JP2018188616A - ポリマー - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性および低誘電特性に優れたポリマーを提供する。【解決手段】本発明のポリマーは、架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位と、架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位とからなる非架橋性構造単位を含むものである。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマーに関する。
複数の化学的に異なる種類のモノマーから形成されるコポリマーについて、様々な開発が行われてきている。この種の技術として、特許文献1には、エポキシ基含有ノルボルネン系付加型共重合体が記載されている。
特開平10−158337号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献に記載のポリマーは、耐熱性および低誘電率の点で改善の余地を有していることが判明した。
本発明者がさらに検討したところ、上記特許文献1にエポキシ基含有ノルボルネン系付加型共重合体において、加熱処理によって硬化させると誘電率が高くなることが判明した。
これに対して、ノルボルネン骨格およびN−置換マレイミド構造の耐熱性に優れた構造を採用し、ノルボルネン骨格およびN−置換マレイミド構造からなる非架橋性構造単位をポリマーに用いることにより、誘電率を低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位と、架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位とからなる非架橋性構造単位を含む、ポリマーが提供される。
本発明によれば、耐熱性に優れており、低誘電率のポリマーが提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
[ポリマー]
本実施形態のポリマーの概要を説明する。
本実施形態のポリマーは、架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位と、架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位とからなる非架橋性構造単位を含むことができる。
本実施形態のポリマーによれば、ノルボルネン骨格およびN−置換マレイミド構造の耐熱性に優れた構造を採用し、ノルボルネン骨格およびN−置換マレイミド構造からなる非架橋性構造単位をポリマーに用いることにより、加熱処理後においても誘電率を低減できる。
本実施形態によれば、耐熱性および低誘電特性に優れたポリマー、それを用いた樹脂組成物及び樹脂材料を実現することができる。
また、本実施形態のポリマー中において、非架橋性構造単位は非架橋性基を有することができる。これにより、非架橋性構造単位中における非架橋性の官能基を適切に制御することによって、耐熱性、低誘電特性や溶剤溶解性等の特性を調整できる。
本実施形態の樹脂組成物は、上記ポリマーと溶剤とを含むワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)である。上記溶剤溶解性に優れるポリマーを用いることにより、分散性、液保管性や塗膜特性などのワニス用途に求められる諸物性に優れた樹脂組成物を実現することができる。
また、本実施形態の樹脂材料は、上記樹脂組成物の溶剤を乾燥してなるものであり、各種用途に用いることができる。この樹脂材料は、例えば、耐熱性や低誘電特性が求められる用途に適用することができる。
以下、本実施形態のポリマーの詳細を説明する。
本実施形態のポリマーは、ノルボルネン由来の構造単位とN−置換マレイミド由来の構造単位とを含む共重合体で構成することができる。また、上記ポリマーは、架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位と架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位とからなる非架橋性構造単位の繰り返し構造を含有できる。
上記ノルボルネン由来の構造単位は、下記の一般式(1)で表されるノルボルネン由来の構造単位を含むことができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。ノルボルネンなどの脂環構造によって、耐熱性や寸法安定性などを向上させることができる。
Figure 2018188616
上記一般式(1)中、nは0、1または2である。R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つが当該有機基を有する(以下、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す)。ただし、一般式(1)のR、R、RおよびRは、いずれも架橋性基を有しない非架橋性基である。
