JP2018189471A - 電流センサ - Google Patents

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靖久 田中
Yasuhisa Tanaka
靖久 田中
鈴木 健治
Kenji Suzuki
健治 鈴木
田中 健
Takeshi Tanaka
健 田中
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Abstract

【課題】被測定電流を高精度で測定する。【解決手段】電流センサ100は、被測定電流が流れる導体11、被測定電流により生じる磁場を検出し、検出信号を一対の出力用端子22,24から出力する磁気検出素子20a、導体を間に挟んで、一対の出力用端子にそれぞれ接続する一対の出力用配線32,34、及び一対の出力用配線を介して磁気検出素子の検出信号を受信する信号処理部40を備える。磁気検出素子の一対の出力用端子に接続する一対の出力用配線が被測定電流が流れる導体を挟んで配設されることから、被測定電流が導体を流れることにより磁場が発生しても、磁気検出素子と一対の出力用配線とにより形成されるループ面を貫く成分はゼロ又は極小さいため、電磁結合により配線32,34に生じるノイズが抑制され、被測定電流の量を高精度で決定することが可能となる。【選択図】図1A

Description

本発明は、電流センサに関する。
電流の量を測定する電流センサとして、電流が導体内を流れることにより生じる誘導磁場(単に磁場とも呼ぶ)をホール素子等の磁気検出素子を用いて検出するものが知られている。例えば特許文献1には、簡易な構成により低コストの電流検出回路を提供することを目的として、配線パターンを形成する部材と同じ材質の部材によりホール効果を生ずる電流検出パターン(すなわち、ホール素子)が形成されたプリント配線基板、この基板上に実装された中央処理演算部、及び電流流路を含んで構成された電流検出回路が開示されている。この電流検出回路では、電流流路に流れる電流により生じる磁場がホール素子を貫通することで発生する電位差を検出することにより、電流の量を測定する。
特許文献1 特開2012−88096号公報
しかしながら、電流センサが例えば電力変換装置に組み込まれるインバータの出力電流を測定するのに使用される場合、インバータはパルス幅変調(PWM)により動作制御されるため、電流流路の導体に加わる電圧が急峻に変化する。それにより、ホール素子に接続する配線に寄生する容量により静電結合が生じて、ホール素子の出力信号にノイズが取り込まれてしまうことがある。また、インバータは地絡の異常時等に電流流路を流れる電流の量が急峻に変化する。それにより、ホール素子に接続する配線に寄生するインダクタンスにより電磁結合が生じて、ホール素子の出力信号にノイズが取り込まれてしまうことがある。
本発明の一態様においては、被測定電流が流れる導体と、被測定電流により生じる磁場を検出し、検出信号を一対の出力用端子から出力する磁気検出素子と、導体を間に挟んで、一対の出力用端子にそれぞれ接続する一対の出力用配線と、一対の出力用配線を介して磁気検出素子の検出信号を受信する信号処理部と、を備える電流センサが提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る電流センサの構成を示す。 基板のおもて面の配線構成を示す。 基板の裏面の配線構成を示す。 本実施形態に係る電流センサの断面構成を示す。 基板の構成部材を示す。 基板の一製造工程により基板にビアホールを設けた状態を示す。 基板の一製造工程により基板のおもて面及び裏面に配線がパターニングされた状態を示す。 電流センサの回路構成を示す。 第1の変形例に係る電流センサの回路構成を示す。 第2の変形例に係る電流センサの構成を示す。 基板のおもて面の構成を示す。 基板の裏面の構成を示す。 第2の変形例に係る電流センサの断面構成を示す。 第2の変形例に係る電流センサの回路構成を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1Aから図1Dは、本実施形態に係る電流センサ100の構成を示す。ここで、図1Aは電流センサ100の構成を上面視において示し、図1Bは基板10のおもて面の配線構成を上面視において示し、図1Cは基板10の裏面の配線構成を上面視において示し、図1Dは図1Aにおける基準線DDに関する基板10の断面構成を示す。電流センサ100は、導体に加わる電圧や導体を流れる電流の急峻な変化に伴うノイズを抑制して被測定電流を高精度で測定することを目的とするものであり、基板10、検出部20、配線30、及び信号処理部40を備える。
基板10は、電流センサ100の構成各部を保持する部材である。基板10は、一例としてエポキシ系材料、例えばガラスエポキシのFR4を用いて2.4mm厚の矩形板状に成形される。なお、基板10の上面及び下面をそれぞれおもて面(部品面とも呼ぶ)10F及び裏面(半田面とも呼ぶ)10Bとする。基板10は、リジッド基板に限らず、フレキシブル基板であってもよい。基板10は、導体11、パッド31a〜34a、パッド39,39a、及びビアホール33b,33c,34b,34cを有する。
導体11は、被測定電流が流れる部材である。導体11の素材は、比抵抗の小さい導電性材料、特に銅、アルミニウム等の金属又はそれらを含む合金が望ましい。本実施形態では、例えば最大50Aの電流を流すとして、比抵抗が最も小さい銅を使用して幅5mm及び厚さ1.6mmの正方板状に成形する。それより、被測定電流が流れることによる発熱、導体抵抗による電力損失を抑えることができる。なお、導体11の表面にめっき膜を設けてもよい。
導体11は、上記の板状部材に中心から−Y方向に開くスリット11aを設けることで、U字状に成形される。それにより、被測定電流が流れる向きを+Y方向から−Y方向に又はその逆に180度変える偏向部11b、偏向部11bの両端から−Y方向に真っ直ぐに延びる2つの真直部11cが設けられる。ここで、偏向部11bの曲率中心11oはスリット11aの+Y側中央に位置し、この位置に、電流が導体11を流れることにより発生する磁場が集束され、Z軸方向の磁場が効率良く強められる。なお、導体11は、U字状に限らず、L字状等、任意の湾曲形状に成形してもよい。
導体11は、基板10内に、偏向部11bを+Y側に向け且つ2つの真直部11cの端面を基板10の−Y側面から露出するようにして埋め込まれる。ここで、2つの真直部11cは、例えば露出した導体部分(不図示)を介して基板10外の電極(不図示)に接続し、これを介して被測定電流を2つの真直部11cの一方から入力し、偏向部11bを介して他方の真直部11cから出力することで、被測定電流が導体11内を流れる。
パッド31a〜34aは、磁気検出素子20aを含むチップを基板10上に実装するための電極膜である。パッド31a〜34aは、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて矩形状に成形され、基板10のおもて面10F上で、偏向部11bの曲率中心11o上に格子状に配設される。
パッド39,39aは、信号処理部40を含むチップを基板10上に実装するための電極膜である。パッド39は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて矩形状に成形され、基板10のおもて面10F上の中央から幾分+Y寄りにX軸方向に並設された8つのパッドを含む。パッド39aは、パッド39と同様に矩形状に成形され、基板10のおもて面10F上の+Y端部近傍にX軸方向に並設された8つのパッドを含む。
ビアホール33b,34b,33c,34cは、配線部の一例であり、基板10のおもて面10Fから裏面10Bに貫通し、後述する配線33,34を基板10のおもて面10F上のパッドから裏面10Bに引き出すための部材である。ビアホール33b,34b,33c,34cは、それぞれ、パッド33a,34aの中央及びパッド31a,32aの中央に各1つのホール並びにパッド39の+Y側に2つのホールを形成し、それらの内面を例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて成膜することで基板10上に設けられる。
なお、基板10の製造方法については後述する。
検出部20は、導体11に流れる被測定電流により生じる磁場を検出するユニットである。検出部20は、例えばInAs、GaAs、Si等から構成されるホール素子のような磁気検出素子20aをチップ内に含む。磁気検出素子20aは、これを駆動するための互いに対向する一対の駆動用端子(単に端子とも呼ぶ)21,23及び磁気検出素子20aから検出信号を出力するための互いに対向する一対の出力用端子(単に端子とも呼ぶ)22,24を有する。磁気検出素子20aは、基板10のおもて面10F上で、端子21〜24をそれぞれパッド31a〜34a上にはんだ接合することにより、偏向部11bの内側、すなわち曲率中心11o上に実装される。それにより、被測定電流が導体11を流れることにより発生する磁場が磁気検出素子20aに集束するため、検出部20により感度良く磁場を検出することができる。検出部20は、検出した磁場の強度に応じた電圧を検出信号として後述する信号処理部40に出力する。
配線30は、一対の駆動用配線31,33及び一対の出力用配線32,34を含む。これらの配線は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて成形される。
一対の駆動用配線(単に配線とも呼ぶ)31,33は、磁気検出素子20aの一対の駆動用端子21,23に接続して、磁気検出素子20aに駆動電圧を送るための配線である。配線31,33は、導体11を間に挟んで(特に偏向部11bを間に挟むのが好ましいが、真直部11cを間に挟んでもよい)、それぞれ基板10のおもて面10F及び裏面10B上の同じXY位置(上面視において重なるように)に配設される。配線31は、パッド31aとパッド39のうちの左から4つめのパッドとを接続する。配線33は、ビアホール33b,33cを介して、おもて面10F上のパッド33aとパッド39のうちの左から3つめのパッドとを接続する。
なお、一対の駆動用配線31,33は、後述するフェーズ2の検出動作において、一対の出力用配線32,34のように磁気検出素子20aから出力される検出信号を送るための配線として使用することもできる。
