JP2018187889A - 記録制御装置、記録装置、記録システム、および記録制御方法 - Google Patents

記録制御装置、記録装置、記録システム、および記録制御方法 Download PDF

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勇輔 田中
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Abstract

【課題】記録装置の電源容量を超えない記録動作を速やかに開始可能とする。【解決手段】記録制御装置は、記録装置に備わる複数の記録手段が記録データに基づいて画像を記録する際の、複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を取得する。その合計の記録量に関する情報は、記録制御装置と記録装置とがオフライン状態のときに取得され、オンライン状態になると記録制御装置から記録装置に送信される。記録装置は、受信したそれぞれの合計の記録量に関する情報のうち、現在の記録手段の動作タイミングに対する合計の記録量に関する情報に基づいて、電源容量を超えないように記録動作を速やかに開始する。【選択図】図7

Description

本発明は、記録データを処理して記録装置に送信するホスト装置としての記録制御装置、記録制御装置から記録データを受信して記録媒体に画像を記録する記録装置、記録制御装置と記録装置で構成される記録システム、および記録制御方法に関する。
特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、ホスト装置からの記録データに基づいて画像を記録する際に、記録装置の電源容量の不足の発生を避けるために、同時に吐出するインクの吐出数が一定以上の場合に記録動作を制限するように構成されている。インクは複数のノズル列から吐出され、それらからのインクの吐出タイミングは、それらのノズル列の間隔に応じて変化する。そのため、特許文献1においては、ノズル列の間隔に基づいて、同時に吐出されるインクの吐出数(以下、同時吐出数ともいう)を算出し、それが一定以上にならないように、インクの吐出タイミングが調整される。
特開2006−289859号公報
ノズル列の間隔が判明している場合は、それに基づいて同時吐出数を算出することが可能である。ノズル列の間隔は、装置毎に誤差があるため、一般的に、ノズル列の間隔に関する調整値を記録装置内のメモリーに記憶しておき、その調整値に基づいて、記録画像に応じたノズルを使用して記録を行う。ホスト装置と記録装置とがオンライン状態にあるときには、記録装置が記録データを受信した時点において、記録装置に記憶されている調整値に基づいて、同時吐出数を算出することができる。また、ホスト装置側に調整値を通知することにより、ホスト装置側において同時吐出数を算出することもできる。
しかし、ホスト装置と記録装置とがオフライン状態にあるときには、ホスト装置から記録装置側に記録データが送信されないため、記録装置側において同時吐出数の算出ができない。また、記録装置からホスト装置に調整値が通知されないため、ホスト装置側においても同時吐出数の算出ができない。そのため、オンライン状態になってから同時吐出数を算出することになり、その場合には、同時吐出数の算出に要する時間だけ記録開始が遅れてしまう。
本発明の目的は、記録装置の電源容量を超えない記録動作を速やかに開始可能な記録制御装置、記録装置、記録システム、および記録制御方法を提供することにある。
本発明の記録制御装置は、記録装置に記録データを送信する記録制御装置であって、前記記録装置に備わる複数の記録手段が前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を取得する取得手段と、前記記録データと、前記合計の記録量に関する情報と、を前記記録装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする。
本発明の記録装置は、記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する複数の記録手段と、前記記録データと、前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報と、を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記合計の記録量に関する情報に基づいて、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように記録動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明の記録システムは、記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置と、前記記録装置に記録データを送信する記録制御装置と、を含む記録システムであって、前記記録制御装置は、前記記録装置に備わる複数の記録手段が前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を取得する取得手段と、前記記録データと、前記合計の記録量に関する情報と、を前記記録装置に送信する送信手段と、を有し、前記記録装置は、前記記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する複数の記録手段と、前記記録制御装置から前記記録データと前記合計の記録量に関する情報とを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記合計の記録量に関する情報に基づいて、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように、記録動作を制御する制御手段と、を有する、ことを特徴とする。
本発明の記録制御方法は、記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置と、前記記録装置に記録データを送信する記録制御装置と、により構成される記録システムにおいて実行される記録制御方法であって、前記記録装置に備わる複数の記録手段が前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を前記記録制御装置において取得する取得工程と、前記記録データと、前記合計の記録量に関する情報と、を前記記録制御装置から前記記録装置に送信する送信工程と、前記送信工程において送信された前記記録データと前記合計の記録量に関する情報とを前記記録装置において受信する受信工程と、前記受信工程において受信された前記合計の記録量に関する情報に基づいて、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように記録動作を制御する制御工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、記録装置の電源容量を超えない記録動作を速やかに開始することができる。
