JP2018192099A - 被覆樹脂剥ぎ工具及び被覆樹脂剥ぎ方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂被覆ロープの被覆樹脂を容易に切ることができる被覆樹脂剥ぎ工具を提供する。【解決手段】一つの実施形態に係る被覆樹脂剥ぎ工具は、ロープ保持部と、可動部と、切削手段保持部と、を備える。前記ロープ保持部は、樹脂被覆ロープの延伸方向に移動可能に当該樹脂被覆ロープを保持するよう構成される。前記可動部は、前記ロープ保持部に対して移動可能に前記ロープ保持部に接続される。前記切削手段保持部は、前記ロープ保持部に保持された前記樹脂被覆ロープに対して移動可能な刃と、前記刃を加熱可能な加熱部と、を有する切削手段を保持するよう構成され、前記ロープ保持部又は前記可動部に設けられる。前記可動部は、前記加熱部に加熱された前記刃を、前記樹脂被覆ロープの被覆樹脂の外に位置する第1の位置と、前記被覆樹脂の内部に進入した第2の位置と、に移動させることが可能である。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、被覆樹脂剥ぎ工具及び被覆樹脂剥ぎ方法に関する。
二本のロープは、ストランドや素線をばらけさせ、当該ストランド又は素線同士を編み合わせることにより、互いに連結することが可能である。
ロープとして、外周が樹脂により覆われた樹脂被覆ロープが知られる。二本の樹脂被覆ロープを互いに連結させる場合、被覆部を除去してストランド及び素線を露出させるために大きな工数が発生することがある。
一つの実施形態に係る被覆樹脂剥ぎ工具は、ロープ保持部と、可動部と、切削手段保持部と、を備える。前記ロープ保持部は、樹脂被覆ロープの延伸方向に移動可能に当該樹脂被覆ロープを保持するよう構成される。前記可動部は、前記ロープ保持部に対して移動可能に前記ロープ保持部に接続される。前記切削手段保持部は、前記ロープ保持部に保持された前記樹脂被覆ロープに対して移動可能な刃と、前記刃を加熱可能な加熱部と、を有する切削手段を保持するよう構成され、前記ロープ保持部又は前記可動部に設けられる。前記可動部は、前記加熱部に加熱された前記刃を、前記樹脂被覆ロープの被覆樹脂の外に位置する第1の位置と、前記被覆樹脂の内部に進入した第2の位置と、に移動させることが可能である。
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明について、複数の表現が記載されることがある。複数の表現がされた構成要素及び説明は、記載されていない他の表現がされても良い。さらに、複数の表現がされない構成要素及び説明も、記載されていない他の表現がされても良い。
図1は、第1の実施形態に係る樹脂被覆ロープ(以下、被覆ロープと称する)1と被覆樹脂剥ぎ工具(以下、工具と称する)2とを示す斜視図である。図2は、第1の実施形態の被覆ロープ1と工具2とを示す側面図である。
樹脂被覆ロープ1は、例えば、エレベータの乗りかごの巻き上げに用いられるワイヤロープである。なお、樹脂被覆ロープ1はこの例に限らず、ガバナロープとして用いられても良いし、エレベータとは異なる用途に用いられるロープであっても良い。図1に示すように、被覆ロープ1は、ロープ11と、被覆樹脂12とを有する。被覆樹脂12は、単に被覆とも称され得る。
ロープ11は、芯綱15と、複数のストランド16とを有する。ストランド16は、例えば、鋼線とも称され得る。芯綱15及びストランド16はそれぞれ、複数の金属製の素線(ワイヤ)によって形成される。複数のストランド16は、芯綱15の周りに縒り合される。
被覆樹脂12は、例えば合成樹脂によって作られ、ロープ11の外周を覆う。なお、被覆樹脂12は、各ストランド16の外周を覆っても良い。被覆樹脂12は、被覆ロープ1の外周面1aを形成する。
工具2は、ロープ保持部21と、可動部22と、ナイフ23と、ナイフ保持部24とを有する。ロープ保持部21は、例えば、筒部とも称され得る。可動部22は、例えば、アーム、レバー、又は操作部とも称され得る。ナイフ23は、切削手段の一例であり、例えば、工具とも称され得る。ナイフ保持部24は、切削手段保持部の一例であり、例えば、固定部とも称され得る。
ロープ保持部21は、略円筒状に形成される。なお、ロープ保持部21は、他の形状に形成されても良い。ロープ保持部21に、挿通孔31と、露出口32とが設けられる。露出口32は、例えば、開口とも称され得る。
挿通孔31は、略円筒状のロープ保持部21の内側に設けられた略円形の孔である。挿通孔31は、例えば、被覆ロープ1の外径よりも僅かに大きい内径を有し、当該被覆ロープ1が通される。このため、挿通孔31は、被覆ロープ1の延伸方向(長手方向)に延びる。
挿通孔31に被覆ロープ1が通されることで、ロープ保持部21は、被覆ロープ1に装着される。別の表現によれば、ロープ保持部21は、被覆ロープ1を保持する。ロープ保持部21は、挿通孔31に通された被覆ロープ1に対して、被覆ロープ1の延伸方向に移動可能である。本実施形態において、図2における左右方向が、被覆ロープ1の延伸方向である。なお、被覆ロープ1の延伸方向は、例えば、円弧状に曲がる方向であっても良い。