一対の駆動用配線31,33は、導体11からそれぞれ互いに等しい距離離間して配設される(すなわち、W=W)。それにより、フェーズ2の検出動作において、配線31及び導体11の間に寄生する容量と配線33及び導体11の間に寄生する容量とが等しくなることで、静電結合により配線31,33の電位が揺らいでもそれぞれが同じように揺らいで、後述する増幅器40aで配線31,33の電位を差分して増幅するため、配線31,33により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
また、一対の駆動用配線31,33は、それらと磁気検出素子20aとにより形成されるループ面が導体11に沿って流れる電流に略直交する方向、ここではY軸方向に延設される。それにより、フェーズ2の検出動作において、被測定電流が導体11の偏向部11bを流れることにより磁場が発生しても、ループ面を貫く成分はゼロ又は極小さいため、電磁誘導(電磁結合とも呼ぶ)により配線31,33に生じる誘導起電力が抑制され、配線31,33により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
一対の出力用配線(単に配線とも呼ぶ)32,34は、磁気検出素子20aの一対の出力用端子22,24に接続して、磁気検出素子20aから出力される検出信号を送るための配線である。配線32,34は、導体11を間に挟んで、それぞれ基板10のおもて面10F及び裏面10B上の同じXY位置(上面視において重なるように)に配設される。配線32は、パッド32aとパッド39のうちの左から5つめのパッドとを接続する。配線34は、ビアホール34b,34cを介して、おもて面10F上のパッド34aとパッド39のうちの左から6つめのパッドとを接続する。
一対の出力用配線32,34は、導体11の上面及び下面からそれぞれ互いに等しい距離離間して配設される(すなわち、W=W)。それにより、配線32及び導体11の間に寄生する容量と配線34及び導体11の間に寄生する容量とが等しくなることで、静電結合により配線32,34の電位が揺らいでもそれぞれが同じように揺らいで、後述する増幅器40aで配線32,34の電位を差分して増幅するため、配線32,34により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
また、一対の出力用配線32,34は、それらと磁気検出素子20aとにより形成されるループ面が導体11に沿って流れる電流に略直交する方向、ここではY軸方向に延設される。それにより、被測定電流が導体11の偏向部11bを流れることにより磁場が発生しても、ループ面を貫く成分はゼロ又は極小さいため、電磁誘導(電磁結合とも呼ぶ)により配線32,34に生じる誘導起電力が抑制され、配線32,34により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
なお、一対の出力用配線32,34は、後述するフェーズ2の検出動作において、一対の駆動用配線31,33のように磁気検出素子20aに駆動電圧を送るための配線として使用することもできる。
信号処理部40は、磁気検出素子20aを駆動し、その検出信号を処理して被測定電流の量を算出するユニットである。信号処理部40は、後述する構成ユニットをチップ内に含み、駆動電圧を出力及び検出信号を入力するための8つの端子41、その他の信号を入出力するための8つの端子41aをチップ外に突出する。信号処理部40は、各8つの端子41,41aをそれぞれ各8つのパッド39,39a上にはんだ接合することにより、基板10のおもて面10F上の+Y側に実装される、すなわち導体11に対して検出部20(磁気検出素子20a)の反対側に配される。それにより、信号処理部40は、一対の駆動用配線31,33を介して磁気検出素子20aの一対の駆動用端子21,23に接続され、後述するように駆動部40sから駆動電圧を送ることで磁気検出素子20aを駆動する。また、信号処理部40は、一対の出力用配線32,34を介して磁気検出素子20aの一対の出力用端子22,24に接続され、後述するように一対の出力用配線32,34を介して磁気検出素子20aの検出信号を受信し、処理することで被測定電流の量を算出する。なお、算出結果は、基板10上の配線(不図示)を介して外部装置等に出力される。
なお、信号処理部40の回路構成については後述する。
なお、信号処理部40は、メモリ、感度補正回路、出力のオフセットを補正するオフセット補正回路、温度に応じて出力を補正する温度補正回路等の少なくとも1つを内蔵してもよい。
なお、本実施形態に係る電流センサ100では、信号処理部40は各8つの端子41,41aを有するとしたが、磁気検出素子20aの端子21〜24に接続する少なくとも4つの端子を含めば、任意の数の端子を有するとしてよい。
なお、本実施形態に係る電流センサ100では、検出部20及び信号処理部40をともに基板10のおもて面10Fに実装することとしたが、ともに裏面10Bに実装してもよいし、一方をおもて面10F及び他方を裏面10Bに実装してもよい。
なお、電流センサ100は、さらに、基板10、検出部20、配線30、信号処理部40を封止して保護するパッケージを備えてもよい。パッケージは、例えば、エポキシなどの絶縁性に優れた樹脂等のモールド材を用いてモールド成形することができる。
基板10(配線30を含む)の製造方法について説明する。
図2Aは、基板10の構成部材を示す。基板10は、内層コア12a、2つのプリプレグ12b、及び2つの金属箔14を有する。内層コア12aは、その内部に埋め込まれた導体11を有する。2つのプリプレグ12bは、内層コア12aと同じ素材より形成される。金属箔14は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて膜状に成形される。内層コア12aの上面に一方のプリプレグ12b、その上面に一方の金属箔14をそれぞれ接着する。同様に、内層コア12aの下面に他方のプリプレグ12b、その下面に他方の金属箔14をそれぞれ接着する。それにより、内層コア12a及び2つのプリプレグ12bより、上面及び下面に金属箔14を有する本体12が構成される。
図2Bは、基板10の一製造工程により基板10にビアホール14aを設けた状態を示す。一例として、本体12の−Y側に本体12をZ軸方向に貫通するホールを形成し、それらの内面上に金属箔14と同じ導電性金属を用いてメッキにより成膜することで、基板10上に上面側の金属箔14と下面側の金属箔14とを接続するビアホール14aが形成される。
図2Cは、基板10の一製造工程により基板10のおもて面及び裏面に配線がパターニングされた状態を示す。本体12の上面側の金属箔14及び下面側の金属箔14をパターニングすることにより、上面側に配線31,32及びパッド31a〜34a,39,39a、下面側に配線33,34が形成されるとともに、ビアホール14aがビアホール33b,33c,34b,34cとして機能する。さらに、ビアホール14aの上面及び下面等を除いて本体12の上面及び下面にそれぞれレジスト層15,16を設けることで、半田付けの際の半田による配線間ショート等を防ぐことができる。それにより、配線30を含む基板10が完成する。
なお、基板10は、上記の製造方法に限らず、一対の出力用配線32,34、さらに一対の駆動用配線31,33が導体11を間に挟むように配設することができれば任意の方法により製造してよい。
図3は、電流センサ100の回路構成を示す。先述のとおり、検出部20に含まれる磁気検出素子20aは、互いに対向する一対の駆動用端子21,23及び互いに対向する一対の出力用端子22,24を有し、それぞれに一対の駆動用配線31,33及び一対の出力用配線32,34の一端が接続されている。また、一対の駆動用配線31,33は、互いに接触することなく、導体11を間に挟んでこれと略直交する方向に延設され、信号処理部40に他端を接続する。同様に、一対の出力用配線32,34は、互いに接触することなく、導体11を間に挟んでこれと略直交する方向に延設され、信号処理部40に他端を接続する。
信号処理部40は、駆動部40s、増幅器40a、及び制御演算部40cを有する。
駆動部40sは、一対の駆動用配線31,33(又は一対の出力用配線32,34)を介して駆動電圧を送ることで磁気検出素子20aを駆動し、また磁気検出素子20aの検出信号を受信して増幅器40aに送るユニットである。駆動部40sは、配線31,32を高基準電位40Hにそれぞれ接続するスイッチ41t,42t、配線33,34を低基準電位40Lにそれぞれ接続するスイッチ43t,44t、配線31,32を増幅器40aにそれぞれ接続するスイッチ41s,42s、及び配線33,34を増幅器40aにそれぞれ接続するスイッチ43s,44sを有する。ここで、高基準電位40Hは低基準電位40Lより高い電位を有する(ただし、逆に低い電位を有するとしてもよい)。これらのスイッチは、制御演算部40cにより制御され、後述するように一対の駆動用配線31,33及び一対の出力用配線32,34の接続を切り換えることで2つのフェーズの検出動作を可能とする。
増幅器40aは、磁気検出素子20aから駆動部40sを介して検出信号を受け、増幅して制御演算部40cに送るユニットである。
制御演算部40cは、駆動部40sのスイッチ41t〜44t,41s〜44sを制御するとともに磁気検出素子20aの検出信号を処理して、導体11に流れる被測定電流Iの量を算出するユニットである。その算出結果は出力信号VOUTとして信号処理部40外に出力される。
電流センサ100の検出動作について説明する。検出動作は、2つのフェーズ1及び2を含む。
フェーズ1では、制御演算部40cにより駆動部40sのスイッチ41t〜44t,41s〜44sを制御して、図3に示すように、スイッチ41tをオンして配線31を高基準電位40Hに接続するとともにスイッチ42tをオフし、スイッチ43tをオンして配線33を低基準電位40Lに接続するとともにスイッチ44tをオフし、スイッチ42sをオンして配線32を増幅器40aに接続するとともにスイッチ41sをオフし、スイッチ44sをオンして配線34を増幅器40aに接続するとともにスイッチ43sをオフする。それにより、配線31,33が駆動用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子20aの端子21,23がそれぞれ高及び低基準電位40H,40Lに接続されることにより、駆動部40sから駆動電圧が送られて磁気検出素子20aが端子21,23間で駆動される。また、配線32,34が出力用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子20aの端子22,24が増幅器40aに接続されることにより、磁気検出素子20aの端子22,24間に生じる検出信号が増幅器40aに送られる。
