JP2018190665A - 無電極ランプ - Google Patents
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Abstract
【課題】反射波の増大によるインピーダンスの不整合を、発振するマイクロ波の制御によって行うことができる無電極ランプを提供すること。【解決手段】マイクロ波発振器MWから発振されるマイクロ波が給電される給電部2からのマイクロ波によって、光透過管5内の封入ガスを励起させ発光させる無電極ランプであって、光透過管5は、給電部2からのマイクロ波の供給を受ける誘電管4を備え、この誘電管4とマイクロ波発振器MWとの間には、共振回路C1と反射波検知器30を配設し、マイクロ波発振器MWは半導体デバイスを利用して構成する。そして、マイクロ波の発振を制御する制御手段3を備え、反射波検知器30によって検知された反射波の大きさに応じて、発振するマイクロ波の発振制御を行う。【選択図】図1
Description
本発明は、無電極ランプ、特にマイクロ波による高周波電磁界により、管内に封入されたガスなどの充填物を励起し発光させる無電極ランプに関する。
一般に無電極ランプは、管内の内表面に発光体(例えば、蛍光粉末)を塗布し発光ランプとして利用されている。一方、紫外線(UV光)を利用する無電極ランプでは管内に封入されたガス(例えば、不活性ガス)が励起され発生する紫外線を殺菌・化学反応に利用されている(例えば、特許文献1参照)。
また、無電極マイクロ波放電ランプとして、マイクロ波空洞内に充填物(例えば、セレン、テルル、ハロゲン化インジウムを包含する金属ハライドや水銀等)を封入したバルブを配設し、マイクロ波エネルギがバルブ内の充填物と結合されることで励起し光を照射するように構成されている(例えば、特許文献2−3参照)。
従来の無電極マイクロ波放電ランプは、マグネトロンの使用を前提にマイクロ波導波管を設け、装置全体が大がかりなものになりコストが嵩む構造となっている。
また、発光管内にマイクロ波を供給することで、発光管内の温度上昇及び温度上昇によって生じる、発光管内の圧力の上昇により、インピーダンスの整合が崩れ(マッチングが崩れ)反射波が増大する。従来マグネトロンをマイクロ波発振器として使用する無電極ランプでは、反射波の増大を検知してインピーダンスの整合を図るために、例えば、スタブチューナをモータ等の機械的手段を使って調製するようにしているため、手数を要すると共にインピーダンスの整合に時間を要するという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射波の増大によるインピーダンスの不整合を、発振するマイクロ波の制御によって行うことができる無電極ランプを提供することである。
上記課題を解決するためになされた本第1発明の無電極ランプは、
マイクロ波発振器から発振されるマイクロ波が給電される給電部からのマイクロ波によって、光透過管内の封入ガスを励起させ発光させる無電極ランプにおいて、
前記光透過管は、給電部からのマイクロ波の供給を受ける誘電管を備え、
該誘電管と前記マイクロ波発振器との間には、共振回路と反射波検知器を配設し、
前記マイクロ波発振器は半導体デバイスを利用して構成するとともに、マイクロ波の発振を制御する制御手段を備え、前記反射波検知器によって検知された反射波の大きさに応じて、発振するマイクロ波の発振制御するようにしている。
マイクロ波発振器から発振されるマイクロ波が給電される給電部からのマイクロ波によって、光透過管内の封入ガスを励起させ発光させる無電極ランプにおいて、
前記光透過管は、給電部からのマイクロ波の供給を受ける誘電管を備え、
該誘電管と前記マイクロ波発振器との間には、共振回路と反射波検知器を配設し、
前記マイクロ波発振器は半導体デバイスを利用して構成するとともに、マイクロ波の発振を制御する制御手段を備え、前記反射波検知器によって検知された反射波の大きさに応じて、発振するマイクロ波の発振制御するようにしている。
本発明の無電極ランプは、マイクロ波発振器と光透過管との間で発振されるマイクロ波のインピーダンスの不整合が生じた場合、半導体デバイスを利用したマイクロ波発振器の発振制御を迅速に行う。
上記構成において、マイクロ波の発振制御は、発振するマイクロ波の周波数、出力、発振時間、デューティ比の少なくとも一つとすることができる。
さらに、上記構成において、前記給電部を、光透過管の誘電管内に挿通される中心電極と、
