JP2018192525A - 塗型の塗布方法および塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗型を定量的かつ均一的にシュートに塗布することができる塗型の塗布方法を提供する。
【解決手段】水分を含む塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布方法であって、100℃以上の温度のシュートに所定量の塗型を噴き付ける噴付工程Bと、噴き付けた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる刷毛塗り工程Cとを有する。
【選択図】図8
【解決手段】水分を含む塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布方法であって、100℃以上の温度のシュートに所定量の塗型を噴き付ける噴付工程Bと、噴き付けた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる刷毛塗り工程Cとを有する。
【選択図】図8
Description
本発明は、塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布方法および塗布装置に関する。
従来、例えば鋳鉄管を製造する方法の一つとして遠心鋳造法がある。遠心鋳造法は高速回転している筒状の金型に鋳鉄の溶湯を供給し、供給された溶湯に遠心力を作用させて管
体を鋳造する方法である。図16ではその遠心鋳造法の一例を示す。
体を鋳造する方法である。図16ではその遠心鋳造法の一例を示す。
1は遠心鋳造装置であり、この遠心鋳造装置1の内側の鋳型となる部分は筒状をしている金型2の内周面と筒状をしているコア3の外周面とから構成されている。金型2は、高速回転可能であり、コア3は金型2に対して定位置になるようにコアセッター4に取付けられている。
遠心鋳造装置1に鋳込まれる鋳鉄の溶湯5は取鍋6からシュート7に注がれ、トラフ8を経て金型2の内周面に供給されるように構成されている。シュート7は取鍋6より溶湯5を受ける曲面部分を有する部材であり、トラフ8はシュート7が受けた溶湯5を金型2の内周面に供給する緩やかな傾斜をした直部を有する樋状部材である。これらシュート7とトラフ8とによって溶湯供給部材14が構成されている。
上記構成の遠心鋳造装置1において、鋳鉄の溶湯5が取鍋6からシュート7に注がれ、トラフ8を経て、高速回転している金型2の内周面に供給される。供給された溶湯5には遠心力が作用するので鋳鉄管9を形成することができる。
このような管の遠心鋳造方法において、鋳鉄管9を製造した後のシュート7及びトラフ8の表面には溶湯5の残りが酸化してできる金属酸化物が付着する。この付着している金属酸化物をシュート7及びトラフ8を上下に反転させたうえで衝撃を加えて取り去る。
その後、図17に示すように、希薄な黒鉛系の塗型10をシュート7およびトラフ8に流して、鋳造後のシュート7およびトラフ8の表面を冷却し、次に、図18に示すように、作業者が上記塗型10よりも高濃度の黒鉛系の塗型11を刷毛12でシュート7の上部から下部に塗付する。この際、作業者は、容器13内に入れた所定濃度の塗型11に刷毛12を浸して、刷毛12に塗型11を含ませ、この刷毛12を用いてシュート7に塗型11を塗付する。尚、このように、作業者が刷毛12を用いて塗型11を手作業で塗付する方法は、例えば下記特許文献1に記載されている。
また、別の従来技術として、図19に示すように、塗型11をスプレーガン20からシュート7の表面に噴霧する塗布装置21が提示されている。この塗布装置21は、揺動自在なアーム22と、アーム22を揺動させるシリンダー23と、アーム22の先端に設けられたスプレーガン20とを有している。
これによると、シリンダー23を作動してアーム22を揺動させることにより、スプレーガン20がシュート7の表面に沿って移動する。この際、塗型11をスプレーガン20からシュート7の表面に噴霧することにより、塗型11がシュート7の表面に塗付される。
尚、このように、塗型11をスプレーガン20から噴霧する方法は、例えば下記特許文献2に記載されている。
しかしながら上記の図18に示した従来形式では、刷毛塗りの作業は手作業であるので、塗り方にムラが発生し易く、塗型11を定量的かつ均一的にシュート7に塗布することは困難であり、塗型11の塗布量が不足すると、シュート7の表面に溶損や焼き付きが起る虞がある。
