JP2018192410A - 有機溶剤回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理ガスに対する清浄化能力および有機溶剤の回収効率が向上した有機溶剤回収システムを提供する。【解決手段】本発明の有機溶剤回収システムでは、第1吸脱着処理装置は、導入用経路からの被処理ガスと、第1温度調節手段により高温にされたキャリアガスと、冷却用経路からの被処理ガスと、を順に第1吸脱着素子に接触させることを繰り返すことにより、有機溶剤を被処理ガスから高温にされたキャリアガスに移動させると共に、高温にされたキャリアガスに接触した後の第1吸脱着素子を冷却用経路から導入する被処理ガスにて冷却してから、再び導入用経路から導入する被処理ガスに接触させる。【選択図】図1

Description

本発明は、有機溶剤(有機物質)を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離することで被処理ガスを清浄化して排出すると共に、被処理ガスから分離した有機溶剤をキャリアガスを用いて回収する有機溶剤回収システムに関する。
近年、有害大気汚染物質に対する排出濃度規制の強化に伴い、有機溶剤含有ガス処理システムの需要が高まっている。中でも有機溶剤を液化回収する有機溶剤回収システムは、有機溶剤を燃焼して無害化する燃焼装置よりも二酸化炭素排出量が少なく、また回収した有機溶剤を再利用できる等の利点がある。
この種の有機溶剤回収システムは、一般に、被処理ガスおよび高温の状態にあるキャリアガスを時間的に交互に吸着材に接触させるための吸脱着処理装置と、当該吸脱着処理装置から排出される高温の状態にあるキャリアガスを冷却することによって有機溶剤を凝縮させて回収する凝縮回収装置とを備えている。
このようなシステムの一つとして、特許文献1には、キャリアガスとして水蒸気を使用した有機溶剤含有ガス処理システムが開示されている。また、最近では回収した有機溶剤の高品質化や排水処理工程の簡略化を目的とした低排水量の有機溶剤回収システムが望まれている。そこで、特許文献2には、キャリアガスとして高温に加熱された不活性ガスを使用した有機溶剤含有ガス処理システムが開示されている。また、特許文献3には、キャリアガスとして高温に加熱された不活性ガスを使用し、有機溶剤回収システム内において不活性ガスを循環させて使用することで不活性ガス使用量を削減する構成が開示されている。
ところで、冷却凝縮の操作のみでは有機溶剤をキャリアガスから完全に分離させることは困難であり、凝縮回収装置から排出されるキャリアガスには未濃縮の有機溶剤が一定量含まれることになる。したがって未濃縮の有機溶剤を含有するキャリアガスをそのまま循環させて吸着材から有機溶剤を脱着させようとすると、吸着材の再生が不十分となってしまい、被処理ガスに対する浄化能力が著しく低下する。
そこで、特許文献3に開示されたシステムは、キャリアガスが循環するように通流される循環経路上に、第1吸脱着素子を有する第1吸脱着処理装置、凝縮回収装置、および第2吸脱着素子を有する第2吸脱着処理装置を備えている。そして、吸脱着処理装置は、第2吸脱着処理装置から排出されたキャリアガスを高温の状態に温度調節する第1温度調節手段を備え、2吸脱着処理装置は、凝縮回収装置から排出されたキャリアガスを高温の状態および低温の状態のいずれかに時間的に交互に温度調節する第2温度調節手段を備えている。このようなシステムにより、特許文献3では、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収効率の向上が図られている。また、キャリアガスに窒素ガス等の不活性ガスを使用した場合でも、不活性ガス使用量を大幅に抑制できる省エネルギー効果も得られている。
さらに、特許文献4では脱着行程直後の第1吸脱着槽に外気を導入して第1吸脱着素子を冷却させ、吸着行程初期の有機溶剤を効率よく吸着させるシステムが開示されている。
実開平3−32924号公報 特開平7−68127号公報 特許第5482776号公報 特開2014−117638号公報
しかしながら、特許文献3に開示のシステムでは、脱着行程直後の第1吸脱着素子に被処理ガスを導入すると、被処理ガスの温度で第1吸脱着素子が冷却されるが、初期は高温のままである。従来の水蒸気で有機溶剤を脱着する方式では、脱着行程直後の第1吸脱着素子に凝縮した水分が付着しているため、被処理ガスを導入すると水分の気化熱で第1吸脱着素子が急速に冷却されるが、不活性ガスのようなキャリアガスを用いて脱着する方式では水分が少なく、第1吸脱着素子の冷却が十分に行われない。このため、特に被処理ガスの有機溶剤を吸着する吸着行程初期に有機溶剤が吸着されにくく、浄化能力が低下する。
また、特許文献4に開示のシステムでは、脱着行程において第1吸脱着素子から有機溶剤を完全に脱着させるためには膨大なエネルギーを必要であり、実用的には一定量の有機溶剤を第1吸脱着素子に残存させた状態で有機溶剤の吸着と脱着を繰り返すことになる。そのため、外気で第1吸脱着素子を冷却することで排出されるガス中には第1吸脱着素子から脱離した有機溶剤が多く含有されており、そのまま系外に排出されるため、結果的には被処理ガスに対する有機溶剤の浄化能力および回収率を低下させてしまうか、もしくは別途系外に排出されるガスから有機溶剤を除去する処理装置が必要となる。