該中心電極と同軸で、中心電極と電気的に絶縁される筒状の共振電極と、
該共振電極と電気的に接続されマイクロ波発振器と接続される入力部とから構成することができる。
該中心電極と同軸で、中心電極と電気的に絶縁される筒状の共振電極と、
該共振電極と電気的に接続されマイクロ波発振器と接続される入力部とから構成することができる。
本発明の無電極ランプによれば、マイクロ波のインピーダンスの不整合により増大する反射波を反射波検知器による検知によって、半導体デバイスを利用したマイクロ波発振器から発振するマイクロ波の発振制御、例えば、発振周波数を制御し、変動した共振回路の共振周波数に合致させることができる。また、発振パターン制御としてデューティ比を小さくしたり、出力を低下させたりすることで、上昇した発光管内の温度や圧力を低下させることでインピーダンスの整合させる制御を容易に行うことのできる無電極ランプを提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>無電極ランプ
本実施形態1は、本第1発明に係る無電極ランプである。この無電極ランプ1は、
マイクロ波発振器MWから発振されるマイクロ波が給電される給電部2からのマイクロ波によって、光透過管5内の封入ガスを励起させ発光させる無電極ランプであって、光透過管5は、給電部2からのマイクロ波の供給を受ける誘電管4を備え、この誘電管4とマイクロ波発振器MWとの間には、共振回路C1と反射波検知器30を配設し、マイクロ波発振器MWは半導体デバイスを利用して構成する。そして、マイクロ波の発振を制御する制御手段3を備え、反射波検知器30によって検知された反射波の大きさに応じて、発振するマイクロ波の発振制御を行うようにしている。この場合、マイクロ波の発振制御は、発振するマイクロ波の周波数、位相、出力、発振時間、デューティ比の少なくとも一つを制御するようにする。
本実施形態1は、本第1発明に係る無電極ランプである。この無電極ランプ1は、
マイクロ波発振器MWから発振されるマイクロ波が給電される給電部2からのマイクロ波によって、光透過管5内の封入ガスを励起させ発光させる無電極ランプであって、光透過管5は、給電部2からのマイクロ波の供給を受ける誘電管4を備え、この誘電管4とマイクロ波発振器MWとの間には、共振回路C1と反射波検知器30を配設し、マイクロ波発振器MWは半導体デバイスを利用して構成する。そして、マイクロ波の発振を制御する制御手段3を備え、反射波検知器30によって検知された反射波の大きさに応じて、発振するマイクロ波の発振制御を行うようにしている。この場合、マイクロ波の発振制御は、発振するマイクロ波の周波数、位相、出力、発振時間、デューティ比の少なくとも一つを制御するようにする。
無電極ランプ1の構成として、具体的には、マイクロ波発振器MWから発振されるマイクロ波を、供給管2Aを介して給電するマイクロ波の給電部2と、端部に誘電管4を備えた光透過管5とを備えている。光透過管5は、有底円筒状のオゾンレス石英管を使用し、誘電管4は、光透過管5の内径よりも外径が小径の有底円筒状の石英管を使用するがこれに限られるものではない。誘電管4は、両端を開放した円筒状であっても構わない。この場合、一端側を、ガスバーナなどを使って溶着する(図1(a)S2部分参照)。また、誘電管4と光透過管5との接合は特に限定するものではないが、光透過管5の端部を、ガスバーナなどを使って加熱し溶着することが好ましい(図1(a)S1部分参照)。また、誘電管4は、光透過管5に対向するように2箇所に設けるようにすることもできる。
給電部2は、光透過管5の誘電管4内に挿通される中心電極20と、この中心電極20と同軸で電気的に絶縁される筒状の共振電極22と、この共振電極22と電気的に接続されマイクロ波発振器MWと接続される入力部24とから構成される。入力部24は、例えばSMAコネクタ等を用いることができる。中心電極20と共振電極22とを電気的に絶縁し、コンデンサCを構成することで、給電部2内に共振回路C1を構成する。
