JP2016019949A - 有機溶剤回収システム - Google Patents

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武将 岡田
Takemasa Okada
武将 岡田
杉浦 勉
Tsutomu Sugiura
勉 杉浦
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Abstract

【課題】有機溶剤を含有する被処理ガスから高効率で有機溶剤を回収することができる有機溶剤回収システムの提供。
【解決手段】有機溶剤を含有する被処理ガスから第1吸着槽に収容された第1吸着材103で有機溶剤を吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材102をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に行う第1吸脱着処理装置101と、前記有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して有機溶剤を液化回収する凝縮器104と、前記有機溶剤と共に液化回収される水分を前記有機溶剤との比重差によって分離するセパレータ105とを備え、前記第1吸脱着処理装置は、吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させることにより第1吸着材を冷却する有機溶剤回収システム。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機溶剤を含有する被処理ガスを吸脱着式処理装置により処理し、有機溶剤を液化回収する有機溶剤回収システムに関するものである。
近年、有害大気汚染物質に対する排出濃度規制の強化に伴い、有機溶剤含有ガス処理システムの需要が高まっている。中でも有機溶剤を液化回収する有機溶剤回収システムは、有機溶剤を燃焼して無害化する燃焼装置より二酸化炭素排出量が少なく、また回収した有機溶剤を再利用できる等の利点がある。最近では回収した有機溶剤の高品質化や排水処理工程の簡略化を目的とした低排水量の有機溶剤回収システムが望まれている。
従来の低排水型有機溶剤回収システムは、被処理ガス中の有機溶剤を吸着材に吸着除去する吸着工程と、加熱空気等のキャリアガスによって吸着材に吸着された有機溶剤を脱着する脱着工程を設け、この吸着工程と脱着工程を時間的に交互に行う切替え手段または連続的に行う手段を設けて構成されている。
前記有機溶剤回収システムの例として、有機溶剤を吸着および脱着する吸着材に活性炭素繊維を用い、被処理ガス中の有機溶剤の吸着と脱着を交互に切り替え行う前記吸着材を含む二対の吸着槽を設け、加熱されたキャリアガスによって吸着材に吸着された有機溶剤を脱着した後、脱着により得られる有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮し、液化回収するシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、従来の低排水型有機溶剤回収システムでは脱着工程直後の吸着槽中の吸着材が高温となるため、吸着工程初期において被処理ガス中の有機溶剤を吸着材で十分に吸着できず、溶剤回収効率が悪化する問題があった。
吸着工程初期の吸着性能を向上させる目的で、脱着工程後期に吸着槽内の吸着材を低温のガスで冷却する冷却工程を追加する対策がしばしば施される。その結果、冷却工程を含む脱着工程の時間が長くなり、それに伴い吸着行程の時間も長くなり、吸着行程の吸着材の負荷が増加してしまい、吸着槽中の吸着材量を増加させることが必要となる問題があった。さらには冷却工程を設けるためのダンパー、ダクト、送風機が必要となり、装置の大型化や運転に必要なエネルギーが増加する問題があった。
特開2013−128905号公報
本発明は従来技術の課題を背景になされたもので、有機溶剤を含有する被処理ガスを吸脱着処理装置により処理し、有機溶剤を液化回収するシステムにおいて、脱着工程直後の高温となる吸着槽中の吸着材を効果的かつ低エネルギーで冷却し、吸着工程初期における吸着材による有機溶剤の吸着をより高効率に実施し、高効率で有機溶剤を回収することができる有機溶剤回収システムを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわ、本発明は以下の通りである。
1.有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を第1吸着槽に収容された第1吸着材で吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に行う第1吸脱着処理装置と、
前記有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して有機溶剤を液化回収する凝縮器と、
前記有機溶剤と共に液化回収される水分を前記有機溶剤との比重差によって分離するセパレータとを備え、
前記第1吸脱着処理装置は、吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させることにより第1吸着材を冷却することを特徴とする、有機溶剤回収システム。
2.キャリアガスを循環するように通流される循環経路と、
