JP2022122502A - ジョイント装置、並びに液体等移送ポンプ装置 - Google Patents

ジョイント装置、並びに液体等移送ポンプ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体に遠心力を与えることで液体を移送するポンプに用いてモータからインペラに回転を伝え、メカニカルシールをモータ側・インペラ側に夫々設けられたジョイント装置において、そのメカニカルシールの回転環の偏摩耗を低減する。【解決手段】モータ側メカニカルシールの回転環104とインペラ側メカニカルシールの回転環114とは、それぞれ弾性をもつベローズ105、115に嵌着され、かつ各ベローズの内面はモータにより駆動される回転軸101に圧着されて、これら回転環は回転させられる。両ベローズは、回転軸に嵌着されかつ滑合防止部110-1を持ったストップリング110を挟んで直列配置される。ストップリングがベローズの位置決め材になるとともに、両ベローズを一体として回転させ、回転軸の回転は偏りなく両回転環に伝わり、ベローズ微小部位に生じる応力ムラの拡大を抑え、ひいては回転環への圧力ムラを低減する。【選択図】図1

Description

本発明は、主として渦巻ポンプに用い、モータの起こした回転力を回転軸でインペラに伝えるジョイント装置等に係る。
詳しくは、モータ側・インペラ側双方にメカニカルシールを構成する回転環を備え、
(1) 両回転環をそれぞれ支えるふたつのベローズが回転軸上直列に設けられ、
(2) 両ベローズ間に、ベローズ滑合防止部をもち、かつベローズの回転軸長手方向の摺動を困難にするストップリングを設けることで、
組立時にベローズとモータ回転軸との間での当接状態によって生じるベローズ内の微小部位の応力バラツキを低減させ、ひいてはメカニカルシールの固定環/回転環間で生じる偏摩耗の発生を抑制するようにしたジョイント装置に関するものである。
液体等を移送するためのポンプとして渦巻ポンプが広く利用されている。渦巻ポンプは、モータの回転をインペラと呼ばれる羽根に伝え、これにより液体等に渦を生成し、更に液体等に与えられた遠心力により渦外周に設けられた開口部から当該液体等を排出させるように構成されている。移送する対象は主として液体であることから、これがモータに侵入するのを防ぐ必要がある。この目的達成のため、固定環と回転環を組み合わせたメカニカルシール機構が広く利用されている。
メカニカルシールを用いたポンプ装置については、非特許文献1のような提案がある。非特許文献1は商品カタログであり、モータ側・インペラ側双方にメカニカルシールの回転環を具備するジョイント装置の図面、並びにシール潤滑についての説明が記されている。
このカタログ記述のうち、メカニカルシール周辺部が示されたところを図6乃至図7に示す。この装置には、バネによって弾性が重畳され、かつ回転環を端部にもつベローズ(605)がある。当該ベローズは回転軸に嵌挿されていて、内面が回転軸に圧接することで回転軸とともに回転し、回転環を固定環に対して回転させるようになっている。具体的には、「4.シール潤滑は標準で水封入 プロセス側、大気側ともSiC/SiCの組み合わせとした、ダブルメカニカルシールを採用。潤滑には汚れに配慮し、水を標準としています。封水の状態、メカニカルシールの状態は、大きなアクリル窓を通して見ることができ、万一の異常の早期発見に役立ちます。」との記載がある。この記載と図面から、ジョイント要部はアクリルケース(613)等で封止され、その内に水を封入するために、並びにアクリルケース内にプロセス側液体が流入することを阻止するために、2つのメカニカルシールがあり、これらは大気側即ちモータ(670)側とプロセス側即ちインペラ(673)側との双方にあることが理解できる。そして、モータ側とインペラ側の双方の回転環を固定環に押圧するため、2つのベローズ(第1のベローズ(605)と第2のベローズ(615))が反対向で回転軸に嵌挿させられて相互に押圧するようになっていることが理解できる。
また、要部は図7に示すように、モータ(770)、ブラケット(771)、ダブルメカニカルシール(705)、Oリング(772-1)、アクリルケース(775)、Oリング(772-2)、ケーシングカバー(713)、Oリング(772-3)、インペラ(773)、ケーシング(774)の順に組み立てられていることが理解できる。なお、本文献発行元が製造する同商品についてもこのカタログが示す構成をとっている。
特許文献1には、スリーブにカセット形に組み立てたメカニカルシール装置が開示されている。当該文献では[0006]段落において、「ゴム材製のベローシール133A、133Bをバンド102A、102Bで回転軸160に固定しなければならない。このバンド102A、102Bによる固定を現場で手作業により行うことは、ベローシール133A、133bがゴム材製であるために弾性変形して位置が定まらずに困難である。」との記載がされていて、ベローズを回転軸に固定するためには「バンド102A、102B」を要する旨が明示されている。また、ベローズを直接回転軸に嵌挿する場面での困難性が指摘されている。
特許文献2には、ベローズ・その外周に設けたバネ手段・連結環によりモジュールとして形成される第2密封環を回転軸に設けたカラー乃至ストップリングで押圧し、ベローズを回転軸に密に圧接させることで水漏防止を図った技術が開示されている。もっとも、段落[0023]並びに[0027]には、モジュール形成された第2密封環は、「ベローズ13の第1密着部13Aと第2密着部13Bの間の円筒部13Dは、回転軸60に嵌合する」並びに「回転軸60に嵌着したカラー18に着座して支持される」との記載がある。明示はされていないものの、回転軸とカラーとがベローズを介して回転軸の回転を回転環に伝達するようである。
特開2003-329144号公報 特開2004-176754号公報
新日本造機株式会社、「インバータ搭載 無閉塞ポンプ スーパーソリッド ファシーレ」カタログ、発行日不記載、2000年始め頃に受け入れ、見開き頁
非特許文献1に開示された技術(以下、単に「従来装置」という。)によれば、ベローズが回転軸に圧接し、その回転を回転環に伝えるようになっている。しかしこの構成によると、組立におけるベローズへの微妙な圧力の加え方やベローズ自体の製造精度などにより、回転環には固定環に環状に当接する全周に渡って不均一な圧力がかかり、回転環に偏摩耗が生じることになる。この様子について、更に第8図を用いて説明する。図8は、非特許文献1に記載されたダブルメカニカルシールを構成する第1のベローズ(605)と第2のベローズ(615)が組立てられるときに内部に生じる微小部分の変位例を示した図である。変位の変化が大きいところには大きな応力が生じているのであるから、この図は即ち、応力分布図に相当するものと見ることができる。
ふたつのベローズは、弾性材を用いた円筒形状になっており、その内側に回転軸が貫通するようになっている。そしてベローズの開口両端から力を加えると、弾性変形によりベローズ内側が回転軸に圧着するようになっている。
ベローズを形成する弾性材は均質で、かつ円筒部のうちどこの半径をとっても同じ肉厚となっていることが望ましいものの、現実にはバラツキが生じる。加えて組立時、一の開口付近から力を加える際にも手作業で行うのが通常であるため、全周に渡って均一の力を加えるというのは難しい。このため、組立時、ベローズ内の全微小部位で同じ内力が生じているわけではなく、バラツキが生じることになる。
この点を更に詳述する。今、図8のように、ふたつのベローズを回転軸に挿入した後、片側から力(887)を加えてベローズを弾性圧縮させて、(A1)->(A2)->(B1)->(B2)->(C1)->(C2)の順にベローズ内面が当接していく場面を想定する。
ベローズ内面が回転軸に当接すると、そこで摩擦による抵抗が生じる。その後更にベローズを軸方向に圧縮していくと、当接位置で回転軸からベローズに圧縮変形方向とは反対方向の力が加わることになる。このため、ベローズ内で応力が生じることになる。
これを詳述すると、まず、ベローズと回転軸とが当接する位置は、常に同一の回転軸長手位置での周囲上にあるというわけではない。すなわち、ベローズと回転軸とは回転軸中心線の鉛直断面周に同時に接触するのではなく、接触が始まった部位から変形が始まり、結果として(A1)(A2)間、(B1)(B2)間、(C1)(C2)間に示した破線のように鉛直断面周からズレが生じるのが通常である。
次に、ふたつのベローズは回転環嵌着部とは逆の開口端部で当接しあっているので、一のベローズで生じた応力は、他のベローズに伝達することになる。当接部付近でベローズでの変形は図面左側ベローズで、歪み(881、882、884、885)のような歪みを生じる。同様に図面右側ベローズで歪み(883、886)が生じることになる。勿論圧接する場所にもよるが、早期に圧接したところでは厚み方向で応力差が大きく、最後に圧接したところでは小さくなる傾向にある。
以上のことから、ベローズ内には軸方向(中心軸長手方向)、半径方向を問わず、様々かつ複雑な応力ベクトルが生じていることになる。これは即ち、回転環(804)が固定環(802)に当接する環状全周に渡って均一な力で押圧できているわけではないことを意味しており、ひいては固定環の偏摩耗を生じさせることになるのである。このことから、従来装置ではジョイント装置自体のメンテナンス期間を短くしてしまうという問題があるといえるのである。
更に、ふたつのベローズはそれぞれ回転軸に圧接することで回転軸とともに自転するようになっているが、複雑な応力発生の下、両者の圧接状況に違いがあった場合には、それぞれのベローズの圧接部での摩擦力に違いが生じ、ベローズ間で滑りが生じる虞がある。それぞれのベローズ開口端には回転環が設けられているので、ここではベローズの回転を妨げようとする摩擦力が生じている。すなわち、モータ側には、第1固定環/第1回転環間の摩擦力、第1ベローズ/回転軸間の摩擦力が存在する。また、インペラ側にも、第2固定環/第2回転環間の摩擦力、第2ベローズ/回転軸間の摩擦力が同時に存在する。更に、第1ベローズ/第2ベローズが当接する部分にも摩擦力が存在する。