給電部2は、マイクロ波発振器MWから供給されるマイクロ波を、中心電極20を介して誘電管4から光透過管5の内部に供給する。マイクロ波発振器MWと供給管2A(例えば、同軸ケーブル)を介して接続される入力部24は、供給管2Aとしての同軸ケーブルの中心導体と電気的に接続される電極部24aを備えている。この電極部24aは、筒状の共振電極22と電気的に接続されている。そして、この共振電極22の内側には共振電極32と絶縁された中心電極20が共振電極32と同軸状に配設されている。また、この中心電極20及び共振電極22と同軸で、誘電体23を介して配設される給電外管21が給電部2の外部ケーシングを構成している。また、給電外管21は、入力部24aの接地電極を構成している。中心電極20の先端部は、誘電管4の内部に挿通され、挿通部分の周面と給電外管21との間は誘電体を配設せずに光透過管5の先端部が没入されるように構成している。中心電極20の先端部が挿通される長さL2は、マイクロ波の周波数をλとしたとき、λ/4となるように構成することが好ましい。また、共振電極22の軸方向の長さL1もλ/4となるように構成することが好ましい。
誘電体23は、中心電極20と共振電極22及び給電外管21とを絶縁するために配設するもので、全体に充填する必要はなく、部分的に充填することや、単なる空隙とすることもできる。絶縁体23はアルミナやフッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等)から構成されている。給電部2は、インピーダンスの整合回路としても機能する。そのため、絶縁体23の誘電率によって給電部23のインピーダンスが変動するため、マイクロ波発振器MWの出力部のインピーダンス、光透過管5のインピーダンスを加味して最適のインピーダンスとなるようにその誘電率が決定される。なお、絶縁体23のインピーダンスの決定には中心電極20及び絶縁体23の外径(給電外管21の内径)によっても決定されるためこれらの寸法も最適のインピーダンスとなるように計算される。
光透過管5の適所には、内部に励起用のガスを封入するためのガス導入口5Aを配設する。ガス導入口5Aは、両端を開放した円筒状で、配設箇所は特に限定するものではないが、図1(a)に示すように光透過管5の円周面の中央付近に導入孔を開口し、この導入孔に適宜手段(例えば、S3部を、ガスバーナなどを使った溶着)で接合する。ガス導入口5Aは、光透過管5にガスを導入した後、S4部を適宜手段で溶着する。
<安全装置>
また、この無電極ランプ1は、給電部2と光透過管5とが所定位置で接続されたことを検知する接続検知スイッチ6を安全装置として配設することが好ましい。
また、この無電極ランプ1は、給電部2と光透過管5とが所定位置で接続されたことを検知する接続検知スイッチ6を安全装置として配設することが好ましい。
給電部2と光透過管5とが所定位置で接続されたことを検知する接続検知スイッチ6は、機械的に接続の有無を検知するスイッチセンサであれば特に限定するものではないが、本実施形態においては図3に示すように、センサ本体60が、軸61の進退を検知することで給電部2と光透過管5とが所定位置で接続されているかどうかを判定する。
具体的には、接続検知スイッチ6は、給電部2の給電外管21に開口した検知孔21aに軸61が挿通され、常時給電外管21の内周面より内側に軸61の先端が突出するように付勢されている。軸61の他端側はセンサ本体60内に位置する。光透過管5の外周面の所定の位置には溝部5bが形成されている。この溝部5bは、給電部2が光透過管5の所定位置まで挿通されたときに検知孔21aと合致する位置となるようにしている。
給電部2と光透過管5とが所定位置で接続されると検知孔21aと溝部4bの位置が合致し、検知孔21aから軸61が突出(図3(b)の状態)し、センサ本体60内で軸61の移動が検知される。センサ本体60が軸61の移動を検知することで、制御手段(図示省略)内のマイクロ波発振停止回路に所定位置正常信号が送信される。これにより、給電部2と光透過管5とが所定位置に接続されていることの検知となりマイクロ波の発振が可能な状態となる。そして、接続不良又は使用中に何らかの原因で給電部2と光透過管5とが所定位置から外れた場合、所定位置正常信号が途切れることで給電部2と光透過管5とが所定位置に接続されていないことの検知となり、マイクロ波発振停止回路に所定位置正常信号が遮断されマイクロ波の発振が不可能な状態となる。
また、センサ本体60からの信号は、軸61が検知孔21aから突出した状態のときではなく、突出していない状態のとき(図3(a)の状態)のときに所定位置不正信号としてマイクロ波発振停止回路7に送信するように構成しても構わない。
<マイクロ波発振器>