本発明における記録システムの構成図である。 ホストPC(記録制御装置)と記録装置の制御系のブロック図である。 記録装置の概略構成図である。 記録ヘッド間の距離が均等であるときの記録例の説明図である。 記録ヘッド間の距離が不均等であるときの記録例の説明図である。 記録処理を説明するためのフローチャートである。 オンライン記録データの作成処理を説明するためのフローチャートである。 同時に吐出されるインクの吐出数の計算方法の説明図である。 オフライン記録データの作成処理を説明するためのフローチャートである。 調整値の組み合わせ情報の説明図である。 吐出数の予測処理を説明するためのフローチャートである。 吐出数を予測するための元となる情報の説明図である。 図11の予測処理における通しラスター番号の関係の説明図である。 搬送速度の決定処理を説明するためのフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。また、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本実施形態における記録システムの構成の説明図である。本記録システムは、記録データを生成する記録制御装置であるホストPC(記録制御装置)101と、ホストPC101からの指示にしたがって記録を実行可能な記録装置102と、を含む。本例の記録装置102は、インクジェット記録装置としての適用例である。ホストPC101と記録装置102とは、接続ケーブル103を介して相互に通信可能である。記録装置102は、ホストPC101から受信した記録データに基づいて、記録用紙等の記録媒体104に画像を記録する。ホストPC101は、オンライン記録データ作成処理、およびオフライン記録データ作成処理を実行可能である。オンライン記録データ作成処理の場合には、作成後の記録データを直ちに記録装置102に送信する。オフライン記録データ作成処理の場合には、作成後の記録データを直ちに記録装置102に送信せずに、その記録データをホストPC101に保持してから、任意のタイミングで記録装置102に送信する。オフライン記録データ作成処理は、接続ケーブル103が繋がっていない場合にも有効である。例えば、ホストPC101における記録データ作成速度よりも、ホストPC101から記録装置102へのデータの送信速度、および記録装置102の記録速度の方が速い場合にも有効である。その場合には、オフライン状態において記録データを作成しておき、オンライン状態となったときに、その記録データを記録装置102に送信することにより、大量の記録をまとめて行うことができる。
図2は、ホストPC101および記録装置102の制御系のブロック図である。ホストPC101は、例えば、一般的なパーソナルコンピューターである。CPU220は、オペレーティングシステム(OS)の制御下において、RAM等の記憶領域に格納された各種プログラムを実行して、本実施形態におけるホストPC101の動作を実現する。ホストPC101においては、ローカルバスであるPCIバスとISAバスとがホスト/PCIブリッジ221およびPCI/ISAブリッジ228を介して階層的に構成されており、それらは全体としてシステムバスを構成する。ホストPC101内の各ブロックは、システムバスを介して相互にデータの送受信を行う。システムバスには、L2キャッシュと称される高速のメモリー(不図示)が接続されており、CPU220が常時アクセスするコードやデータを記憶する。
メモリー222は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、プリンタードライバー等の実行プログラムを一時的に記憶する記憶領域である。また、メモリー222は、各プログラム実行のための作業用メモリー領域としても用いられる。メモリー222は、アプリケーションプログラムにより描画処理されたRGB画像データ、およびRGB画像データから色空間変換されて、記録装置102の後述するインクジェット記録ヘッド22のインク色に対応するインク色データ等も記憶する。本例において、インク色データは、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインク色に対応した2値の画像データである。記録装置102において、記録ヘッド22Kはブラックインク吐出用ヘッド、記録ヘッド22Cはシアンインク吐出用ヘッド、記録ヘッド22Mはマゼンタインク吐出用ヘッド、記録ヘッド22Yはイエローインク吐出用ヘッドである。
ホストPC101は、誤差拡散法等によって2値化された画像データ、電源容量閾値の判定情報、およびインクの吐出タイミングの調整値(タイミング情報)の組み合わせに関する情報等の全てをメインメモリー222上に展開する。後述するように、電源容量閾値の判定情報は、画像データのドット情報と、記録装置102から取得したインクの吐出タイミングの調整値と、に基づく判定情報である。また、インクの吐出タイミングの調整値の組み合わせに関する情報は、電源容量閾値を超えるときの吐出タイミングの調整値の組み合わせに関する情報である。ホストPC101は、これらの情報を画像データに付加して記録データを完成させ、通信インタフェース223を介して、その記録データを記録装置102に送信する。通信インタフェース223は、例えば、USB、ネットワーク等であり、PCIバスに接続されている。
CRTC224は、ビデオコントローラーであり、CPU220によりVRAM225に書き込まれた表示用ビットマップデータを読み取って、CRT、LCD、PDP等のディスプレイ226に転送する。ユーザは、ディスプレイ226により、例えば、記録指示した記録ジョブの処理経過および処理結果を認識することができる。
ROM229は、入力デバイス232およびFDD231等の入出力機器を制御するBIOS(Basic Input Output System)プログラム、電源投入時の初期化プログラム、および自己診断プログラム等を格納する。入力デバイス232は、例えば、キーボードおよびポインティングデバイスである。ユーザは、入力デバイス232により、例えば、記録装置102に対して記録等を指示することができる。EEPROM230は、恒久的に利用する各種のパラメーターを記憶させるための書き換え可能な不揮発性のメモリーである。
オペレーティングシステム(OS)、各種アプリケーションプログラム、各処理を実行するプログラム、および記録装置102に対応するプリンタードライバー等は、HDD227からメインメモリー222に読み出されて、CPU220により実行される。オフラインにより作成された記録データもHDD227に記憶される。インクの吐出タイミングの調整値の取得処理は、記録データの作成前に毎回実施してもよく、または、ユーザが所望した際にユーザの指示に基づいて実施してもよい。ユーザが所望した際に吐出タイミングの調整値を取得する場合には、その調整値もHDD227に記憶する。