複雑な応力が存在しても、第1固定環/第1回転環間の摩擦力と第1ベローズ/回転軸間の摩擦力との間の摩擦力差、第2固定環/第2回転環間の摩擦力と第2ベローズ/回転軸間の摩擦力のとの間の摩擦力差が同等であれば想定通りの回転をする。
しかし、これらのバランスが崩れた運用状況によっては、第1ベローズ/第2ベローズ間で滑りが生じることになる。この場面では、第1回転環、第2回転環は異なる回転数で回転することになり、モータ側/インペラ側の回転環/固定環の摩耗に差が生じ、要メンテナンス回数を増やしてしまう問題となって表れることになる。
特許文献1によれば、短いベローズで回転環を押圧するようになるので偏摩耗は起こり難い一方、固定バンドが必要となり、組み立て工程の増加、コストの増加が問題となる。
また、特許文献2によれば、回転軸に設けられたカラーが短いベローズで回転環を押圧するようになるので偏摩耗は起こり難い。しかしベローズが短いために、インペラ側の液体が回転軸とベローズとの間隙を伝わって漏れ出す可能性が高まる。更に、インペラ側、モータ側の両側にメカニカルシールを備えたジョイント装置に、この構成を適用すると、回転軸上にカラーを2つ設けてベローズを設けることになるが、その場合にはカラー増設による部品点数増加を招く憾みがある。更に、ベローズの弾性によって回転環に与圧する以上、その反作用となる力がカラーにかかるため、カラーの変形を避けるためには比較的肉厚のあるカラーを用いなければならず、コンパクト化が困難になる。
(1. 文言定義)
手段の説明に先立ち、文言の定義を行う。
「滑合防止」とは、当接する部材同士に異なる方向の力がかかっても、両部品の位置関係にズレが起こり難くすることをいう。
「移送対象」とは、液体、気体、微小固体、若しくはこれらの混合体であって、インペラによって渦を発生させられ、運動エネルギーをもたせる対象のことをいう。本願においては「液体等」と記載することがある。
「ストップリング」の「最長半径」とは、ストップリング内径中心位置から外周のうち最も遠い位置までの距離をいう。ストップリング外周に突起片を具備する場合には、ストップリング内径中心位置から突起片を含めた外周までの最も遠い位置までの距離となる。
「回動不能」とは、正逆方向に円運動ができない状態をいうが、所謂遊びによる緩みがあってもこれを許容する。遊びを超える円運動ができないようになっていれば、これを回動不能とする趣旨である。
(2. 課題を解決するための手段の概要)
本発明は、
(1) モータ側・インペラ側双方にメカニカルシールを構成する回転環、
(2) 回転軸上で直列に設けられ、これら回転環を装着し、内面が回転軸に圧着して回転軸の回転を回転環に伝える、ふたつのベローズ、
(3) ふたつのベローズに介在し、両ベローズを着座させるとともに、両ベローズ間の滑り合いを止める滑合防止作用をもち、かつベローズを回転軸長手方向に摺動困難とする、回転軸上に嵌着したストップリング、
を要部とするジョイント装置によって、モータで起こした回転力をインペラに伝えることで、上記のような問題等を軽減するものである。
(3. 課題を解決するための手段の説明)
次に、課題を解決するための手段について説明する。
(3.1. 請求項1に記載の発明について)
請求項1に係る発明は、回転軸に回転を与えるモータと移送対象を移送するために液体に渦巻を生じさせるインペラとの間に配置され該モータ側に設けた第1固定環と、該インペラ側に設けた第2固定環と、に接触して該モータが回転軸に与えた回転を該インペラに伝達するジョイント装置に係る。
本装置は、少なくとも、第1回転環、第1ベローズ、ストップリング、第2ベローズ、第2回転環、を具備する。
第1回転環と、回転軸上のモータ側に設けられた第1固定環と、には前記回転軸が貫挿される。第1回転環は第1固定環と相互に環状に当接してメカニカルシールを構成し、ジョイント装置内部の液体等がモータに漏れ出さないようになっている。
第1ベローズは、概ね円筒形状をした弾性材であり、回転軸が内挿される。そして円筒中心線にあたる回転軸長手方向に力を加えると弾性変形によって内面が回転軸に圧接させられ、回転軸との間で摩擦力を生むように作用する。これにより回転軸の回転に伴って自転するようになっている。また、一の開口端部には第1回転環が装着されていて、回転軸の回転を第1回転環に伝えるようになっている。更に、第1回転環と回転軸とにある間隙とベローズ外周空間との間を遮断するようにも作用する。
第2回転環と、回転軸上のインペラ側に設けられた第2固定環とは前記回転軸が貫挿され、相互に環状に当接し、ジョイント装置内部の液体等がモータに漏れ出さないよう作用するとともに、インペラ側にある移送対象がジョイント装置内部に浸入することを防ぐように作用する。
第2ベローズは、概ね円筒形状をした弾性材であり、回転軸が内挿される。そして円筒中心線たる回転軸長手方向に力を加えると弾性変形によって内面が回転軸に圧接させられ、回転軸との間で摩擦力を生むように作用する。これにより回転軸の回転に伴って自転するようになっている。また、一の開口端部には第2回転環が装着されていて、回転軸の回転を第2回転環に伝えるようになっている。更に、第2回転環と回転軸とにある間隙とベローズ外周空間との間を遮断するようにも作用する。
ストップリングは、回転軸に嵌着され、回転軸のフランジを形成する部材として機能し、当該フランジには第1の面に第1ベローズの開口端部が、また、第1の面の裏側にあたる第2の面には第2ベローズの開口端部がそれぞれ当接し、着座できるようになっている。ここで着座する両ベローズの面は、それぞれ回転環が装着されている開口端部とは反対側の開口端部である。このストップリングは回転軸に嵌着されていることから、回転軸付近で少なくともストップリングがふたつのベローズに当接している部分で、両ベローズに生じた応力が相互に伝達することを制限するように作用する。
更にストップリングには、滑合防止部を備える。滑合防止部は、第1平面に当接する第1ベローズと第2平面に当接する第2ベローズとの間の滑りあいを起こし難くするように作用する。
(3.2. 請求項2に記載の発明について)
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に係る発明特定事項のうち、ストップリングの滑合防止手段に特徴がある。すなわち、前記ストップリングは環状で一部に切り欠きをもつCリングをベース材とし、かつこのCリングの外周の「一部」に半径方向に伸びる突起片を設けるものである。
ベローズに弾性材が用いられているために、この突起片はベローズが着座する際、押圧されるとベローズ内に食い込むように作用する。ストップリングには裏表にふたつのベローズが当接着座していることから、ストップリングの突起片はこれらふたつのベローズに食い込むように作用する。一方、突起片はCリングの外周の一部にのみ形成されることから、ストップリングとベローズとが滑合困難に着座するように作用する。この結果、ふたつのベローズはともに滑合困難とするストップリングを介して、相互に滑合困難となるように作用する。
(3.3. 請求項3に記載の発明について)
請求項3に記載の発明は、前記ストップリングの形状について、当接する両ベローズ開口端部の外周部の外径より最長半径が短い形状とすることで、第1ベローズと第2ベローズとが該外周部全周に渡って当接するようにしたものである。
ストップリングの最長半径が当接するベローズ開口端部外周の内側に留まることから、両ベローズの開口端部同士が全外周に渡って接触するように作用する。これにより、ふたつのベローズ間にストップリングが介在しているにも拘わらず、ベローズ内側とベローズ外側とが完全に隔離され、インペラ側にある流体等がふたつのベローズ連接部から外側に漏れ出すことを防ぐように作用する。
(3.4. 請求項4に記載の発明について)
請求項5に記載の発明は、前記回転軸には、ストップリングが嵌着されるストップリング嵌着位置付近にストップリング回動防止部、またストップリングに回動防止係合部を具備する点を要部とする。
ストップリング回動防止部は、回転軸上のストップリング嵌着位置において、嵌着されるストップリングの回動防止係合部を固定するようになっている。
回動防止係合部は、ストップリングに備えられ、上記回転軸上に備えたストップリング回動防止部と協働し、ストップリングに回転軸以外の部位から回転を妨げる力が掛かっても、確実に回転軸の回転に合せてストップリング自体を回転させることができるように作用する。
(3.5. 請求項5に記載の発明について)
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4に記載のジョイント装置を用いた液体移送ポンプ装置に係るものである。即ち、回転軸と、回転軸に回転を与えるモータと、モータブラケットと、回転軸を内挿する第1固定環と、インペラと、プロセスケースと、回転軸を内挿する第2固定環と、第1固定環と第2固定環とに接触して該モータが回転軸に与えた回転を該インペラに伝達するジョイント装置とを備えた液体移送ポンプ装置である。
モータは、ブラケットに装着され、該回転軸に回転を与えるようになっている。
第1固定環は、該ブラケットに設けられ、該回転軸を内挿するように配置される。
インペラは、回転軸上に装着される。そして、回転することにより付近にある液体に渦巻を生じさせるようになっている。
プロセスケースは、液体をインペラ付近に導入するとともに該インペラで生じた渦巻によって遠心力をもった液体を外部に排出するようになっている。
