JP2018189038A - ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法 - Google Patents

ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018189038A
JP2018189038A JP2017093078A JP2017093078A JP2018189038A JP 2018189038 A JP2018189038 A JP 2018189038A JP 2017093078 A JP2017093078 A JP 2017093078A JP 2017093078 A JP2017093078 A JP 2017093078A JP 2018189038 A JP2018189038 A JP 2018189038A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
impeller
main shaft
pump
facing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017093078A
Other languages
English (en)
Inventor
大輔 松元
Daisuke Matsumoto
大輔 松元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2017093078A priority Critical patent/JP2018189038A/ja
Publication of JP2018189038A publication Critical patent/JP2018189038A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】スリーブの主軸に対する空転を防ぐため、スリーブにキー溝を設けることが知られている。キー溝を設けるためには、加工の手間が掛かるなどの課題がある。【解決手段】主軸101と、主軸の先端に接続された羽根車110と、主軸に取り付けられたスリーブ130と、スリーブに取り付けられたメカニカルシール120と、羽根車のスリーブに対向する面およびスリーブの羽根車に対向する面の少なくとも一方に設けられた凹部と、凹部に挿入された、羽根車とスリーブとを締結するための締結部と、を備えるポンプ100を開示する。【選択図】図1A

Description

本願は、ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法に関する。
従来から、ケーシング内に設けられた羽根車を回転させて、流体などを移送または搬送するポンプが知られている。一般的に、この羽根車は主軸(main shaft)に接続されており、主軸はさらにモータに接続される。モータの回転が主軸を介して羽根車に伝わり、羽根車が回転する。
主軸をスムーズに回転させるためには、主軸と他の部品(たとえばケーシング)の間にある程度の隙間を設ける必要がある。ポンプに軸封装置を備え付けることで、移送すべき流体がこの隙間から流出することを防ぐことが可能となる。
一般的に用いられる軸封装置として、メカニカルシールとグランドパッキンが存在する。いずれの方式の軸封装置においても、使用中に主軸と摺動する部分または部品が存在する。摺動により主軸が摩耗した場合、主軸を交換することが望ましい。しかし、主軸の交換には大きな手間とコストが発生してしまう。
主軸の交換コストを抑制するため、主軸をスリーブに挿入する技術が知られている(特許文献1および特許文献2)。特許文献1ではグランドパッキンを用いるポンプにおいて、特許文献2ではメカニカルシールを用いるポンプにおいて、キーにより主軸に対するスリーブの空転を防止する軸封装置が開示されている。
特開昭58−30500号公報 特開2014−074393号公報
特許文献1および特許文献2では、キーによりスリーブの空転を防止するためスリーブにキー溝を設けている。しかし、キー溝を設けることによって、加工および組立の手間が掛かるという課題がある。
キー溝を設ける際には、工具の逃がし部分をスリーブに設けることが好ましい。工具の逃がし部分を設けることによって、主軸のうち、小径部分の長さが長くなり得る。キー溝を設けないことによって、主軸の大径部分の長さを長くすることができれば、主軸の強度または剛性を向上させ得る。よって、キーおよびキー溝によらずにスリーブの空転を防止する方法が求められている。
そこで本願は、上述の課題のうち、少なくとも一部を解決することを目的とする。
本願は、一実施形態として、主軸と、主軸の先端に接続された羽根車と、主軸に取り付けられたスリーブと、スリーブに取り付けられたメカニカルシールと、羽根車のスリーブに対向する面およびスリーブの羽根車に対向する面の少なくとも一方に設けられた凹部と
、凹部に挿入された、羽根車とスリーブとを締結するための締結部と、を備えるポンプを開示する。