記録装置102は、記録データを記憶するRAM202、制御プログラムおよびインクの吐出タイミングの調整値等を記憶するROM203、およびホストPC101との通信を行うインタフェースとなる通信装置204を含む。また、記録装置102は、記録ヘッド22を駆動制御する記録ヘッド制御部205、および記録媒体を搬送のためのアクチュエータ等を駆動制御する駆動部206を含む。また、記録装置102は、記録ヘッド22C,22M,22Y,22K内のメモリー208,209,210,211に対するデータの読み込みおよび書き込み(R/W)を制御するメモリー制御回路207を含む。CPU201は、RAM202に格納された各種プログラムを実行して、本実施形態の動作を実現する。本例の記録装置102には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色のインクのそれぞれに対応するライン型の記録ヘッド22(22K,22C,22M,22Y)が搭載される。インク色の数は本例のような4色のみに限定されず、これら4色とは異なる淡シアン等の色、および特定の目的に応じた特色のインクを含んでもよい。記録ヘッド22は、記録装置102におけるキャリッジ等に着脱自在に取り付けられる。
図3は、本例における記録装置102の概略構成図である。記録装置102は、ホストPC101から送信される記録対象の記録データに基づいて、記録ヘッド22(22K,22C,22M,22Y)から記録媒体Pにインクを吐出して記録を行う。それらの記録ヘッド22K,22C,22M,22Yは、記録媒体Pの搬送方向(矢印A方向)に沿って、その順に配置されている。記録ヘッド22K,22C,22M,22Yは、所謂、フルライン型の記録ヘッドであり、搬送方向Aと交差(本例の場合は、直交)する記録媒体Pの幅方向に全域に渡って延在する長尺であり、互いに平行に並べられている。記録装置102は、記録媒体Pを搬送方向Aに連続的に搬送させつつ、定位置の記録ヘッド22から記録データに基づいてインクを吐出することによって、記録媒体Pに画像を記録する。記録ヘッド22は、電気熱変換素子(ヒータ)またはピエゾ素子などの吐出エネルギー発生素子を用いて、吐出口からインクを吐出する。吐出口は、記録媒体Pの搬送方向Aと交差(本例の場合は、直交)する方向に複数配列されて、吐出口列を形成する。
画像の記録に伴って、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yにおける吐出口の形成面(吐出口形成面)にゴミまたはインク滴等の異物が付着した場合には、インクの吐出状態が変化して記録に影響を与えるおそれがある。そのため、記録ヘッド22が安定してインクを吐出できるように、記録装置102には回復ユニット40が配備されている。回復ユニット40によって、定期的に吐出口形成面をクリーニングすることによって、記録ヘッド22の吐出口からの良好なインク吐出状態を維持することができる。また、回復ユニット40には、クリ−ニング動作のときに、記録ヘッド22K,22C,22M,22Yのそれぞれの吐出口をキャッピングするキャップ50が備えられている。キャップ50は、ブレード、インク除去部材、およびブレード保持部材などを含む。
図3における記録媒体Pは長尺なロール紙であり、ロール紙供給ユニット24から供給され、記録装置102の搬送機構26によって矢印Aの搬送方向に搬送される。本例の搬送機構26は、記録媒体Pを載置して搬送する搬送ベルト26a、搬送ベルト26aを回転させる搬送モーター26b、搬送ベルト26aに張力を与えるためのローラー26c等を含む。記録媒体Pの搬送速度は、高速記録モードおよび低速記録モード等の記録モードに応じて複数段階に変更可能である。記録を行う際には、搬送中の記録媒体Pが記録ヘッド22Kの下方の記録位置に到達したときに、ホストPC101から送られた記録データに基づいて、記録ヘッド22Kからブラックインクが吐出される。同様に、記録ヘッド22C,22M,22Yから順にインクが吐出されて、記録媒体Pにカラー画像が記録される。
記録媒体Pの搬送速度と、搬送方向Aにおける記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの間隔に応じて、それぞれの記録ヘッドにおけるインクの吐出タイミングの標準値が決定される。しかし、記録ヘッドの組み付け位置の誤差等により、記録ヘッドによる画像の記録位置にずれが生じる場合がある。この記録位置のずれを調整するために、記録装置102の設置時、またはユーザが位置ずれの修正を所望したタイミングにおいて、一定の間隔で記録されているパターン要素からなるテストパターンを記録する。そして、その記録結果に基づいてインクの吐出タイミングの調整値を決定する。このようなインクの吐出タイミングの調整値は、搬送方向(縦方向)におけるレジストレーション調整値とも称される。
記録装置102は、記録ヘッド22(22K、22C、22M、22Y)に供給されるインクを貯留するインクタンク28(28K,28C,28M,28Y)、記録ヘッド22にインクを供給するポンプ、およびクリーニング動作を行うためのポンプ等を含む。また、記録媒体Pの搬送、および記録ヘッド22のインク吐出動作等に必要な電力は、単一の電源ユニット(不図示)から供給される。必要とされる電力は一定ではなく、記録媒体Pの搬送速度が速いほど、また記録ヘッド22においてインクを同時に吐出する吐出口の数が多いほど、消費電力は大きくなる。それぞれの記録ヘッド22の全吐出口から同時にインク吐出するような高濃度の画像を記録する頻度は低く、このような高濃度の画像を高速記録モードによっても記録可能とするほどの、大容量の電源ユニットを用意するメリットは小さい。
本実施形態においては、電源ユニットの電源容量を小さく抑えるために、記録ヘッド22において同時にインクを吐出する吐出口の数(同時に形成されるインクのドット数に対応)に基づいて、記録モードを変更する。より具体的には、同時に形成されるインクのドット数が所定の閾値を超える場合に、記録速度が低い低速記録モードに変更することにより、高濃度の画像の記録を可能とする。同時に形成されるインクのドット数は、同時に吐出されるインクの吐出数(同時吐出数)に対応する。
図4(a)は、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yが搬送方向Aにおいて等間隔Lに配備されている場合の画像の記録例の説明図である。矢印A方向に搬送される記録媒体Pに対して、記録ヘッド22(22K,22C,22M,22Y)の全ての吐出口から同時にインクを吐出した場合、それぞれの吐出口列に対応する画像401(401K,401C,401M,401Y)が記録される。図4(b)は、図4(a)の画像401を上方から見た図であり、画像401K,401C,401M,401Yは、搬送方向Aにおいて等間隔にずれる。
図5(a)は、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの位置が搬送方向Aにおいて等間隔Lではなく、記録ヘッド22Yのみが搬送方向Aとは逆の方向に若干の距離αだけずれている。これらの記録ヘッド22(22K,22C,22M,22Y)の全ての吐出口から同時にインクを吐出した場合、それぞれの吐出口列に対応する画像601(601K,601C,601M,601Y)が記録される。図5(b)は、図5(a)の画像601を上方から見た図であり、画像601K,601C、601Mは搬送方向Aにおいて等間隔にずれ、画像601Mと画像601Yの間隔は、それらの間隔よりも距離αに対応する分だけ小さい。
