一例として示す防災ロッカー10Aおよび宅配ボックス11の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る防災ロッカーの詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、平常時における宅配ボックス11の利用の一例を説明する図であり、図3は、平常時における防災ロッカー10Aの利用の一例を説明する図である。図1では、縦方向を矢印Aで示し、横方向を矢印Bで示す。図1では、床置き型の防災ロッカー10A(宅配ボックス11)を図示しているが、建築物の内壁に嵌め込む嵌め込み型であってもよい。
防災ロッカー10Aは、集合住宅(マンション)(建築物)のエントランス(共用部分)やビル(オフィスビル)(建築物)のエントランスに施設された宅配ボックス11の側方に配置され、宅配ボックス11と一体になった状態で、集合住宅のエントランスやビルのエントランスに設置されている。なお、防災ロッカー10Aが宅配ボックス11の近傍に離間配置された状態で、防災ロッカー10Aが集合住宅のエントランスやビルのエントランスに設置されていてもよい。
防災ロッカー10Aは、宅配ボックス11の側方に位置して縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第14防災用品収納ボックス)と、宅配ボックス11およびそれら防災用品収納スペース12a〜12nの上方に位置して横方向へ並ぶ複数の第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13b(第1〜第2用具・器具収納ボックス)とを有する。なお、防災ロッカー10Aの防災用品収納スペース12a〜12nや用具・器具収容スペース13a,13bの数について特に制限はなく、任意の数の防災用品収納スペース(第1〜第n防災用品収納スペース)を設置することができるとともに、任意の数の用具・器具収納スペース(第1〜第n用具・器具収納スペース)を設置することができる。
第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nは、鋼材から作られた天板と底板と後板と両側板とに囲繞された所定容積の空間であり、各種の防災用品を収容可能な大きさを有する。それら防災用品収納スペース12a〜12nには、各種の防災用品14a〜14n収納されている。各防災用品収納スペース12a〜12nに一種類かつ1つの防災用品14a〜14nが収納されている。防災用品14a〜14nには、賞味期限が長い各種の防災食品と、防災食品以外の各種の防災グッズとが含まれる。
防災食品には、各種のレトルト食品や飲料水、ペットボトル、缶詰、炊き出しセット等の現在販売されているあらゆる防災食品(非常食)のみならず、将来販売される各種の防災食品(非常食)も含まれる。防災グッズには、使い捨てカイロ、使い捨てマスク、電池、市販の薬、ゴーグル、懐中電灯、手袋、ラジオ、太陽光利用充電器、携帯ティッシュ等の現在販売されているあらゆる防災グッズのみならず、将来販売される各種の防災グッズも含まれる。
第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nには、天板と底板と両側板とに囲繞されて各種の防災用品14a〜14nを出し入れ可能な取り出し開口15(取り出し口)が作られている。取り出し開口15には、開口15を開閉可能な開閉扉16(開閉手段)が設置されている。開閉扉16は、透明なガラスや透明なプラスチック製の正面板17と、正面板17を取り囲む金属製の枠材18とから作られている。したがって、正面板17を透して第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nを覗くことができ、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを外側から視認することができる。
開閉扉16は、蝶番(図示せず)によって取り出し開口15を囲繞する側板に開閉可能に取り付けられている。開閉扉16には電動機(モーター)を利用した開閉機構(図示せず)が設置され、開閉扉16を手動で開閉することができるのみならず、開閉扉16が開閉機構によって自動で開放されるとともに自動で閉鎖される。取り出し開口15を囲繞する側板には、開閉扉16を施錠する自動錠機構(電気錠)(図示せず)が設置されている。それら防災用品収納スペース12a〜12nでは、各開閉扉16が自動錠機構によって自動で施錠されるとともに自動で施錠が解除(解錠)される。
第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nを囲繞する底板には、各防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出する非存在検出機構が設置されている。非存在検出機構には、圧力センサや光センサ等が利用され、それらセンサによって各防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの有無(存在または非存在)を検出する。第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの天板には、各防災用品収納スペース12a〜12nを照らす照明(LED照明等)(図示せず)が設置されている。
第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bは、鋼材から作られた天板と底板と後板と両側板とに囲繞された所定容積の空間であり、所定の災害が発生した場合に使用する各種の避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具(図示せず)を収納可能な大きさを有する。避難誘導・救助用具や燃焼器具、暖房用具には、ガスコンロ、救助工具、脚立、ヘルメット、緊急避難用マスク、安全反射蛍光ベスト、三角コーン、非常用簡易トイレ、誘導灯、毛布、誘導灯、カイロ等の現在利用されているあらゆる避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具のみならず、将来利用される各種の避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具も含まれる。
第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bには、天板と底板と両側板とに囲繞されて各種の避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を出し入れ可能な取り出し開口19(取り出し口)が作られている。取り出し開口19には、開口19を開閉可能な開閉扉20が設置されている。開閉扉20は、手動で開閉することができる。取り出し開口19を囲繞する側板には、開閉扉20を施錠する錠(図示せず)が設置されている。用具・器具収納スペース13a,13bでは、各開閉扉20が錠によって施錠される。第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bの天板には、アンテナ(図示せず)が設置されている。
平常時の防災ロッカー10Aでは、図1に示すように、各防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが収納され、各防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16が閉められて取り出し開口15が閉鎖され(開閉手段)、開閉扉16が施錠されて開閉扉16の開閉が不能になっている(施錠手段)。また、各用具・器具収納スペース13a,13bに避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具が収納され、各用具・器具収納スペース13a,13bの開閉扉20が閉められて取り出し開口19が閉鎖されている。各用具・器具収納スペース13a,13bの開閉扉20は、施錠される場合と施錠されない場合とがある。防災ロッカー10Aでは、平常時においてそれら防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを購入することができる。また、各用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を利用することができる。