また、上記の図19に示した別の従来形式では、塗型11が、スプレーガン20から、鋳造後の高温状態のシュート7の表面に噴霧された際、ライデンフロスト現象によって、塗型11とシュート7の表面との接触が阻害され、塗型11がシュート7の表面から浮いた状態で多数の液滴となってシュート7の表面に拡散し、ある程度時間が経過すると、塗型11の液滴中に含まれるカーボンがシュート7の熱によってフレーク状に固化してしまい、塗型11を定量的かつ均一的にシュート7に塗布することは困難であるといった問題がある。
本発明は、塗型を定量的かつ均一的にシュートに塗布することができる塗型の塗布方法および塗布装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本第1発明は、水分を含む塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布方法であって、
100℃以上の温度のシュートに所定量の塗型を噴き付ける噴付工程と、
噴き付けた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる刷毛塗り工程とを有するものである。
100℃以上の温度のシュートに所定量の塗型を噴き付ける噴付工程と、
噴き付けた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる刷毛塗り工程とを有するものである。
これによると、先ず、噴付工程を行って、所定量の塗型をシュートの表面に噴き付け、次に、刷毛塗り工程を行って、噴き付けられた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる。これにより、塗型が、シュートの表面に接触し、定量的かつ均一的にシュートに塗布される。
本第2発明における塗型の塗布方法は、先に噴付工程を開始してから所定時間経過後であって、噴付工程を終了する前に刷毛塗り工程を開始するものである。
これによると、先に噴付工程を開始してから所定時間が経過するまでは刷毛塗り工程を行わないため、所定時間内において、刷毛が塗型の噴き付けを阻害することはなく、必要最低限の塗型をシュートの表面に確実に噴き付けることができる。
その後、噴付工程が終了する前に刷毛塗り工程を開始するため、噴付工程の一部と刷毛塗り工程の一部とが重複して行われ、この重複部分において、塗型は、シュートの表面に噴き付けられながら、刷毛でシュートの表面に塗り広げられる。
上記噴付工程において、塗型がシュートに噴き付けられた時から、シュートに付着した塗型の液滴中に含まれるカーボンがシュートの熱によってフレーク状に固化するまでに要する時間を固化時間とすると、上記所定時間を固化時間よりも短く設定することにより、シュートに付着した塗型の液滴中に含まれるカーボンが固化する前に、刷毛で塗型の液滴をシュートの表面に十分に塗り広げることができる。これにより、塗型が定量的かつ均一的にシュートに塗布される。
本第3発明における塗型の塗布方法は、噴付工程より前に、噴付工程で使用する塗型よりも低濃度の塗型をシュートに流してブラッキングを行うブラッキング工程を有するものである。
これによると、ブラッキング工程において、低濃度の塗型をシュートに流してブラッキングを行うことにより、シュートを冷却することができるため、シュートの温度が低下し、その後の噴付工程において、塗型をシュートの表面に噴き付けた際、ライデンフロスト現象の発生を制限して、塗型がシュートの表面から浮くのを抑制することができる。
本第4発明における塗型の塗布方法は、ブラッキング工程において低濃度の塗型をシュートに流し込む位置と、噴付工程において塗型をシュートに噴き付ける位置とが重なっているものである。
これによると、噴付工程を行う前に、塗型をシュートに噴き付ける位置の温度を効果的に下げておくことができるため、噴付工程において、塗型をシュートに噴き付けた際、塗型がシュートの表面から浮くのを抑制することができる。
また、ブラッキング工程における低濃度の塗型と噴付工程における塗型とが重なってシュートの表面に塗布されるため、重ね塗り部分の塗型がより確実にシュートの表面に付着して、シュートを保護することができる。
本第5発明における塗型の塗布方法は、刷毛塗り工程において、ロボットを用いて刷毛を動かして、塗型をシュートの表面に塗り広げるものである。
これによると、ロボットを用いて刷毛を動かすため、刷毛の移動経路や移動速度を一定に保つことができ、これにより、塗型の均一性がさらに向上する。
また、高温で粉塵の多い環境下であっても、刷毛塗り工程を人の手作業によって行う場合と比べて、生産性が向上する。
本第6発明における塗型の塗布方法は、刷毛塗り工程において、刷毛を回動して、移動方向に対する刷毛の向きを変えるものである。
これによると、シュートの幅が上流側と下流側とで異なっている場合、移動方向に対する刷毛の向きを変えることにより、シュートの幅が狭くなっている箇所でも、塗型をシュートの表面に確実に塗り広げることができる。