上述の状態において、導体11に被測定電流Iが流れて磁場が発生し、その磁場が磁気検出素子20aに入力すると、被測定電流Iの大きさに比例する電圧−Vが端子22,24の間に発生する。このとき、導体11に加わる電圧が急峻に変化すると、静電結合による電圧VS24が配線32,34間に発生する。また、導体11に流れる電流が急峻に変化すると、電磁結合による電圧VE24が配線32,34間に発生する。従って、配線32,34を介して信号処理部40に入力される検出信号V24は、磁気検出素子20aのオフセット電圧VOFSを含めて、次式(1)のように与えられる。
24=−V+VOFS+VS24+VE24 …(1)
ここで、静電結合による電圧VS24は、先述のとおり配線32,34が導体11の上面及び下面からそれぞれ互いに等しい距離離間して配設されている(すなわち、W=W)ため、極小さい(VS24≒0)。また、電磁結合による電圧VE24は、先述のとおり配線32,34と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面が導体11に沿って流れる電流に略直交するため、極小さい(VE24≒0)。従って、信号処理部40に入力される検出信号V24は、良い近似で、被測定電流Iの大きさに比例する電圧−Vとオフセット電圧VOFSとの和により与えることができる。なお、オフセット電圧VOFSが一定であれば、フェーズ1の単独動作においても、制御演算部40cにより検出信号V24から被測定電流Iの大きさを精度良く決定することができる。
フェーズ2では、制御演算部40cにより駆動部40sのスイッチ41t〜44t,41s〜44sを制御して、フェーズ1の状態とは逆に、スイッチ42tをオンして配線32を高基準電位40Hに接続するとともにスイッチ41tをオフし、スイッチ44tをオンして配線34を低基準電位40Lに接続するとともにスイッチ43tをオフし、スイッチ41sをオンして配線31を増幅器40aに接続するとともにスイッチ42sをオフし、スイッチ43sをオンして配線33を増幅器40aに接続するとともにスイッチ44sをオフする。それにより、配線32,34が駆動用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子20aの端子22,24がそれぞれ高及び低基準電位40H,40Lに接続されることにより、駆動部40sから駆動電圧が送られて磁気検出素子20aが端子22,24間で駆動される。また、配線31,33が出力用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子20aの端子21,23が増幅器40aに接続されることにより、磁気検出素子20aの端子21,23間に生じる検出信号が増幅器40aに送られる。
上述の状態において、導体11に被測定電流Iが流れて磁場が発生し、その磁場が磁気検出素子20aに入力すると、被測定電流Iの大きさに比例する電圧Vが端子21,23の間に発生する。このとき、導体11に加わる電圧が急峻に変化すると、静電結合による電圧VS13が配線31,33間に発生する。また、導体11に流れる電流が急峻に変化すると、電磁結合による電圧VE13が配線31,33間に発生する。従って、配線31,33を介して信号処理部40に入力される検出信号V13は、磁気検出素子20aのオフセット電圧VOFSを含めて、次式(2)のように与えられる。
13=V+VOFS+VS13+VE13 …(2)
ここで、静電結合による電圧VS13は、先述のとおり配線31,33が導体11の上面及び下面からそれぞれ互いに等しい距離離間して配設されている(すなわち、W=W)ため、極小さい(VS13≒0)。また、電磁結合による電圧VE13は、先述のとおり配線31,33と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面が導体11に沿って流れる電流に略直交するため、極小さい(VE13≒0)。従って、信号処理部40に入力される検出信号V13は、良い近似で、被測定電流Iの大きさに比例する電圧Vとオフセット電圧VOFSとの和により与えることができる。なお、オフセット電圧VOFSが一定であれば、フェーズ2の単独動作においても、制御演算部40cにより検出信号V13から被測定電流Iの大きさを精度良く決定することができる。
フェーズ1において配線32,34を介して信号処理部40に入力される検出信号V24及びフェーズ2において配線31,32を介して信号処理部40に入力される検出信号V13は、増幅器40aにより増幅されて、制御演算部40cに送られる。ここで、増幅器40aの増幅率Gとする。
フェーズ1及び2における検出信号V24,V13は、制御演算部40cにより次式(3)及び(4)のように減算されて、導体11に流れる被測定電流Iの量を表す出力信号VOUTが算出され、出力される。
OUT=G(V24−V13)=−2GV+GΔ …(3)
Δ=VS24−VS13+VE24−VE13 …(4)
ノイズ項GΔは無視できる程度であるから(GΔ≒0)、本実施形態の電流センサ100による検出動作より、静電結合による電圧VS13、電磁結合による電圧VE13、及びオフセット電圧VOFSを除いて導体11に流れる被測定電流Iに比例する電圧Vのみを出力信号VOUTとして抽出することができる。それにより、被測定電流Iの量を高精度で測定することが可能となる。
なお、例えば製造ばらつきにより、配線32,34が互いに異なる導体11からの離間距離W,Wで配設されると、無視できない程度の静電結合による電圧VS24が生じ得る。しかし、配線31,33も、配線32,34と同様に導体11からの離間距離W,Wで配設されること、上面視において配線32,34が導体11と重なる部分の長さ及び幅が、配線31,33が導体11と重なる部分のそれらと略等しいことで、配線31,32の寄生容量が互いにほぼ等しく、配線33,34の寄生容量が互いにほぼ等しくなり、フェーズ1及び2のそれぞれにおける静電結合による電圧VS24,VS13が互いにほぼ等しくなる(VS24〜VS13)。
また、例えば製造ばらつきにより、配線32,34が検出部20を含んで形成されるループ面が導体11に沿って流れる電流に非直交に配設されると、無視できない程度の電磁結合による電圧VE24が生じ得る。しかし、導体11に流れる被測定電流がフェーズ1及び2の間の切り換え速度に対して緩やかに変化する場合、フェーズ1及び2のそれぞれにおける電磁結合による電圧VE24,VE13が互いにほぼ等しくなる(VE24〜VE13)。ただし、被測定電流の緩やかな変化は、例えば、フェーズ1及び2間の切り換え周期の4倍以上の周期での変化である。
従って、本実施形態に係る電流センサ100では、磁気検出素子20aの一対の出力用端子22,24にそれぞれ接続し、それらから出力される磁気検出素子20aの検出信号を信号処理部40に送る一対の出力用配線32,34が導体11を間に挟むことで、導体11を流れる被測定電流により生じる磁場のうち一対の出力用配線32,34と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面を貫く成分が小さく、電磁結合により一対の出力用配線32,34に生じる電圧が小さくなる。一対の駆動用配線31,33についても同様である。このように、配線31〜34が出力信号VOUTに含まれるノイズ項GΔが極小さくなるよう構成されているため、電流センサ100により被測定電流Iの量を高精度で測定することができる。
なお、配線32の導体11からの離間距離Wと配線34の導体11からの離間距離Wとはほぼ等しいのが望ましいが、それぞれが隣接する配線31,33の導体11からの離間距離にほぼ等しければ、その限りではない。同様に、配線31の導体11からの離間距離Wと配線33の導体11からの離間距離Wとはほぼ等しいのが望ましいが、それぞれが隣接する配線32,34の導体11からの離間距離にほぼ等しければ、その限りではない。
なお、配線32が上面視において導体11と重なる部分の長さ及び幅は、配線31が導体11と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。また、配線32が上面視において導体11と重なる部分の長さ及び幅は、配線34が導体11と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。同様に、配線34が上面視において導体11と重なる部分の長さ及び幅は、配線33が導体11と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。
図4は、第1の変形例に係る電流センサ101の回路構成を示す。電流センサ101は、導体に加わる電圧や導体を流れる電流の急峻な変化に伴うノイズを抑制して被測定電流を高精度で測定することを目的とするものであり、先述の電流センサ100が備える配線30にさらに補助配線31d〜34dを含む。なお、電流センサ101のその他の構成は電流センサ100における構成と同じであることから、説明を省略する。
配線30は、一対の駆動用配線31,33及び一対の出力用配線32,34に加えて、一対の補助駆動用配線31d,33d及び一対の補助出力用配線32d,34dを含む。これらの補助配線は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて成形される。
一対の補助駆動用配線(単に補助配線とも呼ぶ)31d,33dは、それぞれ、一対の駆動用配線31,33に並列に、検出部20の一対の駆動用端子21,23と信号処理部40との間に接続される。ここで、補助配線31d,33dは、それぞれ基板10の裏面10B及びおもて面10F上に配設されて導体11を間に挟み、また、補助配線31dは配線33に近接して配線31と導体11を間に挟み、補助配線33dは配線31に近接して配線33と導体11を間に挟む。
一対の出力用補助配線(単に補助配線とも呼ぶ)32d,34dは、それぞれ、一対の出力用配線32,34に並列に、検出部20の一対の出力用端子22,24と信号処理部40との間に接続される。ここで、補助配線32d,34dは、それぞれ基板10の裏面10B及びおもて面10F上に配設されて導体11を間に挟み、また、補助配線32dは配線34に近接して配線32と導体11を間に挟み、補助配線34dは配線32に近接して配線34と導体11を間に挟む。
電流センサ101の検出動作は、電流センサ100の検出動作と同様に2つのフェーズ1及び2を含む。