第2固定環は、該プロセスケースの該回転軸挿入部付近に設けられ、該回転軸を内挿するようになっている。そして、プロセスケース内の液体は回転軸と第2固定環との間隙でしか漏れださないようになっている。
そして、第1固定環と第2固定環とに接触して該モータが回転軸に与えた回転を該インペラに伝達するジョイント装置として、請求項1乃至4に記載のジョイント装置を用いるものとなっている。
以上の通りであるが、各請求項に係る発明相互関係の把握容易を図るため、各請求項の関係表を掲げる。
Figure 2022122502000002
(1. 請求項1に記載の発明の効果)
請求項1に記載の発明は、ストップリングがふたつのベローズに当接している部分での、両ベローズに生じた応力が相互に伝達することを抑制する。このため、2つのベローズ間に跨って応力が拡大する事態を最小限にすることができるようになる。そしてひいては、ベローズ上でストップリングの反対開口端部に付設される回転環について、固定環に回転環が当接する環状接触域全体において生じる圧力差を低下させることに寄与することから、回転環に生じる偏摩耗を最小限に抑えることができるようになる。
また、ストップリングの滑合防止作用によって、第1ベローズと第2ベローズとが一体的に回転することになるので、第1固定環/第1回転環間での潤滑媒体の粘性と第2固定環/第2回転環間での潤滑媒体の粘性が異なっていても、第1回転環と第2回転環との回転数の不一致が起こり難くなるので、ジョイント装置の安定動作を実現できる。
更に、ストップリングの両側には対向して配置されたふたつのベローズから力がかかり、運用する時点では両ベローズからストップリングにかかる力は概ね平衡する。即ち、ストップリングを変形させようする力は僅かであることから、比較的肉厚の薄いストップリングを用いても組立時以外に変形することがなく、ジョイント装置のコンパクト化を実現する効果がある。
(2. 請求項2に記載の発明の効果)
請求項2に記載の発明によれば、ストップリングはCリングをベース材とし、このCリングの外周の「一部」に半径方向に伸びる突起片を設けている。組立時乃至ケースに封止されて運用される際には両側の固定環/回転環により直列した両ベローズは押圧され、前述のとおり、突起片の作用によって、ストップリングを介して当接するふたつのベローズは相互に滑合困難となる。このような状態になれば、ふたつのベローズは一体のベローズとして両端に設けられた回転環の回転数に差が生じることもなく、両メカニカルシール機構の摩耗劣化を等しくする効果がある。この結果、メンテナンスの回数を低減させることができるようになる。
(3. 請求項3に記載の発明の効果)
請求項3に記載の発明によれば、ストップリングが両ベローズ間に介在し、滑合防止応力伝達制限がされているにも拘わらず、ふたつのベローズの内側と外側との間で液体等の漏洩を防ぐことができる。これによりジョイント装置内部がプロセスする液体などで汚染されるのは固定環/回転環間での漏洩乃至ベローズ自体の劣化に限られることになり、もっとも重要なメンテナンスの必要性をその汚染から確実に把握ですることができるようになる効果がある。
(4. 請求項4に記載の発明の効果)
請求項4に記載の発明によれば、両ベローズ間に介在するストップリングが、確実に回転軸の回転に従って回転するようになる。即ち、回転環/固定環間で生じる摩擦力がベローズ/回転軸間の圧着による摩擦力を上回ると、ベローズの回転が止まってしまう虞があるところ、本発明によれば、回転軸に嵌着したストップリングからも滑合防止手段を介してベローズに回転力が伝わることになる。この結果、確実にベローズを回転させることができるようになる。
(5. 請求項5に記載の発明の効果)
請求項5に記載の発明によれば、ジョイント装置における回転環と固定環との当接面内の圧力偏差が小さいため、回転環の摩耗が固定環当接面で略均一となり、経年変化を抑えて長寿命なポンプ装置とする効果がある。
図1は、本願発明の実施の形態に係る断面図である。 図2は、本願発明の実施の形態に係る主要部品構成図である。 図3は、本願発明の実施の形態に係るストップリングの形状例図である。 図4は、ストップリングの形状乃至表面状態のバリエーション図である。 図5は、本願発明の実施の形態に係るベローズ内で生じる変形状況説明図である。 図6は、非特許文献1記載の構造説明図である。 図7は、非特許文献1記載の別の構造説明図である。 図8は、非特許文献1記載の従来技術例がベローズ内で生じる変形状況説明図である。 図9は、他の実施の形態に係る、回転軸上のストップリング嵌着位置においてストップリングの回動を防止する機能をもたせた部品形状例図である。 図10は、他の実施の形態に係る、回転軸上のストップリング嵌着位置においてストップリングの回動を防止する機能をもたせた他の部品形状例図である。 図11は、本願発明の実施の形態に係るポンプ装置の断面図である。
本願実施の形態については、以下の目次に従って説明する。
―――――― 目次 ――――――
(1. 図面の表記について)
(2. ジョイント装置に係る第1の実施の形態について)
(2.1. 第1の実施の形態に係る構成)
(2.2. 第1の実施の形態に係る動作)
(2.2.1. 第1の実施の形態に係る組立時の動作状況)
(2.2.2. 第1の実施の形態に係るポンプ動作時の動作状況)
(3. 特にストップリングの形状に特徴がある他の実施の形態について)
(3.1. 滑合防止手段として面上に棘状加工を施した実施の形態)
(3.2. 滑合防止手段として面上に梨地加工を施した実施の形態)
(3.3. 滑合防止手段としてCリングの外周を偏心させた形状にした実施の形態)
(3.4. 滑合防止手段としてCリング閉止部に長直径部を備えた実施の形態)
(4. 特に回転軸にストップリング回動防止手段を付した他の実施の形態)
(4.1. 概要)
(4.2. 回動防止部を求める技術的背景)
(4.3. 回転軸に一部を欠いた環状ストップリング嵌合溝を形成する実施の形態)
(4.4. 回転軸にストップ片装着部を取付け可能に環状ストップリング嵌合溝を形成する実施の形態)
(4.5. Cリング内径内側に突起を設ける実施の形態)
(4.6. 回転軸のストップリング嵌合溝底に平面部を設けた実施の形態)
(4.7. Cリング内径を楕円とする実施の形態)
(4.8. Cリングのベローズ当接面に係合切片を形成する実施の形態)
(4.9. 補足説明)
(4.10. 効果説明の補足)
(5. ポンプ装置に係る実施の形態)
(5.1. ポンプ装置の実施の形態に係る構成)
(5.2. ポンプ装置の実施の形態に係る変形例)
(6. 請求項と実施の形態との対応)
―――――― 本文 ――――――
(1. 図面の表記について)
以下の説明では、同時に複数図面の参照を容易にするために、図面中の符号において、下2桁を除く先頭の数値が図面番号を表す3桁表記とする。たとえば、「ストップリング(110)」ならば図1、「ストップリング(210)」ならば図2を参照する説明としている。なお、図10、図11においては下3桁を除く先頭の数値が図面番号を表す5桁表記とする。
(2. ジョイント装置に係る第1の実施の形態について)
まず本願発明に係る第1の実施の形態について、図1乃至図3並びに図5を用いて説明する。
(2.1. 第1の実施の形態に係る構成)
第1の実施の形態に係るジョイント装置(以下、「本装置」という。)を構成する部材には、少なくとも図2に示すように、一部にストップリング嵌合溝(222)を設けた回転軸(201)、回転環(204)、ベローズ(205)、ストップリング(210)が含まれる。なお、これはモータ側のものであって、ストップリング(210)を境にインペラ側(図面右側)にも同様にベローズ、回転環が配されることになる。また、更にベローズの弾性乃至耐久性を強化するため、バネ(208)、並びにバネの左右にそれぞれ、バネ受材1(206)、バネ受材2(209)を組み合わせてベローズに付設することが望ましい。
次に実際に組み立て後のジョイント装置について、主として図1を用い、補助的に図2を用いて説明する。
本装置は、上記の部品をブラケット(103)並びにケース(113)に収納して構成する。
[ブラケット]
ブラケット(103)は、モータ並びにケース(113)を固定する部材である。ブラケットはモータ並びにケースを固定できるものとして機能すればよく、モータと一体化したものであっても、独立した基板等であってもよい。ブラケットには穿孔があり、モータが起こした回転力を伝達する回転軸(101)が貫通するようになっている。ブラケットのジョイント装置反対側(図面左側)には図示しないモータが配置されるとともに、モータが配される側とは反対の側の面にこの穿孔部を囲うようにリング状の第1固定環(102)が設けられている。
[ケース]
ケース(113)はジョイント装置本体の筐体乃至カバーとして機能するが、これをアクリルケース若しくは更にそのアクリルケースの外側にのぞき窓を設けた筐体で覆ったものとすることができる。内部に形成される空間には清水を封止して、これを清水充填室(127)にすることができる。アクリルケース内に封止した清水は、固定環/回転環間から漏洩したプロセス側(インペラ側)の移送対象、破れたベローズから漏洩した移送対象、若しくはベローズ自体が劣化したときに剥離したベローズ素材によって汚染するので、この汚染状況を見ることで、ジョイント装置の劣化状態を現象としてモニターすることができるようになる。なおこの場合、ブラケット/ケース間にOリングを配して安定した清水封止を実現することが望ましい。また、清水は、第1固定環/第1回転環間の潤滑剤として機能させることができる。そして、清水は、固定環/回転環間の動摩擦力によって生じる熱を吸い込む、ヒートシンク剤としても機能する。
[第1ベローズ]