記録媒体P上の任意の2点間における矢印A方向の間隔(mm)は、矢印A方向における画像の記録解像度(dpi)に対応するドット数として換算することができる。例えば、図5(b)のように、搬送方向Aにおける画像601K,601Cの間隔および画像602C,601Mの間隔をnドットと定義し、搬送方向Aにおける画像601M,601Yの間隔を(n−y)ドットと定義することができる。搬送方向Aにおいて隣接する画像601K,601C,601M,601Yの間隔の全てを間隔(ドット間隔)nとするためには、記録ヘッド22Yのインクの吐出タイミングを他の記録ヘッド22K,22C,22Mよりもyドット分早く設定する必要がある。本例においては、このようなときのyドットをインクの吐出タイミングの調整値Vtと定義する。インクの吐出タイミングを遅くしたい場合は、その調整値Vtをマイナス値に設定する。
また、インクの吐出タイミングが調整済みの状態であって、その調整値Vtがzであった場合には、調整対象の画像の間隔が(n−z)ドットであったことが分かる。つまり、設定済みの吐出タイミングの調整値Vtから、記録ヘッド22からインクを同時に吐出したときの画像のドット間隔が計算できる。
図6は、ホストPC101のメインメモリー222に読み込まれたプリンタードライバーによる記録データの作成から、記録装置102による画像の記録までの記録処理を説明するためのフローチャートである。
まず、プリンタードライバーは、記録装置102が画像を記録可能なオンライン状態にあるか否かを判定する(ステップS1)。オンライン状態の場合、プリンタードライバーは、後述するようにオンライン状態で記録データ(オンライン記録データ)を作成し(ステップS2)、その記録データを記録装置102に送信してから(ステップS3)、ステップS7に移行する。オフライン状態の場合、プリンタードライバーは、後述するようにオフライン状態で記録データ(オフライン記録データ)を作成する(ステップS4)。
そして、プリンタードライバーは、記録装置102がオンライン状態に移行した後に、ユーザからの記録データの送信の指示を待ってから、オフライン記録データを記録装置102に送信してから(ステップS5,S6)、ステップS7に移行する。ユーザは、オフライン状態で記録データの編集を行い、オンライン状態になってから、任意のタイミングで、ホストPC101の入力デバイス232を用いて記録データの送信を指示することができる。あるいは、記録データの編集が終わっていれば、オンライン状態になったときに、自動的に記録データを送信するようにしてもよい。ここでオフライン状態とは、ホストPC101と記録装置102との間の接続ケーブル103が物理的に繋がっていない状態のみを意味するのではなく、ホストPC101内の記録データを出力する出力先として、記録装置102が選択されていない場合も含む。ステップS6では、ホストPC101のメインメモリー222に読み込まれたソフトウェアがオフライン記録データを送信する。このオフライン記録データを送信するソフトウェアは、プリンタードライバーにオフライン記録データの送信機能を搭載したものであってもよく、または、OS付属の通信ソフト等、別のアプリケーションであってもよい。
ステップS7において、記録装置102は、後述するように受信した記録データを解析して、記録媒体Pの搬送速度を決定する。その後、記録装置102は、記録データに基づいて記録媒体Pに画像を記録して(ステップS8)、記録処理を終了する。
図7は、図6のステップS2におけるオンライン記録データの作成処理を説明するためのフローチャートである。
まず、プリンタードライバーは、記録装置102に設定されたインクの吐出タイミングの調整値Vtを取得する(ステップS11)。本例の場合は、記録ヘッド22C,22M,22Yについての調整値Vtを取得し、記録ヘッド22Kについてはインクの吐出タイミングは調整しない。また、本例における調整値Vtは、記録ヘッド22の相互間におけるインクの吐出タイミングの差に対応し、記録ヘッド22C,22M,22Yについての調整値Vtは、記録ヘッド22Kの位置を基準として設定される。そのため、記録ヘッド22Kについても調整値Vtを設定する場合、その記録ヘッド22Kについての調整値Vtは、記録ヘッド22C,22M,22Yについての調整値Vtに基づいて設定することができる。調整値Vtは、搬送方向Aにおけるドットの形成数に対応する。
その後、プリンタードライバーは、入力された1ページ分のRGBの画像データから、記録装置102の記録ヘッド22K,22C,22M,22Yに対応するKCMYの2値の画像データを作成する(ステップS12)。その2値の画像データは、“1”(オン)がインクの吐出に対応し、“0”(オフ)がインクの不吐出に対応する。プリンタードライバーは、このような画像データに基づいて、記録ヘッド22の個々についてラスター毎のインクの吐出数Ceを算出する(ステップS13)。さらにプリンタードライバーは、その算出結果に基づいて、それぞれの記録ヘッド22から同時に吐出されるインクの吐出数Ceの合計TCeを計算する(ステップS14)。ラスターは、記録ヘッド22の吐出口列に対応する記録領域である。
図8は、ステップS14におけるインクの合計の吐出数(合計の記録量)TCeの計算方法の説明図である。1ページ分の記録媒体Pにおけるラスターの数(搬送方向Aにおけるドット数に対応)をLラスターとする。また、搬送方向Aにおける記録ヘッド22の相互間の標準的な間隔をドット数によって換算し、その換算したドット数をnとする。ステップS11において取得した調整値(ドット数)Vtとして、記録ヘッド22C用の調整値Vtをc,記録ヘッド22M用の調整値Vtをm,記録ヘッド22Y用の調整値Vtをyとする。隣接する記録ヘッド22の間隔が標準的な間隔(ドット数)nよりも小さい場合には、その分、インクの吐出タイミングを早くするように、調整値Vt(c,m,y)がプラスとなる。一方、隣接する記録ヘッド22の間隔が標準的な間隔(ドット数)nよりも大きい場合には、その分、インクの吐出タイミングを遅くするように、調整値Vt(c,m,y)がマイナスとなる。
図8において、記録ヘッド22(22K,22C,22M,22Y)のそれぞれによって1ラスターからLラスターまで記録される。共通のラスターに対して、それぞれの記録ヘッド22が吐出するインクの吐出数Ceの合計は、その共通のラスターにおいて同時に吐出されるインクの吐出数TCeを意味する。インクの吐出タイミングは、1ラスターからLラスターに向かって順次遅くなる。また、記録ヘッド22Kによって記録される1ラスター目から、記録ヘッド22Yによって記録されるLラスター目までの通し番号を「通しラスター番号」と定義する。通しラスター番号1からブラックインクKのみが吐出され、通しラスター番号{1+(n+c)}から、ブラックインクKとシアンインクCとが同時に吐出される。その後、通しラスター番号{1+(n+c)+(n+m)}から、ブラックインクK、シアンインクC、およびマゼンタインクMが同時に吐出される。その後、通しラスター番号{1+(n+c)+(n+m)+(n+y)}から、ブラックインクK、シアンインクC、マゼンタインクM、およびイエローインクYが同時に吐出される。その後、通しラスター番号LにてブラックインクKの吐出が終了し、以降、シアンインクC、マゼンタインクM、イエローインクYの吐出も終了する。イエローインクYの吐出が終了するときの通しラスター番号は、{L+(n+c)+(n+m)+(n+y)}となる。