したがって、本発明は、上述した問題を解決すべくなされたものであり、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収率の向上が図られた有機溶剤回収システムを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ついに本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.導入用経路から導入された有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離することで被処理ガスを清浄化して排出するとともに、被処理ガスから分離した有機溶剤をキャリアガスを用いて回収する有機溶剤回収システムであって、キャリアガスの循環経路に、有機溶剤を吸脱着する第1吸脱着素子を有する第1吸脱着処理装置と、有機溶剤を凝縮させて凝縮液として回収する凝縮回収装置と、有機溶剤を吸脱着する第2吸脱着素子を有する第2吸脱着処理装置とを備え、前記第1吸脱着装置へ導入するキャリアガスを高温に温度調節する第1温度調節手段と、前記第2吸脱着装置へ導入するキャリアガスを低温または高温に温度調節する第2温度調節手段と、前記導入用経路を通る被処理ガスの一部を前記第1吸脱着素子の冷却用に前記第1吸脱着槽へ導入する冷却用経路と、前記第1吸脱着槽から排出される前記冷却に用いられた前記被処理ガスを導入用経路へ戻す返却用経路と、を備え、前記第1吸脱着処理装置は、前記導入用経路からの被処理ガスと、前記第1温度調節手段により高温にされたキャリアガスと、冷却用経路からの被処理ガスと、を順に前記第1吸脱着素子に接触させることを繰り返すことにより、有機溶剤を被処理ガスから高温にされたキャリアガスに移動させると共に、前記高温にされたキャリアガスに接触した後の前記第1吸脱着素子を前記冷却用経路から導入する被処理ガスにて冷却してから、再び前記導入経路から導入する被処理ガスに接触させ、前記凝縮回収装置は、前記第1吸脱着処理装置から排出されたキャリアガスを低温状態に温度調節することでキャリアガスに含まれる有機溶剤を凝縮させ、前記第2吸脱着処理装置は、前記凝縮回収装置から排出されたキャリアガスを前記第2温度調節手段により高温または低温に温度調節して交互に前記第2吸脱着素子に接触させることにより、有機溶剤を低温のキャリアガスから高温のキャリアガスに移動させる、ことを特徴とする有機溶剤回収システム。
2.前記被処理ガスの流路において、前記導入用経路と前記冷却用経路との分岐点よりも下流に前記導入経路と前記返却経路との合流点が設けられている、ことを特徴とする上記1に記載の有機溶剤回収システム。
3.前記冷却用経路は前記導入経路と同一に構成され、前記導入用経路と前記返却用経路との合流点と前記第1吸脱着処理装置との間に有機溶剤を吸着脱着する第3吸脱着素子を有する第3吸脱着槽を備えていることを特徴とする上記1に記載の有機溶剤回収システム。
4.前記第2吸着素子は、前記第1吸着素子よりも吸着容量が多く構成されていることを特徴とする上記1から3のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システム。
5.前記第2吸脱着素子のBET比表面積が前記第1吸脱着素子のBET比表面積よりも大きいことを特徴とする上記4に記載の有機溶剤回収システム。
6.前記キャリアガスが不活性ガスであることを特徴とする上記1から5のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システム。
7.前記第1吸脱着素子が活性炭素繊維から成ることを特徴とする上記1から6のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システム。
8.前記第2吸脱着素子が活性炭素繊維から成ることを特徴とする上記1から7のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システム。
また、上記1〜8のいずれか1つに記載の有機溶剤回収システムを制御する制御方法、制御プログラムも本発明の範疇に含まれる。
上記構成の本発明によれば、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収率の向上が図られた有機溶剤回収システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1における有機溶剤回収システムのシステム構成図である。 本発明の実施の形態2における有機溶剤回収システムのシステム構成図である。 本発明の実施の形態における有機溶剤回収システムのタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号とし、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の有機溶剤回収システム100Aの概念図である。まず、この図1を参照して、有機溶剤回収システム100Aの構成について説明する。
有機溶剤回収システム100Aは、有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離することで被処理ガスを清浄化して排出するとともに、被処理ガスから分離した有機溶剤をキャリアガスを用いて回収するシステムである。図1に示すように、有機溶剤回収システム100Aは、キャリアガスが循環するように配置された配管ラインL4〜L7で構成される循環経路L1と、循環経路L1上に設けられた第1吸脱着処理装置10、凝縮回収装置20、第2吸脱着処理装置30、を主として備えている。また、循環送風機40を備える。有機溶剤回収システム100Aには、有機溶剤を含有する被処理ガスが配管ラインL1から導入される。