第1ベローズ(105)は、弾性体でできていて、略円筒形(215)の形状をなし、その円筒内部には回転軸(101)が挿入される。第1ベローズは弾性体でできているため、円筒長手方向に力が加わると、この方向で縮まるように変形するとともに、ラジアル方向でも蛇腹様に変形し、ベローズ内面が回転軸に圧着するようになる。材質を弾性体としているために圧着部(121)では、ベローズ内壁が回転軸に面接触し、かつこの間で摩擦力が生じる。このため、滑りがない限り、回転軸の回転によってベローズ自体が回転するようになる。また、この圧着部ではベローズ/回転軸の隙間が埋まるので、この当接域を挟んで生じる空間の間では液体等を移動させない、シーリング効果が生じる。
第1ベローズ(105)の開口端付近には、半径方向に拡がるフランジ(225)が設けられている。このフランジ面(226-1)並びにフランジ面(226-2)にはそれぞれ、後述する第1バネ受材1(106)、第1バネ受材2(109)を着座させられるようになっている。
[第1回転環]
第1回転環(104)は、リング状の形状をなし、一の面を前記第1ベローズ(105)の開口端部に固定できるようになっている。一方、第1回転環の他面(シール端面)は第1固定環(102)に当接するようになっている。このように構成されることから回転軸(101)が回転すると、これに合せて回転させられる第1ベローズ(105)の自転を介して第一回転環が回転する。第1回転環/第一固定環によるメカニカルシールは、モータ側が大気、ジョイント側が清水となっているので、このメカニカルシールにおける第1回転環/第一固定環間の潤滑性は清水によって維持されている。
[第1バネ受材、バネ、第1ベローズ]
第1バネ受材は、第1バネ受材1(106)と第1バネ受材2(109)とを含んだ構成物である。第1バネ受材1(106)、バネ(108)、第1バネ受材2(109)はこれらが組み合わされた状態で第1ベローズ(105)に、その外周を被うように装着される。各バネ受材のフランジがベローズのフランジ(225)に当接することで、バネ(108)の弾性係数はベローズの長手方向への弾性係数に重畳する。これにより、ベローズ全体の弾性係数が増えるようになっている。
[・第1バネ受材1]
第1バネ受材1(106)は、図2に示すようにリング材(229)を基調とし、リングの半径方向に拡がる一面には歯状切片(223)を備えている。また、歯状切片(223)はリング面内側付近に設けられていて、その外周にはバネ受面(224)が形成されている。
[・第1バネ受材2]
第1バネ受材2(209)も第1バネ受材1(106)と同様の形状をなしている。そして、第1バネ受材2と第1バネ受材1との双方に形成された歯状切片は相互に歯合するようになっている。歯状切片は歯合の際には若干の遊びが保たれるようになっている。これにより、両者の相対距離を自在に変えることができるようになっている。また、ベローズに捩じれが生じたときにも一定以上に捩じれないようになっている。更に、後述する本ジョイント装置組立時にベローズを圧縮する際、一定以上に圧縮させられないようになっている。
また、歯状切片(223)の内側にはベローズの円筒外周壁が対向して位置する。ベローズ円筒部長手方向に圧縮する力がかかってベローズが変形する際、ベローズが外側に変形したとしても切片により囲まれた径以上に変形できず、歯状切片は更なる変型が径内側に向かう力となるように作用する。これにより、より確実にベローズが回転軸に圧着するようになっている。即ち、第1バネ受材はベローズの変形を回転軸方向に向かわせるベローズ変形規制手段としても機能するわけである。
[・バネ]
バネ(208)は、接触する第1バネ受材1(106)と第1バネ受材2(209)との間に挟装し、両者間距離が縮まろうとするときに反発する力を発するようになっている。バネ(208)は本実施の形態のように、鶴巻バネとするのが構造的にも適切であるがこれに拘るものではない。
[ストップリング]
ストップリング(110)は、回転軸(101)に設けたストップリング嵌合溝(122)に嵌合する環状の部材である。ストップリングは回転軸に嵌合したときに外周方向にせり出した環状部が、すなわち呼び径より外周側で長手方向に表れる表裏両面が、フランジとして作用して、上記ふたつのベローズを着座させられるようになっている。
ストップリング(110、210)の形状は、図2に示すように、回転軸への嵌合を容易にするものであればよく、所謂Cリングを基調とするものが望ましい。勿論、素材に形状記憶合金など、後に嵌合可能となる素材を用いるのであれば、Cリングのような一部切り欠きがあることが必須であるとまではいえないが、ここではCリング様のものを用いることを前提として説明を進める。
本実施の形態におけるストップリング(210)は、切り欠き部に半径方向に伸びる突起片(227)が設けられている。組立後この突起部は、両ベローズ開口端部に食い込むようになる。ストップリングとベローズとが滑るには、突起部の半径方向に延びる縁辺がベローズの食い込み部を変形させなければならない。しかしこれには相当の力を要することから、突起部が強い滑合防止作用をもつことが理解できる。
突起部には穿孔(228)があり、この穿孔を使いプライヤーで一時的に半径を拡大させることで、回転軸に嵌合する作業が容易にできるようになっている。
ここで、更にストップリング(110)の寸法について、第1ベローズ(105)の開口端部寸法を比較しつつ、図3を補助的に用いて説明する。
ストップリング(310)に求められる寸法について、回転軸の中心となる位置からストップリング外周までの最短距離(335)がベローズとの当接部内周半径より長いものであることが求められる。これはベローズ(305)をストップリング(310)に着座するために用いられる最短着座幅(338)を確保するためである。
また、回転軸の中心となる位置からストップリング外周までの最長距離(336)はベローズとの当接部外周半径より短いものであることが望ましい。ここでいう最長距離とは、ストップリングの切り欠き部付近に設けられた突起片(332)、突起片(333)も含めた距離である。
仮に最長距離(336)がベローズとの当接部外周半径より長い場合には、ベローズが弾性を有するとはいえ、ベローズ上の当接表面は連続面を維持するため、ストップリングの突起片横側に間隙が生じることになる。この間隙はベローズ外部側の清水が充填されている清水充填室(127)に繋がっているため、ベローズ内部にプロセス側の液体等が漏れだしていたときには、その漏洩物が清水充填室内の混濁を起こすことになる。
回転軸の中心となる位置からストップリング外周までの最長距離(336)がベローズとの当接部外周半径より短いのであれば、突起片の更に外側で第1ベローズと第2ベローズとが密接し、略環状の当接域幅(337)が確保される。これにより万が一、ベローズと回転軸との間で空隙ができ、漏洩があったとしても、この空隙と清水充填室(127)とは遮断され、漏洩物が清水充填室内の清水を混濁させる可能性を低く抑えることができるようになる。即ち、清水を混濁させるのは、後述する第2固定環/第2回転環間での漏洩、並びにベローズ自体が劣化/破損する場合に限られることになるので、より確実な運用状態のモニタリングをすることができるようになる。
図1の断面図ではこの状況を、ストップリング(110)のうち、最長距離部(110-1)を図面上側に、最短距離部(110-2)を図面下側に表している。すなわち、第1ベローズ(105)と第2ベローズ(115)とは、ストップリングの最長距離部よりさらに離れたところで接触(111-1)する。また、ストップリングの最短距離部より離れたところで接触(111-2)するようになっている。
[第2バネ受材、バネ、第2ベローズ]
第2バネ受材は、第2バネ受材1(116)と第2バネ受材2(119)とを含んだ構造物である。第2バネ受材1(116)、バネ(118)、第2バネ受材2(119)はこれらが組み合わされた状態で第2ベローズ(115)に挿入される。これらの構成乃至機能は第1ベローズ(105)に付した第1バネ受材1(106)、バネ(108)、第1バネ受材2(109)と同様なので、説明を省略する。第2バネ受材も、ベローズの変形を回転軸方向に向かわせるベローズ変形規制手段としても機能する。
[第2固定環]
第2固定環(112)は、ケース(113)若しくは図示しないインペラ設置室に取り付けられる。構成乃至機能は第1固定環(102)と同様である。
[第2ベローズ]
第2ベローズ(115)は、弾性体でできていて、略円筒形の形状をなす。この円筒内側に回転軸(101)が挿入されるようになっている点で第1ベローズ(105)と同様である。また、一の開口端部には第2回転環(114)が設けられている。第2ベローズの形状乃至機能についても第1ベローズ(105)と同様である。
[第2回転環]
第2回転環(114)は第2ベローズ(115)の一開口端部に嵌着され、第2固定環(112)に当接し、清水充填室(127)内にインペラ側の液体等が侵入しないように機能する。形状等については第1回転環(104)と同様である。
(2.2. 第1の実施の形態に係る動作)
次に第1の実施の形態に係るジョイント装置の動作について、第1図、第5図を用いて説明する。
(2.2.1. 第1の実施の形態に係る組立時の動作状況)
[組立手順]
本ジョイント装置を組み立てるのに先立ち、予め第1ベローズ及び第2ベローズには、回転環、バネ受材、バネをそれぞれ取り付けておく。本ジョイント装置を組み立てるにはいくつかの異なる手順を採ることができるが、ここでは代表的な2つの手順を示す。
[・組立手順(1)]
モータから伸びる回転軸に第1ベローズを挿入する。更にこれを回転軸長手方向に圧縮してからストップリングを回転軸中ストップリング嵌合溝に取り付ける。続いて回転軸に第2ベローズを挿入してカバーをモータ側に押圧しながら取り付け、その後清水充填室内に注水する。この際、インペラ側の必要な組付けも併せて行う。
[・組立手順(2)]