露出口32は、例えば、被覆ロープ1の径方向に延び、挿通孔31に連通する孔である。径方向は、延伸方向と直交する方向である。なお、露出口32は、延伸方向と交差する他の方向に延びても良い。
図1に示すように、ロープ保持部21は、前端面21aと、後端面21bと、内面21cと、外面21dと、を有する。前端面21a及び後端面21bは、延伸方向におけるロープ保持部21の両端である。挿通孔31は、前端面21a及び後端面21bに開口する。
内面21cは、延伸方向に延びる略円筒形の面であり、挿通孔31を規定する。外面21dは、内面21cの反対側に位置する。露出口32は、内面21c及び外面21dに開口する。露出口32は、例えば、後端面21bよりも前端面21aにより近い位置に設けられる。
ロープ保持部21は、内筒35と、外筒36とを有する。内筒35は、例えば、金属によって作られる。外筒36は、例えば、合成樹脂のような、内筒35よりも熱伝導率が低い材料(断熱素材)によって作られる。内筒35は、内面21cを形成する。内筒35の一部と外筒36とは、外面21dを形成する。すなわち、ロープ保持部21の外面21dの一部は、断熱素材により形成される。なお、ロープ保持部21はこの例に限られない。
ロープ保持部21は、柱部38と、アーム軸39とをさらに有する。柱部38は、例えば内筒35の外面21dから径方向に突出する。柱部38は、例えば、挿通孔31に対して、露出口32が延びる方向に突出する。このため、柱部38と露出口32とは、延伸方向に並べられる。柱部38は、例えば、外面21dに溶接されることで内筒35と一体に形成される。アーム軸39は、外面21dから離間した位置で柱部38に設けられる。
可動部22は、アーム41と、グリップ42と、ピン43とを有する。アーム41は、例えば、金属によって作られ、棒状に形成される。アーム41の長手方向における端部に、切欠き41aが設けられる。切欠き41aの内部に、柱部38が配置される。このため、切欠き41aを形成するアーム41の二つの凸部41bとの間に、柱部38が位置する。
二つの凸部41bにそれぞれ、孔41cが設けられる。孔41cにアーム軸39が挿入されることで、アーム41がアーム軸39に取り付けられる。アーム41は、ロープ保持部21から離間した位置で、露出口32を覆うように配置される。別の表現によれば、露出口32は、アーム41に向かって開口する。
アーム41は、アーム軸39を軸として回動可能に、アーム軸39に取り付けられる。このため、可動部22は、ロープ保持部21に対して移動可能に、ロープ保持部21のアーム軸39に接続される。なお、可動部22は、例えば、ロープ保持部21に対して直線状に移動可能であっても良い。
アーム41がアーム軸39に回動可能に取り付けられることで、可動部22は、図2に矢印で示す第1の方向D1と、第2の方向D2とに移動可能である。第1の方向D1は、可動部22がロープ保持部21に近付く方向である。第2の方向D2は、第1の方向D1の反対の方向であり、ロープ保持部21から遠ざかる方向である。なお、第1の方向D1及び第2の方向D2はこの例に限らない。
グリップ42は、アーム41の少なくとも一部を覆う。グリップ42は、例えば、合成樹脂のような、アーム41よりも熱伝導率が低い材料(断熱素材)によって作られる。グリップ42と、ロープ保持部21の外筒36とは、間隔を介して径方向に並ぶ。
ピン43は、例えば、金属のような耐熱性の高い材料によって作られる。ピン43は、アーム41から露出口32に向かって突出し、例えば円柱状に形成される。ピン43は、例えば、アーム41に溶接されることでアーム41と一体に形成される。本実施形態において、ピン43は、グリップ42と、アーム41の孔41c及びアーム軸39との間に位置する。
図3は、第1の実施形態のナイフ23を示す斜視図である。ナイフ23は、柄51と、加熱部52と、接続部53と、刃54と、ナイフ軸55と、ケーブル56とを有する。ナイフ23は、例えば、電気式発熱ナイフ(ホットナイフ)であり、刃54を加熱することが可能である。なお、ナイフ23は、電気式発熱ナイフとして製造されたものに限らず、例えば、半田ごてのような加熱手段が搭載された装置を改造したものであっても良い。
柄51は、略円柱形状に形成される。なお、柄51は他の形状に形成されても良い。柄51の表面は、例えば、合成樹脂のような、接続部53及び刃54よりも熱伝導率が低い材料(断熱素材)によって作られる。
加熱部52は、例えば、ニクロム線ヒータ又はセラミックヒータであり、柄51の内部に設けられる。加熱部52は、通電されることにより発熱する。なお、加熱部52はこの例に限らず、例えばガスによって発熱しても良い。
接続部53、刃54、及びナイフ軸55は、例えば、金属のような熱伝導性及び耐熱性が高い材料によって作られる。接続部53は、柄51から延びる。接続部53の長手方向における端部に、切欠き53aが設けられる。切欠き53aの内部に、刃54が配置される。このため、切欠き53aを形成する接続部53の二つの凸部53bの間に、刃54が位置する。
二つの凸部53bにそれぞれ、孔53cが設けられる。孔53cにナイフ軸55が挿入されることで、刃54は、ナイフ軸55を軸として回動可能に、接続部53に取り付けられる。ナイフ軸55は、刃54と一体に形成されても良いし、刃54に設けられた孔に挿入されても良い。