宅配ボックス11は、縦方向と横方向とへ並ぶ複数の荷物収納スペース21a〜21k(荷物収納ボックス)と、荷物(宅配便や配達物)の収納時(預け入れ時)や荷物(宅配便や配達物)の取り出し時(受け取り時)に操作するコントロールパネル22(液晶タッチパネル)とを有する。宅配ボックス11には、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリ(メインメモリおよびキャッシュメモリ)とを有して独立したオペレーティングシステム(OS)によって動作する物理的なコントローラー(コンピュータ)(図示せず)非常用電源(バッテリー)とが内蔵され、大容量ハードディスク等の記憶領域が実装されている。なお、荷物収納スペース21a〜21kの数について特に制限はなく、任意の数の荷物収納スペース(第1〜第n荷物収納スペース)を設置することができる。
宅配ボックス11のコントローラーは、ネットワーク(インターネットやWAN、LAN等)を介して宅配ボックス11の管理会社に接続されている。宅配ボックス11は、電気式であって遠隔監視・遠隔操作機能を備えたオンライン方式である。宅配ボックス11は、センサによって扉23の開閉や荷物の状態がチェックされ、管理会社の遠隔監視の下、24時間体制でセキュリティーが確保されている。宅配ボックス11は、扉23のこじ開けや盗難時に警報を発する。また、コントロールパネル22に設置されたスピーカー(図示せず)によって管理会社に音声で連絡することができ、各種の質問に答えることができる。さらに、住戸内のインターホンと連動し、住戸内のインターホンに荷物情報を表示することもできる。なお、宅配ボックスと11して機械式のそれを利用することもできる。
宅配ボックス11のコントローラーには、開閉扉16を自動的に開閉する開閉機構、開閉扉16を自動的に施錠する自動錠機構、防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出する非存在検出機構(圧力センサ光センサ等)、用具・器具収納スペース13a,13bの天板に取り付けられたアンテナがインターフェイスを介して接続されている。宅配ボックス11の記憶領域には、防災ロッカー10Aの第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nを特定する識別データ(識別子)、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを特定する識別データ(識別子)、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの値段データ、購入者特定番号、購入者特定番号に対応する購入者氏名が格納(記憶)されている。
平常時において宅配ボックス11を利用する手順の一例は、以下のとおりである。なお、コントロールパネル22のディスプレイには、初期画面(図示せず)が表示されている。初期画面には、荷物収納ボタン、荷物受け取りボタン、購入ボタンが表示されている。宅配業者や配達者等が荷物(宅配便や配達物)を宅配ボックスに預け入れる場合、コントロールパネル22のディスプレイに表示された荷物収納ボタンをタップ(クリック)する。荷物収納ボタンをタップすると、ロック解除ボタンがコントロールパネル22のディスプレイに表示される。施錠が解除されている荷物収納スペースの開閉扉を開け、荷物をその荷物収納スペースに入れた後、開閉扉を閉める。次に、コントロールパネル22のディスプレイに表示されたロック解除ボタンをタップする。
ロック解除ボタンをタップすると、暗証番号を入力する暗唱番号入力エリア、暗証番号決定ボタンがコントロールパネル22のディスプレイに表示される。暗唱番号入力エリアに任意の番号(暗証番号)を入力した後、暗証番号決定ボタンをタップする。暗証番号決定ボタンをタップすると、入力した暗証番号を表示した暗証番号表示エリア、荷物を収納した荷物収納スペースの番号を表示した荷物収納スペース番号表示エリア、ロックボタンがコントロールパネル22のディスプレイに表示される。ロックボタンをクリックすると、再度暗証番号や荷物収納スペース番号が表示された確認画面が表示され、再度暗証番号や荷物収納スペース番号を確認した後、確認画面の確定ボタンをタップすることで荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉16が施錠され、荷物の預け入れが完了する。
荷物(宅配便や配達物)の預け入れが完了すると、暗証番号と荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの番号とを記載した不在配達票が宅配ボックス11の伝票排出口24から排出される。その不在配達票を受取人の郵便受け等に入れる。なお、宅配業者や配達者等が不在配達票に暗証番号と荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの番号とを記載し、その不在配達票を受取人の郵便受け等に入れる場合もある。宅配ボックス11が住戸内のインターホンと連動する場合は、荷物が届いた連絡データとともに入力された暗証番号および荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの番号がインターホンのディスプレイに表示される。または、荷物が届いた連絡データのみがインターホンのディスプレイに表示される。
荷物の受取人が荷物を受け取る場合、郵便受け等に入れられた不在配達票を受け取り、コントロールパネル22のディスプレイに表示された荷物受け取りボタンをタップ(クリック)する。荷物受け取りボタンをタップすると、暗証番号を入力する暗証番号入力エリア、暗証番号確定ボタンがコントロールパネル22のディスプレイに表示される。不在配達票に記載された暗証番号を暗証番号入力エリアに入力した後、暗証番号確定ボタンをタップする。暗証番号確定ボタンをタップすると、入力した暗証番号を表示した暗証番号表示エリア、荷物を収納した荷物収納スペースの番号を表示した荷物収納スペース番号表示エリア、ロック解除ボタンがコントロールパネル22のディスプレイに表示される。
ロック解除ボタンをクリックすると、再度暗証番号や荷物収納スペース番号が表示された確認画面が表示される。再度暗証番号や荷物収納スペース番号を確認した後、確認画面の確定ボタンをタップし、入力した暗証番号が一致した場合、荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉16の施錠が解除される。荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉16を開け、荷物収納スペース21a〜21kから荷物を取り出した後、荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉16を閉める。
なお、荷物が届いた連絡データのみがインターホンのディスプレイに表示される場合は、荷物の受取人が保持するカードキーをコントロールパネル22にかざすと、荷物収納スペース番号が表示された確認画面が表示され、荷物収納スペース番号を確認した後、確認画面の確定ボタンをタップし、荷物を入れた荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉16の施錠が解除される。
平常時において防災ロッカー10Aの防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを購入する手順の一例は、以下のとおりである。購入者は、コントロールパネル22のディスプレイに表示された購入ボタンをタップ(クリック)する。購入ボタンをタップすると、購入画面(図示せず)がコントロールパネル22のディスプレイに表示される。購入画面には、第1〜第14防災用品収納スペース特定画像が縦横方向に並んだ状態で表示されるとともに、購入者特定番号入力エリア、購入ボタンが表示される。