モータから伸びる回転軸に第1ベローズを挿入する。次に第1ベローズは圧縮せずに、ストップリングを開いて回転軸に嵌める。この際、第1ベローズは自由長になっているので、ストップリングを嵌める位置は、回転軸中ストップリング嵌合溝よりもインペラ側になっているはずである。続いて回転軸に第2ベローズを挿入する。その後、第2ベローズをモータ側に押圧する。ストップリングが回転軸上を滑りはじめた後、ストップリング嵌合溝に嵌ったところで、カバーをモータ側に押圧しながら取り付ける。その後清水充填室内に注水する。この際、インペラ側の必要な組付けも併せて行う。
[組立手順(1)を採った際にベローズ内に生じる応力状況]
次に、上記組立手順(1)に記載の手順を採った際のベローズ内に生じる応力分布状況について図5を用いて説明する。なお、既にモータ側の第1固定環は既に組付けられているものとする。
第1ベローズ(505)を回転軸に挿入してモータ側に寄せると、はじめに第1固定環と第1回転環とが当接する。更に第1ベローズをこれが圧縮する方向に寄せていくと、ベローズの弾性変形が起こり、ベローズ内壁が回転軸に当接し始める。仮にこの当接が(A1)->(A2)->(B1)->(B2)の順に起こるとすると、当接により生じる摩擦力とベローズ自体を押圧する力とにより、ベローズ内部厚み方向に、歪み(551)、歪み(556)、歪み(552)、歪み(557)が生じることになる。ところが、ここでストップリング(510)をストップリング嵌合溝(522)に嵌合させた上で押圧作業をやめて圧縮する力を開放すると、ベローズ並びに外周に設けられたバネの弾発によって歪みはストップリング(510)を境に固定されることになる。
更に第2ベローズ(515)を回転軸に挿入し、第2固定環を付したカバーをすると、第2ベローズ端部がストップリングに当接するようになる。更にカバーを押圧し、第2ベローズが圧縮する方向に寄せていくと、ベローズの弾性により第2ベローズの変形がはじまり、第2ベローズ内壁が回転軸に当接し始める。仮にこの当接が(C1)->(C2)->(D1)->(D2)の順に起こるとすると、当接により生じる摩擦力とベローズ自体を押圧する力とにより、ベローズ内部厚み方向に、歪み(554)、歪み(555)、歪み(559)、歪み(560)が生じることになる。
このような状況から、組立時に各ベローズ内に生じる応力は一旦ストップリングのところで分離されることになる。これにより、ストップリングが無い場合に比べて大きな応力が生じることを抑制することができるのである。
[組立手順(2)を採った際にベローズ内に生じる応力状況]
組立手順(2)を採ったとしても、結果として同様の応力状態が生じる。即ち、組立手順(2)の場合、ストップリングがストップリング嵌合溝に嵌合するまでは、単に第1ベローズと第2ベローズとの間に介在するのみに留まる。このため組立中、第1ベローズは第2ベローズから圧縮力をそのまま受けることになる。
しかし、一旦ストップリングがストップリング嵌合溝に嵌合し、ここで押圧作業をやめて圧縮する力を開放すると、第1ベローズは元の長さに復元しようとして反発するが、ストップリングで抑止され、その位置で安定する。更にここからカバーを組付けて第2ベローズを圧縮させても、その影響はストップリングで抑止され、外径付近でしか第1ベローズに届かないことになる。
以上のように組立手順が異なっていても、組立時に各ベローズ内に生じる応力は一旦ストップリングのところで分離されることに違いはなく、これが無い場合に比べて大きな応力が生じることを抑制することができるのである。
(2.2.2. 第1の実施の形態に係るポンプ動作時の動作状況)
次に、ポンプ動作時の動作について、図1を用いて説明する。前述のとおり、第1回転環(104)並びに第2回転環(114)を回転させる力は、それぞれ第1ベローズ(105)・第2ベローズ(115)を介して回転軸から与えられる。
前述のように、第1回転環(104)は大気と清水充填室(127)との間の隔離のために存在する。第2回転環(114)はプロセス側液体等と清水充填室(127)との間の隔離のために存在する。即ち、それぞれの固定環/回転環間で潤滑剤として機能する液体が異なるため、それぞれの回転環の動作条件は異なることになる。
加えて、仮に第1ベローズ(105)と第2ベローズ(115)とは独立に回転軸から回転力を得るものだとすると、それぞれ異なる動作条件をもつ回転環を回転させることになるうえ、回転軸とベローズ内壁との接触状況も異なることから、回転軸とベローズ内壁に滑りが生じると、第1回転環と第2回転環との回転数に差が生じることになる。
しかし、ストップリングのベローズ着座面には滑合防止部が設けてあるために、回転軸と片方のベローズ内壁に滑りが生じたとしても、他方のベローズが滑りを起こしたベローズの回転を助けるようになる。言い換えれば、「回転」に着目すると、滑合防止部を備えたストップリングの作用によって、第1ベローズと第2ベローズとは一体不可分のベローズとして機能することになる。よって、第1回転環と第2回転環は動作条件が異なるにも拘わらず、その回転数が一致することが保証されることになる。このことはまた、片方のベローズに力が集中して大きな捩じれを起こす際に懸念される、ベローズ自体の劣化・破損を抑えることになる。
更に、この点はバネ受材が存することで、確かなものとなる。即ち、本実施の形態に係る第1バネ受材(106、109)は第1ベローズ(105)が、また第2バネ受材(116,119)は第2ベローズ(115)がそれぞれ一定以上の捩じれを生じさせることを防ぐため、回転数平均は勿論、微小時間内の回転ムラについても、一定以上に拡がることがなくなるのである。
ところで、摩擦熱の観点からも、一点指摘すべきことがある。上記の通りストップリングによって固定環/回転環間圧力の一様性が向上するのであるが、更にストップリングの存在は、第1固定環/第1固定環間での押圧力と、第2固定環/第2固定環間での押圧力とを概ね等しくさせることになる。固定環/回転環間の動摩擦力はゼロではないので、モータ動作時にはここで発熱する。しかし、第1固定環/第1固定環間での押圧力と、第2固定環/第2固定環間での押圧力とが概ね等しくなっている以上、無駄な発熱の偏りも生じない。このため、総発熱量も適正なものになり、異常発熱にともなう不要な部品劣化を抑える効果が得られている。更に、異常発熱があったときにこれを分散させる熱伝導促進剤を清水に含ませる必要もなく、コスト抑制にも寄与することになる。
勿論、仮に第1固定環/第1回転環間、第2固定環/第2回転環間にそれぞれ求められる押圧力が異なるメカニカルシールが実装されるときには、バネと第1ベローズ、並びにバネと第2ベローズによる反発力がこれら求められる力と等しくなるような回転軸上の内分位置に、ストップリングを設けることになる。
(3. 特にストップリングの形状に特徴がある他の実施の形態について)
第1の実施の形態では、ストップリング(441)に設ける滑合防止手段として、Cリングの切り欠き部に突起片を設けたが、他の形態を採ることもできるので、これらを図4を用いて、説明する。
(3.1. 滑合防止手段として面上に棘状加工を施した実施の形態)
ベローズ当接面上に棘状片(449)を設けたCリング(442)を、滑合防止手段をもつストップリングとすることができる。棘状片(449)はベローズが弾性体であることから、ベローズ当接面に棘状片が刺さるようになり、滑合防止機能を生じることができるようになる。
(3.2. 滑合防止手段として面上に梨地加工を施した実施の形態)
ベローズ当接面にサンドブラスト等で梨地(450)加工を施したCリング(443)を、滑合防止手段をもつストップリングとすることができる。梨地面はベローズ弾性体当接面との摩擦力を高めるため、滑合防止機能を生じることができるようになる。
(3.3. 滑合防止手段としてCリングの外周を偏心させた形状にした実施の形態)
Cリングの形状を基調として、内径孔部中心とCリング外周の中心を一致させず、外周偏心するようなものであっても滑合防止手段をもつストップリングとすることができる。開口端部とCリング外周とが偏心することで、開口端部中心から外周までの距離について、短直径部(447)と長直径部(446)とが共存することになる。長直径部は第1の実施の形態にかかる突起片と同様の作用を生じるため、滑合防止機能を生じることができるようになる。
もっとも、Cリング切り欠き部の間隙がベローズ開口当接時にここに食い込む程度に十分な距離をもつのであれば、切り欠き部自体が突起部と同様に作用し、偏心度について大きくとる必要はない。
(3.4. 滑合防止手段としてCリング外周部に突起片を備えた実施の形態)
Cリングに設ける突起片の位置は、切り欠き部付近に限定されるものではない。突起片(448)をCリング外周部に備えたストップリング(445)を、滑合防止手段をもつストップリングとしてもよい。即ち、突起片はCリングの外周囲のうちどこにあっても、滑合防止機能を生じさせることができる。なお、突起は全周のうち一部にあればよいので、複数の突起を全周に渡って持たせてもよく、たとえば外歯車状に存在していても構わない。
(3.5. その他の組み合わせ)
上記以外にも、突起片、棘状片、梨地面などを組み合わせたものを滑合防止手段として実装しても構わない。また、Cリング切り欠き部と外周部とに突起片を合せもつストップリング(445-2)も滑合防止機能を生じるものとして使用できる。
(4.特に回転軸にストップリング回動防止手段を付した他の実施の形態)
(4.1. 概要)
上記の各実施の形態に係るジョイント装置では、ストップリングとしてCリングを用いている。ここで回転軸に嵌着したCリングはこれを挟む両側のベローズを一体化して回転させることに寄与するが、更に確実に回転軸から回転環に回転力を伝えるためには、Cリングを回転軸上で回動不能とすることが望ましい。このため、回転軸に、ストップリングと回転軸とに相互に回動を防止する回動防止部を備えればよい。この際、ストップリングにも当該回動防止部に対応する回動防止係合部を備える。本章では回転軸に回動防止部を具備した実施の形態を説明する。