マイクロ波発振器MWは、半導体材料として、炭化ケイ素、窒化ガリウム、酸化ガリウム又はダイヤモンドを使ったものが好ましく、これによって、マイクロ波発振器のエネルギ効率は70%以上を確保することができる。また、マイクロ波発振器MWとして半導体デバイスを用いることで、連続波でマイクロ波を発振する場合の発振出力や、パルス発振するときのパルス間隔、デューティ比、発振出力を容易に制御することができる。特に、連続波パルス波に拘わらず発振するマイクロ波の周波数を変更することで、無電極ランプとして、紫外線を発光させる無電極紫外線ランプおいては発光させる紫外線の波長を変更させることができる。これによって、例えば、印刷装置のインクの硬化に用いる場合でもインクの含有成分に合致した紫外線を照射することや、試験硬化を行って最適な硬化速度の得られる周波数を簡単に調査することも可能となる。そして、このマイクロ波発振器MWは、同軸ケーブル等によって給電部2と接続され、制御機構(図示省略)からの発振信号により所定のマイクロ波発振条件(上述した、周波数、発振出力、連続波、パルス波、パルス波の場合の発振時間、デューティ比等)でマイクロ波を発振する。
マイクロ波発振器MWは、半導体材料として、炭化ケイ素、窒化ガリウム、酸化ガリウム又はダイヤモンドを使ったものが好ましく、これによって、マイクロ波発振器のエネルギ効率は70%以上を確保することができる。また、マイクロ波発振器MWとして半導体デバイスを用いることで、連続波でマイクロ波を発振する場合の発振出力や、パルス発振するときのパルス間隔、デューティ比、発振出力を容易に制御することができる。特に、連続波パルス波に拘わらず発振するマイクロ波の周波数を変更することで、無電極ランプとして、紫外線を発光させる無電極紫外線ランプおいては発光させる紫外線の波長を変更させることができる。これによって、例えば、印刷装置のインクの硬化に用いる場合でもインクの含有成分に合致した紫外線を照射することや、試験硬化を行って最適な硬化速度の得られる周波数を簡単に調査することも可能となる。そして、このマイクロ波発振器MWは、同軸ケーブル等によって給電部2と接続され、制御機構(図示省略)からの発振信号により所定のマイクロ波発振条件(上述した、周波数、発振出力、連続波、パルス波、パルス波の場合の発振時間、デューティ比等)でマイクロ波を発振する。
また、無電極紫外線ランプとして使用する場合、紫外線発光中にパルス発振する際のパルス時間、デューティ比を変動させることで光透過管5内を流動するガスとの間でドップラー効果が生じ、発光する紫外線の波長を変動させることもできる。これにより発振周波数を一定に保持した状態で紫外線波長を可変制御することが可能となる。
光透過管5(発光管)は、紫外域の光透過性が高い材料を選択する。例えば石英、石英ガラス、ガラス管等を採用する。また、光透過管5内に充填するガスは、マイクロ波によって生じる磁界によって発光するガス(気体)であれば特に限定するものではないが、例えば、水銀ガス、アルゴンガス、キセノン等の希ガスと添加金属として水銀、ナトリウム、ハロゲン化金属(メタルハライド)等を封入する。また、光透過管5内の管内圧力の調整によって発生する紫外線の波長が変化する。圧力を低くすると波長が長くなり、反対に圧力を高くすると波長は短くなる。そのため管内に充填する気体の圧力は必要な紫外線波長に合わせて調製する。
マイクロ波発振器MWと光透過管5の誘電管4とは上述したように、マイクロ波発振器MWからの供給管2Aと給電部2を介して接続されている。この給電部2は、上述したように、共振電極22の内側には共振電極32と絶縁された中心電極20が共振電極32と同軸状に配設されることで、コンデンサCを形成し、共振回路C1(図1(c)参照)を構成している。
このように、LC共振回路を構成することで、マイクロ波の出力電力が100W以下の低い出力であっても高電圧のマイクロ波を誘電管4に供給することが可能となる。そして、高電圧のマイクロ波によって、光透過管5内でブレークダウンが生じ良好な発光を生じさせる。この高電圧はブレークダウン後に一定の値まで下がるが定電圧となって供給され続け安定して封入ガスを励起し発光を継続させる。
また、給電部2は図2に示すように、中心電極20と給電外管21とを保持具25によって連結することができる。保持具25は、環状体25aと連結体25bとから構成される。環状体25aは、給電外管21と接触し固定される。連結体25bは、中心電極20と環状体25aとを複数箇所(図例3箇所)で橋渡し、中心軸20の位置決めを行う。中心電極20と連結体25bとは、中心軸20に嵌入する環状体を介して連結するように構成しても構わない。また、環状体25aを省略し、連結体25bのみで中心電極20と給電外管21とを連結するように構成しても構わない。
