以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠3と、この外枠3にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠5と、この中枠5に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠7と、を備えている。
中枠5は、外枠3と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤9が保持されている。また、前枠7には、ガラス製または樹脂製の透過板11が保持されている。そして、これら中枠5および前枠7を外枠3に対して閉じると、遊技盤9と透過板11とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板11を介して遊技盤9が視認可能となる。
詳しい説明は省略するが、遊技盤9の前面には、不図示の釘や風車が設けられており、遊技盤9と透過板11との間隔によって形成される遊技領域を、遊技球が不規則に転動、流下する。また、遊技盤9の前面には、複数の入賞口が設けられており、これらの入賞口に遊技球が入球すると、前枠7の前面に設けられた上皿に、賞球として遊技球が払い出されることとなる。
そして、遊技盤9の背面には、遊技の進行を制御する主制御基板、演出を制御する副制御基板、賞球の払出を制御する払出制御基板等の種々の基板が、基板ケースに収容された状態で固定されている。以下に、これらの各基板を収容する基板ケースについて説明する。
図2は、基板ケース100の正面図である。なお、以下では、図2に示すx方向を基板ケース100の幅方向とし、y方向を基板ケース100の高さ方向とし、z方向を基板ケース100の厚さ方向として説明する。基板ケース100は、遊技盤9に固定されるベース体110と、このベース体110に対して開閉自在に設けられたカバー部材120とを備えている。ベース体110は、矩形状の平面部110aと、この平面部110aの側縁から垂直に起立する3つの隔壁部110b、110c、110dとを備えている。隔壁部110b、110cは、基板ケース100の高さ方向に平行に対向しており、隔壁部110dは、隔壁部110b、110cにおける基板ケース100の幅方向の一端部に連続している。したがって、ベース体110は、隔壁部110b、110c、110dによって四辺のうちの三辺が囲繞されており、基板ケース100の幅方向の他端側、すなわち、隔壁部110dに対向する開口部110eが外部に開口することとなる。
また、カバー部材120は、外形が矩形状の平面部120aと、この平面部120aから基板ケース100の厚さ方向に垂直に起立する隔壁部120b、120c、120d、120eと、これら隔壁部120b、120c、120d、120eの起立方向の端部に連続し、平面部120aと平行な面である収容面120fとを備えている。平面部120aは、ベース体110の平面部110aよりも僅かに面積が小さく形成されており、ベース体110の隔壁部110b、110c、110dに囲繞された空間内に収容可能な寸法関係を維持している。
隔壁部120b、120cは、基板ケース100の高さ方向に対向しており、隔壁部120d、120eは、基板ケース100の幅方向に対向している。これら隔壁部120b、120c、120d、120eと、収容面120fとによって、カバー部材120には、内部に基板を収容可能な収容空間130が形成されている。この収容空間130におけるxy断面の面積は、カバー部材120全体のxy断面の面積よりも小さく形成されており、平面部120aには、収容空間130の外部に接続端子を露出させたコネクタ122が設けられている。
上記の基板ケース100に基板を収容する場合には、カバー部材120をベース体110から取り外した状態で、収容空間130に基板を収容して固定する。その後、隔壁部120dを先頭にして、カバー部材120をベース体110の開口部110eから、基板ケース100の幅方向にスライドさせる。これにより、ベース体110に対してカバー部材120が閉じられるとともに、図示の状態では、ベース体110の平面部110a、カバー部材120の収容面120f、隔壁部120b、120c、120d、120eによって、収容空間130が外部から閉鎖された閉鎖空間となり、収容空間130に収容された基板へのアクセスが不可能となる。