第1実施形態にかかるポンプの側断面図である。 図1Aのうち「A1」と付した部分の拡大図である。 第1実施形態にかかるスリーブの正面図である。 第1実施形態にかかるスリーブの側断面図である。 第1実施形態にかかる羽根車の背面図である。 第1実施形態にかかる羽根車の側断面図である。 比較例にかかるスリーブの正面図である。 比較例にかかるスリーブの側断面図である。 第2実施形態にかかるスリーブの正面図である。 第2実施形態にかかるスリーブの側断面図である。 第2実施形態にかかる羽根車の背面図である。 第2実施形態にかかる羽根車の側断面図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態にかかるポンプを示す図である。図1Aは、本実施形態にかかるポンプの側断面図である。図1Bは、図1A中に「A1」と付した部分についての部分拡大図である。
流体を移送するポンプ100は、図示しないモータに接続された主軸101、主軸101を回転可能に支持する軸受102、軸受102をさらに支持する軸受ケーシング103および軸受102のための軸受カバー104を備える。モータの回転が主軸101に伝わることにより、主軸101は回転する。一般的なポンプにおいては、モータおよび軸受102などは大気中に設置される。本明細書では、主軸101の回転の中心をシャフト中心軸105と称する。
図1のポンプ100はさらに、主軸101の一端に接続される羽根車110を備える。羽根車110は、固定具111(たとえばナットなど)により生じる軸力により主軸101に固定されている。換言すれば、羽根車110は、固定具111によって紙面右方向への荷重を受けることとなる。羽根車110にはキー溝が設けられている。羽根車110と主軸101とをキー131によって締結することで、羽根車110の主軸101に対する空転が防止される。ただし、羽根車110はキー以外の締結方法によって主軸101に締結されていてもよい。たとえば、固定具111の軸力のみによって羽根車110と主軸101とを締結する方法などを採用することができる。羽根車110は羽根車ケーシング112に内包されている。羽根車ケーシング112はインレット113とアウトレット114を備える。ポンプ100の運転中は、羽根車ケーシング112は流体で満たされている。
図1のポンプ100は、モータの回転が主軸101を介して羽根車110に伝わるように構成されている。その結果、羽根車110が羽根車ケーシング112の内部で回転する。羽根車110の回転により、羽根車ケーシング112内の流体には位置によって圧力差が生じることとなる。この圧力差が、インレット113から流体を吸入してアウトレット114から流体を吐出すること、すなわち流体の移送を実現している。
図1のポンプ100はさらに、羽根車ケーシング112からの流体の漏出を防止するためのメカニカルシール120を備える。メカニカルシール120は、主軸101とともに
回転する回転環121と、羽根車ケーシング112に(メカニカルシールカバー124および羽根車ケーシングカバー115を介して)固定された固定環122とを有する。回転環121は、スプリング123により固定環122に対して押圧されている。ポンプ100を運転している間は、回転環121と固定環122との間に流体が入り込む。流体が入り込むことによって、回転環121と固定環122との間に微小な隙間が形成される。この微小な隙間がシール面となって流体の漏出を防止する。
主軸101は、ポンプ100の運転中に固定環122と接触しない。さらに上述の通り、主軸101と回転環121は一体となって回転する。よって、主軸101とメカニカルシール120との間に摺動する部分はないように思える。そのため、メカニカルシール120を用いる場合には主軸の摩耗が起こらないとも考えられる。
しかし、「回転型」と呼ばれるメカニカルシール120においては、スプリング123の伸縮およびねじれなどによって、主軸101上で回転環121が動き得る。回転型のメカニカルシールでは、回転環121およびスプリング123が主軸101と一体となって回転するように構成される。回転環121は、スプリング123が伸縮した場合、シャフト中心軸105の方向に動く。回転環121は、スプリング123がねじれた場合、主軸101の円周方向(回転方向)に動く。回転環121が動くということはすなわち、回転環121(または主軸101と回転環121の間に設けられた二次シール125など)と主軸101とが摺動し得ることを意味する。この摺動が主軸101の摩耗をもたらし得る。
そこで、図1に示すポンプ100は、回転型のメカニカルシール120による主軸101の摩耗を低減するために、主軸101に取り付けられたスリーブ130を備える。ただし、メカニカルシール120は回転型に限定されるわけではなく、静止型のメカニカルシールを用いることもできる。主軸101はスリーブ130に挿入される。メカニカルシール120(の回転環121)はスリーブ130に取り付けられている。メカニカルシール120(の回転環121)はスリーブ130を介して主軸101に取り付けられていると表現してもよい。この構成により、メカニカルシール120は主軸101ではなくスリーブ130と摺動することとなる。よって、主軸101が摩耗する可能性は低減される。スリーブ130の交換は、主軸101の交換より手間およびコストを必要としない。