購入画面に表示された第1〜第14防災用品収納スペース画像には、防災用品収納スペース12a〜12nの番号、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの名称、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの画像、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの値段が表示される。
第1〜第14防災用品収納スペース特定ボタンのうちの購入する防災用品14a〜14nを収納した防災用品収納スペース12a〜12nの防災用品収納スペース特定ボタンをタップするとともに、購入者特定番号入力エリアに購入者特定番号(暗証番号)を入力し、購入ボタンをタップする。なお、購入者特定番号は、購入者に事前に割り当てられている。購入ボタンをタップすると、購入確認画面がコントロールパネル22のディスプレイに表示される。購入確認画面には、防災用品収納スペース特定ボタンによって特定された防災用品収納スペース12a〜12n(防災用品収納スペース番号を含む)、特定された防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの名称、特定された防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの画像、特定された防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの値段、購入者特定番号、購入者特定番号の購入者氏名、購入確定ボタンが表示される。
購入者は、購入確認画面において、購入する防災用品14a〜14nを再度確認し、間違いがない場合、購入確定ボタンをタップする。購入確定ボタンをタップすると、購入確定信号と特定された防災用品収納スペース12a〜12nの番号(防災用品収納スペース番号)とが宅配ボックス11のコントローラーに送信される(購入指示手段)。宅配ボックス11のコントローラーは、特定された防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠解除指令を防災ロッカー10Aの自動錠機構(電気錠)に送信する(施錠第1解除手段)。
施錠解除指令を受信した自動錠機構は、特定された防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、開閉扉16を開閉可能にする。開閉扉16の施錠が解除されると、防災用品14a〜14nの取り出し画面がコントロールパネル22のディスプレイに表示される。取り出し画面には、防災用品14a〜14nの取り出しOKメッセージ、特定された防災用品収納スペース12a〜12nの番号、特定された防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの値段、購入者特定番号、購入者特定番号の購入者氏名が表示される。
購入者は、購入する防災用品14a〜14nを収納した防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16を開け、その防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを取り出し開口15から取り出した後、開閉扉16閉めて防災用品収納スペース12a〜12nの取り出し開口15を閉じる。防災用品収納スペース12a〜12nから防災用品14a〜14nが取り出されると、非存在検出機構によって防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在が検出され(非存在検出手段)、防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信される。
非存在信号を受信した宅配ボックス11のコントローラーは、購入者特定番号(暗証番号)、防災用品収納スペース12a〜12nから取り出された防災用品14a〜14nの名称、防災用品収納スペース12a〜12nから取り出された防災用品14a〜14nの値段、防災用品14a〜14nが取り出された防災用品収納スペース12a〜12n(防災用品14a〜14nが非存在の防災用品収納スペース12a〜12n)の番号、防災用品14a〜14nの非存在メッセージをネットワークを介して(遠隔監視・遠隔操作機能を利用して)宅配ボックス11の管理会社(外部)に送信する(非存在通知手段)。購入された防災用品の金額や名称を記載した購入明細票が宅配ボックス11の伝票排出口24から排出される。
管理会社は、購入された防災用品14a〜14nの金額や名称、引き落とし日等を記載した明細書(請求書)をネットワークを介して購入者に送信する。購入された防災用品14a〜14nの金額は、後日購入者の口座から引き落とされる。防災ロッカー10Aでは、宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用し、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nおいて購入された防災用品14a〜14nの決済を行う(決済手段)。
管理会社は、所定の間隔で防災ロッカー10Aのメンテナンスを行い、防災用品14a〜14nが取り出された防災用品収納スペース12a〜12n(防災用品14a〜14nが非存在の防災用品収納スペース12a〜12n)にあらたな防災用品14a〜14nを補充する。防災用品14a〜14nが取り出された防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが補充されると、非存在検出機構によって防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの存在信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信され、その防災用品収納スペース12a〜12nにおいて防災用品14a〜14nの購入が可能になる。
なお、平常時において、管理会社、集合住宅(マンション)やビル(オフィスビル)の管理人は、コントロールパネル22から所定の暗証番号を入力することで、防災ロッカー10Aの防災用品収納スペース12a〜12nや宅配ボックス11の荷物収納スペース21a〜21kの施錠を解除することができ、防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉15や荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉20を開けることができる。
防災ロッカー10Aは、それが宅配ボックス11に一体に設置され、宅配ボックス11のコントロールパネル22を利用して第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納スペース)のうちの所定の防災用品収納スペース12a〜12nを特定するとともに、特定した防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの購入を指示し、宅配ボックス11を利用することで第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを個別に購入することが可能であるから、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを必要に応じて平常時に何人も購入することができ、平常時における防災用品14a〜14nのニーズに応えることができる。