刃54は、基部54aと、エッジ部54bとを有する。基部54aは、略板状に延びる。基部54aの長手方向の一方の端部が、ナイフ軸55により接続部53に接続される。このため、刃54は、接続部53から延出する。
エッジ部54bは、接続部53から離間した位置で、基部54aから、基部54aが延びる方向と交差する方向に突出する。エッジ部54bは、延伸方向に沿って配置される。エッジ部54bは、略半円形に形成される。なお、エッジ部54bは他の形状に形成されても良い。エッジ部54bの先端は、丸められて(潰されて)いるが、鋭くされていても良い。
刃54は、側面54cをさらに有する。さらに、接続部53は、切欠き53aの一部を形成する内側面53dをさらに有する。側面54cと内側面53dとは、向かい合うとともに、互いに接触する。これにより、接続部53と刃54とが熱的に接続される。なお、接続部53と刃54とは、ナイフ軸55を介しても熱的に接続される。
ケーブル56は、柄51から、例えば接続部53の反対方向に延びる。ケーブル56は、バッテリやコンセントのような電源に接続される。加熱部52は、ケーブル56を介して、当該電源から電力を供給される。
加熱部52は、通電されることで発熱し、接続部53を加熱する。加熱部52の熱は、接続部53から、内側面53d及び側面54c、又はナイフ軸55を介して、刃54に伝導する。このように、加熱部52は、刃54を加熱可能である。刃54と接続部53との接触面積は、接続部53から刃54に十分に熱が伝導するよう設定される。
図1に示すように、ナイフ保持部24は、ナイフ23をロープ保持部21に取り外し可能に固定する。別の表現によれば、ナイフ保持部24は、ロープ保持部21に設けられ、ナイフ23を保持する。ナイフ保持部24は、ナイフ台61と、固定バンド62とを有する。
ナイフ台61は、外面21dから突出するように、ロープ保持部21に取り付けられる。ナイフ台61は、例えば、挿通孔31に対して、露出口32が延びる方向に突出する。このため、ナイフ台61と露出口32とは、延伸方向に並べられる。ナイフ台61に、凹部61aが設けられる。凹部61aに、ナイフ23の柄51が嵌め込まれる。
固定バンド62は、例えば、略環状の結束機である。固定バンド62は、凹部61aに嵌め込まれたナイフ23とロープ保持部21とを結束し、ナイフ23をロープ保持部21に固定する。
ナイフ保持部24は、ナイフ23が延伸方向、径方向、及び周方向に移動することを制限する。周方向は、被覆ロープ1を中心軸として回転する方向である。なお、ナイフ保持部24に保持されるナイフ23は、延伸方向、径方向、及び周方向のうち少なくとも一つに僅かに移動可能であっても良い。
固定バンド62は、例えば、合成ゴム製の環や、ヒンジ等により開閉可能な金属製の環であっても良い。また、ナイフ保持部24は、ネジによりナイフ23をナイフ台61に固定しても良い。このように、ナイフ保持部24は、ナイフ台61及び固定バンド62に限らず、ナイフ23をロープ保持部21に固定可能な他の要素を有しても良い。
図2に示すように、ナイフ台61は、例えば、ロープ保持部21の前端面21aよりも後端面21bにより近い位置に設けられる。ナイフ台61は、延伸方向において、後端面21bと露出口32との間に位置する。ナイフ23は、前端面21aよりも後端面21bにより近い位置で、ナイフ台61に保持される。
ナイフ保持部24は、ロープ保持部21と可動部22との間に、ナイフ23を保持する。柄51は、外筒36とグリップ42との間に位置する。刃54は、ピン43と露出口32との間に位置する。ピン43は、ナイフ保持部24に保持されたナイフ23の、刃54の基部54aに向かってアーム41から突出する。
可動部22が第1の方向D1に回動させられると、ピン43が、刃54の基部54aに接触する。可動部22は、第1の方向D1にさらに回動させられると、刃54を露出口32に向かって押す。押された刃54は、ナイフ軸55を軸として回動させられ、露出口32を通して、挿通孔31の内部に向かって移動する。このように、可動部22は、第1の方向D1に移動させられることで、刃54を押し下げる。
例えば、エレベータにおいて、古い被覆ロープ1と新しい被覆ロープ1との交換が行われる。このとき、工具2を用いて被覆ロープ1の被覆樹脂12の一部が剥ぎ取られる(除去される)。以下、工具2を用いた被覆樹脂12の剥ぎ取りの一例について説明する。なお、工具2を用いた被覆樹脂12の剥ぎ取り方法は、以下に説明される例に限られない。
図4は、第1の実施形態の溝12aが設けられた被覆ロープ1の一例を示す斜視図である。工具2は、被覆樹脂12の一部を切り(裂き)、被覆樹脂12に溝12aを形成する。溝12aは、被覆ロープ1の延伸方向の端部1bから延伸方向に離間した位置まで延び、被覆ロープ1の外周面1aからロープ11まで達する切れ目である。溝12aは、延伸方向に延びるが、例えば螺旋状に延びても良い。また、溝12aは、ロープ11から離間しても良い。以下、具体的に説明する。