フェーズ1では、配線31,33が補助配線31d,33dとともに駆動用配線として機能し、それらが接続する端子21,23間で磁気検出素子20aが駆動され、配線32,34が補助配線32d,34dとともに出力用配線として機能し、磁気検出素子20aの端子22,24間に生じる検出信号が信号処理部40に送られる。配線32,34及び補助配線32d,34dを介して信号処理部40に入力される検出信号V24は、次式(5)のように与えられる。
24=−V+VOFS+VS24+VSA24+VE24+VEA24 …(5)
ここで、VSA24は静電結合により補助配線32d,34d間に発生する電圧、VEA24は電磁結合により補助配線32d,34d間に発生する電圧である。
配線32,34の静電結合について、配線32,34のそれぞれと導体11との間に寄生する容量により静電結合による電圧VS24が発生しても、配線32に近接して補助配線34dが並設されていることから、配線32の静電結合は補助配線34dの導体11との間に寄生する容量に伴う静電結合により相殺し、配線34に近接して補助配線32dが並設されていることから、配線34の静電結合は補助配線32dの導体11との間に寄生する容量に伴う静電結合により相殺し、それにより静電結合により配線32,34間に発生する電圧VS24及び補助配線32d,34d間に発生する電圧VSA24はほぼ相殺する(すなわち、VS24+VSA24≒0)。
配線32,34の電磁結合について、被測定電流が導体11の偏向部11bを流れることにより磁場が発生し、一部の磁場が配線32,34と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面を貫いたとしても、その磁場は補助配線32d,34dと磁気検出素子20aとにより形成されるループ面を同様に貫く、ただし補助配線32d,34d間に生じる起電力の向きが配線32,34間に生じる起電力の向きと逆であることから、電磁結合により配線32,34間に発生する電圧VE24及び補助配線32d,34d間に発生する電圧VEA24はほぼ相殺する(すなわち、VE24+VEA24≒0)。
従って、信号処理部40に入力される検出信号V24は、良い近似で、被測定電流Iの大きさに比例する電圧−Vとオフセット電圧VOFSとの和により与えることができる。なお、オフセット電圧VOFSが一定であれば、フェーズ1の単独動作においても、制御演算部40cにより検出信号V24から被測定電流Iの大きさを精度良く決定することができる。
フェーズ2では、配線32,34が補助配線32d,34dとともに駆動用配線として機能し、それらが接続する端子22,24間で磁気検出素子20aが駆動され、配線31,33が補助配線31d,33dとともに出力用配線として機能し、磁気検出素子20aの端子21,23間に生じる検出信号が信号処理部40に送られる。配線31,33及び補助配線31d,33dを介して信号処理部40に入力される検出信号V13は、次式(6)のように与えられる。
13=V+VOFS+VS13+VSA13+VE13+VEA13 …(6)
ここで、VSA13は静電結合により補助配線31d,33d間に発生する電圧、VEA13は電磁結合により補助配線31d,33d間に発生する電圧である。
配線31,33の静電結合について、配線31,33のそれぞれと導体11との間に寄生する容量により静電結合による電圧VS13が発生しても、配線31に近接して補助配線33dが並設されていることから、配線31の静電結合は補助配線33dの導体11との間に寄生する容量に伴う静電結合により相殺し、配線33に近接して補助配線31dが並設されていることから、配線33の静電結合は補助配線31dの導体11との間に寄生する容量に伴う静電結合により相殺し、それにより静電結合により配線31,33間に発生する電圧VS13及び補助配線31d,33d間に発生する電圧VSA13はほぼ相殺する(すなわち、VS13+VSA13≒0)。
配線31,33の電磁結合について、被測定電流が導体11の偏向部11bを流れることにより磁場が発生し、一部の磁場が配線31,33と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面を貫いたとしても、その磁場は補助配線31d,33dと磁気検出素子20aとにより形成されるループ面を同様に貫く、ただし補助配線31d,33d間に生じる起電力の向きが配線31,33間に生じる起電力の向きと逆であることから、電磁結合により配線31,33間に発生する電圧VE13及び補助配線31d,33d間に発生する電圧VEA13はほぼ相殺する(すなわち、VE13+VEA13≒0)。
従って、信号処理部40に入力される検出信号V13は、良い近似で、被測定電流Iの大きさに比例する電圧Vとオフセット電圧VOFSとの和により与えることができる。なお、オフセット電圧VOFSが一定であれば、フェーズ2の単独動作においても、制御演算部40cにより検出信号V13から被測定電流Iの大きさを精度良く決定することができる。
フェーズ1において配線32,34及び補助配線32d,34dを介して信号処理部40に入力される検出信号V24及びフェーズ2において配線31,32及び補助配線31d,33dを介して信号処理部40に入力される検出信号V13は、増幅器40aにより増幅されて、制御演算部40cに送られる。ここで、増幅器40aの増幅率Gとする。
フェーズ1及び2における検出信号V24,V13は、制御演算部40cにより次式(7)及び(8)のように減算されて、導体11に流れる被測定電流Iの量を表す出力信号VOUTが算出され、出力される。
OUT=G(V24−V13)=−2GV+GΔ …(7)
Δ=VS24−VS13+VSA24−VSA13+VE24−VE13+VEA24−VEA13…(8)
ノイズ項GΔにおいて、配線32,34間に発生する静電結合による電圧VS24及び電磁結合による電圧VE24はそれぞれ補助配線32d,34d間に発生する静電結合による電圧VSA24及び電磁結合による電圧VEA24と相殺し、配線31,33間に発生する静電結合による電圧VS13及び電磁結合による電圧VE13はそれぞれ補助配線31d,33d間に発生する静電結合による電圧VSA13及び電磁結合による電圧VEA13と相殺する。つまり、各フェーズにおいて静電結合による電圧及び電磁結合による電圧がほぼゼロになるため、電流センサ101による検出動作より、電流センサ100による検出動作のように配線31〜34の導体11からの離間距離及びフェーズ1及び2の間の切り換え速度に対する導体11に流れる被測定電流の変化に依ることなく、静電結合による電圧、電磁結合による電圧、及びオフセット電圧を除いて導体11に流れる被測定電流Iに比例する電圧Vのみを出力信号VOUTとして抽出することができる。それにより、被測定電流Iの量を高精度で測定することが可能となる。
なお、補助配線32d,34dと磁気検出素子20aとにより形成されるループ面の面積は、配線32,34と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面の面積と略等しいことが望ましいが、両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。同様に、補助配線31d,33dと磁気検出素子20aとにより形成されるループ面の面積は、配線31,33と磁気検出素子20aとにより形成されるループ面の面積と略等しいことが望ましいが、両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。
図5Aから図5Dは、第2の変形例に係る電流センサ200の構成を示す。ここで、図5Aは電流センサ200の構成を上面視において示し、図5Bは基板110のおもて面の配線構成を上面視において示し、図5Cは基板110の裏面の配線構成を上面視において示し、図5Dは図5Aにおける基準線DDに関する基板110の断面構成を示す。電流センサ200は、導体に加わる電圧や導体を流れる電流の急峻な変化に伴うノイズを抑制して被測定電流を高精度で測定することを目的とするものであり、基板110、検出部120、配線130、及び信号処理部140を備える。なお、先述の電流センサ100と同じ構成については適宜説明を省略することがある。
基板110は、電流センサ200の構成各部を保持する部材である。基板110は、先述の基板10と同様に成形される。なお、基板110の上面及び下面をそれぞれおもて面(部品面とも呼ぶ)110F及び裏面(半田面とも呼ぶ)110Bとする。基板110は、導体111、パッド131a〜138a、パッド139,139a、及びビアホール133b,133c,134b,134c,137b,137c,138b,138cを有する。
導体111は、被測定電流が流れる部材であり、先述の導体11と同じ素材より厚さ1.6mmのL字板状に成形することができる。
導体111は、上記の板状部材の−X側中央から−Y方向に開くスリット111aを設け、また+X側中央から+Y方向に開くスリット111aを設けることで、S字状に成形される。それにより、被測定電流が流れる向きを+Y方向から−Y方向に又はその逆に180度変える偏向部111b、被測定電流が流れる向きを偏向部111bと逆向きに変える偏向部111b、偏向部111bの端部から−Y方向に及び偏向部111bの端部から+Y方向にそれぞれ真っ直ぐに延びる2つの真直部111cが設けられる。ここで、偏向部111bの曲率中心111oはスリット111aの+Y側中央に位置し、この位置に、電流が導体111の偏向部111bを流れることにより発生する磁場が集束され、Z軸方向の磁場が効率良く強められる。また、偏向部111bの曲率中心111oはスリット111aの−Y側中央に位置し、この位置に、電流が導体111の偏向部111bを流れることにより発生する磁場が集束され、Z軸方向の磁場が効率良く強められる。なお、導体111は、S字状に限らず、任意の湾曲形状に成形してもよい。
導体111は、基板110内に、偏向部111b,111bをそれぞれ+Y側及び−Y側に向け且つ2つの真直部111cの端面を基板10の−Y側面と+Y側面から露出するようにして埋め込まれる。ここで、2つの真直部111cは、例えば露出した導体部分(不図示)を介して基板110外の電極(不図示)に接続し、これを介して被測定電流を2つの真直部111cの一方から入力し、偏向部111b,111bを介して他方の真直部111cから出力することで、被測定電流が導体11内を流れる。
パッド131a〜138aは、磁気検出素子120a,120aをそれぞれ含む2つのチップを基板110上に実装するための電極膜である。パッド131a〜134aは、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて矩形状に成形され、基板110のおもて面10F上で、偏向部111bの曲率中心111o上に格子状に配設される。パッド135a〜138aは、パッド131a〜134aと同じ素材を用いて矩形状に成形され、基板110のおもて面10F上で、偏向部111bの曲率中心111o上に格子状に配設される。