有機溶剤回収システム100Aで回収する有機溶剤としては、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、O−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、フロン−112、フロン−113、HCFC、HFC、臭化プロピル、ヨウ化ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、炭酸ジエチル、蟻酸エチル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、アニソール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール、O−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アクリロニトリル、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、イソノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、テトラデカン、デカリン、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、o−キシレン、エチルベンゼン、1, 3, 5−トリメチルベンゼン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシド等が挙げられるがこれらに限定されない。また、回収する有機溶剤は複数種類であってもよい。
有機溶剤回収システム100Aにおいて、キャリアガスとしては、水蒸気、加熱空気、高温に加熱した不活性ガス等、様々な種類のガスを利用することが可能である。特に水分を含まないガスである不活性ガスを利用すれば、有機溶剤回収システム100Aをより簡素に安全に構成できる。循環送風機40は、循環経路L1を、キャリアガスを通流させるための送風手段である。循環送風機40により、キャリアガスの流速は適切に設定される。なお、循環送風機が循環経路L1に複数設けられていてもよい。
循環経路L1は、キャリアガスを循環経路L1外から導入する導入ラインL9に接続している。導入ラインL9は、有機溶剤回収システム100Aの初期設置時においてキャリアガスを循環経路L1に導入したり、メンテナンス時等必要に応じてキャリアガスを循環経路L1に補充したりするために用いられる。
第1吸脱着処理装置10は、第1吸脱着槽A11、第1吸脱着槽B12、および第1吸脱着素子脱着用ヒーター13を備えている。第1吸脱着素子脱着用ヒーター13は第1吸脱着処理装置10外に設けられていてもよい。
第1吸脱着槽A11は第1吸脱着素子A14を、第1吸脱着槽B12は第1吸脱着素子B15を、備えている。第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15は、配管ラインL2から導入された被処理ガスを接触させることで、被処理ガスに含有される有機溶剤を吸着する。従って、第1吸脱着処理装置10は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のいずれかに被処理ガスが供給(導入)されることによって、被処理ガス中の有機溶剤が第1吸脱着素子A14または第1吸脱着素子B15に吸着除去され、清浄ガスが第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12から配管ラインL3を通して外部に排出される。
第1吸脱着素子A14または第1吸脱着素子B15は、後述する第1吸脱着素子脱着用ヒーター13にて高温の状態にされたキャリアガスを接触させることで、吸着した有機溶剤を脱着する。したがって、第1吸脱着処理装置10においては、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12へ高温の状態にあるキャリアガスを供給することで有機溶剤が第1吸脱着素子A14または第1吸脱着槽B12から脱着され、キャリアガスに移動して第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12から配管ラインL5を経由して排出される。
第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15は、粒状活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナおよび多孔性有機化合物のいずれかを含む吸着材から構成される。好ましくは活性炭素繊維から構成される吸着材である。活性炭素繊維は、繊維構造のため外表面積が非常に大きく、繊維表面にミクロポアが直接開孔していることからガスとの接触効率が高く、他の吸着材よりも高い吸脱着効率を発揮できる。
第1吸脱着処理装置10は、配管ラインL2、L3にそれぞれ接続している。配管ラインL2は、有機溶剤を含有する被処理ガスを送風機60を介して、第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に導入するための配管ラインであり、バルブによって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に対する接続状態と非接続状態とが切り替えられる。配管ラインL3は、清浄ガスを第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12から排出するための配管ラインであり、バルブによって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に対する接続状態と非接続状態とが切り替えられる。