まず、図1に示すように、ナイフ保持部24に、ナイフ23を保持させる。例えば、ナイフ23の柄51がナイフ台61の凹部61aに嵌め込まれることで、刃54が露出口32とピン43との間に配置され、エッジ部54bが延伸方向に配置されるように、ナイフ23が位置決めされる。この状態で、固定バンド62がナイフ23をロープ保持部21に固定する。
次に、ロープ保持部21の挿通孔31に、被覆ロープ1が通される。例えば、被覆ロープ1の端部1bが、ロープ保持部21の前端面21aに開口する挿通孔31の開口端から、挿通孔31の内部に挿入される。被覆ロープ1が挿通孔31の内部を進むことで、被覆ロープ1が、後端面21bに開口する挿通孔31の開口端から、挿通孔31の外に出る。
挿通孔31に通されることで、被覆ロープ1は、ロープ保持部21に保持される。被覆ロープ1がロープ保持部21に保持されると、刃54は、露出口32を通して、被覆ロープ1の外周面1aに面する。
刃54が露出口32を通して溝12aの始点に面するようになるまで、ロープ保持部21が被覆ロープ1に沿って進められる。これにより、ロープ保持部21は、刃54が端部1bから離間した位置で外周面1aに面する状態に、被覆ロープ1を保持する。
次に、ナイフ23に通電することで、図3の加熱部52が刃54を加熱する。加熱部52は、刃54の温度を、被覆樹脂12の融点より高く設定する。なお、刃54の温度は、被覆樹脂12の融点より低くても良い。また、加熱部52は、刃54を予め加熱しても良い。
図2に示すように、刃54は、ロープ保持部21と、可動部22との間に位置する。このため、加熱された刃54が作業者に触れることが抑制される。作業者は、例えば、断熱素材によって作られた外筒36及びグリップ42に触れるよう、工具2を把持する。このため、加熱部52が刃54を加熱しても、作業者が触れる部分が高温になることが抑制される。
次に、可動部22が押し下げられ、ロープ保持部21に保持された被覆ロープ1に対して第1の方向D1に移動させられる。例えば、作業者が、把持する外筒36及びグリップ42を握り込むことで、可動部22が第1の方向D1に移動させられる。
第1の方向D1に移動する可動部22のピン43は、刃54を被覆ロープ1の外周面1aに露出口32を通して近づける。言い換えると、刃54は、ロープ保持部21に保持された被覆ロープ1に対して移動させられる。
可動部22が移動する前、刃54は、図2の二点鎖線で示す第1の位置P1に位置する。第1の位置P1において、刃54は、被覆ロープ1の被覆樹脂12の外に位置する。言い換えると、第1の位置P1において、刃54は、被覆ロープ1の外周面1aから離間する。さらに、第1の位置P1において、刃54は、露出口32の外に位置しても良い。
可動部22により、刃54は、図2の実線で示す第2の位置P2に移動させられる。第2の位置P2において、刃54は、被覆樹脂12の内部に進入している。言い換えると、第2の位置P2において、刃54は、被覆樹脂12に刺し込まれている。第2の位置P2に位置する刃54は、ロープ11から離間しても良いし、ロープ11に接触しても良い。
可動部22は、刃54を、露出口32を通して、上述の第1の位置P1と第2の位置P2とに移動させることが可能である。可動部22は、第1の方向D1に移動させられることで、刃54を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させる。
第1の位置P1から第2の位置P2に向かって移動するとき、刃54のエッジ部54bが、露出口32により露出された被覆ロープ1の外周面1aに接触する。加熱部52によって加熱された刃54のエッジ部54bは、被覆ロープ1の外周面1aに接触すると、当該外周面1aを形成する被覆樹脂12を加熱する。
エッジ部54bは、被覆樹脂12を加熱することで、被覆樹脂12を融解する。可動部22により刃54がさらに移動させられることで、エッジ部54bは、被覆樹脂12を溶かしながら、被覆樹脂12の内部に進入する。言い換えると、刃54は、被覆樹脂12を溶かしながら、被覆樹脂12に刺し込まれる。
エッジ部54bの温度が被覆樹脂12の融点よりも低い場合、エッジ部54bは、被覆樹脂12を加熱することで、被覆樹脂12を軟化させる。可動部22により刃54が押されることで、エッジ部54bは、被覆樹脂12を軟化させながら切り、被覆樹脂12の内部に進入する。
次に、刃54が第2の位置P2に位置する状態で、ロープ保持部21が、被覆ロープ1の端部1bに向かって、延伸方向に沿って移動させられる。例えば、作業者は、外筒36及びグリップ42を握り込んだ状態で、工具2を被覆ロープ1の端部1bに向かって引く。
ロープ保持部21が移動することで、刃54のエッジ部54bは、被覆樹脂12の内部に位置した状態で、被覆ロープ1の端部1bに向かって移動させられる。エッジ部54bは、被覆樹脂12を加熱しながら切り、溝12aを形成する。エッジ部54bは、被覆樹脂12を溶かすため、容易に被覆樹脂12を切ることができる。
エッジ部54bが端部1bに到達すると、図4に示すように、端部1bから延伸方向に延びる溝12aが被覆樹脂12に形成される。工具2がさらに引かれることで、ロープ保持部21が被覆ロープ1から取り外される。
径方向における溝12aの深さは、図2の第1の方向D1における可動部22の移動量によって調整される。言い換えると、作業者が外筒36及びグリップ42を握り込む強さによって、溝12aの深さが調整される。