ここで、スリーブ130が主軸101に対して空転すると、スリーブ130と主軸101とが摺動することとなる。スリーブ130の空転は、たとえばモータの回転数を変化させた際、移送する流体の性質が変化した際(たとえば粘度の高い流体が突然流れ込んできた場合など)、および、ポンプ内部に詰まりが発生した際などに起こり得る。モータの回転数の変化は、停止していたモータを始動させた際、または動作中のモータを停止した際などに顕著である。スリーブ130と主軸101が摺動すると、主軸101の摩耗および/または主軸101とスリーブ130との接触部分からの流体の漏出などが発生し得る。よって、スリーブ130の主軸101に対する空転を防止することが必要になる。
従来のポンプにおいては、キーによってスリーブ130の空転を防止することが一般的であった。しかし、出願人は、メカニカルシールを用いたポンプにおいてはキー以外の締結方法によってもスリーブの空転を防止することができるという知見を得た。この知見について、グランドパッキンとメカニカルシールを比較しつつ、以下に説明する。
グランドパッキンを用いる場合、パッキン(たとえば繊維糸からなるブレードパッキン)がスリーブに押し付けられる。パッキンはケーシングに対して固定されているので、スリーブが主軸とともに回転しようとする場合に、スリーブとパッキン間に強い摩擦力が生じ得る。この摩擦力がスリーブの回転を妨げる。グランドパッキンを用いるポンプにおい
てスリーブの空転を防止するためには、スリーブとパッキン間の摩擦力に打ち勝つことができるよう、スリーブにトルクを強く伝達する必要がある。キーによる締結はトルク伝達性が高いので、グランドパッキンを用いるポンプにおいてはキーによってスリーブと主軸を締結することが一般的であった。
メカニカルシールを用いる場合も、グランドパッキンを用いる場合と同様に、スリーブにトルクを強く伝達する必要があると考えられてきた。よって、メカニカルシールを用いるポンプにおいてもキーが使用されることが一般的であった。出願人は、検討を重ねることで(1)メカニカルシールでは、回転環と固定環との間の摩擦力がスリーブの空転の一因となること、(2)回転環と固定環との間の摩擦力は、回転環と固定環との隙間から流体が消失した場合または回転環と固定環の間に流体中のスラリーが固着した場合などに発生すること、そして(3)回転環と固定環との間の摩擦力は、グランドパッキンを用いた場合のパッキンとスリーブとの間の摩擦力より一般的には低いことを見出した。この知見により、メカニカルシールを用いる場合は、トルク伝達性がキーより低い締結方法であってもスリーブの空転が防止できることがわかった。
以上の知見に基づき、本実施形態にかかるポンプ100は、羽根車110のスリーブ130に対向する面およびスリーブ130の羽根車110に対向する面の少なくとも一方に設けられた凹部と、前記凹部に挿入される締結部と、を備える。締結部により羽根車110とスリーブ130を締結することで、羽根車110とスリーブ130が一体となって回転する。羽根車110は(たとえばキー131により)主軸101と締結されているので、羽根車110とスリーブ130の締結により、主軸101に対するスリーブ130の空転を防止することができる。主軸101の回転によるトルクは主軸101から羽根車110を介してスリーブ130に伝達される。図1のポンプ100は、凹部としてスリーブピン穴141および羽根車ピン穴142を備え、締結部としてピン143を備える。図示の便宜のため、図1では各ピン穴とピン143の間に隙間があるものとして図示したが、各ピン穴とピン143の間の隙間はできるだけ小さいことが好ましい。
図2は本実施形態にかかるスリーブ130を示す図であり、図2Aは正面図(ポンプ100の羽根車110側を正面側とする)、図2Bは側面断面図である。本実施形態のスリーブ130は概略円筒形状であり、スリーブ130の外周の形状は円柱形状である。スリーブ130はスリーブ中心軸231を有する。ポンプ100が組み立てられたとき、スリーブ中心軸231はシャフト中心軸105とほぼ一致する。そのため、スリーブ中心軸231はシャフト中心軸105と読み替えてもよい。
スリーブ130は二つの端面を有する。二つの端面のうち、スリーブ130を主軸101に取り付けた場合に羽根車110に対向する端面を第1の端面232と称する。他方の端面、すなわちスリーブ130を主軸101に取り付けた場合にモータ側に位置する端面を第2の端面233と称する。さらにスリーブ130は、第1の内径部234と、第1の内径部234の内径より大きい内径を持つ第2の内径部235を有する。第1の内径部234は第1の端面232から延在する。第2の内径部235は第2の端面233から延在する。