本第7発明は、水分を含む塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布装置であって、
所定量の塗型をシュートに噴き付ける噴付装置と、
噴き付けた塗型をシュートの表面に塗り広げる刷毛と、
刷毛を動かすロボットアームとを有し、
刷毛はロボットアームに備えられているものである。
所定量の塗型をシュートに噴き付ける噴付装置と、
噴き付けた塗型をシュートの表面に塗り広げる刷毛と、
刷毛を動かすロボットアームとを有し、
刷毛はロボットアームに備えられているものである。
これによると、先ず、所定量の塗型を噴付装置からシュートの表面に噴き付け、次に、ロボットアームを作動して、噴き付けられた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる。これにより、塗型が、シュートの表面に接触し、定量的かつ均一的にシュートに塗布される。
以上のように本発明によると、先ず、噴付工程を行って、所定量の塗型をシュートの表面に噴き付け、次に、刷毛塗り工程を行って、噴き付けられた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げることにより、塗型が、シュートの表面に接触し、定量的かつ均一的にシュートに塗布される。
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。尚、先述した従来のものと同じ部材については、同一の符号を付記して、その詳細な説明を省略する。
図1〜図3に示すように、鋳鉄管9を鋳造する鋳造エリアの隣に、塗型34をシュート31に塗布する塗型塗布エリア33が形成されている。鋳造エリアには先述した遠心鋳造装置1が備えられ、塗型塗布エリア33には、塗型34をシュート31に塗布する塗布装置35が備えられている。
尚、溶湯供給部材36はシュート31とトラフ8とを有しており、二連一組の溶湯供給部材36が、鋳造エリアと塗型塗布エリア33とに往復移動自在であるとともに、塗型塗布エリア33において、上下に反転可能である。
シュート31は、円弧状の底面38と、底面38の両側から立ち上がった左右一対の側壁面39,40とを有している。尚、シュート31の幅D(すなわち一対の側壁面39,40の間隔)は、シュート31の上端部から下方ほど次第に縮小し、下流端部においてトラフ8の幅と同じになる。
塗布装置35は、塗型34をシュート31に噴き付ける噴付装置43と、噴き付けた塗型34をシュート31の表面に塗り広げる刷毛44と、刷毛44を動かすロボットアーム45と、噴付装置43から噴き付けられる塗型34よりも低濃度のブラッキング用の塗型47をシュート31に流し込むブラッキング用塗型供給装置46とを有している。
尚、塗型34および低濃度のブラッキング用の塗型47はそれぞれ、水にカーボンや黒鉛等の炭素系材料等を混合した液体である。ここで、低濃度とは、炭素系材料等の濃度が低いことを意味しており、ブラッキング用の塗型47は塗型34よりも炭素系材料等の濃度が低い。
図5に示すように、噴付装置43は、塗型34を一定時間(例えば10秒間)スプレー(噴霧)して、所定量(例えば100cc)の塗型34をシュート31の底面38に噴き付けるものであり、スプレーガン等を有している。また、図7に示すように、ブラッキング用塗型供給装置46がブラッキング用の塗型47をシュート31に流し込む流込位置59(仮想線部分参照)と、噴付装置43が塗型34をシュート31の底面38に噴き付ける噴付位置60(点線部分参照)とが、重複するように設定されている。
ロボットアーム45は塗型塗布エリア33に設置された上部取付フレーム48に取り付けられており、二連の溶湯供給部材36間の上方に一台のロボットアーム45が対応している。ロボットアーム45は、多軸型(多関節型)のロボットアームであり、基台50と、第1〜第3アーム51〜53と、保持装置54とを有している。
第1〜第3アーム51〜53は、複数の関節を介して、屈伸自在に接続されている。第1アーム51は、基台50に設けられて、鉛直軸心62の周りに回動自在である。また、保持装置54は、刷毛44を保持するものであり、第3アーム53の先端部に設けられて、保持軸心63の周りに回動自在である。さらに、第1〜第3アーム51〜53はそれぞれ他の軸心(図示省略)の周りに回動自在に接続されている。
刷毛44は柄部56と毛部57とを有している。図10に示すように、刷毛44の幅Wは、シュート31の上流端の幅D1よりも狭く、下流端の幅D2よりも広い。また、刷毛44の厚さTはシュート31の下流端の幅D2よりも薄い。