上述のように、エッジ部54bの先端は、丸められている。また、刃54の温度は、ロープ11の融点よりも低い。このため、エッジ部54bがロープ11に接触したとしても、ロープ11が損傷することが抑制される。エッジ部54bは、先端が丸められていても、加熱されることで被覆樹脂12を容易に切ることができる。
次に、図4に示す切除箇所12bに沿って、被覆樹脂12が切られる。切除箇所12bは、例えば、端部1bから離間した溝12aの端部から、周方向に延びる。例えば、ナイフ保持部24から取り外されたナイフ23が、切除箇所12bに沿って、被覆樹脂12を溶かしながら切る。なお、他の工具によって、切除箇所12bが切られても良い。
図5は、第1の実施形態の被覆樹脂12の一部が剥ぎ取られた被覆ロープ1を示す斜視図である。切られた切除箇所12bと、溝12aとは互いにつながる。例えば、溝12aを形成する被覆樹脂12の切断面を周方向に引っ張ることで、被覆樹脂12の、端部1bと切除箇所12bとの間の部分がロープ11から引き剥がされる。このように、被覆樹脂12の一部が剥ぎ取られることで、被覆ロープ1の端部1bから切除箇所12bまでの部分において、ロープ11が外部に露出する。
次に、露出したロープ11の複数のストランド16がばらけさせられる。当該ストランド16と、他の被覆ロープ1のストランド16とが互いに編み込まれることで、被覆ロープ1と他の被覆ロープ1とが連結される。古い被覆ロープ1は、巻き取られて回収され、新しい被覆ロープ1に入れ替えられる。
図6は、第1の実施形態の被覆ロープ1と工具2とアダプタ70とを分解して示す斜視図である。図7は、第1の実施形態の被覆ロープ1と工具2とアダプタ70とを、部分的に断面図として示す側面図である。ロープ保持部21は、図6に示すアダプタ70を有しても良い。
挿通孔31の内径が被覆ロープ1の外径と大よそ等しい場合、図1に示すように、被覆ロープ1が挿通孔31に直接通される。一方、挿通孔31の内径が被覆ロープ1の外径よりも所定量以上小さい場合、図7に示すように、挿通孔31にアダプタ70が取り付けられる。
図6に示すように、アダプタ70は、例えば、金属によって作られ、略円筒状に形成される。アダプタ70に、挿通孔71と、露出口72とが設けられる。
挿通孔71は、略円筒状のアダプタ70の内側に設けられた略円形の孔である。挿通孔71は、アダプタ70が対応する被覆ロープ1の外径よりも僅かに大きい内径を有し、当該被覆ロープ1が通される。このため、挿通孔71は、被覆ロープ1の延伸方向に延びる。
挿通孔71に被覆ロープ1が通されることで、アダプタ70は、被覆ロープ1に装着される。アダプタ70は、挿通孔71に通された被覆ロープ1に対して、被覆ロープ1の延伸方向に移動可能である。
露出口72は、例えば、径方向に延び、挿通孔71に連通する切欠きである。露出口72は、孔のような他の開口であっても良い。なお、露出口72は、延伸方向と交差する他の方向に延びても良い。
アダプタ70は、前端面70aと、後端面70bと、内面70cと、外面70dと、を有する。前端面70a及び後端面70bは、延伸方向におけるアダプタ70の両端である。挿通孔71は、前端面70a及び後端面70bに開口する。
内面70cは、延伸方向に延びる略円筒形の面であり、挿通孔71を規定する。外面70dは、内面70cの反対側に位置する。露出口72は、後端面70b、内面70c、及び外面70dに開口する。
外面70dの外径は、ロープ保持部21の挿通孔31の内径より僅かに小さい。このため、アダプタ70は、挿通孔31の内部に配置可能である。図7に示すように、挿通孔71に被覆ロープ1が挿通されたアダプタ70は、ロープ保持部21の挿通孔31の内部に嵌め込まれる。これにより、アダプタ70を有するロープ保持部21は、被覆ロープ1を保持する。アダプタ70は、被覆ロープ1の外周面1aと、ロープ保持部21の内面21cとの間に介在する。
アダプタ70の露出口72は、ロープ保持部21の露出口32と連通する。このため、ロープ保持部21及びアダプタ70の露出口32,72は、ロープ保持部21に保持された被覆ロープ1の外周面1aを露出させる。
図6に示すように、アダプタ70に、突起75が設けられる。突起75は、アダプタ70の外面70dから径方向に突出するとともに、延伸方向に延びる。一方、ロープ保持部21の内面21cに、凹部76が設けられる。凹部76は、内面21cから径方向に窪むとともに、延伸方向に延びる。延伸方向において、凹部76の一方の端部は、後端面21bに設けられる。凹部76の他方の端部は、前端面21aから離間した位置に設けられる。
アダプタ70は、後端面21bに開口する挿通孔31の開口端から、ロープ保持部21の挿通孔31に挿入される。このとき、突起75が凹部76に嵌め込まれる。突起75と凹部76とが互いに嵌合することで、アダプタ70がロープ保持部21に対して周方向に回転することが制限される。