また、上記一般式(1)中、R、R、RおよびRを構成する炭素数1〜10の有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、もしくはシクロアルキル基等の炭素数1〜10の炭化水素基などが挙げられる。上記アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。上記アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。上記アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。上記アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。上記アリール基としては、たとえばフェニル基、およびナフチル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。上記アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。上記シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。
上記一般式(1)中のR、R、RおよびRを適切に制御することにより、例えば、下記の炭化水素系溶剤などの非極性溶剤に対する溶剤溶解性を調整することができる。上記非架橋性構造単位において、一般式(1)中のR、R、RおよびRの少なくとも一つは、炭化水素系の溶剤に対する溶解性の観点から、例えば、炭素数1〜10の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましくは炭素数2〜8のアルキル基であり、より好ましくは炭素数2〜6のアルキル基である。このとき、アルキル基は、直鎖状または分岐状のいずれでもよいが、直鎖状がより好ましい。また、R、R、RおよびRの一つが水素であり、好ましくは2つが水素であり、より好ましくは3つが水素である。
上記炭化水素基またはアルキル基の炭素数を上記下限値以上とすることにより、誘電率を低減することができる。また、炭化水素系溶剤などの非極性溶剤に対する溶剤溶解性を高めることができる。一方で、この炭素数を上記上限値以下とすることにより、耐熱性を高めることができる。
なお、上記一般式(1)中、これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、およびシクロアルキル基等の炭化水素基は、一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
また、上記一般式(1)で表されるノルボルネン由来の構造単位のモル比は、ポリマー全体100モル%(ポリマーを構成する全構造単位の合計値)に対して、例えば、10モル%以上90モル%以下としてもよく、20モル%以上80モル%以下としもよく、30モル%以上70モル%以下としてもよい。上記下限値以上とすることにより、炭化水素系溶剤などの非極性溶剤に対する溶剤溶解性を向上させることができる。一方、上記上限値以下とすることにより、耐熱性等のポリマーの諸物性と溶剤溶解性とのバランスを図ることができる。
上記N−置換マレイミド由来の構造単位は、下記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位を含むことができる。N−置換マレイミド構造によって、耐熱性を向上させることができる。また、下記一般式(2)中のRを調整することにより、耐熱性、透明性、低誘電率、低複屈折、耐薬品性および撥水性等のポリマーやポリマーからなる樹脂膜において、各種の用途で求められる諸特性を適切に制御することができる。
Figure 2018188616
上記一般式(2)中のRは、置換または無置換のアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基からなる群から選択される一種を含む炭化水素基を有する。ただし、一般式(2)中のRは、架橋性基を有しない非架橋性基である。
上記Rを構成する炭化水素基としては、炭素数が1〜15のアルキル基、炭素数6〜14のアリール基および炭素数3〜12のシクロアルキル基などが挙げられる。
上記炭素数が1〜15のアルキル基は、炭素数が1〜13でもよく、炭素数が1〜10でもよい。例えば、炭素数1〜10のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基等が挙げられる。
上記炭素数6〜14のアリール基は、炭素数が6〜12でもよく、炭素数が6〜10でもよい。例えば、炭素数6〜10のアリール基としては、たとえばフェニル基、およびナフチル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜12のシクロアルキル基は、炭素数が3〜11でもよく、炭素数3〜10がでもよい。例えば、炭素数3〜10のシクロアルキル基としては、アダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基等が挙げられる。
上記一般式(2)中、上記Rが、シクロアルキル基等の脂環式骨格を有することにより、耐熱性を向上させることができる。具体的には、上記非架橋性構造単位において、上記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位の一例としては、耐熱性の観点から、一般式(2)中のRが炭素数3〜8のシクロアルキル基を有するN−置換マレイミド由来の構造単位を含むことができる。これにより、耐熱性をさらに向上させることができる。