図1〜図3に示すように、ロボットアーム45は、刷毛44を、シュート31から左右一側方へ離間した退避位置Pに退避させておくことができる。尚、退避位置Pは二連の溶湯供給部材36の両シュート31間に設定されている。
以下、上記構成における作用を説明する。
先ず、鋳造エリアにおいて、溶湯5を取鍋6からシュート31に供給し、遠心鋳造装置1によって鋳鉄管9を鋳造する。その後、鋳鉄管9を鋳造エリアから搬出し、図1〜図3に示すように、二連一組の溶湯供給部材36を、鋳造エリアから塗型塗布エリア33に移動させ、塗型塗布エリア33において、上下に反転させる。これにより、溶湯供給部材36のシュート31およびトラフ8の表面に付着した金属酸化物が除去される。
その後、塗布装置35を用いて以下のような塗型の塗布方法を行う。尚、塗布方法はブラッキング工程Aと噴付工程Bと刷毛塗り工程Cを有している。
(1)ブラッキング工程A
先ず、図4,図8に示すように、ブラッキング工程Aにおいて、刷毛44を退避位置Pに退避させた状態で、ブラッキング用の塗型47をブラッキング用塗型供給装置46からいずれか片方のシュート31に流し込んで、ブラッキングを行う。これにより、シュート31が冷却されて、シュート31の温度が低下するが、それでも尚、ブラッキング終了時において、シュート31は100℃以上の温度になっている。
先ず、図4,図8に示すように、ブラッキング工程Aにおいて、刷毛44を退避位置Pに退避させた状態で、ブラッキング用の塗型47をブラッキング用塗型供給装置46からいずれか片方のシュート31に流し込んで、ブラッキングを行う。これにより、シュート31が冷却されて、シュート31の温度が低下するが、それでも尚、ブラッキング終了時において、シュート31は100℃以上の温度になっている。
(2)噴付工程B
次に、図5,図8に示すように、噴付工程Bにおいて、刷毛44を退避位置Pに退避させた状態で、塗型34を、噴付装置43からシュート31の底面38に、一定時間にわたり噴き付ける。これにより、所定量の塗型34がシュート31の底面38に噴き付けられる。
次に、図5,図8に示すように、噴付工程Bにおいて、刷毛44を退避位置Pに退避させた状態で、塗型34を、噴付装置43からシュート31の底面38に、一定時間にわたり噴き付ける。これにより、所定量の塗型34がシュート31の底面38に噴き付けられる。
この際、先に行ったブラッキング工程Aにより、シュート31の温度が低下しているため、その後の噴付工程Bにおいて、塗型34がシュート31の底面38に噴き付けられた際、ライデンフロスト現象の発生を制限して、塗型34がシュート31の底面38から浮くのを抑制することができる。これにより、図9に示すように、塗型34の多数の液滴34aがシュート31の底面38に付着する。
そして、図8に示すように、噴付工程Bを開始してから所定時間t1だけ経過した後であって、噴付工程Bを終了する前に、以下のような刷毛塗り工程Cを開始する。
(3)刷毛塗り工程C
図6に示すように、刷毛塗り工程Cにおいて、ロボットアーム45を作動させて刷毛44を退避位置Pから動かして、シュート31の表面を刷毛塗りし、塗型34をシュート31の表面に塗り広げる。これにより、塗型34が、シュート31の表面に接触し、定量的かつ均一的にシュート31に塗布される。
図6に示すように、刷毛塗り工程Cにおいて、ロボットアーム45を作動させて刷毛44を退避位置Pから動かして、シュート31の表面を刷毛塗りし、塗型34をシュート31の表面に塗り広げる。これにより、塗型34が、シュート31の表面に接触し、定量的かつ均一的にシュート31に塗布される。
この際、ロボットアーム45を用いて刷毛44を動かしているため、刷毛44の移動経路や移動速度を一定に保つことができ、塗型34の均一性がさらに向上する。尚、刷毛44の移動経路としては、例えば、刷毛44は、先ず、図10に示すように、シュート31の中央部を上流側から下流側に縦移動し(矢印イ参照)、次に、図11に示すように、左右一方の側壁面39に沿って下流側から上流側に斜め移動し(矢印ロ参照)、その後、図12に示すように、一方の側壁面39から他方の側壁面40まで横移動し(矢印ハ参照)、最後に、図13に示すように、他方の側壁面40に沿って上流側から下流側に斜め移動
する(矢印ニ参照)。
する(矢印ニ参照)。
また、図10において、上記矢印イで示した縦移動の際、ロボットアーム45は、シュート31の上流側において、刷毛44の幅W方向が移動方向イに対して直角になる向きにし、刷毛44をシュート31の上流側から下流側に向けて移動させながら、矢印ホで示すように次第に刷毛44を90°回動し、刷毛44の幅W方向が移動方向イと同じになる向きに変える。これにより、シュート31の下流端の幅D2が刷毛44の幅Wより狭くても、上記のように刷毛44を移動しながら回動して、移動方向イに対する刷毛44の向きを変えることで、塗型34をシュート31の上流端から下流端まで塗り広げることができる。