(4.2. 回動防止部を求める技術的背景)
ここで改めて、前述の実施の形態においてベローズを回転させる力と、回転を妨げる力とを整理する。
一のベローズに回転力を与えるのは、そのベローズ/回転軸間の圧着による摩擦力、並びにそのベローズとストップリングを介して隣接する他のベローズと間の摩擦力による。これは静摩擦力であり、他のベローズでも同様である。
一方、一のベローズの回転を妨げる力を与えるのは、これに装着された回転環/固定環間で生じる摩擦力である。これは動摩擦力であり、他のベローズでも同様である。
ふたつのベローズはストップリングの滑合防止作用によって一体不可分の動きをするようになっている。このため、ベローズを回転させる力は、ふたつのベローズ/回転軸間の圧着による摩擦力の総和である。また、回転を妨げる力を与えるのは、ふたつの回転環/固定環間で生じる摩擦力の総和である。
このことを考慮すると、ふたつの回転環/固定環間で生じる摩擦力の総和が、ふたつのベローズ/回転軸間の圧着による摩擦力の総和を上回ると、ベローズの回転が止まってしまうことになる。この場合、ベローズ/回転軸間での摩擦力は動摩擦力となり、以後回転が止まるまでベローズ/回転軸間滑りが止まらなくなるばかりでなく、一旦ここでの滑りが始まると、急激にベローズの摩耗/劣化が進む危険性を孕んでいるということができる。
この点、回転軸に嵌着したストップリングが回転軸に回動不能となるように係合しているのであれば、ストップリングの滑合防止手段により、ストップリング/ベローズ間の摩擦力もふたつのベローズの回転に加勢することになる。この結果、確実にベローズを回転させることができるようになり、両ベローズに装着された両回転環も確実に回転させることができるようになるわけである。
次に、回転軸に嵌着したストップリングを回転軸上で回動不能とするにはいくつかの最適な実施の形態があるので、これらについて分節する。大きくは、
(1) ストップリングはCリングのままとし、回転軸の方にCリングの環状間隙に係合する突起等ストップリング回動防止部を設けたものと、
(2) ストップリングはCリングを基調としつつも突起等の回動防止係合部を設けるとともに、回転軸の方にもこの回動防止係合部に係合するストップリング回動防止部を設け、ストップリング回動防止部とストップリング回動防止係合部とが協同して回転軸とCリングとの間の回動防止を行うものと、
に二分される。
以下、(1)に属する実施の形態について図9を用いて、また(2)に属する実施の形態について図10を用いて、個々に説明する。
なお、上記いずれの場合においても、回転軸とストップリングとの間で嵌装時の角度を選ぶ。この視点に立つと、組み立て時において、前記(2.2.1. 第1の実施の形態に係る組立時の動作状況)記載の2つの組立手順のうち、組立手順(1)に示した手順を採るのが望ましい。ストップリングをストップリング嵌合溝に嵌め合わせる際、正しい角度で確実に係合させるためである。
(4.3. 回転軸に一部を欠いた環状ストップリング嵌合溝を形成する実施の形態)
まず、(2.1. 第1の実施の形態に係る構成)並びに(3. 特にストップリングの形状に特徴がある他の実施の形態について)に記載したCリングのように環状部の一部に間隙がある形状のストップリングをそのまま使用することができる実施の形態について、図9(A)を用いて説明する。
本実施の形態は、ストップリングの基調形状をCリングとし、Cリングに基より備わる環状間隙を回動防止係合部として利用する。また、ストップリングが回転軸に嵌合する溝は回転軸円全周に渡って均一の深さに形成するのではなく、一部を残して若しくは一部を浅く形成する。そして、この残部乃至浅溝をストップリング回動防止部とし、ここにストップリングの回動防止係合部を係合させるように形成するものである。
即ち、本実施の形態にかかる回転軸(910-1)にはストップリング嵌合溝(922-1)が形成されているが、更にこの溝内にストップリング回動防止突起(990)が形成されている。具体的には溝を形成する加工工程において一部を残すようにしたり、全周に渡って浅い溝を形成加工した後に更に一部を残して深い溝を形成加工したりすればよい。
半径方向の突起の長さに関し、これが僅かでもCリング環状間隙に係合し、運用時乃至回転軸回転時にCリングを拡げる力がかかってもCリングを回転軸から脱落させない程度の長さにすればよい。これはCリングのもつ剛性、ベローズ/回転軸間の摩擦力、回転環/固定環間の摩擦力、Cリングとベローズとの当接状況等により、総合的に決することになる。
一方、回転軸長手方向ではスリーブがストップリングに当接するように位置することから、ふたつのスリーブのストップリングへの当接を邪魔しない程度の長さとする必要がある。よって、回転軸半径以内にとどめておけば、スリーブのストップリングへの当接を阻害する状況を避けることができることは勿論、ストップリングの最長半径までなら回転軸表面から突出していても構わない。後者の場合には勿論、突起の回転軸長手方向の寸法はストップリングの肉厚以内とすることが望ましい。
本実施の形態では前述の通り、ストップリングに基より備わる間隙が回動防止係合部として機能する。よって、ストップリングの環状部分が間隙を備えるのであれば、これに係合する突起等をストップリング嵌合溝内に設けることで、容易に回転環の回転を確実にベローズの回転に導くことができるようになる。もっとも、回転軸にストップリング嵌合溝を形成する際、エンドミルを備えたフライス盤が必要となるなど、加工コストが高まる憾みがある。
(4.4. 回転軸にストップ片装着部を取付ける深穴を環状ストップリング嵌合溝に形成する実施の形態)
次に示す実施の形態は、(2.1. 第1の実施の形態に係る構成)並びに(3. 特にストップリングの形状に特徴がある他の実施の形態について)に記載したCリング、並びに回転軸の加工をそのままに、更に回転軸に追加工をしてストップリング回動防止部を形成するものである。
具体的には、回転軸に形成されたストップリング嵌合溝の溝底に、更に局所的な深穴を形成し、この深穴にストップ片を挿入することでこれを突起部として形成するものである。ストップ片はこの深穴とCリングとに係合介在することになる。また、第1の実施の形態のように、ストップリングの最長外周半径よりベローズ当接面の半径が大きい場合には、これが規制することでストップ片が外れてしまうことがない。
もっとも、単に深穴にストップ片を挿入するだけだとすると、深穴が上になるように回転軸角を決めて組み立てる必要がある。よって、ストップ片にはワイヤーピン・ノックピン・平行ピンなどに留まらず、脱落防止スプリングを付したり、ロールピンなどを用いたりすることで、組み立て時にピン自体が容易に脱落しないようにすることが望ましい。
更に、ストップ片を螺子様にすると更に組み立てが容易で確実になる。この場合の、この回転軸/ストップリング形状例を図9(B)に示して説明する。この形態では、深穴にタップを切って螺子穴(991)とし、ストップ片(992)としてイモネジなどを用いてこれを螺着できるようになっている。螺子の長さは、螺着時にストップリングの最長半径より短ければ問題にならない。また仮に螺子の頭部がある場合でも、これがふたつのベローズとストップリングとの当接を妨げないものであればよい。よって、螺子の頭部の有無は問わない。
この実施の形態によれば、旋盤、ドリル、タップがあれば回転軸を加工できるので、安価で簡単な加工処理でストップリング回動防止部を形成できるという利点がある。
(4.5. Cリング内径内側に突起を設ける実施の形態)
次に、回転軸に設けたストップリング回動防止部に加え、ストップリングに更にストップリング回動防止係合部を具備する例として、ストップリング内径内側に突起を設け、また回転軸にこの突起に係合する突起収納穴を設けたものを示す。本実施の形態について、図10(A)を用いて説明する。
回転軸(10001)には、ストップリング嵌合溝(10022)の底部にストップリング回動防止部として作用する、突起部収納穴(10093)が設けられている。
ストップリングは、Cリングの形状をベースとし、環状間隙部の両端部には外径に向けて突起が設けられている。加えて内径孔内側に、ストップリング回動防止係合部として作用する突起部(10097)を内径中心点に向かうように備えている。この突起部は、ストップリングが回転軸のストップリング嵌合溝(10022)に嵌着されたとき、前記突起部収納穴(10093)に嵌り込むようになっている。ここでの係合があることから回転軸が回転したとき、ストップリングに当接するふたつのベローズから回転を妨げる力がかかっても、これを超える回転力によってストップリングを回転させることができるようになる。
突起部(10097)の形状は、回転軸に備えたストップリング回動防止部と係合して確実にストップリングを回動不能にするならば、どのようなものであってもよい。例えば、先端が鋭角乃至鈍角になっていても、平坦でストップリング全体として所謂Eリングの形状になるようなものであってもよい。
(4.6. 回転軸のストップリング嵌合溝底に平面部を設けた実施の形態)
次に、回転軸にストップリング回動防止部を、加えてストップリングにストップリング回動防止係合部を、それぞれ備える例のひとつとして、ストップリング内径内側に広幅部を、また回転軸にこの広幅部に係合する平坦部を設けたものを示す。本実施の形態について、図10(B)を用いて説明する。
回転軸には、ストップリング嵌合溝底の一部に更に削り込むなどした平坦部(10094)を備える。この平坦部がストップリング回動防止部として作用する。