なお、ベース体110の隔壁部110b、110cには、これら隔壁部110b、110cの対向方向に突出する爪部112が複数設けられている。この爪部112は、ベース体110に対して、カバー部材120が、基板ケース100の厚さ方向に脱落するのを規制するとともに、カバー部材120のベース体110に対するスライドをガイドする機能を担っている。
そして、基板ケース100には、ベース体110に対してカバー部材120を封止するための封止機構200が設けられている。この封止機構200は、ベース体110とカバー部材120とを互いに固定し、ベース体110に対するカバー部材120の開封を規制するためのものである。封止機構200により、ベース体110に対してカバー部材120が一度封止されると、封止機構200の破壊を伴わずしてカバー部材120を開封することができなくなる。
図3は、図2における封止機構200部分を拡大して示す部分拡大図であり、図4は、図3のIV−IV線における概略断面図である。図3および図4に示すように、ベース体110には、隔壁部110dに一体成形され、隔壁部110dからさらに基板ケース100の幅方向に垂直に突出する固定部202が設けられている。この固定部202は、基板が収容される収容空間130の外方に位置しており、ベース体110とカバー部材120との対向方向に直交する上面部202aに、2つのネジ穴204を開口させている。
一方、カバー部材120には、隔壁部120dに一体成形されるとともに、隔壁部120dから、収容空間130より離隔する方向に垂直に突出する突出部206が立設されている。この突出部206は、ベース体110に対してカバー部材120が閉じられた状態で、固定部202に対して空隙を維持して対向する。また、突出部206の先端には、ベース体110に対してカバー部材120が閉じられた状態で、ネジ穴204に対向配置される2つの延在壁部208が設けられている。この延在壁部208は、突出部206の先端に連続して一体成形されている。
より具体的には、延在壁部208は円筒状に形成されており、突出部206の突出方向先端部に位置する連続部206aは、延在壁部208の側面208aの曲率に一致する湾曲形状となっている。また、延在壁部208は、ネジ穴204との対向方向(z方向)、換言すれば、突出部206の突出方向に直交する方向に軸心を一致させて延在している。このとき、図4からも明らかなように、延在壁部208は、突出部206よりもネジ穴204側に延在しており、ベース体110に対してカバー部材120が閉じられた状態で、延在壁部208の延在方向の一端面が、ネジ穴204を完全に被覆するように、固定部202の上面部202aに面接触する。また、延在壁部208は、突出部206を境にしてネジ穴204とは反対側にも延在しており、その延在方向の端面の中心には、貫通孔208bが形成されている。
延在壁部208には、隆起部220が設けられている。隆起部220は、突出部206の連続部206aに連続する延在壁部208の側面208aに設けられており、延在壁部208とネジ穴204との対向方向に直交する方向、より詳細には、突出部206の突出方向に隆起している。この隆起部220は、突出部206を境にしてネジ穴204とは反対側に設けられており、延在壁部208の延在方向、すなわち、基板ケース100の厚さ方向に所定の長さを有している。また、隆起部220は、基板ケース100の厚さ方向において、突出部206に近接するにつれて徐々に隆起量が増す、換言すれば、延在壁部208の側面208aからの隆起量が増す傾斜形状となっている。このように、隆起部220は、突出部206の連続部206a、すなわち、延在壁部208の側面208aよりも突出部206側に隆起した状態で、延在壁部208および突出部206と一体成形されている。
ここで、延在壁部208の内部には、封止手段を構成する封止ネジ210が予め収容されている。この封止ネジ210には、ネジ穴204に形成されたネジ溝に螺合する雄ネジが切られており、頭部210aに形成された溝にドライバーを嵌合して回転させると、図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態となる。このように、封止ネジ210がネジ穴204に螺合することで、カバー部材120がベース体110に固定されることとなる。なお、封止ネジ210は、いわゆるワンウェイタイプのネジで構成されており、締付方向への回転は可能であるが、弛み方向への回転が不可能となっている。そのため、一度封止ネジ210をネジ穴204に螺合させると、封止ネジ210をネジ穴204から取り外すことができない。つまり、延在壁部208がネジ穴204に対して封止ネジ210によって封止されると、ベース体110とカバー部材120とを、破壊を伴わずに再度開封することができなくなっている。