第1の端面232には、ピン143を挿入するための穴であるスリーブピン穴141が設けられている。スリーブピン穴141の位置、個数、形状、大きさおよび深さなどの各種のパラメータは、少なくとも以下の項目に応じて調整することができる。
・用いるピン143の種類、形状または材質
・スリーブ130または羽根車110の形状または材質
・主軸101の回転速度
・移送する流体の種類
図3は本実施形態にかかる羽根車110を示す図であり、図3Aは背面図、図3Bは側断面図である。羽根車110は羽根車中心軸301を有する。ポンプ100が組み立てられたとき、羽根車中心軸301はシャフト中心軸105とほぼ一致する。そのため、羽根車中心軸301はシャフト中心軸105と読み替えてもよい。羽根車110には、羽根車中心軸301を中心とした貫通穴302が設けられている。貫通穴302は主軸101を挿入するための穴である。羽根車110の背面のうち貫通穴302の外周と接する部分には、背面から見て羽根車中心軸301を中心としたリング状となる第1の突出部分が形成されている。この突出部分が、スリーブ130と対向するスリーブ対向面303を画定する。羽根車110にはさらに、主軸101と貫通穴302の間にキー131を挿入するためのキー溝304が設けられている。なお、キー131およびキー溝304は羽根車110と主軸101を締結するが、スリーブ130には直接的な影響を及ぼさない。羽根車110にはさらに、スリーブ対向面303から半径方向外側に離隔した部分であって、背面から見て羽根車中心軸301を中心としたリング状となる第2の突出部分305が形成されている。
スリーブ対向面303には、ピン143を挿入するための穴である羽根車ピン穴142が設けられている。羽根車ピン穴142の位置、個数、形状、大きさおよび深さなどの各種のパラメータは、スリーブピン穴141と同様に調整することができる。
図2および図3では、スリーブピン穴141および羽根車ピン穴142として円形の止まり穴を例示している。このほかに、たとえば一方のピン穴を、その長手方向が主軸101の径方向である長円型の穴とすることもできる。たとえば一方のピン穴を雌ねじ穴とすることもできる(この場合、雄ねじ加工が施されたピンを使用する)。
ポンプ100を組み立てる際は、ピン143のそれぞれの端をスリーブピン穴141および羽根車ピン穴142に挿入して、固定具111により主軸101に羽根車110を固定する。ピン143がスリーブ130の円周方向の移動を制限するので、スリーブ130と羽根車110とは一体となって回転する。スリーブ130は主軸101と締結されていないが、羽根車110は主軸101と締結されている。よって、スリーブ130と羽根車110を締結することで、スリーブ130の主軸101に対する空転が防止される。スリーブ130が主軸101と締結されていないことは、締結部であるピン143が主軸101と接触していないと表現することもできる。なお、本明細書において「部品1が部品2と締結されていない」ということは、「部品1と部品2との間に(直接的な)廻り止めがなされていない」または「部品1と部品2との間に廻り止め部材が存在しない」ということを意味する。「部品1と部品2が締結されていない」ことは、「部品1と部品2とが非接触である」ことを意味するものではない。
ピンおよびキーの大きさおよび材質などにもよるが、一般的に、ピンのトルク伝達性はキーのトルク伝達性よりも低い。そのため、これまでのポンプにおいてピンを用いてスリーブの空転を防止することは考えられていなかった。出願人の得た知見によれば、メカニカルシールを用いるポンプにおいては、ピンによってもスリーブの空転を防止することができる。一般的に、ピン穴の加工はキー溝の加工より容易である。さらに一般的に、ピンを用いた場合のポンプの組立および分解はキーを用いた場合のポンプの組み立ておよび分解より容易である。よって、本実施形態のポンプ100によれば、各部品の加工ならびにポンプの組み立ておよび分解の手間を削減することができる。また、ピンを用いた場合、主軸101の強度または剛性を向上させ得るという効果がある。主軸101の強度または剛性の向上について、本実施形態のスリーブとキー溝が設けられたスリーブを比較しつつ、以下に説明する。
図4は、比較例にかかるスリーブ130を示す図であり、図4Aは正面図、図4Bは側断面図である。図4に示すスリーブ130は、図2に示したスリーブと同様に、スリーブ中心軸231、第1の端面232、第2の端面233、第1の内径部234および第2の内径部235を有する。図4に示すスリーブ130の第1の端面232にはキー溝401が掘り込まれている。キー溝401にはキーが挿入され、このキーが図4に示すスリーブ130と主軸101とを締結する。たとえば図1に示した羽根車110のためのキー131を延長して、キー131をキー溝401に挿入してもよい。この場合のキー131は、スリーブ130と主軸101とを締結し、かつ、羽根車110と主軸101とを締結するものであって、スリーブ130と羽根車110とを締結するものではない。
図4に示すスリーブ130の第1の内径部234には、キー溝401の加工の便宜のために加工具の逃がし部分402が設けられている。すなわち図4のスリーブ130では、第1の内径部234に逃がし部分402を設けるための長さが必要となる。