ストップリングは、Cリングの形状をベースとし、環状間隙部の両端部には外径に向けて突起が設けられている。加えて、内径内側に内径中心に向かう方向にストップリング回動防止係合部として作用する広幅部(10098)を備えている。広幅部の内径側縁辺は直線状になっている。即ち、内側孔形状が直線部分を有した、所謂「D」字状になっている。この広幅部は、ストップリングが回転軸のストップリング嵌合溝(10022)に嵌着されたとき、前記平坦部(10094)に嵌り込むようになっている。この広幅部と平坦部とが対置されることにより、Cリングと回転軸との間で回転防止作用が生じる。このことから回転軸が回転したとき、ストップリングに当接するふたつのベローズから回転を妨げる力がかかっても、これを超える回転力によってストップリングを確実に回転させることができるようになる。
この実施の形態では、回転軸に旋盤等でストップリング嵌合溝を形成したあと、ヤスリなどで平坦部(10094)を切削加工すればよいので、簡単に形成加工できる利点がある。また、ストップリングについても、Cリング自体を打ち抜いたり、汎用のCリングに広幅部をロウ付け加工したりして形成できることは勿論、所謂Dリング、所謂Eリングなどもそのまま用いることができ、比較的入手容易な部材で実現することができる利点がある。
(4.7. Cリング内径を楕円とする実施の形態)
次に、同じく回転軸にストップリング回動防止部を、加えてストップリングにストップリング回動防止係合部を、それぞれ具備する別の例のひとつとして、ストップリング内孔形状を楕円とし、また回転軸に設けるストップリング嵌合溝についてもストップリングに合せて断面が楕円にしたものを示す。本実施の形態について、図10(C)を用いて説明する。
回転軸には、他の実施の形態と同様にストップリング嵌合溝(10095)が形成されるが、形成後の断面は楕円状になっている。これにより後述するストップリング内径内側孔と嵌合して回動不能とするストップリング回動防止部として作用する。
ストップリングは、Cリングの形状をベースとし、環状間隙部の両端部には外径に向けて突起が設けられている。加えて、内径内側が楕円となっていて、Cリング環状間隙を通る直径の法線が環状部に重なる付近で半径方向の厚みを増す厚径部(10099)を備えている。このようにすることで、回転軸の回転方向の重心は加工前の回転軸の重心からずれが少なく、またストップリングにおいても同様に重心位置を略回転軸中心に一致させることができる。即ち、運転時における回転偏心が少なく、回転軸まわり劣化を低減することができる利点がある。
一方で、回転軸にフライス盤などでストップリング嵌合溝(10022)を形成する必要があり、加工コストを低くしにくい憾みがある。
(4.8. Cリングのベローズ当接面に係合切片を形成する実施の形態)
次に、同じく回転軸にストップリング回動防止部を、加えてストップリングにストップリング回動防止係合部を、それぞれ具備する別の例のひとつとして、ストップリング内径はそのままに、ベローズ当接面側に突起を設け、また回転軸にこの突起に係合する収納溝を設けたものを示す。本実施の形態について、図10(D)を用いて説明する。
ストップリングには、ベローズ当接面側にストップリング回動防止片(10101)を設けている。ストップリング回動防止片は、ストップリング環状内径側に設ける。外径付近にはベローズを着座させる平面領域を残すようになっている。
また、ストップリングが回転軸に嵌着された際には、ストップリング回動防止片は、回転軸外周面より内部に埋没する状態になるような形状になっている。これによりふたつのベローズ外周での相互の当接を妨げないようになる。
なお、容易な加工をするために、ストップリングの外周から近接した2か所に切り込みを入れ、この切れ込みの間の部位をベローズ当接面方向に折り曲げてストップリング回動防止片(10100)を形成するのであってもよい。この場合、折り曲げ前にストップリング回動防止片となる面があった部分(以下、「欠落部」という。)がベローズに当接しなくなるが、一方で欠落部の縁辺がベローズに食い込むようになるので特に問題とはならないばかりか、回動防止部として機能するようになり、ひとつの有力な選択肢となる。
回転軸には、他の実施の形態同様、ストップリング嵌合溝を設けるが、これに通じ、かつ回転軸長手方向に形成された別のストップリング回動防止片収納溝(10096)を備えている。ストップリング回動防止片収納溝はストップリングのストップリング回動防止片を収納させられるようになっていて、回転軸回転時にストップリングの回転を強制するようになっている。
勿論、回転軸にストップリング回動防止片収納溝が複数あるときには、ストップリングにストップリング回動防止片を複数個所に設けても構わない。
(4.9. 補足説明)
本実施の形態の記載中、(4.5. Cリング内径内側に突起を設ける実施の形態)に示した例、(4.6. 回転軸のストップリング嵌合溝底に平面部を設けた実施の形態)に示した例、(4.7. Cリング内径を楕円とする実施の形態)に示した例は、いずれもCリング内径形状をいずれも非真円としたものとなっていると指摘することができる。言い換えれば、Cリングの内径孔形状を非真円とし、回転軸が備えるストップリング嵌着溝内の断面をこれに対応する形状とするだけでよいのである。
これを極端に突き詰めると、加工コストの点はさておき、Cリング内径縁辺を内歯車状に、回転軸上のストップリング嵌合溝底部に外歯車状の形状にしてもよい。
(4.10. 効果説明の補足)
ところで、組み立ての際、ベローズの円筒内径が回転軸外周径に比べてある程度大きくない場合には回転軸に嵌挿するのに苦労することがある。一方で、ベローズの円筒内径が必要以上に回転軸外周径より大きい場合には、ベローズ・回転軸間の圧接が十分にならず、摩耗の原因となることがある。
しかし、回動防止部が設けられることにより、回転軸が両ベローズを回転させる力をベローズ・回転軸間の圧接部分からだけではなくストップリングからも与えられることから、組み立て時にベローズ円筒内壁に潤滑剤を塗布してこの間の静摩擦力が低下したとしても、滑りの発生を抑制することが可能となり、組み立てを容易にする効果がある。
(5. ポンプ装置に係る実施の形態)
(5.1. ポンプ装置の実施の形態に係る構成)
これまで説明したものはジョイント装置に係るものであったが、次にこれ等ジョイント装置を実装したポンプ装置についてその実施の形態を、図11を用いて簡単に説明する。
前記各実施の形態に記載したジョイント装置に加え、モータ(11070)と、モータブラケット(11003)と、第1固定環(11002)と、インペラ(11073)と、プロセスケース(11074)と、第2固定環(11012)と、ジョイントケース(11013)と、を備えることによって液体移送ポンプ装置を構成することができる。
回転軸(11001)を持ったモータ(11070)は、モータブラケット(11003)に装着する。モータブラケットには穿孔(11103)があり、ここを回転軸が貫通するようになっている。また、第1固定環(11002)も、ブラケット上であって、回転軸が貫通する位置に設けられている。モータは、回転軸に回転力を与える機能部であって、この回転力が、第1回転環、第2回転環、第1ベローズ、第2ベローズを回転させるとともに、次に説明するインペラ(11073)を回転させるようになっている。
インペラ(11073)は後述するプロセスケース(11074)内に装着され、回転軸に回転があると移送対象に渦巻を生じさせるようになっている。その形状は、移送対象に渦巻を生じさせるように円盤の上に羽根を設けたものとすればよい。
プロセスケース(11074)は、インペラを内包し、移送対象をインペラに導入するとともに、そのインペラの回転によって生じた渦巻によって遠心力をもった移送対象を外部に排出するように構成すればよい。具体的には円筒形状のケースの一開口端に、この開口端を閉じるように隔壁を設けた形状を基調とした構造体である。そしてこの隔壁に穿孔を設け、この穿孔が被移送液体を導入する吸液口(11075)となる。一方、円筒内壁に穿孔を設けて、この穿孔が排液口(11076)となる。プロセスケースには開口部が設けられ、そこから回転軸が挿入されている。
ジョイントケース(11013)は、ジョイント装置を収納するようになっている。なお、ジョイントケースも、具体的には円筒形状のケースの一開口端に、この開口端を閉じるように隔壁を設けた形状を基調とした構造体であって、内部に清水を充填できるようにするのが望ましい。
第2固定環(11012)は、該プロセスケースの該回転軸挿入部付近に設けられ、該回転軸を内挿するようになっている。そして、プロセスケース内の液体は回転軸と第2固定環との間隙でしか漏れださないようになっている。
なお、第2固定環の配置については、プロセスケースに直接取り付けるか、ジョイントケース内に取り付けるかは問わない。これは、プロセスケース内の空間とジョイントケース内の空間とに隔壁があればよく、いずれ部材の隔壁とするのかは単なる設計事項であるからである。そしてその隔壁として用いられる部材に第2固定環が固定されれば足りるのである。
(5.2. ポンプ装置の実施の形態に係る変形例)
別途上記プロセスケースの吸液口(11075)若しくは排液口(11076)付近に流量計を設け、かつモータに流す電流を監視することにより、液体の粘度乃至流量に応じてモータの回転力、回転数を制御することにより安定した液体移送を実現することができるようにしてもよい。
また、プロセスケース、ジョイントケース、モータとの間に隔壁がある状態になっていれば、いずれの部材の一部を隔壁とするのであってもよい。たとえば、プロセスケースとジョイントケースとを円筒形状ケースとし、プロセスケースの両開口端に独立の隔壁材を設けるのであってもよい。