また、第1吸脱着処理装置10は、配管ラインL4、L5にそれぞれ接続している。配管ラインL4は、キャリアガスを上記第1吸脱着素子脱着用ヒーター13を介して第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に供給するための配管ラインであり、バルブによって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に対する接続状態と非接続状態とが切り替えられる。配管ラインL5は、キャリアガスを第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12から排出するための配管ラインであり、バルブによって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に対する接続状態と非接続状態とが切り替えられる。なお、本実施形態において、「第1吸脱着槽A11から排出」と「第1吸脱着素子A14から排出」とを同じ意味で用いる。同様に、「第1吸脱着槽B12から排出」と「第1吸脱着素子B15から排出」を同じ意味で用いる。
また、第1吸脱着処理装置10は、配管ラインL11、L12にそれぞれ接続している。配管ラインL11は、配管ラインL2を通る被処理ガスの一部を冷却用送風機70によって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に供給するための配管ラインであり、バルブによって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に対する接続状態と非接続状態とが切り替えられる。配管ラインL12は、第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12から排出される被処理ガスの一部を配管ラインL2へ合流させるための配管ラインであり、バルブによって第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に対する接続状態と非接続状態とが切り替えられる。
第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12のそれぞれには、上述したバルブの開閉を操作することにより、配管ラインL2からの被処理ガスと、第1吸脱着素子脱着用ヒーター13にて温度調節されて高温の状態にあるキャリアガスと、配管ラインL11からの被処理ガスとが、時間的に交互に供給される。これにより、第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12は、時間的に交互に、吸着槽、脱着槽および冷却槽として機能する。これに従って有機溶剤が被処理ガスからキャリアガスへ移動する。なお、具体的には、第1吸脱着槽A11が吸着槽として機能している場合には、第1吸脱着槽B12が脱着槽もしくは冷却槽として機能し、第1吸脱着槽A11が脱着槽もしくは冷却槽として機能している場合には、第1吸脱着槽B12が吸着槽として機能する。
ここで、配管ラインL2は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のうち、吸着槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽に被処理ガスを供給する。また、配管ラインL3は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のうち、吸着槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽から清浄ガスを排出する。また、配管ラインL4は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のうち、脱着槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽にキャリアガスを供給する。配管ラインL5は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のうち、脱着槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽からキャリアガスを排出する。また、配管ラインL11は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のうち、冷却槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽に被処理ガスの一部を供給する。配管ラインL12は、第1吸脱着槽A11または第1吸脱着槽B12のうち、冷却槽として機能している処理槽に接続されて、当該処理槽から被処理ガスの一部を排出する。
凝縮回収装置20は、コンデンサ21および回収タンク22を備えている。コンデンサ21は、キャリアガスを低温の状態に温度調節することによってキャリアガスに含有される有機溶剤を冷却凝縮させる装置である。また、回収タンク22は、コンデンサ21にて液化された有機溶剤を凝縮液として貯留する容器である。凝縮回収装置20にて凝集されずに残ったキャリアガスは、配管ラインL6から排出される。
コンデンサ21は低温の一定の設定温度に保たれており、コンデンサ21から排出されるキャリアガスには該当設定温度の飽和蒸気濃度の有機溶剤が含まれている。すなわち、凝縮回収装置20ではコンデンサ21に供給されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度とコンデンサ21から排出されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度との差分が、回収されることになる。