パッド139,139aは、信号処理部140を含むチップを基板110上に実装するための電極膜である。パッド139は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて矩形状に成形され、基板110のおもて面110F上の中央から幾分+Y寄りにX軸方向に並設された8つのパッドを含む。パッド139aは、パッド139と同様に矩形状に成形され、基板110のおもて面110F上の+Y端部近傍にX軸方向に並設された8つのパッドを含む。
ビアホール133b,133c,134b,134c,137b,137c,138b,138cは、配線部の一例であり、基板110のおもて面110Fから裏面110Bに貫通し、後述する配線133,134,137,138を基板110のおもて面110F上のパッドから裏面110Bに引き出すための部材である。ビアホール133b,134b,133c,134cは、それぞれ、パッド133a,134aの中央及びパッド131a,132aの中央に各1つのホール並びにパッド139の+Y側に2つのホールを形成し、それらの内面を例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて成膜することで基板110上に設けられる。また、ビアホール137b,138b,137c,138cは、それぞれ、パッド137a,138aの中央及びパッド135a,136aの中央に各1つのホール並びにパッド139の+Y側にさらに2つのホールを形成し、それらの内面を例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて成膜することで基板110上に設けられる。
検出部120は、導体111に流れる被測定電流により生じる磁場を検出するユニットである。検出部120は、先述の磁気検出素子20aと同様の磁気検出素子120a,120aをそれぞれ有する2つのチップを含む。磁気検出素子120aは、これを駆動するための互いに対向する一対の駆動用端子(単に端子とも呼ぶ)121,123及び検出信号を出力するための互いに対向する一対の出力用端子(単に端子とも呼ぶ)122,124を有する。磁気検出素子120aは、これを駆動するための互いに対向する一対の駆動用端子(単に端子とも呼ぶ)125,127及び検出信号を出力するための互いに対向する一対の出力用端子(単に端子とも呼ぶ)126,128を有する。磁気検出素子120aは、基板110のおもて面110F上で、端子121〜124をそれぞれパッド131a〜134a上にはんだ接合することにより、偏向部111bの内側、すなわち曲率中心111o上に実装される。また、磁気検出素子120aは、基板110のおもて面110F上で、端子125〜128をそれぞれパッド135a〜138a上にはんだ接合することにより、偏向部111bの内側、すなわち曲率中心111o上に実装される。それにより、被測定電流が導体111(特に、偏向部111b,111b)を流れることにより発生する磁場がそれぞれ磁気検出素子120a,120aに集束するため、検出部120により感度良く磁場を検出することができる。検出部120は、検出した磁場の強度に応じた電圧を検出信号として後述する信号処理部140に出力する。
配線130は、一対の駆動用配線131,133、一対の駆動用配線135,137、一対の出力用配線132,134、及び一対の出力用配線136,138を含む。これらの配線は、例えば銅、アルミニウム等の導電性金属を用いて成形される。
一対の駆動用配線(単に配線とも呼ぶ)131,133は、磁気検出素子120aの一対の駆動用端子121,123に接続して、磁気検出素子120aに駆動電圧を送るための配線である。配線131,133は、導体111を間に挟んで、それぞれ基板110のおもて面110F及び裏面110B上の同じXY位置(上面視において重なるように)に配設される。配線131は、パッド131aとパッド139のうちの左から2つめのパッドとを接続する。配線133は、ビアホール133b,133cを介して、おもて面110F上のパッド133aとパッド39のうちの左から1つめのパッドとを接続する。
一対の駆動用配線(単に配線とも呼ぶ)135,137は、磁気検出素子120aの一対の駆動用端子125,127に接続して、磁気検出素子120aに駆動電圧を送るための配線である。配線135,137は、導体111(偏向部111bの+X端)を間に挟んで、それぞれ基板110のおもて面110F及び裏面110B上の同じXY位置(上面視において重なるように)に配設される。配線135は、パッド135aとパッド139のうちの左から7つめのパッドとを接続する。配線137は、ビアホール137b,137cを介して、おもて面110F上のパッド137aとパッド139のうちの左から8つめのパッドとを接続する。
なお、一対の駆動用配線131,133及び一対の駆動用配線135,137は、後述するフェーズ2の検出動作において、一対の出力用配線132,134及び一対の出力用配線136,138のように磁気検出素子120a,120aから出力される検出信号を送るための配線として使用することもできる。
一対の駆動用配線131,133(135,137)は、導体111からそれぞれ互いに等しい距離離間して配設される(すなわち、W=W)。それにより、フェーズ2の検出動作において、配線131(135)及び導体111の間に寄生する容量と配線133(137)及び導体111の間に寄生する容量とが等しくなることで、静電結合により配線131,133(135,137)の電位が揺らいでもそれぞれが同じように揺らいで、後述する増幅器140a(149a)で配線131,133(135,137)の電位を差分して増幅するため、配線131,133(135,137)により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
また、一対の駆動用配線131,133(135,137)は、それらと磁気検出素子120a(120a)とにより形成されるループ面が導体111に沿って流れる電流に略直交する方向、ここでは曲率中心111o(111o)から+X,+Y方向(−X,+Y方向)に延び、屈曲してさらにY軸方向に延びて敷設される。それにより、フェーズ2の検出動作において、被測定電流が導体111の偏向部111bを流れることにより磁場が発生しても、ループ面を貫く成分はゼロ又は極小さいため、電磁結合により配線131,133(135,137)に生じる誘導起電力が抑制され、配線131,133(135,137)により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
一対の出力用配線(単に配線とも呼ぶ)132,134は、磁気検出素子120aの一対の出力用端子122,124に接続して、磁気検出素子120aから出力される検出信号を送るための配線である。配線132,134は、導体111を間に挟んで、それぞれ基板110のおもて面110F及び裏面110B上の同じXY位置(上面視において重なるように)に配設される。配線132は、パッド132aとパッド139のうちの左から3つめのパッドとを接続する。配線134は、ビアホール134b,134cを介して、おもて面110F上のパッド134aとパッド139のうちの左から4つめのパッドとを接続する。
一対の出力用配線(単に配線とも呼ぶ)136,138は、磁気検出素子120aの一対の出力用端子126,128に接続して、磁気検出素子120aから出力される検出信号を送るための配線である。配線136,138は、導体111を間に挟んで、それぞれ基板110のおもて面110F及び裏面110B上の同じXY位置(上面視において重なるように)に配設される。配線136は、パッド136aとパッド139のうちの左から6つめのパッドとを接続する。配線138は、ビアホール138b,138cを介して、おもて面110F上のパッド138aとパッド139のうちの左から5つめのパッドとを接続する。
一対の出力用配線132,134(136,138)は、導体111からそれぞれ互いに等しい距離離間して配設される(すなわち、W=W)。それにより、配線132(136)及び導体111の間に寄生する容量と配線134(138)及び導体111の間に寄生する容量とが等しくなることで、静電結合により配線132,134(136,138)の電位が揺らいでもそれぞれが同じように揺らいで、後述する増幅器140a(149a)で配線132,134(136,138)の電位を差分して増幅するため、配線132,134(136,138)により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
また、一対の出力用配線132,134(136,138)は、それらと磁気検出素子120a(120a)とにより形成されるループ面が導体111に沿って流れる電流に略直交する方向、ここでは曲率中心111o(111o)から+X,+Y方向(−X,+Y方向)に延び、屈曲してさらにY軸方向に延びて敷設される。それにより、被測定電流が導体111の偏向部111bを流れることにより磁場が発生しても、ループ面を貫く成分はゼロ又は極小さいため、電磁結合により配線132,134(136,138)に生じる誘導起電力が抑制され、配線132,134(136,138)により送られる電圧信号にノイズは取り込まれない。
なお、磁気検出素子120aに接続する配線135〜138は、2つの磁気検出素子120a,120aを結ぶ中線を含んだYZ平面に対して、それぞれが磁気検出素子120aに接続する配線131〜134のそれぞれに面対称となるように配設される。また、導体111は、磁気検出素子120aに接続する配線135〜138のそれぞれと導体11の間に寄生する容量と、磁気検出素子120aに接続する配線131〜134のそれぞれと導体111の間に寄生する容量と、が揃うように形成される。よって、導体111は、S字形状ではなく、8の字の一部が欠けた形状に形成され、磁気検出素子120aに接続する配線135〜138が交差する導体111(偏向部111b)の部分には、被測定電流はほとんど流れない。
なお、一対の出力用配線132,134及び一対の出力用配線136,138は、後述するフェーズ2の検出動作において、一対の駆動用配線131,133及び一対の駆動用配線135,137のように磁気検出素子120a,120aに駆動電圧を送るための配線として使用することもできる。