このように、中心電極20と給電外管21とを電気的に連結することで、図2(c)に示す、共振回路C2が構成される。また、中心電極20を保持具25によって保持することで、熱的な影響を受けにくくなり、インピーダンスの不整合が生じにくくなる。中心電極20が、保持具25によって保持されることで中心電極20の位置が固定され絶縁体23の配設の省略がより簡単に行え、絶縁体23の省略により更に熱的な影響を受けにくくなる。
<反射波検知器>
制御手段3に反射波の大きさを検知し送信する反射波検知器30は、光透過管5から又は給電部2からのマイクロ波の反射を検知できるものであれば特に限定するものではないが、例えば、サーキュレータの反射波の出力ポートにダイオードを配設して直流電流としてその大きさを検出する。また、方向性結合器を使用することもできる。また、光透過管5又は給電部2の温度を検知し、制御手段3に温度情報を送信する温度検知部を配設することができる。
制御手段3に反射波の大きさを検知し送信する反射波検知器30は、光透過管5から又は給電部2からのマイクロ波の反射を検知できるものであれば特に限定するものではないが、例えば、サーキュレータの反射波の出力ポートにダイオードを配設して直流電流としてその大きさを検出する。また、方向性結合器を使用することもできる。また、光透過管5又は給電部2の温度を検知し、制御手段3に温度情報を送信する温度検知部を配設することができる。
この反射波検知器30によって、反射波の大きさが閾値を超えたとき、インピーダンスの整合を調製するために、制御手段3によってマイクロ波発振器MWから発振するマイクロ波の周波数、位相、出力、発振時間、デューティ比の少なくとも一つを変動させるようにする。温度検知器によって、温度が所定温度を超えている場合、熱的な問題でインピーダンスの整合が崩れていると判断し、マイクロ波の出力を小さくしたり、デューティ比を小さくしたりする(発振時間を短く休止時間を長く)ことで反射波を低減させるように制御する。また、熱的な問題が少ない場合には周波数の変動や位相変動などによってインピーダンスの整合を図り、反射波を低減させる。
上記構成において、マイクロ波発振器MWから発振されたマイクロ波によって、光透過管5内に充填されたガスが励起され発光する。充填ガスによって紫外線を照射する無電極紫外線ランプの場合、照射される紫外線は、光透過管5を覆うように配設するリフレクタ8(図4、図5参照)の内面で反射し、所定の幅に集光される。この幅は、例えば、印刷物のインク硬化の場合、硬化速度を考慮して決定され、幅を持たせて集光させることができる。また、幅を持たせることなく、光透過管5の軸方向の長さの線状に集光するようにリフレクタ8の内面を形成することもできる。
そして、本実施形態においては、制御手段によって異なる位相でマイクロ波を発振するように制御する。これによって、光透過管5内での光度強弱位置の制御が実施形態2の構成よりも詳細に行うことができる。
<印刷装置>
実施形態1の無電極ランプ1、特に紫外線を照射する用途で使用する場合は、種々の装置として印刷装置、殺菌装置、プロジェクタ装置等に使用することができる。特に印刷装置のインクカートリッジの下流側で被印刷物表面に印字されたインクを硬化させる用途に好適に用いることができる。
実施形態1の無電極ランプ1、特に紫外線を照射する用途で使用する場合は、種々の装置として印刷装置、殺菌装置、プロジェクタ装置等に使用することができる。特に印刷装置のインクカートリッジの下流側で被印刷物表面に印字されたインクを硬化させる用途に好適に用いることができる。
無電極ランプ1を使った印刷装置101は、図4に示すように、インクを液滴状に噴出するノズル部を備えたインクカートリッジ102と、被印刷物Tをインクカートリッジ102に向けて搬送する搬送手段103と、インクカートリッジ102より被印刷物の搬送方向に対して下流側の近傍に配設する。インクカートリッジ102はカートリッジフォルダ105に着脱可能に配設されている。そして、無電極ランプ1は、カートリッジフォルダ105から延設する取付アームに配設したリフレクタ8内に収納する。リフレクタ8の開口端は、被印刷物Tと可及的に近接するように調製されている。