凝縮回収装置20は、配管ラインL5、L6に接続している。配管ラインL6は、凝縮回収装置20から排出されたキャリアガスを第2吸脱着処理装置30に供給する配管ラインである。また、凝縮回収装置20は、回収タンク22に貯留された有機溶剤の凝縮液を外部に排出するための排出ラインL9に接続している。
第2吸脱着処理装置30は、第2吸脱着素子32を有する第2吸脱着槽31と第2温度調節器50とを備え、キャリアガスに含まれる有機溶剤を吸着し、吸着した有機溶剤を高温のキャリアガスにより脱着する装置である。第2温度調節器50は、凝縮回収装置20から排出されたキャリアガスを高温または低温状態に温度調節し、第2吸脱着槽31に供給する装置である。第2温度調節器50は第2吸脱着処理装置30外に設けられていてもよい。なお、本実施形態では、「第2吸脱着槽31から排出」と「第2吸脱着素子32から排出」と「第2吸脱着処理装置30から排出」とを、同じ意味で用いる。
第2吸脱着処理装置30は、凝縮回収装置20から排出されるキャリアガスを第2温度調節器50により低温にして第2吸脱着槽31へ導入し、第2吸脱着素子32にキャリアガスに含まれる有機溶剤を吸着させ、有機溶剤の濃度が低減されたキャリアガスを第2吸脱着槽31から排出する。また、第2温度調節器50により高温にされたキャリアガスを第2吸脱着槽31へ導入し第2吸脱着素子32から有機溶剤を脱着し、有機溶剤を含有するキャリアガスを第2吸脱着槽21から排出する。
第2吸脱着素子32は、粒状活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナおよび多孔性有機化合物のいずれかを含む吸着材から構成される。好ましくは活性炭素繊維から構成される吸着材である。活性炭素繊維は、繊維構造のため外表面積が非常に大きく、繊維表面にミクロポアが直接開孔しているため、ガスとの接触効率が高く、他の吸着材よりも高い吸脱着効率を発揮する。
第2吸脱着処理装置30には、配管ラインL6、L7がそれぞれ接続されている。配管ラインL6は凝縮回収装置20から排出されたキャリアガスを第2温度調節器50を介して高温または低温のいずれかの状態で第2吸脱着槽31へ供給するための配管ラインである。配管ラインL7は、キャリアガスを第2吸脱着槽から排出するための配管ラインである。第2温度調節器50は、凝縮回収装置20から排出されたキャリアガスを第2吸脱着素子脱着用ヒーター33を介して高温の状態で第2吸脱着槽31に供給する経路(高温経路)と、第2吸脱着素子脱着用ヒーター33を介さずに低温の状態で直接第2吸脱着槽31に供給する経路(直接経路)とを有している。これらの経路のうちキャリアガスがどちらの経路を通過するかは、バルブによって切り替えられる。
第2吸脱着処理装置30から排出されるキャリアガスは循環送風機40に供給される。循環送風機40はキャリアガスを循環系路L1上で循環通流させるための装置である。循環送風機40から排出されるキャリアガスは、第1吸脱着素子脱着用ヒーター13を介して第1吸脱着処理装置10に供給される。
第1吸脱着素子脱着用ヒーター13は、第1吸脱着処理装置10に供給されるキャリアガスを高温状態に温度調節する装置である。第1吸脱着素子脱着用ヒーター13は、第1吸脱着素子A14、B15が所定の脱着温度に維持されるように、第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に供給されるキャリアガスを加熱する。なお、第1吸脱着素子脱着用ヒーター13は、第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に内蔵される構成でもよい。
図3は、図1に示す有機溶剤回収システム100Aの、一対の第1吸脱着素子A14、B15および第2吸脱着素子32における吸着行程および脱着工程の時間的な切り替わりを示すタイムチャートである。図3中t0〜t6は時刻を示し、右に行くほど時刻が経過している。以下では、図1および3を参照して、本実施の形態の有機溶剤回収システム100Aにおける被処理ガスの処理の詳細について説明する。
図1に示す有機溶剤回収システム100Aは、図3に示す1サイクル(図3に示す時刻t0〜t6の間)を単位期間として、当該1サイクルを繰り返し実施することにより、被処理ガスである有機溶剤含有ガスの処理を連続して行う。
上記1サイクルの前半(図3に示す時刻t0〜t3の間)においては、第1吸脱着処理装置10では、第1吸脱着槽A11は第1吸着素子A14による吸着処理を実施し、これと並行して、第1吸脱着槽B12は第1吸脱着素子B15による脱着処理とその後の冷却処理とを実施する。
第1吸脱着素子B15による脱着処理の前期段階(図3に示す時刻t0〜t1の間)においては、第2吸脱着処理装置30は第2吸脱着素子32による脱着処理を実施する。また、第1吸脱着素子B15による脱着処理の後期段階(図3に示す時刻t1〜t2の間)においては、第2吸脱着処理装置30は第2吸脱着素子32による吸着処理を実施する。
さらに、第1吸脱着素子B15による脱着処理が終了した後の冷却処理(図3に示す時刻t2〜t3の間)においては、冷却用送風機70を介して被処理ガスの一部が配管ラインL11を通って第1吸脱着槽B12に供給され、第1吸脱着素子B15を冷却する。一方で第1吸脱着槽B12から排出される被処理ガスの一部は配管ラインL12を通って配管ライン1の被処理ガスに合流する。
また、上記1サイクルの後半(図3に示す時刻t3〜t6の間)においては、第1吸脱着処理装置10では、第1吸脱着槽B12は第1吸脱着素子B15による吸着処理を実施し、これと並行して、第1吸脱着槽A11は第1吸脱着素子A14による脱着処理とその後の冷却処理とを実施する。この上記1サイクルの後半における第2吸脱着処理装置30の動作は、図3に示すように、上記1サイクルの前半と同じである。