前記循環経路上に設けられ、有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を第1吸着槽に収容された第1吸着材で吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に行う第1吸脱着処理装置と、
前記循環経路上に設けられ、有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して前記有機溶剤を液化回収する凝縮器と、
前記循環経路上に設けられ、キャリアガスに含まれる前記有機溶剤を吸着および脱着する第2吸着材を含む第2吸脱着処理装置と、
前記循環経路上に設けられ、前記第2吸脱着処理装置から排出された高温または低温のキャリアガスを高温に温度調節して前記第1吸脱着処理装置に収容された第1吸着材に導入する第1吸着材脱着用ヒーターと、
前記循環経路上に設けられ、前記凝縮器から排出された未凝縮の前記有機溶剤を含有するキャリアガスを高温または低温のいずれかに時間的に交互に温度調節する第2吸脱着処理装置用温度調節器と、
前記有機溶剤と共に液化回収される水分を前記有機溶剤との比重差によって分離するセパレータとを備え、
前記第1吸脱着処理装置は、吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させることにより第1吸着材を冷却させ、
前記第2吸脱着処理装置用温度調節器にて温度調節された高温のキャリアガスと低温のキャリアガスとを、時間的に交互に前記第2吸着材に接触させることにより、有機溶剤を低温のキャリアガスから高温のキャリアガスに移動させ、
前記第1吸着槽に収容された第1吸着材を脱着再生する脱着工程の前期段階において、第2吸脱着処理装置用温度調節器は凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを高温に温度調節し、脱着工程の後期段階において、凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを低温の状態に温度調節する、上記1に記載の有機溶剤回収システム。
3.分離水が送液ポンプにより分離水移送ラインを移送されることにより吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面に接触させる上記1または2に記載の有機溶剤回収システム。
4.分離水が第1吸脱着処理装置より高い位置に設置した分離水タンクに移送された後、高低差によって分離水タンクから分離水移送ラインを移送されることにより吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面に接触させる上記1または2に記載の有機溶剤回収システム。
5.分離水をミスト状にして前記第1吸着槽の内側壁面に接触させる上記1から4のいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
6.第1吸着材が疎水性吸着材である上記1〜5のいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
7.疎水性吸着材が活性炭素繊維、粒状活性炭、球状活性炭、疎水性シリカゲルおよび疎水性ゼオライトから選ばれた少なくともひとつである上記6に記載の有機溶剤回収システム。
8.キャリアガスが不活性ガスである上記1〜7のいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
被処理ガスに含まれる有機溶剤を吸着材で吸着除去し、吸着した有機溶剤をキャリアガスにより脱着した後、脱着した有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して液化回収する吸脱着処理装置を含む有機溶剤回収システムにおいて、吸脱着処理装置の脱着工程直後に高温となる吸着槽中の吸着材を、セパレータで分離された分離水によって吸着槽を冷却することにより冷やし、吸着工程初期における吸着材に有機溶剤をより高効率に吸着するようにした有機溶剤回収システムを提供できる。
本発明の一実施形態である有機溶剤回収システムのフロー図例である。
以下、本発明を詳細に示す。
本発明の有機溶剤回収システムは、被処理ガスに含まれる有機溶剤を第1吸着槽に収容された第1吸着材で吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に第1吸脱着処理装置において、第1吸脱着処理装置の脱着工程直後の高温の状態である第1吸着槽を、その内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させ、水の気化熱を利用して高効率に冷却し、その結果第1吸着槽に収容された第1吸着材を冷やし、有機溶剤の吸着効率を向上するものである。