主軸101はスリーブ130に挿入されるので、主軸101の径はスリーブ130の内径に依存する。ここで、主軸101の径の大小はその強度または剛性に影響する。ポンプ100の運転中に主軸101がラジアル荷重を受けることによって主軸101の撓みが発生し得るため、主軸101の強度および剛性は高いことが好ましい。第1の内径部234より大きな内径を有する第2の内径部235の長さを長くすることができれば、主軸101の大径部を長くすることができ、主軸101の強度または剛性を向上させることができる。
図4に示したスリーブ130と異なり、本実施形態にかかる図2のスリーブでは、キーとキー溝に代えてピンとピン穴が用いられている。ピン穴の加工の際には逃がし部分を設ける必要がない。そのため、本実施形態にかかる図2のスリーブ130における第1の内径部234は、比較例にかかる図4のスリーブ130における第1の内径部234と比して短く形成することが可能である。その結果、主軸101の大径部を長くすることが可能であり、主軸101の強度または剛性を向上させることができる。
さらに、従来から、廻り止め加工がなされていないスリーブ(スリーブピン穴141もキー溝401も存在しないスリーブ)を用いたポンプが知られている。廻り止め加工がなされていないスリーブと図4のスリーブ130とでは、逃がし部分402の有無によって第1の内径部234の長さが異なる。よって、廻り止め加工がなされていないスリーブを用いるポンプと図4に示したスリーブ130を用いるポンプとでは、主軸101を共通化することが困難であった。本実施形態のスリーブ130には逃がし部分が存在しないので、廻り止め加工がなされていないスリーブと図2のスリーブ130との間で、第1の内径部を同一の長さとすることが可能である。その結果、廻り止め加工がなされていないスリーブを用いるポンプと図2に示したスリーブを用いるポンプとで、主軸101を共通化することが容易となる。
<第2実施形態>
第2実施形態では、第1実施形態で示したピン穴およびピンに代え、凹部として切欠部を備え、締結部として突出部を備えるポンプを説明する。図5は、第2実施形態にかかるスリーブ130を示す図であり、図5Aは正面図、図5Bは側面断面図である。図5のスリーブ130は、第1の端面232から柱状に突出した突出部501を備える。突出部501はスリーブ130の一部分である。突出部501は任意の形状であってよく、一例として四角柱状または円柱状の形状を採用することができる。
図6は、第2実施形態にかかる羽根車110を示す図であり、図6Aは背面図、図6Bは側面断面図である。図6の羽根車110は、スリーブ対向面303から切り欠かれた切
欠部601を備える。切欠部601の形状は突出部501の形状に対応しており、突出部501は切欠部601とかみ合うように構成される。突出部501が切欠部601に挿入されることで、スリーブ130と羽根車110が一体となって回転し、スリーブ130の主軸に対する空転を防止することができる。
本実施形態のスリーブ130もキー溝を備えないので、第1実施形態で説明した効果と同様の効果を奏する。さらに本実施形態によれば、第1実施形態より加工の手間が増加する可能性があるが、第1実施形態と比してピン143を用いない分だけポンプ100の部品点数を削減することができる。
突出部501は任意の位置に任意の個数設けることが可能である。突出部501の位置および個数は突出部501の位置及び個数に対応していることが好ましい。また、スリーブ130に切欠部502を設け、羽根車110に突出部602を設けてもよい。突出部602は羽根車110の一部分である。
以上、いくつかの本発明の実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、または、省略が可能である。
また、ポンプ100によって移送される流体は代表的には水であるが、たとえば油、化学液、海水等の任意の流体であってもよい。ここではポンプ100の方式は横型ポンプとしたが、立型ポンプであってもよい。ポンプ100は遠心ポンプとして図示したが、たとえば斜流ポンプまたは軸流ポンプであってもよく、その他の型式のポンプでも本発明の実施形態を適用することが可能である。メカニカルシール120は回転型として図示したが、たとえば静止型であってもよい。その他、バランス型・アンバランス型、インサイド型・アウトサイド型、シングル型・ダブル型などの種々の型式のメカニカルシールに、本発明の実施形態を適用することが可能である。
羽根車ケーシング112の外部は大気であるとして説明したが、これは説明の便宜のためである。羽根車ケーシング112の外側は、大気以外のガスまたは液体であってもよい。
本願は、一実施形態として、主軸と、主軸の先端に接続された羽根車と、主軸に取り付けられたスリーブと、スリーブに取り付けられたメカニカルシールと、羽根車のスリーブに対向する面およびスリーブの羽根車に対向する面の少なくとも一方に設けられた凹部と、凹部に挿入された、羽根車とスリーブとを締結するための締結部と、を備えるポンプを開示する。