同じ通しラスター番号におけるインクK,C,M,Yの吐出数Ceの合計は、その通しラスター番号において同時に吐出されるインクの吐出数(同時吐出数)TCeとなる。以降の説明において、通しラスター番号に該当するラスターが存在しないインクについては、その吐出数Ceを0とする。
このように、通しラスター番号毎におけるインクの吐出数(同時吐出数)TCeを計算した後、それらの吐出数TCeの中に、少なくとも1つでも所定の閾値(電源容量閾値)Thを超えるものがあるか否かを判定する(ステップS15)。閾値Thは、電源の容量と、同時に吐出されるインクの吐出数TCeに応じて変化する電力消費量と、の関係などを考慮して設定され、吐出数TCeが閾値Thを越えた場合には電源の容量不足が発生するおそれがある。閾値Thを超える吐出数TCeが1つでもある場合には、KCMYの2値の画像データに、画像サイズおよび記録部数等の記録制御情報と共に、判定情報(NG)を付加して、オンライン記録データを作成する(ステップS16)。閾値Thを超える吐出数TCeが1つもない場合には、KCMYの2値の画像データに、画像サイズおよび記録部数等の記録制御情報と共に、判定情報(OK)を付加して、オンライン記録データを作成する(ステップS17)。
図9は、図6ステップS4におけるオフライン記録データの作成処理を説明するためのフローチャートである。
まず、プリンタードライバーは、入力された1ページ分のRGBの画像データから、記録装置102の記録ヘッド22K,22C,22M,22Yに対応する1ページ分のKCMYの2値の画像データを作成する(ステップS21)。その後、プリンタードライバーは、このような2値の画像データに基づいて、記録ヘッド22の個々についてラスター毎のインクの吐出数Ceを算出する(ステップS22)。その後、プリンタードライバーは、そのステップS22の算出結果に基づいて、後述するように、同時に吐出されるインクの吐出数TCeを予測する(ステップS23)。その予測結果は、吐出数TCeが閾値(電源容量閾値)Thを超えるときの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせ情報としてまとめられる。
図10は、吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせ情報の説明図である。この情報は、KCMYの2値の画像データに基づいて同時に吐出されるインクの吐出数TCeが閾値Thを超えるときの、調整値Vt(c,m,y)の組み合わせに関するものである。図10中の最上位の行は、調整値cが記録ヘッド22C用の最小調整値1と最大調整値1との間、調整値mが記録ヘッド22M用の最小調整値1と最大調整値1との間、調整値yが記録ヘッド22Y用の最小調整値1と最大調整値1との間にあるときを表す。このような調整値c,m,yの組み合わせのときに、吐出数TCeが閾値Thを超えることを意味する。図10中の他の行における組み合わせについても同様である。その組み合わせ数に、制限はない。
ステップS23から移行したステップS24においては、吐出数TCeが閾値Thを超える吐出タイミングの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせが少なくとも1組設定されているか否かを判定する。その組み合わせた1組もない場合には、全ての吐出タイミングの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせにおいて、吐出数TCeは閾値Thを超えない。したがって、ステップS24においては、全ての吐出タイミングの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせにおいて、吐出数TCeが閾値Thを超えないか否かを判定することになる。全ての調整値Vtの組み合わせにおいて、吐出数TCeが閾値Thを超えない場合には、KCMYの2値の画像データに、画像サイズおよび記録部数等の記録制御情報と共に、判定情報(OK)を付加して、オフライン記録データを作成する(ステップS25)。
少なくとも1つの調整値Vtの組み合わせにおいて、吐出数TCeが閾値Thを超える場合には、吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせが設定可能な全範囲に含まれているか否かを判定する(ステップS26)。そのような組み合わせが設定可能な全範囲に含まれている場合には、KCMYの2値の画像データに、画像サイズおよび記録部数等の記録制御情報と共に判定情報(NG)を付加して、オフライン記録データを作成する(ステップS27)。そのような組み合わせが設定可能な全範囲に含まれていない場合には、KCMYの2値の画像データに、画像サイズおよび記録部数と共に判定情報(−)を付加してオフライン記録データを作成してから(ステップS28)、ステップS29に移行する。ステップS29においては、オフライン記録データに対して、吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせに関する情報を付加する。その情報の先頭には、吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせの数に関する情報を付加する。したがって、このような調整値Vt(c,m,y)の組み合わせに関する情報は、判定情報(−)が付加されている場合にのみオフライン記録データに付加される。
図11は、図9のステップS23の予測処理、つまり、同時に吐出されるインクの吐出数TCeを予測する処理を説明するためのフローチャートである。
まず、図9のステップS22において算出された、記録ヘッド22の個々についてのラスター毎のインクの吐出数Ceを(大)・(小)に分類する(ステップS31)。図12は、同時に吐出されるインクの吐出数TCeを予測するための元となる情報の説明図である。前述したように、1ページ内のラスター数(搬送方向Aのドット数に対応)をLとし、搬送方向Aにおける記録ヘッド22の相互間の標準的な間隔をnとする。本例においては、記録ヘッド22の個々について、ラスター毎のインクの吐出数Ceが閾値(電源容量閾値)Thの1/4よりも大きい場合には、その吐出数Ceを(大)として分類する。一方、吐出数Ceが閾値Thの1/4以下の場合には、その吐出数Ceを(小)として分類する。吐出タイミングの調整値Vtは0と仮定して、通しラスター番号を定義する。