こうした封止機構200を備えることにより、基板ケース100に収容された基板を改竄したり、正規の基板を不正な基板に交換したりする不正行為は、封止機構200を破壊したうえで行わなければならない。したがって、仮に不正行為が行われたとしても、封止機構200における破壊の痕跡を早期に発見することができれば、不正に遊技が行われるのを未然に防いで、被害を最小限に抑えることができる。
図2に示すように、基板ケース100には、封止機構200とは別の第2の封止機構300が設けられている。図5は、図2における第2の封止機構300部分を拡大して示す部分拡大図である。図6は、図5の第2の封止機構300の一部を透視して示す透視図である。図7は、基板ケース100の正面に向かって下方から第2の封止機構300部分を見たときの側面図である。図8は、基板ケース100の正面に向かって右側から第2の封止機構300部分を見たときの側面図である。
カバー部材120には、隔壁部120eからさらに基板ケース100の幅方向に突出するシール装着部320が設けられている。シール装着部320は、収容空間130の外方に位置しており、隔壁部120eおよび平面部110aに一体成形されている。シール装着部320は、平面部120aに平行な矩形平板状に形成されている。
ベース体110には、開口部110eからさらに基板ケース100の幅方向に突出するシール装着部310が設けられている。シール装着部310は、収容空間130の外方に位置しており、開口部110eを挟んで収容空間130とは反対側において、ベース体110の正面(カバー部材120に対向する面)との間に隙間を空けつつベース体110に一体成形されている。シール装着部310は、ベース体に平行な矩形平板状に形成されている。カバー部材120がベース体110に対して閉じられた状態で、シール装着部310のカバー部材120側の面は、シール装着部320のベース体110側の面に面接触する。
シール装着部320における基板ケース100の高さ方向(y方向)の中央には、シール装着部320を貫くスリット321が設けられている。同様に、シール装着部310における基板ケース100の高さ方向の中央には、シール装着部310を貫くスリット311が設けられている。スリット321およびスリット311は、収容空間130から離れる方向に沿って設けられ、それぞれ、シール装着部320の先端322およびシール装着部310の先端312に至る。スリット321およびスリット311は、カバー部材120がベース体110に対して閉じられた状態で互いに重なる。
カバー部材120がベース体110に対して閉じられた状態において、シール装着部320およびシール装着部310の表面には、封印シール330が貼り付けられる。封印シール330は、スリット321の一部およびスリット311の一部を覆うように貼り付けられる。具体的には、封印シール330は、シール装着部320における基板ケース100の幅方向(x方向)の中央付近から収容空間130とは反対側に延び、シール装着部320の先端322およびシール装着部310の先端312を跨いで、シール装着部310における基板ケース100の幅方向(x方向)の中央付近に延びるように貼り付けられる。封印シール330がこのように貼り付けられると、スリット321によって囲まれた領域のうちの基板ケース100の幅方向の中央付近からシール装着部320の先端322側の領域323と、スリット311によって囲まれた領域のうちの基板ケース100の幅方向の中央付近からシール装着部310の先端312側の領域313とが、封印シール330によって覆われる。また、封印シール330には、封印シール330の識別情報が記憶されたICタグ331が設けられている。
封印シール330が貼り付けられたシール装着部320およびシール装着部310の周りには、シール装着部320およびシール装着部310を取り囲んで封印シール330を被覆する封印シールカバー部340が設けられている。封印シールカバー部340は、封印シール330のうちのシール装着部320に貼られた部分を覆う第1の封印シールカバー350と、封印シール330のうちのシール装着部310に貼られた部分を覆う第2の封印シールカバー360とを備えている。