リフレクタ8は、図5に示すように、楕円型リフレクタ(同図(a)参照)や平面ガイド型リフレクタ(同図(b)参照)を採用することができる。楕円型リフレクタは、光透過管5(光源)から被印刷物Tまでの距離を開けることができるため熱的な問題の発生を防止することができる。被印刷物T上の光源像サイズは、光源からリフレクタ8内面までの距離とリフレクタ8内面から被印刷物Tまでの距離によって変わり、リフレクタ8内面から被印刷物Tが長くなると光源像サイズは大きくなる(照射面積が大きくなる)。そのため、各反射面から集光部に集光されるものの図例のA2エリアから反射した光は光源像サイズが大きく紫外線ランプとしては紫外線の効果が低減する。従って、効果的に利用される反射光はA1エリアで反射する光がメインとなる。光源像の大きさは、Φdの球や円筒光源の場合、光源からリフレクタ8内面までの距離をM1、リフレクタ8内面から被印刷物Tまでの距離をM2としたとき、Φd×M2/M1で表される。
一方、平面ガイド型リフレクタは、光源となる光透過管5が被印刷物Tから近いため、光透過管5(光源)近くまで反射板8aが接近し放熱対策、マイクロ波への影響が問題となるものの、照射面積を小さくできるメリットがある。また、被印刷物T(照射面)近くまで反射板8aを配設する。これは被印刷物Tと反射板8aとの隙間が大きくなると多重反射でのロス発生を防止するためである。また、平面ガイド型リフレクタは、製作が容易であるという利点がある。
リフレクタ8の内面の材質は、特に限定するものではないが、無電極ランプ1を紫外線ランプとして使用する場合、紫外線反射率の高いアルミニウムを使用することが好ましい。
リフレクタ8の開放端と被印刷物T(照射面)との間には、必要に応じて赤外線カットフィルムを配設することができる。また、リフレクタ8内面の反射面で赤外線を透過する用の材質を選択することもできる。
また、紫外線を照射する用途として使用する無電極ランプ1を構成する各部材(マイクロ波発振器MW、ケーブル(供給管2A)、給電部2、光透過管5、リフレクタ8)は、電磁波が拡散輻射しないように金属筺体(図示省略)によりシールドすることが好ましい。この金属筐体は、各部材のメンテナンス用の窓や金属筐体そのものを容易に取り外し可能としている。そのため、インターロックスイッチを設け、メンテナンス用の窓が開放しているときや金属筐体が取り外されているときに、上述した安全装置6と同様に制御手段9内のマイクロ波発振停止回路にマイクロ波の発振を停止する信号を送信するように構成することが好ましい。
そして、インクの紫外線硬化や乾燥を促進する目的で、インクカートリッジ102より被印刷物の搬送方向に対して上流側の近傍に、電磁波発振器MWから発振される電磁波を昇圧する共振回路からなる昇圧手段と放電ギャップを形成する放電電極及び接地電極とから構成され、昇圧手段により放電ギャップの電位差を高め放電を生じさせるように構成したプラズマ生成器106を配設することができる。このプラズマ生成器106は、無電極ランプを制御する制御手段9によってプラズマ生成器106の電磁波の発振を、インクカートリッジからのインク噴出タイミングに同期するように制御する。電磁波発振器MW及び制御手段9は、無電極ランプ1と別に設けることもできるが、無電極ランプ1に使用するものと兼用することもできる。
<印刷装置の動作>
本実施形態の印刷装置101の印字動作について説明する。制御手段9は印字命令を受信すると、カートリッジ102に印字指令を送信するとともに、印字タイミングに合わせプラズマ生成器106に電磁波を発振するように電磁波用電源P及び電磁波発振器MWに電磁波の発振信号を送信する。
本実施形態の印刷装置101の印字動作について説明する。制御手段9は印字命令を受信すると、カートリッジ102に印字指令を送信するとともに、印字タイミングに合わせプラズマ生成器106に電磁波を発振するように電磁波用電源P及び電磁波発振器MWに電磁波の発振信号を送信する。
また、本実施形態における搬送手段103は、ロール状に巻回された被印刷物Tに印刷する場合の例を示し、ロール状の被印刷物Tをセットする貯留ローラ131と、被印刷物Tが略水平に移動し、インクカートリッジ102から噴射されるインクによって印刷される送り台130と、貯留ローラ131から引き出された被印刷物Tを送り台130に送り出す送り出しローラ133と、印刷された被印刷物Tを巻き取る巻き取りローラ135と、この巻き取りローラ135に被印刷物Tを受け渡す受けローラ134と、貯留ローラ131と送り出しローラ133及び巻き取りローラ135と受けローラ134との間で被印刷物Tに張力を付与するテンションローラ132とから構成されている。