信号処理部140は、磁気検出素子120a,120aを駆動し、その検出信号を処理して被測定電流の量を算出するユニットである。信号処理部140は、先述の信号処理部40と同様に、後述する構成ユニットをチップ内に含み、各8つの端子141,141aをチップ外に突出する。信号処理部140は、各8つの端子141,141aをそれぞれ各8つのパッド139,139a上にはんだ接合することにより、基板10のおもて面110F上の+Y側に実装される、すなわち導体111に対して検出部120(磁気検出素子120a,120a)の反対側に配される。それにより、信号処理部140は、一対の駆動用配線131,133を介して磁気検出素子120aの一対の駆動用端子121,123に接続され、後述するように駆動部140sから駆動電圧を送ることで磁気検出素子120aを駆動する。また、信号処理部140は、一対の出力用配線132,134を介して磁気検出素子120aの一対の出力用端子122,124に接続され、後述するように一対の出力用配線132,134を介して磁気検出素子120aの検出信号を受信し、処理する。また、信号処理部140は、一対の駆動用配線135,137を介して磁気検出素子120aの一対の駆動用端子125,127に接続され、後述するように駆動部149sから駆動電圧を送ることで磁気検出素子120aを駆動する。また、信号処理部140は、一対の出力用配線136,138を介して磁気検出素子120aの一対の出力用端子126,128に接続され、後述するように一対の出力用配線136,138を介して磁気検出素子120aの検出信号を受信し、処理する。信号処理部140は、磁気検出素子120a,120aの検出信号を用いて被測定電流の量を算出する。なお、算出結果は、基板110上の配線(不図示)を介して外部装置等に出力される。
なお、本変形例に係る電流センサ200では、磁気検出素子120a,120aをともに基板110のおもて面110Fに実装することとしたが、ともに裏面110Bに実装してもよいし、一方をおもて面110F及び他方を裏面110Bに実装してもよい。
図6は、電流センサ200の回路構成を示す。先述のとおり、検出部120に含まれる磁気検出素子120aは、互いに対向する一対の駆動用端子121,123及び互いに対向する一対の出力用端子122,124を有し、それぞれに一対の駆動用配線131,133及び一対の出力用配線132,134の一端が接続されている。また、一対の駆動用配線131,133は、互いに接触することなく、導体111を間に挟んでこれと略直交する方向に延設され、信号処理部140に他端を接続する。同様に、一対の出力用配線132,134は、互いに接触することなく、導体111を間に挟んでこれと略直交する方向に延設され、信号処理部140に他端を接続する。また、検出部120に含まれる磁気検出素子120aは、互いに対向する一対の駆動用端子125,127及び互いに対向する一対の出力用端子126,128を有し、それぞれに一対の駆動用配線135,137及び一対の出力用配線136,138の一端が接続されている。また、一対の駆動用配線135,137は、互いに接触することなく、導体111を間に挟んでこれと略直交する方向に延設され、信号処理部140に他端を接続する。同様に、一対の出力用配線136,138は、互いに接触することなく、導体111を間に挟んでこれと略直交する方向に延設され、信号処理部140に他端を接続する。
信号処理部140は、駆動部140s,149s、増幅器140a,149a、及び制御演算部140cを有する。
駆動部140sは、一対の駆動用配線131,133(又は一対の出力用配線132,134)を介して駆動電圧を送ることで磁気検出素子120aを駆動し、また磁気検出素子120aの検出信号を受信して増幅器140aに送るユニットである。駆動部140sは、配線131,132を高基準電位140Hにそれぞれ接続するスイッチ141t,142t、配線133,134を低基準電位140Lにそれぞれ接続するスイッチ143t,144t、配線131,132を増幅器140aにそれぞれ接続するスイッチ141s,142s、及び配線133,134を増幅器140aにそれぞれ接続するスイッチ143s,144sを有する。ここで、高基準電位140Hは低基準電位140Lより高い電位を有する(ただし、逆に低い電位を有するとしてもよい)。これらのスイッチは、制御演算部140cにより制御され、後述するように一対の駆動用配線131,133及び一対の出力用配線132,134の接続を切り換えることで2つのフェーズの検出動作を可能とする。
駆動部149sは、一対の駆動用配線135,137(又は一対の出力用配線136,138)を介して駆動電圧を送ることで磁気検出素子120aを駆動し、また磁気検出素子120aの検出信号を受信して増幅器140aに送るユニットである。駆動部149sは、配線135,136を低基準電位140Lにそれぞれ接続するスイッチ145t,146t、配線137,138を高基準電位140Hにそれぞれ接続するスイッチ147t,148t、配線135,136を増幅器149aにそれぞれ接続するスイッチ145s,146s、及び配線137,138を増幅器149aにそれぞれ接続するスイッチ147s,148sを有する。これらのスイッチは、制御演算部140cにより制御され、後述するように一対の駆動用配線135,137及び一対の出力用配線136,138の接続を切り換えることで2つのフェーズの検出動作を可能とする。
増幅器140aは、磁気検出素子120aから駆動部140sを介して検出信号を受け、増幅して制御演算部140cに送るユニットである。
増幅器149aは、磁気検出素子120aから駆動部149sを介して検出信号を受け、増幅して制御演算部140cに送るユニットである。
制御演算部140cは、駆動部140sのスイッチ141t〜144t,141s〜144s及び駆動部149sのスイッチ145t〜148t,145s〜148sを同期して制御するとともに磁気検出素子120a,120aの検出信号を処理して、導体111に流れる被測定電流Iの量を算出するユニットである。その算出結果は出力信号VOUTとして信号処理部140外に出力される。
電流センサ200の検出動作について説明する。検出動作は、2つのフェーズ1及び2を含む。
フェーズ1では、制御演算部140cにより駆動部140sのスイッチ141t〜144t,141s〜144sを制御して、図6に示すように、スイッチ141tをオンして配線131を高基準電位140Hに接続するとともにスイッチ142tをオフし、スイッチ143tをオンして配線133を低基準電位140Lに接続するとともにスイッチ144tをオフし、スイッチ142sをオンして配線132を増幅器140aに接続するとともにスイッチ141sをオフし、スイッチ144sをオンして配線134を増幅器140aに接続するとともにスイッチ143sをオフする。それにより、配線131,133が駆動用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子121,123がそれぞれ高及び低基準電位140H,140Lに接続されることにより、駆動部140sから駆動電圧が送られて磁気検出素子120aが端子121,123間で駆動される。また、配線132,134が出力用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子122,124が増幅器140aに接続されることにより、磁気検出素子120aの端子122,124間に生じる検出信号が増幅器140aに送られる。
上述の状態において、導体111に被測定電流Iが流れて磁場が発生し、その磁場が磁気検出素子120aに入力すると、被測定電流Iの大きさに比例する電圧−VH1が端子122,124の間に発生する。このとき、導体111に加わる電圧が急峻に変化すると、静電結合による電圧VS24が配線132,134間に発生する。また、導体111に流れる電流が急峻に変化すると、電磁結合による電圧VE24が配線132,134間に発生する。従って、配線132,134を介して信号処理部140に入力される検出信号V24は、磁気検出素子120aのオフセット電圧VOFS1を含めて、次式(9)のように与えられる。
24=−VH1+VOFS1+VS24+VE24 …(9)
駆動部140sのスイッチ動作と同期して、制御演算部140cにより駆動部149sのスイッチ145t〜148t,145s〜149sを制御して、図6に示すように、スイッチ145tをオンして配線135を低基準電位140Lに接続するとともにスイッチ146tをオフし、スイッチ147tをオンして配線137を高基準電位140Hに接続するとともにスイッチ148tをオフし、スイッチ146sをオンして配線136を増幅器149aに接続するとともにスイッチ145sをオフし、スイッチ148sをオンして配線138を増幅器149aに接続するとともにスイッチ147sをオフする。それにより、配線135,137が駆動用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子125,127がそれぞれ低及び高基準電位140L,140Hに接続されることにより、駆動部149sから駆動電圧が送られて磁気検出素子120aが端子125,127間で駆動される。また、配線136,138が出力用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子126,128が増幅器149aに接続されることにより、磁気検出素子120aの端子126,128間に生じる検出信号が増幅器140aに送られる。
上述の状態において、導体111に被測定電流Iが流れて磁場が発生し、その磁場が磁気検出素子120aに入力すると、被測定電流Iの大きさに比例する電圧VH2が端子126,128の間に発生する。このとき、導体111に加わる電圧が急峻に変化すると、静電結合による電圧VS68が配線136,138間に発生する。また、導体111に流れる電流が急峻に変化すると、電磁結合による電圧VE68が配線136,138間に発生する。従って、配線136,138を介して信号処理部140に入力される検出信号V68は、磁気検出素子120aのオフセット電圧VOFS2を含めて、次式(10)のように与えられる。
68=VH2+VOFS2+VS68−VE68 …(10)