また、図11において、上記矢印ロで示した斜め移動の際、刷毛44の幅W方向を移動方向ロと同じ向きにして、刷毛44の毛部57の腹から腰の部分をシュート31の一方の側壁面39に当てることにより、毛部57の弾力を利用して、毛部57をシュート31の方の側壁面39に確実に当接させることができる。
さらに、上記のようにロボットアーム45を用いるため、高温で粉塵の多い環境下であっても、刷毛塗り工程Cを人の手作業によって行う場合と比べて、生産性が向上する。
また、図8に示すように、先に噴付工程Bを開始してから所定時間t1が経過するまでは刷毛塗り工程Cを行わないため、所定時間t1内において、図3の実線および図5に示すように、刷毛44は退避位置Pに退避している。これにより、刷毛44が噴付装置43からの塗型34の噴き付けを阻害することはなく、必要最低限の塗型34をシュート31の表面に確実に噴き付けることができる。
その後、図8に示すように、噴付工程Bが終了する前に刷毛塗り工程Cを開始するため、噴付工程Bの一部と刷毛塗り工程Cの一部とが重複して行われ、この工程重複時間t2において、塗型34は、噴付装置43からシュート31の表面に噴き付けられながら、刷毛44でシュート31の表面に塗り広げられる。
上記噴付工程Bにおいて、塗型34がシュート31に噴き付けられた時から、シュート31に付着した塗型34の液滴中に含まれるカーボンがシュート31の熱によってフレーク状に固化するまでに要する時間を固化時間t3とすると、上記所定時間t1を固化時間t3よりも短く設定している。これにより、図14に示すように、シュート31に付着した塗型34の液滴34a中に含まれるカーボンが固化する前に、刷毛44で塗型34の液滴34aをシュート31の表面に十分に塗り広げることができるため、塗型34が定量的かつ均一的にシュート31に塗布される。
また、図8に示すように、上記噴付工程Bと刷毛塗り工程Cとの工程重複時間t2においても、塗型34の液滴34a中に含まれるカーボンがシュート31の熱によってフレーク状に固化する前に、図14に示すように、刷毛44で塗型34の液滴34aをシュート31の表面に十分に塗り広げることができる。
また、図7に示すように、ブラッキング用の塗型47の流込位置59と塗型34の噴付位置60とが重複しているため、噴付工程Bを行う前に、塗型34をシュート31の底面38に噴き付ける位置の温度を十分に下げておくことができる。これにより、噴付工程Bにおいて、塗型34をシュート31の底面38に噴き付けた際、塗型34がシュート31の底面38から浮くのを抑制することができる。
また、ブラッキング工程Aにおけるブラッキング用の塗型47と噴付工程Bにおける塗型34とが重なってシュート31の底面38に塗布されるため、重ね塗り部分の塗型がより確実にシュート31の底面38に付着して、シュート31を保護することができる。
上記のように、塗型塗布エリア33において、いずれか片方のシュート31に対し、ブラッキング工程Aと噴付工程Bと刷毛塗り工程Cとを行った後、残りのもう片方のシュート31に対しても、上記と同様にブラッキング工程Aと噴付工程Bと刷毛塗り工程Cとを行う。その後、溶湯供給部材36を塗型塗布エリア33から鋳造エリアに移動させ、鋳造エリアにおいて、溶湯5を取鍋6からシュート31に供給し、遠心鋳造装置1によって鋳鉄管9を鋳造することを繰り返す。
上記実施の形態では、図8に示すように、噴付工程Bの一部と刷毛塗り工程Cの一部とを重複しているが、さらに、ブラッキング工程Aの一部と噴付工程Bの一部とを重複してもよい。また、一例として、噴付工程Bの実行時間を10秒間、所定時間t1を4秒間、工程重複時間t2を6秒間に設定しているが、これらの時間に限定されるものではなく、シュート31のサイズや温度等に応じて、適宜、噴付工程Bの実行時間、所定時間t1、工程重複時間t2を調節してもよい。また、噴付工程Bにおいて、所定量(例えば100cc)の塗型34をシュート31に噴き付けているが、噴付量は100ccに限定されるものではなく、シュート31のサイズや温度等に応じて、適宜、調節してもよい。
上記実施の形態では、刷毛塗り工程Cにおいて、刷毛44は図10〜図13に示した移動経路イ〜ニで移動するが、この移動経路に限定されるものではなく、例えば、刷毛44の移動経路の別の例として、図15に示すように、刷毛44は、先ず、シュート31の中央部を上流側から下流側に縦移動し(矢印イ参照)、次に、左右一方の側壁面39に沿って下流側から上流側に斜め移動し(矢印ロ参照)、その後、一方の側壁面39に沿って上流側から下流側に斜め移動し(矢印ハ参照)、次に、他方の側壁面40に沿って下流側から上流側に斜め移動し(矢印ニ参照)、最後に、他方の側壁面40に沿って上流側から下流側に斜め移動し(矢印ホ参照)してもよい。