上記一般式(2)中のRは、上述のアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基の他に、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アラルキル基、アルカリル基等の他の炭化水素基を有していてもよい。この場合、上記一般式(2)中のRを構成する他の炭化水素基としては、炭素数1〜10の有機基を用いてもよく、例えば、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アラルキル基、アルカリル基等の炭素数1〜10の炭化水素基が挙げられる。このようなアルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。
なお、上記一般式(2)中のRに含まれる一以上の水素原子が、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素等のハロゲン原子によって置換されていてもよい。
上記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位のモル比は、上記一般式(1)で表されるノルボルネン由来の構造単位および上記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位の合計値100モル%に対して、例えば、10モル%以上90モル%以下としてもよく、20モル%以上80モル%以下としてもよく、30モル%以上70モル%以下としてもよい。これにより、ポリマーの諸物性のバランスを図るとともに、耐熱性や寸法安定性を向上させることができる。
本実施形態において、上記非架橋性構造単位は、架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位と架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位とのみで構成されている。上記非架橋構造単位中、架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位や架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位は、それぞれ単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、上記非架橋性構造単位は、上記一般式(1)で表されるノルボルネン由来の構造単位および上記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位を含むことができるが、上記一般式(1)で表されるノルボルネン由来の構造単位および上記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位のみで構成されていてもよい。また、本実施形態のポリマー中において、上記非架橋構造単位は、単独または2以上存在していてもよい。
本実施形態において、上記非架橋性構造単位の合計モル比の下限値は、例えば、ポリマー全体100モル%(ポリマーを構成する全構造単位の合計値)に対して、例えば、50モル%以上であり、好ましくは80モル%以上であり、より好ましくは90モル%以上であり、さらに好ましくは95モル%以上である。これにより、耐熱性および溶剤溶解性を向上させることができる。また、上記非架橋性構造単位の合計モル比の下限値は、例えば、ポリマー全体100モル%に対して、例えば、100モル%以下でもよく、99モル%以下でもよく、98モル%以下でもよい。これにより、ポリマーの諸物性を調整することが可能である。
本実施形態において、上記架橋性基とは、加熱処理によって架橋構造を形成できる熱架橋性基であり、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、酸無水物基、炭素間不飽和結合基からなる群から選択される一種以上の架橋性基である。このよう架橋性基は、2個以上存在する場合、加熱処理等の硬化処理によって、例えば、互いに架橋構造を形成したり、自己重合したり、架橋剤を介して架橋構造を形成することができる。本実施形態における非架橋性基を有するとは、例えば、1分子中に存在する2個以上の上記架橋性基を有しないこと、または水素原子以外の置換基(有機基)を有することを指す。
本実施形態のポリマー中の非架橋性構造単位において、N−置換マレイミド由来の構造単位は、ノルボルネン由来の構造単位と反応する上記架橋性基を有しておらず、又は/及び、ノルボルネン由来の構造単位は、N−置換マレイミド由来と反応する上記架橋性基を有さない構成とすることができる。
本実施形態のポリマーは、非架橋性基として、上記架橋性基とは異なる官能基を有していてもよく、例えば、当該官能基として極性基を有していてもよい。極性基として、例えば、自己重合性を有しないヒドロキシル基、アミノ基、エステル基等を骨格中に有する極性基が挙げられる。このような官能基は、例えば、ポリマー中の上記非架橋性構造単位以外の構造単位に含まれていてもよい。これにより、高温環境下や加熱処理後においても、非架橋性を維持しつつも、溶解性などのポリマーの諸物性を調整することが可能である。