さらには、キャリアガスを循環するように通流される循環経路と、前記循環経路上に設けられ、有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を第1吸着槽に収容された第1吸着材で吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に行う第1吸脱着処理装置と、前記循環経路上に設けられ、有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して前記有機溶剤を液化回収する凝縮器と、前記循環経路上に設けられ、キャリアガスに含まれる前記有機溶剤を吸着および脱着する第2吸着材を含む第2吸脱着処理装置と、前記循環経路上に設けられ、前記第2吸脱着処理装置から排出された高温または低温のキャリアガスを高温に温度調節して前記第1吸脱着処理装置に収容された第1吸着材に導入する第1吸着材脱着用ヒーターと、前記循環経路上に設けられ、前記凝縮器から排出された未凝縮の前記有機溶剤を含有するキャリアガスを高温または低温のいずれかに時間的に交互に温度調節する第2吸脱着処理装置用温度調節器と、前記有機溶剤と共に液化回収される水分を前記有機溶剤との比重差によって分離するセパレータとを備え、前記第2吸脱着処理装置用温度調節器にて温度調節された高温のキャリアガスと低温のキャリアガスとを、時間的に交互に前記第2吸着材に接触させることにより、有機溶剤を低温のキャリアガスから高温のキャリアガスに移動させ、前記第1吸着槽に収容された第1吸着材を脱着再生する脱着工程の前期段階において、第2吸脱着処理装置用温度調節器は凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを高温に温度調節し、脱着工程の後期段階において、凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを低温の状態に温度調節する、有機溶剤回収システムにおける前記第1吸脱着処理装置において、第1吸脱着処理装置の脱着工程直後の高温の状態である第1吸着槽を、その内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させ、水の気化熱を利用して高効率に冷却し、その結果第1吸着槽に収容された第1吸着材を冷やし、有機溶剤の吸着効率を向上するものである。
本発明の第1吸着槽の冷却手段に用いる分離水は、高温の第1吸着槽に接触することよって気化され、その後に第1吸着槽に収容された第1吸着材を通過する。分離水が気化した水分は、第1吸着材にはほとんど吸着されずに系外へ排出される。また、分離水に含まれる有機溶剤は第1吸着材に再吸着されるため系外に排出されることがない。そのため、分離水を別途排水処理するよりも有機溶剤の回収効率は向上する。
第1吸着材としては、疎水性吸着材を使用することが好ましい。疎水性吸着材を使用した場合、分離水が気化した水分の吸着がされにくく、分離水に含まれる有機溶剤が第1吸着材に再吸着されやすいからである。疎水性吸着材としては、活性炭素繊維、粒状活性炭、球状活性炭、疎水性シリカゲルおよび疎水性ゼオライト等が挙げられ、中でも水分吸着率の低い活性炭素繊維または疎水性ゼオライトが好ましいが、特に限定されるものではない。
本発明では、第1吸着槽の冷却手段に分離水を使用することで、有機溶剤が飽和溶解した分離水を排水処理する必要がなくなり、排水処理設備を省略することができる。
第1吸着槽に接触させる分離水は気化して被処理ガス湿度を上昇させ、第1吸着材の吸着性能を著しく低減させることがある。そのため、第1吸着槽を冷却するために接触させる分離水の量は、被処理ガスの相対湿度を10%RH上昇させる水分量以下とすることが好ましく、被処理ガスの相対湿度を3%RH上昇させる水分量以下であることがより好ましい。
本発明の分離水は送液ポンプによって一定量で移送されることが好ましい。
本発明の分離水は第1吸着槽より高い位置に設置した分離水タンクに移送され、高低差によって分離水を第1吸着槽へ移送させることが好ましい。高低差を利用することで分離水を移送するポンプが必要なくなり、有機溶剤回収装置の運転エネルギーを削減することができる。
本発明の分離水はミスト状にして第1吸着槽の内側壁面に接触させることが好ましい。これにより、第1吸着槽の内側壁面に均一に接触させることができ、接触面積が広いために分離水の気化速度を向上することができる。
本発明の有機溶剤回収システムで使用するキャリアガスは不活性ガスであることが好ましい。低沸点で蒸気圧の高い有機溶剤を回収する場合、キャリアガスによって脱着されるガス濃度が溶剤の爆発限界の下限値を上回る可能性があるため、不活性ガスを用いることで安全性を確保することができるためである。
本発明の有機溶剤回収システムは、キャリアガスを循環するように通流される循環経路と、循環経路上に設けられ、有機溶剤を液化凝縮して回収する凝縮器と、循環経路上に設けられ、キャリアガスに含有される有機溶剤を吸着および脱着する第2吸着材を含む第2吸脱着処理装置と、第2吸着材から排出された高温または低温のキャリアガスを高温に温度調節して吸着槽に内蔵された吸着材に導入する第1吸着材脱着用ヒーターと、凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含有するキャリアガスを高温または低温のいずれかに時間的に交互に温度調節する第2吸脱着処理装置用温度調節器とを備え、第2吸脱着処理装置用温度調節器にて温度調節された高温のキャリアガスと低温のキャリアガスとを、時間的に交互に第2吸着材に接触させることにより、有機溶剤を低温のキャリアガスから高温のキャリアガスに移動させ、第1吸着槽に収容された第1吸着材を脱着再生する脱着工程の前期段階において、第2吸脱着処理装置用温度調節器は凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを高温に温度調節し、脱着工程の後期段階において、凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを低温の状態に温度調節する、有機溶剤回収システムであってもよい。