図7に示すように、可動部22が刃54を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させるとき、刃54は、ロープ保持部21及びアダプタ70の露出口32,72を通って、被覆ロープ1の外周面1aに接触する。露出口72の反対側において、アダプタ70の一部が被覆ロープ1を支持する。このため、刃54から被覆ロープ1に力が伝わりやすく、刃54が被覆樹脂12の内部に容易に進入することができる。
以上説明された第1の実施形態に係る工具2において、ナイフ23は、被覆ロープ1に対して移動可能な刃54と、刃54を加熱可能な加熱部52と、を有する。可動部22は、加熱部52に加熱された刃54を、被覆ロープ1の被覆樹脂12の外に位置する第1の位置P1と、被覆樹脂12の内部に進入した第2の位置P2と、に移動させることが可能である。第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させられる刃54は、加熱部52によって加熱されるため、被覆樹脂12を融解させながら、当該被覆樹脂12を切ることができる。これにより、被覆ロープ1の被覆樹脂12を容易に切ることができる。さらに、可動部22がロープ保持部21に接続されることで、作業者が被覆ロープ1とナイフ23とを別々に把持することなく、例えば片手で工具2を扱って容易に被覆ロープ1の被覆樹脂12を溶かして切断することができる。加えて、加熱される刃54がロープ保持部21の露出口32を通って移動することで、刃54が露出口32を形成するロープ保持部21に覆われ、作業者が加熱された刃54に触れることが抑制される。
例えば、被覆ロープ1の端部1bから被覆樹脂12を切り始める場合、保持された被覆ロープ1が安定せず、延伸方向に真っ直ぐ被覆樹脂12を切ることが困難となる場合がある。一方、本実施形態では、刃54が被覆樹脂12の内部に進入した第2の位置P2に位置する状態で、ロープ保持部21が被覆ロープ1の端部1bに向かって移動させられる。これにより、被覆ロープ1の端部1bから延伸方向に真っ直ぐ被覆樹脂12を切ることが容易となる。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
以下に、第2の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図8は、第2の実施形態に係る被覆ロープ1及び工具2を示す側面図である。図8に示すように、第2の実施形態において、工具2はストッパ81をさらに有する。ストッパ81は、可動部22に設けられたスリット82に取り付けられる。
スリット82は、アーム41及びグリップ42の長手方向に延びる。ストッパ81は、アーム41及びグリップ42の長手方向に平行移動可能に、スリット82に取り付けられる。ストッパ81は、例えば、グリップ42から、ロープ保持部21、及びナイフ保持部24に取り付けられたナイフ23に向かって延びる。
ストッパ81の少なくとも一部は、可動部22と、ロープ保持部21、及びナイフ保持部24に取り付けられたナイフ23と、の間に位置する。このため、ストッパ81の少なくとも一部は、可動部22に対して第1の方向D1側に位置する。
可動部22が第1の方向D1に所定量移動させられると、ストッパ81が、例えば、ナイフ23に接触する。ナイフ23に接触したストッパ81は、可動部22を支持することで、可動部22が第1の方向D1にさらに移動することを制限する。
ストッパ81は、例えば、スリット82に沿って、図8に二点鎖線で示す第1の支持位置PS1と、図8に実線で示す第2の支持位置PS2とに移動可能である。可動部22及びストッパ81は、第1の支持位置PS1及び第2の支持位置PS2のような各位置において、ストッパ81を可動部22に摩擦や嵌合のような種々の手段により保持し、ストッパ81が可動部22に対して移動することを制限しても良い。
第1の支持位置PS1に位置するストッパ81は、上述のように、可動部22が第1の方向D1に所定量移動させられると、ナイフ23に接触する。ストッパ81は、第1の方向D1に移動させられた可動部22を支持し、可動部22が第1の方向D1にさらに移動することを制限する。
第2の支持位置PS2は、第1の支持位置PS1よりも、アーム軸39から遠い。第2の支持位置PS2に位置するストッパ81は、可動部22が第1の方向D1に所定量移動させられると、ナイフ23に接触する。第2の支持位置PS2に位置するストッパ81がナイフ23に接触するまでの移動距離は、第1の支持位置PS1に位置するストッパ81がナイフ23に接触するまでの移動距離よりも長い。すなわち、第2の支持位置PS2に位置するストッパ81は、第1の支持位置PS1において支持される位置よりも第1の方向D1側に位置する可動部22を支持する。
上述のように、ストッパ81の位置に応じて、ストッパ81に支持されるときの可動部22の位置が変わる。言い換えると、ストッパ81は、移動することで、第1の方向D1における可動部22の最大移動量を調整できる。
図9は、第2の実施形態の変形例に係る被覆ロープ1及び工具2を示す側面図である。図9に示すように、第2の実施形態の変形例では、固定バンド62がストッパの一例であり、延伸方向に移動可能である。固定バンド62の少なくとも一部は、可動部22に対して第1の方向D1側に位置する。