第1の封印シールカバー350は、平面部350aと、この平面部350aの側縁から垂直に起立する3つの隔壁部350b、350c、350dとを備えている。平面部350aは、シール装着部320に貼られた封印シール330に接触せずに配される。平面部350aの面積は、封印シール330におけるシール装着部320に貼られた部分の面積よりも広い。隔壁部350b、350cは、基板ケース100の高さ方向に平行に対向している。隔壁部350dは、シール装着部320の先端322側に位置しており、隔壁部350b、350cに連続している。したがって、シール装着部320は、封印シール330が貼られた面が平面部350aによって覆われ、隔壁部120e側を除く三辺が隔壁部350b、350c、350dによって囲まれる。
第2の封印シールカバー360は、第1の封印シールカバー350と同様の構成となっている。すなわち、第2の封印シールカバー360は、平面部360aと、この平面部360aの側縁から垂直に起立する3つの隔壁部360b、360c、360dとを備えている。そして、シール装着部310は、封印シール330が貼られた面が平面部360aによって覆われ、隔壁部120e側を除く三辺が隔壁部360b、360c、360dによって囲まれる。
隔壁部350b、350c、350dにおける平面部350aとは反対側部分は、接合部370を介して、隔壁部360b、360c、360dにおける平面部360aとは反対側部分に接合される。これにより、第1の封印シールカバー350および第2の封印シールカバー360によって封印シール330が完全に覆われる。
第1の封印シールカバー350の隔壁部120e側の端部には、突出部351および突出部352が設けられている。突出部351は、基板ケース100の高さ方向の中央において隔壁部120e側に突出しており、矩形状に形成されている。突出部352は、突出部351と隔壁部350bとの間、突出部351と隔壁部350cとの間のそれぞれにおいて、隔壁部120e側に突出しており、先端が丸い形状に形成されている。第2の封印シールカバー360についても同様となっている。
第1の封印シールカバー350の突出部352におけるシール装着部320に対向する面には、ボス353が設けられている。一方、シール装着部320における基板ケース100の幅方向の中央よりも隔壁部120e側には、シール装着部320を貫く穴324が2箇所設けられている。穴324には、ボス353が収容される。ボス353が穴324に収容されることで、第1の封印シールカバー350は、シール装着部320に保持される。同様に、第2の封印シールカバー360に設けられたボスが、シール装着部310に設けられた穴に収容されることで、第2の封印シールカバー360は、シール装着部310に保持される。
第1の封印シールカバー350の突出部351におけるシール装着部320に対向する面には、スリット321によって囲まれた領域(すなわち、スリット321内)に収容され、そのスリット321内を移動可能なカッター小片354が設けられている。カッター小片354は、第1の封印シールカバー350および第2の封印シールカバー360がシール装着部320、310に保持された状態で、スリット321によって囲まれた領域のうちの封印シール330と重なる領域323よりも隔壁部120e側の領域に収容される。カッター小片354は、隔壁部350d側(すなわち、封印シール330側)の側面が鋭利な形状に形成されている。第2の封印シールカバー360についても同様となっている。
封印シール330が覆われた状態から封印シールカバー部340を取り外す方法として、例えば、突出部352を切断してボス353を穴324から取り外し、シール装着部310、320に対して封印シールカバー部340を収容空間130から離れる方向に移動させることが考えられる。この場合、封印シールカバー部340の移動に伴って、第1の封印シールカバー350側において、カッター小片354が、スリット321内を収容空間130から離れる方向に移動することとなる。カッター小片354が、スリット321によって囲まれた領域と封印シール330とが重なる領域323まで移動すると、封印シール330は、カッター小片354の鋭利な側面によって破損することとなる。第2の封印シールカバー360側についても、同様である。
このように、第2の封止機構300は、封印シール330の破損の痕跡によって、不正行為を発見し、不正行為による被害を最小限に抑えるものである。
ここで、本実施形態の基板ケース100には、封印シール330が封印シールカバー部340によって覆われた状態で、封印シールカバー部340をベース体110に固定する封印シールカバー固定部400が設けられている。
図9は、封印シールカバー固定部400部分の透視図である。図10は、図5のX−X線における概略断面図である。図5〜図10を参照して封印シールカバー固定部400について詳述する。