本発明における有機溶剤とは、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、O−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、フロン−112、フロン−113、HCFC、HFC、臭化プロピル、ヨウ化ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ビニル、プロピオン酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、炭酸ジエチル、蟻酸エチル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジブチルエーテル、アニソール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、フェノール、O−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アクリロニトリル、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、イソノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、テトラデカン、デカリン、ベンゼン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、o−キシレン、エチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドおよびジメチルスルホキシド等を指すものである。
以下、本発明の実施の形態の1形態である図1に記載の有機溶剤回収システムについて、実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中に示した特性は以下の方法で測定した。
(除去効率)
除去効率ηは次式にて求めた。
η(%)=(I−O)/I×100
ここでIは処理ガス入口濃度(ppm)、Oは処理ガス出口濃度(ppm)、である。
<実施例1>
酢酸エチルを2000ppm含有する35℃、55%RHの被処理ガス7Nm/minを図1に記載の第1吸脱着処理装置101に導入し、第1吸着材A102に通気させて酢酸エチルを吸着回収した。酢酸エチルを第1吸着材A102で吸着している間、第1吸着材B103では吸着した酢酸エチルを120℃に加熱した窒素ガスで脱着した。第1吸着材A、Bには東洋紡製の活性炭素繊維「K−FILTER」を使用した。
第1吸着材B103から脱着された酢酸エチルを含む吸着材脱着出口ガスは凝縮器104で10℃に冷却され、液化凝縮された酢酸エチルと水を得た。また脱着工程の初期は、凝縮器104から排出された未濃縮の酢酸エチルを含む低温の凝縮器出口ガスを第2吸着材用ヒーター110で120℃に加熱し、第2吸脱着処理装置107に通気した。この時、第2吸脱着処理装置107に含まれる第2吸着材108に吸着されていた酢酸エチルが脱着され、酢酸エチルを含有した窒素ガスが第2吸着材108から排出される。第2吸着材108から排出された酢酸エチルを含有した窒素ガスは第1吸着材用ヒーター111で120℃に加熱され、第1吸着材脱着用ガスとして第1吸脱着処理装置に循環供給した。
続く脱着工程の後期では凝縮器104から排出された未濃縮の酢酸エチルを含む低温の凝縮器出口ガスを直接第2吸脱着処理装置107に含まれる第2吸着材108に通気した。この時、低温の凝縮器出口ガスに含まれる酢酸エチルが第2吸着材108で吸着除去され、酢酸エチル濃度が低減された窒素ガスとして第2吸着材108から排出された。第2吸着材108から排出された低濃度の窒素ガスは第1吸着材脱着用ヒーター111で120℃に加熱され、第1吸着材脱着用ガスとして第1吸脱着処理装置に循環供給した。
第1吸着材B103の脱着工程がすべて完了した後、第1吸着材A102が脱着工程、第1吸着材B103が吸着工程を行うように切り替えた。このように、吸着工程と脱着工程を約15.5minで交互に切り替え行うことで、酢酸エチルを含有する被処理ガスを連続的に吸着処理した。
有機溶剤回収システムで液化回収された酢酸エチルおよび水はセパレータ105にて二層分離され、下層の分離水を送液ポンプ113にて分離水タンク112に送液した。酢酸エチル/水界面の高さは界面フロートスイッチ106で制御されており、一定の高さに達すると送液ポンプ113が起動し、分離水タンク112に送液された。
分離水タンク112に溜められた分離水は送液ポンプ114で吸着工程中の第1吸着材を収容した吸着槽に供給され、第1吸着槽の内側壁面にミスト管115から吹きかけられた。
回収される酢酸エチルは3135g/hr、分離水は100g/hrであった。分離水はすべて第1吸着槽の冷却に使用されたため、排水が必要な分離水は出なかった。分離水による第1吸着槽の冷却効果に加え、分離水に含まれる酢酸エチル8wt%が第1吸着材にて再吸着された結果、酢酸エチルの回収効率は95%であった。
<比較例1>
液化回収された酢酸エチルおよび水をセパレータ105にて二層分離させ、下層の分離水を別途回収し、第1吸着槽の冷却を一切行わなかったこと以外は実施例1と同様の処理を行った。その結果、酢酸エチルは2937g/hr、分離水は90g/hrであった。酢酸エチルの回収効率は89%であった。
<比較例2>