さらに本願は、一実施形態として、主軸と、主軸の先端に接続された羽根車と、主軸に取り付けられたスリーブと、スリーブに取り付けられたメカニカルシールと、を備えるポンプにおける、主軸に対するスリーブの空転を防止する方法であって、羽根車のスリーブに対向する面およびスリーブの羽根車に対向する面の少なくとも一方に凹部を設け、締結部を凹部に挿入することにより、羽根車とスリーブとを締結することで、主軸に対するスリーブの空転を防止する方法を開示する。
さらに本願は、一実施形態として、主軸と、主軸の先端に接続された羽根車と、主軸に取り付けられた、外周の形状が円柱形状であるスリーブと、スリーブに取り付けられたメ
カニカルシールと、を備えるポンプにおける、主軸に対するスリーブの空転を防止する方法であって、羽根車とスリーブとを締結することで、主軸に対するスリーブの空転を防止する方法を開示する。
これらのポンプおよび方法は、キー溝によらずに主軸に対するスリーブの回転を防止することができるという効果を一例として奏する。
さらに本願は、一実施形態として、凹部は、羽根車のスリーブに対向する面およびスリーブの羽根車に対向する面の双方に設けられたピン穴であり、締結部はピンであるポンプを開示する。
さらに本願は、一実施形態として、凹部は、羽根車のスリーブに対向する面に設けられた切欠部であり、締結部は、スリーブの一部分であって、スリーブの羽根車に対向する面から突出した突出部であるポンプを開示する。
さらに本願は、一実施形態として、凹部は、スリーブの羽根車に対向する面に設けられた切欠部であり、締結部は、スリーブの一部分であって、羽根車のスリーブに対向する面から突出した突出部であるポンプを開示する。
これらの実施形態では、それぞれ異なった凹部および締結部が開示されている。凹部がピン穴であり締結部がピンであるポンプは、凹部の加工が容易になるという効果を一例として奏する。凹部が切欠部であり締結部が突出部であるポンプは、ピンを用いるポンプより部品点数を削減することができるという効果を一例として奏する。
さらに本願は、一実施形態として、前記締結部は前記主軸と非接触であるポンプを開示する。さらに本願は、一実施形態として、前記スリーブの外周の形状は円柱形状であるポンプを開示する。さらに本願は、一実施形態として、前記羽根車は前記主軸と締結されており、前記スリーブは前記主軸と締結されていないポンプを開示する。
これらの実施形態では、ポンプの要素についての詳細が開示されている。
100…ポンプ
101…主軸
102…軸受
103…軸受ケーシング
104…軸受カバー
105…シャフト中心軸
110…羽根車
111…固定具
112…羽根車ケーシング
113…インレット
114…アウトレット
115…羽根車ケーシングカバー
120…メカニカルシール
121…回転環
122…固定環
123…スプリング
124…メカニカルシールカバー
125…二次シール
130…スリーブ
131…キー
141…スリーブピン穴
142…羽根車ピン穴
143…ピン
231…スリーブ中心軸
232…第1の端面
233…第2の端面
234…第1の内径部
235…第2の内径部
301…羽根車中心軸
302…貫通穴
303…スリーブ対向面(第1の突出部分により画定される面)
304…キー溝
305…第2の突出部分
401…キー溝
402…部分
501…突出部
502…切欠部
601…切欠部
602…突出部

Claims (9)

  1. 主軸と、
    前記主軸の先端に接続された羽根車と、
    前記主軸に取り付けられたスリーブと、
    前記スリーブに取り付けられたメカニカルシールと、
    (a)前記羽根車の前記スリーブに対向する面および(b)前記スリーブの前記羽根車に対向する面の少なくとも一方に設けられた凹部と、
    前記凹部に挿入された、前記羽根車と前記スリーブとを締結するための締結部と、
    を備えるポンプ。
  2. 前記凹部は、(a)前記羽根車の前記スリーブに対向する面および(b)前記スリーブの前記羽根車に対向する面の双方に設けられたピン穴であり、
    前記締結部はピンである、
    請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記凹部は、前記羽根車の前記スリーブに対向する面に設けられた切欠部であり、
    前記締結部は、前記スリーブの一部分であって、前記スリーブの前記羽根車に対向する面から突出した突出部である、
    請求項1に記載のポンプ。
  4. 前記凹部は、前記スリーブの前記羽根車に対向する面に設けられた切欠部であり、
    前記締結部は、前記羽根車の一部分であって、前記羽根車の前記スリーブに対向する面から突出した突出部である、
    請求項1に記載のポンプ。
  5. 前記締結部は前記主軸と非接触である、
    請求項1に記載のポンプ。
  6. 前記スリーブの外周の形状は円柱形状である、
    請求項1に記載のポンプ。
  7. 前記羽根車は前記主軸と締結されており、