上記各実施の形態では、一台のロボットアーム45を用いて、二連の溶湯供給部材36の両シュート31に対してそれぞれ、ブラッキング工程Aと噴付工程Bと刷毛塗り工程Cとを実行するため、ロボットアーム45の設置台数がシュート31の台数よりも少なくなり、経済的である。しかしながら、このようにロボットアーム45とシュート31とを1対2の関係で対応させるのに限定されるものではなく、1対1の関係で対応させてもよい。或いは、一台のロボットアーム45を移動させて、複数台のシュート31に対応させてもよい。
上記各実施の形態では、図3に示すように、二連一組の溶湯供給部材36を例示しているが、溶湯供給部材36を一連のみ或いは三連以上を一組としてもよい。また、シュート31とトラフ8とが一体的に接合された構成の溶湯供給部材36を例示したが、シュート31とトラフ8とが分離された構成であってもよい。
31 シュート
34 塗型
35 塗布装置
43 噴付装置
44 刷毛
45 ロボットアーム
47 ブラッキング用の塗型(低濃度の塗型)
59 流込位置(ブラッキング工程において低濃度の塗型をシュートに流し込む位置)
60 噴付位置(噴付工程において塗型をシュートに噴き付ける位置)
A ブラッキング工程
B 噴付工程
C 刷毛塗り工程
t1 所定時間
イ 移動方向
34 塗型
35 塗布装置
43 噴付装置
44 刷毛
45 ロボットアーム
47 ブラッキング用の塗型(低濃度の塗型)
59 流込位置(ブラッキング工程において低濃度の塗型をシュートに流し込む位置)
60 噴付位置(噴付工程において塗型をシュートに噴き付ける位置)
A ブラッキング工程
B 噴付工程
C 刷毛塗り工程
t1 所定時間
イ 移動方向
Claims (7)
- 水分を含む塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布方法であって、
100℃以上の温度のシュートに所定量の塗型を噴き付ける噴付工程と、
噴き付けた塗型を刷毛でシュートの表面に塗り広げる刷毛塗り工程とを有することを特徴とする塗型の塗布方法。 - 先に噴付工程を開始してから所定時間経過後であって、噴付工程を終了する前に刷毛塗り工程を開始することを特徴とする請求項1記載の塗型の塗布方法。
- 噴付工程より前に、噴付工程で使用する塗型よりも低濃度の塗型をシュートに流してブラッキングを行うブラッキング工程を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗型の塗布方法。
- ブラッキング工程において低濃度の塗型をシュートに流し込む位置と、噴付工程において塗型をシュートに噴き付ける位置とが重なっていることを特徴とする請求項3に記載の塗型の塗布方法。
- 刷毛塗り工程において、ロボットを用いて刷毛を動かして、塗型をシュートの表面に塗り広げることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の塗型の塗布方法。
- 刷毛塗り工程において、刷毛を回動して、移動方向に対する刷毛の向きを変えることを特徴とする請求項5記載の塗型の塗布方法。
- 水分を含む塗型を遠心鋳造用のシュートに塗布する塗布装置であって、
所定量の塗型をシュートに噴き付ける噴付装置と、
噴き付けた塗型をシュートの表面に塗り広げる刷毛と、
刷毛を動かすロボットアームとを有し、
刷毛はロボットアームに備えられていることを特徴とする塗型の塗布装置。
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CN111751919A (zh) * | 2019-03-26 | 2020-10-09 | 日东电工株式会社 | 光学层叠体及使用了该光学层叠体的图像显示装置 |
JP2020201338A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | 日東電工株式会社 | 位相差層およびハードコート層付偏光板の製造方法 |
CN112289515A (zh) * | 2020-10-23 | 2021-01-29 | 天津精达里亚特种漆包线有限公司 | 一种电磁线的悬浮型自中心涂漆件及涂漆模具 |
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2018
- 2018-02-19 JP JP2018026930A patent/JP2018192525A/ja active Pending
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