本実施形態のポリマーは、上記非架橋性構造単位の他に、他のモノマー由来の構造単位をさらに含有する共重合体であってもよい。この他のモノマーとしては、例えば、非架橋性構造単位を構成するモノマー以外の、ノルボルネン系モノマー、スチレン系モノマー、インデン系モノマー、マレイミド系モノマー、その他の極性基含有モノマー等が挙げられる。他のモノマーは、用途に応じ適宜選択することができるが、極性基などの官能基を有するモノマーを用いることができる。これにより、ポリマーの諸物性を調整することが可能である。
本実施形態のポリマー中、上記官能基を有する構造単位は、ポリマー全体100モル%(ポリマーを構成する全構造単位の合計値)に対して、例えば、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下であり、一方、0%以上でもよく、1%以上でもよい。これにより、本発明の効果を得つつも、ポリマー中の極性などの特性を調整することができる。
本実施形態のポリマーのガラス転移温度(Tg)の下限値は、例えば、140℃以上であり、好ましくは160℃以上であり、より好ましくは180℃以上であり、さらに好ましくは200℃以上である。これにより、ポリマーやポリマーを用いた樹脂材料において、熱時特性を向上させることができる。一方で、上記ポリマーのガラス転移温度の上限値は、特に限定されないが、例えば、310℃以下でもよく、280℃以下でもよい。これにより、塗膜性や成形性を高めることが可能になる。
本実施形態におけるポリマーは、たとえばGPC(Gel Permeation Chromatography)により得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下におけるピーク面積が、全体の1%以下としてもよい。
このように、GPCにより得られる分子量分布曲線の分子量1000以下におけるピーク面積の比率を上記範囲とすることにより、ポリマーを含む樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。そのため、当該膜を永久膜として備える液晶表示装置、固体撮像素子については、その動作信頼性を向上させることが可能となる。
なお、ポリマーにおける低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態におけるポリマーは、GPCにより得られる分子量分布曲線において分子量1000以下におけるピーク面積が全体の0.01%以上である場合を許容するものである。
また、本実施形態におけるポリマーは、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が、たとえば1.0以上3.0以下、好ましくは1.5以上2.9以下、より好ましくは2.0以上2.8以下、さらに好ましくは2.5以上2.7以下である。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。ポリマーのMw/Mnを上記範囲とすることにより、ポリマーを含む樹脂組成物からなる樹脂膜の形状を良好なものとすることができる。なお、このような効果は、同時に上述のようにポリマーの低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
また、ポリマーのMw(重量平均分子量)は、たとえば1,000以上30,000以下、好ましくは3,000以上25,000以下、より好ましくは5,000以上20,000以下、さらに好ましくは7,000以上15,000以下としてもよい。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、たとえばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶剤:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、ポリマー中における低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
本実施形態のポリマーにおいて、下記の加熱処理後の測定用サンプルを用いて、室温25℃における、下記式nで表される架橋密度は、例えば、約0であり、すなわち、具体的には例えば1以下であり、より好ましくは0.1以下であり、更に好ましくは0である。これにより、加熱処理後においても、ポリマーの非架橋性を維持することが可能である。したがって、加熱処理後において低誘電率なポリマーを実現することができる。
式n:架橋密度(mol/m)=E’min/3ΦRT
(上記式中、E’minは貯蔵弾性率E’の最小値、Φはフロント係数(Φ≒1)、Rは気体定数8.31451(J/mol・K)、TはE’minの絶対温度を表す。)
上記架橋密度の測定用サンプルは、ポリマーを溶剤に溶解し、得られた樹脂ワニスに対して、溶剤の沸点以上(例えば、溶剤の沸点+10℃)の加熱温度で、例えば6時間加熱処理することにより得ることができる。例えば、溶剤として、メチルアミルケトン(沸点151℃)を使用する場合、加熱処理は、161℃で6時間とすることができる。また、樹脂ワニス中に酸発生剤などの硬化剤を添加して、測定用サンプルを作製してもよい。