ここで、配線136,138と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面に対して被測定電流が導体111内を流れる方向が、配線132,134と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面に対して被測定電流が導体111内を流れる方向に対して逆であることから、電磁結合による電圧VE68の符号が電磁結合による電圧VE24に対して逆になっている。また、配線136,138と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面を通って導体111内を流れる被測定電流の量は、配線132,134と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面を通って導体111内を流れる被測定電流の量に対して小さいことから、電磁結合による電圧VE68は電磁結合による電圧VE24に対して小さい(すなわち、|VE68|<|VE24|)。また、配線131〜134の各々と、配線135〜138の各々とは、2つの磁気検出素子120a,120aを結ぶ中線を含んだYZ平面に面対称に配設されるので、配線132,136が導体111との間に寄生する容量は互いに等しく、同様に、配線134,138が導体111との間に寄生する容量は互いに等しく、それにより静電結合により配線132,134間に生じる電圧VS24及び配線136,138間に生じる電圧VS68はほぼ等しくなる(すなわち、VS24≒VS68)。
配線132,134を介して磁気検出素子120aから信号処理部140に入力される検出信号V24及び配線136,138を介して磁気検出素子120aから信号処理部140に入力される検出信号V68は、それぞれ増幅器140a,149aにより増幅されて、制御演算部140cに送られる。ここで、増幅器140a,149aの増幅率Gとする。
磁気検出素子120a,120aからの検出信号V24,V68は、制御演算部140cにより次式(11)及び(12)のように減算されて、信号VOUT1が算出される。
OUT1=G(V24−V68)=−G(VH1+VH2)+GΔ …(11)
Δ=VOFS1−VOFS2+VS24−VS68+VE24+VE68 …(12)
フェーズ2では、制御演算部140cにより駆動部140sのスイッチ141t〜144t,141s〜144sを制御して、フェーズ1の状態とは逆に、スイッチ142tをオンして配線132を高基準電位140Hに接続するとともにスイッチ141tをオフし、スイッチ144tをオンして配線134を低基準電位140Lに接続するとともにスイッチ143tをオフし、スイッチ141sをオンして配線131を増幅器140aに接続するとともにスイッチ142sをオフし、スイッチ143sをオンして配線133を増幅器140aに接続するとともにスイッチ144sをオフする。それにより、配線132,134が駆動用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子122,124がそれぞれ高及び低基準電位140H,140Lに接続されることにより、駆動部140sから駆動電圧が送られて磁気検出素子120aが端子122,124間で駆動される。また、配線131,133が出力用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子121,123が増幅器140aに接続されることにより、磁気検出素子120aの端子121,123間に生じる検出信号が増幅器140aに送られる。
上述の状態において、導体111に被測定電流Iが流れて磁場が発生し、その磁場が磁気検出素子120aに入力すると、被測定電流Iの大きさに比例する電圧VH1が端子121,123の間に発生する。このとき、導体111に加わる電圧が急峻に変化すると、静電結合による電圧VS13が配線131,133間に発生する。また、導体111に流れる電流が急峻に変化すると、電磁結合による電圧VE13が配線131,133間に発生する。従って、配線131,133を介して信号処理部140に入力される検出信号V13は、磁気検出素子120aのオフセット電圧VOFS1を含めて、次式(13)のように与えられる。
13=VH1+VOFS1+VS13+VE13 …(13)
駆動部140sのスイッチ動作と同期して、制御演算部140cにより駆動部149sのスイッチ145t〜148t,145s〜149sを制御して、フェーズ1の状態とは逆に、スイッチ146tをオンして配線136を低基準電位140Lに接続するとともにスイッチ145tをオフし、スイッチ148tをオンして配線138を高基準電位140Hに接続するとともにスイッチ147tをオフし、スイッチ145sをオンして配線135を増幅器149aに接続するとともにスイッチ146sをオフし、スイッチ147sをオンして配線137を増幅器149aに接続するとともにスイッチ148sをオフする。それにより、配線136,138が駆動用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子126,128がそれぞれ低及び高基準電位140L,140Hに接続されることにより、駆動部149sから駆動電圧が送られて磁気検出素子120aが端子126,128間で駆動される。また、配線135,137が出力用配線として機能し、これらを介して磁気検出素子120aの端子125,127が増幅器149aに接続されることにより、磁気検出素子120aの端子125,127間に生じる検出信号が増幅器149aに送られる。
上述の状態において、導体111に被測定電流Iが流れて磁場が発生し、その磁場が磁気検出素子120aに入力すると、被測定電流Iの大きさに比例する電圧−VH2が端子125,127の間に発生する。このとき、導体111に加わる電圧が急峻に変化すると、静電結合による電圧VS57が配線135,137間に発生する。また、導体111に流れる電流が急峻に変化すると、電磁結合による電圧VE57が配線135,137間に発生する。従って、配線135,137を介して信号処理部140に入力される検出信号V57は、磁気検出素子120aのオフセット電圧VOFS2を含めて、次式(14)のように与えられる。
57=−VH2+VOFS2+VS57−VE57 …(14)
ここで、配線135,137と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面に対して被測定電流が導体111内を流れる方向が、配線131,133と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面に対して被測定電流が導体111内を流れる方向に対して逆であることから、電磁結合による電圧VE57の符号が電磁結合による電圧VE13に対して逆になっている。また、配線135,137と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面を通って導体111内を流れる被測定電流の量は、配線131,133と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面を通って導体111内を流れる被測定電流の量に対して小さいことから、電磁結合による電圧VE57は電磁結合による電圧VE13に対して小さい(すなわち、|VE57|<|VE13|)。また、配線131〜134の各々と、配線135〜138の各々とは、2つの磁気検出素子120a,120aを結ぶ中線を含んだYZ平面に面対称に配設されるので、配線131,135が導体111との間に寄生する容量は互いに等しく、同様に、配線133,137が導体111との間に寄生する容量は互いに等しく、それにより静電結合により配線131,133間に生じる電圧VS13及び配線135,137間に生じる電圧VS57はほぼ等しくなる(すなわち、VS13≒VS57)。
配線131,133を介して磁気検出素子120aから信号処理部140に入力される検出信号V13及び配線135,137を介して磁気検出素子120aから信号処理部140に入力される検出信号V68は、それぞれ増幅器140a,149aにより増幅されて、制御演算部140cに送られる。ここで、増幅器140a,149aの増幅率Gである。
磁気検出素子120a,120aからの検出信号V13,V57は、制御演算部140cにより次式(15)及び(16)のように減算されて、信号VOUT2が算出される。
OUT2=G(V13−V57)=G(VH1+VH2)+GΔ …(15)
Δ=VOFS1−VOFS2+VS13−VS57+VE13+VE57 …(16)
上で算出されたフェーズ1及び2における信号VOUT1,VOUT2は、制御演算部140cにより次式(17)及び(18)のように減算されて、導体11に流れる被測定電流Iの量を表す出力信号VOUTが算出され、出力される。
OUT=VOUT1−VOUT2=−2G(VH1+VH2)+GΔ …(17)
Δ=Δ−Δ=VS24−VS13−VS68+VS57+VE24−VE13+VE68−VE57 …(18)
ノイズ項GΔにおいて、先述のようにVS24≒VS68及びVS13≒VS57であるから、静電結合による電圧VS24−VS13−VS68+VS57はほぼゼロになる。また、配線131,133と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面、配線132,134と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面、配線135,137と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面、及び配線136,138と磁気検出素子120aとにより形成されるループ面のそれぞれが導体111に沿って流れる電流に略直交するため各電圧VE24,VE13,VE68,VE57が極小さいことで、電磁結合による電圧VE24−VE13+VE68−VE57はほぼゼロになる。さらに、導体111に流れる被測定電流がフェーズ1及び2の間の切り換え速度に対して緩やかに変化する場合、フェーズ1及び2のそれぞれにおける電磁結合による電圧VE24,VE13が互いにほぼ等しくなり(VE24〜VE13)、またフェーズ1及び2のそれぞれにおける電磁結合による電圧VE68,VE57が互いにほぼ等しくなることで(VE68〜VE57)、電磁結合による電圧VE24−VE13+VE68−VE57はほぼゼロになる。ただし、被測定電流の緩やかな変化は、例えば、フェーズ1及び2間の切り換え周期の4倍以上の周期での変化である。
従って、第2の変形例に係る電流センサ200では、上述のとおり配線131〜138が、出力信号VOUTに含まれるノイズ項GΔが極小さくなるよう構成されているため、被測定電流Iの量を高精度で測定することができる。
