を制御して液冷媒の温度を低下させるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1または2において、
各利用側ユニット(3)の上記指標は、単位時間あたりに生じる利用側空間の温度と設定温度の温度差の平均値であり、
上記過冷却度制御部(35)は、上記温度差の平均値が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、上記冷却器(17,18)を制御して液冷媒の温度を低下させるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1または2において、
各利用側ユニット(3)の上記指標は、該利用側ユニット(3)内の膨張機構(15)の単位時間あたりの平均開度であり、
上記過冷却度制御部(35)は、上記膨張機構(15)の平均開度が所定値以下の利用側ユニット(3)が存在すると、上記冷却器(17,18)を制御して液冷媒の温度を低下させるように構成されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1から5の何れか1つにおいて、
上記過冷却度制御部(35)は、上記指標が上記所定値以下の利用側ユニット(3)が存在するときの運転中に、すべての利用側ユニット(3)の上記指標が上記所定値よりも大きい第2所定値を超えると、上記液冷媒の温度を上昇させるように、上記冷却器(17,18)を制御して高圧液冷媒の過冷却度を調整することを特徴とする冷凍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017099882A JP2018194260A (ja) | 2017-05-19 | 2017-05-19 | 冷凍装置 |
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JP2018194260A true JP2018194260A (ja) | 2018-12-06 |
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ID=64570149
Family Applications (1)
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JP2017099882A Pending JP2018194260A (ja) | 2017-05-19 | 2017-05-19 | 冷凍装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020201009A (ja) * | 2019-06-12 | 2020-12-17 | ダイキン工業株式会社 | 冷媒サイクルシステム |
CN113531783A (zh) * | 2021-07-21 | 2021-10-22 | 四川虹美智能科技有限公司 | 多联式空调系统的制冷防冻结控制方法及装置 |
-
2017
- 2017-05-19 JP JP2017099882A patent/JP2018194260A/ja active Pending
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JP2020201009A (ja) * | 2019-06-12 | 2020-12-17 | ダイキン工業株式会社 | 冷媒サイクルシステム |
WO2020250987A1 (ja) | 2019-06-12 | 2020-12-17 | ダイキン工業株式会社 | 冷媒サイクルシステム |
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