本実施形態のポリマーにおいて、下記の加熱処理後の測定用サンプルを用いて、室温25℃における、周波数1MHzにおける誘電率の上限値は、例えば、3.2以下であり、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.8以下である。これにより、加熱処理後においても、低誘電率なポリマーを実現することができる。上記周波数1MHzにおける誘電率の下限値は、特に限定されないが、例えば、1超でもよく、1.1以上でもよい。このようなポリマーの誘電特性は、測定機器として、例えば、HEWLETT PACKARD社製LCRメーター 4284Aを用いて測定することができる。
上記測定用サンプルは、ポリマーを溶剤に溶解し、得られた樹脂ワニスを用いて、アルミ板に1.5〜2μmの厚みで塗膜を作り、当該塗膜に対して、溶剤の沸点以上(例えば、溶剤の沸点+10℃)の加熱温度で、例えば6時間加熱処理することにより得ることができる。例えば、溶剤として、メチルアミルケトン(沸点151℃)を使用する場合、加熱処理は、161℃で6時間とすることができる。また、樹脂ワニス中に酸発生剤などの硬化剤を添加して、測定用サンプルを作製してもよい。
本実施形態のポリマーは、周波数1MHzにおける誘電率を上記上限値以下とすること又は/及び架橋密度を上記上限値以下とすることにより、熱可塑性ポリマーとすることができる。このような熱可塑性ポリマーを使用することにより、本実施形態のポリマーを用いた膜(樹脂フィルム)を形成する際、加熱硬化反応が不要となるため、硬化反応由来の膜収縮や硬化反応により副生する成分によるボイドの発生などを抑制することが可能になる。
本実施形態のポリマーにおいて、下記の加熱処理後の測定用サンプルを用いて、室温25℃における、下記の条件にて得られる溶剤に対する溶剤溶解量変化率(%)の下限値としては、例えば、30%以上であり、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上である。これにより、熱処理後においても、溶剤に対する溶解性を有するポリマーを実現することができる。例えば、溶剤として非極性溶剤を用いた場合、炭化水素などの非極性溶媒に対する溶解性に優れたポリマーを実現することが可能である。上記溶剤に対する溶剤溶解量変化率(%)の上限値は、特に限定されないが、例えば、100%以下としてもよい。
上記非極性溶剤に対する溶解量は、次のようにして算出した。まず、得られた測定用サンプル1g(1cm角の立方体)を、液温25℃の100ccの溶剤に浸漬させ、10分後に取り出して、当該非極性溶剤を真空乾燥で除去し、測定用サンプルの重量を測定する。得られた測定結果から、上記溶剤に対する溶剤溶解量変化率(%)は、下記式から算出する。
溶剤溶解量変化率(%)=(([浸漬前の測定用サンプルの重量(g)]−[浸漬後の測定用サンプルの重量(g)])/[浸漬前の測定用サンプルの重量(g)])×100
上記非極性溶剤に対する溶解量の測定用サンプルは、本実施形態のポリマーを溶剤に溶解し、得られた樹脂ワニスに対して、溶剤の沸点以上(例えば、溶剤の沸点+10℃)の加熱温度で、例えば6時間加熱処理することにより得ることができる。例えば、溶剤として、メチルアミルケトン(沸点151℃)を使用する場合、加熱処理は、161℃で6時間とすることができる。
本実施形態のポリマーは、たとえば、次のようにして合成することができる。
(重合工程(処理S1))
まず、モノマーとして、例えば、所定のノルボルネン系モノマーとマレイミド系モノマーとを用意する。
次いで、用意したこれらのモノマーを付加重合して共重合体を得る。ここでは、たとえばラジカル重合により付加重合が行われる。本実施形態においては、上記モノマーと、重合開始剤と、を溶剤に溶解した後、所定時間加熱することにより溶液重合を行うことができる。このとき、加熱温度は、たとえば50℃〜80℃とすることができる。また、加熱時間は、たとえば1時間〜20時間とすることができる。なお、窒素バブリングにより溶剤中の溶存酸素を除去したうえで、溶液重合を行うことがより好ましい。
また、必要に応じて分子量調整剤や連鎖移動剤を使用する事ができる。連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、4,4−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メルカプトブタン等のチオール化合物を挙げることができる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合反応に用いられる溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステルのうち一種または二種以上を使用することができる。また、上記重合開始剤としては、アゾ化合物および有機過酸化物のうちの一種または二種以上を使用できる。アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)が挙げられる。有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド(BPO))およびメチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)が挙げられる。