防災ロッカー10Aは、宅配ボックス11のコントロールパネル22を利用した自動販売機としての機能を持たせることで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nのうちの希望の防災用品14a〜14nを平常時に何人も自由かつ容易に購入することができ、購入した防災用品14a〜14nを平常時の生活用品として利用することができる。 防災ロッカー10Aは、宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用することで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの購入にともなう決済を行うことができ、防災ロッカー10Aにおける防災用品14a〜14nの購入から決済までをスムーズに行うことができるとともに、防災ロッカー10A独自に決済機能を持たせる手間とコストとを省くことができる。
防災ロッカー10Aは、特定の防災用品収納スペース12a〜12nにおいて防災用品14a〜14nが購入された場合、その防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが非存在(無し)になるが、非存在検出手段によって防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出するとともに、防災用品14a〜14nの非存在が確認された防災用品収納スペース12a〜12nを宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用して管理会社(外部)に通知することで、管理会社(外部)が特定の防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を直ちに知ることができ、防災用品14a〜14nを特定の防災用品収納スペース12a〜12nに迅速に補充することができるとともに、平常時における防災用品14a〜14nのニーズに確実に応えることができる。
図4は、災害発生時の災害発生信号の受信を説明する図であり、図5は、災害発生信号を受信した場合の防災ロッカー10Aの利用の一例を説明する図である。防災ロッカー10A(宅配ボックス11)が設置された集合住宅やビルが存在する地域に地震、大規模火災、火山噴火、異常気象、放射能漏れ事故や原発事故、テロ事件等の災害が発生した場合、各省庁(国土交通省、防衛庁、警察庁、気象庁、環境庁、消防庁等)、地方自治体や国・地方公共団体等の公共機関25から災害の発生を知らせる(災害・防災の各種情報を含む)緊急公共放送(災害発生信号)が送信されるとともに、民間放送会社や民間気象事業者等の民間機関26から災害の発生を知らせる(災害・防災の各種情報を含む)緊急民間放送(災害発生信号)が送信される。
公共機関25から送信された緊急公共放送(災害発生信号)や民間機関26から送信された緊急民間放送(災害発生信号)は、防災ロッカー10Aに設置されたアンテナに受信される。アンテナが受信した地震に対する緊急公共放送や緊急民間放送は、アンテナから宅配ボックス11に内蔵されたコントローラーに送信され、コントローラーに受信される(緊急信号受信手段)。アンテナから緊急公共放送や緊急民間放送を受信したコントローラーは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号を送信するとともに、開閉機構に第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の開放信号を送信する。
なお、緊急公共放送(災害発生信号)と緊急民間放送(災害発生信号)との両者または緊急公共放送(災害発生信号)と緊急民間放送(災害発生信号)とのいずれか一方をアンテナが受信した場合、アンテナから緊急公共放送や緊急民間放送がコントローラーに受信され(緊急信号受信手段)、コントローラーから施錠解除信号や開閉扉16の開放信号が送信される。
コントローラーから施錠解除信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、コントローラーから開放信号を受信した開閉機構は、開閉扉16を開放し、図5に示すように、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てが開けられる(施錠第2解除手段)。なお、コントローラーが第1〜第14防災用品収納スペースの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号のみを送信し、自動錠機構が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、開閉扉16の開放が行われない場合がある。なお、災害によって電源が遮断された場合、防災ロッカー10Aや宅配ボックス11の電源としては非常用電源(バッテリー)が利用される。
防災ロッカー10Aでは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てが開放され、または、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠が解除されることで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを取り出すことができ、防災用品14a〜14nを何時に何人も利用することができる。また、第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を取り出してそれらを利用することができる。
防災ロッカー10Aは、災害が発生し、公共機関25から送信された緊急公共放送と民間機関26から送信された緊急民間放送との少なくとも一方を受信した場合、宅配ボックス11のコントローラーからの指令に基づいて第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納スペース)の全ての施錠を解除し、または、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの全ての施錠を解除しつつ全ての開閉扉16を開放するから、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを何人も直ちに利用可能にすることができ、防災用品14a〜14nを何時何人にも自由に利用させることができる。
防災ロッカー10Aは、災害が発生した緊急時に、防災用品14a〜14nを何時に何人にも自由に利用させることができるから、災害発生後の衣食住に必要な食料や物資を当面に間供給することができ、災害による食糧不足や物資不足を補うことができる。防災ロッカー10Aは、災害が発生した場合、用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具や燃焼器具、暖房用具を何時に何人にも自由に利用させることができ、避難誘導・救助用具を利用して避難や救助を行うことができ、燃焼器具を利用して調理を行うことができるとともに、暖房用具を利用して暖房を行うことができる。
災害が発生した後、災害が沈静または回避された場合、安全宣言や終息宣言、帰還許可宣言等の平常公共放送(平常信号)が公共機関25から送信され、または、平常民間放送(平常信号)が民間機関26から送信される。公共機関25から送信された平常公共放送と民間機関26から送信された平常民間放送とのうちの少なくとも一方がアンテナに受信された場合、アンテナが受信した平常公共放送(平常信号)や平常民間放送(平常信号)がアンテナから宅配ボックス11に内蔵されたコントローラーに送信され、平常公共放送(平常信号)や平常民間放送(平常信号)をコントローラーが受信する(平常信号受信手段)。
アンテナから平常公共放送や平常民間放送を受信したコントローラーは、開閉機構に第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の閉鎖信号を送信するとともに、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの自動錠機構(電気錠)に施錠信号を送信する。コントローラーから閉鎖信号を受信した開閉機構は、開閉扉16を閉鎖し、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てを閉め、コントローラーから施錠信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てを施錠する(施錠手段)。