固定バンド62は、図9に二点鎖線で示す第1の支持位置PS1と、図9に実線で示す第2の支持位置PS2とに移動可能である。固定バンド62は、第1の支持位置PS1及び第2の支持位置PS2のいずれにあっても、ナイフ23をロープ保持部21に固定する。
固定バンド62が第1の支持位置PS1に位置するとき、可動部22が第1の方向D1に移動させられると、ストッパ81が、固定バンド62に接触する。固定バンド62は、ストッパ81を介して可動部22を支持することで、可動部22が第1の方向D1にさらに移動することを制限する。
第2の支持位置PS2は、第1の支持位置PS1よりも、アーム軸39から遠い。第2の支持位置PS2に位置する固定バンド62は、可動部22が第1の方向D1に所定量移動させられると、ストッパ81に接触する。第2の支持位置PS2に位置する固定バンド62がストッパ81に接触するまでの移動距離は、第1の支持位置PS1に位置する固定バンド62がストッパ81に接触するまでの移動距離よりも長い。すなわち、第2の支持位置PS2に位置する固定バンド62は、第1の支持位置PS1において支持される位置よりも第1の方向D1側に位置する可動部22を支持する。
上述のように、固定バンド62の位置に応じて、固定バンド62に支持されるときの可動部22の位置が変わる。言い換えると、固定バンド62は、移動することで、第1の方向D1における可動部22の最大移動量を調整できる。
図8に示すように、第2の実施形態の工具2は、引張バネ85をさらに有する。引張バネ85は、弾性部材の一例であり、例えばコイルバネである。なお、弾性部材は、板バネのような他の弾性部材であっても良い。
引張バネ85の一方の端部は、刃54に設けられた第1の取付部54dに取り付けられる。第1の取付部54dは、例えば、基部54aから、エッジ部54bの反対方向に突出する。引張バネ85の他方の端部は、接続部53に設けられた第2の取付部53eに取り付けられる。これにより、引張バネ85は、接続部53と刃54とを連結する。
可動部22が第1の方向D1に移動させられると、ピン43が刃54を第1の位置P1から第2の位置P2に向かって押し下げる。押し下げられた刃54は、ナイフ軸55を軸として回動することで、引張バネ85を引っ張る。
引っ張られた引張バネ85は、復元力(弾性力)により、刃54を第1の位置P1に向かって付勢する。例えば、作業者が可動部22を第1の方向D1に押し下げる力が引張バネ85の復元力よりも強い場合、可動部22が第1の方向D1に移動し、ピン43が刃54を第1の位置P1から第2の位置P2に移動させる。
作業者が可動部22に作用させている力を解除すると、引張バネ85は、復元力により刃54を第2の位置P2から第1の位置P1に移動させる。引張バネ85により第1の位置P1に向かって付勢された刃54は、可動部22を、第2の方向D2に押す。これにより、刃54及び可動部22が、可動部22が押し下げられる前の位置に復帰させられる。
以上説明された第2の実施形態の工具2において、可動部22は、第1の方向D1に移動させられることで刃54を第1の位置P1から第2の位置P2へ移動させる。引張バネ85が、刃54を第1の位置P1に向かって付勢する。引張バネ85により付勢された当該刃54は、可動部22を第1の方向D1の反対の第2の方向D2に押す。これにより、例えば作業者は、刃54を第2の位置P2に移動させた後、可動部22を手放すことにより、可動部22を第2の方向D2に移動させて元の位置に戻すことができる。これにより、望まれぬ部分において刃54が被覆樹脂12を切ることが抑制されるとともに、作業性が向上する。
ストッパ81は、第1の方向D1に移動させられた可動部22を支持可能な第1の支持位置PS1と、第1の支持位置PS1において支持される位置よりも第1の方向D1側に位置する可動部22を支持可能な第2の支持位置PS2と、に移動可能である。これにより、第1の方向D1における可動部22の移動量を所望の量に設定することが可能となる。従って、被覆樹脂12を刃54により所望の深さまで切ることができるとともに、被覆樹脂12を刃54により切る深さを一定に保つことが可能となる。例えば、可動部22が第1の方向D1に過度に移動して刃54がロープ11に噛むことが抑制され、工具2を被覆ロープ1に対して延伸方向に容易に移動させることができる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図10を参照して説明する。図10は、第3の実施形態に係る被覆ロープ1及び工具2を示す側面図である。図10に示すように、第3の実施形態において、ナイフ保持部24が可動部22に設けられる。
以下に、第3の実施形態について、図10を参照して説明する。図10は、第3の実施形態に係る被覆ロープ1及び工具2を示す側面図である。図10に示すように、第3の実施形態において、ナイフ保持部24が可動部22に設けられる。
第3の実施形態のナイフ保持部24は、台座91を有する。台座91は、可動部22のアーム41に設けられ、接続部53がアーム41に設けられた開口41dを通されるように、ナイフ23の柄51を保持する。
第3の実施形態の刃54は、接続部53に固定される。なお、第3の実施形態の刃54も、接続部53に対して回動可能であっても良い。刃54は、アーム41と露出口32との間に位置する。