吐出数Ceの分類の判定基準を閾値Thの1/4とする理由は、記録ヘッド22の数が4であるからである。すなわち、4つの記録ヘッド22の同じ通しラスター番号における吐出数Ceがいずれも分類(小)の場合には、それらの吐出数Ceの合計の吐出数TCeが閾値Th以下となるからである。記録ヘッド22の配備数が異なる場合には、分類(大)、(小)の判定基準値を変更すればよい。
このように、吐出数Ceを(大)、(小)に分類した後に、基準色をブラックインクKに設定し(ステップS32)し、基準色の通しラスター番号を初期の1番に設定する(ステップS33)。以降、基準色の通しラスター番号を「x」という。その後、基準色の通しラスター番号xに該当するラスターにおける吐出数Ceの分類が(大)であるか否かを判定し(ステップS34)、それの分類が(大)の場合にはステップS35に移行し、それが(小)の場合にはステップS42に移行する。なお、基準色の通しラスター番号xに該当するラスターがない場合には、分類(小)として扱う。ステップS35では、基準色の通しラスター番号xを基準としたときに、吐出タイミングの調整値Vtに応じて異なる合計の吐出数TCeが電源容量閾値Thよりも大きくなるか否かを判定する。
具体的には、まず、記録ヘッド22Kのインクの吐出タイミングの調整値Vt(=0)、および記録ヘッド22C、22M、22Yのインクの吐出タイミングの調整値Vt(c,m,y)のうち、最大値と最小値との差分を最大差Tと定義する。その最大差Tは、記録ヘッド22Kを基準としたときの、記録ヘッド22C、22M、22Yのインクの吐出タイミングの調整値Vt(c,m,y)の許容範囲となる。また、インクK,C,M,Yのうち、基準色を除いた他の3色のインクは非基準色1、2、3と定義する。例えば、基準色がインクCの場合、非基準色1をインクK、非基準色2をインクM、非基準色3をインクYとする。さらに、(x−T)番から(x+T番)の通しラスター番号において、インク色毎に、吐出数Ceが最大の吐出数Ce(max)となるときの通しラスター番号を下記のように定義する。すなわち、吐出数Ceが最大の吐出数Ce(max)となるときの通しラスター番号として、非基準色1の通しラスター番号はMaxNo1番とし、非基準色2の通しラスター番号はMaxNo2番とし、非基準色3の通しラスター番号をMaxNo3番とする。ただし、インクK,C,M,Yの順で処理した場合、基準色よりも順番が前の非基準色については、吐出数Ceの分類が(大)のラスターはMaxNoの選定から除外する。これは、図11の処理手順では、基準色がインクK,C,M,Yの順で移行し、その順番においては、前のインク色の吐出数Ceの分類(大)を基準にした組み合わせが既に調査済みであるからである。通しラスター番号がx番の基準色の最大吐出数Ceと、通しラスター番号がMaxNo1番の非基準色1の最大吐出数Ceと、通しラスター番号がMaxNo2番の非基準色2の吐出数Ceと、通しラスター番号がMaxNo3番の非基準色3の吐出数Ceと、を合計する。ステップS35においては、それらの合計の吐出数TCe(max)が閾値Thよりも大きいか否かを判定する。
ステップS35の判定において、肯定された場合にはステップS36に移行し、否定された場合にはステップS42に移行する。ステップS36においては、吐出タイミングの調整値Vtの調整可能な範囲、つまり(x−T)番から(x+T)番の通しラスター番号において、各インク色についての吐出数Ce(max)の合計が最大TCe(max)となるときの吐出タイミングの調整値Vt(c,m,y)を計算する。
具体的には、まず、基準色の記録ヘッドから非基準色1、2、3の記録ヘッドまでの標準間隔(ドット数に対応)をN1、N2、N3と定義し、それらの値は、記録ヘッド22K、22C、22M、22Yの並び方向をプラス値、その逆方向をマイナス値とする。例えば、基準色がシアンインクCの場合、非基準色1のブラックインクKに対応する記録ヘッド22Kの標準間隔はN1=−n、非基準色3のイエローインクYに対応する記録ヘッド22Yの標準間隔はN3=2nとなる。これを用い、吐出タイミングの調整可能範囲において、各インク色についての最大吐出数Ce(max)の合計TCe(max)が最大となるときの吐出タイミングの調整値Vtは、下記のように表現できる。すなわち、基準色がブラックインクKの場合、非基準色1のシアンインクCに対応する記録ヘッド22Cの調整値Vtは(MaxNo1−x−N1)となる。同様に、非基準色2のマゼンタインクMに対応する記録ヘッド22Mの調整値Vtは(MaxNo2−x−N2)となり、非基準色3のイエローインクYに対応する記録ヘッド22Yの調整値Vtは(MaxNo3−x−N3)となる。
基準色がブラックK以外の場合に、この計算式を当てはめたときには、非基準色1のブラックインクKに対応する記録ヘッド22Kの調整値Vtは(MaxNo1−x−N1)となる。本例では、記録ヘッド22Kの調整値Vtを0に固定にするため、その基準色の通しラスター番号xが他の3色のインクに対応する調整値Vtから減算される。基準色がブラックインクK以外の場合には、基準色に対応する記録ヘッドの調整値Vtは{−(MaxNo1−x−N1)}となり、非基準色1のブラックインクKに対応する記録ヘッド22Kの調整値は0となる。また、非基準色2に対応する記録ヘッドの調整値Vtは{MaxNo2−x−N2−(MaxNo1−x−N1)=MaxNo2−N2−(MaxNo1−N1)}となる。また、非基準色3に対応する記録ヘッドの調整値Vtは{MaxNo3−x−N3−(MaxNo1−x−N1)=MaxNo3−N3−(MaxNo1−N1)}となる。
このようにステップS36にて計算した調整値Vtについては、それが、図10のような情報、つまり吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vt(c,m,y)の組み合わせに関する情報に追加されていないか否かを判定する(ステップS37)。それが追加されていない場合には、ステップS36にて計算した調整値Vtを、吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vtの組み合わせ情報に追加し、それが追加されている場合にはステップS39に移行する。ステップS39では、非基準色1、2、3毎について、吐出数Ceが多い順に、調整値Vtの調整可能な範囲内における通しラスター番号を並び換える。ステップS35の場合と同様の理由により、インクK、C、M、Yの順に処理した場合、基準色より順番が前の非基準色については、吐出数Ceの分類が(大)のラスターは並び換え結果(ソート結果)に含まれないように除外する。その後、このようなソート結果に基づいて、吐出数TCeが閾値Thよりも大きくなる可能性のある範囲を限定する(ステップS40)。
具体的には、まず、通しラスター番号がx番における基準色の吐出数Ceと、通しラスター番号がMaxNo2における非基準色2の吐出数Ceと、通しラスター番号がMaxNo3における非基準色3の吐出数Ceと、を加算する。その加算値を、非基準色1のソート結果における最も上位の吐出数Ceに加算し、その加算結果TCeが閾値Thより大きければ、加算対象(非基準色1)をソート順に1つ下位の値に変える。加算結果TCeが閾値Thよりも大きいときの最後の通しラスター番号をEndNo1とする。同様に、EndNo2およびEndNo3も特定する。