防災ロッカー10Aは、災害が発生した後、災害が沈静または回避され、防災用品14a〜14nを提供する必要がなくなった場合、開放された第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16を閉鎖し、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16を施錠するから、防災用品14a〜14nの不必要な持ち出しや不本意な盗難を防ぐことができ、防災用品14a〜14nの無駄を省くことができる。
図6は、平常時における防災ロッカー10Bおよび宅配ボックス11の他の一例を示す斜視図であり、図7は、配線用遮断機27のOFF信号を受信した場合の防災ロッカー10Bの利用の一例を説明する図である。この防災ロッカー10Bが図1のそれと異なるところは、防災ロッカー10Bにアンテナが取り付けられておらず、宅配ボックス11のコントローラーに配線用遮断機27(ブレーカー)のブレーカースイッチ28のON信号またはOFF信号が送信される点にある。防災ロッカー10Bのその他の構成は図1の防災ロッカー10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、防災ロッカー10Bのその他の構成の詳細な説明は省略する。
防災ロッカー10Bは、防災ロッカー10Aと同様に、集合住宅(マンション)(建築物)のエントランス(共用部分)やビル(オフィスビル)(建築物)のエントランスに施設された宅配ボックス11の側方に配置され、宅配ボックス11と一体になった状態で、集合住宅のエントランスやビルのエントランスに設置されている。なお、防災ロッカー10Bが宅配ボックス11の近傍に離間配置された状態で、防災ロッカー10Bが集合住宅のエントランスやビルのエントランスに設置されていてもよい。
防災ロッカー10Bは、宅配ボックス11の側方に位置して縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納ボックス)と、宅配ボックス11およびそれら防災用品収納スペース12a〜12nの上方に位置して横方向へ並ぶ複数の第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13b(第1〜第n用具・器具収納ボックス)とを有する。第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nや第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bは、図1の防災ロッカー10Aのそれらと同一である。
防災ロッカー10Bでは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの取り出し開口15に開閉扉16(開閉手段)が設置され、電動機を利用した開閉機構が開閉扉16に設置されている。開閉扉16を施錠する自動錠機構(電気錠)が取り出し開口15の側板に設置され、各防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出する非存在検出機構が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの底板に設置されている。さらに、各防災用品収納スペース12a〜12nを照らす照明が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの天板に設置されている。防災ロッカー10Bでは、第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bの取り出し開口19に開閉扉20が設置され、開閉扉20を施錠する錠が取り出し開口19の側板に設置されている。
宅配ボックス11は図1のそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、宅配ボックス11の詳細な説明は省略する。宅配ボックス11は、縦方向と横方向とへ並ぶ複数の荷物収納スペース21a〜21k(荷物収納ボックス)と、荷物(宅配便や配達物)の収納時(預け入れ時)や荷物(宅配便や配達物)の取り出し時(受け取り時)に操作するコントロールパネル22(液晶タッチパネル)とを有する。宅配ボックス11には、コントローラー(コンピュータ)(図示せず)と非常用電源(バッテリー)とが内蔵され、大容量ハードディスク等の記憶領域が実装されている。宅配ボックス11のコントローラーは、ネットワーク(インターネットやWAN、LAN)を介して宅配ボックス11の管理会社に接続されている。荷物収納スペース21a〜21kは、図1の宅配ボックス11のそれと同一である。
宅配ボックス11のコントローラーには、開閉扉16を自動的に開閉する開閉機構、開閉扉16を自動的に施錠する自動錠機構、防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出する非存在検出機構(圧力センサ光センサ等)、配線用遮断機27(ブレーカー)がインターフェイスを介して接続されている。平常時では、配線用遮断機27(ブレーカー)からブレーカースイッチ28のON信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信されている。
宅配ボックス11の記憶領域には、防災ロッカー10Bの第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nを特定する識別データ(識別子)、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを特定する識別データ(識別子)、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの値段データ、購入者特定番号、購入者特定番号に対応する購入者氏名が格納(記憶)されている。
平常時では、配線用遮断機27(ブレーカー)が電路を閉鎖(ブレーカースイッチ28がON)し、配線用遮断機27からブレーカースイッチ28のON信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信されている。平常時の防災ロッカー10Bでは、図6に示すように、各防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが収納され、各防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16が閉められて取り出し開口15が閉鎖され(開閉手段)、開閉扉16が施錠されて開閉扉16の開閉が不能になっている(施錠手段)。
平常時では、各用具・器具収納スペース13a,13bに避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具が収納され、各用具・器具収納スペース13a,13bの開閉扉20が閉められて取り出し開口19が閉鎖されている。防災ロッカー10Bでは、平常時においてそれら防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを購入することができる。また、各用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を利用することができる。
平常時における宅配ボックス11の利用手順は図1の宅配ボックス11のそれと同一であるから、図1の宅配ボックス11の利用手順の説明を援用することで、宅配ボックス11の利用手順の説明は省略する。宅配ボックス11のコントローラーにブレーカースイッチ28のON信号が送信されている平常時の防災ロッカー10Bにおける防災用品14a〜14nの購入手順は、平常時の防災ロッカー10Aにおける防災用品14a〜14nの購入手順と同一であるから、図1の防災ロッカー10Aの購入手順の説明を援用することで、平常時における防災ロッカー10Bの防災用品14a〜14nの購入手順の説明は省略する。