液化回収された酢酸エチルおよび水をセパレータ105にて二層分離させ、下層の分離水を別途回収し、一方脱着直後の第1吸着槽には冷却用送風機を使用して被処理ガスのうち4Nm/minを約2分間送風することにより第1吸着槽を冷却したこと以外は実施例1と同様の処理を行った。その結果、酢酸エチルは3119g/hr、分離水は90g/hrであった。酢酸エチルの回収効率は94.5%であり、電力は実施例1の1.2倍必要であった。
本発明の有機溶剤回収システムは、沸点100℃以下の低沸点有機溶剤であっても低エネルギーで有機溶剤を高効率で回収でき、さらに排水量を低減または無排水にすることができ、産業界の環境負荷に寄与することが大いに期待できる。
101 第1吸脱着処理装置
102 第1吸着材A
103 第1吸着材B
104 凝縮器
105 セパレータ
106 界面フロートスイッチ
107 第2吸脱着処理装置
108 第2吸着材
109 第2吸脱着処理装置用温度調節器
110 第2吸着材用ヒーター
111 第1吸着材脱着用ヒーター
112 分離水タンク
113 送液ポンプ
114 送液ポンプ
115 ミスト管
L1 分離水移送ライン

Claims (8)

  1. 有機溶剤を含有する被処理ガスから第1吸着槽に収容された第1吸着材で有機溶剤を吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に行う第1吸脱着処理装置と、
    前記有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して有機溶剤を液化回収する凝縮器と、
    前記有機溶剤と共に液化回収される水分を前記有機溶剤との比重差によって分離するセパレータとを備え、
    前記第1吸脱着処理装置は、吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させることにより第1吸着材を冷却することを特徴とする、有機溶剤回収システム。
  2. キャリアガスを循環するように通流される循環経路と、
    前記循環経路上に設けられ、有機溶剤を含有する被処理ガスから有機溶剤を第1吸着槽に収容された第1吸着材で吸着除去する吸着工程と、有機溶剤を吸着した第1吸着材をキャリアガスによって脱着再生し有機溶剤を含有するキャリアガスを排出する脱着工程を交互に行う第1吸脱着処理装置と、
    前記循環経路上に設けられ、有機溶剤を含有するキャリアガスを冷却凝縮して前記有機溶剤を液化回収する凝縮器と、
    前記循環経路上に設けられ、キャリアガスに含まれる前記有機溶剤を吸着および脱着する第2吸着材を含む第2吸脱着処理装置と、
    前記循環経路上に設けられ、前記第2吸脱着処理装置から排出された高温または低温のキャリアガスを高温に温度調節して前記第1吸脱着処理装置に収容された第1吸着材に導入する第1吸着材脱着用ヒーターと、
    前記循環経路上に設けられ、前記凝縮器から排出された未凝縮の前記有機溶剤を含有するキャリアガスを高温または低温のいずれかに時間的に交互に温度調節する第2吸脱着処理装置用温度調節器と、
    前記有機溶剤と共に液化回収される水分を前記有機溶剤との比重差によって分離するセパレータとを備え、
    前記第1吸脱着処理装置は、吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面にセパレータによって分離された分離水を接触させることにより第1吸着材を冷却させ、
    前記第2吸脱着処理装置用温度調節器にて温度調節された高温のキャリアガスと低温のキャリアガスとを、時間的に交互に前記第2吸着材に接触させることにより、有機溶剤を低温のキャリアガスから高温のキャリアガスに移動させ、
    前記第1吸着槽に収容された第1吸着材を脱着再生する脱着工程の前期段階において、第2吸脱着処理装置用温度調節器は凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを高温に温度調節し、脱着工程の後期段階において、凝縮器から排出された未凝縮の有機溶剤を含む低温のキャリアガスを低温の状態に温度調節する、請求項1に記載の有機溶剤回収システム。
  3. 分離水が送液ポンプにより分離水移送ラインを移送されることにより吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面に接触させる請求項1または2に記載の有機溶剤回収システム。
  4. 分離水が第1吸脱着処理装置より高い位置に設置した分離水タンクに移送された後、高低差によって分離水タンクから分離水移送ラインを移送されることにより吸着工程を行っている前記第1吸着槽の内側壁面に接触させる請求項1または2に記載の有機溶剤回収システム。
  5. 分離水をミスト状にして前記第1吸着槽の内側壁面に接触させる請求項1から4のいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
  6. 第1吸着材が疎水性吸着材である請求項1〜5のいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
  7. 前記疎水性吸着材が活性炭素繊維、粒状活性炭、球状活性炭、疎水性シリカゲルおよび疎水性ゼオライトから選ばれた少なくともひとつである請求項6に記載の有機溶剤回収システム。
  8. キャリアガスが不活性ガスである請求項1〜7のいずれかに記載の有機溶剤回収システム。
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