次に、本発明の実施の形態における有機溶剤回収システム100Aにおける有機溶剤の回収とキャリアガスの流れと冷却処理について、図1を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明は、第1吸脱着処理装置10の第1吸脱着槽A11が吸着槽として機能し、第1吸脱着槽B12が脱着槽として機能している状態に基づくが、これら吸着槽と脱着槽とが入れ替わった場合にも、同様である。
有機溶剤回収システム100Aでは、第1吸脱着素子B15による脱着処理期間の前期段階(すなわち、図3に示すt0〜t1の間)においては、凝縮回収装置20から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温状態のキャリアガスは、第2温度調節器50で高温状態に調節され、第2吸脱着処理装置30の第2吸脱着槽31に供給されて、第2吸脱着素子32に接触する。
これにより、第2吸脱着素子32に吸着済みの有機溶剤は高温状態のキャリアガスによって第2吸脱着素子32から脱着され、第2吸脱着槽31から排出され、キャリアガス中の有機溶剤の濃度は増加した状態で循環送風機40へ供給される。このキャリアガスは第1吸脱着処理装置用ヒーター13で高温状態に温度調節され、第1吸脱着処理装置10の第1吸脱着素子B15に供給される。これにより第1吸脱着素子B15に吸着された有機溶剤が脱着され、キャリアガス中の有機溶剤の濃度がさらに増加した状態で凝縮回収装置20に導入される。
キャリアガス中の有機溶剤の濃度増加分は凝縮回収装置20のコンデンサ21で回収され、未回収の有機溶剤はコンデンサ21から排出されるキャリアガスに含まれ、第2吸脱着処理装置30に供給される。
次に、第1吸脱着素子B15による脱着処理期間の後期段階(すなわち、図3に示すt1〜t2の間)においては、凝縮回収装置20から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温の状態にあるキャリアガスは、第2温度調節器50で高温状態に調節され、第2吸脱着処理装置30の第2吸脱着槽31に供給され、第2吸脱着素子32と接触する。
これにより、第2吸脱着素子32によってキャリアガスに含有された有機溶剤が吸着除去されることになり、第2吸脱着槽31から排出されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度が徐々に低減される。これに伴って、第1吸脱着処理装置10の第1吸脱着素子B15に供給されるキャリアガスに含まれる有機溶剤の濃度も徐々に低減され、当該第1吸脱着素子B15の脱着処理がさらに促進されることになる。
次に、第1吸脱着素子B15の脱着処理が終了した後の冷却処理(図3に示すt2〜t3の間)においては、被処理ガスの一部が配管ラインL11を通って第1吸脱着槽B12に供給され、第1吸脱着素子B15と接触して第1吸脱着素子B15を冷却する。これにより、その後の第1吸脱着素子B15の吸着処理の前期段階(図3に示すt3〜t4の間)においては、被処理ガス中の有機溶剤が第1吸脱着素子B15で効率良く吸着除去され、被処理ガスに対する浄化能力が向上する。
また、第1吸脱着素子B15の冷却処理において、第1吸脱着槽B12から排出される冷却に用いた被処理ガスの有機溶剤の濃度は、第1吸脱着素子B15から脱離した有機溶剤が多く含有しているため高い。すなわち、有機溶剤の濃度は配管ラインL11を通る冷却に用いる被処理ガスよりも濃度が高い状態の冷却に用いた被処理ガスが第1吸脱着槽B12から配管ラインL12を通って排出される。しかし、配管ラインL12を通る冷却に用いた被処理ガスは配管ラインL2の被処理ガスと合流し、被処理ガスの有機溶剤の濃度が高い状態となった後、吸着処理を実施している第1吸脱着槽A11に供給され、被処理ガス中の有機溶剤は第1吸脱着素子A14にて吸着除去される。そのため、系外に排出されることはなく、結果的に被処理ガスに対する回収率が向上する。
以上から、第1吸脱着槽B12から排出される冷却に用いた被処理ガスから有機溶剤を除去するための有機溶剤処理装置を別途設置する必要がなくなる。よって、システムを大型化することなく、
また配管ラインL2上において、配管ラインL2と配管ラインL11との分岐点は、配管ラインL2と配管ラインL12との合流点よりも上流側に設置することが好ましい。その理由は次の通りであるが、上流側に限定する必要はない。配管ラインL2と配管ラインL11との分岐点を、配管ラインL2と配管ラインL12との合流点よりも下流側に設置した場合、第1吸脱着素子B15の冷却処理において有機溶剤の濃度が高い状態となった被処理ガスが第1吸脱着槽B12に供給され第1吸脱着素子B15と接触するため、第1吸脱着素子B15への有機溶剤の吸着が促進され、続く第1吸脱着素子B15の吸着処理(すなわち、図3に示すt3〜t6の間)において第1吸脱着素子B15の吸着容量が減少し、被処理ガスに対する浄化能力および回収率が低下する可能性がある。