可動部22が移動させられることで、ナイフ23は、可動部22と一体的に、ロープ保持部21に対して移動する。このため、ナイフ23の刃54は、ロープ保持部21に保持された被覆ロープ1に対して移動可能である。第1の実施形態と同じく、可動部22は、刃54を、図10の二点鎖線で示す第1の位置P1と、図10の実線で示す第2の位置P2とに移動させることが可能である。
第3の実施形態の工具2は、押圧バネ95をさらに有する。押圧バネ95は、ロープ保持部21と可動部22との間に介在する。可動部22が第1の方向D1に移動すると、押圧バネ95は、ロープ保持部21と可動部22とによって潰される。潰された押圧バネ95は、復元力により、ロープ保持部21と可動部22とを互いに離間する方向に付勢する。このため、押圧バネ95は、刃54を第1の位置P1に向かって付勢し、可動部22及び刃54を、可動部22が押し下げられる前の位置に復帰させる。
以上説明された第3の実施形態の工具2において、ナイフ保持部24が可動部22に設けられる。これにより、刃54は、接続部53に対して移動することなく、被覆ロープ1に対して移動することができる。従って、ナイフ23に、刃54を移動させるための構造が不要となり、ナイフ23のコストが低減される。
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、可動部が、加熱部に加熱された刃を、樹脂被覆ロープの被覆樹脂の外に位置する第1の位置と、被覆樹脂の内部に進入した第2の位置と、に移動させることが可能である。これにより、樹脂被覆ロープの被覆樹脂を容易に切ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…樹脂被覆ロープ、1a…外周面、1b…端部、2…被覆樹脂剥ぎ工具、12…被覆樹脂、21…ロープ保持部、22…可動部、23…ナイフ(切削手段)、24…ナイフ保持部(切削手段保持部)、52…加熱部、54…刃、62…固定バンド(ストッパ)、81…ストッパ、85…引張バネ(弾性部材)、D1…第1の方向、D2…第2の方向、P1…第1の位置、P2…第2の位置、PS1…第1の支持位置、PS2…第2の支持位置。
Claims (4)
- 樹脂被覆ロープの延伸方向に移動可能に当該樹脂被覆ロープを保持するよう構成された、ロープ保持部と、
前記ロープ保持部に対して移動可能に前記ロープ保持部に接続された可動部と、
前記ロープ保持部に保持された前記樹脂被覆ロープに対して移動可能な刃と、前記刃を加熱可能な加熱部と、を有する切削手段を保持するよう構成され、前記ロープ保持部又は前記可動部に設けられた切削手段保持部と、
を備え、
前記可動部は、前記加熱部に加熱された前記刃を、前記樹脂被覆ロープの被覆樹脂の外に位置する第1の位置と、前記被覆樹脂の内部に進入した第2の位置と、に移動させることが可能である、
被覆樹脂剥ぎ工具。 - 前記刃を前記第1の位置に向かって付勢する弾性部材、をさらに備え、
前記可動部は、第1の方向に移動させられることで前記刃を前記第1の位置から前記第2の位置へ移動させ、
前記弾性部材により前記第1の位置に向かって付勢された前記刃は、前記可動部を前記第1の方向の反対の第2の方向に押す、
請求項1の被覆樹脂剥ぎ工具。 - 前記可動部に対して前記第1の方向側に位置するストッパ、をさらに備え、
前記ストッパは、前記第1の方向に移動させられた前記可動部を支持することで前記可動部が前記第1の方向にさらに移動することを制限するよう構成され、前記第1の方向に移動させられた前記可動部を支持可能な第1の支持位置と、前記第1の支持位置において支持される位置よりも前記第1の方向側に位置する前記可動部を支持可能な第2の支持位置と、に移動可能である、
請求項2の被覆樹脂剥ぎ工具。 - 樹脂被覆ロープの延伸方向に移動可能に当該樹脂被覆ロープを保持するよう構成された、ロープ保持部と、
前記ロープ保持部に対して移動可能に前記ロープ保持部に接続された可動部と、
前記ロープ保持部に保持された前記樹脂被覆ロープに対して移動可能な刃と、前記刃を加熱可能な加熱部と、を有する切削手段を保持するよう構成され、前記ロープ保持部又は前記可動部に設けられた切削手段保持部と、
を備え、
前記可動部は、前記加熱部に加熱された前記刃を、前記樹脂被覆ロープの被覆樹脂の外に位置する第1の位置と、前記被覆樹脂の内部に進入した第2の位置と、に移動させることが可能である、
被覆樹脂剥ぎ工具、により前記被覆樹脂を切る被覆樹脂剥ぎ方法であって、
前記刃が前記樹脂被覆ロープの端部から離間した位置で前記樹脂被覆ロープの外周面に面する状態に、前記ロープ保持部により前記樹脂被覆ロープを保持することと、
前記可動部を移動させることで、前記加熱部により加熱された前記刃を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させることと、
前記刃が前記第2の位置に位置する状態で前記ロープ保持部を前記樹脂被覆ロープの前記端部に向かって移動させることと、
を備えた被覆樹脂剥ぎ方法。
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