図13は、ステップS39およびS40の処理結果の説明図である。本例においては、通しラスター番号がx番における基準色の吐出数Ceは分類が(大)となっている。この吐出数Ceと、MaxNo1〜EndNo1のいずれかの非基準色1の吐出数Ceと、MaxNo2〜EndNo2のいずれかの非基準色2の吐出数Ceと、MaxNo3〜EndNo3のいずれかの非基準色3の吐出数Ceと、の加算結果TCeは、閾値Thより大きくなる可能性がある。一方、基準色の通しラスター番号がx番の場合、非基準色1、2、3のいずれか1つでもEndNo1、2、3よりも下位のラスターの吐出数Ceを選択した場合には、加算結果TCeが必ず閾値Th以下の値となる。
このように、ステップS40において、吐出数TCeが閾値Thより大きくなる可能性のある範囲を特定した後は、ステップS41に移行する。ステップS41では、ステップS40にて特定した範囲における吐出数Ceの組み合わせの全てに対応する計算を実行し、吐出数TCeが閾値Thよりも大きくなる組み合わせから求めた調整値Vtを、図10のような調整値Vtの組み合わせ情報に追加する。
その後、現在の基準色の通しラスター番号xが1ページのラスター数と同じであるか否かを判定し(ステップS42)、それらが異なる場合は、基準通しラスター番号xに1加算して、先のステップS34に戻る。現在の基準色の通しラスター番号xが1ページのラスター数と同じである場合には、基準色がイエローインクYであるか否かを判定する(ステップS43)。そして、基準色がイエローインクYでない場合には、基準色をインクK,C,M,Yの順に変更して先のステップS33に戻る。基準色がイエローインクYである場合には、図11の予測処理を終了する。
図14は、図6のステップS7における搬送速度の決定処理を説明するためのフローチャートである。
まず、記録装置102は、搬送速度の初期値として高速記録モード用の搬送速度を設定する(ステップS51)。その後、受信した記録データを解析し、記録データに判定情報(OK)が付加されているか否かを判定し(ステップS52)、それが付加されている場合には、高速記録モード用の搬送速度を設定して図14の処理を終了する。記録データに判定情報(OK)が付加されていない場合には、判定情報(NG)が付加されているか否かを判定し、それが付加されている場合には低速記録モード用の搬送速度を設定する(ステップS54)。判定情報(NG)が付加されていない場合には判定情報(−)が付加されていると判断し、この場合のみに付加されている図10のような情報、つまり、吐出数TCeが閾値Thを超えるときの調整値Vtの組み合わせに関する情報を参照する(ステップS55)。その情報の中に、記録装置102に設定されている調整値Vtと一致する値が含まれているかどうかを判定し、それが含まれている場合にはステップS54に移行する。
このように本実施形態においては、記録制御装置は、記録装置がオンライン状態にあるときには、記録装置から入力された、複数の記録部の動作タイミングを調整するための調整値に基づいて、同時に吐出されるインクの吐出量(ドットの形成量)を算出する。また記録制御装置は、記録装置がオンライン状態にあるときには、記録制御装置において設定された、複数の記録部の動作タイミングを調整するための仮想の調整値に基づいて、同時に吐出されるインクの吐出量(ドットの形成量)を算出する。そして記録制御装置は、その合計の吐出量に応じて変化する電力消費量と、記録装置の電源容量と、を関連付ける情報(電力消費情報)を記録装置に送信する。閾値Thは、同時に記録可能な最大の記録量に対応する。したがって、記録装置のオンライン状態およびオフライン状態のいずれにおいても、電源容量の不足の発生を避けた上、記録データの送信後に直ちに記録動作を実施することができる。
(他の実施形態)
本発明における記録制御装置は、合計の記録量に関する情報を取得して、その情報と記録データとを記録装置に送信することができればよい。その合計の記録量に関する情報は、記録装置に備わる複数の記録手段が記録データに基づいて画像を記録す際の、複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量であればよく。複数の記録手段は、前述した実施形態におけるノズル列に対応する。前述した実施形態における記録制御装置は、オフライン状態のときに合計の記録量に関する情報を取得する。
合計の記録量に関する情報は、例えば、記録データに基づいて複数の記録手段から同時に吐出されるインクの吐出数に関する情報、または記録データに基づいて複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量に関する情報を含む。また、合計の記録量に関する情報は、記録データに基づいて複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が、所定の電力量を超えるか否かの判定結果に関する情報を含んでもよい。前述したように、複数の記録手段が同時に記録動作する動作タイミングは、複数の記録手段の相対位置に応じて変化する。
また、本発明における記録装置は、このような合計の記録量に関する情報に基づいて、複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように記録動作を制御することができればよい。その制御の形態は、記録媒体の搬送速度を制御する上述した実施形態のみに限定されない。
上述した実施形態においては、1ページの記録データについて説明した。しかし、ページ毎の記録データに対して、電源容量閾値の判定情報、および電源容量閾値を超える吐出タイミングの調整値の組み合わせに関する情報を付加して、複数ページの記録途中において搬送速度を変更することもできる。また、記録データに、搬送速度の設定情報を追加し、低速記録モードを指定した場合には、吐出数Ceに関する計算をしないようにしてもよい。
搬送速度は、低速記録モードと高速記録モードに対応する2種類のみに特定されず、中速モード等を設けて3種類以上としてもよい。電源容量閾値を2種類以上用意して、電源容量閾値の判定情報として搬送速度(記録媒体の移動速度)が中速まではOK等の情報を追加してもよい。そのために、電源容量閾値を超える吐出タイミングの調整値の組み合わせに関する情報として、搬送速度が中速まではOK等の情報を追加してもよい。また、記録装置の消費電力に影響する記録装置の動作条件を変更してもよい。また本発明は、上述したフルライン方式の記録装置の他、シリアルスキャン方式等、記録部と記録媒体との相対移動を伴って画像を記録する種々の記録方式の記録装置に対して適用可能である。また、記録部は、インクを吐出可能なインクジェット記録ヘッドを用いる構成のみに限定されない。
また本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