言い換えれば、前記ポンプ装置の実施の形態においてプロセスケース、ジョイントケースで内側に形成されたような、インペラ収納室(11104)、清水充填室(11027)となる空間を形成する構成であるならば、どのような構成であってもよいわけである。そして、インペラ収納室内のインペラを駆動するための回転軸の周辺に形成される空隙(11102)が第2固定環/第2回転環によるメカニカルシールによって清水充填室(11027)乃至ポンプ装置外部から断絶されていれば、第2固定環の設置する部材がどれであってもよい。
また、プロセスケースとジョイントケースのいずれも二重のケースとしても構わない。たとえば、ジョイントケースを二重にし、内側ジョイントケースを透明ケース、外側ジョイントケースを金属ケースとし、外側ジョイントケースの一部に開口を設けて内部の清水状況の監視窓にするとともに、固定環をこの外側ジョイントケースに固着してもよい。この場合、プロセスケースと外側ジョイントケースとの間で、回転軸を内挿した状態でOリングを挟むことによって、「プロセスケース内の液体は回転軸と第2固定環との間隙でしか漏れださない」という条件が満たされることになる。
(6. 請求項と実施の形態との対応)
請求項1に係る「滑合防止部」は、(2. ジョイント装置に係る第1の実施の形態について)においては、Cリング環状間隙外周に付した突起部が相当する。(3. 特にストップリングの形状に特徴がある他の実施の形態について)においては、それぞれの項目でCリングに付した棘、梨地、偏心形状、外周部に付した突起片などが相当する。「第1平面部」は、ストップリング上で第1ベローズが着座する面に相当する。「第2平面部」はストップリング上で第2ベローズが着座する面に相当する。
請求項2に係る「外周の一部で半径方向に伸びる突起」については、(2. ジョイント装置に係る第1の実施の形態について)並びに(3. 特にストップリングの形状に特徴がある他の実施の形態について)においては「突起片」、(3.3. 滑合防止手段としてCリングの外周を偏心させた形状にした実施の形態)においては「外周偏心」が相当する。
請求項3に係る「最長半径」は、(2. ジョイント装置に係る第1の実施の形態について)において、「最長距離」と称することに当たる。
請求項4に係る「回動防止部」は、(4.特にストップリングと回転軸との間に回動防止手段を付した他の実施の形態)において、回転軸上のストップリング嵌合溝内に形成したストップリング回動防止突起、ストップリング嵌合溝内に形成した深穴とストップ片、ストップリング嵌合溝内に形成した突起部係合穴、ストップリング嵌合溝内底部に形成した平坦部、非真円断面となるストップリング嵌合溝自体、ストップリング回動防止片収納溝などが相当する。また、「回動防止係合部」は、同じく(4.特にストップリングと回転軸との間に回動防止手段を付した他の実施の形態)において、Cリングに存在する間隙、突起部(10097)、広幅部(10098)、厚径部(10099)、ストップリング回動防止片(10100,10101)などが相当する。
請求項5に係るポンプ装置の実施の形態は、(5. ポンプ装置に係る実施の形態)において記載される。
その他、本願各請求項と本明細書に記載した実施の形態とは概ね同一の名称を用いている。もっとも、各請求項の解釈は[課題を解決するための手段]の欄に記載したものに従うものであって、各実施の形態に記載した各部材の位置関係・部材の形状は勿論、複数の部材を一体化して構成したか否かなどについても、この記載に限るものではない。
本発明は、インペラ側で移送する液体、気体が漏洩するとモータの動作に良からぬ影響を生じるようなポンプに利用することができる。
図面中の符号は先頭の数値が図面番号を表す。なお、異なる図面においても下位2桁が同一のものは概ね同意義のものとなるように配番した。また、図10、図11においては下3桁を除く先頭の数値が図面番号を表す表記を採っている。
101 回転軸
102 第1固定環
103 ブラケット
104 第1回転環
105 第1ベローズ
106 第1バネ受材1、若しくは、第1バネ受材
108 バネ
109 第1バネ受材2、若しくは、第1バネ受材
110 ストップリング
110-1 最長半径部
110-2 最短半径部
112 第2固定環
113 ケース
114 第2回転環
115 第2ベローズ
116 第2バネ受材1、若しくは、第2バネ受材
118 バネ
119 第2バネ受材2、若しくは、第2バネ受材
121 圧着部
122 ストップリング嵌合溝
127 清水充填室
201 回転軸
204 回転環
205 ベローズ
206 バネ受材1
208 バネ
209 バネ受材2、若しくは、第1バネ受材2
210 ストップリング
215 略円筒形
222 ストップリング嵌合溝
223 歯状切片
224 バネ受面
225 フランジ
226-1 フランジ面
226-2 フランジ面
227 突起片
228 穿孔
229 リング材
305 ベローズ
310 ストップリング
332 突起片
333 突起片
335 最短距離
336 最長距離
337 当接域幅
338 最短着座幅
441 ストップリング
442,443 Cリング
445-2 ストップリング
446 長直径部
447 短直径部
448 ストップリング
449 棘状片
450 梨地
505 第1ベローズ
510 ストップリング
515 第2ベローズ
522 ストップリング嵌合溝
551~560 歪み
605 ベローズ
613 アクリルケース
615 ベローズ
670 モータ
673 インペラ
705 ダブルメカニカルシール
713 ケーシングカバー
770 モータ
771 ブラケット
772-1~772-3 Oリング
773 インペラ
774 ケーシング
775 アクリルケース
802 固定環
804 回転環
881~886 歪み
887 力
910-1 回転軸
922-1 ストップリング嵌合溝
991 螺子穴
992 ストップ片
10001 回転軸
10022 ストップリング嵌合溝
10093 突起部収納穴
10094 平坦部
10095 ストップリング嵌合溝
10096 ストップリング回動防止片収納溝
10097 突起部
10098 広幅部
10099 厚径部
10100,10101 ストップリング回動防止片
11001 回転軸
11002 第1固定環
11003 モータブラケット
11012 第2固定環
11013 ジョイントケース
11027 清水充填室
11070 モータ
11073 インペラ
11074 プロセスケース
11102 空隙
11103 穿孔
11104 インペラ収納室

Claims (5)

  1. 回転軸に回転を与えるモータと移送対象に渦巻を生じさせるインペラとの間に配置され、該モータ側に設けた第1固定環と、該インペラ側に設けた第2固定環と、に接触して該モータが回転軸に与えた回転を該インペラに伝達するジョイント装置であって、
    第1固定環に当接する第1回転環と、
    弾性材であり、該回転軸に内面が圧接し、一の開口端部に第1回転環を装着し、該回転軸の回転に伴って自転することで第1回転環に該回転軸の回転を伝えるとともに、該回転環と回転軸とに生じる間隙とベローズ外周空間との間を遮断する、円筒状の第1ベローズと、
    第1ベローズのうち第1回転環とは反対側の開口端部に第1平面部が当接するとともに、該回転軸に嵌着されるストップリングと、
    第2固定環に当接する第2回転環と、
    弾性材であり、該回転軸に内面が圧接し、一の開口端部に第1回転環を装着し、該回転軸の回転に伴って自転することで第2回転環に該回転軸の回転を伝え、該回転環と回転軸とに生じる間隙とベローズ外周空間との間を遮断するとともに、第2回転環とは反対側の開口端部に該ストップリングの第1平面部の裏面にあたる第2平面部が当接する、円筒状の第2ベローズと、
    を具備し、かつ、
    該ストップリングは、第1平面に当接する第1ベローズと第2平面に当接する第2ベローズとの間の滑合を防止する滑合防止部を具備すること、
    を特徴とするジョイント装置。
  2. 前記ストップリングは、環状で一部に切り欠きをもつCリングであり、
    かつ前記ストップリングの滑合防止部は、Cリングの外周の一部で半径方向に伸びる突起片であること、
    を特徴とする請求項1に記載のジョイント装置。
  3. 前記ストップリングは、当接するベローズ開口端部外周部の外径より最長半径が短い形状であり、第1ベローズと第2ベローズとが該外周部全周に渡って当接すること、
    を特徴とする請求項1に記載のジョイント装置。
  4. モータが回転させる前記回転軸は、ストップリングが嵌着されるストップリング嵌着位置付近に、ストップリング回動防止部を具備するとともに、
    前記ストップリングには、該ストップリング回動防止部と係合する回動防止係合部を具備し、
    前記ストップリングは該回動防止部によって該ストップリング嵌着位置に回動不能に嵌着されること、
    を特徴とする請求項2に記載のジョイント装置。
  5. 回転軸と、
    該回転軸に回転を与えるモータと、
    該モータを装着するブラケットと、
    該ブラケットに設けられ、該回転軸を内挿する第1固定環と、
    該回転軸に付設され、液体に渦巻を生じさせるインペラと、
    該インペラを内包し、液体をインペラ付近に導入するとともに該インペラで生じた渦巻によって遠心力をもった液体を外部に排出するように構成したプロセスケースと、
    該プロセスケースの該回転軸貫挿部付近に設置され、該回転軸を内挿する第2固定環と、
    第1固定環と第2固定環とに接触して該モータが回転軸に与えた回転を該インペラに伝達するジョイント装置とを具備し、
    該ジョイント装置は、請求項1乃至4に記載のジョイント装置とすることを特徴とする液体等移送ポンプ装置。


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