    前記スリーブは前記主軸と締結されていない、
    請求項1に記載のポンプ。
  8. 主軸と、
    前記主軸の先端に接続された羽根車と、
    前記主軸に取り付けられたスリーブと、
    前記スリーブに取り付けられたメカニカルシールと、
    を備えるポンプにおける、前記主軸に対する前記スリーブの空転を防止する方法であって、
    (a)前記羽根車の前記スリーブに対向する面および(b)前記スリーブの前記羽根車に対向する面の少なくとも一方に凹部を設け、
    締結部を前記凹部に挿入することにより、前記羽根車と前記スリーブとを締結することで、前記主軸に対する前記スリーブの空転を防止する方法。
  9. 主軸と、
    前記主軸の先端に接続された羽根車と、
    前記主軸に取り付けられた、外周の形状が円柱形状であるスリーブと、
    前記スリーブに取り付けられたメカニカルシールと、
    を備えるポンプにおける、前記主軸に対する前記スリーブの空転を防止する方法であって、
    前記羽根車と前記スリーブとを締結することで、前記主軸に対する前記スリーブの空転を防止する方法。
JP2017093078A 2017-05-09 2017-05-09 ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法 Pending JP2018189038A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017093078A JP2018189038A (ja) 2017-05-09 2017-05-09 ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017093078A JP2018189038A (ja) 2017-05-09 2017-05-09 ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018189038A true JP2018189038A (ja) 2018-11-29

Family

ID=64478188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017093078A Pending JP2018189038A (ja) 2017-05-09 2017-05-09 ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018189038A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6616932B2 (ja) 摺動部品
CN109026817B (zh) 自调节鼓系统
CN104334939A (zh) 滑动部件
EP3196516B1 (en) Sliding component
JP2008232439A (ja) シール組立体
KR20200029557A (ko) 슬라이딩 부품
JP5548596B2 (ja) 水中ポンプ用軸封装置
JP2013177914A (ja) メカニカルシール
JP5063514B2 (ja) 軸封装置
EP3204666A1 (en) Mechanical seal with hydro-pad face profile
EP2430337A1 (en) Seal assemblies
KR101921009B1 (ko) 오일프리 스크루 압축기
JP6677515B2 (ja) オイルフリースクリュ圧縮機
JP2018189038A (ja) ポンプおよびポンプにおける主軸に対するスリーブの空転を防止する方法
EP2954238B1 (en) A slide ring, a shaft, a mechanical seal, a housing and a rotor for a flow machine and a flow machine
JP2018115706A (ja) スリーブ、前記スリーブを備えた軸封装置および前記軸封装置を備えたポンプならびにスリーブの主軸に対する相対回転を防止する方法
WO2014208235A1 (ja) 密封装置
EP3887696B1 (en) Seal assembly with anti-rotation and stability features
US2526590A (en) Shaft seal
EP4048901B1 (en) A pump arrangement for pumping barrier liquid and a mechanical shaft seal
US20170299060A1 (en) Packing gland follower
JP7166985B2 (ja) メカニカルシール用回り止めピン
WO2011108298A1 (ja) 密封装置
JP2022122502A (ja) ジョイント装置、並びに液体等移送ポンプ装置
JP2008286082A (ja) ポンプ