なお、平常時において、管理会社、集合住宅(マンション)やビル(オフィスビル)の管理人は、コントロールパネル22から所定の暗証番号を入力することで、防災ロッカー10Bの防災用品収納スペース12a〜12nや宅配ボックス11の荷物収納スペース21a〜21kの施錠を解除することができ、防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉15や荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉20を開けることができる。
防災ロッカー10Bは、それが宅配ボックス11に一体に設置され、宅配ボックス11のコントロールパネル22を利用して第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納スペース)のうちの所定の防災用品収納スペース12a〜12nを特定するとともに、特定した防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの購入を指示し、宅配ボックス11を利用することで第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを個別に購入することが可能であるから、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを必要に応じて平常時に何人も購入することができ、平常時における防災用品14a〜14nのニーズに応えることができる。
防災ロッカー10Bは、宅配ボックス11のコントロールパネル22を利用した自動販売機としての機能を持たせることで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nのうちの希望の防災用品14a〜14nを平常時に何人も自由かつ容易に購入することができ、購入した防災用品14a〜14nを平常時の生活用品として利用することができる。 防災ロッカー10Bは、宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用することで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの購入にともなう決済を行うことができ、防災ロッカー10Bにおける防災用品14a〜14nの購入から決済までをスムーズに行うことができるとともに、防災ロッカー10A独自に決済機能を持たせる手間とコストとを省くことができる。
防災ロッカー10Bは、特定の防災用品収納スペース12a〜12nにおいて防災用品14a〜14nが購入された場合、その防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが非存在(無し)になるが、非存在検出手段によって防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出するとともに、防災用品14a〜14nの非存在が確認された防災用品収納スペース12a〜12nを宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用して管理会社(外部)に通知することで、管理会社(外部)が特定の防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を直ちに知ることができ、防災用品14a〜14nを特定の防災用品収納スペース12a〜12nに迅速に補充することができるとともに、平常時における防災用品14a〜14nのニーズに確実に応えることができる。
防災ロッカー10B(宅配ボックス11)が設置された集合住宅やビルが存在する地域に地震、大規模火災、異常気象、漏電事故等の災害が発生し、電路に異常が発生した場合、配線用遮断機27(ブレーカー)が電路を開放(ブレーカースイッチ28がOFF)し、一次側からの電源供給を遮断する。配線用遮断機27が電路を開放した場合、配線用遮断機27からブレーカースイッチ28のOFF信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信され、OFF信号がコントローラーに受信される(緊急信号受信手段)。ブレーカースイッチ28のOFF信号を受信したコントローラーは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号を送信するとともに、開閉機構に第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の開放信号を送信する。
コントローラーから施錠解除信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、コントローラーから開放信号を受信した開閉機構は、開閉扉16を開放し、図7に示すように、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てが開けられる(施錠第2解除手段)。なお、コントローラーが第1〜第14防災用品収納スペースの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号にみを送信し、自動錠機構が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、開閉扉16の開放が行われない場合がある。なお、防災ロッカー10Bや宅配ボックス11の電源としては非常用電源(バッテリー)が利用される。
防災ロッカー10Bでは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てが開放され、または、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠が解除されることで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを取り出すことができ、防災用品14a〜14nを何時に何人も利用することができる。また、第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を取り出してそれらを利用することができる。
防災ロッカー10Bは、災害等の所定の原因によって電路に異常が発生し、配線用遮断機27(ブレーカー)が電路を開放し、ブレーカースイッチ28のOFF信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信された場合(宅配ボックス11のコントローラーが配線用遮断機27のOFF信号を受信した場合)、宅配ボックス11のコントローラーからの指令に基づいて第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納スペース)の全ての施錠を解除し、または、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの全ての施錠を解除しつつ全ての開閉扉16を開放するから、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを何人も直ちに利用可能にすることができ、防災用品14a〜14nを何時何人にも自由に利用させることができる。
防災ロッカー10Bは、災害の発生が原因で配線用遮断機27が電路を開放した緊急時に、防災用品14a〜14nを何時に何人にも自由に利用させることができるから、災害発生後の衣食住に必要な食料や物資を当面に間供給することができ、災害による食糧不足や物資不足を補うことができる。防災ロッカー10Bは、災害が発生した場合、用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具や燃焼器具、暖房用具を何時に何人にも自由に利用させることができ、避難誘導・救助用具を利用して避難や救助を行うことができ、燃焼器具を利用して調理を行うことができるとともに、暖房用具を利用して暖房を行うことができる。