封印シールカバー固定部400は、第1の固定部410と、第2の固定部420と、ビス430と、ビスカバー部440とを有する。
第1の固定部410は、封印シールカバー部340の隔壁部350bから隔壁部350cとは反対側方向に延び、延びた先でベース体110の平面部110aに向かって折れ曲がった、略L字状のブロック体である。第1の固定部410の一方の端部411は、隔壁部350d近傍において、隔壁部350bに固定されている。第1の固定部410の他方の端部412は、平面部110aに臨んで配される。第1の固定部410における収容空間130側の面と、隔壁部350bにおけるシール装着部320とは反対側の面との間には、第1の固定部410の隔壁部350bへの固定を補強するアングル部413が設けられている。
第1の固定部410の他方の端部412付近における収容空間130とは反対側の面には、収容空間130から離れる方向に突出する突出部414が設けられている。突出部414および第1の固定部410には、突出部414の先端415から突出部414を貫いて第1の固定部410内に窪むネジ穴416が設けられている。ネジ穴416には、ネジ溝が形成されている。ネジ穴416は、ベース体110に平行であり、基板ケース100の幅方向に軸心が一致している。
ベース体110における封印シールカバー部340を挟んで収容空間130とは反対側には、平板部450が設けられている。平板部450は、ベース体110と平行な姿勢でベース体110に固定されている。平板部450における第1の固定部410付近には、平板部450のベース体110とは反対側の面から垂直に起立する第2の固定部420が固定されている。すなわち、第2の固定部420は、平板部450を介して、ベース体110から起立して設けられている。
第2の固定部420は、略円環状の頭部421と、頭部421を平板部450に固定させる脚部422とを備えている。頭部421には、円環の中央において、頭部421を貫く円形の穴部423が設けられている。第2の固定部420は、穴部423の軸心が、第1の固定部410のネジ穴416の軸心の延長線に一致するように配される。
頭部421における第1の固定部410に対向する面には、窪み部424が設けられている。窪み部424は、穴部423における第1の固定部410側の径を、穴部423における基板ケース100の幅方向中央部分の径に比べ、拡大させる。第2の固定部420は、この窪み部424によって形成される空間に、第1の固定部410の突出部414の先端415を収容させるように配される。
頭部421における第1の固定部410とは反対側の面には、窪み部425が設けられている。窪み部425は、穴部423における第1の固定部410とは反対側の径を、穴部423における基板ケース100の幅方向中央部分の径に比べ、拡大させる。窪み部425が設けられることで、穴部423の軸心に垂直な平面部426が形成される。
ビス430の頭部431には、ドライバーが嵌合される溝432が形成されている。ビス430には、第1の固定部410のネジ穴416のネジ溝に螺合する雄ネジが切られている。ビス430は、第2の固定部420の頭部421の窪み部425側から穴部423に挿入され、窪み部424に収容された突出部414の先端415からネジ穴416に回転しつつ挿入される。ビス430の座面433が平面部426に面接触するまでビス430がネジ穴416に挿入されると、第2の固定部420は、ビス430を介して第1の固定部410に固定される。すなわち、ビス430は、第2の固定部420の側面から第2の固定部420を貫いて第1の固定部410と第2の固定部420とを連結して固定する。
ビスカバー部440は、略椀状に形成されている。ビスカバー部440の開口部441側の外径は、第2の固定部420の頭部421の窪み部425の内径よりも僅かに小さくなっている。ビスカバー部440は、開口部441側部分と窪み部425との間で適度な摩擦力をもって第2の固定部420に着脱可能に装着される。ビスカバー部440によって囲まれた領域(ビスカバー部440内)は、ビス430の頭部431を収容可能な広さになっている。
ビス430によって第1の固定部410と第2の固定部420とが連結された状態において第2の固定部420にビスカバー部440が装着されると、ビス430の頭部431は、ビスカバー部440によって被覆される。したがって、第1の固定部410と第2の固定部420とを連結したビス430は、第1の固定部410と第2の固定部420とビスカバー部440とによって、外部から完全に目視することができないようになっている。