なお、第2吸脱着素子32の吸着容量を第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15の吸着容量よりも高く設定すれば、被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収率の向上が安定的に実現される。これは、上述した第1吸脱着素子B15の脱着処理の後期段階において、第2吸脱着素子32に供給されるキャリアガス中の有機溶剤の濃度が、第1吸脱着素子A14に供給される被処理ガス中の有機溶剤の濃度よりも高いためである。ここで第2吸脱着素子32の吸着能力を第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15よりも高く設定する方法としては、例えば、第2吸脱着素子32のBET比表面積を第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15よりも大きくすること等が効果的である。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2の有機溶剤回収システム100Bの構成図である。有機溶剤回収システム100Bは、基本的には有機溶剤回収システム100Aと同じ構成である。ただし、有機溶剤回収システム100Aでは、冷却用の被処理ガスを配管ラインL11を通して第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12に供給していたのに対して、有機溶剤回収システム100Bでは、配管ラインL11が設けられていない。その代わりに、有機溶剤回収システム100Bでは、第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15の冷却処理において、配管ラインL2と第1吸脱着槽A11および配管ラインL2と第1吸脱着槽B12を接続する両バルブを開くことにより、同時に被処理ガスを第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15に接触させる。また、有機溶剤回収システム100Bでは、配管ラインL2と配管ラインL12との合流点と第1吸脱着処理装置10との間に第3吸脱着処理装置80を有している。本実施形態では、第3吸脱着処理装置80は、被処理ガス送風機器60の上流に設けられている。
第3吸脱着処理装置80は、被処理ガス中の有機溶剤を吸脱着する第3吸脱着素子81を備えている。第3吸脱着素子81は、粒状活性炭、活性炭素繊維、ゼオライト、シリカゲル、活性アルミナおよび多孔性有機化合物のいずれかを含む吸着材から構成されるが、特に限定されるものではない。
有機溶剤回収システム100Bでは、第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15の冷却処理において、第1吸脱着槽A11および第1吸脱着槽B12から排出された有機溶剤の濃度が高い状態となった冷却に用いられた被処理ガスが第3吸脱着素子81に接触することにより、第3吸脱着素子81が有機溶剤を吸着する。また、第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15の冷却処理以外では有機溶剤の濃度が比較的低い状態の被処理ガスが第3吸脱着素子81に接触することにより、第3吸脱着素子81が有機溶剤を脱着する。従って、第3吸脱着素子81は被処理ガス中の有機溶剤の濃度を平準化することにより、有機溶剤の濃度が高い状態となった被処理ガスが冷却槽に供給され、冷却槽の有機溶剤の吸着を抑制することができる。
また、実施の形態2の有機溶剤回収システム100Bは、有機溶剤回収システム100Aと比べて配管ラインL11、配管ラインL11上のバルブ、冷却送風機が削減できるため、本発明の有機溶剤回収システムを簡素化および省スペース化することができる。
また、実施の形態2では冷却送風機を削減することにより、本発明の有機溶剤回収システムの騒音を抑制する効果も得られる。
上記説明した有機溶剤回収システム100A、100Bを用いて有機溶剤の回収を以下のように実施した。
<実施例1>
実施例1では有機溶剤回収システム100Aを用いた。この有機溶剤回収システム100Aで処理する被処理ガスとして、酢酸エチル2000ppmを含有する35℃のガスを用いた。また、有機溶剤回収システム100Aでは、キャリアガスとして窒素ガスを使用し、第1吸脱着素子A14,B15としてBET比表面積が1500m/gの活性炭素繊維を使用し、第2吸脱着素子32としてBET比表面積が2000m/gの活性炭素繊維を使用した。
一方の第1吸脱着素子に被処理ガスを風量7Nm/minで15分間供給して吸着処理を行っている間、他方の第1吸脱着素子にキャリアガスを1.5Nm/minで供給して脱着処理を行った。凝縮回収装置20のコンデンサ21中のキャリアガス温度は10℃になるように設定した。また、第2温度調節器50中で低温状態に調節したキャリアガス温度は10℃、高温状態に調整したキャリアガス温度は120℃になるように設定した。また、第1吸脱着素子脱着用ヒーター13中のキャリアガス温度は120℃になるように設定した。
<実施例2>
実施例2では有機溶剤回収システム100Bを用いた。有機溶剤回収システム100Bで処理する被処理ガスとして、酢酸エチル2000ppmを含有する35℃のガスを用いた。また、有機溶剤回収システム100Bで用いるキャリアガスとして窒素ガスを使用し、第1吸脱着素子A14,B15としてBET比表面積が1500m/gの活性炭素繊維を使用し、第2吸脱着素子32としてBET比表面積が2000m/gの活性炭素繊維を使用し、第3吸脱着素子81としてBET比表面積が1100m/gのヤシ殻粒状活性炭を使用した。
一方の第1吸脱着素子に被処理ガスを風量7Nm/minで15分間供給して吸着処理を行っている間、他方の第1吸脱着素子にキャリアガスを1.5Nm/minで供給して脱着処理を行った。凝縮回収装置20のコンデンサ21中のキャリアガス温度は10℃になるように設定した。また、第2温度調節器50中で低温状態に調節したキャリアガス温度は10℃、高温状態に調整したキャリアガス温度は120℃になるように設定した。また、第1吸脱着素子脱着用ヒーター13中のキャリアガス温度は120℃になるように設定した。
<比較例1>