配線用遮断機27(ブレーカー)によって電路が開放(ブレーカースイッチ28がOFF)された後、配線用遮断機27(ブレーカー)によって電路を閉鎖(ブレーカースイッチ28がON)した場合、配線用遮断機27からブレーカースイッチ28のON信号が宅配ボックス11のコントローラーに送信され、ON信号をコントローラーが受信する(ON信号受信手段)。ブレーカースイッチ28のON信号を受信したコントローラーは、開閉機構に第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の閉鎖信号を送信するとともに、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの自動錠機構(電気錠)に施錠信号を送信する。コントローラーから閉鎖信号を受信した開閉機構は、開閉扉16を閉鎖し、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てを閉め、コントローラーから施錠信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てを施錠する(施錠手段)。
防災ロッカー10Bは、災害が発生し、配線用遮断機27(ブレーカー)によって電路が開放(ブレーカースイッチ28がOFF)された後、防災用品14a〜14nを提供する必要がなくなり、配線用遮断機27(ブレーカー)によって電路を閉鎖(ブレーカースイッチ28がON)した場合、開放された第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16を閉鎖し、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16を施錠するから、防災用品14a〜14nの不必要な持ち出しや不本意な盗難を防ぐことができ、防災用品14a〜14nの無駄を省くことができる。
図8は、平常時における防災ロッカー10Cおよび宅配ボックス11の他の一例を示す斜視図であり、図9は、地震計によって測定された地震の設定値以上の震度信号を受信した場合の防災ロッカー10Cの利用の一例を説明する図である。この防災ロッカー10Cが図1のそれと異なるところは、防災ロッカー10Cにアンテナが取り付けられておらず、宅配ボックス11のコントローラーに地震計29によって測定された地震の震度信号が送信される点にある。防災ロッカー10Cのその他の構成は図1の防災ロッカー10Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、防災ロッカー10Cのその他の構成の詳細な説明は省略する。
防災ロッカー10Cは、防災ロッカー10Aと同様に、集合住宅(マンション)(建築物)のエントランス(共用部分)やビル(オフィスビル)(建築物)のエントランスに施設された宅配ボックス11の側方に配置され、宅配ボックス11と一体になった状態で、集合住宅のエントランスやビルのエントランスに設置されている。なお、防災ロッカー10Cが宅配ボックス11の近傍に離間配置された状態で、防災ロッカー10Cが集合住宅のエントランスやビルのエントランスに設置されていてもよい。
防災ロッカー10Cは、宅配ボックス11の側方に位置して縦方向と横方向とへ並ぶ複数の第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第14防災用品収納ボックス)と、宅配ボックス11およびそれら防災用品収納スペース12a〜12nの上方に位置して横方向へ並ぶ複数の第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13b(第1〜第2用具・器具収納ボックス)とを有する。第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nや第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bは、図1の防災ロッカー10Aのそれらと同一である。
防災ロッカー10Cでは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの取り出し開口15に開閉扉16(開閉手段)が設置され、電動機を利用した開閉機構が開閉扉16に設置されている。開閉扉16を施錠する自動錠機構(電気錠)が取り出し開口15の側板に設置され、各防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出する非存在検出機構が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの底板に設置されている。さらに、各防災用品収納スペース12a〜12nを照らす照明が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの天板に設置されている。防災ロッカー10Cでは、第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bの取り出し開口19に開閉扉20が設置され、開閉扉20を施錠する錠が取り出し開口19の側板に設置されている。
宅配ボックス11は図1のそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、宅配ボックス11の詳細な説明は省略する。宅配ボックス11は、縦方向と横方向とへ並ぶ複数の荷物収納スペース21a〜21k(荷物収納ボックス)と、荷物(宅配便や配達物)の収納時(預け入れ時)や荷物(宅配便や配達物)の取り出し時(受け取り時)に操作するコントロールパネル22(液晶タッチパネル)とを有する。宅配ボックス11には、コントローラー(コンピュータ)(図示せず)が内蔵され、大容量ハードディスク等の記憶領域が実装されている。宅配ボックス11のコントローラーは、ネットワーク(インターネットやWAN、LAN)を介して宅配ボックス11の管理会社に接続されている。荷物収納スペース21a〜21kは、図1の宅配ボックス11のそれと同一である。
宅配ボックス11のコントローラーには、開閉扉16を自動的に開閉する開閉機構、開閉扉16を自動的に施錠する自動錠機構、防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出する非存在検出機構(圧力センサ光センサ等)、地震計29(地震センサ)がインターフェイスを介して接続されている。宅配ボックス11の記憶領域には、防災ロッカー10Cの第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nを特定する識別データ(識別子)、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを特定する識別データ(識別子)、各防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの値段データ、購入者特定番号、購入者特定番号に対応する購入者氏名、地震の設定値(設定震度)が格納(記憶)されている。
平常時(設定値(設定震度)未満の震度の地震が発生した場合を含む)の防災ロッカー10Cでは、図6に示すように、各防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが収納され、各防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16が閉められて取り出し開口15が閉鎖され(開閉手段)、開閉扉16が施錠されて開閉扉16の開閉が不能になっている(施錠手段)。
平常時では、各用具・器具収納スペース13a,13bに避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具が収納され、各用具・器具収納スペース13a,13bの開閉扉20が閉められて取り出し開口19が閉鎖されている。防災ロッカー10Cでは、平常時においてそれら防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを購入することができる。また、各用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を利用することができる。