(洗浄工程(処理S2))
このようにして得られた共重合体を含む反応液を、例えば、ヘキサンやメタノール等のアルコール中に添加してポリマーを析出させる。次いで、ポリマーを濾取し、例えば、ヘキサンやメタノール等のアルコール等により洗浄した後、これを乾燥させる。本実施形態においては、たとえばこのようにしてポリマーを合成することができる。
なお、ポリマーは、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、周期共重合体などのいずれであってもよい。
(樹脂組成物)
本実施形態の樹脂組成物は、上記ポリマーおよび溶剤を含むことができる。
上記樹脂組成物に用いる溶剤としては、例えば、ラクトン系溶剤、アミド系極性溶剤、スルホキシド系溶、エーテル系溶剤、アセテート系溶剤、エステル系溶剤、プロピオネート系溶剤、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤等の極性溶剤、または炭化水素系溶剤等の非極性溶剤を用いることができる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、極性溶剤と非極性溶剤との混合溶剤を用いてもよい。
上記極性溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL)等のラクトン系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系極性溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル等のエーテル系溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート等のアセテート系溶剤;酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等のエステル系溶剤;メチル−3−メトキシプロピオネート等のプロピオネート系溶剤;メチルアミルケトン(MAK)等のケトン系溶剤;メチルイソブチルカルビノール等(MIBC)の等のアルコール系溶剤;等が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記炭化水素系溶剤としては、例えば、直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素が挙げられる。この炭化水素の炭素数は、例えば、3〜20であり、好ましくは4〜15であり、より好ましくは5〜12であり、さらに好ましくは5〜9とすることができる。
また、上記炭化水素は、飽和炭化水素または不飽和炭化水素のいずれでもよい。上記環状炭化水素は、単環または複環を有していてもよく、2以上の環が縮合した縮合多環構造を有していてもよい。この環状炭化水素中の環は、脂環でも芳香族環でもよく、例えば、3員環以上であり、5〜8員環としてもよく、好ましくは5員環または6員環でもよい。この縮合多環式炭化水素の縮合数は、例えば、2〜10でもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリマーは、例えば、非極性の上記炭化水素系溶剤対して溶解性を示すことが好ましい。これにより、ポリマーに対する溶剤の選択幅を広げることが可能になる。このため、本実施形態の樹脂組成物において、上記ポリマーと、上記ポリマー以外のその他の成分との溶解性を高められるため、分散性、液保管性や塗膜特性などのワニスの各種用途に求められる諸物性に優れた樹脂組成物を実現することができる。
この中でも、非極性溶剤に可溶な他の成分の溶解性の観点から、例えば、ペンタン、ノナン、デカン等の直鎖状炭化水素;イソオクタン等の分岐状炭化水素;シクロヘキサン、p−メンタン、ピネン、リモネン等の環状炭化水素;等の炭素数5〜15の非極性の炭化水素系溶剤を用いることができる。
本実施形態のポリマーは、様々な用途に用いることができるが、例えば、炭化水素系溶剤に対する溶解性、高Tg、低誘電率などの特性を活用する用途に用いることができる。具体的な用途の一例としては、例えば、レジスト膜を保護するトップコート材料;ITOと密着するハードコート材料;ゲート絶縁膜や平坦化膜として機能する電子部品用材料;銅箔用プライマーまたはコア材およびプリプレグ材等の樹脂付き銅箔用プライマー;等に用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、例えば、スピンコート、ディッピング、ローラーブレード、スプレー塗布、スリット塗布等の塗布方法を用いることができる。
また、上記樹脂組成物に対して、溶剤を乾燥させ、各種用途に応じて所定の処理を施すことによって、樹脂材料を得ることができる。この樹脂材料は、例えば、耐熱性および/または低誘電特性が求められる用途に適用することができる。また、上記ポリマーや樹脂材料を使用したプロセスは、ポリマーの架橋構造を形成するための加熱処理を実施しないで済むため、プロセス効率を高めることができる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