比較例1では、有機溶剤回収システム100Aの構成において配管ラインL11、冷却用送風機70、および配管ラインL12を用いない構成を、つまり、第1吸脱着素子A14および第1吸脱着素子B15の冷却処理を実施しない構成の有機溶剤回収システムを用いた。これ以外は実施例1と同様の操作を行った。
表1から分かるように、実施例1および2はいずれも比較例1よりも被処理ガスに対する有機溶剤の除去効率が向上した。すなわち、本発明の有機溶剤回収システムを用いることで被処理ガスに対する浄化能力および有機溶剤の回収率が向上できることが、実験的に確認された。
なお、上記開示した各実施の形態および各実施例はすべて例示であり制限的なものではない。また、各実施の形態および各実施例で開示した構成を適宜組み合わせた実施の形態や実施例も本発明に含まれる。つまり、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって有効であり、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内のすべての変更・修正・置き換え等を含むものである。
10 第1吸脱着処理装置
11 第1吸脱着槽A
12 第1吸脱着槽B
13 第1吸脱着素子脱着用ヒーター
14 第1吸脱着素子A
15 第1吸脱着素子B
20 凝縮回収装置
21 コンデンサ
22 回収タンク
30 第2吸脱着処理装置
31 第2吸脱着槽
32 第2吸脱着素子
33 第2吸脱着素子脱着用ヒーター
40 循環送風機
50 第2温度調節器
60 被処理ガス送風機
70 冷却送風機
80 第3吸脱着槽
81 第3吸脱着素子
L1 循環経路
L2 配管ライン(導入用経路)
L3〜L9 配管ライン
L11 配管ライン(冷却用経路)
L12 配管ライン(返却用ライン)

Claims (8)

  1. 導入用経路から導入された有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を分離することで被処理ガスを清浄化して排出するとともに、被処理ガスから分離した有機溶剤をキャリアガスを用いて回収する有機溶剤回収システムであって、
    キャリアガスの循環経路に、有機溶剤を吸脱着する第1吸脱着素子を有する第1吸脱着処理装置と、有機溶剤を凝縮させて凝縮液として回収する凝縮回収装置と、有機溶剤を吸脱着する第2吸脱着素子を有する第2吸脱着処理装置とを備え、
    前記第1吸脱着装置へ導入するキャリアガスを高温に温度調節する第1温度調節手段と、
    前記第2吸脱着装置へ導入するキャリアガスを低温または高温に温度調節する第2温度調節手段と、
    前記導入用経路を通る被処理ガスの一部を前記第1吸脱着素子の冷却用に前記第1吸脱着槽へ導入する冷却用経路と、前記第1吸脱着槽から排出される前記冷却に用いられた前記被処理ガスを導入用経路へ戻す返却用経路と、を備え、
    前記第1吸脱着処理装置は、前記導入用経路からの被処理ガスと、前記第1温度調節手段により高温にされたキャリアガスと、冷却用経路からの被処理ガスと、を順に前記第1吸脱着素子に接触させることを繰り返すことにより、有機溶剤を被処理ガスから高温にされたキャリアガスに移動させると共に、前記高温にされたキャリアガスに接触した後の前記第1吸脱着素子を前記冷却用経路から導入する被処理ガスにて冷却してから、再び前記導入経路から導入する被処理ガスに接触させ、
    前記凝縮回収装置は、前記第1吸脱着処理装置から排出されたキャリアガスを低温状態に温度調節することでキャリアガスに含まれる有機溶剤を凝縮させ、
    前記第2吸脱着処理装置は、前記凝縮回収装置から排出されたキャリアガスを前記第2温度調節手段により高温または低温に温度調節して交互に前記第2吸脱着素子に接触させることにより、有機溶剤を低温のキャリアガスから高温のキャリアガスに移動させる、ことを特徴とする有機溶剤回収システム。
  2. 前記被処理ガスの流路において、前記導入用経路と前記冷却用経路との分岐点よりも下流に前記導入経路と前記返却経路との合流点が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の有機溶剤回収システム。
  3. 前記冷却用経路は前記導入経路と同一に構成され、
    前記導入用経路と前記返却用経路との合流点と前記第1吸脱着処理装置との間に有機溶剤を吸着脱着する第3吸脱着素子を有する第3吸脱着槽を備えていることを特徴とする請求項1に記載の有機溶剤回収システム。
  4. 前記第2吸着素子は、前記第1吸着素子よりも吸着容量が多く構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の有機溶剤回収システム。
  5. 前記第2吸脱着素子のBET比表面積が前記第1吸脱着素子のBET比表面積よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の有機溶剤回収システム。
  6. 前記キャリアガスが不活性ガスであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の有機溶剤回収システム。
  7. 前記第1吸脱着素子が活性炭素繊維から成ることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の有機溶剤回収システム。
  8. 前記第2吸脱着素子が活性炭素繊維から成ることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の有機溶剤回収システム。
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