101 ホストPC(記録制御装置)
102 記録装置
P 記録媒体

Claims (14)

  1. 記録装置に記録データを送信する記録制御装置であって、
    前記記録装置に備わる複数の記録手段が前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を取得する取得手段と、
    前記記録データと、前記合計の記録量に関する情報と、を前記記録装置に送信する送信手段と、
    を有することを特徴とする記録制御装置。
  2. 前記取得手段は、前記記録制御装置と前記記録装置とがオフライン状態のときに前記合計の記録量に関する情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の記録制御装置。
  3. 前記記録装置は、前記記録制御装置から受信した前記記録データに基づいて前記複数の記録手段からインクを吐出することにより、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であり、
    前記合計の記録量に関する情報は、前記記録データに基づいて前記複数の記録手段から同時に吐出されるインクの吐出数に関する情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の記録制御装置。
  4. 前記合計の記録量に関する情報は、前記記録データに基づいて前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量に関する情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の記録制御装置。
  5. 前記合計の記録量に関する情報は、前記記録データに基づいて前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が、所定の電力量を超えるか否かの判定結果に関する情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の記録制御装置。
  6. 前記複数の記録手段の動作タイミングは、前記複数の記録手段の相対位置に応じて変化することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録制御装置。
  7. 記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する複数の記録手段と、
    前記記録データと、前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報と、を受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信した前記合計の記録量に関する情報に基づいて、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように記録動作を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする記録装置。
  8. 前記記録媒体を搬送する搬送手段を有し、
    前記制御手段は、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が前記所定の電力量を超えないように、前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記複数の記録手段は、インクを吐出することにより記録媒体に画像を記録するインクジェット記録手段であり、
    前記合計の記録量に関する情報は、前記記録データに基づいて前記複数の記録手段から同時に吐出されるインクの吐出数に関する情報を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の記録装置。
  10. 前記合計の記録量に関する情報は、前記記録データに基づいて前記複数の記録手段を同時に駆動するために必要な電力量に関する情報を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の記録装置。
  11. 前記合計の記録量に関する情報は、前記記録データに基づいて前記複数の記録手段を同時に駆動するために必要な電力量が、所定の電力量を超えるか否かの判定結果に関する情報を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の記録装置。
  12. 前記複数の記録手段の動作タイミングは、前記複数の記録手段の相対位置に応じて変化することを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置と、前記記録装置に記録データを送信する記録制御装置と、を含む記録システムであって、
    前記記録制御装置は、前記記録装置に備わる複数の記録手段が前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を取得する取得手段と、
    前記記録データと、前記合計の記録量に関する情報と、を前記記録装置に送信する送信手段と、
    を有し、
    前記記録装置は、
    前記記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する複数の記録手段と、
    前記記録制御装置から前記記録データと前記合計の記録量に関する情報とを受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信した前記合計の記録量に関する情報に基づいて、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように、記録動作を制御する制御手段と、
    を有する、
    ことを特徴とする記録システム。
  14. 記録データに基づいて記録媒体に画像を記録する記録装置と、前記記録装置に記録データを送信する記録制御装置と、により構成される記録システムにおいて実行される記録制御方法であって、
    前記記録装置に備わる複数の記録手段が前記記録データに基づいて画像を記録する際の、前記複数の記録手段の複数の動作タイミングにおけるそれぞれの合計の記録量に関する情報を前記記録制御装置において取得する取得工程と、
    前記記録データと、前記合計の記録量に関する情報と、を前記記録制御装置から前記記録装置に送信する送信工程と、
    前記送信工程において送信された前記記録データと前記合計の記録量に関する情報とを前記記録装置において受信する受信工程と、
    前記受信工程において受信された前記合計の記録量に関する情報に基づいて、前記複数の記録手段を同時に駆動するときに必要な電力量が所定の電力量を超えないように記録動作を制御する制御工程と、
    を有することを特徴とする記録制御方法。
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