以上のように、封印シールカバー固定部400は、封印シールカバー部340に設けられた第1の固定部410と、ベース体110から起立して設けられた第2の固定部420と、第1の固定部410と第2の固定部420とを連結して固定するビス430とによって、封印シールカバー部340をベース体110に固定する。
封印シールカバー固定部400を備えた基板ケース100によれば、封印シールカバー部340がベース体110に固定されているため、封印シールカバー部340をシール装着部310、320から取り外すのが困難となり、封印シールカバー部340を取り外して基板ケース100を不正に開封する行為を防止することができる。
また、封印シールカバー固定部400を壊そうとした場合、封印シールカバー固定部400を壊す過程や、封印シールカバー部340を取り外す過程などにおいて、封印シール330が破損し易い。このため、基板ケース100によれば、仮に不正な開封がなされた場合には、封印シールカバー固定部400の破損の痕跡や封印シール330の破損の痕跡によって、早期に不正行為を発見し、不正行為による被害を最小限に抑えることができる。
また、基板ケース100によれば、ビス430を外部から完全に目視することができないようになっているため、封印シールカバー部340を固定している箇所を、不正行為者に容易に認識させないようにすることができる。
また、ビス430は、第1の固定部410と第2の固定部420とを連結した状態で基板ケース100の幅方向に延在するため、ビス430を取り外すには、基板ケース100の横から幅方向に沿って、ドライバー等をビス430の溝432に当てなければならない。このため、基板ケース100によれば、ビス430を取り外し難い。さらに、図2に示すように、基板ケース100が遊技盤9に組み付けられた状態において、第2の封止機構300および封印シールカバー固定部400を挟んで収容空間130とは反対側には、遊技機1における他のユニット500、例えば、遊技球を払い出すユニットなどが配置される。すなわち、基板ケース100を備えた遊技機1では、ビス430の頭部431に対して、第1の固定部410と第2の固定部420との連結を解除する方向に、他のユニット500が配置される。このため、ドライバー等をビス430の溝432に当てる際、他のユニット500の存在が邪魔となり、基板ケース100を遊技盤9に組み付けられた状態でビス430を取り外すのは、非常に困難である。これにより、基板ケース100によれば、基板ケース100を不正に開封する行為を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態では、第1の固定部410は、封印シールカバー部340の隔壁部350bから突出していた。しかし、第1の固定部410の位置は、この態様に限らない。例えば、第1の固定部410は、封印シールカバー部340の隔壁部350cから突出してもよいし、隔壁部350dから突出してもよい。すなわち、第1の固定部410は、第2の固定部420と連結可能な位置に設けられればよい。
上記実施形態では、第2の固定部420は、ベース体110に固定された平板部450から起立して設けられていた。しかし、平板部450を設けず、第2の固定部をベース体110から直接に起立して設けてもよい。
上記実施形態では、カバー部材120にシール装着部320が設けられ、ベース体110にシール装着部310が設けられ、シール装着部320からシール装着部310に跨って封印シール330が貼り付けられていた。しかし、封印シール330が貼り付けられるシール装着部は、ベース体110およびカバー部材120の少なくともいずれか一方に設けられていればよい。すなわち、封印シールカバー部340のカッター小片354によって封印シール330が破損可能な構成であればよい。
上記実施形態では、カバー部材120内に基板を収容、固定することとしたが、ベース体110に基板を固定してもよい。いずれにしても、ベース体に対してカバー部材が閉じられた状態で、ベース体の隔壁とカバー部材の隔壁とによって、内部に基板を収容可能な収容空間が形成される構成であれば、その具体的な構成は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、カバー部材120をベース体110に対してスライドさせて開閉する構造について説明したが、ベース体110やカバー部材120の形状、構造は一例に過ぎない。したがって、ベース体110に対してカバー部材120を回動させて開閉するように構成してもよいし、ベース体110とカバー部材120とを単に積層させることで開閉する構成としてもよい。