<ポリマーの合成>
(実施例1:ポリマー1(BuNB/cyMIポリマー)の合成)
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、5−ブチル−2−ノルボルネン(1126.1g、7.5mol)、N−シクロヘキシルマレイミド(1342.5g、7.5mol)、および2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(123.2g、0.75mol)を計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ70℃到達後、16時間温度を維持して反応を進行させた。これにより、5−ブチル−2−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体を得た。
得られた5−ブチル−2−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体を、ヘキサンを貧溶剤として再沈殿を行い、ブフナーろ過で5−ブチル−2−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体と貧溶剤を分離した後、真空加熱乾燥を行い精製した5−ブチル−2−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体を1600g得ることができた。
なお得られたポリマー1の重量平均分子量(Mw)は8700であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は2.5であった。
(実施例2:ポリマー2(DecNB/cyMIポリマー)の合成)
5−ブチル−2−ノルボルネンに代えて、5−デシル−2−ノルボルネンを用いた以外は、実施例1と同様にして、5−デシル−2−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体(ポリマー2)を得た。
なお得られたポリマー2の重量平均分子量(Mw)は10,000であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は2.7であった。
(実施例3:ポリマー3(HexNB/cyMIポリマー)の合成)
5−ブチル−2−ノルボルネンに代えて、5−ヘキシル−2−ノルボルネンを用いた以外は、実施例1と同様にして、5−ヘキシル−2−ノルボルネン/N−シクロヘキシルマレイミド共重合体(ポリマー3)を得た。
なお得られたポリマー3の重量平均分子量(Mw)は9,300であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は2.6であった。
(比較例1:ポリマー4(オキセタンNB/MIポリマー)の合成)
撹拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた反応装置中に、29.5g(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2−カルボキシレート(0.125mol)と、12.13gの2,5−ピロールジオン(0.125mol)、開始剤として、4.32gのジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)とを計量し、52gのメチルエチルケトンに溶解させた。次に、得られた溶解液に対して窒素バブリングを実施することにより、系内の溶存酸素を除去してから、70℃、15時間の条件で熱処理を施した。反応後の容器を大過剰のヘキサンに再沈、さらに乾燥させることで、下記式で示した構造を有する共重合体を得た。
なお得られたポリマー4の重量平均分子量(Mw)は6,000であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は2.3であった。
得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)、および数平均分子量(Mn)は、GPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いた。測定条件は、以下の通りである。
東ソー(株)社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶剤:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
得られたポリマーについて以下の評価を実施した。評価結果を表1に示す。
Figure 2018188616
(測定用サンプルの作製)
得られたポリマー1〜3を溶剤(メチルアミルケトン、沸点:151℃)に溶解し、得られた樹脂ワニスを用いて、アルミ板に1.5〜2μmの厚みで塗膜を作り、当該塗膜に対して、161℃の加熱温度で6時間加熱処理することにより、測定用サンプル1〜3を得た。
また、得られたポリマー4のメチルアミルケトン溶液(ポリマー4の固形分30%)100部に対して、熱酸発生剤としてSI−110を2部添加し、得られた組成物を基材上に塗工し、得られた塗膜に対して、160℃、6時間で硬化させることにより、測定サンプル4を得た。