平常時における宅配ボックス11の利用手順は図1の宅配ボックス11のそれと同一であるから、図1の宅配ボックス11の利用手順の説明を援用することで、宅配ボックス11の利用手順の説明は省略する。平常時の防災ロッカー10Cにおける防災用品14a〜14nの購入手順は、平常時の防災ロッカー10Aにおける防災用品14a〜14nの購入手順と同一であるから、図1の防災ロッカー10Aの購入手順の説明を援用することで、平常時における防災ロッカー10Cの防災用品14a〜14nの購入手順の説明は省略する。
なお、平常時において、管理会社、集合住宅(マンション)やビル(オフィスビル)の管理人は、コントロールパネル22から所定の暗証番号を入力することで、防災ロッカー10Cの防災用品収納スペース12a〜12nや宅配ボックス11の荷物収納スペース21a〜21kの施錠を解除することができ、防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉15や荷物収納スペース21a〜21kの開閉扉20を開けることができる。
防災ロッカー10Cは、それが宅配ボックス11に一体に設置され、宅配ボックス11のコントロールパネル22を利用して第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納スペース)のうちの所定の防災用品収納スペース12a〜12nを特定するとともに、特定した防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの購入を指示し、宅配ボックス11を利用することで第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを個別に購入することが可能であるから、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを必要に応じて平常時に何人も購入することができ、平常時における防災用品14a〜14nのニーズに応えることができる。
防災ロッカー10Cは、宅配ボックス11のコントロールパネル22を利用した自動販売機としての機能を持たせることで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nのうちの希望の防災用品14a〜14nを平常時に何人も自由かつ容易に購入することができ、購入した防災用品14a〜14nを平常時の生活用品として利用することができる。 防災ロッカー10Cは、宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用することで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nの購入にともなう決済を行うことができ、防災ロッカー10Cにおける防災用品14a〜14nの購入から決済までをスムーズに行うことができるとともに、防災ロッカー10A独自に決済機能を持たせる手間とコストとを省くことができる。
防災ロッカー10Cは、特定の防災用品収納スペース12a〜12nにおいて防災用品14a〜14nが購入された場合、その防災用品収納スペース12a〜12nに防災用品14a〜14nが非存在(無し)になるが、非存在検出手段によって防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を検出するとともに、防災用品14a〜14nの非存在が確認された防災用品収納スペース12a〜12nを宅配ボックス11の遠隔監視・遠隔操作機能を利用して管理会社(外部)に通知することで、管理会社(外部)が特定の防災用品収納スペース12a〜12nにおける防災用品14a〜14nの非存在を直ちに知ることができ、防災用品14a〜14nを特定の防災用品収納スペース12a〜12nに迅速に補充することができるとともに、平常時における防災用品14a〜14nのニーズに確実に応えることができる。
防災ロッカー10C(宅配ボックス11)が設置された集合住宅やビルが存在する地域に地震が発生した場合、地震計29(地震センサ)がその震度を測定する。地震計29によって測定された震度の震度信号(測定震度)は、地震計29から宅配ボックス11のコントローラーに送信され、コントローラーに受信される(緊急信号受信手段)。地震計29から震度信号を受信したコントローラーは、記憶領域に格納された設定値(設定震度)と地震計29から受信した震度信号(測定震度)とを比較し、震度信号(測定震度)が設定値(設定震度)以上または震度信号(測定震度)が設定値(設定震度)を超過する場合、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号を送信するとともに、開閉機構に第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の開放信号を送信する。
コントローラーから施錠解除信号を受信した自動錠機構は、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、コントローラーから開放信号を受信した開閉機構は、開閉扉16を開放し、図9に示すように、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てが開けられる(施錠第2解除手段)。なお、コントローラーが第1〜第14防災用品収納スペースの全ての自動錠機構(電気錠)に施錠解除信号にみを送信し、自動錠機構が第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠を解除し、開閉扉16の開放が行われない場合がある。なお、地震によって電源が遮断された場合、防災ロッカー10Cや宅配ボックス11の電源としては非常用電源(バッテリー)が利用される。
防災ロッカー10Cでは、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の全てが開放され、または、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの開閉扉16の施錠が解除されることで、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された防災用品14a〜14nを取り出すことができ、防災用品14a〜14nを何時に何人も利用することができる。また、第1〜第2用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具、燃焼器具、暖房用具を取り出してそれらを利用することができる。
防災ロッカー10Cは、設定値(設定震度)以上または設定値(設定震度)を超過する地震が発生し、その震度信号(測定震度)が宅配ボックス11のコントローラーに送信された場合(宅配ボックス11のコントローラーが地震計29から震度信号(測定震度)を受信した場合)、宅配ボックス11のコントローラーからの指令に基づいて第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12n(第1〜第n防災用品収納スペース)の全ての施錠を解除し、または、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nの全ての施錠を解除しつつ全ての開閉扉16を開放するから、第1〜第14防災用品収納スペース12a〜12nに収納された各種の防災用品14a〜14nを何人も直ちに利用可能にすることができ、防災用品14a〜14nを何時何人にも自由に利用させることができる。
防災ロッカー10Cは、設定値(設定震度)以上または設定値(設定震度)を超過する地震が発生した緊急時に、防災用品14a〜14nを何時に何人にも自由に利用させることができるから、災害発生後の衣食住に必要な食料や物資を当面に間供給することができ、災害による食糧不足や物資不足を補うことができる。防災ロッカー10Cは、災害が発生した場合、用具・器具収納スペース13a,13bに収納された避難誘導・救助用具や燃焼器具、暖房用具を何時に何人にも自由に利用させることができ、避難誘導・救助用具を利用して避難や救助を行うことができ、燃焼器具を利用して調理を行うことができるとともに、暖房用具を利用して暖房を行うことができる。