なお、配線132の導体111からの離間距離Wと配線134の導体111からの離間距離Wとはほぼ等しいのが望ましいが、それぞれが隣接する配線131,133の導体111からの離間距離にほぼ等しければ、その限りではない。同様に、配線131の導体111からの離間距離Wと配線133の導体111からの離間距離Wとはほぼ等しいのが望ましいが、それぞれが隣接する配線132,134の導体111からの離間距離にほぼ等しければ、その限りではない。配線136の導体111からの離間距離Wと配線138の導体111からの離間距離Wとはほぼ等しいのが望ましいが、それぞれが隣接する配線135,137の導体111からの離間距離にほぼ等しければ、その限りではない。同様に、配線135の導体111からの離間距離Wと配線137の導体111からの離間距離Wとはほぼ等しいのが望ましいが、それぞれが隣接する配線136,138の導体111からの離間距離にほぼ等しければ、その限りではない。
なお、配線132が上面視において導体111と重なる部分の長さ及び幅は、配線131が導体111と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。また、配線132が上面視において導体111と重なる部分の長さ及び幅は、配線134が導体111と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。同様に、配線134が上面視において導体111と重なる部分の長さ及び幅は、配線133が導体111と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。また、配線136が上面視において導体111と重なる部分の長さ及び幅は、配線135が導体111と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。また、配線136が上面視において導体111と重なる部分の長さ及び幅は、配線138が導体111と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。同様に、配線138が上面視において導体111と重なる部分の長さ及び幅は、配線137が導体111と重なる部分のそれらと略等しいことが望ましいが、長さと幅とで得られる面積が両者で例えば30%も異ならない範囲であれば、異なってもよい。
なお、第1の変形例に係る電流センサ101と同様に、第2の変形例に係る電流センサ200においても配線131〜138のそれぞれに並列に導体111を間に挟むように補助配線を設けてもよい。こうすることで、各フェーズの単独動作においても、配線の導体からの離間距離に依らず、静電結合による電圧及び電磁結合による電圧がほぼゼロになるため、オフセット電圧が一定であれば、制御演算部により検出信号から被測定電流の大きさを精度良く決定することができる。また、電流センサによる検出動作より、すなわち、フェーズ1及び2の切り換え制御を行うことにより、静電結合による電圧、電磁結合による電圧、及びオフセット電圧を除いて導体に流れる被測定電流に比例する電圧のみを出力信号として抽出することができる。それにより、被測定電流の量を高精度で測定することが可能となる。
なお、本実施形態に係る電流センサ100及び変形例に係る電流センサ101,200において、磁気検出素子20a,120a,120aは、それぞれ偏向部11b,111b,111bの曲率中心111o,111o,111oに配設されるが、導体に流れる磁場を検知することができれば、曲率中心に配設される限りではない。また、本実施形態に係る電流センサ100及び変形例に係る電流センサ101,200において、導体11、111は、偏向部11b、111b,111bを有するU字形状の例を示したが、出力用配線が導体を挟むことができれば、曲率中心を持たない直線形状であってもよい。
なお、本実施形態に係る電流センサ100及び変形例に係る電流センサ101,200は、駆動部40s,140s,149sにより磁気検出素子20a,120a,120aの端子に2つの異なる電位の基準電位を接続して駆動電圧を送ることで磁気検出素子20a,120a,120aを駆動することとしたが、これに限らず、定電流源を用いて電流供給することで磁気検出素子20a,120a,120aを駆動することとしてもよい。また、磁気検出素子20a,120a,120aとして、ホール素子に限らず、ホイーストンブリッジを構成する磁気抵抗素子を採用してもよい。
なお、本実施形態に係る電流センサ100及び変形例に係る電流センサ101,200において、配線31,33,131,133,135,137をそれぞれ配線32,34,132,134,136,138の配設位置に配設してもよいし、配線32,34,132,134,136,138をそれぞれ配線31,33,131,133,135,137の配設位置に配設してもよい。
なお、本実施形態に係る電流センサ100及び変形例に係る電流センサ101,200において、配線31〜34,131〜138に近接して低インピーダンスのガードバーを並設してもよいし、配線31〜34,131〜138のそれぞれと導体11,111との間に低インピーダンスのガードプレーンを設けてもよい。それにより、導体11,111の両端に加わる電圧の急峻な変化にともなうノイズを抑制することができる。
なお、本実施形態に係る電流センサ100及び変形例に係る電流センサ101,200における信号処理部40,140の構成は一例であり、磁気検出素子20a,120a,120aから出力される検出信号から被測定電流の量に比例する電圧を抽出することができれば、任意の構成及び検出動作を採用してよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10…基板、10F…おもて面、10B…裏面、11…導体、11o…曲率中心、11c…真直部、11b…偏向部、11a…スリット、12…本体、12a…内層コア、12b…プリプレグ、14…金属箔、14a…ビアホール、15…レジスト層、20…検出部、20a…磁気検出素子、21,23…駆動用端子(端子)、22,24…出力用端子(端子)、30…配線、31,33…駆動用配線(配線)、31a〜34a,39,39a…パッド、32,34…出力用配線(配線)、33b,33c,34b,34c…ビアホール、31d,33d…補助駆動用配線(補助配線)、32d,34d…補助出力用配線(補助配線)、40…信号処理部、40a…増幅器、40c…制御演算部、40H…高基準電位、40L…低基準電位、40s…駆動部、41,41a…端子、41t〜44t,41s〜44s…スイッチ、100,101…電流センサ、110…基板、110F…おもて面、110B…裏面、111…導体、111a,111a…スリット、111b,111b…偏向部、111c…真直部、111o,111o…曲率中心、120…検出部、120a,120a…磁気検出素子、121,123,125,127…駆動用端子(端子)、122,124,126,128…出力用端子(端子)、130…配線、131,133,135,137…駆動用配線(配線)、132,134,136,138…出力用配線(配線)、131a〜138a、139,139a…パッド、133b,133c,134b,134c,137b,137c,138b,138c…ビアホール、140…信号処理部、140a…増幅器、140c…制御演算部、140H…高基準電位、140L…低基準電位、140s…駆動部、141t〜148t,141s〜148s…スイッチ、149a…増幅器、149s…駆動部、200…電流センサ。

Claims (13)

  1. 被測定電流が流れる導体と、
    前記被測定電流により生じる磁場を検出し、検出信号を一対の出力用端子から出力する磁気検出素子と、
    前記導体を間に挟んで、前記一対の出力用端子にそれぞれ接続する一対の出力用配線と、
    前記一対の出力用配線を介して前記磁気検出素子の検出信号を受信する信号処理部と、
    を備える電流センサ。
  2. 前記信号処理部は、前記導体に対して前記磁気検出素子の反対側に配される、請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記一対の出力用配線のそれぞれは、前記導体から互いに等しい距離離間して配設される、請求項1又は2に記載の電流センサ。
  4. 前記一対の出力用配線は、前記一対の出力用配線と前記磁気検出素子とにより形成されるループ面が前記導体に略直交する方向に延設される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電流センサ。
  5. 前記導体は、被測定電流が流れる向きを変える少なくとも1つの偏向部を有し、
    前記磁気検出素子は、前記偏向部の内側に配設される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電流センサ。
  6. 前記導体は、被測定電流が流れる向きを前記偏向部の向きに対して逆向きに変える別の偏向部を有し、
    前記別の偏向部の内側に配設される別の磁気検出素子をさらに備える、請求項5に記載の電流センサ。
  7. 前記一対の出力用配線は、前記導体を間に挟んで前記一対の出力用配線のそれぞれに並列に接続する一対の補助出力用配線を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の電流センサ。
  8. 前記導体を間に挟んで、前記磁気検出素子の一対の駆動用端子にそれぞれ接続する一対の駆動用配線と、
    前記一対の駆動用配線を介して前記磁気検出素子を駆動する駆動部と、
    をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の電流センサ。
  9. 前記一対の駆動用配線は、前記導体を間に挟んで前記一対の駆動用配線のそれぞれに並列に接続する一対の補助駆動用配線を含む、請求項8に記載の電流センサ。
  10. 前記信号処理部は、前記一対の出力用配線及び前記一対の駆動用配線の接続を切り換えるスイッチを有する、請求項8又は9に記載の電流センサ。
  11. 前記磁気検出素子は、ホール素子である、請求項1から10のいずれか一項に記載の電流センサ。
  12. 前記導体を内部に保持する基板をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の電流センサ。
  13. 前記一対の出力用配線は、それぞれ、前記基板の一面及び他面に設けられる、請求項12に記載の電流センサ。
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