(ガラス転移温度(Tg))
得られた測定用サンプル1〜4の約3mgを標準的アルミニウム製TA−Instrumentサンプルパンに移した。サンプルパンを蓋で閉鎖し、そして、RCS冷却装置を装備したTA−Instruments DSC 2920 Modulated DSCを用いて、下記の条件にて、窒素下で測定を行い、DSC曲線を記録した。得られたDSC曲線からガラス転移温度(Tg)を算出した。単位は℃である。結果を表1に示す。なお、表1中の「−」は、硬化によって、Tgが測定できなかったことを示す。
変調:熱のみ60秒
周期:±2℃
傾斜:5℃/分
最終温度:300℃
(5%重量減少温度(Td5))
得られた測定用サンプル1〜4を、Seiko Instruments(株)、TG/DTA6200型を用いて、窒素雰囲気下、昇温速度が10℃/分、室温〜500℃の測定温度の条件で、熱重量測定を行い、熱重量減少率を示す熱重量減少率曲線を得た。得られた熱重量減少率曲線から、重量減少率が5%のときの5%重量減少温度(Td5)を算出した。単位は℃である。結果を表1に示す。
(溶剤溶解量変化率)
得られた測定用サンプル1〜4の1g(1cm角の立方体)を、液温25℃の100ccの、表1に示す溶剤に浸漬させ、10分後に取り出して、当該溶剤を真空乾燥で除去し、測定用サンプルの重量を測定した。得られた測定結果から、上記溶剤に対する溶剤溶解量変化率(%)は、下記式から算出した。
溶剤溶解量変化率(%)=(([浸漬前の測定用サンプルの重量(g)]−[浸漬後の測定用サンプルの重量(g)])/[浸漬前の測定用サンプルの重量(g)])×100
表1中、溶剤に対する溶解量変化率(%)が、80%以上100%以下のときを○とし、30%以上80%未満のときを△とし、30%未満のときを×とした。評価結果を表1に示す。
(周波数1MHzにおける誘電率)
得られた測定用サンプル1〜4について、HEWLETT PACKARD社製LCRメーター 4284Aを用いて、室温25℃における、周波数1MHzにおける誘電率を測定した。評価結果を表1に示す。
(架橋密度)
得られた測定用サンプル1〜4を用いて、室温25℃における、下記式nで表される架橋密度を算出した。
式n:架橋密度(mol/m)=E’min/3ΦRT
(上記式中、E’minは貯蔵弾性率E’の最小値、Φはフロント係数(Φ≒1)、Rは気体定数8.31451(J/mol・K)、TはE’minの絶対温度を表す。)
表1中、架橋密度が1以下のときを○とし、1超えのときを×とした。評価結果を表1に示す。
実施例1〜3のポリマーは、比較例1のポリマーと比べて、加熱処理後の誘電率を低減できることが分かった。また、実施例1〜3のポリマーは、比較例1のポリマーと比べて、5%重量減少温度が高くなることから、耐熱性に優れることが分かった。また、実施例1〜3のポリマーは、比較例1のポリマーと比べて、溶剤溶解性に優れることが分かった。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

Claims (6)

  1. 架橋性基を有しないノルボルネン由来の構造単位と、架橋性基を有しないN−置換マレイミド由来の構造単位とからなる非架橋性構造単位を含む、ポリマー。
  2. 請求項1に記載のポリマーであって、
    前記ノルボルネン由来の構造単位は、下記一般式(1)で表されるノルボルネン由来の構造単位を含む、ポリマー。
    Figure 2018188616
    (上記一般式(1)中、nは0、1または2であり、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つが当該有機基を有する。ただし、R、R、RおよびRは、いずれも前記架橋性基を有しない非架橋性基である。)
  3. 請求項2に記載のポリマーであって、
    前記非架橋性構造単位は、上記一般式(1)中、R、R、RおよびRの少なくとも一つが、炭素数1〜10のアルキル基を有する前記ノルボルネン由来の構造単位を備える、ポリマー。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のポリマーであって、
    前記N−置換マレイミド由来の構造単位は、下記一般式(2)で表されるN−置換マレイミド由来の構造単位を含む、ポリマー。
    Figure 2018188616
    (上記一般式(2)中のRは、置換または無置換のアルキル基、アリール基およびシクロアルキル基からなる群から選択される一種を含む炭化水素基を有する。ただし、Rは、前記架橋性基を有しない非架橋性基である。)
  5. 請求項4に記載のポリマーであって、
    前記非架橋性構造単位は、上記一般式(2)中のRが炭素数3〜8のシクロアルキル基を有する前記N−置換マレイミド由来の構造単位を備える、ポリマー。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のポリマーであって、
    当該ポリマーのガラス転移温度(Tg)が140℃以上である、ポリマー。
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