この搬送手段103によって、被印刷物Tの印字対象箇所が順次インクカートリッジの102の下方に送られ印刷がなされる。そして、プラズマ生成器106によって印字対象箇所となる被印刷物Tの表面にカートリッジ102からの印字前にプラズマを照射し、表面の濡れ性を向上させる。これにより、インクの被印刷物表面に対する接触角が小さくなり短時間での乾燥に資する。また、プラズマ生成器106は濡れ性が向上され、インクカートリッジ102によって印字されたインク表面は、無電極ランプ1から照射される紫外線によって硬化する。光透過管5の軸方向の長さ(図中の奥行き)は、インクカートリッジ102によって印字される印字幅に合わせることが好ましい。
特に、プラズマ生成器106によって、被印刷物T表面の濡れ性を向上させることでインクの接触角が小さくなり印刷に必要なインク量が減少する。これによって、無電極ランプ1によるインク硬化時間を短縮することができる。
以上説明したように、本発明の無電極ランプは、印刷装置の紫外線硬化用ランプとして好適に用いることができる他、水や空気の殺菌の用途としても好適に用いることができる。
1 無電極ランプ
2 給電部
20 中心電極
21 給電外管
4 誘電管
5 光透過管
6 接続検知スイッチ
MW マイクロ波発振器
C1 LC共振回路
C2 LC共振回路
2 給電部
20 中心電極
21 給電外管
4 誘電管
5 光透過管
6 接続検知スイッチ
MW マイクロ波発振器
C1 LC共振回路
C2 LC共振回路
Claims (3)
- マイクロ波発振器から発振されるマイクロ波が給電される給電部からのマイクロ波によって、光透過管内の封入ガスを励起させ発光させる無電極ランプにおいて、
前記光透過管は、給電部からのマイクロ波の供給を受ける誘電管を備え、
該誘電管と前記マイクロ波発振器との間には、共振回路と反射波検知器を配設し、
前記マイクロ波発振器は半導体デバイスを利用して構成するとともに、マイクロ波の発振を制御する制御手段を備え、前記反射波検知器によって検知された反射波の大きさに応じて、発振するマイクロ波の発振制御を行うようにした無電極ランプ。 - マイクロ波の発振制御は、発振するマイクロ波の周波数、位相、出力、発振時間、デューティ比の少なくとも一つとした請求項1に記載の無電極ランプ。
- 前記給電部は、光透過管の誘電管内に挿通される中心電極と、
該中心電極と同軸で、中心電極と電気的に絶縁される筒状の共振電極と、
該共振電極と電気的に接続されマイクロ波発振器と接続される入力部とからなる請求項1又は2に記載の無電極ランプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017094250A JP2018190665A (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | 無電極ランプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017094250A JP2018190665A (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | 無電極ランプ |
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JP2017094250A Pending JP2018190665A (ja) | 2017-05-10 | 2017-05-10 | 無電極ランプ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023042388A1 (ja) * | 2021-09-17 | 2023-03-23 | 三菱電機株式会社 | マイクロ波励起光源装置 |
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-
2017
- 2017-05-10 JP JP2017094250A patent/JP2018190665A/ja active Pending
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